(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169115
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】カメラモジュール
(51)【国際特許分類】
G03B 17/02 20210101AFI20241128BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20241128BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20241128BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20241128BHJP
H04N 23/50 20230101ALI20241128BHJP
【FI】
G03B17/02
G03B30/00
G02B7/02 Z
H04N23/57
H04N23/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086323
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武澤 希和子
【テーマコード(参考)】
2H044
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AJ01
5C122EA22
5C122GE05
5C122GE11
5C122GE18
(57)【要約】
【課題】簡素な構成で、外部からの電磁ノイズを抑制するカメラモジュールを提供する。
【解決手段】カメラモジュール10では、ケース45およびカバー55は、導電性を有する。また、ケース45は、ケース接触部456と、ケース対向面450と、ケース凸部458と、を含む。ケース接触部456は、固定部材60によりカバー55と接触している。ケース対向面450は、カバー55と対向している。ケース凸部458は、ケース対向面450からカバー55に向かって突出していることにより、カバー55と接触していることで、ケース45およびカバー55を導通させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラモジュールであって、
レンズ(20)と、
前記レンズを収容しているホルダ(25)と、
前記レンズを通過した光に基づく撮像画像に応じた信号を出力する撮像素子(35)と、
前記撮像素子からの信号を取得する基板(30)と、
前記ホルダと接続されているケース(45)と、
前記ケースとともに前記撮像素子および前記基板を収容しているカバー(55)と、
前記ケースと前記カバーとを固定する固定部材(60)と、
を備え、
前記ケースおよび前記カバーは、導電性を有しており、
前記ケースは、
前記固定部材により前記カバーと接触しているケース接触部(456)と、
前記カバーと対向しているケース対向面(450)と、
前記ケース対向面から前記カバーに向かって突出していることにより、前記カバーと接触していることで、前記ケースおよび前記カバーを導通させるケース凸部(458)と、
を含むカメラモジュール。
【請求項2】
前記ケース凸部の先端(4580)は、前記ケース接触部を通るとともに前記レンズの光軸(OL)と直交する面(Sc)上に位置している請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記ケース凸部の先端(4580)は、前記ケース接触部を通るとともに前記レンズの光軸(OL)と直交する面(Sc)よりも前記カバー側に位置している請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記ケース凸部は、前記カバーとの接触により塑性変形している請求項1ないし3のいずれか1つに記載のカメラモジュール。
【請求項5】
カメラモジュールであって、
レンズ(20)と、
前記レンズを収容するホルダ(25)と、
前記レンズを通過した光に基づく撮像画像に応じた信号を出力する撮像素子(35)と、
前記撮像素子からの信号を取得する基板(30)と、
前記ホルダと接続されているケース(45)と、
前記ケースとともに前記撮像素子および前記基板を収容しているカバー(55)と、
前記ケースと前記カバーとを固定する固定部材(60)と、
を備え、
前記ケースおよび前記カバーは、導電性を有しており、
前記カバーは、
前記固定部材により前記ケースと接触しているカバー接触部(566)と、
前記ケースと対向しているカバー対向面(556)と、
前記カバー対向面から前記ケースに向かって突出していることにより、前記ケースと接触していることで、前記ケースおよび前記カバーを導通させるカバー凸部(568)と、
を含むカメラモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カメラモジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載されているように、撮像光学ユニットと、電子回路ユニットと、ケースと、蓋状体と、固定機構と、シールドケースと、を備える撮像装置が知られている。ケースは、撮像光学ユニットおよび電子回路ユニットを収容する。蓋状体は、ケースの開口部を閉塞する。また、蓋状体およびケースは、樹脂製である。さらに、蓋状体は、ケースの上面に当接する平滑な当接面を有している。固定機構は、蓋状体をケースに固定する。また、固定機構は、蓋状体をケースに圧接させるブラケットを備える。さらに、ブラケットは、金属製で、複数の突起部を有している。複数の突起部がケースに突き刺さるように圧接することで、ブラケットは、ケースに対し当接面の方向における可動範囲内の任意の位置に固定される。シールドケースは、ケースの内方であって電子回路ユニットの周囲に箱状に設けられており、電子回路ユニットを取り囲む状態で電子回路ユニットとともにケース内に収容されている。また、シールドケースは、電子回路ユニットにおける基準電位もしくはグランドレベルに電気的に接続して、シールド性能を確保する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている撮像装置では、蓋状体およびケースが樹脂等の非導電性材料で形成されているから、蓋状体およびケースが金属製である場合と比較して、撮像装置の外部からの電磁ノイズが撮像装置内に侵入しやすい。このため、電子回路ユニットにノイズが生じやすい。また、特許文献1に記載されている撮像装置では、蓋状体およびケースとは別でシールドケースが備えられていることにより、部品点数が増加する。
【0005】
本開示は、簡素な構成で、外部からの電磁ノイズを抑制するカメラモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、カメラモジュールであって、レンズ(20)と、レンズを収容しているホルダ(25)と、レンズを通過した光に基づく撮像画像に応じた信号を出力する撮像素子(35)と、撮像素子からの信号を取得する基板(30)と、ホルダと接続されているケース(45)と、ケースとともに撮像素子および基板を収容しているカバー(55)と、ケースとカバーとを固定する固定部材(60)と、を備え、ケースおよびカバーは、導電性を有しており、ケースは、固定部材によりカバーと接触しているケース接触部(456)と、カバーと対向しているケース対向面(450)と、ケース対向面からカバーに向かって突出していることにより、カバーと接触していることで、ケースおよびカバーを導通させるケース凸部(458)と、を含むカメラモジュールである。
また、請求項5に記載の発明は、カメラモジュールであって、レンズ(20)と、レンズを収容するホルダ(25)と、レンズを通過した光に基づく撮像画像に応じた信号を出力する撮像素子(35)と、撮像素子からの信号を取得する基板(30)と、ホルダと接続されているケース(45)と、ケースとともに撮像素子および基板を収容しているカバー(55)と、ケースとカバーとを固定する固定部材(60)と、を備え、ケースおよびカバーは、導電性を有しており、カバーは、固定部材によりケースと接触しているカバー接触部(566)と、ケースと対向しているカバー対向面(556)と、カバー対向面からケースに向かって突出していることにより、ケースと接触していることで、ケースおよびカバーを導通させるカバー凸部(568)と、を含むカメラモジュールである。
【0007】
これにより、凸部が形成されていない場合と比較して、ケースとカバーの接触部同士の間の距離が小さくなるため、カメラモジュールの共振周波数が高くなりやすい。このため、空洞共振が生じにくくなることから、基板付近のノイズが抑制される。したがって、簡素な構成で、カメラモジュールの外部からの電磁ノイズが抑制される。
【0008】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図9】第4実施形態のカメラモジュールにおけるケース凸部の断面図。
【
図10】第5実施形態のカメラモジュールの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
本実施形態のカメラモジュールでは、簡素な構成で、カメラモジュールの外部からの電磁ノイズが抑制される。また、カメラモジュールは、例えば、図示しない車両に用いられる。さらに、カメラモジュールは、例えば、車室内におけるウィンドシールド付近に配置されており、車両の前方を撮像する。なお、カメラモジュールは、車両の前方を撮像することに限定されないで、車両の左方、右方および後方等、車両の周辺を撮像してもよい。
【0012】
具体的には、
図1~
図6に示すように、カメラモジュール10は、レンズ20、ホルダ25、基板30、撮像素子35、端子40、ケース45、基板用固定部材50、カバー55および固定部材60を備えている。
【0013】
レンズ20は、車両の前方を撮像するため、車両前方側からの光を集める。なお、ここでは、レンズ20の光軸OLは、車両前後方向に延びている。
【0014】
ホルダ25は、樹脂等で形成されている。また、ホルダ25は、ホルダ筒部250およびホルダ鍔部252を有する。ホルダ筒部250は、光軸OLの方向に延びる筒状に形成されている。さらに、ホルダ筒部250は、レンズ20を収容している。ホルダ鍔部252は、ホルダ筒部250から光軸OLと直交する方向に延びている。
【0015】
基板30は、プリント基板である。撮像素子35は、CMOSイメージセンサ等の半導体イメージセンサ素子である。また、撮像素子35は、基板30のうちレンズ20と光軸OLの方向に対向する面に実装されている。したがって、撮像素子35は、レンズ20を通過した光に基づく撮像画像に応じた信号を出力する。さらに、基板30は、撮像素子35からの信号を取得する。
【0016】
端子40は、基板30のうち撮像素子35とは反対側の面に接続されている。また、端子40を介して、基板30は、撮像素子35からの撮像画像を、例えば、図示しない画像処理装置に出力する。画像処理装置は、基板30から取得した撮像画像に対して画像認識等の画像処理を行う。さらに、画像処理装置は、撮像画像とともに画像処理結果に応じた信号を、図示しない運転支援装置に出力する。運転支援装置は、画像処理装置から取得した画像処理結果に基づいて、例えば、車両における警報出力制御や走行制御等の走行支援を実行する。なお、警報出力制御は、車両が車線を逸脱しそうな場合に警報の出力を実行する制御である。走行制御は、車両が車線内を走行するように車両の操舵制御やブレーキ制御を実行する制御である。また、ここでは、基板30が端子40を介して信号を出力するところ、基板30が端子40を介して出力することに限定されない。例えば、図示しない電源から端子40を介して基板30に電力が供給されてもよい。
【0017】
ケース45は、アルミニウム等の金属で形成されていることにより、導電性を有する。また、ケース45は、光軸OLの方向に延びる筒状に形成されている。さらに、ケース45は、撮像素子35、基板30および端子40を収容している。また、ケース45は、ホルダ25と接続されている。例えば、ケース45は、接着剤等により、ホルダ鍔部252と光軸OLの方向に接続されている。なお、ケース45とホルダ鍔部252との接続は、接着剤が用いられることに限定されないで、例えば、ねじ等が用いられてもよい。
【0018】
基板用固定部材50は、ねじ等であって、ケース45と基板30とを固定する。具体的には、基板用固定部材50の一部が、ケース45のうち基板30と光軸OLの方向に対向する面に形成された穴、および、その穴に対応する基板30の穴に挿入されている。これにより、ケース45と基板30とが固定されている。
【0019】
カバー55は、ケース45とともに撮像素子35、基板30および端子40を収容している。具体的には、カバー55は、カバー板部550および端子用筐体552を有する。
【0020】
カバー板部550は、アルミニウム等の金属で形成されていることにより、導電性を有する。さらに、カバー板部550は、光軸OLの方向と直交する方向に延びる板状に形成されている。また、カバー板部550は、端子筐体用穴554、カバー対向面556、カバー凹部558およびカバー穴560を含む。
【0021】
端子筐体用穴554には、端子用筐体552の一部が挿入されている。さらに、端子用筐体552は、インサート成形等により、樹脂等で筒状に形成されている。また、端子用筐体552は、ケース45とともに端子40を収容している。
【0022】
カバー対向面556は、カバー55のうちケース45と光軸OLの方向に対向している面である。カバー凹部558は、カバー55のうちカバー対向面556とは反対側の面からケース45側に向かって凹んでいる。カバー穴560は、カバー対向面556およびカバー凹部558の底面を貫通している。
【0023】
また、ここで、ケース45は、
図3~
図5に示すように、ケース対向面450、ケース突出部452、ケース穴454、ケース接触部456およびケース凸部458を有する。
【0024】
ケース対向面450は、ケース45のうちカバー55と光軸OLの方向に対向している面である。ケース突出部452は、ケース対向面450からカバー55に向かって突出している。
【0025】
ケース穴454は、ケース突出部452を貫通しているとともにケース突出部452付近におけるケース45の内部に形成された有底穴である。さらに、ケース穴454は、光軸OLの方向に延びている。また、ケース穴454は、カバー穴560につながっている。さらに、ケース穴454およびカバー穴560に、ねじ等の固定部材60の一部が挿入されている。これにより、ケース45とカバー55とが固定されている。また、カバー凹部558により、固定部材60の一部がカバー55から突き出ないようになっている。このため、固定部材60がカバー55の外部と接触しにくくなる。したがって、固定部材60とカバー55の外部とが互いに傷つくことが抑制されている。
【0026】
ケース接触部456は、ケース45のうち固定部材60によりカバー55と接触している部位である。ここでは、ケース突出部452が形成されているため、ケース接触部456は、ケース突出部452におけるカバー板部550と接触している先端部に対応する。
【0027】
ケース凸部458は、ケース対向面450からカバー55に向かって突出している。これにより、ケース凸部458は、カバー板部550と接触している。このため、ケース45およびカバー55が導通する。よって、後述するように、ケース45およびカバー55には、ノイズシールド性能が確保される。なお、ここでは、ノイズシールド性能とは、カメラモジュール10の外部からの電磁ノイズを抑制する性能である。
【0028】
さらに、ここで、ケース接触部456を通るとともに、光軸OLと直交する面を固定面Scとする。
【0029】
そして、ケース凸部458の先端であるケース先端4580は、固定面Sc上に位置している。また、ここでは、ケース先端4580は、平面状に形成されている。これにより、ケース凸部458は、カバー板部550と線接触または面接触しやすくなっている。したがって、ケース凸部458によるケース45とカバー55との導通がしやすくなっている。なお、ケース先端4580は、平面状に形成されていることに限定されないで、曲面状に形成されてもよい。
【0030】
また、ケース凸部458は、カバー対向面556との接触により塑性変形している。さらに、固定部材60を用いてケース45およびカバー55を固定するとき、ケース凸部458を塑性変形させる力がカバー対向面556からケース凸部458にかかる。このとき、ケース凸部458を塑性変形させる力に対する反力がカバー板部550にかかる。このため、カバー対向面556には、
図3~
図6に示すように、ケース凸部458に対応した形状のカバー接触痕562が形成されている。
【0031】
また、ケース凸部458は、例えば、円錐台形状に形成されている。さらに、ケース対向面450およびケース先端4580に接続されているケース凸部458の側面は、テーパ状に形成されている。また、ケース対向面450からケース先端4580に向かう方向と直交する方向におけるケース凸部458の長さは、ケース対向面450からケース先端4580に向かうことに伴って、小さくなっている。これにより、ケース凸部458は、カバー板部550との接触により塑性変形しやすくなっている。なお、ここでは、ケース対向面450からケース先端4580に向かう方向と直交する方向は、光軸OLと直交する方向に対応する。
【0032】
以上のように、第1実施形態のカメラモジュール10は、構成されている。次に、本実施形態のカメラモジュール10では、簡素な構成で、カメラモジュール10の外部からの電磁ノイズが抑制されることについて説明する。
【0033】
ここで、特許文献1に記載されている撮像装置では、蓋状体およびケースが樹脂等の非導電性材料で形成されているから、蓋状体およびケースが金属製である場合と比較して、撮像装置の外部からの電磁ノイズが撮像装置内に侵入しやすい。このため、電子回路ユニットにノイズが生じやすい。また、特許文献1に記載されている撮像装置では、蓋状体およびケースとは別にシールドケースが備えられていることにより、部品点数が増加する。
【0034】
これに対して、本実施形態のカメラモジュール10では、ケース45およびカバー55は、導電性を有する。また、ケース45は、
図3~
図5に示すように、ケース接触部456と、ケース対向面450と、ケース凸部458と、を含む。ケース接触部456は、固定部材60によりカバー55と接触している。ケース対向面450は、カバー55と対向している。ケース凸部458は、ケース対向面450からカバー55に向かって突出していることにより、カバー55と接触していることで、ケース45およびカバー55を導通させる。
【0035】
これにより、ケース凸部458が形成されていない場合と比較して、ケース45とカバー55の接触部同士の間の距離が小さくなるため、カメラモジュール10の共振周波数が高くなりやすい。このため、空洞共振が生じにくくなることから、基板30付近のノイズが抑制される。したがって、簡素な構成で、カメラモジュール10の外部からの電磁ノイズが抑制される。
【0036】
さらに、簡素な構成のため、部品点数を削減することができ、カメラモジュール10の大型化が抑制される。さらに、カメラモジュール10の大型化が抑制されることから、ルームミラー、ETC、レインセンサ等の多くの機器を備える車両におけるカメラモジュール10の搭載性が向上する。なお、ETCは、Electronic Toll Collection Systemの略である。
【0037】
また、第1実施形態のカメラモジュール10では、以下に記載する効果も奏する。
【0038】
[1]ケース凸部458のケース先端4580は、
図3および
図4に示すように、固定面Sc上に位置している。なお、固定面Scは、上記したように、ケース接触部456を通るとともに光軸OLと直交する面である。
【0039】
これにより、固定部材60を用いてケース45およびカバー55を固定するとき、ケース凸部458のケース先端4580がケース接触部456よりもケース45側に位置している場合と比較して、ケース凸部458がカバー55と接触しやすい。このため、ケース凸部458によるケース45とカバー55との導通がしやすい。したがって、ケース45とカバー55の接触部同士の間の距離が小さくなるため、カメラモジュール10の共振周波数が高くなりやすい。このため、空洞共振が生じにくくなることから、基板30付近のノイズが抑制される。よって、カメラモジュール10の外部からの電磁ノイズが抑制される。
【0040】
[2]ケース凸部458は、カバー55との接触により塑性変形している。
【0041】
これにより、固定部材60を用いてケース45およびカバー55を固定するとき、ケース凸部458を塑性変形させる力がカバー55からケース凸部458にかかる。このため、ケース凸部458とカバー55とが接触して、ケース凸部458によるケース45とカバー55との導通がしやすくなる。
【0042】
[3]カバー55は、
図3~
図6に示すように、ケース凸部458に対応した形状のカバー接触痕562を有する。
【0043】
これにより、カバー55にカバー接触痕562が残るほど、ケース45とカバー55とが接触していることから、ケース凸部458によるケース45とカバー55との導通がしやすくなる。
【0044】
(第2実施形態)
第1実施形態では、ケース凸部458のケース先端4580は、固定面Sc上に位置している。これに対して、第2実施形態では、
図7に示すように、ケース凸部458のケース先端4580は、固定面Scよりもカバー55側に位置している。このため、ケース対向面450からケース先端4580までの長さLctは、ケース対向面450から固定面Scまでの長さLcfよりも大きくなっている。これ以外は、第1実施形態と同様である。このような第2実施形態においても、第1実施形態と同様である。
【0045】
(第3実施形態)
第1実施形態では、ケース45は、ケース突出部452を有する。これに対して、第3実施形態では、
図8に示すように、ケース45は、ケース突出部452を有していない。この場合、ケース接触部456は、ケース対向面450におけるカバー板部550と接触している部位に対応する。また、ケース対向面450から固定面Scまでの長さLcfは、ゼロとされている。これ以外は、第1実施形態と同様である。このような第3実施形態においても、第1実施形態と同様である。
【0046】
(第4実施形態)
第4実施形態では、ケース凸部458は、ケース鍔部460をさらに含む。ケース鍔部460は、ケース先端4580がカバー板部550との接触による塑性変形によって形成されるバリ等である。ケース鍔部460は、
図9に示すように、ケース45からカバー55に向かう方向と直交する方向に、ケース先端4580から延びている。また、ケース鍔部460は、光軸OLと直交する方向に、ケース先端4580から延びている。これ以外は、第1実施形態と同様である。このような第4実施形態においても、第4実施形態と同様である。
【0047】
(第5実施形態)
第1実施形態では、ケース45は、ケース対向面450、ケース突出部452、ケース穴454、ケース接触部456およびケース凸部458を有する。これに対して、第5実施形態では、ケース45は、
図10に示すように、ケース突出部452およびケース凸部458を有しないで、ケース対向面450、ケース穴454およびケース接触部456を有する。また、ケース穴454およびケース接触部456の形態が第1実施形態と異なる。さらに、カバー55は、端子筐体用穴554、カバー対向面556、カバー凹部558およびカバー穴560に加えて、カバー突出部564、カバー接触部566およびカバー凸部568を有する。また、カバー穴560の形態が第1実施形態と異なる。これら以外は、第1実施形態と同様である。
【0048】
ケース穴454は、ここでは、ケース対向面450から光軸OLの方向に延びる穴である。ケース接触部456は、後述するように、ケース対向面450におけるカバー突出部564と接触している部位に対応する。
【0049】
カバー突出部564は、カバー対向面556からケース45に向かって突出している。カバー穴560は、カバー突出部564およびカバー凹部558の底面を貫通している。
【0050】
カバー接触部566は、カバー55のうち固定部材60によりケース45と接触している部位である。ここでは、カバー突出部564が形成されているため、カバー接触部566は、カバー突出部564におけるケース対向面450と接触している先端部に対応する。
【0051】
カバー凸部568は、カバー対向面556からケース45に向かって突出している。これにより、カバー凸部568は、ケース対向面450と接触している。このため、ケース45およびカバー55が導通する。よって、ケース45およびカバー55には、ノイズシールド性能が確保される。
【0052】
さらに、ここで、カバー接触部566を通るとともに、光軸OLと直交する面を仮想面Siとする。
【0053】
そして、カバー凸部568の先端であるカバー先端5680は、仮想面Si上に位置している。また、ここでは、カバー先端5680は、平面状に形成されている。これにより、カバー凸部568は、ケース対向面450と線接触または面接触しやすくなっている。したがって、カバー凸部568によるケース45とカバー55との導通がしやすくなっている。なお、カバー先端5680は、平面状に形成されていることに限定されないで、曲面状に形成されてもよい。さらに、カバー先端5680は、仮想面Si上に位置していることに限定されないで、仮想面Siよりもケース45側に位置してもよい。
【0054】
また、カバー凸部568は、ケース対向面450との接触により塑性変形している。さらに、固定部材60を用いてケース45およびカバー55を固定するとき、カバー凸部568を塑性変形させる力がケース対向面450からカバー凸部568にかかる。このとき、カバー凸部568を塑性変形させる力に対する反力がケース対向面450にかかる。このため、ケース対向面450には、カバー凸部568に対応した形状のケース接触痕462が形成されている。
【0055】
また、カバー凸部568は、例えば、円錐台形状に形成されている。さらに、カバー対向面556およびカバー先端5680に接続されているカバー凸部568の側面は、テーパ状に形成されている。また、カバー対向面556からカバー先端5680に向かう方向と直交する方向におけるカバー凸部568の長さは、カバー対向面556からカバー先端5680に向かうことに伴って、小さくなっている。これにより、カバー凸部568は、ケース対向面450との接触により塑性変形しやすくなっている。なお、ここでは、カバー対向面556からカバー先端5680に向かう方向と直交する方向は、光軸OLと直交する方向に対応する。また、カバー凸部568は、図示しないカバー鍔部を含んでもよい。カバー鍔部は、カバー先端5680がケース対向面450との接触による塑性変形によって形成されるバリ等である。さらに、カバー鍔部は、カバー55からケース45に向かう方向と直交する方向に、カバー先端5680から延びている。また、カバー鍔部は、光軸OLと直交する方向に、カバー先端5680から延びている。
【0056】
以上のように、第5実施形態のカメラモジュール10は、構成されている。この第5実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0057】
(他の実施形態)
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、上記実施形態に対して、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0058】
本開示に記載の制御部等およびその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の制御部等およびその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の制御部等およびその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサおよびメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0059】
上記各実施形態では、カメラモジュール10は、車両に用いられる。これに対して、カメラモジュール10は、車両に用いられることに限定されないで、例えば、設備等に用いられてもよい。
【0060】
上記各実施形態では、図示しない運転支援装置は、画像処理結果に基づいて、例えば、車両における警報出力制御や走行制御等の走行支援を実行する。これに対して、図示しない運転支援装置は、画像処理結果に加えて、車両に搭載されるLidarによる情報に基づいて、例えば、車両における警報出力制御や走行制御等の走行支援を実行してもよい。なお、Lidarは、Light Detection and Ranging/Laser Imaging Detection and Rangingの略である。
【0061】
上記第1~第4実施形態では、ケース凸部458は、ケース45と一体に形成されている。これに対して、ケース凸部458は、ケース45と別体に形成されてもよい。また、ケース凸部458の数は、2つである。これに対して、ケース凸部458の数は、2つであることに限定されないで、少なくとも1つあればよい。
【0062】
上記第1~第4実施形態では、ケース凸部458は、円錐台形状に形成されている。これに対して、ケース凸部458は、円錐台形状に形成されていることに限定されないで、例えば、多角柱形状や半球状等に形成されてもよい。
【0063】
上記第5実施形態では、カバー凸部568は、カバー55と一体に形成されている。これに対して、カバー凸部568は、カバー55と別体に形成されてもよい。さらに、カバー凸部568の数は、2つである。これに対して、カバー凸部568の数は、2つであることに限定されないで、少なくとも1つあればよい。
【0064】
上記第5実施形態では、カバー凸部568は、円錐台形状に形成されている。これに対して、カバー凸部568は、円錐台形状に形成されていることに限定されないで、例えば、多角柱形状や半球状等に形成されてもよい。
【0065】
上記各実施形態は、適宜組み合わされてもよい。
【0066】
(本開示の観点)
[観点1]
カメラモジュールであって、
レンズ(20)と、
前記レンズを収容しているホルダ(25)と、
前記レンズを通過した光に基づく撮像画像に応じた信号を出力する撮像素子(35)と、
前記撮像素子からの信号を取得する基板(30)と、
前記ホルダと接続されているケース(45)と、
前記ケースとともに前記撮像素子および前記基板を収容しているカバー(55)と、
前記ケースと前記カバーとを固定する固定部材(60)と、
を備え、
前記ケースおよび前記カバーは、導電性を有しており、
前記ケースは、
前記固定部材により前記カバーと接触しているケース接触部(456)と、
前記カバーと対向しているケース対向面(450)と、
前記ケース対向面から前記カバーに向かって突出していることにより、前記カバーと接触していることで、前記ケースおよび前記カバーを導通させるケース凸部(458)と、
を含むカメラモジュール。
[観点2]
前記ケース凸部の先端(4580)は、前記ケース接触部を通るとともに前記レンズの光軸(OL)と直交する面(Sc)上に位置している観点1に記載のカメラモジュール。
[観点3]
前記ケース凸部の先端(4580)は、前記ケース接触部を通るとともに前記レンズの光軸(OL)と直交する面(Sc)よりも前記カバー側に位置している観点1に記載のカメラモジュール。
[観点4]
前記ケース凸部は、前記カバーとの接触により塑性変形している観点1ないし3のいずれか1つに記載のカメラモジュール。
[観点5]
カメラモジュールであって、
レンズ(20)と、
前記レンズを収容するホルダ(25)と、
前記レンズを通過した光に基づく撮像画像に応じた信号を出力する撮像素子(35)と、
前記撮像素子からの信号を取得する基板(30)と、
前記ホルダと接続されているケース(45)と、
前記ケースとともに前記撮像素子および前記基板を収容しているカバー(55)と、
前記ケースと前記カバーとを固定する固定部材(60)と、
を備え、
前記ケースおよび前記カバーは、導電性を有しており、
前記カバーは、
前記固定部材により前記ケースと接触しているカバー接触部(566)と、
前記ケースと対向しているカバー対向面(556)と、
前記カバー対向面から前記ケースに向かって突出していることにより、前記ケースと接触していることで、前記ケースおよび前記カバーを導通させるカバー凸部(568)と、
を含むカメラモジュール。
【符号の説明】
【0067】
20 レンズ
25 ホルダ
30 基板
35 撮像素子
45 ケース
450 ケース対向面
456 ケース接触部
458 ケース凸部
55 カバー
60 固定部材