(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169159
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20241128BHJP
【FI】
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086388
(22)【出願日】2023-05-25
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
2.SWIFT
(71)【出願人】
【識別番号】515352238
【氏名又は名称】株式会社メイキップ
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】柄本 真吾
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB47
5L049BB47
(57)【要約】
【課題】ウェブサイトを閲覧しているユーザが実際の商品購入を取りやめた場合に当該ユーザに対して商品購入を促す通知を発してユーザの関心を高めて実際の商品購入の意欲を高める情報処理装置を提供する。
【解決手段】電子商取引事業者のウェブサイトにて販売される商品の属性として、商品毎に当該商品の在庫数量、価格、色、サイズを取得する商品属性取得部と、ウェブサイトにアクセスするユーザが購入を予定する商品を購入予定商品として受け付ける受付部と、購入予定商品がユーザにより購入されたか否かを確認し、ユーザが購入しなかった購入予定商品を未購入品としてユーザと関連付けて記憶する関連記憶部と、ユーザの有する端末機器に対し、未購入品の購入を促す通知、または、未購入品と同系列の商品の購入を促す通知を行う通知部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子商取引事業者のウェブサイトにて販売される商品の属性として、商品毎に当該商品の在庫数量、価格、色、サイズを取得する商品属性取得部と、
電子商取引事業者のウェブサイトにアクセスするユーザが当該電子商取引事業者の提供する商品より購入を予定する商品を購入予定商品として受け付ける受付部と、
前記購入予定商品が前記ユーザにより購入されたか否かを確認し、前記ユーザが購入しなかった前記購入予定商品を未購入品として前記ユーザと関連付けて記憶する関連記憶部と、
前記ユーザの有する端末機器に対し、前記未購入品の購入を促す通知、または、前記未購入品と同系列の商品の購入を促す通知を行う通知部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記未購入品と同系列の商品は、前記未購入品と色違いの商品、前記未購入品とサイズ違いの商品、または、前記未購入品の在庫数量が所定量以下となる商品である請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記通知部が前記ユーザへの通知を行うため、前記ユーザの有する端末機器から前記ユーザの連絡先をユーザ情報として取得するユーザ情報取得部が備えられる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知部が前記ユーザへの通知を行うため、前記ユーザ情報は前記ユーザの体形の情報を含む請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記通知部が前記ユーザへの通知を行うため、前記ユーザ情報は前記ユーザの前記電子商取引事業者のウェブサイトにおける商品の購入履歴を含む請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記通知には、電子商取引事業者のウェブサイトへのアクセスを促す連絡、価格の値下げの連絡、または、在庫数の連絡が含まれる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
商品が販売される実店舗であって、前記実店舗にて販売される商品の属性として、商品毎に当該商品の在庫数量、価格、色、サイズを取得する実店舗商品属性取得部が備えられ、
前記通知には、前記ユーザの所在地から所定の距離内に存在する実店舗への来店を促す連絡が含まれる請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記関連記憶部は、前記未購入品と前記ユーザとの関連付けに際し、前記未購入品の色または前記未購入品のサイズと、前記購入履歴内の前記ユーザが過去に購入した商品の色またはサイズとが不一致であることを契機とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項9】
電子商取引事業者のウェブサイトにて販売される商品の属性として、商品毎に当該商品の在庫数量、価格、色、サイズを取得する商品属性取得部と、
電子商取引事業者のウェブサイトにアクセスするユーザが当該電子商取引事業者の提供する商品より購入を予定する商品を購入予定商品として受け付ける受付部と、
前記購入予定商品が前記ユーザにより購入されたか否かを確認し、前記ユーザが購入しなかった前記購入予定商品を未購入品として前記ユーザと関連付けて記憶する関連記憶部と、
前記ユーザに対し、前記未購入品の購入を促す通知、または、前記未購入品と同系列の商品の購入を促す通知を行う通知部と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項10】
コンピュータが、
電子商取引事業者のウェブサイトにて販売される商品の属性として、商品毎に当該商品の在庫数量、価格、色、サイズを取得する商品属性取得ステップと、
電子商取引事業者のウェブサイトにアクセスするユーザが当該電子商取引事業者の提供する商品より購入を予定する商品を購入予定商品として受け付ける受付ステップと、
前記購入予定商品が前記ユーザにより購入されたか否かを確認し、前記ユーザが購入しなかった前記購入予定商品を未購入品として前記ユーザと関連付けて記憶する関連記憶ステップと、
前記ユーザに対し、前記未購入品の購入を促す通知、または、前記未購入品と同系列の商品の購入を促す通知を行う通知ステップと、
を実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
コンピュータに、
電子商取引事業者のウェブサイトにて販売される商品の属性として、商品毎に当該商品の在庫数量、価格、色、サイズを取得する商品属性取得機能と、
電子商取引事業者のウェブサイトにアクセスするユーザが当該電子商取引事業者の提供する商品より購入を予定する商品を購入予定商品として受け付ける受付機能と、
前記購入予定商品が前記ユーザにより購入されたか否かを確認し、前記ユーザが購入しなかった前記購入予定商品を未購入品として前記ユーザと関連付けて記憶する関連記憶機能と、
前記ユーザに対し、前記未購入品の購入を促す通知、または、前記未購入品と同系列の商品の購入を促す通知を行う通知機能と、
を実現させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関し、特にユーザが購入しようとして取り止めた商品等の販売促進につなげるための装置、システム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット販売等の電子商取引事業者がウェブサイトにて提供するサービスが広く行われている。ウェブサイトを閲覧しているユーザは服飾品(被服、履物等)を購入する際、ユーザに対し適切な推奨サイズを提示する技術が提案されている(特許文献1等参照)。
【0003】
ユーザへの推奨サイズの提示はユーザの商品購入の契機として有効に作用する。しかしながら、ウェブサイトを運営する電子商取引事業者においては、ユーザが商品の購入を検討して購入予定品に商品を蓄積しつつも、最終的にユーザが購入予定品の決済(支払い)をすることなくウェブサイトの閲覧を終了してしまうことが多い。このことから、ユーザは商品への興味、関心を強く抱いていることは理解される。しかしながら、実際の商品販売につながらず、売り上げの伸び悩みが問題となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、商品購入を完了させることなく終了してしまったユーザに対し、何等かの訴求があれば、商品購入数の増加が見込まれる可能性がある。
【0006】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、インターネット販売等の電子商取引事業者がウェブサイトにて販売する商品について、ウェブサイトを閲覧しているユーザが実際の商品購入を取りやめた場合に当該ユーザに対して商品購入を促す通知を発してユーザの関心を高めて実際の商品購入の意欲を高めるための情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、実施形態の情報処理装置は、電子商取引事業者のウェブサイトにて販売される商品の属性として、商品毎に当該商品の在庫数量、価格、色、サイズを取得する商品属性取得部と、電子商取引事業者のウェブサイトにアクセスするユーザが当該電子商取引事業者の提供する商品より購入を予定する商品を購入予定商品として受け付ける受付部と、購入予定商品がユーザにより購入されたか否かを確認し、ユーザが購入しなかった購入予定商品を未購入品としてユーザと関連付けて記憶する関連記憶部と、ユーザの有する端末機器に対し、未購入品の購入を促す通知、または、未購入品と同系列の商品の購入を促す通知を行う通知部とを備えることを特徴とする。
【0008】
さらに、情報処理装置において、未購入品と同系列の商品は、未購入品と色違いの商品、未購入品とサイズ違いの商品、または、未購入品の在庫数量が所定量以下となる商品であることとしてもよい。
【0009】
さらに、情報処理装置において、通知部がユーザへの通知を行うため、ユーザの有する端末機器からユーザの連絡先をユーザ情報として取得するユーザ情報取得部が備えられることとしてもよい。
【0010】
さらに、情報処理装置において、通知部がユーザへの通知を行うため、ユーザ情報はユーザの体形の情報を含むこととしてもよい。
【0011】
さらに、情報処理装置において、通知部がユーザへの通知を行うため、ユーザ情報は前記ユーザの電子商取引事業者のウェブサイトにおける商品の購入履歴を含むこととしてもよい。
【0012】
さらに、情報処理装置において、通知には、電子商取引事業者のウェブサイトへのアクセスを促す連絡、価格の値下げの連絡、または、在庫数の連絡が含まれることとしてもよい。
【0013】
さらに、情報処理装置において、商品が販売される実店舗であって、実店舗にて販売される商品の属性として、商品毎に当該商品の在庫数量、価格、色、サイズを取得する実店舗商品属性取得部が備えられ、通知には、ユーザの所在地から所定の距離内に存在する実店舗への来店を促す連絡が含まれることとしてもよい。
【0014】
さらに、情報処理装置において、関連記憶部は、未購入品とユーザとの関連付けに際し、未購入品の色または未購入品のサイズと、購入履歴内のユーザが過去に購入した商品の色またはサイズとが不一致であることを契機とすることとしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の情報処理装置は、電子商取引事業者のウェブサイトにて販売される商品の属性として、商品毎に当該商品の在庫数量、価格、色、サイズを取得する商品属性取得部と、電子商取引事業者のウェブサイトにアクセスするユーザが当該電子商取引事業者の提供する商品より購入を予定する商品を購入予定商品として受け付ける受付部と、購入予定商品がユーザにより購入されたか否かを確認し、ユーザが購入しなかった購入予定商品を未購入品としてユーザと関連付けて記憶する関連記憶部と、ユーザの有する端末機器に対し、未購入品の購入を促す通知、または、未購入品と同系列の商品の購入を促す通知を行う通知部とを備えるため、インターネット販売等の電子商取引事業者がウェブサイトにて販売する商品について、ウェブサイトを閲覧しているユーザが実際の商品購入を取りやめた場合に当該ユーザに対して商品購入を促す通知を発してユーザの関心を高めて実際の商品購入の意欲を高めることが可能となる。
【0016】
また、情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理プログラムにあっても、情報処理装置と同様に、インターネット販売等の電子商取引事業者がウェブサイトにて販売する商品について、ウェブサイトを閲覧しているユーザが実際の商品購入を取りやめた場合に当該ユーザに対して商品購入を促す通知を発してユーザの関心を高めて実際の商品購入の意欲を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態の情報処理装置及び価格提示システムの構成を示す模式図である。
【
図2】情報処理装置の機能部を示すブロック図である。
【
図3】(A)電子商取引事業者のウェブサイトの模式図であり、(B)同ウェブサイトにおいてユーザが購入しなかった状態の模式図である。
【
図4】未購入品と同系列の商品を示す模式図である。
【
図5】(A)通知の第1の表示例であり、(B)通知の第2の表示例である。
【
図6】(A)通知の第3の表示例であり、(B)通知の第4の表示例である。
【
図7】実施形態の情報処理方法を説明する第1フローチャートである。
【
図8】実施形態の情報処理方法を説明する第2フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施形態の情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、情報処理プログラムは、電子商取引事業者(Eコマース事業者)の展開するウェブサイト(インターネットサイト)にて販売する商品、サービスを販売促進につなげ、さらには当該ウェブサイトを閲覧しているユーザへの購買意欲を高める施策を提案するための装置、システム、方法、プログラムである。
【0019】
ユーザ(顧客)は電子商取引事業者の展開するウェブサイトを閲覧し、当該ウェブサイトにおいて自己の希望する商品が見つかったときには購入のための決済の手続きが行われ、電子商取引事業者とユーザとの間で商品等の売買が完了する。ここで、ユーザは暫定的にウェブサイトにおいて購入を予定する商品をいくつか購入予定商品として提示しつつも(いわゆる、「買い物かごに入れる」と称される)、結局購入することなく電子商取引事業者のウェブサイトから退出してしまい、電子商取引事業者の売り上げにつながらないこと(いわゆる、「かご落ち」と称される)が生じていた。
【0020】
この原因としては、ユーザの希望、期待に応える商品が電子商取引事業者のウェブサイト内に見当たらなかったことに加え、特に衣料品においては適合するサイズの在庫不足等の問題が考えられる。そうすると、ユーザが要求する水準に電子商取引事業者が十分に応えきれていないことによる商機の喪失が存在し得る。従って、閲覧だけで終わってしまったユーザへの働きかけにより、購入に誘導できる可能性がある。つまり、実施形態の情報処理装置等(装置、システム、方法、プログラム)は、電子商取引事業者のウェブサイトにおける購入の取りこぼしを低減するための技術として位置づけられる。
【0021】
実施形態の情報処理装置1の構成は
図1の模式図として表される。情報処理装置1は、ハードウェア的に、コンピュータ100(処理部)により構成され、内部に、CPU、GPU等の演算素子、ROM、RAM、HDD、SSD等に記憶素子が実装される。情報処理装置1は、パーソナルコンピュータ(PC)、メインフレーム、ワークステーション、クラウドコンピューティングシステム、さらには、タブレット端末、スマートフォン等、種々の電子計算機(計算リソース)が用いられる。情報処理方法は、ソフトウェア的に、メインメモリにロードされた情報処理プログラム等により実現される。
【0022】
さらに、
図1のとおり、情報処理装置1はインターネット回線2等の有線または無線の回線と接続される。商品の購入者となるユーザ3(顧客)は、自己の保有する端末4からインターネット回線2を介して電子商取引事業者10のウェブサイト12にアクセスすることができる。図示では、ユーザ3の端末4の表示画像5に電子商取引事業者10のウェブサイト12が表示されている。端末4は、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ(PC)等の適宜の端末機器である。
【0023】
さらに、実施形態では、情報処理装置1のコンピュータ100と実店舗20とのアクセスが確保され、実店舗20の管理コンピュータ22がインターネット回線2に接続されている。ユーザ3、電子商取引事業者10、及び実店舗20の数は図示の1箇所に留まらず複数としてもよい。
【0024】
情報処理装置1のコンピュータ100はインターネット回線2に接続することにより、情報処理システム1Sとして構築される。情報処理システム1Sにおけるコンピュータ100と情報処理装置1におけるコンピュータ100は共通する構成であるため、情報処理装置1として以降説明する。情報処理装置1におけるコンピュータ100は、電子商取引事業者10に付帯する設備として備えてもよく、もしくは、電子商取引事業者10と別の独立した事業者に備えてもよい。図示では、電子商取引事業者10の内部に備えられる。
【0025】
図1の情報処理装置1(情報処理システム1S)の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、情報処理装置1のコンピュータ100は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行することで実現される。このプログラムを格納する記録媒体は、「一時的でない有形の媒体」、例えば、CD、DVD、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、このプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワーク、放送波等)を介して情報処理装置1(情報処理システム1S)のコンピュータ100に供給されてもよい。
【0026】
図2は情報処理装置1(情報処理システム1S)の機能部を示すブロック図である。コンピュータ100にはインターネット回線2等を介して外部との信号、情報の送受信を行う通信部101、各種の信号、データ類、プログラムを記憶する記憶部102が備えられる。記憶部102には、ROM、RAM、HDD、SSD等の記憶素子が用いられる。また、情報処理装置1には表示部103が備えられる。表示部103は公知のディスプレイ、モニタ等である。さらに、情報処理装置1(情報処理システム1S)のコンピュータ100の演算部105としてCPU、GPU等の演算素子が備えられる。
【0027】
演算部105は、詳細には、商品属性取得部110、実店舗商品属性取得部115、ユーザ情報取得部120、受付部130、関連記憶部140、通知部150等を備える。
【0028】
商品属性取得部110は、電子商取引事業者10のウェブサイト12にて販売される商品の属性として、商品毎に当該商品の在庫数量、価格、色、サイズを取得する。実施形態における商品は、ユーザ(顧客、購入者)の好みが分かれる特性から、衣料品、靴、化粧品、各種装身具、宝飾品が想定され、さらには、飲料、食品も商品に含められる。実施形態は衣料品として説明する。
【0029】
商品の属性とは、商品を分類するための指標となる項目であり、特に衣料品の場合、電子商取引事業者10の取扱の可能な数量としての在庫数量、当該商品の価格(価格帯)、当該商品の色、当該商品のサイズが商品の属性の主な項目となる。その他、古着であるか、値下げ品であるか、傷、汚れの有無等の情報が商品の属性として付加されてもよい。電子商取引事業者10は、これらの商品の属性、特には衣料品の属性に基づいて自己の販売商品を分類してウェブサイト12に商品の写真等と、商品の属性をアップロードし管理する。
【0030】
実店舗商品属性取得部115は、実店舗にて販売される商品の属性として、商品毎に当該商品の在庫数量、価格、色、サイズを取得する。実店舗商品属性取得部115は、
図1の電子商取引事業者10とは別に存在する実店舗20と連携させることにより、ユーザを実店舗20側へ誘引する際に組み込まれる機能構成である。実店舗20とは、商品を取り扱う店舗であり、店内に商品が陳列され、衣料品であれば試着等が可能な店舗である。つまり、実施形態は、インターネット上での商品の販売に加えて、実店舗にユーザを案内して実際の商品を見て購入に役立ててもらうことも含めた構成である。
【0031】
ユーザ情報取得部120は、ユーザ3の有する端末機器からユーザ3の連絡先をユーザ情報として取得する。ユーザ3の連絡先は、当該ユーザの氏名、住所、電話番号、電子メールのアドレス、SNSのアカウント等の電子商取引事業者10からユーザへの通知が可能なユーザを特定する固有の項目である。これらのユーザの個人情報に該当する項目は、最初にユーザが電子商取引事業者10から商品を購入する際に入力が求められる項目であり、電子商取引事業者10において、適切に管理、保存される。
【0032】
さらに、ユーザ情報には、ユーザ3の体形の情報が含まれる。体形の情報とは、ユーザが過去に電子商取引事業者10から商品を購入した際に入力した情報であり、商品が衣料品である場合には、S、M、L等のサイズ、または7号、9号、11号等のサイズであり、商品が靴である場合には23.5cm等のサイズである。
【0033】
すなわち、ユーザ情報には、ユーザが過去に電子商取引事業者10から購入した商品と、当該商品を購入した際に入力した情報が結び付けられて生成されるユーザに固有の購入履歴が含まれる。むろん、これに加えて、電子商取引事業者10から過去に商品を購入した際に入力(選択)した商品の色、価格がユーザ情報に含められてもよい。
【0034】
受付部130は、電子商取引事業者10のウェブサイト12にアクセスするユーザが当該電子商取引事業者10の提供する商品より購入を予定する商品を購入予定商品として受け付ける。購入予定商品は、ユーザ3が電子商取引事業者10のウェブサイト12を閲覧していながら、ユーザ3からの決済の処理の行われていない商品である。いわゆる、ユーザ3がウェブサイト12の「買い物かご」に商品を入れただけの状態である。
【0035】
関連記憶部140は、購入予定商品がユーザ3により購入されたか否かを確認し、ユーザ3が購入しなかった購入予定商品を未購入品としてユーザと関連付けて記憶する。未購入品は、ユーザ3が電子商取引事業者10に対して決済を完了しなかった商品である。決済の完了には、クレジットカード決済、電子マネーによる決済、銀行等の金融機関への振り込み、代引き、暗号資産による決済等の各種の決済形態がある。購入予定商品と未購入品の区別は、ユーザ3による前述の決済処理の有無に基づく。
【0036】
図3(A)は電子商取引事業者10のウェブサイト12の表示例である。
図3(A)では、商品30として女性衣類のブラウスが表示されている。そして、同ブラウスのサイズ31として「M」が強調表示され、価格32として「AAAA円」が表示され、色33として「白色」が強調表示されている。また、在庫数量34として、「残りBB着」が表示されている。そして、購入を予定する商品を「購入予定商品」として受け付ける受付表示35として「買い物かごに入れる」の文言が表示されている。すなわち、
図3(A)の表示例は、ユーザ3による電子商取引事業者10のウェブサイト12の閲覧中の様子である。同図中、購入継続表示36として「買い物を続ける」、支払い表示37として「支払い」、買い物の終了表示38として「終了」の各表示も存在する。
【0037】
図3(B)は、ユーザ3が電子商取引事業者10のウェブサイト12(前出の
図3(A)の表示例)を閲覧し、その後、商品の購入を取り止めた状態である。商品30は受付表示35に登録されたまま、決済に進まなかった表示例となる。図示では、受付表示35は「買い物かごに入っています」とされ、終了表示38が選択(枠が強調)されている。この時点で購入予定商品がユーザ3により購入されたか否かは確認可能となる。
【0038】
これに加えて、電子商取引事業者10の展開するサービスにおいては、ユーザ3が電子商取引事業者10のウェブサイト12を通じて、自己の各所の体形の寸法を入力することにより、ウェブサイト12内にてユーザ3に最適な寸法の商品(衣料品)を提示するウェブ上での試着がある。このようなウェブ上での試着を行いながらも最終的に決済に進まなかった場合の商品も未購入品として取り扱われる。
【0039】
商品30は受付表示35に登録されているため、決済はされていなくとも、電子商取引事業者10のキャッシュにユーザ3が選択した購入予定商品30とともに、当該商品のサイズ31、価格32、色33、在庫数量34が記憶される。そこで、購入予定商品は「未購入品」に変更される。また、ユーザ3がウェブサイト12を閲覧するに際しユーザ自体の氏名、住所、メールアドレス、SNS等のアカウント、さらには、ユーザの体形(衣料品における大きさ、足の大きさ等)の連絡先をはじめとするユーザ情報が入力されている。そのため、ユーザ毎に固有のユーザ情報は、電子商取引事業者10の過去のユーザ毎の購入履歴から取得可能である。
【0040】
このことから、関連記憶部140が処理する関連付けとは、ユーザ3が電子商取引事業者10からの購入を取り止めた(躊躇した)未購入品と、当該ユーザのユーザ情報を対応させる(結びつける)ことである。具体的には、未購入品に、当該ユーザの氏名、住所、メールアドレス、SNS等のアカウント、さらには、ユーザの体形(衣料品における大きさ、足の大きさ等)の連絡先をはじめとするユーザ情報が組み合わせられる。関連付けにより生成されたデータは、記憶部102に記憶される。
【0041】
加えて、関連記憶部140は、未購入品とユーザとの関連付けに際し、未購入品の色または未購入品のサイズと、当該ユーザの購入履歴内のユーザが過去に購入した商品の色またはサイズとが不一致であることを契機とする。未購入品とユーザとの関連付けは、すべての未購入品について行ってもよい。ただし、関連付けが過剰となり、後述の通知の量が増えてユーザに届く通知量が増してしまい、かえって通知の効果が減殺されてしまう。そこで、ユーザが商品の購入を躊躇してしまうと考えられる要因としてサイズまたは色の不一致を主要因として関連付けの契機としている。一般に、ユーザの体形、好みの色は極端に変化することは少ないとされるためである。
【0042】
通知部150は、ユーザ3の有する端末4に対し、未購入品の購入を促す通知、または、未購入品と同系列の商品の購入を促す通知を行う。通知部150により生成され実行される通知の具体例は
図5、
図6の表示例にて説明する。後述の表示例では、実際の購入に至らなかった日の翌日、あるいは1週間後である。
【0043】
未購入品の購入を促す通知とは、実際に購入に至らなかったユーザ3に対し、その未購入品そのものについて、購入してもらえるように関心を高めてもらう内容の通知となる。ここで、未購入品が生じる要因は、ユーザの気まぐれ、時間つぶしによる電子商取引事業者10のウェブサイト12の閲覧よりも、具体的にユーザの関心を引く商品が見当たらなかったことが大きいと考えられる。例えば、閲覧された商品に適当なサイズ、色、価格の商品が見当たらなかったこと、すでに在庫数量が無くなっていた(欠品状態)ことである。前述のユーザの気まぐれ、時間つぶしの場合には、通知による購入を促す効果は乏しいと考えられる。これに対し、ユーザの所望するサイズ、色等が見つかるのであれば、またユーザに金銭的な余裕が生じた場合、ユーザは購入する可能性は高いと考えられる。従って、通知をすることの効果は見込まれる。
【0044】
未購入品と同系列の商品とは、未購入品とは同一ではないものの、色、サイズが同一のデザインの近似した商品、または色、サイズが近似した商品(色違いの商品、サイズ違いの商品)が該当する。そして、これらの未購入品と同系列の商品の購入を促す通知とは、その未購入品の同系列の商品について、購入してもらえるように関心を高めてもらう内容の通知となる。ユーザの視点から見ると、わずかなデザインの相違、色、サイズの相違がユーザの関心を引く。そのため、未購入品と同一の商品に限定することなく、同系列の色違いの商品、サイズ違いの商品にまで商品の幅を拡張してユーザの関心を引きやすくなり、商品購入の機会が増すと考えられる。
【0045】
図4は未購入品との関係を説明する模式図である。商品30が未購入品Gであるとき、通知部150は改めて当該未購入品Gと同一の商品Gの購入を促す通知を生成する。これは、ユーザによる購入し忘れ、ユーザの金銭状況への対応を考慮した場合が想定される。
【0046】
他に、未購入品Gと同一ではない商品であって、未購入品Gと近似する色調または近似するデザインの商品G1が同系列の商品として提示される。さらには、未購入品Gと同一ではない商品であって、未購入品Gと近似する大きさまたは近似するデザインの商品が同系列の商品G2として提示される。敢えて、未購入品Gと同一ではない商品を提示し通知得ることにより、ユーザは新たな観点から商品を発見することができ、商品の購入に関心を持つことができる。
【0047】
さらに、未購入品Gの在庫との関係から、未購入品の在庫数量が所定量以下となる商品G3も加えられる。在庫数量は商品の種類により適宜であり、商品の販売の進捗から予め商品毎に設定された数量を下回るときの数量である。例えば、未購入品Gの在庫が無い(欠品)場合、または、売れ行きから3日以内に在庫が無くなる場合、次の生産により入庫される新たな商品が該当する。この場合、次回生産分の商品入庫の通知があれば、ユーザの商品購入の可能性は高い。
【0048】
未購入品と同系列の商品の分類については、電子商取引事業者10において、未購入品と同様の基準となるサイズ、色、デザイン、在庫量等に基づいて分類される。そこで、未購入品のサイズ、色、デザインを基準に同系列の範囲が設定される。例えば、サイズについて、未購入品がMサイズのブラウスであれば、同系列の商品はMサイズのブラウスとなる。未購入品が白色のブラウスであれば、同系列の商品は白色に加え、水色、薄ピンクのブラウスとなる。つまり同色の他に淡色系も含められる。デザインについてはブラウスの範疇からの選択となる。なお、未購入品と同系列の商品の数、範囲は電子商取引事業者10において設定可能である。前述の色の説明のとおり、同系列の商品の範囲は白色の限定としてもよく、もしくは、淡色系までの拡張としてもよい。
【0049】
図5及び
図6は電子商取引事業者10の通知部150により生成された通知のユーザ3の端末機器4の表示画像5に表示される通知例である。通知には、電子商取引事業者のウェブサイト12へのアクセスを促す連絡、価格の値下げの連絡、または、在庫数の連絡が含まれる。さらに、通知には、ユーザの所在地から所定の距離内に存在する実店舗への来店を促す連絡が含まれる。これらは、ユーザ情報として登録、保存されている当該ユーザの電子メールアドレスに通知された電子メールの文面例である。
【0050】
図5(A)は「リマインド通知」の通知例であり、電子商取引事業者10のウェブサイト12へのアクセスを促す連絡である。図示の通知は、例えば、商品の購入を取り止めたフラグを持つメール受信可能な電子商取引事業者10の会員に対し、購入を取り止めた翌日に、購入を取り止めたアイテム(品番単位)について、対象品番で購入を取り止めた商品のサイズ在庫がある状態を想定した通知である。この通知はユーザに購入し忘れの可能性を伝えて購入を再検討してもらうときに用いられる。
【0051】
図5(B)は「値下げ情報通知」の通知例であり、電子商取引事業者10による商品価格の値下げの連絡である。図示の通知は、例えば、商品の購入を取り止めたフラグを持つメール受信可能な電子商取引事業者10の会員に対し、対象品番の商品が値下げとなったタイミングにおいて、購入を取り止めたアイテム(品番単位)について、対象品番で購入を取り止めた商品のサイズ在庫がある状態を想定した通知である。この通知は、ユーザが商品の値段に迷っている際に値下げを通じて購入を再検討してもらうときに用いられる。
【0052】
図6(A)は「在庫品薄通知」の通知例であり、電子商取引事業者10の保有する在庫数量が少なくなっていることの連絡である。図示の通知は、例えば、商品の購入を取り止めたフラグを持つメール受信可能な電子商取引事業者10の会員に対し、対象品番の在庫数が3点以下になったタイミングにおいて、購入を取り止めたアイテム(品番単位)について、全色の在庫がありかつ購入を取り止めたサイズが3点以下になった状態を想定した通知である。
【0053】
図6(B)は「店舗誘引通知」の通知例であり、情報処理装置1(情報処理システム1S)が実店舗商品属性取得部115を具備する場合に実行する。電子商取引事業者10は、電子商取引事業者10とは別に存在する実店舗20と連携してユーザを実店舗20側へ誘引するための通知である。図示の通知は、例えば、商品の購入を取り止めたフラグを持つメール受信可能な電子商取引事業者10の会員に対し、購入を取り止めた日から1週間以内に、購入を取り止めたアイテム(品番単位)について、対象品番で購入を取り止めた商品のサイズ在庫が実店舗20側にあり、在庫のある実店舗20と同県内に住所がある状態を想定した通知である。
【0054】
実店舗20は電子商取引事業者10の系列店としても、単に同種の商品を取り扱う店舗のいずれであってもよい。ユーザを実店舗側へ誘引することにより、実際の商品を見て購入に役立ててもらうことが可能となる。ユーザを誘引する実店舗との関係は、ユーザ情報からユーザの住所が判明するため、ユーザの住所と実店舗との距離の算出は可能である。そこで、同一都道府県内(半径約50km圏内)、同一市町村内(半径約20km圏内)の距離設定が行われる。
【0055】
なお、
図5及び
図6に図示の通知例は、同時に複数の通知が生成される場合がある。そのため、電子商取引事業者10の取り扱う商品、ユーザの客層(取得、年齢等)に応じ、通知内容の優先付け、通知の取捨選択の設定が可能である。
【0056】
これより、
図7及び
図8のフローチャートを用い、実施形態の情報処理方法と情報処理プログラムをともに説明する。実施形態の情報処理方法は、情報処理プログラムに基づいて、実施形態の情報処理装置1のコンピュータ100(演算部105)により実行される(
図1、
図2参照)。実施形態の情報処理プログラムは、情報処理装置1のコンピュータ100に対して、商品属性取得機能、実店舗商品属性取得機能、ユーザ情報取得機能、受付機能、関連記憶機能、通知機能を実現させる。各機能は前述の実施形態の情報処理装置1の説明と重複するため、詳細は省略する。
【0057】
図7のフローチャートは実施形態の一形態の情報処理方法の流れであり、商品属性取得ステップ(S110)、ユーザ情報取得ステップ(S120)、受付ステップ(S130)、関連記憶ステップ(S140)、通知ステップ(S150)の各種ステップを備える。その他、情報処理方法は、演算結果の記憶、その呼び出し、その他の演算、入力、出力、記憶等の各種の図示しない適宜必要なステップも備える。
【0058】
商品属性取得機能は、電子商取引事業者10のウェブサイト12にて販売される商品の属性として、商品毎に当該商品の在庫数量、価格、色、サイズを取得する(S110;商品属性取得ステップ)。ユーザ情報取得機能は、ユーザ3の有する端末機器4からユーザの連絡先をユーザ情報として取得する(S120;ユーザ情報取得ステップ)。受付機能は、電子商取引事業者10のウェブサイト12にアクセスするユーザ3が当該電子商取引事業者10の提供する商品より購入を予定する商品を購入予定商品として受け付ける(S130;受付ステップ)。
【0059】
関連記憶機能は、購入予定商品がユーザ3により購入されたか否かを確認し、ユーザ3が購入しなかった購入予定商品を未購入品としてユーザ3と関連付けて記憶する(S140;関連記憶ステップ)。通知機能は、ユーザ3の有する端末機器4に対し、未購入品の購入を促す通知、または、未購入品と同系列の商品の購入を促す通知を行う(S150;通知ステップ)。
【0060】
図8のフローチャートは実施形態の他形態の情報処理方法の流れであり、実店舗商品属性取得機能を実現させる形態である。同形態は商品属性取得ステップ(S110)、実店舗商品属性取得ステップ(S115)、ユーザ情報取得ステップ(S120)、受付ステップ(S130)、関連記憶ステップ(S140)、通知ステップ(S150)の各種ステップを備える。その他、情報処理方法は、演算結果の記憶、その呼び出し、その他の演算、入力、出力、記憶等の各種の図示しない適宜必要なステップも備える。
【0061】
図8のフローチャートでは、実店舗商品属性取得機能の実店舗商品属性取得ステップが追加される。実店舗商品属性取得機能は、実店舗にて販売される商品の属性として、商品毎に当該商品の在庫数量、価格、色、サイズを取得する(S115;実店舗商品属性取得ステップ)。そのほかの各機能、各ステップは
図7のフローチャートと同様である。
【0062】
実施形態の情報処理プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)、Python、Rubyなどのスクリプト言語、C言語、C++、C#、Objective-C、Swift、Java(登録商標)などのコンパイラ言語などを用いて実装できる。
【符号の説明】
【0063】
1 情報処理装置
1S 情報処理システム
2 インターネット回線
3 ユーザ
4 端末機器
10 電子商取引事業者
12 ウェブサイト
20 実店舗
100 コンピュータ
101 通信部
102 記憶部
103 表示部
105 演算部
110 商品属性取得部
115 実店舗商品属性取得部
120 ユーザ情報取得部
130 受付部
140 関連記憶部
150 通知部