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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169125
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ベッド装置
(51)【国際特許分類】
   A47C 20/02 20060101AFI20241128BHJP
   A47C 19/02 20060101ALI20241128BHJP
   A47C 19/12 20060101ALI20241128BHJP
   A61G 7/05 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
A47C20/02
A47C19/02 Z
A47C19/12 Z
A61G7/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086342
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000010032
【氏名又は名称】フランスベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石橋 俊一
【テーマコード(参考)】
4C040
【Fターム(参考)】
4C040BB01
4C040DD05
(57)【要約】
【課題】 ベッドフレームに対するボード部材の取り付け作業および取り外し作業を効率的に行うことができるベッド装置を提供する。
【解決手段】 一実施形態に係るベッド装置は、ベッドフレームと、前記ベッドフレームの長手方向の一端に設けられるボード部材と、前記ベッドフレームの幅方向の第1端部と前記第1端部の反対側の第2端部との間に設けられ、前記ベッドフレームに対する前記ボード部材の移動を規制するロック機構と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドフレームと、
前記ベッドフレームの長手方向の一端に設けられるボード部材と、
前記ベッドフレームの幅方向の第1端部と前記第1端部の反対側の第2端部との間に設けられ、前記ベッドフレームに対する前記ボード部材の移動を規制するロック機構と、を備える、
ベッド装置。
【請求項2】
前記ロック機構は、前記幅方向の前記第1端部と前記第2端部との間の中央部に設けられている、
請求項1に記載のベッド装置。
【請求項3】
前記第1端部と前記第2端部とに設けられ、前記ベッドフレームに対する前記ボード部材の振れを規制する一対の振れ止め機構をさらに備える、
請求項1または2に記載のベッド装置。
【請求項4】
前記ロック機構は、前記ベッドフレームに設けられ、開口部を有する第1ロック部材と、前記ボード部材に設けられた第2ロック部材と、を有し、
前記第2ロック部材は、前記第1ロック部材が通されるスリットを有する本体と、前記スリットに向けて移動可能に設けられるとともに、前記開口部に通されるストッパーと、を有する、
請求項1に記載のベッド装置。
【請求項5】
前記第2ロック部材は、前記ボード部材が移動可能である第1状態と、前記ボード部材の移動が規制される第2状態と、を切り替えるレバーをさらに有している、
請求項4に記載のベッド装置。
【請求項6】
前記ボード部材は、前記ベッドフレームに向かい合う第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、を有し、
前記第2ロック部材は、前記第1状態または前記第2状態を示すとともに、前記第2面の側から視認可能である表示部をさらに有している、
請求項5に記載のベッド装置。
【請求項7】
ベッドフレームと、
前記ベッドフレームの長手方向の一端に設けられるボード部材と、
前記ベッドフレームの幅方向の第1端部と前記第1端部の反対側の第2端部とに設けられ、前記ベッドフレームに対する前記ボード部材の振れを規制する一対の振れ止め機構と、を備え、
前記一対の振れ止め機構の各々は、前記ボード部材に設けられた第1振れ止め部材と、前記ベッドフレームに設けられた第2振れ止め部材と、を有し、
前記第1振れ止め部材は、前記ボード部材との間にスリットを形成する第1プレート部を有し、
前記第2振れ止め部材は、前記ベッドフレームに設けられる第2プレート部を有し、
前記第1プレート部は、前記スリットの上端を覆う上壁と、前記スリットの前記幅方向の一端を覆う側壁と、を有し、
前記ボード部材が前記ベッドフレームに取り付けられた状態において、前記第2プレート部は前記スリットに位置し、前記上壁は前記第2プレート部の上端に向かい合い、前記側壁は前記第2プレート部の前記幅方向の一端に向かい合う、
ベッド装置。
【請求項8】
前記第1プレート部は、前記上壁を貫通する開口部をさらに有し、
前記第2プレート部は、前記上端から上方に延びる爪部をさらに有し、
前記爪部は、前記ボード部材が前記ベッドフレームに取り付けられた状態において、前記開口部を通る、
請求項7に記載のベッド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッド装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベッド装置の一例として、ベッドフレームと、ベッドフレームに取り付けられるボード部材(例えばヘッドボードおよびフットボード)と、を備えたものが知られている。これまで、ベッドフレームとボード部材との取り付けに関して、様々な提案がなされている。
【0003】
特許文献1に開示されているベッドにおけるボード係止機構は、ベッドのメインフレームの長手側端部に、ボードを取り付けるためのボード受け具を設ける一方、ボード側に、ボード受け具に係止させるための係止金具を設けたベッドにおけるボード係止機構において、前記ボード受け具に一対のボスを突設する一方、係止金具は、前記ボード受け具の一対のボスに上方から係止するようにした一対の鉤状部材を有し、前記係止金具に付勢手段により、一方の鉤状部材に係止した状態のボスを拘束したり、解除したりするストッパを回動可能に設け、前記ストッパは、軸止め箇所を中心に、延在する第1腕部と、第2腕部と、ストッパを前記付勢手段の付勢力に抗して回動させるためのレバー部とを有し、前記第1腕部と第2腕部とは表面において、前記鉤状部材の内側凹部より狭い間隔で離隔し、前記レバー部を付勢手段の付勢下に、ボスの拘束を解除する位置に変位させた状態において、第2腕部の先端部を前記鉤状部材の内側凹部に突出するようにし、前記第1腕部の係止金具との対抗する面側に、鉤状部材の内側係止部にボスを誘導できるように内壁部を形成して、この内壁部と第2腕部の先端部との間隔を、ボスの径に比較して若干大きく設定したことを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2868119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたベッドにおけるボード係止機構を踏まえても、ベッド装置に関しては、未だに種々の改善の余地がある。ベッド装置の組み立て作業や解体作業には、多くの労力と時間が必要である。例えば、ベッドフレームに対するボード部材の取り付け作業および取り外し作業をより容易に行いたいという要望がある。
【0006】
そこで、本発明は、ベッドフレームに対するボード部材の取り付け作業および取り外し作業を効率的に行うことができるベッド装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係るベッド装置は、ベッドフレームと、前記ベッドフレームの長手方向の一端に設けられるボード部材と、前記ベッドフレームの幅方向の第1端部と前記第1端部の反対側の第2端部との間に設けられ、前記ベッドフレームに対する前記ボード部材の移動を規制するロック機構と、を備える。
【0008】
前記ロック機構は、前記幅方向の前記第1端部と前記第2端部との間の中央部に設けられてもよい。前記ベッド装置は、前記第1端部と前記第2端部とに設けられ、前記ベッドフレームに対する前記ボード部材の振れを規制する一対の振れ止め機構をさらに備えてもよい。
【0009】
前記ロック機構は、前記ベッドフレームに設けられ、開口部を有する第1ロック部材と、前記ボード部材に設けられた第2ロック部材と、を有してもよく、前記第2ロック部材は、前記第1ロック部材が通されるスリットを有する本体と、前記スリットに向けて移動可能に設けられるとともに、前記開口部に通されるストッパーと、を有してもよい。
【0010】
前記第2ロック部材は、前記ボード部材が移動可能である第1状態と、前記ボード部材の移動が規制される第2状態と、を切り替えるレバーをさらに有してもよい。前記ボード部材は、前記ベッドフレームに向かい合う第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、を有してもよく、前記第2ロック部材は、前記第1状態または前記第2状態を示すとともに、前記第2面の側から視認可能である表示部をさらに有してもよい。
【0011】
一実施形態に係るベッド装置は、ベッドフレームと、前記ベッドフレームの長手方向の一端に設けられるボード部材と、前記ベッドフレームの幅方向の第1端部と前記第1端部の反対側の第2端部とに設けられ、前記ベッドフレームに対する前記ボード部材の振れを規制する一対の振れ止め機構と、を備える。
【0012】
前記一対の振れ止め機構の各々は、前記ボード部材に設けられた第1振れ止め部材と、前記ベッドフレームに設けられた第2振れ止め部材と、を有し、前記第1振れ止め部材は、前記ボード部材との間にスリットを形成する第1プレート部を有し、前記第2振れ止め部材は、前記ベッドフレームに設けられる第2プレート部を有し、前記第1プレート部は、前記スリットの上端を覆う上壁と、前記スリットの前記幅方向の一端を覆う側壁と、を有する。
【0013】
前記ボード部材が前記ベッドフレームに取り付けられた状態において、前記第2プレート部は前記スリットに位置し、前記上壁は前記第2プレート部の上端に向かい合い、前記側壁は前記第2プレート部の前記幅方向の一端に向かい合う。
【0014】
前記第1プレート部は、前記上壁を貫通する開口部をさらに有し、前記第2プレート部は、前記上端から上方に延びる爪部をさらに有し、前記爪部は、前記ボード部材が前記ベッドフレームに取り付けられた状態において、前記開口部を通ってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ベッドフレームに対するボード部材の取り付け作業および取り外し作業を効率的に行うことができるベッド装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、一実施形態に係るベッド装置の概略的な斜視図である。
図2図2は、図1に示されたヘッドボードの近傍を示す概略的な拡大図である。
図3図3は、図2に示されたロック機構の近傍を示す拡大図である。
図4図4は、ロック機構が有する第1ロック部材の概略的な斜視図である。
図5図5は、ロック機構が有する第2ロック部材の概略的な側面図である。
図6図6は、図5に示された第2ロック部材の一部を示す拡大図である。
図7図7は、ロック機構が有する第2ロック部材の概略的な側面図である。
図8図8は、第2ロック部材が有するストッパーの概略的な斜視図である。
図9図9は、第2ロック部材が有するレバーの概略的な斜視図である。
図10図10は、ロック機構が有する第2ロック部材の概略的な側面図である。
図11図11は、ロック機構が有する第2ロック部材の概略的な側面図である。
図12図12は、ロック機構の動きを説明するための図である。
図13図13は、ロック機構の動きを説明するための図である。
図14図14は、図2に示された振れ止め機構の近傍を示す拡大図である。
図15図15は、振れ止め機構の概略的な分解斜視図である。
図16図16は、振れ止め機構の概略的な斜視図である。
図17図17は、図2に示された振れ止め機構の近傍を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
一実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
本実施形態においては、ベッド装置の一例として、床板体(ベッドプラットフォーム)の昇降と変形が可能な電動ベッドを開示する。ただし、本実施形態において開示する構成、特に各種の部材同士の連結に関する構造は、例えば電気的な制御要素を備えないベッド装置など、他種のベッド装置にも適用し得る。
【0018】
図1は、本実施形態に係るベッド装置1の概略的な斜視図である。図2は、図1に示されたヘッドボード5の近傍を示す概略的な拡大図である。
【0019】
以下の説明においては、図示したように第1方向X、第2方向Yおよび第3方向Zを定義する。本実施形態においては、第1方向X、第2方向Yおよび第3方向Zが互いに直交する。本実施形態において、第3方向Zを上または上方と定義し、第3方向Zの反対の方向を下または下方と定義する。本実施形態において、第1方向Xはベッドフレーム2の長手方向に相当し、第2方向Yはベッドフレーム2の幅方向に相当する。
【0020】
ベッド装置1は、図1に示すように、ベッドフレーム2と、ベッドフレーム2の上に配置された床板体3と、ベッドフレーム2に装着された複数の脚部材4と、を備えている。ベッドフレーム2および床板体3は、いずれも第1方向Xに長尺な形状を有している。
【0021】
床板体3は、背部床板3Aと、腰部床板3Bと、大腿部床板3Cと、足部床板3Dと、を含んでいる。背部床板3A、腰部床板3B、大腿部床板3Cおよび足部床板3Dは、この順で第1方向Xに並んでいる。これら床板3A,3B,3C,3Dのうちの隣り合う2つは、第2方向Yに平行な軸を中心として回動可能に連結されている。ベッド装置1の使用時には、床板体3の上にマットレスが配置される。
【0022】
ベッド装置1は、床板体3の下方に配置された駆動機構(図示しない)をさらに備えている。駆動機構は、例えば、複数のモータおよびこれらモータの動力を伝達するための複数のリンクを含み、床板体3を上昇させたり、下降させたりする。
【0023】
ベッド装置1は、図1に示すように、ヘッドボード5と、フットボード6と、をさらに備えている。本実施形態において、ヘッドボード5およびフットボード6は、ボード部材に相当する。ヘッドボード5は、ベッドフレーム2の第1方向Xの一端(頭側)に設けられる。フットボード6は、ベッドフレーム2の第1方向Xの他端(脚側)に設けられる。
【0024】
ベッド装置1は、図1に示すように、ヘッドボード5の側に設けられたロック機構7および一対の振れ止め機構8A,8Bと、フットボード6の側に設けられたロック機構7および一対の振れ止め機構8A,8Bと、をさらに備えている。
【0025】
ヘッドボード5およびフットボード6は、ロック機構7および一対の振れ止め機構8A,8Bによって、ベッドフレーム2に着脱可能に取り付けられている。ヘッドボード5は、フットボード6と実質的に同様に構成されている。ヘッドボード5の側に設けられたロック機構7および一対の振れ止め機構8A,8Bは、フットボード6の側に設けられたロック機構7および一対の振れ止め機構8A,8Bと実質的に同様に構成されている。
【0026】
以下では、ヘッドボード5の側に設けられたロック機構7および一対の振れ止め機構8A,8Bについて主に説明する。
【0027】
ヘッドボード5は、図2に示すように、ベッドフレーム2に向かい合う面51(第1面)と、面51の反対側の面53(第2面)と、を有している。面53は、第1方向Xの反対の方向を向いている。
【0028】
ヘッドボード5は、複数(例えば2つ)の開口部55をさらに有している。複数の開口部55は、ヘッドボード5の上方において、第2方向Yに間隔を置いて設けられている。複数の開口部55は、第2方向Yに長尺な形状を有している。ユーザは、複数の開口部55に手を差し込むことができる。これにより、ユーザは、ヘッドボード5を容易に保持できる。
【0029】
ベッドフレーム2は、図1および図2に示すように、第2方向Yにおいて、端部2a(第1端部)と、端部2aの反対側の端部2b(第2端部)と、を有している。端部2aおよび端部2bは、ベッドフレーム2の頭側に位置する。ここで端部には、端とその近傍の範囲を含む。
【0030】
ベッドフレーム2は、図1に示すように、第2方向Yにおいて、端部2cと、端部2cの反対側の端部2dと、をさらに有している。端部2c,2dは、ベッドフレーム2の脚側に位置する。
【0031】
ロック機構7は、ベッドフレーム2に対するヘッドボード5(ボード部材)の移動を規制する。ここで移動とは、ボード部材の第3方向Zに沿う移動である。ロック機構7は、第2方向Yにおいて、端部2aと端部2bとの間に設けられている。
【0032】
ロック機構7は、図2に示す例において、第2方向Yにおける端部2aと端部2bとの間の中央部に設けられている。ここで中央部には、第2方向Yにおける中央とその近傍の範囲を含む。
【0033】
ロック機構7が設けられる位置は、図2に示す例に限られず、第2方向Yにおける中央部よりも端部2aの側に設けられてもよいし、第2方向Yにおける中央部よりも端部2bの側に設けられてもよい。
【0034】
一対の振れ止め機構8A,8Bは、ベッドフレーム2に対するヘッドボード5(ボード部材)の振れを規制する。ここで振れとは、例えばベッドフレーム2に対してヘッドボード5が第1方向Xに沿って動いたり、第2方向Yに沿って動いたり、矢印A1(図2に示す)で示す方向に沿って動いたり、することである。
【0035】
一対の振れ止め機構8A,8Bは、端部2a,2bに設けられている。具体的には、振れ止め機構8Aは端部2aに設けられ、振れ止め機構8Bは端部2bに設けられている。フットボード6においては、図1に示すように、振れ止め機構8Aは端部2cに設けられ、振れ止め機構8Bは端部2dに設けられている。
【0036】
続いて、図3乃至図11を用いて、ロック機構7について説明する。
図3は、図2に示されたロック機構7の近傍を示す拡大図である。図4は、ロック機構7が有する第1ロック部材7Aの概略的な斜視図である。図5は、ロック機構7が有する第2ロック部材7Bの概略的な側面図である。図6は、図5に示された第2ロック部材7Bの一部を示す拡大図である。
【0037】
図7は、ロック機構7が有する第2ロック部材7Bの概略的な側面図である。図8は、第2ロック部材7Bが有するストッパー40の概略的な斜視図である。図9は、第2ロック部材7Bが有するレバー60の概略的な斜視図である。図10および図11は、ロック機構7が有する第2ロック部材7Bの概略的な側面図である。
【0038】
図5および図10はヘッドボード5の面51の側から第2ロック部材7Bを見て、図7および図11はヘッドボード5の面53の側から第2ロック部材7Bを見ている。図5および図10においては、カバー30を省略して示している。
【0039】
ロック機構7は、図3に示すように、第1ロック部材7Aと、第2ロック部材7Bと、を有している。第1ロック部材7Aは、ベッドフレーム2に設けられている。第2ロック部材7Bは、ヘッドボード5に設けられている。
【0040】
第1ロック部材7Aは、図4に示すように、ベース部11と、フック部13と、を有している。第1ロック部材7Aは、ベース部11を介して、ベッドフレーム2のフレーム2Yに取り外し可能に取り付けられている。フレーム2Yは、第2方向Yに延びている。フレーム2Yは、例えば略長方形の断面形状を有している。
【0041】
ベース部11は、第2方向Yに見て、例えば略L字型形状を有している。ベース部11は、上面部111と、側面部113と、を有している。上面部111はフレーム2Yの上面2Y1に接触するように設けられ、側面部113はフレーム2Yの側面2Y3に接触するように設けられている。ベース部11は、例えば複数(例えば4つ)のねじS1によって、フレーム2Yの上面2Y1および側面2Y3に固定されている。
【0042】
フック部13は、第3方向Zに長尺な平板形状を有している。フック部13は、ベース部11の第2方向Yにおける略中央部に設けられている。フック部13は、第1方向Xおよび第3方向Zによって規定されるX-Z平面に略平行となるように、ベース部11の側面部113に設けられている。言い換えると、フック部13は、側面部113よりも第1方向Xの反対の方向に突出している。
【0043】
フック部13は、ベース部11の上面部111よりも上方に突出する部分を有している。フック部13は、当該部分において、開口部131を有している。言い換えると、開口部131は、上面部111よりも上方に位置している。ただし、開口部131は、上面部111よりも下方に位置してもよい。
【0044】
開口部131は、フック部13を第2方向Yに貫通している。開口部131は、第2方向Yに見て、略長方形状を有している。ここで長方形状は、正方形状を含む。ただし、開口部131は、円形状を有してもよいし、楕円形状を有してもよいし、これら以外の形状を有してもよい。開口部131は、後述のストッパー40が通るために必要な大きさを有している。
【0045】
第1ロック部材7Aは、図3に示すように、補強部15をさらに有してもよい。補強部15は、第2方向Yおよび第3方向Zによって規定されるY-Z平面に略平行に設けられた第1補強部151A,151Bと、X-Z平面に略平行に設けられた第2補強部153と、を有している。
【0046】
フック部13は、第2方向Yにおいて、第1補強部151A,151Bの間に位置している。第1補強部151A,151Bは、上面部111と側面部113とがつながる角部からフック部13に向けてそれぞれ延びている。第2補強部153は、上面部111からフック部13に向けて延びている。
【0047】
フック部13は、補強部15によって、ベース部11に対して強固に設けられている。ベース部11、フック部13および補強部15は、例えば一体で形成される。第1ロック部材7Aは、例えば金属材料によって形成されるが、この例に限られない。
【0048】
第2ロック部材7Bは、第1方向Xの反対の方向に見て、第2方向Yに長尺な略長方形状を有している。第2ロック部材7Bは、ヘッドボード5の下方において、第2方向Yにおける略中央部に設けられている。
【0049】
第2ロック部材7Bは、図3および図5に示すように、本体20と、カバー30と、ストッパー40と、レバー60と、付勢部材71,73と、を有している。第2ロック部材7Bは、本体20を介して、ヘッドボード5に取り外し可能に取り付けられている。
【0050】
本体20は、例えば複数(例えば4つ)のねじS2によって、ヘッドボード5に固定されている。本体20、カバー30、ストッパー40およびレバー60は、例えば樹脂材料によって形成されるが、金属材料によって形成される部分を含んでもよい。
【0051】
本体20は、外壁21と、内壁23と、を有している。外壁21は、図7に示すように、第1方向Xに見て、ユーザが視認できる部分に相当する。外壁21は、ヘッドボード5に沿って形成されている。
【0052】
内壁23は、外壁21から第1方向Xに突出している。内壁23は、図5に示すように、上壁部231と、側壁部233,235と、を有している。上壁部231は、第1方向Xおよび第2方向Yによって規定されるX-Y平面に略平行に形成されている。
【0053】
側壁部233,235は、X-Z平面に略平行に形成されている。側壁部233,235は、上壁部231の両端から第3方向Zの反対の方向に延びている。側壁部233,235は、第2方向Yに間隔をおいて並んでいる。側壁部233は端部2aの側に位置し、側壁部235は端部2bの側に位置している。
【0054】
本体20には、図5に示すように、外壁21および内壁23によって空間SP10が規定される。本体20は、スリット25をさらに有している。スリット25には、第1ロック部材7Aのフック部13が通される。スリット25は、本体20の第2方向Yにおける略中央部に設けられている。
【0055】
スリット25は、下方に向けて開口するとともに、第3方向Zに延びている。スリット25は、外壁21から内壁23の上壁部231に向けて形成されている。スリット25は、空間SP10において、仕切り部PTによって位置および大きさが規定されている。スリット25は、フック部13が通るために必要な大きさを有している。
【0056】
スリット25は、下端部において、他の部分よりも第2方向Yの長さが大きい幅広部251を有してもよい。幅広部251は、第3方向Zの反対の方向に向けて、第2方向Yの長さが大きくなるような形状を有している。これにより、フック部13をスリット25に通す場合、ユーザは、スリット25にフック部13を通しやすくなる。
【0057】
カバー30は、図3に示すように、第1方向Xの反対の方向から本体20を覆っている。カバー30は、例えば複数のねじ(図示しない)などによって、取り外し可能に本体20に取り付けられている。カバー30は、スリット31を有している。
【0058】
スリット31は、本体20にカバー30を取り付けると、スリット25に重なる。スリット31は、カバー30を第1方向Xに貫通している。スリット31は、第2方向Yにおける略中央部に設けられている。スリット31の第3方向Zの長さは、スリット25の第3方向Zの長さとおおよそ等しい。
【0059】
空間SP10には、図6に示すように、仕切り部PTによってストッパー収容部SP1が規定されている。ストッパー収容部SP1は、第2方向Yに長尺な形状を有している。ストッパー収容部SP1は、スリット25に交差するように形成される。
【0060】
ストッパー40は、ストッパー収容部SP1において、第2方向Yおよび第2方向Yの反対の方向に移動可能に設けられている。言い換えると、ストッパー40は、スリット25に向けて移動可能に設けられている。ストッパー40は、開口部131に通される。
【0061】
ストッパー40は、図8に示すように、第2方向Yに長尺な形状を有している。ストッパー40は、第2方向Yにおいて、端部40aと、端部40aの反対側の端部40bと、上面41と、下面43と、を有している。
【0062】
上面41および下面43は、端部40aから端部40bにわたりそれぞれ形成されている。上面41および下面43は、X-Y平面に略平行である。ストッパー40は、端部40aと端部40bとの間に凹部45をさらに有している。凹部45は、図8に示すように、第1方向Xの反対の方向に向けて凹んでいる。
【0063】
端部40aは、側壁部235の側に位置し、スリット25に向かう端部である。端部40aは、例えば第2方向Yの反対の方向に向けて先細りな形状を有している。端部40aは、第1傾斜面471と、第2傾斜面473と、を有している。第1傾斜面471と第2傾斜面473とは、端部40aの先端475でつながっている。
【0064】
第2方向Yにおいて、第1傾斜面471は先端475から上面41に近づく方向に傾斜し、第2傾斜面473は先端475から下面43に近づく方向に傾斜している。言い換えると、第1傾斜面471は上方を向き、第2傾斜面473は下方を向いている。
【0065】
第1傾斜面471の第2方向Yにおける長さは、例えば第2傾斜面473の第2方向Yにおける長さよりも小さい。第1傾斜面471のX-Y平面に対する角度および第2傾斜面473のX-Y平面に対する角度は、適宜設定される。
【0066】
端部40bは、側壁部233の側に位置している。端部40bは、面491と、面491の反対側の面493と、を有している。面491は端部40aを向き、面493は側壁部233を向いている。
【0067】
面491は、図8に示すように、凸部495を有している。凸部495は、面491から端部40aに向けて突出している。面493は、図8に示すように、凹部497を有している。凹部497は、面493から面491に向けて凹んでいる。凹部497は、第2方向Yの反対の方向に見て、例えば円形状を有している。
【0068】
レバー60は、図9に示すように、第1部分61と、第2部分63と、を有している。第1部分61は、例えば第2部分63と一体で形成される。
【0069】
第1部分61は、図7に示すように、第1方向Xに見て、ユーザが視認できる部分に相当する。第1部分61は、外壁21に沿って形成されている。第1部分61は、底部611と、側部613と、傾斜部615と、を有している。底部611は、X-Y平面に略平行である。側部613は、Y-Z平面に略平行である。傾斜部615は、底部611と側部613とをつないでいる。
【0070】
傾斜部615には、図7に示すように、凹部617が形成されている。凹部617は、第1方向Xに凹んでいる。凹部617は、例えば第2方向Yに長尺な形状を有している。凹部617は、第3方向Zの反対の方向を向く面619を有している。
【0071】
これにより、ユーザは、凹部617の面619に指をかけ、レバー60を第3方向Zに移動させることができる。なお、凹部617の形状は、ユーザがレバー60を移動させることができる形状であれば、この形状に限られない。
【0072】
第2部分63は、図9に示すように、底部611から第3方向Zに延びている。第2部分63は、第3方向Zに長尺な平板形状を有している。第2部分63は、側面631,633と、上面635と、を有している。側面631は側壁部235の側に位置し、側面633は側壁部233の側に位置している。上面635は、側面631の上端と側面633の上端とをつないでいる。側面631は、第3方向Zに沿って延びている。
【0073】
側面633は、底部611につながる面6331と、上面635につながる面6333と、面6331と面6333とをつなぐ傾斜面6335と、を有している。面6331,6333は、第3方向Zに沿って延びている。
【0074】
面6333は、面6331よりも側面631の側に位置している。傾斜面6335は、面6331から面6333に向かうにしたがい、側面631に近づくように傾斜している。傾斜面6335は、上方を向いている。
【0075】
第2部分63は、第1凹部651と、第2凹部653と、第3凹部655と、開口部657と、をさらに有している。第1凹部651および第2凹部653は、第2方向Yの反対の方向に凹んでいる。
【0076】
第1凹部651は、面6331に設けられている。第1凹部651は、図9に示す例において、傾斜面6335に近接している。第2凹部653は、面6333に設けられている。第2凹部653は、図9に示す例において、傾斜面6335に近接している。
【0077】
言い換えると、第2凹部653は第1凹部651よりも上方に位置し、第2凹部653は第1凹部651よりも側面631の側に位置している。スリット25との観点において、第2凹部653は、第1凹部651よりもスリット25の側に位置している。
【0078】
第1凹部651および第2凹部653には、ストッパー40の凸部495が係合する。第1凹部651および第2凹部653の位置および形状は、ストッパー40の凸部495の形状などに応じて、適宜調整することができる。
【0079】
第3凹部655は。上面635に設けられている。第3凹部655は、第3方向Zの反対の方向に凹んでいる。第3凹部655は、第2方向Yに沿って延び、側面631と側面633の面6333とを貫通している。
【0080】
開口部657は、第2部分63の上方に設けられている。開口部657は、第1部分61を第1方向Xに貫通している。開口部657は、第3方向Zに長尺な長孔である。開口部657には、図5に示すように、ピン部材291が位置する。ピン部材291は、外壁21から第1方向Xに突出している。開口部657およびピン部材291は、レバー60の第3方向Zの動きをガイドする。
【0081】
外壁21は、凹部211を有している。凹部211は、スリット25よりも側壁部233の側に位置している。凹部211は、外壁21の一部が第1方向Xおよび第3方向Zに凹んで形成されている。凹部211には、レバー60の第1部分61が位置する。
【0082】
本体20にストッパー40およびレバー60が設けられると、第1部分61、ストッパー40および第2部分63は、この順で第1方向Xに並ぶ。このとき、第2部分63は、ストッパー40の凹部45に位置する。
【0083】
付勢部材71は、第2方向Yの反対の方向に向けてストッパー40を付勢している。言い換えると、付勢部材71は、ストッパー40をスリット25に向けて付勢している。これにより、ストッパー40は、第2方向Yおよび第2方向Yの反対の方向に移動することができる。
【0084】
付勢部材71は、図5に示すように、側壁部233とストッパー40の端部40bとの間に位置している。付勢部材71は、第2方向Yに長尺な形状を有している。付勢部材71は、例えばコイルばねであるが、この例に限られない。付勢部材71は、図6に示すように、端部71aと、端部71aの反対側の端部71bと、を有している。端部71aは、凹部497(図8に示す)に位置している。
【0085】
側壁部233は、端部71bが位置する凹部2331をさらに有してもよい。端部71bが凹部2331に位置することによって、付勢部材71の位置がずれにくくなる。凹部2331および凹部497によって、付勢部材71は安定してストッパー40を付勢することができる。
【0086】
付勢部材73は、第3方向Zの反対の方向に向けてレバー60を付勢している。言い換えると、付勢部材73は、レバー60を下方に向けて付勢している。これにより、レバー60は、第3方向Zおよび第3方向Zの反対の方向に移動することができる。付勢部材73は、例えばねじりコイルばねであるが、この例に限られない。
【0087】
付勢部材73は、図6に示すように、コイル部731と、コイル部731につながる端部733,735と、を有している。本体20は、上壁部231と側壁部233とがつながる角部の近傍に突出部293を有している。コイル部731は、突出部293に通されている。端部733は上壁部231と接触し、端部735は第3凹部655に位置している。
【0088】
端部735が第3凹部655に位置することによって、端部735の位置がずれにくくなる。これにより、付勢部材73は、安定してレバー60を第3方向Zの反対の方向に付勢することができる。
【0089】
ロック機構7は、第1状態と第2状態とを切り替え可能に構成されている。ここで第1状態はヘッドボード5が移動可能である状態であり、第2状態はヘッドボード5の移動が規制される状態である。具体的には、レバー60が第3方向Zおよび第3方向Zの反対の方向に移動することによって、ロック機構7の第1状態と、第2状態と、を切り替える。
【0090】
ユーザは、第1状態において、ベッドフレーム2に取り付けられたヘッドボード5を第3方向Zに持ち上げ、ベッドフレーム2から取り外すことができる。ユーザは、第2状態において、ベッドフレーム2に取り付けられたヘッドボード5を第3方向Zに持ち上げることができないため、ヘッドボード5をベッドフレーム2から取り外すことができない。
【0091】
図6および図10を用いて、ロック機構7の第1状態および第2状態について説明する。図6および図10においては、フック部13を破線にて示している。図6および図10においては、フック部13は、スリット25に位置している。
【0092】
図6においては、ロック機構7が第1状態である。
【0093】
レバー60は、第1状態において、第1位置P1に位置している。レバー60の第2部分63のほとんどは、空間SP10に位置している。ピン部材291は、開口部657の下端に近接している。凸部495は、第1凹部651に位置している。
【0094】
第1傾斜面471は、図6に示すように、スリット25に重なっている。フック部13の開口部131との観点において、第1傾斜面471は、開口部131に重なっている。
【0095】
上面41は、スリット25に重なっていない。フック部13の開口部131との観点において、上面41は、開口部131に重なっていない。第2傾斜面473の一部は、第3方向Zにおいて、スリット25に重なっている。
【0096】
ここで、ヘッドボード5を第3方向Zに移動させる場合を想定する。
【0097】
ヘッドボード5を第3方向Zに移動させると、第1傾斜面471が開口部131の内面に接触する。この状態からヘッドボード5をさらに第3方向Zに移動させると、ストッパー40が付勢部材71の付勢力に抗して、第2方向Yに移動し、開口部131からストッパー40が退避する。その結果、ユーザは、ヘッドボード5を第3方向Zに移動させ、ベッドフレーム2から取り外すことができる。
【0098】
例えば、開口部131からストッパー40が退避する際に凸部495と第1凹部651との係合が解除され、レバー60は第1位置P1から第2位置P2に移動する。なお、レバー60は、開口部131からストッパー40が退避する際に凸部495と第1凹部651との係合が解除されないように設けられてもよい。
【0099】
図10においては、ロック機構7が第2状態である。
【0100】
レバー60は、第2状態において、第2位置P2に位置している。第2位置P2は、第1位置P1よりも下方である。レバー60の第2部分63の一部は、空間SP10に位置している。ピン部材291は、開口部657の上端に近接している。凸部495は、第2凹部653に位置している。
【0101】
上面41は、図10に示すように、スリット25に重なっている。第1傾斜面471は、スリット25よりも側壁部235の側に位置し、スリット25に重なっていない。フック部13の開口部131との観点において、上面41は、開口部131に重なっている。第2傾斜面473の一部は、第3方向Zにおいて、スリット25に重なっている。
【0102】
ここで、ヘッドボード5を第3方向Zに移動させる場合を想定する。
【0103】
ヘッドボード5を第3方向Zに向けて移動させると、上面41が開口部131の内面に接触する。この状態からヘッドボード5をさらに第3方向Zに移動させようとしても、ストッパー40は第2方向Yに移動しない。これにより、ユーザは、ヘッドボード5をこの状態から第3方向Zに移動させることができず、ベッドフレーム2から取り外すことができない。
【0104】
第2ロック部材7Bは、図7および図11に示すように、表示部90をさらに有してもよい。表示部90は、ロック機構7が第1状態または第2状態のどちらの状態であるかをユーザに示す。表示部90は、例えばユーザが面53の側から視認可能であるように設けられている。
【0105】
表示部90は、第1表示91と、第2表示93と、を有している。第1表示91はレバー60の第1部分61の側部613に設けられ、第2表示93は外壁21の凹部211の面に設けられている。
【0106】
一例では、第1表示91は第1状態を示す「FREE」の文字で構成され、第2表示93は第2状態を示す「LOCK」の文字で構成されている。なお、第1状態および第2状態を示すため表示方法は、この例に限られない。
【0107】
第1状態では、図7に示すように、レバー60が第1位置P1に位置している。第2表示93は、レバー60が第1位置P1にある場合、第1方向Xにおいて、レバー60に重なる位置に位置している。
【0108】
言い換えると、第2表示93は、レバー60が第1位置P1にある場合、レバー60によって隠れる。これにより、ユーザは、第1表示91のみを視認する。その結果、ユーザは、ロック機構7が第1状態であることを認識できる。
【0109】
第2状態では、図11に示すように、レバー60が第2位置P2に位置している。第2表示93は、レバー60が第2位置P2にある場合、レバー60に重なっていない。これにより、ユーザは、第1表示91および第2表示93をそれぞれ視認する。ユーザは、第2表示93を視認できる場合、ロック機構7が第2状態であることを認識できる。
【0110】
続いて、ベッドフレーム2に対してヘッドボード5を取り付ける際におけるロック機構7の動きを説明する。図12および図13は、ロック機構7の動きを説明するための図である。レバー60は、図12および図13に示す例において、第1位置P1に位置している。
【0111】
まず、ベッドフレーム2に対してヘッドボード5を第3方向Zの反対の方向に移動させる。このとき、第1ロック部材7Aに対して第2ロック部材7Bが第3方向Zの反対の方向に移動する。
【0112】
スリット25にフック部13が通されると、フック部13の上面133は、図12に示すように、第2傾斜面473に接触する。この状態から第3方向Zの反対の方向に向けてさらにヘッドボード5を移動させると、フック部13が第2傾斜面473を押し、ストッパー40が付勢部材71の付勢力に抗して、第2方向Yに移動する。これにより、ストッパー40の第2方向Yにおける位置が変位する。
【0113】
この状態から第3方向Zの反対の方向に向けてさらにヘッドボード5を移動させると、図13に示すように、フック部13の側面135がストッパー40の先端475に接触する。このとき、凸部495と第1凹部651との係合は、解除される。
【0114】
レバー60は付勢部材73によって付勢されているため、凸部495と第1凹部651との係合が解除されると、レバー60は第1位置P1から第2位置P2に移動する。この状態から第3方向Zの反対の方向に向けてさらにヘッドボード5を移動させると、フック部13の開口部131が第2方向Yにストッパー40に重なる。
【0115】
ストッパー40は付勢部材71によって付勢されているため、フック部13の開口部131が第2方向Yにストッパー40に重なると、ストッパー40は第2方向Yの反対の方向に向けて移動する。そして、フック部13の開口部131にストッパー40が設けられ、図10に示すように、ロック機構7は第2状態となる。
【0116】
さらに、レバー60が第1位置P1に位置している場合、ヘッドボード5がベッドフレーム2に取り付けられると、レバー60が第2位置P2に変位し、ロック機構7は第2状態となる。すなわち、ユーザは、ヘッドボード5を取り付けする際に、ロック機構7を第2状態にするための操作をする必要がない。
【0117】
ここでは、レバー60が第1位置P1に位置している場合にヘッドボード5を取り付ける例を説明するが、レバー60が第2位置P2に位置している場合においても実質的に同様の流れで、ヘッドボード5を取り付けることができる。
【0118】
レバー60が第2位置P2にある場合、ヘッドボード5を取り付ける過程において、レバー60の位置は第2位置P2から変位しない。このように、ヘッドボード5は、レバー60が第1位置P1または第2位置P2に位置している場合であっても、ベッドフレーム2に取り付けることができる。
【0119】
続いて、ベッドフレーム2に対してヘッドボード5を取り外す際におけるロック機構7の動きについて説明する。
【0120】
まず、レバー60を第2位置P2から第1位置P1に移動させることで、ロック機構7を第1状態にする。この際、レバー60を第3方向Zに移動させると、凸部495が傾斜面6335に沿って移動する。これにより、ストッパー40が付勢部材71の付勢力に抗して、第2方向Yに移動する。
【0121】
レバー60が第1位置P1まで移動すると、凸部495は第1凹部651に係合する。これにより、ロック機構7は、第1状態となる。そして、図6を用いて説明したように、ヘッドボード5を第3方向Zに移動させることで、ベッドフレーム2からヘッドボード5を取り外すことができる。
【0122】
続いて、一対の振れ止め機構8A,8Bについて説明する。
【0123】
図14は、図2に示された振れ止め機構8Aの近傍を示す拡大図である。図15は、振れ止め機構8Aの概略的な分解斜視図である。図16は、振れ止め機構8Aの概略的な斜視図である。図17は、図2に示された振れ止め機構8Bの近傍を示す拡大図である。図16は、振れ止め機構8Aをヘッドボード5の側から見ている。図14乃至図17においては、ヘッドボード5などの部材の一部を省略して示している。
【0124】
振れ止め機構8A,8Bの各々は、図14および図17に示すように、第1振れ止め部材81と、第2振れ止め部材83と、を有している。振れ止め機構8Aの第1振れ止め部材81は振れ止め機構8Bの第1振れ止め部材81と実質的に同様に構成され、振れ止め機構8Aの第2振れ止め部材83は振れ止め機構8Bの第2振れ止め部材83と実質的に同様に構成されている。
【0125】
ここでは、振れ止め機構8Aの第1振れ止め部材81および第2振れ止め部材83について主に説明する。第1振れ止め部材81および第2振れ止め部材83は、例えば金属材料によって形成されが、この例に限られない。
【0126】
第1振れ止め部材81は、ヘッドボード5に設けられている。具体的には、第1振れ止め部材81は、ヘッドボード5の凹部57(図14に示す)に設けられている。凹部57は、面51において、第1方向Xの反対の方向に凹んでいる。
【0127】
凹部57は、ベッドフレーム2の端部2aに向かい合う位置に設けられている。ヘッドボード5は、図14に示すように、板状部材59をさらに有してもよい。第1振れ止め部材81は、板状部材59を介して、凹部57に取り付けられている。
【0128】
第1振れ止め部材81は、第1方向Xの反対の方向に見て、第3方向Zに長尺な略長方形状を有している。第1振れ止め部材81は、ベース部811と、ベース部811につながるプレート部813(第1プレート部)と、を有している。ベース部811は、例えばプレート部813と一体で形成される。
【0129】
第1振れ止め部材81は、ベース部811を介して、ヘッドボード5に取り外し可能に取り付けられている。ベース部811は、例えば複数のねじ(図示しない)によって、ヘッドボード5に固定される。ベース部811は、角部の近傍にねじが通る複数(例えば3つ)の貫通孔8111を有している。
【0130】
プレート部813は、第1方向Xの反対の方向に見て、第3方向Zに長尺な略長方形状を有している。プレート部813は、Y-Z平面に略平行である。プレート部813は、ベース部811よりも第1方向Xに突出している。
【0131】
プレート部813は、前壁8131と、上壁8133と、側壁8135と、を有している。前壁8131は、上壁8133および側壁8135を介して、ベース部811につながっている。上壁8133は第1振れ止め部材81の側端から第2方向Yに延び、側壁8135は第1振れ止め部材81の下端から第3方向Zに延びている。
【0132】
第1振れ止め部材81は、ヘッドボード5との間にスリット85を形成する。具体的には、スリット85は、ヘッドボード5と前壁8131との間に形成される。スリット85は、前壁8131、上壁8133および側壁8135によって囲われた範囲に相当する。
【0133】
上壁8133はスリット85の上端を覆い、側壁8135はスリット85の第2方向Yの一端を覆っている。スリット85は、第2方向Yの反対の方向および第3方向Zの反対の方向に開口している。
【0134】
第1振れ止め部材81は、開口部87をさらに有してもよい。開口部87は、スリット85につながっている。開口部87は、ベース部811、前壁8131、上壁8133および側壁8135を貫通している。なお、開口部87は、少なくとも、上壁8133を貫通していればよい。
【0135】
第2振れ止め部材83は、ベッドフレーム2に設けられている。具体的には、第2振れ止め部材83は、図14に示すように、端部2aにおいて、フレーム2Yの側面2Y3に設けられている。第2振れ止め部材83は、第3方向Zの反対の方向に見て、例えば略U字型形状を有している。
【0136】
第2振れ止め部材83は、図15に示すように、プレート部831,833と、プレート部831とプレート部833とをつなぐ連結部835,837と、を有している。プレート部833は、第2プレート部に相当する。
【0137】
プレート部831,833は、第1方向Xの反対の方向に見て、第3方向Zに長尺な略長方形状を有している。プレート部831,833は、Y-Z平面に略平行である。プレート部831は、フレーム2Yの側面2Y3に取り付けられている。プレート部833は、プレート部831と第1方向Xに間隔をおいて設けられている。
【0138】
連結部835はプレート部831,833の下端をつなぎ、連結部837はプレート部831,833の側端をつないでいる。すなわち、プレート部833は、プレート部831および連結部835,837を介して、ベッドフレーム2に設けられている。
【0139】
プレート部833は、爪部8331をさらに有してもよい。爪部8331は、プレート部833の上端8333から第3方向Zに延びている。爪部8331は、第2方向Yにおいて、側端8335に近接している。側端8335は、第2方向Yにおいて、端部2aの側の一端である。爪部8331は、第2方向Yにおいて、連結部837から離れて設けられている。
【0140】
第2振れ止め部材83は、スリット89を有している、スリット89は、プレート部831,833および連結部835,837によって囲われた範囲に相当する。スリット89は、第2方向Yおよび第3方向Zに開口している。
【0141】
上述の通り、振れ止め機構8Bは、振れ止め機構8Aと実質的に同様に構成されている。振れ止め機構8Bは、図17に示すように、第1振れ止め部材81と、第2振れ止め部材83と、を有している。
【0142】
振れ止め機構8Bにおいて、第1振れ止め部材81のスリット85は第2方向Yおよび第3方向Zの反対の方向に開口し、第2振れ止め部材83のスリット89は第2方向Yの反対の方向および第3方向Zに開口している。すなわち、振れ止め機構8Bの第2振れ止め部材83のスリット89は、第2方向Yにおいて、振れ止め機構8Aの第2振れ止め部材83のスリット89とは反対の方向に開口している。
【0143】
第1振れ止め部材81は開口部87を有し、第2振れ止め部材83のプレート部833は爪部8331を有している。爪部8331は、第2方向Yにおいて、側端8335に近接している。振れ止め機構8Bの第2振れ止め部材83の側端8335は、第2方向Yにおいて、端部2bの側の一端である。
【0144】
ベッドフレーム2にヘッドボード5が取り付けられると、第2振れ止め部材83に対して第1振れ止め部材81が差し込まれる。具体的には、図14および図17に示すように、第1振れ止め部材81のプレート部813の前壁8131が第2振れ止め部材83のスリット89にそれぞれ位置し、第2振れ止め部材83のプレート部833が第1振れ止め部材81のスリット85にそれぞれ位置する。
【0145】
この状態において、図16に示すように、上壁8133はプレート部833の上端8333に向かい合い、側壁8135はプレート部833の側端8335に向かい合っている。この場合、第1振れ止め部材81のプレート部813の下端は、例えば連結部835と接触している。言い換えると、ヘッドボード5は、連結部835に支持されている。
【0146】
図14および図17に示すように、ベッドフレーム2にヘッドボード5が取り付けられた状態において、第2振れ止め部材83のプレート部833の爪部8331は、第1振れ止め部材81の開口部87を通っている。
【0147】
言い換えると、開口部87は、爪部8331に対応する位置に形成されている。爪部8331は、図14および図17に示す例において、プレート部813の上壁8133よりも第3方向Zに突出する部分を有している。
【0148】
例えばヘッドボード5が矢印A1(図2に示す)に示す方向に沿って振れる場合を想定する。この場合、ヘッドボード5が振れると、例えば、一対の振れ止め機構8A,8Bにおいて、爪部8331の側面が上壁8133および側壁8135にそれぞれ接触する。
【0149】
爪部8331がこれらに接触することによって、ヘッドボード5の動きが抑制される。第1振れ止め部材81の開口部87および第2振れ止め部材83の爪部8331によって、ヘッドボード5は振れにくくなる。
【0150】
他の観点からは、ヘッドボード5に外部から力が加わった際に、ヘッドボード5が矢印A1で示す方向に回転しにくいため、一対の振れ止め機構8A,8Bの一方が抜けることを防止できる。
【0151】
このとき、上壁8133とプレート部833の上端8333との間には隙間が形成され、側壁8135とプレート部833の側端8335との間には隙間が形成されている。第1方向Xにおいて、プレート部813の前壁8131と第2振れ止め部材83のプレート部833との間、および第2振れ止め部材83のプレート部833とヘッドボード5との間には、隙間が形成されている。これらの隙間は、小さいほうが好ましい。
【0152】
これにより、ヘッドボード5をベッドフレーム2に取り付けた際におけるヘッドボード5の振れを小さくすることができる。また、一対の振れ止め機構8A,8Bの構成であれば、これらの隙間が小さい場合であっても、第2振れ止め部材83に対して第1振れ止め部材81を差し込みやすい。
【0153】
なお、プレート部813の上壁8133は、第2振れ止め部材83のプレート部833の上端8333と接触してもよい。この場合、上壁8133とプレート部833の上端8333との間には隙間が形成されない。
【0154】
以上のように構成されたベッド装置1であれば、ベッドフレーム2に対するボード部材の取り付け作業および取り外し作業を効率的に行うことができる。具体的には、ベッド装置1は、ベッドフレーム2の端部2aと端部2bとの間に設けられたロック機構7を備えている。
【0155】
ロック機構7は、ベッドフレーム2に対するヘッドボード5(ボード部材)の移動を規制する。本実施形態において、ロック機構7は、端部2aと端部2bとの間の中央部に設けられている。より具体的には、ロック機構7は、中央部に1つ設けられている。
【0156】
比較例に係るベッド装置として、ベッドフレーム2にボード部材を固定するための機構が第2方向Yの両端部に設けられている場合を想定する。比較例に係るベッド装置においては、ユーザは、両端部に設けられた機構をそれぞれ操作する必要がある。そのため、ユーザが作業を1人で行うのが困難であり、必要に応じて、複数人で作業を行う必要がある。
【0157】
本実施形態に係るベッド装置1であれば、ロック機構7が1つ設けられているため、ユーザはロック機構7を操作すればよいため、1人で作業を行うことできる。すなわち、本実施形態に係るベッド装置1であれば、比較例に係るベッド装置と比較して、ベッドフレーム2に対するボード部材の取り付け作業および取り外し作業を効率的に行うことができる。
【0158】
本実施形態において、ロック機構7は、第1ロック部材7Aと、第2ロック部材7Bと、を有している。第2ロック部材7Bは、ボード部材が移動可能である第1状態と、ボード部材の移動が規制される第2状態と、を切り替えるレバー60を有している。
【0159】
これにより、ユーザは、レバー60を操作することによって、ロック機構7の第1状態と第2状態とを切り替えることができる。その結果、ヘッドボード5の取り付け作業および取り外し作業をより効率的に行うことができる。
【0160】
本実施形態において、ベッド装置1の第2ロック部材7Bは、第1状態または第2状態を示すとともに、面53の側から視認可能である表示部90を有している。これにより、ユーザは、表示部90によって、ベッド装置1の状態を容易に認識できる。
【0161】
本実施形態に係るベッド装置1は、一対の振れ止め機構8A,8Bを備えている。図14乃至図17を用いて説明したように、一対の振れ止め機構8A,8Bは、ベッドフレーム2に対するヘッドボード5(ボード部材)の振れを規制することができる。
【0162】
一対の振れ止め機構8A,8Bによってヘッドボード5が振れにくくなり、ベッドフレーム2に対して、ヘッドボード5を第3方向Zに沿って移動させやすくなる。言い換えると、一対の振れ止め機構8A,8Bの構成であれば、第2振れ止め部材83に対して第1振れ止め部材81を差し込みやすい。これにより、本実施形態であれば、ヘッドボード5の取り付け作業および取り外し作業を効率的に行うことができる。
【0163】
本実施形態において、プレート部813は上壁8133を貫通する開口部87を有し、プレート部833は上端8333から第3方向Zに延びる爪部8331を有している。ヘッドボード5が振れると、例えば、一対の振れ止め機構8A,8Bにおいて、爪部8331の側面が上壁8133および側壁8135にそれぞれ接触する。
【0164】
これにより、第1振れ止め部材81の開口部87および第2振れ止め部材83の爪部8331によって、ヘッドボード5は振れにくくなる。その結果、一対の振れ止め機構8A,8Bは、ベッドフレーム2に対するヘッドボード5の振れをさらに抑制することができる。
【0165】
本実施形態において、ベッド装置1は、ロック機構7および一対の振れ止め機構8A,8Bをそれぞれ備えている。これにより、本実施形態に係るベッド装置1であれば、作業をより効率的に行うことができる。
【0166】
一対の振れ止め機構8A,8Bによって振れが抑制されているため、ヘッドボード5の振れによって、ロック機構7が意図しない動作をしにくい。ロック機構7のレバー60がヘッドボード5の下方において、第2方向Yの略中央部に設けられているため、意図せずに操作されにくい。
【0167】
ロック機構7および一対の振れ止め機構8A,8Bは、ベッドフレーム2およびヘッドボード5に対して、取り外し可能に設けられている。そのため、これらを構成する部材が破損などした場合であっても、容易に新たなロック機構7または一対の振れ止め機構8A,8Bに交換することができる。これにより、ベッド装置1のメンテナンス性を向上することができる。
【0168】
本実施形態においては、ヘッドボード5の側について主に説明するが、フットボード6の側においてもロック機構7および一対の振れ止め機構8A,8Bが設けられているため、上述のようなヘッドボード5の側と同様の効果を得ることができる。
【0169】
本実施形態は、本発明の範囲を当該実施形態にて開示した構成に限定するものではない。本発明は、当該実施形態にて開示した構成を種々の態様に変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0170】
1…ベッド装置、2…ベッドフレーム、2a,2b…端部、3…床板体、5…ヘッドボード、6…フットボード、7…ロック機構、7A…第1ロック部材、7B…第2ロック部材、8A,8B…振れ止め機構、11…ベース部、13…フック部、20…本体、21…外壁、23…内壁、25…スリット、40…ストッパー、51,53…面、60…レバー、71,73…付勢部材、81…第1振れ止め部材、83…第2振れ止め部材、85…スリット、87…開口部、89…スリット、90…表示部、91…第1表示、93…第2表示、131…開口部、811…ベース部、813,831,833…プレート部、8131…前壁、8133…上壁、8135…側壁、8331…爪部。
図1
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