(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169249
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】靴底清掃装置
(51)【国際特許分類】
A47L 23/26 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
A47L23/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023095098
(22)【出願日】2023-05-23
(71)【出願人】
【識別番号】511116432
【氏名又は名称】株式会社バンブーケミカル研究所
(71)【出願人】
【識別番号】523127534
【氏名又は名称】金田 善夫
(72)【発明者】
【氏名】鶴羽 正幸
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、靴底に付着している土やゴミ等を効果的に除去することができる靴底清掃装置に関する。
【解決手段】箱型をした本体ケース1と、2箇所に最大の長さと幅の靴底寸法より少し大きい孔4,5と、複数の薄い上部面は約10mmの掘り込みと、その靴底との接触面は、複数の山形をした形状の支持板6,7と、操作スイッチ類の操作部と、長手方向に平行の横軸の回転軸をもった連続回転ブラシ9,10と、ベアリングと、両回転軸端部にベルトプーリー13と、ベルト15を介して正転と逆転が可能なモーター16と、両側にブラケットと、共通プレートと、直動ガイド20と、摺動用モーター21と、クランク機構22と、集塵カバー23と、接続口24と、制御部と、センサー部、紫外線照射手段27とで構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケース部と、回転ブラシによる靴底清掃部とからなる靴底清掃装置において、二箇所の靴底が挿入される一定の間隔をもった支持孔部と、靴底の長手方向に一定の間隔をもって設けた複数の靴底の支持板と、靴底の長手方向と平行な横軸の回転軸をもち、靴底の全長に毛が当たる様に回転する一対の回転ブラシと、前記一対の回転ブラシを回転駆動するモーターと、モーターから回転ブラシ軸への駆動の伝動手段と、前記一対の回転ブラシ、モーター、支持ブラケットが連結された共通プレートを往復移動するモーターを含む駆動手段と、本体ケース上面の下方に設けた集塵カバーと、吸引集塵手段へ接続する吸引口と、配線を含む電気制御部と、人の接近を感知するセンサーから構成されることを特徴とする靴底清掃装置
【請求項2】
靴底を支持する複数の靴底支持板の上端面は、上部が複数の点の山形形状を成すことを特徴とする請求項1に記載の靴底清掃装置
【請求項3】
靴底の清掃と同時に、靴底の全面に当たるように除菌機能付き紫外線の照射手段を構成することを特徴とする請求項1、及び請求項2に記載の靴底清掃装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴底に付着している土やゴミ等を効果的に確実に除去することができる靴底清掃装置に関するものである。
一般的に、靴底は清掃が難しい反面、土やゴミ等と一緒にウイルスや菌の付着した状態で、そのまま清浄度が管理された空間に入ることが多いが、これまで余り靴底の清掃や除菌に注意が払われて来ず、対策が遅れていた。また、大型施設の入口、食品工場、医療介護施設、精密機器工場、各種研究所など、靴底の清掃が必要な場面や箇所が多いことが分かる。新型コロナウイルスに対しても、その感染の根源を絶つためにも、また、感染し易い鳥インフルエンザウイルス等の対策では、鶏舎に入る前に全身の完全な除菌が求められるため、その前段階としての靴底の清掃が重要となっている。
本発明の基本構成は、装置全体の形は高さを極力低くした箱形で、箱の上面の二箇所の孔の支持板上に両足の靴底を乗せると、センサーで感知して、回転ブラシの回転と、回転ブラシの横移動と、吸引動作が開始され、靴底に付着している土やゴミを回転ブラシでかき落して、集塵カバーの吸引口から掃除機まで送られる靴底清掃装置を提供することができる。
【背景技術】
【0002】
一般的に、靴底清掃装置は、これまでいろいろな方法で考案されてきた。例えば、靴底に対して上向きの多数の回転ブラシで靴底の土やゴミを落とす方法や、空気を靴底に吹き付けるエアーブローや、粘着シートを利用するなど、さまざまであった。しかし、これまでの靴底清掃装置は、一長一短があり、どの方法も付着している土やゴミを十分に落とせないとか、靴底から除去された土やゴミがブラシの毛の間に堆積し易い問題や、粉塵を機器の周囲にまき散らす問題とか、片足づつの靴底の清掃だけとか、しかも人が靴底を前後に移動する必要があるなど課題が多いままで、どの方法も十分に満足の行く清掃方法ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-291588号公報
【特許文献2】特開2015-8886号公報
【特許文献3】特開2007-325770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、歩廊面に複数個の配置孔Aを要した上部板(踏板)9を設け、その配置孔Aよりも少し大きめか小さめのどちらか一方の径の複数個の上面から見て左右に回転する清掃ブラシ1・ブラシ保持具21を垂直方向の回転軸4・4aを介して具備し、その複数個の清掃ブラシ1・ブラシ保持具21・回転軸4・4aは垂直方向下部槽(中間板10と下部板11の間)の1段と2段からなる複数個のギアー6の組み合わせとベアリング7を介して回転し、そして上部板(踏板)9の配置孔Aと清掃ブラシ1・ブラシ保持具21の隙間から落下する塵埃は上部板(踏板)9と中間板10との間のいわゆる上部槽に堆積され上部槽端部に設置された吸引集塵装置で吸引先端パイプを介して収集される
この特許文献1の場合、装置が大型で複雑であり、また、靴底面に当たる上向きの回転ブラシが靴底の面に当たる箇所と、当たらない箇所があり、靴底全面に渡って完全に清掃することが出来ない問題がある。また、上向きの回転ブラシのため、ブラシの毛の根本に靴底から除去された土やゴミが堆積し易く,この除去も労力を要するという問題もある。
また、特許文献2は、装置構成が複雑になるのを抑制しつつ、多人数の使用者の靴底を効率よく清掃するのに適した靴底清掃装置の提供を目的としている。その解決手段として靴底清掃装置A1は、一定方向に長手状の開口部101が形成された、靴底を載せるための上壁部10、を有する箱状の本体ケース1と、上記一定方向に長手状に延び、本体ケース1の内部に収容されるとともに長手方向の両端部が本体ケース1に回転可能に支持された回転軸2と、回転軸2の外周に設けられたブラシ部3と、回転軸2を回転させる回転軸駆動手段と、を備え、ブラシ部3のうち回転軸2よりも上位にある部分が開口部101を通じて上壁部10の上方に臨む。
この特許文献2の場合、長手方向に回転するブラシと、その周囲に圧縮空気の吹き出しが可能な圧縮空気供給手段を備えるが、靴底の清掃は片足づつであり、また、人が靴底を適当に前後か幅方向に移動しないと、靴底全面を清掃出来ない問題がある。更に、ブラシの一部が本体ケースから出ていて、圧縮空気の吹き付けで機器の周辺にも菌を含んでいる可能性のある靴底に付着している土やゴミが周辺に飛び散る問題もある。
また、特許文献3は、シンプルな構造で使い易く、少ない空気量で効率的に靴を清掃可能な靴清掃機を提供する。その解決手段は靴2を容易に前後に往復動可能で該靴2の全長以上の長さを有する複数のローラ31で構成される靴置台30と、該靴置台30の両側面部及び背面部を囲み、該靴置台30を支持するケーシング10と、主に靴2の底面部に付着したごみを吹き飛ばす底面エアノズル40と、主に靴の側面部2b、上面部2c及びかかと部分2aのごみを吹き飛ばす側面エアノズル50と、主に靴のつま先部分2dのごみを吹き飛ばす背面エアノズル60と、を備える。この特許文献3の場合、エアーブローで靴底の面や、靴の側面に吹き付けて靴底に付着している土やゴミを落とす方法のため、特許文献2と同じく菌を含んでいる可能性がある土やゴミが機器の周辺に飛び散る問題がある。また、片足の靴底のみ使用して、しかも人が前後に靴底を移動する必要があり、利用者に負担が掛かる問題もある。
【0005】
本発明の目的は、このようなことに鑑みてなされたものであり、先行技術文献の各問題点を解決する内容となっている。即ち、両足の靴底を同時に清掃でき、利用者は靴を移動せず固定して利用でき、靴底全面を確実に清掃でき、除去された土やゴミはブラシの毛の根本などに堆積せず、周囲に除去した粉塵を撒き散らさず、除去した土やゴミは吸引で集塵し、靴底のみならず靴の両側面の下側も清掃でき、機構が簡単で小型化した靴底清掃装置を提供することができる。また、本発明の靴底清掃装置は、多目的に、しかも多くの業種で手軽に利用できる様になっている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の靴底清掃装置は、大型施設の入口、食品工場、精密機器工場、医療介護機関、養鶏等の家畜業などで、靴底に付着している土やゴミを除去できる機器として利用できる。また、多目的で多用途の簡易の開放形エアーシャワーの入室前に靴底の清掃をする時にも利用が可能となる。
本発明による課題解決の手段として、簡単な構成で小型化ができ、手軽に利用できる様になっている。即ち、両靴底を同時に清掃できる構成とし、靴底に強固に張り付いている土やゴミは、機械的に確実に回転ブラシで除去し、横軸の回転ブラシのため靴底から上向きで除去された土やゴミは下向きになった時に都度集塵カバー内に落下し、靴底から除去された土やゴミや粉塵は、確実に掃除機の吸引によって集塵して回収され、機器周辺に粉塵が飛び散ることは無い。また、回転ブラシが確実に靴底全面、及び両側面下部に当たる様に靴底の幅方向に約120mmの範囲を回転ブラシが往復移動する。また、靴底の清掃を確実にするため回転ブラシの回転方向は、使用の途中で正転から逆方向にも回転できる様になっている。また、両靴底の支持は、本体ケースの上面から約10mm低い位置で靴底を複数の一定の間隔をもって本体ケースに固定された支持板で支持され、除去した土やゴミが外に飛散することなく、確実に本体ケース内に取付けられた集塵カバーに回収できる様になっている。更に、靴底の支持板は、複数の山形形状で靴底に対して点で当たり、回転ブラシの毛がほぼ靴底の全面に当たる様になっている。
本発明の靴底清掃装置の実施例について説明する。
本発明の靴底清掃装置は、箱型をした本体ケース1の上部には二箇所に最大の長さと幅の靴底2,3の寸法より少し大きい孔4,5が設けられ、上記孔の下部には横方向に複数の支持板6,7が一定間隔をもって上記本体ケースの上板の下面に縦方向に取り付けられ、上記複数の薄い支持板6,7は、上部面は約10mmの掘り込みと、その靴底との接触面は、複数の山形をした形状で、靴底に対して点で当たる様になっている。また、上記本体ケースの上面の一部に操作用の切替スイッチ類やタイマースイッチの付いた操作部8が取付けられている。また、機器全体の電気制御を行う制御部25も上記の本体ケース1内に内蔵されている。
また、上記本体ケース1内部には、前記二箇所の足形孔4,5の下部に、各々靴底の長手方向に平行の横軸の回転軸をもった連続回転ブラシ9,10が、両端に各々ベアリング11,12で回転自在に支持されて取り付けられ、上記の両回転ブラシの回転軸端部にベルトプーリー13,14が設けられ、ベルト15を介して正転と逆転が可能なモーター16に接続されて、モーター16の回転が両ブラシに伝動される。また、上記のブラシ回転軸受部11,12とブラシ回転用のモーター16は、両側にブラケット17,18で支持された共通プレート19に固定されていて、上記共通プレート19は、本体ケース1の底面から靴の幅方向に摺動可能に直動ガイド20で直線的な移動が可能に支持されている。上記の共通プレート19は、別の摺動駆動用モーター21からクランク機構22で靴底の幅方向に連続の往復移動が可能となっている。また、本体ケース1の上板の下面部には、除去された土やゴミを一定範囲に留める集塵カバー23と、掃除機まで接続する吸引用の接続口24が取り付けられている。また、本体ケース1の内部に、本装置の全体を制御する制御部25が内蔵されている。また、利用者の接近を検知するセンサー26も本体ケース表面に取れ付けられている。更に靴底面に照射されて除菌する紫外線照射手段27も、前記靴底の下部付近に取り付けられている。
この靴底清掃装置を使用する手順は、まず、利用する人が本体ケース1の二箇所の靴底支持部6,7に両靴を乗せて立つと、センサー26が検知して装置の起動が自動的に開始され、モーター16による両回転ブラシ9.10の回転と、摺動用モーター21による両回転ブラシの幅方向の往復移動の動作が、クランク機構22によって開始され、靴底の土やゴミが回転ブラシによって除去され、除去された土やゴミは、集塵カバー23で受けて、吸引ホースの接続部24から掃除機(図示せず)まで吸引によって除去される。使用の途中で回転ブラシ9,10の回転方向が逆転して、再度、回転しながら連続の往復運動が開始され、タイマーの設定時間が経過すれば、自動的に機器の動作が停止され、利用者は、本体ケース1から降りる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、靴底に強固に付着している土やゴミを両靴底に当たる回転ブラシによって確実に除去し、除去された土やゴミは周辺に飛散させずに確実に下部の集塵カバー内に集塵し、吸引ホースで排出される。また、回転ブラシは装置を小型、薄形にする必要があってブラシの外径は大きくできず小径にするため、靴底の幅方向に一度に全面にブラシが当たらないため、靴底の幅方向に約120mmの範囲を往復移動させ、途中で回転ブラシの回転を逆転させることで、靴の両側面の下側も含めた靴底全面にブラシが当たり清掃することが可能で、しかも横軸をもつ回転ブラシのため回転ブラシの上側で除去された靴底の土やゴミが下側になった時に集塵カバー内に落下させて集塵できるという特徴をもつ靴底清掃装置を提供することができる。
本発明の靴底清掃装置は、各種の事業者などで、靴底に強固に付着している土やゴミを確実に靴の両側面下部、及び靴底全面を清掃することが可能である。例えば、新型コロナウイルスや、鳥ウイルスエンザウイルスや、各種の菌の除菌、菌の拡散防止に対する取り組みの前段階として、靴底を清掃して、問題の解決につながる発明である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態による靴底清掃装置の正面断面図
【
図2】本発明の実施形態による靴底清掃装置の平面断面図
【
図3】本発明の実施形態による靴底清掃装置の平面図
【
図4】本発明の実施形態による靴底清掃装置の側面断面図
【
図5】本発明の実施形態による靴底清掃装置の靴底支持詳細図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下
図1~
図5を用いて、本発明の実施形態による靴底清掃装置を説明する。尚、以下の全ての図面においては、理解を容易にする為、各構成要素の寸法や比率などは、適宜 異ならせて図示している。
【実施例0010】
図1~
図5に示すように、本発明の靴底清掃装置の本実施形態は、箱型をした本体ケース1と、2箇所に最大の長さと幅の靴底2.3の寸法より少し大きい孔4,5と、複数の薄い上部面は約10mmの掘り込みと、その靴底との接触面は、複数の山形をした形状の支持板6,7と、操作スイッチ類の操作部8と、長手方向に平行の横軸の回転軸をもった連続回転ブラシ9,10と、ベアリング11,12と、両回転軸端部にベルトプーリー13,14と、ベルト15を介して正転と逆転が可能なモーター16と、両側にブラケット17,18と、共通プレート19と、直動ガイド20と、摺動用モーター21と、クランク機構22と、集塵カバー23と、接続口24と、制御部25、センサー部26、紫外線照射手段27とで構成される。
本発明は産業上では、大型施設の入口、食品会社、医療福祉機関、各種の研究機関、精密機器工場、養鶏業の鶏舎などに設置されて、靴底に付着している土やゴミを除去できる様に多目的、多用途で利用できる。また、簡易型の開放式エアーシャワーに入室の前、又は入室中に、靴底を清掃して、除菌できるように利用することも可能である。更に小型化して一般家庭用の靴底清掃装置としての市場展開の可能性もある。
本体ケース1、孔4,5、支持板6,7と、操作部8、連続回転ブラシ9,10、ベアリング11,12、ベルトプーリー13,14、ベルト15、モーター16、ブラケット17,18、共通プレート1、直動ガイド20、摺動用モーター21、クランク機構22、集塵カバー23、接続口24、制御部25、センサー部26、紫外線照射手段27