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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169076
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】処理液投入装置及び洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/02 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
D06F39/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086265
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100176658
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】今西 佑太
(72)【発明者】
【氏名】松田 喜彦
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA11
3B166AE01
3B166AE02
3B166AE07
3B166BA57
3B166CA01
3B166CA11
3B166CB01
3B166CB11
3B166FA01
3B166FA04
3B166FA06
3B166FA12
3B166FB01
3B166FB02
3B166FB05
3B166FB09
3B166HA11
(57)【要約】
【課題】処理液の流路において上から下に処理液を落下させる領域があったとしても落下後に処理液の流れが阻害されにくい処理液投入装置及び上記処理液投入装置を備えた洗濯機を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る処理液投入装置は、液剤収容部と、前記液剤収容部に収容された液剤を水とともに処理液として洗濯槽に供給する供給機構と、を備え、前記供給機構は、前記処理液を流す流路と、整流部と、を有しており、前記流路は、上から下に向けて前記流路を流れる前記処理液が落下する落下領域を有しており、前記流路は、前記落下領域の下流において前記流路が絞られている部分を有し、前記整流部は、前記落下領域において前記処理液の落下地点に配置されており、前記整流部は、並列に配置された複数の整流板を有する。
【選択図】図23
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液剤収容部と、
前記液剤収容部に収容された液剤を水とともに処理液として洗濯槽に供給する供給機構と、
を備え、
前記供給機構は、
前記処理液を流す流路と、
整流部と、
を有しており、
前記流路は、前記流路を流れる前記処理液が落下する落下領域を有しており、
前記整流部は、前記落下領域において前記処理液の落下地点に配置されており、
前記整流部は、並列に配置された複数の整流板を有する、
処理液投入装置。
【請求項2】
前記供給機構は、前記液剤収容部を収容する収容空間が形成されているハウジングを有し、
前記ハウジングは、
底壁と、
前記底壁に対向する天壁と、
前記底壁と前記天壁を繋いでいる後壁と、
前記底壁、前記天壁及び前記後壁を繋いでいる第1側壁と、
前記底壁、前記天壁及び前記後壁を繋いでおり前記第1側壁と対向している第2側壁と、
を有し、
前記底壁、前記天壁、前記後壁、前記第1側壁及び前記第2側壁によって前記収容空間が形成されており、
前記底壁には前記処理液を前記洗濯槽に投入するための投入口が形成されており、
前記流路は、
前記天壁に形成された上部流路と、
前記液剤収容部の下面と前記底壁の間の空間によって構成される下部流路と、
を有し、
前記天壁には、前記上部流路を流れる前記処理液を、前記底壁に落下させることによって前記下部流路に流すための孔部が形成されており、
前記整流部は、前記底壁において前記孔部の下方に配置されている、
請求項1に記載の処理液投入装置。
【請求項3】
前記孔部は、前記天壁において前記後壁寄りに形成されており、
前記下面において前記後壁寄りの部分と前記底壁との間の長さは、前記後壁と前記液剤収容部との間の長さより短い、
請求項2に記載の処理液投入装置。
【請求項4】
洗濯槽と、
請求項1~3の何れか1項に記載の処理液投入装置と、
を備える、洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、処理液投入装置及び洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、処理液投入装置を備えた洗濯機が販売されている。上記処理液投入装置の例は、特許文献1に開示された装置である。特許文献1に開示された装置では、液体貯蔵ボックスに溜められた洗剤(液剤)を、負圧パイプを利用して吸引し、水と混合して処理液として洗濯槽に供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2020/113954号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の処理液投入装置では、液体貯蔵ボックスを収容するハウジングの天壁上面に流路が形成されている。通常、処理液投入装置は洗濯槽の上方に配置されているため、洗濯槽に処理液を投入するためには、天壁上面の流路に流れる処理液は、下側の流路に流される必要がある。天壁上面の処理液を下側の流路に流す方法として、例えば、処理液をハウジング内において落下させることが考えられる。この場合、処理液の落下地点での跳ね返りによって処理液は泡立ち易い。処理液の泡立ち状態によっては処理液の流れが阻害されるおそれがある。
【0005】
本開示は、処理液の流路において上から下に処理液を落下させる領域があったとしても落下後に処理液の流れが阻害されにくい処理液投入装置及び上記処理液投入装置を備えた洗濯機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面に係る処理液投入装置は、液剤収容部と、上記液剤収容部に収容された液剤を水とともに処理液として洗濯槽に供給する供給機構と、を備え、上記供給機構は、 上記処理液を流す流路と、整流部と、を有しており、上記流路は、上記流路を流れる上記処理液が落下する落下領域を有しており、上記整流部は、上記落下領域において上記処理液の落下地点に配置されており、上記整流部は、並列に配置された複数の整流板を有する。
【0007】
上記処理液投入装置では、処理液を流す流路が上記落下領域を有する。処理液の落下地点には上記整流部が配置されている。整流部は、並列に配置された複数の整流板によって構成されているので、処理液は、隣接する整流板の間に落下する。この構成では、整流部を設けない場合に比べて、処理液が落下した場合の跳ね返りが抑制されるので、処理液が泡立ちにくい。そのため、処理液が落下領域において落下した後も、処理液の流れが阻害されにくい。
【0008】
上記供給機構は、上記液剤収容部を収容する収容空間が形成されているハウジングを有し、上記ハウジングは、底壁と、上記底壁に対向する天壁と、上記底壁と上記天壁を繋いでいる後壁と、上記底壁、上記天壁及び上記後壁を繋いでいる第1側壁と、上記底壁、上記天壁及び上記後壁を繋いでおり上記第1側壁と対向している第2側壁と、を有し、上記底壁、上記天壁、上記後壁、上記第1側壁及び上記第2側壁によって上記収容空間が形成されており、上記底壁には上記処理液を上記洗濯槽に投入するための投入口が形成されており、上記流路は、上記天壁に形成された上部流路と、上記液剤収容部の下面と上記底壁の間の空間によって構成される下部流路と、を有し、上記天壁には、上記上部流路を流れる上記処理液を、上記底壁に落下させることによって上記下部流路に流すための孔部が形成されており、 上記整流部は、上記底壁において上記孔部の下方に配置されていてもよい。
【0009】
上記構成では、天壁に形成されたた上部流路を流れる処理液は、上記孔部を通して底壁に落下する。整流部は上記孔部の下方に配置されているので、孔部を通った処理液は整流部に落下する。この場合、前述したように、落下による泡立ちが抑制されるので、上記下部流路から投入口までの処理液の流れが阻害されにくい。
【0010】
上記孔部は、上記天壁において上記後壁寄りに形成されており、上記下面において上記後壁寄りの部分と上記底壁との間の長さは、上記後壁と上記液剤収容部との間の長さより短くてもよい。
【0011】
上記のように孔部が上記天壁において上記後壁寄り形成されている場合、整流部も後壁寄りに配置されている。下面において後壁寄りの部分と底壁との間の長さが、後壁と液剤収容部との間の長さより短い場合、下部流路の入り口側(上流側)の流路断面積が狭い。このように下部流路の入り口近傍の流路断面積が狭い場合であっても、整流部を備える処理液投入装置では、孔部から処理液が落下した場合の泡立ちを抑制できるので、下部流路への処理液の流れが阻害されにくい。
【0012】
本開示の他の側面に係る洗濯機は、洗濯槽と、上記処理液投入装置とを備える。上記洗濯機は上記処理液投入装置を備える。上記処理液投入装置では、流路内において処理液を上から下に落下させた場合でも、処理液の流れが阻害されにくい。そのため、洗濯槽に処理液を適切に投入できる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、処理液の流路において上から下に処理液を落下させる領域があったとしても落下後に処理液の流れが阻害されにくい処理液投入装置及び上記処理液投入装置を備えた洗濯機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、一実施形態に係る洗濯機の側面図である。
図2図2は、図1に示した洗濯機の斜視図である。
図3図3は、図2に示した洗濯機において、第2液剤収容部を供給機構から引き出した状態を示した図面である。
図4図4は、処理液投入装置の概略構成を示す図面である。
図5図5は、処理液投入装置によって水を洗濯槽に供給する場合における一工程の例を説明するための模式図である。
図6図6は、処理液投入装置によって第1液剤収容部から第1液剤を取り出す工程の例を説明するための模式図である。
図7図7は、図6に示した工程で取り出した第1液剤を投入する工程の例を説明するための模式図である。
図8図8は、処理液投入装置によって第2液剤収容部から第2液剤を取り出す工程の例を説明するための模式図である。
図9図9は、図8に示した工程で取り出した第2液剤を投入する工程の例を説明するための模式図である。
図10図10は、一実施形態に係る処理液投入装置の斜視図である。
図11図11は、一実施形態に係る第1液剤収容部(液剤収容部)の斜視図である。
図12図12は、一実施形態に係る第2液剤収容部(液剤収容部)の斜視図である。
図13図13は、カバー部材が取り外された状態の液剤収容部の斜視図である。
図14図14は、カバー部材が取り外された状態の液剤収容部の分解斜視図である。
図15図15は、図10に示した液剤収容部が備える供給機構の斜視図である。
図16図16は、図15に示した供給機構が備える給水部の斜視図である。
図17図17は、図16のXVII―XVII線に沿った断面斜視図である。
図18図18は、図15に示した供給機構が備える負圧発生部の斜視図である。
図19図19は、図18におけるXIX-XIX線の断面図である。
図20図20は、図18におけるXX―XX線の断面斜視図である。
図21図21は、図18におけるXXI―XXI線の断面図である。
図22図22は、図15に示した供給機構が備えるハウジングの斜視図である。
図23図23は、天壁が取り外された状態のハウジングの斜視図である。
図24図24は、底壁の構成を説明するための図面である。
図25図25は、第1液剤収容部が備える弁と、ハウジングにおいて第1液剤収容部に連結される第1液剤取出流路に設けられる弁と配置関係を説明するための図面である。
図26図26は、図22に示したハウジングの分解斜視図である。
図27図27は、天壁の上面に形成された流路を説明するための図面である。
図28図28は、後壁の背面に形成された流路を説明するための図面である。
図29図29は、天壁を下面側からみた場合の斜視図である。
図30図30は、天壁から底壁に向けて落下した液体の流れを説明するための図面である。
図31図31は、処理液投入装置の変形例の概略構成を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態を説明する。同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0016】
図1は、一実施形態に係る洗濯機の側面図である。図2は、図1に示した洗濯機の斜視図である。以下では、図1に示した互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向を洗濯機1の説明に使用する場合もある。X方向、Y方向及びZ方向は、図1に示した洗濯機1の設置状態における前後方向、左右方向及び高さ方向(又は上下方向若しくは鉛直方向)に対応する。以下の説明では、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」等の方向を示す用語は、図1及び図2に示した洗濯機1の設置状態に基づいた用語である。
【0017】
洗濯機1の概略構成を説明する。図1及び図2に示した洗濯機1は縦型洗濯機である。洗濯機1は筐体2を備える。筐体2は、洗濯機1の外郭を構成する。筐体2は例えば金属製である。筐体2は、上面及び下面が開放された中空の胴体部2aを有する。胴体部2aの上面は上面板2bで覆われており、胴体部2aの下面には脚台2cが取り付けられている。Z方向からみた場合において、胴体部2aの形状は方形(矩形又は正方形)である。
【0018】
上面板2bには、洗濯物の投入口が形成されている。投入口は、上蓋3によって覆われている。上蓋3は、上面板2bに開閉自在に取り付けられている。上面板2bの前部には、操作パネル部4が設けられている。操作パネル部4には、洗濯機1を操作するための複数のボタンなどが配置されている。操作パネル部4は、洗濯機1が備えており洗濯機1を制御する制御部に電気的に接続されている。制御部は、操作パネル部4によって入力されるユーザの指示に応じて洗濯機1を制御する。
【0019】
図1に示したように、筐体2内には、外槽5a及び内槽(洗濯槽)5bが収容されている。
【0020】
外槽5aは有底円筒状を呈する。外槽5aは例えば樹脂製の槽である。外槽5aは、防振装置を有する複数(例えば4本)の吊棒によって筐体2から弾性的に吊り下げられている。外槽5aは、筐体2内に設けられた給水路を通して外槽5aに洗濯用の処理液が供給されるとともに、筐体2内に設けられた排水路を通して外槽5aから上記処理液を排出可能に構成されている。本明細書において、「処理液」は、洗濯物の洗い工程及びすすぎ工程等の各工程に応じた液体を意味する。したがって、洗い工程では、処理液は洗剤を含む液体でよいし、すすぎ工程では、処理液は水または柔軟剤を含む液体でよい。以下では、説明の便宜上、流路に流れる液体を、第1液剤、第2液剤及び水と具体的に称す場合と、処理液としてまとめて記載する場合もある。
【0021】
内槽5bは有底円筒状を呈する。内槽5bは、外槽5aより小さく、外槽5aの内側に外槽5aと同軸で配置されている。内槽5bは、Z方向に延びる回転軸を中心に回転可能に外槽5aの内側に配置されている。内槽5bは例えば金属製の槽である。内槽5bは、内槽5b内に投入された洗濯物を洗濯又は脱水するための槽である。内槽5bの内周面には複数の貫通孔が形成されている。これによって、外槽5aと内槽5bとの間で洗濯液が行き来できる。内槽5bの底部には、回転翼(パルセータ)6が回転可能に配置されている。
【0022】
上記内槽5b及び回転翼6を回転駆動するために、筐体2内には駆動ユニット7も収容されている。駆動ユニット7は外槽5aの下部に配置されている。駆動ユニット7は、内槽5b及び回転翼6を駆動する動力(トルク)を発生させる。駆動ユニット7は、上記動力によって、内槽5b及び回転翼6を回転させる。たとえば、駆動ユニット7は、洗い工程及びすすぎ工程では、上記動力を回転翼6のみに伝達して回転翼6のみを回転させ、脱水工程では、上記動力を回転翼6及び内槽5bに伝達して回転翼6及び内槽5bを一体的に回転させる。
【0023】
洗濯機1は、内槽5bに液剤を投入するための処理液投入装置10を備える。
【0024】
処理液投入装置10は、図2に示したように上蓋3が開いた状態において処理液投入装置10の正面部が露出するように、筐体2内の後方上部に組み込まれている。処理液投入装置10は、内槽5bに向けて液剤を投入するための投入口が内槽5b上に位置するように配置されている。これにより、上記投入口から液剤を内槽5bに投入可能である。処理液投入装置10は、第1液剤収容部20A、第2液剤収容部20B及び供給機構30を備える。
【0025】
第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bは液剤を収容する。液剤の例は、液体洗剤、柔軟剤等である。第1液剤収容部20Aと第2液剤収容部20Bは異なる液剤を収容する。第1液剤収容部20Aが収容する液剤を第1液剤と称し、第2液剤収容部20Bが収容する液剤を第2液剤と称す。断らない限り、第1液剤は液体洗剤であり、第2液剤は柔軟剤である。
【0026】
第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bは、供給機構30が有するハウジング(筐体)40に収容されている。第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bは、ハウジング40に対してスライド可能である。換言すれば、ハウジング40は、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bをスライド可能に収容する収容空間を有する。
【0027】
図3に示したように、第2液剤収容部20Bをハウジング40から引き出すことによって、第2液剤収容部20Bに第2液剤を補充できる。図3は、図2に示した洗濯機1において、第2液剤収容部20Bを供給機構30から引き出した状態を示した図面である。図3を利用して第2液剤収容部20Bの場合を説明したが、第1液剤収容部20Aを引き出すことによって、第1液剤収容部20Aに第1液剤を補充できる。
【0028】
処理液投入装置10では、ハウジング40から第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bを取り外すことも可能である。すなわち、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bは、ハウジング40に着脱自在に取り付けられている。
【0029】
図4を利用して、処理液投入装置10の概略構成を説明する。図4は、処理液投入装置10の概略構成を示す図面である。図4は、処理液投入装置10における処理液(第1液剤若しくは第2液剤を含む水、又は水(液剤を含まない水))の流路に着目した図面であり、処理液投入装置10の配管図に対応する。
【0030】
処理液投入装置10は、給水流路11、第1主流路12A、第2主流路12Bおよび投入流路13を有する。給水流路11、第1主流路12A、第2主流路12Bおよび投入流路13は、給水口11aから投入口13aに処理液を流す流路である。
【0031】
給水流路11の給水口11aは、洗濯機1のホース取付部にホースなどを介して接続される。ホース取付部は更にホースなどによって水道栓に接続される。よって、給水口11aには、水道栓からの水が流入するので、給水流路11には、水(処理液)が流れ込む。給水口11aから給水流路11に流入した水は、第1主流路12Aおよび第2主流路12Bを通って投入流路13に流れた後、投入流路13の投入口13aから内槽5bに投入される。以下の説明において「上流」及び「下流」は、給水口11aから投入口13aに向けた処理液の流れ方向に対する用語である。
【0032】
処理液投入装置10は、給水流路11から第1主流路12A及び第2主流路12Bへの処理液の流入を制御する給水弁V1a及び給水弁V1bを備える。
【0033】
給水弁V1a及び給水弁V1bが両方とも開いた状態では、給水流路11から第1主流路12A及び第2主流路12Bの両方に水が流入する。給水弁V1aが開いており且つ給水弁V1bが閉じた状態では、給水流路11から第1主流路12Aに水が流入する一方、第2主流路12Bへの水の流入が遮断される。逆に、給水弁V1aが閉じており且つ給水弁V1bが開いている状態では、給水流路11から第2主流路12Bに水が流入する一方、第1主流路12Aへの水の流入が遮断される。給水弁V1a,V1bが両方とも閉じられた状態では、給水流路11から第1主流路12A及び第2主流路12Bの両方への水の流入が遮断される。本実施形態において、給水弁(第1弁)V1a及び給水弁(第2弁)V1bは電磁弁である。第1弁及び第2弁としての給水弁は電磁弁に限定されない。
【0034】
処理液投入装置10は、第1主流路12A及び第2主流路12Bに流れている処理液の投入流路13への流入を切り替える流路切替ユニットU1を備える。流路切替ユニットU1は、第1主流路12Aから処理液を投入流路13に流す場合、第2主流路12Bから処理液を投入流路13に流す場合及び第1主流路12A及び第2主流路12Bの両方から処理液を投入流路13に流す場合を切り換えるための部分である。
【0035】
図4に示したように流路切替ユニットU1の一例は、第1主流路12Aに設けられ逆止弁(第7弁)V2aと、第2主流路12Bに設けられた逆止弁(第8弁)V2bを有する。逆止弁V2aは、給水弁V1aが開かれることによって、第1主流路12Aに上流から下流に向けた処理液の流れが生じている場合、第1主流路12Aから投入流路13に処理液を流す。逆止弁V2bは、給水弁V1bが開かれることによって、第2主流路12Bに上流から下流に向けた処理液の流れが生じている場合、第2主流路12Bから投入流路13に処理液を流す。第7弁及び第8弁として、逆止弁を例示したが、第7弁及び第8弁は、逆止弁と同じ機能を実現できれば、弁の種類などは限定されない。
【0036】
第1主流路12Aには、第1液剤取出流路14Aが接続されている。ハウジング40に第1液剤収容部20Aが装着された場合、第1液剤収容部20Aは、第1液剤収容部20Aから第1液剤を取り出せるように第1液剤取出流路14Aに接続される。これによって、ハウジング40に第1液剤収容部20Aが収容された状態では、第1液剤収容部20Aは、第1液剤取出流路14Aを介して第1主流路12Aに接続される。
【0037】
第1液剤取出流路14Aには、第1液剤収容部20Aへの第1主流路12A内の水などの処理液の逆流の防止、第1液剤収容部20Aが取りはずされた場合に、第1主流路12A内の処理液の漏出の防止などのために、逆止弁(第5弁)V3aが配置されている。第5弁として逆止弁を例示したが、第5弁は、上記逆止弁と同じ機能を実現可能であれば、弁の種類などは限定されない。
【0038】
第2主流路12Bには、第2液剤取出流路14Bが接続されている。ハウジング40に第2液剤収容部20Bが装着された場合、第2液剤収容部20Bは、第2液剤収容部20Bから第2液剤を取り出せるように第2液剤取出流路14Bに接続される。これによって、ハウジング40に第2液剤収容部20Bが収容された状態では、第2液剤収容部20Bは、第2液剤取出流路14Bを介して第2主流路12Bに接続される。
【0039】
第2液剤取出流路14Bには、第2液剤収容部20Bへの第2主流路12B内の水などの処理液の逆流の防止、第2液剤収容部20Bが取りはずされた場合に、第2主流路12B内の処理液の漏出の防止などのために、第2液剤取出流路14Bには逆止弁(第6弁)V3bが配置されている。第6弁として逆止弁を例示したが、第6弁は、上記逆止弁と同じ機能を実現可能であれば、弁の種類などは限定されない。
【0040】
処理液投入装置10は、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bそれぞれから液剤を吸い出すために、負圧発生ユニットU2を備える。本実施形態において、負圧発生ユニットU2は、第1主流路12Aの一部に設けられた第1ベンチュリ部15Aと、第2主流路12Bの一部に設けられた第2ベンチュリ部15Bとを有する。第1ベンチュリ部15A及び第2ベンチュリ部15Bは、ベンチュリ効果によって負圧を発生させる。第1ベンチュリ部15Aは、第1主流路12Aにおいて、第1液剤取出流路14Aと第1主流路12Aの接続部より上流に配置されている。第2ベンチュリ部15Bは、第2主流路12Bにおいて、第2液剤取出流路14Bと第2主流路12Bとの接続部より上流に配置されている。
【0041】
第1ベンチュリ部15A及び第2ベンチュリ部15Bは、連結流路16で接続されている。連結流路16には、流量計17が設けられている。流量計17の結果は、洗濯機1を制御する制御部によって解析されてよい。
【0042】
処理液投入装置10において、第1主流路12A及び第2主流路12Bと、投入流路13とは、負圧発生ユニットU2を迂回するバイパス流路18で接続されている。バイパス流路18の上流側は2つに分岐しており、第1主流路12A及び第2主流路12Bに接続されている。バイパス流路18において第1主流路12A及び第2主流路12Bそれぞれとの接続部は、負圧発生ユニットU2より上流に位置している。バイパス流路18において第1主流路12Aとバイパス流路18との接続部寄りに、第1主流路12Aからバイパス流路18への処理液の流れを制御するリリーフ弁(第3弁)V4aが配置されている。バイパス流路18において第2主流路12Bとバイパス流路18との接続部寄りに、第2主流路12Bからバイパス流路18への処理液の流れを制御するリリーフ弁(第4弁)V4bが配置されている。第3弁及び第4弁としてリリーフ弁を例示したが、第3弁及び第4弁は、上記リリーフ弁と同様機能を実現できるのであれば、弁の種類などは限定されない。
【0043】
ここで、処理液投入装置10を用いた液剤投入方法の概略を説明する。第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bがハウジング40に設置されており、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bが第1液剤取出流路14A及び第2液剤取出流路14Bに接続されている状態及び給水口11aに水道栓からの水が流入可能な状態に基づいて、上記液剤投入方法の概略を説明する。
【0044】
まず、給水弁V1a,V1bを開く。これにより、図5に示したように、第1主流路12A及び第2主流路12Bに水(処理液)が流入する。この際、第1主流路12A及び第2主流路12B内の圧力(水圧)が実質的に同じであるように、給水弁V1a,V1bを開く。第1主流路12A及び第2主流路12Bに流れる水の圧力によって、逆止弁V2a,V2b及びリリーフ弁V4a,V4bが開く。これによって、負圧発生ユニットU2及び流路切替ユニットU1を通る経路によって第1主流路12A及び第2主流路12Bの両方から水が投入流路13に流入するとともに、バイパス流路18を通る経路によって水が投入流路13に流入する。このようにして投入流路13に流入した水が内槽5bに供給される(通水工程)。図5は、通水工程における水の流れを示す模式図である。図5では水の流れを矢印で模式的に示している。
【0045】
上記通水工程では、連結流路16にも水が流入する。したがって、連結流路16内も水で満たされる。通水工程では、逆止弁V3a,V3bは閉じた状態が維持されている。よって、水は、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bには流入しない。
【0046】
上記のようにして内槽5bに一定量の水を供給した後、給水弁V1a,V1bを閉じる。これにより、第1主流路12A、第2主流路12B及び連結流路16内に水が充填された状態が維持される(充填工程)。
【0047】
上記充填工程を実施した後、第1液剤を投入する場合は、第1液剤取出工程と、第1液剤投入工程を実施し、第2液剤を投入する場合は、第2液剤取出工程と、第2液剤投入工程を実施する。
【0048】
まず、第1液剤を投入する場合を説明する。図6は、第1液剤取出工程における水及び第1液剤の流れを示す模式図である。図7は、第1液剤投入工程における水及び第1液剤の流れを示す模式図である。図6及び図7では水の流れを実線の矢印で示しており、第1液剤の流れを破線の矢印で示している。
【0049】
第1液剤取出工程では給水弁V1bのみを開く。この場合、図6に示したように、給水流路11から第2主流路12Bに水が流入する一方、給水流路11から第1主流路12Aに水は流入しない。このような水の流れでは、逆止弁V2b及びリリーフ弁V4bが開くが、逆止弁V2a及びリリーフ弁V4aは閉じている。その結果、給水流路11から第2主流路12Bを経由した投入流路13に向けた水の流れと、給水流路11から第2主流路12B及びバイパス流路18を経由した投入流路13に向けた水の流れが生じる。
【0050】
第2主流路12Bに配置された第2ベンチュリ部15B内に生じる負圧によって、第1主流路12A及び連結流路16内の水は、連結流路16及び第2ベンチュリ部15Bを通して第2主流路12Bに流れる。このように、第1主流路12Aから第2主流路12Bへの水の流れが生じることによって、逆止弁V3aに第1ベンチュリ部15Aに向けた圧力が作用することで、逆止弁V3aが開く。その結果、第1液剤収容部20A内の第1液剤が第1液剤取出流路14Aに吸い込まれるので、第1液剤が第1主流路12Aに向けて取り出される。この際、第1主流路12Aにおいて、取り出した第1液剤を一時的に貯留する第1貯留領域を満たすように第1液剤を取り出す。第1貯留領域に保管された第1液剤が、後述するように内槽5bに投入される第1液剤である。
【0051】
第1液剤取出工程において、連結流路16に設けられた流量計17で連結流路16を流れている水量を計測し、計測値が、所定水量に達した場合、所望の第1液剤が取り出されたと判定する。上記所定水量は、上記充填工程で第1主流路12Aに充填された水のうち、上記第1液剤の吸い出し量(第1貯留領域を満たすまでの量)に対応する水の量である。第1液剤の吸い出し量は、第1液剤が流量計17まで流れないように設定されている。
【0052】
この段階で、給水弁V1aを開くことによって第1液剤投入工程が実施される。給水弁V1aを開くことによって、通水工程の場合と同様にして、第1主流路12A及び第2主流路12Bに水が流れる。その結果、図7において実線及び破線の矢印で示したように、上記第1貯留領域内の第1液剤が水とともに内槽5bに投入される。第1液剤投入工程ででも通水工程の場合と同様に、バイパス流路18を介しても水が投入流路13に流入する。
【0053】
第1液剤が投入された後に一定量の水を流し続けることで、第1主流路12Aなどに残っていた第1液剤も押し流されて、水と一緒に内槽5bに投入される。換言すれば、第1主流路12Aなどにおいて通水工程と同様に水が流れる部分が洗浄される(洗浄工程)。ここでは、説明の便宜上、第1液剤投入工程と洗浄工程を分けて説明したが、第1液剤投入工程と洗浄工程は一つの工程でもよい。
【0054】
上記洗浄工程により、例えば、第1液剤を内槽5bに投入した後に、第2液剤収容部20B内の第2液剤を投入する場合に、第1液剤が処理液に混入することが防止される。上記洗浄工程は、第1液剤を内槽5bに投入した後に第2液剤を投入する場合において、第2液剤に対しての上記通水工程に対応する。
【0055】
次に、第2液剤を投入する場合を説明する。図8は、第2液剤取出工程における水及び第2液剤の流れを示す模式図である。図9は、第2液剤投入工程における水及び第2液剤の流れを示す模式図である。図8及び図9では水の流れを実線の矢印で示しており、第1液剤の流れを破線の矢印で示している。
【0056】
第2液剤取出工程では、充填工程の後、給水弁V1aのみを開く。この場合、図8に示したように、給水流路11から第2主流路12Bに水が流入する一方、給水流路11から第1主流路12Aに水は流入しない。この場合、逆止弁V2a及びリリーフ弁V4aが開くが、逆止弁V2b及びリリーフ弁V4bは閉じている。その結果、給水流路11から第1主流路12Aを経由した投入流路13に向けた処理液の流れと、給水流路11から第1主流路12A及びバイパス流路18を経由した投入流路13に向けた水の流れが生じる。
【0057】
この場合、第1主流路12Aに配置された第1ベンチュリ部15A内に生じる負圧によって、第2主流路12B及び連結流路16内の水は、連結流路16及び第1ベンチュリ部15Aを通して第1主流路12Aに流れる。このように、第2主流路12Bから第1主流路12Aへの水の流れが生じることによって、逆止弁V3bに第2ベンチュリ部15Bに向けた圧力が作用することで、逆止弁V3bが開く。その結果、第2液剤収容部20B内の第2液剤が第2液剤取出流路14Bに吸い込まれるので、第2液剤が第2主流路12Bに向けて取り出される。この際、第2主流路12Bにおいて、取り出した第2液剤を一時的に貯留する第2貯留領域を満たすように第2液剤を取り出す。第2貯留領域に貯留された第2液剤が、後述するように内槽5bに投入される第2液剤である。
【0058】
第2液剤取出工程において、連結流路16に設けられた流量計17で連結流路16を流れている水量を計測し、計測値が、所定水量に達した場合、所望の第2液剤が取り出されたと判定する。上記所定水量は、上記充填工程で第2主流路12Bに充填された水のうち、上記第2液剤の吸い出し量(第1貯留領域を満たすまでの量)に対応する水の量である。第2液剤の吸い出し量は、第2液剤が流量計17まで流れないように設定されている。
【0059】
この段階で、給水弁V1bを開く。これにより、通水工程の場合と同様にして、第1主流路12A及び第2主流路12Bに水が流れ、図9に実線及び破線の矢印で示したように、第2液剤取出流路14Bから第2ベンチュリ部15Bまでの間に溜まっていた第2液剤が水とともに内槽5bに投入される。
【0060】
第2液剤が投入された後に一定量の水を流し続けることで、第2主流路12Bなどに残っていた第2液剤も押し流されて、水と一緒に内槽5bに投入される。換言すれば、第2主流路12Bなどにおいて通水工程と同様に水が流れる部分が洗浄される(洗浄工程)。ここでは、説明の便宜上、第2液剤投入工程と洗浄工程を分けて説明したが、第2液剤投入工程と洗浄工程は一つの工程でもよい。
【0061】
上記液剤投入方法における供給機構30の制御は、洗濯機1を制御する制御部が実施してもよいし、供給機構30が供給機構30の各機器(給水弁V1a,V1b等)を制御するための制御部を有してもよい。
【0062】
次に、処理液投入装置10の構成の一例を具体的に説明する。図10は、処理液投入装置10の斜視図である。図10に示したように、処理液投入装置10は、2つの液剤収容部20及び供給機構30を備える。2つの液剤収容部20を区別して説明する場合、前述したように、2つの液剤収容部20の一方を「第1液剤収容部20A」と称し、他方を「第2液剤収容部20B」と称する。第1液剤収容部20Aは第1液剤を収容し、第2液剤収容部20Bは、第1液剤とは異なる第2液剤を収容する。
【0063】
[液剤収容部]
図11は、2つの液剤収容部20のうちの一方の斜視図である。具体的には、図11は、第1液剤収容部20Aの斜視図である。図12は、2つの液剤収容部20のうちの他方の斜視図である。具体的には、図12は、第2液剤収容部20Bの斜視図である。図13は、カバー22が取り外された状態の液剤収容部20の斜視図である。図14は、カバー22が取り外された状態の液剤収容部20の分解斜視図である。図13及び図14は、液剤収容部20が第2液剤収容部20Bである場合の図面である。
【0064】
液剤収容部20は、液剤タンク(液剤容器)21を有する。液剤タンク21は、液剤を溜める容器である。液剤タンク21の上面(又は上部)は開放されている。図13に示したように、液剤タンク21は、底壁211と、底壁211の周囲を囲むように設けられた前壁212、左側壁213、右側壁214及び後壁215を有する。前壁212、左側壁213、右側壁214及び後壁215は、底壁211の周縁部から湾曲部を介して垂直に立ち上がっていてもよい。液剤タンク21の材料の例は、樹脂である。上記樹脂の例は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどである。液剤タンク21が樹脂製タンクである場合、液剤タンク21は、たとえば、樹脂によって一体成型される。
【0065】
上記構成の液剤タンク21は、上面が開放された箱状を呈する。図11及び図12に示したように、液剤タンク21の上面はカバー22で閉じられている。本実施形態において、カバー22は、液剤タンク21に着脱自在である。カバー22のうち前壁212寄りには、液剤を液剤タンク21に投入するための液剤注入口が形成されている。一実施形態において、液剤注入口は蓋23で塞がれている。蓋23は、液剤注入口を開閉自在にカバー22に取り付けられていてよい。ユーザは、蓋23を開けることによって液剤を液剤タンク21に投入できる。
【0066】
前壁212の外表面には正面扉24が取り付けられてよい。正面扉24には、例えば透明な部材で形成された液量窓241が備えられている。ユーザは、液量窓241を通じて、液剤タンク21に溜まっている液剤の量を確認することができる。図12図14に示した形態では、正面扉24における左寄りに、液量窓241が設けられている。図12図14は、液剤収容部20として第2液剤収容部20Bを図示していることから、第1液剤収容部20Aの場合、正面扉24における右寄りに、液量窓241が設けられる。
【0067】
液剤収容部20の形態としては、正面扉24を省略して、前壁212によって液剤収容部20の正面形状が形成されたものとしてもよい。
【0068】
図13及び図14に示したように、液剤タンク21内には、液剤取出部25と異物除去部26が設けられている。
【0069】
液剤取出部25は、液剤タンク21内の液剤を供給機構30に流すための液剤案内流路251を有する。液剤取出部25は後壁215に接続されており、液剤案内流路251は、後壁215を貫通している。液剤案内流路251は、後壁215から前方に延びている第1部分251aと、第1部分251aの先端から底壁211に向けて下がっている第2部分251bとを有する。第1部分251aは、例えば、液剤収容部20がハウジング40に設定された状態で、水平方向に沿っている。第2部分251bの下端が液剤の吸い込み口である。本実施形態では、第1部分251aには、逆止弁V5が設けられている。逆止弁V5は、液剤収容部20がハウジング40から取り外された場合に、液剤収容部20内の液剤が液剤案内流路251から漏れることを防止するための弁である。
【0070】
異物除去部26は、液剤案内流路251が異物を吸い込まないように異物を除去する部分である。異物の例は、糸屑、人毛などである。本実施形態では、異物除去部26は、液剤取出部25を囲むように底壁211に取り付けられている。図13及び図14に示した形態に基づいて異物除去部26の一例を説明する。
【0071】
異物除去部26は、扁平なフィルタ部261と、カバー部材262とを有する。フィルタ部261は、異物を除去する部分である。換言すれば、フィルタ部261は液剤をろ過する。カバー部材262は、フィルタ部261に一体に設けられている。カバー部材262は、液剤取出部25を覆う。カバー部材262の形状は、たとえば、図13及び図14に示したように、半円筒状である。異物除去部26は、カバー部材262で液剤取出部25を覆うように液剤取出部25に嵌められている。異物除去部26は、フィルタ部261が底壁211に取り付けられることによって液剤タンク21に固定されている。このような構成では、フィルタ部261によって異物が除去された液剤が、異物除去部26の内側に配置された液剤取出部25内の液剤案内流路251に流入する。
【0072】
[供給機構]
図15は、供給機構30の斜視図である。供給機構30は、給水部31と、負圧発生部32と、ハウジング40とを有する。本実施形態において、給水部31と負圧発生部32は連結管33によって接続されている。負圧発生部32はハウジング40にネジ止めされている。
【0073】
[給水部]
給水部31は、水道栓からの水を、負圧発生部32及びハウジング40に供給する部分である。図16は給水部31の斜視図である。図17は、図16のXVII―XVII線に沿った断面斜視図である。給水部31において各流路を構成する壁部などは例えば樹脂製であり、樹脂の例は、液剤タンク21の場合と同様である。
【0074】
給水部31は、給水管部311と、第1管部312と、第2管部313とを有する。図16及び図17に示した形態では、給水管部311は、X方向に延びており、第1管部312と第2管部313は、Y方向に延びている。給水部31内には、給水管部311、第1管部312及び第2管部313を接続する内部空間S1が形成されている。これにより、給水管部311内を流れる水は、内部空間S1を通して第1管部312及び第2管部313に流れる。内部空間S1は、水を一時的に貯める貯留室としても機能する。
【0075】
給水部31には、給水弁V1a及び給水弁V1bが取り付けられている。これによって、給水部31を流れる水の第1管部312及び第2管部313への流入が制御される。図17は、給水弁V1a及び給水弁V1bが開いており、給水部31を流れる水が第1管部312及び第2管部313の両方に流れる場合を示している。第1管部312へ水を流さない場合、給水弁V1aによって、第1管部312の内部空間S1との接続端部が閉じられる。同様に、第2管部313へ水を長さない場合、給水弁V1bによって、第2管部313の内部空間S1との接続端部が閉じられる。
【0076】
給水管部311及び内部空間S1は、給水流路11を構成している。給水管部311の端部311aが給水口11aである。第1管部312は、第1主流路12Aの一部を構成しており、第2管部313は、第2主流路12Bの一部を構成している。
【0077】
給水部31は、図15に示したように、連結管33によって負圧発生部32に接続されている。具体的には、第1管部312が後述する第3管部321に連結管33によって接続されており、第2管部313が後述する第4管部322に連結管33によって接続されている。第1管部312と負圧発生部を接続する連結管33は、第1主流路12Aの一部を構成しており、第2管部313と負圧発生部を接続する連結管33は、第2主流路12Bの一部を構成している。連結管33は、例えば、ゴム製の管である。連結管33がゴム製の管であることによって、上面板2b(図1参照)への組み付けが容易である。
【0078】
[負圧発生部]
図18図21を利用して負圧発生部32を説明する。図18は、負圧発生部32の斜視図である。図19は、図18のXIX―XIX線に沿った断面図である。図20は、図18のXX-XX線に沿った断面斜視図である。図21は、図18のXXI―XXI線に沿った断面図である。
【0079】
負圧発生部32は、給水部31から流入する水をハウジング40に流すとともに、第1液剤収容部20Aから第1液剤を吸い出すための負圧及び第2液剤収容部20Bから第2液剤を吸い出すための負圧を発生させるための部分である。負圧発生部32は、第3管部321、第4管部322及び第5管部323を有する。
【0080】
第3管部321は、Y方向に沿っている。第3管部321は、連結管33によって第1管部312(図16参照)に接続される。これにより、第3管部321には、第1管部312からの水が流れる。第3管部321は、第1主流路12Aの一部を構成している。
【0081】
第3管部321には、図19に示したように、第1ベンチュリ部15Aが設けられている。第1ベンチュリ部15Aは、流路が部分的に絞られた絞り部151と、絞り部151と交差して繋がった分岐路152とを有する。絞り部151では流路断面積が、第3管部321内の水の流れ方向における絞り部151の上流及び下流の流路断面積より小さい。図19に示した形態では、絞り部151は、第3管部321の径を縮小することによって絞り部151が形成されているが、流路断面積が小ければ絞り部151の形成方法は限定されない。第1ベンチュリ部15Aでは、絞り部151に水が流れることによって分岐路152に負圧が発生する。絞り部151に流す水の速さは、ベンチュリ効果によって所望の負圧が発生するように調整されていればよい。上記構成の第3管部321の一部はベンチュリ管として機能する。第3管部321全体をベンチュリ管と称してもよい。
【0082】
第4管部322は、Y方向に沿っている。第4管部322は、連結管33によって第2管部313(図16参照)に接続される。これにより、第4管部322には、第2管部313からの水が流れる。第4管部322は、第2主流路12Bの一部を構成している。第4管部322には、第2ベンチュリ部15B(図19において不図示)が設けられている。第2ベンチュリ部15Bも第1ベンチュリ部15Aの場合と同様に絞り部151と分岐路152を有する。したがって、第4管部322の一部はベンチュリ管として機能する。第4管部322全体をベンチュリ管と称してもよい。
【0083】
第1ベンチュリ部15A及び第2ベンチュリ部15Bは、内部を処理液が流れることが可能な連結部324によって接続されている。連結部324は、図18及び図21に示したように、第1ベンチュリ部15Aの分岐路152に連通した第1部分324aと、第2ベンチュリ部15Bの分岐路152に連通した第2部分324bと、X方向に沿っており第1部分324a及び第2部分324bをつなぐ第3部分324cとを有する。第3部分324cは、第1部分324a及び第2部分324bの上端部を接続している。連結部324は、連結流路16として機能する。
【0084】
第3部分324cには、連結部324内を流れる水の流量を計測する流量計17が取り付けられている。流量計17は、図20及び図21に示したように、第3部分324c上に設けられた収容部325内に設置されていればよい。
【0085】
負圧発生部32には、図19及び図20に示したように、内部空間S2が形成されている。内部空間S2は、第3管部321及び第4管部322に繋がっている。内部空間S2は、第3管部321及び第4管部322の下側に配置されている。図19に基づいて、第3管部321と内部空間S2の接続関係を説明する。
【0086】
図19に示したように、第3管部321と内部空間S2は、第3管部321に形成された孔部321aによって繋がっている。孔部321aは、第3管部321において、第1ベンチュリ部15Aより上流に形成されている。内部空間S2内には、孔部321aの位置に孔部321aからの水の流入を制御するリリーフ弁V4aが配置されている。給水弁V1aが開くことで第3管部321に水が流れている状態でリリーフ弁V4aも開き、給水弁V1aが閉じることで第3管部321に水が流れていない状態でリリーフ弁V4aも閉じるように、リリーフ弁V4aは配置されている。リリーフ弁V4aが開いた状態では、第3管部321に流れる水は内部空間S2にも流入する。
【0087】
図19は、第3管部321と内部空間S2との接続関係を図示しているが、第4管部322と内部空間S2との接続関係も同じである。すなわち、第4管部322と内部空間S2は、第4管部322に形成された孔部によって繋がっている。孔部は、第4管部322において、第2ベンチュリ部15Bより上流に形成されている。内部空間S2内には、第4管部322に形成された内部空間S2に通じる孔部の位置に孔部からの水の流入を制御するリリーフ弁V4bが配置されている。給水弁V1bが開くことで第4管部322に水が流れている状態でリリーフ弁4bも開き、給水弁V1bが閉じることで第4管部322に水が流れていない状態でリリーフ弁4bも閉じるように、リリーフ弁4bは配置されている。リリーフ弁4bが開いた状態では、第4管部322に流れる水は内部空間S2にも流入する。
【0088】
図18に示したように、第5管部323は、第3管部321(又は第4管部322)の下流端部寄りに配置されている。本実施形態では、第5管部323は、第3管部321と第4管部322の間に配置されている。図20に示したように、第5管部323は内部空間S2に繋がっている。よって、第3管部321及び第4管部322から内部空間S2に流入した水は第5管部323に流れる。内部空間S2及び第5管部323は、バイパス流路18の一部を構成している。上記内部空間S2は、第3管部321及び第4管部322から流入した水を一時的に貯める貯留室しても機能する。
【0089】
[ハウジング]
図22図30を利用してハウジング40の一例を説明する。図22は、ハウジング40の斜視図である。図23は、天壁45が取り外された状態のハウジング40の斜視図である。図24は、底壁41の構成を説明するための図面である。図25は、第1液剤収容部20Aが備える逆止弁V5と、ハウジング40が有する第6管部46(第1液剤取出流路)に設けられる逆止弁V3aとの配置関係を説明するための図面である。図26は、ハウジング40の分解斜視図である。図27は、天壁45の上面451に形成された流路を説明するための図面である。図28は、後壁44の背面441に形成された流路を説明するための図面である。図29は、天壁45を下面452側からみた場合の斜視図である。図30は、天壁45から底壁41に向けて落下した処理液の流れを説明するための図面である。
【0090】
ハウジング40は、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bを収容する。ハウジング40は、前方が開放された箱状を呈する。ハウジング40は、底壁41、左側壁42、右側壁43、後壁44及び天壁45を有する。左側壁42及び右側壁43のうちの一方を第1側壁と称した場合、他方を第2側壁と称すことができる。
【0091】
天壁45は底壁41とZ方向において対向する。後壁44は、底壁41と天壁45を繋いでいる。左側壁42は、X方向において右側壁43と対向する。左側壁42及び右側壁43は、底壁41、後壁44及び天壁45を繋いでいる。底壁41、左側壁42、右側壁43、後壁44及び天壁45によって、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bを収容する収容空間S3が形成されている。
【0092】
底壁41は、底壁本体411と支持板412を有する。後壁44、左側壁42及び右側壁43は、底壁本体411の前縁部以外の周囲を囲むように底壁本体411から連続的に立ち上がっている。図22図23及び図24に示されているように、支持板412は、底壁本体411の前側に配置されている。支持板412は、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bの前側部分を支持する。支持板412は、X方向における支持板412の両端部において底壁本体411と接続されている。
【0093】
図24に示したように、支持板412の両端部の間の部分と底壁本体411との間には開口413が形成されている。開口413が処理液を内槽5bに投入するための投入口13aである。支持板412の下部は、後方に向けて傾斜していてもよい。この場合、処理液は、開口413から後方に向けて投入される。開口413が形成されている領域において、X方向において離散的に配置された複数の連結片414で支持されていてもよい。
【0094】
後壁44から開口413に向けて処理液が流れるように、底壁本体411は、後壁44から前方に向けて下がっている。本実施形態において、底壁本体411は、後壁44から前方に向けて3段階でカスケード状に下がっている。
【0095】
具体的には、底壁本体411は、後壁44に繋がっている第1段部411aと、第1段部411aから下がった第2段部411bと、第2段部411bから更に下がった第3段部411cを有する。第2段部411bと第3段部411cの接続領域は、図24に示したように、液剤タンク21の後壁215と底壁211によって構成される角部に対向している。第3段部411cは、ハウジング40に第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bが収容された状態で、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bの下方に位置する。
【0096】
図23に示したように、底壁本体411には、処理液が流れる領域を規定する2つの流路規定部415が形成されていてよい。2つの流路規定部415のうちの一方は、左側壁42寄りに形成されており、他方は、右側壁43寄りに形成されている。一例において、流路規定部415は、開口413の中央部に向けて処理液を流すように形成される。これにより、開口413以外から処理液が漏れ出ることが抑制される。
【0097】
底壁本体411のY方向における両縁部には、液剤収容部20を支持する台部416が形成されていてよい。一例において、台部416は、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bをハウジング40内に収容する際のガイドとしても機能する。
【0098】
図22及び図23に示したように、左側壁42には、第1液剤収容部20Aをハウジング40内に収容する際に第1液剤収容部20Aをガイドするガイド部421が形成されていてよい。ガイド部421は第1液剤収容部20Aを支持する支持部としても機能する。
【0099】
右側壁43には、第2液剤収容部20Bをハウジング40内に収容する際に第2液剤収容部20Bをガイドするガイド部431が形成されていてよい。ガイド部431は第2液剤収容部20Bを支持する支持部としても機能する。図23では、ガイド部421及びガイド部431が、左側壁42及び右側壁43に形成された段部である形態を示している。
【0100】
図23に示したように、後壁44には、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bをハウジング40に装着した場合に、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bに連結される第6管部46及び第7管部47が配置されている。第6管部46及び第7管部47は、X方向に沿っている。第6管部46の前端461及び第7管部47の前端471は、ハウジング40内に位置している。
【0101】
第6管部46は、第1液剤取出流路14Aとして機能する。第6管部46内には、逆止弁V3aが配置されている。第7管部47は、第2液剤取出流路14Bとして機能する逆止弁V3bはX方向に沿って配置されている。第7管部47内には、逆止弁V3bが配置されている。逆止弁V3aはX方向に沿って配置されている。逆止弁V3a,V3bは、弁体とバネ(弾性部材)とを有するバネ式の弁でよい。
【0102】
第1液剤収容部20Aがハウジング40に設置された状態で、第1液剤収容部20Aが有する液剤案内流路251は第6管部46に連結される。第6管部46には、棒状部材48が取り付けられている。棒状部材48は、液剤収容部20がハウジング40に設置された際に、液剤案内流路251が有する第1部分251a内の逆止弁V5(図14及び図24参照)を前方に押し込む。これによって、逆止弁V5が開くので、第1液剤収容部20Aがハウジング40に設置された場合、第1液剤収容部20Aから第6管部46に向けて第1液剤が流入可能な状態が実現される。
【0103】
第2液剤収容部20Bがハウジング40に設置された状態で、第2液剤収容部20Bが有する液剤案内流路251は第7管部47に連結される。第7管部47には、棒状部材48が取り付けられている。棒状部材48は、第2液剤収容部20Bがハウジング40に設置された際に、逆止弁V5を前方に押し込む。これによって、逆止弁V5が開くので、第2液剤収容部20Bがハウジング40に設置された場合、第2液剤収容部20Bから第7管部47に向けて第2液剤が流入可能な状態が実現される。
【0104】
図25を利用して、第1液剤収容部20A内の逆止弁V5と、第6管部46内の逆止弁V3aの配置関係を説明する。図25では、逆止弁V5と逆止弁V3aとの配置関係を説明する観点から、逆止弁V3a,V5の近傍の構成要素を模式的に示している。
【0105】
本実施形態では、逆止弁V3a及び逆止弁V5はそれぞれX方向に沿って配置されている。よって、逆止弁V3a及び逆止弁V5は一方向に沿って配置されている。洗濯機1の設置状態において、X方向は水平方向に対応する。よって。逆止弁V3a及び逆止弁V5は、水平方向に沿って配置されている。
【0106】
図25を利用して第1液剤収容部20A内の逆止弁V5と、第6管部46内の逆止弁V3aの配置関係を説明したが、第2液剤収容部20B内の逆止弁V5と、第7管部47内の逆止弁V3bの配置関係も同様である。すなわち、逆止弁V3b及び対応する逆止弁V5は一方向に沿って配置されている。
【0107】
ハウジング40には、負圧発生部32、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bからの処理液を開口413まで流すための流路が形成されている。この流路を説明する。
【0108】
図22及び図26に示したように、天壁45には上面流路部50が配置されている。上面流路部50は、天壁45の上面451の一部に設けられている。上面流路部50は、箱状を呈する。上面流路部50は、上面451の所定領域を囲む周壁51と周壁51に取り付けられている蓋52を有する。図26及び図27に示したように、上面流路部50内は仕切壁53によって仕切られている。これによって、上面流路部50内に、第1上面流路501、第2上面流路502、第3上面流路503及び第4上面流路504が形成されている。
【0109】
第1上面流路501は、図6を利用して説明した第1液剤取出工程において第1液剤収容部20Aから第1液剤を取り出した場合に第1液剤を一時的に貯留する第1貯留領域に対応する。したがって、上面流路部50は、第1液剤保管部として機能する。
【0110】
図26に示したように、後壁44には背面流路部60が配置されている。背面流路部60は、後壁44の背面441の一部に設けられている。背面流路部60は、箱状を呈する。背面流路部60は、背面441の所定領域を囲む周壁61と周壁61に取り付けられた蓋62とを有する。図26及び図28に示したように、背面流路部60内は、仕切壁63によって仕切られることによって、第1背面流路601及び第2背面流路602が形成されている。
【0111】
第2背面流路602は、図を利用して説明した第2液剤取出工程において第2液剤収容部20Bから第2液剤を取り出した場合に第2液剤を一時的に保管する第2貯留領域に対応する。したがって、背面流路部60は、第2液剤保管部として機能する。
【0112】
図23に示したように、ハウジング40内において左側壁42寄りには逆止弁収容部70が配置されている。逆止弁収容部70は、Z方向に沿った第1弁収容部71及び第2弁収容部72を有する。第1弁収容部71は、上部開口を有する中空体であり、内部に逆止弁V2aが配置されている。逆止弁V2aは、第1弁収容部71において下部から上部に向けて処理液を流すことが可能に配置されている。第2弁収容部72は、上部開口を有する中空体であり、内部に逆止弁V2bが配置されている。逆止弁V2bは、第2弁収容部72において下部から上部に向けて処理液を流すことが可能に配置されている。逆止弁V2a,V2bは、例えばフロート式逆止弁でよい。
【0113】
逆止弁収容部70は、第1弁収容部71と第2弁収容部72を繋ぐ連結部73を有してよい。連結部73は、第1弁収容部71と第2弁収容部72において逆止弁V2a,V2bが配置されている部分より上部を接続している。連結部73の下端部は閉じられている。連結部73の上端部は開口している。
【0114】
第1上面流路501は、負圧発生部32の第3管部321(図18参照)と第1背面流路601を接続している。第1背面流路601は、第1上面流路501と、第6管部46と、第1弁収容部71とを接続している。第1上面流路501、第1背面流路601及び第1弁収容部71は、第1主流路12Aの一部を構成している。第3管部321、第1上面流路501、第1背面流路601、第6管部46及び第1弁収容部71の接続関係の一例を説明する。
【0115】
第1上面流路501は、連結管54a(図26図27及び図29参照)によって第3管部321と接続されている。連結管54aは、天壁45の右側縁部近傍に設けられている。連結管54aは負圧発生部32がハウジング40に固定された状態で、第3管部321(図18参照)に接続される。天壁45において第1上面流路501内には、図27に示したように、連結管54aに繋がった孔部501aが形成されている。上記構成によって、第1上面流路501は第3管部321と連通している。
【0116】
第1上面流路501と第1背面流路601は、天壁45に形成されたガイド筒55a(図29参照)と後壁44に形成されたガイド筒64a(図28参照)によって接続される。ガイド筒55aは、天壁45において第1上面流路501内に形成された孔部501bから下方に延びている。孔部501bは、図27に示したように、天壁45において後縁部近傍に形成されている。図28に示したように、ガイド筒64aは、Z方向に沿っている。ガイド筒64aの上部はガイド筒55aに接続され、ガイド筒64aの下部は第1背面流路601に繋がっている。図28に示した形態では、ガイド筒64aの下部は、後壁44の背面441から後方に突出した第6管部46の後端462の上方に位置している。第1背面流路601内において、ガイド筒64aの下部の位置に孔部601aが形成されている。これによって、第1背面流路601とガイド筒64aが連通している。上記構成によって、第1上面流路501と第1背面流路601は連通している。よって、この場合、ガイド筒55a及びガイド筒64aも第1主流路12Aの一部を構成している。
【0117】
第6管部46の後端462は、背面441から第1背面流路601内に突出している。後端462には、第1背面流路601と第6管部46が連通するように少なくとも一つ切り欠きが形成されていてよい。この構成によって、第6管部46と第1背面流路601が連通している。ここでは、第6管部46の後端462が背面442から後方に突出している形態を例示したが、後壁44に後端462に繋がった孔部が形成されていてもよい。
【0118】
後壁44において第1弁収容部71の下部に対応する位置に孔部601bが形成されている。この孔部601bによって、第1背面流路601と第1弁収容部71と連通している。
【0119】
第2上面流路502は、第7管部47と第2背面流路602を接続している。第2背面流路602は、第2上面流路502と、第7管部47と、第2弁収容部72とを接続している。第2上面流路502、第2背面流路602及び第2弁収容部72は、第2主流路12Bの一部を構成している。
【0120】
第2上面流路502は、連結管54b(図26図27及び図28参照)によって第4管部322(図18参照)と接続されている。連結管54bは、天壁45の右側縁部近傍に設けられている。連結管54bは、連結管54aより天壁45の後縁部寄りに配置されている。負圧発生部32がハウジング40に固定された状態で、連結管54bは、第4管部322に接続される。天壁45において第2上面流路502内には、連結管54bに繋がった孔部502bが形成されている。上記構成によって、第2上面流路502は第4管部322と連通している。
【0121】
第2上面流路502と第2背面流路602は、天壁45に形成されたガイド筒55b(図29参照)と後壁44に形成されたガイド筒64b(図23及び図28参照)によって接続される。ガイド筒55bは、天壁45において第2上面流路502内に形成された孔部502b(図27参照)から下方に延びている。孔部502bは、天壁45において後縁部と右側縁部で構成される角部近傍に形成されている。ガイド筒64bは、ガイド筒55bと接続される開口を有し、開口と反対の部分が閉じられている。したがって、ガイド筒64bは、有底筒状を呈する。ガイド筒64bの底部近傍において、後壁44には孔部602b(図28参照)が形成されている。孔部602bによってガイド筒64bと第2背面流路602が連通している。上記構成によって、第2上面流路502と第2背面流路602は連通している。
【0122】
図28に示したように、第7管部47の後端472は、背面442から第2背面流路602内に突出している。後端472には、第2背面流路602と第7管部47が連通するように少なくとも一つ切り欠きが形成されていてよい。この構成によって、第7管部47と第2背面流路602が連通している。ここでは、後端472が背面442から後方に突出している形態を例示したが、後壁44に後端472に繋がった孔部が形成されていてもよい。
【0123】
後壁44において第2弁収容部72の下部に対応する位置に孔部602bが形成されている。この孔部602bによって、第2背面流路602と第2弁収容部72とが連通している。
【0124】
第3上面流路503は、第5管部323(図18参照)とハウジング40内の収容空間S3とを接続している。第3上面流路503は、バイパス流路18の一部を構成している。
【0125】
第3上面流路503は、連結管54c(図26図27及び図29参照)によって第5管部323と接続されている。連結管54cは、天壁45の右側縁部近傍に設けられている。連結管54cは、連結管54aと連結管54bの間に配置されている。連結管54cは負圧発生部32がハウジング40に固定された状態で、第5管部323に接続される。天壁45において第3上面流路503内には、連結管54cに繋がった孔部503a(図27参照)が形成されている。上記構成によって、第3上面流路503は第5管部323と連通している。
【0126】
図27に示したように、天壁45の後縁部近傍において第3上面流路503内には、少なくとも1つの孔部503bが形成されている。図27に示した形態では、天壁45には、3つの孔部503bが形成されている。孔部503bは、底壁41の第1段部411a上に位置している。孔部503bによって第3上面流路503はハウジング40内の収容空間S3と連通していることから、第3上面流路503を流れる処理液は、孔部503bからハウジング40内に流入する。孔部503bの下部には、ガイド筒55c(図29参照)が形成されていてもよい。これにより、孔部503bから真下に処理液が落下し易い。
【0127】
第4上面流路504は、天壁45の後縁部に沿って形成されている。第4上面流路504は、逆止弁収容部70とハウジング40内の収容空間S3を接続している。第4上面流路504は、投入流路13の一部(投入流路13の第2部分)を構成している。
【0128】
天壁45において第4上面流路504内には、図27に示したように、3つの孔部504a1,504a2,504a3と、孔部504bが形成されている。孔部504a1,504a2,504a3は、第1弁収容部71、連結部73及び第2弁収容部72の上部開口に繋がっている。これによって、第4上面流路504は、逆止弁収容部70に連通している。孔部504a1,504a2,504a3の下部には、ガイド筒55d(図29参照)が形成されていてもよい。この場合、ガイド筒55dが、第1弁収容部71、連結部73及び第2弁収容部72の上部開口に接続されることで、孔部504a1,504a2,504a3と第1弁収容部71、連結部73及び第2弁収容部72が連通する。孔部504bは、天壁45を貫通している。よって、孔部504bを介して第4上面流路504と収容空間S3が連通しているので、第4上面流路504を流れる処理液は、孔部504bからハウジング40内に落下する。孔部504bの下部には、ガイド筒56(図29参照)が形成されていてもよい。これにより、孔部504bから真下に処理液が落下し易い。
【0129】
上記のように第3上面流路503内に形成された孔部503b及び第4上面流路504内に形成された孔部504bから処理液がハウジング40内に流入する。このように流入した処理液は、図30に矢印で示したように、ハウジング40の底壁41(具体的には底壁本体411)に沿って流れた後、開口413から内槽5bに投入される。
【0130】
第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bがハウジング40に収容された状態では、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bそれぞれと後壁44との間に空間(落下領域)S3aが形成されている。処理液は、空間S3a内を天壁45から底壁41に向けて落下する。よって、空間S3aは、投入流路13の一部を構成している。具体的には、空間S3a(特に、孔部503b,504bの下方の領域)は、投入流路13において、処理液が落下する落下領域として機能する。
【0131】
図30に示したように、第1液剤収容部20Aの下面211a及び第2液剤収容部20Bの下面211aは底壁41に面しており、下面211aと底壁41との間に空間S3bが生じている。そのため、天壁45から収容空間S3に流入した処理液は、空間S3b内を開口413に向けて流れる。よって、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bと、ハウジング40の後壁44及び底壁41との間の空間S3bは処理液の投入流路の一部(第1部分)として機能する。上記下面211aは、液剤タンク21の底壁211の外面である。
【0132】
図23に示したように、底壁本体411の第1段部411aに、第1整流部81及び第2整流部82が配置されている。第1整流部81は、孔部504bの下方に配置されており、第2整流部82は、孔部503bの下方に配置されている。
【0133】
第1整流部81及び第2整流部82は、落下してくる処理液が第1段部411aに衝突して跳ね上がることなどによって処理液が泡立つことを抑制するための部分である。
【0134】
第1整流部81は、複数の整流板811を有する。複数の整流板811は、Y方向に並列に配置されている。第2整流部82は、複数の整流板821有する。複数の整流板821はY方向に並列に配置されている。複数の整流板811における隣接する2つの整流板811の間隔は、落下してきた処理液の跳ね上がりなどを抑制可能な間隔に設定されている。同様に、複数の整流板821における隣接する2つの整流板821の間隔は、落下してきた処理液の跳ね上がりなどを抑制可能な間隔に設定されている。各整流板811及び各整流板821は、底壁41及び後壁44に一体に形成されている。各整流板811及び各整流板821は、リブとしても機能する。各整流板811及び各整流板821の材料の例は、樹脂である。
【0135】
図10から図30を利用して説明した処理液投入装置10における水、第1液剤及び第2液剤の流れを、図5から図8を利用して説明した各工程に関連して説明する。
【0136】
(給水工程)
給水工程では、給水弁V1a,V1bを開く。これにより、給水管部311から第1管部312及び第2管部313の両方に水が流れる。
【0137】
第1管部312は第3管部321に連通しており、第2管部313は、第4管部322に連通している。よって、給水管部311から第1管部312及び第2管部313に流入した水は、第3管部321及び第4管部322を流れる。
【0138】
第3管部321は、連結管54a及び孔部501a(図27参照)によって第1上面流路501に連通している。そのため、第3管部321に流入した水は、第1上面流路501に流入する。
【0139】
第4管部322は、連結管54b及び孔部502a(図27参照)によって第2上面流路502に連通している。そのため、第4管部322に流入した水は、第2上面流路502に流入する。
【0140】
第3管部321及び第4管部322を水が流れる場合、リリーフ弁V4a及びリリーフ弁V4bは開いている。そのため、第3管部321に流れる水の一部は内部空間S1を介して第5管部323に流入する。同様に、第4管部322に流れる水の一部は内部空間S1を介して第5管部323に流入する。第5管部323は、連結管54c及び孔部503a(図27参照)によって第3上面流路503に連通している。そのため、第5管部323に流入した水は、第3上面流路503に流入する。
【0141】
第3管部321から第1上面流路501に流入した水は孔部501aから孔部501bに向けて流れる。孔部501bに流れてきた水は、孔部501bを通って第1背面流路601に流入する。第1背面流路601に流入した水は孔部601bに向けて流れる。孔部601bは、第1弁収容部71に繋がっている。よって、孔部601bに流れてきた水は、第1弁収容部71に流入する。
【0142】
第3管部321及び第4管部322の両方に水が流れている場合、第1液剤収容部20Aから第1液剤を取り出すための負圧は発生していない。よって、第6管部46内の逆止弁V3a(図23参照)は閉じている。よって、上記のように第1上面流路501から第1背面流路601に流入した水が孔部601bに向けて流れてきても第6管部46を通して第1液剤収容部20A内に水が流入することは防止されている。
【0143】
第4管部322から第2上面流路502に流入した水は、孔部502aから孔部502bに向けて流れる。孔部502bに流れてきた水は、孔部502bを通って第2背面流路602に流入する。第2背面流路602に流入した水は、孔部602bに向けて流れる。孔部602bは、第2弁収容部72に繋がっている。よって、孔部602bに流れてきた水は、第2弁収容部72に流入する。
【0144】
第3管部321及び第4管部322の両方に水が流れている場合、第2液剤収容部20Bから第2液剤を取り出すための負圧は発生していない。よって、第7管部47内の逆止弁V3b(図23参照)は閉じている。よって、上記のように第2上面流路502から第2背面流路602に流入した水が孔部602bに向けて流れてきても第7管部47を通して第2液剤収容部20B内に水が流入することは防止されている。
【0145】
第5管部323から第3上面流路503に流入した水は、孔部503aから孔部503bに向けて流れた後、孔部503bから収容空間S3内に流入する。
【0146】
第1背面流路601から第1弁収容部71に水が流入した場合、水圧によって逆止弁V2aが開く。その結果、第1弁収容部71の下部から上部に向けて水が流れ、第1弁収容部71の上部開口及び孔部504a1を通して水が第4上面流路504に流入する。同様に、第2背面流路602から第2弁収容部72に水が流入した場合、水圧によって逆止弁V2bが開く。その結果、第2弁収容部72の下部から上部に向けて水が流れ、第2弁収容部72の上部開口及び孔部504a2を通して水が第4上面流路504に流入する。本実施形態では、第1弁収容部71及び第2弁収容部72は連結部73で接続されている。そのため、第1弁収容部71及び第2弁収容部72において下部から上部に水が流れる場合、水は連結部73内にも流れる。連結部73内の水は、孔部504a1,504a2,504a3を通して第4上面流路504に流入する。
【0147】
第4上面流路504に上記のように流入した水は、孔部504bを通して収容空間S3内に流入する。
【0148】
孔部503bから収容空間S3内に流入した水及び孔部504bから収容空間S3内に流入した水は、底壁本体411と第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bとの間の空間S3aを流路として開口413に向けて流れる。その結果、開口413から内槽5bに向けて投入される。
【0149】
(充填工程)
充填工程では、給水弁V1a,V1bを閉じる。これにより、上記給水工程において水が流れた流路には、水が充填された状態が維持される。
【0150】
(第1液剤取出工程)
第1液剤取出工程では、図6を利用して説明したように、給水弁V1bのみが開いている。そのため、給水管部311に流入した水は第2管部313のみに流れて、第4管部322に流入する。第4管部322に流入した水は、給水工程の場合と同じ経路によって開口413に流れて、内槽5bに投入される。
【0151】
給水管部311から第4管部322のみに水が流れることから、第4管部322における第2ベンチュリ部15Bでの負圧によって、連結部324内の水は、第4管部322に向けて流れ、更に、第4管部322から第2上面流路502に流れる。連結部324内で上記水の流れが生じるため、第1主流路12Aを構成する第3管部321、第1上面流路501及び第1背面流路601内の水も連結部324を通して第4管部322に流れ込む。
【0152】
第1背面流路601では、第1上面流路501に向けた水の流れが生じていることから、逆止弁V3aが開く。これによって、第1液剤収容部20A内の第1液剤が、第6管部46を通して第1背面流路601に流れ込む。第1背面流路601に流入した第1液剤は第1上面流路501に流れ込む。これによって、第1上面流路501内に第1液剤が充填される。
【0153】
(第1液剤投入工程及び洗浄工程)
図7を利用して説明したように、第1液剤投入工程及び洗浄工程では、給水弁V1a,V1bの両方を開く。これにより、給水工程と同様に水が流れるので、第1液剤取出工程で取り出された第1液剤が水と一緒に開口413から内槽5bに投入される。
【0154】
第1液剤投入工程で投入される第1液剤は、第1液剤取出工程において、第1上面流路501に充填された第1液剤である。したがって、第6管部46から第1ベンチュリ部15Aに向かう第1液剤の流路は、投入すべき第1液剤を十分取り出し可能な長さを有する。たとえば、図に示したように、複数回折り返された第1上面流路501を形成することによって、投入すべき第1液剤を十分取り出すことが可能である。
【0155】
(第2液剤取出工程)
第2液剤取出工程では、図8を利用して説明したように、給水弁V1aのみが開いている。そのため、給水管部311に流入した水は第1管部312のみに流れて、第3管部321に流入する。第3管部321に流入した水は、給水工程の場合と同じ経路によって開口413に流れて、内槽5bに投入される。
【0156】
給水管部311から第3管部321のみに水が流れることから、第3管部321における第1ベンチュリ部15Aでの負圧によって、連結部324内の水は、第3管部321に向けて流れ、第3管部321から第1上面流路501に流れる。連結部324内で上記水の流れが生じるため。第2主流路12Bを構成する第4管部322、第2上面流路502及び第2背面流路602内の水も連結部324を通して第3管部321に流れ込む。
【0157】
第2背面流路602では、第2上面流路502に向けた水の流れが生じていることから、逆止弁V3bが開く。これによって、第2液剤収容部20B内の第2液剤が、第7管部47を通して第2背面流路602に流れ込む。これによって、第2背面流路602に第2液剤が充填される。
【0158】
(第2液剤投入工程及び洗浄工程)
図9を利用して説明したように、第2液剤投入工程及び洗浄工程では、給水弁V1a,V1bの両方を開く。これにより、給水工程と同様に水が流れるので、第2液剤取出工程で取り出された第2液剤が水と一緒に開口413から内槽5bに投入される。
【0159】
第2液剤投入工程で取り出される第2液剤は、第2液剤取出工程において、第2背面流路602に貯留された第2液剤である。したがって、第2背面流路602は、投入すべき第2液剤を十分取り出し可能な長さを有する。たとえば、図28に示したように、複数回折り返された第2背面流路602を形成することによって、投入すべき第2液剤の量を確保できる。
【0160】
処理液投入装置10において、ハウジング40が有する底壁41には、処理液を内槽5bに投入するための開口413(投入口13b)が形成されている。第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bの下面211aは、底壁本体411に面している。処理液投入装置10では、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bの下面211aと底壁41の間の空間S3bが、上記開口413に向けて処理液を流すための下部流路(本実施形態において投入流路13の一部)として機能している。
【0161】
処理液投入装置10では、ハウジング40が有する天壁45に第4上面流路504(上部流路)が形成されており、孔部504bを通して第4上面流路504を流れる処理水を上記下部流路に流すために底壁41に向けて落下させる。
【0162】
底壁41において孔部504bの下方には第1整流部81が配置されている。第1整流部81は、並列に配置された複数の整流板811を有する。よって、孔部504bから落下してきた処理液は、隣接する整流板811の間に落下する、この場合、整流板811が配置されていない場合に比べて処理液の跳ね返りが抑制されるので、処理液は泡立ちにくい。その結果、第1整流部81の下流において処理液の流れが阻害されにくい。
【0163】
上記のように処理液の流れが阻害されにくいことによって、収容空間S3内における処理液の滞留が抑制される。そのため、ハウジング40からの液漏れ、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20B内への処理液の混入などを防止可能である。
【0164】
一実施形態において、孔部504bが後壁44寄りに形成されており、下面211aにおいて後壁44寄りの部分と底壁41(具体的には底壁本体411)との間の長さは、後壁44と第1液剤収容部20A(または第2液剤収容部20B)との間の長さより短い。
【0165】
この場合、処理液が落下する落下領域である空間S3aの方が、空間S3bで構成される下部流路の入り口側より広い。そのため、孔部504bから落下した処理液が開口413に向けて流れる際に、流路断面積が小さい領域(流路が絞られた領域)を通過する。流路断面積が小さい領域が存在する場合、上記第1整流部81を備える構成は有効である。この点を、第1整流部81を配置していない場合と対比して説明する。
【0166】
孔部504bから落下した後に開口413に向けて流れる処理液が流路断面積の小さい領域を通過する場合、その領域の手前(例えば空間S3a)において処理液が滞留する。処理液が泡立っていると、流路断面積が小さい領域において処理液の流れが阻害されやすいので、より多くの処理液が滞留しやすい。そのため、前述したように、液漏れ、第1液剤収容部20a及び第2液剤収容部20B内への処理液の混入等が生じるおそれがある。
【0167】
これに対して、処理液の落下地点に第1整流部81が配置されている場合、第1整流部81によって処理液の泡立ちが抑制される。処理液の泡立ちが抑制されることによって、処理液の流れが阻害されにくいので、処理液の滞留を抑制できる。その結果、液漏れ、第1液剤収容部20a及び第2液剤収容部20B内への処理液の混入等を防止できる。
【0168】
図30に例示した形態では、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bは後方にスライドすることでハウジング40に設置されており、底壁41が開口413に向けて下がっている領域を有している。この場合、図30に示したように、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bの下部後方の角部と底壁本体411との間で処理液の流路が一度狭くなる。すなわち、図30に示した形態では、孔部504bから落下した処理液が開口413に向けて流れる際に、流路が絞られた領域(流路断面積が小さい領域)を通過する。したがって、第1整流部81を備える構成は、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bは後方にスライドすることでハウジング40に設置されており、底壁41が開口413に向けて下がっている領域を有している場合に、より有効である。
【0169】
処理液投入装置10がバイパス流路18を備えている場合、孔部503bからも処理液(水)が底壁41に落下する。孔部503bからの処理液の落下地点には第2整流部82が配置されている。第2整流部82に関する作用効果は、第1整流部81の場合と同様である。すなわち、孔部503bを通った処理液は第2整流部82に向けて落下する。その結果、落下した際の跳ね返りが抑制されるので、処理液が泡立ちにくい。その結果、第2整流部82から開口413に向けた処理液の流れが阻害されにくい。
【0170】
処理液投入装置10では、下面211aと底壁41の間の空間S3bを、開口413に向けて処理液を流すための下部流路として有効に活用している。そのため、例えば、処理液を投入するための注水ホースなどが不要であることから、処理液投入装置10の省スペース化を実現可能である。また、処理液投入装置10では、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bを収容する収容空間と底壁41とを隔てる隔壁を設けていない。換言すれば、底壁41自体が収容空間S3の底部を構成している。そのため、下面211aが底壁41(具体的には底壁本体411)に面している。処理液投入装置10では、上記隔壁を設けていないため、隔壁によって収容空間を形成する場合より、省スペース化を実現できる。処理液投入装置10の省スペース化が実現できている場合、洗濯機1において内槽5bの容量を増やすことが可能である。或いは、内槽5bの容量を維持しながら洗濯機1のサイズを小型化することが可能である。
【0171】
ハウジング40が、底壁41、左側壁42、右側壁43、後壁44及び天壁45を有しハウジング40の前面が開放されている形態では、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bを、ハウジング40の前面から後壁44に向けて例えばスライドさせることで、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bを収容空間S3に収容可能である。
【0172】
後壁44から第6管部46(第1液剤取出流路14A)が前方に突出しており、第1液剤収容部20Aが第6管部46に着脱可能である場合、例えば、第1液剤収容部20Aのハウジング40に対するスライド動作によって第1液剤収容部20Aと第6管部46との着脱を実施可能である。具体的には、第1液剤収容部20Aをハウジング40の前面から後方にスライドさせることで、第1液剤収容部20Aを第6管部46に連結できる。逆に、第1液剤収容部20Aを前方にスライドさせることによって、第1液剤収容部20Aと第6管部46の連結を解除し、第1液剤収容部20Aをハウジング40から取り外せる。したがって、第1液剤収容部20Aのハウジング40への設置及びハウジング40からの第1液剤収容部20Aの取り外しなどを容易に実施できる。
【0173】
後壁44から第7管部47(第2液剤取出流路14B)が前方に突出しており、第2液剤収容部20Bが第7管部47に着脱可能である場合、例えば、第1液剤収容部20Aのハウジング40に対するスライド動作によって第2液剤収容部20Bと第7管部47との着脱を実施可能である。具体的には、第2液剤収容部20Bをハウジング40の前面から後方にスライドさせることで、第2液剤収容部20Bを第7管部47に連結できる。逆に、第2液剤収容部20Bを前方にスライドさせることによって、第2液剤収容部20Bと第7管部47の連結を解除し、第2液剤収容部20Bをハウジング40から取り外せる。したがって、第1液剤収容部20Aのハウジング40への設置及びハウジング40からの第1液剤収容部20Aの取り外しなどを容易に実施できる。
【0174】
処理液投入装置10では、上記のように、第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bの下面211aと底壁41の間の空間S3bが、処理液の下部流路である。よって、第1液剤収容部20Aをハウジング40から取り外す場合において、例えば第1液剤収容部20A内の逆止弁V5と第6管部46内の逆止弁V3aとの間に残留していた第1液剤が底壁41に垂れたとしても、処理液として例えば水を内槽5bに投入する場合に、底壁41に付着した第1液剤が洗い流される。同様に、第2液剤収容部20Bをハウジング40から取り外す場合において、例えば第2液剤収容部20B内の逆止弁V5と第7管部47内の逆止弁V3bとの間に残っていた第2液剤が底壁41に垂れたとしても、処理液として例えば水を内槽5bに投入する場合に、底壁41に付着した第2液剤が洗い流される。そのため、底壁41に第1液剤及び第2液剤が残存し、固まることが抑制される。よって、ハウジング40のメンテナンスをし易い。
【0175】
第1液剤又は第2液剤の一方が洗剤である場合、洗剤がハウジング40の底壁41に付着したままであれば、雑菌・カビ・異臭の発生要因となる。第1液剤収容部20A及び第2液剤収容部20Bの下面と底壁41の間の空間S3bが、処理液が流れる下部流路(本実施形態では投入流路13の一部)として機能している形態では、底壁41に付着した洗剤は、洗濯ごとに洗い流される。そのため、雑菌・カビ・異臭の発生を抑えることができる。
【0176】
処理液投入装置10では、天壁45に第4上面流路504(上部流路)が形成されており、孔部504bを通して第4上面流路504を流れる処理水を底壁41に向けて落下させる。このような形態では、孔部504bは、天壁45のうち後壁44寄りに形成されているので、底壁41に落下した処理液は、後壁44から開口413に向けて流れる。そのため、前述したように、底壁41に第1液剤又は第2液剤が付着していても、付着している第1液剤又は第2液剤を開口413に向けて流しやすい。図27に示した形態では、第3上面流路503も、天壁45に形成された天壁流路である。第3上面流路503を流れる水(処理液)も、孔部503bを介して底壁41に落下する。孔部503bも、天壁45のうち後壁44寄りに形成されているため、第3上面流路503から孔部503bを通って落下した水によっても、底壁41に付着している第1液剤又は第2液剤を流すことが可能である。
【0177】
処理液投入装置10は、バイパス流路18を備えている。そのため、第1ベンチュリ部15A及び第2ベンチュリ部15Bにおける異音を抑制できる。この点を、バイパス流路18を有しない場合と対比して説明する。
【0178】
内槽5bにおいて、衣服などを洗濯するために内槽5bには一定量(例えば15リットル)の水を投入する。内槽5bに投入される水は、第1主流路12A及び第2主流路12Bを流れる。第1主流路12A及び第2主流路12Bには、液剤を取り出すために第1ベンチュリ部15A及び第2ベンチュリ部15Bが配置されている。第1ベンチュリ部15A及び第2ベンチュリ部15Bでは、流路が絞られている。この場合、上記一定量の水を内槽5bに投入するために第1ベンチュリ部15A及び第2ベンチュリ部15Bに多くの水が流れると、第1ベンチュリ部15A及び第2ベンチュリ部15Bで異音が発生する。特に、第1ベンチュリ部15A及び第2ベンチュリ部15Bでは液剤の取り出しのために液剤を吸引可能な負圧を発生させるとともに、内槽5bに水を貯める時間を短縮する観点から、第1ベンチュリ部15A及び第2ベンチュリ部15Bを流れる水の量を増やすと、異音が大きくなりやすい。
【0179】
これに対して、処理液投入装置10は、バイパス流路18を備える。バイパス流路18は、第1主流路12A及び第2主流路12Bにおいて、第1ベンチュリ部15A及び第2ベンチュリ部15Bより上流の部分から分岐して投入流路13に接続されている。そのため、第1主流路12A及び第2主流路12Bを流れる水の一部は、第1ベンチュリ部15A及び第2ベンチュリ部15B(換言すれば、図4に示した負圧発生ユニットU2)を迂回して投入流路13に流入した後、内槽5bに投入される。この場合、内槽5bに投入するための水量を確保しながら、第1ベンチュリ部15A及び第2ベンチュリ部15Bを流れる水の量を低減できる。第1ベンチュリ部15A及び第2ベンチュリ部15Bを流れる水の量を低減できているので、第1ベンチュリ部15A及び第2ベンチュリ部15Bでの異音発生を抑制できる。
【0180】
処理液投入装置10では、異音の発生を抑制しながら、給水流路11から第1主流路12A及び第2主流路12Bに流す水の量を増やすことが可能である。従って、内槽5bに水をためるための時間を短縮できることから、洗濯に要する時間を短縮できる。
【0181】
上記給水弁V1a,V1bを備える形態では、給水弁V1a,V1bの制御による第1主流路12A及び第2主流路12Bへの水の流れを制御できる。その結果、第1ベンチュリ部15A及び第2ベンチュリ部15Bでの負圧に発生を制御できるので、例示したように、第1液剤を取り出す場合と、第2液剤を取り出す場合を切り替えることが可能である。
【0182】
上記バイパス流路18にリリーフ弁V4a,V4bが設けられている形態では、第1主流路12A及び第2主流路12Bからバイパス流路18への水の流れを制御できる。
【0183】
第1液剤取出流路14Aに逆止弁V3aが設けられており、第2液剤取出流路14Bに逆止弁V3bが設けられている形態では、第1液剤取出流路14Aから第1液剤収容部20Aへの水の流入及び第2液剤取出流路14Bから第2液剤収容部20Bへの水の流入を防止しながら、第1液剤収容部20Aから第1液剤を取り出せるとともに、第2液剤収容部20Bから第2液剤を取り出せる。
【0184】
流路切替ユニットU1を備えている形態、すなわち、逆止弁V2a,V2bを備えている形態では、第1主流路12A内の第1液剤を投入流路13に流す場合と、第2主流路12B内の第2液剤を投入流路13に流す場合を切り替えることが可能である。その結果、内槽5bに、第1液剤を投入する場合と、第2液剤を投入する場合とを制御できる。
【0185】
図6を利用して説明した第1液剤取出工程では、第1液剤収容部20Aから第1液剤を第1主流路12A内に取り出す。図8を利用して説明した第2液剤取出工程では、第2液剤収容部20Bから第2液剤を第2主流路12B内に取り出す。そのため、第1主流路12A及び第2主流路12Bは、洗濯に必要な量の第1液剤及び第2液材を取り出し内部に一時的に貯めておける長さが必要である。
【0186】
本実施形態では、天壁45の上面451に形成された第1上面流路501が、第1液剤収容部20Aから取り出された第1液剤を一時的に貯留する第1貯留領域であり、後壁44の背面441に形成された第2背面流路602が、第2液剤収容部20Bから取り出された第2液剤を一時的に貯留する第2貯留領域である。すなわち、本実施形態の処理液投入装置10では、取り出された第1液剤の第1貯留領域と、取り出された第2液剤の第2貯留領域とを、ハウジング40が有する複数の面のうち異なる2つの面に配置している。本実施形態の一例では、第1貯留領域が配置されている面と第2貯留領域が配置されている面とのなす角度は90°である。
【0187】
そのため、第1貯留領域と第2貯留領域とを同じ面(例えば、天壁45の上面451)にまとめて配置する場合より、ハウジング40のサイズを小さくできる。その結果、小型の処理液投入装置10を実現できる。
【0188】
背面441は、通常、デットスペースとして考えられている。そのため、第1貯留領域と第2貯留領域の一方を背面441に配置した形態では、デッドスペースを有効に活用して、ハウジング40のサイズを小さくできる。
【0189】
図25に示したように、第1液剤収容部20A内の逆止弁V5と第6管部46(第1液剤取出流路14A)に配置された逆止弁V3aとが同じ方向に沿って配置されている形態では、例えば、逆止弁V5の配置方向と逆止弁V3aの配置方向とが交差している場合より、逆止弁V5と逆止弁V3aとの間の距離を短くできる。逆止弁V5に配置方向と逆止弁V3aの配置方向とか交差している場合の例は、逆止弁V5がX方向に沿って配置されている一方、逆止弁V3aがZ方向に沿って配置されている場合である。
【0190】
第1液剤収容部20Aから第1液剤を取り出した場合、逆止弁V5と逆止弁V3aとの間の領域には、第1液剤が残留している。逆止弁V5と逆止弁V3aとの間の距離が短い場合、残留している第1液剤の量も少ない。従って、例えば、第1液剤収容部20Aをハウジング40から取り外した際に、底壁41に第1液剤が垂れたとしても、底壁41に付着する第1液剤の量を低減できる。その結果、ハウジング40のメンテナンスの手間を低減できる。
【0191】
図25に示した第1液剤収容部20A内の逆止弁V5と逆止弁V3aとの配置関係に基づいて説明したが、第2液剤収容部20B内の逆止弁V5と逆止弁V3bとが同じ方向に沿って配置されていることの作用効果も同様である。
【0192】
逆止弁V5と逆止弁V3aとの間に残留した第1液剤及び逆止弁V5と逆止弁V3bとの間に残留した第2液剤が底壁41に垂れたとしても、前述したように、底壁41の開口413に向けて処理液を流す形態では、洗濯ごとに底壁41に垂れた第1液剤及び第2液剤も洗い流される。
【0193】
一実施形態において、底壁41の一部を構成する支持板412は、開口413を形成している。図24に示したように、支持板412の下部が後方に傾斜している形態では、処理液は、開口413(投入口13b)から後方に向けて内槽5bに投入される。この場合、内槽5bの内周面側に処理液が投入される。洗濯物によっては、洗濯物に直接液剤を含む処理液が供給された方がよい場合がある。上記のように、開口413から後方に向けて処理液が投入される場合、内槽5bの周縁近傍の洗濯物にも処理液を付着させやすい。
【0194】
(変形例)
処理液投入装置が備える液剤収容部の数は1つでもよい。液剤収容部の数が1つである場合の処理液投入装置の例を変形例として説明する。図31は、変形例に係る処理液投入装置10Aの概略構成を示す図面である。
【0195】
処理液投入装置10Aは、図31に示したように1つの液剤収容部20を備える。処理液投入装置10Aは、液剤収容部20から液剤と取り出し、水とともに処理液として内槽5bに供給する供給機構を有する。上記供給機構は、液剤収容部20を収容するハウジングを有する。変形例における供給機構及びハウジングも供給機構30及びハウジング40と称す。更に、変形例における供給機構30及びハウジング40が有する各要素において、上記実施形態の場合と同じ要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
【0196】
処理液投入装置10Aが有する供給機構30は、給水流路11と、主流路(中間流路)12と、投入流路13とを備える。主流路12は、給水流路11と投入流路13とを繋いでいる。供給機構30は、給水流路11から主流路12への水の流れを制御する給水弁V1を備える。主流路12には、ベンチュリ部15が設けられている。供給機構30は、液剤収容部20に連結されるとともに、液剤収容部20内の液剤を取り出すための液剤取出流路14を備える。液剤取出流路14はベンチュリ部15に連通している。連結流路19に流量計17が設けられていてもよい。図31では連結流路19を介して液剤取出流路14とベンチュリ部15が接続されている形態を例示しているが、図31に示した連結流路19も液剤取出流路14の一部であってもよい。
【0197】
処理液投入装置10Aでも、ベンチュリ部15を迂回して主流路12と投入流路13とがバイパス流路18によって接続されている。バイパス流路18は、主流路12においてベンチュリ部15の上流において主流路12に接続されている。バイパス流路18には、主流路12からの水の流れを制御するリリーフ弁V4が設けられている。
【0198】
上記処理液投入装置10Aでは、給水弁V1を開いて、給水流路11から主流路12に水を流すと、ベンチュリ部15において負圧が発生する。この負圧によって、逆止弁V3が開くので、液剤収容部20内の液剤が液剤取出流路14に吸い込まれる。液剤取出流路14に吸い込まれた液剤は、連結流路19及びベンチュリ部15を通して主流路12に流れこみ、水とともに、投入流路13の投入口13aを介して内槽5bに投入される。
【0199】
処理液投入装置10Aはバイパス流路18を備えている。給水流路11から主流路12に水が流れている場合、リリーフ弁V4が開く。そのため、給水流路11から主流路12に流れ込んできた水の一部は、バイパス流路18を通してベンチュリ部15を迂回して投入流路13に流入する。
【0200】
処理液投入装置10Aでは、主流路12の下流側又は投入流路13の上流側をハウジング40の天壁45に形成された上部流路とし、投入流路13の下流側(投入口13a側)を液剤収容部20と底壁41との間の下部流路とし、処理液を上部流路から下部流路に流すために、天壁45から底壁41に向けて処理液を落下させる。処理液投入装置10Aでも処理液の落下位置に第1整流部81を配置する。これによって、処理液投入装置10Aにおいても、落下に伴う処理液の泡立ちが抑制されるので、処理液の流れが阻害されにくい。
【0201】
処理液投入装置10Aでも、上記のように 給水流路11から主流路12に流れ込んできた水の一部は、バイパス流路18を通してベンチュリ部15を迂回して投入流路13に流入する。そのため、内槽5bに投入するための水量を確保しながら、ベンチュリ部15を流れる水の量を低減できる。ベンチュリ部15を流れる水の量を低減できているので、ベンチュリ部での異音発生を抑制できる。変形例でも、バイパス流路18の一部を天壁45に形成してもよい。この場合、バイパス流路18のうち天壁45に形成された領域が上部流路として機能する。バイパス流路18の一部である上部流路から底壁41に水(処理液)を落下させる場合、落下位置に第2整流部82が配置されてよい。
【0202】
以上、本発明の実施形態を説明した。しかしながら、本発明は、例示した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示される範囲が含まれることが意図されるとともに、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0203】
供給機構は、液剤収容部から液剤を取り出し可能であるとともに処理液を流すことが可能な流路を有し、且つ、上記流路の一部に、上から下に処理液を落下させる領域を有していれば、供給機構は、バイパス流路を有しなくもよい。
【0204】
供給機構の一例は、水が供給される給水口を有しており給水口を通して供給された水を流すための給水流路と、液剤収容部内の液剤を取り出すための液剤取出流路と、処理液を洗濯槽に投入するための投入口を有する投入流路と、給水流路を流れる水及び液剤取出流路で取り出された液剤を含む処理液を投入流路に向けて流す中間流路を有してよい。この場合、中間流路の下流側又は投入流路の上流側を上部流路とし、上記実施形態において説明した液剤収容部の下面とハウジングの底壁との間の空間を下部流路(投入流路の一部)とすることができる。
【0205】
供給機構が、2つの液剤収容部を有する形態において、2つの液剤収容部のうちの一方が第1液剤を収容する第1液剤収容部であり、他方が、第2液剤を収容する第2液剤収容部である場合、供給機構の一例は、2つの上記中間流路と、2つの上記液剤取出流路と、を有してよい。この場合、2つの上記液剤取出流路のうちの一方は、上記第1液剤を取り出すための第1液剤取出流路であり、他方は、上記第2液剤を取り出すための第2液剤取出流路であり、2つの上記中間流路のうちの一方は、上記給水流路を流れる上記水及び上記第1液剤取出流路で取り出された上記第1液剤を上記投入流路に向けて流す第1中間流路であり、他方は、上記給水流路を流れる上記水及び上記第2液剤取出流路で取り出された上記第2液剤を上記投入流路に向けて流す第2中間流路であってよい。この場合、第1中間流路及び第2中間流路の下流側を上部流路とするか、又は投入流路の上流側を上部流路とし、上記実施形態において説明した液剤収容部の下面とハウジングの底壁との間の空間を下部流路(投入流路の一部)とすることができる。
【0206】
上記のように第1中間流路及び第2中間流路を有する形態では、供給機構は、給水流路から第1中間流路及び第2中間流路への水の流れを制御する給水弁を有してもよい。上記のように第1中間流路及び第2中間流路を有する形態では、供給機構は、第1中間流路及び第2中間流路から上記投入流路への処理液の流れを切り替え可能な流路切替ユニットを有してよい。
【0207】
例えば、液剤収容部の数は、3つ以上でもよい。給水部及び負圧発生部として機能する要素が、ハウジングに一体的に設けられていてもよい。
【0208】
以上説明した種々の実施形態および変形例は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜組み合わされてもよい。
【0209】
本開示の要旨は以下の[1]~[4]のとおりである。
[1] 液剤収容部と、
前記液剤収容部に収容された液剤を水とともに処理液として洗濯槽に供給する供給機構と、
を備え、
前記供給機構は、
前記処理液を流す流路と、
整流部と、
を有しており、
前記流路は、上から下に向けて前記流路を流れる前記処理液が落下する落下領域を有しており、
前記流路は、前記落下領域の下流において前記流路が絞られている部分を有し、
前記整流部は、前記落下領域において前記処理液の落下地点に配置されており、
前記整流部は、並列に配置された複数の整流板を有する、
処理液投入装置。
[2] 前記供給機構は、前記液剤収容部を収容する収容空間が形成されているハウジングを有し、
前記ハウジングは、
底壁と、
前記底壁に対向する天壁と、
前記底壁と前記天壁を繋いでいる後壁と、
前記底壁、前記天壁及び前記後壁を繋いでいる第1側壁と、
前記底壁、前記天壁及び前記後壁を繋いでおり前記第1側壁と対向している第2側壁と、
を有し、
前記底壁、前記天壁、前記後壁、前記第1側壁及び前記第2側壁によって前記収容空間が形成されており、
前記底壁には前記処理液を前記洗濯槽に投入するための投入口が形成されており、
前記液剤収容部の下面は、前記底壁に面しており、
前記下面と前記底壁の間の空間は、前記処理液を前記投入口に流すための流路であり、
前記流路は、
前記天壁に形成された上部流路と、
前記液剤収容部の下面と前記底壁の間の空間によって構成される下部流路と、
を有し、
前記天壁には、前記上部流路を流れる前記処理液を、前記底壁に落下させることによって前記下部流路に流すための孔部が形成されており、
前記整流部は、前記底壁において前記孔部の下方に配置されている、
[1]に記載の処理液投入装置。
[3]前記孔部は、前記天壁において前記後壁寄り形成されており、
前記下面において前記後壁寄りの部分と前記底壁との間の長さは、前記後壁と前記液剤収容部との間の長さより短い、
[2]に記載の処理液投入装置。
[4] 洗濯槽と、
[1]~[3]の何れかに記載の処理液投入装置と、
を備える、洗濯機。
【符号の説明】
【0210】
1…洗濯機、5b…内槽(洗濯槽)、10,10A…処理液投入装置、11…給水流路、12…主流路、12A…第1主流路、12B…第2主流路、13…投入流路、14…液剤取出流路、14A…第1液剤取出流路、14B…第2液剤取出流路、16…連結流路、20…液剤収容部、20A…第1液剤収容部、20B…第2液剤収容部、41…底壁、42…左側壁(第1側壁又は第2側壁)、43…右側壁(第2側壁又は第1側壁)、44…後壁、45…天壁、46…第6管部(第1液剤取出流路)、47…第7管部(第2液剤取出流路)、54a…連結管(第1主流路)、54b…連結管(第2主流路)、71…第1弁収容部(第1主流路)、72…第2弁収容部(第2主流路)、81…第1整流部(整流部)、311…給水管部(給水流路)、312…第1管部(第1主流路)、313…第2管部(第2主流路)、321…第3管部(第1主流路)、322…第4管部(第2主流路)、324…連結部(連結流路)、501…第1上面流路(第1主流路)、502…第2上面流路(第2主流路)、504…第4上面流路(上部流路)、504b…孔部、601…第1背面流路(第1主流路)、602…第2背面流路(第2主流路)、811…整流板、S1…内部空間(給水流路)、S3a…空間(落下領域)、S3b…空間(下部流路)
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