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特開2024-169082情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169082
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20241128BHJP
   G10L 25/51 20130101ALI20241128BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20241128BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20241128BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20241128BHJP
【FI】
G08G1/01 C
G10L25/51
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086271
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 玄暉
(72)【発明者】
【氏名】輿水 修
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181CC11
5H181DD02
5H181DD04
5H181FF03
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】汎用の装置を介して交通に係る情報を取得し、取得した情報を利用する。
【解決手段】情報処理装置(2)は、マイク(11)を備える1または複数のデバイス(1)が取得した音データと、当該1または複数のデバイス(11)の各々の位置情報と、を取得する取得部(22)と、取得部(22)が取得した、音データと位置情報とを参照して、交通状態を示すデータを生成する生成部(22)と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクを備える1または複数のデバイスが取得した音データと、当該1または複数のデバイスの各々の位置情報と、を取得する取得部と、
前記取得部が取得した、前記音データと前記位置情報とを参照して、交通状態を示すデータを生成する生成部と、
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記生成部は、前記取得部が取得した前記音データと、交通手段から生じる他の音データと、を参照して、前記取得部が取得した前記音データが、前記交通手段から生じる音を含むか判別し、判別した結果を参照して前記交通状態を示すデータを生成する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記生成部は、前記取得部が取得した前記位置情報と、交通に供される経路についての他の位置情報と、前記交通に供される経路における交通手段の所定の移動方向を示す情報と、を参照して、前記デバイスが向いている方角を判別する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記生成部が生成した、交通状態を示すデータを送信する送信部を備える
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記生成部が生成する、前記交通状態を示すデータは、交通に供される経路を交通手段が通過する度合いを含む
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記生成部は、前記取得部が取得した、他の位置における前記音データと前記位置情報とを参照して、対象の位置における前記交通状態を示すデータを生成する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記取得部が取得した前記音データが、交通を妨げ得る事象に係る音を含む場合、
前記生成部は、前記交通を妨げ得る事象に係る状態を含む、前記交通状態を示すデータを生成する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記1または複数のデバイスは、対象のデバイスと、向いている方角を特定済みの他のデバイスとを含む複数のデバイスであり、
前記生成部は、前記取得部が取得した、前記他のデバイスに関する前記音データと前記位置情報と、を参照して、前記対象のデバイスが向いている方角を判別する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記生成部は、前記デバイスについての前記位置情報と、交通に供される経路についての他の位置情報と、前記交通に供される経路における交通手段の移動計画を示す情報と、を参照して、前記デバイスが向いている方角を判別する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記取得部は、ユーザから前記デバイスまたは他のデバイスを介して交通情報を取得し、
前記生成部は、前記取得部が取得した、前記交通情報と、前記位置情報と、を参照して、前記交通状態を示すデータを生成する
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項11】
マイクを備える1または複数のデバイスが取得した音データと、当該1または複数のデバイスの各々の位置情報と、を取得する取得ステップと、
前記取得ステップが取得した、前記音データと前記位置情報とを参照して、交通状態を示すデータを生成する生成ステップと、
を含む、情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
マイクを備える1または複数のデバイスが取得した音データと、当該1または複数のデバイスの各々の位置情報と、を取得する取得ステップと、
前記取得ステップが取得した、前記音データと前記位置情報とを参照して、交通状態を示すデータを生成する生成ステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
マイク等を備える専用の情報取得装置を介して交通に係る情報を取得し、取得した情報を利用する技術が、従来技術として知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-66056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のような従来技術は、専用の情報取得装置を用意するためのコストがかかる、という問題がある。
【0005】
本発明の一態様は、汎用の装置を介して交通に係る情報を取得し、取得した情報を利用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、マイクを備える1または複数のデバイスが取得した音データと、当該1または複数のデバイスの各々の位置情報と、を取得する取得部と、前記取得部が取得した、前記音データと前記位置情報とを参照して、交通状態を示すデータを生成する生成部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、マイクを備える1または複数のデバイスが取得した音データと、当該1または複数のデバイスの各々の位置情報と、を取得する取得ステップと、前記取得ステップが取得した、前記音データと前記位置情報とを参照して、交通状態を示すデータを生成する生成ステップと、を含む。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、マイクを備える1または複数のデバイスが取得した音データと、当該1または複数のデバイスの各々の位置情報と、を取得する取得ステップと、前記取得ステップが取得した、前記音データと前記位置情報とを参照して、交通状態を示すデータを生成する生成ステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、汎用の装置を介して交通に係る情報を取得し、取得した情報を利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態1に係る各装置の関係例を示す図である。
図2】本発明の実施形態1に係る交通手段と各装置の関係例を示す図である。
図3】本発明の実施形態1に係るシステムの構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施形態1に係る、取得装置の処理方法の流れの一例を示すフロー図である。
図5】本発明の実施形態1に係る、情報処理方法の流れの一例を示すフロー図である。
図6】本発明の実施形態1に係る、送信処理方法の流れの一例を示すフロー図である。
図7】本発明の実施形態1に係る、デバイスの設置方向の算出例を示す図である。
図8】本発明の実施形態1に係る、交通手段の所定の移動方向の例を示す図である。
図9】本発明の実施形態1に係る、ユーザに提供する交通情報例を示す図である。
図10】本発明の実施形態2に係る情報処理方法の流れを示すフロー図である。
図11】本発明の実施形態3に係る情報処理方法の流れを示すフロー図である。
図12】本発明の実施形態3に係る、音情報が取得できる他の地点の例を示す図である。
図13】本発明の実施形態4に係る情報処理方法の流れを示すフロー図である。
図14】本発明の実施形態5に係る、デバイスの設置方向の判別例を示す図である。
図15】本発明の実施形態6に係る、デバイスの設置方向の判別例を示す図である。
図16】本発明の実施形態7に係る、ユーザに対する能動的な情報収集例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。本実施形態は、後述する実施形態の基本となる形態である。
【0012】
(本実施形態に係る各装置の関係)
図1は、本実施形態に係る各装置の関係例を示す図である。図1では、1または複数の家庭用TV、すなわち図3の説明で後述するデバイス1から、交通情報管理装置2へ、音情報を送信している。また、図1では、交通情報管理装置2から、利用者端末、すなわち図3の説明で後述する端末装置3へ、交通情報を送信している。
【0013】
(本実施形態に係る交通手段Tと各装置の関係)
図2は、本実施形態に係る交通手段Tと各装置の関係例を示す図である。図2では、交通手段Tから、マイク11を備えるデバイス1が音情報を取得している。交通手段Tの具体例としては、車両、電車などの鉄道車両、航空機、ヘリコプタが挙げられる。また、図2では、デバイス1から、交通情報管理装置2へ、位置情報と音情報を送信している。図2に示すように、例えば、交通情報管理装置2はサーバであってもよい。また、図2では、交通情報管理装置2から、利用者端末、すなわち図3の説明で後述する端末装置3へ、交通情報を提供している。
【0014】
(システム0の構成)
本実施形態に係るシステム0の構成を説明する。図3は、本実施形態に係るシステム0の構成を示すブロック図である。システム0は、取得装置1、交通情報管理装置2、端末装置3を備える。
【0015】
例えば、システム0においては、取得装置1と交通情報管理装置2との間で、位置情報と音データに係るデータを送受信している。また、例えば、システム0においては、交通情報管理装置2と端末装置3との間で、交通情報に係るデータを送受信している。
【0016】
(取得装置1の構成)
取得装置1は、マイク11を備えるデバイスである。なお、本実施形態において、取得装置1は、デバイス1とも記載する。また、取得装置1は、位置情報を取得してもよい。また、取得装置1は、ネットワーク接続機能を備えていてもよい。ネットワーク接続機能は、無線または有線による接続機能であってもよい。また、例えば、無線による接続機能は、Wi-Fi(登録商標)によるものであってもよい。図3の例では、取得装置1は、マイク(Mic)11、音声入力部12、送信データ生成部13、位置情報取得部14、Wi-Fi(登録商標)制御部15、ネットワークインタフェース部16を備える。取得装置1は、汎用の装置であってもよく、取得装置1の具体例としては、マイク機能付きのテレビ、レコーダ、セットトップボックス、ゲーム機、スマホ、スマートスピーカ、ドアホンが挙げられる。
【0017】
(マイク11)
マイク11は、周囲の音データを取得する。マイク11が取得する音データは、例えば、交通手段Tから生じる音を含んでもよい。交通手段Tから生じる音の具体例としては、走行音、タイヤが路面を転がる音、アイドリング音などのエンジン音、飛行音が挙げられる。
【0018】
例えば、取得装置1において、複数のマイク11を水平方向に並べて搭載し、これにより左右どちらの方向から音がしたかの検知をしてもよい。また、例えば、取得装置1において、3つ以上のマイク11を一列でない配置で搭載し、前後も含めた方向を特定してもよい。
【0019】
(音声入力部12)
音声入力部12は、マイク11が取得した音データを入力する。
【0020】
(位置情報取得部14、Wi-Fi(登録商標)制御部15)
位置情報取得部14は、取得装置1の位置情報を取得する。
【0021】
位置情報取得部14は、例えば、ネットワーク接続機能を介して位置情報を取得してもよい。図3の例では、位置情報取得部14は、Wi-Fi(登録商標)制御部15を介して、位置情報を取得してもよい。
【0022】
また、例えば、位置情報取得部14は、後述のWi-Fi(登録商標)位置情報サービスにより端末の設置位置を取得してもよい。
【0023】
(Wi-Fi(登録商標)位置情報サービスの例)
本実施形態におけるWi-Fi(登録商標)位置情報サービスとは、例えば、機能により端末の現在値を特定して提供するサービスである。例えば、Wi-Fi(登録商標)位置情報サービスは位置の分かっている複数のアクセスポイントからの信号強弱を比較するなどして、端末の現在位置を割り出して提供してもよい。また、例えば、Wi-Fi(登録商標)機能を有するスマートフォンやAndroid(登録商標)系端末にも標準的に搭載されているWi-Fi(登録商標)位置情報サービスの機能を介して、インストールしたアプリのリクエストによって位置情報を取得してもよい。
【0024】
(送信データ生成部13)
送信データ生成部13は、音声入力部12から取得した音データと、位置情報取得部14から取得した位置情報と、を参照し、送信データを生成する。例えば、送信データは、音データと、位置情報と、を含んでもよい。
【0025】
(ネットワークインタフェース部16)
ネットワークインタフェース部16は、他の装置との間で、データを送受信する。例えば、ネットワークインタフェース部16は、送信データ生成部13から取得した送信データを交通情報管理装置2へ送信してもよい。
【0026】
(交通情報管理装置2)
交通情報管理装置2は、音データと位置情報とを参照して、交通情報を生成する情報処理装置である。図3の例では、交通情報管理装置2は、ネットワークインタフェース部21、生成部22、車両音か否かを判別する為のデータベース23、左通行/右通行データベース24、交通情報データベース25、提供交通情報データ生成部26、交通情報提供依頼受信部27、交通情報提供依頼送信部28を備える。なお、図3の例では、車両を交通手段Tの一例として示している。交通情報管理装置2は、例えばサーバであってもよい。
【0027】
例えば、交通情報管理装置2は、取得装置1が取得した音データの中で取得装置1から最も近い音データの移動方向と、地図上での取得装置1の直近の道路の走行方向を比較して、取得装置1の設置方向を推定してもよい。また、例えば、交通情報管理装置2は、位置情報と音データ、さらに先に推定した取得装置1の設置方向を加味し、該当地点でどの方向にどの程度の車両が走行したかという交通情報を推定してもよい。また、例えば、交通情報管理装置2は、1または複数の取得装置1から得られた上記の交通情報を統合し、端末装置3に送信してもよい。
【0028】
(ネットワークインタフェース部21)
ネットワークインタフェース部21は、ネットワークインタフェース部16と同様の構成を有するものであってもよい。例えば、ネットワークインタフェース部21は、マイク11を備える1または複数のデバイス、すなわち取得装置1が取得した音データと、当該1または複数のデバイスの各々の位置情報と、を取得する取得部であってもよい。また、ネットワークインタフェース部21は、生成部22が生成した、交通状態を示すデータを送信する送信部であってもよい。また、例えば、ネットワークインタフェース部21は、交通情報の提供依頼を取得してもよく、また、交通情報データを送信してもよい。
【0029】
(生成部22)
生成部22は、取得部が取得した、音データ(音声データ)と位置情報(位置データ)とを参照して、交通状態を示すデータを生成する。生成部22は、例えば図3に示すように、車両の音声データか否かの判別部221、位置データに基づく、デバイスの設置方向判別部222、交通状態データ生成部223を備える。但し、位置データに基づく、デバイスの設置方向判別部222は、以降では、デバイスの設置方向判別部222と省略して記載する。なお、生成部22は、ネットワークインタフェース部21が取得した、音データ(音声データ)と位置情報(位置データ)とを取得したうえで、これらのデータを参照した処理を行うので、生成部22は、これらのデータを取得する取得部としての機能も有する。
【0030】
(車両の音声データか否かの判別部221)
車両の音声データか否かの判別部221は、例えば、取得部が取得した音データと、車両から生じる他の音データと、を参照して、取得部が取得した音データが、車両から生じる音を含むか判別してもよい。図3の例では、交通手段Tが車両の場合を示している。交通手段Tから生じる他の音データは、例えば、交通手段Tから生じる音を含む音データであって、予め取得されたものであってもよい。また、例えば、交通手段Tから生じる他の音データは、データベースに格納されていてもよい。
【0031】
(車両音か否かを判別する為のデータベース23)
車両音か否かを判別する為のデータベース23は、例えば、車両から生じる他の音データを格納するデータベースである。図3の例では、車両音か否かを判別する為のデータベース23に格納されたデータが、車両の音声データか否かの判別部221の参照に供されている。
【0032】
(デバイスの設置方向判別部222)
デバイスの設置方向判別部222は、例えば図3に示すように、取得部が取得した位置情報と、交通に供される経路についての他の位置情報と、交通に供される経路における交通手段Tの所定の移動方向を示す情報と、を参照して、デバイスが向いている方角を判別してもよい。交通に供される経路の具体例としては、道路、鉄道路線、航空路が挙げられる。交通に供される経路についての他の位置情報は、例えば、道路、鉄道路線、または航空路を示す地図情報であってもよい。交通手段Tの所定の移動方向を示す情報は、例えば、道路における車線毎の進行方向であってもよく、また、取得部が取得した位置情報が属する地域について、左側通行または右側通行のいずれであるかを示す地図情報であってもよい。また、例えば、交通手段Tの所定の移動方向を示す情報は、データベースに格納されていてもよい。
【0033】
(左通行/右通行データベース24)
左通行/右通行データベース24は、例えば、交通手段Tの所定の移動方向を示す情報として、取得部が取得した位置情報が属する地域について、左側通行または右側通行のいずれであるかを示す情報を格納するデータベースである。図3の例では、左通行/右通行データベース24に格納された情報が、デバイスの設置方向判別部222の参照に供されている。
【0034】
(交通状態データ生成部223)
交通状態データ生成部223は、音データと位置情報とを参照して、交通状態を示すデータを生成する。交通状態の具体例としては、交通量、渋滞、事故発生が挙げられる。例えば、交通状態データ生成部223は、車両の音声データか否かの判別部221が判別した結果も参照して、交通状態を示すデータを生成してもよい。交通状態データ生成部223が生成した、交通状態を示すデータは、例えば、データベースに格納してもよい。
【0035】
(交通情報データベース25)
交通情報データベース25は、例えば、交通状態データ生成部223が生成した、交通状態を示すデータ、すなわち交通情報を格納するデータベースである。
【0036】
(提供交通情報データ生成部26)
提供交通情報データ生成部26は、交通情報データベース25に格納された交通情報を参照して、送信データを作成する。例えば、提供交通情報データ生成部26は、後述の交通情報提供依頼受信部27が受信した交通情報の提供依頼を参照し、交通情報提供依頼送信部28へ交通情報データを送信してもよい。
【0037】
(交通情報提供依頼受信部27)
交通情報提供依頼受信部27は、ネットワークインタフェース部21から、交通情報の提供依頼に係るデータを受信する。
【0038】
(交通情報提供依頼送信部28)
交通情報提供依頼送信部28は、交通情報提供依頼に係るデータを、ネットワークインタフェース部21へ送信する。
【0039】
(端末装置3)
端末装置3は、交通情報管理装置2から取得した交通情報を表示する。図3の例では、端末装置3は、ネットワークインタフェース部31、交通情報提供依頼送信部32、交通情報提供依頼受信部33、交通情報表示部34を備える。なお、ネットワークインタフェース部31、交通情報提供依頼送信部32、交通情報提供依頼受信部33は、それぞれ、ネットワークインタフェース部16または21、交通情報提供依頼送信部28、交通情報提供依頼受信部27と同様の構成を有するものとして、説明を省略する。
【0040】
(交通情報表示部34)
交通情報表示部34は、交通情報提供依頼受信部33から取得した交通情報を表示する。
【0041】
(取得装置1における取得処理方法S1の流れ)
本実施形態に係る、取得装置1における取得処理方法S1の流れについて、図4を参照して説明する。図4は、本実施形態に係る、取得装置1における取得処理方法S1の流れの一例を示すフロー図である。
【0042】
(ステップS11)
ステップS11において、位置情報取得部14は、例えばWi-Fi(登録商標)制御部15に、Wi-Fi(登録商標)位置情報の取得を要請する。
【0043】
(ステップS12)
ステップS12において、位置情報取得部14は、位置情報が取得できたか判定する。位置情報が取得できた場合(ステップS12:YES)、処理はステップS13へ進む。位置情報が取得できない場合(ステップS12:NO)、処理はステップS12を繰り返す。
【0044】
(ステップS13)
ステップS13において、音声入力部12は、マイク11の入力に音声入力はあるか判定する。音声入力がある場合(ステップS13:YES)、処理はステップS14へ進む。音声入力がない場合(ステップS13:NO)、処理はステップS13を繰り返す。
【0045】
(ステップS14)
ステップS14において、ネットワークインタフェース部16は、サーバ、すなわち交通情報管理装置2に、送信データ生成部13が生成した、位置情報及び音声情報を送信する。
【0046】
(交通情報管理装置2における情報処理方法S2の流れ)
本実施形態に係る、情報処理方法、すなわち交通情報管理装置2における情報処理方法S2の流れについて、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る、交通情報管理装置2における情報処理方法S2の流れの一例を示すフロー図である。
【0047】
(ステップS21)
ステップS21において、取得部は、各端末から音/位置データの送信があったか、すなわち、マイクを備える1または複数のデバイスが取得した音データと、当該1または複数のデバイスの各々の位置情報と、を取得したか、を判定する。音/位置データ送信があった場合(ステップS21:YES)、処理はステップS22へ進む。音/位置データ送信がない場合(ステップS21:NO)、処理はステップS21を繰り返す。
【0048】
(ステップS22)
ステップS22~S27において、生成部22は、ステップS21までに取得した、音データと位置情報とを参照して、交通状態を示すデータを生成する。
【0049】
ステップS22において、車両の音声データか否かの判別部221は、音声が車両の走行音か判定する。車両の走行音である場合(ステップS22:YES)、処理はステップS23へ進む。車両の走行音でない場合(ステップS22:NO)、処理はステップS22を繰り返す。
【0050】
(ステップS23)
ステップS23において、デバイスの設置方向判別部222は、取得装置1、すなわちデバイスの設置位置を示すデータから、当該位置が属する地域について右側通行か、左側通行かを確認する。
【0051】
(ステップS24)
ステップS24において、デバイスの設置方向判別部222は、デバイスの設置位置を示すデータから、デバイスの設置位置に最も近い道路の位置を確認する。
【0052】
(ステップS25)
ステップS25において、デバイスの設置方向判別部222は、デバイスの設置位置に対し、最も近い車線の走行方向と、最も近い車両の走行音を比較し、デバイスの設置方向を推定する。
【0053】
(ステップS26)
ステップS26において、交通状態データ生成部223は、デバイスの設置方向と、端末、すなわちデバイスから見た走行音の進行方向を合わせ、ある地点でどの方向にどれだけ車両が走行しているかの推定データを生成する。
【0054】
(ステップS27)
ステップS27において、交通状態データ生成部223は、複数の端末から収集した、上記推定データをもとに、交通状態のデータを生成/更新する。
【0055】
(交通情報管理装置2における送信処理方法S3の流れ)
本実施形態に係る、交通情報管理装置2における送信処理方法S3について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る、交通情報管理装置2における送信処理方法S3の流れの一例を示すフロー図である。
【0056】
(ステップS31)
ステップS31において、提供交通情報データ生成部26は、交通データ、すなわち交通状態を示すデータの提供依頼があったか判定する。提供依頼があった場合(ステップS31:YES)、処理はステップS32へ進む。提供依頼がない場合(ステップS31:NO)、処理はステップS31を繰り返す。
【0057】
(ステップS32)
ステップS32において、交通情報管理装置2は、交通データを第三の端末、すなわち端末装置3に送信する。
【0058】
(デバイスの設置方向の算出例)
図7は、デバイスの設置方向の算出例を示す図である。
【0059】
図7上方の図は、端末、すなわちデバイスの位置情報と、デバイスの設置位置から直近の道路の右側通行/左側通行の情報の例を示す図である。図7上方の図における例では、デバイスの設置位置から最も近い道路は東西に延びており、かつ左側通行であるため、最も近い車線を通る車両は西から東に移動するはずである。
【0060】
図7下方の図は、デバイスから収集した音情報の例を示す図である。図7下方の図における例では、デバイス1のモニタから最も近い車両Tの走行音は、デバイスの右端から左端の方向に移動している。
【0061】
デバイスの設置方向判別部222は、図7における上記の各情報を参照して、デバイスの設置方向を判別する。図7の例では、デバイス1はモニタをおよそ北に向ける形で設置されている、とデバイスの設置方向判別部222は判別している。
【0062】
(交通手段の所定の移動方向の例)
図8は、交通手段の所定の移動方向の例を示す図である。例えば、交通手段の所定の移動方向を示す地図情報は、図8上方の図のような道路の情報の代わりに、図8下方のような車線毎の進行方向を示す情報であってもよい。この場合、端末、すなわち取得装置1が属する地域に関する右側通行、左側通行を示す情報は不要としてもよい。このような、車線毎の進行方向を示す情報は、例えば、一方通行の道路、または、高速道路における特定の区間のように、上りと下りの左右関係が入れ替わっている道路でも有効である。
【0063】
(ユーザに提供する交通情報例)
図9は、ユーザに提供する交通情報例を示す図である。例えば、交通情報管理装置2は、図9の例に示すような交通情報を、利用者端末、すなわちユーザの端末装置3に送信してもよい。
【0064】
(本実施形態に係る、交通情報管理装置2および情報処理方法S2の効果)
以上のように、本実施形態に係る、交通情報管理装置2および情報処理方法S2によれば、汎用の装置を介して交通に係る情報を取得し、取得した情報を利用することができる。
【0065】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0066】
なお、本実施形態においても、図3を用いて説明したシステム0と同様の構成を有するものとして、その説明は省略する。
【0067】
(本実施形態に係る情報処理方法S4の流れ)
本実施形態に係る、情報処理方法、すなわち交通情報管理装置2における情報処理方法S4の流れについて、図10を参照して説明する。図10は、本実施形態に係る、交通情報管理装置2における情報処理方法S4の流れの一例を示すフロー図である。本実施形態においては、生成部22が生成する、交通状態を示すデータは、交通に供される経路を交通手段Tが通過する度合いを含む。例えば、交通に供される経路を交通手段Tが通過する度合いは、道路を車両が通過するのに伴う渋滞または交通量を指す。
【0068】
(渋滞または交通量の検出)
図10の例では、車両から生じる音により、渋滞または交通量を検出する手法を示している。例えば、該当地点にて、多数の車両のアイドリング音が継続して検知できる場合、付近で渋滞が発生していると推測できる。また、例えば、上記以外で多数の車両の走行音がする場合は、交通量が多いと推測できる。
【0069】
(ステップS41)
ステップS41において、生成部22は、取得装置1の設置位置付近で多数の車両のアイドリング音があるか判定する。多数の車両のアイドリング音があるかの判定は、例えば、取得部が取得した音データから、車両のアイドリング音に相当する周波数成分を抽出し、抽出した周波数成分の大きさが所定の閾値を上回るかで判定してもよい。所定の閾値を上回る場合(ステップS41:YES)、処理はステップS42へ進む。所定の閾値を下回る場合(ステップS41:NO)、処理はステップS43へ進む。
【0070】
(ステップS42)
ステップS42において、生成部22は、該当位置で渋滞が発生していると判断する。
【0071】
(ステップS43)
ステップS43において、生成部22は、取得装置1の設置位置付近で多数の車両の走行音があるか判定する。多数の車両の走行音があるかの判定は、例えば、取得部が取得した音データから、車両の走行音に相当する周波数成分を抽出し、抽出した周波数成分の大きさが所定の閾値を上回るかで判定してもよい。所定の閾値を上回る場合(ステップS43:YES)、処理はステップS44へ進む。所定の閾値を下回る場合(ステップS43:NO)、処理はステップS45へ進む。
【0072】
(ステップS44)
ステップS44において、生成部22は、該当位置の交通量が多いと判断する。
【0073】
(ステップS45)
ステップS45において、生成部22は、該当位置の交通量が少ないと判断する。
【0074】
(本実施形態に係る、交通情報管理装置2および情報処理方法S4の効果)
以上のように、本実施形態に係る、交通情報管理装置2および情報処理方法S4によれば、交通手段から生じる音により、交通に供される経路を交通手段が通過する度合いを推測することができる。
【0075】
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0076】
なお、本実施形態においても、図3を用いて説明したシステム0と同様の構成を有するものとして、その説明は省略する。
【0077】
(本実施形態に係る情報処理方法S5の流れ)
本実施形態に係る、情報処理方法、すなわち交通情報管理装置2における情報処理方法S5の流れについて、図11を参照して説明する。図11は、本実施形態に係る、交通情報管理装置2における情報処理方法S5の流れの一例を示すフロー図である。本実施形態においては、生成部22は、取得部が取得した、他の位置における音データと位置情報とを参照して、対象の位置における交通状態を示すデータを生成する。
【0078】
(近隣地点での音情報からの交通情報の推測)
図11の例では、近隣地点、すなわち他の位置での音情報から、交通情報を推測する手法を示している。例えば、音情報が取得できていない地点についても、隣接する地点での音情報が取得できている場合は間接的に交通情報を推測できる。また、例えば、音情報が取得できている近隣の地点において、該当地点、すなわち対象の位置の方面に向かう多数の走行音がする場合、該当地点でも交通量が多いと推測できる。
【0079】
(ステップS51)
ステップS51において、生成部22は、該当地点の音情報が取得できているか判定する。取得できている場合(ステップS51:YES)、処理はステップS52へ進む。取得できていない場合(ステップS51:NO)、処理はステップS53へ進む。
【0080】
(ステップS52)
ステップS52において、処理は通常の推測フローへ、例えばS2における処理フローへ進む。
【0081】
(ステップS53)
ステップS53において、生成部22は、該当地点の近隣にて、音情報が取得できている地点が存在するか判定する。存在する場合(ステップS53:YES)、処理はステップS54へ進む。存在しない場合(ステップS53:NO)、処理は終了する。
【0082】
(ステップS54)
ステップS54において、生成部22は、該当地点の方向に向かう多数の走行音がするか判定する。多数の走行音がするかの判定は、例えば、取得部が取得した音データから、対象の交通手段Tの走行音に相当する周波数成分を抽出し、抽出した周波数成分の大きさが所定の閾値を上回るかで判定してもよい。所定の閾値を上回る場合(ステップS54:YES)、処理はステップS55へ進む。所定の閾値を下回る場合(ステップS54:NO)、処理は終了する。
【0083】
(ステップS55)
ステップS55において、生成部22は、該当位置の交通量が多いと判断する。
【0084】
(音情報が取得できる他の地点の例)
図12は、音情報が取得できる他の地点の例を示す図である。図12の例において、対象の地点である地点Xにおける音情報が取得できていない場合でも、他の地点である、地点B,C,Dにおいて、地点Xに向かう多数の走行音がする場合、地点Xの交通量は多いと推測できる。
【0085】
(本実施形態に係る、交通情報管理装置2および情報処理方法S5の効果)
以上のように、本実施形態に係る、交通情報管理装置2および情報処理方法S5によれば、他の位置における音データと位置情報とを参照して、対象の位置における交通状態を推測することができる。
【0086】
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0087】
なお、本実施形態においても、図3を用いて説明したシステム0と同様の構成を有するものとして、その説明は省略する。
【0088】
(本実施形態に係る情報処理方法S6の流れ)
本実施形態に係る、情報処理方法、すなわち交通情報管理装置2における情報処理方法S6の流れについて、図13を参照して説明する。図13は、本実施形態に係る、交通情報管理装置2における情報処理方法S6の流れの一例を示すフロー図である。本実施形態においては、取得部が取得した音データが、交通を妨げ得る事象に係る音を含む場合、生成部22は、交通を妨げ得る事象に係る状態を含む、交通状態を示すデータを生成する。交通を妨げ得る事象は、例えば、交通事故であってもよい。また、当該事象に係る音は、例えば、車両など交通手段Tに係る、衝突音、急停止音、緊急車両から生じる音、であってもよい。
【0089】
(交通事故の検知)
図13の例では、車両から生じる音により、交通事故を検知する手法を示している。例えば、該当地点にて、大きな衝突音や車両の急停止音、あるいは救急車などの緊急車両が付近で停止した音を検知した場合、付近で交通事故が発生した可能性が高いと推測できる。
【0090】
(ステップS61)
ステップS61において、生成部22は、取得装置1の設置位置付近で大きな衝突音がしたか判定する。大きな衝突音がしたかの判定は、例えば、取得部が取得した音データから、衝突音に相当する周波数成分を抽出し、抽出した周波数成分の大きさが所定の閾値を上回るかで判定してもよい。所定の閾値を上回る場合(ステップS61:YES)、処理はステップS62へ進む。所定の閾値を下回る場合(ステップS61:NO)、処理はステップS63へ進む。
【0091】
(ステップS62)
ステップS62において、生成部22は、ステップS61で判定された大きな衝突音と同時に車両の急停止音がしたか判定する。急停止音がした場合(ステップS62:YES)、処理はステップS64へ進む。急停止音がしない場合(ステップS62:NO)、処理はステップS63へ進む。
【0092】
(ステップS63)
ステップS63において、生成部22は、本実施形態に係る判定なし、すなわち、取得装置1の設置位置付近で事故が発生していないものとみなして、処理を終了する。
【0093】
(ステップS64)
ステップS64において、生成部22は、ステップS62で判定された急停止音の後、一定時間内に救急車両の走行音が、衝突音がした方向付近で停止したと検知されたか判定する。検知された場合(ステップS64:YES)、処理はステップS65へ進む。検知されない場合(ステップS64:NO)、処理はステップS66へ進む。
【0094】
(ステップS65)
ステップS65において、生成部22は、取得装置1の設置位置付近で事故が発生した可能性が高いと判定する。
【0095】
(ステップS66)
ステップS66において、生成部22は、取得装置1の設置位置付近で事故が発生した可能性があると判定する。
【0096】
事故が発生した可能性は、例えば、数値を設定して示してもよい。例えば、ステップS65において、事故が発生した可能性が高いと判定した場合は、当該数値が所定の閾値を上回るよう設定してもよい。また、例えば、ステップS66において、事故が発生した可能性があると判定した場合は、当該数値が、0を上回り、かつ、所定の閾値を下回るよう、設定してもよい。
【0097】
(本実施形態に係る、交通情報管理装置2および情報処理方法S6の効果)
以上のように、本実施形態に係る、交通情報管理装置2および情報処理方法S6によれば、取得部が取得した音データが、交通を妨げ得る事象に係る音を含む場合、当該事象に係る状態を含む交通状態を推測することができる。
【0098】
〔実施形態5〕
本発明の実施形態5について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0099】
なお、本実施形態においても、図3を用いて説明したシステム0、および、図5を用いて説明した情報処理方法S2と同様の構成を有するものとして、その説明は省略する。
【0100】
(2以上の地点での特徴音の検知による設置方向判別)
図14は、本実施形態に係る、デバイスの設置方向の判別例を示す図である。本実施形態においては、1又は複数のデバイスは、対象のデバイスと、向いている方角を特定済みの他のデバイスとを含む複数のデバイスであり、生成部22は、取得部が取得した、他のデバイスに関する音データと位置情報と、を参照して、対象のデバイスが向いている方角を判別する。
【0101】
図14の例では、2以上の地点での特徴音の検知により、デバイスの設置方向を判別している。例えば、航空機やヘリコプタの飛行音などの特徴的で容易に同定可能な音であり、かつおよそ直線で移動すると想定される音情報を、ごく近い2地点でほぼ同時に検知できた場合、片方のデバイス設置方向が特定済みであればもう片方のデバイスの設置方向も判別することができる。
【0102】
図14上方の図は、端末A,Bの位置情報と、端末Aで検知した特徴音の移動方向の情報の例を示す図である。図14上方の図の例では、端末Aは設置方向を特定済みである一方、端末Bは設置方向がまだ不明である。例えば、端末Aにおいて、x月x日 12:00:00に航空機の飛行音が南東から北西に移動するのを検知したものとする。
【0103】
図14下方の図は、端末Bで検知した特徴音の情報の例を示す図である。例えば、x月x日 12:00:02に、航空機Tの飛行音が、デバイス1のモニタ右端から左端方向に移動するのを検知したものとする。
【0104】
デバイスの設置方向判別部222は、図14における上記の各情報を参照して、デバイス1は、モニタをおよそ北に向ける形で設置されていると判別する。
【0105】
(本実施形態に係る、交通情報管理装置2および情報処理方法S2の効果)
以上のように、本実施形態に係る、交通情報管理装置2および情報処理方法S2によれば、向いている方角を特定済みの他のデバイスに関する、音データと位置情報と、を参照して、対象のデバイスが向いている方角を判別することができる。
【0106】
〔実施形態6〕
本発明の実施形態6について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0107】
なお、本実施形態においても、図3を用いて説明したシステム0、および、図5を用いて説明した情報処理方法S2と同様の構成を有するものとして、その説明は省略する。
【0108】
(列車の走行音の検知による設置方向判別)
図15は、本実施形態に係る、デバイスの設置方向の判別例を示す図である。本実施形態においては、生成部22は、デバイスについての位置情報と、交通に供される経路についての他の位置情報と、交通に供される経路における交通手段の移動計画を示す情報と、を参照して、デバイスが向いている方角を判別する。交通手段の移動計画は、例えば、運行ダイヤグラムであってもよい。
【0109】
図15の例では、列車の走行音の検知により、デバイスの設置方向を判別している。例えば、設置方向が不明であるデバイスの近辺に線路が存在し、かつその路線の運行ダイヤグラムが判明している場合、デバイスで検知した列車の走行音とその時間における運行列車の走行方向を比較することで、デバイスの設置方向を判別できる。
【0110】
図15上方の図は、端末Aと、付近の路線Xの位置情報の例を示す図である。例えば、端末A付近に路線Aがあり、上り電車は東から西、下り電車は西から東に走行するものとする。
【0111】
図15左方の図は、路線Xの運行ダイヤグラムのイメージである。例えば、路線Xの運行ダイヤグラムから、x月x日 12:00:00に該当地点を通過したのは下り電車との情報が得られたとする。
【0112】
図15下方の図は、端末Aで検知した特徴音の情報の例を示す図である。例えば、x月x日 12:00:00に、列車Tの走行音が、デバイス1のモニタ左端から右端方向に移動するのを検知したものとする。
【0113】
デバイスの設置方向判別部222は、図15における上記の各情報を参照し、デバイスの設置方向を判別する。図15の例では、デバイス1はモニタをおよそ南に向ける形で設置されている、とデバイスの設置方向判別部222は判別している。
【0114】
(本実施形態に係る、交通情報管理装置2および情報処理方法S2の効果)
以上のように、本実施形態に係る、交通情報管理装置2および情報処理方法S2によれば、交通に供される経路における交通手段の移動計画を示す情報を参照して、デバイスが向いている方角を判別することができる。
【0115】
〔実施形態7〕
本発明の実施形態7について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0116】
なお、本実施形態においても、図3を用いて説明したシステム0、および、図5を用いて説明した情報処理方法S2と同様の構成を有するものとして、その説明は省略する。
【0117】
(ユーザに対する能動的な情報収集)
図16は、本実施形態に係る、ユーザに対する能動的な情報収集の例を示す図である。例えば、デバイス1をインタフェースとして使用し、ユーザから能動的に交通情報を収集してもよい。本実施形態においては、取得部は、ユーザUからデバイス1又は他のデバイス1を介して交通情報を取得し、生成部22は、取得部が取得した、交通情報と、位置情報と、を参照して、交通状態を示すデータを生成する。なお、本実施形態に係るデバイス1は、必ずしもマイク11を備えていなくてもよい。
【0118】
図16の例では、デバイス1としてTVを使用し、TV番組でのアンケートによる交通情報収集例を示している。例えば、デジタル放送の双方向機能によりTV番組でアンケートを取る形でユーザから付近の交通情報を収集してもよい。また、例えば、交通情報の収集が不十分である地域に対し、サーバ側から該当地域に設置されたTVに対して付近の交通情報の回答依頼を送信してもよい。
【0119】
図16の例では、デバイス1は、まず、最寄りの道路の込み具合を、空いている、普通、混んでいる、渋滞、の選択肢を提示して、ユーザUに問合せている。ユーザUは、解答をデバイス1に送信する。デバイス1は、ネットワーク経由でサーバに結果を送信する。
【0120】
(本実施形態に係る、交通情報管理装置2および情報処理方法S2の効果)
以上のように、本実施形態に係る、交通情報管理装置2および情報処理方法S2によれば、ユーザから能動的に交通情報を取得し、取得した交通情報と、位置情報と、を参照して、交通状態を示すデータを生成することができる。
【0121】
〔ソフトウェアによる実現例〕
交通情報管理装置2(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の各制御ブロック(特に生成部22に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0122】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0123】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0124】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0125】
また、上記各実施形態で説明した各処理は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)に実行させてもよい。この場合、AIは上記制御装置で動作するものであってもよいし、他の装置(例えばエッジコンピュータまたはクラウドサーバ等)で動作するものであってもよい。
【0126】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る情報処理装置は、マイクを備える1または複数のデバイスが取得した音データと、当該1または複数のデバイスの各々の位置情報と、を取得する取得部と、前記取得部が取得した、前記音データと前記位置情報とを参照して、交通状態を示すデータを生成する生成部と、を備えている。
【0127】
上記の構成によれば、汎用の装置を介して交通に係る情報を取得し、取得した情報を利用することができる。
【0128】
本発明の態様2に係る情報処理装置は、上記態様1において、前記生成部は、前記取得部が取得した前記音データと、交通手段から生じる他の音データと、を参照して、前記取得部が取得した前記音データが、前記交通手段から生じる音を含むか判別し、判別した結果を参照して前記交通状態を示すデータを生成する。
【0129】
上記の構成によれば、取得した音データが交通手段から生じる音を含むか判別することができる。
【0130】
本発明の態様3に係る情報処理装置は、上記態様1または2において、前記生成部は、前記取得部が取得した前記位置情報と、交通に供される経路についての他の位置情報と、前記交通に供される経路における交通手段の所定の移動方向を示す情報と、を参照して、前記デバイスが向いている方角を判別する。
【0131】
上記の構成によれば、交通に供される経路における交通手段の所定の移動方向を示す情報を参照して、デバイスが向いている方角を判別することができる。
【0132】
本発明の態様4に係る情報処理装置は、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記生成部が生成した、交通状態を示すデータを送信する送信部を備える。
【0133】
上記の構成によれば、生成部が生成した、交通状態を示すデータを、外部に送信することができる。
【0134】
本発明の態様5に係る情報処理装置は、上記態様1から4のいずれかにおいて、前記生成部が生成する、前記交通状態を示すデータは、交通に供される経路を交通手段が通過する度合いを含む。
【0135】
上記の構成によれば、交通手段から生じる音により、交通に供される経路を交通手段が通過する度合いを推測することができる。
【0136】
本発明の態様6に係る情報処理装置は、上記態様1から5のいずれかにおいて、前記生成部は、前記取得部が取得した、他の位置における前記音データと前記位置情報とを参照して、対象の位置における前記交通状態を示すデータを生成する。
【0137】
上記の構成によれば、他の位置における音データと位置情報とを参照して、対象の位置における交通状態を推測することができる。
【0138】
本発明の態様7に係る情報処理装置は、上記態様1から6のいずれかにおいて、前記取得部が取得した前記音データが、交通を妨げ得る事象に係る音を含む場合、前記生成部は、前記交通を妨げ得る事象に係る状態を含む、前記交通状態を示すデータを生成する。
【0139】
上記の構成によれば、取得部が取得した音データが、交通を妨げ得る事象に係る音を含む場合、当該事象に係る状態を含む交通状態を推測することができる。
【0140】
本発明の態様8に係る情報処理装置は、上記態様1、2、または4から7のいずれかにおいて、前記1または複数のデバイスは、対象のデバイスと、向いている方角を特定済みの他のデバイスとを含む複数のデバイスであり、前記生成部は、前記取得部が取得した、前記他のデバイスに関する前記音データと前記位置情報と、を参照して、前記対象のデバイスが向いている方角を判別する。
【0141】
上記の構成によれば、向いている方角を特定済みの他のデバイスに関する、音データと位置情報と、を参照して、対象のデバイスが向いている方角を判別することができる。
【0142】
本発明の態様9に係る情報処理装置は、上記態様1、2、または4から7のいずれかにおいて、前記生成部は、前記デバイスについての前記位置情報と、交通に供される経路についての他の位置情報と、前記交通に供される経路における交通手段の移動計画を示す情報と、を参照して、前記デバイスが向いている方角を判別する。
【0143】
上記の構成によれば、交通に供される経路における交通手段の移動計画を示す情報を参照して、デバイスが向いている方角を判別することができる。
【0144】
本発明の態様10に係る情報処理装置は、上記態様1、2、または4のいずれかにおいて、前記取得部は、ユーザから前記デバイスまたは他のデバイスを介して交通情報を取得し、前記生成部は、前記取得部が取得した、前記交通情報と、前記位置情報と、を参照して、前記交通状態を示すデータを生成する。
【0145】
上記の構成によれば、ユーザから能動的に交通情報を取得し、取得した交通情報と、位置情報と、を参照して、交通状態を示すデータを生成することができる。
【0146】
本発明の態様11に係る情報処理方法は、マイクを備える1または複数のデバイスが取得した音データと、当該1または複数のデバイスの各々の位置情報と、を取得する取得ステップと、前記取得ステップが取得した、前記音データと前記位置情報とを参照して、交通状態を示すデータを生成する生成ステップと、を含む。
【0147】
上記の構成によれば、態様1と同様の効果を奏する。
【0148】
本発明の態様12に係るプログラムは、コンピュータに、マイクを備える1または複数のデバイスが取得した音データと、当該1または複数のデバイスの各々の位置情報と、を取得する取得ステップと、前記取得ステップが取得した、前記音データと前記位置情報とを参照して、交通状態を示すデータを生成する生成ステップと、を実行させる。
【0149】
上記の構成によれば、態様1と同様の効果を奏する。
【0150】
本発明の各態様に係る情報処理装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記情報処理装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより上記情報処理装置をコンピュータにて実現させる情報処理装置の情報制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0151】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0152】
1 デバイス、取得装置
2 交通情報管理装置
3 端末装置
11 マイク
12 音声入力部
13 送信データ生成部
14 位置情報取得部
15 Wi-Fi(登録商標)制御部
16、21、31 ネットワークインタフェース部
22 生成部
23 データベース
24 左通行/右通行データベース
25 交通情報データベース
26 提供交通情報データ生成部
27、33 交通情報提供依頼受信部
28、32 交通情報提供依頼送信部
34 交通情報表示部
221 判別部
222 設置方向判別部
223 交通状態データ生成部
S1 取得処理方法
S2、S4、S5、S6 情報処理方法
S3 送信処理方法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16