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特開2024-169138情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169138
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/40 20240101AFI20241128BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086357
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】523197423
【氏名又は名称】ミナクニ合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 喜康
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC41
5L050CC41
(57)【要約】
【課題】船舶運航事業者にとって有用な情報通信基盤を提供する。
【解決手段】情報処理装置は、第1船舶運航事業者の端末からの入力に応じて、前記第1船舶運航事業者に対応する船舶の空船情報を記憶手段に登録する第1登録手段と、前記第1船舶運航事業者の端末からの入力に応じて、前記第1船舶運航事業者の顧客が有する貨物の貨物情報を前記記憶手段に登録する第2登録手段と、第2船舶運航事業者の端末に、前記記憶手段に登録されている前記空船情報を表示させる第1表示制御手段と、前記第2船舶運航事業者の端末に、前記記憶手段に登録されている前記貨物情報を表示させる第2表示制御手段とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1船舶運航事業者の端末からの入力に応じて、前記第1船舶運航事業者に対応する船舶の空船情報を記憶手段に登録する第1登録手段と
前記第1船舶運航事業者の端末からの入力に応じて、前記第1船舶運航事業者の顧客が有する貨物の貨物情報を前記記憶手段に登録する第2登録手段と
第2船舶運航事業者の端末に、前記記憶手段に登録されている前記空船情報を表示させる第1表示制御手段と
前記第2船舶運航事業者の端末に、前記記憶手段に登録されている前記貨物情報を表示させる第2表示制御手段と
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記船舶の属性を記録した船舶マスタを含む記憶手段をさらに有し、
前記第1登録手段は、予め前記船舶マスタに記録されている前記船舶のうち前記第1船舶運航事業者に対応する船舶の登録を受け付ける
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記船舶マスタは、前記船舶に積載可能な前記貨物の種類及びサイズの少なくとも一方を示す情報を含む
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記貨物の属性を記録した貨物マスタを含む記憶手段をさらに有し、
前記第2登録手段は、予め前記貨物マスタに記録されている前記貨物のうち前記第1船舶運航事業者の顧客が有する貨物と対応する前記貨物の登録を受け付ける
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記貨物マスタは、前記貨物の積地及び揚地の情報、並びに、前記積地及び揚地における代理店の情報の少なくとも一方を含む
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2船舶運航事業者の端末からの入力に応じて、前記記憶手段から予め定められた条件を満たす前記空船情報及び前記貨物情報の少なくとも一方を検索する検索手段をさらに有し、
前記第1表示制御手段は、前記第2船舶運航事業者の端末に、前記検索手段によって検索された前記空船情報を表示させ、
前記第2表示制御手段は、前記第2船舶運航事業者の端末に、前記検索手段によって検索された前記貨物情報を表示させる
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1船舶運航事業者の端末からの入力に応じて、帳票を前記第1船舶運航事業者の端末に出力する出力手段をさらに有する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記出力手段は、前記帳票として
(A)前記第1船舶運航事業者に対応する前記船舶の船長宛の帳票であって、積載する前記貨物情報を含む前記帳票、
(B)前記貨物の積地又は揚地における関係者宛の帳票であって、前記貨物情報を含む船舶明細、
及び(C)成約書の少なくとも1種を、前記第1船舶運航事業者の端末に出力する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記出力手段は、前記帳票として
(D)前記第1船舶運航事業者が登録した空船情報を他の運航事業者が登録した貨物情報とマッチングさせた結果、及び
(E)前記第1船舶運航事業者が登録した貨物情報を他の運航事業者が登録した空船情報とマッチングさせた結果
の少なくとも一方を、前記第1船舶運航事業者の端末に出力する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが、
第1船舶運航事業者の端末からの入力に応じて、前記第1船舶運航事業者に対応する船舶の空船情報を記憶手段に登録する第1登録ステップと、
前記第1船舶運航事業者の端末からの入力に応じて、前記第1船舶運航事業者の顧客が有する貨物の貨物情報を前記記憶手段に登録する第2登録ステップと、
第2船舶運航事業者の端末に、前記記憶手段に登録されている前記空船情報を表示させる第1表示制御ステップと、
前記第2船舶運航事業者の端末に、前記記憶手段に登録されている前記貨物情報を表示させる第2表示制御ステップと
を有する情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
第1船舶運航事業者の端末からの入力に応じて、前記第1船舶運航事業者に対応する船舶の空船情報を記憶手段に登録する第1登録ステップと、
前記第1船舶運航事業者の端末からの入力に応じて、前記第1船舶運航事業者の顧客が有する貨物の貨物情報を前記記憶手段に登録する第2登録ステップと、
第2船舶運航事業者の端末に、前記記憶手段に登録されている前記空船情報を表示させる第1表示制御ステップと、
前記第2船舶運航事業者の端末に、前記記憶手段に登録されている前記貨物情報を表示させる第2表示制御ステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報通信基盤を提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶運航事業に関する情報通信技術が知られている。例えば特許文献1は、ユーザがインターネットを介して海上運送情報を交換できるシステムにおいて、ウェブページにおいて港などの荷物の積揚地、出発日と到着日、船舶の種類、及び定期船の運航会社名などの入力情報に合った定期船を見つけることができる技術を開示している。
【0003】
特許文献2は、海上コンテナの陸上輸送におけるネットワーク上のシステムを介して、船社別/タイプ別の空コンテナ分布状況、同移動・返却・交換依頼等の情報交換を行う技術を開示している。
【0004】
特許文献3は、委託用船の対象となる船舶の要目などに関する初期データを予め蓄積し、かつ船舶の動静などに関する船舶動静データを管理し、必要に応じてデータを検索することができるシステムを開示している。
【0005】
特許文献4は、求貨求車システムにおいて、求車単位で、積地、降地、積日時、降日時を含む荷物情報を求貨DBに登録しておき、荷物情報内の情報を比較・検討して荷物情報と空車情報とのマッチング候補を検索するシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-215813号公報
【特許文献2】特開2002-169869号公報
【特許文献3】特開2002-132879号公報
【特許文献4】特開2008-087872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1において、システムで取り扱われる情報は、あくまで船舶に留まり、貨物について開示していない。
【0008】
特許文献2の発明は、海上コンテナの陸上輸送であって、海運事業についてそもそも開示していない。
【0009】
特許文献3において、システムで取り扱われる情報は、やはりあくまで船舶に留まり、貨物について開示していない。
【0010】
特許文献4の発明は、求貨求車システムであって、やはり海運事業についてそもそも開示していない。
【0011】
上記の背景に鑑み、本発明は、船舶運航事業者にとって有用な情報通信基盤を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の一態様は、第1船舶運航事業者の端末からの入力に応じて、前記第1船舶運航事業者に対応する船舶の空船情報を記憶手段に登録する第1登録手段と、前記第1船舶運航事業者の端末からの入力に応じて、前記第1船舶運航事業者の顧客が有する貨物の貨物情報を前記記憶手段に登録する第2登録手段と、第2船舶運航事業者の端末に、前記記憶手段に登録されている前記空船情報を表示させる第1表示制御手段と、前記第2船舶運航事業者の端末に、前記記憶手段に登録されている前記貨物情報を表示させる第2表示制御手段とを有する情報処理装置を提供する。
【0013】
前記船舶の属性を記録した船舶マスタを含む記憶手段をさらに有し、前記第1登録手段は、予め前記船舶マスタに記録されている前記船舶のうち前記第1船舶運航事業者に対応する船舶の登録を受け付けてもよい。
【0014】
前記船舶マスタは、前記船舶に積載可能な前記貨物の種類及びサイズの少なくとも一方を示す情報を含んでもよい。
【0015】
前記貨物の属性を記録した貨物マスタを含む記憶手段をさらに有し、前記第2登録手段は、予め前記貨物マスタに記録されている前記貨物のうち前記第1船舶運航事業者の顧客が有する貨物と対応する前記貨物の登録を受け付けてもよい。
【0016】
前記貨物マスタは、前記貨物の積地及び揚地の情報、並びに、前記積地及び揚地における代理店の情報の少なくとも一方を含んでもよい。
【0017】
前記第2船舶運航事業者の端末からの入力に応じて、前記記憶手段から予め定められた条件を満たす前記空船情報及び前記貨物情報の少なくとも一方を検索する検索手段をさらに有し、前記第1表示制御手段は、前記第2船舶運航事業者の端末に、前記検索手段によって検索された前記空船情報を表示させ、前記第2表示制御手段は、前記第2船舶運航事業者の端末に、前記検索手段によって検索された前記貨物情報を表示させてもよい。
【0018】
前記第1船舶運航事業者の端末からの入力に応じて、帳票を前記第1船舶運航事業者の端末に出力する出力手段をさらに有してもよい。
【0019】
前記出力手段は、前記帳票として(A)前記第1船舶運航事業者に対応する前記船舶の船長宛の帳票であって、積載する前記貨物情報を含む前記帳票、(B)前記貨物の積地又は揚地における 関係者宛の帳票であって、前記貨物情報を含む船舶明細、及び(C)成約書の少なくとも1種を、前記第1船舶運航事業者の端末に出力してもよい。
【0020】
前記出力手段は、前記帳票として(D)前記第1船舶運航事業者が登録した空船情報を他の運航事業者が登録した貨物情報とマッチングさせた結果、及び(E)前記第1船舶運航事業者が登録した貨物情報を他の運航事業者が登録した空船情報とマッチングさせた結果の少なくとも一方を、前記第1船舶運航事業者の端末に出力してもよい。
【0021】
本開示の別の態様は、コンピュータが、第1船舶運航事業者の端末からの入力に応じて、前記第1船舶運航事業者に対応する船舶の空船情報を記憶手段に登録する第1登録ステップと、前記第1船舶運航事業者の端末からの入力に応じて、前記第1船舶運航事業者の顧客が有する貨物の貨物情報を前記記憶手段に登録する第2登録ステップと、第2船舶運航事業者の端末に、前記記憶手段に登録されている前記空船情報を表示させる第1表示制御ステップと、前記第2船舶運航事業者の端末に、前記記憶手段に登録されている前記貨物情報を表示させる第2表示制御ステップとを有する情報処理方法を提供する。
【0022】
本開示の別の態様は、コンピュータに、第1船舶運航事業者の端末からの入力に応じて、前記第1船舶運航事業者に対応する船舶の空船情報を記憶手段に登録する第1登録ステップと、前記第1船舶運航事業者の端末からの入力に応じて、前記第1船舶運航事業者の顧客が有する貨物の貨物情報を前記記憶手段に登録する第2登録ステップと、第2船舶運航事業者の端末に、前記記憶手段に登録されている前記空船情報を表示させる第1表示制御ステップと、前記第2船舶運航事業者の端末に、前記記憶手段に登録されている前記貨物情報を表示させる第2表示制御ステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、船舶運航事業者にとって有用な情報通信基盤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】情報処理システム1のシステム概要を例示する図。
図2】情報処理システム1のシステム構成を例示する図。
図3】情報処理システム1の機能構成を例示する図。
図4】情報処理装置10のハードウェア構成を例示する図。
図5】第1端末21のハードウェア構成を例示する図。
図6】情報処理システム1における情報の登録方法を例示するシーケンスチャート。
図7A】端末における空船状況の登録画面を例示する図。
図7B】端末における貨物状況の登録画面を例示する図。
図8】空船データベースを例示する図。
図9】貨物データベースを例示する図。
図10】情報処理システム1における表示方法を例示するシーケンスチャート。
図11A】端末における空船状況の表示画面を例示する図。
図11B】端末における空船状況(詳細)の表示画面を例示する図。
図11C】端末における貨物状況の表示画面を例示する図。
図12】情報処理システム1における帳票作成方法を例示するシーケンスチャート。
図13】端末における航海情報の登録画面を例示する図。
図14】帳票データベースを例示する図。
図15】情報処理システム1におけるマッチング方法を例示するシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0025】
1.構成
図1は、情報処理システム1のシステム概要を例示する図である。この例において情報処理システム1は、ユーザに対しサービスを提供するシステムである。この例においてユーザは、海上において船舶により人又は物の運送をする船舶運航事業を経営する事業者(事業体)、いわゆる船舶運航事業者を含む。この例においてサービスは、WEB上に構築されたシステム、例えばWEBサイト及びHP(Homepage)等を含む。また、このサービスの目的の一つは、主として内航海運業界、つまり日本国内の諸港間を船舶により貨物の運送を行う事業の業界において、複数の船舶運航事業者にとって有用な情報通信基盤を提供することにある。
【0026】
情報処理システム1において第1船舶運航事業者(ユーザの一例)は、船舶運航事業を経営する上で必要な情報、例えば、自身に対応(具体的には運航 管理)する船舶の空船情報及び自身の顧客が有する貨物の貨物情報を保有している。この例において第1船舶運航事業者は、これらの情報をサービスに入力することができる。この例において空船情報は、例えば、船主Aが所有する船舶Aにおいて、所属エリア、運航可能な日(フリー日)、船種、停泊している場所(フリー地)、及び前荷等の空船状況を表す情報を含む。また、この例において貨物情報は、例えば、顧客Aが有する貨物Aにおいて、貨物の種類、サイズ、荷姿、船舶に積み上げる/上げた日(積日)、及び船舶から陸揚げされる/された日(揚日)等の貨物状況を表す情報を含む。
【0027】
情報処理システム1は、第1船舶運航事業者によって入力された情報をデータベースに登録し、登録された情報をもとに種々のコンテンツを提供するサービスを提供する。この例においてコンテンツは、例えば、空船情報及び貨物情報等を反映した掲示板、第1船舶運航事業者から各種情報の入力を受け付けるための登録・確認・編集機能、事業者の経営活動に関する帳票を作成するためのツール、及びユーザのための会員設定機能を含む。
【0028】
情報処理システム1において第2船舶運航事業者(ユーザの一例)は、WEB上の各種サービスを利用する。なお、第2船舶運航事業者は、第1船舶運航事業者と同様に、船舶に対応(具体的には運航 管理)し、荷主である顧客を有する船舶運航事業者である。この例において第2船舶運航事業者は、例えば掲示板を閲覧する場合、第2船舶運航事業者の端末機器(又は単に端末)に表示された情報を活用することで自身の経営活動に役立てることができる。以上より、情報処理システム1は、このように複数の船舶運航事業者間の情報を流動化させることで、業界全体の活性化と発展を図る。なお、図1が表す主体、構成、及びシステム構造は、あくまで一例であり、システムの概要を表すに過ぎない。
【0029】
図2は、情報処理システム1のシステム構成を例示する図である。情報処理システム1は、情報処理装置10、第1端末21、及び第2端末22を有する。また、システムの各構成要素は、ネットワーク9を介して図2のようにそれぞれ複合的に接続される。この例においてネットワーク9は、インターネット等のコンピュータネットワークである。
【0030】
この例において情報処理装置10は、情報処理システム1におけるサービスを提供する情報処理装置/サーバ装置である。この例において情報処理装置10は、第1船舶運航事業者の端末からの入力に応じて空船情報及び貨物情報等をデータベースに登録する。データとして登録された情報は、情報処理システム1におけるサービスに利用される。この例において情報処理装置10は、例えば掲示板(サービスの一例)として、第2船舶運航事業者の端末に、空船情報及び貨物情報を表示させる。
【0031】
この例において第1端末21は、第1船舶運航事業者の端末を表す。第1船舶運航事業者は、この端末を介してWEB上にある種々のサービスを利用することができる。この例において第1端末21は、空船情報及び貨物情報等のデータを保存及び管理する。この例において第1船舶運航事業者は、第1端末21を介し、これらのデータを情報処理装置10に入力することができる。情報処理装置10は、第1端末21から受け付けた入力に応じて、各種データをデータベースに登録することができる。
【0032】
この例において第2端末22は、第2船舶運航事業者の端末を表す。第2船舶運航事業者は、第1端末21と同様に、この端末を介してWEB上にある種々のサービスを利用することができる。この例において第2端末22は、例えば掲示板のようなサービスによって、情報処理装置10のデータベースに登録されている空船情報及び貨物情報を表示することができる。
【0033】
図3は、情報処理システム1の機能構成を例示する図である。この実施形態では、情報処理装置10は、第1登録手段11、第2登録手段12、第1表示制御手段13、第2表示制御手段14、検索手段15、出力手段16、記憶手段18、及び制御手段19を有する。この例において記憶手段18は、船舶マスタ181及び貨物マスタ182を有する。ここで、記憶手段18におけるマスタは、繰り返し使用される不変の基本情報が記録されたテーブルといった意味を含む。そのためマスタは各種データベースにおいて記録及び定義されている。この例において船舶マスタ181は、空船情報が登録される空船データベースの中に含まれている。また、貨物マスタ182は、貨物情報が登録される貨物データベースの中に含まれている。あるいは、各データベースが、必要に応じて各マスタからデータを流用し、各々のデータベースに記録する。なお、各データベースについては後述する。
【0034】
この例において第1登録手段11は、第1端末21からの入力に応じて、第1船舶運航事業者に対応する船舶の空船情報を記憶手段18に登録する。この例において第1登録手段11は、例えばデータベースの一つである空船データベース1810に、第1端末21から入力された空船情報を登録することができる。この例において空船データベース1810に登録される空船情報は、サービスを運営するサービス事業者(又は管理者)によって適宜管理される。
【0035】
この例において第2登録手段12は、第1端末21からの入力に応じて、第1船舶運航事業者の顧客が有する貨物の貨物情報を記憶手段18に登録する。この例において第2登録手段12は、例えばデータベースの一つである貨物データベース1820に、第1端末21から入力された貨物情報を登録することができる。この例において貨物データベース1820に登録される貨物情報は、空船情報と同様に、管理者によって適宜管理される。
【0036】
この例において第1表示制御手段13は、第2端末22に、記憶手段18に登録されている空船情報を表示させる。この例において第1表示制御手段13は、例えば空船データベース1810から表示に必要なデータを読み込み、第2端末22における表示画面のUI(User Interface)に従って、読み込んだデータを表示させることができる。
【0037】
この例において第2表示制御手段14は、第2端末22に、記憶手段18に登録されている貨物情報を表示させる。この例においても第1表示制御手段13と同様に、第2表示制御手段14は、例えば貨物データベース1820から表示に必要なデータを読み込み、第2端末22における表示画面のUIに従って、読み込んだデータを表示させることができる。
【0038】
この例において検索手段15は、第2端末22からの入力に応じて、記憶手段18から予め定められた条件を満たす空船情報及び貨物情報の少なくとも一方を検索する。この例において検索手段15は、第2端末22によって入力された検索条件(予め定められた条件の一例)、例えば、期間設定、船種、エリア、及び貨物の少なくとも一方をもとに、空船情報又は貨物情報を絞り込むこと(いわゆるフィルタリング機能)ができる。したがって、この例において第1表示制御手段13及び第2表示制御手段14は、第2端末22に、検索手段15によって検索された(絞り込まれた)空船情報又は貨物情報の各々を表示させることができる。
【0039】
この例において出力手段16は、第1端末21からの入力に応じて、帳票を第1端末21に出力する(図示略)。この例において帳票は、例えば、船舶運航事業者の経営活動に関する情報、データ、又は書類といった概念を含む。「帳票」については、2-3節及び2-4節で詳細を説明する。
【0040】
この例において記憶手段18(例えばデータベースを含む)は、各種のデータを記憶する。この例において記憶手段18は、例えば各種データベースと、船舶マスタ181又は貨物マスタ182とを、紐づけて管理することができる。ここで、データベースに関し、空船データベース1810及び貨物データベース1820について説明する。この例において空船データベース1810は、情報処理装置10における空船情報を記録するデータベースの一例である。情報処理装置10は、事業者ID、船舶ID、フリー日、フリー地、前荷、及び備考等の情報を、船舶マスタ181から取得し、新たに登録される空船データベース1810に追加することができる。この例において空船データベース1810は、例えば、第1登録手段11から登録される空船情報に関し、船舶の属性を記録する。この例において船舶の属性は、例えば、船名、船主名、及び船種等の情報を含む。これらの情報の少なくとも一部は、船舶マスタ181から取得される。この例において船舶マスタ181は、船舶に積載可能な貨物、つまり積載貨物の種類及びサイズの少なくとも一方を示す情報を含む。
【0041】
ここで船舶マスタ181(又は空船データベース1810)に関し、例えば第1船舶運航事業者又は船主の公開情報をもとに、サービス事業者又は情報処理システム1が船舶を前もって登録することができる。例えば、第1登録手段11は、予め船舶マスタ181に記録されている船舶のうち1又は複数の船舶について、その船舶を第1船舶運航事業者に対応している旨の登録を受け付けることができる。すなわち、この例において第1船舶運航事業者は、予め船舶マスタ181に記録されている船舶のうち第1船舶運航事業者に対応する船舶に関し、登録(又は編集)を行うことができる。
【0042】
この例において貨物データベース1820は、情報処理装置10における貨物情報を記録するデータベースの一例である。貨物データベース1820は、貨物マスタ182を含む。すなわち、貨物データベース1820において、情報処理装置10は、貨物マスタ182の情報を参照し、必要なデータを流用することができる。この例において貨物データベース1820は、例えば、第2登録手段12から登録される貨物情報に関し、貨物の属性を記録する。この例において貨物の属性は、例えば、貨物名、積荷(種類)、積載量(サイズ)、荷姿、積地情報、及び揚地情報等の情報を含む。これらの情報の少なくとも一部は、貨物マスタ182から取得される。この例において貨物マスタ182は、貨物の積地及び揚地の情報、並びに、積地及び揚地における代理店の情報の少なくとも一方を示す情報を含む。なお、この例において代理店は、船舶における港への入出港等の申請といった業務を、船長に代わって行う事業者を含む。
【0043】
ここで貨物マスタ182(又は貨物データベース1820)に関し、例えば、第2登録手段12は、予め貨物マスタ182に記録されている貨物のうち第1船舶運航事業者の顧客が有する貨物と対応する種類の貨物の登録を受け付けることができる。この例において貨物マスタ182に記録される貨物に関し、例えばよく利用される貨物の分類、一例として、鋼材、ばら白、ばら黒、製品、及びスクラップ等をもとに、サービス事業者又は情報処理システム1が、貨物を前もって登録することができる。すなわち、この例において第1船舶運航事業者は、予め貨物マスタ182に記録されている貨物の中から、第1船舶運航事業者の顧客が有する貨物と対応する貨物を選んで、登録(又は編集)することができる。また、この例において制御手段19は、各種の制御を行う。なお、この例において「ばら白」は、小麦又は大豆等の汚れてはいけない、梱包されていない貨物を指し、「ばら黒」は、石炭又は原油等の貨物室を汚してしまうおそれのある、梱包されていない貨物を指す。
【0044】
図4は、情報処理装置10のハードウェア構成をそれぞれ例示する図である。この例において情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)101、メモリ102、ストレージ103、及び通信IF104を有するコンピュータ又は汎用サーバである。CPU101は、プログラムに従って各種の演算を行うプロセッサである。メモリ102は、CPU101がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する主記憶装置であり、例えばRAM(Random Access Memory)を含む。ストレージ103は、各種のデータ及びプログラムを記憶する補助記憶装置であり、例えばSSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disc Drive)を含む。通信IF104は、所定の通信規格に従って他の装置と通信する装置であり、例えばNIC(Network Interface Card)を含む。
【0045】
この例においてストレージ103が記憶するプログラムには、コンピュータを情報処理システム1におけるサーバとして機能させるためのプログラム(以下「サーバプログラム」という。)が含まれる。CPU101がサーバプログラムを実行している状態において、CPU101、メモリ102、ストレージ103、及び通信IF104は、情報処理装置10を動作させるための機能の一例である。CPU101は、第1登録手段11、第2登録手段12、第1表示制御手段13、第2表示制御手段14、検索手段15、及び制御手段19の一例である。メモリ102及びストレージ103の少なくとも一方は、記憶手段18の一例である。通信IF104は、出力手段16の一例である。
【0046】
図5は、第1端末21のハードウェア構成を例示する図である。この例において第1端末21は、CPU201、メモリ202、ストレージ203、通信IF204、入力装置205、及び表示装置206を有するコンピュータであり、例えばスマートフォン、タブレット、又はパーソナルコンピュータを含む。CPU201は、プログラムに従って各種の演算を行うプロセッサである。メモリ202は、CPU201がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する主記憶装置であり、例えばRAMを含む。ストレージ203は、各種のデータ及びプログラムを記憶する補助記憶装置であり、例えばSSD又はHDDを含む。通信IF204は、所定の通信規格に従って他の装置と通信する装置であり、例えば無線で通信する場合には無線チップを含む。入力装置205は、第1端末21に情報を入力するための装置であり、例えばタッチスクリーン、キーボード、マウス、又はポインティングデバイスを含む。表示装置206は情報を表示する装置であり、例えば有機ELディスプレイ又は液晶ディスプレイを含む。
【0047】
この例においてストレージ203が記憶するプログラムには、コンピュータを情報処理システム1におけるクライアントとして機能させるためのプログラム(以下「クライアントプログラム」という。)が含まれる。CPU201がクライアントプログラムを実行している状態において、CPU201、メモリ202、ストレージ203、通信IF204、入力装置205、及び表示装置206は、第1端末21を動作させるための機能の一例である。
【0048】
第2端末22は、上述した第1端末21と同様のハードウェア構成を有するコンピュータであり、例えばスマートフォン、タブレット、又はパーソナルコンピュータを含む(図示略)。この例において第2端末22は、上述した第1端末21と同様のクライアントプログラムを有する。ここまで情報処理システム1の構成を説明した。次に、情報処理システム1の動作を説明する。
【0049】
2.動作
情報処理システム1の動作は、情報処理装置10、第1端末21、及び第2端末22が制御するステップからなる複数のシーケンスを含む。ここで、各シーケンスを次の2-1節「情報の登録方法」、2-2節「表示方法」、2-3節「帳票作成方法」、及び2-4節「マッチング方法」に分割し、以下に説明する。
【0050】
2-1.情報の登録方法
図6は、情報処理システム1における情報の登録方法を例示するシーケンスチャートである。ステップS101において、第1端末21は、ログイン処理を行う。この例において第1端末21は、ネットワーク9を介して情報処理装置10にアクセスし、表示画面のUIに従い、ログイン処理を行う。この例において情報処理装置10は、予め登録されたメールアドレス情報及びパスワード情報といった複数の認証情報の少なくとも一つを第1端末21から受け付ける。
【0051】
ステップS102において、情報処理装置10は、第1端末21の認証を行う。この例において情報処理装置10は、複数の認証情報の少なくとも一つをもとに、第1端末21の認証処理を行う。この例において認証処理は、情報処理装置10に予め登録された認証情報と、第1端末21から入力された認証情報とが一致するかどうかの判定を含む。
【0052】
ステップS103において、情報処理装置10は、第1端末21における認証処理の結果(成功/失敗)を出力する。この例において情報処理装置10は、第1端末21の認証結果に応じて、第1端末21の表示画面を遷移させる処理を含む。以降のステップは、第1端末21の認証が成功した場合の例を含む。なお、ここまでの処理は、第1端末21が情報処理装置10の各種サービスを利用するためのログイン処理であって、どのようなタイミングで実行されてもよい。
【0053】
ステップS104において、第1端末21は、情報処理装置10から提供されるサービスであって、WEB上の種々のコンテンツを表示画面に表示する。この例において第1端末21に表示されるコンテンツの画面は、例えば、空船情報及び貨物情報等を反映した掲示板の画面、この掲示板に掲示する各種情報の入力をユーザから受け付けるための登録画面、事業者の経営活動に関する帳票を作成するためのツール利用画面、及び会員設定画面を含む。
【0054】
ここで、ステップS105以降の処理に関し、(1)船舶マスタ181/貨物マスタ182の登録・修正(以下「(1)マスタ処理」という)及び(2)空船情報/貨物情報の登録・修正(以下「(2)データベース処理」という)の2つの処理についてそれぞれ説明する。この例において(1)マスタ処理と(2)データベース処理とは、それぞれ処理の対象が、記憶手段18内のマスタ(船舶マスタ181/貨物マスタ182)であるのか、データベース(空船データベース1810/貨物データベース1820)であるのかという点で異なる。しかし、いずれの処理も記憶手段18に対する情報登録・情報更新という点では同じなので、この説明では、便宜上、これらを共通の処理として扱い、それぞれ図6をもとに説明する。なお、そのため図6は、これら2つの処理の動作概要をいずれも含むものとする。はじめに(1)マスタ処理について説明する。
【0055】
ステップS105において、第1船舶運航事業者は、第1端末21を介し、表示画面のUIに従い、情報処理装置10の船舶マスタ181及び貨物マスタ182の少なくとも一方に登録するための各種情報を入力する。
【0056】
ステップS106において、情報処理装置10は、第1端末21からの入力に応じて、船舶マスタ181及び貨物マスタ182の少なくとも一方に情報登録を行う。
【0057】
ステップS107において、情報処理装置10は、表示画面のUIに従い、情報処理装置10のマスタ(記憶手段18の一例)内のデータを編集するための各種情報を、第1端末21を介し、第1船舶運航事業者に入力させる。例えば前述のとおり、情報処理システム1の運営事業者は、公開情報を基に、船舶マスタ181に船舶の情報を予め登録することができる。しかし、船舶と運航事業者との対応関係は公開されていないので、情報処理システム1の運営事業者は、船舶と運航事業者との対応関係を船舶マスタ181に予め登録することができない。第1 船舶運航事業者は、例えば情報処理システム1の初回使用時に、自身が運航を管理する船舶について、自身と船舶との対応関係を船舶マスタ181に登録する。
【0058】
ステップS108において、情報処理装置10は、第1端末21からの入力に応じて、マスタの情報更新を行う。以上より、これによってシステムは、(1)マスタ処理、つまり、各マスタの整備を行うことができる。この例においてマスタの整備は、後述する(2)データベース処理をより簡易的かつ利便的にユーザに行わせるための処理である。なお、これらの処理は、第1船舶運航事業者によって行われてもよいし、システムによって予めマスタが整備されてもよい。
【0059】
なお、(1)マスタ処理に関し、システムは、これらの処理を毎回実行する必要はなく、基本的には最初に1回だけ、上述したステップS101~ステップS106の処理を実行すればよい。もしも、マスタの修正が必要な場合、上述したステップS101~ステップS104、ステップS107、及びステップS108の処理にてマスタを修正することができる(この場合、ステップS105及びステップS106は実行されない)。次に、(2)データベース処理について説明する。この場合においても図6をもとに説明する。
【0060】
ステップS105において、第1船舶運航事業者は、第1端末21を介し、表示画面のUIに従い、情報処理装置10の空船データベース1810及び貨物データベース1820の少なくとも一方に登録するための各種情報を入力する。
【0061】
ステップS106において、情報処理装置10は、第1端末21からの入力に応じて、空船データベース1810及び貨物データベース1820の少なくとも一方に情報登録を行う。これによって、システムは、データベースに新しい空船情報/貨物情報を登録することができる。ここで、第1端末21における各種情報の登録について説明する。
【0062】
図7Aは、端末における空船状況の登録画面を例示する図である。この例において表示画面D1は、例えば、第1端末21における表示画面(UI)の一例を表す。この例においてフィールドF11は、表示画面D1における空船状況の登録フィールドを表す。この例においてユーザは、フィールドF11に関し、例えば、船名、フリー日、フリー地、前荷、及び備考等における予め表示されたプルダウンメニュー(又はチェック入力欄等)を利用して、空船情報を登録することができる。ここで、例えば、船名のプルダウンメニューには、そのユーザが利用する船舶の一覧が表示される。ユーザは、その一覧の中から、空船情報を入力しようとする船舶を選択する。なお、船舶の選択は、船舶マスタ181に登録されている情報をもとに行われる。次に、貨物情報の登録について説明する。
【0063】
図7Bは、端末における貨物状況の登録画面を例示する図である。この例においてフィールドF21は、表示画面D2における貨物状況の登録フィールドを表す。そのためユーザは、空船状況の登録画面と同様に、フィールドF21に関し、例えば、積日、揚日、積荷、積載量、及び積揚日の候補(積日2又は揚日2等)における予め表示されたプルダウンメニュー(又は文字入力欄等)を利用して、貨物情報を登録することができる。なお、貨物の選択は、貨物マスタ182に登録されている情報をもとに行われる。
【0064】
図6に戻る。ステップS107において、第1端末21は、表示画面のUIに従い、情報処理装置10のデータベース(記憶手段18の一例)内のデータを編集するための各種情報を第1船舶運航事業者に入力させる。この例において第1端末21から入力される情報は、空船情報及び貨物情報の少なくとも一方を含む。この例において情報処理装置10は、ネットワーク9を介して各種情報を取得する。
【0065】
ステップS108において、情報処理装置10は、第1端末21からの入力に応じて、空船情報及び貨物情報の少なくとも一方に関し、データベースの情報更新を行う。以上より、これによってシステムは、(2)データベース処理、つまり、空船情報/貨物情報の登録・修正を行うことができる。ここで、情報処理装置10の記憶手段18が有する各種データベースについて以下に説明する。
【0066】
図8は、空船データベースを例示する図である。情報処理装置10は、空船データベース1810において、例えば、事業者ID、船舶ID、フリー日、フリー地、前荷、及び備考等の情報を包括的に記録し管理する。この例において各種IDは、データベース上で対象のデータを特定する際に利用されるとともに、データ同士を紐づけるためにも利用される。この例において船舶の属性は、例えば、船名、船主名、及び船種等の情報を含む。また、この例において備考は、「船名表示可否」、「(前荷)雨NG」、又は「(前荷)揚後水洗い」といった第1船舶運航事業者又は船主の注意点/要望事項を含む。
【0067】
この例において第1船舶運航事業者は、空船データベース1810に空船情報を登録することで、情報処理システム1におけるサービス、例えば掲示板に、登録した空船情報を表示させることができる(後述)。そのため、掲示板にアクセスした第2船舶運航事業者に対し、第1船舶運航事業者の空船情報を周知させるとともに、貨物の輸送を所望する第2船舶運航事業者に第1船舶運航事業者の空船を利用してもらいやすくなる。
【0068】
図9は、貨物データベースを例示する図である。情報処理装置10は、貨物データベース1820において、例えば、事業者ID、貨物ID、及び貨物の積揚日を包括的に記録し管理する。この例において貨物の属性は、例えば、貨物名、積荷(種類)、積載量(サイズ)、荷姿、積地情報、及び揚地情報等の情報を含む。また、この例において貨物データベース1820は、貨物の積地及び揚地の情報、並びに、積地及び揚地における代理店の情報の少なくとも一方を含む。また、この例において貨物データベース1820は、「積揚日複数あり」といった第1船舶運航事業者又は顧客の注意点/要望事項等の備考を含んでもよい。
【0069】
この例において第1船舶運航事業者は、貨物データベース1820に貨物情報を登録することで、情報処理システム1におけるサービス、例えば掲示板に、登録した貨物情報を表示させることができる(後述)。そのため、掲示板にアクセスした第2船舶運航事業者に対し、第1船舶運航事業者の貨物情報を周知させるとともに、貨物の輸送を所望する第2船舶運航事業者に第1船舶運航事業者の貨物を利用してもらいやすくなる。
【0070】
なお、図6において、第1船舶運航事業者によって登録されたデータベース内の空船情報及び/又は貨物情報を修正する場合、上述したステップS101~ステップS104、ステップS107、及びステップS108の処理にてデータベースを修正することができる(この場合、ステップS105及びステップS106は実行されない)。より具体的には、この例において情報処理装置10は、空船情報及び/又は貨物情報の編集を受け付けると(ステップS107)、対応する空船データベース1810及び/又は貨物データベース1820に登録されているデータを上書き・保存することができる(ステップS108)。
【0071】
ここまで、図6をもとに、(1)マスタ処理及び(2)データベース処理について説明したが、いずれの動作の処理、順番、主体、及び設計は、各種制御に応じて変更されてもよい。すなわち、船舶運航事業者に対する情報通信基盤として有用な情報を、網羅的且つ効率的に、情報処理システム1に登録することができれば、それぞれどのような動作方法が導入されてもよい。以上より、情報処理システム1は、船舶運航事業者にとって有用な情報通信基盤を提供することができる。ここまで情報処理システム1における登録方法を説明した。
【0072】
2-2.表示方法
図10は、情報処理システム1における表示方法を例示するシーケンスチャートである。ここでは情報処理装置10のコンテンツ(サービスの一例)を第2端末22に表示させる場合の例を説明する。
【0073】
ステップS201において、情報処理装置10は、第2端末22に表示させるための情報であって、記憶手段18に登録されている空船情報及び貨物情報の少なくとも一方を第2端末22に出力する。なお、この例において第2端末22は、第1端末21と同様に、2-1節で説明したステップS101~ステップS103までのログイン処理が既に行われた状態を含む(図示略)。
【0074】
ステップS202において、情報処理装置10は、第2端末22に、記憶手段18に登録されている空船情報及び貨物情報の少なくとも一方を表示させる。この例において第1表示制御手段13は、第2端末22に、記憶手段18の空船データベース1810に登録されている空船情報を表示させる。この例において第2表示制御手段14は、第2端末22に、記憶手段18の貨物データベース1820に登録されている貨物情報を表示させる。この例において第2端末22は、表示画面のUIに従い、空船情報及び貨物情報の少なくとも一方を表示する。すなわち、第2端末22において、例えば、掲示板の画面が表示されることで、ユーザである第2船舶運航事業者は、空船情報及び貨物情報の少なくとも一方を閲覧することができる。ここで、第2端末22の表示画面について説明する。
【0075】
図11Aは、端末における空船状況の表示画面を例示する図である。この例において表示画面D3は、第2端末22における表示画面(UI)の一例を表す。この例においてフィールドF31及びF32は、表示画面D3における空船状況フィールドを表す。この例においてフィールドF31(F32)は、空船データベース1810に記録されている船舶に関し、例えば、エリア、フリー日、船名、船種、フリー地、前荷、備考、事業者名、及び電話番号といった予め定められた空船情報を表示する。また、この例においてフィールドF33は、表示画面D3における検索フィールドを表す。この例において検索フィールドは、表示画面D3における空船状況フィールドを第2船舶運航事業者(第2端末22)の入力に応じて絞り込むためのフィルタリング機能を有するフィールドである。検索フィールドの詳細は後述する(ステップS203)。
【0076】
なお、この例において図11Aは、空船状況フィールドのデフォルト表示の一例として、例えば、空船データベース1810に記録されている船舶のうち、フリー日が当日(2023年4月1日)以降の日付を含む船舶を表示画面D3の表示対象に設定するとともに、船舶ごとのフィールドF31(F32)を、フリー日の日付の早い順に表示画面D3に表示させる設定を表している。
【0077】
図11Bは、端末における空船状況(詳細)の表示画面を例示する図である。この例において表示画面D31は、第2端末22における表示画面の一例を表す。この例においてフィールドF311は、表示画面D31における空船状況の詳細フィールドを表す。この例において空船状況の詳細フィールドは、フィールドF31に表示される空船情報を含み、フィールドF31に表示されない詳細な空船情報を表示するためのフィールドである。この例においてフィールドF311は、フィールドF31に表示されない詳細な空船情報の一例として、G/T、積トン数、船艙サイズ、全長、竣工、底面材質、及び側面材質を含む。これらの情報は、空船データベース1810に記録される空船情報の一例である。なお、空船情報に関し、フィールドF31に表示される空船情報又はフィールドF311に表示される空船情報の区別は、予めシステムで定義される。
【0078】
図11Cは、端末における貨物状況の表示画面を例示する図である。この例において表示画面D4は、第2端末22における表示画面の一例を表す。この例においてフィールドF41及びF42は、表示画面D4における貨物状況フィールドを表し、フィールドF43は、検索フィールドを表す。なお、これらのフィールドの機能は、あくまで図11Aにおける空船状況を貨物状況に置き換えた場合の設計変更に過ぎず、上述した機能と同様の機能を有するため、詳細な説明は省略する。また、貨物状況の詳細フィールドについても、詳細な説明は省略する。
【0079】
ここまで説明した第2端末22に表示させる情報及び表示画面の設定は、ユーザである第2船舶運航事業者にとって種々の利益をもたらす。この例において第2船舶運航事業者は、第2端末22を介して掲示板の空船情報を閲覧することで、運送予定の貨物に最も適した空船をすぐに見つけることができる。また、第2船舶運航事業者は、第2端末22を介して掲示板の貨物情報を閲覧することで、他事業者の動向を把握しやすくなり、例えば、どの時期に、どこのエリアで、何の貨物が海運されるのかが予め分かるため、種々の海運トラブルを避けたり、経営活動の参考にしたりすることができる。次に、各種情報の検索方法を説明する。
【0080】
図10に戻る。ステップS203において、第2端末22は、情報処理装置10にデータを入力する。この例において情報処理装置10は、例えば、第2端末22における図11Aの表示画面D3における検索フィールドであるフィールドF33又は図11Cの表示画面D4における検索フィールドであるフィールドF43から検索条件の入力を受け付ける。この例において検索条件(予め定められた条件の一例)は、期間設定、船種、エリア、及び積載貨物等を含む。この例において期間設定(いつからいつまで)は、フリー日を含む。
【0081】
ステップS204において、情報処理装置10は、第2端末22からの入力に応じて、記憶手段18から予め定められた条件を満たす空船情報及び貨物情報の少なくとも一方を検索する。この例において検索手段15は、例えば、第2端末22のフィールドF33に入力された検索条件をもとに、空船データベース1810から空船情報を検索する。また、この例において検索手段15は、例えば、第2端末22のフィールドF43に入力された検索条件をもとに、貨物データベース1820から貨物情報を検索する。
【0082】
ステップS205において、情報処理装置10は、第2端末22に表示させるための情報であって、検索手段15によって検索された空船情報及び貨物情報の少なくとも一方を、第2端末22に出力する。
【0083】
ステップS206において、情報処理装置10は、第2端末22に、検索手段15によって検索された空船情報及び貨物情報の少なくとも一方を表示させる。この例において第1表示制御手段13は、第2端末22に、検索手段15によって検索された空船情報を表示させる。この例において第2表示制御手段14は、第2端末22に、検索手段15によって検索された貨物情報を表示させる。この例において第2端末22は、表示画面のUIに従い、検索手段15によって検索された空船情報及び貨物情報の少なくとも一方を表示する。以上より、第2端末22は、例えば、第2船舶運航事業者が所望する(検索条件に合致する)情報だけをフィルタリングして掲示板に表示することができる。これらの機能は、第2船舶運航事業者が掲示板において情報収集を行う際に、より利便性の良い(閲覧しやすい)UIを提供するために利用される。続いて帳票発行方法を説明する。
【0084】
2-3.帳票作成方法
図12は、情報処理システム1における帳票作成方法を例示するシーケンスチャートである。ステップS301において、情報処理装置10は、第1端末21に表示させるための情報であって、WEB上の種々のコンテンツのうち、帳票を作成・発行するためのサービスを含む情報を第1端末21に出力する。なお、この例において第1端末21は、2-1節で説明したステップS101~ステップS103までのログイン処理が既に行われた状態を含む(図示略)。
【0085】
ステップS302において、第1端末21は、情報処理装置10から提供されるサービスであって、事業者の経営活動に関する帳票を作成するためのツール利用画面(以下「帳票発行画面」という)を表示する。この例において帳票発行画面は、帳票を作成・発行するために必要な情報(以下「航海情報」という)の入力を第1船舶運航事業者から受け付けるための表示画面(UI)を含む。この例において航海情報は、例えば、1輸送単位、つまり一の積地を出発した船舶が、次の一の揚地に到着するまでの期間といった航海毎にまとめられた輸送内容という意味を含む。
【0086】
ステップS303において、第1端末21は、帳票発行画面にて航海情報を入力する。この例において航海情報の入力に関し、例えば、第1船舶運航事業者が管理する運航データが新たに入力されてもよいし、情報処理装置10が管理する貨物データベース1820に登録されている貨物情報を特定するためのデータが入力されてもよい。また、この例において第1端末21は、情報処理装置10に出力させる帳票のうち、例えば、以下の2種類の帳票を選択できる。1つ目の帳票は、(A)第1船舶運航事業者に対応する船舶の船長宛の帳票(以下「次航連絡票」という)である。2つ目の帳票は、(B)貨物の積地又は揚地における 関係者宛の帳票(以下「船舶明細」という)である。以上より、このステップでは、第1端末21によって航海情報の入力と、帳票の種類(フォーマット)の選択とが行われる。ここで、特に航海情報の登録方法について登録画面の具体例を説明する。
【0087】
図13は、端末における航海情報の登録画面を例示する図である。この例において表示画面D5は、例えば、第1端末21における表示画面(UI)の一例を表す。この例においてフィールドF51は、表示画面D5における航海情報の登録フィールドを表す。この例においてユーザは、フィールドF51に関し、例えば、船名、提供社、船長名、輸送名称、積載量、及び積揚日の候補等における予め表示されたプルダウンメニュー(又は入力欄等)を利用して、航海情報を登録することができる。なお、これらの航海情報の登録に関し、第1船舶運航事業者は、予め船舶マスタ181及び/又は貨物マスタ182に登録されているデータをもとに登録情報を選択できる。また、フィールドF51は、次航連絡票又は船舶明細に応じた情報を登録可能な設計を採用してもよい。以上より、ユーザは、航海情報を登録することができる。
【0088】
図12に戻る。ステップS304において、情報処理装置10は、第1端末21によって入力されたデータを記憶手段18(データベースの一例)に登録するとともに、帳票の出力に必要な情報を取得するためにデータベースを参照する。ここで航海情報の登録について説明する。
【0089】
図14は、帳票データベースを例示する図である。この例において帳票データベース1830は、帳票を作成・発行するために必要な情報であって、上述した空船データベース1810及び貨物データベース1820に登録されている情報と対応する情報を有するデータベースである。そのため、帳票データベース1830は、空船データベース1810及び貨物データベース1820に登録されている情報を基に予め作成されてもよい。帳票データベース1830において、情報処理装置10は、例えば、事業者ID、船舶ID、貨物ID、及び各属性を包括的に記録し管理する。この例において船舶ID及び貨物IDは、それぞれ空船データベース1810及び貨物データベース1820に登録されているデータを特定し紐づけるために利用される。この例において図14の船舶の属性及び貨物の属性(貨物情報の一例)はあくまで一例を表す。そのため、これらの情報は、例えば、次航連絡票及び船舶明細を出力するために必要な情報のみで構成されてもよい。なお、帳票データベース1830のどの航海情報が第1端末21によって選択された帳票、つまり次航連絡票又は船舶明細の対象になるかは、予めデータベース又はプログラム等によって定義される。
【0090】
図12に戻る。ステップS305において、情報処理装置10は、第1端末21からの入力に応じて、帳票を第1端末21に出力する。この例において出力手段16は、帳票データベース1830に記録されているデータを基に作成された帳票であって、第1端末21によって選択された次航連絡票及び船舶明細の少なくとも一方を第1端末21に出力する。この例において第1端末21に出力された帳票は、第1端末21の表示画面において実際の帳票のフォーマット(形式)を含むプレビューとして表示される。なお、第1端末21の表示画面が帳票のプレビューを表示している状態において、表示画面から第1船舶運航事業者の各種関係者(船舶の船長又は代理店等)にFAX又はメールで帳票を送信できる設定が備えられていてもよい。
【0091】
以上より、情報処理システム1において第1船舶運航事業者は、簡易に帳票を発行することができ、自身の経営活動に役立てることができる。
【0092】
2-4.マッチング方法
図15は、情報処理システム1におけるマッチング方法を例示するシーケンスチャートである。ここでは、情報処理装置10のデータベースに登録されているデータをもとに、空船情報と、貨物情報とをマッチングさせる場合について説明する。この例において「マッチング」とは、予め定められた条件を互いに満たす空船情報及び貨物情報の組み合わせを取得する処理を指す。なお、2-3節で説明した「帳票」出力の一例として、例えば、第1運航事業者による「マッチング」要求が行われることを契機に、以下のシーケンスが開始される。
【0093】
ステップS401において、第1運航事業者は、第1端末21を介し、マッチングさせたい空船情報及び貨物情報の少なくとも一方を選択し、情報処理装置10に入力する。この例において第1運航事業者は、自身がデータベースに登録した空船情報及び貨物情報の少なくとも一方を特定する選択を行うことができる。
【0094】
ステップS402において、情報処理装置10は、第1端末21によって入力された情報をもとに、データベースを参照する。この例において情報処理装置10は、図8の空船データベース1810を参照する場合、登録されている情報のうち、例えば、フリー日、フリー地、及び前荷等の情報を参照し、抽出することができる。もしくは、この例において情報処理装置10は、図9の貨物データベース1820を参照する場合、登録されている情報のうち、例えば、積日、積地、及び積荷等の情報を参照し、抽出することができる。すなわち、これによって情報処理装置10は、輸送のマッチングに必要な「時間」、「場所」、及び「荷物」といった情報を参照・取得することができる。
【0095】
ステップS403において、情報処理装置10は、各データベースの情報をもとに、第1運航事業者によって選択された空船情報又は貨物情報と、他の運航事業者が登録した貨物情報又は空船情報とのマッチング処理を行う。この例において情報処理装置10は、第1運航事業者の選択に応じて、互いに条件の合致した空船情報及び貨物情報の組み合わせを取得することができる。
【0096】
ステップS404において、情報処理装置10は、マッチング処理を行った結果を第1端末21に出力する。すなわち、この例において情報処理装置10は、第1端末21の入力に応じて、(D)第1運航事業者が登録した空船情報を他の運航事業者が登録した貨物情報とマッチングさせた結果、及び、(E)第1運航事業者が登録した貨物情報を他の運航事業者が登録した空船情報とマッチングさせた結果の2種類の結果を出力することができる。この例において第1端末21は、出力されたマッチング結果を帳票として取得する。以上より、第1運航事業者は、登録した空船情報又は貨物情報の条件に合致する情報を簡単に取得することができる。
【0097】
3.変形例
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下で説明する事項のうち2つ以上の事項が組み合わされて適用されてもよい。
【0098】
(1)情報処理システム1
情報処理システム1におけるハードウェア構成、ネットワーク構成、及び機能構成は、実施形態において例示したものに限定されない。要求される機能を実現できるものであれば、情報処理システム1はどのようなハードウェア構成、ネットワーク構成、及び機能構成を有していてもよい。例えば、物理的に複数の装置が協働して情報処理システム1として機能してもよい。この例において情報処理システム1は、情報処理装置10及び第1端末21に加え、第1船舶運航事業者の顧客又は代理店のデータベースといった複数のシステムと協働してもよい。
【0099】
(2)情報処理装置10
情報処理装置10における機能構成の形態は、実施形態において例示したものに限定されない。要求される機能を実現できるものであれば、情報処理装置10はどのような機能構成の形態を有していてもよい。また、情報処理装置10の機能の一部はサーバに実装されてもよい。このサーバは、例えば、物理サーバでもよいし、仮想サーバ(いわゆるクラウドを含む)であってもよい。また、機能要素とハードウェアとの対応関係は実施形態において例示したものに限定されない。例えば、実施形態において、情報処理装置10に実装されるものとして説明した機能の少なくとも一部が他の装置又はシステムに実装されてもよいし、反対に、他の装置又はシステムに実装されるものとして説明した機能の少なくとも一部が情報処理装置10に実装されてもよい。この例において情報処理装置10は、例えば、表示手段を有してもよく、この場合、ハードウェアとしての外付けの表示装置(例えば外部モニター又は管理者端末)によって、管理者がWEB上に構築された表示画面(UI)を随時確認できる構成であってもよい。
【0100】
情報処理装置10の機能に関し、検索手段15の機能は、実施形態において例示したものに限定されない。この例において検索条件は、上述した期間設定、船種、エリア、及び積載貨物に加え、空船データベース1810及び貨物データベース1820の少なくとも一方に記録されている情報であってもよく、例えば、船舶の属性又は貨物の属性等が検索条件として採用されてもよい。
【0101】
(3)第1端末21及び第2端末22
第1端末21及び第2端末22は、実施形態において例示したものに限定されない。この例において各端末を利用するユーザは、船舶運航事業者に限られず、サービスの利用を所望する顧客、例えば貨物を有する顧客であってもよい。この例において顧客は、自身の端末を介して、情報処理システム1の各種サービスを利用し、船舶の空船情報等を取得することができる。
【0102】
(4)2-1節:情報の登録方法
図6に示すシーケンスチャートはあくまで動作の一例を示すものであり、情報処理システム1の動作はこれに限定されない。図示した動作の一部が省略されてもよいし、順番が入れ替えられてもよいし、新たな動作が追加されてもよい。この例においてステップS101~ステップS103におけるログイン処理に関し、第1端末21における認証処理の結果が失敗の場合、情報処理装置10は、結果の出力とともに、少なくとも一部の機能を制限して第1端末21に表示させてもよい。また、この例においてステップS105及びステップS107にて第1端末21からデータを入力・編集する場合、表示画面、つまり新規登録画面又は追加登録・編集画面において、入力を簡易にするための機能、例えば、カレンダによる日付選択及び入力項目のプルダウン・セレクトボックス選択等の機能が実装されてもよい。また、この例において(2)データベース処理のステップS106にて各データベース(例えば空船データベース1810等)に登録されるデータに関し、管理者を含む情報処理システム1によって、例えば、空船情報の少なくとも一部が予め登録された状態であってもよい。
【0103】
(5)2-2節:表示方法
図10に示すシーケンスチャートはあくまで動作の一例を示すものであり、情報処理システム1の動作はこれに限定されない。図示した動作の一部が省略されてもよいし、順番が入れ替えられてもよいし、新たな動作が追加されてもよい。この例においてステップS202にて情報処理装置10が、第2端末22に、記憶手段18に登録されている情報を表示させる構成に替えて、例えば、第2端末22がアプリケーションソフトウェアを介して各種情報を表示する構成であってもよい。
【0104】
(6)2-3節:帳票作成方法
図12に示すシーケンスチャートはあくまで動作の一例を示すものであり、情報処理システム1の動作はこれに限定されない。図示した動作の一部が省略されてもよいし、順番が入れ替えられてもよいし、新たな動作が追加されてもよい。この例においてステップS303~ステップS304にて、1輸送単位で(航海毎に)航海情報の入力及びデータベースへの登録が行われるが、どのような単位が採用されてもよく、帳票の種類に応じたデータの入力及び登録が行われてもよい。また、帳票発行に係る機能の少なくとも一部が、有料会員といった予め定められた属性を有するユーザが利用できる機能として情報処理システム1に実装されてもよい。
【0105】
(7)2-4節:マッチング方法
図15に示すシーケンスチャートはあくまで動作の一例を示すものであり、情報処理システム1の動作はこれに限定されない。図示した動作の一部が省略されてもよいし、順番が入れ替えられてもよいし、新たな動作が追加されてもよい。この例においてステップS402~ステップS403にて行われるマッチング処理に関し、各データベース内に存在する情報であればどのような情報をマッチングの条件として上述した処理が行われてもよい。また、これらのマッチング条件は、例えば、ステップS401にて、第1運航事業者によって選択・入力されてもよい。マッチング処理自体は、システムにより自動で行われてもよいし、ユーザにより人力で行われてもよい。
【0106】
(8)登録画面
図7(A及びB)及び図13に示す登録画面は、実施形態において例示したものに限定されない。この例において掲示板の登録画面に関し、フィールドはどのように設計されてもよい。各フィールドにて、ユーザが端末を介して各種情報を入力し、データベース又はマスタに登録できる仕様であれば、どのような画面レイアウト及び入力UIを有してもよい。また、これらの設計は、端末の種類に応じて予め定められてもよい。
【0107】
(9)表示画面
図11(A、B、及びC)及び図13に示す表示画面は、実施形態において例示したものに限定されない。この例において掲示板の表示画面にヘッダ(又はフッタ)エリアが設けられてもよい。この例においてヘッダエリアには、HPの名称に加え、掲示板の画面、登録・確認・編集画面、帳票作成画面、会員設定画面、及びログアウト画面へ遷移するための項目が含まれてもよい。この例において表示画面の空船状況(貨物状況)フィールドに関し、例えば、表示フィールドが掲示される順番はどのようなものであってもよい。この例において予め定められた優先順位をもとに表示の順番が決定されてもよい。この優先順位に関し、第1優先として積日・フリー日の若い(早い)順、第2優先として積地・フリー地のエリア番号が小さい順、及び第3優先として登録時間が古い順として情報処理システム1において優先順位が定義されてもよい。また各種表示画面のUIに応じて、表示フィールドのレイアウトが定義されてもよい。また、そもそも表示画面のレイアウト又は構成は、スマートフォン等の端末のUIに合わせて最適な表示画面に設定されてもよい。
【0108】
(10)データベース
図8、9、及び14に示す情報処理システム1のデータベース(マスタを含む)は、実施形態において例示したものに限定されない。この例においてデータベースに登録される情報はどのようなものでもよく、事業者名・電話番号に加えて、メールアドレス又はFAX番号等であってもよい。また、各データベースにおける空船情報及び貨物情報はどのようなものであってもよく、例えば、空船情報における船舶の属性に関し、ハッチ種類(例えばマクレガ又はエルマン等)、スラスタ、及びラッシングピース等の情報がデータベースに記録されてもよい。また、データベースのレイアウトは、図示したものに限定されず、どのようなレイアウトでデータが管理されてもよい。さらに、事業者毎に情報を整理した事業者データベース及び輸送毎に情報を整理した輸送データベース等が必要に応じて作成・利用されてもよい。また、1つのデータベースで全ての情報を管理するグランドデータベースによって統括的にデータが管理されてもよい。なお、情報処理装置10が端末に表示させる情報は、データベースに登録されたデータであればどのような情報であってもよい。
【0109】
(11)帳票
帳票は、実施形態において例示したものに限定されない。この例において帳票は、上述した次航連絡票及び船舶明細に加え/代えて、注文書、契約書、(C)成約書、領収書、及び適格請求書(インボイス)等であってもよい。この例において(C)成約書は、船舶による輸送契約、例えば、見積り、輸送内容、又は諸条件等が成り立つことを証明する書類を含む。またこれらの帳票の発行に関し、例えば帳票発行に必要な情報であって、端末を介してユーザから入力された情報のうち少なくとも一部の情報をデータベースに登録しない処理が含まれてもよい。
【0110】
(12)船舶運航事業、ユーザ、及びサービス
船舶運航事業、ユーザ、及びサービスは、実施形態において例示したものに限定されない。この例において船舶運航事業は、上述した内航海運業界に加え、外航海運業界においても情報処理システム1が実装する各種機能が適用されてもよい。また、情報処理システム1のサービスを利用するユーザは、実施形態において例示したものに加え、顧客及び代理店等であってもよい。また、第1船舶運航事業者は、自身が運航 を管理する船舶又は自身の顧客の貨物だけではなく、他の運航 事業者が管理する船舶又はその運航 事業者の顧客の貨物の情報を、その運航 事業者の代わりにシステムに登録してもよい(第1船舶運航事業者に対応する船舶及び対応する貨物の別の例)。
【0111】
(13)AI
実施形態において例示した構成及び動作に関し、AI及び機械学習機能が情報処理システム1に実装されてもよい。この例において情報処理システム1におけるAIの実装に関し、例えば、データベース内に登録されたデータを分析し、ユーザにとって有用な情報を出力する機能が実装されてもよい。
【0112】
(14)ブロックチェーン
実施形態において例示した構成及び動作に関し、ブロックチェーン技術が情報処理システム1に適用されてもよい。この例において情報処理システム1におけるブロックチェーン技術の適用に関し、例えば、データベース内に登録されたデータが、ブロックチェーンネットワークに記録されてもよい。これによって各種データの削除及び書き換え等ができない状態でデータを保護することができる。また、ブロックチェーンネットワークに記録されるデータはどのようなものであってもよい。
【0113】
(15)その他
CPU101及びCPU201等によって実行される各種プログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードにより提供されるものであってもよいし、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体に記録された状態で提供されてもよい。なお、各プロセッサは、CPUに代えて、例えば、MPU(Micro Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)であってもよい。
【符号の説明】
【0114】
1…情報処理システム、10…情報処理装置、21…第1端末(第1船舶運航事業者の端末)、22…第2端末(第2船舶運航事業者の端末)、9…ネットワーク、11…第1登録手段、12…第2登録手段、13…第1表示制御手段、14…第2表示制御手段、15…検索手段、16…出力手段、18…記憶手段(DB)、1810…空船データベース、181…船舶マスタ、1820…貨物データベース、182…貨物マスタ、1830…帳票データベース、19…制御手段、101…CPU、102…メモリ、103…ストレージ、104…通信IF、201…CPU、202…メモリ、203…ストレージ、204…通信IF、205…入力装置、206…表示装置、D…表示画面、F…フィールド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-10-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末からのアクセスを受け付ける受け付け手段と、
空船データベース及び貨物データベースを記憶し、当該空船データベースには複数の船舶の各々について当該船舶の空船情報が記録され、当該貨物データベースには貨物の属性を示す貨物情報が記録される記憶手段と、
前記受け付け手段が第1船舶運航事業者の端末からアクセスを受けた場合において、当該第1船舶運航事業者の端末から当該第1船舶運航事業者に対応する船舶の空船情報が入力されたときは、当該空船情報当該第1船舶運航事業者の識別情報と対応付けて前記空船データベースに登録する第1登録手段と
前記受け付け手段が前記第1船舶運航事業者の端末からアクセスを受けた場合において、当該第1船舶運航事業者の端末から当該第1船舶運航事業者の顧客が有する貨物の貨物情報が入力されたときは、当該貨物情報当該第1船舶運航事業者の識別情報と対応付けて前記貨物データベースに登録する第2登録手段と
前記受け付け手段が第2船舶運航事業者の端末からアクセスを受けた場合において、当該第2船舶運航事業者の端末から空船情報の表示が指示されたときは、前記空船データベースに登録されている前記空船情報を表示させるデータを当該第2船舶運航事業者の端末に送信する第1表示制御手段と
前記受け付け手段が前記第2船舶運航事業者の端末からアクセスを受けた場合において、当該前記第2船舶運航事業者の端末から貨物情報の表示が指示されたときは、前記貨物データベースに登録されている前記貨物情報を表示させるデータを当該第2船舶運航事業者の端末に送信する第2表示制御手段と
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、さらに前記船舶の属性を記録した船舶マスタを記憶し、
前記受け付け手段が第1船舶運航事業者の端末からアクセスを受けた場合、前記第1登録手段は、予め前記船舶マスタに記録されている前記船舶のうち前記第1船舶運航事業者に対応する船舶の登録を受け付ける
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記船舶マスタは、前記船舶に積載可能な前記貨物の種類及びサイズの少なくとも一方を示す情報を含む
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、さらに前記貨物の属性を記録した貨物マスタを記憶し、
前記受け付け手段が第1船舶運航事業者の端末からアクセスを受けた場合、前記第2登録手段は、予め前記貨物マスタに記録されている前記貨物のうち前記第1船舶運航事業者の顧客が有する貨物と対応する前記貨物の登録を受け付ける
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記貨物マスタは、前記貨物の積地及び揚地の情報、並びに、前記積地及び揚地における代理店の情報の少なくとも一方を含む
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記受け付け手段が第2船舶運航事業者の端末からアクセスを受けた場合において、当該第2船舶運航事業者の端末から検索条件が入力されたときは、前記空船データベース又は前記貨物データベースから当該検索条件を満たす前記空船情報及び前記貨物情報の少なくとも一方を検索する検索手段をさらに有し、
前記第1表示制御手段は、前記第2船舶運航事業者の端末に、前記検索手段によって検索された前記空船情報を表示させるデータを送信し
前記第2表示制御手段は、前記第2船舶運航事業者の端末に、前記検索手段によって検索された前記貨物情報を表示させるデータを送信する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記受け付け手段が前記第1船舶運航事業者の端末からアクセスを受けた場合において、当該第1船舶運航事業者の端末から帳票発行の指示が入力されたときは当該帳票のデータを前記第1船舶運航事業者の端末に出力する出力手段をさらに有する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記出力手段は、前記帳票として
(A)前記第1船舶運航事業者に対応する前記船舶の船長宛の帳票であって、積載する前記貨物情報を含む前記帳票、
(B)前記貨物の積地又は揚地における関係者宛の帳票であって、前記貨物情報を含む船舶明細、及び
(C)成約書
の少なくとも1種を、前記第1船舶運航事業者の端末に出力する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記出力手段は、前記帳票として
(D)前記第1船舶運航事業者が登録した空船情報を他の運航事業者が登録した貨物情報とマッチングさせた結果、及び
(E)前記第1船舶運航事業者が登録した貨物情報を他の運航事業者が登録した空船情報とマッチングさせた結果
の少なくとも一方を、前記第1船舶運航事業者の端末に出力する
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが、
端末からのアクセスを受け付けるステップと、
空船データベース及び貨物データベースを記憶し、当該空船データベースには複数の船舶の各々について当該船舶の空船情報が記録され、当該貨物データベースには貨物の属性を示す貨物情報が記録される記憶手段にアクセスするステップと、
前記受け付け手段が第1船舶運航事業者の端末からアクセスを受けた場合において、当該第1船舶運航事業者の端末から当該第1船舶運航事業者に対応する船舶の空船情報が入力されたときは、当該空船情報前記空船データベースに登録するステップと
前記受け付け手段が前記第1船舶運航事業者の端末からアクセスを受けた場合において、当該第1船舶運航事業者の端末から当該第1船舶運航事業者の顧客が有する貨物の貨物情報が入力されたときは、当該貨物情報を前記貨物データベースに登録するステップと
前記受け付け手段が第2船舶運航事業者の端末からアクセスを受けた場合において、当該第2船舶運航事業者の端末から空船情報の表示が指示されたときは、前記空船データベースに登録されている前記空船情報を表示させるデータを当該第2船舶運航事業者の端末に送信するステップと
前記受け付け手段が前記第2船舶運航事業者の端末からアクセスを受けた場合において、当該前記第2船舶運航事業者の端末から貨物情報の表示が指示されたときは、前記貨物データベースに登録されている前記貨物情報を表示させるデータを当該第2船舶運航事業者の端末に送信するステップと
を有する情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
端末からのアクセスを受け付けるステップと、
空船データベース及び貨物データベースを記憶し、当該空船データベースには複数の船舶の各々について当該船舶の空船情報が記録され、当該貨物データベースには貨物の属性を示す貨物情報が記録される記憶手段にアクセスするステップと、
前記受け付け手段が第1船舶運航事業者の端末からアクセスを受けた場合において、当該第1船舶運航事業者の端末から当該第1船舶運航事業者に対応する船舶の空船情報が入力されたときは、当該空船情報前記空船データベースに登録するステップと
前記受け付け手段が前記第1船舶運航事業者の端末からアクセスを受けた場合において、当該第1船舶運航事業者の端末から当該第1船舶運航事業者の顧客が有する貨物の貨物情報が入力されたときは、当該貨物情報を前記貨物データベースに登録するステップと
前記受け付け手段が第2船舶運航事業者の端末からアクセスを受けた場合において、当該第2船舶運航事業者の端末から空船情報の表示が指示されたときは、前記空船データベースに登録されている前記空船情報を表示させるデータを当該第2船舶運航事業者の端末に送信するステップと
前記受け付け手段が前記第2船舶運航事業者の端末からアクセスを受けた場合において、当該前記第2船舶運航事業者の端末から貨物情報の表示が指示されたときは、前記貨物データベースに登録されている前記貨物情報を表示させるデータを当該第2船舶運航事業者の端末に送信するステップと
を実行させるためのプログラム。