(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169183
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】映像処理装置及びその制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 5/91 20060101AFI20241128BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20241128BHJP
H04N 21/845 20110101ALI20241128BHJP
H04N 21/231 20110101ALI20241128BHJP
【FI】
H04N5/91
H04N23/60 500
H04N23/60 300
H04N21/845
H04N21/231
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086433
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 毅
(72)【発明者】
【氏名】水谷 仁
【テーマコード(参考)】
5C122
5C164
【Fターム(参考)】
5C122EA42
5C122HA01
5C122HA13
5C122HA35
5C122HB01
5C164MB44P
5C164SA21S
5C164SA25S
5C164SB36P
(57)【要約】
【課題】 記録開始から記録停止まで分割しながら記録した映像ファイルの中から、記録停止時の終端ファイルを容易に特定することを可能にする。
【解決手段】 撮像部で得た映像から映像ファイルを生成する映像処理装置は、記録の開始、停止を指示する操作部と、操作部による記録の開始の指示を受けてから記録の停止の指示を受けるまでの期間で撮像部で撮像された映像を、設定された分割条件に従って時系列の複数の部分映像に分割し、各部分映像のファイルを生成するファイル生成部とを有する。ここで、ファイル生成部は、各部分映像のファイルを生成する際に、時系列順序を示す情報を含むファイル名を持つ部分映像のファイルを生成し、複数の部分映像のうち、時系列の終端となる終端部分映像については、時系列順序を示す情報と終端を示す文字列とを含むファイル名を持つ部分映像のファイルを生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段で得た映像から映像ファイルを生成する映像処理装置であって、
記録の開始、停止を指示する操作手段と、
前記操作手段による記録の開始の指示を受けてから前記記録の停止の指示を受けるまでの期間で前記撮像手段で撮像された映像を、設定された分割条件に従って時系列の複数の部分映像に分割し、各部分映像のファイルを生成するファイル生成手段とを有し、
前記ファイル生成手段は、
各部分映像のファイルを生成する際に、時系列順序を示す情報を含むファイル名を持つ部分映像のファイルを生成し、
前記複数の部分映像のうち、時系列の終端となる終端部分映像については、時系列順序を示す情報と終端を示す文字列とを含むファイル名を持つ部分映像のファイルを生成する
ことを特徴とする映像処理装置。
【請求項2】
前記ファイル生成手段は、予め決められた文字列と前記時系列順序を示す番号を結合した文字列を含むファイル名を、各部分映像ファイルのファイル名として決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像処理装置。
【請求項3】
前記ファイル生成手段は、
前記複数の部分映像のうち、時系列の先頭となる先頭部分映像のファイル名には、前記予め決められた文字列として、先頭であることを示す文字を含む文字列を使用し、
前記複数の部分映像のうち、前記終端部分映像のファイル名には、前記予め決められた文字列として、終端であることを示す文字を含む文字列を使用する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像処理装置。
【請求項4】
前記ファイル生成手段は、
前記複数の部分映像のうち、前記先頭部分映像でも前記終端部分映像でもない部分映像のファイル名には、前記予め決められた文字列として、途中の部分映像であることを示す文字を含む文字列を使用する、
ことを特徴とする請求項3に記載の映像処理装置。
【請求項5】
前記ファイル生成手段は、
前記先頭部分映像のファイル名には、映像ファイルであることを示す第1の文字列に先頭であることを示す文字を追加した文字列を前記予め決められた文字列として使用し、
前記終端部分映像のファイル名には、前記第1の文字列に、終端であることを示す文字を追加した文字列を前記予め決められた文字列として使用する、
ことを特徴とする請求項3に記載の映像処理装置。
【請求項6】
前記分割条件を設定する設定手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の映像処理装置。
【請求項7】
前記分割条件は、部分映像のファイルサイズ、或いは、部分映像の時間長が含まれることを特徴とする請求項1に記載の映像処理装置。
【請求項8】
前記ファイル生成手段が前記部分映像ファイルを生成する度に、当該部分映像ファイルを予め設定された外部装置に転送する転送手段を更に有する
ことを特徴とする請求項1に記載の映像処理装置。
【請求項9】
前記転送手段により前記外部装置に映像ファイルを転送する場合は、前記ファイル生成手段は、前記操作手段による記録の開始の指示を受けてから前記記録の停止の指示を受けるまでの期間に前記撮像手段により撮像された映像を、第1の分割条件に従って複数の部分映像に分割して、各部分映像のファイルを生成し、
前記転送手段により前記外部装置に映像ファイルを転送しない場合は、前記ファイル生成手段は、前記操作手段による記録の開始の指示を受けてから前記記録の停止の指示を受けるまでの期間に前記撮像手段により撮像された映像を、前記第1の分割条件に従って分割せずに、映像のファイルを生成する、
ことを特徴とする請求項8に記載の映像処理装置。
【請求項10】
前記転送手段により外部装置に映像を転送するか否か、及び、転送する部分映像の時間を、ユーザ操作に応じて設定する設定手段を有し、
前記ファイル生成手段は、前記設定手段により設定された部分映像の時間に基づいて、前記第1の分割条件を決定する、
ことを特徴とする請求項9に記載の映像処理装置。
【請求項11】
前記転送手段により前記外部装置に映像ファイルを転送しない場合は、前記ファイル生成手段は、前記操作手段による記録の開始の指示を受けてから前記記録の停止の指示を受けるまでの期間に前記撮像手段により撮像された映像を、前記第1の分割条件とは異なる第2の分割条件に従って複数の部分映像に分割して、各部分映像のファイルを生成する、
ことを特徴とする請求項9に記載の映像処理装置。
【請求項12】
前記第1の分割条件は、部分映像の時間に関する条件であり、前記第2の分割条件は、部分映像のファイルのファイルサイズに関する条件である、
ことを特徴とする請求項11に記載の映像処理装置。
【請求項13】
撮像手段及び操作手段を有し、前記操作手段の操作に応じて、前記撮像手段で得た映像から映像ファイルを生成する映像処理装置の制御方法であって、
前記操作手段による記録の開始の指示を受けてから前記記録の停止の指示を受けるまでの期間で前記撮像手段で撮像された映像を、設定された分割条件に従って時系列の複数の部分映像に分割し、各部分映像のファイルを生成するファイル生成工程を有し、
前記ファイル生成工程は、
各部分映像のファイルを生成する際に、時系列順序を示す情報を含むファイル名を持つ部分映像のファイルを生成し、
前記複数の部分映像のうち、時系列の終端となる終端部分映像については、時系列順序を示す情報と終端を示す文字列とを含むファイル名を持つ部分映像のファイルを生成する
ことを特徴とする映像処理装置の制御方法。
【請求項14】
コンピュータが読み込み実行することで、前記コンピュータに、請求項13に記載の方法が有する工程を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は映像処理装置及びその制御方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、放送局や通信社などの報道現場では、SNS(Social Networking Service)より迅速に正確な情報を伝えるため、制作ワークフローの効率化が求められている。そのため、カメラから放送局のファイルサーバに自動で映像ファイルをアップロードするネットワーク転送の重要性が高まっている。ネットワーク転送を実現する手法として、カメラに装着された記録媒体に対して、定期的に分割した映像ファイルを記録し、完成した映像ファイルを放送局のファイルサーバに順次転送する手法が挙げられる。ファイルサーバに大量に蓄積された映像ファイルの中から、所望の映像ファイルを検索し、抽出した映像ファイルをNLE(Non Linear Editing)ソフトウェアを用いて映像編集が行われる。必要に応じて、細切れにネットワーク転送された映像ファイルは、編集時に扱いやすいように結合されることもある。
【0003】
しかし、この手法では、映像ファイルを定期的に分割するため、分割単位が小さく、長時間記録を行う場合に、ファイル数が膨大となることがある。この結果、所望の映像ファイルの短時間では検索できないという問題が起こる。また編集時に扱いやすいように映像ファイルを結合する際に、結合対象の範囲を指定する必要があるが、ネットワーク転送の先頭ファイルと終端ファイルをファイル名から特定できない場合もある。
【0004】
これらの課題を解決するため、ファイル命名規則を工夫することでファイル検索を効率化し、膨大なファイル数の中から所望の映像ファイルを短時間で抽出することが考えられる。
【0005】
特許文献1は、映像ファイルを分割する際に、分割前のファイル名と通し番号を組み合わせたファイル名を付与する手法を開示している。特許文献2は、映像ファイルに撮影年月日とファイル番号を組み合わせたファイル名を付与する手法を開示している。特許文献3は、ファイル生成順序が分かる番号を付与したファイル名から、映像ファイルを分割した際の再生順序を決定する手法を開示している。そして、特許文献4は、映像を空間及び時間で分割し、その分割情報(撮影年月日等)のメタデータをもとに映像ファイル名を変更する手法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-344914号公報
【特許文献2】特開2005-275978号公報
【特許文献3】特開2011-160234号公報
【特許文献4】特許第6548500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1乃至3はいずれも、ファイル名にファイル生成順序が分かる番号を付与しているため、記録開始時の先頭ファイルを特定することが可能である。しかし、記録を繰り返し行う場合、記録停止時の終端ファイルを特定することはできない。
【0008】
また、特許文献4も、ファイル名から記録停止時の終端ファイルを特定する手法については言及していない。また映像ファイルに保持しているメタデータから終端ファイルを特定することも可能であるが、ファイル数が膨大である場合にファイルオープンやメタデータの解析に多くの時間を要するという問題もある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、記録開始から記録停止まで分割しながら記録した映像ファイルの中から、ファイル名を用いて記録停止時の終端ファイルを容易に特定する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題を解決するため、例えば本発明の映像処理装置は以下の構成を備える。すなわち、
撮像手段で得た映像から映像ファイルを生成する映像処理装置であって、
記録の開始、停止を指示する操作手段と、
前記操作手段による記録の開始の指示を受けてから前記記録の停止の指示を受けるまでの期間で前記撮像手段で撮像された映像を、設定された分割条件に従って時系列の複数の部分映像に分割し、各部分映像のファイルを生成するファイル生成手段とを有し、
前記ファイル生成手段は、
各部分映像のファイルを生成する際に、時系列順序を示す情報を含むファイル名を持つ部分映像のファイルを生成し、
前記複数の部分映像のうち、時系列の終端となる終端部分映像については、時系列順序を示す情報と終端を示す文字列とを含むファイル名を持つ部分映像のファイルを生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、記録開始から記録停止まで分割しながら記録した映像ファイルの中から、記録停止時の終端ファイルを容易に特定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】第1の実施形態の映像記録処理を表すフローチャート。
【
図3】第1の実施形態の映像記録処理を表すフローチャート。
【
図4】第2の実施形態の映像記録処理を表すフローチャート。
【
図5】第2の実施形態の映像記録処理を表すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0014】
最初に、本実施形態の概要を説明する。報道現場等の制作ワークフローを効率化することが望まれる。本実施形態では、理解を容易にするため、カメラマンが撮影現場でカメラで撮影した画像を、放送局のファイルサーバに自動で映像ファイルとしてアップロードするネットワーク転送を取り上げる。ネットワーク転送ではプロキシ編集用途の低ビットレートの映像ファイルを対象としているが、ネットワーク転送とは別にアーカイブ用途の高ビットレートの映像ファイルを同時に記録することも可能である。ネットワーク転送を実現する手法として、カメラに装着された記録媒体に対して、定期的に分割した映像ファイルを記録し、完成した映像ファイルを放送局のファイルサーバに順次転送する手法を説明する。
【0015】
<映像処理装置の構成>
図1は、本実施形態に係る映像処理装置100の内部構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、映像処理装置100は、バス101、CPU102、ROM103、RAM104、操作部105、映像記録部106、第1の記録媒体107、第2の記録媒体108、記録媒体制御部109、ファイル名生成部110、管理情報登録部111、ネットワーク転送部112で構成される。
【0016】
バス101は、アドレスバス、データバス、制御バスで構成される。バス101は、映像処理装置100の各構成部の間で命令やデータを通信する際に用いられる。
【0017】
CPU102は、ROM103に格納されたプログラムを読み出してプログラムを実行し、映像処理装置100の各構成部を制御するためのプロセッサである。
【0018】
ROM103は、プログラムや各種設定情報等が格納されている不揮発性のメモリである。なお、プログラムの更新等に対処するため、ROM103は、書き込み可能な不揮発性メモリ(EEPROM等)で構成される。
【0019】
RAM104は、ワークメモリとして使用される揮発性のメモリである。
【0020】
操作部105は、レリーズボタン、TFT液晶などに表示したUI画面上でメニュー設定といった選択操作をするための十字キーなどで構成される。物理ボタンではなく、タッチパネルにより操作部105を実現してもよい。ユーザがレリーズボタンを押下する度に、操作部105は、映像データの記録開始要求、記録停止要求のいずれかをCPU102を介して映像記録部106 へ通知する。この通知とともに、操作部105は、記録設定パラメータとしてユーザが選択したメニュー設定値を取得し、映像記録部106に通知する。ここで記録設定パラメータは、通常記録やネットワーク転送といった記録モードやネットワーク転送間隔(時間)などのメニュー設定値で構成される。ネットワーク転送がメニューで設定された場合、ネットワーク転送間隔として設定された時間で映像を分割し、分割した部分映像からそれぞれ部分映像ファイルを生成し、部分映像ファイルを転送する。
【0021】
映像記録部106は、光学レンズや撮像素子で構成される撮像部、この撮像部を制御する制御部、撮像して得た映像(画像データ)を、記録媒体(後述する第1、第2の記録媒体)に記録すためのデータに変換(符号化)する処理部を有する。そして、映像記録部106は、操作部105からCPU102を介して記録開始要求が通知されると、撮像による映像データの記録を開始する。まず映像記録部106は、レンズを介して入射する被写体像を撮像素子上に結像して光電変換することで撮像データを生成する。続いて、映像記録部106は、撮像データをH.264/MPEG4 AVCなどの映像圧縮規格に基づき符号化し、生成した映像データをRAM104にバッファリングする。続いて、映像記録部106は、映像データを音声データも含め多重化し、映像ファイルとして第1の記録媒体107や第2の記録媒体108に、記録媒体制御部109を介して、順次書き込む。また記録開始から記録停止まで予め設定した分割条件に従ってファイルを分割し記録してもよい。分割条件としては、記録時間やファイルサイズであり、ユーザが自由に設定できるものとする。例えば、例えば分割単位を記録時間が選択され、記録時間として30秒単位が設定された場合、映像記録部106は、動画撮影の期間が設定した時間に合致した場合は、その3秒間の映像データのフレーム番号とデータサイズを管理する管理テーブルを参照し、ファイル分割位置を算出する。ファイル分割位置に到達すると、映像記録部106は、現在の映像ファイルをファイルクローズした後、新規の映像ファイルを作成し映像データの書き込みを継続する。続いて、映像記録部106は、操作部105からCPU102を介して記録停止要求が通知されると、最終データの書き込み完了後に、映像データの記録を停止する。
【0022】
第1の記録媒体107、第2の記録媒体108は、SDカードなどの着脱可能な記録媒体であり、映像ファイルを記録するために、映像処理装置100に装着される。
【0023】
記録媒体制御部109は、第1の記録媒体107、第2の記録媒体108に対して、データの書き込み、読み込みを行うための制御部である。記録媒体制御部109は、CPU102から通知された読み込み命令を受け、第1の記録媒体107、第2の記録媒体108の指定領域を一定サイズごとに順次読み込み、RAM104に展開しバッファリングする。記録媒体制御部109は、CPU102から通知された書き込み命令を受け、RAM104に展開された書き込み対象データを受信し、第1の記録媒体107、第2の記録媒体108に受信データを一定サイズごとに順次書き込む。記録媒体制御部109は、読み込みもしくは書き込みが完了すると、要求された処理完了をCPU102に通知する。また記録媒体制御部109は、記録設定パラメータとして第1の記録媒体107、第2の記録媒体108からファイルシステム情報を取得し、映像記録部106に通知する。
【0024】
ファイル名生成部110は、映像記録部106からファイル名生成要求が通知されると、映像ファイルに付与するファイル名を決定し、生成する。例えば、DCF規格に準拠した“MVI_0001.MP4”といったファイル名を生成する。ここで、“MVI_”はユーザ指定文字列を含むプリフィックスを表す文字、“0001”はファイル番号で時系列順序を表す文字である。予め設定された分割条件に従って、記録開始から記録停止までファイル分割する場合は、ファイル分割毎にファイル番号を1ずつ増やす。基本的には記録開始時にファイル名を生成するが、記録停止時にファイル名を変更する場合に、ファイル名生成要求が通知される場合もある。
【0025】
管理情報登録部111は、ファイル名生成部110からファイル名生成完了を通知されると、RAM104に保持されたファイル名を管理する管理情報にファイル名を登録する。また、管理情報登録部111は、記録停止時にファイル名を変更する場合は、管理情報から旧ファイル名を削除し、新ファイル名を再登録する。管理情報は、RAM104に保持しつつ、第1の記録媒体107、第2の記録媒体108に管理ファイルとして書き込まれてもよい。
【0026】
ネットワーク転送部112はネットワークインタフェースを具備し、映像記録部106からファイルクローズ完了を通知されると、第2の記録媒体108に記録された映像ファイルをインターネットを介し、FTP(File Transfer Protocol)を用いて外部の、予め設定されたファイルサーバ等の外部装置に転送する。なお、ネットワーク転送部112のネットワークインタフェースは、有線、無線を問わない。
【0027】
[第1の実施形態]
以下、
図2、
図3を参照して、第1の実施形態における映像記録部106の記録、転送処理を説明する。
図2は、記録開始時の処理フローである。なお、映像記録部106は、撮像部で得た映像をRAM104に一時的にバッファリングし、後述する分割条件を満たす場合にバッファリングした映像データ(及び音声データ)の部分映像ファイルのファイル名の決定処理にある。それ故、かかる点に注視して説明することとし、撮像処理、蓄積処理に係る処理については特に説明しない。
【0028】
S200にて、映像記録部106は、CPU102からの信号に基づき、ユーザから映像の記録開始の操作があったか否かを判定する。CPU102は、ユーザによる操作部105への操作を監視し、ユーザによるレリーズボタンの押下を検出すると、記録開始があったことを、映像記録部106に通知する。映像記録部106は、この通知を受信したか否かに従って、映像の記録開始があったか否かを判定することになる。映像記録部106は、映像の記録開始の操作があったと判定した場合、ファイル名生成部110に対し記録開始要求を通知し、S201に遷移する。一方、映像記録部106は、記録開始の操作が無かったと判定した場合には、処理をS200に戻し、記録開始要求の受信を待つ。
【0029】
S201にて、映像記録部106は、操作部105や記録媒体制御部109から取得した記録設定パラメータをもとに予め設定された分割条件に従って、記録開始から記録停止まで映像ファイルを分割するか否かを判定する。具体的には、映像記録部106は、記録設定パラメータをもとに、記録モードがネットワーク転送である、またはファイルシステム情報がFAT32である場合に、ファイル分割ありと判定する。一方で、映像記録部106は、前記条件に該当しない場合は、ファイル分割なしと判定する。なお、ネットワーク転送を行うか否かは、ユーザが予め設定するものである。そして、映像記録部106は、ファイル分割ありの場合は、 ファイル名生成部110にその旨を通知し、S202に遷移する。一方で、ファイル分割なしの場合は、映像記録部106は、ファイル名生成部110にその旨を通知し、S206に遷移する。
【0030】
S202にて、映像記録部106は、操作部105から通知される記録設定パラメータをもとに、映像ファイルをネットワーク転送するかどうかを判定する。映像記録部106は、ネットワーク転送すると判定した場合、ファイル名生成部110にその旨を通知し、S203に遷移する。一方で、映像記録部106は、ネットワーク転送なしと判定した場合、ファイル名生成部110にその旨を通知し、S204に遷移する。
【0031】
S203にて、映像記録部106は、操作部105から通知される記録設定パラメータをもとに、ネットワーク転送に適した映像ファイルの分割単位を時間長で設定する。例えば、ユーザは、操作部105でネットワーク転送間隔(時間)に関するメニュー設定を変更することで、分割単位を30秒、1分、2分などの選択肢の中から選択することができる。映像記録部106は、メニュー設定をもとに分割単位の設定が完了したら、S205に遷移する。
【0032】
S204にて、映像記録部106は、記録媒体制御部109から通知される記録設定パラメータをもとに、記録媒体に適した映像ファイルの分割単位をファイルサイズで設定する。具体的には、記録媒体のファイルシステムがFAT32であれば分割単位を4GB(FAT32で管理できる最大サイズ)に設定し、ファイルシステムがexFATであれば、実質的にファイルサイズに制限は無くなる(正確には最大ファイルサイズは256TB)ので、分割単位を設定しない。続いて、映像記録部106は、分割単位の設定が完了したら、S206に遷移する。
【0033】
S205にて、映像記録部106は、記録開始時の先頭ファイルか否かを判断する。具体的には、操作部105から通知される記録開始要求を受けて、映像ファイルに対する初回のファイル名生成か否かをもとに判定する。先頭ファイルであれば、S207に遷移する。一方で、先頭ファイルでない場合は、S208に遷移する。
【0034】
S206にて、ファイル名生成部110は、プリフィックスとして“MVI_”を設定する。“MVI”は、映像ファイルのファイル名に使用される文字列であり、記録形式(MP4、MXF)などの記録モードに応じて決定するようにしてもよい。分割しない映像ファイル、ファイルサイズで分割する映像ファイルには、この文字列に“_”を追加した文字列がプリフィックスとして用いられる。ファイル名生成部110は、ファイル番号の文字を、前回の記録したファイルに付けたファイル番号に1増やした値を設定する。続いて、ファイル名生成部110は、“[プリフィックス][ファイル番号]”を拡張子を除くファイル名として、映像記録部106、管理情報登録部111に通知し、S209に遷移する。
【0035】
S207にて、ファイル名生成部110は、映像ファイルであることを示す“MVI”に記録開始を表す“Begin”の頭文字を追加した“MVIB”をプリフィックスとして設定する。またファイル名生成部110は、ファイル番号を、前回の記録したファイルに付けたファイル番号に1増やした値を設定する。続いて、ファイル名生成部110は、“[プリフィックス][ファイル番号]”を拡張子を除くファイル名として、映像記録部106、管理情報登録部111にファイル名生成完了を通知し、S209に遷移する。
【0036】
なお、本装置が、一日のうちで最初に映像を記録する場合の記録開始時のファイル番号を“1”に設定するものとする。
【0037】
S208にて、ファイル名生成部110は、映像ファイルであることを示す“MVI”に、記録中(記録途中)を表す“Duration”の頭文字を取った“MVID”をプリフィックスとして設定する。またファイル番号は、1増やした値を設定する。続いて、ファイル名生成部110は、“[プリフィックス][ファイル番号]”を、拡張子を除くファイル名として、映像記録部106、管理情報登録部111に通知し、S209に遷移する。
【0038】
S209にて、管理情報登録部111は、ファイル名生成部110からファイル名生成完了を通知されると、ファイル名を管理情報に登録して、S210に遷移する。
【0039】
S210にて、映像記録部106は、電源瞬断などにより破損した映像ファイルを修復するためのヘッダ情報が格納されたダミーヘッダを生成し、第1の記録媒体107、第2の記録媒体108に書き込む。このとき、ダミーヘッダのファイル名は、“[プリフィックス][ファイル番号].DMV”とする。ここで、プリフィックス、ファイル番号は、ファイル名生成部110から通知されたプリフィックスを使用する。続いて、映像記録部106はS211に遷移する。
【0040】
S211にて、映像記録部106は、記録開始時の先頭ファイルか否かを判定する。映像記録部106は、先頭ファイルであると判定した場合、S212に遷移する。このS212にて、映像記録部106は、該当するファイルが記録開始の先頭ファイルであるので、XML(eXtensible Markup Language)形式で取材タイトルなどを含む付加情報ファイルを記録し、S213に遷移する。このとき、メタデータ情報のファイル名は、“[プリフィックス][ファイル番号].XML”とする。ここで、プリフィックス、ファイル番号は、ファイル名生成部110から通知されたプリフィックスを使用する。
【0041】
一方、S211にて、映像記録部196は、該当するファイルが先頭ファイルでないと判定した場合は、S213に遷移する。
【0042】
S213において、映像記録部106は、映像データや音声データが多重化されたデータファイルを記録する。このとき、ファイル名は “[プリフィックス][ファイル番号].DAT”とする。ここで、プリフィックス、ファイル番号は、ファイル名生成部110から通知されたプリフィックスを使用する。
【0043】
続いて、
図3のフローチャートを参照し、記録開始後の処理フローを説明する。同図は、
図2のフローチャートに続く処理を示していると理解されたい。
【0044】
S300にて、映像記録部106は、ユーザからの記録停止があったか否かを判定する。CPU102は、ユーザによる操作部105への操作を監視し、ユーザによるボタンレリーズボタンの再押下を検出すると、記録停止があったことを、映像記録部106に通知する。映像記録部106は、この通知を受信したか否かに従って、映像の記録停止があったか否かを判定することになる。映像記録部106は、記録を停止すると判定した場合は、ファイル名生成部110に対し記録停止要求を通知し、S302に遷移する。一方で、映像記録部106は、記録停止が無い(記録継続)と判定した場合、S301に遷移する。
【0045】
S301にて、映像記録部106は、記録中の映像データが分割条件(記録中のファイルが設定されたサイズになるか否か、もしくは、設定した時間長を映像データを有する)か否かを判定する。映像記録部1906は、係る分割条件に合致すると判定した場合は、記録中の映像ファイルをファイルクローズし、新規の映像ファイルを作成するため、S310に遷移する。また、映像記録部106は、分割条件に合致しないと判定した場合は、記録を継続するため、S300に遷移する。
【0046】
S302にて、映像記録部106は、映像データに関する各種情報(解像度やフレームレートなど)を格納したヘッダファイルを作成し、S303に遷移する。
【0047】
S303にて、映像記録部106は、記録媒体内のヘッダファイルとデータファイルを結合する。作成した映像ファイル名は、“[プリフィックス][ファイル番号].MP4”とする。ここで、プリフィックス、ファイル番号は、ファイル名生成部110から通知されたプリフィックスが使用される。映像記録部106は、結合処理を完了すると、S304に遷移する。
【0048】
S304にて、映像記録部106は、記録媒体からダミーヘッダファイルを削除する。そして、映像記録部106は、その削除が完了後に、ネットワーク転送部112にファイルクローズ完了を通知し、S305に遷移する。
【0049】
S305において、映像記録部106は、操作部105や記録媒体制御部109から通知された記録設定パラメータをもとに予め設定された分割条件に従って、記録開始から記録停止まで映像ファイルを分割したか否かを判定する。具体的には、映像記録部106は、記録設定パラメータをもとに、記録モードがネットワーク転送である、またはファイルシステム情報がFAT32である場合に、ファイル分割ありと判定する。一方で、映像記録部106は、前記条件に該当しないと判定した場合は、ファイル分割なしと判定する。続いて、映像記録部106は、ファイル分割ありと判定した場合は、ファイル名生成部110にその旨を通知し、S306に遷移する。一方で、映像記録部106は、ファイル分割なしと判定した場合は現在のフローを終了する。
【0050】
S306にて、映像記録部106は、操作部105から通知された記録設定パラメータをもとに、ネットワーク転送ありか否かを判定する。ネットワーク転送ありの場合は、ファイル名生成部110にその旨を通知し、S307に遷移する。一方で、映像記録部106は、ネットワーク転送なしと判定した場合は現在のフローを終了する。
【0051】
S307にて、ファイル名生成部110は、記録停止時の終端ファイルのプリフィックスを“MVID”から、映像ファイルであることを示す“MVI”に終端を表す“End”を追加した“MVIE”に変更する。続いて、ファイル名生成部110は、管理情報登録部111にファイル名生成完了を通知し、S308に遷移する。
【0052】
S308にて、管理情報登録部111は、ファイル名生成部110からファイル名生成完了を通知されると、管理情報から変更前の映像ファイル名を登録解除した後、変更後の映像ファイル名を登録し、S309に遷移する。
【0053】
S309にて、ネットワーク転送部112は、映像記録部106からファイルクローズ完了通知を受けると、完成した映像ファイルを外部の予め設定されたファイルサーバへ転送する。S309をもって、現在のフローを終了する。
【0054】
S310乃至S312は、前述したS302乃至S304と同等の処理フローとなる。
【0055】
S313にて、映像記録部106は、操作部105、記録媒体制御部109から通知された記録設定パラメータをもとに予め設定された分割条件に従って、S305と同様に、記録開始から記録停止まで映像ファイルを分割したか否かを判定する。映像記録部106は、ファイル分割ありと判定した場合はS314に遷移し、ファイル分割なしと判定した場合はS201に遷移する。
【0056】
S314にて、映像記録部106は、操作部105から通知された記録設定パラメータをもとに、ネットワーク転送ありか否かを判定する。ネットワーク転送ありの場合は、S315に遷移する。一方で、映像記録部106は、ネットワーク転送なしと判定した場合は
図2のS201に遷移する。
【0057】
S315にて、ネットワーク転送部112は、映像処理部からファイルクローズ完了通知を受けると、完成した映像ファイルを、予め設定された外部のファイルサーバへ転送する。続いて、映像記録部106は、
図2のS201に遷移する。
【0058】
第1の実施形態では、映像ファイルの命名規則として、記録モードなどに応じて固有のプリフィックスを付与する手法を説明したが、この手法をサフィックスに置き換えて実施してもよい。
【0059】
以上の結果、一日のうちで何回かに分けて映像(シーン)の撮影記録した場合であっても、各映像を構成する開始、中間、終了それぞれのファイルと時間軸の順序を、それらのファイル名から一義的に求めることができる。
【0060】
なお、一連の映像の終端を表す部分映像のファイルのサイズは、ユーザが記録の停止指示したタイミングに依存し、分割条件である設定されたサイズ、もしくは設定された時間長とはならない。
【0061】
また、上記第1の実施形態では、映像記録部106をはじめとする、個々の処理部の共同処理を行うものとして説明したが、例えば、CPU102が、プログラムを実行することで、各処理部に相当する処理を実現しても構わない。これは以下に説明する第2の実施形態でも同様である。
【0062】
[第2の実施形態]
図4、
図5を参照し、第2の実施形態における映像データの記録、転送の処理フローを説明する。
【0063】
図4は、本第2の実施形態における記録開始時の処理フローである。
【0064】
S400において、映像記録部106は、CPU102からの信号に基づき、ユーザから映像の記録開始の操作があったか否かを判定する。この判定処理は
図2のS200と同じである。映像記録部106は、ユーザによる映像記録の開始の指示があったと判定した場合はファイル名生成部110に対し記録開始要求を通知し、S401に遷移する。一方、映像記録部106は、ユーザによる映像記録の開始の指示が無いと判定した場合、S400に処理を戻し、その指示があるのを待つ。
【0065】
S401にて、映像記録部106は、操作部105や記録媒体制御部109から取得した記録設定パラメータをもとに予め設定された分割条件に従って、記録開始から記録停止まで映像ファイルを分割するか否かを判定する。具体的には、映像記録部106は、記録設定パラメータをもとに、記録モードがネットワーク転送である、またはファイルシステム情報がFAT32である場合に、ファイル分割ありと判定する。一方で、映像記録部106は、前記条件に該当しない場合は、ファイル分割なしと判定する。映像記録部106は、ファイル分割ありと判定した場合、ファイル名生成部110にその旨を通知し、S402に遷移する。一方で、映像記録部106は、ファイル分割なしと判定した場合は、ファイル名生成部110にその旨を通知し、S406に遷移する。
【0066】
S402にて、映像記録部106は、操作部105から通知される記録設定パラメータをもとに、映像ファイルをネットワーク転送するかどうかを判定する。映像記録部106は、ネットワーク転送すると判定した場合、ファイル名生成部110にその旨を通知し、S403に遷移する。一方で、映像記録部106は、ネットワーク転送なしと判定した場合は、ファイル名生成部110にその旨を通知し、S404に遷移する。
【0067】
S403にて、映像記録部106は、操作部105から通知される記録設定パラメータをもとに、ネットワーク転送に適した映像ファイルの分割単位を時間長で設定する。例えば、CPU102は、ネットワーク転送間隔に関するメニュー設定を変更することで、ユーザは分割単位として30秒、1分、2分などの選択肢の中から選択することができる。映像記録部106は、メニュー設定をもとに分割単位の設定が完了すると、S405に遷移する。
【0068】
S404にて、映像記録部106は、記録媒体制御部109から通知される記録設定パラメータをもとに、記録媒体に適した映像ファイルの分割単位をファイルサイズで設定を行う。具体的には、ファイルシステムがFAT32であれば分割単位を4GBに設定し、exFATであればファイル分割しないため分割単位を設定しないとして決定する。そして、映像記録部106は、分割単位の設定が完了したら、S406に遷移する。
【0069】
S405にて、映像記録部106は、記録開始時の先頭ファイルか否かを判断する。具体的には、操作部105から通知される記録開始要求を受けて、映像ファイルに対する初回のファイル名生成か否かをもとに判定する。映像記録部106は、先頭ファイルであると判定した場合はS407に遷移する。また、映像記録部106は、先頭ファイルでないと判定した場合はS408に遷移する。
【0070】
S406にて、ファイル名生成部110は、プリフィックスとして“MVI_”を設定する。また、ファイル名生成部110は、ファイル番号を、前回記録したファイルのファイル番号に1増やした値を設定する。続いて、ファイル名生成部110は、“[プリフィックス][ファイル番号]”を拡張子を除くファイル名として、映像記録部106、管理情報登録部111に通知し、S409に遷移する。
【0071】
S407にて、ファイル名生成部110は、プリフィックスとして“[MVI][アルファベット]”を設定する。具体的には、記録開始から記録停止までの記録期間毎に、[アルファベット]を”A”から”Z”まで順に更新する。なお、[アルファベット]は、1文字に限定する必要はなく、アルファベット以外の文字コードを使用してもよい。またファイル名生成部110は、プリフィックスに後続するファイル番号を、前回記録したファイルのファイル番号に1増やした値を設定する。そして、ファイル名生成部110は、“[プリフィックス][ファイル番号]” を拡張子を除くファイル名として、映像記録部106、管理情報登録部111に通知し、S409に遷移する。
【0072】
S408にて、ファイル名生成部110は、プリフィックスとして前回使用したプリフィックスを設定する。つまり、記録開始から記録停止までの記録期間で同じプリフィックスが付与される。またファイル名生成部110は、ファイル番号は、前回記録したファイルのファイル番号に1増やした値を設定する。続いて、ファイル名生成部110は、“[プリフィックス][ファイル番号]”を拡張子を除くファイル名として、映像記録部106、管理情報登録部111に通知し、S409に遷移する。
【0073】
S409にて、管理情報登録部111は、ファイル名生成部110からファイル名生成完了を通知されると、ファイル名を管理情報に登録して、S410に遷移する。
【0074】
S410にて、映像記録部106は、電源瞬断などにより破損した映像ファイルを修復するためのヘッダ情報が格納されたダミーヘッダを生成し、第1の記録媒体107、第2の記録媒体108に書き込む。このとき、ダミーヘッダのファイル名は、“[プリフィックス][ファイル番号].DMV”とする。ここで、プリフィックス、ファイル番号は、ファイル名生成部110から通知されたプリフィックスを使用する。そして、映像記録部106は、S411に遷移する。
【0075】
S411にて、映像記録部106は、これから記録するファイルが記録開始時の先頭ファイルか否か判定する。映像記録部106は、先頭ファイルであると判定した場合、XML(eXtensible Markup Language)形式で取材タイトルなどを含む付加情報ファイルを記録し、S413に遷移する。このとき、メタデータ情報のファイル名は、“[プリフィックス][ファイル番号].XML”とする。ここで、プリフィックス、ファイル番号は、ファイル名生成部110から通知されたプリフィックスが使用される。一方で、映像記録部106は、先頭ファイルでないと判定した場合はS413に遷移する。
【0076】
S413にて、映像記録部106は、映像データや音声データが多重化されたデータファイルを記録する。このとき、ファイル名は “[プリフィックス][ファイル番号].DAT”とする。ここで、プリフィックス、ファイル番号は、ファイル名生成部110から通知されたプリフィックスを使用する。
【0077】
続いて、
図5のフローチャートを参照し、記録開始後の処理フローを説明する。同図は、
図4のフローチャートに続く処理を示していると理解されたい。
【0078】
S500にて、映像記録部106は、
図3のS300と同様、ユーザからの映像データを記録停止の指示があったか否かを判定する。映像記録部106は、記録停止の指示があると判定した場合、ファイル名生成部110に対し記録停止要求を通知し、S502に遷移する。一方で、映像記録部106は、記録停止の指示が無いと判定した場合はS501に遷移する。
【0079】
S501にて、映像記録部106は、記録中の映像データが分割条件に合致するか否かを判断する。映像記録部106は、分割条件に合致すると判定した場合は、記録中の映像ファイルをファイルクローズし、新規の映像ファイルを作成するため、S508に遷移する。また、映像記録部106は、分割条件に合致しないと判定した場合は記録を継続するため、S500に遷移する。
【0080】
S502にて、映像記録部106は、映像データに関する各種情報(解像度やフレームレートなど)を格納したヘッダファイルを作成し、S503に遷移する。
【0081】
S503にて、映像記録部106は、記録媒体内のヘッダファイルとデータファイルを結合する。結合して作成した映像ファイルのファイル名は、“[プリフィックス][ファイル番号].MP4”である。ここで、プリフィックス、ファイル番号は、ファイル名生成部110から通知されたプリフィックスが使用される。映像記録部106は、この結合処理を完了すると、S504に遷移する。
【0082】
S504にて、映像記録部106は、記録媒体からダミーヘッダファイルを削除する。映像記録部106は、この削除を完了すると、ネットワーク転送部112にファイルクローズ完了を通知し、S505に遷移する。
【0083】
S505にて、映像記録部106は、操作部105や記録媒体制御部109から通知された記録設定パラメータをもとに予め設定された分割条件に従って、記録開始から記録停止まで映像ファイルを分割したか否かを判定する。具体的には、映像記録部106は、記録設定パラメータをもとに、記録モードがネットワーク転送である、またはファイルシステム情報がFAT32である場合に、ファイル分割ありと判定する。一方で、映像記録部106は、前記条件に該当しない場合は、ファイル分割なしと判定する。続いて、映像記録部106は、ファイル分割ありと判定した場合は、ファイル名生成部110にその旨を通知し、S506に遷移する。一方で、映像記録部106は、ファイル分割なしと判定した場合は現在のフローを終了する。
【0084】
S506にて、映像記録部106は、操作部105から通知された記録設定パラメータをもとに、ネットワーク転送ありか否かを判定する。映像記録部106は、ネットワーク転送ありと判定した場合、ファイル名生成部110にその旨を通知し、S506-1に遷移する。一方で、映像記録部106は、ネットワーク転送なしと判定した場合は現在のフローを終了する。
【0085】
S506-1にて、ファイル名生成部110は、記録停止時の終端ファイルのプリフィックスを“[MVI][アルファベット]”から、映像ファイルであることを示す“MVI”に終端を表す “End”の頭文字を追加した “[MVI][アルファベット][E]”に変更する。続いて、ファイル名生成部110は、管理情報登録部111にファイル名生成完了を通知し、S506-2に遷移する。
【0086】
S506-2にて、管理情報登録部111は、ファイル名生成部110からファイル名生成完了を通知されると、管理情報から変更前の映像ファイル名を登録解除した後、変更後の映像ファイル名を登録し、S507に遷移する。
【0087】
S507にて、ネットワーク転送部112は、映像処理部からファイルクローズ完了通知を受けると、完成した映像ファイルを外部のファイルサーバへ転送する。そして、映像記録部106は、S507をもって、現在のフローを終了する。
【0088】
S508乃至S510は、前述したS502乃至S504と同等の処理フローとなるので、その説明は省略する。
【0089】
S511にて、映像記録部106は、操作部105、記録媒体制御部109から通知された記録設定パラメータをもとに予め設定された分割条件に従って、S505と同様に 記録開始から記録停止まで映像ファイルを分割したか否かを判定する。映像記録部106は、ファイル分割ありと判定した場合はS512に遷移する。一方で、映像記録部106は、ファイル分割なしと判定した場合は
図4のS401に遷移する。
【0090】
S512にて、映像記録部106は、操作部105から通知された記録設定パラメータをもとに、ネットワーク転送ありか否かを判定する。映像記録部106は、ネットワーク転送ありと判定した場合はS513遷移する。一方で、映像記録部106は、ネットワーク転送なしと判定した場合は
図4のS401に遷移する。
【0091】
S513にて、ネットワーク転送部112は、映像処理部からファイルクローズ完了通知を受けると、完成した映像ファイルを外部のファイルサーバへ転送する。続いて、映像記録部106は、
図4のS401に遷移する。
【0092】
以上説明したように第2の実施形態によれば、1日のうちに複数の映像を記録した場合、個々の映像が混同せず、且つ、各映像の開始、及び、終了のファイルを容易に特定できる。
【0093】
なお、映像ファイルの命名規則として、記録モードなどに応じて固有のプリフィックスを付与する手法を説明したが、この手法をサフィックスに置き換えて実施してもよい。
【0094】
また、上記第1、第2の実施形態では、映像処理装置100が撮像部を含む装置(代表的には、ビデオカメラやスマートフォン)として説明したが、撮像部もしくは撮像装置を外付けてにした情報処理装置であっても構わない。
【0095】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0096】
本明細書の開示は、以下の映像処理装置、方法及びプログラムを含む。
(項目1)
撮像手段で得た映像から映像ファイルを生成する映像処理装置であって、
記録の開始、停止を指示する操作手段と、
前記操作手段による記録の開始の指示を受けてから前記記録の停止の指示を受けるまでの期間で前記撮像手段で撮像された映像を、設定された分割条件に従って時系列の複数の部分映像に分割し、各部分映像のファイルを生成するファイル生成手段とを有し、
前記ファイル生成手段は、
各部分映像のファイルを生成する際に、時系列順序を示す情報を含むファイル名を持つ部分映像のファイルを生成し、
前記複数の部分映像のうち、時系列の終端となる終端部分映像については、時系列順序を示す情報と終端を示す文字列とを含むファイル名を持つ部分映像のファイルを生成する
ことを特徴とする映像処理装置。
(項目2)
前記ファイル生成手段は、予め決められた文字列と前記時系列順序を示す番号を結合した文字列を含むファイル名を、各部分映像ファイルのファイル名として決定する
ことを特徴とする項目1に記載の映像処理装置。
(項目3)
前記ファイル生成手段は、
前記複数の部分映像のうち、時系列の先頭となる先頭部分映像のファイル名には、前記予め決められた文字列として、先頭であることを示す文字を含む文字列を使用し、
前記複数の部分映像のうち、前記終端部分映像のファイル名には、前記予め決められた文字列として、終端であることを示す文字を含む文字列を使用する
ことを特徴とする項目1又は2に記載の映像処理装置。
(項目4)
前記ファイル生成手段は、
前記複数の部分映像のうち、前記先頭部分映像でも前記終端部分映像でもない部分映像のファイル名には、前記予め決められた文字列として、途中の部分映像であることを示す文字を含む文字列を使用する、
ことを特徴とする項目3に記載の映像処理装置。
(項目5)
前記ファイル生成手段は、
前記先頭部分映像のファイル名には、映像ファイルであることを示す第1の文字列に先頭であることを示す文字を追加した文字列を前記予め決められた文字列として使用し、
前記終端部分映像のファイル名には、前記第1の文字列に、終端であることを示す文字を追加した文字列を前記予め決められた文字列として使用する、
ことを特徴とする項目3に記載の映像処理装置。
(項目6)
前記分割条件を設定する設定手段を更に有することを特徴とする項目1乃至5のいずれか1つに記載の映像処理装置。
(項目7)
前記分割条件は、部分映像のファイルサイズ、或いは、部分映像の時間長が含まれることを特徴とする項目1乃至6のいずれか1つに記載の映像処理装置。
(項目8)
前記ファイル生成手段が前記部分映像ファイルを生成する度に、当該部分映像ファイルを予め設定された外部装置に転送する転送手段を更に有する
ことを特徴とする項目1乃至7のいずれか1つに記載の映像処理装置。
(項目9)
前記転送手段により前記外部装置に映像ファイルを転送する場合は、前記ファイル生成手段は、前記操作手段による記録の開始の指示を受けてから前記記録の停止の指示を受けるまでの期間に前記撮像手段により撮像された映像を、第1の分割条件に従って複数の部分映像に分割して、各部分映像のファイルを生成し、
前記転送手段により前記外部装置に映像ファイルを転送しない場合は、前記ファイル生成手段は、前記操作手段による記録の開始の指示を受けてから前記記録の停止の指示を受けるまでの期間に前記撮像手段により撮像された映像を、前記第1の分割条件に従って分割せずに、映像のファイルを生成する、
ことを特徴とする項目8に記載の映像処理装置。
(項目10)
前記転送手段により外部装置に映像を転送するか否か、及び、転送する部分映像の時間を、ユーザ操作に応じて設定する設定手段を有し、
前記ファイル生成手段は、前記設定手段により設定された部分映像の時間に基づいて、前記第1の分割条件を決定する、
ことを特徴とする項目9に記載の映像処理装置。
(項目11)
前記転送手段により前記外部装置に映像ファイルを転送しない場合は、前記ファイル生成手段は、前記操作手段による記録の開始の指示を受けてから前記記録の停止の指示を受けるまでの期間に前記撮像手段により撮像された映像を、前記第1の分割条件とは異なる第2の分割条件に従って複数の部分映像に分割して、各部分映像のファイルを生成する、
ことを特徴とする項目9に記載の映像処理装置。
(項目12)
前記第1の分割条件は、部分映像の時間に関する条件であり、前記第2の分割条件は、部分映像のファイルのファイルサイズに関する条件である、
ことを特徴とする項目11に記載の映像処理装置。
(項目13)
撮像手段及び操作手段を有し、前記操作手段の操作に応じて、前記撮像手段で得た映像から映像ファイルを生成する映像処理装置の制御方法であって、
前記操作手段による記録の開始の指示を受けてから前記記録の停止の指示を受けるまでの期間で前記撮像手段で撮像された映像を、設定された分割条件に従って時系列の複数の部分映像に分割し、各部分映像のファイルを生成するファイル生成工程を有し、
前記ファイル生成工程は、
各部分映像のファイルを生成する際に、時系列順序を示す情報を含むファイル名を持つ部分映像のファイルを生成し、
前記複数の部分映像のうち、時系列の終端となる終端部分映像については、時系列順序を示す情報と終端を示す文字列とを含むファイル名を持つ部分映像のファイルを生成する
ことを特徴とする映像処理装置の制御方法。
(項目14)
コンピュータが読み込み実行することで、前記コンピュータに、項目1乃至12のいずれか1つに記載の装置が有する各手段として機能させるためのプログラム。
【0097】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0098】
100…映像処理装置、101…バス、102…CPU、103…ROM、104…RAM、105…操作部、106…映像記録部、107…第1の記録媒体、108…第2の記録媒体、109…記録媒体制御部、110…ファイル名生成部、111…管理情報登録部、112…ネットワーク転送部