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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169083
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】基地局用架台及び携帯電話基地局
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/12 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
H01Q1/12 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086272
(22)【出願日】2023-05-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1. 公開日 2022年11月8日 施工場所 大阪府大阪市中央区高麗橋1-3-3 公開者 株式会社メディアテック一心 2. 公開日 2023年3月23日 施工場所 大阪府大阪市北区中津3-25-10 公開者 株式会社JTE
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】田尻 悠
(72)【発明者】
【氏名】畔柳 響兵
【テーマコード(参考)】
5J047
【Fターム(参考)】
5J047AA07
5J047BG05
5J047BG10
(57)【要約】
【課題】携帯電話基地局の省スペース化を図ること。
【解決手段】鋼製基礎(18)に支持柱(20)が設置され、支持柱(20)の周りに4つのポール(22)が間隔を置いて立設され、横方向に隣接する各一対のポール(22)間に第1連結部材(28)が連結するように設けられ、縦方向に隣接する各一対のポール(22)間に第2連結部材(36)が連結するように設けられ、各ポール(22)と支持柱(20)との間に第3連結部材(46)が連結するように設けられている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話基地局を建物の屋上に設置するための基地局用架台であって、
前記屋上の床面に設置された鋼製基礎と、
前記鋼製基礎に設置され、アンテナを設置するための支持柱と、
前記支持柱の周りに間隔を置いて立設され、平面視において矩形の4つの角部にそれぞれ位置する4つのポールと、
水平方向の1つである横方向に隣接する各一対の前記ポール間に連結するように設けられた第1連結部材と、
水平方向の1つである縦方向に隣接する各一対の前記ポール間に連結するように設けられた第2連結部材と、
各ポールと前記支持柱との間に連結するように設けられた第3連結部材と、を備えることを特徴とする基地局用架台。
【請求項2】
前記屋上の床面における前記鋼製基礎の周りに間隔を置いて設置され、前記ポールを下側から支持する4つのジャッキベースを更に備えることを特徴とする請求項に記載の基地局用架台。
【請求項3】
各第1連結部材は、
横方向に延びかつ上下方向に対向した一対の第1水平連結部材と、
一対の前記第1水平連結部材との間に配置され、水平方向に対して傾斜した第1傾斜連結部材と、を有し、
各第2連結部材は、
縦方向に延びかつ上下方向に対向した一対の第2水平連結部材と、
一対の前記第2水平連結部材との間に配置され、水平方向に対して傾斜した第2傾斜連結部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の基地局用架台。
【請求項4】
各第3連結部材は、
水平方向に延びかつ上下方向に対向した一対の第3水平連結部材と、
一対の前記第3水平連結部材との間に配置され、水平方向に対して傾斜した第3傾斜連結部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載の基地局用架台。
【請求項5】
4つの前記ポールは、平面視において正方形の4つの角部にそれぞれ位置することを特徴とする請求項1に記載の基地局用架台。
【請求項6】
請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の基地局用架台と、
前記基地局用架台における支持柱に設置されたアンテナと、
前記基地局用架台における複数の第1連結部材及び複数の第2連結部材のうちの少なくともいずれかに設置され、前記アンテナに接続する無線通信機と、を備えることを特徴とする携帯電話基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話基地局を建物の屋上に設置するための基地局用架台、及び基地局用架台を備えた携帯電話基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の携帯端末の普及に伴い、携帯端末との間で無線通信を行う携帯電話基地局の設置が進んでいる。ビル等の建物の屋上の床面に携帯電話基地局を設置する際には、基地局用架台が用いられており、基地局用架台は、携帯電話基地局の一部を構成する。そして、基地局用架台の先行技術として例えば特許文献1に示すものがあり、先行技術に係る基地局用架台を簡単に説明すると、次の通りである。
【0003】
先行技術に係る基地局用架台は、建物の屋上の床面に設置された架台本体を備えている。架台本体には、アンテナを設置するための支持柱が立設されており、支持柱は、架台本体の重心位置の一方側に位置している。架台本体には、バラストを装着するためのバラスト装着部が設けられており、バラスト装着部は、架台本体の重心位置の他方側に位置している。バラスト装着部は、無線通信機を設置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3211758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、アンテナ及び無線通信機の設置状態を安定させるためには、架台本体の平面サイズを大きくして、基地局用架台の支持剛性を高める必要がある。一方、架台本体の平面サイズを大きくすると、基地局用架台の設置スペースが拡大して、携帯電話基地局の省スペース化を図ることが困難になる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る基地局用架台は、携帯電話基地局を建物の屋上に設置するための基地局用架台であって、前記屋上の床面に設置された鋼製基礎と、前記鋼製基礎に立設され、アンテナを設置するための支持柱と、前記支持柱の周りに間隔を置いて立設され、平面視において矩形の4つの角部にそれぞれ位置する4つのポールと、水平方向の1つである横方向に隣接する各一対の前記ポール間に連結するように設けられた第1連結部材と、水平方向の1つである縦方向に隣接する各一対の前記ポール間に連結するように設けられた第2連結部材と、各ポールと前記支持柱との間に連結するように設けられた第3連結部材と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る携帯電話基地局は、本発明の一態様に係る基地局用架台と、前記基地局用架台における支持柱に設置されたアンテナと、前記基地局用架台における複数の第1連結部材及び複数の第2連結部材のうちの少なくともいずれかに設置され、前記アンテナに接続する無線通信機と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る携帯電話基地局の模式的な正面図である。
図2】本発明の実施形態に係る基地局用架台の模式的な正面図又は側面図である。
図3図1におけるIII-III線に沿った模式的な拡大図である。
図4図3におけるIV-IV線に沿った模式的な図である。
図5図2におけるV部の拡大図である。
図6図3におけるVI部の拡大図である。
図7図3におけるVII部の拡大図である。
図8図4におけるVIII部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。本願の明細書及び特許請求の範囲の記載において、横方向とは、水平方向の1つであって、携帯電話基地局又は基地局用架台の幅方向のことである。縦方向とは、水平方向の1つであって、横方向に直交する方向のことである。図面中、「CD」は横方向、「LD」は縦方向、「HD」は上下方向(高さ方向)、「HDa」は上側、「HDb」は下側をそれぞれ指している。
【0010】
図1から図8を参照して、本発明の実施形態に係る携帯電話基地局10及び基地局用架台12について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る携帯電話基地局10の模式的な正面図である。図2は、本発明の実施形態に係る基地局用架台12の模式的な正面図又は側面図である。図3は、図1におけるIII-III線に沿った模式的な拡大図である。図4は、図3におけるIV-IV線に沿った模式的な図である。図5は、図2におけるV部の拡大図である。図6は、図3におけるVI部の拡大図である。図7は、図3におけるVII部の拡大図である。図8は、図4におけるVIII部の拡大図である。
【0011】
(携帯電話基地局10の概要)
図1に示すように、本発明の実施形態に係る携帯電話基地局10は、ビル等の建物の屋上RFに設置され、例えば携帯電話又は携帯型情報端末等の端末との間で無線通信を行う。携帯電話基地局10は、建物の屋上に設置された基地局用架台12と、基地局用架台12に設置された円柱状の複数のアンテナ14とを備えている。携帯電話基地局10は、基地局用架台12に設置されかつアンテナ14に接続する複数の無線通信機16を備えている。無線通信機16のボックスには、無線通信機16に付随する各種の装置を収容してもよい。
【0012】
続いて、本発明の実施形態に係る基地局用架台12の具体的な構成について説明する。
【0013】
(基地局用架台12の概要、鋼製基礎18)
図1から図4に示すように、本発明の実施形態に係る基地局用架台12は、携帯電話基地局10をビル等の建物の屋上RFに設置するための架台である。基地局用架台12は、建物の屋上RFに設置された鋼製基礎18を備えている。鋼製基礎18をアンカー部材によって建物の屋上RFに固定されている。
【0014】
(支持柱20)
図1図2、及び図4に示すように、鋼製基礎18の上面には、アンテナ14を設置するための支持柱20が設置されており、支持柱20は、上下方向に延びている。支持柱20は、上下方向に延びた柱部20aを有しており、柱部20aは、例えば丸パイプ状の管鋼からなる。支持柱20は、柱部20aの下端面に溶接等によって接合された矩形の接続板部20bを有しており、接続板部20bは、鋼製基礎18の上面に複数のボルトによって接合されている。支持柱20は、柱部20aの上端面に溶接等によって接合された円形状の接続板部20dを有している。なお、支持柱20は、上下方向に沿って分割された複数の分割柱によって構成されてもよい。柱部20aに複数の足掛けを上下方向に間隔を置いて設けてもよい。
【0015】
(ポール22)
図2から図8に示すように、支持柱20の周りには、上下方向に延びた円管状の4つのポール22が間隔を置いて立設されており、各ポール22は、例えば丸パイプ状の管鋼からなる。4つのポール22は、平面視において正方形の4つの角部にそれぞれ位置している。なお、4つのポール22が平面視において正方形の4つの角部にそれぞれ位置する代わりに、正方形以外の矩形の4つの角部にそれぞれ位置してもよい。
【0016】
(ジャッキベース24)
図2図4図5、及び図8に示すように、建物の屋上RFの床面における鋼製基礎18の周りには、ポール22を下方向から支持する4つのジャッキベース24が間隔を置いて設置されている。各ジャッキベース24は、上下方向に延びた脚部24aを有しており、脚部24aの上端部側は、ポール22の内側に挿入されている。各ジャッキベース24は、脚部24aの下端面に溶接等によって接合されかつ建物の屋上RFの床面に設置される矩形状の設置板部24bを有している。
【0017】
各ジャッキベース24は、脚部24aに螺合して設けられかつポール22の下端面を支持する支持筒部24cと、支持筒部24cの外周面に溶接等によって接合されたハンドル部24dとを有している。ハンドル部24dの回転操作によって支持筒部24cを回転させることで、脚部24aが螺合作用によって上下方向に移動して、設置板部24bの設置高さ、換言すれば、ジャッキベース24の設置高さを調節することができる。
【0018】
なお、上記はジャッキベース24の構造の一例であって、ポール22の下端面を建物の屋上RFの床面から浮かせることができる構造であればよい。具体的には、例えば、ポール22の下端側を蝶番等によって折り曲げ可能に構成してもよい。このように構成することで、ポール22の下端側を容易に建物の屋上RFの床面から持ち上げることができ、建物の屋上RFの床面に対する施工や、基地局用架台12のメンテナンスを簡便に行うことができる。
【0019】
(ブラケット26、第1連結部材28、第1水平連結部材30、第1傾斜連結部材32)
図2図5図6、及び図7に示すように、各ポール22の外周面には、横方向に隣接するポール22側に向かって突出した一対のブラケット26が溶接等によって接合されており、各一対のブラケット26は、上下方向に対向している。横方向に隣接する各一対のポール22間には、第1連結部材28が連結するように設けられている。
【0020】
各第1連結部材28は、横方向に延びかつ上下方向に対向した一対の第1水平連結部材30を有しており、各第1水平連結部材30は、例えばC型鋼からなる。各第1水平連結部材30の一端部は、横方向に隣接する各一対のポール22のうちの一方のポール22のブラケット26に連結ピンを介して一体的に連結されている。各第1水平連結部材30の他端部は、横方向に隣接する各一対のポール22のうちの他方のポール22のブラケット26に連結ピンを介して一体的に連結されている。
【0021】
各第1連結部材28は、一対の第1水平連結部材30との間に配置されかつ水平方向に対して傾斜した第1傾斜連結部材32を有しており、各第1傾斜連結部材32は、例えばL型鋼からなる。各第1傾斜連結部材32の一端部は、横方向に隣接する各一対のポール22のうちの一方のポール22のブラケット26に連結ピンを介して一体的に連結されている。各第1傾斜連結部材32の他端部は、横方向に隣接する各一対のポール22のうちの他方のポール22のブラケット26に連結ピンを介して一体的に連結されている。
【0022】
(ブラケット34、第2連結部材36、第2水平連結部材38、第2傾斜連結部材40)
図2図5図6、及び図7に示すように、各ポール22の外周面には、縦方向に隣接するポール22側に向かって突出した一対のブラケット34が溶接等によって接合されており、各一対のブラケット34は、上下方向に対向している。縦方向に隣接する各一対のポール22間には、第2連結部材36が連結するように設けられている。
【0023】
各第2連結部材36は、縦方向に延びかつ上下方向に対向した一対の第2水平連結部材38を有しており、各第2水平連結部材38は、例えばC型鋼からなる。各第2水平連結部材38の一端部は、縦方向に隣接する各一対のポール22のうちの一方のポール22のブラケット34に連結ピンを介して一体的に連結されている。各第2水平連結部材38の他端部は、縦方向に隣接する各一対のポール22のうちの他方のポール22のブラケット34に連結ピンを介して一体的に連結されている。
【0024】
各第2連結部材36は、一対の第2水平連結部材38との間に配置されかつ水平方向に対して傾斜した第2傾斜連結部材40を有しており、各第2傾斜連結部材40は、例えばL型鋼からなる。各第2傾斜連結部材40の一端部は、縦方向に隣接する各一対のポール22のうちの一方のポール22のブラケット34に連結ピンを介して一体的に連結されている。各第2傾斜連結部材40の他端部は、横方向に隣接する各一対のポール22のうちの他方のポール22のブラケット34に連結ピンを介して一体的に連結されている。
【0025】
(ブラケット42、ブラケット44、第3連結部材46、第3水平連結部材48、第3傾斜連結部材50)
図4図6から図8に示すように、各ポール22の外周面には、支持柱20に向かって突出した一対のブラケット42が溶接等によって接合されており、各一対のブラケット42は、上下方向に対向している。各ポール22の平面視において、ブラケット42は、ブラケット26とブラケット34の中間に位置している。また、各支持柱20の外周面における各ポール22と対向する部位には、一対のブラケット44が溶接等によって接合されており、各一対のブラケット44は、上下方向に対向している。
【0026】
各ポール22と支持柱20との間には、第3連結部材46が連結するように設けられている。各第3連結部材46は、水平方向に延びかつ上下方向に対向した一対の第3水平連結部材48を有しており、各第3水平連結部材48は、例えばL型鋼からなる。各第3水平連結部材48の一端部は、各ポール22のブラケット42に連結ピンを介して一体的に連結されている。各第3水平連結部材48の他端部は、支持柱20のブラケット44に連結ピンを介して一体的に連結されている。
【0027】
各第3連結部材46は、一対の第3水平連結部材48との間に配置されかつ水平方向に対して傾斜した第3傾斜連結部材50を有しており、各第3傾斜連結部材50は、例えばL型鋼からなる。各第3傾斜連結部材50の一端部は、各ポール22のブラケット42に連結ピンを介して一体的に連結されている。各第3傾斜連結部材50の他端部は、支持柱20のブラケット44に連結ピンを介して一体的に連結されている。
【0028】
(アンテナ14及び無線通信機16の取付け)
図5から図7を参照して、基地局用架台12に対するアンテナ14及び無線通信機16の取付けについて簡単に説明する。
【0029】
図1に示すように、支持柱20には、複数の支持アーム52が設けられており、複数の支持アーム52には、アンテナ14が設けられている。換言すれば、アンテナ14は、複数の支持アーム52を介して支持柱20に設置される。
【0030】
上下方向に対向する各一対の第1水平連結部材30には、無線通信機16を設置するための第1取付金具54が複数のU字ボルト56を介して着脱可能に設けている。換言すれば、無線通信機16は、上下方向に対向する各一対の第1水平連結部材30に第1取付金具54及び複数のU字ボルト56を介して設置される。また、上下方向に対向する各一対の第2水平連結部材38には、無線通信機16を設置するための第2取付金具58が複数のU字ボルト60を介して着脱可能に設けられている。換言すれば、無線通信機16は、上下方向に対向する各一対の第2水平連結部材38に第2取付金具58及び複数のU字ボルト60を介して設置される。
【0031】
基地局用架台12においては、前述のように、支持柱20が鋼製基礎18の上面に設置されている。横方向に隣接する各一対のポール22を第1連結部材28によって一体的に連結する。縦方向に隣接する各一対のポール22を第2連結部材36によって一体的に連結する。各ポール22と支持柱20を第3連結部材46によって一体的に連結する。そのため、支持柱20だけでなく、各ポール22、各第1連結部材28、及び各第2連結部材36をそれぞれ鋼製基礎18と一体化することができる。これにより、基地局用架台12の設置スペースを抑えつつ、基地局用架台12の支持剛性を高めることができる。
【0032】
特に、各第1連結部材28が一対の第1水平連結部材30と第1傾斜連結部材32とを有しているため、各第1連結部材28の支持剛性を高めることができる。各第2連結部材36が一対の第2水平連結部材38と第2傾斜連結部材40を有しているため、各第2連結部材36の支持剛性を高めることができる。各第3連結部材46が一対の第3水平連結部材48と第3傾斜連結部材50とを有しているため、各第3連結部材46の支持剛性を高めることができる。これにより、基地局用架台12の支持剛性をより高めることができる。
【0033】
また、4つのポール22が平面視において正方形の角部に位置しているため、4つのポール22が平面視において正方形以外の矩形の角部に位置している場合に比べて、基地局用架台12の支持剛性を高めることができる。
【0034】
従って、本発明の実施形態によれば、アンテナ14及び無線通信機16の設置状態を安定させつつ、基地局用架台12の省スペース化、換言すれば、携帯電話基地局10の省スペース化を図ることができる。
【0035】
基地局用架台12においては、前述のように、建物の屋上RFの床面における鋼製基礎18の周りには、ポール22を下方向から支持する4つのジャッキベース24が設置されている。そのため、屋上RFに防水のための嵩上げ工事を施工する際に、各ジャッキベース24の設置高さを嵩上げ高さに応じて調節することができる。これにより、本発明の実施形態によれば、屋上RFの嵩上げ工事の施工性を高めることができる。
【0036】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る基地局用架台は、携帯電話基地局を建物の屋上に設置するための基地局用架台であって、前記屋上の床面に設置された鋼製基礎と、前記鋼製基礎に設置され、アンテナを設置するための支持柱と、前記支持柱の周りに間隔を置いて立設され、平面視において矩形の4つの角部にそれぞれ位置する4つのポールと、水平方向の1つである横方向に隣接する各一対の前記ポール間に連結するように設けられた第1連結部材と、水平方向の1つである縦方向に隣接する各一対の前記ポール間に連結するように設けられた第2連結部材と、各ポールと前記支持柱との間に連結するように設けられた第3連結部材と、を備える。複数の前記第1連結部材及び複数の前記第2連結部材のうちの少なくともいずれかには、前記アンテナに接続する無線通信機が設置される。
【0037】
前記の構成によれば、前述のように、前記支持柱が前記鋼製基礎に設置されている。横方向に隣接する各一対の前記ポールを前記第1連結部材によって連結する。縦方向に隣接する各一対の前記ポールを前記第2連結部材によって連結する。各ポールと前記支持柱を前記第3連結部材によって連結する。そのため、前記支持柱だけでなく、各ポール、各第1連結部材、及び各第2連結部材をそれぞれ前記鋼製基礎と一体化することができる。これにより、前記基地局用架台の設置スペースを抑えつつ、前記基地局用架台の支持剛性を高めることができる。その結果、前記アンテナ及び前記無線通信機の設置状態を安定させつつ、前記携帯電話基地局の省スペース化を図ることができる。
【0038】
本発明の態様2に係る基地局用架台は、前記態様1において、前記屋上の床面における前記鋼製基礎の周りに間隔を置いて設置され、前記ポールを下側から支持する4つのジャッキベースを更に備えもよい。
【0039】
前記の構成によれば、前記屋上に防水のための嵩上げ工事を施工する際に、各ジャッキベースの設置高さを嵩上げ高さに応じて調節することができる。これにより、前記屋上の嵩上げ工事の施工性を高めることができる。
【0040】
本発明の態様3に係る基地局用架台は、前記態様1又は2において、各第1連結部材は、横方向に延びかつ上下方向に対向した一対の第1水平連結部材と、一対の前記第1水平連結部材との間に配置され、水平方向に対して傾斜した第1傾斜連結部材と、を有してもよい。各第2連結部材は、縦方向に延びかつ上下方向に対向した一対の第2水平連結部材と、一対の前記第2水平連結部材との間に配置され、水平方向に対して傾斜した第2傾斜連結部材と、を有してもよい。
【0041】
前記の構成によれば、各第1連結部材が一対の前記第1水平連結部材と前記第1傾斜連結部材とを有しているため、各第1連結部材の支持剛性を高めることができる。各第2連結部材が一対の前記第2水平連結部材と前記第2傾斜連結部材とを有しているため、各第2連結部材の支持剛性を高めることができる。これにより、前記基地局用架台の支持剛性をより高めることができる。
【0042】
本発明の態様4に係る基地局用架台は、前記態様1から3のいずれかにおいて、各第3連結部材は、水平方向に延びかつ上下方向に対向した一対の第3水平連結部材と、一対の前記第3水平連結部材との間に配置され、水平方向に対して傾斜した第3傾斜連結部材と、を有してもよい。
【0043】
前記の構成よれば、各第3連結部材が一対の前記第3水平連結部材と前記第3傾斜連結部材とを有しているため、各第3連結部材の支持剛性を高めることができる。これにより、前記基地局用架台の支持剛性をより高めることができる。
【0044】
本発明の態様5に係る基地局用架台は、前記態様1から4のいずれかにおいて、4つの前記ポールは、平面視において正方形の角部に位置してもよい。
【0045】
前記の構成によれば、4つの前記ポールが平面視において正方形以外の矩形の角部に位置している場合に比べて、前記基地局用架台の支持剛性を高めることができる。
【0046】
本発明の態様6に係る携帯電話基地局は、本発明の態様1から5のうちのいずれの基地局用架台と、前記基地局用架台における支持柱に設置されたアンテナと、前記基地局用架台における複数の第1連結部材及び複数の第2連結部材のうちの少なくともいずれかに設置され、前記アンテナに接続する無線通信機と、を備える。
【0047】
前記の構成によれば、前記携帯電話基地局は、例えば携帯電話又は携帯型情報端末等の端末との間で無線通信を行うことができる。
【0048】
なお、本明細書においては、1つの携帯電話基地局10に対して4つのポール22を有する例を用いて説明をしたが、ポール22の数を3つ又は5つ等としてもよい。携帯電話基地局10の設置場所の環境に応じてポール22の数は3以上の任意の数を選択できる。また、複数のポール22のいずれかが支持柱を兼ねてもよい。これにより、例えば、ビル屋上の端部に携帯電話基地局10を設置する場合にも本発明を用いることができる。
【0049】
〔付記事項〕
本発明は前述した実施形態の説明に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0050】
本発明を用いることで、基地局架台12の設置後においても、ビル等の屋上RFの床面の施工等が簡便に行えるようになり、ビル等の建造物の維持管理にかかる負担を軽減することができるため、持続可能な開発目標(SDGs)の目標11「住み続けられるまちづくりを」の達成に貢献できる。
【符号の説明】
【0051】
10 携帯電話基地局
12 基地局用架台
14 アンテナ
16 無線通信機
18 鋼製基礎
20 支持柱
20a 柱部
20b 接続板部
20c 接続板部
22 ポール
24 ジャッキベース
24a 脚部
24b 設置板部
24c 支持筒部
24d ハンドル部
26 ブラケット
28 第1連結部材
30 第1水平連結部材
32 第1傾斜連結部材
34 ブラケット
36 第2連結部材
38 第2水平連結部材
40 第2傾斜連結部材
42 ブラケット
44 ブラケット
46 第3連結部材
48 第3水平連結部材
50 第3傾斜連結部材
52 支持アーム
54 第1取付金具
56 U字ボルト
58 第2取付金具
60 U字ボルト
RF 屋上
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8