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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169166
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】感知スイッチ、制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01S 13/89 20060101AFI20241128BHJP
   H05B 47/115 20200101ALI20241128BHJP
   G01S 13/34 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G01S13/89
H05B47/115
G01S13/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086403
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】于 来コン
(72)【発明者】
【氏名】工藤 弘行
【テーマコード(参考)】
3K273
5J070
【Fターム(参考)】
3K273RA02
3K273RA12
3K273SA04
3K273SA11
3K273SA24
3K273SA36
3K273SA37
3K273SA40
3K273SA57
3K273SA58
3K273SA60
3K273TA15
3K273TA40
3K273TA41
3K273TA49
3K273TA76
3K273UA19
3K273VA03
5J070AB17
5J070AB24
5J070AC02
5J070AC06
5J070AC11
5J070AC20
5J070AE09
5J070AF01
5J070AH31
5J070AH35
5J070AK40
5J070BE01
(57)【要約】
【課題】気密性の高い感知スイッチを実現する。
【解決手段】検知センサ部15は、電波を送信して、その反射波を受信して検知データを出力する。制御部20は、検知センサ部15から入力される検知データに基づいて、負荷に信号を出力する。動体検知部21は、検知データに基づいて、検知範囲に存在する動体の位置、動き、または形状を特定する。設定調整部22は、動体検知部21により特定された動体の位置、動き、または形状をもとに、本感知スイッチ1または負荷の設定を調整する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を送信して、その反射波を受信して検知データを出力する検知センサ部と、
前記検知センサ部から入力される検知データに基づいて、負荷に信号を出力する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記検知データに基づいて、検知範囲に存在する動体の位置、動き、または形状を特定する動体検知部と、
前記動体検知部により特定された前記動体の位置、動き、または形状をもとに、本感知スイッチまたは前記負荷の設定を調整する設定調整部と、
を含むことを特徴とする感知スイッチ。
【請求項2】
前記設定調整部により決定された設定情報を含む制御信号を、本感知スイッチと連携している機器に送信する信号送信部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の感知スイッチ。
【請求項3】
複数の選択項目と複数の位置を紐付けたテーブルをさらに備え、
前記設定調整部は、前記動体検知部により特定された前記動体の位置が、前記テーブルに定義された前記複数の位置のいずれかに対応している場合、前記動体の位置に紐付けられた選択項目を選択する操作がなされたと認識することを特徴とする請求項1に記載の感知スイッチ。
【請求項4】
複数の選択項目と前記動体の複数の動きを紐付けたテーブルをさらに備え、
前記設定調整部は、前記動体検知部により特定された前記動体の動きが、前記テーブルに定義された前記動体の複数の動きのいずれかに対応している場合、前記動体の動きに紐付けられた選択項目を選択する操作がなされたと認識することを特徴とする請求項1に記載の感知スイッチ。
【請求項5】
複数の選択項目と前記動体の形状を紐付けたテーブルをさらに備え、
前記設定調整部は、前記動体検知部により特定された前記動体の形状が、前記テーブルに定義された前記動体の複数の形状のいずれかに対応している場合、前記動体の形状に対応する選択項目を選択する操作がなされたと認識することを特徴とする請求項1に記載の感知スイッチ。
【請求項6】
前記設定調整部は、前記動体検知部により、前記動体の特定の位置への接近、前記動体の特定の動き、または前記動体の特定の形状が検知されると、施工モードに移行させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の感知スイッチ。
【請求項7】
前記検知センサ部は、受信した反射波に基づいて3次元点群データを生成し、生成した3次元点群データを前記制御部に出力することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の感知スイッチ。
【請求項8】
前記感知スイッチは、
造営面に設けた取付孔に一部を埋設した状態で固定され、前記取付孔から露出する表示面を有する器体をさらに備え、
前記制御部は、
前記施工モードに移行すると、前記表示面に、少なくとも一つの選択項目に対応するガイドを発生させるガイド制御部をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の感知スイッチ。
【請求項9】
前記ガイド制御部は、前記動体の位置、動き、または形状により、特定の選択項目が選択されると、当該選択項目に対応するガイドを変化させることを特徴とする請求項8に記載の感知スイッチ。
【請求項10】
電波を送信して、その反射波を受信して検知データを出力する検知センサ部を備える感知スイッチの制御プログラムであって、
前記検知データに基づいて、検知範囲に存在する動体の位置、動き、または形状を特定する処理と、
特定された前記動体の位置、動き、または形状をもとに、前記感知スイッチまたは負荷の設定を調整する処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建物内に設置される感知スイッチ、制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
住宅の設計では、外気を遮断して室内の温度や湿度を保つことが重要であり、冬は暖かく、夏は涼しい快適な生活環境を実現できる建物が求められている。また近年、資源エネルギー庁は、省エネルギーを目指したZEH(net Zero Energy House)を推奨している。それに伴い、建物内の電気設備、配線器具等の高気密化・高断熱化が求められている。
【0003】
建物内の電気設備、配線器具の一つに熱線感知スイッチがある。熱線感知スイッチは、人体から放射される熱線を検知することで特定の検知範囲内に人が存在するか否かを判断し、人の有無に応じて照明器具等の負荷を制御する。天井埋め込み型の熱線感知スイッチでは、設定操作を手動スイッチで行うことが一般である。
【0004】
特許文献1に開示された熱線感知スイッチでは、器体1の下面に、明るさの閾値や点灯保持時間をそれぞれ調整する調整ボリュームの調整摘み53a,54aと、制御回路の動作モードを切り換えるモード切換スイッチの操作摘み55aが配置されている(特許文献1の図1参照)。器体1の下面を覆うプレート10には、調整摘み53a,54a及び操作摘み55aを露出させる挿通孔11d,11d及び角孔部11cが貫設されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003‐7180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これらの調整部材は天井裏につながる隙間を作ってしまい、建物の気密性を低下させる要因になっている。また、容易な操作防止のため摘み53a,54a,55aをカバーで覆うことが一般的であるが、感知スイッチにカバーを付けると、フラットなデザインが難しくなり、低背化も難しくなる。意匠性も低下する。また、摘み53a,54a,55aとカバーを設けることは、部品点数増・コスト増の要因にもなる。
【0007】
本開示はこうした状況に鑑みなされたものであり、その目的は、気密性の高い感知スイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の感知スイッチは、電波を送信して、その反射波を受信して検知データを出力する検知センサ部と、前記検知センサ部から入力される検知データに基づいて、負荷に信号を出力する制御部と、を備える。前記制御部は、前記検知データに基づいて、検知範囲に存在する動体の位置、動き、または形状を特定する動体検知部と、前記動体検知部により特定された前記動体の位置、動き、または形状をもとに、本感知スイッチまたは前記負荷の設定を調整する設定調整部と、を含む。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本開示の表現を装置、システム、方法、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、気密性の高い感知スイッチを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】比較例1に係る天井取付型の感知スイッチの正面図である。
図2】比較例2に係る壁取付型の感知スイッチの正面図である。
図3】実施例に係る天井取付型の感知スイッチの正面図である。
図4】実施例に係る天井取付型の感知スイッチの機能ブロック図である。
図5】器体の環状プレート上の表示面に提示される選択項目の一例を示す図である。
図6】実施例に係るジェスチャ操作用の変換テーブルの一例を示す図である。
図7図5に示した設定状態から、明るさセンサの動作周囲照度が変更された状態を示す図である。
図8図8(a)-(b)は、天井に埋設された感知スイッチを操作するための手Haの状態と、検知センサ部により検知された手の3次元点群データの第1の例を示す図である。
図9図9(a)-(b)は、天井に埋設された感知スイッチを操作するための手Haの状態と、検知センサ部により検知された手の3次元点群データの第2の例を示す図である。
図10図10(a)-(b)は、天井に埋設された感知スイッチを操作するための手Haの状態と、検知センサ部により検知された手の3次元点群データの第3の例を示す図である。
図11】ユーザが手の人差し指で、空中に円を描くジェスチャにより、設定項目の値を変更する例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、比較例1に係る天井取付型の感知スイッチ1の正面図である。比較例1に係る感知スイッチ1は、トイレ等の天井に設置される。感知スイッチ1の器体1aは、造営面(比較例1では、天井)に設けられた取付孔に、奥行き方向の一部が埋設された状態で固定される。器体1aは、造営面から露出する環状プレートと、造営面に埋設される円柱状の支柱を有し、環状プレートはネジ1cにより支柱に固定される。感知スイッチ1は負荷に接続されており、人の動きなどを検知すると負荷(比較例1では、換気扇)を自動的にオンし、一定時間後に負荷を自動的にオフする自動スイッチとして機能する。
【0013】
器体1aの環状プレートの中央部に、熱線センサ10hが設置されている。熱線センサ10hは、ビーム状の検知範囲を有し、検知範囲において熱線レベルの変化(例えば、3℃以上の温度変化)を検知すると検知信号を制御回路に送出する。通常、検知範囲に人が侵入すると熱線レベルが3℃以上、上昇する。制御回路は、熱線センサ10hから検知信号を受信すると換気扇を動作させる。同時に、制御回路は照明器具を点灯させることもできる。制御回路は、検知範囲に人が検知されなくなると、設定された動作保持時間後、換気扇を停止させる。照明器具を点灯させていた場合は、照明器具も消灯させる。
【0014】
器体1aの環状プレートの熱線センサ10hの下方に、動作保持時間調整摘み51と、間欠運転時間調整摘み52が設置されている。ユーザまたは施工者(以下、両者を総称する場合、ユーザ等と表記する)は、動作保持時間調整摘み51の位置を調整することで、人の検知をトリガとして換気扇が動作開始した後の換気扇の動作継続時間を設定することができる。図1に示す例では、10秒から30分の範囲で設定することができる。なお、ユーザ等は、動作保持時間調整摘み51の位置を「切」に調整することで、換気扇を常時オフに設定することもできる。また、動作保持時間調整摘み51の位置を「連続入」に調整することで、換気扇を常時オンに設定することもできる。
【0015】
ユーザ等は、間欠運転時間調整摘み52の位置を「切」以外に調整することで、換気扇を間欠運転させることができる。間欠運転では人の検知の有無に関係なく、一定時間(例えば1時間)ごとに換気扇が動作する。ユーザ等は、間欠運転時間調整摘み52の位置を調整することで、間欠運転する際の運転時間を設定することができる。図1に示す例では、30秒から50分の範囲で設定することができる。
【0016】
ユーザ等は、動作保持時間または間欠運転時間の調整後、カバープレート10bを器体1aの環状プレートに被せる。比較例1に係る感知スイッチ1では、摘み51、52の高さがあるため、カバープレート10bは天井面に対して一定の膨らみを有する形状になり、天井面に対してフラットな意匠とすることは難しい。
【0017】
図2は、比較例2に係る壁取付型の感知スイッチ1の正面図である。比較例2に係る感知スイッチ1は、建物の内壁などに設置される。感知スイッチ1の器体1aは、造営面(比較例2では、側壁)に設けられた取付孔に、奥行き方向の一部が埋設された状態で固定される。器体1aは、造営面から露出する矩形プレートと、造営面に埋設されるボディを有する。感知スイッチ1は負荷に接続されており、人の動きなどを検知すると負荷(比較例2では、照明器具)を自動的にオンし、一定時間後に負荷を自動的にオフする自動スイッチとしての機能を有する。
【0018】
器体1aの矩形プレートの下部に、熱線センサ10hと明るさセンサ(照度センサ)が設置されている。熱線センサ10hは、検知範囲において熱線レベルの変化(例えば、3℃°以上の温度変化)を検知すると検知信号を制御回路に送出する。明るさセンサは、周囲の照度を計測して、計測した照度を制御回路に送出する。
【0019】
器体1aの矩形プレートの熱線センサ10hの上方に、手動スイッチ54が設置されている。ユーザ等は、手動スイッチ54の位置を「切」、「自動」、「連続入」の間で切り替えることで動作モードを設定する。例えば、手動スイッチ54を左側の位置に調整すると「切」が選択され、中央の位置に調整すると「自動」が選択され、右側の位置に調整すると「連続入」が選択される。「切」が選択されると、照明器具が常時オフのモードに設定される。「自動」が選択されると、人が検知されると照明器具が自動でオンする自動モードに設定される。「連続入」が選択されると、照明器具が常時オンのモードに設定される
【0020】
器体1aの矩形プレートの手動スイッチ54の上方に、動作保持時間調整摘み51と、明るさセンサ調整摘み53が設置されている。ユーザ等は、動作保持時間調整摘み51の位置を調整することで、自動モードにおいて、人の検知をトリガとして照明器具が点灯開始した後の照明器具の点灯継続時間を設定することができる。図2に示す例では、10秒から30分の範囲で設定することができる。
【0021】
ユーザ等は、明るさセンサ調整摘み53の位置を調整することで、自動モードにおいて、明るさセンサが働く動作周囲照度を設定することができる。図2に示す例では、「暗め」(5lx)から「明るめ」(200lx)の範囲で動作周囲照度を設定することができる。制御回路は、明るさセンサで計測された周囲照度が、設定された動作周囲照度より低い(暗い)状態において、検知範囲に人が侵入すると照明器具を点灯させる。計測された周囲照度が、設定された動作周囲照度より高い(明るい)場合は、人が検知されても照明器具を点灯させない。なお、ユーザ等は、明るさセンサ調整摘み53の位置を「切」に調整することで、周囲の明るさに関係なく、検知範囲に人が侵入すると照明器具が点灯するモードに設定することもできる。
【0022】
ユーザ等は、動作保持時間または明るさセンサの調整後、摘み51、53を隠す扉1dを閉める。比較例2に係る感知スイッチ1では、手動スイッチ54が設置されているため、意匠性が低下している。
【0023】
図3は、実施例に係る天井取付型の感知スイッチ1の正面図である。実施例に係る感知スイッチ1の器体1aは、造営面(実施例では、天井)に設けられた取付孔に、奥行き方向の一部が埋設された状態で固定される。図1に示した比較例1に係る感知スイッチ1と比較して、造営面から露出する器体1aの環状プレート上に、操作摘みを含め、物理的な部品が配置されていない。環状プレートは、凹凸のないフラットな形状であり、天井面からの出っ張りが最小限に抑制されている。
【0024】
実施例に係る感知スイッチ1では、人を検知するためのセンサとして、熱線センサの代わりに、ミリ波を使用した電波センサを使用している。電波センサは環状プレートの裏面(天井裏)に設置されている。電波センサの近傍に、明るさセンサも設置されている。感知スイッチ1の操作は、ジェスチャで行う。
【0025】
図4は、実施例に係る天井取付型の感知スイッチ1の機能ブロック図である。実施例に係る感知スイッチ1は、検知センサ部15、制御部20、記憶部30、提示部40を備える。検知センサ部15は、60GHz帯ミリ波を送信して、その反射波を受信して3次元点群データを生成し、検知データとして制御部20に出力する。
【0026】
本実施例に係る検知センサ部15は、シンセサイザ、一つの送信用アンテナ、3つの受信用アンテナ、ミキサ、A/D変換器、DSP(Digital Signal Processing)を備える。シンセサイザは、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式で、時間経過に応じて周波数が直線的に変化するチャープ信号を生成する。送信用アンテナは、シンセサイザで生成されたチャープ信号を送信波として、検知範囲に向けて送信する。各受信用アンテナは、検知範囲に存在する物体に反射されたチャープ信号を反射波として受信する。反射波は送信波に対して、距離に比例した遅延を有している。
【0027】
ミキサは、反射波と送信波を合成してIF信号を生成する。生成されたIF信号の周波数は、物体が検知センサ部15に近いほど低くなり、遠いほど高くなる。A/D変換器は、ミキサで生成されたIF信号をデジタル値に変換する。
【0028】
DSPは、デジタル値に変換されたIF信号を周波数領域の信号に変換して、物体までの距離、物体の速度、物体との角度を生成する。DSPは例えば、IF信号に対してFFT(Fast Fourier Transformation)処理(距離FFT処理)を実行して、IF信号の周波数スペクトルを生成する。周波数スペクトルのピークをもとに物体までの距離を算出する。検知範囲に複数の物体が存在する場合は、複数のピークが出現する。
【0029】
DSPは、一定の時間間隔で送信される複数のチャープ信号の反射波から得られる、複数の距離FFT処理後の出力に対して更にFFT処理(ドップラーFFT)を実行して、物体の速度を算出する。IF信号のピークの位相変化を累積することで周波数スペクトルが得られ、当該周波数スペクトルのピークをもとに物体の速度を算出する。検知範囲に複数の移動物体が存在する場合は、複数のピークが出現する。
【0030】
DSPは、複数の受信アンテナで受信された複数のチャープ信号のドップラーFFT後の出力に対して更にFFT処理(角度FFT)を実行して、物体の角度を算出する。物体から各受信アンテナまでの距離の差により、周波数スペクトルのピークに位相差が発生する。この受信アンテナ間のピークの位相差を利用して、到来角 (AoA:Angle of Arrival)を算出する。
【0031】
検知センサ部15は、3つの受信アンテナで受信した反射波に基づく物体との距離・角度をもとに3次元点群データを生成し、生成した3次元点群データを制御部20に出力する。物体が動体である場合、検知センサ部15は、リアルタイムに変化する3次元点群データを制御部20に出力する。
【0032】
制御部20は、検知センサ部15から入力される3次元点群データに基づいて、負荷に信号を出力する。本実施例では負荷として照明器具2を想定している。なお、負荷は照明器具2に限るものではなく、換気扇、空調器具、エスカレータ、防犯設備などであってもよい。
【0033】
制御部20は、動体検知部21、設定調整部22、信号送信部23、ガイド制御部24を含む。制御部13は、ハードウェア資源とソフトウェア資源の協働、またはハードウェア資源のみにより実現できる。ハードウェア資源としてアナログ回路、ロジック回路、マイクロコントローラ、DSP、ROM、RAM、GPU、ASIC、FPGA、その他のLSIを利用できる。ソフトウェア資源として、ファームウェアなどのプログラムを利用できる。
【0034】
記憶部30は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)やNANDフラッシュメモリ等の不揮発メモリを備え、ジェスチャ操作用の変換テーブル30aを保持する。なお、変換テーブル30aの容量が小さい場合、変換テーブル30aは制御部20内のROMに保持されてもよい。また、制御部20で実行されるプログラムのソースコード内に予め書き込まれていてもよい。これらの場合、記憶部30は省略可能である。
【0035】
動体検知部21は、検知センサ部15から入力される3次元点群データに基づいて、検知範囲に動体が存在するか否か検知する。検知範囲に物体が検知されている場合でも、静止物である場合、その物体は無視する。動体検知部21は、検知された物体が動体であるか静止物であるかを、3次元点群データを時間方向に比較することで判定することができる。
【0036】
動体検知部21は、検知範囲に動体が検知された場合、検知された動体の位置、動き、または形状を特定する。設定調整部22は、動体検知部21により特定された動体の位置、動き、または形状をもとに、感知スイッチ1または照明器具2の設定を調整することができる。
【0037】
設定調整部22は、動体検知部21により、動体の特定の位置への接近、動体の特定の動き、または動体の特定の形状が検知されると、感知スイッチ1を施工モードに移行させる。設定調整部22は例えば、検知センサ部15に対して、手の指や棒状の指示具などの動体が所定の距離(例えば、10cm)以内に接近すると施工モードに移行させる。設定調整部22は例えば、3次元点群データにおいてZ軸で最も上に位置する点が、検知センサ部15から10cm以内に相当する位置に存在する場合、施工モードに移行させる。施工モードに移行すると、ガイド制御部24は、造営面の取付孔から露出する器体1aの環状プレート上の表示面に選択項目に対応するガイドを発生させる。
【0038】
図5は、器体1aの環状プレート上の表示面に提示される選択項目の一例を示す図である。図5に示す例では、施工モードにおいて、人が検知されてから照明器具2の点灯状態が継続する動作保持時間と、明るさセンサが働く動作周囲照度を設定することができる。図5に示す例では、動作保持時間として1分、5分、10分、30分を選択することができ、動作周囲照度として10lx、50lx、100lx、200lxを選択することができる。環状プレートは周方向に8分割され、上下左右の4領域に動作保持時間の4選択肢が割り当てられ、斜め対角の4領域に動作周囲照度の4選択肢が割り当てられている。
【0039】
具体的には、環状プレートの左領域に「1分」の文字が印字され、第1LED40aが埋め込まれている。環状プレートの上領域に「5分」の文字が印字され、第2LED40bが埋め込まれている。環状プレートの右領域に「10分」の文字が印字され、第3LED40cが埋め込まれている。環状プレートの下領域に「30分」の文字が印字され、第4LED40dが埋め込まれている。環状プレートの右上領域に「10lx」の文字が印字され、第5LED40eが埋め込まれている。環状プレートの右下領域に「50lx」の文字が印字され、第6LED40fが埋め込まれている。環状プレートの左下領域に「100lx」の文字が印字され、第7LED40gが埋め込まれている。環状プレートの左上領域に「200lx」の文字が印字され、第8LED40hが埋め込まれている。
【0040】
施工モードに移行すると、ガイド制御部24は、動作保持時間と動作周囲照度の現在の設定値に対応するLEDを点灯させる。図5に示す例では動作保持時間は5分に設定され、動作周囲照度が50lxに設定されており、ガイド制御部24は、第2LED40bと第6LED40fを点灯させる。なお、施工モードでない通常モード時は、第1LED40a-第8LED40hは全て消灯している。
【0041】
ジェスチャ操作用の変換テーブル30aは、複数の選択項目と複数の位置を紐付けて保持している。本実施例では、各選択項目に紐付いた各位置は、3次元座標上の空間として定義される。
【0042】
図6は、実施例に係るジェスチャ操作用の変換テーブル30aの一例を示す図である。動作保持時間の4つの選択項目(1分、5分、10分、30分)に対して、環状プレートのXY平面上における左領域、上領域、下領域、右領域からそれぞれ床方向に鉛直に伸び出た特定空間が紐付けられる。明るさセンサの動作周囲照度の4つの選択項目(10lx、50lx、100lx、200lx)に対して、環状プレートのXY平面上における右上領域、右下領域、左下領域、左上領域からそれぞれ床方向に鉛直に伸び出た特定空間が紐付けられる。
【0043】
設定調整部22は施工モードにおいて、検知センサ部15から入力される3次元点群データの代表点が、変換テーブル30aに定義されたいずれかの特定空間に侵入すると、当該特定空間に紐付けられた選択項目の値に、照明器具2の設定を変更する。
【0044】
図7は、図5に示した設定状態から、明るさセンサの動作周囲照度が変更された状態を示す図である。ユーザ等の手Haが、環状プレートの左下領域の特定空間に侵入すると、設定調整部22は、明るさセンサの動作周囲照度を50lxから100lxに変更する。ガイド制御部24は、明るさセンサの動作周囲照度の設定変更に伴い、第6LED40fを消灯させ、第7LED40gを点灯させる。これにより、ユーザ等は、明るさセンサの動作周囲照度の設定変更の完了を確認することができる。
【0045】
図5図7に示す選択項目の提示例は一例であり、他の提示例を用いてもよい。例えば、「1分」、「5分」、「10分」、「30分」、「10lx」、「50lx」、「100lx」、「200lx」の文字部分が、光を透過する素材で形成され、各文字部分の裏面に、第1LED40a-第8LED40hがセパレートされた状態で設置されてもよい。この場合、ガイド制御部24が特定のLEDを点灯させると、当該LEDに対応する文字が光ってユーザ等が視認可能な状態となる。LEDが消灯している状態ではユーザ等は、文字を視認することはできない。
【0046】
なお、器体1aの環状プレートの表示面にディスプレイ(例えば、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ)を設置してもよい。その場合、ガイド制御部24は施工モードにおいて、当該ディスプレイに、設定変更のためのガイダンスを表示させることができる。
【0047】
信号送信部23は、設定調整部22により決定された設定情報を含む制御信号を、感知スイッチ1と連携している機器に送信することができる。信号送信部23は例えば、感知スイッチ1と連携している感知スイッチ1の親機または子機に、設定情報を含む制御信号を送信することができる。照明器具2にコントローラが設置されている場合、信号送信部23は、当該コントローラに、設定情報を含む制御信号を送信することができる。なお、感知スイッチ1が照明器具2を直接駆動する構成でもよい。感知スイッチ1と照明器具2が1:1で閉じられた関係で、感知スイッチ1が照明器具2を直接駆動する構成の場合、信号送信部23は省略可能である。
【0048】
図8(a)-(b)は、天井に埋設された感知スイッチ1を操作するための手Haの状態と、検知センサ部15により検知された手Haの3次元点群データの第1の例を示す図である。図8(b)に示す座標空間の点C0(x=0,y=0,z=0)は、検知センサ部15の表面の中心座標を示している。Z軸が建物の高さ方向を示しており、z=0が、検知センサ部15の床面からの高さを示している。図8(a)に示す例は、ユーザが手Haの人差し指を、検知センサ部15の表面の中心位置にほぼ接触するまで接近させた状態を示している。
【0049】
図9(a)-(b)は、天井に埋設された感知スイッチ1を操作するための手Haの状態と、検知センサ部15により検知された手Haの3次元点群データの第2の例を示す図である。図9(a)に示す状態は、図8(a)に示したユーザの手Haが感知スイッチ1に向けて伸ばされた状態から、手Haが縮められて手Haが感知スイッチ1から離れた状態を示している。図9(b)に示す3次元点群データは、図8(b)に示した3次元点群データより全体的にZ軸でマイナス方向(床方向)に移動している。
【0050】
図10(a)-(b)は、天井に埋設された感知スイッチ1を操作するための手Haの状態と、検知センサ部15により検知された手Haの3次元点群データの第3の例を示す図である。図10(b)に示す座標空間はZ軸が奥行き方向に描かれており、天井から床を見下ろす方向の視点で描かれている。図10(a)に示す例は、ユーザが手Haの人差し指を、検知センサ部15の天井面に向かって右側の位置に押し当てた状態を示している。
【0051】
設定調整部22は施工モードにおいて、検知センサ部15から入力される3次元点群データの代表点が、ジェスチャ操作用の変換テーブル30aに定義されたいずれかの特定空間に侵入すると、当該特定空間に紐付けられた選択項目を選択する操作がなされたと認識する。代表点は例えば、Z軸方向で検知センサ部15に最も近接する点に設定されてもよいし、Z軸方向で検知センサ部15に近接する所定数の点の平均値や中央値に設定されてもよい。
【0052】
ここまでの説明では、ジェスチャ操作用の変換テーブル30aとして、複数の選択項目と複数の特定空間を紐付けた変換テーブル30aを使用した。この点、ジェスチャ操作用の変換テーブル30aとして、複数の選択項目と動体の動きを紐付けた変換テーブル30aを使用してもよい。動体の動きは例えば、人の手の動きであってもよい。手の動きには例えば、空中で円を描く動き、空中でバツを描く動き、空中で三角を描く動き等が含まれてもよい。
【0053】
動体検知部21は、検知センサ部15から入力される3次元点群データの代表点の軌跡を追跡し、動体の動きを特定する。設定調整部22は施工モードにおいて、動体検知部21により特定された動体の動きが、上記変換テーブル30aに定義された動体の複数の動きのいずれかに対応している場合、当該動体の動きに対応する選択項目に紐付けられた選択項目を選択する操作がなされたと認識する。
【0054】
図11は、ユーザが手Haの人差し指で、空中に円を描くジェスチャにより、設定項目の値を変更する例を示す図である。例えば、空中に時計回りで円を描く動きで動作保持時間を、反時計回りで円を描く動きで動作周囲照度を調整可能に設定されてもよい。動作保持時間または動作周囲照度の値は細かく調整できるように設定されてもよい。例えば、時計回りに円を描く指の移動角度(0~360°)と動作保持時間(0~30分)が対応づけられ、角度が12°進むたびに、動作保持時間が1分、カウントアップされるように設定されてもよい。
【0055】
また、ジェスチャ操作用の変換テーブル30aとして、複数の選択項目と動体の形状を紐付けた変換テーブル30aを使用してもよい。動体の形状は例えば、人の手のポーズであってもよい。手のポーズはには例えば、グー、チョキ、パー、指を1本立てるポーズ、指を3本立てるポーズ、指を4本立てるポーズ等が含まれてもよい。
【0056】
動体検知部21は、検知センサ部15から入力される3次元点群データを3Dモデル化してメッシュデータまたはサーフェスデータに変換する。動体検知部21は、変換されたメッシュデータまたはサーフェスデータをパターン認識して動体の形状を特定する。設定調整部22は施工モードにおいて、動体検知部21により特定された動体の形状が、上記変換テーブル30aに定義された動体の複数の形状のいずれかに対応している場合、当該動体の形状に対応する選択項目に紐付けられた選択項目を選択する操作がなされたと認識する。
【0057】
なお、人の手による操作用の各ジェスチャの多数の3次元点群データを学習データ、各選択項目を教師データとして事前に機械学習して、操作用の各ジェスチャの学習モデルを生成してもよい。この場合、ジェスチャ操作用の変換テーブル30aとして、複数の選択項目と複数のジェスチャの学習モデルのパラメータを紐付けた変換テーブル30aが生成される。
【0058】
動体検知部21は、検知センサ部15から入力される3次元点群データを学習モデルに入力して、当該3次元点群データのパラメータセットを生成する。設定調整部22は当該変換テーブル30aを参照して、生成された3次元点群データのパラメータセットに最も近似するパラメータセットに紐付けられた選択項目を選択する操作がなされたと認識する。
【0059】
なお、機械学習によりジェスチャごとの識別器を生成してもよい。機械学習で生成された学習モデルや識別器を使用する場合、より複雑なジェスチャの認識も可能となる。
【0060】
設定調整部22は施工モードにおいて例えば、手や指示具などの動体が検知センサ部15から所定の距離(例えば、10cm)以上、乖離すると施工モードを終了させる。なお、手のポーズや動きで、施工モードへの移行操作または終了操作が実行されてもよい。
【0061】
動体検知部21は通常モードにおいて、検知範囲に検知された動体の位置、動き、または形状が施工モードへ移行させる操作に対応していない場合、信号送信部23に検知信号を出力する。信号送信部23は照明器具2のコントローラに点灯指示信号を送信する。なお、明るさセンサから入力される照度が、設定された動作周囲照度より高い場合は、信号送信部23は点灯指示信号を送信しない。照明器具2のコントローラは、信号送信部23から点灯指示信号を受信すると、照明器具2を点灯させる。
【0062】
信号送信部23は点灯指示信号を送信してから、設定されている動作保持時間が経過すると、照明器具2のコントローラに消灯指示信号を送信する。照明器具2のコントローラは当該消灯指示信号を受信すると、照明器具2を消灯させる。
【0063】
なお、検知範囲へ人が侵入する挙動の多数の3次元点群データを事前に機械学習して、検知範囲へ人が侵入する挙動の学習モデルを生成してもよい。この場合、動体検知部21は検知範囲で検知される動体の内、検知範囲へ侵入する人のみを検知することができる。信号送信部23は検知範囲へ人が侵入したときのみ、照明器具2のコントローラに点灯指示信号を送信する。この場合、照明器具2の無駄な点灯回数を減らすことにつながる。
【0064】
以上説明したように本実施例によれば、感知スイッチ1から物理スイッチを削除することができ、物理スイッチによる隙間を無くすことができる。したがって、建物の気密性・断熱性が向上する。ZEHの実現にも貢献する。また、物理スイッチを削除することで環状プレートの表面をフラットなデザインにでき、意匠性が向上する。また、物理スイッチに関する設計が不要となるため、コスト削減、納期短縮にも貢献する。
【0065】
以上、本開示を実施例をもとに説明した。本実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0066】
図5では、照明器具2の点灯状態が継続する動作保持時間と、明るさセンサが働く動作周囲照度の選択項目を同時に提示する例を説明した。この点、所定のジェスチャにより設定項目を順番に切り替え、設定項目ごとに選択項目を提示させる仕様であってもよい。なお、設定項目には、調光レベルが含まれてもよい。
【0067】
上記実施例では、60GHz帯のミリ波センサを使用する例を示したが、24GHz帯、76GHz帯、79GHz帯、94Gz帯のミリ波センサを使用してもよい。また、ミリ波センサの代わりにLiDAR(Light Detection and Ranging)を使用してもよい。
【0068】
なお、実施の形態は、以下の項目によって特定されてもよい。
【0069】
[項目1]
電波を送信して、その反射波を受信して検知データを出力する検知センサ部(15)と、
前記検知センサ部(15)から入力される検知データに基づいて、負荷(2)に信号を出力する制御部(20)と、を備え、
前記制御部(20)は、
前記検知データに基づいて、検知範囲に存在する動体の位置、動き、または形状を特定する動体検知部(21)と、
前記動体検知部(21)により特定された前記動体の位置、動き、または形状をもとに、本感知スイッチ(1)または前記負荷(2)の設定を調整する設定調整部(22)と、
を含むことを特徴とする感知スイッチ(1)。
これによれば、物理スイッチを削除しても、感知スイッチ(1)または負荷(2)の設定調整が可能な感知スイッチ(1)を実現できる。
[項目2]
前記設定調整部(22)により決定された設定情報を含む制御信号を、本感知スイッチ(1)と連携している機器(2)に送信する信号送信部(23)をさらに備えることを特徴とする項目1に記載の感知スイッチ(1)。
これによれば、感知スイッチ(1)と連携している機器(2)に、感知スイッチ(1)に設定された設定情報を通知することができる。
[項目3]
複数の選択項目と複数の位置を紐付けたテーブル(30a)をさらに備え、
前記設定調整部(22)は、前記動体検知部(21)により特定された前記動体の位置が、前記テーブル(30a)に定義された前記複数の位置のいずれかに対応している場合、前記動体の位置に紐付けられた選択項目を選択する操作がなされたと認識することを特徴とする項目1に記載の感知スイッチ(1)。
これによれば、手や指示具で指し示す位置により、選択項目の選択操作が可能となる。
[項目4]
複数の選択項目と前記動体の複数の動きを紐付けたテーブル(30a)をさらに備え、
前記設定調整部(22)は、前記動体検知部(21)により特定された前記動体の動きが、前記テーブル(30a)に定義された前記動体の複数の動きのいずれかに対応している場合、前記動体の動きに紐付けられた選択項目を選択する操作がなされたと認識することを特徴とする項目1に記載の感知スイッチ(1)。
これによれば、手や指示具の動きにより、選択項目の選択操作が可能となる。
[項目5]
複数の選択項目と前記動体の形状を紐付けたテーブル(30a)をさらに備え、
前記設定調整部(22)は、前記動体検知部(21)により特定された前記動体の形状が、前記テーブル(30a)に定義された前記動体の複数の形状のいずれかに対応している場合、前記動体の形状に対応する選択項目を選択する操作がなされたと認識することを特徴とする項目1に記載の感知スイッチ(1)。
これによれば、手のポーズにより、選択項目の選択操作が可能となる。
[項目6]
前記設定調整部(22)は、前記動体検知部(21)により、前記動体の特定の位置への接近、前記動体の特定の動き、または前記動体の特定の形状が検知されると、施工モードに移行させることを特徴とする項目1から4のいずれか1項に記載の感知スイッチ(1)。
これによれば、ジェスチャ操作で施工モードに移行させることができる。
[項目7]
前記検知センサ部(15)は、受信した反射波に基づいて3次元点群データを生成し、生成した3次元点群データを前記制御部(20)に出力することを特徴とする項目1から4のいずれか1項に記載の感知スイッチ(1)。
これによれば、3次元点群データをもとに動体の位置、動き、または形状を認識することができる。
[項目8]
前記感知スイッチ(1)は、
造営面に設けた取付孔に一部を埋設した状態で固定され、前記取付孔から露出する表示面を有する器体(1a)をさらに備え、
前記制御部(20)は、
前記施工モードに移行すると、前記表示面に、少なくとも一つの選択項目に対応するガイドを発生させるガイド制御部(20)をさらに含むことを特徴とする項目6に記載の感知スイッチ(1)。
これによれば、選択項目のガイドをユーザに提示することで、ユーザビリティを向上させることができる。
[項目9]
前記ガイド制御部(20)は、前記動体の位置、動き、または形状により、特定の選択項目が選択されると、当該選択項目に対応するガイドを変化させることを特徴とする項目8に記載の感知スイッチ(1)。
これによれば、ユーザが設定変更の完了を確認することができ、ユーザビリティを向上させることができる。
[項目10]
電波を送信して、その反射波を受信して検知データを出力する検知センサ部(15)を備える感知スイッチ(1)の制御プログラムであって、
前記検知データに基づいて、検知範囲に存在する動体の位置、動き、または形状を特定する処理と、
特定された前記動体の位置、動き、または形状をもとに、前記感知スイッチ(1)または負荷(2)の設定を調整する処理と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする制御プログラム。
これによれば、物理スイッチを削除しても、感知スイッチ(1)または負荷(2)の設定調整が可能な感知スイッチ(1)を実現できる。
【符号の説明】
【0070】
1 感知スイッチ、 1a 器体、 2 照明器具、 15 検知センサ部、 20 制御部、 21 動体検知部、 22 設定調整部、 23 信号送信部、 24 ガイド制御部、 30 記憶部、 40 提示部、 40 第1LED-第8LED。
図1
図2
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図5
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図7
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