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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169122
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】除湿ユニットおよび保管庫
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/26 20060101AFI20241128BHJP
   F24F 3/14 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
B01D53/26 200
F24F3/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086336
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000222509
【氏名又は名称】東洋リビング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】牛田 唯一
(72)【発明者】
【氏名】牛田 規容子
(72)【発明者】
【氏名】矢木 三喜男
(72)【発明者】
【氏名】大海 雄
(72)【発明者】
【氏名】押田 隆博
【テーマコード(参考)】
3L053
4D052
【Fターム(参考)】
3L053BC03
4D052AA09
4D052CE00
4D052DA03
4D052DA06
4D052DB01
4D052HA01
4D052HA03
(57)【要約】
【課題】除湿処理における庫内の除湿効率および加熱再生処理における乾燥剤の再生効率をともに向上させることができる除湿ユニットおよびそれを用いた保管庫を提供する。
【解決手段】庫内10の空気を乾燥装置20が設置された乾燥室22に導く庫内流入路23と乾燥室22との隔壁230、および乾燥室22の空気を庫内10に導く庫内流出路24と乾燥室22との隔壁240にそれぞれ形成され、庫内シャッタ27a、27bにより開閉される庫内側開口部231、241の面積を、庫外の空気を乾燥室22に導く庫外流入路25と乾燥室22との隔壁250、および乾燥室22の空気を庫外に導く庫外流出路26と乾燥室22との隔壁260にそれぞれ形成され、庫外シャッタ28a、28bにより開閉される庫外側開口部251、261の面積より大きくした。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管庫の庫内を除湿する除湿ユニットであって、
加熱再生可能な乾燥剤が充填された乾燥装置と、
前記乾燥装置が設置された乾燥室と、
前記庫内の空気を前記乾燥室内に導く庫内流入路と、
前記乾燥室内の空気を前記庫内に導く庫内流出路と、
前記保管庫の庫外の空気を前記乾燥室内に導く庫外流入路と、
前記乾燥室内の空気を前記庫外に導く庫外流出路と、
前記庫内流入路と前記乾燥室との隔壁および前記庫内流出路と前記乾燥室との隔壁にそれぞれ形成された庫内側開口部と、
前記庫外流入路と前記乾燥室との隔壁および前記庫外流出路と前記乾燥室との隔壁にそれぞれ形成され庫外側開口部と、
前記庫内側開口部毎に設けられ、当該庫内側開口部を開閉する庫内シャッタと、
前記庫外側開口部毎に設けられ、当該庫外側開口部を開閉する庫外シャッタと、を備え、
前記庫内側開口部は、
前記庫外側開口部より大きい面積を有する
ことを特徴とする除湿ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の除湿ユニットであって、
前記庫内流入路および前記庫外流入路は、前記乾燥室の長さ方向の一方の端部側に設けられ、
前庫内流出路および前記庫外流出路は、前記乾燥室の長さ方向の他方の端部側に設けられ、
前記庫内側開口部が形成された前記隔壁は、それぞれの延長線が前記乾燥室の前面側で交差するように、前記乾燥室の長さ方向に対して斜めに形成され、
前記庫外側開口部が形成された前記隔壁は、前記乾燥室の長さ方向に対して垂直に形成されている
ことを特徴とする除湿ユニット。
【請求項3】
請求項1に記載の除湿ユニットであって、
前記庫内流入路と前記乾燥室との前記隔壁に形成された前記庫内側開口部を開閉する前記庫内シャッタに取り付けられ、当該庫内シャッタを軸回りに回転させる第1の庫内シャッタ回転軸と、
前記庫外流入路と前記乾燥室との前記隔壁に形成された前記庫外側開口部を開閉する前記庫外シャッタに取り付けられ、当該庫外シャッタを軸回りに回転させる第1の庫外シャッタ回転軸と、
前記庫内流出路と前記乾燥室との前記隔壁に形成された前記庫内側開口部を開閉する前記庫内シャッタに取り付けられ、当該庫内シャッタを軸回りに回転させる第2の庫内シャッタ回転軸と、
前記庫外流出路と前記乾燥室との前記隔壁に形成された前記庫外側開口部を開閉する前記庫外シャッタに取り付けられ、当該庫外シャッタを軸回りに回転させる第2の庫外シャッタ回転軸と、
前記庫内流入路および前記庫外流入路の外部に設けられ、前記第1の庫内シャッタ回転軸および前記第1の庫外シャッタ回転軸を連動して回転させる第1のリンク機構と、
前記庫内流出路および前記庫外流出路の外部に設けられ、前記第2の庫内シャッタ回転軸および前記第2の庫外シャッタ回転軸を連動して回転させる第2のリンク機構と、をさらに備え、
前記第1のリンク機構は、
前記庫内流入路と前記乾燥室との前記隔壁に形成された前記庫内側開口部を開閉する前記庫内シャッタが開いたときに前記庫外流入路と前記乾燥室との前記隔壁に形成された前記庫外側開口部を開閉する前記庫外シャッタが閉じ、かつ当該庫内シャッタが閉じたときに当該庫外シャッタが開くように、前記第1の庫内シャッタ回転軸および前記第1の庫外シャッタ回転軸を連動して回転させ、
前記第2のリンク機構は、
前記庫内流出路と前記乾燥室との前記隔壁に形成された前記庫内側開口部を開閉する前記庫内シャッタが開いたときに前記庫外流出路と前記乾燥室との前記隔壁に形成された前記庫外側開口部を開閉する前記庫外シャッタが閉じ、かつ当該庫内シャッタが閉じたときに当該庫外シャッタが開くように、前記第2の庫内シャッタ回転軸および前記第2の庫外シャッタ回転軸を連動して回転させる
ことを特徴とする除湿ユニット。
【請求項4】
請求項3に記載の除湿ユニットであって
前記庫内流入路および前記庫外流入路間の空気のリークを防止する流入路分離用隔壁と、
前記庫内流出路および前記庫外流出路間の空気のリークを防止する流出路分離用隔壁と、をさらに備える
ことを特徴とする除湿ユニット。
【請求項5】
請求項3に記載の除湿ユニットであって、
電源投入により、前記庫内流入路と前記乾燥室との前記隔壁に形成された前記庫内側開口部を開閉する前記庫内シャッタを閉じる方向に前記第1のリンク機構を駆動する第1のアクチュエータと、
電源投入により、前記庫内流出路と前記乾燥室との前記隔壁に形成された前記庫内側開口部を開閉する前記庫内シャッタを閉じる方向に前記第2のリンク機構を駆動する第2のアクチュエータと、
前記庫外流入路と前記乾燥室との前記隔壁に形成された前記庫外側開口部を開閉する前記庫外シャッタおよび前記庫外流出路と前記乾燥室との前記隔壁に形成された前記庫外側開口部を開閉する前記庫外シャッタのそれぞれと前記乾燥室の幅方向の中央部において連結され、前記庫外シャッタ各々を閉じる方向に付勢するバイアスばねと、をさらに備える
ことを特徴とする除湿ユニット。
【請求項6】
庫内を除湿する保管庫であって、
前記保管庫の内壁に設置された請求項1ないし5のいずれか一項に記載の除湿ユニットと、
前記除湿ユニットの取付面に形成され、前記庫外流入路および前記庫外流出路を庫外に繋ぐ開口部と、を備える
ことを特徴とする保管庫。
【請求項7】
庫内を除湿する保管庫であって、
前記保管庫の外壁に設置された請求項1ないし5のいずれか一項に記載の除湿ユニットと、
前記除湿ユニットの取付面に形成され、前記庫内流入路および前記庫内流出路を庫内に繋ぐ開口部と、
を備える
ことを特徴とする保管庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管庫の庫内を除湿する除湿ユニットおよびそれを備えた保管庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、精密機器、食品、化学薬品等の保管品を保管する保管庫の庫内を除湿する除湿ユニットが知られている(例えば特許文献1)。この種の除湿ユニットは、除湿ユニット内に配置された乾燥装置と、除湿ユニット内および庫内間の空気循環を行わせるための庫内シャッタと、除湿ユニット内および庫外間の空気循環を行わせるための庫外シャッタと、を有する。乾燥装置は、乾燥装置内に充填された球状、ペレット状等の加熱再生可能な乾燥剤と、乾燥剤を加熱再生するためのヒータと、を有する。そして、除湿ユニットは、庫内シャッタを開いて庫外シャッタを閉じることにより、除湿ユニット内および庫内間を空気循環させて、乾燥装置内に充填された乾燥剤が空気中の水分を吸湿することにより庫内の空気を除湿する(除湿処理)。また、庫内シャッタを閉じて庫外シャッタを開くことにより、除湿ユニット内および庫外間を空気循環させるとともに、ヒータをオンにして乾燥剤を加熱することにより、乾燥装置内に充填された乾燥剤に吸湿された水分を気化して庫外に放出し乾燥剤の乾燥能力を再生させる(加熱再生処理)。これらの処理を繰り返し行うことにより庫内を低湿度化する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-134034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、この種の除湿ユニットにおいて、除湿処理による庫内の除湿効率を向上させるには、除湿ユニット内および庫内間の空気循環量を多くして、より多くの庫内の空気を乾燥装置内に充填された乾燥剤に触れさせることが効果的である。また、加熱再生処理における乾燥剤の再生効率を向上させるには、乾燥剤を十分に加熱して、乾燥剤に吸湿された水分を気化させる必要がある。このためには、加熱再生処理中、除湿ユニット内を高温に保つことが効果的である。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、除湿処理における庫内の除湿効率および加熱再生処理における乾燥剤の再生効率をともに向上させることができる除湿ユニットおよびそれを用いた保管庫を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、庫内の空気を乾燥装置が設置された乾燥室内に導く庫内流入路と乾燥室との隔壁、および乾燥室内の空気を庫内に導く庫内流出路と乾燥室との隔壁にそれぞれ形成され、庫内シャッタにより開閉される庫内側開口部の面積を、庫外の空気を乾燥室内に導く庫外流入路と乾燥室との隔壁、および乾燥室内の空気を庫外に導く庫外流出路と乾燥室との隔壁にそれぞれ形成され、庫外シャッタにより開閉される庫外側開口部の面積より大きくした。
【0007】
ここで、庫内流入路および庫外流入路は、乾燥室の長さ方向の一方の端部側に設けられ、庫内流出路および庫外流出路は、乾燥室の長さ方向の他方の端部側に設けられ、庫内側開口部が形成された隔壁は、それぞれの延長線が乾燥室の前面側で交差するように、乾燥室の長さ方向に対して斜めに形成され、庫外側開口部が形成された隔壁は、乾燥室の長さ方向に対して垂直に形成されることが好ましい。このようにすることで、除湿ユニットの厚みを抑えつつ、庫外側開口部に対して庫内側開口部の面積をより大きくすることができる。
【0008】
例えば、本発明は、
保管庫の庫内を除湿する除湿ユニットであって、
加熱再生可能な乾燥剤が充填された乾燥装置と、
前記乾燥装置が設置された乾燥室と、
前記庫内の空気を前記乾燥室内に導く庫内流入路と、
前記乾燥室内の空気を前記庫内に導く庫内流出路と、
前記保管庫の庫外の空気を前記乾燥室内に導く庫外流入路と、
前記乾燥室内の空気を前記庫外に導く庫外流出路と、
前記庫内流入路と前記乾燥室との隔壁および前記庫内流出路と前記乾燥室との隔壁にそれぞれ形成された庫内側開口部と、
前記庫外流入路と前記乾燥室との隔壁および前記庫外流出路と前記乾燥室との隔壁にそれぞれ形成され庫外側開口部と、
前記庫内側開口部毎に設けられ、当該庫内側開口部を開閉する庫内シャッタと、
前記庫外側開口部毎に設けられ、当該庫外側開口部を開閉する庫外シャッタと、を備え、
前記庫内側開口部は、
前記庫外側開口部より大きい面積を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、庫内側開口部の面積を庫外側開口部の面積より大きくしたので、除湿ユニット内および庫内間の空気循環量を、除湿ユニット内および庫外間の空気循環量に比べて多くして、より多くの庫内の空気を乾燥装置内に充填された乾燥剤に触れさせることができる。これにより、除湿処理による庫内の除湿効率を向上させることができる。また、除湿ユニット内および庫外間の空気循環量を、除湿ユニット内および庫内間の空気循環量に比べて少なくして、加熱再生処理中、乾燥室内を高温にして乾燥剤を十分に加熱し、乾燥剤に吸湿された水分を気化させることができる。これにより、加熱再生処理における乾燥剤の再生効率を向上させることができる。このように、本発明によれば、除湿処理における庫内の除湿効率および加熱再生処理における乾燥剤の再生効率をともに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る保管庫1の概略正面図である。
図2図2は、図1に示す保管庫1のA-A概略断面図および制御盤3の概略機能構成図である。
図3図3(A)、図3(B)、図3(C)および図3(D)は、除湿ユニット2の概略左側面図、概略正面図、概略右側面図、および概略背面図である。
図4図4は、図3(A)に示す除湿ユニット2のB-B概略断面拡大図である。
図5図5は、図3(B)に示す除湿ユニット2のC-C概略断面拡大図である。
図6図6は、除湿処理時における第1リンク機構29aおよび第2リンク機構29bの動作を説明するための図である。
図7図7は、加熱再生処理時における第1リンク機構29aおよび第2リンク機構29bの動作を説明するための図である。
図8図8は、保管庫1の動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
本実施の形態に係る保管庫1は、例えば露点温度-65℃以下の超低湿度環境が要求される二次電池材料、有機EL封止装置等の保管品を保管する。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る保管庫1の概略正面図である。また、図2は、図1に示す保管庫1のA-A概略断面図および制御盤3の概略機能構成図である。
【0014】
図示するように、保管庫1は、前面11に設けられ、庫内10にアクセスするための扉12と、庫内10を除湿するための除湿ユニット2と、除湿ユニット2を制御する制御盤3と、前面11等に配置された操作パネル4と、庫内10の温度、湿度等を測定するセンサ5と、を備えている。
【0015】
操作パネル4は、各種指示、設定情報等をユーザから受け付けるためのボタン、キー等の入力装置と、各種設定情報、動作状態、およびセンサ5により測定された庫内10の湿度、温度等をユーザに知らせるためのLCD(liquid Crystal Display)等の表示装置と、を備えている。
【0016】
除湿ユニット2は、保管庫1の背壁13に形成された開口部130を庫内10側から塞ぐように庫内10に設置され、加熱再生可能な乾燥剤201(図4図5参照)を用いて、庫内10を除湿する。なお、除湿ユニット2は、背壁13に形成された開口部130を庫外側から塞ぐように庫外に設置してもよい。
【0017】
図3(A)~図3(D)は、除湿ユニット2の概略左側面図、概略正面図、概略右側面図、および概略背面図である。また、図4は、図3(A)に示す除湿ユニット2のB-B概略断面拡大図であり、図5は、図3(B)に示す除湿ユニット2のC-C概略断面拡大図である。
【0018】
図示するように、除湿ユニット2は、少なくとも1台の乾燥装置20と、少なくとも1台のファン21と、乾燥装置20およびファン21が設置された乾燥室22と、庫内10の空気を乾燥室22内に導く庫内流入路23と、乾燥室22内の空気を庫内10に導く庫内流出路24と、庫外の空気を乾燥室22内に導く庫外流入路25と、乾燥室22内の空気を庫外に導く庫外流出路26と、庫内流入路23と乾燥室22との隔壁230および庫内流出路24と乾燥室22との隔壁240にそれぞれ形成された庫内側開口部231、241と、庫外流入路25と乾燥室22との隔壁250および庫外流出路26と乾燥室22との隔壁260にそれぞれ形成された庫外側開口部251、261と、庫内側開口部231、241をそれぞれ開閉する庫内シャッタ27a、27bと、庫外側開口部251、261をそれぞれ開閉する庫外シャッタ28a、28bと、を備えている。
【0019】
乾燥装置20は、乾燥装置20内に充填されたゼオライト、シリカゲル等の加熱再生可能な、球状、ペレット状等の乾燥剤201と、乾燥装置20内に乾燥剤201とともに収容されたヒータ202と、を有する。乾燥装置20は、乾燥剤201が吸湿することにより、庫内流入路23を介して庫内10から乾燥室22内に取り込まれた空気を除湿する。そして、庫内流出路24を介して乾燥室22から庫内10へ除湿した空気を放出する(除湿処理)。また、乾燥装置20は、ヒータ202により乾燥剤201を加熱して、乾燥剤201が吸湿した水分を気化することにより、庫外流入路25を介して庫外から乾燥室22内に取り込まれた空気を加湿する。そして、庫外流出路26を介して乾燥室22から庫外へ加湿した空気を放出する(加熱再生処理)。
【0020】
ファン21は、庫内流入路23および庫外流入路24を介して、乾燥室22および庫内10間で強制的に空気循環させるために駆動される。
【0021】
庫内流入路23および庫外流入路25は、乾燥装置20の長さ方向L(図5参照)の一方の端部(下端部)側に設けられ、両者は隔壁220によって完全に分離されている。これにより、両者間での空気のリークが防止される。また、庫内流出路24および庫外流出路26は、乾燥装置20の長さ方向Lの他方の端部(上端部)側に設けられ、隔壁221によって完全に分離されている。これにより、両者間での空気のリークが防止される。
【0022】
庫外流入路25には、庫外から庫外流入路25内に空気を取り込むための取込口252が形成されている。また、庫外流出路26には、庫外流出路26から庫外へ空気を放出するための放出口262が形成されている。
【0023】
庫内側開口部231、241は、庫外側開口部251、261より大きな面積を有している。これにより、庫内流入路23および庫内流出路24を介した乾燥室22と庫内10との空気循環量を多くする一方、庫外流入路25および庫外流出路26を介した乾燥室22と庫外との空気循環量を少なくしている。
【0024】
庫内流入路23と乾燥室22との隔壁230および庫内流出路24と乾燥室22との隔壁240は、それぞれの延長線が除湿ユニット2の前面側で交差するように、乾燥装置20の長さ方向Lに対して斜めに形成されている。また、庫外流入路25と乾燥室22との隔壁250および庫外流出路26と乾燥室22との隔壁260は、乾燥装置20の長さ方向Lに対して垂直に形成されている。これにより、乾燥装置20の厚さTの増加を抑制しつつ(乾燥装置20を庫内10に設置することによる庫内10の保管容量の減少を抑制しつつ)、庫内側開口部231、241の面積を大きくすることができる。
【0025】
また、除湿ユニット2は、庫内シャッタ27aに取り付けられ、庫内シャッタ27aを軸回りに回転させることにより、庫内シャッタ27aに庫内側開口部231を開閉させる第1庫内シャッタ回転軸270と、庫外シャッタ28aに取り付けられ、庫外シャッタ28aを軸回りに回転させることにより、庫外シャッタ28aに庫外側開口部251を開閉させる第1庫外シャッタ回転軸280と、庫内シャッタ27bに取り付けられ、庫内シャッタ27bを軸回りに回転させることにより、庫内シャッタ27bに庫内側開口部241を開閉させる第2庫内シャッタ回転軸271と、庫外シャッタ28bに取り付けられ、庫外シャッタ28bを軸回りに回転させることにより、庫外シャッタ28bに庫外側開口部261を開閉させる第2庫外シャッタ回転軸281と、庫内流入路23および庫外流入路25の外部に設けられ、第1庫内シャッタ回転軸270および第1庫外シャッタ回転軸280を連動して回転させる第1リンク機構29aと、庫内流出路24および庫外流出路26の外部に設けられ、第2庫内シャッタ回転軸271および第2庫外シャッタ回転軸281を連動して回転させる第2リンク機構29bと、を備えている。
【0026】
第1リンク機構29aは、第1庫内シャッタ回転軸270に取り付けられた第1アーム290aと、第1庫外シャッタ回転軸280に取り付けられた第2アーム291aと、両端部にそれぞれ第1アーム290aおよび第2アーム291aが回転自在に取り付けられた第3アーム292aと、を有し、図6および図7に示すように、庫内シャッタ27aが開いたときに庫外シャッタ28aが閉じ、かつ庫内シャッタ27aが閉じたときに庫外シャッタ28aが開くように、第1庫内シャッタ回転軸270および第1庫外シャッタ回転軸280を連動して回転させる。
【0027】
同様に、第2リンク機構29bは、第2庫内シャッタ回転軸271に取り付けられた第1アーム290bと、第2庫外シャッタ回転軸281に取り付けられた第2アーム291bと、両端部にそれぞれ第2アーム290bおよび第2アーム291bが回転自在に取り付けられた第3アーム292bと、を有し、図6および図7に示すように、庫内シャッタ27bが開いたときに庫外シャッタ28bが閉じ、かつ庫内シャッタ27bが閉じたときに庫外シャッタ28bが開くように、第2庫内シャッタ回転軸271および第2庫外シャッタ回転軸281を連動して回転させる。
【0028】
さらに、除湿ユニット2は、第1リンク機構29aを駆動する第1ソレノイドアクチュエータ293aと、第2リンク機構29bを駆動する第2ソレノイドアクチュエータ293bと、第1バイアスばね294aと、第2バイアスばね294bと、第3バイアスばね295と、を備える。
【0029】
第1ソレノイドアクチュエータ293aは、オン(電源投入)により、庫内シャッタ27aを閉じる方向に第1リンク機構29aを駆動する(図6において、第1アーム290aを右回りに回転させる)。これにより、図7に示すように、庫内シャッタ27aを閉じて、庫外シャッタ28aを開く。
【0030】
第2ソレノイドアクチュエータ293bは、オンにより、庫内シャッタ27bを閉じる方向に第2リンク機構29bを駆動する(図6において、第1アーム290bを左回りに回転させる)。これにより、図7に示すように、庫内シャッタ27bを閉じて、庫外シャッタ28bを開く。
【0031】
第1バイアスばね294aは、庫内シャッタ27aを開く方向(図7において、第1アーム290aを左回りに回転させる方向)に第1リンク機構29aを付勢する。これにより、第3バイアスばね295と協調して、第1ソレノイドアクチュエータ293aのオフ(電源切断)時に、図6に示すように、庫内シャッタ27aを開いて、庫外シャッタ28aを閉じる。
【0032】
第2バイアスばね294bは、庫内シャッタ27bを開く方向(図7において、第1アーム290bを右回りに回転させる方向)に第2リンク機構29bを付勢する。これにより、第3バイアスばね295と協調して、第2ソレノイドアクチュエータ293bのオフ時に、図6に示すように、庫内シャッタ27bを開いて、庫外シャッタ28bを閉じる。
【0033】
第3バイアスばね295は、庫外シャッタ28a、28bを閉じる方向に付勢する。これにより、第1バイアスばね294aおよび第2バイアスばね294bと協調して、第1ソレノイドアクチュエータ293aおよび第2ソレノイドアクチュエータ293bのオフ時に、図6に示すように、庫内シャッタ27a、27bを開いて、庫外シャッタ28a、28bを閉じる。また、第3バイアスばね295は、その両端部が庫外シャッタ28a、28bの幅W方向の中央付近に取り付けられている(図4参照)。これにより、庫外シャッタ28a、28bを閉じた時に、庫外シャッタ28a、28bを庫外側開口部251、261の縁部(受け面)全周に均一に押し当てることが可能となり、庫外シャッタ28a、28bおよび庫外側開口部251、261間の隙間を塞いで空気のリークを防止することができる。
【0034】
図2に戻って説明を続ける。
【0035】
制御盤3は、操作パネル4を介して操作者から受け付けた指示に従い除湿ユニット2を制御する。図示するように、制御盤3は、センサIF部30と、操作パネルIF部31と、アクチュエータ駆動部32と、ファン駆動部33と、ヒータ駆動部34と、主制御部35と、を備えている。
【0036】
センサIF部30は、主制御部35をセンサ5に接続するためのインターフェースである。操作パネルIF部31は、主制御部35を操作パネル4に接続するためのインターフェースである。
【0037】
アクチュエータ駆動部32は、第1ソレノイドアクチュエータ293aおよび第2ソレノイドアクチュエータ293bの動作を制御する。これにより、第1リンク機構29aおよび第2リンク機構29bを駆動して、庫内シャッタ27a、27bおよび庫外シャッタ28a、28bの開閉動作を制御する。ファン駆動部33は、ファン21の動作を制御する。ヒータ駆動部34は、ヒータ202の動作を制御する。
【0038】
主制御部35は、制御盤3の各部30~34を統括的に制御して庫内10を除湿する。
【0039】
図8は、保管庫1の動作を説明するためのフロー図である。
【0040】
図示するように、保管庫1は、庫内10と乾燥室22内との間を空気循環させることにより、乾燥装置20内の乾燥剤201が庫内10を除湿する除湿処理S1、および、庫外と乾燥室22内との間を空気循環させ、かつ、ヒータ202をオンにして乾燥装置20内の乾燥剤201を加熱することにより乾燥剤201を再生する加熱再生処理S2を、順番に繰り返し実施する。
【0041】
[除湿処理S1]
制御盤3において、主制御部35は、アクチュエータ駆動部32、ファン駆動部33、およびヒータ駆動部34に除湿処理の開始を指示する。これを受けて、アクチュエータ駆動部32は、第1ソレノイドアクチュエータ293aおよび第2ソレノイドアクチュエータ293bをオフにして、第1ソレノイドアクチュエータ293aおよび第2ソレノイドアクチュエータ293bによる第1リンク機構29aおよび第2リンク機構29bの駆動を停止する。これにより、第1バイアスばね294a、第2バイアスばね294bと、第3バイアスばね295との付勢力によって、第1リンク機構29aおよび第2リンク機構29bが駆動され、庫内シャッタ27a、27bを開き、庫外シャッタ28a、28bを閉じる。また、ファン駆動部33はファン21をオンにし、ヒータ駆動部34はヒータ202をオフにする(S10)。
【0042】
これにより、図6に示すように、庫内10の湿った空気A1が、庫内流入路23を介して庫内側開口部231から乾燥室22内にファン21による強制循環により取り込まれ、乾燥剤201により吸湿される。そして、乾燥室22内の乾いた空気A2が、庫内側開口部241から庫内流出路24を介して庫内10に給気され、これにより庫内10が除湿される。
【0043】
つぎに、主制御部35は、所定の除湿時間(例えば7時間)が経過するのを待ち(S11)、それから、加熱再生処理S2に進む。
【0044】
[加熱再生処理S2]
制御盤3において、主制御部35は、アクチュエータ駆動部32、ファン駆動部33、およびヒータ駆動部34に加熱再生処理の開始を指示する。これを受けて、アクチュエータ駆動部32は、アクチュエータ駆動部32は、第1ソレノイドアクチュエータ293aおよび第2ソレノイドアクチュエータ293bをオンにして第1リンク機構29aおよび第2リンク機構29bを駆動する。これにより、庫内シャッタ27a、27bを閉じ、庫外シャッタ28a、28bを開く。また、ファン駆動部33はファン21をオフにし、ヒータ駆動部34はヒータ202をオンにする(S20)。
【0045】
これにより、図7に示すように、庫外の空気B1が、庫外流入路25を介して庫外側開口部251から乾燥室22内に自然循環により取り込まれるとともに、ヒータ202の加熱により、乾燥剤201に吸湿された水分が気化する。そして、乾燥室22内の加湿された空気B2が、庫内側開口部261から庫外流出路26を介して庫外に排出され、これにより乾燥剤201が乾燥し再生される。
【0046】
つぎに、主制御部35は、所定の加熱再生時間(例えば30分)が経過するのを待ち(S21)、それから、除湿処理S1に戻る。
【0047】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0048】
本実施の形態では、乾燥室22をそれぞれ庫内流入路23、庫内流出路24に繋ぐ庫内側開口部231、241の面積を、乾燥室22をそれぞれ庫外流入路25、庫外流出路26に繋ぐ庫外側開口部251、261の面積より大きくしたので、乾燥室22および庫内10間の空気循環量を多くする一方、乾燥室22および庫外の空気循環量を少なくすることができる。これにより、より多くの庫内10の空気を乾燥装置20内に充填された乾燥剤201に触れさせて、除湿処理による庫内10の除湿効率を向上させることができる。また、加熱再生処理中、乾燥室22内を高温にして乾燥剤201を十分に加熱し、乾燥剤201に吸湿された水分を気化させて、乾燥剤201の再生効率を向上させることができる。このように、本実施の形態によれば、除湿処理における庫内10の除湿効率および加熱再生処理における乾燥剤201の再生効率をともに向上させることができる。
【0049】
また、本実施の形態において、庫内流入路23および庫外流入路25は、乾燥装置20の長さ方向Lの一方の端部(下端部)側に設けられ、庫内流出路24および庫外流出路26は、乾燥装置20の長さ方向Lの他方の端部(上端部)側に設けられている。そして、庫内側開口部231、241が形成された隔壁230、240は、それぞれの延長線が除湿ユニット2の前面側で交差するように、乾燥装置20の長さ方向Lに対して斜めに形成され、庫外側開口部251、261が形成された隔壁250、260は、乾燥装置20の長さ方向Lに対して垂直に形成されている。これにより、乾燥装置20の厚さTの増加を抑制しつつ(庫内10に乾燥装置20を設置することによる庫内10の保管容量の減少を抑制しつつ)、庫内側開口部231、241の面積をさらに大きくして、除湿処理における庫内10の除湿効率をより向上させることができる。
【0050】
また、本実施の形態では、庫内シャッタ27aを軸回りに回転させる第1庫内シャッタ回転軸270と、庫外シャッタ28aを軸回りに回転させる第1庫外シャッタ回転軸280とを別個に設け、両回転軸270、280を庫内流入路23および庫外流入路25の外部に設けられた第1リンク機構29aにより連動させている。このため、庫内流入路23および庫外流入路25を隔壁220によって完全に分離することが可能となり、両者間における空気のリークを防止して、除湿処理における庫内10の除湿効率をさらに向上させることができる。
【0051】
同様に、庫内シャッタ27bを軸回りに回転させる第2庫内シャッタ回転軸271と、庫外シャッタ28bを軸回りに回転させる第2庫外シャッタ回転軸281とを別個に設け、両回転軸271、281を庫内流出路24および庫外流出路26の外部に設けられた第2リンク機構29bにより連動させている。このため、庫内流出路24および庫外流出路26を隔壁221によって完全に分離することが可能となり、両者間における空気のリークを防止して、除湿処理における庫内10の除湿効率をさらに向上させることができる。
【0052】
また、本実施の形態では、その両端部が庫外シャッタ28a、28bの幅W方向の中央付近に取り付けられ、庫外シャッタ28a、28bを閉じる方向に付勢する第3バイアスばね295を設けている。この第3バイアスばね295により、第1ソレノイドアクチュエータ293aおよび第2ソレノイドアクチュエータ293bのオフ時に、庫外シャッタ28a、28bを庫外側開口部251、261の縁部(受け面)全周に均一に押し当てて、庫外側開口部251、261を閉じることができる。このため、庫外シャッタ28a、28bおよび庫外側開口部251、261間の隙間を塞いで空気のリークを防止することができる。
【0053】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0054】
例えば、上記の実施の形態において、加熱再生処理S2から除湿処理S1への移行時に(図8参照)、ヒータ202をオフにするとともに、必要に応じてファン21をオンにした状態で、庫内シャッタ27a、27bを閉じ、庫外シャッタ28a、28bを開いて、所定時間(例えば1分)が経過するのを待つようにしてもよい(冷却処理)。このようにすることで、乾燥室22を十分に冷却して、乾燥室22の熱気が庫内10に伝わるのを防止することができる。
【0055】
また、第1リンク機構29aは、上記の実施の形態で説明したものに限定されない。庫内シャッタ27aが開いたとき庫外シャッタ28aが閉じ、庫内シャッタ27aが閉じたときに庫外シャッタ28aが開くように、第1庫内シャッタ回転軸270および第1庫外シャッタ回転軸280を連動して回転させることができるものであれば、どのような構造のものでもよい。同様に、第2リンク機構29bも、上記の実施の形態で説明したものに限定されない。庫内シャッタ27bが開いたとき庫外シャッタ28bが閉じ、庫内シャッタ27bが閉じたときに庫外シャッタ28bが開くように、第2庫内シャッタ回転軸271および第2庫外シャッタ回転軸281を連動して回転させることができるものであれば、どのような構造のものでもよい。
【0056】
また、上記の実施の形態では、第1リンク機構29aを駆動するアクチュエータとして、第1ソレノイドアクチュエータ293aを用いている。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、SMA(Shape Memory Alloys)アクチュエータをオンにして、このSMAアクチュエータを所定以上の温度とすることにより、あるいは、モータ、シリンダ駆動のアクチュエータをオンにすることより、庫内シャッタ27aが開き、庫外シャッタ28aが閉じるように第1リンク機構29aを駆動してもよい。同様に、上記の実施の形態では、第2リンク機構29bを駆動するアクチュエータとして、第2ソレノイドアクチュエータ293bを用いている。しかし、本発明はこれに限定されない。例えば、SMAアクチュエータをオンにして、このSMAアクチュエータを所定以上の温度とすることにより、あるいは、モータ、シリンダ駆動のアクチュエータをオンにすることより、庫内シャッタ27bが開き、庫外シャッタ28bが閉じるように第2リンク機構29bを駆動してもよい。
【0057】
また、上記の実施の形態において、除湿ユニット2のファン21を省略してもよい。また、操作パネル4を省略してもよい。
【0058】
また、上記の実施の形態において、制御盤3の機能構成(図2参照)は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるものでもよいし、あるいはDSP(Digital Signal Processor)などの計算機によりソフトウエア的に実現されるものでもよい。または、CPU、メモリ、およびHDD等の補助記憶装置を備えた汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することによりプロセスとして実現されるものでもよい。
【符号の説明】
【0059】
1:保管庫 2:除湿ユニット 3:制御盤
4:操作パネル 5:センサ 10:庫内
11:前面 12:扉 13:背壁
20:乾燥装置 21:ファン 22:乾燥室
23:庫内流入路 24:庫内流出路
25:庫外流入路 26:庫外流出路
27a、27b:庫内シャッタ 28a、28b:庫外シャッタ
29a:第1リンク機構 29b:第2リンク機構
30:センサIF部 31:操作パネルIF部
32:アクチュエータ駆動部 33:ファン駆動部
34:ヒータ駆動部 35:主制御部
130:背壁13の開口部 201:乾燥剤 202:ヒータ
220、221、230、240、250、260:隔壁
231、241:庫内側開口部 251、261:庫外側開口部
252:取込口 262:放出口
270:第1庫内シャッタ回転軸 271:第2庫内シャッタ回転軸
280:第1庫外シャッタ回転軸 281:第2庫外シャッタ回転軸
290a、290b:第1アーム 291a、291b:第2アーム
292a、292b:第3アーム
293a:第1ソレノイドアクチュエータ
293b:第2ソレノイドアクチュエータ
294a:第1バイアスばね 294b:第2バイアスばね
295:第3バイアスばね
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8