(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169226
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】決定装置、ロボット、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20241128BHJP
A47L 9/28 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G05D1/02 J
A47L9/28 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023086519
(22)【出願日】2023-05-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊野 俊也
(72)【発明者】
【氏名】藤本 啓吾
【テーマコード(参考)】
3B057
5H301
【Fターム(参考)】
3B057DE02
3B057DE06
5H301AA02
5H301AA10
5H301BB05
5H301BB11
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301DD01
5H301GG07
5H301GG09
(57)【要約】
【課題】ロボットが走行することにより生じる轍を目立ち難くすることができる決定装置、ロボット、及びプログラムを提供する。
【解決手段】決定装置20は、ロボット10が走行する所定のエリア70の床面72の撮影画像を撮影装置から取得し、撮影画像から床面72に関する床面情報を検出し、エリア74を過去にロボットが走行した際の走行履歴情報36Bを取得し、床面情報と、走行履歴情報36Bとに基づいて、エリア70内の目的地74までのロボット10の走行ルートを決定する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエリア(70)を走行するロボット(10)の走行ルートを決定する決定装置(20)であって、
少なくとも一つのプロセッサ(30)を有し、
前記プロセッサは、
前記ロボットが走行する前記所定のエリアの床面(72)の撮影画像を撮影装置(16)から取得し、
前記撮影画像から前記床面に関する床面情報を検出し、
前記所定のエリアを過去にロボットが走行した際の走行履歴情報(36B)を取得し、
前記床面情報と、前記走行履歴情報とに基づいて、前記所定のエリア内の目的地(74)までの前記ロボットの走行ルートを決定する
決定装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記床面情報と、前記走行履歴情報とに基づいて、前記ロボットの走行ルートを、前記ロボットの走行によって生じる轍を分散させる場合の分散ルート、及び前記轍を分散させない場合の非分散ルートのいずれかに決定する
請求項1に記載の決定装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記目的地までの最短ルートを導出し、
前記床面情報と、前記走行履歴情報とに基づいて、前記ロボットの走行ルートを、前記ロボットの走行によって生じる轍を分散させる場合の分散ルート、前記轍を分散させない場合の非分散ルート、及び前記最短ルートのいずれかに決定する
請求項1に記載の決定装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記床面情報と、前記走行履歴情報とに基づいて、前記ロボットの走行によって生じる轍を分散させる場合の分散ルート、及び前記轍を分散させない場合の非分散ルートのいずれかを走行ルート候補として特定し、
前記目的地までの最短ルートを導出し、
前記ロボットの走行による損失に基づいて、前記ロボットの走行ルートを、前記走行ルート候補と、前記最短ルートのいずれかに決定する
請求項1に記載の決定装置。
【請求項5】
前記床面情報は、前記床面の素材、前記床面の汚れ、前記床面の模様、及び前記床面の色のうちの、少なくとも一つを表す情報である
請求項1に記載の決定装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記撮影画像及び前記走行履歴情報から前記床面に残る轍を検出する
請求項1に記載の決定装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記ロボットの前記床面への圧力を検出する圧力センサから検出結果を取得し、
さらに前記検出結果にも基づいて、前記走行ルートを決定する
請求項1に記載の決定装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記ロボットの移動について検出する移動検出センサ(17)から検出結果を取得し、
前記検出結果から前記ロボットが走行した轍を特定し、
特定した轍を前記走行履歴情報に追加する
請求項1に記載の決定装置。
【請求項9】
所定のエリアを走行するロボットであって、
少なくとも一つのプロセッサを有し、
前記プロセッサは、
走行する前記所定のエリアの床面の撮影画像を撮影装置から取得し、
前記撮影画像から前記床面に関する床面情報を検出し、
前記所定のエリアを過去にロボットが走行した際の走行履歴情報を取得し、
前記床面情報と、前記走行履歴情報とに基づいて、前記所定のエリア内の目的地までの走行ルートを決定し、
決定した前記走行ルートに基づいて、本体の走行を制御する
ロボット。
【請求項10】
所定のエリアを走行するロボットの走行ルートを決定する決定装置が備える少なくとも一つのプロセッサに、
前記ロボットが走行する前記所定のエリアの床面の撮影画像を撮影装置から取得し、
前記撮影画像から前記床面に関する床面情報を検出し、
前記所定のエリアを過去にロボットが走行した際の走行履歴情報を取得し、
前記床面情報と、前記走行履歴情報とに基づいて、目的地までの前記ロボットの走行ルートを決定する
ことを含む処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、決定装置、ロボット、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レストランやオフィス等の所定のエリアにおいて日常的に用いられているロボットが走行することで床面に与える影響を軽減する技術が知られている。例えば、特許文献1には、掃除ロボットの走行後に、カーペット床面にローラーの跡を残りにくくする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ロボットが所定のエリア内を繰り返し走行することによって生じる轍については考量されていない。そのため、特許文献1に記載の技術では、ロボットの走行により生じる轍が目立ってしまう場合があった。
【0005】
本開示は、上記事情を考慮して成されたもので、ロボットが走行することにより生じる轍を目立ち難くすることができる決定装置、ロボット、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本開示の決定装置は、所定のエリアを走行するロボットの走行ルートを決定する決定装置であって、少なくとも一つのプロセッサを有し、前記プロセッサは、前記ロボットが走行する前記所定のエリアの床面の撮影画像を撮影装置から取得し、前記撮影画像から前記床面に関する床面情報を検出し、前記所定のエリアを過去にロボットが走行した際の走行履歴情報を取得し、前記床面情報と、前記走行履歴情報とに基づいて、前記所定のエリア内の目的地までの前記ロボットの走行ルートを決定する。
【0007】
また、本開示のロボットは、所定のエリアを走行するロボットであって、少なくとも一つのプロセッサを有し、前記プロセッサは、走行する前記所定のエリアの床面(床面)の撮影画像を撮影装置から取得し、前記撮影画像から前記床面に関する床面情報を検出し、前記所定のエリアを過去にロボットが走行した際の走行履歴情報を取得し、前記床面情報と、前記走行履歴情報とに基づいて、前記所定のエリア内の目的地までの走行ルートを決定し、決定した前記走行ルートに基づいて、本体の走行を制御するロボット。
【0008】
また、本開示のプログラムは、所定のエリアを走行するロボットの走行ルートを決定する決定装置が備える少なくとも一つのプロセッサに、前記ロボットが走行する前記所定のエリアの床面の撮影画像を撮影装置から取得し、前記撮影画像から前記床面に関する床面情報を検出し、前記所定のエリアを過去にロボットが走行した際の走行履歴情報を取得し、前記床面情報と、前記走行履歴情報とに基づいて、目的地までの前記ロボットの走行ルートを決定することを含む処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、ロボットが走行することにより生じる轍を目立ち難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態のロボットの構成の一例を表す構成図である。
【
図2】実施形態の決定装置のハードウエア構成の一例を表した構成図である。
【
図3】実施形態の決定装置の構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図4A】走行ルートを分散させない場合について説明するため図である。
【
図4B】走行ルートを分散させる場合について説明するため図である。
【
図5】実施形態の決定装置において実行される走行ルート決定処理の流れの一例を表すフローチャートである。
【
図6A】分散ルートについて説明するための図である。
【
図6B】非分散ルートについて説明するための図である。
【
図7】実施形態のロボットの構成の他の例を表す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は本開示の技術を限定するものではない。
【0012】
本実施形態のロボット10の構成について
図1を参照して説明する。
図1に示すように、本開示のロボット10は、本体12の下部に4つの車輪14が設けられており、車輪14が回転することにより、走行が可能とされている。なお、本実施形態において「ロボット」とは、自律して走行が可能な自律装置である。このようなロボット10の例としては、掃除ロボットや、配膳ロボット等が挙げられる。
【0013】
図1に示すように、ロボット10は、制御装置11、カメラ16、IMU(Inertial Measurement Unit)17、バッテリ18、及び決定装置20を備える。
【0014】
カメラ16は、ロボット10が走行するエリアの床面を撮影して得られた画像データを撮影画像として出力する機能を有する。本実施形態のカメラ16が、本開示の撮影装置の一例である。なお、カメラ16は、広範囲の撮影が可能であることが好ましく、具体的には、ロボット10がこれから走行する床面を、より広範囲に撮影することが可能であることが好ましい。なお、カメラ16は、撮影画像によって床面の色の識別を可能とするために、カラーの撮影画像を撮影できることが好ましい。
【0015】
IMU17は、ロボット10の移動について検出するセンサであり、ロボット10が走行した轍を検出するために用いられる。例えば、IMU17は、本体12の加速度、及びヨーレートを検出して、その検出結果を出力する。なお、本実施形態のIMU17が、本開示の移動検出センサの一例である。
【0016】
バッテリ18は、制御装置11、カメラ16、IMU17、及び決定装置20等のロボット10が備える各部に電力を供給する機能を有する。
【0017】
制御装置11は、ロボット10の全体を制御する機能を有する。また、制御装置11は、決定装置20によって決定された走行ルートに従って、ロボット10を走行させるよう車輪14の駆動を制御する機能を有する。
【0018】
決定装置20は、目的地までのロボット10の走行ルートを決定する機能を有する。決定装置20について図面を参照して詳細に説明する。まず、
図2を参照して、決定装置20のハードウエアの構成の一例について説明する。
図2に示されるように、決定装置20は、CPU(Central Processing Unit)30、ROM(Read Only Memory)31、RAM(Random Access Memory)32、記憶部34、ユーザI/F(Interface)37、及び通信I/F38を含む。CPU30、ROM31、RAM32、記憶部34、ユーザI/F37、通信I/F38は、システムバスやコントロールバス等のバス39を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
【0019】
本実施形態のCPU30が、本開示のプロセッサの一例である。ここでいうプロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU)、又は、専用のプロセッサ(例えば、GPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0020】
記憶部34には、走行ルート決定プログラム35等の各種プログラムが記憶される。本実施形態の走行ルート決定プログラム35が、本開示のプログラムの一例である。走行ルート決定プログラム35は、不揮発性の非遷移的(non-transitory)記録媒体等の記録媒体に記録して、又はネットワークを介して配布して、決定装置20に適宜インストールすることにより記憶部34に記憶されてもよい。不揮発性の非遷移的記録媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が挙げられる。
【0021】
また、記憶部34には、ルート探索情報36A(詳細後述)、走行履歴情報36B(詳細後述)、及び地図情報36Cが記憶される。地図情報36Cは、ロボット10が走行するエリア内の机等の配置を表す地図情報である。そのため、本実施形態の決定装置20では、ロボット10が走行することが想定されているエリア毎に地図情報36Cが記憶されている。なお、本実施形態では、地図情報36Cが予め決定装置20の記憶部34に予め記憶されている形態について説明するが、地図情報36Cが、記憶部34に予め記憶されていない形態でもよい。例えば、ロボット10が走行する際に、走行するエリアに応じた地図情報36Cを外部から通信I/F38を介して取得する形態としてもよいし、また、カメラ16が撮影した撮影画像から、決定装置20内で地図情報36Cを生成する形態としてもよい。
【0022】
このような記憶部34としては、例えば、HDD(Hard Disk Deive)、SSD(SOlid State Drive)、及びSD(Secure Digital)カード等が挙げられる。
【0023】
ユーザI/F37は、ユーザが情報を入力するためのキーボード等の入力装置、及びユーザに情報を出力するための出力装置を含む。本実施形態では、ユーザI/F37の一例として、入力装置及び出力装置を一体化したタッチパネルディスプレイを用いている。
【0024】
通信I/F38は、ネットワーク(図示省略)を介して制御装置11、カメラ16、及びIMU17と通信を行うための機能を有する。なお、制御装置11、カメラ16、及びバッテリ18との通信は、WiFi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)等の無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。なお、通信I/F38は、外部の装置と通信が可能であってもよい。
【0025】
図3を参照して、決定装置20の機能について説明する。
図3に示すように決定装置20は、撮影画像取得部40、走行履歴情報取得部42、床面情報検出部44、及び走行ルート決定部50を備える。
【0026】
撮影画像取得部40は、カメラ16に、ロボット10が走行するエリアの床面を撮影させ、撮影により得られた画像データを撮影画像としてカメラ16から取得する機能を有する。撮影画像取得部40は、取得した撮影画像を床面情報検出部44に出力する。
【0027】
走行履歴情報取得部42は、ロボット10が走行するエリアを過去にロボットが走行した際の走行履歴情報36Bを取得する機能を有する。ここで、過去に走行したロボットとは、ロボット10自身に限定されず、ロボット10以外のロボットが含まれていてもよい。なお、ロボット10以外のロボットとは、ロボット10と同じ種類のロボットに限定されず、他の種類のロボットであってもよい。例えば、ロボット10が掃除ロボットである場合、ロボット10以外のロボットとは、配膳ロボットであってもよい。なお、このように本実施形態において「ロボット」と符号を付さない場合、ロボット10も含めた、走行が可能な一般的なロボットを総称している。すなわち、走行履歴情報36Bは、過去にロボットが走行した轍を履歴として蓄積した情報である。なお、本実施形態において「轍」とは、ロボットが走行した際の車輪の跡をいい、ロボットが走行したルートに沿っている。なお「轍」は、床面上に傷や汚れ等、何かしらの痕跡が残る場合もあるが、痕跡が残らない場合もある。本実施形態の走行履歴情報36Bは、痕跡の有無にかかわらず、実施にロボットが走行した際の走行ルートに応じて特定された轍を表す情報である。走行履歴情報取得部42は、取得した走行履歴情報36Bを床面情報検出部44に出力する。
【0028】
床面情報検出部44は、カメラ16から取得した撮影画像から床面情報を検出する機能を有する。「床面情報」とは、床面に関する情報である。本実施形態において「床面情報」とは、床面の素材、床面の汚れ、床面の模様、及び床面の色のうちの、少なくとも一つを表す情報である。
【0029】
図3に示すように本実施形態の床面情報検出部44は、素材識別部46、色状態検出部47、及び轍検出部48を含む。素材識別部46は、撮影画像から、床面の素材を識別する機能を有する。床面の素材としては、例えば、絨毯、石、タイル、板、畳、コンクリート、及びモルタル等が挙げられる。なお、絨毯ならば、例えば、毛足の長さ、順目/逆目等の毛足の向き、目詰まりの程度等も識別することが好ましい。また、石ならば、例えば、大理石、及び花崗岩等の石の種類等についても識別することが好ましい。また、タイルならば、例えば、そのタイルの大きさ等についても識別することが好ましい。また、板ならば、例えば、杉、及び檜等その種類についても識別することが好ましい。なお、床面の素材、及び識別すべき情報の種類はこれらに限定されるものではない。また、素材識別部46が撮影画像から床面の素材を識別する方法は、特に限定されるものではない。例えば、素材識別部46は、撮影画像を入力とし、床面の素材を正解とした学習データにより学習されたDNN(Deep Neural Network)等による学習モデルを用い、床面の素材を識別してもよい。素材識別部46は、床面の素材の識別結果を走行ルート決定部50に出力する。
【0030】
色状態検出部47は、撮影画像から、床面の色に関する状態を識別する機能を有する。本実施形態において「床面の色に関する状態」とは、床面の汚れの状態、床面の模様、及び床面の色である。「床面の汚れ」とは、ロボットの車輪によって生じる、いわゆるタイヤ痕も含む。「床面の模様」とは、床面に故意に描かれている模様に限定されず、床板の木目によって生じる模様、及び大理石によるマーブル模様等も含む。また、「床面の色」とは、床面全体の色に限らず、局所的な色も含む。そのため、色状態検出部47による床面の色状態の検出結果は、例えば、「30cm四方の黒と白の格子状の模様」等となる。なお、床面の色に関する状態とは、上記に限定されるものではない。また、色状態検出部47が撮影画像から床面の色に関する状態を識別する方法は、特に限定されない。公知の画像解析手法を適用してもよいし、学習モデルを用い、床面の色に関する状態を識別してもよい。色状態検出部47は、床面の色状態の検出結果を走行ルート決定部50に出力する。
【0031】
轍検出部48は、撮影画像及び走行履歴情報36Bから床面に残る轍を検出する機能を有する。ロボットが床面を走行しても、床面に轍が残っていない場合がある。例えば、床面が絨毯の場合、ロボットの走行後に、毛足の向きが整えられた場合、轍が消えてしまうことがある。そのため、轍検出部48は、過去のロボットの走行履歴情報36Bと、現在の床面の状態が撮影された撮影画像と、を比較することにより、床面に残っている轍を検出する。轍検出部48は、轍の検出結果を走行ルート決定部50に出力する。
【0032】
走行ルート決定部50は、目的地までのロボット10の走行ルートを決定する機能を有する。一例として、本実施形態では、目的地については、ユーザI/F37によって、利用者が入力する。走行ルート決定部50は、ユーザI/F37によって入力された目的地を取得する。
【0033】
図3に示すように走行ルート決定部50は、最短ルート探索部52、轍最適ルート探索部54、損失計算部56、及び決定部58を含む。最短ルート探索部52は、地図情報36Cを参照し、現在地から目的地までの最短ルートを探索する機能を有する。なお、現在地と目的地との間を往復する場合、往路と復路とでは同一の走行ルートとなることが多い。最短ルート探索部52は、探索結果となる最短ルートを損失計算部56に出力する。
【0034】
轍最適ルート探索部54は、ロボット10が走行することにより床面に残る轍が最適化されるルートを探索する機能を有する。
【0035】
轍を最適化するには、ロボット10の走行を分散させる方が好ましい場合と、走行を分散させない方が好ましい場合とがある。まず、ロボット10の走行を分散させる方が好ましい場合について図面を参照して説明する。
図4Aには、ロボット10が、走行を分散させてエリア70の床面72を現在地から目的地74との間で2往復する例が示されている。
図4Aに示した例では、目的地74までの往路によって生じる轍80-1、80-3と、復路によって生じる轍80-2、80-4と、合計4つの轍が床面72に生じる。なお、本実施形態において「走行を分散」という場合、走行によって生じる轍の全体が重複しない場合に限定されず、轍の一部が重複する場合、及び、轍が交差する場合も含むが、全体として、重複していない部分が多い場合をいう。
【0036】
一方、
図4Bには、ロボット10が、走行を分散させないでエリア70の床面72を現在地から目的地74との間で2往復する例が示されている。
図4Bに示した例では、目的地74までの往路によって生じる轍80-1、80-3と、復路によって生じる轍80-2、80-4との全てについて、轍の全体が重複しているため、生じる轍は1つである。なお、本実施形態において「走行を分散させない」という場合、走行によって生じる轍の全体が重複する場合に限定されず、轍の一部が重複しない場合も含むが、全体として、重複している部分が多い状態をいう。
【0037】
本実施形態では、床面の素材や、床面の色状態等によって、ロボット10の走行、すなわち轍を分散させた方がよいか、分散させない方がよいかが予め定められている。ロボット10の走行、すなわち轍を分散させた方がよい場合としては、例えば、過去の走行による経年的な痛みが多い箇所を避ける場合、絨毯の毛足の向きを揃える場合、床面の模様が不均一である場合、及び過去の走行履歴に大きな偏りが存在する場合等が挙げられる。
【0038】
一方、ロボット10の走行、すなわち轍を分散させない方がよい場合としては、例えば、床面の一部の色が、ロボット10の走行によって生じる汚れが目立たない色の部分を含んでおり、その部分を走行ルートとして使用可能な場合が挙げられる。また例えば、ロボット10の車輪14が汚れており、走行することにより、車輪14の汚れを床面に塗り広げてしまったり、床面に付着した汚れが目立ってしまったりする場合が挙げられる。
【0039】
なお、ロボット10の走行、すなわち轍を分散させる走行ルート(以下、「分散ルート」という)の方が、ロボット10の走行、すなわち轍を分散させない走行ルート(以下、「非分散ルート」という)よりも距離が長くなることが多い。
【0040】
このように、床面の素材や、床面の色状態等によって、分散ルートとするか、非分散ルートとするかについては、ルート探索情報36Aとして予め定められている。
【0041】
ルート探索情報36Aは、床面情報と分散ルート/非分散ルートとの対応関係を表す情報である。また、本実施形態のルート探索情報36Aは、複数種類の床面情報において、どの床面情報を優先するかについての情報も含んでいる。例えば、撮影画像から識別した床面の素材としては分散ルートが対応付けられており、床面の色としては非分散ルートが対応付けられている状態で、床面の素材よりも床面の色を優先する場合、非分散ルートが走行ルートとして決定されることになる。
【0042】
本実施形態では、上述したように、ルート探索情報36Aは、記憶部34に予め記憶されているが、本実施形態に限定されず、ルート探索情報36Aを、通信I/F38を介して外部から取得する形態としてもよい。轍最適ルート探索部54は、ルート探索情報36A及び走行履歴情報36Bを参照して、分散ルート、及び前非分散ルートのいずれを走行ルートの候補とするか特定する。轍最適ルート探索部54は、探索結果の、轍が最適化された走行ルートの候補を損失計算部56に出力する。
【0043】
損失計算部56は、最短ルート探索部52から出力された最短ルートと、轍最適ルート探索部54から出力された轍が最適化された走行ルートの候補とについて、各々損失を計算する。ここで、「損失」とは、消費電力、及びロボット10が抱えるタスクの緊急度等のうちの少なくとも一つを表すが、特に限定されるものではない。損失計算部56は、最短ルートの損失計算の結果、及び走行ルート候補の損失掲載の結果を決定部58に出力する。
【0044】
決定部58は、最短ルートの損失計算の結果と、走行ルートの候補の損失演算の結果とを比較し、損失が少ない方を最終的な走行ルートとして決定する。決定部58は、決定した走行ルートを制御装置11に出力する。
【0045】
これにより、制御装置11は、決定装置20により決定された走行ルートに従って、目的地74まで走行する。なお、ロボット10が現在地と目的地74との間で往復移動する場合、まず、現在地から目的地74までの走行ルートを導出した後、目的地74を現在地とし、もともとの現在地、換言するとロボット10の出発点を目的地として再度走行ルートを決定するようにしてもよい。
【0046】
また、
図3に示すように決定装置20は、計測値取得部60、轍特定部62、及び記憶制御部64を備える。計測値取得部60は、IMU17の検出結果を、センサの計測値として取得する。計測値取得部60は、取得した計測値を轍特定部62に出力する。
【0047】
轍特定部62は、計測値に基づいて、ロボット10が走行した轍を特定する機能を有する。本実施形態では、例えば、障害物に当たって、走行ルートがずれた場合等、上述した決定部58が決定した走行ルート通りにロボット10が走行しなかった場合を考慮し、このようにロボット10の実際の移動を検出し、実際に床面72に生じた轍を特定している。轍特定部62は、特定した轍を表す情報を記憶制御部64に出力する。
【0048】
記憶制御部64は、轍特定部62が特定した轍を表す情報により、走行履歴情報36Bを更新する。
【0049】
次に、
図5を参照して、決定装置20で実行される走行ルート決定処理について説明する。決定装置20のCPU30走行ルート決定プログラム35を実行することにより、CPU30が撮影画像取得部40、走行履歴情報取得部42、走行ルート決定部50、計測値取得部60、轍特定部62、及び記憶制御部64として機能し、
図5に示した走行ルート決定処理が実行される。
【0050】
図5のステップS100で床面情報検出部44は、上述したように、ロボット10が走行する目的地を特定する。なお、ロボット10が走行するエリア70については、予め定められていてもよいし、目的地を特定する際に、目的地と同様に特定してもよい。
【0051】
次のステップS102で撮影画像取得部40は、上述したように、カメラ16から撮影画像を取得する。
【0052】
次のステップS104で走行履歴情報取得部42は、上述したように、記憶部34から走行履歴情報36Bを取得する。
【0053】
次のステップS106で素材識別部46は、上述したように、撮影画像から、床面72の素材を識別する。
【0054】
次のステップS108で色状態検出部47は、上述したように、撮影画像から、床面72の状態を検出する。
【0055】
次のステップS110で轍検出部48は、上述したように、撮影画像及び走行履歴情報36Bから、床面72に残る轍を検出する。
【0056】
次のステップS112で最短ルート探索部52は、上述したように、地図情報36Cを参照し、ロボット10の現在地から目的地までの最短ルートを探索する。
【0057】
次のステップS114で轍最適ルート探索部54は、上述したように、ルート探索情報36Aを参照し、轍を最適化する走行ルートが分散ルート及び非分散ルートのいずれであるか探索し、最適化する方を、走行ルートの候補とする。例えば、床面の模様が不均一である場合、
図6Aに示すように、分散ルートである走行ルート82を走行ルートの候補とする。
図6Aに示した走行ルート82は、過去の轍80と重複しておらず、走行ルートが分散している。また例えば、床面の模様が濃い色と薄い色とを含む場合、
図6Bに示すように、薄い色の床面72-1をなるべく避け、濃い色の床面72-2を走行するようにした分散ルートである走行ルート82を走行ルートの候補とする。
図6Bに示した走行ルート82は、過去の轍80と重複しており、また、過去の轍80同士も重複しており、走行ルートが非分散している。
【0058】
次のステップS116で損失計算部56は、上述したように、上記ステップS112で得られた最短ルートと、上記ステップS114で得られた走行ルート候補と、各々の損失を計算する。
【0059】
次のステップS118で決定部58は、上述したように、上記ステップS116で計算した損失を比較し、比較結果に基づいて最終的な走行ルートを決定する。
【0060】
上述したように、例えば、床面72が一面、真っ白な場合、ロボット10の車輪14による汚れのリスクが低ければ、最短ルートを最終的な走行ルートとして決定する。一方、汚れのリスクが高い場合は、全体に汚れが散らばらないよう、ある特定のルートを最終的な走行ルートとして決定する。また例えば、模様のある絨毯の場合、模様の色が車輪14の痕または車輪14が汚す色と同系色であれば、その色の床面72を走行するルートを最終的な走行ルートとして決定する。もしくは、模様の色が車輪14の痕または車輪14が汚す色と同系色でなくても、その色特性に近い色の床面72を走行するルートを最終的な走行ルートとして決定。一方、同系色に近い色がない場合は、床面72が真っ白な場合と同様に最終的な走行ルートを決定する。また例えば、床面72の模様が不均一の場合、模様の色が車輪14の痕または車輪14が汚す色と同系色でなくても、その色特性に近い色の床面72を走行するルートを最終的な走行ルートとして決定する。一方、同系色に近い色がない場合は、床面72が真っ白な場合と同様に最終的な走行ルートを決定する。
【0061】
次のステップS120で決定部58は、上述したように、上記ステップS118で決定した走行ルートを制御装置11に出力する。
【0062】
ステップS120の処理が行われることにより、制御装置11の制御により、ロボット10が走行ルートに沿って走行する。
【0063】
そこで次のステップS122で計測値取得部60は、IMU17の検出結果に基づいて、ロボット10が走行を開始したか否かを判定する。ロボット10が走行を開始するまで、ステップS122の判定が否定判定となる。一方、ロボット10が走行を開始すると、ステップS122の判定が肯定判定となり、ステップS124へ移行する。
【0064】
ステップS124で計測値取得部60は、取得した計測値、すなわちIMU17の検出結果の記録を開始する。
【0065】
次のステップS126で計測値取得部60は、IMU17の検出結果に基づいて、ロボット10が走行を終了したか否かを判定する。一例として本実施形態の計測値取得部60は、予め定められた終了条件を満たす場合、走行を終了したと判定する。終了条件としては、例えば、ロボット10が目的地74に到達した場合や、ユーザから移動の停止を指示された場合等が挙げられる。終了条件を満たすまで、ステップS126の判定が否定判定となる。一方、終了条件を満たすと、ステップS126の判定が肯定判定となり、ステップS128へ移行する。
【0066】
ステップS128で計測値取得部60は、上記ステップS124で開始したIMU17の検出結果の記録を終了する。
【0067】
次のステップさ130で轍特定部62は、記憶されているIMU17の検出結果に基づいて、上述したように、ロボット10が走行した轍を特定する。なお、轍の特定が終了したら、記憶しているIMU17の検出結果は消去してもよい。
【0068】
次のステップS132で記憶制御部64は、上述したように、上記ステップS130で特定した轍を、記憶部34に記憶されている走行履歴情報36Bに追加する。ステップS130の処理が終了すると、
図5に示した走行ルート決定処理が終了する。
【0069】
以上説明したように、本実施形態の決定装置20は、エリア70の床面72をカメラ16に撮影させて得られた撮影画像を取得し、撮影画像から床面72に関する床面情報を検出し、エリア74を過去にロボットが走行した際の走行履歴情報36Bを取得し、床面情報と、走行履歴情報36Bとに基づいて、エリア70内の目的地74までのロボット10の走行ルートを決定する。従って、決定装置20によれば、床面情報に応じた走行ルートを決定するため、ロボットが走行することにより生じる轍を目立ち難くすることができる
【0070】
なお、本開示の技術は上記実施形態に限定されず、例えば、
図7に示すように、ロボット10が、床面72に対する圧力を検出する圧力センサ19を備えていてもよい。床面72に対して与える圧力により床面72に生じる轍が異なるため、圧力センサ19が検出し圧力に応じて、例えば、轍が残り難い硬い材質の床面を走行ルートとする等として、最終的な走行ルートを決定する形態としてもよい。この場合、素材識別部46は、素材と共に、床面の状態として、その素材の硬さ、すなわち床面72の硬さも検出することが好ましい。
【0071】
また、上記実施形態では、ロボット10が決定装置20を備える形態について説明したが、ロボット10の外部に決定装置20が設けられていてもよい。また、決定装置20は、複数のロボット10について、各々の走行ルートを決定する形態としてもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、分散ルート及び非分散ルートのうちの高校ルートの候補と、最短ルートと、の損失を比較した比較結果に基づいて最終的な走行ルートを決定しているが、最終的な走行ルートの決定方法は、当該実施形態に限定されない。例えば、分散ルート、非分散ルート、及び最短ルートのいずれの走行ルートを最終的な走行ルートとするかの指示がユーザにより成されている場合、決定装置20は、指示されている走行ルートに決定すればよい。
【0073】
本開示に記載の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。あるいは、本開示に記載の装置及びその手法は、専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成する専用コンピュータにより、実現されてもよい。もしくは、本開示に記載の装置及びその手法は、コンピュータプログラムを実行するプロセッサと一つ以上のハードウエア論理回路との組み合わせにより構成された一つ以上の専用コンピュータにより、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0074】
<付記>
本開示の技術に関して、以下の下記を開示する。
【0075】
(付記1)
所定のエリアを走行するロボット(10)の走行ルートを決定する決定装置(20)であって、
少なくとも一つのプロセッサ(30)を有し、
前記プロセッサは、
前記ロボットが走行する前記所定のエリアの床面(72)の撮影画像を撮影装置(16)から取得し、
前記撮影画像から前記床面に関する床面情報を検出し、
前記所定のエリアを過去にロボットが走行した際の走行履歴情報(36B)を取得し、
前記床面情報と、前記走行履歴情報とに基づいて、前記所定のエリア内の目的地までの前記ロボットの走行ルートを決定する
決定装置。
【0076】
(付記2)
前記プロセッサは、
前記床面情報と、前記走行履歴情報とに基づいて、前記ロボットの走行ルートを、前記ロボットの走行によって生じる轍を分散させる場合の分散ルート、及び前記轍を分散させない場合の非分散ルートのいずれかに決定する
付記1に記載の決定装置。
【0077】
(付記3)
前記プロセッサは、
前記目的地までの最短ルートを導出し、
前記床面情報と、前記走行履歴情報とに基づいて、前記ロボットの走行ルートを、前記ロボットの走行によって生じる轍を分散させる場合の分散ルート、前記轍を分散させない場合の非分散ルート、及び前記最短ルートのいずれかに決定する
付記1に記載の決定装置。
【0078】
(付記4)
前記プロセッサは、
前記床面情報と、前記走行履歴情報とに基づいて、前記ロボットの走行によって生じる轍を分散させる場合の分散ルート、及び前記轍を分散させない場合の非分散ルートのいずれかを走行ルート候補として特定し、
前記目的地までの最短ルートを導出し、
前記ロボットの走行による損失に基づいて、前記ロボットの走行ルートを、前記走行ルート候補と、前記最短ルートのいずれかに決定する
付記1に記載の決定装置。
【0079】
(付記5)
前記床面情報は、前記床面の素材、前記床面の汚れ、前記床面の模様、及び前記床面の色のうちの、少なくとも一つを表す情報である
付記1から付記4のいずれか1つに記載の決定装置。
【0080】
(付記6)
前記プロセッサは、
前記撮影画像及び前記走行履歴情報から前記床面に残る轍を検出する
付記1から付記5のいずれか1つに記載の決定装置。
【0081】
(付記7)
前記プロセッサは、
前記ロボットの前記床面への圧力を検出する圧力センサから検出結果を取得し、
さらに前記検出結果にも基づいて、前記走行ルートを決定する
付記1から付記6のいずれか1つに記載の決定装置。
【0082】
(付記8)
前記プロセッサは、
前記ロボットの移動について検出する移動検出センサ(17)から検出結果を取得し、
前記検出結果から前記ロボットが走行した轍を特定し、
特定した轍を前記走行履歴情報に追加する
付記1から付記7のいずれか1つに記載の決定装置。
【0083】
(付記9)
所定のエリアを走行するロボットであって、
少なくとも一つのプロセッサを有し、
前記プロセッサは、
走行する前記所定のエリアの床面の撮影画像を撮影装置から取得し、
前記撮影画像から前記床面に関する床面情報を検出し、
前記所定のエリアを過去にロボットが走行した際の走行履歴情報を取得し、
前記床面情報と、前記走行履歴情報とに基づいて、前記所定のエリア内の目的地までの走行ルートを決定し、
決定した前記走行ルートに基づいて、本体の走行を制御する
ロボット。
【0084】
(付記10)
所定のエリアを走行するロボットの走行ルートを決定する決定装置が備える少なくとも一つのプロセッサに、
前記ロボットが走行する前記所定のエリアの床面の撮影画像を撮影装置から取得し、
前記撮影画像から前記床面に関する床面情報を検出し、
前記所定のエリアを過去にロボットが走行した際の走行履歴情報を取得し、
前記床面情報と、前記走行履歴情報とに基づいて、目的地までの前記ロボットの走行ルートを決定する、
ことを含む処理を実行させるためのプログラム。
【0085】
(付記11)
所定のエリアを走行するロボットの走行ルートを決定する決定装置が備える少なくとも一つのプロセッサによって実行可能なプログラムを記憶した記録媒体であって、
前記ロボットが走行する前記所定のエリアの床面の撮影画像を撮影装置から取得し、
前記撮影画像から前記床面に関する床面情報を検出し、
前記所定のエリアを過去にロボットが走行した際の走行履歴情報を取得し、
前記床面情報と、前記走行履歴情報とに基づいて、目的地までの前記ロボットの走行ルートを決定する、
ことを含む処理を実行させるためのものである
記録媒体。
【符号の説明】
【0086】
10 ロボット、11 制御装置、16 カメラ、17 IMU、20 決定装置、30 CPU、35 走行ルート決定プログラム、36B 走行履歴情報、40 撮影画像取得部、44 床面情報検出部、46 素材識別部、47 色状態検出部、48 轍検出部、50 走行ルート決定部、52 最短ルート探索部、54 轍最適ルート探索部、56 損失計算部、58 決定部、60 計測値取得部、62 轍特定部、64 記憶制御部