(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169262
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】回折光学アセンブリおよびそれを有するヘッドマウントディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G02B 27/02 20060101AFI20241128BHJP
G02B 5/32 20060101ALI20241128BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20241128BHJP
G03B 35/18 20210101ALI20241128BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/32
G02B5/18
G03B35/18
【審査請求】有
【請求項の数】23
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023132498
(22)【出願日】2023-08-16
(31)【優先権主張番号】18/321,792
(32)【優先日】2023-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】504007741
【氏名又は名称】國立中央大學
【住所又は居所原語表記】NO.300, Jhongda Road, Jhongli District, Taoyuan City, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】余業緯
(72)【発明者】
【氏名】孫慶成
(72)【発明者】
【氏名】蘇威佳
【テーマコード(参考)】
2H059
2H199
2H249
【Fターム(参考)】
2H059AC04
2H059AC08
2H199CA30
2H199CA42
2H199CA53
2H199CA67
2H199CA68
2H249AA25
2H249AA60
2H249AA65
2H249CA04
2H249CA15
2H249CA22
(57)【要約】 (修正有)
【課題】回折光学アセンブリおよびそれを有するヘッドマウントディスプレイを提供する。
【解決手段】回折光学アセンブリは、入力カプラ、出力カプラ、および画像源を含む。出力カプラは入力カプラの隣にある。入力カプラと出力カプラの1つは最も重要なホログラフィック光学素子(HOE)を有し、もう1つは回折光学素子(DOE)を有する。最も重要なHOEのブラッグの条件は、DOEのブラッグの条件よりも感度が高い。画像源は、入力カプラに入射し、出力カプラに伝播する画像光を生成するように構成される。画像光は、入力カプラへの入射角と、その入射角に対応する波長を有する。画像源上の画像光の波長は二次元の空間分布を有し、入射角と画像光の波長との間の関係は、最も重要なHOEのブラッグ選択性に従う。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力カプラと、
前記入力カプラの隣の出力カプラであって、前記入力カプラおよび前記出力カプラのうちの1つは最も重要なホログラフィック光学素子(HOE)を有し、前記入力カプラおよび前記出力カプラのうちの別の1つは回折光学素子(DOE)を有し、前記最も重要なHOEのブラッグの条件は前記DOEのブラッグの条件より感度が高い、出力カプラと、
前記入力カプラに入射し、前記出力カプラに伝播する画像光を生成するように構成された画像源であって、ここで、前記画像光は、前記入力カプラに対する複数の入射角と、前記入射角に対応する複数の波長を有し、前記画像源上の前記画像光の前記波長は、前記入射角と前記画像光の前記波長との間の関係が、前記入力カプラまたは前記出力カプラの最も重要なHOEのブラッグ選択性に適合するように、二次元の空間分布を有する、画像源と、
を備えることを特徴とする回折光学アセンブリ。
【請求項2】
前記画像源は複数の領域を含み、前記領域は互いに重ならない複数の範囲で前記入射角を有する前記画像光を生成し、前記画像源のそれぞれの前記領域における前記画像光の前記波長の二次元の空間分布の一部は連続している、複数の領域と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項3】
前記入力カプラまたは前記出力カプラの最も重要なHOEは、複数の第1のホログラフィック格子を含み、前記第1のホログラフィック格子は、それぞれ、前記範囲内の前記入射角を有する前記画像光を回折するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項4】
前記入力カプラまたは前記出力カプラの最も重要なHOEは、複数のサブHOEを含み、前記サブHOEは、それぞれ、前記範囲内の前記入射角を有する前記画像光を回折するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項5】
前記画像源は、光源と、前記光源上に配置された複数の量子ドットとを含み、前記画像源上の前記画像光の前記波長が前記二次元の空間分布を有するように、前記量子ドットのサイズは、前記画像源の水平面に沿って変化することを特徴とする請求項1に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項6】
前記画像源は、空間光変調器(SLM)と、ソース光を生成する光源と、前記光源上に位置する複数の量子ドットを含み、前記量子ドットを通して前記SLMに照射する前記ソース光の波長が、前記SLMの水平面に沿った二次元の空間分布を有するように、前記量子ドットのサイズが異なることを特徴とする請求項1に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項7】
前記画像源は、空間光変調器(SLM)と、ソース光を生成する光源と、分散素子を備えることを特徴とする請求項1に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項8】
前記光源は、前記分散素子の前記SLMとは反対側に配置され、前記分散素子は、前記分散素子を通過する前記ソース光を前記分散素子の水平面に沿って分散させて前記SLMに照射するように構成され、前記SLM上の前記ソース光の波長は二次元の空間分布を有することを特徴とする請求項7に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項9】
前記光源は、前記分散素子の前記SLMに面する側に配置され、前記分散素子は、前記ソース光を分散して前記分散素子の水平面に沿って分割して前記SLMに照射するように構成され、前記SLM上の前記ソース光の波長は二次元の空間分布を有することを特徴とする請求項7に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項10】
前記画像源は、前記SLMと前記分散素子との間に配置されたバンドパスフィルタをさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項11】
前記画像源の前記分散素子は、表面レリーフ格子、メタ表面、メタレンズ、ホログラフィック格子、または体積ホログラフィック光学素子を含むことを特徴とする請求項7に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項12】
前記画像源は、空間光変調器(SLM)と、ソース光を生成する光源と、分散素子と、光ガイドおよび通常のHOEを備え、前記分散素子は前記光ガイド上に配置され、前記光源は前記光ガイドに直面しない前記分散素子の側に配置され、前記SLMおよび前記通常のHOEはそれぞれ前記光ガイドの2つの反対側に配置され、前記通常のHOEは前記光ガイドと接触し、前記分散素子は前記ソース光を分割するように構成され、前記光ガイドは前記分散素子から前記通常のHOEに前記ソース光を伝送するように構成され、前記通常のHOEは前記SLMに照射するために前記ソース光を反射して再形成するように構成され、前記SLM上の前記ソース光の波長は二次元の空間分布を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項13】
前記画像源の前記通常のHOEは、前記光ガイドの2つの対向する側のうち前記分散素子に面する側に配置されることを特徴とする請求項12に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項14】
前記画像源の前記通常のHOEは、前記光ガイドの2つの対向する側のうち前記分散素子とは反対側に配置されることを特徴とする請求項12に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項15】
前記画像源の前記通常のHOEは、並んで配置された複数の第2のサブHOEを備えることを特徴とする請求項12に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項16】
前記画像源の前記通常のHOEは体積ホログラフィック光学素子を含み、前記画像源の前記分散素子はホログラフィック格子またはプリズムを含むことを特徴とする請求項12に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項17】
前記画像源は複数のカラーチャネルを含み、前記カラーチャネルのそれぞれは前記画像光の一部を生成するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項18】
前記入力カプラまたは前記出力カプラの最も重要なHOEは、複数のホログラフィック格子を含み、前記ホログラフィック格子は、それぞれ、前記カラーチャネルによって生成された前記画像光を回折するように構成されることを特徴とする請求項17に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項19】
前記入力カプラまたは前記出力カプラの最も重要なHOEは、複数のサブHOEを含み、前記サブHOEは、それぞれ、前記カラーチャネルによって生成された前記画像光の一部を回折するように構成されることを特徴とする請求項17に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項20】
前記入力カプラと前記画像源との間にレンズが配置され、前記画像源は前記レンズの焦点面上に位置することを特徴とする請求項1に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項21】
回折光学アセンブリであって、
入力カプラと、
前記入力カプラの隣の出力カプラであって、前記入力カプラおよび前記出力カプラのうちの1つは最も重要なホログラフィック光学素子(HOE)を有し、前記入力カプラおよび前記出力カプラのうちの別の1つは回折光学素子(DOE)を有し、前記最も重要なHOEのブラッグの条件は前記DOEのブラッグの条件より感度が高い、出力カプラと、
前記入力カプラに入射し、前記出力カプラに伝播する画像光を生成するように構成された画像源であって、ここで、前記画像光は、前記入力カプラに対する複数の入射角と、前記入射角に対応する複数の波長を有し、前記画像源上の前記画像光の前記波長は、前記入射角と前記画像光の前記波長との間の関係が、前記入力カプラまたは前記出力カプラの最も重要なHOEのブラッグ選択性に適合するように、二次元の空間分布を有する、画像源と、
を含む回折光学アセンブリと、
前記回折光学アセンブリの前記入力カプラおよび前記出力カプラに接続され、前記入力カプラと前記回折光学アセンブリの前記画像源との間に配置される光ガイドと、
を備えることを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
【請求項22】
前記光ガイド上で前記入力カプラと前記出力カプラの間に配置された二次元格子を備えることを特徴とする請求項21に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項23】
前記光ガイド上に配置された表面レリーフ格子であって、前記表面レリーフ格子は、前記光ガイドの長手方向に沿って前記入力カプラと整列し、前記光ガイドの幅方向に沿って前記出力カプラと整列することを特徴とする請求項21に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回折光学アセンブリおよび回折光学アセンブリを備えたヘッドマウントディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ヘッドマウントディスプレイでは、回折光学素子(DOEs)を平面導波路のカプラとして利用することにより、射出瞳拡張(EPE)が実現されており、DOEsには、表面レリーフ格子(SRGs)、メタ表面、薄型および体積ホログラフィック光学素子(HOEs)が含まれる。体積HOEが、画像源からの平面波を回折するヘッドマウントディスプレイのカプラとして機能する場合、体積HOEの回折効率は、ブラッグ選択性と呼ばれる平面波の波長と入射角に依存する。
【0003】
したがって、特定の波長の平面波の場合、入射角の許容誤差は10度未満となり、ヘッドマウントディスプレイの視野(FOV)が制限される。逆に、広帯域光源の平面波の場合、各入射角で回折できるのは平面波の一部だけであり、平面波のエネルギー損失は90%を超えるため、光学効率が低下する。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、回折光学アセンブリを提供する。
【0005】
本開示のいくつかの実施形態によれば、回折光学アセンブリは、入力カプラ、出力カプラ、および画像源を含む。光路において、出力カプラは入力カプラの後ろにある。入力カプラと出力カプラのうちの一つは最も重要なホログラフィック光学素子(HOE)を有し、入力カプラと出力カプラのうちの別の1つは回折光学素子(DOE)を有する。最も重要なHOEのブラッグの条件は、DOEののブラッグの条件よりも感度が高い。画像源は、入力カプラに入射し、出力カプラに伝播する画像光を生成ように構成されている。画像光は、入力カプラに対する複数の入射角と、その入射角に対応する複数の波長とを有する。画像源上の画像光の波長は、入射角と画像光の波長との間の関係が、入力カプラまたは出力カプラの最も重要なHOEのブラッグ選択性に適合するように、二次元の空間分布を有する。
【0006】
いくつかの実施形態では、画像源は複数の領域を含む。各領域は、互いに重ならない複数の範囲で入射角を有する画像光を生成する。画像源のそれぞれの領域における画像光の波長の二次元の空間分布の一部は連続している。
【0007】
いくつかの実施形態では、入力カプラまたは出力カプラの最も重要なHOEは、複数の第1のホログラフィック格子を含む。第1のホログラフィック格子は、それぞれ、範囲内の入射角を有する画像光を回折するように構成される。
【0008】
いくつかの実施形態では、入力カプラまたは出力カプラの最も重要なHOEは、複数の第1のサブHOEを含む。第1のサブHOEは、それぞれ、範囲内の入射角を有する画像光を回折するように構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、画像源は、光源と、光源上に配置された複数の量子ドットとを含む。画像源上の画像光の波長が二次元の空間分布を有するように、量子ドットのサイズは、画像源の平面上で変化する。
【0010】
いくつかの実施形態では、画像源は、空間光変調器(SLM)と、光源光を生成する光源と、光源上に位置する複数の量子ドットを含む。量子ドットを通してSLMに照射するソース光の波長が、SLMの面上で二次元の空間分布を有するように、量子ドットのサイズは異なる。
【0011】
いくつかの実施形態では、画像源は、空間光変調器(SLM)と、光源光を生成する光源と、分散素子を備える。
【0012】
いくつかの実施形態では、光源は、透過回折格子を備えた分散素子の側に配置される。分散素子は、分散素子を通過するソース光を分散してSLMに照射するように構成され、SLM上のソース光の波長は二次元の空間分布を有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、光源は、分散素子のSLMに面する側に配置される。分散素子は、ソース光を分散してSLMに照射するように構成され、SLM上のソース光の波長は二次元の空間分布を有する。
【0014】
いくつかの実施形態では、画像源は、SLMと分散素子との間に配置されたバンドパスフィルタをさらに備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、画像源の分散素子は、表面レリーフ格子、メタ表面、メタレンズ、ホログラフィック格子、または体積ホログラフィック光学素子を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、画像源は、空間光変調器(SLM)と、ソース光を生成する光源と、分散素子と、光ガイドおよび通常のHOEをさらに含む。分散素子は光ガイド上に配置される。光源は、光ガイドに直面しない分散素子の側に配置される。SLMと通常のHOEは、それぞれ光ガイドの2つの反対側に配置される。通常のHOEは光ガイドと接触している。分散要素は、ソース光を分散するように構成される。光ガイドは、分散素子から通常のHOEにソース光を伝播するように構成される。通常のHOEは、SLMに照射するためにソース光の一部の波長を反射するように構成され、SLM上のソース光の波長は二次元の空間分布を有する。
【0017】
いくつかの実施形態では、画像源の通常のHOEは、光ガイドの2つの対向する側のうち分散素子に面する側に配置される。
【0018】
いくつかの実施形態では、画像源の通常のHOEは、光ガイドの2つの対向する側のうち分散素子とは反対側に配置される。
【0019】
いくつかの実施形態では、画像源の通常のHOEは、並んで配置された複数の第2のサブHOEを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、画像源の通常のHOEは、体積ホログラフィック光学素子を含む。画像源の分散素子は、ホログラフィック格子またはプリズムを含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、画像源は複数のカラーチャネルを含む。カラーチャネルのそれぞれは、画像光の一部を生成するように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、入力カプラまたは出力カプラの最も重要なHOEは、複数の第1のホログラフィック格子を含む。第1のホログラフィック格子は、それぞれ、カラーチャネルによって生成された画像光を回折するように構成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、入力カプラまたは出力カプラの最も重要なHOEは、複数の第1のサブHOEを含む。第1のサブHOEは、それぞれ、カラーチャネルによって生成された画像光の一部を回折するように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、回折光学アセンブリは、入力カプラと画像源との間に配置されたレンズをさらに含む。画像源はレンズの焦点面上に位置する。
【0025】
本開示の別の態様は、ヘッドマウントディスプレイを提供する。
【0026】
本開示のいくつかの実施形態によれば、ヘッドマウントディスプレイは、回折光学アセンブリと光ガイドを含む。回折光学アセンブリは、入力カプラと、出力カプラと、画像源を含む。光路について、出力カプラは入力カプラの後ろにある。入力カプラと出力カプラのうちの1つは最も重要なホログラフィック光学素子(HOE)を有し、入力カプラと出力カプラのうちの別の1つは回折光学素子(DOE)を有する。最も重要なHOEのブラッグの条件は、DOEのブラッグの条件よりも感度が高い。画像源は、入力カプラに入射し、出力カプラに伝播する画像光を生成するように構成される。画像光は、入力カプラに対する複数の入射角と、その入射角に対応する複数の波長とを有する。画像源上の画像光の波長は、入射角と画像光の波長との間の関係が、入力カプラまたは出力カプラの最も重要なHOEのブラッグ選択性に適合するように、二次元の空間分布を有する。光ガイドは、回折光学アセンブリの入力カプラおよび出力カプラに接続され、入力カプラと回折光学アセンブリの画像源との間に配置される。
【0027】
いくつかの実施形態では、ヘッドマウントディスプレイはさらに二次元格子を含む。二次元格子は、光ガイド上で入力カプラと出力カプラとの間に配置される。入力カプラの長さおよび幅は、それぞれ出力カプラの長さおよび幅よりも小さい。
【0028】
いくつかの実施形態では、ヘッドマウントディスプレイは、表面レリーフ格子をさらに含む。表面レリーフ格子は光ガイド上に配置される。表面レリーフ格子は、光ガイドの長手方向に沿って入力カプラと整列し、光ガイドの幅方向に沿って出力カプラと整列する。
【0029】
本開示の前述の実施形態では、画像源上の画像光の波長が二次元の空間分布を有し、入射角と画像光の波長との間の関係が最も重要なHOEのブラッグ選択性に適合するため、画像光が最も重要なHOEによって回折された後でも画像光のエネルギーが保存され、回折光学アセンブリは、従来の回折光学素子と比較してより高い回折効率を有し得る。さらに、回折光学アセンブリを有するヘッドマウントディスプレイは、光学効率を維持しながら視野(FOV)を広げることができ、したがってヘッドマウントディスプレイのエネルギー利用率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本開示の態様は、添付の図面とともに以下の詳細な説明を読むことにより最もよく理解される。業界の標準的な慣行に従って、さまざまな構成が一定の縮尺で描かれていないことに留意されたい。実際、説明を明確にするために、さまざまな構成の寸法を任意に拡大または縮小することができる。
【0031】
【
図1】本開示の一実施形態による回折光学アセンブリを有するヘッドマウントディスプレイの3D斜視図である。
【
図2】
図1のヘッドマウントディスプレイの動作時の概略側面図である。
【
図3】
図3(a)および
図3(b)は、それぞれ記録状態および読み取り状態における
図1の回折光学アセンブリの最も重要なHOEの3D概略図である。
【
図4】
図1の回折光学アセンブリの画像源の概略側面図である。
【
図5】本開示の別の実施形態による画像源の概略側面図である。
【
図6】本開示のさらに別の実施形態による画像源の概略側面図である。
【
図7】本開示のさらに別の実施形態による画像源の概略側面図である。
【
図8】本開示の一実施形態による画像源の概略側面図である。
【
図9】本開示の別の実施形態による画像源の概略側面図である。
【
図10】本開示のさらに別の実施形態による画像源の概略側面図である。
【
図11】本開示の別の実施形態による、回折光学アセンブリを有するヘッドマウントディスプレイの動作時の概略側面図である。
【
図12】本開示のさらに別の実施形態による回折光学アセンブリを有するヘッドマウントディスプレイの3D斜視図である。
【
図13】動作時の
図12のヘッドマウントディスプレイの概略側面図である。
【
図14】
図12の回折光学アセンブリの画像源の概略側面図である。
【
図15】本開示の一実施形態による画像源の概略側面図である。
【
図16】
図1のヘッドマウントディスプレイの上面図である。
【
図17】本開示の一実施形態によるヘッドマウントディスプレイの上面図である。
【
図18】本開示の別の実施形態によるヘッドマウントディスプレイの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下の開示は、提供された主題の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態又は実施例を提供する。本開示を単純化するために構成要素および配置の具体例を以下に記載する。これらは、もちろん、単なる例であり、限定することを意図するものではない。さらに、本開示は、様々な実施例において参照番号および/または文字を繰り返す場合がある。この繰り返しは、単純化および明瞭化を目的としており、それ自体では、説明される様々な実施形態および/または構成間の関係を示すものではない。
【0033】
さらに、上や下など(「下」、「下方」、「下部」、「上方」、「上部」、など)の空間的に相対的な用語は、図に例示されるように、ある要素または構成と別の要素または構成との関係を記述するためのものであり、説明を容易にするために本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示された向きに加えて、使用中または動作中のデバイスの異なる向きを包含することを意図する。装置は、他の方向を向いていてもよく(90度または他の向きに回転してもよく)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子(descriptors)も同様に解されてもよい。
【0034】
図1は、本開示の一実施形態による回折光学アセンブリ100を有するヘッドマウントディスプレイ200の3D斜視図である。
図2は、
図1のヘッドマウントディスプレイ200の動作時の概略側面図である。
図1および
図2に示すように、ヘッドマウントディスプレイ200は、回折光学アセンブリ100および光ガイド210を含む。回折光学アセンブリ100は、入力カプラ110、出力カプラ150、および画像源120を含む。光路において、出力カプラ150は入力カプラ110の後ろにある。この実施形態では、出力カプラ150は入力カプラ110の隣にある。入力カプラ110および出力カプラ150のうちの1つは最も重要なホログラフィック光学素子(HOE)160を有し、入力カプラ110および出力カプラ150のうちのもう1つは回折光学素子(DOE)170を有し、最も重要なHOE160のブラッグの条件は、DOE170のブラッグの条件よりも感度が高い。画像源120は、入力カプラ110に入射し、出力カプラ150に伝播する画像光L1を生成するように構成される。画像光L1は、入力カプラ110に対する複数の入射角θ
1と、入射角θ
1に対応する複数の波長λ
1とを有する。画像源120上の画像光L1の波長λ
1は、入射角θ
1と画像光L1の波長λ
1との関係が、入力カプラ110または出力カプラ150の最も重要なHOE160のブラッグ選択性に適合するように、二次元の空間分布D1を有する。例えば、この実施形態では、入力カプラ110は最も重要なHOE160を有し、出力カプラ150はDOE170を有する。このような構成では、画像光L1が入力カプラ110によって回折された後も画像光L1のエネルギーが保存され、回折光学アセンブリ100は従来の回折光学素子と比較してより高い回折効率を有し得る。さらに、回折光学アセンブリ100を有するヘッドマウントディスプレイ200は、光学効率を維持しながら視野(FOV)を広げることができ、したがってヘッドマウントディスプレイ200のエネルギー利用率を向上させることができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、回折光学アセンブリ100は、画像光L1をコリメートするために入力カプラ110と画像源120との間に配置されたレンズ130をさらに含み、画像源120はレンズ130の焦点面上に位置する。また、画像光L1の入射角θ
1には公差があるため、波長λ
1の二次元の空間分布D1は、
図1に示すような複数の間隔を有し、間隔が暗いところほど波長λ
1が長くなる。
【0036】
図3(a)は、記録状態にある
図1の回折光学アセンブリ100の最も重要なHOE160の3D概略図である。
図3(a)に示すように、記録中、参照光RLと信号光SLはそれぞれ、最も重要なHOE160の対向する2つの面に照射する。参照光RLの入射角はθ
Rであり、信号光SLの入射角はθ
Sである。入射角は、x、y、z軸からのずれ成分、つまりθ
R=(θ
Rx,θ
Ry,θ
Rz)およびθ
S=(θ
Sx,θ
Sy,θ
Sz)として表される。座標系は、参照光RLと信号光SLが両方ともx、z平面上にあるように、つまりy成分を持たないように定義される(θ
Sy=θ
Ry=0)。
【0037】
図3(b)は、読み取り状態にある
図1の回折光学アセンブリ100の最も重要なHOE160の3D概略図である。
図3(b)に示すように、読取光PLは、最も重要なHOE160によって回折され、回折光DLに変換される。読取光PLは入射角θ
Pを有し、回折光DLは回折角θ
Dを有する。回折光DLの回折角θ
Dと読取光PLの入射角θ
Pは、x、y、z軸からのずれ成分、つまりθ
P=(θ
Px,θ
Py,θ
Pz)およびθ
D=(θ
Dx,θ
Dy,θ
Dz)で表される。
図3(a)および
図3(b)を参照すると、最も重要なHOE160の回折効率を高めるために、最も重要なHOE160に入射する読取光PLは、最も重要なHOE160のブラッグ選択性に従わなければならない。したがって、信号光SLの波長と参照光RLの波長を同じλ0とすると、読出光PLの波長λ
Pと入射角θ
Pとの関係は、
【数1】
で表される。
【0038】
図2および
図3(b)を参照すると、最も重要なHOE160に入射する画像光L1は、読取光PLとして作用し得るため、画像光L1の入射角θ
1および波長λ
1は、それぞれ、読取光PLの入射角θ
Pおよび波長λ
Pと関係がある。また、画像光L1の入射角θ
1は、θ
1=(θ
1x,θ
1y,θ
1z)で表すことができ、画像光L1が発生する画像源120内の位置に依存し、次のように表すことができる。
【数2】
および
【数3】
ここで、x
1およびy
1は、画像源120の側面に沿ったx
1-y
1座標によって定義される位置であり、nは最も重要なHOE160の屈折率であり、fはレンズ130の焦点距離である。入力カプラ110の最も重要なHOE160(または他の実施形態では出力カプラ150の最も重要なHOE160)に伝播するとき、(θ
1x,θ
1y,θ
1z)と(θ
Px,θ
Py,θ
Pz)の間には1対1の写像関係がある。そして、θ
Px=M
x(θ
1x,θ
1y,θ
1z)、θ
Py=M
y(θ
1x,θ
1y,θ
1z)、θ
Pz=M
z(θ
1x,θ
1y,θ
1z)と表される。また、レンズ130の光軸Oは、x
1-y
1座標の原点と交差する。したがって、入射角θ
1と、最も重要なHOE160のブラッグ選択性を満たすピーク回折効率λ
pkの波長分布との関係は、
【数4】
のような関数となり、画像源120上の映像光L1の波長λ
1は、画像源120の座標値x
1、y
1に依存し、二次元の空間分布D1を有することになる。いくつかの実施形態では、最も重要なHOE160は厚さTを有し、ブラッグ選択性を満たす波長λ
1の許容誤差は
【数5】
から
【数6】
の範囲となる。ブラッグの条件に対してより感度が高いということは、波長の許容度が低いことを意味する。
【0039】
図4は、
図1の回折光学アセンブリ100の画像源120の概略側面図である。画像源120は、複数の量子ドット121および光源123を含むことができる。光源123は、画像光L1を生成することができる。量子ドット121は光源123上に配置される。量子ドット121のサイズは、画像源120上の画像光L1の波長が二次元の空間分布D1を有するように、画像源120の平面に沿って変化する。いくつかの実施形態では、光源123は、紫外光または青色光を発するマイクロ発光ダイオード(マイクロLED)のチップであり、そのため画像源120はマイクロLEDディスプレイであってもよい。
【0040】
図5は、本開示の別の実施形態による画像源120の概略側面図である。
図5の画像源120は、空間光変調器(SLM)122と、ソース光L2を生成する光源123と、光源123上に位置する複数の量子ドット121とを含むことができる。量子ドット121のサイズは異なり、その結果、量子ドット121を通してSLM122に照射するソース光L2の波長λ
2は、SLM122の面に沿って二次元の空間分布D2を有する。さらに、
図5の画像源120は、ソース光L2をSLM122に伝送するように構成された光ガイド125をさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、
図5のソース光L2の波長λ
2の二次元の空間分布D2は、
図2の画像光L1の波長λ
1の前述の二次元の空間分布D1と同じであるため、
図5のSLM122を通過する
図5のソース光L2は、
図2の画像光L1として機能し得る。
【0041】
上述した要素の接続関係および利点については、以下の記述では繰り返さないことに留意されたい。以下の説明では、他の種類の画像源について説明する。
【0042】
図6は、本開示のさらに別の実施形態による画像源120の概略側面図である。
図6の画像源120は、SLM122と、ソース光L2を生成する光源123と、分散素子124とを含むことができる。
図6の光源123は、分散素子124のSLM122とは反対側に配置され得る。分散素子124は、分散素子124を通過するソース光L2を分散素子124の水平面に沿って分割してSLM122に照射するように構成され得る。SLM122上の光源光L2の波長λ
2は二次元の空間分布D2を有する。いくつかの実施形態では、
図6の分散素子124は、表面レリーフ格子、メタ表面、メタレンズ、ホログラフィック格子、または体積ホログラフィック光学素子を含む。本実施形態では、分散素子124は透過型である。
【0043】
図7は、本開示のさらに別の実施形態による画像源120の概略側面図である。
図7の画像源120は、SLM122と、ソース光L2を生成する光源123と、分散素子124とを含むことができる。この実施形態と
図6の実施形態との違いは、
図7の光源123が分散素子124のSLM122に面する側に配置されていることである。分散素子124は、光源光L2を反射して分散素子124の水平面に沿って分割し、SLM122に照射するように構成される。本実施形態では、分散素子124は反射型である。
【0044】
図8は、本開示の一実施形態による画像源120の概略側面図である。
図8の画像源120は、SLM122と、ソース光L2を生成する光源123と、分散素子124と、光ガイド125および通常のHOE126を含むことができる。
図8の分散素子124は、光ガイド125上に配置される。
図8の光源123は、光ガイド125に直面しない分散素子124の側に配置されている。
図8のSLM122および通常のHOE126は、それぞれ光ガイド125の2つの反対側に配置される。通常のHOE126は、光ガイド125に接しており、光ガイド125の分散素子124が配置されている側に配置されている。分散素子124は、光源123から発せられたソース光L2を分散素子124の側面に沿って分散させるように構成される。光ガイド125は、ソース光L2を分散素子124から通常のHOE126に伝播するように構成される。通常のHOE126は、光ガイド125内を伝送されるソース光L2を反射および再形成してSLM122に照射するように構成され、SLM122上のソース光L2の波長λ
2が二次元の空間分布D2を有するようにする。いくつかの実施形態では、分散素子124はホログラフィック格子またはプリズムを含み、通常のHOE126は体積ホログラフィック光学素子を含む。
図6または
図7の画像源120と比較して、
図8の画像源120はさらにスペースを節約することができる。
【0045】
図9は、本開示の別の実施形態による画像源120の概略側面図である。
図9の画像源120は、SLM122と、ソース光L2を生成する光源123と、分散素子124と、光ガイド125、および通常のHOE126を含む。分散素子124は、光ガイド125上に配置される。この実施形態と
図8の実施形態との違いは、
図9の通常のHOE126が、光ガイド125の分散素子124とは反対側に配置されていることである。
【0046】
図10は、本開示のさらに別の実施形態による画像源120の概略側面図である。
図10の画像源120は、SLM122と、ソース光L2を生成する光源123と、分散素子124と、光ガイド125、および通常のHOE126を含む。分散素子124は、光ガイド125上に配置される。この実施形態と
図9の実施形態との違いは、
図10の通常のHOE126が、並んで配置された複数の第2のサブHOE127を含むことである。
【0047】
図11は、本開示の一実施形態による、回折光学アセンブリ100aを有するヘッドマウントディスプレイ200aの動作時の概略側面図である。ヘッドマウントディスプレイ200aは、回折光学アセンブリ100aおよび光ガイド210を含む。回折光学アセンブリ100aは、入力カプラ110a、画像源120a、および出力カプラ150を含む。この実施形態では、入力カプラ110aは最も重要なHOE160aを有し、出力カプラ150はDOE170を有し、最も重要なHOE160aのブラッグの条件はDOE170のブラッグの条件よりも感度が高い。あるいは、他の実施形態では、入力カプラ110aがDOE170を有し、出力カプラ150が最も重要なHOE160aを有してもよい。画像源120aは、入力カプラ110aに入射する画像光L1aを生成するように構成される。
図11のヘッドマウントディスプレイ200aと
図1のヘッドマウントディスプレイ200との違いは、画像源120aが複数のカラーチャネル128を含むことであり、カラーチャネル128のそれぞれは、画像光L1aの一部を生成するように構成されているため、画像源120aはカラー画像源として機能することができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、最も重要なHOE160aは、複数のホログラフィック格子を含む体積HOEであってもよく、ホログラフィック格子は、それぞれ、カラーチャネル128によって生成された画像光L1aを回折するように構成される。あるいは、最も重要なHOE160aは、複数のサブHOE162を含んでもよく、サブHOE162は、それぞれ、カラーチャネル128によって生成された画像光L1aを回折するように構成される。
【0049】
図12は、本開示のさらに別の実施形態による回折光学アセンブリ100bを有するヘッドマウントディスプレイ200bの3D斜視図である。
図13は、
図12のヘッドマウントディスプレイ200bの動作時の概略側面図である。
図12および
図13に示すように、ヘッドマウントディスプレイ200bは、回折光学アセンブリ100bおよび光ガイド210を含む。回折光学アセンブリ100bは、入力カプラ110b、画像源120b、および出力カプラ150を含む。画像源120bは、入力カプラ110bに入射する画像光L1bを生成するように構成される。
図12のヘッドマウントディスプレイ200bと
図1のヘッドマウントディスプレイ200との違いは、画像源120bは複数の領域129を含み、領域129は互いに重ならない複数の範囲に入射角θ
1を有する画像光L1bを生成し、画像源120bの領域129にそれぞれ位置する画像光L1bの波長λ
1の二次元の空間分布D1bの一部P1は連続している。
【0050】
いくつかの実施形態では、入力カプラ110bの最も重要なHOE160bは、複数のホログラフィック格子を含む体積HOEであってもよい。ホログラフィック格子は、それぞれ範囲R内の入射角θ1を有する画像光L1bを回折するように構成されてもよい。あるいは、入力カプラ110bの最も重要なHOE160bは、複数のサブHOE162を含んでもよい。サブHOE162は、それぞれ範囲R内の入射角θ1を有する画像光L1bを回折するように構成される。このような構成では、ヘッドマウントディスプレイ200bは、より高い色度(chromaticity)および彩度(saturation)を有することができ、それによってヘッドマウントディスプレイ200bの混色能力の性能が向上する。
【0051】
図14は、
図12の回折光学アセンブリ100bの画像源120bの概略側面図である。
図14に示すように、画像源120bは、SLM122と、光源光L2bを生成する光源123、および分散素子124bを含むことができる。この画像源120bと
図6の画像源120との違いは、分散素子124bがソース光L2bを分割するように構成されていることであり、SLM122に照射するソース光L2bの波長λ
2の二次元の空間分布D2bの各領域129に位置する一部P2が連続している。また、各領域129に位置するソース光L2bの波長λ
2の二次元の空間分布D2bの一部P2は、互いに同一であってもよい。いくつかの実施形態では、画像源120bは、領域129内のソース光L2bの部分が互いに干渉するのを防ぐために、SLM122と分散素子124bとの間に配置されたバンドパスフィルタ140をさらに含み得る。また、ソース光L2bの波長λ
2の二次元の空間分布D2bは、画像源120b上で、画像光L1b(
図12参照)の波長λ
1の二次元の空間分布D1b(
図12参照)と同一であり、SLM122を通過したソース光L2bが画像光L1bとなる。本実施形態では、分散素子124は透過型DOEである。
【0052】
図15は、本開示の別の実施形態による画像源120bの概略側面図である。
図15に示すように、
図15の画像源120bは、SLM122と、光源光L2bを生成する光源123、および分散素子124bを含むことができる。この実施形態と
図14の実施形態との違いは、
図15の画像源120bの光源123が分散素子124bのSLM122に面する側に配置されていることである。本実施形態では、分散素子124は反射型DOEである。
【0053】
図16は、
図1のヘッドマウントディスプレイ200の上面図である。
図2および
図16に示すように、光ガイド210は、回折光学アセンブリ100の入力カプラ110および出力カプラ150に接続され、そして、回折光学アセンブリ100の入力カプラ110と画像源120との間に配置される。さらに、光ガイド210の長手方向LDに沿って、出力カプラ150の長さ152は、入力カプラ110の長さ113よりも長い。このような構成では、ヘッドマウントディスプレイ200は、より低いエネルギー損失で射出瞳拡張(EPE)を達成することができる。
【0054】
図17は、本開示の一実施形態によるヘッドマウントディスプレイ200cの上面図である。
図17に示すように、ヘッドマウントディスプレイ200cと
図16のヘッドマウントディスプレイ200との違いは、ヘッドマウントディスプレイ200cが、光ガイド210上で入力カプラ110と出力カプラ150との間に配置された二次元格子230をさらに含むことである。さらに、入力カプラ110の長さ113および幅114は、出力カプラ150の長さ152および幅153よりそれぞれ小さいので、ヘッドマウントディスプレイ200cは2DのEPEを実現することができる。
【0055】
図18は、本開示の別の実施形態によるヘッドマウントディスプレイ200dの上面図である。
図18に示すように、ヘッドマウントディスプレイ200dと
図16のヘッドマウントディスプレイ200との違いは、ヘッドマウントディスプレイ200dが光ガイド210上に配置された表面レリーフ格子240をさらに含むことである。表面レリーフ格子240は、光ガイド210の長手方向LDに沿って入力カプラ110と整列し、光ガイド210の幅方向WDに沿って出力カプラ150と整列する。このような構成では、ヘッドマウントディスプレイ200dは2DのEPEを実現することができる。
【0056】
上記では、当業者が本開示の態様をよりよく理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説した。当業者は、本明細書で紹介した実施形態と同じ目的を実行し、および/または同じ利点を達成するために、他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として、本開示を容易に使用できることを理解すべきである。当業者はまた、そのような同等の構成が本開示の精神および範囲から逸脱しないこと、および当業者が本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および改変を行うことができることを認識すべきである。
【手続補正書】
【提出日】2024-10-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力カプラと、
前記入力カプラの隣の出力カプラであって、
前記出力カプラと前記入力カプラは光ガイドの第一の側に配置され、前記入力カプラおよび前記出力カプラのうちの1つは最も重要なホログラフィック光学素子(HOE)を有し、前記入力カプラおよび前記出力カプラのうちの別の1つは回折光学素子(DOE)を有し、前記最も重要なHOEのブラッグの条件は前記DOEのブラッグの条件より感度が高
く、ブラッグの条件に対して感度が高いほど波長の許容度が低くなり、ブラッグ選択性を満たす波長の許容度は、
【数1】
から
【数2】
の範囲となり、
ここで、λ
pk
はピーク回折効率を持つ波長分布であり、λ0は信号光の波長と同じ参照光の波長であり、θ
Rx
とθ
Rz
はx軸とz軸からのずれ成分として表される前記参照光の入射角であり、θ
Sx
とθ
Sz
はx軸とz軸からのずれ成分として表される前記信号光の入射角であり、θ
Px
とθ
Pz
はx軸とz軸からのずれ成分として表される読取光の入射角であり、Tは前記最も重要なHOEの厚さである、出力カプラと、
前記入力カプラとは反対側の前記光ガイドの第二の側に近接して配置され、前記光ガイドを通過したあと前記入力カプラに入射し、
前記光ガイドによって前記出力カプラに伝播する画像光を生成するように構成された画像源であって、ここで、前記画像光は、前記入力カプラに対する複数の入射角と、前記入射角に対応する複数の波長を有し、前記画像源上の前記画像光の前記波長は、前記入射角と前記画像光の前記波長との間の関係が、前記入力カプラまたは前記出力カプラの最も重要なHOEのブラッグ選択性に適合するように、二次元の空間分布を有する、画像源と、
を備えることを特徴とする回折光学アセンブリ。
【請求項2】
前記画像源は複数の領域を含み、前記領域は互いに重ならない複数の範囲で前記入射角を有する前記画像光を生成し、前記画像源のそれぞれの前記領域における前記画像光の前記波長の二次元の空間分布の一部は連続している、複数の領域と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項3】
前記入力カプラまたは前記出力カプラの最も重要なHOEは、複数の第1のホログラフィック格子を含み、前記第1のホログラフィック格子は、それぞれ、前記範囲内の前記入射角を有する前記画像光を回折するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項4】
前記入力カプラまたは前記出力カプラの最も重要なHOEは、複数のサブHOEを含み、前記サブHOEは、それぞれ、前記範囲内の前記入射角を有する前記画像光を回折するように構成されることを特徴とする請求項2に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項5】
前記画像源は、光源と、前記光源上に配置された複数の量子ドットとを含み、前記画像源上の前記画像光の前記波長が前記二次元の空間分布を有するように、前記量子ドットのサイズは、前記画像源の水平面に沿って変化することを特徴とする請求項1に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項6】
前記画像源は、空間光変調器(SLM)と、ソース光を生成する光源と、前記光源上に位置する複数の量子ドットを含み、前記量子ドットを通して前記SLMに照射する前記ソース光の波長が、前記SLMの水平面に沿った二次元の空間分布を有するように、前記量子ドットのサイズが異なることを特徴とする請求項1に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項7】
前記画像源は、空間光変調器(SLM)と、ソース光を生成する光源と、分散素子を備えることを特徴とする請求項1に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項8】
前記光源は、前記分散素子の前記SLMとは反対側に配置され、前記分散素子は、前記分散素子を通過する前記ソース光を前記分散素子の水平面に沿って分散させて前記SLMに照射するように構成され、前記SLM上の前記ソース光の波長は二次元の空間分布を有することを特徴とする請求項7に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項9】
前記光源は、前記分散素子の前記SLMに面する側に配置され、前記分散素子は、前記ソース光を分散して前記分散素子の水平面に沿って分割して前記SLMに照射するように構成され、前記SLM上の前記ソース光の波長は二次元の空間分布を有することを特徴とする請求項7に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項10】
前記画像源は、前記SLMと前記分散素子との間に配置されたバンドパスフィルタをさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項11】
前記画像源の前記分散素子は、表面レリーフ格子、メタ表面、メタレンズ、ホログラフィック格子、または体積ホログラフィック光学素子を含むことを特徴とする請求項7に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項12】
前記画像源は、空間光変調器(SLM)と、ソース光を生成する光源と、分散素子と、別の光ガイドおよび通常のHOEを備え、前記分散素子は前記別の光ガイド上に配置され、前記光源は前記別の光ガイドに直面しない前記分散素子の側に配置され、前記SLMおよび前記通常のHOEはそれぞれ前記別の光ガイドの2つの反対側に配置され、前記通常のHOEは前記別の光ガイドと接触し、前記分散素子は前記ソース光を分割するように構成され、前記別の光ガイドは前記分散素子から前記通常のHOEに前記ソース光を伝送するように構成され、前記通常のHOEは前記SLMに照射するために前記ソース光を反射して再形成するように構成され、前記SLM上の前記ソース光の波長は二次元の空間分布を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項13】
前記画像源の前記通常のHOEは、前記別の光ガイドの2つの対向する側のうち前記分散素子に面する側に配置されることを特徴とする請求項12に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項14】
前記画像源の前記通常のHOEは、前記別の光ガイドの2つの対向する側のうち前記分散素子とは反対側に配置されることを特徴とする請求項12に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項15】
前記画像源の前記通常のHOEは、並んで配置された複数の第2のサブHOEを備えることを特徴とする請求項12に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項16】
前記画像源の前記通常のHOEは体積ホログラフィック光学素子を含み、前記画像源の前記分散素子はホログラフィック格子またはプリズムを含むことを特徴とする請求項12に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項17】
前記画像源は複数のカラーチャネルを含み、前記カラーチャネルのそれぞれは前記画像光の一部を生成するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項18】
前記入力カプラまたは前記出力カプラの最も重要なHOEは、複数のホログラフィック格子を含み、前記ホログラフィック格子は、それぞれ、前記カラーチャネルによって生成された前記画像光を回折するように構成されることを特徴とする請求項17に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項19】
前記入力カプラまたは前記出力カプラの最も重要なHOEは、複数のサブHOEを含み、前記サブHOEは、それぞれ、前記カラーチャネルによって生成された前記画像光の一部を回折するように構成されることを特徴とする請求項17に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項20】
前記入力カプラと前記画像源との間にレンズが配置され、前記画像源は前記レンズの焦点面上に位置することを特徴とする請求項1に記載の回折光学アセンブリ。
【請求項21】
回折光学アセンブリであって、
入力カプラと、
前記入力カプラの隣の出力カプラであって、前記入力カプラおよび前記出力カプラのうちの1つは最も重要なホログラフィック光学素子(HOE)を有し、前記入力カプラおよび前記出力カプラのうちの別の1つは回折光学素子(DOE)を有し、前記最も重要なHOEのブラッグの条件は前記DOEのブラッグの条件より感度が高
く、ブラッグの条件に対して感度が高いほど波長の許容度が低くなり、ブラッグ選択性を満たす波長の許容度は、
【数3】
から
【数4】
の範囲となり、
ここで、λ
pk
はピーク回折効率を持つ波長分布であり、λ0は信号光の波長と同じ参照光の波長であり、θ
Rx
とθ
Rz
はx軸とz軸からのずれ成分として表される前記参照光の入射角であり、θ
Sx
とθ
Sz
はx軸とz軸からのずれ成分として表される前記信号光の入射角であり、θ
Px
とθ
Pz
はx軸とz軸からのずれ成分として表される読取光の入射角であり、Tは前記最も重要なHOEの厚さである、出力カプラと、
前記入力カプラに入射し、前記出力カプラに伝播する画像光を生成するように構成された画像源であって、ここで、前記画像光は、前記入力カプラに対する複数の入射角と、前記入射角に対応する複数の波長を有し、前記画像源上の前記画像光の前記波長は、前記入射角と前記画像光の前記波長との間の関係が、前記入力カプラまたは前記出力カプラの最も重要なHOEのブラッグ選択性に適合するように、二次元の空間分布を有する、画像源と、
を含む回折光学アセンブリと、
前記回折光学アセンブリの前記入力カプラおよび前記出力カプラに接続され、前記入力カプラと前記回折光学アセンブリの前記画像源との間に配置される光ガイドと、
を備え
、
前記出力カプラと前記入力カプラは前記光ガイドの第一の側に配置され、前記画像源は前記入力カプラとは反対側の前記光ガイドの第二の側に近接して配置され、
前記画像光は、前記光ガイドを通過したあと前記入力カプラに入射し、前記光ガイドによって前記出力カプラに伝播するように構成されることを特徴とするヘッドマウントディスプレイ。
【請求項22】
前記光ガイド上で前記入力カプラと前記出力カプラの間に配置された二次元格子を備えることを特徴とする請求項21に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項23】
前記光ガイド上に配置された表面レリーフ格子であって、前記表面レリーフ格子は、前記光ガイドの長手方向に沿って前記入力カプラと整列し、前記光ガイドの幅方向に沿って前記出力カプラと整列することを特徴とする請求項21に記載のヘッドマウントディスプレイ。