(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169199
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】流量算出装置、流量算出方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G01F 1/002 20220101AFI20241128BHJP
G01F 1/00 20220101ALI20241128BHJP
G01F 3/38 20060101ALI20241128BHJP
G01F 1/704 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G01F1/002
G01F1/00 F
G01F1/00 K
G01F3/38
G01F1/704
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086462
(22)【出願日】2023-05-25
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り EE東北’22 開催日 令和4年6月1日から令和4年6月2日 〔刊行物等〕 EE東北’22のウェブサイト https://ee-tohoku.jp/web_guide/2022/search.cgi?pg=B302 掲載日 令和4年6月1日 〔刊行物等〕 日本応用地質学会 令和4年度(第38回)研究発表会 開催日 令和4年11月17日 〔刊行物等〕 DNホールディングス第1期株主通信,第9頁 発行日 令和4年9月28日 〔刊行物等〕 インフラメンテナンス国民会議 近畿本部フォーラム2023 開催日 令和5年5月18日から令和5年5月19日 〔刊行物等〕 インフラメンテナンス国民会議 近畿本部フォーラム2023のウェブサイト https://infurakinkihonbu-tenji.jp/ 掲載日 和5年5月18日 〔刊行物等〕 DNホールディングス株式会社の2023年6月期第1四半期決算補足資料 発行日 令和4年11月14日 〔刊行物等〕 建設技術展2022関東 開催日 令和4年11月16日から令和4年11月17日 〔刊行物等〕 建設技術展2022関東のプログラム https://www.decn.co.jp/kengi2022/exhibitors-list.html (現在は公開終了) 掲載日 令和4年11月16日 〔刊行物等〕 建設技術展2022近畿 開催日 令和4年11月9日から令和4年11月10日 〔刊行物等〕 建設技術展2022近畿のプログラム https://www.kyokai-kinki.or.jp/kengi2022/top.html (現在は公開終了) 掲載日 令和4年11月9日 〔刊行物等〕 令和4年 地下水学会 秋季講演会(松本大会) 開催日 令和4年10月27日から令和4年10月28日 〔刊行物等〕 日刊建設工業新聞 令和4年10月14日付,第3面 掲載日 令和4年10月14日
(71)【出願人】
【識別番号】396007890
【氏名又は名称】大日本ダイヤコンサルタント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北川 博也
(72)【発明者】
【氏名】新谷 俊一
【テーマコード(参考)】
2F030
2F035
【Fターム(参考)】
2F030CC05
2F030CE04
2F035AA03
2F035FA05
2F035FB03
2F035FB05
(57)【要約】
【課題】利便性を向上させ、かつ容易に河川の流量を算出すること。
【解決手段】流量算出装置は、河川の流量を算出する複数のモードのうち、少なくとも1つのモードを設定する設定部と、設定部が設定したモードに応じた情報を取得する取得部と、取得部が取得した情報に基づいて、河川の流量を算出する算出部と、河川の流量の算出結果を表示部に表示させる出力制御部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
河川の流量を算出する複数のモードのうち、少なくとも1つの前記モードを設定する設定部と、
前記設定部が設定した前記モードに応じた情報を取得する取得部と、
前記取得部が取得した情報に基づいて、前記河川の流量を算出する算出部と、
前記河川の流量の算出結果を表示部に表示させる出力制御部と、
を備える、流量算出装置。
【請求項2】
前記モードは、塩分希釈法モード、断面流速法モード、および容器法モードを含み、
前記取得部は、
前記モードが塩分希釈法モードである場合、前記河川の観測地点の塩水を投入前の電気伝導度と、前記河川に投入する塩水の電気伝導度および投入量と、前記河川の観測地点に塩水を投入後の電気伝導度とを示す情報を取得し、
前記モードが断面流速法モードである場合、前記河川の観測地点の川幅と、深さと、流速と、分割数とを示す情報を取得し、
前記モードが容器法モードである場合、前記河川の観測地点において容器を投入してから、前記容器を前記河川から取り出されるまでの時間を示す情報と前記容器に入った水の量を示す情報を取得する、
請求項1に記載の流量算出装置。
【請求項3】
前記出力制御部は、前記モードが塩分希釈法モードである場合、前記河川の電気伝導度の時間変化を示す情報と、前記河川の流量の算出結果とを前記表示部に同時に表示させる、
請求項2に記載の流量算出装置。
【請求項4】
前記出力制御部は、前記モードが断面流速法モードである場合、前記河川の深さに関する情報と、前記河川の流速に関する情報と、前記河川の流量の算出結果とを前記表示部に同時に表示させる、
請求項2に記載の流量算出装置。
【請求項5】
前記出力制御部は、前記モードが容器法モードである場合、前記河川に容器を投入してから前記容器を前記河川から引き上げるまでの経過時間を示す情報と、前記河川の流量の算出結果とを前記表示部に同時に表示させる、
請求項2に記載の流量算出装置。
【請求項6】
前記河川の流量の過去の算出結果と、新たに算出された前記河川の流量の算出結果とを比較する解析部を備え、
前記出力制御部は、前記解析部による比較結果を前記表示部に表示させる、
請求項1または2に記載の流量算出装置。
【請求項7】
河川の流量を算出するための複数のモードのうち、少なくとも1つの前記モードを設定するステップと、
設定された前記モードに応じた情報を取得するステップと、
取得された情報に基づいて、前記河川の流量を算出するステップと、
前記河川の流量の算出結果を表示部に表示させるステップと、
を含む、流量算出方法。
【請求項8】
河川の流量を算出するための複数のモードのうち、少なくとも1つの前記モードを設定するステップと、
設定された前記モードに応じた情報を取得するステップと、
取得された情報に基づいて、前記河川の流量を算出するステップと、
前記河川の流量の算出結果を表示部に表示させるステップと、
をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流量算出装置、流量算出方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
建設工事などの工事が地下水に与える影響を調べるために水文調査が行われている。例えば、特許文献1には、河川のある地点の水位及び水面勾配に基づいて、その地点の流量を求めることが可能な技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水文調査では、例えば、河川の流量を算出するために、紙の記録用紙を用いることがある。紙の記録用紙を用いるため、雨が降っているときなどには利便性を欠き、また手計算で流量を算出するため手間もかかる。河川の流量を算出する技術には改善の余地がある。
【0005】
本開示は、利便性を向上させ、かつ容易に河川の流量を算出することのできる流量算出装置、流量算出方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の流量算出装置は、河川の流量を算出するための複数のモードのうち、少なくとも1つの前記モードを設定する設定部と、前記設定部が設定した前記モードに応じた情報を取得する取得部と、前記取得部が取得した情報に基づいて、前記河川の流量を算出する算出部と、前記河川の流量の算出結果を表示部に表示させる出力制御部と、を備える。
【0007】
本開示の流量算出方法は、河川の流量を算出するための複数のモードのうち、少なくとも1つの前記モードを設定するステップと、設定された前記モードに応じた情報を取得するステップと、取得された情報に基づいて、前記河川の流量を算出するステップと、前記河川の流量の算出結果を表示部に表示させるステップと、を含む。
【0008】
本開示のプログラムは、河川の流量を算出するための複数のモードのうち、少なくとも1つの前記モードを設定するステップと、設定された前記モードに応じた情報を取得するステップと、取得された情報に基づいて、前記河川の流量を算出するステップと、前記河川の流量の算出結果を表示部に表示させるステップと、をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示は、利便性を向上させ、かつ容易に河川の流量を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、1実施形態に係る流量算出システムに構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る流量算出装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る測定モード設定処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る測定モードの設定画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る入力リストの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る塩分希釈法による河川の流量算出処理を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る塩分希釈法の設定画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る電気伝導度リストの一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る塩水投入後の河川の観測地点の電気伝導度を取得する方法を説明するための図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る塩分希釈法による流量の算出画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態に係る更新された測定データの確認画面の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、第1実施形態に係る最小値確認更新画面の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、第2実施形態に係る断面流速法による河川の流量算出処理を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、第2実施形態に係る断面流速法の設定画面の一例を示す図である。
【
図15】
図15は、第2実施形態に係る流量算出画面の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態に係る河川の流速を入力する方法を説明するための図である。
【
図17】
図17は、第3実施形態に係る容器法による河川の流量算出処理を示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、第3実施形態に係る容器法の設定画面の一例を示す図である。
【
図19】
図19は、第3実施形態に係る流量算出画面の一例を示す図である。
【
図20】
図20は、第4実施形態に係る流量算出装置の構成例を示すブロック図である。
【
図21】
図21は、第4実施形態に係る流量算出装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0012】
[第1実施形態]
(流量算出システム)
図1を用いて、第1実施形態に係る流量算出システムについて説明する。
図1は、第1実施形態に係る流量算出システムの構成例を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、流量算出システム1は、流量算出装置10と、センサ12と、を含む、流量算出装置10と、センサ12とは、ネットワークNを介して、通信可能に接続されている。
【0014】
流量算出装置10は、例えば、スマートフォンおよびタブレット端末などの携帯型の情報処理装置で実現される。流量算出装置10は、例えば、水文調査において、センサ12が検出した情報に基づいて、河川の所定の観測地点における河川の流量を容易に算出することのできる装置である。流量算出装置10は、例えば、塩分希釈法、断面流速法、および容器法などの手法により、河川の所定の観測地点における河川の流量を所定のパラメータを取得することにより自動で算出することができる。
【0015】
センサ12は、水文調査において、河川における各種のパラメータを検出するためのセンサを含む。センサ12は、例えば、流量算出装置10が河川の流量を塩分希釈法で算出するために必要な電気伝導度を検出するセンサを含む。センサ12は、例えば、流量算出装置10が河川の流量を断面流速法で算出するために必要な水深および流速を検出するセンサを含む。センサ12は、例えば、河川のpHおよび温度を検出するセンサを含んでもよい。センサ12は、その他の物理量を検出するセンサを含んでもよい。
【0016】
(流量算出装置)
図2を用いて、第1実施形態に係る流量算出装置について説明する。
図2は、第1実施形態に係る流量算出装置の構成例を示すブロック図である。
【0017】
図1に示すように、流量算出装置10は、入力部20と、音声入力部22と、表示部24と、音声出力部26と、記憶部28と、通信部30と、制御部32と、を備える。
【0018】
入力部20は、流量算出装置10に対する各種の操作を受け付ける。入力部20は、例えば、スイッチ、ボタン、タッチパネルなどの各種の入力装置で実現される。
【0019】
音声入力部22は、流量算出装置10を使用しているユーザの音声を検出する。音声入力部22は、検出した音声を音声信号に変換する。音声入力部22は、マイクロフォンで実現される。
【0020】
表示部24は、各種の画像を表示する。表示部24は、例えば、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイまたは有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイで実現される。入力部20がタッチパネルである場合には、入力部20と、表示部24とは一体に構成されている。
【0021】
音声出力部26は、各種の音声を出力するスピーカである。
【0022】
記憶部28は、各種の情報を記憶している。記憶部28は、制御部32の演算内容、およびプログラム等の情報を記憶する。記憶部28は、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0023】
通信部30は、流量算出装置10と、外部装置との間の通信を行う通信インタフェースである。通信部30は、例えば、流量算出装置10と、外部のセンサとの間の通信を実行する。通信部30は、例えば、無線LAN(Local Area Network)、Wi-Fi(登録商標)及びBluetooth(登録商標)などにより通信可能に構成されている。
【0024】
制御部32は、流量算出装置10の各部を制御する。制御部32は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの情報処理装置と、RAM又はROMなどの記憶装置とを有する。制御部32は、本発明に係る流量算出装置10の動作を制御するプログラムを実行する。制御部32は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部32は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0025】
制御部32は、設定部40と、取得部42と、算出部44と、出力制御部46と、を備える。
【0026】
設定部40は、流量算出装置10が河川の所定の観測地点の流量を算出するための測定モードを示す設定するための入力情報を入力部20から取得する。設定部40は、入力部20に入力された情報に基づいて、測定モードを設定する。設定部40の詳細は後述する。
【0027】
取得部42は、各種の情報を取得する。取得部42は、例えば、流量算出装置10が河川の所定の観測地点の流量を算出するための情報を取得する。取得部42の詳細は後述する。
【0028】
算出部44は、各種の情報を算出する。算出部44は、例えば、取得部42が取得した情報に基づいて、河川の所定の観測地点の流量を算出する。算出部44は、観測地点と、流量の算出結果とを関連付けて記憶部28に記憶させる。算出部44の詳細は後述する。
【0029】
出力制御部46は、表示部24に各種の画像を表示させる。出力制御部46は、音声出力部26に各種の音声を出力させる。出力制御部46の詳細は後述する。
【0030】
(測定モード設定処理)
図3を用いて、第1実施形態に係る測定モード設定処理について説明する。
図3は、第1実施形態に係る測定モード設定処理の流れを示すフローチャートである。
【0031】
出力制御部46は、測定モードを選択させるための設定画面を表示部24に表示させる(ステップS10)。
図4は、第1実施形態に係る測定モードの設定画面の一例を示す図である。
図4に示すように、設定画面100は、業務名表示部101と、観測地点名表示部102と、観測者表示部103と、入力リストボタン104と、塩分希釈法ボタン105と、断面流速法ボタン106と、容器法ボタン107と、を含む。
【0032】
業務名表示部101には、河川の水文調査における業務名が表示される。観測地点名表示部102には、河川の観測地点の名称が表示される。観測者表示部103には、河川の観測地点で水文調査を行った観測者名が表示される。
【0033】
ユーザは、例えば、入力リストボタン104を押下することで、業務名、観測地点名、観測者名を入力することができる。ユーザが入力した業務名、観測地点名、および観測者名は、それぞれ、業務名表示部101、観測地点名表示部102、および観測者表示部103に表示される。
【0034】
制御部32は、ユーザが入力した業務名、観測地点名、観測者名を対応付けて、記憶部28に入力リストとして記憶させる。
図5は、第1実施形態に係る入力リストの一例を示す図である。
図5に示すように、入力リスト28Aは、「業務名」、「観測地点名」、「観測者」といった項目を含む。
【0035】
「業務名」は、業務を識別するため情報である。「観測地点名」は、観測地点を識別するための情報である。「観測者」は、河川の流量の観測を行った観測者を識別するための情報である。例えば、
図5に示した一例は、業務名「A01」の業務は観測地点「B01」で観測者「C01」が水文調査を行うことを示す。ユーザは、記憶部28に記憶された入力リスト28Aを任意に呼び出すことができる。
【0036】
塩分希釈法ボタン105は、塩分希釈法で河川の流量を算出する塩分希釈法モードを流量算出装置10に設定するためのボタンである。断面流速法ボタン106は、断面流速法で河川の流量を算出する断面流速法モードを流量算出装置10に設定するためのボタンである。容器法ボタン107は、容器法で河川の流量を算出する容器法モードに設定するためのボタンである。ユーザは、塩分希釈法ボタン105、断面流速法ボタン106、または容器法ボタン107のいずれかを押下することで、塩分希釈法モード、断面流速法モード、および容器法モードのうち、所望の測定モードを流量算出装置10に設定することができる。
【0037】
設定部40は、入力情報を取得する(ステップS12)。具体的には、設定部40は、塩分希釈法ボタン105、断面流速法ボタン106、および容器法ボタン107のうち、押下されたボタンを示す入力情報を取得する。
【0038】
設定部40は、測定モードを設定する(ステップS14)。具体的には、設定部40は、ステップS12で取得された入力情報に応じた測定モードを流量算出装置10に設定する。そして、
図3の処理を終了する。
【0039】
[塩分希釈法モード]
第1実施形態に係る塩分希釈法モードについて説明する。塩分希釈法モードは、例えば、ユーザが電導度計を使用して、河川の観測地点の電気伝導度を測定し、測定した電気伝導度に基づいて、河川の流量を算出するモードである。
【0040】
(流量算出処理)
図6を用いて、第1実施形態に係る塩分希釈法による河川の流量算出処理について説明する。
図6は、第1実施形態に係る塩分希釈法による河川の流量算出処理を示すフローチャートである。
【0041】
出力制御部46は、塩分希釈法により河川の流量を算出するための設定画面を表示部24に表示させる(ステップS20)。
図7は、第1実施形態に係る塩分希釈法の設定画面の一例を示す図である。
図7に示すように、設定画面200は、業務名表示部201と、観測地点表示部202と、観測日時表示部203と、観測者表示部204と、観測方法表示部205と、電気伝導度表示部206と、pH表示部207と、水温表示部208と、電気伝導度表示部209と、投入量表示部210と、単位変更ボタン211と、単位変更ボタン212と、測定開始ボタン213と、を含む。出力制御部46は、
図4に示す例において、ユーザが塩分希釈法ボタン105を押下した場合に、設定画面200を表示部24に表示させる。
【0042】
業務名表示部201には、河川の水文調査における業務名が表示される。業務名表示部201は、例えば、ドラムロール式のプルダウンメニューとなっている。ユーザは、例えば、業務名表示部201をスワイプ操作することで、今回の調査の業務名を選択することができる。
図7に示す例では、業務名表示部201には、「AAA」と表示されているが、実際には、具体的な業務名が表示される。
【0043】
観測地点表示部202には、河川の観測地点の名称が表示される。観測地点表示部202は、例えば、ドラムロール式のプルダウンメニューとなっている。ユーザは、例えば、観測地点表示部202をスワイプ操作することで、調査対象の観測地点名を選択することができる。
図7に示す例では、観測地点表示部202には、「BBB」と表示されているが、実際には、具体的な観測地点名が表示される。
【0044】
観測日時表示部203には、現在の日時が表示される。ユーザは、観測日時表示部203を押下することで、日時を入力可能であってもよい。観測日時表示部203には、制御部32が通信部30を介して外部のサーバ装置などから取得した日時情報が表示されてもよい。
図7に示す例では、観測日時表示部203には、「2022/05/18/09:21」と表示されている。
【0045】
観測者表示部204には、河川の観測地点で水文調査を行った観測者名が表示される。観測者表示部204は、例えば、ドラムロール式のプルダウンメニューとなっている。ユーザは、観測者表示部204をスワイプ操作することで、今回調査を行う観測者を選択することができる。
図7に示す例では、観測者表示部204には、「CCC」と表示されているが、実際には、具体的な観測者名が表示される。
【0046】
なお、ユーザは、記憶部28に記憶された入力リスト28Aを読み出して、業務名表示部201、観測地点表示部202、および観測者表示部204に入力リスト28Aに記憶された情報を入力可能であってもよい。
【0047】
観測方法表示部205は、流量算出装置10に設定されている測定モードが表示される。
図7に示す例では、観測方法表示部205には、「塩分希釈法測定」と表示されている。
【0048】
電気伝導度表示部206には、河川の観測地点の塩分希釈法測定を開始する前の電気伝導度(μS/cm(マイクロジーメンス毎センチメートル))が表示される。ユーザは、単位変更ボタン211を押下することで、電気伝導度表示部206に表示される電気伝導度の単位を(μS/cm)から(mS/m(ミリジーメンス毎メートル))または(mS/cm(ミリジーメンス毎センチメートル))に変換することができる。
図7に示す例では、電気伝導度表示部206には、「0.43」と表示されている。
【0049】
pH表示部207は、河川の観測地点のpHが表示される。なお、pH表示部207には、pHが表示されていなくてもよい。
図7に示す例では、pH表示部207には、「7」と表示されている。
【0050】
水温表示部208には、河川の観測地点の水温(℃)が表示される。なお、水温表示部208には、水温が表示されていなくてもよい。
図7に示す例では、水温表示部208には、「15」と表示されている。
【0051】
電気伝導度表示部209には、塩分希釈法により河川の流量を算出するために河川に投入する塩水の電気伝導度(μS/cm)が表示される。ユーザは、単位変更ボタン212を押下することで、電気伝導度表示部209に表示される電気伝導度の単位を(μS/cm)から(mS/m)または(mS/cm)に変換することができる。
図7に示す例では、電気伝導度表示部209に、「2.49」と表示されている。
【0052】
投入量表示部210には、河川に投入する塩水量(L(リットル))が表示される。
図7に示す例では、投入量表示部210には、「0.5」と表示されている。
【0053】
ユーザは、各項目の入力が終わった後、測定開始ボタン213を押下することで、塩分希釈法による河川の流量の算出処理を流量算出装置10に実行させることができる。
図7に示すように、第1実施形態では、ユーザは、塩分希釈法で河川の流量を算出するためのパラメータを容易に入力することができる。
【0054】
再び
図5を参照する。取得部42は、業務情報を取得する(ステップS22)。具体的には、取得部42は、例えば、今回の調査の業務名を含む業務情報を取得する。取得部42は、例えば、業務名表示部201に入力された情報を取得してもよいし、入力リスト28Aに記憶された情報を取得してもよい。
【0055】
取得部42は、観測地点情報を取得する(ステップS24)。具体的には、取得部42は、例えば、今回の調査対象となる観測地点の地名を含む加速地点情報を取得する。取得部42は、例えば、観測地点表示部202に入力された情報を取得してもよいし、入力リスト28Aに記憶された情報を取得してもよい。
【0056】
取得部42は、観測者情報を取得する(ステップS26)。具体的には、取得部42は、例えば、今回の調査を行う観測者の氏名を含む観測者情報を取得する。取得部42は、例えば、観測者表示部204に入力された情報を取得してもよいし、入力リスト28Aに記憶された情報を取得してもよい。
【0057】
取得部42は、塩水投入前の河川の観測地点の電気伝導度を示す電気伝導度情報を取得する(ステップS28)。具体的には、取得部42は、例えば、センサ12により観測地点の電気伝導度を測定した結果を、通信部30を介してセンサ12から取得する。この際、表示部24には、流量算出装置10と、センサ12との間の通信が確立したか否かを示す接続情報が表示されてもよい。接続情報は、文字情報であっても、アイコンであってもよい。ユーザは、接続情報を視認することで、流量算出装置10と、センサ12との間の通信状況を適切に把握することができる。取得部42は、電気伝導度表示部206にユーザにより入力された観測地点の電気伝導度を示す情報を取得してもよい。取得部42は、例えば、現在の観測地点の過去の電気伝導度の測定結果を示す情報を記憶部28から取得してもよい。
【0058】
図8は、第1実施形態に係る電気伝導度リストの一例を示す図である。
図8に示すように、電気伝導度リスト28Bは、「日時」、「業務名」、「観測地点名」、「観測者」、および「電気伝導度」といった項目を含む。
【0059】
「日時」は、電気伝導度を測定した日時を識別するための情報である。「電気伝導度」は、電気伝導度の測定結果を示す情報である。例えば、
図8に示した1つの例は、日時「D01」に、業務名「A01」の業務で観測地点「B01」で観測者「C01」により測定された電気伝導度は「E01」であることを示す。
【0060】
取得部42は、例えば、今回の観測地点に対応する観測地点において、直近に測定された電気伝導度を示す情報を電気伝導度リスト28Bから取得してよい。取得部42が電気伝導度を示す情報を電気伝導度リスト28Bから取得することで、電気伝導度を測定する工程を省略することができるので、より短時間で河川の観測地点の流量を算出することができる。
【0061】
取得部42は、河川に投入する塩水に関する塩水情報を取得する(ステップS30)。具体的には、取得部42は、例えば、センサ12により塩水の電気伝導度を測定した結果を、通信部30を介してセンサ12から取得する。取得部42は、例えば、電気伝導度表示部209に入力されたユーザにより入力された塩水の電気伝導度を示す情報を取得してもよい。取得部42は、例えば、投入量表示部210に入力された塩水の投入量を示す情報を取得する。
【0062】
制御部32は、
図7に示す測定開始ボタン213が押下されたか否かを判定する(ステップS32)。測定開始ボタン213が押下されたと判定された場合(ステップS32;Yes)、ステップS34に進む。測定開始ボタン213が押下されたと判定されない場合(ステップS32;No)、ステップS32の処理を繰り返す。
【0063】
ステップS32でYesと判定された場合、出力制御部46は、表示部24に、流量算出画面を表示させる(ステップS34)。
図9は、第1実施形態に係る流量算出画面の一例を示す図である。
図9に示すように、流量算出画面300は、電気伝導度表示部301と、pH表示部302と、水温表示部303と、塩水投入量表示部304と、電気伝導度表示部305と、ファイル読み込みボタン306と、センサ読み込みボタン307と、電気伝導度測定結果表示部308と、グラフ表示部309と、計算対象区間表示部310と、計算対象区間表示部311と、流量計算ボタン312と、算出結果表示部313と、変換ボタン314と、保存ボタン315と、を含む。
【0064】
電気伝導度表示部301には、河川の観測地点の塩分希釈法測定を開始する前の電気伝導度(μS/cm)が表示される。電気伝導度表示部301に表示される電気伝導度の単位は、
図7に示した設定画面200で設定した単位と同じである。
図9に示す例では、電気伝導度表示部301には、「0.43」と表示されている。
【0065】
pH表示部302は、河川の観測地点のpHが表示される。なお、pH表示部302には、pHが表示されていなくてもよい。
図9に示す例では、pH表示部302には、「7」と表示されている。
【0066】
水温表示部303には、河川の観測地点の水温が表示される。なお、水温表示部303には、水温が表示されなくてもよい。
図9に示す例では、水温表示部303には、「15」と表示されている。
【0067】
塩水投入量表示部304には、河川に投入した塩水量(L)が表示される。
図9に示す例では、塩水投入量表示部304には、「0.5」と表示されている。
【0068】
電気伝導度表示部305には、河川に投入する塩水の電気伝導度(μS/cm)が表示される。電気伝導度表示部305に表示される電気伝導度の単位は、
図7に示した設定画面200で設定した単位と同じである。電気伝導度表示部305には、「2.43」と表示されている。
【0069】
ファイル読み込みボタン306は、記憶部28に記憶された電気伝導度リスト28Bから今回の観測地点に対応する観測地点において、直近に測定された電気伝導度を示す情報を取得部42に取得させるボタンである。
【0070】
センサ読み込みボタン307は、通信部30を介して、センサ12による電気伝導の測定結果を、取得部42にセンサ12から取得させるボタンである。
【0071】
取得部42は、塩水投入後の河川の観測地点の電気伝導度を示す電気伝導度情報を取得する(ステップS36)。
図10は、第1実施形態に係る塩水投入後の河川の観測地点の電気伝導度を取得する方法を説明するための図である。
図10に示すように、ユーザUは、河川Rの観測地点において容器60に入った塩水を河川Rに投入する。ユーザUの下流には、センサ12が設置されている。センサ12は、常時または所定の間隔で河川Rの電気伝導度を測定する。センサ12は、ユーザUが投入した塩水の全てがセンサ12を設置した位置を通過するまでの間、河川Rの電気伝導度の測定を継続する。取得部42は、センサ12が河川Rの電気伝導度の測定を継続している間は、通信部30を介して、センサ12から河川Rの電気伝導度を示す電気伝導度情報を取得する。
【0072】
制御部32は、塩水投入後の河川の観測地点の電気伝導度の測定が終了したか否かを判定する(ステップS38)。塩水投入後の河川の観測地点の電気伝導度の測定が終了したと判定された場合(ステップS38;Yes)、ステップS40に進む。塩水投入後の河川の観測地点の電気伝導度の測定が終了したと判定されない場合(ステップS38;No)、ステップS36に戻る。
【0073】
ステップS34でYesと判定された場合、算出部44は、河川の観測地点の流量を算出する(ステップS40)。
図9に示すように、電気伝導度測定結果表示部308は、河川の観測地点に塩水を投入する前から塩水を投入し観測地点を塩水が通過するまでの電気伝導度の測定結果が表示される。電気伝導度測定結果表示部308には、ファイル読み込みボタン306が押下された場合には、電気伝導度リスト28Bに記憶された情報が表示される。電気伝導度測定結果表示部308には、センサ読み込みボタン307が押下された場合には、センサ12による今回の測定結果が表示される。電気伝導度測定結果表示部308は、「カウント」と、「秒数」と、「電気伝導度(μS/cm)」といった項目を含む。
【0074】
「カウント」は、1つの調査における電気伝導度の測定回数を示す情報である。「秒数」は、1つの調査を開始してから電気伝導度を測定したときの経過時間を示す情報である。「電気伝導度(μS/cm)」は、電気伝導度の測定結果を示す。電気伝導度測定結果表示部308の1つの例では、秒数「0」のときにカウント「1」の測定が行われ、電気伝導度の測定結果は「0.550」であることを示す。すなわち、電気伝導度測定結果表示部308には、塩水を投入する前から塩水を投入した後の河川の電気伝導度が所定時間間隔ごとに表示される。
【0075】
グラフ表示部309には、電気伝導度の測定結果のグラフが表示される。グラフは、横軸が時間(秒)を示し、縦軸が電気伝導度(mS/cm)を示す。出力制御部46は、電気伝導度の測定結果に基づいて、グラフ表示部309にグラフを表示させる。グラフ表示部309に示すグラフは、電気伝導度の時間変化を示す。
【0076】
計算対象区間表示部310には、河川の観測地点の流量を算出するために使用する、「カウント」の開始値が表示される。計算対象区間表示部311には、河川の観測地点の流量を算出するために使用する、「カウント」の終了値が表示される。ユーザは、計算対象区間表示部310または計算対象区間表示部311を押下することで、「カウント」の開始値または終了値を任意に入力することができる。なお、ユーザは、「カウント」の開始値を「カウント」の終了値よりも小さい値を入力するようにする。
図9に示す例では、計算対象区間表示部310には「1」と表示され、計算対象区間表示部311には「60」と表示されている。
【0077】
ユーザは、計算対象区間表示部310および計算対象区間表示部311に「カウント」の値が入力された状態で、流量計算ボタン312を押下することで、流量算出装置10に計算対象区間における河川の流量を算出させることができる。具体的には、流量計算ボタン312が押下されると、算出部44は、設定された計算対象区間の電気伝導度の変化に基づいて、計算対象区間における河川の流量を算出する。
【0078】
算出結果表示部313には、算出部44が算出した流量の算出結果が表示される。
図10に示す例では、算出結果表示部313には、0.143(L/min(リットル毎分))と表示されている。ユーザは、変換ボタン314を押下することで、流量の算出結果の単位を(L/sec(リットル毎秒))または(m
3/min(リッポウメートル毎分))に変換することができる。
【0079】
ユーザは、保存ボタン315を押下することで、今回の調査における電気伝導度の測定結果を記憶部28に記憶させることができる。
【0080】
図9に示すように、流量算出画面300には、電気伝導度の測定結果を示す電気伝導度測定結果表示部308と、電気伝導度の時間変化を示すグラフ表示部309と、流量の算出結果を示す算出結果表示部313とが同時に表示される。そのため、ユーザは、流量算出画面300を視認することで、電気伝導度と流量の算出結果とを同時に把握することができる。
【0081】
制御部32は、今回の流量の算出に使用した各種の測定データの最大値または最小値が更新されたか否かを判定する(ステップS42)。具体的には、制御部32は、今回の流量の算出に使用した各種の測定データと、所定期間(例えば、1カ月)の間に観測地点ごとに流量の算出に使用された各種の測定データとを比較し、測定データの最大値または最小値が更新されたか否かを判定する。各種の測定データの最大値または最小値が更新されたと判定された場合(ステップS38;Yes)、ステップS40に進む。各種の測定データが更新されたと判定されない場合(ステップS38;No)、
図6の処理を終了する。
【0082】
ステップS42でYesと判定された場合、出力制御部46は、表示部24に更新された測定データを示す確認画面を表示させる(ステップS44)。
図11は、第1実施形態に係る更新された測定データの確認画面の一例を示す図である。
図11に示すように、測定データ確認画面400は、測定結果表示部401と、リスト表示部402とを含む。
【0083】
測定結果表示部401には、今回の調査における各種の測定データが表示される。測定結果表示部401は、「流量(L/min)」、「最大Ec(mS/m)」、「最小Ec(mS/m)」、「pH」、「水温(℃)」といった項目を含む。なお、最大Ecおよび最小Ecは、それぞれ、最大電気伝導度および最小電気伝導度を意味する。
【0084】
リスト表示部402には、所定期間(例えば、1カ月)内に行われた調査における各種の測定データが表示される。リスト表示部402は、「流量(L/min)」、「最大Ec(mS/m)」、「最小Ec(mS/m)」、「pH」、「水温(℃)」といった項目を含む。
【0085】
リスト表示部402において、最大値または最小値を更新した測定データは強調表示される。リスト表示部402は、最大値または最小値を更新した測定データとして、流量測定データ403と、pH測定データ404と、水温測定データ405と、を含む。
【0086】
流量測定データ403は、今回の調査において、流量(L/min)の算出結果が最小値を更新したことを示す。流量測定データ403は、「1.264」である。最小値を更新したデータは、例えば、青字で表示される。
【0087】
pH測定データ404は、今回の調査において、pHの測定結果が最大値を更新したことを示す。pH測定データ404は、「5」である。最大値を更新した測定データは、例えば、赤字で表示される。
【0088】
水温測定データ405は、今回の調査において、水温の測定結果が最大値を更新したことを示す。水温測定データ405は、「20」である。
【0089】
最小値更新確認ボタン406は、今回の調査において、測定データの最小値が更新された場合にのみ、表示されるボタンである。ユーザは、最小値更新確認ボタン406を押下することで、最小値が更新された測定データのみを示す最小値更新確認画面を表示させることができる。具体的には、最小値更新確認ボタン406が押下されると、出力制御部46は、最小値更新確認画面を表示部24に表示させる。
図12は、第1実施形態に係る最小値確認更新画面の一例を示す図である。
図12に示すように、最小値更新確認画面500は、最小値更新データリスト表示部501を含む。
【0090】
ユーザは、測定データ確認画面400を視認することで、更新されたデータを容易に把握することができる。
【0091】
最小値更新データリスト表示部501には、最小値を更新した測定データが表示される。最小値更新データリスト表示部501は、最小値更新測定データ502を含む。
【0092】
最小値更新測定データ502は、今回の調査において、流量(L/min)の算出結果が最小値を更新したことを示す。最小値更新測定データ502は、「2.015」である。最小値更新測定データは、例えば、青字で表示される。
【0093】
ユーザは、最小値更新確認画面500を視認することで、今回の調査において、最小値が更新された測定データのみを容易に認識することができる。
【0094】
出力制御部46が測定データ確認画面400および最小値更新確認画面500を表示すると
図6の処理を終了する。
【0095】
上述のとおり、第1実施形態は、入力された各種の測定データに基づいて、塩分希釈法により河川の観測地点の河川の流量を自動で算出することができる。これにより、第1実施形態は、利便性を向上させ、かつ容易に河川の流量を算出することができる。
【0096】
[第2実施形態]
[断面流速法モード]
第2実施形態に係る断面流速法モードについて説明する。断面流速法モードは、河川の幅を任意の数に分割し、分割した領域の断面ごとの流速を測定し、流速と断面積の合計から流量を算出するモードである。
【0097】
(流量算出処理)
図13を用いて、第2実施形態に係る断面流速法による河川の流量算出処理について説明する。
図13は、第2実施形態に係る断面流速法による河川の流量算出処理を示すフローチャートである。
【0098】
出力制御部46は、断面流速法により河川の流量を算出するための設定画面を表示部24に表示させる(ステップS50)。
図14は、第2実施形態に係る断面流速法の設定画面の一例を示す図である。
図14に示すように、設定画面600は、業務名表示部601と、観測地点名表示部602と、観測日時表示部603と、観測者表示部604と、観測方法表示部605と、測定開始位置表示部606と、測定終了位置表示部607と、分割数表示部608と、pH表示部609と、水温表示部610と、濁度表示部611と、測定開始ボタン612と、を含む。出力制御部46は、
図4に示す例において、ユーザが断面流速法ボタン106を押下した場合に、設定画面600を表示部24に表示させる。
【0099】
業務名表示部601から観測方法表示部605に表示される情報は、それぞれ、
図7に示す業務名表示部201から観測方法表示部205に表示される情報と同じなので、説明を省略する。ただし、観測方法表示部605には、「断面流速法測定」と表示される。
【0100】
測定開始位置表示部606には、観測地点の河川の川幅を測定する開始位置の位置情報が表示される。測定終了位置表示部607には、観測地点の河川の川幅を測定する終了位置が表示される。ユーザは、測定開始位置表示部606または測定終了位置表示部607を押下することで、河川の川幅を測定する開始位置または終了位置を入力することができる。
図14に示す例では、測定開始位置表示部606および測定終了位置表示部607には、それぞれ、巻き尺で河川の川幅を測定する開始位置および終了位置が表示される。
図14に示す例では、測定開始位置表示部606には「0.2」と表示され、測定終了位置表示部607には「3.32」と表示されている。なお、河川の川幅を測定する器具は、巻き尺に限定されない。
【0101】
分割数表示部608には、川幅の分割数が表示される。ユーザは、分割数表示部608を押下することで、分割数を入力することができる。
図14に示す例では、分割数表示部608には、「3」と表示されている。
【0102】
pH表示部609および水温表示部610に表示される情報は、それぞれ、
図7に示すpH表示部207および水温表示部208に表示される情報と同じなので、説明を省略する。
【0103】
濁度表示部611には、河川の観測地点の濁度が表示される。なお、濁度表示部611には、濁度が表示されなくてもよい。
図14に示す例では、濁度表示部611には、「20」と表示されている。
【0104】
ユーザは、各項目の入力が終わった後、測定開始ボタン612を押下することで、断面流速法による河川の流量の算出処理を流量算出装置10に実行させることができる。
【0105】
再び
図13を参照する。ステップS52からステップS56の処理は、それぞれ、
図6に示すステップS22からステップS26の処理と同じなので、説明を省略する。
【0106】
取得部42は、観測地点の河川の川幅情報を取得する(ステップS58)。具体的には、取得部42は、ユーザが入力部20に入力した河川の川幅の測定を開始する位置情報と、川幅の測定を終了する位置情報とを川幅情報として取得する。
【0107】
取得部42は、観測地点の河川の流速を断面流速法により算出するために河川を分割する分割数を示す分割数情報を取得する(ステップS60)。具体的には、取得部42は、ユーザが入力部20に入力した河川の分割数を分割数情報として取得する。
【0108】
制御部32は、
図13に示す測定開始ボタン612が押下されたか否かを判定する(ステップS62)。測定開始ボタン612が押下されたと判定された場合(ステップS62;Yes)、ステップS64に進む。測定開始ボタン612が押下されたと判定されない場合(ステップS62;No)、ステップS62の処理を繰り返す。
【0109】
ステップS62でYesと判定された場合、出力制御部46は、表示部24に、流量算出画面を表示させる(ステップS64)。
図15は、第2実施形態に係る流量算出画面の一例を示す図である。
図15に示すように、流量算出画面700は、断面幅表示部701と、分割数表示部702と、深さ情報表示部703と、単位変更スイッチ704と、河川情報表示部705と、流速情報表示部706と、流量計算ボタン707と、算出結果表示部708と、変換ボタン709と、保存ボタン710と、を含む。
【0110】
断面幅表示部701には、観測地点の河川の川幅(m)が表示される。具体的には、断面幅表示部701には、
図14に示す測定終了位置表示部607に表示された数値から測定開始位置表示部606に表示された数字を減算した数値が断面幅として表示される。
図15に示す例では、断面幅表示部701には、「3.12」と表示されている。
【0111】
分割数表示部702には、観測地点の河川の川幅の分割数が表示される。具体的には、分割数表示部702には、
図14に示す分割数表示部608に表示された数値が表示される。
図15に示す例では、分割数表示部702には、「3」と表示されている。
【0112】
再び
図13を参照する。取得部42は、河川の観測地点の水深に関する深さ情報を取得する(ステップS66)。
図15に示す、深さ情報表示部703には、観測地点の河川の水深に関する深さ情報が表示される。深さ情報表示部703は、「カウント」と、「深さ計測地点(m)」と、「深さ(cm)」といった項目を含む。
【0113】
「カウント」は、1つの調査における深さの計測地点および深さの測定回数を示す情報である。「深さ計測地点(m)」は、河川の深さを計測した観測地点の位置を示す情報である。「深さ(cm)」は、観測地点の水深を示す情報である。深さ情報表示部703の1つの例では、カウント「1」のとき「0.200m」の位置で深さの計測が行われ、深さ「65cm」であることを示す。
【0114】
ユーザは、例えば、「深さ計測地点(m)」または「深さ(cm)」の欄を押下することで、「深さ計測地点(m)」または「深さ(cm)」を入力することができる。すなわち、取得部42は、ユーザが「深さ(cm)」の欄に入力した情報を、河川の深さ情報として取得する。ユーザは、単位変更スイッチ704を左に移動させたり、右に移動させたりすることにより、深さの単位を(cm)と(m)とを切り替えることができる。なお、取得部42は、例えば、通信部30を介して、河川の深さを測定した深さセンサなどから深さの測定結果を深さ情報として取得してもよい。また、取得部42は、例えば、位置センサなどから「深さ計測地点(m)」の位置を示す情報を取得してもよい。
【0115】
再び
図13を参照する。出力制御部46は、深さに関するグラフを描画する(ステップS68)。
図15に示す、河川情報表示部705には、観測地点の河川の深さを示すグラフと、河川の分割数と、流速の測定地点に関する情報などが表示される。出力制御部46は、ステップS66で取得した深さ情報に基づいて、河川情報表示部705に深さに関する情報をグラフで描画する。河川情報表示部705に描画されるグラフは、横軸が深さの測定地点(m)を示し、縦軸が深さ(cm)を示す。ユーザは、例えば、河川情報表示部705に2本の指を接触させた状態でピンチアウト操作またはピンチイン操作をすることで、河川情報表示部705に表示されたグラフを拡大または縮小させることができる。
【0116】
再び
図13を参照する。取得部42は、河川の観測地点の流速情報を取得する(ステップS70)。
図15に示す、流速情報表示部706には、観測地点の河川の流速に関する流速情報が表示される。流速情報表示部706は、「流速計測地点(m)」および「流速(m/s)」といった項目を含む。
【0117】
「流速計測地点(m)」は、河川の流速を計測した観測地点の位置を示す情報である。「流速(m/s)」は、観測地点の河川の流速を示す情報である。流速情報表示部706の1つの例は、「0.720m」の地点の流速が、「0.72m/s」であることを示す。また、流速情報表示部706に表示されたデータのうち、ユーザが必要ないと考えたデータについては、例えば、必要ないデータを押下し右から左にスワイプ操作することで、削除することができる。
【0118】
ユーザは、例えば、「流速計測地点(m)」または「流速(m/s)」の欄を押下することで、「流速計測地点(m)」または「流速(m/s)」を入力することができる。すなわち、取得部42は、ユーザが「流速(m/s)」の欄に入力した情報を、河川の流速情報として取得する。このとき、ユーザは、同じ場所で流速を複数回測定した、測定した複数の結果を入力することが好ましい。すなわち、取得部42は、同じ場所の複数の流速の測定結果を取得することが好ましい。なお、取得部42は、例えば、通信部30を介して、河川の流速を測定した流速センサなどから流速の測定結果を流速情報として取得してもよい。また、取得部42は、例えば、位置センサなどから「流速計測地点(m)」の位置を示す情報を取得してもよい。
【0119】
図16は、第2実施形態に係る河川の流速を入力する方法を説明するための図である。
図15に示す、「流速(m/s)」の欄は、例えば、セルごとに入力欄が分かれている。ユーザが、河川の流速を入力するために、「流速(m/s)」の欄のセルを押下すると、出力制御部46は、
図16に示す流速入力画面800を表示部24に表示させる。流速入力画面800は、深さ表示部801と、流速入力部802と、流速リスト表示部803と、流速計算ボタン804と、算出結果表示部805と、を含む。
【0120】
深さ表示部801には、流速を測定する深さ(cm)の情報が表示される。
図16に示す例では、深さ表示部801には、「46.55」と表示されている。
【0121】
流速入力部802には、ユーザが測定した流速(m/s)の測定結果が入力される。ユーザは、例えば、流速入力部802を押下することで、測定した流速を入力することができる。
【0122】
流速リスト表示部803には、ユーザが流速入力部802に入力した流速(m/s)が表示される。
図16に示す例では、流速リスト表示部803には、「0.75」、「0.64」、「0.74」、「0.78」、および「0.68」といった流速の測定結果が表示されている。
【0123】
ユーザは、流速計算ボタン804を押下することで、流速リスト表示部803に表示されている複数の流速の平均値を算出することができる。具体的には、流速計算ボタン804が押下されると、制御部32は、流速リスト表示部803に表示された流速のうち、中央値3つの平均値を算出する。
【0124】
算出結果表示部805には、流速の算出結果が表示される。
図16に示す例では、「0.72」と表示される。算出結果表示部805に表示される情報が、取得部42が取得する情報となる。
【0125】
再び
図13を参照する。算出部44は、河川の観測地点の流量を算出する(ステップS72)。具体的には、算出部44は、
図15に示す、流量計算ボタン707が押下されると、断面幅と深さ情報と流速情報とに基づいて、河川の観測地点の流量を算出する。
【0126】
算出結果表示部708には、算出部44が算出した流量の算出結果が表示される。
図15に示す例では、1.52(m
3/sec)と表示されている。ユーザは、変換ボタン709を押下することで、流量の算出結果の単位を(m
3/min)に変換することができる。
【0127】
ユーザは、保存ボタン710を押下することで、今回の調査における流量の算出結果を記憶部28に記憶させることができる。
【0128】
再び
図13を参照する。ステップS74およびステップS76の処理は、
図6に示すステップS42およびステップS44の処理と同じなので、説明を省略する。
【0129】
上述のとおり、第2実施形態は、入力された各種の測定データに基づいて、断面流速法により河川の観測地点の河川の流量を自動で算出することができる。これにより、第2実施形態は、利便性を向上させ、かつ容易に河川の流量を算出することができる。
【0130】
[第3実施形態]
[容器法モード]
第3実施形態に係る容器法モードについて説明する。容器法モードは、特定の容器を河川に投入し、容器に入った水の量に基づいて流量を算出するモードである。
【0131】
(流量算出処理)
図17を用いて、第3実施形態に係る容器法による河川の流量算出処理について説明する。
図17は、第3実施形態に係る容器法による河川の流量算出処理を示すフローチャートである。
【0132】
出力制御部46は、容器法により河川の流量を算出するための設定画面を表示部24に表示させる(ステップS90)。
図18は、第3実施形態に係る容器法の設定画面の一例を示す図である。
図18に示すように、設定画面900は、業務名表示部901と、観測地点名表示部902と、観測日時表示部903と、観測者表示部904と、観測方法表示部905と、pH表示部906と、水温表示部907と、時間計測方法選択スイッチ908と、測定開始ボタン909と、を含む。出力制御部46は、
図4に示す例において、ユーザが容器法ボタン107を押下した場合に、設定画面900を表示部24に表示させる。
【0133】
業務名表示部901から観測方法表示部905に表示される情報は、それぞれ、
図7に示す業務名表示部201から観測方法表示部205に表示される情報と同じなので、説明を省略する。ただし、観測方法表示部905には、「容器法測定」と表示される。
【0134】
pH表示部906には、河川の観測地点のpHが表示される。なお、pH表示部906には、pHが表示されていなくてもよい。
図18に示す例では、pH表示部906には、「6」と表示されている。
【0135】
水温表示部907には、河川の観測地点の水温が表示される。なお、水温表示部907には、水温が表示されなくてもよい。
図18に示す例では、水温表示部907には、「13」と表示されている。
【0136】
時間計測方法選択スイッチ908は、容器法で流量を測定する際の時間の計測方法を選択するためのスイッチである。ユーザは、時間計測方法選択スイッチ908を右に移動させることで、音声認識と手動とに対応する音声認識モードに設定することができる。ユーザは、時間計測方法選択スイッチ908を左に移動させることで、手動のみに対応する手動モードに設定することができる。
【0137】
ユーザは、各項目の入力が終わった後、測定開始ボタン909を押下することで、容器法による河川の流量の算出処理を流量算出装置10に実行させることができる。
【0138】
再び
図17を参照する。ステップS92からステップS96の処理は、それぞれ、
図6に示すステップS22からステップS26の処理と同じなので、説明を省略する。
【0139】
取得部42は、時間計測方法情報を取得する(ステップS98)。具体的には、取得部42は、ユーザが時間計測方法選択スイッチ908で選択した時間計測方法を、時間計測方法情報として取得する。
【0140】
制御部32は、
図18に示す測定開始ボタン909が押下されたか否かを判定する(ステップS100)。測定開始ボタン909が押下されたと判定された場合(ステップS100;Yes)、ステップS102に進む。測定開始ボタン909が押下されたと判定されない場合(ステップS100;No)、ステップS100の処理を繰り返す。
【0141】
ステップS100でYesと判定された場合、出力制御部46は、表示部24に、流量算出画面を表示させる(ステップS102)。
図19は、第3実施形態に係る流量算出画面の一例を示す図である。
図19に示すように、流量算出画面1000は、時間測定部1010と、測定量表示部1020と、流量計算ボタン1030と、流量リスト表示部1040と、平均流量計算ボタン1050と、測定継続ボタン1060と、保存ボタン1070と、を含む。
【0142】
制御部32は、河川の観測地点に水を入れる容器を投入後、タイマが開始されたか否かを判定する(ステップS104)。
図19に示すように。時間測定部1010は、スタートボタン1011と、ストップボタン1012と、タイマ部1013と、リセットボタン1014と、を含む。ユーザは、スタートボタン1011を押下することで、タイマ部1013による時間計測を開始させることができる。ユーザは、ストップボタン1012を押下することで、タイマ部1013による時間計測を停止させることができる。タイマ部1013は、スタートボタン1011が押下されてからストップボタン1012が押下されるまでの経過時間を表示する。ユーザはリセットボタン1014を押下することで、タイマ部1013に表示された時間をリセットすることができる。制御部32は、スタートボタン1011が押下された場合に、タイマが開始されたと判定する。制御部32は、時間計測方法が音声認識モードである場合には、音声入力部22にタイマを開始させるための音声やホイッスルなどの音が入力された場合に、タイマが開始されたと判定する。タイマが開始されたと判定された場合(ステップS104;Yes)、ステップS106に進む。タイマが開始されたと判定されない場合(ステップS104;No)、ステップS104の処理を繰り返す。
【0143】
ステップS104でYesと判定された場合、制御部32は、タイマが終了したか否かを判定する(ステップS106)。制御部32は、例えば、ストップボタン1012が押下された場合に、タイマが終了したと判定する。制御部32は、時間計測方法が音声認識モードである場合には、音声入力部22にタイマを終了させるための音声やホイッスルなどの音が入力された場合に、タイマが終了したと判定する。ユーザは、例えば、河川に投入した容器を河川から取り出したタイミングで、タイマを終了させる。タイマが終了したと判定された場合(ステップS106;Yes)、ステップS108に進む。タイマが終了したと判定されない場合(ステップS106;No)、ステップS106の処理を繰り返す。
【0144】
ステップS106でYesと判定された場合、取得部42は、タイマが開始してからタイマが終了するまでの経過時間を示す経過時間情報を取得する(ステップS108)。具体的には、取得部42は、タイマ部1013に表示された時間を経過時間情報として取得する。
【0145】
取得部42、容器の水の量を示す水量情報を取得する(ステップS110)。具体的には、ユーザは、タイマの終了後、河川に投入した容器を取り出して容器の水の量を測定し、測定量表示部1020に入力する。ユーザは、測定量表示部1020を押下することで、測定した水の量を入力することができる。
図19に示す例では、測定量表示部1020には、「3」と表示されている。取得部42は、測定量表示部1020に入力された水の量を水量情報として取得する。
【0146】
算出部44は、河川の観測地点の流量(L/min)を算出する(ステップS112)。具体的には、算出部44は、
図19に示す、流量計算ボタン1030が押下されると、時間情報と水量情報とに基づいて、河川の観測地点の流量を算出する。算出部44が算出した流量は、流量リスト表示部1040に表示される。
【0147】
制御部32は、河川の同じ観測地点で河川の流量を複数回算出したか否かを判定する(ステップS114)。同じ観測地点で河川の流量を複数回算出した場合には、各算出結果が、流量リスト表示部1040に表示される。
図19に示す例では、流量リスト表示部1040には、「44.433」、「58.804」、「35.764」が表示されている。なお、流量リスト表示部1040に表示されたデータのうち、ユーザが必要ないと考えたデータについては、例えば、必要ないデータを押下し右から左にスワイプ操作することで、削除することができる。河川の流量を複数回算出したと判定された場合(ステップS114;Yes)、ステップS116に進む。河川の流量を複数回算出したと判定されない場合(ステップS114;No)、ステップS118に進む。
【0148】
ステップS114でYesと判定された場合、算出部44は河川の観測地点の流量の合計値および平均値を算出する(ステップS116)。具体的には、算出部44は、
図19に示す平均流量計算ボタン1050が押下されると、河川の観測地点の流量の合計値および平均値(L/min)を算出する。河川の観測地点の流量の合計値(L/min)は、合計値表示部1051に表示される。河川の観測地点の流量の平均値は、平均値表示部1052に表示される。
図19に示す例では、合計値表示部1051には「139.001」と表示され、平均値表示部1052には「46.334」と表示されている。なお、河川の総流量表示部1053には、同一の河川の複数の観測地点における流量の平均値の和が表示される。例えば、ある観測地点で流量の平均値を算出した後、次の観測地点に向かう場合に、ユーザは、測定継続ボタン1060を押下する。測定継続ボタン1060が押下された場合に、算出した流量の平均値が河川の総流量として加算され、総流量(L/min)が総流量表示部1053に表示される。総流量表示部1053には、「32.998」と表示されている。
【0149】
ステップS118およびステップS120の処理は、
図6に示すステップS42およびステップS44の処理と同じなので、説明を省略する。
【0150】
上述のとおり、第3実施形態は、入力された各種の測定データに基づいて、容器法により河川の観測地点の河川の流量を自動で算出することができる。これにより、第3実施形態は、利便性を向上させ、かつ容易に河川の流量を算出することができる。
【0151】
また、第3実施形態では、河川に容器を投入してから、容器を河川から引き上げるまでの時間を計測する際に、タイマの開始と停止とを音声認識により行うことができる。第3実施形態では、タイマの開始と停止とを音声認識により行うことで、時間を計測する際に発生するタイムラグを小さくすることができる。
【0152】
[第4実施形態]
図20を用いて、第4実施形態に係る流量算出装置について説明する。
図20は、第4実施形態に係る流量算出装置の構成例を示すブロック図である。
【0153】
図20に示すように、流量算出装置10Aは、制御部32Aが解析部48を備える点で、
図2に示す流量算出装置10と異なる。
【0154】
解析部48は、河川の流量の算出結果を比較する。解析部48は、例えば、ある河川の流量の過去の算出結果と、その河川において新たに算出された流量の算出結果とを比較する。比較対象となる過去の算出結果は、1つであってもよいし、複数であってもよい。過去の算出結果が複数である場合には、例えば、1週間、1カ月、半年、1年などの所定期間ごとの算出結果であってよい。
【0155】
第4実施形態では、出力制御部46は、解析部48による比較結果を表示部24に表示させる。これにより、ユーザは、表示部24に表示された比較結果を視認することで、河川の流量の変化を容易に把握することができる。具体的には、ユーザは、表示部24に表示された比較結果を視認することで、新たな算出結果が過去に比べて所定以上小さくなったなどの異常値を確認することができる。出力制御部46は、例えば、新たな算出結果が過去に比べて所定以上小さくなった場合には、表示部24を制御して、新たな算出結果が異常値であることを示すアラートを表示してもよい。
【0156】
(処理内容)
図21を用いて、第4実施形態に係る流量算出装置の処理内容について説明する。
図21は、第4実施形態に係る流量算出装置の処理内容を示すフローチャートである。
【0157】
算出部44は、河川の観測地点の流量を算出する(ステップS200)。具体的には、算出部44は、塩分希釈法、断面流速法、および容器法のいずれかの方法で流量を算出すればよい。
【0158】
解析部48は、河川の流量の過去の算出結果を取得する(ステップS202)。具体的には、解析部48は、ステップS200で流量を算出した観測地点と同一の観測地点において、過去に算出した流量の算出結果を記憶部28から取得する。
【0159】
解析部48は、河川の流量の過去の算出結果と、ステップS200で新たに算出された河川の流量の算出結果とを比較する(ステップS204)。
【0160】
出力制御部46は、解析部48による河川の流量の過去の算出結果と、ステップS200で新たに算出された河川の流量の比較結果を出力する(ステップS206)。例えば、出力制御部46は、解析部48による河川の流量の過去の算出結果と、ステップS200で新たに算出された河川の流量の比較結果を表示部24に表示させる。出力制御部46は、例えば、過去の算出結果と新たに算出された算出結果とを並べて数値で表示させてもよい。出力制御部46は、例えば、過去の算出結果と新たに算出された算出結果とを含む表を表示させてもよい。出力制御部46は、例えば、過去から最新までの流量の算出結果の変化をグラフで表示させてもよい。
【0161】
上述のとおり、第4実施形態は、河川の過去の流量の算出結果と、新たに算出された流量の算出結果とを比較し、比較結果を出力する。これにより、ユーザは、河川の流量の変化および流量の異常値を適切に把握することができる。
【0162】
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の付加や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0163】
以上、本開示の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本開示が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0164】
1 流量算出システム
10 流量算出装置
12 センサ
20 入力部
22 音声入力部
24 表示部
26 音声出力部
28 記憶部
30 通信部
32 制御部
40 設定部
42 取得部
44 算出部
46 出力制御部
48 解析部