(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169173
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】ホース操作具
(51)【国際特許分類】
A62C 33/00 20060101AFI20241128BHJP
B65H 75/38 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
A62C33/00 A
B65H75/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086422
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】519030224
【氏名又は名称】株式会社FS・JAPAN
(71)【出願人】
【識別番号】592174659
【氏名又は名称】有限会社佐野機工
(74)【代理人】
【識別番号】100110560
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 恵三
(74)【代理人】
【識別番号】100182604
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 二美
(72)【発明者】
【氏名】阿久津 昌之
(72)【発明者】
【氏名】佐野 丈光
【テーマコード(参考)】
2E189
3F068
【Fターム(参考)】
2E189LA05
3F068AA07
3F068BA16
3F068CA02
3F068DA00
3F068HA04
(57)【要約】
【課題】 内部に水が残ることから巻き直す作業や撤収作業に手間がかかっていたこと。
【解決手段】 このホース操作具は、折り曲げられた第一折曲部を有する帯状板からなる第一本体1と、折り曲げられた第二折曲部を有する帯状板からなる第二本体2と、前記第一本体1にその一端が回転可能に軸止された第一ローラ3と、前記第一本体1にその一端が回転可能に且つ第二本体2に他端が回転可能に軸止された第二ローラ4とを有し、前記第一ローラ3と前記第二ローラ4とは所定の間隙をもって位置するものとし、前記第二本体2の第二折曲部には、第一ローラ3の一端が入って軸支される切欠部7が設けられる。第一ローラ3と前記第二ローラ4の間隙にホースを入れて移動することで内部の水や空気を抜く。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り曲げられた第一折曲部を有する帯状板からなる第一本体と、
折り曲げられた第二折曲部を有する帯状板からなる第二本体と、
前記第一本体にその一端が回転可能に軸止された第一ローラと、
前記第一本体にその一端が回転可能に且つ第二本体に他端が回転可能に軸止された第二ローラとを有し、
前記第一ローラと前記第二ローラとは所定の間隙をもって位置するものとし、
前記第二本体の第二折曲部には、第一ローラの一端が入って軸支される切欠部が設けられるホース操作具。
【請求項2】
前記第一折曲部と第二折曲部とは前記第二ローラを軸として回転し、前記第二折曲部は、第一本体の第一折曲部と所定の間隙を持って位置する請求項1に記載のホース操作具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に消防用のホースの巻取りの際に使用するホース操作具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、消防のホースは、巻いて収納する際、内部に水や空気が残っていると嵩が増して重量も重くなる。このため、内部の水や空気を抜いてから巻いてコンパクトにし、収納をしていた。このような従来技術としては、特許文献1に記載されているようなものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明では、この内部の水を抜くには、ホースの端を高く持ち上げながら進んで水を流し出すようにしていた。また、内部に空気が残っているとその都度巻いたホースを引き出して空気を押し出し、巻き直す作業が発生し、急いで撤収する際に大変な不便が生じていた。本発明は、係る問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るホース操作具は、折り曲げられた第一折曲部を有する帯状板からなる第一本体と、折り曲げられた第二折曲部を有する帯状板からなる第二本体と、前記第一本体にその一端が回転可能に軸止された第一ローラと、前記第一本体にその一端が回転可能に且つ第二本体に他端が回転可能に軸止された第二ローラとを有し、前記第一ローラと前記第二ローラとは所定の間隙をもって位置するものとし、前記第二本体の第二折曲部には、第一ローラの一端が入って軸支される切欠部が設けられる。
【0006】
前記第一折曲部と第二折曲部とは前記第二ローラを軸として回転し、前記第二折曲部は、第一本体の第一折曲部と所定の間隙を持って位置するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施の形態1に係るホース操作具を示す断面図である。
【
図5】このホース操作具の使用方法を示す説明図である。
【
図6】このホース操作具の使用方法を示す説明図である。
【
図7】このホース操作具の使用方法を示す説明図である。
【
図8】このホース操作具の使用方法を示す説明図である。
【
図10】本発明の実施の形態2に係るホース操作具を示す説明図である。
【
図11】本発明の実施の形態2に係るホース操作具を示す断面図である。
【
図14】このホース操作具の使用方法を示す説明図である。
【
図15】このホース操作具の使用方法を示す説明図である。
【
図16】このホース操作具の使用方法を示す説明図である。
【
図17】本発明の実施の形態4に係るホース操作具を示す断面図である。
【
図18】このホース操作具の使用方法を示す説明図である。
【
図19】このホース操作具の使用方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るホース操作具を示す断面図である。
図2は、
図1の右側面図、
図3は、
図1の左側面図、
図4は、
図1の上面図である。このホース操作具100は、コの字形状に折り曲げ加工された帯状板からなる第一本体1と、L字形状に折り曲げられた帯状板からなる第二本体2と、第一本体1にその一端が回転可能に軸止された第一ローラ3と、第一本体1にその一端が回転可能に且つ第二本体2に他端が回転可能に軸止された第二ローラ4と、から構成される。
【0009】
第一本体1および第二本体2は、幅が25ミリメートル以上、厚さが3ミリメートル以上の鋼板からなる。
【0010】
第一本体1は、中央部分の両側が折り曲げられ、図中左側の左折曲部1a(第一折曲部)はローラの長手方向ないし軸方向の長さと略同じ長さとなる。この左折曲部1aは、後述するように持ち手となる。第一本体1の中央部分の図中右側の右折曲部1bはローラの長手方向の長さより若干外側に飛び出る程度に長い。また、先端は第二本体2の端部と係止する第一溝5が設けられる。これは後述する、ホースの運搬の際に有効に作用する。
【0011】
第一本体1の中央部分の図中右手側には、第一ローラ3の一端が軸止されている。第一ローラ3は、中空の軸体3aと、軸体3aを挿通したローラ部3bと、ローラ部3bと軸体3aとの間に設けたベアリング3cとからなる。軸体3a端部内は雌ネジが切られており両側からボルトで固定される。第一本体1に軸止されることになる一端では、軸体3aのヘッドとベアリング3cにより第一本体1が挟持され当該ローラが回転可能に固定される。他端では、軸体3aのヘッドとベアリング3cとの間にカラー6が挟持される。カラー6の高さは第二本体2の板厚よりわずかに大きいものとする。
【0012】
第二ローラ4は、中空の軸体3aと、軸体3aを挿通したローラ部3bと、ローラ部3bと軸体3aとの間に設けたベアリング3cとからなる。軸体3a端部内は雌ネジが切られており両側からボルトで固定される。第一本体1に軸止されることになる一端では、軸体3aのヘッドとベアリング3cにより第一本体1が挟持され当該ローラが回転可能に固定される。第二本体2に軸止されることになる他端では、軸体3aのヘッドとベアリング3cにより第二本体2が挟持され当該ローラが回転可能に固定される。第二ローラ4は、第二本体2の端部で軸止される。これにより、第一本体1と第二本体2とは、第二ローラ4で連結した状態となる。また、第二本体2は、第二ローラ4を中心軸にして第一本体1に対して回転可能となる。
【0013】
第二本体2の第二折曲部2aは、長さが第二ローラ4と略同じである。この第二折曲部2aは、第一本体1の左折曲部1aとごく僅かの間隙を持って位置する。この第二折曲部2aも後述するように持ち手となる。また、第二本体2の中央部分には、円弧状の切欠部7が設けられる。切欠部7の幅は、前記カラー6の外径と略同じであり、
図4に示すように、回転させた際にカラー6が当該切欠部7に入ると共にカラー6と切欠部7とが当接して実質的に軸止される。
【0014】
また、一方向に引っ張った時にカラー6が切欠部7で支持される。切欠部7の円弧の中心は第二ローラ4の中心軸と一致する。切欠部7は、端部にカラー6が当接した状態で第二ローラ4の回転軸が第一本体1と第二本体2とで軸止されるようにする。
【0015】
第二本体2の前記第二折曲部2aと反対の端部は、前記第二ローラ4の回転軸から更に延出しており、その端部には第二溝8が設けられる。この第二溝8は、前記第一溝5と係合可能な関係となる。
【0016】
第一ローラ3と第二ローラ4との間隙(ローラ面とローラ面との間の距離)は、適用するホースの厚さにより決定するものとする。この所定の間隙は、ローラを交換により調整できるようにしてもよい(図示省略)。また、軸の間隔を調整して当該間隙を調整するようにしてもよい。軸の間隙の調整は、第一本体1と第二本体2にローラを軸支する穴を複数設けて、適宜固定位置を変えることで変更可能とすることもできる。
【0017】
図5乃至
図8は、このホース操作具の使用方法を示す説明図である。消防用のホースを使用した後は、内部に水が残っている。このホースを地面に置いてその端部をクリップ仮止めする。クリップは、穴を塞ぐことができればどのようなものでも良い。なお、クリップは挟む力が強くないと内部の水をぬいた際に空気が入ってしまうことから、手動で開閉できるが適切な挟み力を有するものとする。クリップ50は、例えば
図9に示すように、端部が回転軸で回転可能であり他端でロック部として固定する構造である。当該発明に使用するクリップはこれに限定されず、端部を封止できればどのような構造でもよい。
【0018】
クリップ50で止めたら、
図5に示すように、第二本体2を第二ローラ4を中心として回転させる。この状態で、第二ローラ4と第一ローラ3との間にホースを入れる。次に、第二本体2を回転させて前記切欠部7にカラー6が入るようにする。カラー6は切欠部7の端部で止まり、この状態で第二本体2と第一本体1とで第二ローラ4が軸止状態となると共に、ホースが第一ローラ3と第二ローラ4との間に入る。そして、第二折曲部2aと左折曲部1aとが略重なり持ち手となる。第二折曲部2aと左折曲部1aとの間隙は小さいことが望ましいが、多少の弾性変形により略一体として機能すれば良い。
【0019】
そして、
図6~
図8に示すように、ホース操作具100をそのまま引っ張りながらユーザが歩くことでホースがローラで絞られていき、水が歩く方向に押し出される。地面とローラとの距離は普通に歩けば膝の高さ位になるので内部の水を前方に押し出すにはちょうど良い高さとなる。ホースは、ローラが回転することでスムーズに進み、第一ローラ3と第二ローラ4との間隙が絞りにちょうど良い寸法にすることで過剰な抵抗が生じることなく且つ水を適切に絞ることができる。当該間隙は、ホースを潰した状態でその厚みの1.5倍から2倍が好ましい。
【0020】
ホースの最後までホース操作具100を進めたら、第二本体2を回転させて第二ローラ4と第一ローラ3との片側を開放してホースを引き抜く。そして、好ましくは、ホースの端部に更にクリップを装着して内部に空気が入らないようにする。
【0021】
このホース操作具100によればホースの内部の水を簡単に抜くことができる。水抜きと同時に空気も押し出すことができるのでホースの使用後は潰して平らな状態にできる。このため、ホースをそのまま巻いても嵩張ることなくコンパクトにできる。
【0022】
次に、ホースを巻いた状態で、第二本体2を回転させて第一本体1との係止関係を解き、第一本体1の右折曲部1bの先端をホースの上部の1~2層下をくぐらせる。この状態で第二本体2を回転させて前記第二溝8を第一本体1の第一溝5に係合させる。
【0023】
この係合により、入れた後は抜けにくい。この状態で、持ち手を持って引っ張り上げる第一本体1の端部と第二本体2の右折曲部1bとが係止しここでも荷重を受けることになり、ホース全体を簡単に持って搬送できる。このホース操作具100がないと巻いたホースを抱えて持つことになり運びにくいが、このようにすることで巻いたホースを両手で同時に持つこともできる。
【0024】
ローラが回転しながら進む構造とすれば、布製のホースのみならず、表面が樹脂でコーティングされたホースでもスムーズに操作できる。更に、ホース全体を移動させることなく地面に置いたままで作業できるので大きな力が要らない。片手で持ち上げることで操作できるので極めて簡単であり、現場の作業効率が向上する。実際、地面から手の位置までの水の重量しか必要がないため、女性隊員でも操作が楽である。
【0025】
(実施の形態2)
図10は、本発明の実施の形態2に係るホース操作具を示す説明図である。このホース操作具150は、上記実施の形態1に係るホース操作具100と同様の構成であるが、ローラの代わりに固定軸151を用いた点が異なる。固定軸151の長さは直径は実施の形態1に係るローラと同じである。
【0026】
固定軸151は、その表面がホースに対して滑りやすい加工を行う。好ましくは、サンドブラストにより表面に微細な凹凸を有するシボ加工の面を形成し、滑りやすくする。また、固定軸151の断面形状は円形に限定されず、楕円形や多角形でも良い。さらに、表面の凹凸が摩耗した場合、固定軸151を少し回転させてホースにあたる部分を変更することで滑りを復活できる。
【0027】
使用方法は実施の形態1の場合と同じである。消防用のホースは表面が織布により構成されていることが多く、この織布の表面に対してシボ加工の面が滑りが良い状態で接触し、ホース操作具150を歩きながら引っ張ると、上記の如くホース内部の水が空気とともに押し出されてホース操作具150の進行方向の後ろは平らに潰れた状態になる。ホースを巻いた状態で運ぶ際も上記同様に右折曲部1bをホースに係止して持ち上げる。
【0028】
このホース操作具150によれば、より簡単な構造でホース内の水および空気を抜くことができる。
【0029】
(実施の形態3)
図11は、本発明の実施の形態2に係るホース操作具を示す断面図である。
図12は、
図11の右側面図、
図13は、
図11の上面図である。このホース操作具200は、コの字形状に折り曲げ加工された帯状板からなる第一本体201と、L字形状に折り曲げられた帯状板からなる第二本体202と、第一本体201にその一端が回転可能に軸止された第一ローラ3と、第一本体201にその一端が回転可能に且つ第二本体202に他端が回転可能に軸止された第二ローラ4とから構成される。
【0030】
第一本体201および第二本体202は、幅が25ミリメートル以上、厚さが3ミリメートル以上の鋼板からなる。
【0031】
第一本体201は、中央部分の両側が折り曲げられ、図中左側の左折曲部201aはローラの長手方向ないし軸方向の長さと略同じ長さとなる。この左折曲部201aは、後述するように持ち手となる。第一本体201の中央部分の図中右側の右折曲部201bはローラの長手方向の長さより若干外側に飛び出る程度に長い。また、先端は20度ほどの曲げ部201cが形成される。さらに当該先端は、山状になっており厚さ方向でも先細りとなる。これは後述する、ホースの運搬の際に有効に作用する。
【0032】
第一本体201の中央部分の図中右手側には、第一ローラ3の一端が軸止されている。第一ローラ3は、中空の軸体3aと、軸体3aを挿通したローラ部3bと、ローラ部3bと軸体3aとの間に設けたベアリング3cとからなる。軸体3a端部内は雌ネジが切られており両側から軸体3aで固定される。第一本体201に軸止されることになる一端では、軸体3aのヘッドとベアリング3cにより第一本体201が挟持され当該ローラが回転可能に固定される。他端では、軸体3aのヘッドとベアリング3cとの間にカラー6が挟持される。カラー6の高さは第二本体202の板厚よりわずかに大きいものとする。
【0033】
第二ローラ4は、中空の軸体3aと、軸体3aを挿通したローラ部3bと、ローラ部3bと軸体3aとの間に設けたベアリング3cとからなる。軸体3a端部内は雌ネジが切られており両側から軸体3aで固定される。第一本体201に軸止されることになる一端では、軸体3aのヘッドとベアリング3cにより第一本体201が挟持され当該ローラが回転可能に固定される。第二本体202に軸止されることになる他端では、軸体3aのヘッドとベアリング3cにより第二本体202が挟持され当該ローラが回転可能に固定される。第二ローラ4は、第二本体202の端部で軸止される。これにより、第一本体201と第二本体202とは、第二ローラ4で連結した状態となる。また、第二本体202は、第二ローラ4を中心軸にして第一本体201に対して回転可能となる。
【0034】
第二本体202の第二折曲部2aは、長さが第二ローラ4と略同じである。この第二折曲部202aは、第一本体201の左折曲部201aとごく僅かの間隙を持って位置する。この第二折曲部202aも後述するように持ち手となる。また、第二本体202の中央部分には、円弧状の切欠部7が設けられる。切欠部7の幅は、前記カラー6の外径と略同じであり、
図12に示すように、回転させた際にカラー6が当該切欠部7に入ると共にカラー6と切欠部7とが当接して実質的に軸止される。
【0035】
また、一方向に引っ張った時にカラー6が切欠部7で支持される。切欠部7の円弧の中心は第二ローラ4の中心軸と一致する。切欠部7は、端部にカラー6が当接した状態で第二ローラ4の回転軸が第一本体201と第二本体202とで軸止されるようにする。
【0036】
第一ローラ3と第二ローラ4との間隙(ローラ面とローラ面との間の距離)は、適用するホースの厚さにより決定するものとする。
【0037】
図14乃至
図16は、このホース操作具の使用方法を示す説明図である。消防用のホースを使用した後は、内部に水が残っている。このホースを地面に置いてその端部をクリップ50で仮止めする。クリップ50は実施の形態1に示すような構造であるが、穴を塞ぐことができればどのようなものでも良い。なお、クリップ50は挟む力が強くないと内部の水をぬいた際に空気が入ってしまうことから、手動で開閉できるが適切な挟み力を有するものとする。
【0038】
クリップ50で止めたら、第二本体202を第二ローラ4を中心として回転させる。この状態で、第二ローラ4と第一ローラ3との間にホースを入れる。次に、第二本体202を回転させて前記切欠部7にカラー6が入るようにする。カラー6は切欠部7の端部で止まり、この状態で第二本体202と第一本体201とで第二ローラ4が軸止状態となると共に、ホースが第一ローラ3と第二ローラ4との間に入る。そして、第二折曲部202aと左折曲部201aとが略重なり持ち手となる。第二折曲部202aと左折曲部201aとの間隙は小さいことが望ましいが、多少の弾性変形により略一体として機能すれば良い。
【0039】
そして、ホース操作具200をそのまま引っ張りながらユーザが歩くことでホースがローラで絞られていき、水が歩く方向に押し出される。地面とローラとの距離は普通に歩けば膝の高さ位になるので内部の水を前方に押し出すにはちょうど良い高さとなる。ホースは、ローラが回転することでスムーズに進み、第一ローラ3と第二ローラ4との間隙が絞りにちょうど良い寸法にすることで過剰な抵抗が生じることなく且つ水を適切に絞ることができる。当該間隙は、ホースを潰した状態でその厚みの1.5倍から2倍が好ましい。
【0040】
ホースの最後までホース操作具200を進めたら、第二本体202を回転させて第二ローラ4と第一ローラ3との片側を開放してホースを引き抜く。そして、好ましくは、ホースの端部にクリップを装着して内部に空気が入らないようにする。
【0041】
このホース操作具200によればホースの内部の水を簡単に抜くことができる。水抜きと同時に空気も押し出すことができるのでホースの使用後は潰して平らな状態にできる。このため、ホースをそのまま巻いても嵩張ることなくコンパクトにできる。
【0042】
次に、ホースを巻いた状態で、第一本体201の右折曲部201bの先端をホースの上部の1~2層下をくぐらせる。右折曲部201bの先端は傾斜すると共に先細りになっているので巻いたホースの間に入れやすく、入れた後は抜けにくい。この状態で、持ち手を持って引っ張り上げるとホース全体を簡単に持って搬送できる。このホース操作具200がないと巻いたホースを抱えて持つことになり運びにくいが、このようにすることで巻いたホースを両手で同時に持つこともできる。
【0043】
このホース操作具200では、ローラが回転しながら進む構造のため、布製のホースのみならず、表面が樹脂でコーティングされたホースでもスムーズに操作できる。更に、ホース全体を移動させることなく地面に置いたままで作業できるので大きな力が要らない。片手で持ち上げることで操作できるので極めて簡単であり、現場の作業効率が向上する。実際、地面から手の位置までの水の重量しか必要がないため、女性隊員でも操作が楽である。
【0044】
(実施の形態4)
図17は、本発明の実施の形態4に係るホース操作具を示す断面図である。
図18及び
図19は、このホース操作具の使用方法を示す説明図である。このホース操作具300は、上記実施の形態1に係るホース操作具100と同様の構成であるが、左折曲部1aの端部が折れ曲げられて折曲部1dを形成し、第二折曲部2aの端部が折れ曲げられて折曲部2dを形成すると共に、右折曲部1bは省略され且つ第一本体1及び第二本体2の図中右側は第一ローラ3を軸支するのに必要十分な長さとなっている点が異なる。
【0045】
また、左折曲部1aの表面および第二折曲部2aの表面は、異なる色のラバーで被覆されている。換言すれば、左折曲部1aの表面および第二折曲部2aの表面は、
図18に示すように、異なる色を設けて識別しやすくする。そのほかの構成は、実施の形態1と同様であるためその説明を省略する。
【0046】
次に、このホース操作具300についての使用方法を説明する。基本的な使用方法は、実施の形態1のホース操作具100と同じであるが、このホース操作具300の使用において特徴的なのは、左折曲部1aの表面および第二折曲部2aの表面に異なる色で着色したことで、例えば左折曲部1aの表面に赤色のラバーを設け、第二折曲部2aの表面に黒色のラバーを設けることで、まず赤色の部分(左折曲部1a)を把持して黒色(第二折曲部2a)のほうを開き、ホースを第一ローラ3と第二ローラ4との間に通し、その後、黒色のほう(第二折曲部2a)を閉じて黒色(第二折曲部2a)と赤色(左折曲部1a)とを一緒に把持する、という説明が簡単に可能になる。
【0047】
これにより、ユーザの使い勝手が大変よくなる。なお、色は赤と黒とに限定されず任意である。また、折曲部1d,2dを設けていることで、ユーザが左折曲部1aおよび第二折曲部2aを持ったときに滑って手から外れることを防止できる。ホース操作具300は、水を扱うシーンで使用されることが想定されるため、折曲部1d,2dにより手が濡れていても左折曲部1aおよび第二折曲部2aの保持を継続できることから大変有用である。更に、前記着色をラバーのコーティングにより行うことでより滑り防止の作用効果が得られる。
【0048】
なお、
図20に示すように、折曲部1d,2dを省略した構造を採用することもできる。この場合の折曲部1d,2d以外の有する作用効果については上記の通りである。
【0049】
(他の実施の形態)
上記実施の形態では消防用のホースを対象として説明したが、これに限定されない。水の搬送を大量に行うホースであれば適用できる。例えば、灌漑用に用いる薄手のPVCのホースにも適用できる。
【符号の説明】
【0050】
100 ホース操作具
1 第一本体
2 第二本体
3 第一ローラ
4 第二ローラ
5 第一溝
6 カラー
7 切欠部
8 第二溝