(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169208
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】認証方法、認証システム、端末、及びサーバ
(51)【国際特許分類】
G06F 21/32 20130101AFI20241128BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20241128BHJP
G06V 40/16 20220101ALI20241128BHJP
【FI】
G06F21/32
G06T7/00 510F
G06V40/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086479
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 裕一
(72)【発明者】
【氏名】北田(安藤) 香苗
(72)【発明者】
【氏名】中西 幸司
(72)【発明者】
【氏名】吉田 慎太郎
【テーマコード(参考)】
5B043
【Fターム(参考)】
5B043AA09
5B043BA04
5B043CA05
5B043CA09
5B043FA08
(57)【要約】
【課題】本人確認を行うための認証方法、認証システム、端末、及びサーバであって、手続きが完了するまでに要する時間を短くする。
【解決手段】本人確認のための認証方法であって、ユーザの本人確認書類から第1顔情報を取得し、ユーザに認証動作の指示を行い、指示された認証動作が行われたかを判定し、第1顔情報と、ユーザを撮像することにより取得された第2顔情報とを照合して合致するかを判定し、指示された認証動作が行われたと判定され、且つ、第1顔情報と第2顔情報とが合致すると判定されたときに本人確認がなされたと認証し、第2顔情報は認証動作が行われているときに取得され、認証動作には顔が正面を向くタイミングが含まれる構成とする。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本人確認のための認証方法であって、
ユーザの本人確認書類から第1顔情報を取得し、
前記ユーザに認証動作の指示を行い、指示された前記認証動作が行われたかを判定し、
前記第1顔情報と、前記ユーザを撮像することにより取得された第2顔情報とを照合して合致するかを判定し、
指示された前記認証動作が行われたと判定され、且つ、前記第1顔情報と前記第2顔情報とが合致すると判定されたときに本人確認がなされたと認証し、
前記第2顔情報は前記認証動作が行われているときに取得され、
前記認証動作には顔が正面を向くタイミングが含まれる認証方法。
【請求項2】
本人確認がなされたと認証されたときに、前記第1顔情報及び前記第2顔情報の少なくとも一方を顔認証用の顔情報として記録する請求項1に記載の認証方法。
【請求項3】
前記認証動作には顔の向きの異なる2つ以上の姿勢をとることが含まれる請求項1に記載の認証方法。
【請求項4】
前記認証動作は連続して身体の正面を中心にして顔が対称な方向に向く2つの前記姿勢をとることが含まれる請求項3に記載の認証方法。
【請求項5】
本人確認のための認証システムであって、
ユーザの本人確認書類から第1顔情報を取得する第1顔情報取得部と、
前記ユーザに認証動作の指示を行い、指示された前記認証動作が行われたかを判定する動作認証部と、
前記第1顔情報と、前記ユーザを撮像することにより取得された第2顔情報とを照合して合致するかを判定する顔照合部と、
指示された前記認証動作が行われたと判定され、且つ、前記第1顔情報と前記第2顔情報とが合致すると判定されたときに本人確認がなされたと認証する認証部と、を有し、
前記第2顔情報は前記認証動作が行われているときに取得され、前記認証動作には顔が正面を向くタイミングが含まれる認証システム。
【請求項6】
本人確認用の認証を行うための端末であって、
ユーザの本人確認書類から第1顔情報を取得し、
前記ユーザに認証動作の指示を行い、指示された前記認証動作が行われたかを判定し、
前記第1顔情報と、前記ユーザを撮像することにより取得された第2顔情報とを照合して合致するかを判定し、
指示された前記認証動作が行われたと判定され、且つ、前記第1顔情報と前記第2顔情報とが合致すると判定されたときに本人確認がなされたと認証し、
前記第2顔情報は前記認証動作が行われているときに取得され、
前記認証動作には顔が正面を向くタイミングが含まれる端末。
【請求項7】
本人確認用の認証を行うためのサーバであって、
ユーザの本人確認書類から第1顔情報を取得し、
前記ユーザに認証動作の指示を行い、指示された前記認証動作が行われたかを判定し、
前記第1顔情報と、前記ユーザを撮像することにより取得された第2顔情報とを照合して合致するかを判定し、
指示された前記認証動作が行われたと判定され、且つ、前記第1顔情報と前記第2顔情報とが合致すると判定されたときに本人確認がなされたと認証し、
前記第2顔情報は前記認証動作が行われているときに取得され、
前記認証動作には顔が正面を向くタイミングが含まれるサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、認証方法、認証システム、端末、及びサーバであって、特に、本人確認のための認証方法、認証システム、端末、及びサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザに顔を撮像させることによって取得された撮像画像を利用したユーザ認証のための認証システムが知られている(特許文献1)。
【0003】
上記特許文献1の認証システムは、運転免許証等の本人確認証の顔写真を撮像画像として使う「なりすまし」を防止するため、ユーザの撮像画像と本人確認証の写真の人物が同一人物か否かの判定と、ユーザの撮像画像が本人確認証の画像の流用ではないかの判定とを行う。
【0004】
上記特許文献1の認証システムでは、1以上の動作をランダムに抽出して、ユーザに対して動作の指示を行い、その動作を行うユーザの動画を撮像する。撮像が完了すると、認証システムは、撮像された動画に基づき、ユーザが指示された動作を行ったか否かの判定と、動作の指示前及び動作の指示後の撮像画像に写ったユーザが同一人物であるか否かの判定と、を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明者らは、顔認証用の顔情報を登録する際に、提供される顔情報が登録しようとするユーザのものであることを確認する、すなわち、本人確認することを行うことを思いついた。そこで、本願発明者らは、上記特許文献1に記載の認証システムに記載された方法に基づき、ユーザ認証を行って、提供される顔情報が登録しようとするユーザのものであることを、すなわち、本人確認を行うことを考案した。
【0007】
しかしながら、本願発明者らは、上記特許文献1の認証システムでは、動作の指示の前に撮像画像を取得する時間帯を設ける必要があるため、認証完了までに要する時間が長くなるという問題があることに気が付いた。
【0008】
そこで、本開示は、本人確認を行うための認証方法、認証システム、端末、及びサーバであって、手続きが完了するまでに要する時間を短くすることを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の認証方法は、本人確認のための認証方法であって、ユーザの本人確認書類から第1顔情報を取得し、前記ユーザに認証動作の指示を行い、指示された前記認証動作が行われたかを判定し、前記第1顔情報と、前記ユーザを撮像することにより取得された第2顔情報とを照合して合致するかを判定し、指示された前記認証動作が行われたと判定され、且つ、前記第1顔情報と前記第2顔情報とが合致すると判定されたときに本人確認がなされたと認証し、前記第2顔情報は前記認証動作が行われているときに取得され、前記認証動作には顔が正面を向くタイミングが含まれる構成とする。
【0010】
本開示の認証システムは、本人確認のための認証システムであって、ユーザの本人確認書類から第1顔情報を取得する第1顔情報取得部と、前記ユーザに認証動作の指示を行い、指示された前記認証動作が行われたかを判定する動作認証部と、前記第1顔情報と、前記ユーザを撮像することにより取得された第2顔情報とを照合して合致するかを判定する顔照合部と、指示された前記認証動作が行われたと判定され、且つ、前記第1顔情報と前記第2顔情報とが合致すると判定されたときに本人確認がなされたと認証する認証部と、を有し、前記第2顔情報は前記認証動作が行われているときに取得され、前記認証動作には顔が正面を向くタイミングが含まれる構成とする。
【0011】
本開示の端末は、本人確認用の認証を行うための端末であって、ユーザの本人確認書類から第1顔情報を取得し、前記ユーザに認証動作の指示を行い、指示された前記認証動作が行われたかを判定し、前記第1顔情報と、前記ユーザを撮像することにより取得された第2顔情報とを照合して合致するかを判定し、指示された前記認証動作が行われたと判定され、且つ、前記第1顔情報と前記第2顔情報とが合致すると判定されたときに本人確認がなされたと認証し、前記第2顔情報は前記認証動作が行われているときに取得され、前記認証動作には顔が正面を向くタイミングが含まれる構成とする。
【0012】
本開示のサーバは、本人確認用の認証を行うためのサーバであって、ユーザの本人確認書類から第1顔情報を取得し、前記ユーザに認証動作の指示を行い、指示された前記認証動作が行われたかを判定し、前記第1顔情報と、前記ユーザを撮像することにより取得された第2顔情報とを照合して合致するかを判定し、指示された前記認証動作が行われたと判定され、且つ、前記第1顔情報と前記第2顔情報とが合致すると判定されたときに本人確認がなされたと認証し、前記第2顔情報は前記認証動作が行われているときに取得され、前記認証動作には顔が正面を向くタイミングが含まれる構成とする。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、本人確認を行うための認証方法、認証システム、端末、及びサーバであって、手続きが完了するまでに要する時間を短くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係る認証システム及び登録システムの機能ブロック図
【
図6】第1実施形態に係るサービス開始までの処理の流れを示すシーケンス図
【
図7】(A)書類選択画面の例、(B)暗証番号入力画面の例、及び、(C)読取実行画面の例を示す図
【
図8】(A)登録済通知画面の例、(B)第1ポーズ指示画面の例、及び、(C)ポーズ認証エラー画面の例
【
図9】(A)第2ポーズ指示画面の例、(B)照合実行画面の例、及び、(C)認証完了画面の例
【
図10】(A)認証完了画面の例、(B)登録完了画面の例、及び、(C)ユーザ登録ができなかった旨を通知する通知画面の例
【
図11】シーケンスIDが1のシーケンスが選択されたときのユーザの認証動作及び指示の流れと、撮像画像の撮影が行われるタイミングを示すタイムチャート
【
図12】シーケンスIDが3のシーケンスが選択されたときのユーザの認証動作及び指示の流れと、撮像画像の撮影が行われるタイミングを示すタイムチャート
【
図13】第2実施形態に係るサービス開始までの処理の流れを示すシーケンス図
【
図14】第3実施形態に係るサービス開始までの処理の流れを示すシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0015】
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、本人確認のための認証方法であって、ユーザの本人確認書類から第1顔情報を取得し、前記ユーザに認証動作の指示を行い、指示された前記認証動作が行われたかを判定し、前記第1顔情報と、前記ユーザを撮像することにより取得された第2顔情報とを照合して合致するかを判定し、指示された前記認証動作が行われたと判定され、且つ、前記第1顔情報と前記第2顔情報とが合致すると判定されたときに本人確認がなされたと認証し、前記第2顔情報は前記認証動作が行われているときに取得され、前記認証動作には顔が正面を向くタイミングが含まれる構成とする。
【0016】
これによると、認証動作と、第1顔情報及び第2顔情報とによる本人確認を行うことができる。また、認証動作が行われているときに照合し易い第2顔情報が取得されるため、手続きが完了するまでに要する時間を短くすることができる本人確認のための認証方法が提供できる。
【0017】
また、第2の発明において、本人確認がなされたと認証されたときに、前記第1顔情報及び前記第2顔情報の少なくとも一方を顔認証用の顔情報として記録する構成とする。
【0018】
これによると、第1顔情報及び第2顔情報の少なくとも一方を顔認証用の顔情報として利用できる。
【0019】
また、第3の発明において、前記認証動作には顔の向きの異なる2つ以上の姿勢をとることが含まれる構成とする。
【0020】
これによると、認証動作中に照合し易い第2顔情報を取得することができる。
【0021】
また、第4の発明において、前記認証動作は連続して身体の正面を中心にして顔が対称な方向に向く2つの前記姿勢をとることが含まれる構成とする。
【0022】
これによると、認証動作中に照合し易い第2顔情報を取得することができる。
【0023】
前記課題を解決するためになされた第5の発明は、本人確認のための認証システムであって、ユーザの本人確認書類から第1顔情報を取得する第1顔情報取得部と、前記ユーザに認証動作の指示を行い、指示された前記認証動作が行われたかを判定する動作認証部と、前記第1顔情報と、前記ユーザを撮像することにより取得された第2顔情報とを照合して合致するかを判定する顔照合部と、指示された前記認証動作が行われたと判定され、且つ、前記第1顔情報と前記第2顔情報とが合致すると判定されたときに本人確認がなされたと認証する認証部と、を有し、前記第2顔情報は前記認証動作が行われているときに取得され、前記認証動作には顔が正面を向くタイミングが含まれる構成とする。
【0024】
これによると、認証動作と、第1顔情報及び第2顔情報とによる本人確認のための認証行うことができ、認証動作が行われているときに第2顔情報が取得されるため、手続きが完了するまでに要する時間を短くすることができる認証システムが提供できる。
【0025】
前記課題を解決するためになされた第6の発明は、本人確認用の認証を行うための端末であって、ユーザの本人確認書類から第1顔情報を取得し、前記ユーザに認証動作の指示を行い、指示された前記認証動作が行われたかを判定し、前記第1顔情報と、前記ユーザを撮像することにより取得された第2顔情報とを照合して合致するかを判定し、指示された前記認証動作が行われたと判定され、且つ、前記第1顔情報と前記第2顔情報とが合致すると判定されたときに本人確認がなされたと認証し、前記第2顔情報は前記認証動作が行われているときに取得され、前記認証動作には顔が正面を向くタイミングが含まれる構成とする。
【0026】
これによると、認証動作と、第1顔情報及び第2顔情報とによる本人確認のための認証が行われ、且つ、認証動作が行われているときに第2顔情報が取得されるため、手続きが完了するまでに要する時間を短くすることができる端末が提供できる。
【0027】
また、第7の発明において、本人確認用の認証を行うためのサーバであって、ユーザの本人確認書類から第1顔情報を取得し、前記ユーザに認証動作の指示を行い、指示された前記認証動作が行われたかを判定し、前記第1顔情報と、前記ユーザを撮像することにより取得された第2顔情報とを照合して合致するかを判定し、指示された前記認証動作が行われたと判定され、且つ、前記第1顔情報と前記第2顔情報とが合致すると判定されたときに本人確認がなされたと認証し、前記第2顔情報は前記認証動作が行われているときに取得され、前記認証動作には顔が正面を向くタイミングが含まれる構成とする。
【0028】
これによると、認証動作と、第1顔情報及び第2顔情報とによる本人確認のための認証が行われ、且つ、認証動作が行われているときに第2顔情報が取得されるため、手続きが完了するまでに要する時間を短くすることができるサーバが提供できる。
【0029】
以下、本開示の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0030】
本発明に係る認証方法は本人確認のための認証方法であって、サービスを提供する際に、ユーザを認証する認証システム1において、登録時の本人確認の際に実施される。
【0031】
(第1実施形態)
認証システム1はユーザから顔画像を取得し、本発明に係る認証方法によって本人確認され、登録された顔情報と照合して顔認証を行う。認証システム1は、顔認証されたユーザに対して、所定のサービスを受けることを許諾する。
【0032】
ユーザが受けることができるサービスには、例えば、建物及びその一部(例えば、行事や会議などを開催するための部屋)の貸与や入退管理、道具や設備の利用、オフィス・車両などの貸与(レンタルサービス)、列車の車両および座席の予約、商品やチケットの販売、交通機関を含む各種施設(例えば、スタジアム)の利用、病院における診察及び治療、パソコン等の機器ログイン、駅や宅配ロッカーの利用、などに関するサービスが含まれる。また、ここでいうサービスには、他人(個人、法人、団体等を含む)に、当該他人が行うサービスの提供の可否を判定する認証事業も含まれうる。
【0033】
その他、ユーザが受けることができるサービスとしては、オンライン試験を提供するサービスや、オフィス・車などのシェアリングサービス、人材、スキル、空間などのマッチングサービスなどが含まれうる。
【0034】
ユーザにサービスを提供する事業者、すなわち、サービス事業者には、個人、法人、及び団体などが含まれうる。
【0035】
認証システム1は新たにサービスの利用を希望するユーザ(すなわち、新規ユーザ)に対し、顔情報を登録するための登録システム101としての機能を有する。認証システム1は、顔情報の登録時に、本人確認を行い、他人が本人になりすまして登録することを防止する機能を有することが望まれる。
【0036】
そこで、認証システム1では、ユーザ登録時に、登録を行っている者が本人であることの確認(すなわち、本人確認)が行われる。更に、認証システム1では、登録済でないこと、すなわち、2重登録が行われていないことの確認が行われる。
【0037】
本人であることの確認(本人確認)は、顔写真付きの本人確認書類の顔写真と、登録を行う人物の撮像顔画像との照合と、登録を行っている人物が他人の画像を流用していないことの確認とに基づく。認証システム1は両者が同一人物であると判定し、且つ、登録を行っている人物が他人の画像を流用していないと確認されたときに、本人確認がなされたとする認証を行う。すなわち、認証システム1は、本人確認のための認証を行う認証システムとしても機能する。
【0038】
本人確認書類は、運転免許証や、マイナンバーカード、パスポート、在留カード、学生証などの身分証であってよい。本人確認書類にはICチップ(Integrated Circuit chip)が内蔵され、そのICチップには個人情報が記録されていることが望ましい。ICチップに記録された情報は、近距離無線通信により読み取ることができる。例えば、運転免許証のICチップに記憶された個人情報には、氏名、顔写真、生年月日、住所、免許証交付年月日、有効期間、免許証番号などが含まれる。これらの個人情報は、必要に応じて、サービスを提供する者に提供されうる。
【0039】
他人の画像を流用していないことの確認には、登録を行っている者に対して、所定のポーズ(姿勢)をとるように指示を出し、正しくできているかを確認するポーズ判定が使用される。
【0040】
以下、認証システム1の構成の詳細について説明する。
【0041】
図1に示すように、認証システム1は、ユーザが携帯するユーザ端末2と、認証事業を行う事業者(認証サービス事業者)によって運用・管理される認証サーバ3と、を備えている。
【0042】
ユーザ端末2と認証サーバ3とは通信ネットワーク5を介して互いに通信可能に接続されている。通信ネットワーク5はいわゆるインターネットであってもよく、また、閉域ネットワークであってもよい。ユーザ端末2及び認証サーバ3はそれぞれ有線によって通信ネットワーク5に接続されていてもよく、また、無線によって通信ネットワーク5に接続されていてもよい。
【0043】
認証サーバ3及びユーザ端末2はサービス提供者が管理する提供者サーバ7に接続されている。提供者サーバ7は、サービス提供者が提供する各種サービスを提供するための各種処理を実行する。提供者サーバ7が提供する処理には、例えば、オンラインショッピングや、オンライン予約、オンライン試験等の各種オンラインサービスに要する処理が含まれうる。認証システム1は、提供者サーバ7からサービスが提供される前に顔認証を行い、提供者サーバ7は認証されたユーザに対してサービスを提供する。
【0044】
ユーザ端末2は、スマートフォン、タブレット端末、またはPCなどの通信機能を有する情報機器によって構成されえる。ユーザは、自身が携帯するユーザ端末2を用いて、認証サーバ3との通信によって顔認証やユーザ登録のための各種処理を行う。
【0045】
その他、認証システム1は、ユーザ端末2としての認証機2Aを備えていてもよい。認証機2Aは、例えば、サービス事業者が所有する各種店舗に設置され、ドアやゲートのロックの開錠や、電子決済等のための顔認証やユーザ登録のための各種処理を行う。
【0046】
図2に示すように、ユーザ端末2は、プロセッサ11(CPU、MPU等)、揮発性メモリ(RAM)や不揮発性メモリ(ROM)等のメモリ12、タッチパネルディスプレイ13、カメラ14、読取装置15、通信インタフェース16、及びストレージ17を備える。その他、ユーザ端末2はスピーカ18を備えていてもよい。
【0047】
読取装置15は、近距離無線通信(以下、NFC)により本人確認書類に搭載されたICチップに記憶されたデータの読み取りを行う。読取装置15は公知のNFCのリーダ(又は、リーダライタ)であってよい。
【0048】
図1に示すように、ユーザ端末2は機能部として、通信部21と、記憶部22と、読取部23と、撮像部24と、通知部25と、動作認証部26と、顔画像取得部27と、を備えている。
【0049】
通信部21は、通信インタフェース16を含む。通信部21は、公知の通信プロトコルにしたがって、通信ネットワーク5を介して他の装置(認証サーバ3など)と無線通信または有線通信を行う。
【0050】
記憶部22は、ユーザ端末2のメモリ12やストレージ17を含む。記憶部22は、ユーザ端末2において行われる各種処理に必要となる情報を記憶する。
【0051】
読取部23は、読取装置15及びカメラ14の少なくとも一方を含む。読取部23は本人確認書類の顔写真(第1顔情報)を読み取り、認証サーバ3に送信する。本実施形態では、読取部23は読取装置15を介して本人確認書類に搭載されたICチップから顔写真に対応するデータを読み取り、認証サーバ3に送信する。また、読取部23はユーザに本人確認書類を撮像するように指示する通知をタッチパネルディスプレイ13に表示させ、本人確認書類(例えば、運転免許証)の顔写真を読み取り、顔写真と個人情報とを認証サーバ3に送信してもよい。本実施形態では、読取部23は本人確認書類のICチップから顔写真と氏名とを取得し、認証サーバ3に送信する。
【0052】
撮像部24は単一又は複数のカメラ14を含む。カメラ14はタッチパネルディスプレイ13の近傍に設けられ、ユーザ端末2を操作するユーザの顔を撮像可能な位置に設けられている。撮像部24は、ユーザ端末2を操作するユーザを撮像することによって撮像画像(静止画)や動画を取得する。
【0053】
通知部25は、タッチパネルディスプレイ13及びスピーカ18の少なくとも一方を含み、タッチパネルの表示やスピーカ18から発する音声によってユーザに各種通知を行う。
【0054】
動作認証部26は登録を行っている者に対して、所定のポーズ(姿勢)をとるように指示を出し、指示したポーズ(姿勢)が正しくとられているかを判定するポーズ判定を行うことによって動作認証を行う。動作認証部26は、ユーザ端末2のプロセッサ11が所定のプログラムに従って処理を行うことによって構成される。
【0055】
このような処理を行うため、動作認証部26は、ポーズ指示部31と、ポーズ照合部32と、動作照合部33と、を備える。
【0056】
ポーズ指示部31はユーザ端末2のプロセッサ11が所定のプログラムを実行することによって構成されうる。ポーズ指示部31は記憶部22に記憶されたポーズ判定データベース22A(ポーズ判定DB)から通知すべき内容を取得し、通知部25から通知を行うことにより、ユーザにポーズ指示を行う。
【0057】
ポーズ判定データベース22Aには、ポーズ(姿勢)に対応する識別番号(以下、ポーズID)と、対応する指示テキストとが記録されている。ポーズ指示部31は、動作照合部33から指示するべきポーズIDを受け付けると、ポーズ判定データベース22Aを参照してポーズIDに対応する指示テキストを取得し、取得した指示テキストを通知部25に通知させる。
【0058】
ポーズ照合部32はユーザ端末2のプロセッサ11が所定のプログラムを実行することによって構成され得る。ポーズ照合部32はポーズ指示部31によってポーズ指示が行われた後に撮像部24からリアルタイムで撮像画像を取得し、公知の手法を用いてユーザの顔の向きや手の位置等を抽出して、ユーザがポーズ指示に整合するポーズ(姿勢)をとったか否かを判定する。
【0059】
ポーズ照合部32は、例えば、機械学習により構築された学習モデルを用いて、顔の向きを(具体的は、左右何度方向を向いているか、上下何度方向を向いているか等)を判定することができる。その他、ポーズ照合部32は、例えば、機械学習により構築された学習モデルを用いて、右手、左手、左肩、右肩の位置を抽出し、右手が右肩よりも上に位置しているか、左手が左肩よりも上に位置しているか、等を判定する。
【0060】
本実施形態では、ポーズ判定データベース22Aに、ポーズ指示が満たされたと判定するための条件(以下、ポーズ判定条件)がポーズIDと関連付けて記録されている。ポーズ照合部32は動作照合部33から判定するべきポーズIDを取得すると、ポーズ判定データベース22Aを参照して、ポーズIDに対応するポーズ判定条件を取得し、取得したポーズ判定を満たすか否かを判定する。ポーズ判定条件が満たされたと判定したときには、ポーズ照合部32はポーズ判定条件が満たされたことを動作照合部33に通知する。
【0061】
図3には、ポーズIDと、対応するポーズ指示の内容とが記録されたポーズ判定データベース22Aの例が示されている。ポーズ判定データベース22Aには、ポーズIDと、対応するポーズに係る情報と、対応するポーズ指示を示すテキストと、ポーズ指示に対応するポーズ(姿勢)が取られたと判定するための条件とが関連付けて記録されている。
【0062】
動作照合部33はユーザ端末2のプロセッサ11が所定のプログラムに従って処理を実行することにより構成されうる。動作照合部33は認証サーバ3から動作認証開始の指示を受け取ると、記憶部22に保持された動作指示データベース22Bから一つのシーケンスデータを取得する。シーケンスデータは、1以上のポーズ指示(姿勢指示)とその順番とに係る情報を含む。
【0063】
図4には、本実施形態に係る動作指示データベース22Bが示されている。動作指示データベース22Bには、シーケンスの識別番号(シーケンスID)と、第1ポーズ識別番号(第1ポーズID)と、第2ポーズ識別番号(第2ポーズID)とを含む複数のシーケンスデータが記録されている。但し、動作指示データベース22Bに記録されたシーケンスデータには、必ず第1ポーズIDが含まれている。すなわち、動作指示データベース22Bには、第2ポーズIDが含まれていない(例えば、第2ポーズIDがNullである)シーケンスデータが記録されている場合もある。
【0064】
動作認証開始の指示を受け取ると、動作照合部33は、動作指示データベース22Bからランダムにシーケンスを選択する。その後、動作照合部33は、動作指示データベース22Bから選択されたシーケンスのシーケンスデータを取得する。
【0065】
シーケンスデータに第2ポーズIDが記録されているときには、動作照合部33は1番目(最初)にポーズ指示部31に第1ポーズIDに対応するポーズ指示を行う。ポーズ照合部32によって第1ポーズIDに対応するポーズ判定条件が満たされたと判定されると、動作照合部33は第2ポーズIDに対応するポーズ指示を行う。ポーズ照合部32によって第1ポーズIDに対応するポーズ判定条件が満たされたと判定されると、選択されたシーケンスに対応する一連の動作が行われた(すなわち、動作認証がされた)と判定し、判定結果を認証サーバ3に通知する。また、動作認証が完了したときには、ポーズ照合部32は顔画像取得部27に動作認証が完了した旨を通知する。
【0066】
シーケンスデータに第2ポーズIDが記録されていないときには、動作照合部33は1番目(最初)にポーズ指示部31に第1ポーズIDに対応するポーズ指示を行う。ポーズ照合部32によって第1ポーズIDに対応するポーズ判定条件が満たされたと判定されると、選択されたシーケンスに対応する一連の動作が行われた(すなわち、動作認証がされた)と判定し、判定結果を顔画像取得部27と認証サーバ3とに通知する。
【0067】
第1ポーズID及び第2ポーズIDがともに記録されているときには、第1ポーズIDに対応するポーズ(以下、第1ポーズ)と、第2ポーズIDに対応するポーズ(第2ポーズ)とは、顔の向きが異なるように設定されている。
【0068】
図3及び
図4に示すように、シーケンスIDが1のシーケンスでは、第1ポーズは顔を左に向けたポーズ(姿勢)であり、動作認証において、最初に左に向くようにポーズ指示が行われる。第2ポーズは顔を右に向けたポーズ(姿勢)であり、シーケンスIDが1のシーケンスでは、顔を左に向けたポーズが確認された後、右に向くように指示が行われる。
【0069】
シーケンスIDが2のシーケンスでは、第1ポーズは顔を右に向けたポーズ(姿勢)であり、第2ポーズは顔を左に向けたポーズ(姿勢)である。シーケンスIDが3のシーケンスでは、第1ポーズは顔を下に向けたポーズ(姿勢)であり、第2ポーズは顔を上に向けたポーズ(姿勢)である。シーケンスIDが4のシーケンスでは、第1ポーズは顔を上に向けたポーズ(姿勢)であり、第2ポーズは顔を下に向けたポーズ(姿勢)である。
【0070】
このように、第1ポーズ(第1姿勢)及び第2ポーズ(第2姿勢)は、ユーザが第1ポーズから第2ポーズに移るときに、ユーザの顔の向きが撮像部24(カメラ14)に向くように設定されていることが好ましい。第1ポーズ(第1姿勢)と、第2ポーズ(第2姿勢)とは身体の正面を中心にして顔の向きが対称をなすように設定されているとよい。
【0071】
第2ポーズIDが記録されていないときには、第1ポーズIDに対応するポーズ(姿勢)はユーザ端末2のタッチパネルに対しユーザが正面に向く(すなわち、ユーザが撮像部24に対して正面を向く)ように設定されている。
【0072】
具体的には、
図3及び
図4に示すように、シーケンスIDが5のシーケンスでは、第1ポーズは右手を挙手するポーズ(姿勢)に設定され、シーケンスIDが6のシーケンスでは、第1ポーズは左手を挙手するポーズ(姿勢)に設定されている。
【0073】
顔画像取得部27は、ユーザ端末2のプロセッサ11が所定のプログラムを実行し、処理を行うことによって構成され得る。顔画像取得部27は、動作認証が開始してから動作認証が完了するまでの間、すなわち、ユーザによって認証動作が行われている間に、撮像部24において取得される画像からユーザが撮像部24(カメラ14)に対して正面を向いたときのユーザの顔画像を取得する。
【0074】
本実施形態では、顔画像取得部27は、認証サーバ3から動作認証の開始を指示する信号を受信し、第1ポーズのポーズ指示を行った(すなわち、動作認証を開始した)後、動作照合部33(動作認証部26)から動作認証が完了した旨が通知されるまでの間、所定時間おきに(又はリアルタイムで)、撮影部から撮像画像を取得し、ユーザの顔の向きを判定する。顔画像取得部27は、機械学習により構築された学習モデルを用いて、ユーザの顔の向きを判定するとよい。顔画像取得部27は、ユーザの顔が正面を向いていると判定したときに、撮影部が取得した撮像画像を顔画像として記憶部22に保存するとよい。顔画像取得部27は、ユーザの顔の向きが身体の正面に対して左右5度以内であるときに、ユーザの顔が正面を向いていると判定するとよい。
【0075】
動作認証を開始してから動作認証の結果が取得されるまでの間に、顔画像取得部27が撮像部24によるユーザの顔が正面を向いているときの撮像画像(第2顔情報)を取得できたときには、取得した撮像画像を認証サーバ3に送信する。
【0076】
動作認証を開始してから動作認証の結果が取得されるまでの間に、顔画像取得部27が撮像部24によるユーザの顔が正面を向いているときの撮像画像を取得できなかったときには、顔画像取得部27は動作認証部26に対し、再度、動作認証部26に第1ポーズに対応するポーズ指示を行わせて、動作認証をやり直すように指示する。
【0077】
図2に示すように、認証サーバ3は、プロセッサ41(CPU、MPU等)、揮発性メモリ(RAM)や不揮発性メモリ(ROM)等のメモリ42、ストレージ43、通信インタフェース44を備える。その他、認証サーバ3は、更に、ディスプレイ(不図示)や、マウスやキーボード等の入力装置(不図示)を備えていてもよい。
【0078】
図1に示すように、認証サーバ3は、機能部として、通信部51と、記憶部52と、顔特徴量取得部53と、顔照合部54と、顔情報登録部55と、サービス開始処理部56と、を備えている。
【0079】
通信部51は、通信インタフェース44を含む。通信部51は、公知の通信プロトコルにしたがって、通信ネットワーク5を介して他の装置(ユーザ端末2など)と無線通信または有線通信を行う。
【0080】
記憶部52は、メモリ42や、ストレージ43を含む。記憶部52は、認証サーバ3において行われる各種処理に必要となる情報を記憶する。
【0081】
記憶部52は、利用者データベース52Aを保持している。
【0082】
図5には、利用者データベース52Aの例が示されている。利用者データベース52Aには、登録済の利用者の識別番号(利用者ID)と、対応する利用者の氏名と、対応する顔情報とが関連付けて記憶されている。
【0083】
顔情報は、顔特徴量及び顔画像の少なくとも一方に係る情報を含んでいるとよい。本実施形態では、顔情報は顔特徴量を示す識別番号(顔特徴量ID)と、顔画像を示す識別番号(顔画像ID)とを含んでいる。
【0084】
その他、利用者データベース52Aには、顔画像IDに対応する画像の種別(本人確認書類又は撮像写真のいずれか)と、その画像が利用者データベース52Aに登録された日時とが、利用者IDに関連付けて記憶されている。
図5に示す例では、画像の種別として、運転免許証やパスポート等の本人確認書類の種別が記録されている。
【0085】
顔特徴量取得部53は、ユーザ端末2から本人確認書類の顔画像及び撮像部24によって取得された撮像画像を取得すると、それぞれの画像から顔特徴量を取得し、顔照合部54に出力する。顔特徴量は、画像に写っている人物が同一人物かどうかを判定するためのデータであり、例えば、画像中の目や鼻、口、顔の輪郭などの特徴点に基づいて取得される量であってよい。
【0086】
顔特徴量取得部53は、その他、ユーザ端末2から本人確認書類の顔画像のみを取得した場合には、それぞれの画像から顔特徴量を取得し、顔照合部54に出力する。
【0087】
顔特徴量取得部53は、同様に、認証機2Aによって取得された顔画像や、ユーザ端末2によって取得された撮像画像のみを取得した場合には、それぞれの画像から顔特徴量を取得し、顔照合部54に出力する。
【0088】
顔照合部54は顔特徴量取得部53から、本人確認書類の顔画像の顔特徴量と、撮像画像の顔特徴量とを取得すると、顔画像と撮像画像とに写っている人物が同一人物か否かを2つの顔特徴量に基づき判定する。このとき、顔照合部54は2つの顔特徴量の比較を行い、照合スコアを算出してもよい。照合スコアは2つの顔特徴量の合致度合い(マッチング度合い)を示す数値であり、数値が高くなるほど合致していることを示す。顔照合部54は、照合スコアが所定の閾値以上であるときに、本人確認書類の顔画像と撮像画像とに写っている同一人物であると判定してもよい。顔照合部54は、本人確認書類の顔画像に写っている人物と、撮像画像に写っている人物が同一人物であるか否かの判定結果と、それぞれの顔特徴量とを、顔情報登録部55に出力する。
【0089】
顔照合部54は、顔特徴量取得部53から、本人確認書類の顔画像に対応する顔特徴量のみを取得したときには、記憶部52に記憶された利用者データベース52Aを参照して、取得した顔特徴量に対応する利用者の利用者IDを抽出する。顔照合部54は対応する利用者IDを取得できなかったときは、ユーザ端末2に動作認証を開始する旨の通知を行う。対応する利用者IDを取得したときには、顔照合部54は既に、ユーザ登録がなされていると判定し、ユーザ端末2にその旨を通知し、ユーザ登録の処理を終える。
【0090】
顔照合部54は、顔特徴量取得部53から、認証機2Aによって取得された顔画像や、ユーザ端末2によって取得された撮像画像に対応する顔特徴量のみを取得した場合には、記憶部52に記憶された利用者データベース52Aを参照して、取得した顔特徴量に合致する(すなわち、照合スコアが所定の閾値以上)顔特徴量が記録された利用者の利用者IDを抽出する。顔照合部54は、対応する利用者の利用者IDが抽出できたときには、その利用者の氏名などの情報を認証機2Aやユーザ端末2に送信し、抽出できなかったときには照合ができなかった旨の通知を認証機2Aやユーザ端末2に送信する。
【0091】
顔情報登録部55は、動作照合部33(動作認証部26)による動作認証がされたか否かの判定結果と、顔照合部54による顔写真と撮像画像とが合致する(同一人物の写真である)か否かの判定結果とに基づき、動作認証がされ、且つ、本人確認書類の顔写真と撮像画像とが合致すると判定されたときに、すなわち、本人確認がなされたとする認証を行う。すなわち、顔情報登録部55は、本人確認のための認証を行う認証部として機能する。顔情報登録部55は、本人確認のための認証が完了すると、記憶部52に保持された利用者データベース52Aにデータを追加し、ユーザ登録を行う。
【0092】
具体的には、顔情報登録部55は、動作照合部33によって一連の動作がされた(一連のポーズがとられた)と判定され、且つ、顔照合部54によって同一人物であると判定されたときに、利用者データベース52Aに記録されていない新しい利用者IDを取得する。その後、顔情報登録部55は、本人確認書類の顔写真又は撮像画像を利用者IDに対応する顔画像として記憶部52に記憶させるとともに、顔写真又は撮像画像から取得される顔特徴量を記憶部52に記憶させる。このとき、顔情報登録部55は、記憶部52に記憶させた顔画像の識別情報(ファイル名等)と、顔写真又は撮像画像から取得される顔特徴量の識別情報(ファイル名等)と、氏名等の個人情報と、を、新たに取得した利用者IDに関連付けて、利用者データベース52Aに記録し、データを追加する。
【0093】
この利用者データベース52Aへのデータの追加時に、顔情報登録部55は、利用者データベース52Aに登録する画像の種別(撮像画像、本人確認書類の種別など)と、登録を行った日時とを併せて、顔画像や顔特徴量の識別情報や、氏名等の個人情報とともに、新たに取得した利用者IDに関連付けて利用者データベース52Aに記録するとよい。
【0094】
利用者データベース52Aへの記録が完了し、データの追加が完了(すなわち、ユーザ登録が完了)したときには、顔情報登録部55は、サービス開始処理部56にサービス事業者のサービスを提供する際に必要となる処理の開始を指示する。
【0095】
但し、顔情報登録部55は、ユーザ端末2に登録することなく、サービス事業者のサービスの提供を希望することを示す入力があったときには、利用者データベース52Aにデータを登録することなく、サービス開始処理部56にサービス事業者のサービスを提供する際に必要となる処理の開始を指示してもよい。
【0096】
サービス開始処理部56は、登録済のユーザに対し、サービス事業者のサービスの提供を開始する前に要する処理(以下、サービス開始前処理)を行う。
【0097】
サービス開始処理部56は、認証サーバ3が本人確認書類の顔写真のみを取得しているとき(すなわち、撮像部24による顔画像の取得が完了していないときには)、開始前処理において、ユーザ端末2に再度、顔認証や動作認証のために要する処理の実行を指示する旨の通知を行ってもよい。開始前処理が完了すると、サービス事業者が提供するサービスを行うサーバに、取得した顔写真に対応する利用者の利用者IDとともに、開始前処理の完了を通知する。なお、サービス開始処理部56は、利用者データベース52Aにデータを登録することなくサービス開始前処理を行う場合には、利用者IDの代わりに、本人確認書類から取得した個人情報をサービス事業者が提供してもよい。これにより、本人確認の認証完了後に、ユーザはサービス事業者が提供するサービスを利用できる。
【0098】
次に、認証システム1の動作について、まず、ユーザが初めてサービス事業者が提供するサービスを初めて利用する場合の登録の流れを説明する。
【0099】
認証システム1は、登録時に本人確認のための認証を行う認証方法を実施するべく、所定のプログラム(認証プログラム)を実行し、認証処理を行う。
図6には、認証処理を含み、ユーザ登録が完了するまでの流れを示すタイムチャートが示されている。
【0100】
登録処理を開始すると、ユーザ端末2のプロセッサ11は、本人確認書類読取処理を開始する(S101)。
【0101】
ユーザ端末2のプロセッサ11は、本人確認書類読取処理を開始すると、タッチパネルディスプレイ13に本人確認書類の書類選択画面61を表示する。
図7(A)には書類選択画面61の例が示されている。書類選択画面61には、本人確認書類を選択する1以上のボタン61Aが設けられている。本実施形態では、書類選択画面61には、本人確認書類として運転免許証を選択するボタン61Aと、マイナンバーカードを選択するボタン61Aとの2つのボタン61Aが設けられている。
【0102】
ユーザがいずれかのボタン61Aをタッチすると、ユーザ端末2のプロセッサ11は、タッチパネルディスプレイ13に暗証番号入力欄62Aを含む暗証番号入力画面62を表示する。
図7(B)には、ユーザが本人確認書類として運転免許証が選択されたときの暗証番号入力画面62が示されている。
【0103】
暗証番号が入力されると、ユーザ端末2のプロセッサ11は、タッチパネルディスプレイ13に読取実行画面63を表示する。
図7(C)には、読取実行画面63の例が示されている。
図7(C)に示す例では、タッチパネルディスプレイ13には、読取部23に本人確認書類(免許証)をかざすように指示するメッセージ63Aが表示される。読取部23(読取装置15、第1顔情報取得部)によって本人確認書類のICチップから顔写真と氏名等の個人情報とが取得されると、ユーザ端末2のプロセッサ11は読み取った顔写真と個人情報と本人確認書類の種別とを示すデータを認証サーバ3に送信する(S102)。
【0104】
但し、書類選択画面61においてユーザがICチップを備えていない書類(例えば、学生証等)が選択可能となるように構成されていてもよい。この場合には、ユーザ端末2のプロセッサ11は、本人確認書類の顔画像の代わりに、撮像部24(カメラ14)によってユーザの顔を撮影することを指示する通知を行うとよい。ユーザ端末2のプロセッサ11は撮像部24が取得した顔画像を本人確認書類の顔写真の代わりに、撮像部24によって取得した顔画像を認証サーバ3に送信するとよい。また、ユーザ端末2のプロセッサ11は、取得した顔画像を本人確認書類の顔写真の代わりに認証サーバ3に送信するまえに、タッチパネルディスプレイ13において、氏名等の個人情報の入力を受け付けて、取得した顔画像と個人情報とを認証サーバ3に送信してもよい。
【0105】
認証サーバ3のプロセッサ41は、ユーザ端末2から本人確認書類の顔写真と個人情報とを示すデータを取得すると、本人確認書類の顔写真に写っている人物が登録済であるかを判定し、2重登録チェックを行う(S104)。
【0106】
具体的には、認証サーバ3のプロセッサ41は、本人確認書類の顔写真から取得した顔特徴量を用いて、利用者データベース52Aを検索し、顔写真から取得した顔特徴量に合致する顔特徴量が記録されているか否かを判定する。
【0107】
利用者データベース52Aに顔写真から取得した顔特徴量に合致する顔特徴量が記録されているときには、認証サーバ3のプロセッサ41は本人確認書類の顔写真に写っている人物が登録済である(2重登録に該当する)ため、端末に登録済であることを示す登録済通知画面65を表示させる。これにより、登録済であるユーザの顔画像や個人情報の2重登録が防止される。
【0108】
図8(A)には、登録済通知画面65の例が示されている。本実施形態では、登録済通知画面65には、登録済であることを示すメッセージと、読み取られた利用者に係る情報(本実施形態では氏名と顔写真)とを含むポップアップ65Aが表示されている。
【0109】
顔写真に対応する顔特徴量が利用者データベース52Aに登録されていないとき(すなわち、2重登録に該当しないとき)には、認証サーバ3のプロセッサ41は、ユーザ端末2のプロセッサ11は、動作認証の開始指示を送信する(S104)。これにより、ユーザ端末2のプロセッサ11(動作認証部26)は、動作認証処理を開始する。
【0110】
動作認証処理において、まず、ユーザ端末2のプロセッサ11が、動作指示データベース22Bから動作認証を行うためのシーケンスを選択する(S105)。シーケンスの選択はランダムに行われるとよい。
【0111】
次に、ユーザ端末2のプロセッサ11は、動作指示データベース22Bを参照して、認証サーバ3によって決定されたシーケンスIDに関連付けられている第1ポーズID及び第2ポーズIDを抽出する(S106)。
【0112】
以下では、第1ポーズ及び第2ポーズが設定されている(シーケンスIDにおいて第2ポーズの欄がNullではない)例について説明する。
【0113】
次に、ユーザ端末2のプロセッサ11は、抽出した第1ポーズIDに基づき、ポーズ判定データベース22Aを参照して、第1ポーズIDに対応するポーズ指示を示すテキストを抽出する。その後、ユーザ端末2のプロセッサ11は、抽出したテキストをタッチパネルディスプレイ13に表示する、スピーカ18から抽出したテキストに対応する音声を発生させる、等によって、ユーザに第1ポーズに対応するポーズ指示を行う(S107)。
【0114】
図8(B)には、シーケンスIDが1のシーケンスが選択され、第1ポーズが左を向くポーズである場合に、ユーザ端末2のタッチパネルディスプレイ13に表示される第1ポーズ指示画面66の例が示されている。例示されている第1ポーズ指示画面66には、撮像装置(カメラ14)によって取得されているリアルタイムの撮像画像66Aとともに、第2ポーズ(すなわち、右を向くポーズ(姿勢))をとるように指示するテキスト66Bが表示されているとよい。
【0115】
次に、ユーザ端末2のプロセッサ11は、第1ポーズに対応するポーズ指示が完了すると、抽出した第1ポーズIDに基づき、ポーズ判定データベース22Aを参照して、第1ポーズに対応するポーズ判定条件を取得する。その後、ユーザ端末2のプロセッサ11は、撮像装置(カメラ14)によって取得される画像に基づき、所定時間(例えば、5秒~10秒)にわたって、ユーザが第1ポーズをとったか否か(すなわち、第1ポーズに対応するポーズ判定条件を満たすようになったか否か)を判定する(S108)。
【0116】
図8(C)には、ユーザが第1ポーズを取らなかった場合(S108においてNo)にユーザ端末2のタッチパネルディスプレイ13に表示されるポーズ認証エラー画面67が表示されている。
図8(C)に示すように、ポーズ認証エラー画面67には、第1ポーズ(左に向くポーズ(姿勢))をとるようにユーザに指示するテキスト67Aが表示されているとよい。
【0117】
図8(C)に示す例では、ポーズ認証エラー画面67に再開ボタン67Bが表示されている。ユーザが、再開ボタン67Bに入力を行うと、ユーザ端末2のプロセッサ11は、再度、タッチパネルディスプレイ13の表示やスピーカ18から発する音声によって、第1ポーズに対応するポーズ指示を行う(S107)。
【0118】
ユーザ端末2のプロセッサ11は、ユーザが第1ポーズをとった、すなわち、第1ポーズに対応するポーズ判定条件を満たした(クリアした)と判定すると(S108においてYes)、抽出した第2ポーズIDに基づき、ポーズ判定データベース22Aを参照して、第2ポーズIDに対応するポーズ指示を示すテキストを抽出する。その後、ユーザ端末2のプロセッサ11は、抽出したテキストをタッチパネルディスプレイ13に表示する、スピーカ18から抽出したテキストに対応する音声を発生させる、等によって、ユーザに第2ポーズに対応するポーズ指示を行う(S109)。
【0119】
図9(A)には、シーケンスIDが1のシーケンスが選択され、ユーザが第1ポーズを取った後に、ユーザ端末2のタッチパネルディスプレイ13に表示される第2ポーズ指示画面71の例が示されている。例示されている第2ポーズ指示画面71には、撮像装置(カメラ14)によって取得されているリアルタイムの撮像画像71Aとともに、第2ポーズ(すなわち、右を向くポーズ)をとるように指示するテキスト71Bが表示されているとよい。
【0120】
次に、ユーザ端末2のプロセッサ11は、第2ポーズに対応するポーズ指示が完了すると、抽出した第2ポーズIDに基づき、ポーズ判定データベース22Aを参照して、第2ポーズに対応するポーズ判定条件を取得する。その後、ユーザ端末2のプロセッサ11は、撮像装置(カメラ14)によって取得される画像に基づき、所定時間(例えば、5秒~10秒)にわたって、ユーザが第1ポーズをとったか否か(すなわち、第1ポーズに対応するポーズ判定条件を満たすようになったか否か)を判定する(S110)。
【0121】
ユーザ端末2のプロセッサ11は、ユーザが第2ポーズをとらなかった(S110においてNo)と判定すると、ユーザ端末2のプロセッサ11は、再度、タッチパネルディスプレイ13の表示やスピーカ18から発する音声によって、第1ポーズに対応するポーズ指示を行う。このとき、ユーザ端末2に表示される画面は、
図8(C)に示すポーズ認証エラー画面67と同様のものであってよい。
【0122】
ユーザ端末2のプロセッサ11は、第1ポーズに対応するポーズ指示を行った後(すなわち、動作認証を開始した後)、ユーザが第2ポーズをとったか否かの判定結果が取得されるまで(動作認証の結果が取得されるまで)の間に、カメラ14(撮像装置)によってユーザが正面を向くタイミングでの画像取得を試みる(S111)。
【0123】
このとき、ユーザ端末2のプロセッサ11は、動作認証開始後、動作認証完了までの間に、カメラ14によって動画を取得し、その動画の中から、ユーザが正面を向くタイミングを抽出して、ユーザが正面を向く画像を取得してもよい。その他、ユーザ端末2のプロセッサ11は、動作認証開始後、動作認証完了までの間に、カメラ14によるリアルタイムの撮像画像を解析することによってユーザの姿勢を取得し、ユーザが正面を向くタイミングを取得できたときに、カメラ14によって撮影を行い、撮像画像を取得してもよい。ユーザ端末2のプロセッサ11は、ユーザの顔の向きがカメラ14の撮影方向(光軸)に対して左右5度以内であるときに、ユーザが正面を向いていると判定してもよい。
【0124】
ユーザ端末2のプロセッサ11は、ユーザが第2ポーズをとった(S110においてYes)と判定すると、ユーザに第1ポーズの指示を行ったのち、ユーザが第2ポーズをとったか否かの判定結果が取得されるまでの間に、カメラ14によってユーザが正面を向く撮像画像(すなわち、顔照合に使用可能な撮像画像)が取得できたか否かを判定する(S112)。このとき、ユーザ端末2のプロセッサ11は、撮像画像が顔照合に適したものであるか(例えば、焦点が合っていない等)も判定してもよい。
【0125】
ユーザ端末2のプロセッサ11はユーザが正面を向く撮像画像が取得できた(顔照合に適した撮像画像を取得できた)と判定したとき(S112においてYes)には、カメラ14によって取得された撮像画像と、動作認証された旨の通知とを認証サーバ3に送信する(S113)。
【0126】
ユーザ端末2のプロセッサ11は、ユーザに第1ポーズの指示を行ったのち、ユーザが第2ポーズをとったか否かの判定結果が取得されるまでの間に、ユーザが正面を向く撮像画像が取得できなかったとき(S112においてNo)には、第1ポーズのポーズ指示から、動作認証の処理を再度実行する(S107)。
【0127】
このとき、ユーザ端末2のプロセッサ11は、ユーザが正面を向いたタイミングの画像が顔照合に適したものであるか(例えば、焦点が合っていない等)も判定し、適していないと判定したときに、再度、第1ポーズのポーズ指示から、動作認証の処理を再度実行するとよい。
【0128】
認証サーバ3のプロセッサ41(顔照合部54)は、ユーザ端末2から撮像装置によって取得された撮像画像と、動作認証された旨の通知とを取得すると、撮像画像と、本人確認書類の顔写真と照合(顔照合)する(S114)。具体的には、認証サーバ3のプロセッサ41は、撮像画像と、本人確認書類の顔写真とからそれぞれ顔特徴量を抽出する。その後、認証サーバ3は、取得した2つの顔特徴量を照合することによって、撮像画像に写っている人物と、顔写真に写っている人物とが、同一人物であるか否かを判定する。このとき、認証サーバ3のプロセッサ41は、2つの顔特徴量の照合スコアを取得し、その照合スコアが所定の閾値以上であるときに、撮像画像に写っている人物と、本人確認書類の顔写真に写っている人物とが同一人物であると判定してもよい。
【0129】
図9(B)には、ユーザ端末2が、撮像画像と、動作認証された旨の通知とを認証サーバ3に送信した後、顔照合が完了するまでにタッチパネルディスプレイ13に表示する照合実行画面72の例が示されている。
図9(B)に示すように、照合実行画面72には、撮像画像と、ローディングアニメーション72Aとが重畳されて示されていてもよい。
【0130】
認証サーバ3のプロセッサ41(顔情報登録部55、認証部)は、動作認証(ポーズ確認)がなされ(S110)、撮像画像に写っている人物と、顔写真に写っている人物とが、同一人物であると判定したときには、本人確認のための認証がなされたと判定する。その後、認証サーバ3のプロセッサ41は、記憶部52に保持された利用者データベース52Aにデータを追加することにより、ユーザ登録を行う(S114)。
【0131】
具体的には、認証サーバ3のプロセッサ41は、新たな利用者IDを取得し、撮像画像から取得された顔特徴量、又は、本人確認書類の顔写真から取得された顔特徴量のいずれか一方と、本人確認書類から読み取られた氏名とを、利用者IDに関連付けて、利用者データベース52Aに追加する。同時に、認証サーバ3のプロセッサ41は、また、撮像画像及び本人確認書類の顔写真のいずれか一方の画像と、登録日時とを、追加する画像の種別とを、新たに取得した利用者IDに関連付けて、利用者データベース52Aに追加する。
【0132】
別の実施例では、認証サーバ3のプロセッサ41は、ユーザ端末2に対し、認証できたことを示す通知を送信する。ユーザ端末2は、認証できたことを示す通知を受信すると、タッチパネルディスプレイ13に認証完了画面73を表示する。認証完了画面73には、認証できたことを示すテキスト73Aと、登録ボタン73Bとが表示されている。登録ボタン73Bへの入力が検出されると、ユーザ端末2は登録許可があった旨の通知を行う。認証サーバ3は登録許可があった旨の通知を受信すると、撮像画像及び本人確認書類の顔写真のいずれか一方の画像と、登録日時とを、新たに取得した利用者IDに関連付けて、利用者データベース52Aに追加することにより、ユーザ登録を行う。
【0133】
また、ユーザ端末2が表示する認証完了画面73には、登録ボタン73Bとともに(又は、登録ボタン73Bに代えて)、「登録することなくサービスの利用を開始する」と記載された利用開始ボタンが表示されていてもよい。ユーザが利用開始ボタンをタッチすると、利用者データベース52Aにデータを登録することなく、サービス開始処理部56にサービス事業者のサービスを提供する際に必要となる処理の開始が指示される。これにより、ユーザはユーザ登録をすることなく、サービスの提供を受けることができる。
【0134】
図9(C)には、認証完了画面73の例が示されている。
図9(C)に示す認証完了画面73には認証できたことを示すテキスト73Aと、登録ボタン73Bと、本人確認書類から読み取られた顔画像73Cと、カメラ14(撮像装置)によって取得された撮像画像73Dと、が表示されている。
【0135】
更に、他の実施例では、ユーザ端末2のプロセッサ11はタッチパネルに利用者データベース52Aに登録(又は記録)する画像の選択画面を表示させて、登録する画像のユーザ選択を受け付ける。
【0136】
図10(A)には、登録する画像のユーザ選択を受け付ける場合の認証完了画面75の例が示されている。認証完了画面75には、
図9(C)に示す例と同様に、認証できたことを示すテキスト75Aと、登録ボタン75Bと、本人確認書類の顔写真75Cと、カメラ14(撮像装置)によって取得された撮像画像75Dと、が表示されている。
図10(A)の例では、ユーザが顔写真75Cと撮像画像75Dとのいずれかをタッチすると、タッチされた方が画像の境界を示す枠(円)の太さが太くなり選択された状態となる。
図10(A)に示す認証完了画面75の例では、本人確認書類の顔写真75Cが選択された状態となっている。その後、ユーザが登録ボタン75Bをタッチすると、ユーザ端末2に選択された方を示す情報が送信され、認証サーバ3のプロセッサ41は選択された撮像画像及び本人確認書類の顔写真のいずれか一方の画像を利用者データベース52Aに追加し、ユーザ登録を行う。
【0137】
その他、認証サーバ3のプロセッサ41が画質、表情、背景、人物以外の物体に映り込み等の各種の要素に基づき、撮像画像及び本人確認書類の顔写真を比較し、照合に適した方を利用者データベース52Aに記憶させてもよい。但し、これらの画像の保存先は、認証サーバ3には限定されず、これらの画像は、ユーザ端末2や、提供者サーバ7等に保存されてもよい。
【0138】
認証サーバ3のプロセッサ41は利用者データベース52Aへの追加が終了し、ユーザ登録が完了すると、ユーザ端末2に登録が完了した旨の通知を送信する(S115)。これにより、ユーザ端末2のタッチパネルディスプレイ13には、ユーザ登録が完了した旨を示す登録完了画面76が表示される(S116)。
【0139】
図10(B)には、登録完了画面76の例が示されている。登録完了画面76には、本人確認書類の顔写真76Aと、カメラ14(撮像装置)によって取得された撮像画像76Bとが表示されるとともに、本人確認書類から読み取れられた個人情報が表示されてもよい。
図10(B)に示す登録完了画面76の例では、読み取られた個人情報の一部を含む利用者データベース52Aに記録された情報(氏名、登録日、登録された画像、及び、画像の種類)を示すテキスト76C及び画像76Dが表示されている。
【0140】
認証サーバ3のプロセッサ41は、撮像画像に写っている人物と、顔写真に写っている人物とが、同一人物であると判定できなかったときには、ユーザ端末2に、本人確認ができなかった旨を通知する。これにより、ユーザ端末2のタッチパネルディスプレイ13には、ユーザ登録ができなかった旨を通知する通知画面77が表示される。
【0141】
図10(C)には、ユーザ登録ができなかった旨を通知する通知画面77の例が示されている。
図10(C)に示す通知画面77には、本人確認書類から取得された顔写真77Aと、撮像画像77Bと、顔照合に失敗した旨の通知77Cとが表示されている。その他、
図10(C)に示す通知画面77には、登録処理を再開するための戻ると再開ボタン77Dと、登録処理を終了するための終了ボタン77Eとが表示されている。
【0142】
このように、認証システム1において、ユーザの本人確認書類から顔写真(第1顔情報)を取得する読取部23と、動作認証を行う動作認証部26と、顔写真及び認証動作中に撮像された撮像画像との照合を行う顔照合部54と、によって、本人確認のための認証を行う認証部としての顔情報登録部55とによって、本人確認のための認証を行うシステムが構成される。更に、認証システム1は、本人確認の認証の後、顔情報の登録を行う登録方法を実施するためのプログラムを実行し、顔認証用の顔情報を登録し、ユーザ登録を行う登録システム101としても機能する。
【0143】
登録処理を終えると、認証サーバ3のプロセッサ41は、必要に応じて、サービス開始前処理を実行する(S117)。サービス開始前処理は、顔情報の登録後に、登録済のユーザに対し、提供者サーバ7からサービスを提供ために要する処理であり、提供者のサービス内容などに応じて適宜、決定される。
【0144】
例えば、サービス開始前処理において、認証サーバ3は登録された個人情報(氏名等)や顔画像に係る情報を提供者サーバ7に送信してもよい。また、サービス開始前処理において、認証サーバ3は、ユーザ端末2に対してユーザに顔を撮像するように促す通知を表示させ、再度、取得した撮像画像を、利用者データベース52Aに保存された顔特徴量と照合することによって、顔認証を行ってもよい。
【0145】
サービス開始前処理が完了すると、認証サーバ3は提供者サーバ7にサービス開始前処理が完了通知を送信する(S118)。サービス開始前処理の完了通知を受信すると、提供者サーバ7は、登録が完了したユーザにサービス(例えば、オンラインショッピング、レンタカーサービスの予約等)を提供する(S119)。
【0146】
認証システム1は、また、登録済のユーザがサービス提供者からサービスを受けるための顔認証に係る処理(以下、顔認証処理)を行う。
【0147】
顔認証処理は、認証サーバ3の記憶部52及び顔照合部54と、ユーザ端末2の撮像部24とが協働することによって行われる。すなわち、記憶部52、顔照合部54及び撮像部24によってユーザを顔認証するための認証システム1が構成される。
【0148】
なお、本実施形態では、認証システム1は、顔認証を顔特徴量に基づいて行う。そのため、顔認証処理は、記憶部52、顔照合部54及び撮像部24に加えて、顔特徴量取得部53が協働することにより行われる。但し、顔認証は公知のいかなる方法に基づいて行われてもよい。そのため、認証システム1には顔特徴量取得部53が必須ではなく、顔認証が顔特徴量に基づかない場合などにおいては、認証システム1は記憶部52、顔照合部54及び撮像部24によって構成されうる。
【0149】
顔認証時には、ユーザ端末2のタッチパネルディスプレイ13にユーザに顔を撮像するよう促す通知が表示される。ユーザが撮像部24によって自らの顔を撮像し、タッチパネルディスプレイ13に所定の操作入力を行うと、撮像部24によって取得された撮像画像が認証サーバ3に送信される。
【0150】
撮像画像が認証サーバ3に送信されると、顔照合部54は、撮像画像と、利用者データベース52Aに記憶された顔情報とを照合することにより、登録済のユーザに撮像画像に写っている人物と同一の人物が存在するか否かを判定する。
【0151】
本実施形態では、撮像画像が認証サーバ3に送信されると、顔特徴量取得部53が撮像画像から撮像画像に写っている顔の顔特徴量を取得する。その後、顔照合部54は、顔特徴取得部によって取得された顔特徴量を用いて、登録済のユーザに撮像画像に写っている人物と同一の人物が存在するか否かを判定する。
【0152】
顔照合部54は登録済のユーザに撮像画像に写っている人物と同一の人物が存在していると判定したときにはユーザ端末2にユーザ認証された旨の通知を送信するとともに、提供者サーバ7に対応する登録済のユーザの利用者IDを通知する。これにより、ユーザ端末2には顔認証がされた旨の通知が表示されて、提供者サーバ7が提供するサービスの利用が可能となる。
【0153】
顔照合部54は登録済のユーザに撮像画像に同一の人物が存在しないと判定したときにはユーザ端末2に、ユーザ認証された旨の通知を送信する。これにより、ユーザ端末2には顔認証がされなかった旨の通知が表示される。
【0154】
顔認証処理は、ユーザ端末2としての認証機2Aにおいても同様に行われる。ユーザ端末2がスマートフォンである場合と同様、認証機2Aの撮像部24がユーザの顔を含む撮像画像を取得すると、認証サーバ3に送信され、顔照合部54により、登録済のユーザに撮像画像に写っている人物と同一の人物が存在するか否かが判定される。同一人物が存在しているときには、例えば、認証機2Aに顔認証がされた旨の通知が表示される等の各種表示や処理が行われる。
【0155】
次にこのように構成した認証システム1の効果について説明する。
【0156】
認証システム1では、本人確認書類から読み取られた顔写真(第1顔情報)と、撮像画像(第2顔画像)とが合致し、且つ、ポーズ指示に従ったポーズ(姿勢)がとられたと判定されたときに、顔情報が利用者データベース52Aに追加されて、ユーザ登録が行われる。
図6に示すように、撮像画像はポーズ指示に従ってユーザが動作(認証動作)を行っている間に撮像装置(撮像部24)によって取得される。
【0157】
図6に示すように、ユーザがポーズ指示に従って動作(認証動作)を行っている間にユーザの顔を含むように撮像画像が取得されて、その撮像画像を用いて顔認証が行われる。そのため、顔認証に用いる顔情報の登録の際に、別途、ユーザは自らの顔を撮像する必要がないため、登録手続きが完了するまでに要する時間を短くすることができる。
【0158】
図11は、シーケンスIDが1のシーケンス(
図4参照)が選択されて、動作指示が行われたときにユーザが行うと考えられる動作の流れを示している。
【0159】
シーケンスIDが1のシーケンスでは、まず、ユーザに左を向くポーズ(第1ポーズ)をとるように指示が行われる。ユーザが左を向いたことが確認されると、ユーザに右を向くポーズ(第2ポーズ)をとるように指示が行われる。
【0160】
図11に示すように、ユーザが左を向くポーズ(第1ポーズ)をとった後、右を向くポーズ(第2ポーズ)をとるまでの間に、ユーザの顔が正面を向くタイミング(
図11の撮影実行と記載された枠を参照)が含まれる。これにより、そのタイミングでカメラ14による撮影が行われて、ユーザの顔が正面を向く撮像画像を取得することができるため、登録時に本人確認書類から読み取られた顔写真との適切な照合が可能である。
【0161】
図12は、シーケンスIDが3のシーケンス(
図4参照)が選択されて、動作指示が行われたときにユーザが行うと考えられる動作の流れを示している。
【0162】
シーケンスIDが3のシーケンスでは、まず、ユーザに下を向くポーズ(第1ポーズ)をとるように指示が行われる。ユーザが下を向いたことが確認されると、ユーザに上を向くポーズ(第2ポーズ)をとるように指示が行われる。
【0163】
図12に示すように、ユーザが下を向くポーズ(第1ポーズ)をとった後、上を向くポーズ(第2ポーズ)をとるまでの間に、ユーザの顔が正面を向くタイミング(
図12の撮影実行と記載された枠を参照)が含まれる。これにより、ユーザの顔が正面を向く撮像画像を取得することができるため、登録時に本人確認書類から読み取られた顔写真との適切な照合が可能である。
【0164】
図3及び
図4に示すように、シーケンスIDが1~4のシーケンスでは、認証動作には顔の向きの異なる2つのポーズ(姿勢)を連続してとることが含まれている。更に、それらの2つのポーズ(姿勢)は身体の正面を中心にして顔が対称な方向に向くように構成されている。そのため、
図11及び
図12から理解できるように、認証動作中にユーザの顔が正面を向くタイミングが含まれる。これにより、ユーザの顔が正面を向く撮像画像を容易に取得することできるため、登録時に本人確認書類から読み取られた顔写真との適切な照合が可能である。
【0165】
図3及び
図4に示すように、シーケンスIDが5、6のシーケンスでは、左手又は右手の挙手を指示するポーズ指示が行われる。左手又は右手の挙手の場合には、ユーザはユーザ端末2に向かったまま、対応するポーズ(姿勢)をとると予測される。そのため、認証動作中にユーザの顔が正面を向くタイミングが含まれることになる。よって、ユーザの顔が正面を向く撮像画像を取得することができるため、登録時に本人確認書類から読み取られた顔写真との適切な照合が可能である。
【0166】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る認証システム1は、第1実施形態に係る認証システム1に比べて、登録処理のシーケンスが異なり、他の構成は同様であるため、説明を省略する。
【0167】
図13には、第2実施形態に係る登録処理のシーケンスであって、選択されたシークエンスに2つのポーズが含まれる場合が示されている。ユーザ端末2においてシーケンスが選択されると、ポーズ指示が行われる。
【0168】
図6に示すように、第1実施形態の場合は、第1ポーズのポーズ指示が行われ(S017)、対応する第1ポーズがとられたとき(S108においてYes)に、第2ポーズのポーズ指示が行われる(S109)。一方、
図13に示すように、第2実施形態の場合は、ユーザ端末2のプロセッサ11は、第1ポーズのポーズ指示(S017)、及び、第2ポーズのポーズ指示(S109)を順に行い、その後、所定時間(例えば、5~10秒)の経過後に、ポーズ条件が満たされたかを判定する(S201)。
【0169】
但し、第1ポーズに係るポーズ指示と、第2ポーズに係るポーズ指示とは順番に行われてもよく、同時におこなわれてもよい。
【0170】
ユーザ端末2のプロセッサ11は、複数のポーズ指示を行い、対応するポーズがとられたか否かの判定結果に基づき、ポーズ条件が満たされたかを統合的に判定する。例えば、ユーザ端末2のプロセッサ11は、ポーズ指示それぞれに対応するポーズが全てとられたときにポーズ条件を満たすと判定してもよく、また、ユーザ端末2のプロセッサ11は、ポーズ指示に対応するポーズがとられた割合が一定以上であるときに、ポーズ条件が満たされたと判定してもよい。その他、ユーザ端末2のプロセッサ11は、ポーズ指示に対応するポーズの少なくとも一部がとられたときに、ポーズ条件が満たされたと判定してもよい。
【0171】
本実施形態では、ユーザ端末2のプロセッサ11は、第1ポーズの指示に応じた第1ポーズがとられること(以下、第1ポーズ条件)と、第2ポーズの指示に応じた第2ポーズがとられること(以下、第2ポーズ条件)とのいずれか一方が満たされたときに、ポーズ条件が満たされたと判定する。その他、ユーザ端末2のプロセッサ11は、第1ポーズ条件及び第2ポーズ条件の両方が満たされたときに、ポーズ条件が満たされたと判定してもよい。
【0172】
第1ポーズのポーズ指示(S107)が行われた後、ポーズ条件が満たされたと判定される(S112)までの間、ユーザ端末2のプロセッサ11はカメラ14を用いて、ユーザが正面を向いたタイミングの撮像画像を取得する(S111)。
【0173】
ポーズ条件が満たされたと判定すると、ユーザ端末2のプロセッサ11はカメラ14によって取得された撮像画像が、ユーザが正面を向き顔照合可能な画像となっているかを判定する(S112)。顔照合可能な画像となっていないと判定したとき(S112においてNo)には、ユーザ端末2のプロセッサ11は再度、ポーズ指示(第1ポーズ指示及び第2ポーズ指示)を行う(S107)。顔照合可能な画像となっていると判定したとき(S112においてYes)には、ユーザ端末2のプロセッサ11は、第1実施形態と同様に、動作認証された旨の通知と、撮像画像とを、認証サーバ3に送信する(S113)。
【0174】
認証サーバ3のプロセッサ41は動作認証された旨の通知と、撮像画像とを取得すると、本人確認書類の顔写真(第1顔情報)と撮像画像(第2顔情報)とからそれぞれ顔特徴量を抽出して顔照合を行い、同一の人物であるか否かを判定する(S114)。同一の人物であると判定したときには、認証サーバ3のプロセッサ41は、本人確認書類の顔写真又は撮像写真の少なくとも一方、その種別、抽出された顔特徴量の少なくとも一方、及び、氏名等の個人情報を利用者データベース52Aに追加することにより、ユーザ登録を行う(S114)。
【0175】
認証サーバ3のプロセッサ41は利用者データベース52Aへの追加が終了し、ユーザ登録が完了すると、第1実施形態と同様に、ユーザ端末2に登録が完了した旨の通知を送信する(S115)。これにより、ユーザ端末2のタッチパネルディスプレイ13には、ユーザ登録が完了した旨を示す登録完了画面76が表示される(S116)。
【0176】
第2実施形態に係る認証システム1においてもまた、撮像画像はポーズ指示に従ってユーザが動作(認証動作)を行っている間に撮像装置(撮像部24)によって取得される。そのため、顔認証に用いる顔情報の登録の際に、別途、ユーザは自らの顔を撮像する必要がないため、登録手続きが完了するまでに要する時間を短くすることができる。
【0177】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る認証システム1は、第1実施形態に係る認証システム1に比べて、登録処理のシーケンスが異なり、他の構成は同様であるため、説明を省略する。
【0178】
図13には、第2実施形態に係る登録処理のシーケンスであって、選択されたシークエンスに2つのポーズが含まれる場合が示されている。ユーザ端末2においてシーケンスが選択されると、ポーズ指示が行われる。
【0179】
図14には、第3実施形態に係る登録処理のシーケンスであって、選択されたシークエンスに2つのポーズが含まれる場合が示されている。ユーザ端末2においてシーケンスが選択されると、ポーズ指示が行われる。
【0180】
図14に示すように、第3実施形態の場合は、ユーザ端末2のプロセッサ11は、第1ポーズのポーズ指示(S105)及び第2ポーズのポーズ指示(S106)を順に行う。ユーザ端末2のプロセッサ11は、第1ポーズのポーズ指示(S105)を行ってから、第2ポーズのポーズ指示(S106)の後、所定時間(例えば、5~10秒)が経過するまでの間に、ユーザ端末2のプロセッサ11は、カメラ14によりユーザが正面を向いたタイミングの撮像画像を取得する(S111)。
【0181】
次に、ユーザ端末2のプロセッサ11は、カメラ14により取得した撮像画像が、ユーザが正面を向き顔照合可能な画像となっているかを判定する(S112)。顔照合可能な画像となっていないと判定したとき(S112においてNo)には、ユーザ端末2のプロセッサ11は再度、ポーズ指示(第1ポーズ指示及び第2ポーズ指示)を行う(S107、S109)。顔照合可能な画像となっていると判定したときには、ユーザ端末2のプロセッサ11は、認証サーバ3に撮像画像を送信する(S301)。
【0182】
認証サーバ3のプロセッサ41は、ユーザ端末2のプロセッサ11から撮像画像を取得すると、本人確認書類の顔写真と撮像画像とからそれぞれ顔特徴量を抽出して顔照合を行い、同一の人物であるか否かを判定する(S302)。認証サーバ3のプロセッサ41は、顔照合の結果をユーザ端末2に送信する(S303)。
【0183】
ユーザ端末2のプロセッサ11は、認証サーバ3から顔照合の結果を受信すると、第1ポーズ(第1姿勢)及び第2ポーズ(第2姿勢)がとられ、且つ、本人確認書類の顔写真(第1顔情報)及び撮像画像(第2顔情報)が合致しているか、すなわち、登録に要する条件(以下、登録条件)を満たしているか(クリアしているか)と判定する(S304)。
【0184】
ユーザ端末2のプロセッサ11は、登録に要する条件(以下、登録条件)を満たした(クリアした)と判定したとき(S304においてYes)には、登録許可通知を認証サーバ3に送信する(S305)。ユーザ端末2のプロセッサ11は登録条件が満たされていないと判定したとき(S304においてNo)には、再度、ポーズ指示(第1ポーズ指示及び第2ポーズ指示)を行う(S107)。
【0185】
認証サーバ3のプロセッサ41は、登録許可通知を受信すると、本人確認書類の顔写真又は撮像写真の少なくとも一方、その種別、抽出された顔特徴量の少なくとも一方、及び、氏名等の個人情報を利用者データベース52Aに追加し、ユーザ登録を行う(S306)。
【0186】
認証サーバ3のプロセッサ41は利用者データベース52Aへの追加が終了し、ユーザ登録が完了すると、第1実施形態と同様に、ユーザ端末2に登録が完了した旨の通知を送信する(S115)。これにより、ユーザ端末2のタッチパネルディスプレイ13には、ユーザ登録が完了した旨を示す登録完了画面76が表示される(S116)。
【0187】
第3実施形態に係る認証システム1においてもまた、撮像画像はポーズ指示に従ってユーザが動作(認証動作)を行っている間にカメラ14(撮像装置、撮像部24)によって取得される。そのため、顔認証に用いる顔情報の登録の際に、別途、ユーザは自らの顔を撮像する必要がないため、登録手続きが完了するまでに要する時間を短くすることができる。
【0188】
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用できる。また、上記の実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。
【0189】
上記第1~第3実施形態において、動作指示データベース22B及びポーズ判定データベース22Aがそれぞれユーザ端末2の記憶部22に記憶されている例を記載したが、
図15に示すように、それぞれ認証サーバ3の記憶部52に記憶されていてもよい。また、上記第1~第3実施形態において、ユーザ端末2に動作認証部26が設けられていたが、動作認証部26は認証サーバ3に設けられていてもよい。
【0190】
図4に示す動作指示データベース22Bには1つ又は2つのポーズを指示するシーケンスのみが記録されている例が記載されているが、動作指示データベース22Bには2以上のポーズをとるシーケンスが含まれていてもよい。但し、顔認証に適した撮像画像を取得するため、動作指示データベース22Bには、一連のポーズ(姿勢)をとったときに(すなわち、認証動作をおこなったとき)に顔が正面を向くタイミングがあるシーケンスが記録されていることが好ましい。
【0191】
上記実施形態では、ユーザ端末2のプロセッサ11は、ユーザが正面を向いたタイミングの撮像画像を取得するように構成されていたが、ユーザ端末2のプロセッサ11は、ユーザが正面を向いたタイミングの撮像画像が取得できない場合には、複数枚の撮像画像からユーザが正面を向くタイミングの撮像画像を生成してもよい。この場合には、ユーザ端末2のプロセッサ11は、ユーザが正面に対して対称な方向を向く撮像画像を用いて、ユーザが正面を向くタイミングの撮像画像を生成するとよい。
【産業上の利用可能性】
【0192】
本開示に係る認証方法、認証システム、端末、及びサーバは、本人確認のための認証方法、認証システム、端末、及びサーバであって、手続きが完了するまでに要する時間を短くするための認証方法、認証システム、端末、及びサーバなどとして有用である。
【符号の説明】
【0193】
1 :認証システム
2 :ユーザ端末
2A :認証機
3 :認証サーバ
5 :通信ネットワーク
7 :提供者サーバ
11 :プロセッサ
12 :メモリ
13 :タッチパネルディスプレイ
14 :カメラ
15 :読取装置
16 :通信インタフェース
17 :ストレージ
18 :スピーカ
21 :通信部
22 :記憶部
22A :ポーズ判定データベース
22B :動作指示データベース
23 :読取部
24 :撮像部
25 :通知部
26 :動作認証部
27 :顔画像取得部
31 :ポーズ指示部
32 :ポーズ照合部
33 :動作照合部
41 :プロセッサ
42 :メモリ
43 :ストレージ
44 :通信インタフェース
51 :通信部
52 :記憶部
52A :利用者データベース
53 :顔特徴量取得部
54 :顔照合部
55 :顔情報登録部(認証部)
56 :サービス開始処理部
61 :書類選択画面
61A :ボタン
62 :暗証番号入力画面
62A :暗証番号入力欄
63 :読取実行画面
63A :メッセージ
65 :登録済通知画面
65A :ポップアップ
66 :第1ポーズ指示画面
66A :撮像画像
66B :テキスト
67 :ポーズ認証エラー画面
67A :テキスト
67B :再開ボタン
71 :第2ポーズ指示画面
71A :撮像画像
71B :テキスト
72 :照合実行画面
72A :ローディングアニメーション
73 :認証完了画面
73A :テキスト
73B :登録ボタン
73C :顔画像
73D :撮像画像
75 :認証完了画面
75A :テキスト
75B :登録ボタン
75C :顔写真
75D :撮像画像
76 :登録完了画面
76A :顔写真
76B :撮像画像
76C :テキスト
76D :画像
77 :通知画面
77A :顔写真
77B :撮像画像
77C :通知
77D :再開ボタン
77E :終了ボタン
101 :登録システム