(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169256
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】太陽電池、光起電力モジュールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0224 20060101AFI20241128BHJP
H01L 31/05 20140101ALI20241128BHJP
【FI】
H01L31/04 262
H01L31/04 570
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100460
(22)【出願日】2023-06-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-10-28
(31)【優先権主張番号】202310587109.9
(32)【優先日】2023-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】512083920
【氏名又は名称】晶科能源股分有限公司
【氏名又は名称原語表記】JINKO SOLAR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1,Jinko Road, Shangrao Economic Development Zone Jiangxi 334100 CN
(71)【出願人】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】陳振東
(72)【発明者】
【氏名】王路闖
(72)【発明者】
【氏名】陶武松
(72)【発明者】
【氏名】石家楽
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251EA02
5F251EA19
5F251FA14
5F251FA15
5F251FA16
5F251FA18
(57)【要約】
【課題】本願の実施例は、光起電力分野に関し、太陽電池、光起電力モジュールおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】太陽電池は、対向する第1表面と第2表面とを備えた基板と、第1方向に沿って順次配列された複数の第1グリッド線であって、前記第1グリッド線が前記基板の第1表面に位置し、ここで、前記第1方向に沿って、前記複数の第1グリッド線のうち、前記基板の端部に位置する少なくとも1本の第1グリッド線が、第1拡幅部を備える第1グリッド線と、前記第1方向に沿って順次配列された複数の第2グリッド線であって、前記第2グリッド線が前記基板の第2表面に位置し、ここで、前記第1方向に沿って、前記複数の第2グリッド線のうち、前記基板の端部に位置する少なくとも1本の第2グリッド線が、第2拡幅部を備え、前記第2拡幅部の寸法が前記第1拡幅部の寸法より大きい第2グリッド線と、を含む。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第1表面と第2表面とを備えた基板と、
第1方向に沿って順次配列された複数の第1グリッド線であって、前記第1グリッド線が前記基板の第1表面に位置し、ここで、前記第1方向に沿って、前記複数の第1グリッド線のうち、前記基板の端部に位置する少なくとも1本の第1グリッド線が、第1拡幅部を備える第1グリッド線と、
前記第1方向に沿って順次配列された複数の第2グリッド線であって、前記第2グリッド線が前記基板の第2表面に位置し、ここで、前記第1方向に沿って、前記複数の第2グリッド線のうち、前記基板の端部に位置する少なくとも1本の第2グリッド線が、第2拡幅部を備え、前記第2拡幅部の寸法が前記第1拡幅部の寸法より大きい第2グリッド線と、を含む、
ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
前記第1方向に沿って、前記第1グリッド線は、前記基板の端部に位置する2つの第1電極と、2つの第1電極間に位置する複数の第2電極と、を含み、前記第1電極が第1拡幅部を含み、前記第2電極が第3拡幅部を含み、前記第3拡幅部が前記第1方向に沿って前記第1拡幅部に対向しており、前記第3拡幅部の寸法が前記第1拡幅部の寸法より小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記第1方向に沿って、前記第2グリッド線は、間隔をあけて配列された第3電極と、2つの前記第3電極の間に位置する複数の第4電極と、を含み、前記第3電極が第2拡幅部を含み、前記第4電極が第4拡幅部を含み、前記第4拡幅部が前記第1方向に沿って前記第2拡幅部に対向しており、前記第4拡幅部の寸法は前記第2拡幅部の寸法より小さい、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記第4拡幅部の寸法は前記第1拡幅部の寸法より小さい、
ことを特徴とする請求項3に記載の太陽電池。
【請求項5】
同じ前記第2表面内において、前記第3電極の数量は2~20である、
ことを特徴とする請求項3に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記第2拡幅部の前記第1方向における第2幅の範囲は、0.2mm~1.0mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記基板の表面に位置するパッシベーション層をさらに含み、前記第1拡幅部及び/又は前記第2拡幅部は前記パッシベーション層の表面に位置し、かつ前記パッシベーション層をバーンスルーしなく、前記第1グリッド線は、前記第1拡幅部の両側に位置する第1サブグリッド線をさらに含み、前記第1サブグリッド線は前記パッシベーション層をバーンスルーし、かつ前記パッシベーション層から突出している、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記第1グリッド線は一体成形された構造であり、前記第2グリッド線は一体成形された構造である、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項9】
複数の太陽電池がPVリボンによって電気的に接続されてなり、前記PVリボンが各第1グリッド線及び/又は各第2グリッド線と電気的に接続され、いずれかの前記PVリボンが第1拡幅部または第2拡幅部と電気的に接触するセルストリングと、
前記セルストリングの表面を覆うための封止層と、
前記封止層の前記セルストリングから離れる表面を覆うためのカバープレートと、を含む、
ことを特徴とする光起電力モジュール。
【請求項10】
同じ前記PVリボンと前記第1グリッド線との間には、M個の第1重なり領域を有し、さらに、N個の接着剤ドットを含み、各前記接着剤ドットが前記第1重なり領域を覆い、前記接着剤ドットが前記第1拡幅部にも位置し、前記Nは、前記Mより小さくかつ前記第1拡幅部の数量以上であり、前記封止層が前記接着剤ドットの表面に位置する、
ことを特徴とする請求項9に記載の光起電力モジュール。
【請求項11】
前記Nは前記第2拡幅部の数量以下である、
ことを特徴とする請求項10に記載の光起電力モジュール。
【請求項12】
前記Nは、2≦N≦20を満たす、
ことを特徴とする請求項10に記載の光起電力モジュール。
【請求項13】
前記封止層は前記第2グリッド線の表面に位置し、第2表面に対応する前記PVリボンが前記封止層と直接接触しており、前記第2表面には前記接着剤ドットが設けられていない、
ことを特徴とする請求項9に記載の光起電力モジュール。
【請求項14】
複数の電池セルとPVリボンを提供することと、
前記PVリボンと第1グリッド線との間および前記PVリボンと第2グリッド線との間に合金層が形成されるように、前記PVリボンと前記電池セルに対して溶接処理を行い、前記溶接処理後の前記電池セルおよび前記PVリボンがセルストリングを構成することと、
封止層とカバープレートを提供し、前記封止層が前記セルストリングの表面を覆うために使われ、前記カバープレートが前記封止層の前記セルストリングから離れる表面を覆うために使われることと、
前記セルストリング、封止層およびカバープレートに対して積層加工を行うことと、を含む、
ことを特徴とする光起電力モジュールの製造方法。
【請求項15】
同じ前記PVリボンと前記第1グリッド線との間にはM個の第1重なり領域を有し、
溶接処理を行った後、さらに、前記電池セルの表面にN個の接着剤ドットを有するように前記電池セルの第1重なり領域の一部に対して接着剤塗布を行い、各前記接着剤ドットが前記第1重なり領域を覆い、前記接着剤ドットが第1拡幅部にも位置し、前記NはMより小さくかつ前記第1拡幅部の数量以上であることを含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の光起電力モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、光起電力の分野に関し、特に、太陽電池、光起電力モジュールおよびその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は光電効果または光化学的効果によって光エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置である。単一のセルだけでは直接発電して使用できない。複数のセルをPVリボンによって、直列/並列接続し、かつ厳密にモジュールとしてパッケージングしてからはじめて使用できる。太陽電池モジュール(ソーラーパネルとも呼ばれる)は、太陽光発電システムの中核部分であり、太陽光発電システムの中で最も重要な部分でもある。太陽電池モジュールの役割は、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換したり、蓄電池に送って貯蔵し、設備の運転を駆動したりすることである。
【0003】
セルは非常に脆弱で、電池セルを保護するために、一般的に、電池モジュールの上下表面に接着フィルムとカバープレートを設置する必要がある。カバープレートは一般的に太陽光発電ガラスであり、太陽光発電ガラスは直接電池セルの上面に付着できず、その中で接着フィルムは接着作用を果たす必要がある。電池セル同士間の接続には通常、電流を収集するためのPVリボンが必要であり、通常のPVリボンでは溶接時に溶接によりPVリボンと細いグリッドとの間を合金化させる必要があるしかしながら、PVリボン中のハンダの融点は一般的に高く、実際の溶接過程において、溶接温度はハンダの融点より20℃以上高い。電池セルは溶接中に反り変形が大きいため、溶接後の隠れクラックのリスクが大きく、破片率が高い。上述した背景の下で、溶接品質を改善するために、低温PVリボン及びメイングリッドレス技術が生まれていたが、ただし、モジュールの歩留まりに影響する要素はまだ多く、例えば、PVリボンと細いグリッド間の溶接効果や溶接歩留まりなどがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の実施例には、少なくとも、光起電力モジュールの歩留まりを向上させることに有利である太陽電池、光起電力モジュールおよびその製造方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願のいくつかの実施例によれば、本願の実施例の一形態では、太陽電池が提供され、この太陽電池は、対向する第1表面と第2表面とを備えた基板と、第1方向に沿って順次配列された複数の第1グリッド線であって、前記第1グリッド線が前記基板の第1表面に位置し、ここで、前記第1方向に沿って、前記複数の第1グリッド線のうち、前記基板の端部に位置する少なくとも1本の第1グリッド線が、第1拡幅部を備える第1グリッド線と、前記第1方向に沿って順次配列された複数の第2グリッド線であって、前記第2グリッド線が前記基板の第2表面に位置し、ここで、前記第1方向に沿って、前記複数の第2グリッド線のうち、前記基板の端部に位置する少なくとも1本の第2グリッド線が、第2拡幅部を備え、前記第2拡幅部の寸法が前記第1拡幅部の寸法より大きい第2グリッド線と、を含む。
【0006】
いくつかの実施例では、前記第1方向に沿って、前記第1グリッド線は、前記基板の端部に位置する2つの第1電極と、2つの第1電極間に位置する複数の第2電極と、を含み、前記第1電極が第1拡幅部を含み、前記第2電極が第3拡幅部を含み、前記第3拡幅部が前記第1方向に沿って前記第1拡幅部に対向しており、前記第3拡幅部の寸法が前記第1拡幅部の寸法より小さい。
【0007】
いくつかの実施例では、前記第1方向に沿って、前記第2グリッド線は、間隔をあけて配列された第3電極と、2つの前記第3電極の間に位置する複数の第4電極と、を含み、前記第3電極が第2拡幅部を含み、前記第4電極が第4拡幅部を含み、前記第4拡幅部が前記第1方向に沿って前記第2拡幅部に対向しており、前記第4拡幅部の寸法は前記第2拡幅部の寸法より小さい。
【0008】
いくつかの実施例では、前記第4拡幅部の寸法は前記第1拡幅部の寸法より小さい。
【0009】
いくつかの実施例では、同じ前記第2表面内において、前記第3電極の数量は2~20である。
【0010】
いくつかの実施例では、前記第2拡幅部の前記第1方向における第2幅の範囲は、0.2mm~1.0mmである。
【0011】
いくつかの実施例では、前記基板の表面に位置するパッシベーション層をさらに含み、前記第1拡幅部及び/又は前記第2拡幅部は前記パッシベーション層の表面に位置し、かつ前記パッシベーション層をバーンスルーしなく、前記第1グリッド線は、前記第1拡幅部の両側に位置する第1サブグリッド線をさらに含み、前記第1サブグリッド線は前記パッシベーション層をバーンスルーし、かつ前記パッシベーション層から突出している。
【0012】
いくつかの実施例では、前記第1グリッド線は一体成形された構造であり、前記第2グリッド線は一体成形された構造である。
【0013】
本願のいくつかの実施例によれば、本願の実施例の別の形態では、光起電力モジュールが提供され、この光起電力モジュールは、複数の太陽電池がPVリボンによって電気的に接続されてなり、前記PVリボンが各第1グリッド線及び/又は各第2グリッド線と電気的に接続され、いずれかの前記PVリボンが第1拡幅部または第2拡幅部と電気的に接触するセルストリングと、前記セルストリングの表面を覆うための封止層と、前記封止層の前記セルストリングから離れる表面を覆うためのカバープレートと、を含む。
【0014】
いくつかの実施例では、同じ前記PVリボンと複数の前記第1グリッド線との間には、M個の第1重なり領域を有し、さらに、N個の接着剤ドットを含み、各前記接着剤ドットが前記第1重なり領域を覆い、前記接着剤ドットが前記第1拡幅部にも位置し、前記Nは、前記Mより小さくかつ前記第1拡幅部の数量以上であり、前記封止層が前記接着剤ドットの表面に位置する。
【0015】
いくつかの実施例では、前記Nは前記第2拡幅部の数量以下である。
【0016】
いくつかの実施例では、前記Nは、2≦N≦20を満たす。
【0017】
いくつかの実施例では、前記封止層は前記第2グリッド線の表面に位置し、第2表面に対応する前記PVリボンが前記封止層と直接接触しており、前記第2表面には前記接着剤ドットが設けられていない。
【0018】
本願のいくつかの実施例によれば、本願の実施例の別の形態では、光起電力モジュールの製造方法が提供され、この光起電力モジュールの製造方法は、複数の電池セルとPVリボンを提供することと、前記PVリボンと第1グリッド線との間および前記PVリボンと第2グリッド線との間に合金層が形成されるように、前記PVリボンと前記電池セルに対して溶接処理を行い、前記溶接処理後の前記電池セルおよび前記PVリボンがセルストリングを構成することと、封止層とカバープレートを提供し、前記封止層が前記セルストリングの表面を覆うために使われ、前記カバープレートが前記封止層の前記セルストリングから離れる表面を覆うために使われることと、前記セルストリング、封止層およびカバープレートに対して積層加工を行うことと、を含む。
【0019】
いくつかの実施例では、同じ前記PVリボンと前記第1グリッド線との間にはM個の第1重なり領域を有し、溶接処理を行った後、さらに、前記電池セルの表面にN個の接着剤ドットを有するように前記電池セルの第1重なり領域の一部に対して接着剤塗布を行い、各前記接着剤ドットが前記第1重なり領域を覆い、前記接着剤ドットが第1拡幅部にも位置し、前記NはMより小さくかつ前記第1拡幅部の数量以上であることを含む。
【発明の効果】
【0020】
本願の実施例に提供された技術案は、少なくとも以下の利点を有する。
【0021】
本願の実施例に提供された技術案では、基板が対向する第1表面及び第2表面を備え、第1表面に位置する第1グリッド線が第1拡幅部を備え、第2表面に位置する第2グリッド線が第2拡幅部を備えるように設置することによって、第1拡幅部及び第2拡幅部は、第1グリッド線とPVリボンとの間の溶接引っ張り力及び第2グリッド線とPVリボンとの間の溶接引っ張り力を高めることができ、ひいては第1グリッド線とPVリボンとの間の溶接効果及び第2グリッド線とPVリボンとの間の溶接効果を向上させることができる。第1拡幅部の寸法は第2拡幅部の寸法より大きく、第1表面の第1拡幅部の寸法と第2表面の第2拡幅部の寸法を変更し、即ち、第1表面における第1拡幅部の寸法を小さくなるように確保することで、第1表面の被覆面積が少なくなり、太陽電池の電池効率を高めることができる。第2表面の第2拡幅部は、少なくとも基板の端部に位置し、即ち、第2拡幅部の数量が第1拡幅部の数量以上であり、第2拡幅部の数量を増やすことで第2表面の溶接面積を増加し、電池とPVリボンとの溶接引っ張り力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
1つまたは複数の実施例は、対応する添付の図面における図で例示的に説明されるが、これらの例示的な説明は、実施例を限定するものではなく、特に断りのない限り、添付の図面における図は比例上の制限を形成しない。本願の実施例または従来技術における技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は、本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な労働を払わずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【
図1】
図1は本願の一実施例に係る太陽電池の第1表面の第1種構成を示す図である。
【
図2】
図2は
図1のA1-A2断面に沿った第1種断面構成を示す図である。
【
図3】
図3は
図1のA1-A2断面に沿った第2種断面構成を示す図である。
【
図4】
図4は
図1のB1-B2断面に沿った第1種断面構成を示す図である。
【
図5】
図5は本願の一実施例に係る太陽電池の第1拡幅部の局所構成を示す図である。
【
図6】
図6は本願の一実施例に係る太陽電池の第2表面の第1種構成を示す図である。
【
図7】
図7は本願の一実施例に係る太陽電池の第2拡幅部の局所構成を示す図である。
【
図8】
図8は本願の一実施例に係る太陽電池の第1表面の第2種構成を示す図である。
【
図9】
図9は本願の一実施例に係る太陽電池の第3拡幅部の局所構成を示す図である。
【
図10】
図10は本願の一実施例に係る太陽電池の第2表面の第2種構成を示す図である。
【
図11】
図11は本願の一実施例に係る太陽電池の第4拡幅部の局所構成を示す図である。
【
図12】
図12は本願の一実施例に係る太陽電池の第1表面の第3種構成を示す図である。
【
図13】
図13は本願の一実施例に係る光起電力モジュールの第1表面にPVリボンを形成した構成を示す図である。
【
図14】
図14は本願の一実施例に係る光起電力モジュールの第2表面にPVリボンを形成した構成を示す図である。
【
図15】
図15は
図15は、本願の一実施例に係る光起電力モジュールの第1表面に接着剤ドットを形成した構成を示す図である。
【
図16】
図16は本願の一実施例に係る光起電力モジュールの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
背景技術から分かるように、従来の光起電力モジュールの歩留まりは高くない。
【0024】
本願の実施例における太陽電池では、基板が対向する第1表面及び第2表面を備え、第1表面に位置する第1グリッド線が第1拡幅部を備え、第2表面に位置する第2グリッド線が第2拡幅部を備えるように設置することによって、第1拡幅部及び第2拡幅部は、第1グリッド線とPVリボンとの間の溶接引っ張り力及び第2グリッド線とPVリボンとの間の溶接引っ張り力を高めることができ、ひいては第1グリッド線とPVリボンとの間の溶接効果及び第2グリッド線とPVリボンとの間の溶接効果を向上させることができる。第1拡幅部の寸法は第2拡幅部の寸法より大きく、第1表面の第1拡幅部の寸法と第2表面の第2拡幅部の寸法を変更し、即ち、第1表面における第1拡幅部の寸法を小さくなるように確保することで、第1表面の被覆面積が少なくなり、太陽電池の電池効率を高めることができる。第2表面の第2拡幅部は、少なくとも基板の端部に位置し、即ち、第2拡幅部の数量が第1拡幅部の数量以上であり、第2拡幅部の数量を増やすことで第2表面の溶接面積を増加し、電池とPVリボンとの溶接引っ張り力を高めることができる。
【0025】
以下、本願の各実施例について図面を結合して詳細に説明する。しかしながら、当業者は理解できるが、読者に本願をよりよく理解させるために、本願の各実施例において多数の技術的細部が提案されているが、これらの技術的細部及び以下の各実施例に基づく種々の変更や修正がなくても、本願が保護を要求している技術案を実現することができる
【0026】
図1は本願の一実施例に係る太陽電池の第1表面の第1種構成を示す図である。
図2は
図1のA1-A2断面に沿った第1種断面構成を示す図である。
図3は
図1のA1-A2断面に沿った第2種断面構成を示す図である。
図4は
図1のB1-B2断面に沿った第1種断面構成を示す図である。
図5は本願の一実施例に係る太陽電池の第1拡幅部の局所構成を示す図である。
図6は本願の一実施例に係る太陽電池の第2表面の第1種構成を示す図である。
図7は本願の一実施例に係る太陽電池の第2拡幅部の局所構成を示す図である。
図8は本願の一実施例に係る太陽電池の第1表面の第2種構成を示す図である。
図9は本願の一実施例に係る太陽電池の第3拡幅部の局所構成を示す図である。
図10は本願の一実施例に係る太陽電池の第2表面の第2種構成を示す図である。
図11は本願の一実施例に係る太陽電池の第4拡幅部の局所構成を示す図である。
図12は本願の一実施例に係る太陽電池の第1表面の第3種構成を示す図である。ここで、第1拡幅部とPVリボンとの相対的な位置関係を説明するために、
図2及び
図3にPVリボンも示している。なお、第1拡幅部と第2拡幅部の領域を示すために、
図12の点線で囲まれた領域には、第2拡幅部を示している。
【0027】
理解できるように、第2表面の第2拡幅部と第2グリッド線との間の断面図は、
図2~
図4における第1拡幅部と第1グリッド線との間の位置関係を参照することができ、ここでは第2表面の断面図を図示せず、第1表面側の断面図のみを示している。
【0028】
図1~
図12に示すように、本願のいくつかの実施例によれば、本願の実施例では、太陽電池が提供され、この太陽電池は、対向する第1表面11と第2表面12とを備えた基板100と、第1方向Yに沿って順次配列された複数の第1グリッド線21であって、第1グリッド線21が基板100の第1表面11に位置し、ここで、第1方向Yに沿って、複数の第1グリッド線のうち、基板100の端部に位置する少なくとも1本の第1グリッド線21が、第1拡幅部111を備える第1グリッド線21と、第1方向Yに沿って順次配列された複数の第2グリッド線22であって、第2グリッド線22が基板100の第2表面12に位置し、ここで、第1方向Yに沿って、複数の第2グリッド線のうち、基板の端部に位置する少なくとも1本の第2グリッド線22が、第2拡幅部を備え、第2拡幅部211の寸法が第1拡幅部111の寸法より大きい第2グリッド線22と、を含む。
【0029】
太陽電池は、通常のTOPCON(Tunnel Oxide Passivated Contact、トンネル酸化膜パッシベーションコンタクト)セル、PERCセル(不動態化エミッタおよびリアセル、Passivated emitter and real cell)及びヘテロ接合型セルなどのうちのいずれかであってもよい。いくつかの実施例では、太陽電池は、化合物電池であってもよく、化合物は、シリコンゲルマニウム、炭化ケイ素、ガリウム砒素、ガリウム化インジウム、ペロブスカイト、テルル化カドミウム、セレン化銅インジウムなどの材料を含むが、これらに限定されない。
【0030】
太陽電池は、順次積層された基板とパッシベーション層を含んでいる。基板100の材料は元素半導体材料であってもよい。具体的には、元素半導体材料は単一の元素、例えばシリコンからなる。ここで、元素半導体材料は、単結晶状態、多結晶状態、非晶質状態または微結晶状態(単結晶状態と非晶質状態の両方を有する状態は微結晶状態と呼ばれる)であってもよく、例えば、シリコンは単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンまたは微結晶シリコンのうちの少なくとも1つであってもよい。
【0031】
いくつかの実施例では、基板100の材料は化合物半導体材料であってもよい。よく見られる化合物半導体材料は、シリコンゲルマニウム、炭化ケイ素、ガリウム砒素、ガリウム化インジウム、ペロブスカイト、テルル化カドミウム、セレン化銅インジウムなどの材料を含むが、これらに限定されない。基板100は、サファイア基板、絶縁体上のシリコン基板または絶縁体上のゲルマニウム基板であってもよい。
【0032】
いくつかの実施例では、基板100はN型半導体基板またはP型半導体基板であってもよい。N型半導体基板内にはN型ドーピング元素がドープされており、N型ドーピング元素はリン(P)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)またはヒ素(As)などのV族元素のうちのいずれかであってもよい。P型半導体基板内にはP型元素がドープされており、P型ドーピング元素はホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)またはインジウム(In)などのIII族元素のうちのいずれかであってもよい。
【0033】
いくつかの実施例では、太陽電池は、基板100の表面に位置するパッシベーション層101をさらに含む。パッシベーション層101の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸炭窒化シリコン、酸化チタン、酸化ハフニウム、または酸化アルミニウムなどの材料のうちのいずれか1つまたは複数を含む。
【0034】
太陽電池は、基板100の第1表面11に位置するエミッタおよび第1パッシベーション層と、基板100の第2表面12に位置する第2パッシベーション層と、を含み、第1グリッド線21は第1パッシベーション層を貫通してエミッタと電気的に接触し、第2グリッド線22は第2パッシベーション層の厚みを貫通して第2表面12と電気的に接触する。パッシベーション層101は、第1パッシベーション層と、第2パッシベーション層と、を含む。
【0035】
いくつかの実施例では、太陽電池がTOPCONセルである場合、太陽電池は、積層されたトンネル誘電体層と、ドープ導電層と、をさらに含み、トンネル誘電体層が基板100の第2表面12に位置し、第2グリッド線22が第2パッシベーション層をバーンスルーしてドープ導電層と電気的に接触する。
【0036】
いくつかの実施例では、第1グリッド線21及び第2グリッド線22は、いずれも太陽電池のサブグリッド線であり、サブグリッド線はバーンスルー型ペーストで焼成されて形成されることができる。第1グリッド線21及び第2グリッド線22を形成する方法は、スクリーン印刷工程を利用して一部のパッシベーション層の表面に金属ペーストを印刷することを含む。金属ペーストは、銀、アルミニウム、銅、錫、金、鉛またはニッケルのうち少なくとも1つを含むことができる。金属ペーストを焼成する工程では、いくつかの実施例において、金属ペーストにはガラスなどの腐食性の高い成分が含まれており、これによって、焼結過程では、腐食性成分がパッシベーション層を腐食し、金属ペーストがパッシベーション層101中に浸透して基板100と電気的に接触する。
【0037】
いくつかの実施例では、第1方向Yに沿って、第1グリッド線21は、基板100の端部に位置する2つの第1電極110と、2つの第1電極110間に位置する複数の第2電極120と、を含み、第1電極110が第1拡幅部111を含む。第1電極110は、第1拡幅部111の両側に位置する第1サブグリッド線112をさらに含む。第1サブグリッド線112はパッシベーション層101をバーンスルーし、かつパッシベーション層101から突出している。
【0038】
いくつかの実施例では、
図2に示すように、第1拡幅部111はパッシベーション層101の表面に位置し、かつパッシベーション層101をバーンスルーしなく、即ち、第1拡幅部111の材料組成は第1サブグリッド線112の材料組成と異なっている。例えば、第1拡幅部111はメイングリッド線の印刷ペーストから作られ、第1サブグリッド線112はサブグリッド線の印刷ペーストから作られる。その中で、サブグリッド線の印刷ペーストにおける銀の含有量が高く、これによってパッシベーション層をバーンスルーする。メイングリッド線の印刷ペーストにおける銀の含有量が低く、アルミニウムの含有量が高い。
【0039】
いくつかの実施例では、第1拡幅部111の第2方向Xにおける第1長さL1の範囲は、0.5mm~1.5mmである。第1長さL1の範囲は、0.5mm~0.8mm、0.58mm~1.39mm、0.6mm~1.5mm、0.9mm~1.48mm、0.5mm~1mm、0.6mm~1.3mmまたは0.69mm~0.8mmであってもよい。第1長さL1は、0.53mm、0.58mm、0.77mm、0.98mm、1.19mm、1.28mm、1.33mm、1.42mmまたは1.5mmであってもよい。
【0040】
いくつかの実施例では、第1拡幅部111の第1方向Yにおける第1幅W1の範囲は、0.1mm~0.5mmである。第1幅W1は、0.1mm~0.16mm、0.16mm~0.28mm、0.28mm~0.41mm、0.41mm~0.5mm、0.14mm~0.45mm、0.16mm~0.28mmまたは0.19mm~0.36mmであってもよい。第1幅W1は、0.12mm、0.18mm、0.21mm、0.33mm、0.35mm、0.42mm、0.46mmまたは0.5mmであってもよい。
【0041】
いくつかの実施例では、第1サブグリッド線112の第1方向における第5幅W5の範囲は、10um~45umである。第5幅W5は、11um~15um、15um~20um、20um~38um、38um~45um、10um~25um、18um~32umまたは14um~37umであってもよい。第5幅W5は、10.3um、16.8um、21.7um、33.6um、35.8um、41.1um、42.3umまたは45umであってもよい。
【0042】
いくつかの実施例では、
図3に示すように、第1グリッド線21は一体成形された構造であり、即ち、第1電極110の第1拡幅部111と第1サブグリッド線112も一体成形された構造であり、第1拡幅部111と第1サブグリッド線112は同じ印刷ペーストによって同じ製造工程で製造することができ、第1拡幅部111と第1サブグリッド線112はいずれもパッシベーション層101をバーンスルーする。これにより、第1グリッド線21の電池セルの端部に位置する部分の領域の幅が大きく、第1電極110の溶接応力を緩和させ、PVリボン40と電池セルとの間に良好な接触を形成することができる。また、第1拡幅部111は、キャリアの輸送能力を高め、電池セルに電流を収集するための多くの輸送面積を持たせることができる。
【0043】
いくつかの実施例では、第1方向に沿って、第2グリッド線22は、間隔をあけて配列された第3電極210と、2つの第3電極210の間に位置する複数の第4電極220と、を含み、第3電極210が第2拡幅部211を含む。第3電極210は、第2拡幅部211の両側に位置する第2サブグリッド線212をさらに含む。第2サブグリッド線212はパッシベーション層101をバーンスルーし、かつパッシベーション層101から突出している。
【0044】
いくつかの実施例では、同じ第2表面12内において、第3電極210の数量は2~20である。第3電極210の数量は、即ち第2拡幅部211の数量であり、第2拡幅部211の数量は第1拡幅部111の数量以上である。これにより、第1表面11の遮蔽面積を減らし、電池セルの電池効率を高めることができる。第2拡幅部211の数量を増やして第2表面の溶接面積を増やすことで、電池とPVリボンとの間の溶接引っ張り力を高めることができる。
【0045】
いくつかの実施例では、第2拡幅部211の第1方向Yにおける第2幅W2の範囲は、0.2mm~1.0mmである。第2幅W2の範囲は、0.21mm~0.8mm、0.2mm~0.8mm、0.38mm~0.78mm、0.25mm~0.94mm、0.29mm~0.99mm、0.5mm~0.82mm、0.86mm~1.0mmまたは0.19mm~0.69mmであってもよい。第2幅W2は、0.21mm、0.38mm、0.41mm、0.53mm、0.65mm、0.78mm、0.89mmまたは0.98mmであってもよい。
【0046】
いくつかの実施例では、第2拡幅部211の第2方向Xにおける第2長さL2の範囲は、0.5mm~1.5mmである。第2長さL2の範囲は、0.5mm~0.8mm、0.54mm~1.39mm、0.6mm~1.5mm、0.9mm~1.48mm、0.5mm~1mm、0.6mm~1.3mmまたは0.56mm~0.8mmであってもよい。第2長さL2は、0.53mm、0.58mm、0.77mm、0.98mm、1.19mm、1.28mm、1.33mm、1.42mmまたは1.5mmであってもよい。
【0047】
いくつかの実施例では、第2拡幅部211はパッシベーション層101の表面に位置し、かつパッシベーション層101をバーンスルーしなく、即ち、第2拡幅部211の材料組成は、第2サブグリッド線212の材料組成と異なっている。例えば、第2拡幅部211はメイングリッド線の印刷ペーストから作られ、第2サブグリッド線はサブグリッド線の印刷ペーストから作られる。
【0048】
いくつかの実施例では、第2グリッド線22は一体成形された構造であり、即ち、第3電極210の第2拡幅部211と第2サブグリッド線212も一体成形された構造であり、第2拡幅部211と第2サブグリッド線212は同じ印刷ペーストによって同じ製造工程で製造することができ、第2拡幅部211と第2サブグリッド線212はいずれもパッシベーション層101をバーンスルーしている。これにより、第2グリッド線22の電池セルの端部に位置する部分の領域の幅が大きくなり、第3電極210の溶接応力を緩和させ、PVリボンとセルとの間に良好な接触を形成することができる。また、第2拡幅部211は、キャリアの輸送能力を高め、電池セルに電流を収集するための多くの輸送面積を持たせることができる。
【0049】
いくつかの実施例では、第2サブグリッド線212の第6幅W6の範囲は、14um~60umである。第6幅W6の範囲は、15um~20um、20um~28um、28um~35um、35um~49um、49um~52um、52um~60umまたは18um~39umであってもよい。第6幅W6は、14.3um、24.8um、35.7um、41.8um、47.8um、52.1um、59.6umまたは60umであってもよい。
【0050】
図8に示すように、第2電極120は、第3拡幅部121を含み、第3拡幅部121が第1方向Yに沿って第1拡幅部111に対向しており、第3拡幅部121の寸法が第1拡幅部111の寸法より小さい。第2電極120は、第3拡幅部121の両側に位置する第3サブグリッド線122をさらに含む。第3サブグリッド線122はパッシベーション層101をバーンスルーし、かつパッシベーション層101から突出している。
【0051】
いくつかの実施例では、第3拡幅部121はパッシベーション層101の表面に位置し、かつパッシベーション層101をバーンスルーしなく、即ち、第3拡幅部121の材料組成は、第3サブグリッド線122の材料組成と異なっている。例えば、第3拡幅部121はメイングリッド線の印刷ペーストから作られ、第3サブグリッド線122はサブグリッド線の印刷ペーストから作られる。
【0052】
いくつかの実施例では、
図9に示すように、第3拡幅部121の第2方向Xにおける第3長さL3の範囲は0.5mm~1.5mmである。第3長さL3の範囲は、0.5mm~0.8mm、0.58mm~1.39mm、0.6mm~1.5mm、0.9mm~1.48mm、0.5mm~1mm、0.6mm~1.3mmまたは0.69mm~0.8mmであってもよい。第3長さL3は、0.53mm、0.58mm、0.77mm、0.98mm、1.19mm、1.28mm、1.33mm、1.42mmまたは1.5mmであってもよい。
【0053】
いくつかの実施例では、第3拡幅部121の第1方向Yにおける第3幅W3の範囲は、0.02mm~0.2mmである。第3幅W3の範囲は、0.02mm~0.1mm、0.08mm~0.18mm、0.02mm~0.14mm、0.09mm~0.19mm、0.05mm~0.12mm、0.16mm~0.2mmまたは0.09mm~0.19mmであってもよい。第3幅W3は、0.02mm、0.08mm、0.11mm、0.13mm、0.15mm、0.18mm、0.19mmまたは0.2mmであってもよい。
【0054】
いくつかの実施例では、第3サブグリッド線122の第1方向における第7幅W7の範囲は、10um~45umである。第7幅W7の範囲は、11um~15um、15um~20um、20um~38um、38um~45um、10um~25um、18um~32umまたは14um~37umであってもよい。第7幅W7は、10.3um、16.8um、21.7um、33.6um、35.8um、41.1um、42.3umまたは45umであってもよい。
【0055】
いくつかの実施例では、第1グリッド線21は一体成形された構造であり、即ち、第3電極120の第3拡幅部121及び第3サブグリッド線122も一体成形された構造であり、第3拡幅部121及び第3サブグリッド線122は同じ印刷ペーストによって同じ製造工程で製造することができ、第3拡幅部121及び第3サブグリッド線122はいずれもパッシベーション層101をバーンスルーする。第3拡幅部121および第3サブグリッド線122は、キャリアの輸送能力を高め、電池セルに電流を収集するための多くの輸送面積を持たせることができる。
【0056】
いくつかの実施例では、
図10に示すように、第4電極220は、第4拡幅部221を含み、第4拡幅部221が第1方向Yに沿って第2拡幅部211に対向しており、第4拡幅部221の寸法は第2拡幅部211の寸法より小さい。
【0057】
いくつかの実施例では、第4拡幅部の寸法は第1拡幅部の寸法より小さい。第4電極220は、第4拡幅部221の両側に位置する第4サブグリッド線222をさらに含む。第4サブグリッド線222はパッシベーション層101をバーンスルーし、かつパッシベーション層101から突出している。
【0058】
いくつかの実施例では、第4拡幅部221の第1方向Yにおける第4幅W4の範囲は、0.02mm~0.2mmである。第4幅W4の範囲は、0.02mm~0.1mm、0.08mm~0.18mm、0.02mm~0.14mm、0.09mm~0.19mm、0.05mm~0.12mm、0.16mm~0.2mm、0.09mm~0.19mmであってもよく。第4幅W4は、0.02mm、0.08mm、0.11mm、0.13mm、0.15mm、0.18mm、0.19mmまたは0.2mmであってもよい。
【0059】
いくつかの実施例では、第4拡幅部221の第2方向Xにおける第4長さL4の範囲は、0.5mm~1.5mmである。第4長さL4の範囲は、0.5mm~0.8mm、0.54mm~1.39mm、0.6mm~1.5mm、0.9mm~1.48mm、0.5mm~1mm、0.6mm~1.3 mmまたは0.56mm~0.8mmであってもよい。第4長さL4は、0.53mm、0.58mm、0.77mm、0.98mm、1.19mm、1.28mm、1.33mm、1.42mmまたは1.5mmであってもよい。
【0060】
いくつかの実施例では、第4拡幅部221はパッシベーション層101の表面に位置し、かつパッシベーション層101をバーンスルーしなく、即ち、第4拡幅部221の材料組成は、第4サブグリッド線222の材料組成と異なっている。例えば、第4拡幅部221はメイングリッド線の印刷ペーストから作られ、第4サブグリッド線はサブグリッド線の印刷ペーストから作られる。
【0061】
いくつかの実施例では、第2グリッド線22は、一体成形された構造であり、即ち、第4電極220の第4拡幅部221および第4サブグリッド線222も、一体成形された構造であり、第4拡幅部221および第4サブグリッド線222は同じ印刷ペーストによって同じ製造工程で製造することができ、第4拡幅部221と第4サブグリッド線222は、いずれもパッシベーション層101をバーンスルーしている。これにより、第2グリッド線22の電池セルの端部に位置する部分の領域の幅が大きくなり、第3電極220の溶接応力を緩和させ、PVリボンと電池セルとの間に良好な接触を形成することができる。また、第4拡幅部221は、キャリアの輸送能力を高め、電池セルに電流を収集するための多くの輸送面積を持たせることができる。
【0062】
いくつかの実施例では、太陽電池は分割式電池である。いくつかの実施例では、分割式電池は半分分割電池であり、半分分割電池はハーフカット電池または2分割電池と理解できる。他のいくつかの実施例では、分割式電池は3分割電池、4分割電池または8分割電池などであってもよい。
【0063】
実験例0:第1拡幅部及び第2拡幅部を設けず、即ち、各グリッド線は、いずれも完全に均等なグリッド線である。
【0064】
実施例1:第1拡幅部及び第2拡幅部の数量が均等であり、第1表面に接着剤ドットがなく、第2拡幅部の寸法が第1拡幅部の寸法より大きく、第1拡幅部の第1幅W1が0.3mm、第1拡幅部の第1長さL1が0.8mm、第2拡幅部の第2幅W2が0.3mm、第2拡幅部の第2長さL2が1.0mmであり、第1拡幅部の数量が2、第2拡幅部の数量が2である。
【0065】
実施例2:第1拡幅部の数量は第2拡幅部の数量より少なく、第1表面に接着剤ドットがなく、第2拡幅部の寸法が第1拡幅部の寸法より大きく、第1拡幅部の第1幅W1が0.3mm、第1拡幅部の第1長さL1が0.8mm、第2拡幅部の第2幅W2が0.3mm、第2拡幅部の第2長さL2が1.0mmであり、第1拡幅部の数量が2、第2拡幅部の数量が4である。
【0066】
実施例3:第1拡幅部の数量は第2拡幅部の数量より少なく、第1表面に接着剤ドットがあり、第2拡幅部の寸法は第1拡幅部の寸法より大きく、第1拡幅部の第1幅W1は0.3mm、第1拡幅部の第1長さL1は0.8mm、第2拡幅部の第2幅W2は0.3mm、第2拡幅部の第2長さL2は1.0mmであり、接着剤ドットの数量が2、第1拡幅部の数量が2、第2拡幅部の数量が4である。
【0067】
実施例4:第1拡幅部の数量は第2拡幅部の数量と等しく、第1表面に接着剤ドットがあり、第2拡幅部の寸法が第1拡幅部の寸法より大きく、第1拡幅部の第1幅W1が0.3mm、第1拡幅部の第1長さL1が0.8mm、第2拡幅部の第2幅W2が0.3mm、第2拡幅部の第2長さL2が1.0mmであり、第1拡幅部の数量が2、第2拡幅部の数量が2、接着剤ドットの数が4であり、第1表面及び第2表面は第3拡幅部及び第4拡幅部を備えている。
【0068】
【0069】
表1からわかるように、第2拡幅部の数量及び寸法を設定することは、PVリボンと電池セルとの間の溶接引っ張り力を増やすことができる。ここで、各実施例と実験例0の溶接引っ張り力の比によって、第1表面のPVリボンと電池セルとの間に接着剤ドットを設けた場合、溶接引っ張り力が良好であることがわかる。
【0070】
本願の実施例における太陽電池では、基板が対向する第1表面及び第2表面を備え、第1表面に位置する第1グリッド線が第1拡幅部を備え、第2表面に位置する第2グリッド線が第2拡幅部を備えるように設置することによって、第1拡幅部及び第2拡幅部は第1グリッド線とPVリボンとの間の溶接引っ張り力及び第2グリッド線とPVリボンとの間の溶接引っ張り力を高めることができ、ひいては第1グリッド線とPVリボンとの間の溶接効果及び第2グリッド線とPVリボンとの間の溶接効果を向上させることができる。第1拡幅部の寸法は第2拡幅部の寸法より大きく、第1表面の第1拡幅部の寸法と第2表面の第2拡幅部の寸法を変更し、即ち、第1表面における第1拡幅部の寸法を小さくなるように確保することで、第1表面の被覆面積が少なくなり、太陽電池の電池効率を高めることができる。第2表面の第2拡幅部は、少なくとも基板の端部に位置し、即ち、第2拡幅部の数量が第1拡幅部の数量以上であり、第2拡幅部の数量を増やすことで第2表面の溶接面積を増加し、電池とPVリボンとの溶接引っ張り力を高めることができる。
【0071】
図13は、本願の一実施例に係る光起電力モジュールの第1表面にPVリボンを形成した構成を示す図であり、
図14は、本願の一実施例に係る光起電力モジュールの第2表面にPVリボンを形成した構成を示す図であり、
図15は、本願の一実施例に係る光起電力モジュールの第1表面に接着剤ドットを形成した構成を示す図であり、
図16は、本願の一実施例に係る光起電力モジュールの構成を示す図である。
【0072】
本願のいくつかの実施例によれば、本願の実施例の別の形態では、さらに光起電力モジュールが提供され、この光起電力モジュールは、複数の太陽電池50がPVリボン40によって電気的に接続されてなり、PVリボン40が各第1グリッド線21及び/又は各第2グリッド線22と電気的に接続され、いずれかのPVリボン40が第1拡幅部111または第2拡幅部211と電気的に接触するセルストリングと、セルストリングの表面を覆うための封止層51と、封止層51のセルストリングから離れる表面を覆うためのカバープレート52と、を含む。
【0073】
具体的には、いくつかの実施例では、複数のセルストリング間は、PVリボン40によって電気的に接続されてもよい。
図16は、1つの太陽電池50間の位置関係のみを示している。即ち、太陽電池50において、同じ極性を有する電極の配列方向が同じであるか、または正極極性を有する各電池セルの電極がいずれも同じ側に配列されることで、導電テープが隣接する2つの電池セルの異なる側とそれぞれ接続される。いくつかの実施例では、太陽電池50は、異なる極性の電極が同じ側を向くことができる。即ち、隣接する複数の電池セルの電極はそれぞれ第1極性、第2極性、第1極性の順に配列され、導電テープは同じ側の隣接する2つの電池セルを接続する。
【0074】
いくつかの実施例では、太陽電池50の間に間隔が設けられておらず、即ち、太陽電池50間が互いに重なっている。
【0075】
いくつかの実施例では、
図2と
図3に示すように、PVリボン40の横断面の形状は円形であってもよく、円形のPVリボンには配向問題及び位置合わせ問題がなく、円形のPVリボンの量産がより容易である。PVリボンと補強グリッドとの接触面積を増やし、PVリボン40と補強グリッドとの位置合わせずれの問題を減らすために、いくつかの実施例では、PVリボン40の横断面の形状は、三角形またはその他の任意形状であってもよい。
【0076】
いくつかの実施例では、PVリボン40の寸法は160~300umであり、1つの電池セルのPVリボンの数は12~30本である。PVリボン40の寸法は、160~180um、180~200um、200~220um、220~240um、240~280um、280~300umである。
【0077】
いくつかの実施例では、同じPVリボン40と第1グリッド線110との間には、M個の第1重なり領域を有し、さらに、N個の接着剤ドット102を含み、各接着剤ドット102が第1重なり領域を覆い、接着剤ドット102が第1拡幅部111にも位置し、Nは、Mより小さくかつ第1拡幅部111の数量以上であり、封止層51が接着剤ドット102の表面に位置する。これにより、接着剤ドット101によってPVリボン40を位置決めし、PVリボン40と第1グリッド線21との位置関係を精確に位置決めし、その後の溶接処理または積層処理でPVリボン40と電池との良好な接触を確保し、溶接引っ張り力を高め、電池効率の最大化を実現する。
【0078】
いくつかの実施例では、接着剤ドットは第1重なり領域を完全に覆っており、かつ接着剤ドットの寸法が第1重なり領域の寸法の1.5倍以上であるため、PVリボンを電池セルの表面にしっかりと位置決めしており、電池とPVリボンとの溶接引っ張り力を高める。接着剤ドットは、さらにその後の積層処理におけるPVリボンのずれなどの問題を防ぐことができる。
【0079】
いくつかの実施例では、Nは第2拡幅部211の数量以下である。Nは、2≦N≦20を満たす。
【0080】
いくつかの実施例では、封止層51は第2グリッド線22の表面に位置し、第2表面12に対応するPVリボン40が封止層51と直接接触しており、第2表面12には接着剤ドットが設けられていない。第2表面に接着剤ドットを設けず、第2拡幅部の数量と寸法を増やすことで、電池セルとPVリボンとの間の溶接引っ張り力を高める。これにより、接着剤塗布工程を避け、工程の難しさを下げることができる。
【0081】
いくつかの実施例では、封止層51は、太陽電池セル50の正面または裏面のうちの一方を覆う第1封止層と、太陽電池セル50の正面または裏面のうちの他方を覆う第2封止層と、を含み、具体的には、第1封止層または第2封止層の少なくとも一方がポリビニルブチラール(Polyvinyl Butyral、PVBと略す)接着フィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)接着フィルム、ポリエチレン-オクテン共重合体(POE)接着フィルムまたはポリエチレンテレフタレート(PET)接着フィルムなどの有機封止接着フィルムであってもよいし、EPE(1層のEVA、1層のPOE、1層のEVAの共押し出し接着フィルム)またはEP(1層のEVA、1層のPOEの共押し出し接着フィルム)であってもよい。
【0082】
理解できるように、積層加工前に、第1封止層および第2封止層には境界線があり、積層加工後に、光起電力モジュールを形成すると、第1封止層および第2封止層という概念がなくなり、第1封止層と第2封止層が一体化された封止層51を形成している。
【0083】
いくつかの実施例では、カバープレート52は、ガラスカバープレート、プラスチックカバープレートなどの光透過機能を有したカバープレートであってもよい。具体的には、カバープレート52の封止層51に向かう表面は凹凸面であってもよく、入射光線の利用率を高めることができる。カバープレート52は、第1封止層に対向する第1カバープレートと、第2封止層に対向する第2カバープレートと、を含む。
【0084】
本願のいくつかの実施例によれば、本願の実施例の別の面では、さらに光起電力モジュールの製造方法が提供され、この方法、複数の電池セルとPVリボンを提供することと、PVリボンと第1グリッド線との間およびPVリボンと第2グリッド線との間に合金層が形成されるように、PVリボンと電池セルに対して溶接処理を行い、溶接処理後の電池セルおよびPVリボンがセルストリングを構成することと、封止層とカバープレートを提供し、封止層がセルストリングの表面を覆うために使われ、カバープレートが封止層のセルストリングから離れる表面を覆うために使われることと、セルストリング、封止層およびカバープレートに対して積層加工を行うことと、を含む。
【0085】
いくつかの実施例では、同じPVリボンと第1グリッド線との間にはM個の第1重なり領域を有し、溶接処理を行った後、さらに、電池セルの表面にN個の接着剤ドットを有するように電池セルの第1重なり領域の一部に対して接着剤塗布を行い、各接着剤ドットが第1重なり領域を覆い、接着剤ドットが第1拡幅部にも位置し、NはMより小さくかつ第1拡幅部の数量以上であることを含む。
【0086】
本願は、好適な実施例で上記のように開示されているが、特許請求の範囲を限定するものではなく、当業者であれば、本願の着想から逸脱することなく、若干の可能な変動および修正を加えることができるため、本願の保護範囲は、本願の請求項によって規定される範囲に従うべきである。また、本願明細書の実施例及び図面は例示な説明にすぎず、本願請求項によって保護されるすべての範囲ではない。
【0087】
当業者であれば、前記の各実施形態は本願を実現する具体的な実施例であるが、実用上では本願の精神と範囲を逸脱することなく、形態及び細部において様々な変更が可能であることが理解できる。いずれの当業者は、本願の精神と範囲を逸脱しない限り、それぞれ変更及び修正を行うことが可能であるため、本願の保護範囲は、請求項に限定された範囲を基準にすべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第1表面と第2表面とを備えた基板と、
第1方向に沿って順次配列された複数の第1グリッド線及び前記第1方向に沿って順次配列された複数の第2グリッド線からなるグリッド線と、
前記基板の表面に位置するパッシベーション層と、を含み、
前記第1グリッド線が前記基板の第1表面に位置し、ここで、前記第1方向に沿って、前記複数の第1グリッド線のうち、前記基板の端部に位置する少なくとも1本の第1グリッド線が、第1拡幅部を備え、
前記第2グリッド線が前記基板の第2表面に位置し、ここで、前記第1方向に沿って、前記複数の第2グリッド線のうち、前記基板の端部に位置する少なくとも1本の第2グリッド線が、第2拡幅部を備え、前記第2拡幅部の寸法が前記第1拡幅部の寸法より大きく、
前記第1拡幅部及び/又は前記第2拡幅部は前記パッシベーション層の表面に位置し、かつ前記パッシベーション層をバーンスルーしなく、前記第1グリッド線は、前記第1拡幅部の両側に位置する第1サブグリッド線をさらに含み、前記第1サブグリッド線は前記パッシベーション層をバーンスルーし、かつ前記パッシベーション層から突出している、
ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
前記第1方向に沿って、前記第1グリッド線は、前記基板の端部に位置する2つの第1電極と、2つの第1電極間に位置する複数の第2電極と、を含み、前記第1電極が第1拡幅部を含み、前記第2電極が第3拡幅部を含み、前記第3拡幅部が前記第1方向に沿って前記第1拡幅部に対向しており、前記第3拡幅部の寸法が前記第1拡幅部の寸法より小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記第1方向に沿って、前記第2グリッド線は、間隔をあけて配列された第3電極と、2つの前記第3電極の間に位置する複数の第4電極と、を含み、前記第3電極が第2拡幅部を含み、前記第4電極が第4拡幅部を含み、前記第4拡幅部が前記第1方向に沿って前記第2拡幅部に対向しており、前記第4拡幅部の寸法は前記第2拡幅部の寸法より小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記第4拡幅部の寸法は前記第1拡幅部の寸法より小さい、
ことを特徴とする請求項3に記載の太陽電池。
【請求項5】
同じ前記第2表面内において、前記第3電極の数量は2~20である、
ことを特徴とする請求項3に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記第2拡幅部の前記第1方向における第2幅の範囲は、0.2mm~1.0mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記第1グリッド線は一体成形された構造であり、前記第2グリッド線は一体成形された構造である、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項8】
複数の請求項1~7のいずれか一項に記載の太陽電池がPVリボンによって電気的に接続されてなり、前記PVリボンが各第1グリッド線及び/又は各第2グリッド線と電気的に接続され、いずれかの前記PVリボンが第1拡幅部または第2拡幅部と電気的に接触するセルストリングと、
前記セルストリングの表面を覆うための封止層と、
前記封止層の前記セルストリングから離れる表面を覆うためのカバープレートと、を含む、
ことを特徴とする光起電力モジュール。
【請求項9】
同じ前記PVリボンと前記第1グリッド線との間には、M個の第1重なり領域を有し、さらに、N個の接着剤ドットを含み、各前記接着剤ドットが前記第1重なり領域を覆い、前記接着剤ドットが前記第1拡幅部にも位置し、前記Nは、前記Mより小さくかつ前記第1拡幅部の数量以上であり、前記封止層が前記接着剤ドットの表面に位置する、
ことを特徴とする請求項8に記載の光起電力モジュール。
【請求項10】
前記Nは前記第2拡幅部の数量以下である、
ことを特徴とする請求項9に記載の光起電力モジュール。
【請求項11】
前記Nは、2≦N≦20を満たす、
ことを特徴とする請求項9に記載の光起電力モジュール。
【請求項12】
前記封止層は前記第2グリッド線の表面に位置し、第2表面に対応する前記PVリボンが前記封止層と直接接触しており、前記第2表面には前記接着剤ドットが設けられていない、
ことを特徴とする請求項8に記載の光起電力モジュール。
【請求項13】
請求項8に記載の光起電力モジュールを製造するための光起電力モジュールの製造方法であって、
複数の電池セルとPVリボンを提供することと、
前記PVリボンと第1グリッド線との間および前記PVリボンと第2グリッド線との間に合金層が形成されるように、前記PVリボンと前記電池セルに対して溶接処理を行い、前記溶接処理後の前記電池セルおよび前記PVリボンによってセルストリングを構成することと、
封止層とカバープレートを提供し、前記封止層を前記セルストリングの表面を覆うために使い、前記カバープレートを前記封止層の前記セルストリングから離れる表面を覆うために使うことと、
前記セルストリング、前記封止層、および前記カバープレートに対して積層加工を行うことと、を含む、
ことを特徴とする光起電力モジュールの製造方法。
【請求項14】
同じ前記PVリボンと前記第1グリッド線との間にM個の第1重なり領域を設け、
前記溶接処理を行った後、さらに、前記電池セルの表面がN個の接着剤ドットを有するように前記電池セルの第1重なり領域の一部に対して接着剤塗布を行い、各前記接着剤ドットで前記第1重なり領域を覆わせ、前記接着剤ドットを第1拡幅部にも位置させる、ことを含み、
前記Nは、前記Mより小さくかつ前記第1拡幅部の数量以上であることを特徴とする請求項13に記載の光起電力モジュールの製造方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の太陽電池がPVリボンによって電気的に接続されてなり、前記PVリボンが各第1グリッド線及び/又は各第2グリッド線と電気的に接続され、いずれかの前記PVリボンが第1拡幅部または第2拡幅部と電気的に接触するセルストリングと、
前記セルストリングの表面を覆うための封止層と、
前記封止層の前記セルストリングから離れる表面を覆うためのカバープレートと、を含み、
同じ前記PVリボンと前記第1グリッド線との間には、M個の第1重なり領域を有し、さらに、N個の接着剤ドットを含み、各前記接着剤ドットが前記第1重なり領域を覆い、前記接着剤ドットが前記第1拡幅部にも位置し、前記Nは、前記Mより小さくかつ前記第1拡幅部の数量以上であり、前記封止層が前記接着剤ドットの表面に位置し、
ここで、前記太陽電池は、対向する第1表面と第2表面とを備えた基板と、
第1方向に沿って順次配列された複数の第1グリッド線及び前記第1方向に沿って順次配列された複数の第2グリッド線からなるグリッド線と、
前記基板の表面に位置するパッシベーション層と、を含み、
前記第1グリッド線が前記基板の第1表面に位置し、ここで、前記第1方向に沿って、前記複数の第1グリッド線のうち、前記基板の端部に位置する少なくとも1本の第1グリッド線が、第1拡幅部を備え、
前記第2グリッド線が前記基板の第2表面に位置し、ここで、前記第1方向に沿って、前記複数の第2グリッド線のうち、前記基板の端部に位置する少なくとも1本の第2グリッド線が、第2拡幅部を備え、前記第2拡幅部の寸法が前記第1拡幅部の寸法より大きく、
前記第1拡幅部及び/又は前記第2拡幅部は前記パッシベーション層の表面に位置し、かつ前記パッシベーション層をバーンスルーしなく、前記第1グリッド線は、前記第1拡幅部の両側に位置する第1サブグリッド線をさらに含み、前記第1サブグリッド線は前記パッシベーション層をバーンスルーし、かつ前記パッシベーション層から突出している、
ことを特徴とする光起電力モジュール。
【請求項2】
前記Nは前記第2拡幅部の数量以下である、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力モジュール。
【請求項3】
前記Nは、2≦N≦20を満たす、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力モジュール。
【請求項4】
前記封止層は前記第2グリッド線の表面に位置し、前記第2表面に対応する前記PVリボンが前記封止層と直接接触しており、前記第2表面には前記接着剤ドットが設けられていない、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力モジュール。
【請求項5】
前記第1方向に沿って、前記第1グリッド線は、前記基板の端部に位置する2つの第1電極と、2つの第1電極間に位置する複数の第2電極と、を含み、前記第1電極が第1拡幅部を含み、前記第2電極が第3拡幅部を含み、前記第3拡幅部が前記第1方向に沿って前記第1拡幅部に対向しており、前記第3拡幅部の寸法が前記第1拡幅部の寸法より小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力モジュール。
【請求項6】
前記第1方向に沿って、前記第2グリッド線は、間隔をあけて配列された第3電極と、2つの前記第3電極の間に位置する複数の第4電極と、を含み、前記第3電極が第2拡幅部を含み、前記第4電極が第4拡幅部を含み、前記第4拡幅部が前記第1方向に沿って前記第2拡幅部に対向しており、前記第4拡幅部の寸法は前記第2拡幅部の寸法より小さい、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力モジュール。
【請求項7】
前記第4拡幅部の寸法は前記第1拡幅部の寸法より小さい、
ことを特徴とする請求項6に記載の光起電力モジュール。
【請求項8】
同じ前記第2表面内において、前記第3電極の数量は2~20である、
ことを特徴とする請求項6に記載の光起電力モジュール。
【請求項9】
前記第2拡幅部の前記第1方向における第2幅の範囲は、0.2mm~1.0mmである、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力モジュール。
【請求項10】
前記第1グリッド線は一体成形された構造であり、前記第2グリッド線は一体成形された構造である、
ことを特徴とする請求項1に記載の光起電力モジュール。
【請求項11】
請求項1に記載の光起電力モジュールを製造するための光起電力モジュールの製造方法であって、
複数の電池セルとPVリボンを提供することと、
前記PVリボンと第1グリッド線との間および前記PVリボンと第2グリッド線との間に合金層が形成されるように、前記PVリボンと前記電池セルに対して溶接処理を行い、前記溶接処理後の前記電池セルおよび前記PVリボンによってセルストリングを構成することと、
封止層とカバープレートを提供し、前記封止層を前記セルストリングの表面を覆うために使い、前記カバープレートを前記封止層の前記セルストリングから離れる表面を覆うために使うことと、
前記セルストリング、前記封止層、および前記カバープレートに対して積層加工を行うことと、を含み、
同じ前記PVリボンと前記第1グリッド線との間にM個の第1重なり領域を設け、
前記溶接処理を行った後、さらに、前記電池セルの表面がN個の接着剤ドットを有するように前記電池セルの第1重なり領域の一部に対して接着剤塗布を行い、各前記接着剤ドットで前記第1重なり領域を覆わせ、前記接着剤ドットを第1拡幅部にも位置させる、ことを含み、前記Nは、前記Mより小さくかつ前記第1拡幅部の数量以上である、
ことを特徴とする光起電力モジュールの製造方法。