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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169086
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/04 20060101AFI20241128BHJP
   B62D 35/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B60K11/04 H
B62D35/00 G
B60K11/04 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086275
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【弁理士】
【氏名又は名称】大阪 弘一
(72)【発明者】
【氏名】土田 典裕
(72)【発明者】
【氏名】津曲 一郎
(72)【発明者】
【氏名】大滝 祐人
(72)【発明者】
【氏名】山崎 彬史
【テーマコード(参考)】
3D038
【Fターム(参考)】
3D038AA05
3D038AB03
3D038AC08
(57)【要約】
【課題】キャブの重量の増加を抑えつつ、キャブのチルトをスムーズに行うことができる車両を提供する。
【解決手段】車両1は、前側にチルト可能なキャブ2と、キャブ2の後側に配置された荷台3と、荷台3側に配置された冷却装置5とを備え、冷却装置5は、荷台3側の部分の上部に固定に配置されたラジエータ51と、ラジエータ51の下側に配置されると共にラジエータ51に接続され、冷却液が流れる配管52とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側にチルト可能なキャブと、
前記キャブの後側に配置された荷台と、
前記荷台側に配置された冷却装置とを備え、
前記冷却装置は、前記荷台側の部分の上部に固定されたラジエータと、前記ラジエータの下側に配置されると共に前記ラジエータに接続され、冷却液が流れる配管とを有する車両。
【請求項2】
前記キャブのルーフに配置され、前記ラジエータに向かって空気が流れる空気流路を形成するガイドを更に備え、
前記ガイドには、前記キャブの前方から前記空気流路に空気を導入する空気導入口と、前記空気流路から前記キャブの後方に空気を導出する空気導出口とが形成されている請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記ガイドは、前記キャブのルーフに設けられた第1ガイド部と、前記第1ガイド部を収容し、前記第1ガイド部と協働して前記空気流路を形成する第2ガイド部とを有し、
前記第2ガイド部は、前記荷台に向かって延びており、
前記ラジエータは、前記空気流路内に配置されている請求項2に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、トラックについて記載されている。特許文献1に記載のトラックは、キャブの後側に配置され、キャブより高さ寸法が大きい荷台と、キャブのルーフに設けられているガイドとを備えている。ガイドは、荷台に当たる走行風を整流して荷台上方側に導く整流面を含み、整流面の上流側には走行風をガイドの内部に導入する空気導入口が設けられている。ガイドの内部は、空気導入口から導入された走行風を整流して整流面の後部と荷台との間に導出させる整流路を含むダクト体から構成される。整流路には、エンジンを冷却するラジエータが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平2-021034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術においては、ラジエータ等の冷却装置はキャブの上部に配置されるため、キャブの重量が増加する。これにより、キャブのチルト時に作動するモータや、キャブを支持するキャブサスペンション等の装置の大型化が求められる。その結果、キャブの重量は更に増加し、車両の走行時にキャブの挙動が安定せず、車両の乗り心地が悪化するおそれがある。また、キャブのチルト時に冷却装置の配管を可動させる必要があるため、配管の構造が複雑になるばかりでなく、チルトの妨げになるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、キャブの重量の増加を抑えつつ、キャブのチルトをスムーズに行うことができる車両を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る車両は、前側にチルト可能なキャブと、キャブの後側に配置された荷台と、荷台側に配置された冷却装置とを備え、冷却装置は、荷台側の部分の上部に固定されたラジエータと、ラジエータの下側に配置されると共にラジエータに接続され、冷却液が流れる配管とを有する。
【0007】
このような車両では、冷却装置は荷台側に配置される。具体的には、冷却装置のラジエータは荷台側の部分の上部に固定され、冷却装置の配管はラジエータの下側に配置されている。つまり、ラジエータ及び配管は、キャブに配置されない。これにより、キャブの重量をラジエータ及び配管の重量分だけ軽くすることができる。また、ラジエータ及び配管は、キャブのチルト時にも荷台側に配置された状態が維持される。これにより、キャブのチルト時にラジエータ及び配管がチルトの妨げになることもない。その結果、キャブの重量の増加を抑えつつ、キャブのチルトをスムーズに行うことができる。
【0008】
車両は、キャブのルーフに配置され、ラジエータに向かって空気が流れる空気流路を形成するガイドを更に備え、ガイドには、キャブの前方から空気流路に空気を導入する空気導入口と、空気流路からキャブの後方に空気を導出する空気導出口とが形成されていてもよい。このような構成では、車両の走行時に、空気導入口から導入された空気(走行風)が空気流路を流れてラジエータに供給される。このため、ラジエータを荷台側に配置しつつ、走行風をラジエータに効果的に当てることができる。これにより、冷却装置の冷却効率を向上させることができる。
【0009】
ガイドは、キャブのルーフに設けられた第1ガイド部と、第1ガイド部を収容し、第1ガイド部と協働して空気流路を形成する第2ガイド部とを有し、第2ガイド部は、荷台に向かって延びており、ラジエータは、空気流路内に配置されていてもよい。このような構成では、空気流路がラジエータまで延びているため、走行風をラジエータに更に効果的に当てることができる。これにより、冷却装置の冷却効率を更に向上させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、キャブの重量の増加を抑えつつ、キャブのチルトをスムーズに行うことができる車両の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る車両の構成を示す概略側面図である。
図2図1の車両においてキャブがチルトしている状態を示す図である。
図3】キャブの上部及びガイドを示す斜視図である。
図4】車両の走行時における空気の流れを示す断面図である。
図5】比較例としての車両の構成を示す概略側面図である。
図6図5の車両においてキャブがチルトしている状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。以下の説明においては、上下左右の方向は、車両の上下左右の方向をいう(特に指示する場合を除く)。「前後」は車両の前後方向に対応し、「左右」は車両の幅方向に対応し、「上下」は車両の高さ方向に対応する。各図の「UP」は車両の上方を示し、「FR」は車両の前方を示し、「R」は車両の右方を示す。
【0013】
図1および図2に示される車両1は、燃料電池を駆動源として備える燃料電池(FCV)自動車として構成されている。車両1は、例えばトラック等の商用車である。車両1は、駆動源としてエンジンを更に備えるハイブリッド車であってもよい。車両1は、駆動源としてモータを備える電気自動車であってもよいし、エンジンを備えるガソリン車であってもよいし、ディーゼル車であってもよい。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る車両1の構成を示す概略側面図である。図2は、図1の車両1においてキャブ2がチルトしている状態を示す図である。図1及び図2に示されるように、車両1は、キャブ2、荷台3、燃料タンク部4、冷却装置5、及びガイド6を備えている。キャブ2、荷台3及び燃料タンク部4は、車体7上に配置されている。
【0015】
キャブ2には、車両1の運転席が配置される。キャブ2は、車両1の前後方向の前側に配置されている。キャブ2は、車体7に配置されたモータ21の回転によって、車両1の前側にチルト(傾動)可能である。モータ21は、キャブ2がチルトする際の動力源である。キャブ2には、キャブ2の車高を調節するキャブサスペンション22が配置されている。キャブサスペンション22は、例えば、キャブ2を支持してキャブ2に加わる衝撃を吸収する。キャブサスペンション22は、例えば、スプリング等によって構成される。
【0016】
荷台3は、キャブ2の後側に配置されている。荷台3には、例えば、荷物を積載するためのスペースが設けられている。荷台3の後部には、荷物を出し入れするための出入口(図示省略)が設けられている。
【0017】
燃料タンク部4は、キャブ2と荷台3との間に配置されている。燃料タンク部4は、例えば図示はしないが、棚に収容された複数の水素タンクを有している。燃料タンク部4の上部は、カバー41で一体的に覆われている。カバー41は、荷台3の前側からキャブ2と燃料タンク部4との間に渡って、一体的に覆うように設けられている。カバー41は、車両1の前側から後側に向かって高くなっている。カバー41の上面41aは、車両1の左右方向から見て、走行時の空気抵抗の低減のために曲線形(例えば流線形)となっている。なお、燃料タンク部4及びカバー41は、荷台3側の部分である。
【0018】
冷却装置5は、車両1に搭載される燃料電池23等を冷却するための装置である。燃料電池23は、例えば車体7の前部に配置されている。燃料電池23は、燃料(ここでは水素)と空気中の酸素とを化学反応させて発電を行うことにより、電力を作り出す。冷却装置5は、荷台3側に配置されている。冷却装置5は、ラジエータ51及び配管52を有している。
【0019】
配管52は、ラジエータ51及び燃料電池23に接続されている。配管52内には、冷却液が循環するように流れる。ラジエータ51は、走行風を利用して冷却液の熱交換を行う。ラジエータ51は、カバー41の前端部の上部に固定されている。つまり、ラジエータ51は、燃料タンク部4にカバー41を介して取り付けられている。配管52は、ラジエータ51の下側に配置されている。配管52は、例えば、ラジエータ51の下部からカバー41の側面を通り、燃料タンク部4に沿って上下方向に延在して燃料電池23に接続されている。配管52内を流れる冷却液がラジエータ51により冷却され、その冷やされた冷却液により燃料電池23が冷却される。なお、車体7の前部には、ラジエータ51とは別のラジエータ53が配置されている。
【0020】
ガイド6は、キャブ2のルーフ2a(上部)に配置されている。ガイド6は、キャブ2のルーフ2aに設けられた第1ガイド部61と、第1ガイド部61を収容する第2ガイド部62とを有している。
【0021】
第1ガイド部61は、車両1の上下方向の上側から見て、キャブ2のルーフ2aを覆うように配置されている。第1ガイド部61は、車両1の前側から後側に向かって高くなっている。第1ガイド部61の上面61aは、車両1の左右方向から見て、走行時の空気抵抗の低減のために曲線形(例えば流線形)となっている。
【0022】
第2ガイド部62は、図3にも示されるように、車両1の上下方向の上側から見て、第1ガイド部61を覆うように配置されている。第2ガイド部62の後部は、車両1の上下方向の上側から見て、カバー41の一部及びラジエータ51を覆うように配置されている。第2ガイド部62は、車両1の前後方向の前側から見て逆U字状を呈している。第2ガイド部62は、車両1の前側から後側に向かって高くなっている。第2ガイド部62の上面62aも、車両1の左右方向から見て、走行時の空気抵抗の低減のために曲線形(例えば流線形)となっている。第2ガイド部62は、第1ガイド部61及びカバー41と協働して、空気が流れる空間である空気流路Sを形成している。
【0023】
ガイド6は、図3にも示されるように、車両1の前後方向の前側に空気導入口63を有している。空気導入口63は、キャブ2の前方下側に開口している。空気導入口63は、車両1の走行時に、キャブ2の前方下側から空気である走行風(車両1が前側から受ける風)を空気流路Sに導入する。
【0024】
ガイド6は、車両1の前後方向の後側に空気導出口64を有している。空気導出口64は、キャブ2の後側に開口している。空気導出口64は、空気導入口63から導入されて空気流路S内で整流された走行風を空気流路Sからキャブ2の後側に導出する。
【0025】
ラジエータ51は、空気流路S内の空気導出口64側に配置されている。よって、ラジエータ51は、空気導入口63から導入されて空気流路S内で整流された走行風を受ける。空気導出口64は、ラジエータ51が受けた走行風を導出する。
【0026】
空気流路Sは、例えば、空気導入口63から空気流路Sの前後方向の中央部に向かって流路面積が徐々に大きくなり、空気流路Sの前後方向の中央部から空気導出口64に向かって流路面積が徐々に小さくなるように形成されている。このため、カバー41の上面41a、第1ガイド部61の上面61a及び第2ガイド部62の上面62aの形状が曲線形状であることと相俟って、ラジエータ51に均一に走行風が当たりやすくなっている。
【0027】
以上のような車両1の走行時には、図4に示されるように、空気導入口63から空気流路Sに導入された走行風が空気流路Sを後方上側に流れてラジエータ51に流入する。すると、ラジエータ51において、配管52内を流れる冷却液が走行風により熱交換されて冷却される。ラジエータ51を通過した走行風は、空気流路Sを後方上側に流れて空気導出口64から導出され、荷台3の後方及び左右側方に沿って排出される。これにより、走行風は、効率良くラジエータ51に流入し、荷台3に沿ってスムーズに排出される。従って、空気抵抗を悪化させずに、ラジエータ51による冷却容量が増加する。
【0028】
図5は、比較例としての車両100の構成を示す概略側面図である。車両100は、キャブ2、荷台3、燃料タンク部4、冷却装置5、及びガイド6を備えている点において、本実施形態に係る車両1と同様である。一方で、冷却装置5がキャブ2に配置されている点において、本実施形態に係る車両1と異なる。以下では、車両100の説明においては、車両1と相違する点について説明する。
【0029】
車両100において、冷却装置5のラジエータ51は、第1ガイド部61上かつ空気流路S内に配置されている。冷却装置5の配管52は、ラジエータ51の下側に配置されている。配管52は、例えば、ラジエータ51の下部から第1ガイド部61の側面を通り、キャブ2の後端に沿って上下方向に延在している。つまり、冷却装置5は、キャブ2と一体を成すように配置されている。
【0030】
一方、本実施形態では、図1に示されるように、冷却装置5は荷台3側に配置されている。冷却装置5はキャブ2と一体を成していない。よって、車両1では、車両100と比べて冷却装置5の重量分だけキャブ2の重量を軽くすることができる。これにより、本実施形態では、車両1の乗り心地の悪化を抑制することができる。
【0031】
車両100は、上述したように、車両1と比較して冷却装置5の重量分だけキャブ2の重量が増加している。そのため、車両100では、キャブサスペンション22が大型化される。つまり、車両100では、車両1と比較してキャブサスペンション22の重量が増加する。これにより、車両100においては、キャブ2の重量がキャブサスペンション22の重量の増加分だけ更に増加する。車両100では、キャブ2の重量の増加により、キャブ2をチルトする際の駆動源であるモータ21の出力を向上させる必要がある。そのため、車両100では、モータ21についても大型化される。つまり、車両100では、モータ21についても重量が増加する。車両100は、車両1と比較して、冷却装置5の重量分、モータ21の重量の増加分、及びキャブサスペンション22の重量の増加分の合計分だけキャブ2の重量が増加する。
【0032】
図6は、比較例として、図5の車両100においてキャブ2がチルトしている状態を示す図である。車両100は、上述したように、冷却装置5がキャブ2と一体を成すように配置されている。したがって、キャブ2が車両1の前後方向の前側にチルトすると共に、冷却装置5がキャブ2と同方向に傾動する。冷却装置5は、上記の傾動分を考慮して配置する必要がある。例えば、ラジエータ51は、キャブ2のチルト時であっても空気流路S内から脱落しないように固定されている必要がある。配管52は、キャブ2のチルト時であっても破損等が起きないような構造及び配置とする必要がある。つまり、キャブ2のチルト時を想定して冷却装置5の構成を変える必要がある。
【0033】
一方、本実施形態では、図2に示されるように、キャブ2が車両1の前後方向の前側にチルトしても、冷却装置5の配置は変わらない。つまり、キャブ2のチルト時を想定して冷却装置5の構成を変える必要がない。
【0034】
以上のように本実施形態にあっては、車両1は、前側にチルト可能なキャブ2と、キャブ2の後側に配置された荷台3と、荷台3側に配置された冷却装置5とを備え、冷却装置5は、荷台3側の部分である燃料タンク部4の上部に固定されたラジエータ51と、ラジエータ51の下側に配置されると共にラジエータ51に接続され、冷却液が流れる配管52とを有する。このような車両1では、冷却装置5は荷台3側に配置される。具体的には、冷却装置5のラジエータ51は荷台3側に配置された燃料タンク部4の上部に固定され、冷却装置5の配管52はラジエータ51の下側に配置されている。つまり、ラジエータ51及び配管52は、キャブ2に配置されない。これにより、キャブ2の重量をラジエータ51及び配管52の重量分だけ軽くすることができる。また、ラジエータ51及び配管52は、キャブ2のチルト時にも荷台3側に配置された状態が維持される。これにより、キャブ2のチルト時にラジエータ51及び配管52がチルトの妨げになることもない。その結果、キャブ2の重量の増加を抑えつつ、キャブ2のチルトをスムーズに行うことができる。
【0035】
また、本実施形態では、車両1は、キャブ2のルーフ2aに配置され、ラジエータ51に向かって空気が流れる空気流路Sを形成するガイド6を更に備え、ガイド6には、キャブ2の前方から空気流路Sに空気を導入する空気導入口63と、空気流路Sからキャブ2の後方に空気を導出する空気導出口54とが形成されている。このような構成では、車両1の走行時に、空気導入口63から導入された空気(走行風)が空気流路Sを流れてラジエータ51に供給される。このため、ラジエータ51を荷台3側に配置しつつ、走行風をラジエータ51に効果的に当てることができる。これにより、冷却装置5の冷却効率を向上させることができる。
【0036】
また、本実施形態では、ガイド6は、キャブ2のルーフ2aに設けられた第1ガイド部61と、第1ガイド部61を収容し、第1ガイド部61と協働して空気流路Sを形成する第2ガイド部62とを有し、第2ガイド部62は、荷台3に向かって延びており、ラジエータ51は、空気流路S内に配置されている。このような構成では、空気流路Sがラジエータ51まで延びているため、走行風をラジエータ51に更に効果的に当てることができる。これにより、冷却装置5の冷却効率を更に向上させることができる。
【0037】
なお、本発明は、上記実施形態には限定されない。例えば上記実施形態では、カバー41の上面41a、第1ガイド部61の上面61a、及び第2ガイド部62の上面62aの形状は、車両1の左右方向から見て曲線形であるが、特にその形状には限られず、種々変形可能であり、例えば直線形でもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、空気流路Sは、走行風である空気が車両1の後方上側に向かって流れるように形成されているが、特にその形態には限られず、空気が車両1の後方に流れればよい。
【0039】
また、上記実施形態では、燃料タンク部4の上部は、カバー41で一体的に覆われているが、特にその形態には限られず、例えば、カバー41は設けられていなくてもよい。この場合には、ラジエータ51は燃料タンク部4の上部に直接固定されることとなる。
【0040】
また、上記実施形態では、ラジエータ51は空気流路S内に配置されているが、特にその形態には限られず、ラジエータ51は、荷台3側の部分の上部において走行風を受けることができる位置に固定されていればよい。例えば、キャブ2と荷台3との間に燃料タンク部4が配置されていない車両では、ラジエータ51が荷台3の上部に取付部材を介してまたは直接的に固定されていてもよい。この場合、荷台3自体も、荷台3側の部分に相当する。
【符号の説明】
【0041】
1…車両、2…キャブ、2a…ルーフ、3…荷台、5…冷却装置、6…ガイド、51…ラジエータ、52…配管、61…第1ガイド部、61a…上面、62…第2ガイド部、62a…上面、63…空気導入口、64…空気導出口、S…空気流路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6