IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイカ工業株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169089
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】光硬化型ホットメルト組成物
(51)【国際特許分類】
   C09J 125/10 20060101AFI20241128BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20241128BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20241128BHJP
   C08L 53/02 20060101ALI20241128BHJP
   C08L 23/04 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
C09J125/10
C09J11/08
C09J11/06
C08L53/02
C08L23/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086278
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000100698
【氏名又は名称】アイカ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】藤野 達也
【テーマコード(参考)】
4J002
4J040
【Fターム(参考)】
4J002AE043
4J002AE053
4J002AF022
4J002BC051
4J002BF034
4J002BP011
4J002CE002
4J002EA016
4J002EA026
4J002EE027
4J002EJ008
4J002FD023
4J002FD026
4J002FD078
4J002FD147
4J002FD157
4J002FD342
4J002GJ01
4J002GJ02
4J002GL00
4J002GN00
4J002GQ00
4J040CA081
4J040DA052
4J040DB051
4J040DE032
4J040DM011
4J040HB01
4J040JB01
4J040JB08
4J040KA13
4J040KA26
4J040KA29
4J040KA31
4J040LA11
(57)【要約】
【課題】 溶融粘度が適度であるため作業性が高く、被着体を貼合した際の初期接着が良好で、剥離強度が高いことから接着強度が向上している光硬化型ホットメルト組成物を提供する。
【解決手段】 光硬化型スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と、粘着付与剤(B)と、軟化剤(C)と、光重合開始剤(D)と、を含有し、軟化剤(C)として、ナフテン系成分を35%以上含有するオイル(c1)を含有することを特徴とする光硬化型ホットメルト組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光硬化型スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と、粘着付与剤(B)と、軟化剤(C)と、光重合開始剤(D)と、を含有し、
軟化剤(C)として、ナフテン系成分を35%以上含有するオイル(c1)を含有することを特徴とする光硬化型ホットメルト組成物。
【請求項2】
さらに、ナフテン系成分を35%以上含有するオイル(c1)以外の軟化剤(c2)を含有することを特徴とする請求項1記載の光硬化型ホットメルト組成物。
【請求項3】
さらに、エチレン系重合体を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の光硬化型ホットメルト組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光硬化型ホットメルト組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ホットメルト組成物は、無溶剤で環境に優しく、短時間で硬化可能で、非常に扱いやすい材料であることから、製造現場における作業環境を改善することが可能である。そのため、ホットメルト組成物は、自動車・電機などの精密分野のほか、建築分野など幅広く用いられている。
【0003】
過去に、出願人は、水添パラフィン系プロセスオイル、高分子量スチレン系ブロックコポリマー、ポリフェニレンエーテル樹脂または変性ポリフェニレンエーテル樹脂、粘着付与樹脂並びに酸化防止剤を必須成分とするホットメルト組成物を発明した(特許文献1)。このホットメルト組成物は、高温下に置かれたのちも、粘度保持率、抗張力保持率が高く保たれ、また解体性にも優れるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-189844号公報
【0005】
従来から、自動車・電機分野においては、構成部材の固定のため、各種接着剤が使い分けられているが、非常に扱いやすい材料であり、乾燥工程を必要とせず、23℃程度の常温における接着安定性に優れていることから、ホットメルト組成物を用いる例が増加しつつある。
【0006】
特に、自動車内装材用や光学部材用としてホットメルト組成物を使用する場合、被着体を貼合した際の初期接着、固化した後の接着強度などの改良が求められており、改善の余地があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、溶融粘度が適度であるため作業性が高く、被着体を貼合した際の初期接着が良好で、剥離強度が高いことから接着強度が向上している光硬化型ホットメルト組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、光硬化型スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と、粘着付与剤(B)と、軟化剤(C)と、光重合開始剤(D)と、を含有し、軟化剤(C)として、ナフテン系成分を35%以上含有するオイル(c1)を含有することを特徴とする光硬化型ホットメルト組成物である。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかる光硬化型ホットメルト組成物は、溶融粘度が適度であるため作業性が高く、被着体を貼合した際の初期接着が良好で、剥離強度が高いことから接着強度が向上しているという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<光硬化型スチレン系熱可塑性エラストマー>
本発明では、光硬化型スチレン系熱可塑性エラストマー(A)を用いる。当該(A)成分は、本発明にかかるホットメルト組成物のベースポリマーとして用いられる。
【0011】
スチレン系熱可塑性エラストマーは、主に、スチレン系化合物由来のハードブロックと、ジエン系化合物由来のソフトブロックから構成されている。各ブロックの結合形態としては、直線状、分岐状、放射状のものが存在するが、直線状であるものが比較的多く提供されている。
【0012】
スチレン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン-エチレン/プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)などが挙げられる。
【0013】
本発明においては、特に、光硬化型であるスチレン系熱可塑性エラストマー(A)を用いる。光硬化型とは、化学構造中に架橋箇所を有しており、紫外線(UV)や電子線(EB)などの光を照射することにより架橋が進み硬化するものをいう。当該(A)成分の結合形態としては、直線状、分岐状、放射状のうち、いずれであっても構わないが、特に直線状であることが好ましい。
【0014】
一般に、ホットメルト組成物は、150℃前後の高温領域にて溶融し、室温まで冷却させると固化することから、接着剤として好適に用いることができる。特に、本発明にかかる光硬化型ホットメルト組成物は、冷却固化に加え、さらに光硬化することから、より強固に接着できるという特徴がある。
【0015】
当該(A)成分の具体例としては、クレイトン DX0222(商品名、クレイトン社製、光硬化型、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS))などが挙げられる。
【0016】
その他、本発明の効果を損なわない範囲内において、上記(A)成分に加えて、光硬化型でないスチレン系熱可塑性エラストマーを用いることができる。その具体例としては、TAIPOL 3206(商品名、TSRC社製、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS))、VECTOR 4293A(商品名、TSRC社製、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS))、セプトン 4055(商品名、クラレ社製、スチレン-エチレン-エチレン/プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS))などが挙げられる。
【0017】
<粘着付与剤>
本発明では、粘着付与剤(B)を用いる。当該(B)成分の種類としては、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン系樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、及び、その水添物又は変性物などが挙げられる。
【0018】
当該(B)成分の軟化点としては、60~250℃であることが好ましく、70~200℃であることがさらに好ましく、80~180℃であることが特に好ましい。
【0019】
当該(B)成分の配合割合としては、上記(A)成分100重量部に対して、1~1000重量部配合することが好ましく、15~800重量部配合することがさらに好ましく、30~600重量部配合することが特に好ましい。
【0020】
当該(B)成分の具体例としては、YSレジン PX1250(商品名、ヤスハラケミカル社製、テルペン樹脂、軟化点:120℃~130℃)、タマノル 803L(商品名、荒川化学工業社製、テルペンフェノール樹脂、軟化点:145~160℃)、パインクリスタル KR-85(商品名、荒川化学工業社製、ロジン系樹脂、軟化点:80~87℃)、HM-1000(商品名、Henghe社製、芳香族系炭化水素樹脂、軟化点:100℃)、T-REZ HA125(商品名、ENEOS社製、水添脂環族系炭化水素樹脂、軟化点:120℃~130℃)などが挙げられる。
【0021】
<軟化剤>
本発明では、軟化剤(C)を用いる。当該(C)成分としては、例えば、常温(23℃程度)において液状である有機系化合物を挙げることができる。当該(C)成分を用いることにより、上記(A)・(B)成分の分散性が良好となることから、被着体表面の濡れ性を高めることができ、その層間の密着性を向上させることができる。
【0022】
本発明においては、特に、当該(C)成分として、ナフテン系成分を35%以上含有するオイル(c1)を用いる。当該(c1)成分は、主にナフテン系原油を常圧下又は減圧下にて蒸留し抽出精製することにより得られ、一般に流動性が高く粘度が低いという特徴がある。当該(c1)成分は、ナフテン系成分を35%以上含有することが好ましく、40%以上含有することがさらに好ましく、45%以上含有することが特に好ましい。
【0023】
本発明の発明者は、当該(c1)成分を用いることにより、被着体を貼合した際の初期接着や、固化した後の接着強度が向上することを見出し、本発明を完成させた。このような作用効果を奏する要因の一つとしては、ナフテン系成分は、パラフィン系成分等と比較して、上記(A)成分のハードブロックやソフトブロックと相容し易いためではないかと推測される。
【0024】
その他、本発明の効果を損なわない範囲内において、上記(c1)成分以外の軟化剤(c2)を用いることができる。当該(c2)成分としては、例えば、ポリブテン、ポリイソブチレン、液状ワックスなどが挙げられる。これらの中でも、ポリブテンは、安定性が高く取り扱いが容易なため、好適に用いることができる。
【0025】
上記(c1)成分に加え、当該(c2)成分を用いることにより、被着体を貼合した際の初期接着がさらに向上する傾向がある。このような作用効果を奏する要因の一つとしては、当該(c2)成分を用いることにより、上記(A)成分のソフトブロックにおける炭素鎖の絡み合いが抑制され柔軟性が上昇するためではないかと推測される。
【0026】
当該(C)成分の配合割合としては、上記(A)成分100重量部に対して、1~800重量部配合することが好ましく、10~600重量部配合することがより好ましく、20~500重量部配合することが特に好ましい。
【0027】
当該(c1)成分の具体例としては、KN-4006(商品名、Karamay社製、ナフテン系成分:56%)、KN-4010(商品名、Karamay社製、ナフテン系成分:52%)などが挙げられ、当該(c2)成分の具体例としては、PB-950(商品名、Dealim社製、ポリブテン)、PB-1300(商品名、Dealim社製、ポリブテン)、日石ポリブテン HV-50(商品名、ENEOS社製、ポリブテン)、日油ポリブテン 10N(商品名、日油社製、ポリブテン)などが挙げられる。
【0028】
<光重合開始剤>
本発明では、光重合開始剤(D)を用いる。当該(D)成分の具体例としては、2,2-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、1-ヒドロキシ-シクロヘキシル-フェニル-ケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-1-{4-[4-(2-ヒドロキシ-2-メチル-プロピオニル)-ベンジル]フェニル}-2-メチル-プロパン-1-オン、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルフォスフィンオキサイド、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0029】
当該(D)成分の配合割合としては、上記(A)成分100重量部に対して、0.1~50重量部配合することが好ましく、0.5~30重量部配合することがさらに好ましく、1~20重量部配合することが特に好ましい。この範囲内において配合することにより、本発明にかかる光硬化型ホットメルト組成物を効率的に硬化させることができるため、生産性が向上する傾向がある。
【0030】
当該(D)成分の具体例としては、Omnirad 127、Omnirad 184、Omnirad 369、Omnirad 500、Omnirad 754、Omnirad 819、Omnirad 907、Omnirad 1173、Omnirad 2959、Omnirad BDK(651)、Omnirad TPO、Omnirad MBF(商品名、いずれもIGM RESINS社製)、Irgacure OXE01、Irgacure OXE02、Irgacure OXE04(商品名、いずれもBASFジャパン社製)、DAIDO UV-CURE PMB、DAIDO UV-CURE OMB、DAIDO UV-CURE BMS、DAIDO UV-CURE 171、DAIDO UV-CURE D-177F、DAIDO UV-CURE ♯174、PHOTOCURE 550(商品名、いずれも大同化成工業社製)などが挙げられる。
【0031】
その他、本発明の効果を損なわない範囲内において、エチレン系重合体を用いることができる。エチレン系重合体としては、単独重合体であるポリエチレンのほか、エチレンと、プロピレン・1-ブテン・1-ヘキセンから選択されるモノマーとの共重合体や、エチレンと、不飽和エステルとの共重合体などを用いることができる。不飽和エステルとしては、酢酸ビニルや、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エステルなどが挙げられる。
【0032】
エチレン系重合体は、一般にホットメルト組成物の包装フィルムとして用いられている。これは、大規模施設にて、ホットメルト組成物を塗布する場合、大型タンクに包装フィルムごとホットメルト組成物を投入でき、包装フィルムを除去する手間を省くことができるため、非常に経済的である。特に、本発明においては、当該成分を用いることにより、被着体を貼合した際の初期接着や、固化した後の接着強度がさらに向上する傾向があるため、好適に用いることができる。
【0033】
なお、本発明では、添加剤として、酸化防止剤を用いることができる。当該成分の種類としては、例えば、亜リン酸塩系、ナフチルアミン系、p-フェニレンジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン系、ビス・トリス・ポリフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダードフェノール系などが挙げられ、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。当該成分の具体例としては、Sumilizer GP(商品名、住友化学社製)、Songnox 1010(商品名、Songwon社製)などが挙げられる。
【0034】
その他、本発明においては、炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの充填材や、防腐剤、着色剤などの各種添加剤が含まれていても良い。
【0035】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。
【実施例0036】
<実施例及び比較例>
表1に示す配合において、160℃に調整したフラスコにより十分に混練し、実施例及び比較例のホットメルト組成物を製造した。ここで、表1における数値は、重量部を表すものとする。以下に、使用した原材料を示す。
クレイトン DX0222(商品名、クレイトン社製、光硬化型、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS))
HM-1000(商品名、Henghe社製、芳香族系炭化水素樹脂、軟化点:100℃)
KN-4010(商品名、Karamay社製、ナフテン系成分:52%)
ダイアナプロセスオイル PW-90(商品名、出光興産社製、ナフテン系成分:28%)
PB-950(商品名、Dealim社製、ポリブテン)
Omnirad BDK(651)(商品名、IGM RESINS社製、光重合開始剤)
EVATHENE UE612(商品名、USI社製、エチレン-酢酸ビニル共重合体)
Songnox 1010(商品名、Songwon社製、酸化防止剤)
【0037】
【表1】
【0038】
上記の実施例等にて調製したホットメルト組成物について、以下の要領で各種の物性評価を行った。この結果を表2に示す。
【0039】
<溶融粘度>
ホットメルト組成物を溶融させ、ブルックフィールド粘度計により、測定温度:160℃、スピンドルNo.27、回転数:5rpmにて回転を開始し、10分後の溶融粘度(mPa・s)を測定した。
【0040】
<試験片の作製>
また、上記の実施例等にて調製したホットメルト組成物について、溶媒(トルエン)により希釈し、PETフィルムに塗布した後、110℃の恒温機内にて3分間静置することにより溶媒を乾燥させ、厚み50μmのホットメルト組成物が積層されたPETフィルムを作製した。この積層体を25mm×300mmにカットし、試験片とした。
【0041】
<初期接着(ループタック試験)>
上記の試験片を、温度23℃・湿度50%の暗所にて24時間養生した。そして、有電極高圧水銀ランプ(製品名:アイグランデージ ECS4011GX/N、アイグラフィックス社製)を用いて、照射強度100mW/cm、積算光量:2,970mJ/cmにて紫外線照射した後、ホットメルト組成物の塗布面が外側となるよう、試験片の端部同士を重ねて楕円状とし、引張試験機の上側に取り付け、引張試験機の下側には、床面に対し水平にSUS板を取り付けた。その後、試験片がSUS板に接するように、300mm/minにて降下させ、15秒後に同じ速度で上昇させた際の引張強度の最大値を初期接着(N/25mm)とした。
【0042】
<剥離強度(180度剥離試験)>
上記の試験片のうち、ホットメルト組成物の塗布面をSUS板に貼合し(貼合面積:25mm×80mm)、2kgロールで2往復圧締した後、温度23℃・湿度50%の暗所にて24時間養生した。そして、有電極高圧水銀ランプ(製品名:アイグランデージ ECS4011GX/N、アイグラフィックス社製)を用いて、照射強度100mW/cm、積算光量:2,970mJ/cmにて紫外線照射した後、テクノグラフ試験機(ミネビア社製)に、PETフィルムの端部とSUS板の端部とを取り付け、300mm/minにて、180度方向に剥離させた際の平均強度を剥離強度(N/25mm)とした。
【0043】
【表2】
【0044】
実施例・比較例にかかるホットメルト組成物を製造したところ、160℃における溶融粘度は同程度であったものの、実施例の方が、比較例よりも、被着体を貼合した際の初期接着が良好で、剥離強度が高いことから接着強度が向上しているものであった。また、ナフテン系成分を35%以上含有するオイル(c1)以外の軟化剤(c2)を用いることにより、初期接着がより向上する傾向がみられた。そして、エチレン-不飽和エステル共重合体を用いることにより、初期接着や、接着強度がさらに向上する傾向がみられた。