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特開2024-169152マッチングシステム、およびマッチング端末
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169152
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】マッチングシステム、およびマッチング端末
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20241128BHJP
   G06Q 50/40 20240101ALI20241128BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086380
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】秋田 重一
(72)【発明者】
【氏名】山藤 健児
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA03
5L049AA03
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】混雑した車内においても着席の機会を提供することができるマッチングシステムを提供すること。
【解決手段】マッチングシステム1は、着席者端末10と、希望者端末20と、マッチング端末30と、を備える。希望者端末20は、着席希望の希望者400から受け付けた着席希望駅の情報と、希望者の位置情報と、を含む希望者情報をマッチング端末30へ送信する。着席者端末10は、車内に着席中の着席者300から受け付けた降車予定駅の情報と着席者300の位置情報と、を含む着席者情報をマッチング端末30へ送信する。マッチング端末30は、希望者端末20から受信した希望者情報に含まれる着席希望駅に、着席者端末10から受信した着席者情報に含まれる降車予定駅が含まれ、かつ、着席者の位置情報と、希望者の位置情報と、が所定の範囲内であるか否かのマッチングを行い、マッチングが成立した場合には、通知を希望者端末20に通知する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着席者端末と、希望者端末と、マッチング端末と、を備えるマッチングシステムであって、
前記希望者端末は、着席希望の希望者から受け付けた着席希望駅の情報と、前記希望者の位置情報と、を含む希望者情報を前記マッチング端末へ送信し、
前記着席者端末は、車内に着席中の着席者から受け付けた降車予定駅の情報と前記着席者の位置情報と、を含む着席者情報を前記マッチング端末へ送信し、
前記マッチング端末は、
前記希望者端末から受信した前記希望者情報に含まれる前記着席希望駅に、前記着席者端末から受信した前記着席者情報に含まれる前記降車予定駅が含まれ、かつ、前記着席者の位置情報と、前記希望者の位置情報と、が所定の範囲内であるか否かのマッチングを行い、
前記マッチングが成立した場合には、通知を前記希望者端末に通知する
ことを特徴とするマッチングシステム。
【請求項2】
前記希望者端末は、
前記マッチング端末から前記通知を受け付けた場合には、前記希望者に対し座席の着席を促す交代確認画面を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項3】
前記着席者端末は、
前記降車予定駅の情報と前記着席者の位置情報と、に加えて、前記着席者の風貌の特徴を示す特徴情報を含む前記着席者情報を前記マッチング端末へ送信し、
前記マッチング端末は、
前記マッチングが成立した場合には、前記特徴情報を含む前記通知を前記希望者端末に通知する
ことを特徴とする請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項4】
前記マッチング端末は、
前記マッチングが成立した場合には、通知を前記着席者端末に通知し、
前記着席者端末は、
前記マッチング端末から前記通知を受け付けた場合には、前記着席者に対し座席の交代を促す交代確認画面を表示する
ことを特徴とする請求項3に記載のマッチングシステム。
【請求項5】
前記着席者の前記位置情報および前記希望者の前記位置情報は、前記車内に設置されたビーコンが発する電波に含まれるビーコン情報に基づいて特定される
ことを特徴とする請求項1から4のうち何れかに記載のマッチングシステム。
【請求項6】
着席者端末および希望者端末と接続されたマッチング端末であって、
前記希望者端末から送信された着席希望の希望者から受け付けた着席希望駅の情報と、前記希望者の位置情報と、を含む希望者情報を受信し、
前記着席者端末から送信された前記車内に着席中の着席者から受け付けた降車予定駅の情報と前記着席者の位置情報と、を含む着席者情報を受信し、
前記希望者端末から受信した前記希望者情報に含まれる前記着席希望駅に、前記着席者端末から受信した前記着席者情報に含まれる前記降車予定駅が含まれ、かつ、前記着席者の位置情報と、前記希望者の位置情報と、が所定の範囲内であるか否かのマッチングを行い、
前記マッチングが成立した場合には、通知を前記希望者端末に通知する
ことを特徴とするマッチング端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッチングシステム、およびマッチング端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電車やバスなどの車内において、日常的に混雑している状況が発生している。この場合、座席に座りたいと思っていたとしても、任意のタイミングで着席することはできず、近くの座席が空くまで着席することができなかった。そして、近くの座席が偶然空いたらやっと着席することができる。
【0003】
そこで、例えば、空席予定座席が空席となる予定の駅を着席開始駅とし乗客の乗車区間情報における降車駅を着席終了駅とする乗客の着席区間を生成し、着席区間と座席名とID情報と特定車両券情報と乗車区間情報とを紐付けする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-048418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、座席が空くか否かは不明であるため、着席できるまでの時間が予測不能であった。更に、混雑が継続している車内においては日常的に着席できないケースもあった。従来技術のように、空席となる予定の駅を管理するためには、特急列車の管理システムのような大規模なシステムを構築しなければならず、システムの構築コストがかかるとともにメンテナンス費用がかかるという問題がある。
【0006】
本願発明は、上記課題に鑑み、混雑した車内においても着席の機会を提供することができるマッチングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のマッチングシステムは、着席者端末と、希望者端末と、マッチング端末と、を備えるマッチングシステムであって、前記希望者端末は、着席希望の希望者から受け付けた着席希望駅の情報と、前記希望者の位置情報と、を含む希望者情報を前記マッチング端末へ送信し、前記着席者端末は、車内に着席中の着席者から受け付けた降車予定駅の情報と前記着席者の位置情報と、を含む着席者情報を前記マッチング端末へ送信し、前記マッチング端末は、前記希望者端末から受信した前記希望者情報に含まれる前記着席希望駅に、前記着席者端末から受信した前記着席者情報に含まれる前記降車予定駅が含まれ、かつ、前記着席者の位置情報と、前記希望者の位置情報と、が所定の範囲内であるか否かのマッチングを行い、前記マッチングが成立した場合には、通知を前記希望者端末に通知することを特徴とする。
【0008】
また、本発明のマッチング端末は、着席者端末および希望者端末と接続されたマッチング端末であって、前記希望者端末から送信された着席希望の希望者から受け付けた着席希望駅の情報と、前記希望者の位置情報と、を含む希望者情報を受信し、前記着席者端末から送信された前記車内に着席中の着席者から受け付けた降車予定駅の情報と前記着席者の位置情報と、を含む着席者情報を受信し、前記希望者端末から受信した前記希望者情報に含まれる前記着席希望駅に、前記着席者端末から受信した前記着席者情報に含まれる前記降車予定駅が含まれ、かつ、前記着席者の位置情報と、前記希望者の位置情報と、が所定の範囲内であるか否かのマッチングを行い、前記マッチングが成立した場合には、通知を前記希望者端末に通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、混雑した車内においても着席の機会を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態におけるマッチングシステム1の構成の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る着席者端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る希望者端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係るマッチング端末30のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】本実施形態のマッチングシステム1の機能構成の一例を示す図である。
図6】本実施形態のビーコン70の設置例を示す図である。
図7】本実施形態のビーコン70の設置例を示す図である。
図8】マッチング端末30の記憶部32に記憶されている利用者アカウントDB321の一例を示す図である。
図9】マッチング端末30の記憶部32に記憶されている着席マッチングアプリDB322の一例を示す図である。
図10】着席マッチングアプリDB322の具体例を示す図である。
図11】列車運行管理システム60に記憶されている列車管理DB601の一例を示す図である。
図12】列車管理DB601の具体例を示す図である。
図13】マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうちサービス開始時のDB作成処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図14】マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち列車運行情報DB更新処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図15】マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち利用者登録処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図16】表示部13に表示される利用者登録時画面一例を示す図である。
図17】初回登録画面の一例を示す図である。
図18】マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち着席者降車駅登録処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図19】表示部13に表示された乗降駅登録画面411の一例を示す図である。
図20】降車駅登録画面の一例を示す図である。
図21】マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち着席希望者登録処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図22】着席希望駅登録画面の一例を示す図である。
図23】マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち座席マッチング処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図24】座席マッチング成立結果の一例を示す図である。
図25】マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち目視確認による着席交代処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図26】マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち目視確認による着席交代処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図27】交代確認画面の一例を示す図である。
図28】交代完了画面の一例を示す図である。
図29】完了メッセージの一例を示す図である。
図30】マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち二次元コードによる着席交代処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図31】マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち二次元コードによる着席交代処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図32】交代確認画面(QR)の一例を示す図である。
図33】マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち端末間通信による着席交代処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図34】マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち端末間通信による着席交代処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図35】交代確認画面の一例を示す図である。
図36】完了メッセージの別実施形態の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施形態>
以下、図面にしたがって第1実施形態にかかるマッチング端末を含むマッチングシステムについて説明する。図1は、本実施の形態におけるマッチングシステム1の構成の一例を示す図である。
【0012】
マッチングシステム1は、着席者端末10、希望者端末20、およびマッチング端末30を備える。
【0013】
着席者端末10と、希望者端末20と、はそれぞれ無線通信可能に接続されている。着席者端末10と、希望者端末20と、は近距離無線通信により接続することができる。着席者端末10、および希望者端末20の間を接続する近距離無線通信として、例えば、NFC(Near Field Communication)を採用することができる。着席者端末10、および希望者端末20の間を接続する近距離無線通信として、Bluetooth(登録商標)を採用してもよい。
【0014】
着席者端末10と、マッチング端末30と、はそれぞれ無線通信可能に接続されている。着席者端末10とマッチング端末30との間の通信、および希望者端末20とマッチング端末30との間の通信は、4G(第4世代移動通信システム:4th Generation Mobile Communication System)や5G(第5世代移動通信システム:5th Generation Mobile Communication System,)などのモバイル通信技術やWi-FiによりインターネットなどのネットワークNを通じて接続することができる。
【0015】
着席者端末10および希望者端末20は、着席者300および希望者400が携帯可能な携帯端末が使用される。携帯端末としては、スマートフォン(Smartphone)、タブレット(Tablet)、ウェアラブル端末(Wearable device)などにより構成される。
【0016】
着席者端末10は、電車やバスなどの車両200の車内で座席100に着席している着席者300が保有している端末である。着席者端末10には、マッチングシステム1によるマッチング方法を実行するためのアプリケーション(以下、「座席マッチングアプリケーション」とも呼ぶ)が導入されている。
【0017】
車両の車内には、複数のビーコン70-1、70-2、・・・70-n(nは1以上の自然数)が設置されている。以下、複数のビーコン70-1、70-2、・・・70-nを特に区別して説明しない場合には、「ビーコン70」と呼ぶ。各ビーコン70-1、70-2、・・・70-nは、車両のドア付近など、複数の位置に配置されている。各ビーコン70-1、70-2、・・・70-nは、配置されている位置を識別するための固有のIDを含むビーコン情報を電波により送信する。
【0018】
着席者端末10は、ビーコン70から送信されたビーコン情報を受信する。着席者端末10は、受信したビーコン情報と、ビーコン70から送信された電波の電波強度と、を含む情報をマッチング端末30へ送信する。マッチング端末30は、着席者端末10から送信されたビーコン情報に含まれるID情報と、当該ビーコン70から送信された電波強度と、に基づいて、着席者端末10を保有する着席者300の位置を特定する。ビーコンが発する電波に含まれるビーコン情報に基づいて特定される。
【0019】
希望者端末20は、車両の車内で座席100への着席を希望している希望者400が保有している端末である。着席者端末10にも、着席者端末10に導入されているマッチングアプリケーションと同様のアプリケーションが導入されている。
【0020】
マッチング端末30は、PC(Personal Computer)やサーバなどにより構成され、着席者端末10および希望者端末20とネットワークを通じて接続されている。マッチング端末30は、更に、決済サーバ40、ポイントサーバ50、列車運行管理システム(PTC:Programmed Traffic Control)60と接続されている。マッチング端末30と決済サーバ40との間の通信、マッチング端末30とポイントサーバ50との間の通信、マッチング端末30と列車運行管理システム60との間の通信は、それぞれ専用線、インターネットの何れの方法により接続されていてもよい。
【0021】
決済サーバ40は、着席者端末10と希望者端末20との間のマッチングが成立した場合に、マッチング端末30からの指示に基づいて、希望者端末20との間において決済処理を行う。決済処理としては、マッチングが成立した場合に、希望者端末20に紐づいた銀行口座やクレジットカードなどの金融資産から所定の金額を減算する処理を行う。
【0022】
ポイントサーバ50は、着席者端末10と希望者端末20との間のマッチングが成立した場合に、マッチング端末30からの指示に基づいて、着席者端末10との間においてポイント処理を行う。ポイント処理としては、マッチングが成立した場合に、着席者端末10に紐づいたポイントカードやアプリケーションなどのポイントサービスから所定のポイントを加算する処理を行う。ポイントサービスとしてポイントを加算する処理を行っているがこの限りではなく、マイル、スタンプなど、ポイントに準ずる金銭的報酬であってもよい。
【0023】
列車運行管理システム60は、列車の運行管理において、計画ダイヤを基に列車集中制御装置(CTC)、自動進路制御装置(PRC)、運転整理システム、旅客案内システムなどを一括管理・制御するコンピュータシステムである。本実施形態においては、列車運行管理システム60は、列車ごとの運行情報(編成、ビーコン情報、停車駅情報など)や、列車ごとの運行状況(走行位置情報)などを管理する。
【0024】
図2は、本発明の実施形態に係る着席者端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0025】
着席者端末10は、制御部11、記憶部12、表示部13、入力部14、及び通信インタフェース15を有する。着席者端末10は、図2に示していない他のハードウェア構成を備えていてもよい。
【0026】
制御部11は、着席者端末10全体を統括的に制御するもので、プログラムを読込んで制御処理を実行するCPU(Central Processing Unit)(不図示)を有する。
【0027】
制御部11は、記憶部12のRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などに記憶されたプログラムを記憶部12のRAMに展開して順次実行することで、着席者端末10全体の動作を制御する。制御部11は、OS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムなどの各種プログラムを実行することにより着席者端末10の全体動作を制御する。
【0028】
記憶部12は、RAM、ROM、HDD、SSDなどであり、制御部11が実行するプログラム、各種設定情報などを記憶する。また、記憶部12は、着席者端末10において入力された情報、及び、マッチング端末30から送信された情報を記憶することができる。
【0029】
表示部13は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機EL(organic electro-luminescence)などのディスプレイであり、制御部11の制御のもとで着席者端末10を操作する着席者300に対して操作画面などを表示する。入力部14は、表示部13と一体化したタッチパネルで、着席者300の入力指示を受け付ける。入力された情報は制御部11に通知される。入力部14は、着席者300の入力指示に基づき、着席者300の降車予定駅、着席者300の風貌などの入力を受け付ける。
【0030】
通信インタフェース15は、制御部11の制御のもと、無線通信を通じて希望者端末20またはマッチング端末30との間で通信を行う。着席者端末10は、通信インタフェース15による通信を行うことで、希望者端末20またはマッチング端末30から送信された情報の送受信を行う。
【0031】
図3は、本発明の実施形態に係る希望者端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0032】
希望者端末20は、制御部21、記憶部22、表示部23、入力部24、及び通信インタフェース25を有する。希望者端末20は、図3に示していない他のハードウェア構成を備えていてもよい。
【0033】
制御部21は、希望者端末20全体を統括的に制御するもので、プログラムを読込んで制御処理を実行するCPU(不図示)を有する。
【0034】
制御部21は、記憶部22のRAM、ROM、HDD、SSDなどに記憶されたプログラムを記憶部22のRAMに展開して順次実行することで、希望者端末20全体の動作を制御する。制御部21は、OSのプログラムやアプリケーションプログラムなどの各種プログラムを実行することにより希望者端末20の全体動作を制御する。
【0035】
記憶部22は、RAM、ROM、HDD、SSDなどであり、制御部21が実行するプログラム、各種設定情報などを記憶する。また、記憶部22は、希望者端末20において入力された情報、及び、マッチング端末30から送信された情報を記憶することができる。
【0036】
表示部23は、例えば液晶ディスプレイや有機ELなどのディスプレイであり、制御部21の制御のもとで希望者端末20を操作する希望者400に対して操作画面などを表示する。入力部24は、表示部23と一体化したタッチパネルで、希望者400の入力指示を受け付ける。入力された情報は制御部21に通知される。入力部24は、希望者400の入力指示に基づき、希望者400の着席希望駅などの入力を受け付ける。入力部24は、希望者400の入力指示に基づき、希望者400の風貌の特徴の入力を受け付けてもよい。
【0037】
通信インタフェース25は、制御部21の制御のもと、無線通信を通じて着席者端末10またはマッチング端末30との間で通信を行う。希望者端末20は、通信インタフェース25による通信を行うことで、着席者端末10またはマッチング端末30から送信された情報の送受信を行う。
【0038】
図4は、本発明の実施形態に係るマッチング端末30のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0039】
マッチング端末30は、制御部31、記憶部32、表示部33、入力部34、及び通信インタフェース35を有する。マッチング端末30は、図4に示していない他のハードウェア構成を備えていてもよい。
【0040】
制御部31は、マッチング端末30全体を統括的に制御するもので、プログラムを読込んで制御処理を実行するCPU(不図示)を有する。
【0041】
制御部31は、記憶部32のRAM、ROM、HDD、SSDなどに記憶されたプログラムを記憶部32のRAMに展開して順次実行することで、マッチング端末30全体の動作を制御する。制御部31は、OSのプログラムやアプリケーションプログラムなどの各種プログラムを実行することによりマッチング端末30の全体動作を制御する。
【0042】
記憶部32は、RAM、ROM、HDD、SSDなどであり、制御部31が実行するプログラム、各種設定情報などを記憶する。また、記憶部32は、マッチング端末30において入力された情報、着席者端末10、および希望者端末20から送信された情報を記憶することができる。
【0043】
表示部33は、出力を行う装置であり、例えば液晶ディスプレイや有機ELなどのディスプレイ(モニタ)である。表示部33は、制御部31の制御のもとでマッチング端末30を操作する操作者(不図示)に対して操作画面などを表示する。入力部34は、操作者(不図示)の入力指示を受け付ける装置であり、例えばキーボード、マウス等である。入力された情報は制御部31に通知される。
【0044】
通信インタフェース35は、制御部31の制御のもと、無線通信を通じて着席者端末10および希望者端末20との間で通信を行う。同様に、通信インタフェース35は、決済サーバ40とポイントサーバ50および列車運行管理システム60との間で通信を行う。
【0045】
図5は、本実施形態のマッチングシステム1の機能構成の一例を示す図である。マッチングシステム1は、着席者端末10、希望者端末20、マッチング端末30を備える。マッチング端末30の記憶部32は、利用者アカウントDB321、着席マッチングアプリDB322を記憶する。
【0046】
希望者端末20の制御部21は、着席希望の希望者400から受け付けた着席希望駅の情報と、希望者の位置情報と、を含む希望者情報をマッチング端末30へ送信する。
【0047】
着席者端末10の制御部11は、車内に着席中の着席者300から受け付けた降車予定駅の情報と着席者の位置情報と、を含む着席者情報をマッチング端末30へ送信する。
【0048】
マッチング端末30の制御部31は、希望者端末20から受信した希望者情報に含まれる着席希望駅に、着席者端末から受信した着席者情報に含まれる降車予定駅が含まれ、かつ、着席者300の位置情報と、希望者400の位置情報と、が所定の範囲内であるか否かのマッチングを行う。マッチングが成立した場合には、マッチング端末30の制御部31は、希望者端末20へ通知する。希望者端末20の制御部21は、マッチング端末30から通知を受け付けた場合には、希望者400に対し座席100の着席を促す交代確認画面を表示する。
【0049】
着席者端末10の制御部11は、降車予定駅の情報と着席者の位置情報と、に加えて、着席者の風貌の特徴を示す特徴情報を含む着席者情報をマッチング端末へ送信する。そして、マッチング端末30は、マッチングが成立した場合には、特徴情報を含む通知を希望者端末20へ通知する。
【0050】
マッチング端末30の制御部31は、マッチングが成立した場合には、通知を着席者端末10に通知する。そして、着席者端末10の制御部11は、マッチング端末30から通知を受け付けた場合には、着席者300に対し座席の交代を促す交代確認画面を表示する。
【0051】
図6図7は、本実施形態のビーコン70の設置例を示す図である。各ビーコン70-1、70-2、70-3、70-4は、車両200の車内に所定の間隔を置いて設置されている。本実施形態においては、各ビーコン70-1、70-2、70-3、70-4は、車両200のドアの位置にそれぞれ配置されている。
【0052】
したがって、各ビーコン70-1、70-2、70-3、70-4間において、エリアAN1、エリアAN2、エリアAN3、エリアAN4、エリアAN5を構成している。マッチング端末30は、各ビーコン70-1、70-2、70-3、70-4間から発せられる電波の強度に基づいて各ビーコン70-1、70-2、70-3、70-4との距離を算出することができる。これにより、マッチング端末30は、着席者端末10および/または希望者端末20がいずれのエリアAN1、エリアAN2、エリアAN3、エリアAN4、エリアAN5に存在するのかを認識することができる。
【0053】
また、各ビーコン70-1、70-2、70-3、70-4は、図7に示すように、各車両200毎にそれぞれ配置することができる。これにより、各ビーコン70-1、70-2、70-3、70-4から受信したビーコン情報に基づいて、いずれの号車のどのエリアに着席者端末10および/または希望者端末20が存在するのかを認識することができる。
【0054】
図8は、マッチング端末30の記憶部32に記憶されている利用者アカウントDB321の一例を示す図である。利用者アカウントDB321は、利用者IDごとにパスワード、氏名、決済(支払い)情報、ポイント受領情報、メールアドレスなどの利用者を識別できる識別情報が記憶されている。利用者アカウントDB321は、図8に示していない他の情報を記憶してもよい。
【0055】
本実施形態において、利用者とは、着席者端末10を利用している着席者300および/または希望者端末20を利用している希望者400である。したがって、利用者IDとは、着席者端末10を利用している着席者300および/または希望者端末20を利用している希望者400を一意に識別できる識別情報である。着席者300および/または希望者400を一意に識別できる識別情報として例えば、任意の文字列からなるID(identification number)番号が使用される。
【0056】
パスワードとは、利用者IDに紐づいた認証情報である。氏名は、利用者の名前である。決済(支払い情報)とは、利用者に紐づいた金融資産から所定の金額を決済する(支払う)ための手段である。利用者に紐づいた金融資産として、例えば、銀行口座やクレジットカードなどを利用することができる。ポイント受領情報とは、利用者に紐づいたポイントサービスから所定のポイントを受領するための手段である。利用者に紐づいたポイントサービスとして、例えば、ポイントカードやアプリケーションなどを利用することができる。メールアドレスとは、決済の完了および/またはポイントの付与の完了の際に通知する通知先である。
【0057】
図9は、マッチング端末30の記憶部32に記憶されている着席マッチングアプリDB322の一例を示す図である。図10は、着席マッチングアプリDB322の具体例を示す図である。着席マッチングアプリDB322は、列車運行情報DB3221、ビーコン情報DB3222、座席マッチングDB3223が記憶されている。着席マッチングアプリDB322は、図9に示していない他の情報を記憶してもよい。
【0058】
列車運行情報DB3221は、列車番号ごとに、サービス提供ステータス、始発駅情報、停車駅情報、終着駅情報、走行エリア情報などの情報が記憶されている。
【0059】
列車番号は、走行中の列車を識別するための識別記号である。本実施形態においては、列車番号として「○△線1234列車」の情報が記憶されている。サービス提供ステータスは、列車番号に対応する列車内において、マッチング端末30によるマッチング処理のサービスが提供されているか否かを示す情報である。マッチング処理のサービスが提供されている場合には、サービス提供ステータスとして、サービス提供中の情報が記憶され、マッチング処理のサービスの提供が中止されている場合には、サービス提供ステータスとして、サービス提供停止中の情報が記憶される。本実施形態においては、サービス提供ステータスとして、「サービス提供中」の情報が記憶されている。
【0060】
始発駅情報は、列車番号に対応する列車の始発駅を識別するための情報である。本実施形態においては、始発駅として「東京駅」の情報が記憶されている。停車駅情報は、列車番号に対応する列車の停車駅を識別するための情報である。本実施形態においては、停車駅として「神田駅」、「新宿駅」、「立川駅」、「八王子駅」・・・などの情報が記憶されている。終着駅情報は、列車番号に対応する列車の終着駅を識別するための情報である。本実施形態においては、終着駅として「高尾駅」の情報が記憶されている。走行エリア情報は、列車番号に対応する列車が走行中のエリアを識別するための情報である。走行エリア情報の情報はリアルタイムで更新される。本実施形態においては、走行エリア情報の情報として「お茶の水(⇒走行中⇒)四谷」の情報が記憶されている。これにより、列車番号に対応する列車が「お茶の水」と「四谷」間を走行中であることを識別することができる。
【0061】
ビーコン情報DB3222は、列車番号に対応する車両番号ごとのビーコン情報が記憶されている。車両番号は、列車番号に対応する列車のうち何番目の車両かを表す情報である。ビーコン情報は、車両番号に対応する車両に設置されている各ビーコンを識別するための識別情報である。本実施形態においては、例えば、「ビーコン01」の「1ID」に対応するビーコン情報として、「0101」が記憶されている。
【0062】
座席マッチングDB3223は、号車座席エリア情報ごとに、乗降駅情報、マッチング情報、着席者情報、着席希望者情報が記憶されている。
【0063】
号車座席エリア情報は、列車番号と該列車番号に対応する列車の車両内における座席エリアの情報が記憶されている。座席エリアとは、車両200の車内において着席者300または希望者400が存在するエリアを示す情報である。座席エリアは、特定の車両200の中の座席や、車両200のドア付近、車両200のドアとドアの間など任意の場所を指定することができる。本実施形態においては、号車座席エリア情報として、「1号車-第1エリア」、「5号車-第2エリア」、「10号車-第5エリア」等の情報が記憶されている。マッチング端末30は、号車座席エリア情報として、「1号車-第1エリア」であることを認識することにより、着席者300または希望者400が1号車の第1エリアに存在することを識別することができる。
【0064】
乗降駅情報は、希望者400の着席希望駅または着席者300の降車予定駅の情報が記憶される。本実施形態においては、乗降駅情報として「新宿」、「国分寺」、「立川」、「三鷹」、「八王子」等の情報が記憶されている。
【0065】
マッチング情報は、着席者300または希望者400のマッチングの状態の情報が記憶されている。本実施形態においては、マッチング処理において、マッチングが完了しているマッチング情報として「マッチング完了」の情報が記憶され、マッチング処理において、希望者400が着席を希望しているマッチング情報として「着席希望待ち」の情報が記憶され、マッチング処理として、着席者300が降車を予定しているマッチング情報として「降車予定」の情報が記憶されている。
【0066】
着席者情報は、着席者300の識別情報および着席者の風貌の情報が記憶される。着席者300の識別情報とは、利用者アカウントDB321に記憶されている着席者300に対応する利用者IDである。着席者300の風貌とは、着席者300の外見の特徴である。本実施形態においては、外見の特徴として、性別、服装の特徴、カバンの色や形の情報が含まれる。
【0067】
着席者希望者情報は、希望者400の識別情報が記憶される。希望者400の識別情報とは、利用者アカウントDB321に記憶されている希望者400に対応する利用者IDである。
【0068】
図11は、列車運行管理システム60に記憶されている列車管理DB601の一例を示す図である。図12は、列車管理DB601の具体例を示す図である。列車管理DB601は、列車番号に対応する始発駅情報、停車駅情報、終着駅情報、列車編成情報が記憶される。列車管理DB601は、図11に示していないほかの情報を記憶してもよい。
【0069】
列車番号は、走行中の列車を識別するための識別記号である。マッチング端末30は、列車運行管理システム60の列車管理DB601に記憶されている列車番号を参照して、着席マッチングアプリDB322の列車運行情報DB3221の列車番号の情報を作成する。
【0070】
始発駅情報は、列車番号に対応する列車の始発駅の情報および列車番号に対応する列車が発車する発車時刻の情報が記憶される。マッチング端末30は、列車運行管理システム60の列車管理DB601に記憶されている始発駅情報を参照して、着席マッチングアプリDB322の列車運行情報DB3221の始発駅の情報を作成する。また、マッチング端末30は、始発駅に対応する発車時刻のタイミングに基づいて、着席マッチングアプリDB322を作成する。
【0071】
停車駅情報は、列車番号に対応する列車の停車駅の情報および列車番号に対応する列車が停車する停車時刻の情報が記憶される。マッチング端末30は、列車運行管理システム60の列車管理DB601に記憶されている停車駅情報を参照して、着席マッチングアプリDB322の列車運行情報DB3221の停車駅の情報を作成する。
【0072】
終着駅情報は、列車番号に対応する列車の終着駅の情報および列車番号に対応する列車が終着する終着時刻の情報が記憶される。マッチング端末30は、列車運行管理システム60の列車管理DB601に記憶されている終着駅情報を参照して、着席マッチングアプリDB322の列車運行情報DB3221の終着駅の情報を作成する。また、マッチング端末30は、終着駅に対応する終着時刻のタイミングに基づいて、作成した着席マッチングアプリDB322を消去する。
【0073】
列車編成情報は、列車番号に対応する車両番号の情報および車両番号に対応するビーコンID情報が記憶される。マッチング端末30は、列車運行管理システム60の列車管理DB601に記憶されている列車編成情報を参照して、着席マッチングアプリDB322の列車運行情報DB3221のビーコン情報DB3222の情報を作成する。
【0074】
図13は、マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうちサービス開始時のDB作成処理の一例を示すシーケンスチャートである。マッチング端末30は、列車運行管理システム60に対し問い合わせを行うことにより、列車管理DB601に記憶されている列車番号の情報を取得して、取得した列車番号の情報を表示部33のディスプレイに表示する。マッチング端末30は、表示された列車番号の情報に基づき、マッチング・サービス業務管理者の入力部34に対する選択操作に基づき、対象の列車番号(以下、「対象列車番号」とも呼ぶ)の入力を受け付ける(ステップS101)。列車管理DB601に記録されている列車番号の情報取得は、マッチング・サービス業務管理者の操作を受け付けること無く、マッチング端末30の自動処理により、任意のタイミングで実施してもよい。
【0075】
マッチング端末30は、列車運行管理システム60に対し問い合わせを行うことにより、列車管理DB601に記憶されている列車番号に対応する列車運行情報を取得する(ステップS102)。取得する列車運行情報には、停車駅情報や、ビーコンマッピング情報が含まれる。
【0076】
マッチング端末30は、ステップS102で取得した列車運行情報に基づいて列車運行情報DB3221を作成する(ステップS103)。作成する列車運行情報DB3221には、運行情報やビーコンは配置されている位置を識別するための固有のIDを含むビーコン情報が含まれる。
【0077】
マッチング端末30は、マッチング・サービス業務管理者の入力部34に対する選択操作に基づき、マッチングシステム1によるマッチングサービスの開始指示の入力を受け付ける(ステップS104)。マッチングサービスの開始指示は、マッチング・サービス業務管理者の操作を受け付けること無く、マッチング端末30の自動処理により、任意のタイミングで実施してもよい。
【0078】
マッチング端末30は、マッチングサービスの開始以降においても、列車運行情報DB3221のサービス提供ステータスが「サービス提供中」である場合には、列車の走行エリア情報により、列車運行情報DB3221を更新する(ステップS105)。そして、列車運行情報DB3221のサービス提供ステータスが「サービス提供停止中」となった場合には、マッチングシステム1は、列車運行情報DB3221の更新を終了する。
【0079】
図14は、マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち列車運行情報DB更新処理の一例を示すシーケンスチャートである。マッチング端末30は、着席マッチングアプリ322の列車運行情報DB3221を一定間隔で参照し、走行エリア情報を取得する(ステップS201)。
【0080】
マッチング端末30は、ステップS201で取得した走行エリア情報に更新があったか否かを取得する(ステップS202)。この処理では、前回のタイミングで取得した走行エリア情報と、今回のタイミングで取得した走行エリア情報と、が一致するか相違するかが判断される。前回のタイミングで取得した走行エリア情報と、今回のタイミングで取得した走行エリア情報と、が一致する場合には、走行エリア更新がない(ステップS202:なし)と判断され、処理はステップS201へ戻る。前回のタイミングで取得した走行エリア情報と、今回のタイミングで取得した走行エリア情報と、が相違する場合には、走行エリア更新があり(ステップS202:あり)と判断され、処理はステップS203へ進む。
【0081】
マッチング端末30は、走行アリア更新があると判断された場合には、列車運行情報DB3221の走行エリア情報を更新する(ステップS203)。マッチング端末30は、一定時間経過したか否かを判定する(ステップS204)。一定時間が経過していない場合(ステップS204:いいえ)には、マッチング端末30は、一定時間が経過するまで処理を待機する。一定時間が経過した場合(ステップS204:はい)には、マッチング端末30は、一定時間経過後にステップS201からステップS203を繰り返し走行エリアの情報を更新する。この処理が終了すると、列車運行情報DB更新処理は終了となる。
【0082】
図15は、マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち利用者登録処理の一例を示すシーケンスチャートである。利用者登録処理において説明する利用者とは、着席者300または希望者400である。
【0083】
着席者端末10は、着席者(利用者)300の入力部14に対する選択操作を受け付けた場合には、着席者端末10にアプリケーションをダウンロードし、インストールを行う。着席者端末10に対するインストールが行われた後に、アプリケーションの起動を行う(ステップS301)。希望者端末20は、希望者(利用者)400の入力部24に対する選択操作を受け付けた場合には、上述の着席者端末10と同様に、希望者端末20にアプリケーションをダウンロードおよびアプリケーションの起動が行われる。
【0084】
アプリケーションの起動が行われると、着席者端末10は、表示部13のディスプレイにスマホホーム画面を表示するとともに、認証画面を表示する。図16は、表示部13に表示される利用者登録時画面一例を示す図である。図16のうち、図16(1)は、利用者登録画面のうちスマホホーム画面401の一例を示し、図16(2)は、認証画面402の一例を示す。なお、希望者端末20は、アプリケーションの起動が行われると、上述の着席者端末10と同様に、表示部23のディスプレイにスマホホーム画面401を表示するとともに、認証画面402を表示する。
【0085】
認証画面402には、利用開始ボタン4021および初回登録ボタン4022が表示されている。着席者300の入力操作に基づき、初回登録ボタン4022が選択されると、着席者端末10は、表示部13に初回登録画面を表示する。図17は、初回登録画面の一例を示す図である。図17(1)は、IDパスワード登録画面403の一例を示し、図17(2)は、支払い情報登録画面404の一例を示す。
【0086】
着席者端末10は、着席者300の入力部14に対する入力操作に基づき、アカウント情報の入力を受け付ける(ステップS302)。入力を受け付けるアカウント情報には、IDパスワード登録画面403に表示されたID、パスワード、メールアドレス、および、支払い情報登録画面404に表示された支払いカード番号または電子マネー種別(電子マネー番号)などの情報が含まれる。
【0087】
着席者端末10は、アカウント情報の入力を受け付けると、受け付けたアカウント情報をマッチング端末30へ送信する。なお、希望者端末20は、アカウント情報の入力を受け付けると、上述の着席者端末10と同様に、受け付けたアカウント情報をマッチング端末30へ送信する。
【0088】
マッチング端末30は、着席者端末10または希望者端末20から送信されたアカウント情報を受け付けると、利用者アカウントDB321を更新する(ステップS303)。この処理が終了すると、利用者登録処理は終了となる。
【0089】
図18は、マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち着席者降車駅登録処理の一例を示すシーケンスチャートである。座席マッチングアプリが起動されると、着席者端末10は、表示部13のディスプレイに乗降駅登録画面を表示する。図19は、表示部13に表示された乗降駅登録画面411の一例を示す図である。乗降駅登録画面411には、降車駅登録ボタン4111および着席希望登録ボタン4112が表示されている。
【0090】
着席者300の入力操作に基づき、降車駅登録ボタン4111が選択されると、着席者端末10は、降車駅登録処理を起動する(ステップS401)。降車駅登録処理が起動すると、着席者端末10は、ビーコン70からビーコン情報を取得する(ステップS402)。着席者端末10は、取得したビーコン情報をマッチング端末30へ送信する。
【0091】
マッチング端末30は、着席者端末10からビーコン情報を受信すると、受信したビーコン情報より、列車番号、号車、エリアを特定する(ステップS403)。
【0092】
また、降車駅登録処理が起動すると、着席者端末10は、表示部13に降車駅登録画面を表示する。図20は、降車駅登録画面の一例を示す図である。図20(1)は、降車駅入力画面421の一例を示し、図20(2)は、降車駅確認画面422の一例を示す。
【0093】
降車駅入力画面421には、着席者300の降車予定駅(降車駅)4211、ポイント加算情報4212、着席者300の風貌の特徴情報4213、着席者300がいる号車およびエリア情報4214および登録ボタン4215が表示されている。ポイント加算情報4212は、マッチング処理を行うことにより着席者300が得られる報酬(ポイント)を示す情報である。着席者300は、ポイント加算情報4212を確認することにより、マッチングサービスを利用する意欲を高めることができ、その結果マッチングサービスの利用促進を図ることができる。
【0094】
着席者端末10は、着席者300の入力部14に対する入力操作に基づき、降車予定駅(降車駅)4211、風貌の特徴情報4213の入力を受け付ける(ステップS404)。降車駅入力画面421には、風貌の特徴として、性別、服装の特徴、カバンの形・色の入力が受け付けられている。着席者300風貌の特徴を特定できる情報であれば、上述の特徴に限られるものではない。降車予定駅(降車駅)4211および/または風貌の特徴情報4213の入力は、フリックすることにより選択できる方式で入力を受け付ける。これにより、着席者300の入力操作を簡便なものとすることができる。その結果、マッチングサービスの利用促進を図ることができる。降車予定駅(降車駅)4211および/または風貌の特徴情報4213の入力は、本実施形態においては、フリックすることにより選択できる方式で入力を受け付けるがこの限りではなく、テキストを直接入力できる方式で入力を受け付けてもよい。
【0095】
着席者300がいる号車およびエリア情報4214は、ステップS402において取得されたビーコン情報に基づき特定された着席者300がいる号車およびエリアの情報である。着席者300の入力部14に対する入力操作に基づき、登録ボタン4215が選択された場合には、着席者端末10は、ステップS404で入力を受け付けた降車予定駅(降車駅)4211、風貌の特徴情報4213の情報をマッチング端末30へ送信するとともに表示部13に降車駅確認画面422を表示する。
【0096】
降車駅確認画面422には、ステップS404で入力を受け付けた降車予定駅(降車駅)の情報4221、着席者300がいる号車およびエリア情報4222および閉じるボタン4223が表示されている。着席者300は、降車駅確認画面422に表示された降車予定駅(降車駅)の情報4221および着席者300がいる号車およびエリア情報4222を確認することにより、入力された情報に誤りがないかを確認することができる。
【0097】
着席者300の入力部14に対する入力操作に基づき、閉じるボタン4223が選択された場合には、着席者端末10は、降車駅確認画面422を閉じる。
【0098】
マッチング端末30は、着席者端末10から送信された降車予定駅(降車駅)、風貌の特徴情報の情報に基づいて、座席マッチングDB3223を更新する(ステップS405)。この処理では、座席マッチングDB3223へ降車登録情報を追加する処理が行われる。この処理が終了すると、着席者降車駅登録処理は終了となる。
【0099】
図21は、マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち着席希望者登録処理の一例を示すシーケンスチャートである。座席マッチングアプリが起動されると、希望者端末20は、表示部23のディスプレイに図19に示す乗降駅登録画面を表示する。
【0100】
希望者400の入力操作に基づき、着席希望登録ボタン4112が選択されると、希望者端末20は、着席希望駅登録処理を起動する(ステップS501)。着席希望駅登録処理が起動すると、希望者端末20は、ビーコン70からビーコン情報を取得する(ステップS502)。希望者端末20は、取得したビーコン情報をマッチング端末30へ送信する。
【0101】
マッチング端末30は、希望者端末20からビーコン情報を受信すると、受信したビーコン情報より、列車番号、号車、エリアを特定する(ステップS503)。
【0102】
また、着席希望駅登録処理が起動すると、希望者端末20は、表示部23に着席希望駅登録画面を表示する。図22は、着席希望駅登録画面の一例を示す図である。図22(1)は、着席希望駅入力画面431の一例を示し、図22(2)は、着席希望駅確認画面432の一例を示す。
【0103】
着席希望駅入力画面431には、着席者300の降車予定駅4311、着席者300がいる号車およびエリア情報4312、利用料金情報4313、希望者400がいる号車およびエリア情報4314、登録ボタン4315、閉じるボタン4316が表示されている。
【0104】
希望者400は、着席者300の降車予定駅4311を確認することにより、どこの駅から着席できるか予め認識することができ、座席に座れないかもしれないという不安から解放することができる。希望者端末20は、希望者400の入力部24に対する入力操作に基づき、着席希望駅の情報の入力を受け付けることができる(ステップS504)。
【0105】
希望者400は、着席者300がいる号車およびエリア情報4312と、希望者400がいる号車およびエリア情報4314と、を確認することにより、希望者400の付近で着席できるか予め認識することができ、登録前に移動距離の不安を解消することができる。
【0106】
利用料金情報4313は、マッチング処理を行うことにより希望者400が支払う料金を示す情報である。希望者400は、利用料金情報4313を確認することにより、安心してマッチングサービスを利用することができ、その結果マッチングサービスの利用促進を図ることができる。
【0107】
希望者400の入力部24に対する入力操作に基づき、登録ボタン4315が選択された場合には、希望者端末20は、ステップS504で入力を受け付けた着席希望駅の情報をマッチング端末30へ送信するとともに表示部23に着席希望駅確認画面432を表示する。なお、希望者400の入力部24に対する入力操作に基づき、閉じるボタン4316が選択された場合には、希望者端末20は、着席希望者登録処理を終了する。
【0108】
着席希望駅確認画面432には、ステップS504で入力を受け付けた着席希望駅の情報4321、着席者300がいる号車およびエリア情報4322、着席者300の風貌の特徴情報4323および閉じるボタン4324が表示されている。着席者300は、着席希望駅の情報4321、着席者300がいる号車およびエリア情報4322、着席者300の風貌の特徴情報4323を確認することにより、着席者300がいる情報に誤りがないかを確認することができる。
【0109】
希望者400の入力部24に対する入力操作に基づき、閉じるボタン4324が選択された場合には、希望者端末20は、着席希望駅確認画面432を閉じる。
【0110】
マッチング端末30は、希望者端末20から送信された着席希望駅の情報に基づいて、座席マッチングDB3223を更新する(ステップS505)。この処理では、座席マッチングDB3223へ着席希望登録情報を追加する処理が行われる。この処理が終了すると、着席希望者登録処理は終了となる。
【0111】
図23は、マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち座席マッチング処理の一例を示すシーケンスチャートである。マッチング端末30は、座席マッチングDB3223に着席希望登録があるか否かを判定する(ステップS601)。座席マッチングDB3223に着席希望登録がない(ステップS601:なし)場合には、処理は待機となる。座席マッチングDB3223に着席希望登録がある(ステップS601:あり)場合には、処理はステップS602へ進む。
【0112】
マッチング端末30は、座席マッチングDB3223に降車登録があるか否かを判定する(ステップS602)。座席マッチングDB3223に降車登録がない(ステップS602:なし)場合には、処理はステップS601へ戻る。座席マッチングDB3223に降車登録がある(ステップS602:あり)場合には、処理はステップS603へ進む。なお、座席マッチングDB3223に降車登録がある(ステップS602:あり)場合には、マッチング端末30は、希望者端末20へ降車登録の情報を送信してもよい。
【0113】
マッチング端末30は、降車登録と着席希望のデータより、着席希望駅、列車番号、車両、エリア、停車駅、列車走行位置を照合する(ステップS603)。マッチング端末30は、ステップS603の処理において照合した結果マッチングが成立したか否かを判定する(ステップS604)。マッチングが成立していない(ステップS604:いいえ)場合には、処理はステップS601へ戻る。マッチングが成立した(ステップS604:はい)場合には、マッチング端末30は、着席者端末10へ座席マッチング成立結果を通知する(ステップS605)とともに、希望者端末20へ座席マッチング成立結果を通知する(ステップS606)。
【0114】
図24は、座席マッチング成立結果の一例を示す図である。図24(1)は、着席者端末10の表示部13で通知される座席マッチング成立結果441の一例を示し、図24(2)は、希望者端末20の表示部23で通知される座席マッチング成立結果442の一例を示す図である。
【0115】
着席者端末10は、マッチング端末30から座席マッチング成立結果の通知を受け付けると、表示部13のディスプレイに図24(1)の座席マッチング成立結果441を表示する。着席者300は、着席者端末10に表示された座席マッチング成立結果441を視認することにより、マッチングが成立したことを認識することができる。そして、座席100を譲る準備をすることを把握することができる。これにより、座席マッチング処理がスムーズに行われることとなる。
【0116】
希望者端末20は、マッチング端末30から座席マッチング成立結果の通知を受け付けると、表示部23のディスプレイに図24(2)の座席マッチング成立結果442を表示する。希望者400は、希望者端末20に表示された座席マッチング成立結果442を視認することにより、マッチングが成立したことを認識することができる。そして、座席100に着席する準備をすることを把握することができる。これにより、座席マッチング処理がスムーズに行われることとなる。
【0117】
マッチング端末30は、成立したマッチング情報に基づいて座席マッチングDB3223を更新する(ステップS607)。この処理が終了すると、座席マッチング処理は終了となる。
【0118】
図25図26は、マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち目視確認による着席交代処理の一例を示すシーケンスチャートである。
【0119】
マッチング端末30は、列車運行情報DB3221を参照して、走行エリア情報に更新があるか否かを判定する(ステップS701)。走行エリア情報に更新がない(ステップS701:いいえ)場合には、処理は待機となる。走行エリア情報に更新がある(ステップS701:はい)には、処理はステップS702へ進む。
【0120】
マッチング端末30は、該当駅におけるマッチング成立情報があるか否かを判定する(ステップS702)。該当駅におけるマッチング成立情報がない(ステップS702:いいえ)場合には、処理はステップS701へ戻る。該当駅におけるマッチング成立情報がある(ステップS702:はい)には、マッチング端末30は、着席者端末10に対し交代確認画面を送信する(ステップS703)とともに、希望者端末20に対し交代確認画面を送信する(ステップS704)。
【0121】
図27は、交代確認画面の一例を示す図である。図27(1)は、着席者端末10の表示部13に表示される交代確認画面451を示し、図27(2)は、希望者端末20の表示部23に表示される交代確認画面452を示す。
【0122】
着席者端末10は、降車予定駅に到着する所定の時間前に、交代確認画面451を表示部13にポップアップ表示する。所定の時間は、任意に設定することができ、0~600秒など任意の値を設定することができる。また、所定の時間は、降車予定駅の一つ前の駅への停車時刻に設定することもできる。交代確認画面451には、識別番号4511と、座席100を交代する降車予定駅4512、号車およびエリア4513、交代確認ボタン4514、キャンセルボタン4515を備えている。
【0123】
着席者端末10は、ビーコン情報に基づき着席者300の位置が該当座席100の付近であることを特定する(ステップS705)。着席者300は、降車予定駅4512、号車およびエリア4513を視認することにより、マッチング対象の座席100が自身の座席であることを把握することができる。これによりマッチングサービスによるマッチングの誤りを未然に防ぐことができる。
【0124】
識別番号4511は、マッチング対象と符合するための識別記号である。着席者端末10は、交代確認画面451に識別番号4511を表示する(ステップS706)。
【0125】
希望者端末20は、着席希望駅に到着する所定の時間前に、交代確認画面452を表示部23にポップアップ表示する。所定の時間は、任意に設定することができ、0~600秒など任意の値を設定することができる。また、所定の時間は、着席希望駅の一つ前の駅への停車時刻に設定することもできる。交代確認画面452には、識別番号4521と、座席100を交代する着席希望駅4522、号車およびエリア4523、交代確認ボタン4524、キャンセルボタン4525を備えている。
【0126】
希望者端末20は、ビーコン情報に基づき希望者400の位置が該当座席100の付近であることを特定する(ステップS707)。希望者400は、着席希望駅4522、号車およびエリア4523を視認することにより、マッチング対象の座席100の位置を把握することができる。これによりマッチングサービスによるマッチングの誤りを未然に防ぐことができる。
【0127】
識別番号4521は、マッチング対象と符合するための識別記号である。希望者端末20は、交代確認画面452に識別番号4521を表示する(ステップS708)。
【0128】
マッチング端末30は、着席者300および希望者400双方からの交代確認待ちを行う(ステップS709)。
【0129】
着席者300は、交代確認画面451を希望者400に見せるとともに、座席100から離席する(ステップS710)。希望者400は、交代確認画面452を着席者300に見せるとともに、着席者300が離席した座席100に着席する(ステップS711)。
【0130】
座席100の交代が問題なく行われた後、着席者端末10の交代確認画面451に表示された識別番号4511が希望者端末20の交代確認画面452に表示された識別番号4511と一致していたか否かを確認する。識別番号4511と識別番号4521とが一致していた場合には、着席者端末10は、着席者300の入力部14に対する入力操作に基づき、交代確認ボタン4514の押下操作を受け付ける(ステップS712)。着席者端末10は、交代確認画面451に対する交代確認ボタン4514の押下操作を受け付けると、交代完了画面を表示部13のディスプレイに表示する。その後、着席者端末10は、交代確認の情報をマッチング端末30へ送信する(ステップS714)。
【0131】
希望者400は、交代確認画面452を着席者300に見せるとともに、着席者300が離席した座席100に着席する(ステップS711)。
【0132】
座席100の交代が問題なく行われた後、希望者端末20の交代確認画面452に表示された識別番号4521が着席者端末10の交代確認画面451に表示された識別番号4511と一致していたか否かを確認する。識別番号4521と識別番号4511とが一致していた場合には、希望者端末20は、希望者400の入力部24に対する入力操作に基づき、交代確認ボタン4524の押下操作を受け付ける(ステップS715)。希望者端末20は、交代確認画面452に対する交代確認ボタン4524の押下操作を受け付けると、交代完了画面を表示部23のディスプレイに表示する。その後、希望者端末20は、交代確認の情報をマッチング端末30へ送信する(ステップS714)。
【0133】
図28は、交代完了画面の一例を示す図である。図28(1)は、着席者端末10の表示部13に表示される交代完了画面461の一例を示し、図28(2)は、希望者端末20の表示部23に表示される交代完了画面の一例を示す。
【0134】
マッチング端末30は、着席者端末10から送信された交代確認の情報と、希望者端末20から送信された交代確認の情報と、を受信する(ステップS716)。マッチング端末30は、交代確認の情報を双方から受信すると、座席マッチングDB3223を更新して(ステップS717)、座席マッチング処理を終了する。
【0135】
マッチング端末30は、座席マッチング処理の終了後、サービス利用料決定処理およびポイント付与処理を行う(ステップS718)。そして、マッチング端末30は、決済完了のメッセージ(メール)を希望者端末20へ送信するとともに、ポイント付与完了のメッセージ(メール)を着席者端末10へ送信する(ステップS719)。
【0136】
着席者端末10は、ポイント付与完了のメッセージを受け付けると、ポイント付与完了メッセージを表示部13のディスプレイに表示する(ステップS720)。希望者端末20は、決済完了のメッセージを受け付けると、決済完了メッセージを表示部23のディスプレイに表示する(ステップS721)。この処理が終了すると、目視確認による着席交代処理は終了となる。
【0137】
図29は、完了メッセージの一例を示す図である。図29(1)は、着席者端末10の表示部13に表示されるポイント付与完了メッセージ463の一例を示し、図29(2)は、希望者端末20の表示部23に表示される決済完了メッセージ464の一例を示す。着席者300は、ポイント付与完了メッセージ463を確認することにより、所定のポイントの付与が完了したことを確認することができる。また、希望者400は、決済完了メッセージ464を確認することにより、所定の金額の支払いが完了したことを確認することができる。
【0138】
上述の実施形態のように、識別番号の確認によりマッチング処理を行うことができるので、非接触でかつ確実にマッチングサービスを行うことができる。これにより、混雑した車内においても容易に着席の機会を提供することができる。
【0139】
<第2実施形態>
第1実施形態では、図25図26に示す目視確認による着席交代処理を行っていたがこの限りではない。第2実施形態では、図25図26に示す目視確認による着席交代処理の代わりに、図33図34に示す二次元コードによる着席交代処理を行うことができる。第2実施形態の説明においては、着席交代処理の他の処理については略同様であるため説明を省略する。
【0140】
図30図31は、マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち二次元コードによる着席交代処理の一例を示すシーケンスチャートである。二次元コードによる着席交代処理において使用する二次元コードは、QRコード(登録商標)を使用することができる。二次元コードによる着席交代処理において使用する二次元コードは、QRコード以外の二次元コードを使用してもよい。
【0141】
マッチング端末30は、列車運行情報DB3221を参照して、列車位置情報更新時にマッチング情報を検索する(ステップS801)。
【0142】
マッチング端末30は、該当駅におけるマッチング成立情報があるか否かを判定する(ステップS802)。該当駅におけるマッチング成立情報がない(ステップS802:いいえ)場合には、処理はステップS801へ戻る。該当駅におけるマッチング成立情報がある(ステップS802:はい)には、マッチング端末30は、着席者端末10に対し交代確認画面(QR)を送信する(ステップS803)とともに、希望者端末20に対し交代確認画面(QR)を送信する(ステップS804)。
【0143】
図32は、交代確認画面(QR)の一例を示す図である。図32(1)は、着席者端末10の表示部13に表示される交代確認画面471を示し、図32(2)は、希望者端末20の表示部23に表示される交代確認画面472を示す。
【0144】
着席者端末10は、降車予定駅に到着する所定の時間前に、交代確認画面471を表示部13にポップアップ表示する。交代確認画面471には、識別番号4711と、座席100を交代する降車予定駅4712、号車およびエリア4713、QRコード4714、キャンセルボタン4715を備えている。
【0145】
着席者端末10は、ビーコン情報に基づき着席者300の位置が該当座席100の付近であることを特定する(ステップS805)。着席者300は、降車予定駅4712、号車およびエリア4713を視認することにより、マッチング対象の座席100が自身の座席であることを把握することができる。これによりマッチングサービスによるマッチングの誤りを未然に防ぐことができる。
【0146】
識別番号4711は、マッチング対象と符合するための識別記号である。着席者端末10は、交代確認画面471にQRコード4714を表示する(ステップS806)。
【0147】
希望者端末20は、着席希望駅に到着する所定の時間前に、交代確認画面472を表示部23にポップアップ表示する。交代確認画面472には、識別番号4721と、座席100を交代する着席希望駅4722、号車およびエリア4723、QRコード4724、キャンセルボタン4725を備えている。
【0148】
希望者端末20は、ビーコン情報に基づき希望者400の位置が該当座席100の付近であることを特定する(ステップS807)。希望者400は、着席希望駅4722、号車およびエリア4723を視認することにより、マッチング対象の座席100の位置を把握することができる。これによりマッチングサービスによるマッチングの誤りを未然に防ぐことができる。
【0149】
識別番号4721は、マッチング対象と符合するための識別記号である。希望者端末20は、交代確認画面472にQRコード4724を表示する(ステップS808)。
【0150】
マッチング端末30は、着席者300および希望者400双方からのQR情報の受信待ちを行う(ステップS809)。
【0151】
希望者400は、交代確認画面472を着席者300に見せて着席者端末10によりQRコード4724を読み取らせる(ステップS810)。着席者300は、交代確認画面471を希望者400に見せて希望者端末20によりQRコード4714を読み取らせる(ステップS811)。
【0152】
着席者端末10は、ステップS810で読み取ったQRコードの読み取り結果をマッチング端末30へ送信する(ステップS812)。希望者端末20は、ステップS811で読み取ったQRコードの読み取り結果をマッチング端末30へ送信する(ステップS813)。
【0153】
着席者300は、座席100から離席する(ステップS814)とともに、希望者400は、着席者300が離席した座席100に着席する(ステップS815)。
【0154】
マッチング端末30は、着席者端末10および希望者端末20から送信されたQR情報を受信する(ステップS816)。マッチング端末30は、ステップS816で受信したQR情報からマッチングの妥当性を確認する(ステップS817)。
【0155】
ステップS817で行った妥当性の確認が問題ない場合には、マッチング端末30は、座席マッチングDB3223を更新して(ステップS818)、座席マッチング処理を終了する。
【0156】
マッチング端末30は、座席マッチング処理の終了後、サービス利用料決定処理およびポイント付与処理を行う(ステップS819)。そして、マッチング端末30は、決済完了のメッセージ(メール)を希望者端末20へ送信するとともに、ポイント付与完了のメッセージ(メール)を着席者端末10へ送信する(ステップS820)。
【0157】
着席者端末10は、ポイント付与完了のメッセージを受け付けると、ポイント付与完了メッセージを表示部13のディスプレイに表示する(ステップS821)。希望者端末20は、決済完了のメッセージを受け付けると、決済完了メッセージを表示部23のディスプレイに表示する(ステップS822)。この処理が終了すると、二次元コードによる着席交代処理は終了となる。
【0158】
上述の実施形態のように、二次元コードの読み取りによりマッチング処理を行うことができるので、非接触でかつ簡便にマッチングサービスを行うことができる。これにより、混雑した車内においても容易に着席の機会を提供することができる。
【0159】
<第3実施形態>
第1実施形態では、図25図26に示す目視確認による着席交代処理を行っていたがこの限りではない。第3実施形態では、図25図26に示す目視確認による着席交代処理の代わりに、図33図34に示す端末間通信による着席交代処理を行うことができる。第3実施形態の説明においては、着席交代処理の他の処理については略同様であるため説明を省略する。
【0160】
図33図34は、マッチングシステム1により実行されるマッチング方法のうち端末間通信による着席交代処理の一例を示すシーケンスチャートである。端末間通信による着席交代処理において使用する端末間通信は、NFCを使用することができる。端末間通信による着席交代処理において使用する端末間通信は、NFC以外の端末間通信を使用してもよい。
【0161】
マッチング端末30は、列車運行情報DB3221を参照して、列車位置情報更新時にマッチング情報を検索する(ステップS901)。
【0162】
マッチング端末30は、該当駅におけるマッチング成立情報があるか否かを判定する(ステップS902)。該当駅におけるマッチング成立情報がない(ステップS902:いいえ)場合には、処理はステップS901へ戻る。該当駅におけるマッチング成立情報がある(ステップS902:はい)には、マッチング端末30は、着席者端末10に対し交代確認画面を送信するとともに、希望者端末20に対し交代確認画面を送信する(ステップS903)。
【0163】
図35は、交代確認画面の一例を示す図である。図35(1)は、着席者端末10の表示部13に表示される交代確認画面481を示し、図35(2)は、希望者端末20の表示部23に表示される交代確認画面482を示す。
【0164】
着席者端末10は、降車予定駅に到着する所定の時間前に、交代確認画面481を表示部13にポップアップ表示する。交代確認画面481には、識別番号4811と、座席100を交代する降車予定駅4812、号車およびエリア4813、端末間通信中アイコン4814、キャンセルボタン4815を備えている。
【0165】
着席者端末10は、ビーコン情報に基づき着席者300の位置が該当座席100の付近であることを特定する(ステップS904)。着席者300は、降車予定駅4812、号車およびエリア4813を視認することにより、マッチング対象の座席100が自身の座席であることを把握することができる。これによりマッチングサービスによるマッチングの誤りを未然に防ぐことができる。
【0166】
識別番号4811は、マッチング対象と符合するための識別記号である。着席者端末10は、交代確認画面481を表示する(ステップS905)。
【0167】
希望者端末20は、着席希望駅に到着する所定の時間前に、交代確認画面482を表示部23にポップアップ表示する。交代確認画面482には、識別番号4821と、座席100を交代する着席希望駅4822、号車およびエリア4823、端末間通信中アイコン4824、キャンセルボタン4825を備えている。
【0168】
希望者端末20は、ビーコン情報に基づき希望者400の位置が該当座席100の付近であることを特定する(ステップS906)。希望者400は、着席希望駅4822、号車およびエリア4823を視認することにより、マッチング対象の座席100の位置を把握することができる。これによりマッチングサービスによるマッチングの誤りを未然に防ぐことができる。
【0169】
識別番号4821は、マッチング対象と符合するための識別記号である。希望者端末20は、交代確認画面482を表示する(ステップS907)。
【0170】
マッチング端末30は、着席者300の着席者端末10および/または希望者400の希望者端末20のどちらからか送信されるマッチング妥当性情報の受信待ちを行う(ステップS908)。
【0171】
着席者端末10および希望者端末20は、NFCによる端末間通信を行い、マッチングの妥当性を確認する(ステップS909、ステップS910)。
【0172】
着席者端末10は、ステップS909で確認した端末間通信の妥当性結果をマッチング端末30へ送信する(ステップS911)。希望者端末20は、ステップS910で確認した端末間通信の妥当性結果をマッチング端末30へ送信する(ステップS912)。
【0173】
着席者300は、座席100から離席する(ステップS913)とともに、希望者400は、着席者300が離席した座席100に着席する(ステップS914)。
【0174】
マッチング端末30は、着席者端末10および希望者端末20から送信された端末間通信マッチング結果の情報を受信する(ステップS915)。マッチング端末30は、ステップS915で受信した端末間通信マッチング結果の情報からマッチングの妥当性を確認する。ステップS915で行った妥当性の確認が問題ない場合には、マッチング端末30は、座席マッチングDB3223を更新して、座席マッチング処理を終了する(ステップS916)。
【0175】
マッチング端末30は、座席マッチング処理の終了後、サービス利用料決定処理およびポイント付与処理を行う(ステップS917)。そして、マッチング端末30は、決済完了のメッセージ(メール)を希望者端末20へ送信するとともに、ポイント付与完了のメッセージ(メール)を着席者端末10へ送信する(ステップS918)。
【0176】
着席者端末10は、ポイント付与完了のメッセージを受け付けると、ポイント付与完了メッセージを表示部13のディスプレイに表示する(ステップS919)。希望者端末20は、決済完了のメッセージを受け付けると、決済完了メッセージを表示部23のディスプレイに表示する(ステップS920)。この処理が終了すると、端末間通信による着席交代処理は終了となる。
【0177】
上述の実施形態のように、端末間通信の読み取りによりマッチング処理を行うことができるので、非接触でかつ簡便にマッチングサービスを行うことができる。これにより、混雑した車内においても容易に着席の機会を提供することができる。
【0178】
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用ができることはもちろんである。
【0179】
上述の実施形態においては、着席者端末10の表示部13にポイント付与完了メッセージ463を表示し、希望者端末20の表示部23に決済完了メッセージ464を表示していたがこの限りではない。図36は、完了メッセージの別実施形態の一例を示す図である。例えば、ポイント付与完了メッセージ463の代わりに、図36(1)に示すようなポイント付与完了メール491を送信して表示させてもよい。同様に、決済完了メッセージ464の代わりに、図36(2)に示すような決済完了メール492を送信して表示させてもよい。これにより、着席者300および/または希望者400の確認手段を増やすことができ、マッチングサービスの利便性を向上することができる。
【符号の説明】
【0180】
1 :マッチングシステム
10 :着席者端末
11 :制御部
12 :記憶部
13 :表示部
14 :入力部
15 :通信インタフェース
20 :希望者端末
21 :制御部
22 :記憶部
23 :表示部
24 :入力部
25 :通信インタフェース
30 :マッチング端末
31 :制御部
32 :記憶部
33 :表示部
34 :入力部
35 :通信インタフェース
40 :決済サーバ
50 :ポイントサーバ
60 :列車運行管理システム
70 :ビーコン
100 :座席
200 :車両
300 :着席者
321 :利用者アカウントDB
322 :着席マッチングアプリDB
3221 :列車運行情報DB
3222 :ビーコン情報DB
3223 :座席マッチングDB
400 :希望者
401 :スマホホーム画面
402 :認証画面
403 :IDパスワード登録画面
404 :支払い情報登録画面
411 :乗降駅登録画面
421 :降車駅入力画面
422 :降車駅確認画面
431 :着席希望駅入力画面
432 :着席希望駅確認画面
441 :座席マッチング成立結果
442 :座席マッチング成立結果
451 :交代確認画面
452 :交代確認画面
461 :交代完了画面
463 :ポイント付与完了メッセージ
464 :決済完了メッセージ
471 :交代確認画面
472 :交代確認画面
481 :交代確認画面
482 :交代確認画面
491 :ポイント付与完了メール
492 :決済完了メール
4021 :利用開始ボタン
4022 :初回登録ボタン
4111 :降車駅登録ボタン
4112 :着席希望登録ボタン
4212 :ポイント加算情報
4213 :特徴情報
4214 :エリア情報
4215 :登録ボタン
4221 :情報
4222 :エリア情報
4223 :閉じるボタン
4311 :降車予定駅
4312 :エリア情報
4313 :利用料金情報
4314 :エリア情報
4315 :登録ボタン
4316 :閉じるボタン
4321 :情報
4322 :エリア情報
4323 :特徴情報
4324 :閉じるボタン
4511 :識別番号
4512 :降車予定駅
4513 :エリア
4514 :交代確認ボタン
4515 :キャンセルボタン
4521 :識別番号
4522 :着席希望駅
4523 :エリア
4524 :交代確認ボタン
4525 :キャンセルボタン
4711 :識別番号
4712 :降車予定駅
4713 :エリア
4714 :QRコード
4715 :キャンセルボタン
4721 :識別番号
4722 :着席希望駅
4723 :エリア
4724 :QRコード
4725 :キャンセルボタン
4811 :識別番号
4812 :降車予定駅
4813 :エリア
4814 :端末間通信中アイコン
4815 :キャンセルボタン
4821 :識別番号
4822 :着席希望駅
4823 :エリア
4824 :端末間通信中アイコン
4825 :キャンセルボタン
601 :列車管理DB
N :ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図12
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図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36