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  • 特開-生成AIとの常時接続システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169211
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】生成AIとの常時接続システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241128BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086492
(22)【出願日】2023-05-25
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】399118689
【氏名又は名称】上西 太
(72)【発明者】
【氏名】上西 太
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザーの生活の質の向上に貢献する生成AIから知識・ノウハウの提供する方法、システム、装置、プログラム及び記録媒体を提供する.
【解決手段】情報端末装置1、2は、入力部で把握した画像を、情報端末装置5の受信部3が受信し、情報端末装置5の受発信部から、インターネットを経由して、サーバーの情報変換部1に伝達する。情報変換部1は、受信した映像データを画像キャプションでテキスト情報に変換し、音声データを音声自動認識技術でテキスト情報に変換する。分析部は、変換されたテキスト情報を、生成AIで学習し、学習されたユーザーの日常生活体験情報や、ユーザーからの指示をもとに、適切な情報やアドバイスを生成し、情報変換部2と連携して、学習済みの生成AIからユーザー宛のメッセージとしての文字情報を音声情報に変換し、該文字情報と音声情報を、発信部3に伝達する。発信部3は、前記情報を情報端末装置3、4に伝達する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知した映像と音声を生成AIが分析した結果をユーザーに応答するシステムにおいて、前記システムが、ウェアラブルな情報端末装置を利用することにより、映像や音声の情報の入出力を常時接続する機能を有し、前記常時接続により、前記システムが使用される都度ではなく、常時にわたって情報の入出力が可能となることでユーザーに有益な情報提供が可能となることを特徴とする方法
【請求項2】
ユーザーが所持するウェアラブルな情報端末装置1内に設置された映像を把握する入力部1と、有線または無線回線を経由して前記情報端末装置1から前記映像情報を発信する発信部1と、ユーザーが所持するウェアラブルな情報端末装置2内に設置された音声を把握する入力部2と、有線または無線回線を経由して前記情報端末装置2から前記音声情報を発信する発信部2と、ウェアラブルな情報端末装置5内に設置された前記情報端末装置1及び前記情報端末装置2から発信された前記映像情報や音声情報を受信する受信部3と、前記情報端末装置5からサーバーに対して、インターネット回線を経由して情報の受発信を行う受発信部と、前記受発信部より受信した映像情報はサーバー内で画像キャプションにより文字情報に変換し、音声情報は音声自動変換により文字情報に変換する情報変換部1と、前記情報変換部1で変換された文字情報や変換前の映像情報や音声情報を受発信部経由、または直接情報変換部1から受信し、生成AIに学習させ、学習済の生成AIにユーザーあて文字情報を作成させる分析部と、前記分析部で作成された文字情報を受発信部経由、または直接分析部から受信し、音声情報に変換する情報変換部2と、前記分析部で作成された文字情報と前記情報変換部2で変換された音声情報をユーザーが所持するウェアラブルな情報端末装置3宛て発信する発信部3と、前記発信部3で発信された音声情報をユーザーが所持するウェアラブルな情報端末装置3で受信する受信部1と、前記受信部1で受信した音声情報を出力する出力部1と、前記発信部3で発信された文字情報をユーザーが所持するウェアラブルな情報端末装置4で受信する受信部2と、前記受信部2で受信した文字情報を出力する出力部2とからなり、検知した映像と音声を生成AIが分析した結果をユーザーに応答するシステムにおいて、ウェアラブルな情報端末装置を利用することにより、映像や音声の情報の入出力を常時接続する機能を有し、前記常時接続により、使用される都度ではなく、常時にわたって情報の入出力が可能であることを特徴とする方法
【請求項3】
サーバーの情報変換部1が、画像および音声より人物を特定する機能を有し、特定した人物情報を情報端末装置5の受発信部を通じて、または受発信部を仲介せず、直接にサーバーの分析部に伝える機能を追加で有することを特徴とする請求項1から2のいずれかに記載の方法
【請求項4】
ユーザーは、ウェアラブルな情報端末装置から、生成AIに指示をすることができることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法
【請求項5】
請求項4の指示がない場合でも、生成AIからユーザーに情報発信することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の方法
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項のシステムに用いられるサーバー装置
【請求項7】
請求項2に記載の情報端末装置1及び情報端末装置2から情報を受信する受信部3と、サーバーの情報発信部1、分析部、情報発信部2と受発信する受発信部と、情報端末装置3及び情報端末装置4宛て情報を発信する発信部3とを有することで、検知した映像と音声を生成AIが分析した結果をユーザーに応答するシステムにおいて、ウェアラブルな情報端末装置を利用することにより、映像や音声の情報の入出力を常時接続する機能を有し、前記常時接続により、使用される都度ではなく、常時にわたって情報の入出力が可能であることを特徴とするクライアント装置
【請求項8】
コンピュータに、請求項1から7のいずれかに記載の処理方法及び装置を実行させるためのプログラム、及びプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【請求項9】
請求項1~5のいずれか1項に記載の方法を実現するための、ウェアラブルな情報端末装置1、ウェアラブルな情報端末装置2、ウェアラブルな情報端末装置3、ウェアラブルな情報端末装置4、およびウェアラブルな情報端末装置5を含むシステム
【請求項10】
請求項9に記載のシステムにおいて、ウェアラブルな情報端末装置1、2がウェアラブルグラス、ウェアラブルな情報端末装置3がワイヤレスイヤホン、ウェアラブルな情報端末装置4,5がスマートフォンであることを特徴とするシステム
【請求項11】
請求項9に記載のシステムにおいて、ウェアラブルな情報端末装置1から5の5種類の装置がそれぞれ異なる種類の装置であること、または5種類の装置の一部または全部が一体となったウェアラブルデバイスであることを特徴とするシステム
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の方法、システム、装置、プログラムまたは記録媒体において、情報端末装置4が、ウエラブルではないスマートシステムであることを特徴とする方法、システム、装置、プログラムまたは記録媒体
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の方法、システム、装置、プログラムまたは記録媒体において、ウェアラブル端末装置やアプリケーションの設定をカスタマイズすることができることを特徴とする方法、システム、装置、プログラムまたは記録媒体
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載の方法、システム、装置、プログラムまたは記録媒体において、生成AIが、ユーザーの生活状況や環境に適応する能力を有し、またはユーザーとのインタラクションを通じて、ユーザーのニーズや嗜好に合わせた情報提供を行うことを特徴とする方法、システム、装置、プログラムまたは記録媒体
【請求項15】
請求項1~14のいずれか1項に記載の方法、システム、装置、プログラムまたは記録媒体において、生成AIが、ユーザーからのフィードバックをもとに、情報提供の精度を向上させることを特徴とする方法、システム、装置、プログラムまたは記録媒体
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ウエラブル端末を常時接続した生成AIシステム、サーバおよび端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブ情報など大量の情報を学習した大規模言語モデルである生成AIは、生成AIに要求事項としてプロンプトを送り、生成AIからその回答を受け取ることで、私たちは膨大な知識を容易に入手することができるようになった。また、情報を生成AIに追加学習させることが可能で、当該追加情報を反映した回答を得ることができる。このような機能を持つ生成AIは、知識やノウハウを問い合わせる上では非常に便利なツールである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「ジョブ型人事クラウドJOB Scopeを提供するDEFiDE 1on1面談のテキスト化と要約・面談者の感情分析機能を提供 フィードバック面談時の重要ポイントと面談相手の感情をAIで分析しデジタル化」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000004868.html)令和5年5月日確認。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生成AIから知識・ノウハウの提供を受けるためには、生成AIへの要求事項を何らかの方法で能動的に伝える必要がある。この要求事項も内容によっては、単純な言葉の意味の問い合わせだけでなく、個人が日常生活の中で体験した内容を踏まえた高度なアドバイスまで多様にある。高度な要求事項を伝えるためには、体験を要約し生成AIに伝えることが必要なため、時間と手間を要することになる。 私たちが日常生活を送る中で、様々な場面に遭遇するが、会話などの流れに適切に対応した知識・ノウハウを持っていなかった場合、生成AIを活用するニーズが高くなるが、体験内容の要約が必要なため、生成AIへの要求事項の伝達が即時に行えない現状である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
生成AIに質問する場合に、ユーザーのそれまでの体験を要約して説明する手間を省き、かつ正確な情報連携を実現するために、ウェアラブルな端末装置により、常時、映像と音声を把握し、生成AIに伝達しておくことで、ユーザーは状況説明のために要約した文字情報を生成AIに伝達する手間なく、即時にその場の状況に応じた知識・ノウハウ等の情報提供をウェアラブル端末装置とサーバーのAIとのやり取りを通じて実現できる。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、ウェアラブルな端末装置を活用して、ユーザーの日常生活の映像や音声をリアルタイムで生成AIに伝達することが可能になる。これにより、ユーザーは状況説明のための文字情報を生成AIに伝達する手間を省くことができ、その場の状況に応じた知識・ノウハウ等の情報提供を即時に受け取ることが可能となる。このシステムは、会話や問題解決などのさまざまな状況で役立つ情報提供を効率的に行うことができるため、ユーザーの生活の質を向上させることが期待される。
また、生成AIはユーザーの日常生活で得た情報を継続的に学習することで、よりパーソナライズされたアドバイスやサポートを提供することができる。これにより、ユーザーは自分に適した情報やサービスを得ることができ、日常生活における様々な課題に対処する上での効果的な支援を受けることができる。
以上のように、本発明はウェアラブルな端末装置と生成AIを組み合わせることで、ユーザーの日常生活における情報提供とサポートを効率的かつ適切に行うことができるシステムを提供し、ユーザーの生活の質の向上に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る全体の構成例を概略的に示す図である。
図2図2は、実施形態に係るサーバーとウェアラブルな情報端末装置との構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係るサーバーとウェアラブルな情報端末装置との動作例を示すシーケンスである。
図4図4は、実施形態に係るサーバーの情報変換部1に人物特定機能及び指示判別機能を加えた動作例を示すシーケンスである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、実施形態に係るシステムの全体構成を概略的に示す図である。なお、図に付した番号や記号は、以下では()内で表示する。
本発明を実施するために、ユーザーはウェアラブル端末装置(例:スマートグラス、スマートウォッチ、スマートフォン、ワイヤレスイヤホン)を日常生活で使用する。このウェアラブルな情報端末装置には、映像及び音声を取得・出力するためのカメラ、マイク、スピーカー、液晶版が搭載されている。ウェアラブル端末装置が取得した映像及び音声データは、無線通信技術(例:Bluetooth、Wi-Fi)を用いてインターネット経由でサーバーに送信される。
【0009】
情報端末装置1(10)の入力部1(101)で把握した画像は、発信部1(102)からBluetoothなどの通信技術により情報端末装置5(50)の受信部3(501)で受信され、情報端末装置5(50)の受発信部(502)から、Wi-Fiや携帯電話回線を使ったインターネットを経由して、サーバー(60)の情報変換部1(601)に伝達される。
【0010】
情報端末装置2(20)の入力部2(201)で把握した音声は、発信部2(202)からBluetoothなどの通信技術により情報端末装置5(50)の受信部3(501)で受信され、情報端末装置5(50)の受発信部(502)から、Wi-Fiや携帯電話回線を使ったインターネットを経由して、サーバー(60)の情報変換部1(601)に伝達される。
【0011】
受信した映像データは画像キャプションによりテキスト情報に変換され、音声データは音声自動認識技術によってテキスト情報に変換される。変換されたテキスト情報は、情報端末装置5(50)の受発信部(502)経由、または直接サーバーの分析部(602)に伝達され、生成AIで学習される。
【0012】
生成AIは、分析部(602)で学習されたユーザーの日常生活体験情報や、後述のユーザーからの指示をもとに、適切な情報やアドバイスを提供する。サーバーの分析部(602)は、学習済みの生成AIからユーザー宛のメッセージを情報端末装置5(50)の受発信部(502)経由、または直接サーバーの情報変換部2(603)に連携する。
【0013】
情報変換部2(603)では、分析部(602)が作成した文字情報を音声情報に変換し、情報端末装置5(50)の受発信部(502)に伝達する。
【0014】
受発信部(502)は、分析部(602)からの文字情報と情報変換部2(603)からの音声情報を発信部3(503)に伝達する。
【0015】
発信部3(503)は、分析部(602)からの文字情報と情報変換部2(603)からの音声情報をBluetoothなどの通信技術により発信する。
【0016】
前記発信部(503)から発信された音声情報は、情報端末装置3(30)の受信部1(302)で受信され、出力部1(301)でイヤホンのスピーカーから音声として出力される。
【0017】
前記発信部(503)から発信された文字情報は、情報端末装置4(40)の受信部2(402)で受信され、出力部2(401)でスマートフォン等の画面で文字として出力される。これにより、ユーザーは状況に応じた知識やノウハウをリアルタイムで受け取ることができる。
【0018】
図2は、実施形態に係るサーバーとウェアラブルな情報端末装置との構成例を示すブロック図である。情報端末装置1は、常に身に着けることができる器具で、小型のカメラを装着できる仕様のもので、スマートグラス、ペンダント、ネックレス、ネクタイピンでもよい。
【0019】
情報端末装置2は、常に身に着けることができる器具で、小型のマイクを装着できる仕様のもので、スマートグラス、スマートフォン、ペンダント、ネックレス、ネクタイピン、ワイヤレスイヤホンでもよい。
【0020】
情報処理端末3は、音声を出力できる装置で、ワイヤレスイヤホンや、スマートグラスでもよい。
【0021】
情報処理端末4は、文字表示ができる装置で、スマートグラス、スマートウォッチ、スマートフォンでもよい。
【0022】
情報処理端末5は、アプリケーションプログラムをダウンロードできるウェアラブルな情報端末装置で、スマートウォッチ、スマートフォンでもよい。
【0023】
なお、図2では情報端末装置1と情報端末装置2、および情報端末装置4と情報端末装置5が一体化した実施例を表示している。これらの情報処理装置1から5は、それぞれが独立した装置として実施される場合もある。また、どのようなパターンで一体化しても実施が可能であり、その場合は、情報処理装置間の発信部1から3、受信部1から3で一体化部分に介在する送受信機能は不要となる。情報処理装置のいずれかの2つが一体化する場合、3つが一体化する場合、4つが一体化する場合、すべてが一体化する場合も考えられる。
【0024】
図3は、実施形態に係るサーバーとウェアラブルな情報端末装置との動作例を示すシーケンスである。まず、情報端末装置1は、スマートグラスでもよい。入力部1でスマートグラスに設置されたカメラより、映像が入力され(ST10)、発信部1で情報端末装置5宛てその情報がBluetoothなどの無線又は有線で発信される(ST11)。
【0025】
情報端末装置2は、スマートグラスでもよい。入力部2でスマートグラスに設置されたマイクより、音声が入力され(ST20)、発信部2で情報端末装置5宛てその情報がBluetoothなどの無線又は有線で発信される(ST21)。
【0026】
情報処理端末5では、受信部1で、情報端末装置1から発信された映像情報や情報端末装置2から発信された音声情報を受信し(ST50)、その情報を情報処理端末5の受発信部に伝達する。受発信部では、情報変換部1呼出を行い(ST51)、インターネット経由でサーバーの情報変換部1に前記映像情報、音声情報を発信する。
【0027】
サーバーの情報変換部1では、画像情報や音声情報を受信し(ST60)、画像情報は画像キャプションで、音声情報は音声自動認識で文字情報へ変換する(ST61)。このようにして取得された文字情報は、情報端末装置5の受発信部にインターネット経由で連携される実施形態と、直接サーバー内の分析部に連携される実施形態が考えられる。前者は情報端末装置5の受発信部で文字情報を取得し(ST52)、サーバーの分析部呼出を行い(ST53)、インターネット経由でサーバーの分析部に情報発信する。
【0028】
サーバーの分析部では、情報端末装置5の受発信部経由の受信、または情報変換部1から直接連携された文字情報を生成AIが学習する(ST63・ST64)。学習後の生成AIは、後述のユーザーからの指示内容への回答のメッセージや、ユーザーの体験内容から能動的に適切なメッセージを作成する(ST65)。このメッセージは、ユーザーの趣向に応じたレコメンドや、その場面の状況に応じた注意喚起や警告を含めてもよい。このようにして取得されたメッセージ情報は、情報端末装置5の受発信部にインターネット経由で連携される実施形態と、直接サーバー内の情報変換部2に連携される実施形態が考えられる。前者は情報端末装置5の受発信部でメッセージ情報を取得し(ST54)、サーバーの情報変換部2呼出を行い(ST55)、インターネット経由でサーバーの情報変換部2に情報発信する。
【0029】
サーバーの情報変換部2では、情報端末装置5の受発信部経由、または分析部から直接連携されたメッセージ情報を受信し(ST66)、AIにより音声情報に変換する(ST67)。このようにして取得された音声情報及び前記メッセージ情報は、情報端末装置5の受発信部にインターネット経由で連携される(ST56)。
【0030】
情報端末装置5の受発信部では、生成AIが作成したメッセージとそれから変換された音声情報を発信部2に伝達する。発信部2ではその情報をBluetoothなどの無線又は有線で情報端末装置3,情報端末装置4宛て発信する(ST57)。
【0031】
情報処理端末3の受信部1では、情報処理端末5の発信部2が発信した音声情報を受け取り(ST31)、音声はワイヤレスイヤホンのスピーカーで音声として出力する(ST30)。
【0032】
情報処理端末4の受信部2では、情報処理端末5の発信部2が発信したメッセージ情報を受け取り(ST41)、スマートフォンの画面に出力する(ST40)。メッセージは、スマートグラスのグラス面に文字情報として表示することでもよい。
【0033】
図4のサーバーの情報変換部1に機能追加することにより、精度向上を図り、ユーザーの指示を受付けるフローを説明する。情報端末装置5の受発信部より、画像情報と音声情報を受信し(ST70)、画像情報は画像キャプションにより、音声情報は音声自動変換により文字情報に変換する(ST71)。このステップの後、ST72からST75のステップを追加する。過去に学習した情報をもとに、画像情報及び音声情報の特徴より人物を特定する(ST72)。また、音声発話の人物はこのシステムを所有するユーザーかどうかを判定する(ST73)。所有ユーザーであった場合、発話された言葉が指示の合言葉であるかを判定する。合言葉であった場合は、指示フラグを設定する(ST75)。この人物情報、指示フラグを情報端末装置5の受発信部を通じて、または受発信部を仲介せずに直接サーバーの分析部に伝えることができる。
【0034】
この追加機能により、ユーザーは、ウェアラブルな情報端末装置から、生成AIに指示をすることができる。すなわち、前記実施例の音声情報の一つとして、生成AIへの情報の伝達がされることとなる。情報端末装置2のマイクを通じて、ユーザーが生成AIに対する指示を発話し、生成AIは音声波形の特徴よりユーザーの言葉であることを認識し、発話の内容より生成AIへの指示であることを判断する。例えば、「教えてAI」の言葉をユーザーの指示の合言葉と決めておき、その言葉に続く、発話内容を生成AIへの指示として認識する実施例でもよい。
【0035】
ユーザーからの指示があった場合は、生成AIは、その回答をサーバーの分析部から情報端末装置5の受発信部、サーバーの情報変換部2、情報端末装置5の受発信部、発信部2を経由し、情報端末装置3の受信部1、出力部1へと伝わり、音声情報としてユーザーに伝わり、情報端末装置4の受信部2、出力部2へと伝わり、メッセージ情報としてユーザーに伝わる。
【0036】
以上のように、本発明の一実施形態では、ウェアラブル端末装置を通じて映像や音声データを生成AIに伝達し、生成AIから適切な情報やアドバイスを得ることができるシステムが構築される。これにより、ユーザーは、日常生活の様々な状況で、効率的かつタイムリーに生成AIを活用することが可能となる。
【0037】
さらに、本実施形態では、ユーザーはウェアラブル端末装置を通じて生成AIに質問や指示を送ることができる。これにより、ユーザーは生成AIからの情報提供に加えて、主動的に情報を得ることができる。また、生成AIは、ユーザーからの指示に基づく情報だけでなく、学習したユーザーの日常生活体験情報をもとに自動的に警告や推奨事項をユーザーに提供することが可能となる。
【0038】
本発明の実施形態では、ウェアラブル端末装置と生成AIを他のスマートデバイスと連携させることが可能である。すなわち、スマートデバイスを情報処理端末4とし、生成AIからの情報に応じて、スマートデバイスに様々な機能を発揮させることができる。例えば、スマートホームシステムやスマートフォンアプリケーションと連携して、生成AIからの情報やアドバイスをもとに、照明や温度調整などの家庭内の設定を自動的に最適化することができる。あるいは、ユーザーの画像や音声から睡眠に入ったことを生成AIが察知した場合、照明や、ベッドの傾きを睡眠に適した状態に変更するといったことも可能となる。
【0039】
本発明の実施形態では、ユーザーはウェアラブル端末装置やアプリケーションの設定をカスタマイズすることができる。例えば、ユーザーは特定の時間帯や場所で映像や音声データの取得を停止したり、生成AIによる情報提供の頻度や提供される情報の種類・タイプを調整することができる。これにより、ユーザーは自分のニーズや状況に合わせてシステムを最適化し、快適な使用体験を実現できる。
【0040】
以上のように、本発明は、ウェアラブル端末装置と生成AIの組み合わせにより、個人が日常生活で体験した内容をリアルタイムで生成AIに伝達し、生成AIはユーザーを取り巻く環境をより学習することとなる。また、ユーザーの行動を学習することで、ユーザーに関する知識も蓄積され、よりパーソナルな趣味嗜好に応じたレコメンドやメッセージを提供することができる。これにより、ユーザーは、情報の取得や活用が効率的かつ容易になり、日常生活の質が向上することが期待される。
【0041】
本実施形態では、生成AIは継続的にユーザーの日常生活体験情報を学習し、その結果をもとにより適切な情報やアドバイスを提供できるようになる。生成AIの性能は、学習が進むにつれて向上し、ユーザーのニーズにより適応的に対応することができる。
【0042】
今回の発明に関して、方法の発明だけでなく、処理プログラム、サーバー、システムの発明を特許請求の範囲に含めている。
【0043】
また、受信部3、受発信部、発信部3を有する情報端末装置5をクライアント装置として、独立して請求項を記載することで、情報端末装置5の受信部3、受発信部、発信部3のみを提供し、これ以外は他者の提供物を活用することで、結果的に今回の発明と同様の効果を発揮する実施形態も今回の発明の特許請求の範囲に含めている。
【0044】
なお、本発明の実施形態では、ユーザーのプライバシーとセキュリティが重要な要素である。ウェアラブル端末装置から送信される映像や音声データは、暗号化され、安全な接続を介してサーバーに送信される。また、機密を要すべき個人情報は、マスキングされて生成AIに伝達され、学習対象からは除外される。サーバー上の生成AIは、個人情報にアクセスすることなく、ユーザーの体験情報を学習する。さらに、生成AIによって提供される情報やアドバイスは、個人情報を含まない形でユーザーに通知されることで、プライバシーが保護される。
【0045】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4