(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169131
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】人力駆動車用の判定システム、および、人力駆動車用の判定方法
(51)【国際特許分類】
B62J 45/00 20200101AFI20241128BHJP
B62J 50/22 20200101ALI20241128BHJP
B62J 45/413 20200101ALI20241128BHJP
B62J 6/12 20060101ALN20241128BHJP
【FI】
B62J45/00
B62J50/22
B62J45/413
B62J6/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086348
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】瀧本 友弘
(72)【発明者】
【氏名】松元 亨樹
(57)【要約】
【課題】発電装置の異常を好適に判定できる人力駆動車用の判定システムおよび人力駆動車用の判定方法を提供する。
【解決手段】人力駆動車用の判定システムは、前記人力駆動車の車輪が回転することによって発電するように構成される発電装置と、前記車輪が回転している状態において、前記発電装置の異常を判定するように構成される判定部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の判定システムであって、
前記人力駆動車の車輪が回転することによって発電するように構成される発電装置と、
前記車輪が回転している状態において、前記発電装置の異常を判定するように構成される判定部と、を備える、判定システム。
【請求項2】
前記発電装置は、前記人力駆動車に搭載される電気部品に含まれ、
前記判定部は、有線および無線の少なくとも1つによって前記電気部品に接続されるように構成される外部装置に含まれる、請求項1に記載の判定システム。
【請求項3】
前記外部装置は、前記電気部品と通信するように構成される、請求項2に記載の判定システム。
【請求項4】
前記外部装置は、前記有線によって前記電気部品と接続され、前記電気部品に電力を供給するように構成される、請求項2に記載の判定システム。
【請求項5】
前記人力駆動車に搭載される第1検出部をさらに備え、
前記第1検出部は、前記発電装置の出力に基づいて前記発電装置の駆動状態を検出するように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の判定システム。
【請求項6】
前記第1検出部は、前記発電装置の出力に応じた第1信号を出力するように構成され、
前記判定部は、前記第1信号に応じて、前記発電装置の異常を判定するように構成される、請求項5に記載の判定システム。
【請求項7】
前記判定部は、前記車輪が回転している状態において前記第1検出部から前記第1信号が出力されない場合に、前記発電装置に異常が発生していると判定するように構成される、請求項6に記載の判定システム。
【請求項8】
前記発電装置の異常は、前記第1検出部の異常を含む、請求項5に記載の判定システム。
【請求項9】
前記発電装置は、第1部材、および、第2部材を含み、
前記第1部材は、コイルおよび磁石の一方であり、
前記第2部材は、前記コイルおよび前記磁石の他方である、請求項1から3のいずれか一項に記載の判定システム。
【請求項10】
前記発電装置の異常は、前記コイルおよび前記磁石の少なくとも1つの異常を含む、請求項9に記載の判定システム。
【請求項11】
前記車輪を回転可能に支持する車軸をさらに備え、
前記第1部材は、前記車軸に設けられ、
前記第2部材は、前記車輪とともに回転するように構成される、請求項9に記載の判定システム。
【請求項12】
前記人力駆動車に搭載される第1検出部をさらに備え、
前記第1検出部は、前記発電装置の出力に応じた第1信号を出力するように構成され、
前記第1信号は、前記第1部材に対する前記第2部材の回転状態に応じた信号である、請求項11に記載の判定システム。
【請求項13】
前記車軸は、ハブ軸を含み、
前記発電装置は、前記ハブ軸と、前記ハブ軸に回転可能に支持されるハブシェルと、を含み、
前記第1部材は、前記ハブ軸に設けられ、
前記第2部材は、前記ハブシェルに設けられる、請求項11に記載の判定システム。
【請求項14】
前記車軸に回転可能に設けられ、少なくとも1つのスプロケットを支持するように構成されるスプロケット支持体と、
前記車軸に対する前記スプロケット支持体の回転状態に応じた第2信号を出力するように構成される第2検出部と、をさらに備え、
前記判定部は、前記車輪が回転している状態における前記第2信号に応じて、前記スプロケット支持体の異常を判定するように構成される、請求項11に記載の判定システム。
【請求項15】
前記人力駆動車に搭載される第1検出部をさらに備え、
前記第1検出部は、前記発電装置の出力に応じた第1信号を出力するように構成され、
前記判定部は、前記車輪が回転している状態において、前記第1信号および前記第2信号の少なくとも1つが出力されない場合、前記人力駆動車の異常を判定するように構成される、請求項14に記載の判定システム。
【請求項16】
人力駆動車用の判定システムであって、
前記人力駆動車のクランク軸が回転することによって発電するように構成される発電装置と、
前記クランク軸が回転している状態において、前記発電装置の異常を判定するように構成される判定部と、を備える、判定システム。
【請求項17】
人力駆動車の車輪が回転することによって発電するように構成される発電装置の異常を判定する判定方法であって、
前記車輪を回転させるステップと、
前記発電装置の回転を検出するステップと、
前記発電装置の異常を判定するステップであって、前記発電装置の回転が検出される場合には正常と判定し、前記発電装置の回転が検出されない場合には異常と判定するステップと、を含む、判定方法。
【請求項18】
人力駆動車のハブ軸に回転可能に支持されるハブシェルが回転することによって発電するように構成される発電装置の異常、および、前記ハブ軸に回転可能に支持され、少なくとも1つのスプロケットを支持するように構成されるスプロケット支持体の異常を判定する判定方法であって、
前記ハブシェルを回転させるステップと、
前記発電装置の回転を検出するステップと、
前記スプロケット支持体の回転を検出するステップと、
前記発電装置の異常、および、前記スプロケット支持体の異常を判定するステップであって、前記発電装置の回転および前記スプロケット支持体の回転が検出される場合には正常と判定し、前記発電装置の回転および前記スプロケット支持体の回転の少なくとも1つが検出されない場合には異常と判定するステップと、を含む、判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用の判定システム、および、人力駆動車用の判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、発電装置を含む人力駆動車の一例を開示する。特許文献1の発電装置は、車輪が回転することによって発電する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、発電装置の異常を好適に判定できる人力駆動車用の判定システム、および、人力駆動車用の判定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う判定システムは、人力駆動車用の判定システムであって、前記人力駆動車の車輪が回転することによって発電するように構成される発電装置と、前記車輪が回転している状態において、前記発電装置の異常を判定するように構成される判定部と、を備える。
第1側面の判定システムによれば、車輪が回転している状態において発電装置の異常を判定するため、発電装置の異常を好適に判定できる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面の判定システムにおいて、前記発電装置は、前記人力駆動車に搭載される電気部品に含まれ、前記判定部は、有線および無線の少なくとも1つによって前記電気部品に接続されるように構成される外部装置に含まれる。
第2側面の判定システムによれば、外部装置が電気部品と接続されることによって、外部装置に含まれる判定部が発電装置の異常を好適に判定できる。
【0007】
本開示の第2側面に従う第3側面の判定システムにおいて、前記外部装置は、前記電気部品と通信するように構成される。
第3側面の判定システムによれば、外部装置が電気部品と通信するため、外部装置に含まれる判定部が発電装置の異常を好適に判定できる。
【0008】
本開示の第2側面または第3側面に従う第4側面の判定システムにおいて、前記外部装置は、前記有線によって前記電気部品と接続され、前記電気部品に電力を供給するように構成される。
第4側面の判定システムによれば、電気部品は、外部装置から供給される電力によって動作できる。
【0009】
本開示の第1側面から第4側面のいずれか1つに従う第5側面の判定システムにおいて、前記人力駆動車に搭載される第1検出部をさらに備え、前記第1検出部は、前記発電装置の出力に基づいて前記発電装置の駆動状態を検出するように構成される。
第5側面の判定システムによれば、第1検出部によって発電装置の駆動状態を好適に検出できる。
【0010】
本開示の第5側面に従う第6側面の判定システムにおいて、前記第1検出部は、前記発電装置の出力に応じた第1信号を出力するように構成され、前記判定部は、前記第1信号に応じて、前記発電装置の異常を判定するように構成される。
第6側面の判定システムによれば、発電装置の出力に応じた第1信号によって判定部が発電装置の異常を好適に判定できる。
【0011】
本開示の第6側面に従う第7側面の判定システムにおいて、前記判定部は、前記車輪が回転している状態において前記第1検出部から前記第1信号が出力されない場合に、前記発電装置に異常が発生していると判定するように構成される。
第7側面の判定システムによれば、第1検出部から第1信号が出力されるか、されないかのいずれであるかによって、判定部が発電装置の異常の発生を好適に判定できる。
【0012】
本開示の第5側面から第7側面のいずれか1つに従う第8側面の判定システムにおいて、前記発電装置の異常は、前記第1検出部の異常を含む。
第8側面の判定システムによれば、第1検出部の異常を判定できる。
【0013】
本開示の第1側面から第8側面のいずれか1つに従う第9側面の判定システムにおいて、前記発電装置は、第1部材、および、第2部材を含み、前記第1部材は、コイルおよび磁石の一方であり、前記第2部材は、前記コイルおよび前記磁石の他方である。
第9側面の判定システムによれば、コイルおよび磁石によって発電する発電装置の異常を好適に判定できる。
【0014】
本開示の第9側面に従う第10側面の判定システムにおいて、前記発電装置の異常は、前記コイルおよび前記磁石の少なくとも1つの異常を含む。
第10側面の判定システムによれば、コイルおよび磁石の少なくとも1つの異常を判定できる。
【0015】
本開示の第9側面または第10側面に従う第11側面の判定システムにおいて、前記車輪を回転可能に支持する車軸をさらに備え、前記第1部材は、前記車軸に設けられ、前記第2部材は、前記車輪とともに回転するように構成される。
第11側面の判定システムによれば、車輪とともに回転する第2部材を含む発電装置の異常を好適に判定できる。
【0016】
本開示の第11側面に従う第12側面の判定システムにおいて、前記人力駆動車に搭載される第1検出部をさらに備え、前記第1検出部は、前記発電装置の出力に応じた第1信号を出力するように構成され、前記第1信号は、前記第1部材に対する前記第2部材の回転状態に応じた信号である。
第12側面の判定システムによれば、第1部材に対する第2部材の回転状態に応じて、発電装置の異常を好適に判定できる。
【0017】
本開示の第11側面または第12側面に従う第13側面の判定システムにおいて、前記車軸は、ハブ軸を含み、前記発電装置は、前記ハブ軸と、前記ハブ軸に回転可能に支持されるハブシェルと、を含み、前記第1部材は、前記ハブ軸に設けられ、前記第2部材は、前記ハブシェルに設けられる。
第13側面の判定システムによれば、ハブシェルに設けられる第2部材を含む発電装置の異常を好適に判定できる。
【0018】
本開示の第11側面から第13側面のいずれか1つに従う第14側面の判定システムにおいて、前記車軸に回転可能に設けられ、少なくとも1つのスプロケットを支持するように構成されるスプロケット支持体と、前記車軸に対する前記スプロケット支持体の回転状態に応じた第2信号を出力するように構成される第2検出部と、をさらに備え、前記判定部は、前記車輪が回転している状態における前記第2信号に応じて、前記スプロケット支持体の異常を判定するように構成される。
第14側面の判定システムによれば、車軸に対するスプロケット支持体の回転状態に応じてスプロケット支持体の異常を判定できる。
【0019】
本開示の第14側面に従う第15側面の判定システムにおいて、前記人力駆動車に搭載される第1検出部をさらに備え、前記第1検出部は、前記発電装置の出力に応じた第1信号を出力するように構成され、前記判定部は、前記車輪が回転している状態において、前記第1信号および前記第2信号の少なくとも1つが出力されない場合、前記人力駆動車の異常を判定するように構成される。
第15側面の判定システムによれば、発電装置の異常、および、スプロケット支持体の異常の少なくとも1つが発生している場合を、人力駆動車の異常と判定できる。
【0020】
本開示の第16側面に従う判定システムは、人力駆動車用の判定システムであって、前記人力駆動車のクランク軸が回転することによって発電するように構成される発電装置と、前記クランク軸が回転している状態において、前記発電装置の異常を判定するように構成される判定部と、を備える。
第16側面の判定システムによれば、クランク軸が回転している状態において発電装置の異常を判定するため、発電装置の異常を好適に判定できる。
【0021】
本開示の第17側面に従う判定方法は、人力駆動車の車輪が回転することによって発電するように構成される発電装置の異常を判定する判定方法であって、前記車輪を回転させるステップと、前記発電装置の回転を検出するステップと、前記発電装置の異常を判定するステップであって、前記発電装置の回転が検出される場合には正常と判定し、前記発電装置の回転が検出されない場合には異常と判定するステップと、を含む。
第17側面の判定方法によれば、車輪が回転している状態において発電装置の異常を判定するため、発電装置の異常を好適に判定できる。また、第17側面の判定方法によれば、発電装置の回転が検出されるか、されないかのいずれであるかによって、発電装置の異常を好適に判定できる。
【0022】
本開示の第18側面に従う判定方法は、人力駆動車のハブ軸に回転可能に支持されるハブシェルが回転することによって発電するように構成される発電装置の異常、および、前記ハブ軸に回転可能に支持され、少なくとも1つのスプロケットを支持するように構成されるスプロケット支持体の異常を判定する判定方法であって、前記ハブシェルを回転させるステップと、前記発電装置の回転を検出するステップと、前記スプロケット支持体の回転を検出するステップと、前記発電装置の異常、および、前記スプロケット支持体の異常を判定するステップであって、前記発電装置の回転および前記スプロケット支持体の回転が検出される場合には正常と判定し、前記発電装置の回転および前記スプロケット支持体の回転の少なくとも1つが検出されない場合には異常と判定するステップと、を含む。
第18側面の判定方法によれば、ハブシェルが回転している状態において発電装置の異常およびスプロケット支持体の異常を判定するため、発電装置の異常およびスプロケット支持体の異常を好適に判定できる。また、第18側面の判定方法によれば、発電装置およびスプロケット支持体の回転の少なくとも1つが検出されない場合には、異常と判定するため、ハブに関連する異常を好適に判定できる。
【発明の効果】
【0023】
本開示の人力駆動車用の判定システム、および、人力駆動車用の判定方法は、発電装置の異常を好適に判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】第1実施形態の人力駆動車用の判定システムによって異常が判定される発電装置を含む人力駆動車の側面図である。
【
図3】第1実施形態の人力駆動車用の判定システムの構成を示すブロック図である。
【
図4】
図3の判定部によって実行される発電装置の異常を判定する処理を示すフローチャートである。
【
図5】第2実施形態の判定部によって実行される発電装置の異常を判定する処理を示すフローチャートである。
【
図6】第1変更例の判定部によって実行される発電装置の異常を判定する処理を示すフローチャートの一部である。
【
図7】第2変更例の判定部によって実行される発電装置の異常を判定する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<第1実施形態>
図1から
図4を参照して、第1実施形態の人力駆動車用の判定システム50、および、人力駆動車用の判定方法を説明する。
【0026】
人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車10が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車10は、例えば1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車10は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車10は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク(E-bike)を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を、自転車として説明する。
【0027】
<人力駆動車>
図1に示されるように、人力駆動車10は、例えば、フレーム12と、車輪14と、を含む。車輪14は、フレーム12に回転可能に取り付けられる。車輪14は、例えば、後輪14Aを含む。後輪14Aは、例えば、駆動輪である。人力駆動車10は、例えば、前輪14Bを含む。人力駆動車10は、クランク16と、クランク軸18と、を含む。クランク16は、人力駆動力が入力されることによって回転する。クランク16は、例えば、クランク軸18の両端部に接続される一対のクランクアーム16Aと、一対のクランクアーム16Aのそれぞれに設けられるペダル16Bと、を含む。クランク16は、ペダル16Bからライダの人力駆動力が入力される。ペダル16Bに入力されたライダの人力駆動力は、クランクアーム16Aを介してクランク軸18に伝達される。クランク軸18は、クランクアーム16Aと一体に回転するようにクランクアーム16Aに取り付けられる。クランク軸18は、クランク16から伝達された人力駆動力を第1回転体20に出力する。
【0028】
人力駆動車10は、例えば、第1回転体20と、連結部材22と、第2回転体24と、を含む。第1回転体20は、クランク軸18から人力駆動力が入力される。第1回転体20は、人力駆動力によってクランク軸18と一体に回転するように構成される。連結部材22は、第1回転体20と第2回転体24とを連結するように構成される。連結部材22は、第1回転体20から第2回転体24へ人力駆動力を伝達する。第2回転体24は、後輪14Aに人力駆動力を出力するように構成される。クランク16、クランク軸18、第1回転体20、連結部材22、第2回転体24、および、後輪14Aは、人力駆動力の伝達経路を構成する。
【0029】
本実施形態では、第1回転体20は少なくとも1つのフロントスプロケットを含み、連結部材22はチェーンを含み、第2回転体24は少なくとも1つのリアスプロケットを含む。第1回転体20は少なくとも1つのプーリを含み、連結部材22がベルトを含み、第2回転体24は少なくとも1つのプーリを含んでもよい。本実施形態では、連結部材22は、チェーン22Aを含む。本実施形態では、第2回転体24は、それぞれの歯数が異なる複数のスプロケット24Aを含む。
【0030】
人力駆動車10は、例えば、変速装置26を含む。変速装置26は、クランク16の回転速度に対する車輪14の回転速度の比率を変更する変速動作を行うように構成される。クランク16の回転速度に対する車輪14の回転速度の比率は、例えば、人力駆動車10の変速比を含む。クランク16の回転速度に対する車輪14の回転速度の比率と、車輪14の回転速度と、クランク16の回転速度との関係は、式(1)によって表される。式(1)において、Rは、クランク16の回転速度に対する車輪14の回転速度の比率を示す。式(1)において、Wは、車輪14の回転速度を示す。式(1)において、Cは、クランク16の回転速度を示す。
式(1):R=W(rpm)/C(rpm)
【0031】
変速装置26は、例えば、電動変速装置を含む。変速装置26は、変速機と、変速機を駆動するように構成される電動アクチュエータと、を含む。変速装置26は、例えば、フロントディレーラ、リアディレーラ、および、内装変速機の少なくとも1つを含む。本実施形態の変速装置26は、リアディレーラを含む。本実施形態の変速装置26は、チェーン22Aが掛けられるスプロケット24Aを、歯数の異なるスプロケット24Aに変更することによって変速動作を行う。
【0032】
<ハブアセンブリ>
図1および
図2に示されるように、人力駆動車10は、ハブアセンブリ28を含む。人力駆動車10は、車輪14を回転可能に支持する車軸56をさらに備える。ハブアセンブリ28は、車軸56のまわりに配置される。車軸56は、例えば、ハブ軸30を含む。ハブアセンブリ28は、第2回転体24の回転を後輪14Aに伝達するように構成される。ハブアセンブリ28は、例えば、ハブ軸30と、ハブ軸30に対して回転可能なハブシェル32と、を含む。ハブ軸30は、例えば、フレーム12のリアエンド12Aに取り付けられる。ハブシェル32は、例えば、ハブ軸30に回転可能に支持される。ハブシェル32には、スポーク14Xを介して後輪14Aが取り付けられる。
【0033】
ハブアセンブリ28は、例えば、キャップ部34と、スプロケット取付部36と、を含む。キャップ部34がハブシェル32に取り付けられることによって、ハブシェル32の内部に収容空間S1が形成される。キャップ部34は、ハブシェル32と一体回転するように構成される。キャップ部34は、第1キャップ部分34Aと、第2キャップ部分34Bと、を含む。第1キャップ部分34Aは、ハブシェル32の内周面に取り付けられる。第2キャップ部分34Bは、スプロケット取付部36の内周側に配置される。第2キャップ部分34Bは、例えば、ハブ軸30の中心軸心C1に沿う方向において、第1キャップ部分34Aに対してハブシェル32とは反対側に位置する。第1キャップ部分34Aは、例えば、ハブ軸30の中心軸心C1に沿って延びる円筒形状を有する。
【0034】
スプロケット取付部36の外周部には、複数の第2回転体24が取り付けられる。スプロケット取付部36は、例えば、円筒形状を有する。スプロケット取付部36は、第2回転体24と一体回転するように構成される。スプロケット取付部36の外周部には、スプロケット24Aが取り付けられるスプロケット取付面36Aが形成される。スプロケット取付部36の内周部には、第2キャップ部分34Bが挿入される。
【0035】
<スプロケット支持体>
人力駆動車10は、例えば、スプロケット支持体72を含む。スプロケット支持体72は、例えば、車軸56に回転可能に設けられ、少なくとも1つのスプロケット24Aを支持するように構成される。スプロケット支持体72は、例えば、ハブ軸30に回転可能に支持される。スプロケット支持体72は、例えば、少なくとも1つのスプロケット24Aを支持するように構成される。スプロケット支持体72は、例えば、スプロケット24Aが前転する場合に、スプロケット24Aと一体にハブ軸30まわりに回転するように構成される。前転は駆動方向の回転である。前転方向は、人力駆動車10が前進する場合の回転方向と対応する。スプロケット支持体72は、スプロケット取付部36、ワンウェイクラッチ38、キャップ部34、支持部材40X、および、第1軸受40の外輪40Aの少なくとも1つを含む。本実施形態では、スプロケット支持体72は、スプロケット取付部36、ワンウェイクラッチ38、キャップ部34、支持部材40X、および、第1軸受40の全てを含む。
【0036】
<ワンウェイクラッチ>
ハブアセンブリ28は、例えば、ワンウェイクラッチ38を含む。ワンウェイクラッチ38は、第2回転体24の前転方向の回転トルクを後輪14Aに伝達する。第2回転体24の前転方向の回転トルクを駆動トルクとよぶ。ワンウェイクラッチ38は、第2回転体24に対する前転方向の後輪14Aの回転トルクを第2回転体24に伝達しないように構成される。ワンウェイクラッチ38は、駆動トルクの伝達経路において、スプロケット取付部36とキャップ部34との間に配置される。ワンウェイクラッチ38は、ハブ軸30に関する径方向においてスプロケット取付部36と第2キャップ部分34Bとの間に配置される。ワンウェイクラッチ38は、例えば、ローラクラッチ、スプラグクラッチ、および、ラチェットクラッチの少なくとも1つを含む。
【0037】
ワンウェイクラッチ38は、例えば、第1ワンウェイクラッチ部38Aと、第2ワンウェイクラッチ部38Bと、を含む。第1ワンウェイクラッチ部38Aは、例えば、スプロケット取付部36と一体回転する。第1ワンウェイクラッチ部38Aは、例えば、スプロケット取付部36の内周面に形成される。第2ワンウェイクラッチ部38Bは、キャップ部34と一体回転する。第2ワンウェイクラッチ部38Bは、例えば、第2キャップ部分34Bの外周面に形成される。ワンウェイクラッチ38は、例えば、係合部と、係合部係合される被係合部と、を含む。係合部は、例えば、爪部材または転動体を含む。被係合部は、例えば、係合部の爪部材または転動体が係合する溝部を含む。係合部は第1ワンウェイクラッチ部38Aおよび第2ワンウェイクラッチ部38Bの一方に設けられる。被係合部は第1ワンウェイクラッチ部38Aおよび第2ワンウェイクラッチ部38Bの他方に設けられる。
【0038】
ハブアセンブリ28は、例えば、第1軸受40と、支持部材40Xと、複数の追加軸受40Yと、を含む。第1軸受40は、例えば、キャップ部34がハブ軸30に対して回転可能なように、キャップ部34を支持する。複数の追加軸受40Yは、スプロケット取付部36がキャップ部34に対して回転可能なように、スプロケット取付部36を支持する。第1軸受40は、例えば、支持部材40Xとハブ軸30との間に配置される。第1軸受40は、例えば、支持部材40Xおよびキャップ部34を介して、ハブシェル32を回転可能に支持する。第1軸受40は、例えば、複数の第1軸受40を含む。第1軸受40は、1つの第1軸受40であってもよい。
【0039】
支持部材40Xは、例えば、第1軸受40とスプロケット取付部36との間に配置される。支持部材40Xは、例えば、第2キャップ部分34Bと一体回転するように構成される。複数の追加軸受40Yの1つは、例えば、スプロケット取付部36と支持部材40Xとの間に配置される。複数の追加軸受40Yの1つは、例えば、スプロケット取付部36と第2キャップ部分34Bとの間に配置される。追加軸受40Yは、例えば、玉軸受である。複数の追加軸受40Yの内輪は、支持部材40Xと第2キャップ部分34Bとの各々の外周側に形成される。複数の追加軸受40Yの外輪は、スプロケット取付部36の内周側に形成される。
【0040】
第1軸受40は、例えば、外輪40A、内輪40B、および、回転体40Cを含む。外輪40Aは、支持部材40Xの内周面に取り付けられる。内輪40Bは、ハブ軸30の外周面に取り付けられる。回転体40Cは、外輪40Aが内輪40Bに対して回転可能なように外輪40Aと内輪40Bとの間に設けられる。回転体40Cは、球であってもよく、ローラであってもよい。第1軸受40は、玉軸受であってもよく、ローラ軸受であってもよい。
【0041】
ハブアセンブリ28は、ハブシェル32をハブ軸30に対して回転可能に支持する第2軸受42を含む。第2軸受42は、ハブシェル32とハブ軸30との間に配置される。第2軸受42は、玉軸受であってもよく、ローラ軸受であってもよい。
【0042】
<電気部品>
図2および
図3に示されるように、人力駆動車10は、人力駆動車10に搭載される電気部品44を含む。電気部品44は、例えば、人力駆動車10が備える部品の少なくとも一部である。
【0043】
本実施形態では、電気部品44は、ハブアセンブリ28に含まれる。電気部品44は、ハブアセンブリ28の一部であってもよく、ハブアセンブリ28であってもよい。電気部品44がハブアセンブリ28の一部である場合、電気部品44の少なくとも一部は、例えば、収容空間S1に配置される。本実施形態では、電気部品44の全体が収容空間S1に配置される。電気部品44は、例えば、ハブ軸30のまわりに設けられる。電気部品44の一部は、収容空間S1の外部に配置されてもよく、電気部品44の全体が収容空間S1の外部に配置されてもよい。電気部品44は、ハブアセンブリ28に含まれなくてもよい。電気部品44がハブアセンブリ28に含まれない場合、電気部品44は、例えば、ハブアセンブリ28とは異なる人力駆動車用の部品である。
【0044】
電気部品44は、例えば、第1制御部46を含む。電気部品44は、例えば、第1記憶部48を含む。電気部品44は、例えば、第1制御部46および第1記憶部48が設けられる電気基板44Aを含む。第1制御部46は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。第1制御部46は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。第1制御部46は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。
【0045】
第1記憶部48には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。第1記憶部48は、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。電気基板44Aは、ハブ軸30に設けられる。電気基板44Aは、中心軸心C1に沿う方向に延びるように収容空間S1に配置される。電気基板44Aは、中心軸心C1に関する径方向に延びるように収容空間S1に配置されてもよい。
【0046】
<発電装置>
図1および
図2に示されるように、人力駆動車10は、発電装置52を含む。発電装置52は、例えば、電気部品44に含まれる。発電装置52は、例えば、ハブアセンブリ28の収容空間S1に配置される。発電装置52は、人力駆動車10の車輪14が回転することによって発電するように構成される。発電装置52は、人力駆動車10のハブ軸30に回転可能に支持されるハブシェル32が回転することによって発電するように構成される。発電装置52は、例えば、ハブダイナモを含む。発電装置52は、例えば、クローポール型のダイナモを含む。
【0047】
発電装置52は、例えば、ハブ軸30と、ハブシェル32と、を含む。発電装置52は、例えば、第1部材58、および、第2部材60を含む。第1部材58は、例えば、車軸56に設けられる。第1部材58は、例えば、ハブ軸30に設けられる。第2部材60は、例えば、車輪14とともに回転するように構成される。第2部材60は、例えば、ハブシェル32に設けられる。第2部材60は、中心軸心C1に関する径方向において第1部材58と対向するように配置される。第2部材60は、車輪14とともに回転することによって、第1部材58に対して中心軸心C1まわりに相対回転可能に構成される。
【0048】
第1部材58は、例えば、コイル62および磁石64の一方であり、第2部材60は、コイル62および磁石64の他方である。本実施形態では、第1部材58は、コイル62であり、第2部材60は、磁石64である。コイル62は、例えば、ハブ軸30に設けられる。コイル62は、例えば、ハブ軸30のまわりに配置されるヨーク62Aと、ヨーク62Aを介してハブ軸30に巻回される巻線62Bと、を含む。磁石64は、例えば、ハブシェル32の内周面に、バックヨーク64Aを介して取り付けられる。ハブシェル32がハブ軸30に対して中心軸心C1まわりに回転することによって、磁石64がコイル62のまわりを回転する。発電装置52は、磁石64がコイル62と相対回転することによって発電する。
【0049】
発電装置52によって発電された電力は、例えば、第1制御部46に供給される。第1制御部46は、例えば、発電装置52によって発電された電力によって動作する。電気部品44は、発電装置52によって発電された電力を蓄電する蓄電部を含んでもよい。発電装置52によって発電された電力は、変速装置26に供給されてもよい。変速装置26が電動アクチュエータを含む場合、変速装置26は、発電装置52によって発電された電力によって、変速動作するように構成されてもよい。
【0050】
<第1検出部>
図2および
図3に示されるように、人力駆動車10は、人力駆動車10に搭載される第1検出部66を含む。第1検出部66は、例えば、ハブアセンブリ28に含まれる。第1検出部66は、例えば、電気部品44に含まれる。第1検出部66は、例えば、電気基板44Aに搭載される電子部品または電気回路である。
【0051】
第1検出部66は、例えば、発電装置52の出力に基づいて発電装置52の駆動状態を検出するように構成される。発電装置52の駆動状態は、例えば、第1部材58に対する第2部材60の回転状態を含む。第1部材58に対する第2部材60の回転状態は、例えば、第1部材58に対する第2部材60の回転速度、および、第1部材58に対する第2部材60の回転数の少なくとも1つを含む。第1部材58に対する第2部材60の回転状態は、発電装置52が発電した電流に基づいて求められる。第1検出部66は、例えば、発電装置52が発電した電流に基づいて発電装置52の駆動状態を検出する。発電装置52の駆動状態は、発電装置52の発電状態を含んでもよい。発電装置52の発電状態は、例えば発電装置52の発電の有無、および、発電装置52の発電量の少なくとも1つを含む。
【0052】
第1検出部66は、例えば、第2信号線70によって第1制御部46と電気的に接続される。第1検出部66は、例えば、発電装置52の出力に応じた第1信号を出力するように構成される。第1信号は、例えば、発電装置52の駆動状態に応じた信号である。第1信号は、例えば、第1部材58に対する第2部材60の回転状態に応じた信号である。第1信号は、発電装置52の発電状態に応じた信号であってもよい。
【0053】
第1検出部66は、例えば、発電装置52が出力する電流を検出する電流センサである。第1検出部66は、例えば、第1信号線68によって発電装置52と電気的に接続される。第1検出部66は、発電装置52が発電した際に出力する交流信号を検出するように構成される。第1検出部66は、発電装置52が出力した交流信号に応じた第1信号を生成する。第1信号は、例えば、発電装置52が出力した交流信号に応じたパルス信号である。第1検出部66は、生成した第1信号を第1制御部46に出力するように構成される。
【0054】
<第2検出部>
人力駆動車10は、人力駆動車10に搭載される第2検出部74を含む。第2検出部74は、例えば、ハブアセンブリ28に含まれる。第2検出部74は、例えば、電気部品44に含まれる。第2検出部74は、例えば、車軸56に対するスプロケット支持体72の回転状態に応じた第2信号を出力するように構成される。
【0055】
車軸56に対するスプロケット支持体72の回転状態は、例えば、車軸56に対するスプロケット支持体72の回転数、および、車軸56に対するスプロケット支持体72の回転速度の少なくとも1つを含む。車軸56に対するスプロケット支持体72の回転状態は、車軸56に対するスプロケット支持体72の回転角度を含んでもよい。
【0056】
第2検出部74は、例えば、スプロケット支持体72と一体回転する追加磁石74Aと、追加磁石74Aの磁気を検出する磁気センサ74Bと、を含む。追加磁石74Aは、中心軸心C1の周方向に並んで配置される複数の追加磁石74Aを含んでもよい。本実施形態では、追加磁石74Aは、スプロケット取付部36に取り付けられる。磁気センサ74Bは、例えば、中心軸心C1の軸方向において追加磁石74Aとは異なる位置に配置される。磁気センサ74Bは、例えば、追加磁石74Aの磁気を検出できるように電気基板44Aに設けられる。第2検出部74は、例えば、第3信号線76によって第1制御部46と電気的に接続される。
【0057】
スプロケット支持体72が車軸56のまわりを回転すると、磁気センサ74Bに対する追加磁石74Aの位置が変化する。第2検出部74は、磁気センサ74Bに対する追加磁石74Aの位置の変化に応じた磁気センサ74Bが検出する磁気の変化から車軸56に対するスプロケット支持体72の回転状態を検出する。第2検出部74は、例えば、磁気センサ74Bが検出した追加磁石74Aの磁気の変化に応じて第2信号を生成するように構成される。第2検出部74は、生成した第2信号を第1制御部46に出力するように構成される。第1制御部46は、第2検出部74から出力された第2信号に応じて、スプロケット支持体72の回転状態を取得するように構成される。
【0058】
第2検出部74は、光センサを含んでもよい。光センサは、例えば、光を射出する射出部と、射出部から射出された光を反射する反射部と、を含む。反射部は、例えば、中心軸心C1に関する周方向に間隔をあけて並んで配置される複数の反射領域を含む。反射部は、スプロケット支持体72の回転角度が所定角度である場合に、射出部から射出された光を反射するように、スプロケット支持体72に取り付けられる。第2検出部74は、例えば、射出部から射出された光が反射部によって反射される頻度に応じて、第2信号を生成するように構成される。
【0059】
<変速制御>
図3に示される第1制御部46は、例えば、
図1に示す変速装置26が変速動作するように変速装置26を制御するように構成されてもよい。変速装置26は、例えば、変速動作をさせるための電動アクチュエータを含む。第1制御部46は、変速操作装置からの変速信号が入力されるように構成され、かつ、入力された変速信号に応じて、変速装置26を制御するように構成されてもよい。第1制御部46は、第2回転体24の回転速度に応じて変速装置26を制御するように構成されてもよい。変速操作装置は、例えば、ライダの操作に応じて、変速動作を変速装置26に指示する変速信号を変速装置26に出力する。
【0060】
第1制御部46は、第1信号および第2信号に応じて、変速装置26に変速動作させるように
図1に示す変速装置26を制御するように構成されてもよい。第1制御部46は、例えば、第1信号から発電装置52の駆動状態を判定するように構成される。第1制御部46は、発電装置52の駆動状態から発電装置52が発電していると判定した場合に、変速操作装置から入力された変速信号に応じて、
図1に示す変速装置26を制御するように構成されてもよい。第1制御部46は、例えば、第2信号からスプロケット支持体72の回転状態を判定するように構成される。第1制御部46は、変速操作装置から入力された変速信号に応じて
図1に示す変速装置26を制御する場合に、スプロケット支持体72の回転状態に応じて変速装置26が変速動作を開始するように
図1に示す変速装置26を制御するように構成されてもよい。
【0061】
<判定システム>
図3に示される判定システム50は、少なくとも発電装置52の異常を判定するためのシステムである。判定システム50は、電気部品44の異常を判定するためのシステムであってもよい。判定システム50は、ハブアセンブリ28の異常を判定するためのシステムであってもよい。本実施形態の判定システム50は、ハブアセンブリ28の異常を判定するためのシステムである。
【0062】
判定システム50は、例えば、ハブアセンブリ28の少なくとも一部を備える。判定システム50は、発電装置52と、判定部54と、を備える。判定システム50は、例えば、車軸56をさらに備える。判定システム50は、例えば、第1検出部66をさらに備える。判定システム50は、例えば、スプロケット支持体72と、第2検出部74と、をさらに備える。
【0063】
判定システム50は、第1制御部46を含んでもよい。第1制御部46は、例えば、回転情報をハブアセンブリ28の外部に出力するように構成されてもよい。回転情報は、例えば、第1信号に関する情報、および、第2信号に関する情報の少なくとも1つを含む。第1信号に関する情報は、例えば、第1信号が出力されているか否かの情報を含む。第1信号に関する情報は、第1信号、または、第1信号によって演算された情報であってもよい。例えば、第1信号によって演算された情報は、発電装置52の発電量を含んでもよい。第2信号に関する情報は、第2信号が出力されているか否かの情報を含む。第2信号に関する情報は、第2信号、または、第2信号によって演算された情報であってもよい。第2信号によって演算された情報は、スプロケット支持体72の回転速度を含んでもよい。回転情報は、例えば、第1信号が出力されているか否かの情報、および、第2信号が出力されているか否かの両方の情報を含む。第1制御部46は、電気部品44に設けられるコネクタ44Bを介して回転情報を電気部品44の外部に出力するように構成されてもよい。
【0064】
<外部装置>
図3に示されるように、判定システム50は、例えば、外部装置80をさらに備える。外部装置80は、例えば、有線および無線の少なくとも1つによって電気部品44に接続されるように構成される。本実施形態の外部装置80は、有線によって電気部品44と電気的に接続される。
【0065】
外部装置80は、人力駆動車10とは別に設けられる。外部装置80は、例えば、外部端末を含む。外部端末は、例えば、サイクルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、および、タブレット型コンピュータの少なくとも1つを含む。外部装置80は、外部端末に代えてまたは加えて、1または複数のサーバを含んでもよい。
【0066】
外部装置80は、例えば、第2制御部82と、第2記憶部84と、を含む。第2制御部82は、例えば、外部装置80を制御するように構成される。第2制御部82は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。第2制御部82は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。第2記憶部84には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。第2記憶部84は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAMを含む。
【0067】
外部装置80は、例えば、電気部品44と通信するように構成される。第2制御部82は、例えば、電気部品44の第1制御部46と通信するように構成される。第2制御部82は、例えば、第1制御部46から回転情報を入力するように構成される。第2制御部82は、例えば、回転情報を入力することによって、第1信号および第2信号を取得できる。第2制御部82は、第1制御部46に回転情報を出力させるための指令を第1制御部46に送信するように構成されてもよい。
【0068】
外部装置80は、例えば、報知部86を含む。報知部86は、例えば、ディスプレイを含む。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイを含む。ディスプレイは、セグメントディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイを含んでいてもよい。第2制御部82は、例えば、人力駆動車10に関する報知情報をディスプレイに表示することによって、人力駆動車10の状態を人力駆動車10のユーザに報知するように構成される。報知情報は、例えば、グラフ、数値、ゲージ、文字、および、光の少なくとも1つによって表示される。人力駆動車10のユーザは、例えば、人力駆動車10のライダ、人力駆動車10を組み立てる作業者、および、人力駆動車10のメンテナンスを行う作業者等を含む。
【0069】
報知部86は、スピーカを含んでいてもよい。報知部86がスピーカを含む場合、第2制御部82は、例えば、報知情報に応じた報知音をスピーカから発生させるように報知部86を制御することによって、人力駆動車10の状態を人力駆動車10のユーザに報知するように構成される。報知音は、例えば、音声、メロディ、および、ビープ音等を含む。
【0070】
外部装置80は、例えば、有線によって電気部品44と接続され、電気部品44に電力を供給するように構成される。電気部品44は、例えば、外部装置80から供給される電力によって動作可能に構成される。外部装置80は、例えば、電源部88を含む。電源部88は、1または複数のバッテリセルを含む。電源部88は、交流電源であってもよい。電源部88は、外部装置80の外部に配置されてもよい。外部装置80の外部に配置される電源部88が電気部品44に電力を供給するように構成されてもよい。外部装置80の外部に配置される電源部88が外部装置80に電力を供給するように構成されてもよい。バッテリセルは、充電池を含む。電源部88の電力は、有線を介して電気部品44に供給される。外部装置80の電源部88から電力が供給されるため、電気部品44は、発電装置52が発電していない場合でも電気的に動作できる。
【0071】
<接続装置>
図3に示されるように、判定システム50は、例えば、接続装置90を備える。接続装置90は、例えば、通信信号の変換器である。外部装置80は、例えば、接続装置90を介して電気部品44と接続される。接続装置90は、第1電気ケーブル92によって電気部品44と接続される。接続装置90は、第2電気ケーブル94によって外部装置80と接続される。第1電気ケーブル92は、電気部品44のコネクタ44Bと、接続装置90のコネクタ90Aと、を電気的に接続する。第2電気ケーブル94は、外部装置80のコネクタ80Aと、接続装置90のコネクタ90Bと、を電気的に接続する。
【0072】
接続装置90は、電気部品44と第1通信規格によって通信するように構成される。接続装置90は、外部装置80と第2通信規格によって通信するように構成される。第1通信規格は、例えば、電力線搬送通信(PLC;power line communication)、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)である。第2通信規格は、例えば、第1通信規格とは異なる通信規格である。第2通信規格は、例えば、USB(Universal Serial Bus)と対応する通信規格である。第2通信規格は、PLC、CAN、または、UARTであってもよい。接続装置90は、例えば、電気部品44から出力される第1通信規格に対応する信号を、第2通信規格に対応する信号に変換した後に、変換した信号を外部装置80に出力する。接続装置90は、例えば、外部装置80から出力される第2通信規格に対応する信号を、第1通信規格に対応する信号に変換した後に、変換した信号を電気部品44に出力する。
【0073】
第1電気ケーブル92は、例えば、電気部品44に電力を出力するための第1電力ケーブルと、電気部品44と接続装置90との通信を行うための第1通信ケーブルと、を含む。第1通信規格がPLCである場合、第1電力ケーブルと第1通信ケーブルとが一体に構成されてもよい。第2電気ケーブル94は、例えば、外部装置80から電力の出力を行うための第2電力ケーブルと、外部装置80と接続装置90との通信を行うための第2通信ケーブルと、を含む。第2通信規格がPLCである場合、第2電力ケーブルと第2通信ケーブルとが一体に構成されてもよい。電気部品44と外部装置80とが無線によって接続される場合、接続装置90は省略されてもよい。接続装置90は、外部装置80に備えられてもよい。接続装置90は、人力駆動車10に備えられてもよい。
【0074】
<判定部>
図1から
図3を参照して、判定部54について説明する。判定部54は、例えば、外部装置80に含まれる。判定部54は、第2制御部82に含まれてもよい。外部装置80は、例えば、人力駆動車10の状態を判定するための人力駆動車用の判定方法を実行するために、第2制御部82の演算処理装置によって実行されるソフトウェアを含んでもよい。ソフトウェアを実行するためのプログラムは、例えば、第2記憶部84に記憶される。ソフトウェアは、第2制御部82によって実行される。ソフトウェアは、判定部54によって実行されてもよい。判定部54は、人力駆動車10の状態を判定するように構成される。判定部54は、例えば、人力駆動車10の状態が正常および異常のいずれかであるかを判定する。
【0075】
判定部54は、例えば、車輪14が回転している状態において、人力駆動車10の異常を判定するように構成される。車輪14が回転している状態は、例えば、後輪14Aが前転方向に回転している状態を含む。車輪14が回転している状態は、例えば、ハブシェル32が車軸56に対して回転している状態を含む。車輪14が回転している状態は、例えば、クランク16に人力駆動力が入力されることによって車輪14が回転している状態を含んでもよい。車輪14が回転している状態は、例えば、後輪14Aがユーザによって回転させられることによって車輪14が回転している状態を含んでもよい。車輪14が回転している状態は、例えば、人力駆動力の伝達経路のうちのクランク16または後輪14A以外の部材がユーザによって動かされることによって車輪14が回転している状態を含んでもよい。
【0076】
判定部54は、例えば、第1信号および第2信号の少なくとも1つに応じて人力駆動車10の異常を判定するように構成される。人力駆動車10の異常は、例えば、電気部品44の異常を含む。電気部品44の異常は、例えば、発電装置52の異常、および、スプロケット支持体72の異常の少なくとも1つを含む。判定部54は、例えば、車輪14が回転している状態において、第1信号および第2信号の少なくとも1つが出力されない場合、人力駆動車10の異常を判定するように構成される。判定部54は、例えば、車輪14が回転している状態において、第1信号および第2信号の少なくとも1つが出力されない場合、電気部品44の異常を判定するように構成される。判定部54は、例えば、回転情報に含まれる、第1信号および第2信号の少なくとも1つの出力の有無に関する情報に応じて、電気部品44の異常を判定するように構成される。
【0077】
判定部54は、例えば、車輪14が回転している状態において、発電装置52の異常を判定するように構成される。判定部54は、例えば、第1信号に応じて、発電装置52の異常を判定するように構成される。判定部54は、例えば、車輪14が回転している状態において第1検出部66から第1信号が出力されない場合に、発電装置52に異常が発生していると判定するように構成される。判定部54は、車輪14が回転している状態において第1検出部66から第1信号が出力される場合に、発電装置52に異常が発生していないと判定するように構成されてもよい。
【0078】
発電装置52の異常は、例えば、コイル62および磁石64の少なくとも1つの異常を含む。コイル62の異常は、例えば、コイル62のうちの巻線62Bの断線を含んでもよい。コイル62の異常は、例えば、コイル62に発生した電流を発電装置52外に出力するように巻線62Bに接続される引出線の断線を含んでもよい。磁石64の異常は、例えば、磁石64のバックヨーク64Aからの剥離、磁石64の減磁、および、磁石64の消磁の少なくとも1つを含んでもよい。
【0079】
発電装置52の異常は、例えば、第1検出部66の異常を含む。第1検出部66の異常は、例えば、発電装置52が発電していても第1検出部66が発電装置52の発電を検出できない場合を含むことができる。第1検出部66の異常は、例えば、第1検出部66が発電装置52の発電を検出できても第1信号を出力できない場合等を含むことができる。第1検出部66の異常は、第1検出部66自体の異常を含んでいてもよい。第1検出部66自体の異常は、例えば、第1検出部66を構成する部品の異常を含む。第1検出部66の異常は、電流センサの故障、短絡、および、断線等の異常を含んでもよい。第1検出部66の異常は、第1信号線68および第2信号線70の少なくとも1つの断線を含んでもよい。
【0080】
第1検出部66は、第1制御部46と通信可能な通信部を含んでもよい。第1検出部66が通信部を含む場合、第2制御部82は、第1制御部46を介して第1検出部66と通信するように構成されてもよい。判定部54は、車輪14が回転している状態において第1検出部66から第1信号が出力されない場合、第1検出部66との通信が可能および不可能のいずれかを判定する。判定部54は、この判定によって、発電装置52の異常の内容を判定するように構成されてもよい。判定部54は、車輪14が回転している状態において第1検出部66から第1信号が出力されない場合に、第1検出部66との通信が可能であれば、コイル62および磁石64の少なくとも1つの異常が発生していると判定してもよい。判定部54は、車輪14が回転している状態において第1検出部66から第1信号が出力されない場合に、第1検出部66との通信が不可能であれば、少なくとも第1検出部66に異常が発生していると判定してもよい。
【0081】
判定部54は、例えば、車輪14が回転している状態において、スプロケット支持体72の異常を判定するように構成される。判定部54は、例えば、車輪14が回転している状態における第2信号に応じて、スプロケット支持体72の異常を判定するように構成される。判定部54は、例えば、車輪14が回転している状態において第2検出部74から第2信号が出力されない場合に、スプロケット支持体72に異常が発生していると判定するように構成される。
【0082】
スプロケット支持体72の異常は、例えば、第2検出部74の異常を含む。第2検出部74の異常は、例えば、スプロケット支持体72が回転していてもスプロケット支持体72の回転を検出できない場合を含むことができる。第2検出部74の異常は、例えば、スプロケット支持体72の回転を検出できても第2信号を出力できない場合等を含むことができる。第2検出部74が磁気センサ74Bを含む場合、第2検出部74の異常は、追加磁石74Aの剥離および磁気センサ74Bの検出不良等の追加磁石74Aおよび磁気センサ74Bの少なくとも1つの異常を含む。第2検出部74の異常は、第3信号線76の断線を含んでもよい。
【0083】
スプロケット支持体72の異常は、スプロケット支持体72の回転異常を含んでもよい。スプロケット支持体72の回転異常は、ワンウェイクラッチ38の異常を含む。スプロケット支持体72の回転異常の一例としては、ユーザが後輪14Aに駆動力を入力することによって後輪14Aが前転している状態において、スプロケット支持体72が前転する場合が挙げられる。
【0084】
判定部54は、例えば、所定期間内における第1信号および第2信号に応じて、人力駆動車10の異常を判定するように構成される。判定システム50は、例えば、報知部86によって、人力駆動車10のユーザに対して車輪14の回転を指示するように構成される。所定期間は、例えば、判定システム50がユーザに対して車輪14の回転を指示してから、実際に車輪14が回転を始めた後に、車輪14の回転に応じて第1検出部66が第1信号を出力できる程度の期間に設定される。所定期間は、例えば、判定システム50がユーザに対して車輪14の回転を指示してから、実際に車輪14が回転を始めた後に、車輪14の回転に応じて第2検出部74が第2信号を出力できる程度の期間に設定される。所定期間は、例えば、20秒以上、かつ、30秒以下の期間が設定される。
【0085】
<判定方法>
図1から
図3を参照して、判定システム50による人力駆動車用の判定方法について説明する。判定方法は、発電装置52の異常を判定する方法である。判定方法は、車輪14を回転させるステップと、発電装置52の回転を検出するステップと、発電装置52の異常を判定するステップと、を含む。判定部54は、車輪14を回転させるステップにおいて、例えば、第2制御部82がユーザに対して車輪14の回転を指示するように、報知部86に報知させるように構成される。判定部54は、発電装置52の回転を検出するステップにおいて、例えば、第1制御部46から第2制御部82に回転情報を出力させるように構成される。判定部54は、発電装置52の回転を検出するステップにおいて、例えば、第2制御部82が、回転情報を出力させるための指令を第1制御部46に送信するように構成される。
【0086】
判定部54は、発電装置52の異常を判定するステップにおいて、例えば、回転情報のうちの第1信号に関する情報に応じて、発電装置52の異常を判定するように構成される。判定部54は、発電装置52の異常を判定するステップにおいて、発電装置52の回転が検出される場合には正常と判定し、発電装置52の回転が検出されない場合には異常と判定する。
【0087】
判定方法は、判定結果を報知するステップをさらに含んでもよい。判定部54は、判定結果を報知するステップにおいて、発電装置52の異常を判定するステップにおいて正常と判定した場合に、ユーザに対して発電装置52が正常であることを報知部86に報知させるように構成されてもよい。判定部54は、判定結果を報知するステップにおいて、発電装置52の異常を判定するステップにおいて異常と判定した場合に、ユーザに対して発電装置52に異常が発生していることを報知部86に報知させるように構成されてもよい。
【0088】
判定方法は、スプロケット支持体72の異常を判定する方法であってもよい。判定方法は、例えば、スプロケット支持体72の回転を検出するステップと、スプロケット支持体72の異常を判定するステップと、をさらに含んでもよい。判定部54は、スプロケット支持体72の回転を検出するステップにおいて、例えば、第1制御部46から第2制御部82に回転情報を出力させるように構成される。判定部54は、スプロケット支持体72の異常を判定するステップにおいて、例えば、回転情報のうちの第2信号に関する情報に応じて、スプロケット支持体72の異常を判定するように構成される。判定部54は、スプロケット支持体72の異常を判定するステップにおいて、例えば、スプロケット支持体72の回転が検出される場合には正常と判定し、かつ、スプロケット支持体72の回転が検出されない場合には異常と判定する。
【0089】
判定部54は、発電装置52の異常を判定するステップにおいて異常と判定した場合、および、スプロケット支持体72の異常を判定するステップにおいて異常と判定した場合の少なくとも1つの場合に、電気部品44に異常が発生していると報知部86に報知させるように構成されてもよい。判定部54は、発電装置52の異常を判定するステップにおいて異常と判定した場合、および、スプロケット支持体72の異常を判定するステップにおいて異常と判定した場合の少なくとも1つの場合に、ハブアセンブリ28に異常が発生していると報知部86に報知させるように構成されてもよい。
【0090】
図4を参照して、判定部54が発電装置52の異常を判定する処理が説明される。判定部54は、例えば人力駆動車10の異常を判定する場合に、処理を開始して
図4に示されるフローチャートのステップS11に移行する。
【0091】
本実施形態の判定方法は、例えば、人力駆動車10が停止した状態において行われる。本実施形態の判定方法は、人力駆動車10が停止し、かつ、後輪14Aの回転が可能なように人力駆動車10が設置された状態において行われる。ユーザは、判定方法が開始される前に、例えば、後輪14Aの回転が可能なスタンド等に人力駆動車10を設置する。
【0092】
判定部54は、ユーザによって人力駆動車10の異常を判定するように外部装置80が操作された場合に、処理を開始して
図4に示されるフローチャートのステップS11に移行してもよい。判定部54は、外部装置80が電気部品44と通信するように接続された場合に、処理を開始して
図4に示されるフローチャートのステップS11に移行してもよい。
【0093】
ステップS11において、判定部54は、車輪14の回転を指示して、ステップS12に移行する。判定部54は、例えば、ユーザに対して車輪14を回転するように報知部86に報知させることによって、ユーザに対して車輪14の回転を指示する。車輪14の回転に関しては、ユーザは車輪14を直接回転させてもよい。車輪14の回転に関しては、ユーザはクランク軸18を回転させることによって車輪14を回転させてもよい。
【0094】
ステップS12において、判定部54は、第1フラグおよび第2フラグをオフした後に、ステップS13に移行する。第1フラグのオンおよびオフに関する情報、ならびに、第2フラグのオンおよびオフに関する情報は、例えば、第2記憶部84に記憶される。ステップS13において、判定部54は、経過期間の計測を開始する。経過期間は、例えば、判定部54がユーザに対して車輪14の回転を指示してから経過した期間である。判定部54は、例えば、タイマを含む。第2制御部82は、ステップS13において、タイマによる計測を開始する。
【0095】
ステップS12以降において、判定部54は、例えば、回転情報の取得を繰り返す。判定部54は、例えば、回転情報を送信させるための指令を第1制御部46に送信する。回転情報を送信させるための指令は、例えば、第1制御部46から所定周期ごとに回転情報を送信させるための指令であってもよく、第1信号および第2信号の少なくとも1つが第1制御部46に入力されると、第1制御部46から回転情報を送信する指令であってもよい。
【0096】
ステップS14において、判定部54は、ハブシェル32の回転を検出したか否かを判定する。判定部54は、例えば、第1制御部46から出力される回転情報のうちの第1信号に関する情報に応じて、ハブシェル32の回転を検出する。判定部54は、例えば、発電装置52の駆動状態に応じてハブシェル32の回転を検出してもよい。判定部54は、例えば、発電装置52が発電している場合に、ハブシェル32の回転を検出したと判定してもよい。判定部54は、ステップS14においてハブシェル32の回転を検出したと判定した場合に、ステップS15に移行する。判定部54は、ステップS15において、第1フラグをオンにして、ステップS16に移行する。判定部54は、ステップS14においてハブシェル32の回転を検出していないと判定した場合に、ステップS16に移行する。
【0097】
ステップS16において、判定部54は、スプロケット支持体72の回転を検出したか否かを判定する。判定部54は、例えば、第1制御部46から出力される回転情報のうちの第2信号に関する情報に応じて、スプロケット支持体72の回転を検出する。判定部54は、例えば、スプロケット支持体72の回転状態に応じて、スプロケット支持体72の回転を検出してもよい。判定部54は、ステップS16においてスプロケット支持体72の回転を検出したと判定した場合に、ステップS17に移行する。判定部54は、ステップS17において、第2フラグをオンにして、ステップS18に移行する。判定部54は、ステップS16においてスプロケット支持体72の回転を検出していないと判定した場合に、ステップS18に移行する。
【0098】
ステップS18において、判定部54は、所定期間が経過したか否かを判定する。判定部54は、ステップS13からの経過期間が所定期間以上である場合に、所定期間が経過したと判定する。判定部54は、ステップS18において所定期間が経過したと判定した場合、ステップS19に移行する。判定部54は、ステップS18において所定期間が経過していないと判定した場合、ステップS14からの処理を繰り返す。
【0099】
ステップS18以降において、判定部54は、例えば、回転情報の取得を停止する。判定部54は、例えば、回転情報の送信を停止させるための指令を第1制御部46に送信する。回転情報を送信させるための指令に、回転情報の送信を継続する期間が含まれていてもよい。回転情報を送信させるための指令に、回転情報の送信を継続する期間が含まれている場合、第1制御部46は、例えば、ステップS12からの経過期間が回転情報の送信を継続する期間以上になると、回転情報の送信を停止する。
【0100】
ステップS19において、判定部54は、第1フラグがオン、かつ、第2フラグがオンか否かを判定する。判定部54は、ステップS19において、第1フラグがオンおよびオフのいずれか、および、第2フラグがオンおよびオフのいずれかに応じて、人力駆動車10の異常を判定する。判定部54は、ステップS19において、第1フラグがオン、かつ、第2フラグがオンである場合、正常と判定する。判定部54は、ステップS19において、第1フラグおよび第2フラグの少なくとも1つがオフの場合、異常と判定する。判定部54は、ステップS19において第1フラグがオン、かつ、第2フラグがオンの場合、ステップS20に移行する。ステップS20において、判定部54は、正常判定を報知して、
図4の処理を終了する。判定部54は、ステップS20においてユーザに対して発電装置52が正常であると報知部86に報知させる。
【0101】
判定部54は、ステップS19において第1フラグおよび第2フラグの少なくとも1つがオフと判定した場合、ステップS21に移行する。ステップS21において、判定部54は、異常判定を報知して、
図4の処理を終了する。判定部54は、ステップS21においてユーザに対して発電装置52が異常であると報知部86に報知させる。
【0102】
図4の処理が終了した後に、第1フラグおよび第2フラグがオフにされる構成であれば、ステップS12は、省略されてもよい。判定部54は、スプロケット支持体72の回転を検出した後に、ハブシェル32の回転を検出してもよい。この場合、例えば、判定部54は、ステップS14およびステップS15を、ステップS16およびステップS17の後に行う。ステップS21において、異常判定を報知部86に報知させる場合、判定部54は、異常の内容を報知部86に報知させてもよい。異常の内容は、例えば、発電装置52、および、スプロケット支持体72のいずれに異常が発生しているかである。
【0103】
電動コンポーネントが所定動作を行えないという人力駆動車10の異常が発生する場合がある。電動コンポーネント自体に異常が発生すると、電動コンポーネントが所定動作を行えない。発電装置52が電動コンポーネントに電力を供給する場合、発電装置52から電動コンポーネントへの給電に異常が発生すると、電動コンポーネントが所定動作を行えない。電動コンポーネントを動作させるための検出部に異常が生じると、電動コンポーネントが所定動作を行えない。電動コンポーネントは、例えば、変速装置26であり、かつ、所定動作は変速動作である。電動コンポーネントは、変速装置26以外であってもよい。変速装置26がスプロケット支持体72の回転状態に応じて変速動作を開始するように構成される場合では、変速装置26自体の異常、発電装置52から変速装置26への給電の異常、および、第2検出部74の異常のいずれかが発生すると、変速装置26が変速動作を行えない。発電装置52から変速装置26への給電が、蓄電部を介して行われている場合でも、発電装置52の異常によって、蓄電部の残量がなくなれば、変速装置26への給電がなされない。
【0104】
判定システム50は、発電装置52の異常を判定するため、電動コンポーネントが所定動作を行えない場合に、ユーザは、発電装置52が異常であるか否かを把握できる。判定方法は、ユーザに車輪14の回転を指示するステップを含むため、発電装置52が正常であれば発電する状態において、発電装置52の異常を好適に判定できる。
【0105】
<第2実施形態>
図1から
図3、および、
図5を参照して、第2実施形態の人力駆動車用の判定システム50、および、人力駆動車用の判定方法について説明する。第2実施形態の人力駆動車用の判定システム50、および、人力駆動車用の判定方法は、人力駆動車用の判定方法における処理が異なる点以外は第1実施形態の人力駆動車用の判定システム50、および、人力駆動車用の判定方法と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0106】
<判定方法>
図1から
図3を参照して、本実施形態の判定システム50による人力駆動車用の判定方法について説明する。本実施形態の判定方法は、発電装置52の異常、および、スプロケット支持体72の異常を判定する方法である。判定方法は、ハブシェル32を回転させるステップと、発電装置52の回転を検出するステップと、スプロケット支持体72の回転を検出するステップと、発電装置52の異常、および、スプロケット支持体72の異常を判定するステップと、を含む。
【0107】
判定部54は、ハブ軸30を回転させるステップにおいて、ユーザに対してハブシェル32を回転するように、報知部86に報知させるように構成される。判定部54は、例えば、人力駆動車10のユーザに対して車輪14を回転するように指示することによって、ユーザに対してハブシェル32を回転するように報知部86に報知させるように構成される。判定部54は、発電装置52の回転を検出するステップにおいて、第1制御部46から第2制御部82に回転情報を出力させるように構成される。判定部54は、発電装置52の回転を検出するステップにおいて、例えば、第2制御部82が、回転情報を出力させるための指令を第1制御部46に送信するように構成される。判定部54は、スプロケット支持体72の回転を検出するステップにおいて、第1制御部46から第2制御部82に回転情報を出力させるように構成される。発電装置52の回転を検出するステップ、および、スプロケット支持体72の回転を検出するステップは、いずれのステップが先に行われてもよく、同時に行われてもよい。
【0108】
判定部54は、発電装置52の異常、および、スプロケット支持体72の異常を判定するステップにおいて、発電装置52の異常、および、スプロケット支持体72の異常を判定するように構成される。判定部54は、発電装置52の異常、および、スプロケット支持体72の異常を判定するステップにおいて、発電装置52の回転およびスプロケット支持体72の回転が検出される場合には正常と判定し、発電装置52の回転およびスプロケット支持体72の回転の少なくとも1つが検出されない場合には異常と判定する。判定部54は、発電装置52の異常、および、スプロケット支持体72の異常を判定するステップにおいて、回転情報のうちの第1信号に関する情報に応じて、発電装置52の異常を判定し、かつ、回転情報のうちの第2信号に関する情報に応じて、スプロケット支持体72の異常を判定するように構成される。本実施形態の判定方法は、判定結果を報知するステップをさらに含んでもよい。
【0109】
図5を参照して、判定部54が発電装置52の異常、および、スプロケット支持体72の異常を判定する処理が説明される。判定部54は、例えば、発電装置52の異常、および、スプロケット支持体72の異常を判定する場合に、処理を開始して
図5に示されるフローチャートのステップS31に移行する。
【0110】
ステップS31において、判定部54は、ハブシェル32の回転を指示して、ステップS32に移行する。判定部54は、ユーザに対してハブシェル32を回転するように報知部86に報知させることによって、ユーザに対してハブシェル32の回転を指示する。判定部54は、ユーザに対して車輪14を回転するように報知部86に報知させることによって、ユーザに対してハブシェル32の回転を指示してもよい。クランク軸18を前転させてハブシェル32を前転させる場合、スプロケット支持体72も前転する。ハブシェル32に車輪14が取り付けられている場合、クランク軸18の前転によって車輪14も前転する。ユーザがハブシェル32を前転させる場合、一般的な人力駆動車10には、ワンウェイクラッチ38が設けられるため、スプロケット支持体72は回転しない。この状態は、コースティングの状態と同じになる。ユーザがハブシェル32を後転させる場合、一般的な人力駆動車10では、スプロケット支持体72は後転する。ハブシェル32に車輪14が取り付けられている場合、ハブシェル32の後転によって車輪14も後転する。
【0111】
ステップS32において、判定部54は、ハブシェル32の回転を検出したか否かを判定する。判定部54は、ハブシェル32の回転を検出した場合に、ステップS33に移行する。判定部54は、ハブシェル32の回転を検出していない場合に、ステップS35に移行する。
【0112】
ステップS33において、判定部54は、スプロケット支持体72の回転を検出したか否かを判定する。判定部54は、スプロケット支持体72の回転を検出した場合に、ステップS34に移行する。判定部54は、スプロケット支持体72の回転を検出していない場合に、ステップS35に移行する。判定部54は、スプロケット支持体72の回転を検出したか否かを判定した後に、ハブシェル32の回転を検出したか否かを判定してもよい。この場合、例えば、ステップS33の処理は、ステップS32の処理の前に行われてもよい。
【0113】
ステップS34において、判定部54は、正常判定を報知して、
図5の処理を終了する。ステップS35において、判定部54は、異常判定を報知して、
図5の処理を終了する。
【0114】
<変更例>
各実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用の判定システム、および、人力駆動車用の判定方法が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の判定システム、および、人力駆動車用の判定方法は、例えば以下に示される各実施形態の変更例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変更例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変更例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0115】
・車軸56は、前輪14Bのハブ軸を含んでもよい。本変更例では、前輪14Bのハブ軸のまわりに発電装置52が配置される。本変更例では、判定部54は、前輪14Bが回転している状態において、発電装置52の異常を判定する。
【0116】
・発電装置52は、クランク軸18のまわりに配置されてもよい。本変更例では、例えば、ハブアセンブリ28からワンウェイクラッチ38が省略されて、後輪14Aの回転トルクが発電装置52に伝達されるように構成される。本変更例では、例えば、発電装置52の第2部材60は、第1回転体20と連結され、発電装置52の第1部材58は、クランク軸18を支持するボトムブラケット12Xと連結される。
図1に示されるように、ボトムブラケット12Xは、例えば、クランク軸18を回転可能に支持するように、フレーム12に設けられる。本変更例の第2部材60は、第1回転体20と一体回転するように第1回転体20と連結されてもよい。本変更例の第1部材58は、ボトムブラケット12Xに設けられてもよい。第1回転体20とクランク軸18との間にはクラッチが設けられる。クラッチは、後輪14Aの回転トルクを発電装置52に伝達し、かつ、クランク軸18には伝達しないように構成される。本変更例では、例えば、判定部54がユーザに後輪14Aを後転させるように促すことによって、スプロケット支持体72が後転するため、後輪14Aの回転トルクが発電装置52に伝達される。判定部54がユーザに後輪14Aを前転させるように促すことによって、スプロケット支持体72が前転するため、後輪14Aの回転トルクが発電装置52に伝達される。
【0117】
・判定システム50は、クランク軸18が回転することによって発電するように構成される発電装置52を備えていてもよい。本変更例では、例えば、ユーザがペダル16Bを持ってクランク軸18を回転させることによって、回転トルクが発電装置52に伝達されるように構成される。本変更例では、発電装置52は、例えば、クランク軸18のまわりに配置される。本変更例では、例えば、第2部材60は、クランク軸18に設けられ、かつ、第1部材58は、クランク軸18を支持するボトムブラケット12Xに設けられる。例えば、第1部材58は、コイル62を含み、かつ、第2部材60は、磁石64を含む。本変更例では、判定システム50が、クランク軸18が回転することによって発電するように構成される発電装置52と、クランク軸18が回転している状態において、発電装置52の異常を判定するように構成される判定部54とを備えていれば、判定システム50の他の構成は省略または変更されてもよい。本変更例の判定方法は、クランク軸18を回転させるステップと、発電装置52の回転を検出するステップと、発電装置52の異常を判定するステップと、を含む。クランク軸18を回転させるステップにおいて、判定部54は、ユーザに対して、クランク軸18を発電装置52が発電可能な方向に回転させるように促すように構成される。
【0118】
・第1部材58が、磁石64であり、第2部材60が、コイル62であってもよい。本変更例では、磁石64がハブ軸30に取り付けられ、かつ、コイル62がハブシェル32の内周面に配置される。
【0119】
・変速装置26が内装変速機を含んで構成されてもよい。本変更例では、第2回転体24は、1つのスプロケット24Aを含み、スプロケット支持体72は、1つのスプロケット24Aを支持するように構成されてもよい。本変更例の内装変速機は、ハブアセンブリ28の収容空間S1に終了されてもよい。
【0120】
・外部装置80は、例えば、無線によって電気部品44と接続されてもよい。本変更例では、電気部品44は、外部装置80と無線通信する無線通信部を含んでもよい。無線通信部は、独自の通信規格の無線通信を実行するように構成されてもよく、Bluetooth(登録商標)などの既存の通信規格の無線通信を実行するように構成されてもよい。本変更例では、外部装置80は、電気部品44に電力を供給しないように構成されてもよい。本変更例の電気部品44は、人力駆動車10のバッテリから電力を供給される。人力駆動車10のバッテリは、電気部品44に設けられてもよく、人力駆動車10のフレーム12に設けられてもよい。
【0121】
・外部装置80は、有線および無線の両方によって電気部品44と接続されてもよい。本変更例では、外部装置80は、有線によって電気部品44に電力を供給し、かつ、無線通信によって電気部品44と通信するように構成されてもよい。
【0122】
・判定部54は、例えば、電気部品44に含まれてもよく、電気部品44とは異なる人力駆動車用の部品に含まれてもよい。判定部54が電気部品44、または、電気部品44とは異なる人力駆動車用の部品に含まれる場合、判定部54には、発電装置52以外の電力供給源から電力が供給されるように構成されてもよい。
【0123】
・判定部54は、車輪14が回転している状態において第1検出部66から第1信号が出力される場合に、第1信号に応じて発電装置52に異常が発生していると判定するように構成されてもよい。判定部54は、車輪14が回転している状態において、車輪14の回転量に対する発電装置52の発電量が閾値よりも小さい場合に、発電装置52に異常が発生していると判定してもよい。判定部54は、車輪14が回転している状態において、第1信号が断続的に出力される場合に、発電装置52に異常が発生していると判定してもよい。
【0124】
・判定部54は、車輪14が回転している状態において第2検出部74から第2信号が出力される場合に、第2信号に応じてスプロケット支持体72に異常が発生していると判定するように構成されてもよい。判定部54は、車輪14が回転している状態において、車輪14の回転速度に対するスプロケット支持体72の回転速度が閾値よりも小さい場合に、スプロケット支持体72に異常が発生していると判定してもよい。判定部54は、車輪14が回転している状態において、第2信号が不連続的に出力される場合に、スプロケット支持体72に異常が発生していると判定してもよい。
【0125】
・判定部54は、発電装置52の異常を判定するように構成されれば、スプロケット支持体72の異常を判定しないように構成されてもよい。
【0126】
・ステップS11において、第2制御部82は、車輪14の回転を指示した後に、車輪14が回転していると判定した場合に、ステップS12に移行するように構成されてもよい。本変更例では、第2制御部82は、車輪14の回転を検出する回転検出部の出力に応じて車輪14の回転の有無を判定するように構成されてもよい。回転検出部は、例えば、人力駆動車10のうちの人力駆動力の伝達経路上に配置される。回転検出部は、クランク軸18の回転を検出するように構成されてもよい。クランク軸18が回転することによって車輪14が回転する場合、回転検出部は、例えば、クランク軸18の回転を検出することによって車輪14の回転を検出できる。回転検出部は、チェーン22Aの動作を検出するように構成されてもよい。クランク軸18が回転することによって車輪14が回転する場合、回転検出部は、例えば、チェーン22Aの動作を検出することによって車輪14の回転を検出できる。
【0127】
・
図6に示されるステップS41が、
図4のフローチャートに示される処理に追加されてもよい。本変更例の判定部54は、ステップS17とステップS18との間に移行すると、ステップS41に移行する。ステップS41において、判定部54は、第1フラグがオン、かつ、第2フラグがオンか否かを判定する。判定部54は、第1フラグがオン、かつ、第2フラグがオンと判定した場合、ステップS20に移行する。判定部54は、第1フラグおよび第2フラグの少なくとも1つがオンではないと判定した場合、ステップS18に移行する。本変更例では、判定部54は、ステップS41においてYESである場合、所定期間が経過する前に、処理を終了できる。
【0128】
・
図6に示されるステップS41が、
図4のフローチャートに示される処理に追加される変更例において、ステップS16とステップS17とが省略され、かつ、判定部54は、ステップS15とステップS18との間に移行すると、ステップS41に移行してもよい。本変更例では、ステップS41において、判定部54は、第1フラグがオンかオフかを判定する。本変更例では、ステップS41において、第2フラグがオンかオフかの判定が省略される。判定部54は、第1フラグがオンと判定した場合、ステップS20に移行する。判定部54は、第1フラグがオフと判定した場合、ステップS18に移行する。
【0129】
・判定部54は、ハブシェル32およびスプロケット支持体72の両方の回転を検出できれば、正常と判定し、かつ、ハブシェル32およびスプロケット支持体72の一方または両方の回転を検出できなければ異常と判定するように構成されてもよい。
図7を参照して、本変更例の判定部54が発電装置52の異常を判定する処理が説明される。ステップS51において、判定部54は、車輪14の回転を指示した後に、ステップS52に移行する。ステップS52において、判定部54は、ハブシェル32およびスプロケット支持体72の回転を検出したか否かを判定する。判定部54は、ハブシェル32およびスプロケット支持体72の回転を検出した場合、ステップS53において正常判定を報知して、
図7の処理を終了する。判定システム50は、ハブシェル32およびスプロケット支持体72の少なくとも1つの回転を検出していない場合、ステップS54において異常判定を報知して、
図7の処理を終了する。
【0130】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0131】
10…人力駆動車、14…車輪、18…クランク軸、24A…スプロケット、30…ハブ軸、32…ハブシェル、44…電気部品、50…判定システム、52…発電装置、54…判定部、56…車軸、58…第1部材、60…第2部材、62…コイル、64…磁石、66…第1検出部、72…スプロケット支持体、74…第2検出部、80…外部装置。