(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169215
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】画像取得システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20241128BHJP
【FI】
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086499
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀口 和俊
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 泰誠
(72)【発明者】
【氏名】西端 浩和
(72)【発明者】
【氏名】加藤 紀康
(72)【発明者】
【氏名】宮田 淳一
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC41
5L050CC41
(57)【要約】
【課題】空車画像を効果的に取得することができる画像取得システムを提供する。
【解決手段】実施形態によれば、画像取得システムは、通信インターフェースと、プロセッサと、を備える。通信インターフェースは、車両に関する車両情報と前記車両の内部を撮影した撮影画像とを取得する。プロセッサは、前記車両情報に基づいて前記車両が空車であるかを判定し、前記車両が空車であると判定すると、空車時における空車画像として前記撮影画像を取得する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に関する車両情報と前記車両の内部を撮影した撮影画像とを取得する通信インターフェースと、
前記車両情報に基づいて前記車両が空車であるかを判定し、
前記車両が空車であると判定すると、空車時における空車画像として前記撮影画像を取得する、
プロセッサと、
を備える画像取得システム。
【請求項2】
データを格納するメモリを備え、
前記プロセッサは、空車画像としての前記撮影画像を前記車両情報と対応付けて前記メモリに格納する、
請求項1に記載の画像取得システム。
【請求項3】
前記車両情報は、前記車両の重量を示す重量情報を含み、
前記プロセッサは、前記重量が所定の閾値以下である場合、前記車両が空車であると判定する、
請求項1に記載の画像取得システム。
【請求項4】
前記車両情報は、前記車両の始発駅を示す駅情報と前記車両の位置を示す位置情報とを含み、
前記プロセッサは、前記車両の位置が前記始発駅に入線する前の所定の位置である場合に、前記車両が空車であると判定する、
請求項1に記載の画像取得システム。
【請求項5】
前記車両情報は、前記車両のドアの開閉を示すドア開閉情報を含み、
前記駅情報は、前記車両の終着駅を示し、
前記プロセッサは、前記車両が前記終着駅において前記ドアを開放してから所定の時間が経過した場合、前記車両が空車であると判定する、
請求項4に記載の画像取得システム。
【請求項6】
前記車両情報は、前記車両が回送中であるかを示す回送情報を含み、
前記プロセッサは、前記車両が回送中である場合、前記車両が空車であると判定する、
請求項1に記載の画像取得システム。
【請求項7】
前記車両情報は、前記車両の内部を照らす照明の制御を示す照明制御情報を含み、
前記プロセッサは、前記照明がオフである場合、又は、前記照明の明るさが所定の閾値以下である場合、前記車両が空車であると判定する、
請求項1に記載の画像取得システム。
【請求項8】
前記車両情報は、前記車両の内部の音を示す音情報を含み、
前記プロセッサは、前記車両の内部の音量レベルが所定の閾値以下である場合、前記車両が空車であると判定する、
請求項1に記載の画像取得システム。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記通信インターフェースを通じて、前記車両の状況の判定に用いられる前記撮影画像を取得し、前記撮影画像の撮影時における前記車両情報を取得し、
前記メモリが格納する前記車両情報から、取得された前記車両情報に類似する前記車両情報を検索し、
検索された前記車両情報に対応する空車画像を前記メモリから取得し、
前記車両の状況の判定に用いられる空車画像として、取得された前記空車画像を設定する、
請求項2に記載の画像取得システム。
【請求項10】
前記車両情報は、車列番号を含む、
請求項9に記載の画像取得システム。
【請求項11】
前記車両情報は、前記車両の位置を示す位置情報と時刻を示す時刻情報とを含む、
請求項10に記載の画像取得システム。
【請求項12】
前記車両の内部を撮影するカメラを備える、
請求項1乃至11の何れか1項に記載の画像取得システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像取得システムに関する
【背景技術】
【0002】
鉄道などの車両内の画像を取得するシステムが提供されている。そのようなシステムは、取得された画像に基づいて車両内の人数、荷物の個数、異常の有無など、車両の状況を判定する。システムは、車両に人又は荷物などが存在しない空車時における画像(空車画像)を用いることで精度よく車両の状況を判定することができる。
【0003】
従来、乗務員が、車両が空車であると判断した場合に、システムは、車両内の画像を空車画像として取得する。
そのため、システムは、種々の環境下での空車画像を取得することが困難であるという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-92998号公報
【特許文献2】特許第6845307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の課題を解決するため、空車画像を効果的に取得することができる画像取得システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、画像取得システムは、通信インターフェースと、プロセッサと、を備える。通信インターフェースは、車両に関する車両情報と前記車両の内部を撮影した撮影画像とを取得する。プロセッサは、前記車両情報に基づいて前記車両が空車であるかを判定し、前記車両が空車であると判定すると、空車時における空車画像として前記撮影画像を取得する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る車両の構成例を概略的に示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る画像取得装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る画像取得装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態に係る画像取得装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る画像取得装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
実施形態に係る車両(画像取得システム)は、線路を通過する列車を構成する。車両は、内部の画像を収集する。車両は、収集された画像から車内の人数、荷物の個数、異常の有無など、車両内の状況を判定する。
【0009】
また、車両は、車両が、人又は荷物などが存在しない空車であるかを判定する。車両が空車であると判定すると、車両は、車両内の画像を、空車時における画像(空車画像)として取得する。
【0010】
図1は、実施形態に係る車両1の構成例を概略的に示す。
図1が示すように、車両1は、中央制御装置2、カメラ3、マイク4、重量センサ5、位置センサ6、照明7、ネットワーク8及び画像取得装置10などを備える。中央制御装置2、カメラ3、マイク4、重量センサ5、位置センサ6、照明7及び画像取得装置10は、ネットワーク8を介して互いに接続する。
【0011】
なお、車両1は、
図1が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、車両1から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0012】
車両1は、線路Rを走行する列車を構成する。車両1は、運転手の操作又は自動運転により線路R上を走行する。また、車両1の側面には、人が通過可能なドアDa及びドアDbが形成されている。たとえば、ドアDa及びドアDbは、車両1が駅に停車している間に開放する。
【0013】
カメラ3は、車両1の内部において上部に下向きに設置されている。カメラ3は、車両1の内部を撮影する。たとえば、カメラ3は、車両1に滞在する人物及び荷物などを撮影する。カメラ3は、撮影された画像(撮影画像)を画像取得装置10に送信する。なお、カメラ3は、撮影画像を中央制御装置2に送信するものであってもよい。
【0014】
たとえば、カメラ3は、CCD(Charge Coupled Device)カメラである。また、カメラ3は、車両1内を照らすライトを備えるものであってもよい。
ここでは、車両1は、3つのカメラ3a乃至3cを備える。なお、車両1が備えるカメラ3の個数は、特定の個数に限定されるものではない。
【0015】
マイク4は、車両1の内部に設置されている。マイク4は、車両1の内部の音を収集する。たとえば、マイク4は、車両1に滞在する人物の話し声及び足音などを収集する。マイク4は、所定の期間において収集された音を示す音情報を中央制御装置2に送信する。
ここでは、車両1は、3つのマイク4a乃至4cを備える。なお、車両1が備えるマイク4の個数は、特定の個数に限定されるものではない。
【0016】
重量センサ5は、車両1の重量を測定するセンサである。たとえば、重量センサ5は、車両1のエアーサスペンションに掛かる圧力などを測定する。重量センサ5は、測定された重量を示す重量情報を中央制御装置2に送信する。ここでは、重量情報は、車両1が空車である場合の重量との差分を示す。即ち、重量情報は、車両1が空車であれば、車両1の重量として0を示す。
【0017】
位置センサ6は、車両1の位置を取得するセンサである。たとえば、位置センサ6は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて車両1の位置を取得する。この場合、位置センサ6は、GNSSの信号を受信するアンテナなどから構成される。
【0018】
また、位置センサ6は、線路Rにおいて車両1が走行した距離を測定するセンサであってもよい。
位置センサ6は、取得された位置を示す位置情報を中央制御装置2に送信する。
【0019】
照明7は、車両1内を照らす照明である。照明7は、自身のオンオフ及び明るさなどを示す情報を中央制御装置2に送信するものであってもよい。
【0020】
ネットワーク8は、中央制御装置2、カメラ3、マイク4、重量センサ5、位置センサ6、照明7及び画像取得装置10の間の通信を中継する。たとえば、ネットワーク8は、LAN(Local Area Network)である。
【0021】
中央制御装置2は、車両1に関する車両情報を管理する。車両情報は、車両1の運行及び車両1の状態などに関する。中央制御装置2は、種々の情報に基づいて適宜、車両情報を更新する。中央制御装置2は、車両情報を時系列で格納する。
【0022】
車両情報は、重量情報、始発駅終着駅情報、列車番号、回送情報、ドア開閉情報、照明制御情報、時刻情報、位置情報及び音情報などから構成される。
【0023】
重量情報は、車両1の重量を示す情報である。中央制御装置2は、重量センサ5から重量情報を取得して、車両情報に格納する。なお、中央制御装置2は、重量センサ5からの情報に基づいて、車両1が空車である場合の重量との差分を示す重量情報を生成するものであってもよい。
【0024】
始発駅終着駅情報(駅情報)は、車両1が走行する区間における始発駅及び終着駅を示す。始発駅終着駅情報は、始発駅を識別する識別子及び終着駅を示す識別子から構成されるものであってもよい。また、始発駅終着駅情報は、始発駅の位置及び終着駅の位置から構成されるものであってもよい。たとえば、中央制御装置2は、オペレータからの操作などに従って始発駅終着駅情報を予め格納する。
【0025】
車列番号は、車両1を識別する識別子である。たとえば、車列番号は、車両1の車型、運行の開始時刻、運行の終了時刻、各時刻における昇り又は下り、などに紐付いた情報である。たとえば、中央制御装置2は、オペレータからの操作などに従って列車番号を予め格納する。
【0026】
回送情報は、車両1が回送中であるかを示す情報である。中央制御装置2は、オペレータからの操作に従って、適宜、回送情報を格納又は更新する。
【0027】
ドア開閉情報は、ドアDa及びドアDbの開閉を示す情報である。中央制御装置2は、ドアDa及びドアDbが開閉されるごとに、ドア開閉情報を更新する。
【0028】
照明制御情報は、照明7の制御に関する情報である。照明制御情報は、照明7の制御として、照明7のオンオフ及び明るさなどを示す。中央制御装置2は、照明7のオンオフ又は明るさが変更されるごとに、照明制御情報を更新する。
【0029】
時刻情報は、車両情報が更新された時刻を示す。また、時刻情報は、年月日を含むものであってもよい。
位置情報は、車両1の位置を示す。中央制御装置2は、位置センサ6から位置情報を取得して、車両情報に格納する。なお、中央制御装置2は、位置センサ6からの信号に基づいて車両1の位置を算出して、位置情報を生成するものであってもよい。
【0030】
音情報は、車両1内の音を示す。中央制御装置2は、各マイク4から音情報を取得して、車両情報に格納する。
【0031】
なお、車両情報は、他に必要に応じた構成を具備したり、特定の構成が除外されたりしてもよい。車両情報の構成は、特定の構成に限定されるものではない。
【0032】
中央制御装置2は、車両情報を画像取得装置10に送信する。中央制御装置2は、車両情報を更新するごとに又は所定の間隔で、プッシュ通知で車両情報を画像取得装置10に送信してもよい。また、中央制御装置2は、画像取得装置10からのリクエストに応じて、車両情報を含むレスポンスを画像取得装置10に送信してもよい。また、中央制御装置2は、所定の期間における複数の車両情報を含むレスポンスを画像取得装置10に送信してもよい。
【0033】
画像取得装置10は、中央制御装置2からの車両情報に基づいて車両1が空車であるかを判定する。画像取得装置10は、車両1が空車であると判定すると、判定した時点においてカメラ3から取得した撮影画像を空車画像として取得する。
また、画像取得装置10は、車両1の状況の判定に用いられる適切な空車画像を設定する。
【0034】
図2は、画像取得装置10の構成例を示すブロック図である。
図2が示すように、画像取得装置10は、プロセッサ11、ROM12、RAM13、NVM14、操作部15、表示部16及び通信インターフェース17などを備える。
【0035】
プロセッサ11と、ROM12、RAM13、NVM14、操作部15、表示部16及び通信インターフェース17と、は、データバスなどを介して互いに接続する。
なお、画像取得装置10は、
図2が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、画像取得装置10から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0036】
プロセッサ11は、画像取得装置10全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ11は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ11は、内部メモリ、ROM12又はNVM14が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0037】
なお、プロセッサ11がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ11は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0038】
ROM12は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM12に記憶される制御プログラム及び制御データは、画像取得装置10の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0039】
RAM13は、揮発性のメモリである。RAM13は、プロセッサ11の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM13は、プロセッサ11からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM13は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0040】
NVM14は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。たとえば、NVM14は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM14は、画像取得装置10の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0041】
操作部15は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部15は、入力された操作を示す信号をプロセッサ11へ送信する。たとえば、操作部15は、マウス、キーボード又はタッチパネルなどから構成される。
【0042】
表示部16は、プロセッサ11からの画像データを表示する。たとえば、表示部16は、液晶モニタから構成される。なお、操作部15がタッチパネルから構成される場合、表示部16は、操作部15としてのタッチパネルと一体的に形成されるものであってもよい。
【0043】
通信インターフェース17は、中央制御装置2及びカメラ3などとデータを送受信するインターフェースである。たとえば、通信インターフェース17は、ネットワーク8を介して中央制御装置2及びカメラ3などに接続する。たとえば、通信インターフェース17は、有線又は無線のLAN(Local Area Network)接続をサポートする。
【0044】
なお、通信インターフェース17は、中央制御装置2に接続するインターフェースとカメラ3に接続するインターフェースとから構成されるものであってもよい。
【0045】
次に、画像取得装置10が実現する機能について説明する。画像取得装置10が実現する機能は、プロセッサ11が内部メモリ、ROM12又はNVM14などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0046】
まず、プロセッサ11は、カメラ3から撮影画像を取得する機能を有する。
プロセッサ11は、通信インターフェース17を通じて、撮影画像を各カメラ3から取得する。プロセッサ11は、カメラ3からプッシュ通知で撮影画像を取得するものであってもよい。また、プロセッサ11は、撮影画像のリクエストをカメラ3に送信するものであってもよい。
【0047】
また、プロセッサ11は、中央制御装置2から車両情報を取得する機能を有する。
プロセッサ11は、通信インターフェース17を通じて、車両情報を中央制御装置2から取得する。プロセッサ11は、中央制御装置2からプッシュ通知で車両情報を取得するものであってもよい。また、プロセッサ11は、車両情報のリクエストを中央制御装置2に送信するものであってもよい。
また、プロセッサ11は、所定の期間における複数の車両情報を取得するものであってもよい。
【0048】
また、プロセッサ11は、車両情報に基づいて車両1が空車であるかを判定する機能を有する。
【0049】
たとえば、プロセッサ11は、車両情報から重量情報を取得する。重量情報を取得すると、プロセッサ11は、重量情報が示す重量が所定の閾値以下であるかを判定する。即ち、プロセッサ11は、重量情報が示す重量が0に近いかを判定する。
【0050】
重量情報が示す重量が所定の閾値以下であるかと判定すると、プロセッサ11は、車両1が空車であると判定する。
【0051】
また、プロセッサ11は、車両1が始発駅に入線する直前であるかを判定する。たとえば、プロセッサ11は、車両情報から始発駅終着駅情報及び位置情報を取得する。始発駅終着駅情報及び位置情報を取得すると、プロセッサ11は、位置情報が示す位置が、始発駅終着駅情報が示す始発駅に入線する前の所定の位置であるかを判定する。位置情報が示す位置が、始発駅終着駅情報が示す始発駅に入線する手の所定の位置であると判定すると、車両1が始発駅に入線する直前であると判定する。
【0052】
車両1が始発駅に入線する直前であると判定すると、プロセッサ11は、車両1が空車であると判定する。
【0053】
また、プロセッサ11は、車両1が終着駅で乗客を降ろしたかを判定する。たとえば、プロセッサ11は、車両情報から始発駅終着駅情報、ドア開閉情報及び位置情報を取得する。始発駅終着駅情報、ドア開閉情報及び位置情報を取得すると、プロセッサ11は、位置情報が示す位置が、始発駅終着駅情報が示す終着駅であるかを判定する。位置情報が示す位置が終着駅であると判定すると、プロセッサ11は、ドア開閉情報に基づいて終着駅においてドアDを開放してから所定の時間(たとえば、1分)が経過したかを判定する。終着駅においてドアDを開放してから所定の時間が経過したかを判定すると、車両1が終着駅で乗客を降ろしたと判定する。
【0054】
車両1が終着駅で乗客を降ろしたと判定すると、プロセッサ11は、車両1が空車であると判定する。
【0055】
また、プロセッサ11は、車両1が回送中であるかを判定する。たとえば、プロセッサ11は、車両情報から回送情報を取得する。回送情報を取得すると、プロセッサ11は、回送情報に基づいて、車両1が回送中であるかを判定する。また、プロセッサ11は、車両情報から照明制御情報を取得してもよい。照明制御情報を取得すると、プロセッサ11は、照明制御情報に基づいて照明7がオフであるか(又は、照明7の明るさが所定の閾値以下であるか)を判定する。照明7がオフである(又は、照明7の明るさが所定の閾値以下である)と判定すると、プロセッサ11は、車両1が回送中であると判定する。
【0056】
車両1が回送中であると判定すると、プロセッサ11は、車両1が空車であると判定する。
【0057】
また、プロセッサ11は、車両情報から音情報を取得する。音情報を取得すると、プロセッサ11は、音情報に基づいて車両1内の音量レベルを算出する。音量レベルを算出すると、プロセッサ11は、音量レベルが所定の閾値以下であるかを判定する。なお、プロセッサ11は、列車番号及び位置情報などに基づいて音量レベルを調整してもよい。
【0058】
音量レベルが所定の閾値以下であると判定すると、プロセッサ11は、車両1が空車であると判定する。
【0059】
プロセッサ11は、上記の何れの判定においても車両1が空車であると判定しなかった場合、車両1が空車でないと判定する。
【0060】
また、プロセッサ11は、車両情報の各情報を総合して車両1が空車であるかを判定してもよい。プロセッサ11が車両情報に基づいて車両1が空車であるかを判定する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0061】
また、プロセッサ11は、車両情報と空車画像とを対応付けて格納する機能を有する。
車両1が空車であると判定すると、プロセッサ11は、カメラ3からの撮影画像を空車画像として取得する。空車画像を取得すると、プロセッサ11は、空車画像と空車画像の撮影時における車両情報とを対応付けてNVM14格納する。
【0062】
また、プロセッサ11は、車両1の状況の判定に用いられる空車画像を設定する機能を有する。
【0063】
ここでは、プロセッサ11は、カメラ3から、車両1の状況の判定に用いられる撮影画像を取得したものとする。プロセッサ11は、取得された撮影画像に基づいて車両1の状況を判定するものとする。また、NVM14は、空車画像と当該空車画像の撮影時における車両情報との組合せを複数個格納しているものとする。
【0064】
カメラ3から撮影画像を取得すると、プロセッサ11は、通信インターフェース17を通じて、中央制御装置2から、当該撮影画像の撮影時における車両情報を取得する。
車両情報を取得すると、プロセッサ11は、NVM14が格納する車両情報(組合せを構成する車両情報)から、取得された車両情報に類似する車両情報を検索する。たとえば、プロセッサ11は、所定のアルゴリズムに従って、NVM14が格納する各車両情報と取得された車両情報との類似度を算出する。類似度を算出すると、プロセッサ11は、類似度が最も大きい車両情報を、取得された車両情報に類似する車両情報として取得する。
【0065】
なお、プロセッサ11は、車両情報を構成する一部の情報に基づいて、NVM14が格納する車両情報から、取得された車両情報に類似する車両情報を検索してもよい。たとえば、プロセッサ11は、列車番号、時刻情報及び位置情報が一致又は類似する車両情報を検索してもよい。プロセッサ11が類似する車両情報を検索する方法は、特定の方法に限定されるものではない。
【0066】
取得された車両情報に類似する車両情報を検索すると、プロセッサ11は、類似する車両情報に対応する空車画像をNVM14から取得する。空車画像を取得すると、プロセッサ11は、取得された空車画像を、車両1の状況の判定に用いられる空車画像として設定する。
【0067】
また、車両情報を取得しない(又は、できない)場合(又は、類似する車両情報がない場合)、プロセッサ11は、汎用的な空車画像をNVM14から取得する。汎用的な空車画像をNVM14から取得すると、プロセッサ11は、汎用的な空車画像を、車両1の状況の判定に用いられる空車画像として設定する。
【0068】
空車画像を設定すると、プロセッサ11は、カメラ3からの画像及び空車画像に基づいて車両1の状況を判定する。
なお、プロセッサ11は、車両1の状況を判定する判定装置に、車両1の状況の判定に用いられる空車画像を送信するものであってもよい。
【0069】
次に、画像取得装置10の動作例について説明する。
たとえば、画像取得装置10は、車両1の運行中において以下の通り動作する。
【0070】
まず、画像取得装置10が空車画像を取得する動作例について説明する。
図3は、画像取得装置10が空車画像を取得する動作例について説明するためのフローチャートである。
【0071】
まず、画像取得装置10のプロセッサ11は、通信インターフェース17を通じて、カメラ3から撮影画像を取得したかを判定する(S11)。カメラ3から撮影画像を取得したと判定すると(S11、YES)、プロセッサ11は、通信インターフェース17を通じて、中央制御装置2から車両情報を取得したかを判定する(S12)。
【0072】
中央制御装置2から車両情報を取得したと判定すると(S12、YES)、プロセッサ11は、車両情報に基づいて車両1が空車であるかを判定する(S13)。車両情報に基づいて車両1が空車であると判定すると(S14、YES)、プロセッサ11は、空車画像としての撮影画像を車両情報と対応付けてNVM14に格納する(S15)。
【0073】
車両情報に基づいて車両1が空車でないと判定した場合(S14、NO)、又は、空車画像としての撮影画像を車両情報と対応付けてNVM14に格納した場合(S15)、プロセッサ11は、S11に戻る。
【0074】
カメラ3から撮影画像を取得しないと判定した場合(S11、NO)、又は、中央制御装置2から車両情報を取得しないと判定した場合(S12、NO)、プロセッサ11は、動作を終了する。
【0075】
次に、プロセッサ11が車両情報に基づいて車両1が空車であるかを判定する動作例(S13)について説明する。
図4は、プロセッサ11が車両情報に基づいて車両1が空車であるかを判定する動作例(S13)について説明するためのフローチャートである。
【0076】
まず、プロセッサ11は、重量情報が示す重量が所定の閾値以下であるかを判定する(S21)。重量情報が示す重量が所定の閾値以下でないと判定すると(S21、NO)、プロセッサ11は、始発駅終着駅情報及び位置情報に基づいて車両1が始発駅に入線する直前であるかを判定する(S22)。
【0077】
車両1が始発駅に入線する直前でないと判定すると(S22、NO)、プロセッサ11は、始発駅終着駅情報、ドア開閉情報及び位置情報に基づいて、車両1が終着駅で乗客を降ろしたかを判定する(S23)。
【0078】
車両1が終着駅で乗客を降ろしていないと判定すると(S23、NO)、プロセッサ11は、回送情報などに基づいて車両1が回送中であるかを判定する(S24)。車両1が回送中でないと判定すると(S24、NO)、プロセッサ11は、音情報に基づいて車両1内の音量レベルが所定の閾値以下であるかを判定する(S25)。
【0079】
車両1内の音量レベルが所定の閾値以下でないと判定すると(S25、NO)、プロセッサ11は、車両1が空車でないと判定する(S26)。
【0080】
重量情報が示す重量が所定の閾値以下であると判定した場合(S21、YES)、車両1が始発駅に入線する直前であると判定した場合(S22、YES)、車両1が終着駅で乗客を降ろしたと判定した場合(S23、YES)、車両1が回送中であると判定した場合(S24、YES)、又は、車両1内の音量レベルが所定の閾値以下であると判定した場合(S25、YES)、プロセッサ11は、車両1が空車であると判定する(S27)。
【0081】
車両1が空車でないと判定した場合(S26)、又は、車両1が空車であると判定した場合(S27)、プロセッサ11は、動作を終了する。
【0082】
次に、画像取得装置10が空車画像を設定する動作例について説明する。
図5は、画像取得装置10が空車画像を設定する動作例について説明するためのフローチャートである。
【0083】
まず、画像取得装置10のプロセッサ11は、通信インターフェース17を通じて、カメラ3から撮影画像を取得したかを判定する(S31)。カメラ3から撮影画像を取得していないと判定すると(S31、NO)、プロセッサ11は、S31に戻る。
【0084】
カメラ3から撮影画像を取得したと判定すると(S31、YES)、プロセッサ11は、通信インターフェース17を通じて、中央制御装置2から車両情報を取得したかを判定する(S32)。
【0085】
中央制御装置2から車両情報を取得したと判定すると(S32、YES)、プロセッサ11は、取得された車両情報に類似する車両情報を検索する(S33)。類似する車両情報を検索すると、プロセッサ11は、類似する車両情報に対応する空車画像を取得する(S34)。
【0086】
中央制御装置2から車両情報を取得しないと判定すると(S32、NO)、プロセッサ11は、汎用的な空車画像をNVM14から取得する(S35)。
【0087】
類似する車両情報に対応する空車画像を取得した場合(S34)、又は、汎用的な空車画像をNVM14から取得した場合(S35)、プロセッサ11は、S34又はS35で取得された空車画像を設定する(S36)。
空車画像を設定すると、プロセッサ11は、動作を終了する。
【0088】
なお、画像取得装置10は、車両1の外部に設置されるものであってもよい。また、画像取得装置10は、所定の期間における撮影画像及び車両情報を事後に取得して、撮影画像の中から空車画像を取得してもよい。
【0089】
また、プロセッサ11は、S11乃至S15とS31乃至S36とを同時平行で実行するものであってもよい。
【0090】
また、プロセッサ11は、S36の後に、空車画像と撮影画像とに基づいて車両1の状況を判定してもよい。また、プロセッサ11は、S36の後に、車両1の状況を判定する判定装置に空車画像を送信するものであってもよい。
【0091】
以上のように構成された車両は、車両情報に基づいて車両が空車であるかを判定する。車両は、車両が空車であると判定すると、車両内を撮影した撮影画像を空車画像として取得する。その結果、車両は、乗務員などが空車を確認することなく、空車画像を取得することができる。よって、車両は、空車画像を効果的に取得することができる。
【0092】
また、車両は、車両情報に基づいて、車両の状況の判定に用いられる空車画像を取得する。その結果、車両は、状況を判定する車両の状態に近い空車画像を取得することができる。よって、車両は、空車画像を用いて撮影画像から効果的に車両の状況を判定することができる。
【0093】
本実施形態に係るプログラムは、電子機器に記憶された状態で譲渡されてよいし、電子機器に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記憶媒体に記憶された状態で譲渡されてもよい。記憶媒体は、非一時的な有形の媒体である。記憶媒体は、コンピュータ可読媒体である。記憶媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
1…車両、2…中央制御装置、3…カメラ、3a…カメラ、3b…カメラ、3c…カメラ、4…マイク、4a…マイク、4b…マイク、4c…マイク、5…重量センサ、6…位置センサ、7…照明、8…ネットワーク、10…画像取得装置、11…プロセッサ、12…ROM、13…RAM、14…NVM、15…操作部、16…表示部、17…通信インターフェース、D…ドア、Da…ドア、Db…ドア、R…線路。