(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169203
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】3次元データ生成装置及び描画装置
(51)【国際特許分類】
G06T 17/20 20060101AFI20241128BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20241128BHJP
G06V 10/70 20220101ALI20241128BHJP
【FI】
G06T17/20
G06T7/00 350B
G06V10/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086469
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北川 巧
【テーマコード(参考)】
5B080
5L096
【Fターム(参考)】
5B080AA14
5B080AA18
5B080BA02
5B080FA02
5B080GA00
5L096AA02
5L096AA09
5L096EA39
5L096FA15
5L096FA32
5L096FA66
5L096GA51
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】物体から生成される3次元データに物体の光学特性を表現するデータを付加することができる3次元データ生成装置を提供する。
【解決手段】点群情報生成部212は、学習モデルM1を用いて、合成点群PGCに属する各点の3次元座標を含む点群情報を生成する。色情報生成部213は、学習モデルM1を用いて、合成点群PGCに属する各点を複数の視点から観測したときの各点における複数の視点に対応する各色を示す色情報を生成する。出力部214は、点群情報及び色情報を、物体OBの3次元の形状及び色を示す3次元データとして出力する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体を含む3次元空間における色及び密度に関するベクトル場である輝度場を学習済みの学習モデルを用いて、前記物体の表面に位置する複数の点の集合である第1点群に属する各点の3次元座標を含む点群情報を生成する点群情報生成部と、
前記学習モデルを用いて、前記第1点群に属する前記各点を複数の視点から観測したときの前記各点における前記複数の視点に対応する各色を示す色情報を生成する色情報生成部と、
前記点群情報及び前記色情報を、前記物体の3次元の形状及び色を示す3次元データとして出力する出力部と、
を備える3次元データ生成装置。
【請求項2】
前記色情報生成部は、前記複数の視点のそれぞれから前記物体を観測したときの前記物体の前記表面に位置する複数の点の集合である第2点群に属する各点のうち、前記第1点群に属する各点との距離が所定距離以内の点において観測される色に基づいて、前記色情報を生成する、
請求項1に記載の3次元データ生成装置。
【請求項3】
前記色情報生成部は、前記第2点群に属する各点のうち、前記所定距離以内の各点の色を平均化した色を前記第1点群に属する各点における前記色情報として生成する、
請求項2に記載の3次元データ生成装置。
【請求項4】
前記色情報生成部は、前記第2点群に属する各点のうち、前記所定距離以内の各点の色を前記距離に応じて重み付けし、前記重み付けした各点の色を平均化した色を前記第1点群に属する各点における前記色情報として生成する、
請求項2に記載の3次元データ生成装置。
【請求項5】
前記点群情報は、前記学習モデルに一定数以上の視点を入力することにより生成され、
前記点群情報には、前記第1点群に属する各点における平均色情報が含まれ、
前記平均色情報は、前記一定数以上の視点から観測したときの前記各点における色を平均化した色を示す情報であり、
前記色情報生成部は、前記複数の視点のそれぞれから前記物体を観測したときの前記物体の前記表面に位置する複数の点の集合である第2点群に属する各点に、前記第1点群に属する各点との距離が所定距離以内の点が存在しないとき、前記平均色情報を前記色情報として生成する、
請求項1に記載の3次元データ生成装置。
【請求項6】
前記点群情報に基づいて、前記第1点群に対応する複数のメッシュを形成するメッシュ形成部と、
前記色情報に基づいて、前記複数のメッシュのそれぞれの色を決定するメッシュ色決定部と、
をさらに備える請求項1に記載の3次元データ生成装置。
【請求項7】
物体の表面に位置する複数の点の集合である第1点群に属する各点の3次元座標を含む点群情報と、前記各点を複数の視点から観測した場合に、前記各点における前記複数の視点に対応する各色を示す色情報と各視点の位置との組とを含む3次元データを取得する第1取得部と、
仮想空間上のユーザの視点の位置を示す視点情報及び前記物体に対応する仮想オブジェクトが前記仮想空間上に位置する第1座標を示す座標情報を取得する第2取得部と、
前記3次元データ、前記視点情報、及び前記座標情報に基づいて、前記仮想空間上の前記第1座標に前記仮想オブジェクトを描画する描画部と、
を備える描画装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元データ生成装置及び描画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、複数の視点から撮影された参照物体の多視点画像に基づいて、参照物体の3次元点群を抽出し、抽出された参照物体の3次元点群の法線を導出し、3次元点群と3次元点群の法線とに基づいて、陰影情報を導出する技術を開示している。参照物体の多視点画像に基づいて、参照物体の3次元データを取り込む技術としては、フォトグラメトリ及びLiDAR(Light Detection and Ranging)センサを用いた計測が知られている。上記技術では、対象物の光沢感、透明感等の光学特性が正しく認識されないことがある。
【0003】
一方、近年のNeRF(Neural Radiance Fields)技術によれば、対象物を様々な角度から撮影して得られた複数の画像に基づいて学習された学習モデルを作成し、作成された学習モデルに視点の位置及び視線の方向を入力することにより、当該視点から見た対象物の画像が推定される。これによれば、任意の視点から見た2次元画像を、視点を変えながら連続的に描画することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Ben Mildenhall, Pratul P. Srinivasan, Matthew Tancik, Jonathan T. Barron, Ravi Ramamoorthi, Ren Ng, "NeRF: Representing Scenes as Neural Radiance Fields for View Synthesis", arXiv:2003.08934, 2020 (https://arxiv.org/abs/2003.08934).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
NeRF技術により得られた学習モデルから3次元データを生成する場合、対象物表面の各点の色は、様々な角度から撮影して得られた複数の画像のそれぞれにおける各点に対応する点の色同士の平均として得られる。これにより、対象物表面の各点の色を示す情報には、視線の方向に関する情報は失われる。そのため、NeRF技術を用いた描画には、対象物の光学特性は反映されるが、上記学習モデルから3次元データを生成する際には、対象物の光学特性に関する情報は損なわれてしまうという課題があった。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するために為されたものであり、NeRF技術を用いて取得した光学特性を含むデータに基づいて、生成された対象物の3次元データに対象物の光学特性を表現するデータを付加することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の好適な態様に係る3次元データ生成装置は、物体を含む3次元空間における色及び密度に関するベクトル場である輝度場を学習済みの学習モデルを用いて、前記物体の表面に位置する複数の点の集合である点群に属する各点の3次元座標を含む点群情報を生成する点群情報生成部と、前記学習モデルを用いて、前記点群に属する前記各点を複数の視点から観測したときの前記各点における前記複数の視点に対応する各色を示す色情報を生成する色情報生成部と、前記点群情報及び前記色情報を、前記物体の3次元の形状及び色を示す3次元データとして出力する出力部と、を備える。
【0009】
本発明の好適な態様における仮想オブジェクトの描画装置は、物体の表面に位置する複数の点の集合である点群に属する各点の3次元座標を含む点群情報と、前記各点を複数の視点から観測した場合に、前記各点における前記複数の視点に対応する各色を示す色情報と各視点の位置との組を含む3次元データを取得する第1取得部と、仮想空間上のユーザの視点の位置を示す視点情報及び前記物体に対応する仮想オブジェクトが前記仮想空間上に位置する第1座標を示す座標情報を取得する第2取得部と、前記3次元データと前記視点情報及び前記座標情報に基づいて、前記仮想空間上の前記第1座標に前記仮想オブジェクトを描画する描画部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る3次元データ生成装置によれば、NeRF技術を用いて取得した光学特性を含むデータに基づいて、物体から生成される3次元データに物体の光学特性を表現するデータを付加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る3次元データ生成装置及び描画装置を含む情報処理システムの全体構成を示す図である。
【
図2】
図1の機械学習装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】機械学習装置に対する教師データの取得方法の一例を示す図である。
【
図4】NeRFの輝度場を学習するためのニューラルネットワークのアーキテクチャを示す図である。
【
図5】
図1の3次元データ生成装置の構成例を示すブロック図である。
【
図7】物体上方の視点から物体を観測したときの視点毎の点群を示す図である。
【
図8】物体下方の視点から物体を観測したときの視点毎の点群を示す図である。
【
図9】物体右方の視点から物体を観測したときの視点毎の点群を示す図である。
【
図10】物体左方の視点から物体を観測したときの視点毎の点群を示す図である。
【
図11】物体の合成点群の一例を示す模式図である。
【
図12】物体の合成点群の1つの点及び視点毎の点群の一例を示す模式図である。
【
図13】物体の合成点群の1つの点及び視点毎の点群の別の例を示す模式図である。
【
図14】出力部が出力する3次元データの一例を示す図である。
【
図15】
図14の3次元データ中の点の物体上における位置を示した図である。
【
図16】
図1の描画装置の構成例を示すブロック図である。
【
図17】
図1のサーバの構成例を示すブロック図である。
【
図18】
図5の処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図19】
図18のステップS11に対応するサブルーチンの動作を示すフローチャートである。
【
図20】
図18のステップS12に対応するサブルーチンの動作を示すフローチャートである。
【
図21】
図11の処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図22】第2実施形態に係る情報処理システムの全体構成を示す図である。
【
図23】第2実施形態に係る3次元データ生成装置の構成例を示すブロック図である。
【
図24】メッシュ形成部によるメッシュの形成方法を説明するための図である。
【
図25】物体の合成点群の1つの点及び視点毎の点群の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.第1実施形態
以下、
図1~
図21を参照することにより、本発明の第1実施形態に係る3次元データ生成装置及び描画装置の構成について説明する。
【0013】
1.1.第1実施形態の構成
1.1.1.全体構成
図1は、第1実施形態に係る3次元データ生成装置及び描画装置を含む情報処理システムの全体構成を示す図である。
【0014】
情報処理システム1は、機械学習装置10、3次元データ生成装置20、描画装置30、外部装置としてのサーバ40、及び通信網NETを備えている。描画装置30は、2つの描画装置30-1及び30-2のうちのいずれか1つを表している。
【0015】
情報処理システム1において、機械学習装置10、3次元データ生成装置20、描画装置30-1、描画装置30-2、サーバ40は、通信網NETを介して互いに通信可能に接続されている。また、なお、
図1において、2つの描画装置30-1及び30-2が例示されているが、当該数はあくまで一例であって、情報処理システム1は、任意の数の描画装置30を備えることが可能である。
【0016】
機械学習装置10において、対象となる物体を含む現実空間を多視点から撮影して得られたデータに基づいて、NeRF技術を用いて、任意の視点から見た現実空間の色及び密度を推定する学習モデルを作成する。3次元データ生成装置20は、機械学習装置10により作成された学習モデルに基づいて、3次元データを生成する。描画装置30は、3次元データ生成装置20により生成された物体の3次元データを用いて、仮想空間上に物体の3次元モデルを描画する。サーバ40は、通信網NETを介して、各種データの保管及び通信網NETに接続されている他の装置へ各種データを提供する。
【0017】
即ち、情報処理システム1は、描画装置30を使用するユーザに対して、仮想空間において描画に用いるための物体の3次元データを提供するシステムである。
【0018】
1.1.2.機械学習装置の構成
図2は、
図1の機械学習装置10の構成例を示すブロック図である。機械学習装置10は、処理装置11、記憶装置12、通信装置13、撮像装置14、ディスプレイ15、及び入力装置16を備えている。機械学習装置10が備えている各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続されている。なお、本明細書における「装置」という用語は、回路、デバイス、ユニット等の他の用語に読み替えてもよい。
【0019】
処理装置11は、機械学習装置10の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成されている。処理装置11は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置、及びレジスタを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)を用いて構成されている。なお、処理装置11が備えている機能の一部又は全部は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現されてもよい。処理装置11は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0020】
記憶装置12は、処理装置11により読み取り及び書き込みが可能な記録媒体である。記憶装置12は、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、及びEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)である。
【0021】
記憶装置12は、処理装置11が実行するための制御プログラムPR1を含む複数のプログラム及び学習モデルM1を記憶している。また、記憶装置12は、教師データ記憶部121を有している。
【0022】
教師データ記憶部121は、教師データを記憶する。教師データは、物体の多視点画像データである。多視点画像データとは、撮像装置14を用いて、物体を物体周囲の様々な方向から撮像した複数の画像データの集合である。学習済みモデル記憶部122は、学習済みモデルを学習モデルM1として記憶する。また、記憶装置12は、処理装置11のワークエリアとして機能する。
【0023】
記憶装置12に記憶された学習モデルM1は、通信網NET又は記録媒体を介して3次元データ生成装置20に提供される。なお、学習モデルM1は、サーバ40、クラウド型コンピュータ等の外部コンピュータに提供されて、外部コンピュータの記憶装置に記憶されてもよい。
【0024】
通信装置13は、他の装置と通信を行うための送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置13は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置13は、有線接続用のコネクタを備え、上記コネクタに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置13は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクタ及びインタフェース回路としては、有線LAN、IEEE1394、USBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては、無線LAN及びBluetooth(登録商標)等に準拠した製品が挙げられる。
【0025】
撮像装置14は、外界を撮像することにより得られた撮像情報を出力する。撮像装置14は、例えば、レンズ、撮像素子、増幅器、及びAD変換器を備えている。レンズを介して集光された光は、撮像素子によってアナログ信号である撮像信号に変換される。増幅器は、撮像信号を増幅したうえでAD変換器に出力する。AD変換器は、アナログ信号である増幅された撮像信号を、デジタル信号である撮像情報に変換する。変換された撮像情報は、処理装置11に出力される。
【0026】
撮像装置14は、撮像装置14を物体の周囲において移動させることにより又は物体を回転させることにより、物体を様々な方向から撮像し、多数の撮像データを生成する。即ち、撮像装置14は、多視点画像データを生成する。撮像装置14は、一眼レフカメラであってもよいし、スマートフォンに備えられたカメラであってもよい。
【0027】
ディスプレイ15は、画像及び文字情報を表示するデバイスである。ディスプレイ15は、処理装置11による制御に基づいて各種の画像を表示する。例えば、液晶パネル及び有機EL(Electro Luminescence)パネル等の各種の表示パネルがディスプレイ15として好適に利用される。
【0028】
入力装置16は、ユーザU1からの操作を受け付ける。ユーザU1は、物体の3次元学習モデルの提供者である。例えば、入力装置16は、キーボード、タッチパッド、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスを含んで構成されている。ここで、入力装置16は、タッチパネルを含んで構成されている場合、ディスプレイ15を兼ねていてもよい。
【0029】
処理装置11は、例えば、記憶装置12から制御プログラムPR1を読み出して実行することによって、取得部111及び生成部112として機能する。
【0030】
取得部111は、撮像装置14から、入力データ及び出力データが対応付けられて構成される複数の教師データを取得する。取得部111において取得された複数の教師データは、教師データ記憶部121に記憶される。
【0031】
生成部112は、複数の教師データを学習モデルM1に機械学習させることによって、学習済みの学習モデルM1を生成する。より具体的に述べると、生成部112は、教師データ記憶部121に記憶された教師データを用いて機械学習を実施する。即ち、生成部112は、学習モデルM1に複数の教師データを入力することにより、教師データを構成する入力データと出力データとの相関関係を学習モデルM1に機械学習させる。これにより、生成部112は、学習済みの学習モデルM1を生成する。
【0032】
図3は、機械学習装置10に対する教師データの取得方法の一例を示す図である。
図3には、物体OBの例としてマウスが示されている。
図3では、現実空間RSを模式的に直方体により示している。物体OBは、現実空間RSに含まれている。撮像装置14は、物体OBを含む現実空間RSを撮像する。撮像装置14により撮像された画像は、撮像装置14と物体OBとの間に配置された仮想のスクリーンSCに物体OBが投射された画像と考えることができる。撮像装置14から延びる線VL1は、撮像装置14の視線を表している。線VL1は、線VL1と物体OBとの交点RP1を始点として、物体OBを貫いている。
【0033】
仮想のスクリーンSCと線VL1との交点SP1は、物体OBの表面の点RP1に対応している。また、点RP0は、現実空間RSにおける線VL1の入射面と、線VL1との交点であり、点RP1は、現実空間RSにおける線VL1の出射面と、線VL1との交点である。
【0034】
NeRFは、微分可能な3次元のCG(Computer Graphics)レンダリングを介して3次元物体を表現する関数を訓練する手法である。3次元物体を表現する関数とは、即ち、ニューラルネットワークであり、本実施形態において、学習モデルM1に相当する。ニューラルネットワークの訓練に必要なデータセットは、撮像装置14を用いて、物体OBを各視点から撮影した画像及び当該視点におけるポーズ情報のみである。ポーズ情報は、撮像装置14の位置、向き、及び焦点距離に関する情報である。
【0035】
NeRFは、カリフォルニア大学バークレー校の研究者らが2020年3月に発表した研究である(非特許文献1)。非特許文献1の趣旨に沿って言えば、輝度場(Radiance Fields)とは、空間上の各座標に色及び密度を対応付けるベクトル場である。言い換えると、輝度場とは、物体OBを含む3次元空間における色及び密度に関するベクトル場である。
【0036】
ここで、密度とは、各座標が示す点における不透明度、即ち、当該座標の点に物体OBが存在することを示す指標である。従って、NeRF技術によれば、物体OBが存在している位置の座標における密度は、物体OBが存在していない位置の座標における密度よりも高いことを示す輝度場が得られる。
【0037】
NeRFの基本コンセプトは、輝度場をニューラルネットワークにより近似することである。輝度場を近似するには、例えば、撮影された複数の画像に基づいて、予め作成しておいた複数の座標と当該座標における輝度とのペアを用いて訓練する方法が考えられる。しかし、この方法では、データセットの作成に多くの時間を要してしまう。そこで、NeRFでは、ニューラルネットワークにより表現される輝度場を用いて画像のレンダリングが行われ、レンダリングの結果と、実際に撮影された画像とが比較されることにより、輝度場が訓練される。
【0038】
NeRF技術によれば、輝度場を学習済みのニューラルネットワーク、即ち、学習モデルM1に、ある点の座標(x,y,z)及び視線の角度(θ,φ)を与えると、視線上の点の色(R,G,B)と、密度σが出力される。このことから理解されるように、NeRFによる学習モデルM1は、物体OBの表面の情報を有していない。
【0039】
画像のレンダリングは、線VL1上に存在する各点における色を各点における密度σにより重み付けした色の情報を積分することである。例えば、
図3に示した例では、点RP0から点RP2までの区間IS0における色の情報が積分される。点RP0から点RP1の手前までの区間には、物体OBは存在しないので、当該区間の密度σは実質的にゼロである。従って、点RP0から点RP1の手前までの区間の色の情報は、実質的にレンダリング結果に反映されない。また、点RP1の密度σは相対的に高く、点RP1における色がレンダリング結果において支配的となる。
【0040】
輝度場を表現するニューラルネットワークをFΘとすると、FΘは以下の(1)式により与えられる。
【0041】
FΘ:(x,y,z,θ,φ)→(R,G,B,σ) ・・・(1)
【0042】
以下、位置情報を示すベクトル(x,y,z)Tは「x」と表され、角度情報を示すベクトル(θ,φ)は「d」と表される。
【0043】
図4は、輝度場を学習するためのニューラルネットワークのアーキテクチャを示す図である。本実施形態のニューラルネットワークは、完全結合型の多層パーセプトロンにより構成されている。
【0044】
図4に示したように、ニューラルネットワークの中間層HL1~HL10には、3つの入力ベクトルIV1、IV2、及びIV3が与えられ、2つの出力ベクトルOV1及びOV2が出力される。中間層HL1~HL10の各ブロック内の数字は、ベクトルの次元を表す。各矢印は層間の変換を表す。
図4には、活性化関数の違いにより、実線の矢印、破線の矢印、及び一点鎖線の矢印がそれぞれ示される。実線の矢印は、正規化線形関数(ReLU:Rectified Linear Unit)を用いた非線形変換を示しており、破線の矢印は、シグモイド関数を用いた非線形変換を示している。また、一点鎖線の矢印は、活性化関数を用いない線形変換を示している。
【0045】
また、「+」は、ベクトルの結合(concatenate)を表している。
図4に示したように、位置情報xは、ネットワークの初段と5段目のベクトルとの2箇所に入力される。また、角度情報dは、9段目のベクトルにおいて密度σが出力された後、入力される。このように、密度σは角度情報dの影響を受けないようになっている。このことは、色(R,G,B)、視線の角度によって変化するが、密度σは視線の角度によって変化しないことを意味している。
【0046】
1.1.3.3次元データ生成装置の構成
図5は、
図1の3次元データ生成装置20の構成例を示すブロック図である。
図5に示したように、3次元データ生成装置20は、処理装置21、記憶装置22、通信装置23、ディスプレイ24、及び入力装置25を備えている。3次元データ生成装置20の各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続されている。
【0047】
処理装置21は、3次元データ生成装置20の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成されている。処理装置21は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置、及びレジスタを含む中央処理装置(CPU)を用いて構成されている。なお、処理装置21が備えている機能の一部又は全部は、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよい。処理装置21は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0048】
記憶装置22は、処理装置21により読み取り及び書き込みが可能な記録媒体である。記憶装置22は、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、及びEEPROMである。揮発性メモリは、例えば、RAMである。
【0049】
記憶装置22は、処理装置21が実行するための制御プログラムPR2を含む複数のプログラムを記憶している。また、記憶装置22は、処理装置21のワークエリアとして機能する。
【0050】
通信装置23は、他の装置と通信を行うための送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置23は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置23は、有線接続用のコネクタを備え、上記コネクタに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置23は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクタ及びインタフェース回路としては、有線LAN、IEEE1394、USB等に準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては、無線LAN、Bluetooth等に準拠した製品が挙げられる。
【0051】
ディスプレイ24は、画像及び文字情報を表示するデバイスである。ディスプレイ24は、処理装置21による制御に基づいて各種の画像を表示する。例えば、液晶パネル及び有機ELパネル等の各種の表示パネルがディスプレイ24として好適に利用される。
【0052】
入力装置25は、ユーザU2からの操作を受け付ける。ユーザU2は、物体OBの3次元データを生成する作業者である。ユーザU2は、ユーザU1と同一であってもよい。例えば、入力装置25は、キーボード、タッチパッド、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスを含んで構成されている。ここで、入力装置25は、タッチパネルを含んで構成されている場合、ディスプレイ24を兼ねていてもよい。
【0053】
処理装置21は、記憶装置22から制御プログラムPR2を読み出して実行することにより、取得部211、点群情報生成部212、色情報生成部213、出力部214、及び表示制御部215として機能する。
【0054】
取得部211は、機械学習装置10から、学習モデルM1を取得する。学習モデルM1は、物体OBを含む現実空間RSの輝度場を学習済みのモデルである。
【0055】
点群情報生成部212は、輝度場を学習済みの学習モデルM1を用いて、点群情報を生成する。点群情報は、合成点群に属する各点の3次元座標を含む情報である。合成点群は、複数の視点から物体OBを観測したときの物体OBの表面に位置する複数の点の集合である。合成点群は、複数の視点から観測された複数の点を合成して得られる点群である。
【0056】
図6は、合成点群を説明するための図である。前述したように、線VL1が物体OBに向いているとき、点RP0から点RP1の手前までの区間における密度σは相対的に低い。即ち、当該区間における透明度は相対的に高い。しかし、線VL1が物体OBを貫く点RP1、即ち、物体OBの表面の点において、透明度は急激に低下、即ち、密度σは急激に増加する。従って、点群情報生成部212は、NeRFによって推定される密度σの変化の程度から、物体OBの表面の座標位置を推測することができる。
【0057】
点群情報生成部212は、物体OBを含む現実空間RSを所定の間隔により分割する。例えば、点群情報生成部212が現実空間RSを複数の微小立方体により分割した場合、点群情報生成部212は、学習モデルM1を用いて、複数の微小立方体の各頂点における色(R,G,B)及び密度σを算出する。
【0058】
このとき、物体OBの表面全体の密度σを算出するために、点群情報生成部212は、各立方体の頂点を様々な視点から見たときの頂点における色(R,G,B)及び密度σを算出する。様々な視点とは、
図6に示したように、物体OBを中心として視点VP1及び視点VP2をそれぞれ回転させることにより実現される視点である。これにより、点群情報生成部212は、物体OBの周囲360度のいずれの視点からも観測可能である。好適には、点群情報生成部212は、視点VP1及び視点VP2をそれぞれ10度ずつ変化させたときの密度σを算出する。
【0059】
各頂点は、複数の視点から観測されるので、各頂点に対して、複数の色(R,G,B)及び密度σが算出される。点群情報生成部212は、同一の頂点において重複する色(R,G,B)及び密度σの算出結果を平均化等により合成する。点群情報生成部212は、合成された密度σが、閾値σ
thを超える点の集合を合成点群PGCとして抽出する。
図6において、抽出された合成点群PGCの各点は、黒丸により示される。また、抽出された合成点群PGCの各点における色(R,G,B)は、各頂点において重複して得られた色の平均値である。この平均値に関する情報は、平均色情報と呼ばれる。
【0060】
平均色情報は、一定数以上の視点から観測したときの合成点群PGCに属する各点における色を平均化した色を示す情報であると言える。つまり、点群情報生成部212により得られる合成点群PGCの各点における色の情報には、「視線」の角度に依存する情報は含まれない。合成点群PGCは「第1点群」の一例である。
【0061】
色情報生成部213は、学習モデルM1を用いて、色情報を生成する。色情報は、合成点群PGCに属する各点を複数の視点から観測したときの各点における複数の各色を示す情報である。
【0062】
より具体的に述べると、色情報生成部213は、合成点群PGCに属する各点を複数の視点から観測する。即ち、色情報生成部213は、学習モデルM1を用いて、ある視点から、物体OBを観測したときの物体OBの表面に位置する複数の点を抽出する。物体OBの表面に位置する点は、点群情報生成部212による方法と同様に、密度σが閾値σthを超える点の集合として抽出される。複数の視点のそれぞれから物体OBを観測したときの物体OBの表面に位置する複数の点の集合は、以下、視点毎の点群と呼ばれる。
【0063】
前述したように、合成点群PGCを抽出する際には、視点を10度ずつ変化させることが好適な態様であるが、視点毎の点群の抽出においても視点を10度ずつ変化させることが好適である。但し、説明を簡略にするため、以下、代表的に上下左右の4つの視点のみを例示して説明する。
【0064】
なお、視点を10度ずつ変化させることは、あくまで例示であって、視点を変化させる角度は、特に限定されない。例えば、視点を変化させる角度は、物体OBの物理的なサイズに応じて変更されてもよい。視点を変化させる角度を一定とすると、物体OBの物理的なサイズが大きいほど、合成点群PGC及び視点毎の点群の点数が多くなる。従って、物体OBの物理的なサイズが大きいほど、視点を変化させる角度を大きくすることにより、視点の点数の増加が抑制される。また、物体OBの色及び明るさが、視点の角度によって大きく変化する場合、視点を変化させる角度を小さくするほど、実際に近い色の変化が再現される。
【0065】
図7は、物体OB上方の視点から物体OBを観測したときの視点毎の点群を示す図である。
図8は、物体OB下方の視点から物体OBを観測したときの視点毎の点群を示す図である。
図9は、物体OB右方の視点から物体OBを観測したときの視点毎の点群を示す図である。
図10は、物体OB左方の視点から物体OBを観測したときの視点毎の点群を示す図である。
【0066】
図7に示したように、物体OB上方の視点VPUから物体OBを観測したとき、色情報生成部213は、視点毎の点群PGV1として物体OB上側表面の各点を抽出するが、物体OB下側表面の点は抽出できない。
図8に示したように、物体OB下方の視点VPBから物体OBを観測したとき、色情報生成部213は、視点毎の点群PGV2として物体OB下側表面の各点を抽出するが、物体OB上側表面の点は抽出できない。
【0067】
図9に示したように、物体OB右方の視点VPRから物体OBを観測したとき、色情報生成部213は、視点毎の点群PGV3として物体OB右側表面の各点を抽出するが、物体OB左側表面の点及び物体OB下面の点は抽出できない。
図10に示したように、物体OB左方の視点VPLから物体OBを観測したとき、色情報生成部213は、視点毎の点群PGV4として物体OB左側表面の各点を抽出するが、物体OB右側表面の点及び物体OB下面の点は抽出できない。視点毎の点群PGV1~VPG4は「第2点群」の一例である。
【0068】
なお、点群情報生成部212により推定される合成点群PGCの各点の座標位置と、色情報生成部213により推定される視点毎の点群の各点の座標位置とは、学習モデルM1を用いた密度σの推定誤差等により、必ずしも一致しない。
【0069】
以下、
図11~13を参照しながら、色情報生成部213の動作についてより具体的に説明する。
図11は、物体OBの合成点群PGCの一例を示す模式図である。
図12は、物体OBの合成点群PGCの1つの点及び視点毎の点群PGVの一例を示す模式図である。
図13は、物体OBの合成点群PGCの1つの点及び視点毎の点群PGVの別の例を示す模式図である。なお、視点毎の点群PGVは「第2点群」の一例である。
【0070】
図11では、合成点群PGCの1つの対象点Ps1に着目し、対象点Ps1を中心とする半径L0(mm)内の空間がS1として定義される。このように、色情報生成部213は、合成点群PGCの各点について、各点を中心とする半径L0内の空間S1を定義する。なお、半径L0は「所定距離」の一例である。
【0071】
次に、色情報生成部213は、視点毎の点群PGVに属する各点について空間S2を定義する。空間S2は、空間S1と同様に対象点Ps1を中心とする半径L0(mm)内の空間である。色情報生成部213は、視点毎の点群PGVに属する各点のうち、空間S2内に含まれる点を探索する。
図12に示したように、空間S2内に含まれる点は、Pr1、Pr2、及びPr3である。
【0072】
色情報生成部213は、視点毎の点群PGVに属する各点のうち、空間S2内に存在する点Pr1、Pr2、及びPr3のそれぞれの色を平均化した色を、対象点Ps1における色情報として生成する。例えば、点Pr1における色情報C1を[R1,G1,B1]、点Pr2における色情報C2を[R2,G2,B2]、点Pr3における色情報C3を[R3,G3,B3]、対象点Ps1における色情報Cs1を[Rs1,Gs1,Bs1]とすると、色情報生成部213は、対象点Ps1における色情報Cs1=[Rs1,Gs1,Bs1]を、以下の(2)式により算出する。
【0073】
Cs1=(C1+C2+C3)/3 ・・・(2)
【0074】
空間S2内に存在する点の個数がnである場合、任意の点Prnにおける色情報をCn=[Rn,Gn,Bn]とすると、対象点Ps1における色情報Cs1は、以下の(3)式により算出される。
【0075】
Cs1=(C1+C2+・・・+Cn)/n ・・・(3)
【0076】
ところで、
図13に示したように、探索の結果、視点毎の点群PGVに属する各点のいずれも、空間S2内に存在しない場合がある。このような場合、色情報生成部213は、対象点Ps1の色を、視点毎の点群PGVに属する各点の色ではなく、点群情報における当該対象点Ps1に対応する色に設定する。
【0077】
即ち、色情報生成部213は、視点毎の点群PGVに属する各点に、合成点群PGCに属する各点との距離が半径L0以内の点が存在しないとき、平均色情報を色情報として生成する。
【0078】
出力部214は、点群情報及び色情報を、物体OBの3次元の形状及び色を示す3次元データとして出力する。以下、
図14及び
図15を参照しながら、出力部214の機能を説明する。
図14は、出力部214が出力する3次元データの一例を示す図である。
図15は、
図14の3次元データ中の点P1、P2、及びP3の物体OB上における位置を示した図である。
【0079】
出力部214が出力する3次元データは、合成点群の各点のID、各点の座標、視点、及び視点に対応する色がそれぞれ対応付けられており、
図14に示したように、リスト形式で表される。
図15に示したように、点P1は、物体OBの最上面に位置し、且つ左右方向において中央に位置する点である。
図7~
図10を用いた説明から理解されるように、点P1は、物体OB右方からの視点VPR、物体OB左方からの視点VPL、及び物体OB上方からの視点VPUにより観測されるが、物体OB下方からの視点VPBによっては観測されない。
【0080】
図14において、リストの1行目には、物体OBの右方からの視点VPRにより点P1を観測した場合における点P1の色(R
11,G
11,B
11)及び点P1の座標(x
1,y
1,z
1)が示されている。リストの2行目には、物体OBの左方からの視点VPLにより点P1を観測した場合における点P1の色(R
12,G
12,B
12)及び点P1の座標(x
1,y
1,z
1)が示されている。リストの3行目には、物体OBの上方からの視点VPUにより点P1を観測した場合における点P1の色(R
13,G
13,B
13)及び点P1の座標(x
1,y
1,z
1)が示されている。物体OBの下方からの視点VPBによって点P1は観測できないので、リストの4行目には、平均色情報に基づく点P1の座標(x
1,y
1,z
1)に対応する平均の色(R
1,G
1,B
1)と、点P1の座標(x
1,y
1,z
1)とが示されている。このように、点P1における色は、視点の方向によって異なる。点P1が死角となる視点がある場合には、当該死角となる視点により点P1を観測した場合における色として、平均色情報に基づいて、点P1における平均の色が補完される。また、点P1の座標は、合成点群PGCに関する点群情報に含まれる座標であるため、いずれの視点に対しても、同じ座標が採用される。
【0081】
点P2は、物体OBの右側の傾斜面に位置している点である。従って、点P2は、物体OB右方からの視点VPR及び物体OB上方からの視点VPUにより観測されるが、物体OB左方からの視点VPL及び物体OB下方からの視点VPBによっては観測できない。
【0082】
図14において、リストの5行目には、物体OBの右方からの視点VPRにより点P2を観測した場合における点P2の色(R
21,G
21,B
21)及び点P2の座標(x
2,y
2,z
2)が示されている。物体OBの左方からの視点VPLによって点P2は観測できないので、リストの6行目には、平均色情報に基づく点P2の座標(x
2,y
2,z
2)に対応する平均の色(R
2,G
2,B
2)と、点P2の座標(x
2,y
2,z
2)とが示されている。リストの7行目には、物体OBの上方からの視点VPUにより点P2を観測した場合における点P2の色(R
22,G
22,B
22)及び点P2の座標(x
2,y
2,z
2)が示されている。物体OBの下方からの視点VPBによって点P2は観測できないので、リストの8行目には、平均色情報に基づく点P2の座標(x
2,y
2,z
2)に対応する平均の色(R
2,G
2,B
2)と、点P2の座標(x
2,y
2,z
2)とが示されている。このように、点P2における色は、視点の方向によって異なる。点P2が死角となる視点がある場合には、当該死角となる視点により点P2を観測した場合における色として、平均色情報に基づいて、点P2における平均の色が補完される。また、点P2の座標は、合成点群に関する点群情報に含まれる座標であるため、いずれの視点に対しても、同じ座標が採用される。
【0083】
点P3は、物体OBの左側の傾斜面に位置している点である。従って、点P3は、物体OB左方からの視点VPL及び物体OB下方からの視点VPUにより観測されるが、物体OB右方からの視点VPR及び物体OB上方からの視点VPBによっては観測できない。
【0084】
図14において、リストの9行目には、平均色情報に基づく点P3の座標(x
3,y
3,z
3)に対応する平均の色(R
3,G
3,B
3)と、点P3の座標(x
3,y
3,z
3)とが示されている。リストの10行目には、物体OBの左方からの視点VPLにより点P3を観測した場合における点P3の色(R
31,G
31,B
31)及び点P3の座標(x
3,y
3,z
3)が示されている。リストの11行目には、平均色情報に基づく点P3の座標(x
3,y
3,z
3)に対応する平均の色(R
3,G
3,B
3)と、点P3の座標(x
3,y
3,z
3)とが示されている。リストの12行目には、物体OBの下方からの視点VPBにより点P3を観測した場合における点P3の色(R
32,G
32,B
32)及び点P3の座標(x
3,y
3,z
3)が示されている。このように、点P3における色は、視点の方向によって異なる。点P3が死角となる視点がある場合には、当該死角となる視点により点P3を観測した場合における色として、平均色情報に基づいて、点P3における平均の色が補完される。また、点P3の座標は、合成点群に関する点群情報に含まれる座標であるため、いずれの視点に対しても、同じ座標が採用される。
【0085】
このように、リストには、合成点群に含まれる点について、各視点から観測された場合の色がリストアップされる。なお、本開示では、上下左右の4つの視点を用いて説明したが、これはあくまで例示であって、視点の数は4つに限定されない。
【0086】
表示制御部215は、ディスプレイ24における表示を制御する。例えば、表示制御部215は、出力部214から出力される物体OBの3次元データをディスプレイ24に送信し、物体OBの3次元データをリスト形式等によりディスプレイ24に表示させることができる。
【0087】
1.1.4.描画装置の構成
図16は、
図1の描画装置30の構成例を示すブロック図である。
図16に示したように、描画装置30は、処理装置31、記憶装置32、通信装置33、ディスプレイ34、及び入力装置35を備えている。描画装置30が備えている各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続されている。
【0088】
処理装置31は、描画装置30の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成されている。処理装置31は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU)を用いて構成されている。なお、処理装置31が備えている機能の一部又は全部は、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよい。処理装置31は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0089】
記憶装置32は、処理装置31により読み取り及び書き込みが可能な記録媒体である。記憶装置32は、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、及びEEPROMである。揮発性メモリは、例えば、RAMである。
【0090】
記憶装置32は、処理装置31が実行するための制御プログラムPR3を含む複数のプログラムを記憶している。また、記憶装置32は、処理装置31のワークエリアとして機能する。
【0091】
通信装置33は、他の装置と通信を行うための送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置33は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置33は、有線接続用のコネクタを備え、上記コネクタに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置33は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクタ及びインタフェース回路としては、有線LAN、IEEE1394、USB等に準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては、無線LAN及びBluetooth等に準拠した製品が挙げられる。
【0092】
ディスプレイ34は、画像及び文字情報を表示するデバイスである。ディスプレイ34は、処理装置31による制御に基づいて各種の画像を表示する。例えば、液晶パネル及び有機ELパネル等の各種の表示パネルがディスプレイ34として好適に利用される。
【0093】
入力装置35は、ユーザU3からの操作を受け付ける。例えば、入力装置35は、キーボード、タッチパッド、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスを含んで構成されている。ここで、入力装置35は、タッチパネルを含んで構成されている場合、ディスプレイ34を兼ねていてもよい。
【0094】
処理装置31は、記憶装置32から制御プログラムPR3を読み出して実行することにより、第1取得部311、第2取得部312、第3取得部313、描画部314、及び表示制御部315として機能する。
【0095】
第1取得部311は、点群情報と、色情報と各視点の位置との組とを含む3次元データを取得する。即ち、第1取得部311は、
図14に示される3次元データを取得する。
【0096】
第2取得部312は、視点情報及び座標情報を取得する。視点情報は、仮想空間VS上のユーザU1の視点の位置を示す情報である。座標情報は、第1座標を示す情報である。第1座標は、物体OBに対応する仮想オブジェクトVOが仮想空間VS上に位置する座標である。
【0097】
第3取得部313は、入力装置35から操作情報を取得する。また、第3取得部313は、通信装置33を用いることにより、サーバ40から画像情報を取得する。また、第3取得部313は、取得した画像情報を記憶装置32に格納する。第3取得部313は、記憶装置32に格納された画像情報を取得する。
【0098】
描画部314は、3次元データ、視点情報、及び座標情報に基づいて、仮想空間上の第1座標に仮想オブジェクトを描画する。
【0099】
これにより、ユーザU2は、物体OBの光学特性が表現された3次元モデルを仮想空間上に描画できる。光学特性とは、例えば、物体OBの光沢感及び透明感である。光沢感は、物体OBが光を反射する程度によって決定される特性であり、透明感は、物体OBが光を透過する程度により決定される特性である。
【0100】
表示制御部315は、ディスプレイ34における表示を制御する。例えば、表示制御部315は、描画部314による描画結果をディスプレイ34に送信し、描画結果をディスプレイ34に表示させることができる。より具体的に述べると、表示制御部315は、ディスプレイ34に表示させる画像のデータを描画部314からの出力信号に基づいて生成する。生成されたデータは、例えば、仮想空間の画像と仮想オブジェクトの画像との合成画像である。表示制御部315は、生成されたデータを、ディスプレイ34に送信する。
【0101】
1.1.5.サーバの構成
図17は、
図1のサーバ40の構成例を示すブロック図である。
図17に示したように、サーバ40は、処理装置41、記憶装置42、通信装置43、ディスプレイ44、及び入力装置45を備えている。サーバ40が備えている各要素は、情報を通信するための単体又は複数のバスにより相互に接続されている。
【0102】
処理装置41は、サーバ40の全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成されている。処理装置41は、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU)を用いて構成されている。なお、処理装置41が備えている機能の一部又は全部は、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよい。処理装置41は、各種の処理を並列的又は逐次的に実行する。
【0103】
記憶装置42は、処理装置41により読み取り及び書き込みが可能な記録媒体である。記憶装置42は、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、及びEEPROMである。揮発性メモリは、例えば、RAMである。
【0104】
記憶装置42は、処理装置41が実行するための制御プログラムPR4を含む複数のプログラムを記憶している。また、記憶装置42は、処理装置41のワークエリアとして機能する。また、記憶装置42は、撮像装置14により撮像された画像データ及び学習モデルM1を記憶してもよい。
【0105】
通信装置43は、他の装置と通信を行うための送受信デバイスとしてのハードウェアである。通信装置43は、例えば、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等とも呼ばれる。通信装置43は、有線接続用のコネクタを備え、上記コネクタに対応するインタフェース回路を備えていてもよい。また、通信装置43は、無線通信インタフェースを備えていてもよい。有線接続用のコネクタ及びインタフェース回路としては、有線LAN、IEEE1394、USBに準拠した製品が挙げられる。また、無線通信インタフェースとしては、無線LAN及びBluetooth等に準拠した製品が挙げられる。
【0106】
ディスプレイ44は、画像及び文字情報を表示するデバイスである。ディスプレイ44は、処理装置41による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば、液晶パネル、有機ELパネル等の各種の表示パネルがディスプレイ44として好適に利用される。
【0107】
入力装置45は、情報処理システム1の管理者による操作を受け付ける機器である。例えば、入力装置45は、キーボード、タッチパッド、タッチパネル、マウス等のポインティングデバイスを含んで構成されている。ここで、入力装置45は、タッチパネルを含んで構成されている場合、ディスプレイ44を兼ねてもよい。とりわけ、情報処理システム1の管理者は、入力装置45を用いることにより、制御プログラムPR4を修正することが可能である。
【0108】
処理装置41は、例えば、記憶装置42から制御プログラムPR4を読み出して実行することによって、取得部411及び出力部412として機能する。
【0109】
取得部411は、通信装置43を用いることにより、3次元データ生成装置20から各種情報を取得する。また、取得部411は、通信装置43を用いることにより、機械学習装置10から学習済みの学習モデルM1を取得する。
【0110】
出力部412は、通信装置43を用いることにより、学習済みの学習モデルM1を描画装置30に出力することにより、ユーザU1に対して学習モデルM1を提供する。
【0111】
1.2.第1実施形態の動作
1.2.1.3次元データ生成フロー
図18は、
図5の処理装置21の動作を示すフローチャートである。以下、
図18を参照することにより、処理装置21の動作について説明する。
図18のルーチンは、例えば、処理装置21が起動されることにより開始され、一定の時間が経過する毎に実行されるようになっている。
【0112】
ステップS11において、処理装置21は、点群情報生成部212として機能することにより、学習モデルM1を用いて、合成点群PGCを抽出し、抽出された合成点群PGCに基づいて、点群情報を生成する。
【0113】
ステップS12において、処理装置21は、色情報生成部213として機能することにより、学習モデルM1を用いて、視点毎の点群PGVを抽出し、抽出された視点毎の点群PGVに基づいて、色情報を生成する。
【0114】
ステップS13において、処理装置21は、出力部214として機能することにより、点群情報及び色情報を3次元データとして出力し、本ルーチンを一旦終了する。
【0115】
図19は、
図18のステップS11に対応するサブルーチンの動作を示すフローチャートである。
【0116】
ステップS21において、処理装置21は、点群情報生成部212として機能することにより、現実空間RSを複数の微小立方体により分割したときの微小立方体の各頂点の座標(x,y,z)を抽出する。
【0117】
ステップS22において、処理装置21は、点群情報生成部212として機能することにより、様々な視点から見たときの複数の微小立方体の各頂点の座標(x,y,z)における色(R,G,B)及び密度σを算出する。
【0118】
ステップS23において、処理装置21は、点群情報生成部212として機能することにより、同一の頂点において重複する色(R,G,B)及び密度σの算出結果を平均化等により合成する。
【0119】
ステップS24において、処理装置21は、点群情報生成部212として機能することにより、合成された密度σが閾値σthを超える点の集合を合成点群PGCとして抽出する。
【0120】
ステップS25において、処理装置21は、点群情報生成部212として機能することにより、抽出された合成点群PGCの各点の座標及び平均化された色を点群情報として生成する。
【0121】
図20は、
図18のステップS12に対応するサブルーチンの動作を示すフローチャートである。
【0122】
ステップS31において、処理装置21は、色情報生成部213として機能することにより、学習モデルM1を用いて、視点毎の点群PGVを抽出する。
【0123】
ステップS32において、処理装置21は、色情報生成部213として機能することにより、合成点群PGCに属する1つの点を対象点Ps1として選択する。
【0124】
ステップS33において、処理装置21は、色情報生成部213として機能することにより、対象点Ps1を中心とする半径L0の空間S1を定義する。
【0125】
ステップS34において、処理装置21は、色情報生成部213として機能することにより、視点毎の点群VCGの各点のうち、空間S2内に存在する点を探索する。空間S2は、視点毎の点群VCGに関する空間であり、空間S1と同一の中心及び半径を有している。
【0126】
ステップS35において、処理装置21は、色情報生成部213として機能することにより、視点毎の点群VCGの各点が空間S2内に存在するか否かを判定する。
【0127】
ステップS35において、処理装置21が、視点毎の点群の点が空間S2内に存在すると判定した場合、即ち、ステップS35における判定結果が肯定であった場合、処理装置21は、ステップS36の処理を実行する。この場合、ステップS36において、処理装置21は、色情報生成部213として機能することにより、対象点Ps1の色を、視点毎の点群VCGの各点のうち、空間S2内に存在する各点の色の平均値に設定する。
【0128】
一方、ステップS35において、処理装置21が、視点毎の点群VCGの点が空間S2内に存在しないと判定した場合、即ち、ステップS35における判定結果が否定であった場合、処理装置21は、ステップS37の処理を実行する。この場合、ステップS37において、処理装置21は、色情報生成部213として機能することにより、対象点Ps1の色を点群情報における当該対象点Ps1に対応する色に設定する。
【0129】
次いで、ステップS38において、処理装置21は、色情報生成部213として機能することにより、すべての対象点について探索が終了したか否かを判定する。
【0130】
すべての対象点について探索が終了したと判定した場合、即ち、ステップS38における判定結果が肯定であった場合、処理装置21は、本ルーチンを一旦終了する。即ち、これにより、色情報生成部213による色情報の生成は完了する。
【0131】
一方、すべての対象点について探索が終了していないと判定した場合、即ち、ステップS38における判定結果が否定であった場合、処理装置21は、ステップS32の処理に戻り、別の対象点を選択し、ステップS32~ステップS37の処理を実行する。
【0132】
1.2.2.描画フロー
図21は、
図11の処理装置31の動作を示すフローチャートである。以下、
図21を参照することにより、処理装置31の動作について説明する。
図21のルーチンは、例えば、処理装置31が起動されることにより開始され、一定の時間が経過する毎に実行されるようになっている。
【0133】
ステップS41において、処理装置31は、第1取得部311として機能することにより、3次元データを取得する。
【0134】
次いで、ステップS42において、処理装置31は、第2取得部312として機能することにより、視点情報と座標情報とを取得する。座標情報は、第1座標を示す情報である。
【0135】
次いで、ステップS43において、処理装置31は、描画部314として機能することにより、第1座標に仮想オブジェクトVOを描画し、本ルーチンを一旦終了する。
【0136】
1.3.第1実施形態が奏する効果
以上の説明によれば、第1実施形態に係る3次元データ生成装置20は、点群情報生成部212と、色情報生成部213と、出力部214とを備えている。点群情報生成部212は、輝度場を学習済みの学習モデルM1を用いて、点群情報を生成する。点群情報は、合成点群PGCに属する各点の3次元座標を含む情報である。合成点群PGCは、物体OBの表面に位置する複数の点の集合である。色情報生成部213は、学習モデルM1を用いて、色情報を生成する。色情報は、合成点群PGCに属する各点を複数の視点から観測したときの各点における複数の視点に対応する各色を示す情報である。出力部214は、点群情報及び色情報を、物体OBの3次元の形状及び色を示す3次元データとして出力する。
【0137】
これによれば、輝度場を学習済みの学習モデルM1には、物体OBを含む空間を任意の視点から見たときの座標、色、及び密度の関係が学習される。さらに、学習モデルM1には、物体OBを含む空間を任意の視点から見たときの座標、視線の方向、及び色の関係が学習される。色情報生成部213は、物体OB表面の視点毎の色を色情報として生成するので、見る角度によって物体OB表面の色が異なって見えるという状況を情報として取り込むことができる。見る角度によって物体OB表面の色が異なって見えるということと、物体OBの光学特性との間には相関関係があると考えられる。
【0138】
従って、出力部214から出力される3次元データには、物体OBの3次元の形状と、物体OBの光学特性が反映された色が示される。このように、本実施形態の態様によれば、NeRF技術を用いて取得した光学特性を含むデータに基づいて、物体OBから生成される3次元データに物体OBの光学特性を表現するデータを付加することができる。
【0139】
また、色情報生成部213は、視点毎の点群PGVに属する各点のうち、合成点群PGCに属する各点との距離が半径L0以内の点において観測される色に基づいて、色情報を生成する。視点毎の点群PGVは、複数の視点のそれぞれから物体OBを観測したときの物体OBの表面に位置する複数の点の集合である。
【0140】
合成点群PGCに属する各点の座標位置と、視点毎の点群PGVに属する各点の座標位置とは、学習モデルM1を用いた密度σの推定誤差等により、必ずしも一致しない。しかし、合成点群PGCに属する各点から半径L0以内に存在する「視点毎の点群PGVに属する」各点の色は、合成点群PGCに属する各点の色に対して強い相関があると考えられる。さらに、「視点毎の点群PGVに属する」各点の色は、視線の角度(θ,φ)によって変化する。従って、これによれば、合成点群PGCに属する各点において、視線の角度(θ,φ)に応じた色を付与することができる。その結果、物体OBから生成される3次元データに物体OBの光学特性を表現するデータを付加することができる。
【0141】
また、色情報生成部213は、視点毎の点群PGVに属する各点のうち、半径L0以内の各点の色を平均化した色を合成点群PGCに属する各点における色情報として生成する。
【0142】
これによれば、合成点群PGCに属する各点において、視線の角度(θ,φ)に応じた色を容易に付与することができる。
【0143】
また、色情報生成部213は、視点毎の点群PGVに属する各点に、合成点群PGCに属する各点との距離が半径L0以内の点が存在しないとき、平均色情報を色情報として生成する。平均色情報は、一定数以上の視点から観測したときの各点における色を平均化した色を示す情報である。点群情報には、合成点群PGCに属する各点における平均色情報が含まれている。
【0144】
これによれば、視点毎の点群PGVに属する各点に、合成点群PGCに属する各点との距離が半径L0以内の点が存在しない場合であっても、合成点群PGCに属する各点の色を容易に補完できる。
【0145】
また、描画装置30は、第1取得部311と、第2取得部312と、描画部314とを備える。第1取得部311は、点群情報と、色情報と各視点の位置との組とを含む3次元データを取得する。点群情報は、合成点群PGCに属する各点の3次元座標を含む情報である。合成点群PGCは、物体OBの表面に位置する複数の点の集合である。色情報は、第1点群に属する各点を複数の視点から観測した場合に、各点における複数の視点に対応する各色を示す情報である。
【0146】
第2取得部312は、視点情報及び座標情報を取得する。視点情報は、仮想空間VS上のユーザの視点の位置を示す情報である。座標情報は、第1座標を示す情報である。第1座標は、物体OBに対応する仮想オブジェクトが仮想空間上に位置する座標である。描画部314は、3次元データ、視点情報、及び座標情報に基づいて、仮想空間上の第1座標に仮想オブジェクトを描画する。
【0147】
これによれば、ユーザU2は、物体OBの光学特性が反映された3次元モデルを仮想空間上に描画できる。
【0148】
2.第2実施形態
以下、
図22~
図24を参照することにより、本発明の第2実施形態に係る3次元データ生成装置の構成について説明する。なお、以下の説明では、説明の簡略化のため、第1実施形態と同一の構成要素に対しては、同一の符号を用いると共に、その機能の説明を省略することがある。また、以下の説明では、説明の簡略化のため、主として、第2実施形態が、第1実施形態に比較して相違する点について説明する。
【0149】
2.1.第2実施形態の構成
図22は、第2実施形態に係る情報処理システム1Aの全体構成を示す図である。情報処理システム1Aは、第1実施形態に係る情報処理システム1と比較して、3次元データ生成装置20に代えて3次元データ生成装置20Aを備えている点において異なっている。
【0150】
図23は、第2実施形態に係る3次元データ生成装置20Aの構成例を示すブロック図である。3次元データ生成装置20Aは、第1実施形態に係る3次元データ生成装置20と比較して、処理装置21に代えて処理装置21Aを備えている点及び記憶装置22に代えて記憶装置22Aを備えている点において異なっている。
【0151】
処理装置21Aは、3次元データ生成装置20Aの全体を制御するプロセッサであり、例えば、単数又は複数のチップを用いて構成されている。処理装置21Aは、例えば、周辺装置とのインタフェース、演算装置、及びレジスタを含む中央処理装置(CPU)を用いて構成されている。なお、処理装置21Aが備えている機能の一部又は全部は、DSP、ASIC、PLD、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよい。処理装置21Aは、各種の処理を並列又は逐次的に実行する。
【0152】
記憶装置22Aは、処理装置21Aにより読み取り及び書き込みが可能な記録媒体である。記憶装置22Aは、例えば、不揮発性メモリと揮発性メモリとを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、及びEEPROMである。揮発性メモリは、例えば、RAMである。
【0153】
記憶装置22Aは、処理装置21Aが実行するための制御プログラムPR2Aを含む複数のプログラムを記憶している。また、記憶装置22Aは、処理装置21Aのワークエリアとして機能する。
【0154】
通信装置23、ディスプレイ24、及び入力装置25は、第1実施形態の通信装置23、ディスプレイ24、及び入力装置25と同様の装置であるため、説明は省略される。
【0155】
処理装置21Aは、記憶装置22Aから制御プログラムPR2Aを読み出して実行することにより、取得部211、点群情報生成部212、色情報生成部213、表示制御部215、メッシュ形成部216、メッシュ色決定部217、出力部214A、及び表示制御部215として機能する。なお、点群情報生成部212及び色情報生成部213は、第1実施形態に係る処理装置21の機能としての点群情報生成部212及び色情報生成部213と機能的に同一であるため、その説明は省略される。
【0156】
取得部211は、機械学習装置10から、学習モデルM1を取得する。学習モデルM1は、物体OBを含む現実空間RSの輝度場を学習済みのモデルである。
【0157】
メッシュ形成部216は、点群情報に基づいて、合成点群に対応する複数のメッシュを形成する。以下、
図24を参照することにより、メッシュの形成方法について説明する。
【0158】
図24は、メッシュ形成部216によるメッシュの形成方法を説明するための図である。
図24に示したように、メッシュ形成部216は、合成点群PGCに含まれる点のうち、互いに隣り合う3つの点V1、V2、及びV3の3点を抽出する。抽出された3つの点V1、V2、及びV3を頂点とする三角形MS1を1つのメッシュとして形成する。このように、メッシュ形成部216は、合成点群全体について、互いに隣り合う3つの点を抽出し、それぞれについて、メッシュを形成する。なお、各メッシュは、ポリゴンとも呼ばれることがある。
【0159】
メッシュ色決定部217は、色情報に基づいて、複数のメッシュのそれぞれの色を決定する。より具体的に述べると、メッシュ色決定部217は、ユーザU1により、ある視点についての入力があったとき、各メッシュに対し、各メッシュの頂点となる3つの点のそれぞれについて、当該視点に対応する色を色情報から取得する。メッシュ色決定部217は、各メッシュに対してそれぞれ取得された3つの点の各色の平均値を各メッシュの色として決定する。
【0160】
出力部214Aは、複数のメッシュ及び複数のメッシュのそれぞれの色に関する情報を、物体OBの3次元の形状及び色を示す3次元データとして出力する。
【0161】
表示制御部215Aは、ディスプレイ24における表示を制御する。例えば、表示制御部215Aは、出力部214Aから出力される物体OBのメッシュ状の3次元データをディスプレイ24に送信し、物体OBの3次元データをリスト形式等によりディスプレイ24に表示させることができる。
【0162】
2.2.第2実施形態が奏する効果
以上の説明によれば、第2実施形態に係る3次元データ生成装置20Aの処理装置21Aは、第1実施形態に係る3次元データ生成装置20の処理装置21に対して、メッシュ形成部216及びメッシュ色決定部217をさらに備えている。メッシュ形成部216は、点群情報に基づいて、合成点群PGCに対応する複数のメッシュを形成する。メッシュ色決定部217は、色情報に基づいて、複数のメッシュのそれぞれの色を決定する。
【0163】
これによれば、物体OBの光学特性を反映した3次元モデルをより容易に作成することができる。
【0164】
3.変形例
本開示は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を組み合わせてもよい。
【0165】
3.1.変形例1
第1実施形態において、色情報生成部213は、対象点Ps1を中心とする空間S2内に、視点毎の点群PGVに属する各点のいずれも存在しない場合、対象点Ps1の色を、点群情報における当該対象点Ps1に対応する色に設定している。しかし、このような場合に限らず、色情報生成部213は、視点毎の点群PGVに属する各点のうち、空間S2内に存在する点の個数が設定閾値以下の場合、対象点Ps1の色を、点群情報における当該対象点Ps1に対応する色に設定してもよい。例えば、設定閾値としては1又は2が好適である。
【0166】
3.2.変形例2
第1実施形態において、色情報生成部213は、視点毎の点群PGVに属する各点のうち、空間S2内に存在する点Pr1、Pr2、及びPr3のそれぞれの色を平均化した色を、対象点Ps1における色情報として生成している。しかし、色情報生成部213は、空間S2内に存在する3つの点Pr1、Pr2、及びPr3のそれぞれと、対象点Ps1との距離に応じて重み付けした上で平均化してもよい。
【0167】
以下、
図25を参照しながら、より具体的に説明する。
図25は、物体OBの合成点群PGCの1つの点及び視点毎の点群PGVの一例を示す模式図である。
図25に示したように、空間S2に存在する3つの点Pr1、Pr2、及びPr3のそれぞれと対象点Ps1との距離は、それぞれ異なる。点Pr1と対象点Ps1との距離をd
1、点Pr2と対象点Ps1との距離をd
2、点Pr3と対象点Ps1との距離をd
3とすると、
図25の例では、距離d
2が最も短く、距離d
1が最も長い。色情報生成部213は、このような3つの点について、対象点Ps1における色情報Cs1=[R
s1,G
s1,B
s1]を以下のように算出する。
【0168】
空間S2に存在する3つの点Pr1、Pr2、及びPr3の対象点Ps1との距離に応じた重みをそれぞれW1,W2,W3とすると、重みW1,W2,W3は、それぞれ以下の(4)式により与えられる。
【0169】
W1=L0-d1,W2=L0-d2,W3=L0-d3 ・・・(4)
【0170】
つまり、重みWn1、Wn2、及びWn3は、空間Sの外周から遠い点ほど大きくなる。3つの点Pr1、Pr2、及びPr3の色情報をそれぞれC1=[R1,G1,B1]、C2=[R2,G2,B2]、及びC3=[R3,G3,B3]とすると、対象点における色情報Cs1は、以下の(5)式により算出される。
【0171】
Cs1=(W1×C1+W2×C2+W3×C3)
/(W1+W2+W3) ・・・(5)
【0172】
空間S2内に存在する点の個数がnである場合、空間S2内に存在するn個の点のうちの任意の点Prnと対象点Ps1との距離をdnとすると、任意の点Prnに対する重みWnは、以下の(6)式により表される。
【0173】
Wn=L0-dn (0≦dn≦L0) ・・・(6)
【0174】
つまり、重みWnは、空間Sの外周から遠い点ほど大きくなる。任意の点Prnにおける色情報をCn=[Rn,Gn,Bn]とすると、対象点Ps1における色情報Cs1=[Rs1,Gs1,Bs1]は、以下の(7)式により算出される。このような方法により、重みWnが無限大に発散することが回避される。
【0175】
Cs1=(W1×C1+W2×C2+・・・+Wn×Cn)
/(W1+W2+・・・+Wn) ・・・(7)
【0176】
このように、本変形例に係る色情報生成部213は、視点毎の点群PGVに属する各点のうち、半径L0以内の各点の色を距離に応じて重み付けし、重み付けした各点の色を平均化した色を合成点群PGCに属する各点における色情報として生成する。つまり、本変形例では、空間S2内の点のうち、対象点Ps1からの距離が近い点ほど、当該点の色の混合比率が高くなるように設定される。このため、物体OBの光学特性をより正確に再現することができる。
【0177】
3.3.変形例3
第1実施形態において、色情報生成部213は、対象点Ps1を中心とする空間S2内、即ち、半径L0以内に視点毎の点群PGVに属する各点のいずれも存在しない場合、対象点Ps1の色を、点群情報における当該対象点Ps1に対応する色に設定している。しかし、色情報生成部213は、対象点Ps1を中心とする空間S2内、即ち、半径L0以内に視点毎の点群PGVに属する各点のいずれも存在しない場合、空間S2の半径をL0よりも長いL1に変更し、再度空間S2内に含まれる点を探索してもよい。
【0178】
3.4.変形例4
NeRFでは、ポーズ情報、即ち、カメラパラメータが予め必要であるが、カメラパラメータを必要としないNeRF--という技術があるが、学習モデルM1は、NeRFに代えてNeRF--により学習されてもよい。NeRF--は、カメラの内部パラメータ及び外部パラメータの最適化をNeRFの学習と同時に行う手法である。
【0179】
また、カメラの内部パラメータは既知であると見做し、外部パラメータの推定及び修正を行うBARF(Bundle-Adjusting Neural Radiance Fields)という技術があるが、学習モデルM1は、NeRFに代えてBARFにより学習されてもよい。
【0180】
3.5.変形例5
また、本実施形態では、機械学習装置10と3次元データ生成装置20とは別体として構成されているが、機械学習装置10と3次元データ生成装置20とは適宜組み合わされてもよいし、一体的に構成されていてもよい。
【0181】
3.6.変形例6
また、第2実施形態において、メッシュの色は、メッシュを構成する三角形MS1の3つの頂点V1、V2、及びV3のそれぞれの色の平均値として算出されるが、これに限らず、メッシュの色は、3つの頂点V1、V2、及びV3のそれぞれの色の中央値として算出されてもよい。
【0182】
3.7.変形例7
また、第2実施形態において、処理装置21Aは、メッシュ形成部216として機能することにより、三角形のメッシュを形成しているが、各メッシュの形状は、三角形に限ることはなく、四角形であってもよい。また、各メッシュは、必ずしも平面である必要はなく、自由曲面等の曲面であってもよい。なお、自由曲面は、NURBS(Non-Uniform Rational B-Spline)曲線、スプライン曲線、ベジェ曲線等を用いて曲面を構成する方法である。
【0183】
4.その他
(1)上述した実施形態では、記憶装置12、記憶装置22、記憶装置22A、記憶装置32、及び記憶装置42は、ROM及びRAMなどを例示したが、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、CD-ROM(Compact Disc-ROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ、データベース、サーバその他の適切な記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。また、プログラムは、電気通信回線を介して通信網NETから送信されてもよい。
【0184】
(2)上述した実施形態において、説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0185】
(3)上述した実施形態において、入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0186】
(4)上述した実施形態において、判定は、1ビットを用いて表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0187】
(5)上述した実施形態において例示した処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0188】
(6)
図1~
図25に例示された各機能は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0189】
(7)上述した実施形態において例示したプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称を用いて呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0190】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0191】
(8)前述の各形態において、「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0192】
(9)本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。
【0193】
(10)上述した実施形態において、機械学習装置10、3次元データ生成装置20、3次元データ生成装置20A、描画装置30、及びサーバ40は、移動局(MS:Mobile Station)である場合が含まれる。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。また、本開示においては、「移動局」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」等の用語は、互換的に使用され得る。
【0194】
(11)上述した実施形態において、「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的な結合又は接続であっても、論理的な結合又は接続であっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」を用いて読み替えられてもよい。本開示において使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0195】
(12)上述した実施形態において、「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0196】
(13)本開示において使用される「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0197】
(14)上述した実施形態において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。更に、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0198】
(15)本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0199】
(16)本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」等の用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0200】
(17)本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行う通知に限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0201】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に対して何ら制限的な意味を有さない。
【符号の説明】
【0202】
1,1A…情報処理システム、10…機械学習装置、20…3次元データ生成装置、30…描画装置、212…点群情報生成部、213…色情報生成部、214,214A…出力部、216…メッシュ形成部、217…メッシュ色決定部、311…第1取得部、312…第2取得部、314…描画部、L0…半径、M1…学習モデル、OB…物体、PGC…合成点群、PGV…視点毎の点群、σ…密度