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特開2024-169273電池セル、太陽光発電モジュール及びシリコンウエハの加工方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169273
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】電池セル、太陽光発電モジュール及びシリコンウエハの加工方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0224 20060101AFI20241128BHJP
   H01L 31/048 20140101ALI20241128BHJP
   H01L 31/18 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H01L31/04 262
H01L31/04 560
H01L31/04 460
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023179778
(22)【出願日】2023-10-18
(31)【優先権主張番号】202310588789.6
(32)【優先日】2023-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202310588708.2
(32)【優先日】2023-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】512083920
【氏名又は名称】晶科能源股分有限公司
【氏名又は名称原語表記】JINKO SOLAR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1,Jinko Road, Shangrao Economic Development Zone Jiangxi 334100 CN
(74)【代理人】
【識別番号】100128347
【弁理士】
【氏名又は名称】西内 盛二
(72)【発明者】
【氏名】陶 武松
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲ティン▼▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 涛
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251AA01
5F251BA11
5F251CB28
5F251FA14
5F251GA04
5F251GA20
5F251JA02
5F251JA03
5F251JA05
(57)【要約】
【課題】本願は、電池セル、太陽光発電モジュール及びシリコンウエハの加工方法に関する。
【解決手段】電池セルは、長方形のシリコンウエハを含み、シリコンウエハには、13本~20本のメイングリッドが設けられ、各メイングリッドは、電池セルの幅方向に沿って順に設けられ、隣接するメイングリッド間の距離は、aミリメートルであり、電池セルの幅方向に沿って縁に位置するメイングリッドとシリコンウエハの縁との距離は、bミリメートルであり、且つa-1≦2b≦a+1を満たす。このような設計により、シリコンウエハの縁位置における電流の伝送距離を小さくすることに有利であり、それによって電池セルの効率を向上させることに有利であり、実際の使用ニーズにより合致する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルであって、
前記電池セル(51)は、長方形であるシリコンウエハ(1)と、複数のメイングリッド(2)とを含み、
前記メイングリッド(2)は、前記シリコンウエハ(1)に設けられ、前記メイングリッド(2)の数は、13本~20本であり、
前記メイングリッド(2)は、前記電池セル(51)の長さ方向に沿って延在し、複数の前記メイングリッド(2)は、前記電池セル(51)の幅方向に沿って順に設けられ、隣接する前記メイングリッド(2)間の距離は同じであり、いずれもaミリメートルであり、前記電池セル(51)の幅方向に沿って縁に位置する前記メイングリッド(2)と前記シリコンウエハ(1)の縁との距離はbミリメートルであり、且つa-1≦2bを満たし、
前記隣接する前記メイングリッド(2)間の距離と、前記電池セル(51)の幅方向に沿って縁に位置する前記メイングリッド(2)と前記シリコンウエハ(1)の縁との距離との関係は、2b≦a+1を満たす、ことを特徴とする電池セル。
【請求項2】
隣接する前記メイングリッド(2)間の距離と、前記電池セル(51)の幅方向に沿って縁に位置する前記メイングリッド(2)と前記シリコンウエハ(1)の縁との距離との関係は、2b=aを満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
縁に位置する前記メイングリッド(2)と前記シリコンウエハ(1)の縁との距離は、5mm≦b≦10mmを満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項4】
隣接する前記メイングリッド(2)間の距離は、10mm≦a≦20mmを満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項5】
前記電池セル(51)の幅は、182mm~210mmであり、前記電池セル(51)の長さは、180mm~220mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項6】
前記電池セル(51)は、2つの電池ハーフセルを含み、2つの前記電池ハーフセルは、前記電池セル(51)におけるその幅方向に沿って延在する中心線に対して対称である、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項7】
前記メイングリッド(2)の数は、13本~16本である、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項8】
前記シリコンウエハ(1)は、面取り円弧を有し、前記面取り円弧の弧長は、0.5mm~6mmである、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項9】
前記シリコンウエハ(1)は、面取り円弧を有し、前記面取り円弧の中心角は、0.3°~3°である、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電池セル。
【請求項10】
太陽光発電モジュールであって、
前記太陽光発電モジュールは、厚さ方向に沿って第1カバープレート(3)、第1接着フィルム(4)、電池層(5)、第2接着フィルム(6)及び第2カバープレート(7)が順に設けられ、
前記電池層(5)は、複数の電池セル(51)を有する電池アレイを含み、前記電池セル(51)は、請求項1に記載の電池セル(51)であり、
前記電池セル(51)は、電池ハーフセルに加工されるために用いられる、ことを特徴とする太陽光発電モジュール。
【請求項11】
前記太陽光発電モジュールの幅は、1130mm~1138mmであり、前記太陽光発電モジュールの長さは、2380mm~2384mmである、ことを特徴とする請求項10に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項12】
前記太陽光発電モジュールの幅方向に沿って、4個~6個の前記電池セル(51)を含み、前記太陽光発電モジュールの長さ方向に沿って、8個~14個の電池セル(51)を含む、ことを特徴とする請求項11に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項13】
請求項1に記載の電池セル(51)のシリコンウエハ(1)を加工するためのシリコンウエハの加工方法であって、
シリコン棒(9)は、円柱体であり、断面の直径が252mm~277mmであり、
前記シリコンウエハ(1)の加工方法は、
シリコンウエハ(1)の面取りパラメータに基づいて、前記シリコン棒(9)の円周において4つの面取り円弧を選択するステップと、
隣接する面取り円弧同士の連結線に沿ってシリコン棒(9)をスクエアリングして、面取りを有する矩形体を得るステップと、
前記シリコン棒(9)の長さ方向に垂直な方向に沿って面取りを有する矩形体を切断し、面取りを有する矩形のシリコンウエハ(1)を得るステップとを含む、ことを特徴とするシリコンウエハの加工方法。
【請求項14】
電池セル(51)の面取りパラメータに基づいて前記シリコン棒(9)の円周において4つの面取り円弧を選択するステップは、
前記シリコン棒(9)の円周において弧長が0.5mm~6mmである前記面取り円弧を4つ選択し、前記面取り円弧の円心が前記シリコン棒(9)の断面の円心と重なり合わせるステップを含む、ことを特徴とする請求項13に記載のシリコンウエハの加工方法。
【請求項15】
電池セル(51)の面取りパラメータに基づいて前記シリコン棒(9)の円周において4つの面取り円弧を選択するステップは、
前記シリコン棒(9)の円周において中心角が0.3°~3°である前記面取り円弧を4つ選択し、前記面取り円弧の円心が前記シリコン棒(9)の断面の円心と重なり合わせるステップを含む、ことを特徴とする請求項13に記載のシリコンウエハの加工方法。
【請求項16】
前記シリコン棒(9)の長さ方向に垂直な方向に沿って面取りを有する矩形体を切断し、面取りを有する矩形のシリコンウエハ(1)を得るステップは、
切断によって幅が182mm~188mmの矩形のシリコンウエハ(1)を得るステップを含む、ことを特徴とする請求項13に記載のシリコンウエハの加工方法。
【請求項17】
前記シリコン棒(9)の長さ方向に垂直な方向に沿って面取りを有する矩形体を切断し、面取りを有する矩形のシリコンウエハ(1)を得るステップは、
切断によって長さが180mm~220mmの矩形のシリコンウエハ(1)を得るステップを含む、ことを特徴とする請求項13に記載のシリコンウエハの加工方法。
【請求項18】
前記シリコン棒(9)の長さ方向に垂直な方向に沿って面取りを有する矩形体を切断し、面取りを有する矩形のシリコンウエハ(1)を得るステップの後に、前記シリコンウエハ(1)の加工方法は、さらに、
前記矩形のシリコンウエハ(1)の幅方向に平行な直線に沿って、矩形のシリコンウエハ(1)を2つの対称なハーフセルに分割するステップを含む、ことを特徴とする請求項13~17のいずれか1項に記載のシリコンウエハの加工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、太陽光発電装置の技術分野に関し、特に電池セル、太陽光発電モジュール及びシリコンウエハの加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の発展に伴い、太陽光発電装置の応用がますます広くなっている。太陽光発電装置の電池セルは、光エネルギーを電気エネルギーに変換するために用いられる。電池セルは、メイングリッドを含み、メイングリッドは、電池セルが発生した電流を収集するために用いられる。通常の場合、メイングリッドは、電池セルの幅方向に沿って間隔をあけて配列され、電池セルの縁に位置する領域で発生した電流は、最縁に位置するメイングリッドのみによって収集でき、隣接するメイングリッドの間に位置する領域で発生した電流は、両側のメイングリッドによって同時に収集でき、このような設計によって、電池セルの異なる領域の電流伝送の距離が異なるようになり、効率が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願は、電流の収集効率を向上させるための電池セル、太陽光発電モジュール及びシリコンウエハの加工方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例は、電池セルを提供し、前記電池セルは、
長方形のシリコンウエハと、複数のメイングリッドとを含み、
前記メイングリッドは、前記シリコンウエハに設けられ、前記メイングリッドの数は、13本~20本であり、
前記メイングリッドは、前記電池セルの長さ方向に沿って延在し、複数の前記メイングリッドは、前記電池セルの幅方向に沿って順に設けられ、隣接する前記メイングリッド間の距離は同じであり、いずれもaミリメートルであり、前記電池セルの幅方向に沿って縁に位置する前記メイングリッドと前記シリコンウエハの縁との距離はbミリメートルであり、且つa-1≦2bを満たし、
前記隣接する前記メイングリッド間の距離と、前記電池セルの幅方向に沿って縁に位置する前記メイングリッドと前記シリコンウエハの縁との距離との関係は、2b≦a+1を満たす。
【0005】
1つの可能な実施形態では、隣接する前記メイングリッド間の距離と、前記電池セルの幅方向に沿って縁に位置する前記メイングリッドと前記シリコンウエハの縁との距離との関係は、2b=aを満たす。
【0006】
1つの可能な実施形態では、縁に位置する前記メイングリッドと前記シリコンウエハの縁との距離は、5mm≦b≦10mmを満たす。
【0007】
1つの可能な実施形態では、隣接する前記メイングリッド間の距離は、10mm≦a≦20mmを満たす。
【0008】
1つの可能な実施形態では、前記電池セルの幅は、182mm~210mmであり、前記電池セルの長さは、180mm~220mmである。
【0009】
1つの可能な実施形態では、前記電池セルは、2つの電池ハーフセルを含み、2つの前記電池ハーフセルは、前記電池セルにおけるその幅方向に沿って延在する中心線に対して対称である。
【0010】
1つの可能な実施形態では、前記メイングリッドの数は、13本~16本である。
【0011】
1つの可能な実施形態では、前記シリコンウエハは、面取り円弧を有し、前記面取り円弧の弧長は、0.5mm~6mmである。
【0012】
1つの可能な実施形態では、前記シリコンウエハは、面取り円弧を有し、前記面取り円弧の中心角は、0.3°~3°である。
【0013】
本願の第2態様は、太陽光発電モジュールを提供し、前記太陽光発電モジュールは、厚さ方向に沿って第1カバープレート、第1接着フィルム、電池層、第2接着フィルム及び第2カバープレートが順に設けられ、
前記電池層は、複数の電池セルを有する電池アレイを含み、前記電池セルは、以上のいずれかに係る電池セルであり、
前記電池セルは、電池ハーフセルに加工されるために用いられる。
【0014】
1つの可能な実施形態では、前記太陽光発電モジュールの幅は、1130mm~1138mmであり、前記太陽光発電モジュールの長さは、2380mm~2384mmである。
【0015】
1つの可能な実施形態では、前記太陽光発電モジュールの幅方向に沿って、4個~6個の前記電池セルを含み、前記太陽光発電モジュールの長さ方向に沿って、8個~14個の電池セルを含む。
【0016】
本願は、上記のいずれか1項に記載の電池セルのシリコンウエハを加工するためのシリコンウエハの加工方法をさらに提供し、シリコン棒は、円柱体であり、断面の直径が252mm~277mmであり、前記シリコンウエハの加工方法は、
シリコンウエハの面取りパラメータに基づいて、前記シリコン棒の円周において4つの面取り円弧を選択するステップと、
隣接する面取り円弧同士の連結線に沿ってシリコン棒をスクエアリングして、面取りを有する矩形体を得るステップと、
前記シリコン棒の長さ方向に垂直な方向に沿って面取りを有する矩形体を切断し、面取りを有する矩形のシリコンウエハを得るステップとを含む。
【0017】
1つの可能な実施形態では、電池セルの面取りパラメータに基づいて前記シリコン棒の円周において4つの面取り円弧を選択するステップは、
前記シリコン棒の円周において弧長が0.5mm~6mmである前記面取り円弧を4つ選択し、前記面取り円弧の円心が前記シリコン棒の断面の円心と重なり合わせるステップを含む。
【0018】
1つの可能な実施形態では、電池セルの面取りパラメータに基づいて前記シリコン棒の円周において4つの面取り円弧を選択するステップは、
前記シリコン棒の円周において中心角が0.3°~3°である前記面取り円弧を4つ選択し、前記面取り円弧の円心が前記シリコン棒の断面の円心と重なり合わせるステップを含む。
【0019】
1つの可能な実施形態では、前記シリコン棒の長さ方向に垂直な方向に沿って面取りを有する矩形体を切断し、面取りを有する矩形のシリコンウエハを得るステップは、
切断によって幅が182mm~188mmの矩形のシリコンウエハを得るステップを含む。
【0020】
1つの可能な実施形態では、前記シリコン棒の長さ方向に垂直な方向に沿って面取りを有する矩形体を切断し、面取りを有する矩形のシリコンウエハを得るステップは、
切断によって長さが180mm~220mmの矩形のシリコンウエハを得るステップを含む。
【0021】
1つの可能な実施形態では、前記シリコン棒の長さ方向に垂直な方向に沿って面取りを有する矩形体を切断し、面取りを有する矩形のシリコンウエハを得るステップの後に、前記シリコンウエハの加工方法は、さらに、
前記矩形のシリコンウエハの幅方向に平行な直線に沿って、矩形のシリコンウエハを2つの対称なハーフセルに分割するステップを含む。
【0022】
本願は、電池セル、太陽光発電モジュール及びシリコンウエハの加工方法に関し、電池セルは、長方形のシリコンウエハを含み、シリコンウエハには、13本~20本のメイングリッドが設けられ、各メイングリッドは、電池セルの幅方向に沿って順に設けられ、隣接するメイングリッド間の距離は、aミリメートルであり、電池セルの幅方向に沿って縁に位置するメイングリッドとシリコンウエハの縁との距離は、bミリメートルであり、且つa-1≦2b≦a+1を満たす。このような設計により、シリコンウエハの縁位置における電流の伝送距離を小さくすることに有利であり、それによって電池セルの効率を向上させることに有利であり、実際の使用ニーズにより合致する。
【0023】
以上の一般的な記述及び後の詳細な記述は、例示的なものに過ぎず、本願を限定するものではないと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
ここでの図面は明細書に組み込まれ、その一部を構成し、本願に適合する実施例を示し、明細書とともに本願の原理を説明するために用いられる。
図1】本願の実施例による電池セルの模式図である。
図2】従来技術の電池セルの模式図である。
図3】本願の実施例による電池セルの切断位置の模式図である。
図4】本願の実施例による太陽光発電モジュールの模式図である。
図5】本願の実施例による電池セルの部分模式図である。
図6】本願によるシリコンウエハの加工方法のフローチャートである。
図7】本願によるシリコン棒の切断位置の模式図である。
図8】本願によるシリコンウエハの模式図である。
図9】本願による電池セルの面取りパラメータに基づいてシリコン棒の円周に4つの面取り円弧を選択するフローチャートである。
図10】本願によるシリコン棒の長さ方向に垂直な方向に沿って面取りを有する矩形体を切断し、面取りを有する矩形のシリコンウエハを得るフローチャートである。
図11】本願によるシリコン棒の切断位置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本願の技術案をよりよく理解するために、以下、添付の図面を参照しながら、本願の実施例を詳細に説明する。
【0026】
記述される実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではないことを明確にすべきである。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をせずに取得した他の全ての実施例は、本願の保護範囲に属するものとする。
【0027】
本願の実施例で使用される用語は、特定の実施例を記述することだけの目的に用いられ、本願を限定するものではない。本願の実施例及び添付の特許請求の範囲で使用される単数形の「1つ」、「前記」及び「当該」も、文脈が他の意味を明確に示さない限り、複数形を含むことを意図する。
【0028】
本明細書で使用される用語「及び/又は」は、関連対象を記述する関連関係に過ぎず、3つの関係が存在しうることを示し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在すること、AとBが同時に存在すること、Bが単独で存在することという3つの状況を示しうることを理解されるべきである。また、本文における文字「/」は、一般的に前後の関連対象が「又は」の関係にあることを示す。
【0029】
なお、本願の実施例に記述される「上」、「下」、「左」、「右」などの方位語は、図面に示す角度で記述されたものであり、本願の実施例を限定するものではないと留意されるべきである。また、文脈において、1つの素子が他の素子「上」又は「下」に接続されると言及した場合、他の素子「上」又は「下」に直接的に接続されるだけでなく、中間素子を介して他の素子「上」又は「下」に間接的に接続されてもよいことを理解すべきである。
【0030】
図1に示すように、本願の実施例は、電池セル51を提供し、電池セル51は、基材1を含み、基材1は、長方形であり、基材1の表面には、複数のメイングリッド2が設けられ、メイングリッド2は、サブグリッドの電流を収集するために用いられ、各メイングリッド2は、電池セル51の幅方向に沿って順に配列され、且つ電池セル51の長さ方向に沿って延在する。メイングリッド2の数は、13~20本である。隣接するメイングリッド2間の距離は、同じであり、aミリメートルであり、電池セル51の幅方向に沿って、両側の最縁に位置するメイングリッド2から基材1の縁までの距離は、bミリメートルであり、且つaとbの関係は、a-1≦2b≦a+1を満たす。
【0031】
メイングリッド2の数は、13本、14本、15本、16本、17本、18本、19本、20本であってもよい。
【0032】
図2に示すように、従来技術において、各メイングリッド2’は、基板1’に均一に配置され、両側に位置するメイングリッド2’と基板1’の縁との距離は、隣接するメイングリッド2’間の距離と同じであり、すなわち、隣接するメイングリッド2’間の距離はnミリメートルであり、最縁に位置するメイングリッド2’から基板1’の縁までの距離もnミリメートルである。隣接するメイングリッド2’の間に位置する領域で発生した電流は、同時に隣接するメイングリッド2’に収集されることができ、電流は、より近いメイングリッド2’に流れることになり、縁位置に位置する領域で発生した電流は、最縁位置に位置するメイングリッド2’のみに収集されることができ、すなわち、電流を収集する場合、中間位置に位置するメイングリッド2’は、その収集される範囲が概ねその両側の0.5nミリメートルの範囲となり、単一のメイングリッド2’によって収集される総範囲が概ねnミリメートルとなる。縁位置に位置するメイングリッド2’は、他のメイングリッド2’に隣接する側の収集範囲が概ね0.5nミリメートルとなり、基材1’の縁に隣接する側の収集範囲が概ねnミリメートルとなり、すなわち、縁位置のメイングリッド2’によって収集される総範囲が概ね1.5nミリメートルとなるため、縁位置のメイングリッド2’と中間位置のメイングリッド2’の収集範囲が異なり、基材1’の縁位置における電流の伝達距離が中間位置における電流の伝達距離よりも長くなり、これによって縁位置における電流の伝達が低く、ELテストを行う時に、縁位置に黒いエンジが現れてしまう。
【0033】
本願の実施例による技術案は、メイングリッド2の位置を調整することにより、隣接するメイングリッド2間の距離aと、縁位置のメイングリッド2と基板1の縁との間の距離bとがa-1≦2b≦a+1を満たすようにし、従来技術に比べて、本願の実施例による技術案では、基板1の縁位置領域に位置する電流の伝送距離と中間位置領域に位置する電流の伝送距離との間の差が小さくなり、各メイングリッド2の収集範囲を同じに近づけることができ、縁位置の電流の伝送距離を低減することに有利であり、全体の伝送効率を向上させることに有利であり、実際の使用ニーズにより合致する。
【0034】
±1mmの範囲は、加工精度を低下させることに用いることができ、加工難度を低下させ、加工効率を向上させることに有利である。
【0035】
メイングリッド2の数が少なすぎると、各メイングリッド2が収集を担当する領域が大きくなり、電流の伝達効率に影響しやすくなる。メイングリッド2の数が多すぎると、メイングリッド2による基材1の遮蔽が増加し、基材1の受光面積に影響を与え、基材1の光線に対する吸収効率に影響を与え、電池セル511の光電反応効率を低下させ、さらに電池セル51及び太陽光発電モジュールの全体効率を低下させる。したがって、加工時に、実際のニーズに応じて、電池セル51及び太陽光発電モジュールが高い効率を有するように、適切なメイングリッド2の数を選択する必要がある。
【0036】
1つの可能な実施形態では、隣接するメイングリッド2間の距離aと、縁位置のメイングリッド2と基板1の縁との間の距離bは、2b=aを満たす。
【0037】
このような設計により、各メイングリッド2が収集する範囲を同じにすることができ、基材1の縁位置における電流の伝送距離を短縮することに有利であり、電流の伝送効率をさらに向上させることができ、電池セル51の各位置における発生した電流の伝送距離を相対的に均一にすることができ、電池セル51の効率を向上させることに有利である。
【0038】
1つの可能な実施形態では、縁位置に位置するメイングリッド2と基材1の縁との距離bは、5mm≦b≦10mmを満たす。縁位置に位置するメイングリッド2と基板1の縁との距離bは、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mmなどであってもよい。
【0039】
1つの可能な実施形態では、隣接する前記メイングリッド2間の距離aは、10mm≦a≦20mmを満たす。隣接する前記メイングリッド2間の距離aは、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mmなどであってもよい。
【0040】
隣接する前記メイングリッド2間の距離a、縁位置に位置するメイングリッド2と基材1の縁との距離bは、実際の状況に応じて選択することができ、例えば、選択するときに基材1のサイズ、メイングリッド2の数などを参考することができる。
【0041】
図3に示すように、1つの可能な実施形態では、電池セル51の幅Wは、182mm~210mmであり、電池セル51の長さLは、180mm~220mmである。
【0042】
電池セル51の幅は、182mm、184mm、186mm、188mm、190mm、192mm、194mm、196mm、198mm、200mm、202mm、204mm、206mm、208mm、210mmなどであってもよい。電池セル51の長さは、180mm、182mm、184mm、186mm、188mm、190mm、192mm、194mm、196mm、198mm、200mm、202mm、204mm、206mm、208mm、210mm、212mm、214mm、216mm、218mm、220mmなどであってもよい。
【0043】
正方形の電池セル51に比べて、長方形の電池セル51の面積がより大きいため、光を受光できる面積もより大きくなり、より高い光電変換効率を有することができる。また、本願の実施例による電池セル51は、レイアウト作成後により輸送しやすく、コンテナの利用率を向上させ、さらに輸送効率を向上させることに有利である。
【0044】
1つの可能な実施形態では、本願の実施例による電池セル51は、一枚の電池セルであり、電池セル51は、2つの電池ハーフセルを含み、2つの電池ハーフセルは、電池セル51自体の幅方向の中心線に対して対称であり、すなわち、電池セル51を切断するときに、幅方向に沿って電池セル51の中点を通過し、電池セル51を2つの対称な電池ハーフセルに切断する。1つの可能な実施形態では、図3に示す点線に沿って電池セル51を切断することができる。
【0045】
使用時に、電池セル51を電池ハーフセルに分割し、さらにレイアウトして電気的に接続することができる。一枚の電池セル51に比べて、太陽光発電モジュールに電池ハーフシートを用いることは、太陽光発電モジュールの効率を向上させることに有利であり、実際の使用ニーズにより合致する。切断の方向は、メイングリッドの延在方向に垂直であるため、切断後、各電池ハーフセルは、それぞれ13本~20本のメイングリッドを含む。
【0046】
1つの可能な実施形態では、メイングリッド2の数は、13本~16本であってもよい。通常の電池セル51に比べて、メイングリッド2の数は、適切に減少することができ、基材1のサイズが変わらない場合に、メイングリッド2の数が少なくなるため、隣接するメイングリッド2間の距離が増加し、中間位置に位置するメイングリッド2の収集範囲を増加させ、全体の電流伝送距離の均一化に有利であり、メイングリッド2の数の減少に有利であり、メイングリッド2による基材1の遮蔽も減少し、全体の光電変換効率の向上に有利であるとともに、溶接時に必要な溶接ストリップ、銀ペーストの使用量も相応に減少する。したがって、メイングリッド2による基材1の遮蔽、生産コストなどの要素を考慮すると、中間位置に位置するメイングリッド2の数を減少させることにより、メイングリッド2間の間隔を調整し、隣接するメイングリッド2間の距離及び縁のメイングリッド2から基材1の縁位置までの距離を同じにして、基材1の各位置における電流の伝送距離を同じに近づけることができ、電池セル51の効率の向上及びコストの低減に有利であり、実際の生産ニーズにより合致することができる。
【0047】
従来の太陽光発電モジュールに用いられる電池セル51は、正方形の電池セル51であるが、本願の実施例による電池セル51は、長方形の電池セル51であり、電池セル51の長さ方向に沿うサイズが増加し、メイングリッド2の長さも増加するため、溶接点8の数を増加しない場合、メイングリッド2の接続の安定性を向上させるために、通常、溶接点8の位置を調整し、隣接する溶接点8間の距離を大きくすることにより、各溶接点8がメイングリッド2の延在方向に沿って相対的に均一に分布することができるようにして、メイングリッド2の延在による接続安定性への影響を低減させる。
【0048】
図5に示すように、図中の破線は、正方形の電池セル51の境界位置を示し、実線は、本願の実施例による長方形の電池セル51の境界位置を示す。破線の溶接点8’は、正方形の電池セル51の溶接点8’の位置を示し、実線の溶接点8は、本願の実施例による長方形の電池セル51の溶接点8の位置を示す。
【0049】
電流が伝送される場合、最も近い溶接点8が所在する位置に優先的に伝送されることになり、正方形の電池セル51に比べて、長方形の電池セル51の溶接点8間の距離が増加するため、縁位置の電流の伝送距離も増加し、縁位置の電流伝送効率がさらに低下することをもたらし、電池セル51の効率に影響を与える。したがって、本願の実施例による技術案においては、メイングリッド2の位置を調整することで、電池セル51の縁と縁に隣接するメイングリッド2との間の距離を小さくすることにより、電流の伝達距離を短縮することに有利であり、さらに電池セル51の各位置の電流伝達距離を同じに近づけることができて、電池セル51の全体効率を向上させることに有利である。
【0050】
従って、従来におけるメイングリッド2’の間隔がメイングリッド2’から電池セル51の縁までの距離と等しい正方形の電池セル51に比べて、本願の実施例による長方形の電池セル51は、メイングリッド2の位置を調整することにより、メイングリッド2と電池セル51の縁との間の距離を著しく短縮することができ、電池セル51の縁位置の伝達距離を低下させることが可能となり、電池セル51の効率の向上に有利である。また、正方形の電池セル51に比べて、長方形の電池セル51は、より大きい面積を有し、電池セル51が光を受けることにさらに有利であり、電池セル51の効率をさらに向上させることができ、実際の使用ニーズにより合致する。
【0051】
図5において矢印を付した線分は、電流のおおよその伝達方向を示し、実際の伝達経路を示すものではない。
【0052】
1つの可能な実施形態では、シリコンウエハ1は、円弧面取りを有し、円弧面取りの弧長は、0.5mm~6mmであり、及び/又は、円弧面取りの中心角は、0.3°~3°である。
【0053】
円弧面取りの円心は、シリコンウエハ1を加工するためのシリコン棒9の円心と重なり合わせてもよい。円弧面取りの弧長は、0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mmなどであってもよい。面取り円弧の中心角は、0.3°、0.6°、0.9°、1.2°、1.5°、1.8°、2.1°、2.4°、2.7°、3°などであってもよい。
【0054】
直角形のシリコンウエハ1は、使用時に応力集中が発生しやすく、破片の発生を招いてしまい、シリコンウエハ1が円弧面取りを有することにより、シリコンウエハ1の割れの可能性を低減することができ、シリコンウエハ1の品質の向上に有利である。
【0055】
図4に示すように、上記の各実施例に係る太陽光発電モジュールに基づいて、本願の実施例は、太陽光発電モジュールをさらに提供し、太陽光発電モジュールは、厚さ方向に沿って順に設けられた、第1カバープレート3、第1接着フィルム4、電池層5、第2接着フィルム6及び第2カバープレート7を含む。第1カバープレート3は、一般的にガラスカバープレートであり、第2カバープレート7は、ガラスカバープレートであってもよく、バックプレートであってもよい。電池層5は、電池アレイを含み、電池アレイは、複数の電池セル51を含み、電池セル51は、複数の電池ハーフセルに加工され、さらに電池ハーフセルをレイアウトし、加工して電池アレイを形成することができる。電池セル51は、上記のいずれかの実施例に係る電池セル51であってもよい。電池セル51が以上の技術効果を有するため、当該電池セル51を含む太陽光発電モジュールも対応する技術効果を有し、ここで説明を省略する。
【0056】
第2カバープレート7がガラスカバープレートである場合、太陽光発電モジュールは、デュアルガラス構造であり、すなわち、太陽光発電モジュールの対向する両側は、いずれも光線を吸収して光電変換を行うことができる。第2カバープレート7がバックプレートである場合、太陽光発電モジュールは、単一ガラス構造であり、すなわち、太陽光発電モジュールのカバーガラスを有する側は、光を受けるために用いられる。バックプレートは、光反射構造を有してもよく、或いは、光反射能力を有する材料で製造されてもよい。バックプレートは、電池セル51に吸収されなかった光線を反射することに用いられることにより、光線の利用率を向上させることができ、さらに太陽光発電モジュールの効率の向上に有利であり、実際の使用ニーズにより合致する。
【0057】
1つの可能な実施形態では、太陽光発電モジュールの幅方向に沿って、電池アレイには、4個乃至6個の電池セル51が設けられ、太陽光発電モジュールの長さ方向に沿って、電池アレイは、8個乃至14個の電池セル51を含む。
【0058】
このような設計により、各電池セル51は、光を吸収して電気エネルギーに変換するように電池アレイを形成することができる。太陽光発電モジュールの幅方向に沿って、電池アレイは、4個、5個、6個の電池セル51を含むことができる。太陽光発電モジュールの長さ方向に沿って、電池アレイは、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個の電池セル51を含むことができる。通常、電池セル51は、電池ハーフセルに加工された後、電池ハーフセルを電池ストリングに加工し、同一の電池ストリングの各電池セルは、太陽光発電モジュールの長さ方向に沿って順に設けられ、電池アレイは、太陽光発電モジュールの幅方向に沿って順に配列される複数の電池ストリングを含む。すなわち、電池アレイは、4個乃至6個の電池ストリングを含んでもよく、各電池ストリングは、16個乃至28個の電池ハーフカットを含んでもよい。
【0059】
1つの可能な実施形態では、太陽光発電モジュールにおける電池セル51は、ハーフセル構造を採用し、電池ハーフセルは、電池セル51を加工して構成される。電池セル51の長さ方向に垂直な方向に沿って電池セル51を均等に分割し、2つの電池ハーフセルを得ることができる。電池ハーフセルは、電池セル51の幅方向に沿った中心線に対して対称である。
【0060】
一枚の電池セル51を直接的に採用する構造に比べて、電池ハーフセルを採用する太陽光発電モジュールは、効率がより高く、実際の使用ニーズにより適する。
【0061】
1つの可能な実施形態では、電池アレイは、6個の電池ストリングを含んでもよく、各電池ストリングは、11個又は12個の電池セル51を含んでもよく、すなわち、電池アレイは、66個の電池セル51(132個の電池ハーフセル)又は72個の電池セル51(144個の電池ハーフセル)を含む。
【0062】
1つの可能な実施形態では、太陽光発電モジュールの幅は、1130mm~1138mmであり、太陽光発電モジュールの幅は、2380mm~2384mmである。
【0063】
このような設計により、太陽光発電モジュールの輸送を容易にすることができ、輸送時にコンテナ空間の利用率を向上させ、コンテナの空きスペースを減少させることができ、実際の使用ニーズにより合致する。
【0064】
1つの可能な実施形態では、1つの電池セル51は、3つ以上に均等に分割されて、太陽光発電モジュールにおいて三分の一カットセルなどを用いることができる。電池セル51の実際の分割方式は、実際のニーズに応じて選択することができ、電池セル51の分割方式を調整することにより、電池セル51の電池アレイにおけるレイアウトを変更することができ、これによって太陽光発電モジュールが異なるシーンに適用可能となるように、太陽光発電モジュールのサイズを調整することができ、実際の使用ニーズにより合致する。
【0065】
本願の実施例は、上記の実施例に係る電池セル51を加工するためのシリコンウエハの加工方法をさらに提供する。
【0066】
図6図7及び図8に示すように、本願の実施例は、断面の直径が252mm~277mmの円柱体のシリコン棒9を切断するための太陽光発電モジュールの加工方法を提供する。シリコンウエハ1の加工方法は、次のステップを含むことができる。
【0067】
S1において、電池セル51の面取りパラメータに基づいてシリコン棒9の円周に4つの面取り円弧を選択する。
【0068】
S2において、隣接する面取り円弧同士の連結線に沿ってシリコン棒9をスクエアリングして、面取りを有する矩形体を得る。
【0069】
S3において、シリコン棒9の長さ方向に垂直な方向に沿って面取りを有する矩形体を切断し、面取りを有する矩形のシリコンウエハ1を得る。
【0070】
直角型のシリコンウエハ1は、使用中に応力集中によるシリコンウエハ1の割れが生じやすく、電池セル51及び太陽光発電モジュールの品質に影響を与えるため、通常、シリコンウエハ1の割れの可能性を低減するために、シリコンウエハ1に面取りを設ける。面取りが円弧状であり、シリコン棒9の断面が円形であるため、切断時に必要な面取り円弧とシリコン棒9の断面の円周とを重なり合わせることができ、切断後に面取りを有するシリコンウエハ1を直接的に得ることができ、シリコンウエハ1に対して面取り加工を行うステップを省略することができ、太陽光発電モジュールの製造プロセスの簡略化に有利であり、実際の使用ニーズにより合致する。したがって、シリコン棒9の円周に4つの面取り円弧を選択することにより、シリコンウエハ1の4つの対角を特定することができ、シリコンウエハ1全体の位置を特定することができる。その後、シリコン棒9をスクエアリングし、すなわち、シリコン棒9の長さ方向に沿ってシリコン棒9を切断して面取りを有する矩形体を得てから、さらにシリコン棒9の長さ方向に垂直な方向、すなわち、シリコン棒9の径方向に沿って得られた矩形体を切断して、面取りを有するシリコンウエハ1を得る。シリコンウエハ1にメイングリッド2、サブグリッドを設けて、溶接などの加工を行えば、太陽光発電モジュールに必要な電池セル51が得られる。シリコン棒9の断面において内接四角形に切断する技術案に比べて、本願の実施例による切断方法によって切断されたシリコンウエハ1は、その面積が内接四角形のシリコンウエハ1の面積よりも大きいため、受光面積がより大きく、シリコン棒9の利用率がより高くなり、電池セル51及び太陽光発電モジュールの効率を向上させることができるだけでなく、コストを低減することもでき、実際の使用ニーズにより合致する。
【0071】
図9に示すように、1つの可能な実施形態では、ステップS1は、次のステップをさらに含む。
【0072】
S11において、シリコン棒9の円周において、弧長が0.5mm~6mmである4つの面取り円弧を選択し、面取り円弧の円心がシリコン棒9の断面の円心と重なり合わせる。
【0073】
直角形のシリコンウエハ1(面取りを有しないシリコンウエハ1)では、シリコン棒9の利用率が低いだけでなく、直角位置に応力集中が発生しやすく、加工及び使用中に衝突が発生することでシリコンウエハ1が割れやすく、直角部分が欠け、電池セル51の面積及び質量に影響を与えるだけでなく、電池セル51即ち太陽光発電モジュールの廃却を招きやすく、コストを増加させる。
【0074】
シリコンウエハ1が大きな面取りを有する場合、シリコンウエハ1の面積に対して影響が大きく、シリコンウエハ1の面積の減少をもたらし、さらに電池セル51及び太陽光発電モジュールの効率に影響を与える。本願の実施例による方式によって、小さい面取りを得ることができ、シリコンウエハ1の割れの可能性を低減することに有利であるとともに、シリコンウエハ1の面積を増大することにも有利であり、さらに、電池セル51の受光面積を向上させることに有利であり、実際の使用ニーズにより合致する。面取り円弧の円心と棒の断面の円心とを重なり合わせることにより、切断後のシリコン棒9の円周を直接的にシリコンウエハ1の面取りとすることができ、二次加工を行う必要がなくなり、電池セル51及び太陽光発電モジュールの加工プロセスを簡略化することができ、実際の生産ニーズにより合致する。
【0075】
図9に示すように、1つの可能な実施形態では、ステップS1は、次のステップをさらに含む。
【0076】
S12において、シリコン棒9の円周に中心角が0.3°~3°である面取り円弧を4つ選択し、面取り円弧の円心がシリコン棒9の断面の円心と重なり合わせる。
【0077】
このような方式により、シリコンウエハ1に対して二次加工を行って面取りを得るステップを省略することができ、実際の生産ニーズにより合致する。面取り円弧が小さいことは、面取りによるシリコンウエハ1の実際面積への影響を低減することができ、シリコンウエハ1の面積を増大させ、さらに電池セル51及び太陽光発電モジュールの効率を向上させることに有利である。
【0078】
シリコン棒9の円周内で内接正方形に切断する技術案に比べて、本願の実施例による技術案を採用して切断されたシリコンウエハ1は、その面積がより大きく、シリコン棒9の利用率がより高いため、コストの低減に有利であり、実際の生産及び使用ニーズにより合致する。
【0079】
図10に示すように、1つの可能な実施形態では、ステップS3は、次のステップを含む。
【0080】
S31において、切断によって幅が182mm~188mmの矩形のシリコンウエハ1が得られる。
【0081】
S32において、切断によって長さが180mm~220mmの矩形のシリコンウエハ1が得られる。
【0082】
正方形のシリコンウエハ1に比べて、長方形である矩形のシリコンウエハ1は、その面積がより大きく、シリコンウエハ1の受光面積の増大にさらに有利であり、シリコン棒9の利用率がより高く、コストの低減に有利である。
【0083】
図11に示すように、図中の破線は、本願の実施例によるシリコンウエハ1の加工方法により加工された後に得られた矩形のシリコンウエハ1の範囲であり、図中の一点鎖線は、従来の正方形のシリコンウエハ1の範囲である。公知常識によれば、円形の内接四角形が正方形であるとき、内接四角形の面積が最も大きいことが分かっている。図11に示すように、本願の実施例によるシリコンウエハ1の加工方法によれば、正方形のシリコンウエハ1は、本願の実施例による加工方法によって加工されたシリコンウエハ1の範囲内に完全に入ることができ、本願の実施例による加工方法によって得られたシリコンウエハ1の長さ及び幅は、いずれも従来の正方形のシリコンウエハ1よりも大きくすることができるため、本願の実施例によるシリコンウエハ1の加工方法は、従来技術に比べて、シリコン棒9の利用率がより高くなり、電池セル51の面積を大きくして、電池セル51及び太陽光発電モジュールの効率を向上させることができるだけでなく、コストの低減に有利であり、実際の使用ニーズにより合致することができる。
【0084】
図8に示すように、シリコンウエハ1の幅Wは、182mm、183mm、184mm、185mm、186mm、187mm、188mmなどであってもよい。シリコンウエハ1の長さLは、180mm、184mm、188mm、192mm、196mm、200mm、204mm、208mm、212mm、216mm、220mmなどであってもよい。
【0085】
シリコンウエハ1は、長方形であってもよく、このような設計は、レイアウト後の輸送に有利であり、空間利用率を向上させることができる。また、正方形のシリコンウエハ1に比べて、長方形のシリコンウエハ1は、その面積がより大きくなり、シリコンウエハ1及び太陽光発電モジュールの効率を向上させることに有利であるだけでなく、シリコン棒9の利用率を向上させ、コストを低減させ、実際の使用ニーズにより合致することができる。電池セル51のサイズは、シリコンウエハ1と同じであってもよい。
【0086】
直径252mmのシリコン棒9を切断することを例として、従来の正方形のシリコンウエハ1は、一般的に182mmであり、本願の実施例で加工される長方形のシリコンウエハ1のサイズは、幅182mm、長さ190mmであってもよい。シリコン棒9の円形断面の断面積は、約49875.925mmであり、シリコン棒9をそれぞれ切断し、加工して正方形のシリコンウエハ1と長方形のシリコンウエハ1を得て、正方形のシリコンウエハ1の面積が約33094.7715mmであり、長方形のシリコンウエハ1の面積が約34454.6839mmである。正方形のシリコンウエハ1に切断するときに、シリコン棒9の利用率が33094.7715/49875.925であり、約66.3%に等しく、長方形のシリコンウエハ1に切断するときに、シリコン棒9の利用率が34454.6839/49875.925であり、約69.1%に等しく、実際の計算により、本願の実施例による加工方法を採用してシリコンウエハ1を加工することで、シリコン棒9の利用率を著しく向上させることができ、コストの低減に有利であり、実際の生産ニーズにより合致することが確認された。
【0087】
また、本願の実施例による加工方法によって加工されたシリコンウエハ1から製造された太陽光発電モジュールは、コンテナのサイズにより適合するため、太陽光発電モジュールの効率を向上させるとともに、輸送効率を向上させることができる。
【0088】
図6に示すように、1つの可能な実施形態では、シリコンウエハ1の加工方法は、次のステップを含むことができる。
【0089】
S4において、前記矩形のシリコンウエハ1の幅方向に平行な直線に沿って、矩形のシリコンウエハ1を2つの対称なハーフカットに分割する。
【0090】
通常、太陽光発電モジュールに用いられる電池セル51は、ハーフセル構造であり、フルセル構造に比べて、ハーフセル構造を採用する太陽光発電モジュールの効率がより高いため、加工過程においてシリコンウエハ1を切断してハーフセル構造を得ることができる。ハーフセルにカットするステップは、シリコンウエハ1を加工して電池セル51とした後に行うことができる。
【0091】
1つの可能な実施形態では、ハーフセルにカットするステップは、シリコンウエハ1を加工する過程で行われてもよく、電池セル51の加工過程で行われてもよく、太陽光発電モジュールを加工する際に行われてもよい。
【0092】
1つの可能な実施形態では、シリコンウエハ1を加工するときに、シリコン棒9を直接的にスクエアリングし、シリコン棒9を矩形体又は面取りを有する矩形体に切断し、かつ切断後の矩形体の断面積が必要なシリコンウエハ1の断面積よりも大きく、矩形体をスライスし、スライス後に必要な電池セル51の面取りパラメータに基づいてシリコンウエハ1を加工し、対応する面取りを有するシリコンウエハ1を得ることができる。直角を有するシリコンウエハ1は、使用過程において欠け、割れが発生しやすく、電池セル51及び太陽光発電モジュールの品質に影響を与えるため、通常、面取りを有するシリコンウエハ1を用いて電池セル51及び太陽光発電モジュールを製造する。
【0093】
1つの可能な実施形態では、シリコン棒9の直径を大きくし、直角を有する長方形のシリコンウエハ1(面取り構造を有しない)を直接的に切断することができ、長方形は、シリコン棒9の円形断面の内接四角形であってもよく、面積がシリコン棒9の円形断面の内接四角形よりも小さい長方形であってもよい。切断後、必要に応じて直角を有する長方形のシリコンウエハ1を直接的に使用し、又は再度加工して、長方形のシリコンウエハ1に面取りを持たせることができる。
【0094】
本願は、電池セル51、太陽光発電モジュール及びシリコンウエハ1の加工方法に関し、電池セル51は、長方形のシリコンウエハ1を含み、シリコンウエハ1には、13本~20本のメイングリッド2が設けられ、各メイングリッド2は、電池セル51の幅方向に沿って順に設けられ、隣接するメイングリッド2間の距離は、aミリメートル(mm)であり、電池セル51の幅方向に沿って縁に位置するメイングリッド2とシリコンウエハ1の縁との距離は、bミリメートルであり、且つa-1≦2bである。このような設計により、シリコンウエハ1の縁位置における電流の伝送距離を小さくすることに有利であり、それによって電池セル51の効率を向上させることに有利であり、実際の使用ニーズにより合致する。
【0095】
上記は、本願の好ましい実施例に過ぎず、本願を限定するものではなく、当業者にとって、本願は、様々な変更及び変化が可能である。本願の趣旨及び原則内で行われたいかなる修正、同等置換、改良などは、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0096】
1’-基材、2’-メイングリッド、8’-溶接点
1-シリコンウエハ
2-メイングリッド
3-第1カバープレート
4-第1接着フィルム
5-電池層
51-電池セル
6-第2接着フィルム
7-第2カバープレート
8-溶接点
9-シリコン棒
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2024-04-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルであって、
前記電池セル(51)は、長方形であるシリコンウエハ(1)と、複数のメイングリッド(2)とを含み、
前記メイングリッド(2)は、前記シリコンウエハ(1)に設けられ、前記メイングリッド(2)の数は、13本~20本であり、
前記メイングリッド(2)は、前記電池セル(51)の長さ方向に沿って延在し、複数の前記メイングリッド(2)は、前記電池セル(51)の幅方向に沿って順に設けられ、隣接する前記メイングリッド(2)間の距離は同じであり、いずれもaミリメートルであり、前記電池セル(51)の幅方向に沿って縁に位置する前記メイングリッド(2)と前記シリコンウエハ(1)の縁との距離はbミリメートルであり、且つa-1≦2bを満たし、
前記隣接する前記メイングリッド(2)間の距離と、前記電池セル(51)の幅方向に沿って縁に位置する前記メイングリッド(2)と前記シリコンウエハ(1)の縁との距離との関係は、2b≦a+1を満たし、
縁に位置する前記メイングリッド(2)と前記シリコンウエハ(1)の縁との距離は、5mm≦b≦10mmを満たし
隣接する前記メイングリッド(2)間の距離は、10mm≦a≦20mmを満たし
前記電池セル(51)の幅は、182mm~210mmであり、前記電池セル(51)の長さは、180mm~220mmである、ことを特徴とする電池セル。
【請求項2】
隣接する前記メイングリッド(2)間の距離と、前記電池セル(51)の幅方向に沿って縁に位置する前記メイングリッド(2)と前記シリコンウエハ(1)の縁との距離との関係は、2b=aを満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記電池セル(51)は、2つの電池ハーフセルを含み、2つの前記電池ハーフセルは、前記電池セル(51)におけるその幅方向に沿って延在する中心線に対して対称である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記メイングリッド(2)の数は、13本~16本である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池セル。
【請求項5】
前記シリコンウエハ(1)は、面取り円弧を有し、前記面取り円弧の弧長は、0.5mm~6mmである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池セル。
【請求項6】
前記シリコンウエハ(1)は、面取り円弧を有し、前記面取り円弧の中心角は、0.3°~3°である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池セル。
【請求項7】
太陽光発電モジュールであって、
前記太陽光発電モジュールは、厚さ方向に沿って第1カバープレート(3)、第1接着フィルム(4)、電池層(5)、第2接着フィルム(6)及び第2カバープレート(7)が順に設けられ、
前記電池層(5)は、複数の電池セル(51)を有する電池アレイを含み、前記電池セル(51)は、請求項1に記載の電池セル(51)であり、
前記電池セル(51)は、電池ハーフセルに加工されるために用いられる、ことを特徴とする太陽光発電モジュール。
【請求項8】
前記太陽光発電モジュールの幅は、1130mm~1138mmであり、前記太陽光発電モジュールの長さは、2380mm~2384mmである、ことを特徴とする請求項に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項9】
前記太陽光発電モジュールの幅方向に沿って、4個~6個の前記電池セル(51)を含み、前記太陽光発電モジュールの長さ方向に沿って、8個~14個の電池セル(51)を含む、ことを特徴とする請求項に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項10】
請求項1に記載の電池セル(51)のシリコンウエハ(1)を加工するためのシリコンウエハの加工方法であって、
シリコン棒(9)は、円柱体であり、断面の直径が252mm~277mmであり、
前記シリコンウエハ(1)の加工方法は、
シリコンウエハ(1)の面取りパラメータに基づいて、前記シリコン棒(9)の円周において4つの面取り円弧を選択するステップと、
隣接する面取り円弧同士の連結線に沿ってシリコン棒(9)をスクエアリングして、面取りを有する矩形体を得るステップと、
前記シリコン棒(9)の長さ方向に垂直な方向に沿って面取りを有する矩形体を切断し、面取りを有する矩形のシリコンウエハ(1)を得るステップとを含む、ことを特徴とするシリコンウエハの加工方法。
【請求項11】
電池セル(51)の面取りパラメータに基づいて前記シリコン棒(9)の円周において4つの面取り円弧を選択するステップは、
前記シリコン棒(9)の円周において弧長が0.5mm~6mmである前記面取り円弧を4つ選択し、前記面取り円弧の円心が前記シリコン棒(9)の断面の円心と重なり合わせるステップを含む、ことを特徴とする請求項10に記載のシリコンウエハの加工方法。
【請求項12】
電池セル(51)の面取りパラメータに基づいて前記シリコン棒(9)の円周において4つの面取り円弧を選択するステップは、
前記シリコン棒(9)の円周において中心角が0.3°~3°である前記面取り円弧を4つ選択し、前記面取り円弧の円心が前記シリコン棒(9)の断面の円心と重なり合わせるステップを含む、ことを特徴とする請求項10に記載のシリコンウエハの加工方法。
【請求項13】
前記シリコン棒(9)の長さ方向に垂直な方向に沿って面取りを有する矩形体を切断し、面取りを有する矩形のシリコンウエハ(1)を得るステップは、
切断によって幅が182mm~188mmの矩形のシリコンウエハ(1)を得るステップを含む、ことを特徴とする請求項10に記載のシリコンウエハの加工方法。
【請求項14】
前記シリコン棒(9)の長さ方向に垂直な方向に沿って面取りを有する矩形体を切断し、面取りを有する矩形のシリコンウエハ(1)を得るステップは、
切断によって長さが180mm~220mmの矩形のシリコンウエハ(1)を得るステップを含む、ことを特徴とする請求項10に記載のシリコンウエハの加工方法。
【請求項15】
前記シリコン棒(9)の長さ方向に垂直な方向に沿って面取りを有する矩形体を切断し、面取りを有する矩形のシリコンウエハ(1)を得るステップの後に、前記シリコンウエハ(1)の加工方法は、さらに、
前記矩形のシリコンウエハ(1)の幅方向に平行な直線に沿って、矩形のシリコンウエハ(1)を2つの対称なハーフセルに分割するステップを含む、ことを特徴とする請求項10に記載のシリコンウエハの加工方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルであって、
前記電池セル(51)は、長方形であるシリコンウエハ(1)と、複数のメイングリッド(2)とを含み、
前記メイングリッド(2)は、前記シリコンウエハ(1)に設けられ
前記メイングリッド(2)は、前記電池セル(51)の長さ方向に沿って延在し、複数の前記メイングリッド(2)は、前記電池セル(51)の幅方向に沿って順に設けられ、隣接する前記メイングリッド(2)間の距離は同じであり、いずれもaミリメートルであり、前記電池セル(51)の幅方向に沿って縁に位置する前記メイングリッド(2)と前記シリコンウエハ(1)の縁との距離はbミリメートルであり、且つa-1≦2bを満たし、
前記隣接する前記メイングリッド(2)間の距離と、前記電池セル(51)の幅方向に沿って縁に位置する前記メイングリッド(2)と前記シリコンウエハ(1)の縁との距離との関係は、2b≦a+1を満たし、
縁に位置する前記メイングリッド(2)と前記シリコンウエハ(1)の縁との距離は、5mm≦b≦10mmを満たし、
隣接する前記メイングリッド(2)間の距離は、10mm≦a≦20mmを満たし、
前記電池セル(51)の幅は、182mm~210mmであり、前記電池セル(51)の長さは、180mm~220mmであり、
前記メイングリッド(2)の数は、13本~16本である、ことを特徴とする電池セル。
【請求項2】
隣接する前記メイングリッド(2)間の距離と、前記電池セル(51)の幅方向に沿って縁に位置する前記メイングリッド(2)と前記シリコンウエハ(1)の縁との距離との関係は、2b=aを満たす、ことを特徴とする請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記電池セル(51)は、2つの電池ハーフセルを含み、2つの前記電池ハーフセルは、前記電池セル(51)におけるその幅方向に沿って延在する中心線に対して対称である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記シリコンウエハ(1)は、面取り円弧を有し、前記面取り円弧の弧長は、0.5mm~6mmである、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池セル。
【請求項5】
前記シリコンウエハ(1)は、面取り円弧を有し、前記面取り円弧の中心角は、0.3°~3°である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池セル。
【請求項6】
太陽光発電モジュールであって、
前記太陽光発電モジュールは、厚さ方向に沿って第1カバープレート(3)、第1接着フィルム(4)、電池層(5)、第2接着フィルム(6)及び第2カバープレート(7)が順に設けられ、
前記電池層(5)は、複数の電池セル(51)を有する電池アレイを含み、前記電池セル(51)は、請求項1に記載の電池セル(51)であり、
前記電池セル(51)は、電池ハーフセルに加工されるために用いられる、ことを特徴とする太陽光発電モジュール。
【請求項7】
前記太陽光発電モジュールの幅は、1130mm~1138mmであり、前記太陽光発電モジュールの長さは、2380mm~2384mmである、ことを特徴とする請求項に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項8】
前記太陽光発電モジュールの幅方向に沿って、4個~6個の前記電池セル(51)を含み、前記太陽光発電モジュールの長さ方向に沿って、8個~14個の電池セル(51)を含む、ことを特徴とする請求項に記載の太陽光発電モジュール。
【請求項9】
請求項1に記載の電池セル(51)のシリコンウエハ(1)を加工するためのシリコンウエハの加工方法であって、
シリコン棒(9)は、円柱体であり、断面の直径が252mm~277mmであり、
前記シリコンウエハ(1)の加工方法は、
シリコンウエハ(1)の面取りパラメータに基づいて、前記シリコン棒(9)の円周において4つの面取り円弧を選択するステップと、
隣接する面取り円弧同士の連結線に沿ってシリコン棒(9)をスクエアリングして、面取りを有する矩形体を得るステップと、
前記シリコン棒(9)の長さ方向に垂直な方向に沿って面取りを有する矩形体を切断し、面取りを有する矩形のシリコンウエハ(1)を得るステップとを含む、ことを特徴とするシリコンウエハの加工方法。
【請求項10】
電池セル(51)の面取りパラメータに基づいて前記シリコン棒(9)の円周において4つの面取り円弧を選択するステップは、
前記シリコン棒(9)の円周において弧長が0.5mm~6mmである前記面取り円弧を4つ選択し、前記面取り円弧の円心が前記シリコン棒(9)の断面の円心と重なり合わせるステップを含む、ことを特徴とする請求項に記載のシリコンウエハの加工方法。
【請求項11】
電池セル(51)の面取りパラメータに基づいて前記シリコン棒(9)の円周において4つの面取り円弧を選択するステップは、
前記シリコン棒(9)の円周において中心角が0.3°~3°である前記面取り円弧を4つ選択し、前記面取り円弧の円心が前記シリコン棒(9)の断面の円心と重なり合わせるステップを含む、ことを特徴とする請求項に記載のシリコンウエハの加工方法。
【請求項12】
前記シリコン棒(9)の長さ方向に垂直な方向に沿って面取りを有する矩形体を切断し、面取りを有する矩形のシリコンウエハ(1)を得るステップは、
切断によって幅が182mm~188mmの矩形のシリコンウエハ(1)を得るステップを含む、ことを特徴とする請求項に記載のシリコンウエハの加工方法。
【請求項13】
前記シリコン棒(9)の長さ方向に垂直な方向に沿って面取りを有する矩形体を切断し、面取りを有する矩形のシリコンウエハ(1)を得るステップは、
切断によって長さが180mm~220mmの矩形のシリコンウエハ(1)を得るステップを含む、ことを特徴とする請求項に記載のシリコンウエハの加工方法。
【請求項14】
前記シリコン棒(9)の長さ方向に垂直な方向に沿って面取りを有する矩形体を切断し、面取りを有する矩形のシリコンウエハ(1)を得るステップの後に、前記シリコンウエハ(1)の加工方法は、さらに、
前記矩形のシリコンウエハ(1)の幅方向に平行な直線に沿って、矩形のシリコンウエハ(1)を2つの対称なハーフセルに分割するステップを含む、ことを特徴とする請求項に記載のシリコンウエハの加工方法。