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特開2024-169188マットレス固定具および積層マットレス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169188
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】マットレス固定具および積層マットレス
(51)【国際特許分類】
   A47C 27/00 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
A47C27/00 B
A47C27/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086445
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】390039985
【氏名又は名称】パラマウントベッド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004026
【氏名又は名称】弁理士法人iX
(72)【発明者】
【氏名】萩原 智美
(72)【発明者】
【氏名】有松 崇行
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AC01
3B096AC11
(57)【要約】
【課題】積層されたマットレスを簡単に固定できるマットレス固定具を提供する。
【解決手段】第1マットレスと前記第1マットレスの上に位置する第2マットレスとを固定するマットレス固定具であって、第1結合部と、前記第1結合部から延びる延出部と、前記延出部から屈曲して延びる第2結合部および第3結合部と、を備えていることを特徴とするマットレス固定具。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1マットレスと前記第1マットレスの上に位置する第2マットレスとを固定するマットレス固定具であって、
第1結合部と、
前記第1結合部から延びる延出部と、
前記延出部から屈曲して延びる第2結合部および第3結合部と、
を備えていることを特徴とするマットレス固定具。
【請求項2】
前記第1結合部は、前記第1マットレスの下面に着脱可能な面ファスナを有し、
前記第2結合部は、前記第1マットレスの上面に着脱可能な面ファスナを有し、
前記第3結合部は、前記第2マットレスの下面に着脱可能な面ファスナを有していることを特徴とする請求項1に記載のマットレス固定具。
【請求項3】
前記第2結合部と前記第3結合部とは、対面していることを特徴とする請求項1に記載のマットレス固定具。
【請求項4】
前記第2結合部と前記第3結合部とは、少なくとも一部が分離されていることを特徴とする請求項3に記載のマットレス固定具。
【請求項5】
前記第2結合部は、
前記延出部から一側方向に向けて延びる一側結合部と、
前記延出部から他側方向に向けて延びる他側結合部と、
を有し、
前記第3結合部は、
前記延出部から一側方向に向けて延びる一側結合部と、
前記延出部から他側方向に向けて延びる他側結合部と、
を有していることを特徴とする請求項1に記載のマットレス固定具。
【請求項6】
前記第1マットレスは、下側マットレスと、前記下側マットレスと前記第2マットレスとの間に位置する上側マットレスと、を有し、
前記延出部から延び、前記下側マットレスと前記上側マットレスとの間に位置する第4結合部および第5結合部をさらに備え、
前記第4結合部は、前記下側マットレスの上面に着脱可能な面ファスナを有し、
前記第5結合部は、前記上側マットレスの下面に着脱可能な面ファスナを有することを特徴とする請求項2に記載のマットレス固定具。
【請求項7】
前記第2マットレスは、前記第3結合部との結合面がウレタン素材からなり、
前記第1結合部は、前記第1マットレスの前記下面に着脱可能な面ファスナを有し、
前記第2結合部は、前記第1マットレスの前記上面に着脱可能な面ファスナを有し、
前記第3結合部は、接着剤が塗布される塗布部を有することを特徴とする請求項1に記載のマットレス固定具。
【請求項8】
第1マットレスと、
前記第1マットレスの上に位置する第2マットレスと、
前記第1マットレスと前記第2マットレスとを固定するマットレス固定具と、
を備える積層マットレスであって、
前記マットレス固定具は、
前記第1マットレスの下面に結合される第1結合部と、
前記第1結合部に接続され、前記第1マットレスの側面に沿って延びる延出部と、
前記延出部に接続され、前記第1マットレスの上面に結合される第2結合部と、
前記延出部に接続され、前記第2マットレスの下面に結合される第3結合部と、
を備え、
前記第2結合部および前記第3結合部は、前記延出部から屈曲して延びていることを特徴とする積層マットレス。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、マットレス固定具および積層マットレスに関する。
【背景技術】
【0002】
上層マットレスの下面の一部に面ファスナを接合させて、上層マットレスと下層マットレスとを固定させる積層マットレスが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-212848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された積層マットレスは、上層マットレスがずれた場合に、面ファスナが下層マットレスからはがれてしまい、上層マットレスと下層マットレスとがずれてしまうおそれがある。
【0005】
本発明の実施形態は、積層されたマットレスを簡単に固定できるマットレス固定具および積層マットレスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、第1マットレスと前記第1マットレスの上に位置する第2マットレスとを固定するマットレス固定具であって、第1結合部と、前記第1結合部から延びる延出部と、前記延出部から屈曲して延びる第2結合部および第3結合部と、を備えていることを特徴とするマットレス固定具である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態は、積層されたマットレスを簡単に固定できるマットレス固定具および積層マットレスを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係るマットレス固定具を用いた積層マットレスを示す斜視図である。
図2図1中の第1マットレスと第2マットレスとを分離させた状態を示す斜視図である。
図3】マットレス固定具により第1マットレスと第2マットレスとを固定させた状態を示す断面図である。
図4】マットレス固定具を単体で示す斜視図である。
図5】第2実施形態に係るマットレス固定具を示す斜視図である。
図6】第3実施形態に係るマットレス固定具を示す斜視図である。
図7】マットレス固定具により3つのマットレスを固定させた状態を示す断面図である。
図8】第4実施形態に係るマットレス固定具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1実施形態に係るマットレス固定具および積層マットレスについて、図1図4を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の第1実施形態に係るマットレス固定具を用いた積層マットレスを示す斜視図である。
図2は、図1中の第1マットレスと第2マットレスとを分離させた状態を示す斜視図である。
図3は、マットレス固定具により第1マットレスと第2マットレスとを固定させた状態を示す断面図である。
図4は、マットレス固定具を単体で示す斜視図である。
なお、各図において、マットレス固定具の厚みは、説明の便宜のために、実際よりも大きく示している。すなわち、マットレスとマットレス固定具との縮尺関係は、異なっている。
【0011】
積層マットレス10は、マットレス固定具20により複数のマットレスを積層した状態で固定したものである。この例では、2つのマットレス(第1マットレス12と第2マットレス15)が積層された場合について説明する。
【0012】
第1マットレス12と第2マットレス15とは、例えば硬さや厚さが異なっている。2つのマットレスを積層させることで、使用者の好みに合わせた寝心地を提供できるようになっている。
【0013】
積層マットレス10は、第1マットレス12と、第1マットレス12の上に位置する第2マットレス15と、第1マットレス12と第2マットレス15とを固定するマットレス固定具20と、を備えている。
【0014】
マットレス固定具20は、第1マットレス12と、第1マットレス12の上に位置する第2マットレス15とを固定する。マットレス固定具20は、例えば長手方向に伸縮可能な平ゴムを有している。マットレス固定具20の長手方向の長さは、マットレスの厚さに対応して設定されている。
【0015】
マットレス固定具20は、例えば耐薬品性および耐熱性を有している。これにより、第1マットレス12と第2マットレス15とをマットレス固定具20で固定した状態で、第1マットレス12、第2マットレス15、およびマットレス固定具20を一緒に洗浄することができるようになっている。
【0016】
第1マットレス12と第2マットレス15とは、複数のマットレス固定具20により固定される。この例では、図1図2に示すように、8個のマットレス固定具20で第1マットレス12と第2マットレス15とを固定している。そして、マットレス固定具20は、第1結合部22、延出部24、第2結合部26、および第3結合部28を有している。
【0017】
第1結合部22は、第1マットレス12の下面12aに結合される。図3図4に示すように、第1結合部22は、第1マットレス12の下面12aに結合する面ファスナ22aを有している。すなわち、第1結合部22は、第1マットレス12の下面12aに着脱可能となっている。
【0018】
第1マットレス12の下面12aは、面ファスナ22aが結合できるような素材となっている。面ファスナ22aは、フックを有している。一方、第1マットレス12の下面12aは、面ファスナ22aのフックが引っ掛かるループの機能を有している。第1マットレス12の下面12aは、例えば面ファスナ22aが結合可能なポリエステル繊維(固綿)や、ポリプロピレン繊維(固綿)などにより形成されている。この例では、第1マットレス12に接触する第1結合部22の接触面全体が面ファスナ22aとなっている。しかし、第1結合部22は、接触面の一部が面ファスナ22aとなっており、第1マットレス12の下面12aに結合されていてもよい。
【0019】
延出部24は、第1結合部22から延びている。マットレス固定具20が第1マットレス12と第2マットレス15とを固定している状態で、延出部24は、第1マットレス12の側面12cに沿って延びている。延出部24は、先端側が第1マットレス12と第2マットレス15との間に挟持されている。延出部24は、例えば長手方向に伸縮可能な平ゴムにより形成されている。延出部24は、第1結合部22と後述の第2結合部26および第3結合部28との間を接続している。
【0020】
第2結合部26は、延出部24から屈曲して延びている。第2結合部26は、延出部24に接続され、第1マットレス12の上面12bに結合される。第2結合部26は、延出部24から屈曲して延びている。図4に示すように、延出部24と第2結合部26とのなす角αは、0度よりも大きく180度よりも小さい値(0°<α<180°)となっている。この例では、なす角αは、90度となっている。
【0021】
第2結合部26は、延出部24から一側方向に向けて延びる一側結合部26aと、延出部24から他側方向に向けて延びる他側結合部26bと、を有している。図4に示すように、一側結合部26aと延出部24とのなす角αは、90度となっており、他側結合部26bと延出部24とのなす角αは、90度となっている。
【0022】
一側結合部26aは、第1マットレス12の上面12bに着脱可能な面ファスナ26a1を有している。一方、他側結合部26bは、第1マットレス12の上面12bに着脱可能な面ファスナ26b1を有している。面ファスナ26a1および面ファスナ26b1は、第1結合部22の面ファスナ22aと同じ面に設けられている。第1マットレス12の上面12bは、面ファスナ26a1、26b1が結合できるような素材(例えば、ポリエステル繊維(固綿)や、ポリプロピレン繊維(固綿)など)となっている。
【0023】
なお、図4に示すように、この例では、面ファスナ26a1と面ファスナ26b1とは、延出部24を挟んで離間して設けられている。しかし、面ファスナ26a1と面ファスナ26b1とは、連続していてもよい。
【0024】
第3結合部28は、延出部24から屈曲して延びている。第3結合部28は、延出部24に接続され、第2マットレス15の下面15aに結合される。第3結合部28は、延出部24から屈曲して延びている。図4に示すように、延出部24と第3結合部28とのなす角αは、0度よりも大きく180度よりも小さい値(0°<α<180°)となっている。この例では、なす角αは、90度となっている。すなわち、第2結合部26と第3結合部28とは、対面している。
【0025】
第3結合部28は、延出部24から一側方向に向けて延びる一側結合部28aと、延出部24から他側方向に向けて延びる他側結合部28bと、を有している。図4に示すように、一側結合部28aと延出部24とのなす角αは、90度となっており、他側結合部28bと延出部24とのなす角αは、90度となっている。すなわち、一側結合部28aは、一側結合部26aの裏側に位置している。他側結合部28bは、他側結合部26bの裏側に位置している。すなわち、マットレス固定具20は、T字状に形成されている。なお、マットレス固定具20は、Y字状や矢印状に形成されていてもよい。例えば、延出部24の先端側は、第1マットレス12と第2マットレス15との間に挟持されていなくてもよい。
【0026】
一側結合部28aは、第2マットレス15の下面15aに着脱可能な面ファスナ28a1を有している。一方、他側結合部28bは、第2マットレス15の下面15aに着脱可能な面ファスナ28b1を有している。面ファスナ28a1および面ファスナ28b1は、第1結合部22の面ファスナ22aが設けられている面とは反対側の面に設けられている。第2マットレス15の下面15aは、面ファスナ28a1、28b1が結合できるような素材(例えば、ポリエステル繊維(固綿)や、ポリプロピレン繊維(固綿)など)となっている。なお、面ファスナ28a1と面ファスナ28b1とは、延出部24を挟んで離間して設けられていてもよいし、連続していてもよい。
【0027】
第2結合部26と第3結合部28とは、少なくとも一部が分離している。図4に示すように、第2結合部26と第3結合部28とは、接着や縫製などによる接合部29を有している。マットレス固定具20は、接合部29により、第2結合部26と第3結合部28との少なくとも一部が一体となっている。第2結合部26と第3結合部28とは、分離している部分では、摺動可能となっている。
【0028】
この例では、接合部29は、第2、第3結合部26、28の短手方向の中央部で一側結合部26a、28aから他側結合部26b、28bに向けて延びている。この例では、接合部29の端部は、第2、第3結合部26、28の端部まで延びていない。すなわち、第2、第3結合部26、28の側面は、開くことができるように形成されている。なお、接合部29は、第2、第3結合部26、28の端部まで延びていてもよい。また、接合部29は、一側結合部26a、28aと、他側結合部26b、28bと、を別個に接合していてもよい。また、第2結合部26と第3結合部28とは、接着や縫製などにより、全面的に一体となっていてもよい。
【0029】
第1実施形態によるマットレス固定具20および積層マットレス10は、上述の如き構成を有するもので、次に第1マットレス12と第2マットレス15とをマットレス固定具20で固定する作業について説明する。
【0030】
まず、第1マットレス12の上に第2マットレス15を載置する。この場合、第1マットレス12および第2マットレス15には、面ファスナなどの結合部材が設けられていない。従って、第2マットレス15を第1マットレス12の上で簡単に移動させる(滑らせる)ことができるので、第2マットレス15を第1マットレス12の上に簡単に整列させることができる。
【0031】
次に、マットレス固定具20の延出部24と第2、第3結合部26、28とを第1マットレス12の外部に向けて延ばした状態で、第1マットレス12の下面12aに第1結合部22を結合させる。次に、マットレス固定具20の第2、第3結合部26、28を引っ張ることにより延出部24を伸長させる。その状態で第2、第3結合部26、28を第1マットレス12と第2マットレス15との間に差し込む。そして、第2結合部26を第1マットレス12の上面12bに結合させるとともに、第3結合部28を第2マットレス15の下面15aに結合させる。これにより、マットレス固定具20は、第1マットレス12と第2マットレス15とを固定させることができる。
【0032】
マットレス固定具20は、第1結合部22が第1マットレス12の下面12aに結合され、第2、第3結合部26、28が第1マットレス12と第2マットレス15との間に挟持された状態で、第1マットレス12と第2マットレス15とに結合している。これにより、マットレス固定具20は、第1マットレス12と第2マットレス15とがずれるのを低減できる。また、例えば起伏可能なボトムを有するベッド(図示せず)などに積層マットレス10を敷いた場合でも、ボトムが起伏した場合に第1マットレス12と第2マットレス15とがずれるのを低減できる。
【0033】
この場合、マットレス固定具20は、第2結合部26と第3結合部28とが対面しているとともに、少なくとも一部が分離されている。これにより、マットレス固定具20は、第2結合部26と第3結合部28とが分離している部分で、一方のマットレスのずれが他方のマットレスに伝達するのを低減できる。例えば、第3結合部28は、第2マットレス15がずれた場合でも、第2結合部26に対して摺動するので、第1マットレス12にずれを伝達するのを低減できる。また、マットレス固定具20は、第2結合部26と第3結合部28とが接合部29で一体となるので、強度を向上させることができる。
【0034】
また、マットレス固定具20は、第1マットレス12と第2マットレス15とを固定した状態で、延出部24のみが第1マットレス12の側面12cに露出する。これにより、積層マットレス10の見栄えを向上できる。また、マットレス固定具20は、第2マットレス15の下面15aに第3結合部28を結合させている。これにより、第2マットレス15の上面15bには、マットレス固定具20による段差ができないので、第2マットレス15上の使用者の違和感を低減できる。
【0035】
第1マットレス12と第2マットレス15とを分離させる場合には、第1マットレス12の下面12aから第1結合部22を剥がし、第1マットレス12の上面12bから第2結合部26を剥がすとともに、第2マットレス15の下面15aから第3結合部28を剥がす。このように、積層マットレス10は、複数のマットレスをマットレス固定具20により簡単に固定および分離することができる。マットレス固定具20は、第1マットレス12および第2マットレス15に着脱可能となっている。従って、第1、第2マットレス12、15をそのまま廃棄することができる。
【0036】
次に、図5は、本発明の第2実施形態によるマットレス固定具を示している。なお、第2実施形態では、第1実施形態によるマットレス固定具20と同一の構成に同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0037】
図5は、第2実施形態に係るマットレス固定具を示す斜視図である。
上述した第1実施形態によるマットレス固定具20は、第2、第3結合部26、28が一側結合部26a、28aおよび他側結合部26b、28bを有することにより、T字状に形成された場合を例に挙げて説明した。しかし、図5に示すように、一側結合部26a、28aや他側結合部26b、28bのみを有するL字状のマットレス固定具30でもよい。この例では、面ファスナ26a1を延出部24まで延ばしている。第2実施形態によるマットレス固定具30も第1実施形態によるマットレス固定具20と同様の作用、効果を有する。
【0038】
次に、図6図7は、本発明の第3実施形態によるマットレス固定具を示している。なお、第3実施形態では、第1実施形態によるマットレス固定具20と同一の構成に同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
図6は、第3実施形態に係るマットレス固定具を示す斜視図である。
図7は、マットレス固定具により3つのマットレスを固定させた状態を示す断面図である。
第3実施形態に係るマットレス固定具50は、3つのマットレスを積層させて固定できるようになっている。
【0040】
第1マットレス12は、下側マットレス120と、下側マットレス120と第2マットレス15との間に位置する上側マットレス122と、を有している。すなわち、積層マットレス40は、下側マットレス120、上側マットレス122、第2マットレス15、およびマットレス固定具50を備えている。マットレス固定具50は、下側マットレス120、上側マットレス122、および第2マットレス15を積層した状態で固定する。
【0041】
図6に示すように、マットレス固定具50は、第1結合部22、延出部24、第2結合部26、および第3結合部28に加えて、延出部24から延び、下側マットレス120と上側マットレス122との間に位置する第4結合部52および第5結合部54をさらに備えている。
【0042】
図6図7に示すように、第4結合部52は、延出部24の長手方向の中心部に位置して、延出部24から延びている。第4結合部52は、延出部24のうち、面ファスナ22aが設けられている面から延びている。
【0043】
第4結合部52は、下側マットレス120の上面120aに結合される面ファスナ52aを有している。第4結合部52は、面ファスナ52aにより、下側マットレス120の上面120aに着脱可能となっている。下側マットレス120の上面120aは、第4結合部52が結合できるような素材となっている。図7に示すように、下側マットレス120は、厚さ方向で、第1結合部22と第4結合部52とにより挟持されている。
【0044】
第5結合部54は、延出部24の長手方向の中心部に位置して、延出部24から延びている。第5結合部54は、延出部24のうち、面ファスナ22aが設けられている面から延びている。第5結合部54は、第4結合部52の裏面側に位置している。すなわち、第4結合部52と第5結合部54とは、延出部24の長手方向に並んで設けられている。
【0045】
第5結合部54は、上側マットレス122の下面122aに結合される面ファスナ54aを有している。第5結合部54は、面ファスナ54aにより、上側マットレス122の下面122aに着脱可能となっている。上側マットレス122の下面122aは、第5結合部54が結合できるような素材となっている。図7に示すように、上側マットレス122は、厚さ方向で、第5結合部54と第2結合部26とにより挟持されている。
【0046】
第4結合部52と第5結合部54とは、全体的に一体となっている。第4結合部52の裏面と第5結合部54の裏面とは、例えば接着剤や縫製により接合されている。すなわち、第4結合部52の裏面と第5結合部54の裏面とは、露出していない。第4結合部52と第4結合部54とが一体となっていることにより、この一体物は、表面と裏面との両方に面ファスナのフックを有している。
【0047】
なお、第4結合部52と第4結合部54とは、例えば外周を縫製や接着して一体としていてもよい。これにより、マットレス固定具50は、3つのマットレス(下側マットレス120、上側マットレス122、および第2マットレス15)をより一体的に固定させることができる。従って、マットレス固定具50は、3つのマットレスの層ずれを抑制できる。また、マットレス固定具50は、第4結合部52や第5結合部54の強度を向上させることができる。
【0048】
なお、第4結合部52と第5結合部54とは、第2結合部26と第3結合部28と同様に、少なくとも一部が分離していてもよい。すなわち、第4結合部52と第5結合部54とは、少なくとも一部で接着や縫製などにより接合されていてもよいし、それぞれ延出部24にのみ接合されていてもよい。これにより、例えば、上側マットレス122と下側マットレス120との間でずれが伝達されるのが抑制される。
【0049】
また、第3実施形態では、第4結合部52と第5結合部54との両方が設けられた場合を例に挙げて説明した。しかし、第4結合部52と第5結合部54とのうち、少なくとも一方が設けられたマットレス固定具でもよい。
【0050】
また、第3実施形態では、3つのマットレスを固定するために、第4結合部52と第5結合部54とを設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、例えば4つ以上のマットレスを固定するために、第4結合部52と第5結合部54とに加えて、さらなる結合部を延出部24に設けていてもよい。
【0051】
次に、図8は、本発明の第4実施形態によるマットレス固定具を示している。なお、第4実施形態では、第1実施形態によるマットレス固定具20と同一の構成に同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0052】
図8は、第4実施形態に係るマットレス固定具を示す斜視図である。
上述した第1実施形態では、マットレス固定具20は、面ファスナによりマットレスに結合された場合を例に挙げて説明した。しかしながら、面ファスナにより結合できない素材の結合面を有したマットレスを積層させたい場合もある。以下、このような結合面を有するマットレスを積層させる場合のマットレス固定具60について説明する。
【0053】
第2マットレス15は、例えば第3結合部62との結合面がウレタン素材となっている。このウレタン素材は、面ファスナのフックが引っ掛かるループの機能を有していない。そこで、マットレス固定具60は、第1結合部22、延出部24、および第2結合部26に加えて、第3結合部62を有している。
【0054】
第3結合部62は、接着剤が塗布される塗布部63を有している。すなわち、第3結合部62は、面ファスナを有していない。塗布部63は、例えばポリエステル、ポリウレタン、またはこれらを混合した生地からなる平坦面となっている。第3結合部62は、塗布部63に塗布された接着剤により第2マットレス15の下面15aに結合される。図8に示すように、第3結合部62は、延出部24から屈曲して延びる一側結合部62aと他側結合部62bと、を有している。塗布部63は、一側結合部62aと他側結合部62bとの一部に設けられていてもよいし、一側結合部62aと他側結合部62bとにわたって連続して設けられていてもよい。また、第3結合部62は、一側結合部62aと他側結合部62bとの少なくとも一方のみが設けられてもよい。
【0055】
第4実施形態によるマットレス固定具60も第1実施形態によるマットレス固定具20と同様に、第1マットレス12と第2マットレス15とを積層させた状態で、第1マットレス12と第2マットレス15とを一体的に固定させることができる。
【0056】
実施形態は、以下の構成を含んでもよい。
(構成1)
第1マットレスと前記第1マットレスの上に位置する第2マットレスとを固定するマットレス固定具であって、
第1結合部と、
前記第1結合部から延びる延出部と、
前記延出部から屈曲して延びる第2結合部および第3結合部と、
を備えていることを特徴とするマットレス固定具。
(構成2)
前記第1結合部は、前記第1マットレスの下面に着脱可能な面ファスナを有し、
前記第2結合部は、前記第1マットレスの上面に着脱可能な面ファスナを有し、
前記第3結合部は、前記第2マットレスの下面に着脱可能な面ファスナを有していることを特徴とする構成1に記載のマットレス固定具。
(構成3)
前記第2結合部と前記第3結合部とは、対面していることを特徴とする構成1または2に記載のマットレス固定具。
(構成4)
前記第2結合部と前記第3結合部とは、少なくとも一部が分離されていることを特徴とする構成3に記載のマットレス固定具。
(構成5)
前記第2結合部は、
前記延出部から一側方向に向けて延びる一側結合部と、
前記延出部から他側方向に向けて延びる他側結合部と、
を有し、
前記第3結合部は、
前記延出部から一側方向に向けて延びる一側結合部と、
前記延出部から他側方向に向けて延びる他側結合部と、
を有していることを特徴とする構成1~4のいずれか1つに記載のマットレス固定具。
(構成6)
前記第1マットレスは、下側マットレスと、前記下側マットレスと前記第2マットレスとの間に位置する上側マットレスと、を有し、
前記延出部から延び、前記下側マットレスと前記上側マットレスとの間に位置する第4結合部および第5結合部をさらに備え、
前記第4結合部は、前記下側マットレスの上面に着脱可能な面ファスナを有し、
前記第5結合部は、前記上側マットレスの下面に着脱可能な面ファスナを有することを特徴とする構成2~5のいずれか1つに記載のマットレス固定具。
(構成7)
前記第2マットレスは、前記第3結合部との結合面がウレタン素材からなり、
前記第1結合部は、前記第1マットレスの前記下面に着脱可能な面ファスナを有し、
前記第2結合部は、前記第1マットレスの前記上面に着脱可能な面ファスナを有し、
前記第3結合部は、接着剤が塗布される塗布部を有することを特徴とする構成1に記載マットレス固定具。
(構成8)
第1マットレスと、
前記第1マットレスの上に位置する第2マットレスと、
前記第1マットレスと前記第2マットレスとを固定するマットレス固定具と、
を備える積層マットレスであって、
前記マットレス固定具は、
前記第1マットレスの下面に結合される第1結合部と、
前記第1結合部に接続され、前記第1マットレスの側面に沿って延びる延出部と、
前記延出部に接続され、前記第1マットレスの上面に結合される第2結合部と、
前記延出部に接続され、前記第2マットレスの下面に結合される第3結合部と、
を備え、
前記第2結合部および前記第3結合部は、前記延出部から屈曲して延びていることを特徴とする積層マットレス。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0058】
10 積層マットレス
12 第1マットレス
12a 下面
12b 上面
12c 側面
15 第2マットレス
15a 下面
15b 上面
20 マットレス固定具
22 第1結合部
22a 面ファスナ
24 延出部
26 第2結合部
26a 一側結合部
26a1 面ファスナ
26b 他側結合部
26b1 面ファスナ
28 第3結合部
28a 一側結合部
28a1 面ファスナ
28b 他側結合部
28b1 面ファスナ
29 接合部
30 マットレス固定具
40 積層マットレス
50 マットレス固定具
52 第4結合部
52a 面ファスナ
54 第5結合部
54a 面ファスナ
60 マットレス固定具
62 第3結合部
62a 一側結合部
62b 他側結合部
63 塗布部
120 下側マットレス
120a 上面
122 上側マットレス
122a 下面

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8