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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169156
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】表示装置および表示装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 11/02 20060101AFI20241128BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20241128BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20241128BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20241128BHJP
   B60K 35/00 20240101ALI20241128BHJP
【FI】
B60R11/02 C
G09G5/00 550C
G09G5/00 510X
G09G5/10 Z
G09G5/10 B
G09G3/20 680E
B60K35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086385
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】國枝 未夢
【テーマコード(参考)】
3D020
3D344
5C080
5C182
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BA20
3D020BB01
3D020BC03
3D020BD05
3D020BE03
3D344AA19
3D344AA22
3D344AA27
3D344AB01
3D344AD01
3D344AD13
5C080AA06
5C080AA10
5C080BB06
5C080CC07
5C080DD26
5C080EE14
5C080EE26
5C080JJ02
5C080JJ05
5C080KK20
5C080KK23
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB15
5C182AB19
5C182AB26
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC12
5C182AC35
5C182AC43
5C182BA03
5C182BA06
5C182BA14
5C182BA55
5C182BA56
5C182BB02
5C182BB05
5C182BB12
5C182BB22
5C182BC26
5C182CA01
5C182CC02
5C182DA65
5C182DA66
(57)【要約】
【課題】使用者が複数人の場合であっても、表示部の省電力化が得られる表示装置、および表示装置の制御方法を提供する。
【解決手段】乗員カメラ120による顔画像から推定される視認者の視線方向に対応する視認領域116における画像の輝度を所定輝度に設定して通常表示にすると共に、視認領域以外の非視認領域117における画像の輝度を所定輝度よりも下げる輝度制御を実行する表示制御部132を備える表示装置であって、視認者は、車両の運転者Dと、助手席の同乗者Pであり、表示制御部は、運転者および同乗者の少なくとも一方に対して、複数種類の画像のうち、視認不要あるいは視認不適切として予め定めた所定画像、あるいは所定画像の一部については、視認領域となる場合であっても、所定画像、あるいは所定画像の一部の輝度を相対的に下げる、あるいはゼロにする輝度低下制御を実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示面(110a)に複数種類の画像を形成して、前記画像を視認者に表示する表示部(110)と、
前記視認者の顔画像を取得する取得部(120)と、
前記顔画像から推定される前記視認者の視線方向に対応する前記表示面での視認領域(116)における前記画像の輝度を所定輝度に設定して通常表示にすると共に、前記視認領域以外の非視認領域(117)における前記画像の輝度を前記所定輝度よりも下げる輝度制御を実行する表示制御部(132)と、を備える表示装置であって、
前記視認者は、車両の運転者(D)と、助手席の同乗者(P)であり、
前記表示制御部は、前記運転者および前記同乗者の少なくとも一方に対して、複数種類の前記画像のうち、視認不要あるいは視認不適切として予め定めた所定画像、あるいは前記所定画像の一部については、前記視認領域となる場合であっても、前記所定画像、あるいは前記所定画像の一部の輝度を相対的に下げる、あるいはゼロにする輝度低下制御を実行する表示装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記同乗者に対して、前記所定画像の輝度を、所定時間、維持した後に、前記輝度低下制御を実行する請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記運転者に対して、
前記車両の走行中に、前記輝度低下制御を実行すると共に、
前記車両の停車中では、前記輝度低下制御を解除する請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、
前記視認領域の前記画像を前記所定輝度で前記通常表示とする場合に、
前記視認領域の移動に対して、前記同乗者の場合は、前記運転者の場合よりも前記所定輝度で表示される前記画像の移動を遅らせる請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、
前記視認領域の前記画像を前記所定輝度で前記通常表示とする場合に、
前記視認領域の前記画像の輝度を徐々に上げて前記所定輝度にするようにしており、
前記同乗者の場合は、前記運転者の場合よりも前記輝度を上げる速度を遅くする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、
前記視認領域の前記画像を前記所定輝度で前記通常表示とする場合に、
前記視認領域において、前記運転者に対する前記画像の表示領域よりも、前記同乗者に対する前記画像の前記表示領域を小さく設定する請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、
前記視認領域の前記画像を前記所定輝度で前記通常表示とする場合に、
前記運転者の前記視認領域と、前記同乗者の前記視認領域とが隣接する場合に、境界部の輝度が滑らかに変化して連続するように補正する請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記視認領域の前記画像を前記所定輝度で前記通常表示とする場合の、前記非視認領域における前記画像の輝度のレベルを、前記視認者によって設定可能とする設定部を備える請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
表示面(110a)に複数種類の画像を形成して、前記画像を視認者に表示する表示部(110)と、
前記視認者の顔画像を取得する取得部(120)と、を備え、
前記顔画像から推定される前記視認者の視線方向に対応する前記表示面での視認領域(116)における前記画像の輝度を所定輝度に設定して通常表示にすると共に、前記視認領域以外の非視認領域(117)における前記画像の輝度を前記所定輝度よりも下げる輝度制御を実行する表示装置の制御方法であって、
前記視認者は、車両の運転者(D)と、助手席の同乗者(P)であり、
前記運転者および前記同乗者の少なくとも一方に対して、複数種類の前記画像のうち、視認不要あるいは視認不適切として予め定めた所定画像、あるいは前記所定画像の一部については、前記視認領域となる場合であっても、前記所定画像、あるいは前記所定画像の一部の輝度を相対的に下げる、あるいはゼロにする輝度低下制御を実行する表示装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置および表示装置の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1の表示装置では、表示パネル(表示部)の背面には、分割配置された発光部が設けられている。また、視線検出センサによって、使用者の表示パネルに対する視線位置が検出され、距離検出センサによって、表示パネルと使用者との距離が検出される。制御部においては、検出された距離を用いて、視線位置に対する視認領域を設定し、表示パネルにおける視認領域以外の非視認領域を制御領域として設定する。そして、制御部は、発光部の発光量(輝度)を制御することで、制御領域の輝度を、視認領域から遠くなるに従って、下げるようにしている。これにより、使用者の視認性を損なうことなく発光部の省電力を図るようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6652251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1では、使用者は複数人の場合を含むとしているが、具体的な制御要領に関する記載はない。例えば、表示装置が車両に搭載されて、使用者が運転者と助手席者であると、それぞれの使用者の視認対象(見ようとする領域)が異なり、全体の視認領域が拡大して、省電力の効果が得られにくくなる。特許文献1では、このような状況を踏まえた制御の記載は一切ない。
【0005】
本開示の目的は、上記問題に鑑み、使用者が複数人の場合であっても、表示部の省電力化が得られる表示装置、および表示装置の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0007】
第1の開示では、表示面(110a)に複数種類の画像を形成して、画像を視認者に表示する表示部(110)と、
視認者の顔画像を取得する取得部(120)と、
顔画像から推定される視認者の視線方向に対応する表示面での視認領域(116)における画像の輝度を所定輝度に設定して通常表示にすると共に、視認領域以外の非視認領域(117)における画像の輝度を所定輝度よりも下げる輝度制御を実行する表示制御部(132)と、を備える表示装置であって、
視認者は、車両の運転者(D)と、助手席の同乗者(P)であり、
表示制御部は、運転者および同乗者の少なくとも一方に対して、複数種類の画像のうち、視認不要あるいは視認不適切として予め定めた所定画像、あるいは所定画像の一部については、視認領域となる場合であっても、所定画像、あるいは所定画像の一部の輝度を相対的に下げる、あるいはゼロにする輝度低下制御を実行する。
【0008】
第1の開示によれば、視認者が車両の運転者と助手席の同乗者といった複数人の場合であっても、視認者にとって視認不要あるいは視認不適切となる所定画像、あるいは所定画像の一部については、視認領域となる場合であっても、所定画像、あるいは所定画像の一部の輝度を相対的に下げる、あるいはゼロにするので、表示画像領域の拡大を抑制して、表示部の省電力化を図ることができる。
【0009】
また、第2の開示では、表示面(110a)に複数種類の画像を形成して、画像を視認者に表示する表示部(110)と、
視認者の顔画像を取得する取得部(120)と、を備え、
顔画像から推定される視認者の視線方向に対応する表示面での視認領域(116)における画像の輝度を所定輝度に設定して通常表示にすると共に、視認領域以外の非視認領域(117)における画像の輝度を所定輝度よりも下げる輝度制御を実行する表示装置の制御方法であって、
視認者は、車両の運転者と、助手席の同乗者であり、
運転者および同乗者の少なくとも一方に対して、複数種類の画像のうち、視認不要あるいは視認不適切として予め定めた所定画像、あるいは所定画像の一部については、視認領域となる場合であっても、所定画像、あるいは所定画像の一部の輝度を相対的に下げる、あるいはゼロにする輝度低下制御を実行する。
【0010】
第2の開示は、上記の第1の開示の表示装置の制御方法に関するものであり、その技術的意義は、第1の開示と本質的に同じであり、同一の効果を得ることができる。
【0011】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】表示装置の全体構成を示す説明図である。
図2】表示部を示す説明図である。
図3】視認者の視認領域、および非視認領域を示す説明図である。
図4】第1実施形態における同乗者に対する輝度制御の対象を示す説明図である。
図5】同乗者視認領域が第2表示部の場合(表示)を示す説明図である。
図6】同乗者視認領域が第3表示部の場合(表示)を示す説明図である。
図7】同乗者視認領域が第4表示部の場合(非表示)を示す説明図である。
図8】同乗者視認領域が第1表示部の場合(非表示)を示す説明図である。
図9】第1実施形態の変形例1において、同乗者に対してA/C情報を表示する場合の説明図である。
図10】第1実施形態の変形例1において、同乗者に対してバックガイド情報を非表示とする場合の説明図である。
図11】第1実施形態の変形例3において、運転者視認領域が第4表示部の場合(表示)を示す説明図である。
図12】第1実施形態の変形例3において、運転者視認領域が第2表示部の場合(非表示)を示す説明図である。
図13】第2実施形態において、運転者視認領域の移動に伴う表示状態を示す説明図である。
図14】第2実施形態において、同乗者視認領域の移動に伴う表示状態を示す説明図である。
図15】第2実施形態の変形例1において、同乗者視認領域における表示状態(輝度変化)を示す説明図である。
図16】第2実施形態の変形例2において、運転者および同乗者に対する表示領域の大きさを示す説明図である。
図17】第3実施形態において、運転者と同乗者の表示画像の境界部に、筋が発生する場合を示す説明図である。
図18】筋の発生を抑制するための輝度分布の補正要領を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0014】
(第1実施形態)
第1実施形態の表示装置100を図1乃至図8に示す。表示装置100は、車両に搭載されている。車両は、例えば、右ハンドル車である。図5乃至図8では、右ハンドル車であることを、ステアリング5によって示している。図1に示すように、表示装置100は、車内LAN60を介して、例えば、車両ECU10、ナビゲーションシステム20、マルチメディア30、エアコン40、および通信機器50等から得られる各種情報を基に、表示すべき画像を形成して、形成した画像を表示部110に表示するようになっている。視認者は、表示部110の画像を視認することができるようになっている。視認者は、運転者Dと、助手席における同乗者Pであり、複数人を対象としている。表示装置100は、視認者の視線方向に基づく視認領域116、および視認領域116以外の非視認領域117における画像の輝度を制御するようになっている。
【0015】
車両ECU10は、車両の各種機能部(走る、曲がる、止まる等の機能部)を制御する部位であり、例えば、各種センサによって得られる車速、エンジン回転数、燃料残量、冷却水温、シフトレバー位置(P、R、N、D等)等の車両情報を描画コントローラ130(通信部131)に出力する。
【0016】
ナビゲーションシステム20は、例えば、GNSS(Global Nabigation Satellite System)による、月日、時刻、現在位置(緯度、経度)、車両走行方向、および高精度地図等のナビ情報を描画コントローラ130(通信部131)に出力する。
【0017】
マルチメディア30は、文字、画像、動画、音声等、様々な種類、形式の情報を組合わせて、視認者に提供する機器である。マルチメディア30は、視認者による操作信号を描画コントローラ130の通信部131に出力し、また、映像信号を表示制御部132の映像入力/結合部1322に出力する。
【0018】
エアコン40は、車室内の空調(冷房、暖房、および除湿等)を行う機器であり、空調に係る設定条件、作動状態(モード、温度、風量)等のエアコン情報を描画コントローラ130(通信部131)に出力する。
【0019】
通信機器50は、例えば、インターネット、VICS(登録商標)、車車間通信等によって得られた各種通信情報を描画コントローラ130(通信部131)に出力する。
【0020】
表示装置100は、表示部110、乗員カメラ120、および描画コントローラ130(表示制御部132)等を備えている。
【0021】
表示部110は、視認者に対して、所定の情報を表示する部位であり、例えば、有機化合物を用いた層状の構造体から成る自発光式の有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイが使用されている。有機ELディスプレイは、ピクセル(画素)ごとに発光制御されることで画像形成が可能となっている。有機ELディスプレイは、OLED(Organic Light Emitting Diode)とも表示される。
【0022】
表示部110は、自発光式であることから、例えば、液晶式のパネルのようなバックライトを必要としないので、表示部110の厚み寸法としては、極めて薄く設定することが可能となっており(薄型化)、可撓性を有している。
【0023】
尚、表示部110としては、バックライトを光源として、薄膜状のトランジスタを利用したTFT(Thin Film Transistor)液晶ディスプレイ等の他の型式のディスプレイとしてもよい。
【0024】
表示部110は、車両のダッシュボード上に設定されて、図2に示すように、車両の左右方向に延びるように形成された、いわゆる、ピラーtoピラータイプとなっている。表示部110の表示領域(表示面110a)は、立ち姿勢となって視認者側を向いており、複数の異なる情報(複数種類の画像)を表示するように、複数の分割表示領域、即ち、複数の表示部111乃至115を有している。複数の表示部111乃至115は、シームレスとなるように、横方向に並べられて、あたかも、1つの横長(例えば、横幅1300mm程度)の表示部110として見えるように形成されている。
【0025】
複数の表示部111乃至115は、例えば、車両左側から、第1表示部111、第2表示部112、第3表示部113、第4表示部114、および第5表示部115等となっている。
【0026】
第1表示部111は、左ミラーディスプレイであり、左後方カメラによって撮影された車両の左後方画像を表示する。
【0027】
第2表示部112は、助手席用ディスプレイであり、同乗者P(助手席者)と対向する位置に配置されており、例えば、マルチメディア30によって得られる映画、音楽、テレビ、ラジオ、レジャー、スポーツ、およびゲーム等のエンタメ情報を表示する。
【0028】
第3表示部113は、センタディスプレイであり、例えば、ナビゲーションシステム20、通信機器50による現在位置、目的地案内等のナビ情報、あるいはエアコン40におけるA/C情報、あるいはバックカメラによるバックガイド情報等を表示する。ナビ情報およびA/C情報は、視認者の設定操作により切替え表示される。また、バックガイド情報は、車両がバック走行となったときに、自動的に切替え表示される。
【0029】
第4表示部114は、メータディスプレイであり、運転者Dと対向する位置に配置されており、例えば、車両ECU10から得られる車速、エンジン回転数、燃料残量、冷却水温、シフトレバー位置等の車両情報を表示する。
【0030】
第5表示部115は、右ミラーディスプレイであり、右後方カメラによって撮影された車両の右後方画像を表示する。
【0031】
尚、表示部110は、上記のように、5つの表示部111乃至115に限定されるものではなく、1つの表示部110、あるいは2つ以上の組み合わせによる表示部110等としてもよい。これらの表示部110のダッシュボード上の配置も、任意に設定可能である。また、表示部110は、5つの表示部111乃至115の組み合わせによって形成されるものに限らず、一体で形成されて、表示面110aが5つの表示領域に分割されたものとしてもよい。
【0032】
乗員カメラ120は、視認者の顔を含む主に上半身の画像を取得する取得部であり、例えば、車室内のルームミラー部分、あるいは、表示部110の車両左右方向の中央上部等に設けられている。乗員カメラ120としては、例えば、CMOSカメラが使用されており、乗員カメラ120によって撮像された画像(顔画像)のデータは、表示制御部132の視認領域推定部1324に出力されるようになっている。
【0033】
尚、乗員カメラ120は、上記のように専用の前方カメラに限らず、例えば、運転者Dの脇見や居眠り等を検出して運転支援を行うDMS(ドライバ・モニタリング・システム)や、衝突防止機能、車線逸脱検知機能等を有するADAS(先進運転支援システム)等が搭載される車両であれば、このDMSやADASに設定されるカメラを兼用するようにしてもよい。
【0034】
描画コントローラ130は、図1に示すように、通信部131、および表示制御部132等を有している。
【0035】
通信部131は、車両ECU10、ナビゲーションシステム20、マルチメディア30、エアコン40、および通信機器50等からの各種情報のデータを、車内LAN60を介して受信する部位である。
【0036】
表示制御部132は、表示部110に対して、映像信号、および輝度制御信号等を出力する部位であり、描画部1321、映像入力/結合部1322、映像出力部1323、視認領域推定部1324、および輝度制御部1325等を有している。
【0037】
描画部1321は、通信部131で受信した各種情報のデータを基に、表示部110にて表示すべき画像を形成する(描画する)部位である。
【0038】
映像入力/結合部1322は、描画部1321で描画した映像信号と、マルチメディア30から得られる映像信号とを結合する部位である。
【0039】
映像出力部1323は、表示部110に対して、表示用の映像信号を出力する部位である。
【0040】
視認領域推定部1324は、乗員カメラ120から得られる視認者の顔画像から推定される視線方向を基に、図3に示すように、表示部110の表示面110aにおける全領域のうち、視認者が実際に視認していると推定される視認領域116を算出(推定)する。
【0041】
視認領域推定部1324は、視認者の眼球運動の際の目の位置(白目)に対する瞳(黒目)の位置から視線方向(破線矢印)を算出(推定)する。そして、視認領域推定部1324は、視線方向の表示面110aに至る点(視点)を中心にして、予め定めた左右幅、および上下幅に対応する領域を、視認領域116として算出(推定)する。視認領域116は、ここでは、横長の長方形となっている。そして、視認領域推定部1324は、表示面110aの全領域のうち、視認領域116を除いた領域を、非視認領域117として算出(推定)する。
【0042】
視認者のうち、運転者Dの視線方向に対応する視認領域116を、運転者視認領域116aとする。図3では、概ね、第4表示部114に対応する領域を運転者視認領域116aとして例示している。そして、運転者Dの非視認領域117は、運転者視認領域116a以外の領域となる。この場合、非視認領域117は、概ね、第1表示部111、第2表示部112、第3表示部113、および第5表示部115に対応する領域となる。
【0043】
同様に、視認者のうち、同乗者Pの視線方向に対応する視認領域116を、同乗者視認領域116bとする。図3では、概ね、第2表示部112に対応する領域を同乗者視認領域116bとして例示している。そして、同乗者Pの非視認領域117は、同乗者視認領域116b以外の領域となる。この場合、非視認領域117は、概ね、第1表示部111、第3表示部113、第4表示部114、および第5表示部115に対応する領域となる。
【0044】
尚、視認者が、例えばサングラスをかけている場合であると、顔画像から瞳の検出が不能となるので、上記のように視線方向を算出することができない。よって、視認領域推定部1324は、視認者の顔の輪郭、鼻、口、耳等の位置から、顔の向きを算出(推定)して、顔の向きを基に、視線方向を算出(推定)する。
【0045】
輝度制御部1325は、表示部110に対する表示画像の輝度を調整する部位である。基本的には、輝度制御部1325は、視認領域116における画像の輝度を予め定めた規定の輝度(所定輝度)に設定すると共に、非視認領域117における画像の輝度を、視認領域116における規定の輝度よりも下げるようになっている(以下、輝度制御)。
【0046】
以下、視認領域116における画像の輝度を予め定めた規定の輝度(所定輝度)に設定することを「表示する」と記載する場合がある。
【0047】
加えて、輝度制御部1325は、運転者Dおよび同乗者Pの少なくとも一方に対して、各表示部111乃至115における複数種類の画像のうち、視認不要あるいは視認不適切として予め定めた所定画像(所定表示部)、あるいは所定画像の一部については、視認領域116となる場合であっても、所定画像、あるいは所定画像の一部の輝度を相対的に下げる、あるいはゼロにするようになっている(以下、輝度低下制御)。
【0048】
以下、視認不要あるいは視認不適切として予め定めた所定画像(所定表示部)、あるいは所定画像の一部については、視認領域116となる場合であっても、所定画像、あるいは所定画像の一部の輝度を相対的に下げる、あるいはゼロにすることを「非表示にする」と記載する場合がある。
【0049】
本実施形態では、同乗者Pにとって視認不要あるいは視認不適切な所定画像として、例えば、第1表示部111、第4表示部114、および第5表示部115に対応する画像としている。つまり、同乗者Pは車両の運転を実施しないので、上記各表示部111、114、115の画像(運転に必要とされる画像)は視認する必要がない(視認不要)。
【0050】
よって、図4に示すように、輝度制御部1325は、同乗者Pに対して、同乗者視認領域116bが、第2表示部112、および第3表示部113の表示画像に対応する場合は、通常の輝度制御を実行し、同乗者視認領域116bが第1表示部111、第4表示部114、および第5表示部115の表示画像に対応する場合は、輝度低下制御を実行するようになっている。
【0051】
表示装置100の構成は上記のようになっており、以下、図5乃至図8を加えて、表示装置100の作動(制御方法を含む)、および作用効果について説明する。
【0052】
表示制御部132は、車両ECU10、ナビゲーションシステム20、マルチメディア30、エアコン40、および通信機器50等からの各種情報を基に、各表示部111乃至115にて表示すべき画像を形成して、形成した画像を各表示部111乃至115に表示する(視認者に向けて表示する)。
【0053】
また、表示制御部132は、乗員カメラ120で取得した視認者の顔画像から算出(推定)した視線方向に対応する表示面110aにおける視認領域116を算出(推定)する。そして、表示制御部132は、視認領域116における画像の輝度を規定の輝度に設定する。これにより、視認者は、視線方向に対応する視認領域116の画像を明瞭に視認することができる。
【0054】
そして、表示制御部132は、非視認領域117における画像の輝度を規定の輝度よりも下げる。非視認領域117における輝度の低下度合いとしては、規定の輝度未満、あるいはゼロとすることができる。非視認領域117における輝度を規定の輝度よりも下げることで、非視認領域117における画像は、視認領域116における画像に対して、うっすらと表示されるものとなる。あるいは、非視認領域117における輝度をゼロにすることで、非視認領域117における画像は非表示となる。これにより、画像の表示に係る消電力化を図ることができる。
【0055】
ここで、視認者が運転者Dと同乗者Pのように複数人である場合に、本実施形態では、同乗者Pに対しては、予め定めた所定画像(第1表示部111、第4表示部114、および第5表示部115に対応する画像)、あるいは所定画像の一部については、上記の輝度制御に代えて、以下の輝度低下制御を実行する。
【0056】
図5乃至図8では、運転者Dは、車両前方を注視しながら運転している状況を示している。一方、同乗者Pは、表示部110に対して視線方向を変更している状況を示している。表示制御部132は、同乗者Pに対しては、第2表示部112、および第3表示部113に対応する画像が同乗者視認領域116bとなる場合は、規定の輝度で表示する。しかしながら、表示制御部132は、第1表示部111、第4表示部114、および第5表示部115に対応する画像については、同乗者視認領域116bとなる場合であっても、画像の輝度を低下、あるいはゼロにして、非表示とする。
【0057】
つまり、同乗者Pに対しては、以下に示す表示形態となる。第2表示部112のエンタメ情報や第3表示部113のナビ情報、エアコン情報は、同乗者Pが視線を向けることで視認可能(表示)となる(図5図6の白抜き領域)。一方、第4表示部114の車両情報や第1表示部111の左後方画像(第5表示部115の右後方画像も同様)については、同乗者Pが視線を向けても、輝度が低下、あるいはゼロにされて、実質的に視認不能(非表示)となる(図7図8のドッド領域)。これは、運転を実施しない同乗者Pに対しては、運転に必要とされる情報(画像)については、非表示としても差支えがないことによる。
【0058】
以上のように、本実施形態によれば、視認者が車両の運転者Dと助手席の同乗者Pといった複数人の場合であっても、表示制御部132は、視認者(ここでは同乗者P)にとって視認不要あるいは視認不適切となる所定画像、あるいは所定画像の一部については、視認領域116(同乗者視認領域116b)となる場合であっても、所定画像、あるいは所定画像の一部を非表示とする。つまり、表示制御部132は、所定画像の輝度を相対的に下げる、あるいはゼロにする。よって、運転者Dおよび同乗者Pによる表示画像領域の拡大を抑制して、表示部110の省電力化を図ることができる。
【0059】
(第1実施形態の変形例1)
第1実施形態の変形例1の制御要領を図9図10に示す。第1実施形態の変形例1では、同乗者視認領域116bが同じ位置(例えば、第3表示部113)であっても、表示される情報(コンテンツ)に応じて、輝度制御をするか輝度低下制御をするかを分けるようにしたものである。
【0060】
上記第1実施形態説明したように、第3表示部113においては、表示される情報(画像)は、ナビ情報、A/C情報、あるいはバックガイド情報のいずれかが切替え表示されるものとして説明した。これら情報のうち、同乗者Pにとってバックガイド情報は、視認不要な情報(画像)となる。
【0061】
よって、同乗者視認領域116bが同じであっても(第3表示部113)、図9に示すように、A/C情報(あるいはナビ情報)については、所定の輝度で表示し、図10に示すように、バックガイド情報については、非表示とする。
【0062】
これにより、表示される画像の種類に応じて、輝度制御あるいは輝度低下制御の仕分けが可能となる。
【0063】
(第1実施形態の変形例2)
第1実施形態の変形例2では、表示制御部132は、同乗者Pに対して、視認不要とされる所定画像、あるいは所定画像の一部に対して輝度低下制御を実行するにあたって、所定画像、あるいは所定画像の一部の輝度を所定時間、維持した後に、相対的に下げる、あるいはゼロ(非表示)にする。
【0064】
同乗者Pにとって、視認不要とされる所定画像(例えば、第4表示部114の車速等の車両情報)であっても、運転者Dが安全に運転しているのかを確認したいと思う場合がある。このようなことを考慮して、同乗者Pにとって、輝度低下制御の対象となる所定画像、あるいは所定画像の一部であっても、所定時間、輝度を維持した後に、非表示とする(徐々に減光する)ことで、同乗者Pが知りたい情報を与えつつ、省電力化することが可能となる。
【0065】
尚、同乗者Pは画像を注視し続けられるため、徐々に減光しても目が慣れること(暗順応)を利用して、見やすさを確保しつつ、省電力化が可能となる。
【0066】
(第1実施形態の変形例3)
第1実施形態の変形例3の制御要領を図11図12に示す。第1実施形態の変形例3では、運転者Dに対して、輝度低下制御を実行するようにしている。尚、図11図12では、同乗者Pは、例えば、スマートフォン等の持ち込み機器110sを見ている場合を示している。
【0067】
運転者Dにとって視認不適切な所定画像として、例えば、第2表示部112におけるエンタメ情報が挙げられる。エンタメ情報は、運転中の注意低下に繋がるからである。よって、運転中(車両の走行中)において、図11に示すように、表示制御部132は、運転者視認領域116aが第4表示部114に対応する画像に向けられる場合では、車速等の車両情報の画像の輝度を規定の輝度に設定する(表示する)。一方、図12に示すように、表示制御部132は、運転者視認領域116aが第2表示部112に向けられた場合であると、輝度低下制御を実行して、エンタメ情報の画像を非表示とする。
【0068】
また、車両の停車中では、表示制御部132は、上記第2表示部112に対する輝度低下制御を解除する。
【0069】
これにより、運転者Dに対する輝度低下制御が可能となり、特に、運転中の注意低下を防止することが可能となる。また、停車中であれば、運転者Dは同乗者Pと共に、エンタメ情報の視認が可能となる。
【0070】
尚、本実施形態の運転者Dに対する輝度低下制御は、上記第1実施形態、第1実施形態の変形例1、2における同乗者Pに対する輝度低下制御と組み合わせたものとしてもよい。
【0071】
(第2実施形態)
第2実施形態の制御要領を図13図14に示す。第2実施形態では、表示制御部132は、視認領域116の画像を規定の輝度で輝度制御(通常表示)とする場合に、視認領域116の移動に対して、同乗者Pの場合は、運転者Dの場合よりも所定輝度で表示される画像の移動を遅らせる。
【0072】
図13に示すように、視認者が運転者Dの場合、運転者Dは車両前方への注意を怠らないために、画像を瞬時に視認して運転することから、表示制御部132は、視線の移動、つまり運転者視認領域116aの移動に合わせて画像を表示する(高応答)。図13では、運転者Dの視線方向が、例えば、第4表示部114から第3表示部113に移動するのに合わせて、表示画像を移動させることを示している。
【0073】
一方、図14に示すように、視認者が同乗者Pの場合、同乗者Pは、運転を実施しないため、画像を見続けることができ、同乗者視認領域116bの移動に合わせて画像が移動表示されると、わずかな視線の移動に対しても画像が移動するといった、ちらつきが気になる。よって、表示制御部132は、視線の移動、つまり同乗者視認領域116bの移動に対して、表示画像の移動を運転者Dの場合よりも遅らせる。図14では、同乗者Pの視線方向が、例えば、第2表示部112から第3表示部113に移動する際に、滑らかに(遅らせて)表示画像を移動させ、最終的に追いつくことを示している。
【0074】
滑らかに表示画像を移動させる要領としては、同乗者視認領域116bの移動に対して、(1)一定時間待った後に移動させる、(2)表示画像の移動速度を同乗者視認領域116bの移動速度よりも相対的に遅くする、(3)上記(1)、(2)の組み合わせとする、(4)同乗者視認領域116bの移動に対して、不感帯(デッドゾーン)を設けて、同乗者視認領域116bにおける所定以下の移動は無視する、等が挙げられる。
【0075】
これにより、運転者D、および同乗者Pの視認特性の違いに応じた輝度制御(通常表示)が可能となる。
【0076】
(第2実施形態の変形例1)
第2実施形態の変形例1の制御要領を図15に示す。第2実施形態の変形例1では、表示制御部132は、視認領域116の画像を所定輝度で通常表示とする場合に、視認領域116の画像の輝度を徐々に上げて所定輝度にするようにしており、同乗者Pの場合は、運転者Dの場合よりも輝度を上げる速度を遅くする。
【0077】
図15に示すように、同乗者Pの視線が車両前方に向いており、例えば、下側に移動して第2表示部112に向けられて、同乗者視認領域116bとなると、表示制御部132は、第2表示部112の画像(エンタメ情報)の輝度を徐々に上げながら通常表示する。表示制御部132は、輝度を徐々に上げていくときの速度を、運転者Dを想定した場合の速度よりも遅く設定する。
【0078】
これにより、運転者Dに対して、同乗者Pによる表示画像の輝度変化(明暗のちらつき)を感じにくくさせることができる。
【0079】
(第2実施形態の変形例2)
第2実施形態の変形例2の制御要領を図16に示す。第2実施形態の変形例2では、表示制御部132は、視認領域116の画像を所定輝度で通常表示とする場合に、視認領域116において、運転者Dに対する画像の表示領域よりも、同乗者Pに対する画像の表示領域を小さく設定する。
【0080】
これにより、運転者Dに対して、視線方向が素早く変化しても、充分な輝度の画像の表示が可能となると共に、同乗者Pに対しては、画像の表示領域を小さくすることで省電力化が可能となる。
【0081】
(第3実施形態)
第3実施形態の制御要領を図17図18に示す。第3実施形態では、表示制御部132は、視認領域116の画像を所定輝度で通常表示とする場合に、運転者視認領域116aと、同乗者視認領域116bとが隣接する場合に、境界部の輝度が滑らかに変化して連続するように補正する。
【0082】
図17に示すように、運転者視認領域116aと同乗者視認領域116bとが近づいて隣接する場合であると、各視認領域116a、116bに伴って通常表示される画像の境界部に筋が見えるといった現象(側抑制という現象)が起こり得る。このような場合であると、運転者Dおよび同乗者Pにとって、画像の見た目が気になるという問題が起こる。これは、図18(a)に示すように、表示画像の境界部領域において輝度分布の変化が鋭角を成すような急なものであると発生しやすい。
【0083】
よって、このような場合に、表示制御部132は、図18(b)のマル印で示すように、境界部の輝度分布が滑らかに連続するように補正することで、筋の発生を抑制することが可能となる。
【0084】
(その他の実施形態)
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、1つの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、更に請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0085】
視認領域116の画像を所定輝度で通常表示とする場合の、非視認領域117における画像の輝度を規定の輝度よりも下げる際には、輝度をゼロ(100%低下)にしないことが好ましい。輝度をゼロにすると、視認者が表示装置100の故障と勘違いをする場合があり、このような勘違いを防ぐことができる。
【0086】
また、視認領域116の画像を所定輝度で通常表示とする場合の、非視認領域117における画像の輝度のレベルを、視認者によって設定可能とする設定部を設けるようにしてもよい。設定部は、例えば、表示部110の表示面110aに表示される輝度スイッチ画像をタッチ操作して入力設定するものとすることができる。これにより、視認者の嗜好に合わせた表示装置100とすることができる。
【0087】
また、視認領域116は、横長の長方形としたが、これに限定されることなく、例えば、左右方向に長径を持ち、上下方向に短径を持つ、楕円形としてもよい。これにより、本来、人が視認する領域に近づけることができる。
【0088】
また、上記各実施形態では、視認方向(視認領域116)が左右方向、あるいは上下方向(図15)に移動する場合をもって説明したが、移動する方向は、斜めの場合も同じように対応可能である。
【符号の説明】
【0089】
100 表示装置
110 表示部
110a 表示面
116 視認領域
117 非視認領域
120 取得部(乗員カメラ)
132 表示制御部
D 運転者(視認者)
P 同乗者(視認者)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18