(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169107
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
B65D 43/02 20060101AFI20241128BHJP
B65D 77/02 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B65D43/02 200
B65D77/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086308
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】390041058
【氏名又は名称】シーピー化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】三宅 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】原 克幸
(72)【発明者】
【氏名】平山 学
【テーマコード(参考)】
3E067
3E084
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AB01
3E067AC03
3E067BA10A
3E067BB14A
3E067BC02A
3E067EA17
3E067FA01
3E067FC01
3E084AA05
3E084AA14
3E084AA24
3E084BA02
3E084CA03
3E084CC03
3E084DA03
3E084DC03
3E084FA01
3E084GA06
3E084GB06
3E084HB01
3E084HC03
3E084HD01
3E084JA02
3E084LB02
(57)【要約】
【課題】添付物を容易に収容および封止可能な蓋体を備えた包装用容器を実現する。
【解決手段】容器本体(50)と、蓋体(10)とを備える包装用容器(1)であって、容器本体(50)および蓋体(10)は長辺部と短辺部とを有する矩形状であり、蓋体(10)は、第1蓋体(20)と第2蓋体(30)とヒンジ部(40)とを備え、第1蓋体(20)は、第1天面部(21)と、フランジ部(22)と、収容部(23)と、収容部(23)の周縁において上方に立ち上がる立壁周縁部(24)とを有し、第2蓋体(30)は、収容部(23)を覆い、第1蓋体(20)およびヒンジ部(40)と一体的に形成されており、ヒンジ部(40)は、フランジ部(22)の外周端から外側に、第2蓋体(30)の短辺部まで延設されており、第2蓋体(30)は、ヒンジ部(40)を中心に回転し立壁周縁部(24)に係止される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、前記容器本体を開閉可能に覆う蓋体とを備える包装用容器であって、
前記容器本体および前記蓋体はいずれも、平面視において一対の長辺部と一対の短辺部とを有する矩形状であり、
前記蓋体は、前記容器本体を開閉可能に覆う第1蓋体と、第2蓋体と、ヒンジ部とを備え、
前記第1蓋体は、
前記第1蓋体の天面を含む第1天面部と、
前記第1天面部の外周端から外側に延びるフランジ部と、
前記第1天面部の所定領域に収容空間を形成する収容部と、
前記収容部の周縁の少なくとも一部において、前記第1蓋体の天面から上方に立ち上がる立壁周縁部と、を有し、
前記第2蓋体は、
前記収容部を開閉可能に覆い、
前記第1蓋体および前記ヒンジ部と一体的に形成されており、
前記ヒンジ部は、前記フランジ部の外周端から外側に向けて、前記第2蓋体における一対の短辺部のいずれかまで延設されており、
前記第2蓋体は、前記ヒンジ部を中心に回転し、前記収容部を覆った状態において前記立壁周縁部に係止されることを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記立壁周縁部は、前記収容部の周縁において前記ヒンジ部から最も離れた部分を含む一辺に形成されており、前記立壁周縁部の前記収容部に対して外側の側面である外側面に、前記第2蓋体を係止する第1係止部を有することを特徴とする、請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記容器本体は、接地面を含む脚部を有し、
前記第1蓋体は、前記第1天面部の一部に、上方へ立ち上がる立壁凸部を有し、
前記第2蓋体は、前記第2蓋体の天面を含む第2天面部を有し、
前記第2天面部は、一部が下方に凹む凹部を有し、
前記蓋体の上方に前記容器本体が載置された状態において、前記容器本体の前記脚部が、前記立壁凸部と、前記凹部の外周側の内壁面との間に嵌まることを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記第1天面部は、前記第1天面部の外周部であって前記フランジ部と隣接する位置に環状の溝部を有し、
前記第2蓋体は、前記ヒンジ部と対向する一辺の、少なくとも一端に摘み部を有し、
前記第2蓋体が前記収容部を覆った状態において、前記摘み部の一部が前記溝部の上方に位置することを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
包装用容器には、収容物が食料品である場合、購入後に食料品を直ぐに食することができるよう、割り箸、スプーンおよびフォーク等の使い切りの食器類が添付される場合がある。また、包装用容器には、ソース、薬味およびドレッシング等の調味料等を封入した小袋が添付されていることもある。
【0003】
例えば、包装用容器を構成する蓋体の天面に、上述の食器類または小袋等の添付物を収容するための凹部を形成するような工夫もみられる。蓋体にこのような凹部が形成されていれば、包装用容器に収容した食品とは分離して収容できるので、添付物を取り出しやすく使い勝手がよい。
【0004】
例えば、特許文献1には、調味袋等の添付物を周壁部に立て掛けて置くことができ、添付物を取り出しやすく収納することができる包装用容器の蓋体が開示されている。また、特許文献2には、蓋体の凹部に調味料または薬味等が包装された包装体が収容可能であり、帯状体を蓋体付容器本体に巻き付けて、凹部に収容された包装体を封止可能な蓋体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-144838号公報
【特許文献2】特開2010-100311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
包装用容器には、大きさおよび外観等がそれぞれ異なる多様な種類が存在する。特許文献1および特許文献2に開示された蓋体では、包装用容器の種類によって、凹部に収容された添付物を封止する方法がそれぞれ異なり得る。さらに、包装用容器と添付物との組み合わせの多様性にも応じて、添付物を確実に蓋体に封止することが求められ、包装用容器への収容物および添付物の収容から封止までの工程が煩雑化する虞があった。
【0007】
本発明の一態様は、添付物を容易に収容および封止可能な蓋体を備えた包装用容器を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る包装用容器は、容器本体と、前記容器本体を開閉可能に覆う蓋体とを備える包装用容器であって、前記容器本体および前記蓋体はいずれも、平面視において一対の長辺部と一対の短辺部とを有する矩形状であり、前記蓋体は、前記容器本体を開閉可能に覆う第1蓋体と、第2蓋体と、ヒンジ部とを備え、前記第1蓋体は、前記第1蓋体の天面を含む第1天面部と、前記第1天面部の外周端から外側に延びるフランジ部と、前記第1天面部の所定領域に収容空間を形成する収容部と、前記収容部の周縁の少なくとも一部において、前記第1蓋体の天面から上方に立ち上がる立壁周縁部と、を有し、前記第2蓋体は、前記収容部を開閉可能に覆い、前記第1蓋体および前記ヒンジ部と一体的に形成されており、前記ヒンジ部は、前記フランジ部の外周端から外側に向けて、前記第2蓋体における一対の短辺部のいずれかまで延設されており、前記第2蓋体は、前記ヒンジ部を中心に回転し、前記収容部を覆った状態において前記立壁周縁部に係止される。
【0009】
前記の構成によれば、第1蓋体に収容部を設けており、当該収容部を第1蓋体と一体的に形成された第2蓋体が覆うため、従来よりも第2蓋体により収容部を容易に封止できる。第1蓋体と第2蓋体とは、ヒンジ部により一体的に形成されているため、第2蓋体の開閉が容易である。また、ヒンジ部がフランジ部よりも外側に延設されているため、第1天面部にヒンジ部が重なることがない。そのため、第1天面部における収容部の位置および大きさの自由度を確保できる。
【0010】
また、ヒンジ部が第2蓋体のいずれかの短辺部に形成されており、第2蓋体はヒンジ部の回転軸を中心に回転する。そのため、ヒンジ部を長辺部に形成する場合よりも、第2蓋体を安定して支持するためのヒンジ部の幅を小さくできる。さらに、第1蓋体は、収容部の周縁の少なくとも一部に形成される立壁周縁部により、第2蓋体を係止できる。そのため、第2蓋体により収容部を覆った状態を安定して固定できる。
【0011】
本発明の一態様として、前記立壁周縁部は、前記収容部の周縁において前記ヒンジ部から最も離れた部分を含む一辺に形成されており、前記立壁周縁部の前記収容部に対して外側の側面である外側面に、前記第2蓋体を係止する第1係止部を有していてもよい。
【0012】
このような位置に形成されている立壁周縁部に第1係止部が形成されていれば、第2蓋体が収容部を覆った状態を安定して固定できる。
【0013】
本発明の一態様として、前記容器本体は、接地面を含む脚部を有し、前記第1蓋体は、前記第1天面部の一部に、上方へ立ち上がる立壁凸部を有し、前記第2蓋体は、前記第2蓋体の天面を含む第2天面部を有し、前記第2天面部は、一部が下方に凹む凹部を有し、前記蓋体の上方に前記容器本体が載置された状態において、前記容器本体の前記脚部が、前記立壁凸部と、前記凹部の外周側の内壁面との間に嵌まるものであってもよい。
【0014】
前記の構成によれば、立壁凸部および凹部の間に容器本体の脚部が嵌まった状態では、蓋体に対する容器本体の位置ずれを防止できる。そのため、蓋体の上に容器本体を安定して重ねることができる。
【0015】
本発明の一態様として、前記第1天面部は、前記第1天面部の外周部であって前記フランジ部と隣接する位置に環状の溝部を有し、前記第2蓋体は、前記ヒンジ部と対向する一辺の、少なくとも一端に摘み部を有し、前記第2蓋体が前記収容部を覆った状態において、前記摘み部の一部が前記溝部の上方に位置していてもよい。
【0016】
前記の構成によれば、第2蓋体の摘み部は、一部が溝部の上方に位置する。そのため、摘み部を蓋体の外側まで延設せずとも、第2蓋体が収容部を覆った状態において容易に摘むことが可能な摘み部を設定できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一態様によれば、添付物を容易に収容および封止可能な蓋体を備えた包装用容器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る包装用容器の、蓋体および容器本体のそれぞれを示す斜視図である。
【
図2】
図1に示す蓋体の平面図であって、第2蓋体が閉じた状態を示す図である。
【
図3】
図1に示す蓋体の平面図であって、第2蓋体が開いた状態を示す図である。
【
図4】
図1に示す包装用容器の側面図であって、第2蓋体が閉じた状態を示す図である。
【
図5】
図1に示す包装用容器の側面図であって、第2蓋体が開きかけた状態を示す図である。
【
図6】
図1に示す包装用容器の側面図であって、第2蓋体が開いた状態を示す図である。
【
図7】
図1に示す包装用容器を積み重ねた状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る包装用容器1は、収容物を収容する容器本体50と、容器本体50を開閉可能に覆う蓋体10とを備えている。容器本体50が収容する収容物は、惣菜等の食料品が想定されるが、食料品に限定されるものではない。また、蓋体10は、容器本体50と併せて販売等されることが好ましいが、これに限られず、蓋体10単体で販売等が行われてもよい。
【0020】
本実施形態では、蓋体10および容器本体50はそれぞれ、シート厚が0.1mm~4mm、好ましくは0.15mm~2.5mmの樹脂シートを熱成形することによって形成できる。蓋体10と容器本体50とは、それぞれ異なるシート厚を有していてもよい。
【0021】
樹脂シートとしては、例えばポリオレフィン系樹脂シート、ポリスチレン系樹脂シートまたはポリエステル系樹脂シート等の熱可塑性樹脂シートを用いることができる。樹脂シートの原料となる樹脂は、バイオマス由来の原料を含んでいてもよく、生分解性の原料を含んでいてもよく、リサイクルされた原料を含んでいてもよい。
【0022】
これらの樹脂シートは、発泡シートであってもよいし、非発泡シートであってもよい。また、樹脂シートとして積層シートを用いることもできる。積層シートとしては、例えば、発泡シートにフィルムをラミネートしたフィルムラミネート発泡シート、共押出ラミネートシートまたは押出ラミネートシートを用いることができる。熱成形の方法としては、例えば真空成形、厚空成形、真空圧空成形および熱板成形が挙げられる。
【0023】
蓋体10および容器本体50の色は、特に限定されない。蓋体10は、透明部材により構成されていることが好ましく、無色透明であることがより好ましい。これによれば、蓋体10を通して容器本体50が収容する収容物を容易に視認できる。容器本体50の色は単色であってもよく、複数の色を含んでいてもよい。また、容器本体50には模様が付されてもよい。本実施形態において、蓋体10は無色透明であり、容器本体50は黒色単色である。
【0024】
〔容器本体〕
図1に示すように、容器本体50は、本体収容部51と、本体嵌合部55と、本体フランジ部56とを備えている。容器本体50は、平面視において一対の長辺部と一対の短辺部とを有する矩形状の外形を成す。
【0025】
ここで、包装用容器1の平面視とは、包装用容器1を蓋体10側から見た状態を示す。本明細書では便宜上、包装用容器1において蓋体10側を上側、容器本体50側を下側として説明するが、包装用容器1の方向はこれに限定されない。
【0026】
「矩形状」とは、容器本体50を全体として見たときに矩形状と見做すことができる形状、つまり略矩形状を意味する。したがって、例えば、容器本体50の周縁の一部に、突出部分が形成されていてもよいし、少なくとも1つの角部が直角状ではなく多角状に形成されていてもよく、曲線状に形成されていてもよい。このことは、包装用容器1を構成する各部位を、あらゆる方向から見た場合の形状についても当てはまる。
【0027】
平面視における容器本体50の外形はこれに限られず、例えば三角形状、正方形状または五角形状等の多角形状であってもよく、円形状等の、明確な角部が存在しない形状であってもよい。
【0028】
本体収容部51は、包装用容器1における収容物の収容空間を構成する。当該収容空間は、容器本体50の側壁を成す本体側壁部52と、容器本体50の底部を成す本体底部53と、により囲まれる空間として形成されている。本体収容部51が形成する収容空間は、容器本体50を蓋体10が覆った状態では、本体側壁部52および本体底部53に加え、蓋体10によっても囲まれる空間として定義されてよい。
【0029】
本体底部53は、脚部54を備えている。脚部54は、本体底部53の一部が下方向に突出して形成される、容器本体50の接地面を含む部位である。脚部54は、平面視における本体底部53の周縁において、長手方向の中央部分を除いた全周に亘って2つに分かれて形成されている。脚部54は少なくとも、平面視における本体底部53の四隅を含む位置に形成されていることが好ましい。
【0030】
本体嵌合部55は、本体側壁部52の外周端から外側に延設される枠状の部位である。本体嵌合部55は、その外周端から上方に立ち上がる側壁を含んでいる。本体嵌合部55は、蓋体10が当該側壁に内側から嵌合することで蓋体10を係止可能な部位である。本体嵌合部55は、このように蓋体10が内側から嵌合可能な構造に限られず、蓋体10が外側から嵌合可能な構造であってもよい。
【0031】
本体フランジ部56は、本体嵌合部55の上端から外側に延びる枠状の部位である。本体フランジ部56の天面は、容器本体50の天面を構成する。平面視において、本体フランジ部56の外形は容器本体50の外形と同一であり、本実施形態では矩形状である。なお、容器本体50の形状は上述に限定されず、蓋体10が開閉可能に覆うことができる形状であればよい。
【0032】
〔蓋体〕
(第1蓋体および第2蓋体)
図1から
図6を参照して、蓋体10について以下に説明する。
図1から
図3に示すように、蓋体10は、第1蓋体20と、第2蓋体30と、ヒンジ部40とを備えている。ヒンジ部40は、第1蓋体20と第2蓋体30との間に形成されていてよい。第1蓋体20、第2蓋体30およびヒンジ部40は、一体的に形成されている。言い換えれば、第1蓋体20、第2蓋体30およびヒンジ部40は、同一の材料により形成される、連続した単一の部材である。また、第1蓋体20および第2蓋体30は、ヒンジ部40を介して一体的に形成されているとも言える。
【0033】
蓋体10は、平面視において一対の長辺部と一対の短辺部とを有する矩形状の外形を有している。蓋体10の平面視における外形は、容器本体50の平面視における外形に合わせて、適宜変更されてよい。
【0034】
第1蓋体20は、蓋体10において容器本体50を開閉可能に覆う板状の部位である。蓋体10が容器本体50を覆った状態とは、具体的には蓋体10の第1蓋体20が、容器本体50の本体収容部51を上方から覆った状態を示し、言い換えれば、蓋体10により容器本体50を閉蓋した状態である。
【0035】
第1蓋体20の平面視における外形は、蓋体10と同様に矩形状であってよい。第1蓋体20は、第1天面部21と、蓋体フランジ部(フランジ部)22と、収容部23と、立壁周縁部24とを有している。
【0036】
第1天面部21は、第1蓋体20の天面を含む板状の部位である。蓋体フランジ部22は、第1天面部21の外周端から外側に延びる枠状の部位である。蓋体フランジ部22は、第1蓋体20の外周部を構成しており、第1天面部21は、蓋体フランジ部22に囲まれた部位全体を示すものである。
【0037】
蓋体フランジ部22は、蓋体フランジ部22における天面の外周端から下側に延びるスカート状の外周壁を有していてもよく、当該外周壁からさらに外側に延びる部位を有していてもよい。当該外側に延びる部位としては、例えば、蓋体10を容器本体50から取り外す場合に摘むことが可能な摘み片が挙げられるが、これに限定されない。
【0038】
第1天面部21は、第1蓋体20の天面に限られず、第1蓋体20の天面から上方または下方に突出した立体的な構成についても含む部位である。第1蓋体20の天面とは、第1蓋体20において最も上方に位置する面に限られない。例えば、第1蓋体20の天面は、第1天面部21の一部であって、第1天面部21において最も面積が大きい平面部分であってもよく、第1天面部21において、ユーザが第1蓋体20の天面と認識可能な平面部分であってもよい。
【0039】
第1天面部21は、蓋体収容部(収容部)23と、立壁周縁部24と、立壁凸部26と、溝部27とを有している。また、蓋体10が、本実施形態のように高さが比較的小さい薄型の蓋体ではなく、蓋体フランジ部22の内側において上方に延びる蓋体側壁部(不図示)を有している場合、当該蓋体側壁部も第1天面部21の一部であってよい。本実施形態において、第1蓋体20の天面は、第1天面部21における、蓋体収容部23、立壁周縁部24、立壁凸部26および溝部27等の構造部位以外を構成する平面部分である。
【0040】
蓋体収容部23は、第1天面部21の所定領域に収容空間を形成する部位である。蓋体収容部23は、本体収容部51に収容される収容物とは独立して、他の収容物を収容可能である。蓋体収容部23には、例えば、割り箸、スプーンおよびフォーク等の使い切りの食器類、または、ソース、薬味およびドレッシング等の調味料等を封入した小袋が収容されてよいが、これに限定されない。本明細書では便宜上、蓋体収容部23に収容される収容物を「添付物」と称するが、これは、蓋体収容部23に収容される収容物が、本体収容部51に収容される収容物に添付される性質の物品に限定されることを意図するものではない。
【0041】
蓋体収容部23は、第1天面部21の所定領域である一部が、下方であって容器本体50側に窪んだ窪みとして構成されており、当該窪みが、収容物を収容可能な収容空間を形成している。第1天面部21の所定領域とは、第1蓋体20の天面における少なくとも一部の領域であってもよいし、第1蓋体20の天面以外の、当該天面から上方または下方に突出した部分を含む領域であってもよい。例えば、蓋体収容部23は、上述の蓋体側壁部の一部が、容器本体50側に窪むことで前記収容空間を形成する部位であってもよい。
【0042】
蓋体収容部23は、平面視において矩形状の外形を有しているが、これに限られない。蓋体収容部23の平面視における外形は、例えば三角形状、正方形状または五角形状等の多角形状であってもよく、円形状等の、明確な角部が存在しない形状であってもよい。
【0043】
第2蓋体30は、蓋体収容部23を開閉可能に覆う板状の部位である。第2蓋体30は、平面視における外形が一対の長辺部と一対の短辺部とを有する矩形状である。第2蓋体30の前記短辺部は、蓋体10の平面視における外形の短辺部と平行して形成されている。ここでいう平行とは、略平行となる状態も含む。第2蓋体30の平面視における外形は、蓋体収容部23を覆うことが可能な形状であれば、特に限定されない。
【0044】
(第2蓋体の開閉)
図4から
図6に示すように、第2蓋体30は、ヒンジ部40と連続しており、ヒンジ部40の回転軸を中心に回転して、蓋体収容部23を開閉可能に覆う。ヒンジ部40は、湾曲または屈曲することで、第1蓋体20に対する第2蓋体30の位置を移動させて、第2蓋体30の開閉動作を可能とするものであってよい。なお、「ヒンジ部40の回転軸を中心に回転」とは、ヒンジ部自体が回転軸として機能する場合を意味し、「ヒンジ部を中心に回転」と同義であり、ヒンジ部40と回転軸とを区別して説明しているものではない。
【0045】
第2蓋体30は、ヒンジ部40を介して第1蓋体20と一体的に形成されているため、封止用に別途シート等を準備することなく、蓋体収容部23を容易に封止できる。また、第2蓋体30は、ヒンジ部40を中心とした回転により蓋体収容部23を開閉できるため、開閉動作において蓋体収容部23に対する第2蓋体30の位置ずれを低減でき、容易に開閉可能である。
【0046】
ヒンジ部40は、蓋体フランジ部22の外周端から外側に向けて延設されていてよい。ヒンジ部40が蓋体フランジ部22の外側に向けて延設されていれば、平面視において第1天面部21にヒンジ部40が重ならないか、または重なる部分を最小限にできる。そのため、第1天面部21における蓋体収容部23の形成位置および形成範囲の自由度を確保しやすい。
【0047】
また、ヒンジ部40は、蓋体フランジ部22の外周端から外側に向けて、第2蓋体30における一対の短辺部のいずれかまで延設されていることが好ましい。これにより、ヒンジ部40を第2蓋体30の長辺部に形成する場合よりも、第2蓋体30を安定して支持するためのヒンジ部40の幅を小さくできる。これにより、ヒンジ部40の大きさを比較的小さくできることから、包装用容器1の外観を損ねることなく、ヒンジ部40を蓋体フランジ部22の外側に向けて延設できる。
【0048】
ヒンジ部40が蓋体フランジ部22の外側に向けて延設していれば、ヒンジ部40が第1蓋体20の摘み部としても機能できる。例えば、第1蓋体20の開蓋時に、万が一、第1蓋体20に設けられた摘み部が破損した状態等、当該摘み部がその機能を正常に発揮しない状態に陥っても、ヒンジ部40を第1蓋体20の摘み部の代わりとして機能させることで、第1蓋体20の開蓋が可能となる。さらに、ヒンジ部40を摘み部として機能させることで、第1蓋体20の摘み部は、第1蓋体20の四隅に設ける必要がなく、例えば、ヒンジ部40が設けられていない側の一辺の両端にさえ設けられていれば良い。
【0049】
また、言い換えると、第1蓋体20及び第2蓋体30は、ヒンジ部40を介して一体的に形成され、第1蓋体20の短辺部の一方に設けられることになる。これにより、容器本体50と第1蓋体20(蓋体10)とを開蓋する際、第1蓋体20において、ヒンジ部40が設けられていない側の短辺部(ヒンジ部40と対向する一辺)の方向から開蓋操作させることを促すことができる。また、万が一、調味料等の添付物が収容されている状態において第2蓋体30が意図せず開蓋した場合でも、ヒンジ部40自体が堰き止め部の役割を果たし、当該添付物が外部へ放出する等のリスクを低減できる。一方、添付物が蓋体収容部23に収容されて第2蓋体30が閉蓋された状態であれば、同様に、ヒンジ部40が果たす堰き止め部の役割により、添付物の移動を最小限に留めることができ、添付物の収容状態が適切に維持できる。
【0050】
ヒンジ部40の位置は上述に限られず、例えば、第2蓋体30における一対の長辺部のいずれかに形成されていてもよいし、矩形状の第2蓋体30におけるいずれかの隅部に形成されていてもよい。また、ヒンジ部40は、蓋体フランジ部22から外側に延設されていなくてもよく、例えば、第1天面部21の所定位置に形成されていてもよい。
【0051】
本実施形態に係る蓋体10には、1つのヒンジ部40が形成されているがこれに限られず、第1蓋体20と第2蓋体30との間に、複数のヒンジ部40が形成されていてもよい。この場合、少なくとも1つのヒンジ部40が、第1蓋体20および第2蓋体30と一体的に形成されていればよい。
【0052】
(立壁周縁部)
第2蓋体30は、蓋体収容部23を覆った状態において、立壁周縁部24に係止される。立壁周縁部24は、蓋体収容部23の周縁の少なくとも一部において、第1蓋体20の天面から上方に立ち上がる部位である。立壁周縁部24における蓋体収容部23側の側壁面は、蓋体収容部23において収容空間を構成する窪みの内壁面の一部を構成する。このような立壁周縁部24によれば、蓋体収容部23が、第1天面部21の所定領域における窪みのみにより構成されている場合と比較して、添付物を、はみ出ないように蓋体収容部23内に収容しやすい。
【0053】
立壁周縁部24における蓋体収容部23側の側壁面は、上下方向に延びる凸条が複数形成された、凹凸形状となっている。このような凹凸形状によれば、立壁周縁部24における蓋体収容部23側の側壁面の強度を容易に向上できる。これにより、例えば、蓋体収容部23に収容された添付物が硬いものであって、当該添付物が動いたとしても、立壁周縁部24における蓋体収容部23側の側壁面が破損する可能性を低減できる。
【0054】
立壁周縁部24には、少なくとも一辺において第1係止部25が形成されている。第1係止部25は、立壁周縁部24の当該一辺において、その一部に形成されていることが好ましい。第1係止部25が、立壁周縁部24の一辺においてその一部のみに形成されていれば、当該一辺の全長に亘って形成される場合と比較して、第1係止部25による第2蓋体30の係止を外しやすくなる。これにより、第2蓋体30の開閉が容易となる。
【0055】
図1に示すように、立壁周縁部24は、複数の第1係止部25を有していてもよい。第1係止部25が複数形成されていれば、第2蓋体30は、蓋体収容部23を覆った状態において複数の第1係止部25により係止される。そのため、第1係止部25による第2蓋体30の係止が安定する。また、第1係止部25の形成数を調整することで、第2蓋体30を係止する力と、第2蓋体30を開閉するために要する力とのバランスを容易に調整できる。
【0056】
また、第2蓋体30は、蓋体収容部23を覆った状態において、立壁周縁部24が有する第1係止部25に係止する第2係止部32を有する。第1係止部25および第2係止部32の形状は、第2蓋体30が蓋体収容部23を覆った状態において、少なくとも一方が他方を係止可能な形状であれば、特に限定されない。また、立壁周縁部24に第1係止部25が複数形成されている場合には、第2蓋体30にも、第1係止部25に対応する数の第2係止部32が形成されていてもよい。
【0057】
例えば、第1係止部25は、立壁周縁部24における、蓋体収容部23に対して外側の側面である外側面に、第2蓋体30を係止する第1係止部25を有していてもよい。この場合、第1係止部25は例えば、立壁周縁部24の外側面の一部が蓋体収容部23側に窪んだ形状であり、第2係止部32は、第2蓋体30の端部において下方に延びる側壁の一部が、蓋体収容部23側に突出した形状となっていてもよい。
【0058】
第1係止部25および第2係止部32によれば、第2蓋体30により蓋体収容部23を覆った状態を、第1係止部25と第2係止部32との係止によって安定して固定できる。また、立壁周縁部24の外側面に第1係止部25が位置していれば、第2蓋体30は立壁周縁部24の外側面を含めて蓋体収容部23を覆う態様となるため、第2蓋体30が蓋体収容部23を覆った状態が安定しやすい。
【0059】
第2蓋体30は、例えば、ヒンジ部40と対向する端部に第2係止部32を有していてもよい。この場合、立壁周縁部24は、蓋体収容部23の周縁においてヒンジ部40から最も離れた部分を含む一辺に形成される。ヒンジ部40から最も離れた部分を含む一辺とは、蓋体収容部23の平面視における外形が矩形状である場合、蓋体収容部23の周縁において、ヒンジ部40側の一辺と対向する一辺である。そして、立壁周縁部24は、ヒンジ部40から最も離れた部分を含む一辺において、第1係止部25を有していてよい。
【0060】
立壁周縁部24は、蓋体収容部23の周縁において、ヒンジ部40から最も離れた部分を含む一辺の両端とそれぞれ接続している2つの辺まで延設されていてもよい。立壁周縁部24は、当該2つの辺の少なくとも一部に形成されていてもよく、当該2つの辺の全長に亘って形成されていてもよい。
【0061】
(摘み部)
第1天面部21は、第1天面部21の外周部であって蓋体フランジ部22と隣接する位置に溝部27を有している。そして、第2蓋体30は、ヒンジ部40と対向する一辺の、少なくとも一端に摘み部34を有している。摘み部34の一部は、第2蓋体30が蓋体収容部23を覆った状態において、溝部27の上方に位置する。
【0062】
溝部27は、第1天面部21において下方に窪んだ部位であり、内部に空隙を形成する。そして、第2蓋体30の摘み部34は、一部が溝部27の上方に位置する。そのため、第2蓋体30が蓋体収容部23を覆った状態において、摘み部34の一部の下方には、指等を差し入れることが可能な、溝部27が形成する空隙が位置する。これにより、摘み部34を蓋体フランジ部22よりも外側まで延設することなく、第1天面部21の領域内に収まった状態でも容易に摘むことが可能な摘み部34を実現できる。
【0063】
摘み部34は、第2蓋体30において、ヒンジ部40と対向する一辺の両端にそれぞれ形成されていることが好ましい。また、溝部27は、蓋体フランジ部22と隣接する位置において環状に形成されていることが好ましい。
【0064】
第2蓋体30が2つの摘み部34を有していれば、ユーザは、摘み部34の位置を特段意識せずとも容易に第2蓋体30を開くことができる。また、溝部27が環状に形成されていれば、第2蓋体30が有する2つの摘み部34のそれぞれ一部について、いずれも溝部27の上方に形成することが容易である。なお、溝部27は、蓋体フランジ部22と隣接する位置において、少なくとも1つの摘み部34の下方となる位置に形成されていればよい。
【0065】
溝部27は、下方に窪んだ部分において外側に面した側壁が、容器本体50の本体嵌合部55と嵌合することで、蓋体10における容器本体50との嵌合部としても機能してよい。この場合においても、溝部27が蓋体フランジ部22と隣接する位置において環状に形成されていれば、蓋体10と容器本体50との嵌合を強固にできる。
【0066】
第2蓋体30は、ヒンジ部40下方に筋状に突出した筋状凸部35を有していてよい。筋状凸部35は、第2蓋体30の閉蓋状態において、蓋体フランジ部22と溝部27との間に位置し、蓋体フランジ部22と内側から当接する。このような筋状凸部35によれば、ヒンジ部40を第1蓋体20の摘み部として代用する場合に、ヒンジ部40が破損する虞を低減できる。これは、例えばヒンジ部40を親指と人差し指とで摘み、人差し指を支点としながら親指でヒンジ部40を持ち上げるよう力を加えて第1蓋体20を開蓋する場合に、筋状凸部35を通じて、ヒンジ部40にかかる反力を逃がすことができると考えられるためである。
【0067】
第2蓋体30は、線状の凹凸が複数形成された、線状筋部36を有していてもよい。線状筋部36は、第2蓋体30の閉蓋状態において、蓋体フランジ部22の上方に重畳して位置していてよい。このような線状筋部36は、蓋体10に使用者の持ち手が当たる場合、第2蓋体30を開蓋操作する際の接触部分となる。線状筋部36によれば、このような接触部分が凹凸状となって高い強度を有していることで、接触部分における第2蓋体30の割れ及び変色等を低減できる。また、ヒンジ部40を第1蓋体20の摘み部として代用する場合に、操作者がヒンジ部40を把持しやすい。これは、例えばヒンジ部40を親指と人差し指とで摘み、人差し指を支点としながら親指でヒンジ部40を持ち上げるように第1蓋体20を開蓋する場合、線状筋部36が、支点となる人差し指の滑り止めとして機能するためである。
【0068】
(包装用容器の積み重ね)
図7に示すように、包装用容器1は、複数の包装用容器1を互いに積み重ねることが容易な形状であってよい。以下に、蓋体10における、容器本体50の脚部54と対応する形状について説明する。
【0069】
第1蓋体20は、第1天面部21の一部に、上方へ立ち上がる立壁凸部26を有している。また、第2蓋体30は、第2蓋体30の天面を含む第2天面部31を有しており、第2天面部31は、一部が下方に凹むことで構成された凹部33を有している。蓋体10の上方に容器本体50が載置された状態において、容器本体50の脚部54が、立壁凸部26と、凹部33の外周側の内壁面との間に嵌まる。
【0070】
立壁凸部26は、第1蓋体20の天面から上方に立ち上がっており、平面視においてU字状に延びる凸条である。立壁凸部26は、平面視において溝部27の内側であって、第1蓋体20においてヒンジ部40が形成されていない短辺部側に、溝部27に沿って位置している。このような位置にU字状に延びる立壁凸部26が形成されていれば、立壁凸部26の内側に載置された容器本体50の脚部54は、立壁凸部26によってヒンジ部40側の方向以外の方向への移動が規制される。そのため、立壁凸部26によれば、蓋体10の上に載置された、容器本体50の脚部54の位置ずれを防止できる。
【0071】
立壁凸部26の平面視における形状は、U字状に限定されず、容器本体50の脚部54の位置ずれを規制できる形状として形成されていればよい。例えば、立壁凸部26は直線状またはL字状の凸条として形成されていてもよい。また、第1天面部21が有する立壁凸部26は1つに限られず、複数の立壁凸部26が、脚部54の載置位置に隣接して形成されていてもよい。
【0072】
凹部33は、第2天面部31の一部が、平面視においてU字状となるように下方に窪んだ部位である。凹部33は、第2天面部31において、蓋体収容部23の周縁に対応する位置であって、第2係止部32が形成されている一辺を除いた三辺に亘って、U字状に窪んで形成されている。U字状の立壁凸部26と、U字状の凹部33とは、平面視において互いにU字状の開放部分が対向する位置関係となっている。
【0073】
容器本体50が蓋体10に載置された状態において、凹部33には、容器本体50に形成された2つの脚部54のうちの一方が嵌まりこむ。これにより、凹部33は、容器本体50の脚部54について、いずれの方向への移動についても規制できる。そのため、凹部33によれば、蓋体10の上に載置された容器本体50の位置ずれを効果的に防止できる。
【0074】
凹部33における底面の鉛直方向の位置は、第1蓋体20における天面の鉛直方向の位置と同じであってよい。このような構成によれば、容器本体50を、蓋体10の上に水平に載置できる。なお、「鉛直方向の位置が同じ」とは、完全同一でなくともよく、例えば製造誤差等を許容するものである。
【0075】
このような立壁凸部26および凹部33の間に、容器本体50の脚部54を嵌めることで、蓋体10の上に容器本体50を安定して重ねることができる。これにより、複数の、例えば3つ以上の包装用容器1を積み重ねても、それぞれの包装用容器1の位置が安定するため、揺れ等があっても積み重ねが崩れる虞を低減できる。
【0076】
また、凹部33は蓋体収容部23の周縁に対応する位置に形成されている。そのため、凹部33は、第2蓋体30が蓋体収容部23を覆った状態において、同じく蓋体収容部23の周縁に形成されている立壁周縁部24と隣接する。当該隣接した状態において、凹部33の内壁面であって、第2蓋体30の外周側の内壁面はその少なくとも一部が、立壁周縁部24における蓋体収容部23側の外壁面と重なり合う。これにより、立壁周縁部24は、凹部33による容器本体50の脚部54の移動防止を補強できる。
【0077】
近年のプラスチック削減の要請から、蓋体10等の樹脂製品の壁厚について薄型化される傾向にある。上述のような構成であれば、蓋体10の壁厚を薄くしても、脚部54が移動しようとする際に凹部33に作用する力を、凹部33と立壁周縁部24とによって受け止めることができ、脚部54の移動を安定して防止できる。蓋体10の壁厚を薄型化できれば、例えば、国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の目標12「持続可能な生産消費形態を確保する」等の達成にも貢献する包装用容器1が実現できる。
【0078】
〔まとめ〕
本発明の一実施形態は、例えば以下に示すように表現できる。
【0079】
すなわち、本発明の態様A1に係る蓋体は、容器本体を開閉可能に覆う蓋体であって、前記容器本体を開閉可能に覆う第1蓋体と、第2蓋体と、ヒンジ部とを備え、前記第1蓋体は、前記第1蓋体の天面を含む第1天面部と、前記第1天面部の外周端から外側に延びるフランジ部と、前記第1天面部の所定領域に収容空間を形成する収容部と、を有し、前記第2蓋体は、前記収容部を開閉可能に覆い、前記第1蓋体および前記ヒンジ部と一体的に形成されている。
【0080】
本発明の態様A2に係る蓋体は、前記態様A1において、前記ヒンジ部は、前記フランジ部の外周端から外側に延設されていてもよい。
【0081】
本発明の態様A3に係る蓋体は、前記態様A1またはA2において、前記容器本体は、接地面を含む脚部を有し、前記第1蓋体は、前記第1天面部の一部に、上方へ立ち上がる立壁凸部を有し、前記第2蓋体は、前記第2蓋体の天面を含む第2天面部を有し、前記第2天面部は、一部が下方に凹む凹部を有し、前記蓋体の上方に前記容器本体が載置された状態において、前記容器本体の前記脚部が、前記立壁凸部と、前記凹部の外周側の内壁面との間に嵌まるものであってもよい。
【0082】
本発明の態様A4に係る蓋体は、前記態様A1からA3のいずれかにおいて、前記第1天面部は、前記第1天面部の外周部であって前記フランジ部と隣接する位置に環状の溝部を有し、前記第2蓋体は、前記ヒンジ部と対向する一辺の、少なくとも一端に摘み部を有し、前記第2蓋体が前記収容部を覆った状態において、前記摘み部の一部が前記溝部の上方に位置していてもよい。
【0083】
また、本発明の他の実施形態について、以下に示すように表現することもできる。
【0084】
すなわち、本発明の態様B1に係る包装用容器は、容器本体と、前記容器本体を開閉可能に覆う蓋体とを備える包装用容器であって、前記容器本体および前記蓋体はいずれも、平面視において一対の長辺部と一対の短辺部とを有する矩形状であり、前記蓋体は、前記容器本体を開閉可能に覆う第1蓋体と、第2蓋体と、ヒンジ部とを備え、前記第1蓋体は、前記第1蓋体の天面を含む第1天面部と、前記第1天面部の外周端から外側に延びるフランジ部と、前記第1天面部の所定領域に収容空間を形成する収容部と、前記収容部の周縁の少なくとも一部において、前記第1蓋体の天面から上方に立ち上がる立壁周縁部と、を有し、前記第2蓋体は、前記収容部を開閉可能に覆い、前記第1蓋体および前記ヒンジ部と一体的に形成されており、前記ヒンジ部は、前記フランジ部の外周端から外側に向けて、前記第2蓋体における一対の短辺部のいずれかに延設されており、前記第2蓋体は、前記ヒンジ部を中心に回転し、前記収容部を覆った状態において前記立壁周縁部に係止される。
【0085】
本発明の態様B2に係る包装用容器は、前記態様B1において、前記立壁周縁部は、前記収容部の周縁において前記ヒンジ部から最も離れた部分を含む一辺に形成されており、前記立壁周縁部の前記収容部に対して外側の側面である外側面に、前記第2蓋体を係止する第1係止部を有していてもよい。
【0086】
本発明の態様B3に係る包装用容器は、前記態様B1またはB2において、前記容器本体は、接地面を含む脚部を有し、前記第1蓋体は、前記第1天面部の一部に、上方へ立ち上がる立壁凸部を有し、前記第2蓋体は、前記第2蓋体の天面を含む第2天面部を有し、前記第2天面部は、一部が下方に凹む凹部を有し、前記蓋体の上方に前記容器本体が載置された状態において、前記容器本体の前記脚部が、前記立壁凸部と、前記凹部の外周側の内壁面との間に嵌まるものであってもよい。
【0087】
本発明の態様B4に係る包装用容器は、前記態様B1からB3のいずれかにおいて、前記第1天面部は、前記第1天面部の外周部であって前記フランジ部と隣接する位置に環状の溝部を有し、前記第2蓋体は、前記ヒンジ部と対向する一辺の、少なくとも一端に摘み部を有し、前記第2蓋体が前記収容部を覆った状態において、前記摘み部の一部が前記溝部の上方に位置していてもよい。
【0088】
また、本発明の他の実施形態について、以下に示すように表現することもできる。
【0089】
すなわち、本発明の態様C1に係る蓋体は、容器本体を開閉可能に覆う蓋体であって、前記容器本体を開閉可能に覆う第1蓋体と、第2蓋体と、ヒンジ部とを備え、前記第1蓋体は、前記第1蓋体の天面を含む第1天面部と、前記第1天面部の外周端から外側に延びるフランジ部と、前記第1天面部の所定領域に収容空間を形成する収容部と、前記収容部の周縁の少なくとも一部において、前記第1蓋体の天面から上方に立ち上がる立壁周縁部と、を有し、前記第2蓋体は、前記収容部を開閉可能に覆い、前記第1蓋体および前記ヒンジ部と一体的に形成されており、前記ヒンジ部と対向する端部に、前記収容部を覆った状態において前記立壁周縁部が有する第1係止部に係止する第2係止部を有する。
【0090】
本発明の態様C2に係る蓋体は、前記態様C1において、前記ヒンジ部は、前記フランジ部の外周端から外側に延設されていてもよい。
【0091】
本発明の態様C3に係る蓋体は、前記態様C1またはC2において、前記第1係止部は、前記立壁周縁部の少なくとも一辺において、その一部に形成されていてもよい。
【0092】
本発明の態様C4に係る蓋体は、前記態様C1からC3のいずれかにおいて、前記第1係止部は、前記立壁周縁部の、前記収容部に対して外側の側面である外側面に形成されていてもよい。
【0093】
本発明の態様C5に係る蓋体は、前記態様C1からC4のいずれかにおいて、前記第1蓋体は、前記第1天面部の一部に、上方へ立ち上がる立壁凸部を有し、前記第2蓋体は、前記第2蓋体の天面を含む第2天面部を有し、前記第2天面部は、一部が下方に凹むことで構成され、平面視でU字状の凹部を有していてもよい。
【0094】
本発明の態様C6に係る蓋体は、前記態様C1からC5のいずれかにおいて、前記第1天面部は、前記第1天面部の外周部であって前記フランジ部と隣接する位置に溝部を有し、前記第2蓋体は、前記ヒンジ部と対向する一辺の、少なくとも一端に摘み部を有し、前記第2蓋体が前記収容部を覆った状態において、前記摘み部の一部が前記溝部の上方に位置していてもよい。
【0095】
本発明の態様C7に係る蓋体は、前記態様C6において、前記溝部は、前記フランジ部と隣接する位置に環状に形成されており、前記摘み部は、前記第2蓋体において、前記ヒンジ部と対向する一辺の両端にそれぞれ形成されていてもよい。
【0096】
また、本発明の他の実施形態について、以下に示すように表現することもできる。
【0097】
本発明の態様D1に係る蓋体は、容器本体を開閉可能に覆う蓋体であって、前記容器本体を開閉可能に覆う第1蓋体と、第2蓋体とを備え、前記第1蓋体は、前記第1蓋体の天面を含む第1天面部と、前記第1天面部の外周端から外側に延びるフランジ部と、前記第1天面部の所定領域に収容空間を形成する収容部と、を有し、前記第2蓋体は、前記収容部を開閉可能に覆い、前記第1天面部は、前記第1天面部の外周部であって前記フランジ部と隣接する位置に環状の溝部を有し、前記第2蓋体は、平面視において外周を成すいずれか一辺の少なくとも一端に摘み部を有し、前記第2蓋体が前記収容部を覆った状態において、前記摘み部の一部が前記溝部の上方に位置する。
【0098】
本発明の態様D2に係る蓋体は、前記態様D1において、前記溝部は、前記フランジ部と前記第1天面部との間に環状に形成されており、前記摘み部は、前記第2蓋体において、前記いずれか一辺の両端にそれぞれ形成されていてもよい。
【0099】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
1 包装用容器
10 蓋体
20 第1蓋体
21 第1天面部
22 蓋体フランジ部(フランジ部)
23 蓋体収容部(収容部)
24 立壁周縁部
25 第1係止部
26 立壁凸部
27 溝部
30 第2蓋体
31 第2天面部
32 第2係止部
33 凹部
34 摘み部
35 筋状凸部
36 線状筋部
40 ヒンジ部
50 容器本体
54 脚部