(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169287
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】プログラマブル抵抗メモリセルの読み出しのための電流源
(51)【国際特許分類】
G11C 11/16 20060101AFI20241128BHJP
H10B 61/00 20230101ALI20241128BHJP
H10N 50/10 20230101ALI20241128BHJP
【FI】
G11C11/16 220
G11C11/16 230
G11C11/16 240
G11C11/16 100A
H10B61/00
H10N50/10 Z
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023220179
(22)【出願日】2023-12-27
(31)【優先権主張番号】63/504,428
(32)【優先日】2023-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/360,119
(32)【優先日】2023-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】324010378
【氏名又は名称】サンディスク テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【弁理士】
【氏名又は名称】小松原 寿美
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジェイ.ペティ
(72)【発明者】
【氏名】ワード パーキンソン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス トレント
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ オトゥール
【テーマコード(参考)】
4M119
5F092
【Fターム(参考)】
4M119AA15
4M119AA17
4M119BB01
4M119CC05
4M119DD06
4M119DD09
4M119DD17
4M119DD24
4M119DD37
4M119DD45
4M119GG01
5F092AA05
5F092AB07
5F092AC12
5F092BB21
5F092BB36
5F092BB41
5F092BC07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】閾値切替セレクタを有するメモリセルを読み出すための電流源である装置、メモリを動作させる方法及びメモリシステムを提供する。
【解決手段】プログラマブル抵抗メモリセル401に電流を供給する電流源は、閾値切替セレクタ502をオンにするときに第1のモードで動作し、メモリセルの両端の電圧を感知するときに第2のモードで動作する。第1のモードは、電源電圧の全範囲の使用を可能にし、それによって、閾値切替セレクタをオンにするためにメモリセルの両端に十分な電圧が提供される。第2のモードでは、読み出し電流の大きさは、メモリセルの両端の電圧にあまり依存しない。したがって、第2のモードは、メモリセルの正確な感知を提供する。第1のモードはまた、メモリセルを書き込むときに使用されてもよく、それによって、メモリセルを書き込むためにメモリセルの両端に十分な電圧が提供される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
メモリアレイに接続するように構成される電流源であって、前記電流源は、出力電流を供給するように構成された出力を有し、前記メモリアレイは、複数のメモリセルを備え、各メモリセルは、閾値切替セレクタと直列のメモリ素子を備え、それぞれのメモリセルの前記閾値切替セレクタは、前記それぞれのメモリセルの前記メモリ素子を選択するオン状態と、前記それぞれのメモリセルの前記メモリセルを選択解除するオフ状態とを有する、電流源と、
前記電流源に結合された1つ以上の制御回路であって、前記メモリアレイに接続するように構成され、前記1つ以上の制御回路が、
選択されたメモリセルの前記閾値切替セレクタをオンにするために、前記選択されたメモリセルに前記出力電流を供給するために前記出力が第1のコンダクタンスを有する第1のモードで前記電流源を動作させ、
前記選択されたメモリセルの前記閾値切替セレクタがオンにされたままである間に、前記選択されたメモリセルの前記メモリ素子を通して前記出力電流を駆動するために、前記出力が第2のコンダクタンスを有する第2のモードで前記電流源を動作させ、
前記選択されたメモリセルの前記メモリ素子を通して前記出力電流を駆動しながら、前記選択されたメモリセルの両端の電圧を感知するように構成される、1つ以上の制御回路と、を含む、装置。
【請求項2】
前記1つ以上の制御回路が、
前記選択されたメモリセルの前記閾値切替セレクタがオンにされたままである間に、前記選択されたメモリセルに書き込むために前記選択されたメモリセルの前記メモリ素子を通して前記出力電流を駆動するために、前記選択されたメモリセルの両端の前記電圧を感知した後に、前記電流源を前記第1のモードで動作させるように更に構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1つ以上の制御回路が、
前記選択されたメモリセルの前記閾値切替セレクタがオンにされたままである間に、前記選択されたメモリセルを通して前記出力電流を駆動するために、前記選択されたメモリセルを書き込んだ後に、前記電流源を前記第2のモードで動作させ、
前記選択されたメモリセルを書き込んだ後に、前記選択されたメモリセルの前記メモリ素子を通して前記出力電流を駆動しながら、前記選択されたメモリセルの両端の電圧を感知し、
前記選択されたメモリセルに書き込む前の前記感知された電圧を、前記選択されたメモリセルに書き込んだ後の前記感知された電圧と比較するように更に構成される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記電流源は、前記出力電流を供給するために前記出力に結合されたカスコードトランジスタを有するカスコード電流源を備え、前記電流源は、前記カスコードトランジスタの両端に並列に結合されたバイパストランジスタを有し、前記バイパストランジスタは、前記カスコードトランジスタの短絡バイパスを作成するように構成された第1の状態と、前記バイパストランジスタがオフである第2の状態とを有し、
前記1つ以上の制御回路が、
前記バイパストランジスタを前記第1の状態にして、前記出力電流が前記バイパストランジスタを流れる前記第1のモードで前記電流源を動作させ、
前記バイパストランジスタを前記第2の状態にして、前記出力電流が前記カスコードトランジスタを通って流れる前記第2のモードで前記電流源を動作させるように更に構成され、前記カスコードトランジスタのゲートがカスコード増幅器の入力である、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記電流源は、前記出力電流を供給するために前記出力に結合されたカスコードトランジスタを有するカスコード電流源を備え、
前記1つ以上の制御回路が、
前記カスコードトランジスタのゲートに第1の電圧を印加して、前記電流源を前記第1のモードで動作させ、前記選択されたメモリセルに前記出力電流を供給して前記選択されたメモリセルの前記閾値切替セレクタをオンにし、
前記選択されたメモリセルの前記閾値切替セレクタがオンのままである間に、前記カスコードトランジスタの前記ゲートに第2の電圧を印加して、前記電流源を前記第2のモードで動作させて、前記選択されたメモリセルの前記メモリ素子を通して前記出力電流を駆動するように更に構成され、前記第1の電圧は前記第2の電圧よりも大きい、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記電流源は、前記電流源の前記出力に結合された第1の出力トランジスタを有する第1の回路を更に備え、
前記電流源は、前記電流源の前記出力に結合されたカスコードトランジスタを有するカスコード電流源を有する第2の回路を備え、
前記1つ以上の制御回路が、
前記第1の出力トランジスタから前記選択されたメモリセルに前記出力電流を供給して、前記選択されたメモリセルの前記閾値切替セレクタをオンにするために、前記電流源を前記第1のモードで動作させるように、前記第1の回路をイネーブルにし、前記第2の回路をディセーブルにし、
前記カスコードトランジスタから前記選択されたメモリセルの前記メモリ素子を通して前記出力電流を駆動するために、前記電流源を前記第2のモードで動作させるように、前記第2の回路をイネーブルにし、前記第1の回路をディセーブルにするように更に構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の回路は、前記第1の出力トランジスタと直列に結合された第1のイネーブルトランジスタを更に備え、
前記第2の回路は、前記カスコードトランジスタと直列に結合された第2のイネーブルトランジスタを更に備え、
前記1つ以上の制御回路は、前記第1の出力トランジスタを前記電流源の前記出力に接続するように前記第1のイネーブルトランジスタを動作させ、前記電流源を前記第1のモードで動作させるために前記電流源の前記出力から前記カスコードトランジスタを切断するように前記第2のイネーブルトランジスタを動作させるように更に構成され、
前記1つ以上の制御回路は、前記第1の出力トランジスタを前記電流源の前記出力から切断するように前記第1のイネーブルトランジスタを動作させ、前記電流源を前記第2のモードで動作させるために前記カスコードトランジスタを前記電流源の前記出力に接続するように前記第2のイネーブルトランジスタを動作させるように更に構成される、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記電流源は、第1の基準電流を受け取るために第1の入力に結合された第1の入力ミラートランジスタと、前記第1の基準電流を前記出力にミラーリングするために前記出力に結合された第1の出力ミラートランジスタとを有する第1の電流ミラーを備え、前記電流源は、前記第1の出力ミラートランジスタと直列に結合されたカスコードトランジスタを有し、前記電流源は、前記第1の入力ミラートランジスタと直列に結合された第1の開始トランジスタを有し、
前記電流源は、第2の基準電流を受け取るために第2の入力に結合された第2の入力ミラートランジスタと、前記第2の基準電流を前記出力にミラーリングするために前記出力に結合された第2の出力ミラートランジスタとを有する第2の電流ミラーを備え、前記電流源は、前記第2の入力ミラートランジスタと直列に結合された第2の開始トランジスタを有し、
前記1つ以上の制御回路は、前記電流源を前記第1のモードで動作させるとき、前記第1の基準電流を前記第1の入力ミラートランジスタに通過させ、前記電流源を前記第2のモードで動作させるとき、前記第1の基準電流を前記第1の入力ミラートランジスタから遮断するように前記第1の開始トランジスタを動作させるように構成され、
前記1つ以上の制御回路は、前記電流源を前記第2のモードで動作させるとき、前記第2の基準電流を前記第2の入力ミラートランジスタに通過させ、前記電流源を前記第1のモードで動作させるとき、前記第2の基準電流を前記第2の入力ミラートランジスタから遮断するように前記第2の開始トランジスタを動作させるように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記装置は前記メモリアレイを更に備え、各メモリセルの前記メモリ素子はプログラマブル抵抗メモリ素子を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
各メモリセルの前記閾値切替セレクタは、オボニック閾値スイッチ(Ovonic Threshold Switch、OTS)を備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記選択されたメモリセルは第1のメモリセルであり、前記1つ以上の制御回路は、
前記電流源を前記第1のモードで動作させて、第2の選択されたメモリセルに前記出力電流を供給して、前記第2の選択されたメモリセルの前記閾値切替セレクタをオンにし、
前記第2の選択されたメモリセルに書き込むために前記選択されたメモリセルの前記閾値切替セレクタがオンにされたままである間に、前記第2の選択されたメモリセルの前記メモリ素子を通して前記出力電流を駆動するために前記電流源を前記第1のモードで動作させ続けるように更に構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記選択されたメモリセルは第1のメモリセルであり、前記1つ以上の制御回路は、
前記電流源を前記第2のモードで動作させて、前記出力電流を第2の選択されたメモリセルに提供して、前記第2の選択されたメモリセルの前記閾値切替セレクタをオンにし、
前記第2の選択されたメモリセルの前記閾値切替セレクタがオンにされたままである間、前記第2の選択されたメモリセルの前記メモリ素子を通して前記出力電流を駆動するために、前記電流源を前記第2のモードで動作させ続け、
前記第2の選択されたメモリセルの前記メモリ素子を通して前記出力電流を駆動しながら、前記第2の選択されたメモリセルの両端の電圧を感知するように更に構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
クロスポイントメモリアレイ内の選択されたビット線に選択電圧を印加することであって、前記選択されたビット線は、前記クロスポイントメモリアレイ内の選択されたプログラマブル抵抗メモリセルに接続される、印加することと、
電流源を第1のモードで動作させることであって、前記第1のモードでは、前記電流源の出力によって供給される出力電流が、前記出力における電圧とともに第1のレートで変化して選択電流を生成する、動作させることと、
前記選択されたプログラマブル抵抗メモリセルの閾値切替セレクタをオンにするために、前記選択されたプログラマブル抵抗メモリセルに接続された選択されたワード線に前記選択電流を供給することと、
前記電流源を第2のモードで動作させることであって、前記第2のモードでは、前記出力電流が前記出力における電圧とともに第2のレートで変化して読み出し電流を生成し、前記第2のレートは前記第1のレートよりも低い、動作させることと、
前記閾値切替セレクタがオンのままである間に、前記選択されたプログラマブル抵抗メモリセルのプログラマブル抵抗メモリ素子を通して前記読み出し電流を駆動することと、
前記プログラマブル抵抗メモリ素子を通して前記読み出し電流を駆動しながら、前記選択されたプログラマブル抵抗メモリセルの両端の電圧を感知することと、
を含む、メモリを動作させる方法。
【請求項14】
前記電流源を前記第1のモードで動作させることは、バイパストランジスタでカスコードトランジスタをバイパスすることを備え、前記バイパストランジスタは、前記選択電流を供給するために前記出力に結合され、前記カスコードトランジスタをバイパスすることは、前記選択電流が前記第1のレートで前記出力における電圧とともに変化することをもたらし、
前記電流源を前記第2のモードで動作させることは、前記カスコードトランジスタが前記出力に結合された状態で読み出し電流が前記第2のレートで前記出力における電圧とともに変化する状態で、前記電流源を動作させることを備える、
請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記電流源を前記第1のモードで動作させることは、電流ミラーカスコード回路をディセーブルにしながら、前記出力電流が前記第1のレートで第1の電流ミラーの前記出力における電圧とともに変化する前記第1の電流ミラーをイネーブルにすることを備え、
前記電流源を前記第2のモードで動作させることは、前記電流ミラーカスコード回路から前記読み出し電流を供給するために、前記出力電流が前記第2のレートで前記電流ミラーカスコード回路の前記出力における電圧とともに変化する前記電流ミラーカスコード回路をイネーブルにしながら、前記第1の電流ミラーをディセーブルにすることを備える、
請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記電流源を前記第1のモードで動作させることは、カスコードトランジスタのゲートに第1の電圧を印加することを備え、前記カスコードトランジスタは、前記第1のレートで前記出力における電圧とともに変化する前記選択電流を供給するために前記出力に結合され、
前記電流源を前記第2のモードで動作させることは、前記カスコードトランジスタの前記ゲートに第2の電圧を印加することを備え、前記カスコードトランジスタは、前記第2のレートで前記出力における電圧とともに変化する前記読み出し電流を供給するために前記出力に結合され、前記第2の電圧は、前記第1の電圧よりも低い大きさを有する、
請求項13に記載の方法。
【請求項17】
書き込み電流を生成するために前記電流源を前記第1のモードで動作させることと、
前記選択されたメモリセルの前記閾値切替セレクタがオンにされたままである間に、前記選択されたプログラマブル抵抗メモリセルに書き込むために、前記選択されたプログラマブル抵抗メモリセルを通して前記書き込み電流を駆動することと、
前記電流源を前記第2のモードで動作させて第2の読み出し電流を生成することと、
前記選択されたメモリセルの前記閾値切替セレクタがオンにされたままである間に、前記選択されたプログラマブル抵抗メモリセルを通して前記第2の読み出し電流を駆動することと、
前記選択されたプログラマブル抵抗メモリセルを通して前記第2の読み出し電流を駆動しながら、前記選択されたプログラマブル抵抗メモリセルの両端の電圧を感知することと、
前記選択されたプログラマブル抵抗メモリセルに書き込む前の前記感知された電圧を、前記選択されたプログラマブル抵抗メモリセルに書き込んだ後の前記感知された電圧と比較することと、
を更に含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
プログラマブル抵抗メモリセルを有するクロスポイントメモリアレイであって、各プログラマブル抵抗メモリセルが、閾値切替セレクタと直列のプログラマブル抵抗メモリ素子を有する、クロスポイントメモリアレイと、
基準電流を受け取るために入力に結合された第1のトランジスタと、前記基準電流を前記出力にミラーリングするために前記電流源の出力に結合された第2のトランジスタとを有する電流ミラーを備える電流源であって、前記電流源が、前記第1のトランジスタと直列に結合された第3のトランジスタと、前記第2のトランジスタと直列に結合された第4のトランジスタとを更に備える、電流源と、
前記クロスポイントメモリアレイ及び前記電流源に結合された1つ以上の制御回路であって、前記1つ以上の制御回路が、
前記第4のトランジスタを非カスコードモードで動作させることを含めて、選択電流を生成するために前記電流源を第1のモードで動作させ、
前記クロスポイントメモリアレイ内の選択されたメモリセルに前記選択電流を供給して、前記選択されたメモリセルの前記閾値切替セレクタをオンにし、
前記第4のトランジスタをカスコードモードで動作させることを含めて、読み出し電流を生成するために前記電流源を第2のモードで動作させ、
前記閾値切替セレクタがオンのままである間、前記選択されたメモリセルを通して前記読み出し電流を駆動し、
前記選択されたメモリセルを通して前記読み出し電流を駆動しながら、前記選択されたメモリセルの両端の電圧を感知するように構成される、1つ以上の制御回路を含む、
メモリシステム。
【請求項19】
前記電流源は、前記第4トランジスタと並列に接続された第5トランジスタを含み、
前記電流源を前記第1のモードで動作させ、前記第4のトランジスタを前記非カスコードモードで動作させることは、前記第5のトランジスタを用いて前記第4のトランジスタをバイパスすることを備え、前記選択電流は、直列に接続された前記第5のトランジスタ及び前記第2のトランジスタからのものであり、
前記電流源を前記第2のモードで動作させ、前記第4のトランジスタを前記カスコードモードで動作させることは、前記第5のトランジスタをオフにすることを備え、前記読み出し電流は、直列に接続された前記第2のトランジスタ及び前記第4のトランジスタからのものであり、前記第4のトランジスタのゲートはカスコード増幅器の入力である、
請求項18に記載のメモリシステム。
【請求項20】
前記電流源を前記第1のモードで動作させ、前記第4のトランジスタを前記非カスコードモードで動作させることが、第1のバイアス電圧を前記第4のトランジスタのゲートに印加することを備え、
前記電流源を前記第1のモードで動作させ、前記第4のトランジスタを前記非カスコードモードで動作させることは、前記第1のバイアス電圧よりも低い第2のバイアス電圧を前記第4のトランジスタの前記ゲートに印加することを備える、
請求項18に記載のメモリシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2023年5月25日に出願されたPettiらによる「CURRENT SOURCE FOR READ-OF PROGRAMMABLE RESISTANCE MEMORY CELLS」と題する米国仮特許出願第63/504,428号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
メモリは、携帯電話、デジタルカメラ、個人情報端末、医療用電子機器、モバイルコンピューティングデバイス、非モバイルコンピューティングデバイス、及びデータサーバなどの様々な電子デバイスに広く使用されている。メモリは、不揮発性メモリ又は揮発性メモリを含み得る。不揮発性メモリにより、不揮発性メモリが電源(例えば、電池)に接続されていないときでも、情報を記憶及び保持することが可能になる。
【0003】
メモリセルは、クロスポイントメモリアレイに存在してもよい。クロスポイント型アーキテクチャを有するメモリアレイでは、第1の組の導電線が基板の表面を横切って延び、第2の組の導電線が第1の組の導電線の上に形成され、第1の組の導電線に垂直な方向に基板上を延びる。メモリセルは、2組の導電線のクロスポイント接合部に配置される。
【0004】
プログラマブル抵抗メモリセルは、プログラム可能な抵抗を有する材料から形成される。バイナリ手法では、プログラマブル抵抗メモリセルは、2つの抵抗状態、すなわち高抵抗状態(high resistance state、HRS)及び低抵抗状態(low resistance state、LRS)のうちの1つにプログラムされ得る。いくつかの手法では、2つを超える抵抗状態が使用される場合がある。プログラマブル抵抗メモリセルの1つのタイプは、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(Magnetoresistive Random Access Memory、MRAM)セルである。MRAMセルは、データを記憶するために電子電荷を使用するいくつかの他のメモリ技術とは対照的に、記憶されるデータを表すために磁化を使用する。データのビットは、MRAMセル内の磁気素子(「自由層」)の磁化方向を変化させることによって、MRAMセルに書き込まれ、ビットは、MRAMセルの抵抗を測定することによって読み出される。
【0005】
クロスポイントメモリアレイにおいて、各メモリセルは、プログラム可能な抵抗を有する材料と直列の閾値切替セレクタを含み得る。閾値切替セレクタは、その閾値電圧(Vt)よりも高い電圧又はその閾値電流を上回る電流にバイアスされるまで、及びその電圧バイアスがVhold(「Voffset」)を下回るか又は保持電流Iholdを下回る電流に低下するまで、高抵抗(オフ又は非導通状態)を有する。Vtが超えられた後、及びVholdが閾値切替セレクタの両端で超えられている間、閾値切替セレクタは、低抵抗(オン又は導通状態)を有する。閾値切替セレクタは、その電流が保持電流未満であるIholdに低下させられるか、又は電圧が保持電圧未満であるVholdに低下させられるまで、オンのままである。これが起こると、閾値切替セレクタはオフ(高)抵抗状態に戻る。メモリセルを読み出すために、閾値切替セレクタは、メモリの抵抗状態が判定される前に、オンにされることによって起動される。閾値切替セレクタの一例は、オボニック閾値スイッチ(Ovonic Threshold Switch、OTS)である。
【0006】
クロスポイントアレイ内のプログラマブル抵抗メモリセルを読み出すための強制電流手法では、読み出しのために選択されたメモリセル(「選択メモリセル」)に電流が駆動される。電流は、閾値切替セレクタがオンになるまで、選択されたメモリセルの両端の電圧を充電する。次いで、読み出し電流が、選択されたメモリセルのプログラマブル抵抗メモリ素子を通して駆動される間に、選択されたセルの両端の電圧が感知される。
【0007】
プログラマブル抵抗メモリセルを読み出すための1つの手法は、グローバル参照読み出しと呼ばれることがある。グローバル参照読み出しは、中間点読み出し又は中間点参照読み出しと呼ばれることがある。グローバル参照読み出しは、低抵抗状態(LRS)と高抵抗状態(HRS)との間にある基準電圧を使用してもよい。ここで、LRS及びHRSは、読み出し電流に応答してセルの両端に現れる電圧を指す。例えば、中間点基準は、LRS又はHRSのいずれかを有するセルを感知することに対応する2つの電圧間の中間にある基準電圧であり得る。強制電流手法では、メモリセルの状態は、感知された電圧が中間点基準電圧よりも高いか低いかに基づいて決定される。
【0008】
プログラマブル抵抗メモリセルを読み出すための別の手法は、一般に、破壊自己参照型読み出し(Self-Referenced Read、SRR)と呼ばれる。SRRでは、セルの状態に依存しない中間点基準を使用するのではなく、セル自体を感知することに基づいて基準が生成される。破壊SRRでは、メモリセルの状態がSRRの書き込み動作によって変更される(例えば、破壊される)可能性がある。1つのSRR技法は、第1の読み出し(読み出し1)、既知の状態(例えば、HRS)への破壊的書き込み、及び第2の読み出し(読み出し2)を含む。2つの読み出しの結果を比較して、セルの元の状態を決定する。第1の読み出しのための1つの技術は、メモリセルを通して読み出し電流を印加し、メモリセルの抵抗を表す大きさを有するセルの両端の電圧をもたらすことである。電圧は記憶され、第2の読み出しからの電圧サンプルと比較するために調整されてもよい(例えば、150 mvだけ上又は下に)。電圧調整は、各状態についてMRAMの両端の信号差の約半分であり得る。例えば、MRAM低抵抗状態(LRS)が25KΩであり、高抵抗状態が50KΩであり、読み出し電流が15uaである場合、状態変化からの差は375mVであるので、SRRの読み出し1記憶電圧から約180mVの調整を行うことができる。メモリセルの元の状態の判定は、第1の調整された読み出し電圧と第2の読み出し電圧との間の差に依存する。例えば、SRRの読み出し1からの第1のサンプリングされた電圧が上方調整され、書き込みがHRSであった場合、セルが元々HRSにあった場合、読み出し2からの第2のサンプリングされた電圧は、読み出し1とほぼ同じであるはずであり、したがって、第1の上方調整された電圧より低いはずである。しかしながら、セルが元々LRSであった場合、読み出し2からの第2のサンプリングされた電圧は、HRSのより高い読み出し2の電圧に起因して、読み出し1からの上方調整された電圧よりも高くなるはずである。
【0009】
中間点読み出し及びSRRの両方について、読み出しの精度は、感知された電圧の精度に依存する。上述したように、読み出し電流は所定の大きさを有するべきである。しかしながら、電流源の制限により、読み出し電流の大きさは、メモリセルの両端の電圧に応じて変化する可能性がある。数パーセントの読み出し電流の小さな変動であっても、読み出しマージンを著しく減少させる可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
同様に番号付けされた要素は、異なる図で共通の構成要素を指す。
【
図1】ホストに接続された不揮発性メモリシステムの一実施形態のブロック図である。
【
図2】メモリダイの一実施形態を示すブロック図である。
【
図3】制御ダイ及びメモリ構造ダイを含む集積メモリアセンブリの一実施形態のブロック図である。
【
図4A】クロスポイントアーキテクチャを形成するメモリアレイの一部分の一実施形態の斜視図を示す。
【
図4B】
図4Aのクロスポイント構造の側面図及び上面図をそれぞれ示す図である。
【
図4C】
図4Aのクロスポイント構造の側面図及び上面図をそれぞれ示す図である。
【
図4D】クロスポイントアーキテクチャを形成する2レベルメモリアレイの一部分の実施形態の斜視図を示す。
【
図5】MRAMメモリセルの構造の一実施形態を示しており、ここでは例えば、選択されたセルが電流源によって駆動されて読み出し又は書き込みを行う。
【
図6A】クロスポイントアーキテクチャを有するMRAMメモリアレイに閾値切替セレクタを組み込むための実施形態を示す。
【
図6B】クロスポイントアーキテクチャを有するMRAMメモリアレイに閾値切替セレクタを組み込むための実施形態を示す。
【
図7】強制電流手法を使用してアクセスされるクロスポイントアーキテクチャを有するメモリアレイの一実施形態を示す。
【
図8】メモリセルに電流を供給する電流源の一実施形態の図である。
【
図9】クロスポイントアレイ内の複数のプログラマブル抵抗メモリセルにアクセスするときに、電流源を動作させるプロセスの一実施形態のフローチャートである。
【
図10A】閾値切替セレクタを有するプログラマブル抵抗メモリセルを読み出すときに電流源を2つのモードで動作させるシステムの一実施形態の概略図である。
【
図10B】
図10Aのバイアスに代わるバイアス技術を有する実施形態の概略図を含む。
【
図10C】
図10Aのバイアスに代わるバイアス技術を有する実施形態の概略図を含む。
【
図11】電流源の一実施形態の出力ノードにおける出力電流対電圧を示すグラフである。
【
図12】閾値切替セレクタを有するプログラマブル抵抗メモリセルを読み出すときに、2つのモードで電流源を動作させるために使用され得るバイパストランジスタを有するシステムの一実施形態の概略図である。
【
図13】閾値切替セレクタを有するプログラマブル抵抗メモリセルを読み出すときに、2つのモードで動作することができる電流源をイネーブル/ディセーブルするために使用され得るイネーブルトランジスタを有するシステムの一実施形態の概略図である。
【
図14】閾値切替セレクタを有するプログラマブル抵抗メモリセルを読み出すときに、制御信号(VG)を発行して電流源を2つのモードで動作させることができるシステムの一実施形態の概略図である。
【
図15】閾値切替セレクタを有するプログラマブル抵抗メモリセルを読み出すときに、電流源を非カスコードモードで動作させるシステムの一実施形態の概略図である。
【
図16A】閾値切替セレクタを有するプログラマブル抵抗メモリセルを読み出すときに、電流源を2つのモードで動作させるシステムの一実施形態の概略図である。
【
図16B】
図16Aのバイアスに代わるバイアス技術を有する実施形態の概略図を含む。
【
図16C】
図16Aのバイアスに代わるバイアス技術を有する実施形態の概略図を含む。
【
図17】非カスコードモードとカスコードモードとの間で制御することが、カスコードトランジスタをバイパスすべきかどうかを決定することを伴うプロセスの一実施形態のフローチャートである。
【
図18】非カスコードモードとカスコードモードとの間で制御することが、2つの異なる回路間で選択することを伴うプロセスの一実施形態のフローチャートである。
【
図19】非カスコードモードとカスコードモードとの間で制御することが、カスコードトランジスタのゲートへのバイアス電圧の大きさに関与するプロセスの一実施形態のフローチャートである。
【
図20】グローバル参照読み出し動作のプロセスの一実施形態のフローチャートである。
【
図21A】グローバル参照読み出し動作の実施形態の間の電流対時間を示す。
【
図21B】グローバル参照読み出し動作の実施形態の間の選択されたメモリセルの両端の電圧についての電圧対時間を示す。
【
図22】自己参照型読み出し動作のプロセスの一実施形態のフローチャートである。
【
図23A】自己参照型読み出し動作の一実施形態の電流対時間を示す。
【
図23B】自己参照型読み出し動作の一実施形態についての、選択されたメモリセルの両端の電圧についての電圧対時間を示す。
【
図24】書き込み動作のプロセスの一実施形態のフローチャートである。
【
図25】グローバル参照読み出し動作のプロセスの一実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
電流源を有するシステム、及び閾値切替セレクタ、例えば、Ovonyx閾値スイッチ(OTS)を有するメモリセルにアクセスするときに電流源を動作させる方法のための技術が開示される。一実施形態では、電流源は、閾値切替セレクタをオンにするときに使用される第1のモードで動作し、メモリセルの両端の電圧を感知するときに使用される第2のモードで動作する。閾値切替セレクタをオンにするために必要とされるメモリセルの両端の電圧は、セルがHRSにあるかLRSにあるかにかかわらず、感知するときにセルの両端の電圧を超え得る。第1のモードは、電源電圧の全範囲の使用を可能にすることができ、それによって、閾値切替セレクタをオンにするためにメモリセルの両端に十分な電圧が提供される。しかしながら、メモリセルを検知するときに第1のモードが使用される場合、読み出し電流の大きさは、セル電圧に対して所望以上に依存する可能性があり、それによって読み出しマージンが減少する。第2のモードでは、読み出し電流の大きさは、メモリセルの両端の電圧にあまり依存しない。セルの両端の電圧は、電流源の出力に現れ得ることに留意されたい。したがって、電流源の出力における電圧は、セルの両端の電圧に関連し得る。第2のモードは、メモリセルのより正確な感知を提供する。
【0012】
一実施形態において、電流源は、クロスポイントメモリアレイ内に存在するプログラマブル抵抗メモリセルを読み出すために使用される。クロスポイント型アーキテクチャを有するメモリアレイでは、第1の組の導電線が基板の表面を横切って延び、第2の組の導電線が第1の組の導電線の上に形成され、第1の組の導電線に垂直な方向に基板上を延びる。メモリセルは、2組の導電線のクロスポイント接合部に配置される。クロスポイントメモリアレイは、クロスバーメモリアレイと呼ばれることもある。一実施形態では、メモリセルはそれぞれ、OTSと直列の磁気抵抗メモリ素子を有し、これはMRAMメモリセルと呼ばれることがある。しかしながら、電流源は、他の種類のメモリセルと共に使用されてもよい。メモリセルのこれらの素子は、ReRAM、PCM、FeRAMなどの他の技術に変更されてもよい。また、閾値切替セレクタは、OTS、バックツーバックダイオード、及び当業者によく知られている他のものである必要はない。
【0013】
いくつかの実施形態では、プログラマブル抵抗メモリセルは、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)素子を有する。本明細書で使用される場合、磁化方向は、MRAMの別の素子(「基準層」)によって設定された基準方向に対して磁気モーメントが配向される方向である。いくつかの実施形態では、低抵抗は、平行状態、P状態又はLRSと称され、高抵抗は、逆平行状態、AP状態又はHRSと呼ばれる。MRAMは、スピントランスファートルク効果を使用して、P状態からAP状態まで磁化の方向を変更することができ、その逆も同様であり、書き込みには通常、バイポーラ(双方向書き込み)動作が必要とされる。しかしながら、本明細書で開示されるプログラマブル抵抗メモリセルのSRRは、MRAM素子又はOTS素子を有するメモリセルに限定されない。
【0014】
図1は、ホストシステム120に接続された不揮発性メモリシステム(又はより簡潔には「メモリシステム」)100の一実施形態のブロック図である。メモリシステム100は、電流源を有するシステム、及び閾値切替セレクタを有するメモリセルにアクセスするときに電流源を動作させる方法のために、本明細書で提示される技術を実装することができる。一実施形態において、メモリセルは、OTSなどの閾値切替セレクタと直列のプログラマブル抵抗メモリ素子(例えば、MRAM素子)を有する。多くの種類のメモリシステムを、本明細書で提案される技術とともに使用することができる。例示的なメモリシステムは、デュアルインラインメモリモジュール(Dual In-line Memory Modules、DIMMs)、ソリッドステートドライブ(solid state drives、「SSDs」)、メモリカード、及び埋め込みメモリデバイスを含む。しかしながら、他のタイプのメモリシステムも使用することができる。
【0015】
図1のメモリシステム100は、メモリコントローラ102、データを記憶するためのメモリ104、及びローカルメモリ(例えば、MRAM、ReRAM、DRAM)140を備える。ローカルメモリ140は、不揮発性であってもよく、電源オフ後にデータを保持することができる。ローカルメモリ140は揮発性であってもよく、電源オフ後にデータを保持することが期待されなくてもよい。一実施形態では、ローカルメモリ140はMRAMである。一実施形態では、ローカルメモリMRAMは、電源オフ後にデータを保持する必要がない。しかしながら、ローカルメモリMRAMは、電源オフ後もデータを保持してもよい。一実施形態では、メモリコントローラ102及び/又はローカルメモリコントローラ164は、ローカルメモリ140内のプログラマブル抵抗メモリセルへのアクセスを提供する。例えば、メモリコントローラ102は、ローカルメモリ140内のMRAMセルのクロスポイントアレイ内のアクセスを提供し得る。別の実施形態では、メモリコントローラ102若しくはインターフェース126又はその両方が排除され、メモリパッケージは、DDRnなどのバスを通してホスト120に直接接続される。あるいは、それらはホストメモリ管理ユニット(MMU)に接続される。別の例では、メモリコントローラ102又は部分は、ホスト又はMMUへ/からのDDRnインターフェースとともにメモリ上にパリティビット、ECC、及びウェアレベルを提供することなどによって、ホストへのメモリ104の直接接続のためにメモリ104上に移動される。本明細書全体を通して使用されるメモリシステムという用語は、メモリシステム100に限定されない。例えば、ローカルメモリ140又はローカルメモリ140とローカルメモリコントローラ164との組み合わせは、メモリシステムであると考えることができる。同様に、ホストメモリ124又はホストプロセッサ122とホストメモリ124との組み合わせは、メモリシステムであると考えられる。
【0016】
図1に示すメモリシステム100の構成要素は、電気回路である。メモリコントローラ102は、ホストインターフェース152、プロセッサ156、ECCエンジン158、メモリインターフェース160、及びローカルメモリコントローラ164を有する。ホストインターフェース152は、ホスト120に接続され、ホスト120と通信する。ホストインターフェース152はまた、ネットワークオンチップ(NOC)154に接続されている。NOCは、集積回路上の通信サブシステムである。NOCは、同期及び非同期クロックドメインにまたがるか、又はロックされていない非同期論理を使用することができる。NOC技術は、ネットワーキング理論及び方法をオンチップ通信に適用し、従来のバス及びクロスバー相互接続に顕著な改善をもたらす。NOCは、他の設計と比較して、systems on a chip(SoC)の拡張性、及び複雑なSoCの電力効率を向上させる。NOCのワイヤ及びリンクは、多くの信号によって共有される。NOC内の全てのリンクが異なるデータパケット上で同時に動作することができるため、高レベルの並列性が達成される。したがって、統合サブシステムの複雑性が増大し続けると、NOCは、以前の通信アーキテクチャ(例えば、専用のポイントツーポイント信号ワイヤ、共有バス、又はブリッジを有するセグメント化バス)と比較して、向上した性能(スループットなど)及びスケーラビリティをもたらす。他の実施形態では、NOC154をバスで置き換えることができる。プロセッサ156、ECCエンジン158、メモリインターフェース160、及びローカルメモリコントローラ164はNOC154に接続され、これと通信している。ローカルメモリコントローラ164は、ローカル高速メモリ140(例えば、MRAM)を動作させ、これと通信するために使用される。他の実施形態では、ローカル高速揮発性メモリ140は、SRAM又は別の種類の揮発性メモリであり得る。
【0017】
ECCエンジン158は、誤り訂正サービスを実行する。例えば、ECCエンジン158は、メモリ140又は104からフェッチされたデータの誤り訂正のために使用されるコードワードの一部としてメモリ上又はメモリ外に提供されるパリティビットのデータ符号化及び復号を実行する。一実施形態では、ECCエンジン158は、ソフトウェアによってプログラムされた電気回路である。例えば、ECCエンジン158は、プログラムされ得るプロセッサであり得る。他の実施形態では、ECCエンジン158は、いずれのソフトウェアも有さない、カスタムの専用ハードウェア回路である。一実施形態では、ECCエンジン158の機能は、プロセッサ156によって実装される。一実施形態では、ローカルメモリ140は、ウェアレベルエンジンの有無にかかわらず、ECCエンジンを有する。一実施形態では、メモリ104は、ウェアレベルエンジンの有無にかかわらず、ECCエンジンを有する。
【0018】
プロセッサ156は、プログラミング、消去、読み出し、及びメモリ管理プロセスなど様々なコントローラメモリ動作を実行する。一実施形態では、プロセッサ156はファームウェアによってプログラムされる。他の実施形態では、プロセッサ156は、いずれのソフトウェアも有さない、カスタムの専用ハードウェア回路である。プロセッサ156はまた、ソフトウェア/ファームウェアプロセスとして、又は専用ハードウェア回路として、変換モジュールを実装する。多くのシステムでは、不揮発性メモリは、1つ以上のメモリダイに関連する物理アドレスを使用して、内部で記憶システムにアドレス指定される。しかしながら、ホストシステムは論理アドレスを使用して、様々なメモリ場所にアドレスを指定する。これにより、ホストは、データを連続論理アドレスに割り当てることができ、その一方、記憶システムは、1つ以上のメモリダイの場所の間で、思い通りにデータを自由に記憶する。このシステムを実装するために、メモリコントローラ102(例えば、変換モジュール)は、ホストによって使用される論理アドレスとメモリダイによって使用される物理アドレスとの間でアドレス変換を実行する。例示的な一実装形態は、論理アドレスと物理アドレスとの間での現在の変換を識別するテーブル(すなわち、上記のL2Pテーブル)を維持することである。L2Pテーブル内のエントリとしては、論理アドレス及び対応する物理アドレスの識別子が挙げられ得る。論理アドレス-物理アドレステーブル(つまり、L2Pテーブル)は、「テーブル」という語を含むが、文字通りテーブルである必要はない。むしろ、物理アドレス-論理アドレステーブル(つまり、L2Pテーブル)は、任意の種類のデータ構造であり得る。いくつかの例では、記憶システムのメモリ空間が非常に大きいため、ローカルメモリ140はL2Pテーブルの全てを保持することができない。かかる場合、L2Pテーブルのセットの全体がメモリ104に記憶され、L2Pテーブルのサブセットは、ローカル高速メモリ140にキャッシュされる(L2Pキャッシュ)。
【0019】
メモリインターフェース160は、不揮発性メモリ104と通信する。一実施形態において、不揮発性メモリ104は、クロスポイントアレイのプログラマブル抵抗メモリセルを含む。一実施形態では、メモリインターフェースは、トグルモードインターフェースを提供する。他のインターフェースも使用され得る。いくつかの例示的な実装形態では、メモリインターフェース160(又はコントローラ102の別の部分)は、1つ以上のメモリダイに対してデータを送受信するためのスケジューラ及びバッファを実装する。
【0020】
一実施形態では、ローカルメモリ140は、ECCエンジンを有する。ローカルメモリ140は、ウェアレベリングなどの他の機能を実行することができる。オンチップメモリ保守の更なる詳細は、「Memory Maintenance Operations During Refresh Window」と題された米国特許第10,545,692号、及び「Data Rewrite During Refresh Window」と題された米国特許第10,885,991号に説明されており、両方とも、参照することによってそれらの全体が本明細書に組み込まれる。一実施形態では、ローカルメモリ140は同期している。一実施形態では、ローカルメモリ140は非同期である。
【0021】
一実施形態では、メモリ104は、複数のメモリパッケージを含む。各メモリパッケージは、1つ以上のメモリダイを含む。したがって、メモリコントローラ102は、1つ以上のメモリダイに接続されている。一実施形態では、メモリパッケージは、プログラマブル抵抗ランダムアクセスメモリ(ReRAM、MRAM、FeRAM又はRRAMなど)又は相変化メモリ(phase change memory、PCM)に基づくストレージクラスメモリ(storage class memory、SCM)などのタイプのメモリを含むことができる。一実施形態では、メモリコントローラ102は、メモリパッケージ104内のクロスポイントアレイ内のメモリセルへのアクセスを提供する。
【0022】
メモリコントローラ102は、例えば、CXL(Compute Express Link)などのプロトコルを実装するインターフェース152を介してホストシステム120と通信する。あるいは、そのようなコントローラを除去し、メモリパッケージをホストバス、例えばDDRnに直接配置することができる。メモリシステム100と協働するために、ホストシステム120は、バス128に沿って接続されたホストプロセッサ122と、ホストメモリ124と、インターフェース126とを含む。ホストメモリ124は、ホストの物理メモリであり、DRAM、SRAM、ReRAM、MRAM、不揮発性メモリ、又は別の種類のストレージであり得る。一実施形態では、ホストメモリ124は、プログラマブル抵抗メモリセルのクロスポイントアレイを含み、各メモリセルは、プログラマブル抵抗メモリ素子と、プログラマブル抵抗メモリ素子と直列の閾値切替セレクタとを備える。
【0023】
ホストシステム120は、メモリシステム100の外部にあり、メモリシステム100とは別個である。一実施形態では、メモリシステム100はホストシステム120内に埋め込まれる。ホストメモリ124は、本明細書ではメモリシステムと呼ばれることがある。ホストプロセッサ122及びホストメモリ124の組み合わせは、本明細書ではメモリシステムと称され得る。一実施形態では、そのようなホストメモリは、MRAMを使用するクロスポイントメモリであり得る。
【0024】
図2は、本明細書に記載された技術を実装することができるメモリダイ292の一例を示すブロック図である。一実施形態では、メモリダイ292はローカルメモリ140に含まれ、実施形態では、メモリダイ292はメモリ104に含まれる。一実施形態では、メモリダイ292はホストメモリ124内に含まれる。メモリダイ292は、以下に記載するメモリセルのうちのいずれかを含むことができるメモリアレイ202を含む。メモリアレイ202のアレイ分界線は、行として編成されたワード線の様々な層、及び列として編成されたビット線の様々な層を含む。しかしながら、空間を節約するために、例えば対角パターンを含む他の配向も実装され得る。メモリダイ292は、行制御回路220を含み、その出力208は、メモリアレイ202のそれぞれのワード線に接続されている。行制御回路220は、M行アドレス信号のグループ、及びシステム制御ロジック回路260からの1つ以上の様々な制御信号を受信し、典型的には、行デコーダ222、行ドライバ224、及びブロック選択回路226のような回路を、読み出し動作及び書き込み動作の両方に対して含むことができる。行制御回路220はまた、読み出し/書き込み回路を含んでもよい。一実施形態では、行デコード及び制御回路220は、各々がメモリアレイ202のワード線の状態(例えば、電圧)を感知するための回路を含むセンス増幅器228を有する。一実施形態では、ワード線電圧を感知することによって、クロスポイントアレイ内のメモリセルの状態が決定される。メモリダイ292はまた、列デコード及び制御回路210も含み、その入力/出力206は、メモリアレイ202のそれぞれのビット線に接続されている。アレイ202に対して単一のブロックのみが示されているが、メモリダイは、個別にアクセスすることができる複数のアレイ又は「タイル」を含むことができる。列制御回路210は、N列アドレス信号のグループ、及びシステム制御ロジック260からの1つ以上の様々な制御信号を受信し、典型的には、列デコーダ212、列デコーダ又はドライバ214、ブロック選択回路216、並びに読み出し/書き込み回路及びI/Oマルチプレクサなどの回路を含むことができる。
【0025】
システム制御ロジック260は、ホストシステムからのデータ及び命令を受信し、ホストシステムに出力データ及びステータスを提供する。他の実施形態では、システム制御ロジック260は、別個のコントローラ回路からデータ及び命令を受信し、出力データをそのコントローラ回路に提供し、コントローラ回路がホストシステムと通信する。そのようなコントローラシステムは、DDR、DIMM、CXL、PCIeなどのインターフェースを実装する。別の実施形態では、これらのデータ及びコマンドは、別個のコントローラなしにメモリパッケージからホストに直接送信及び受信され、必要とされる任意のコントローラは、各ダイ内又はマルチチップメモリパッケージに追加されたダイ内にある。いくつかの実施形態では、システム制御ロジック260は、メモリ動作のダイレベル制御を提供するステートマシン262を含むことができる。一実施形態では、ステートマシン262は、ソフトウェアによってプログラム可能である。他の実施形態では、ステートマシン262は、ソフトウェアを使用せず、ハードウェア(例えば、電気回路)内に完全に実装される。別の実施形態では、ステートマシン262は、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサによって置き換えられる。システム制御ロジック260はまた、メモリ動作中にメモリ202の行及び列に供給される電力、電流源電流、及び電圧を制御する電力制御モジュール264を含むことができ、調整電圧を生成するためのチャージポンプ及びレギュレータ回路と、メモリセルのワード線ビット線選択のための各々のオン/オフ制御とを含み得る。いくつかの実施形態では、電力制御264は、1つ以上の電流源を含む。電流源は、読み出し電流及び/又は書き込み電流を提供するために使用され得る。一実施形態では、電流源は、本明細書で説明されるように、閾値切替セレクタをオンにするときに第1のモードで動作し、メモリセルを感知するときに第2のモードで動作する。システム制御ロジック260は、メモリアレイ202を動作させるためのパラメータを記憶するために使用することができる記憶装置266を含む。システム制御ロジック260はまた、リフレッシュロジック272及びウェアレベリングロジック274を含む。そのようなシステム制御ロジックは、リフレッシュロジック272に対してホスト120又はメモリコントローラ102によって命令されてもよく、リフレッシュロジックは、リフレッシュ後にインクリメントされてもよいオンチップ記憶された行及び列アドレス(ポインタ)をロードしてもよい。そのようなアドレスビットは、ただ(OTSをリフレッシュするために)選択されてもよい。あるいは、そのようなアドレスは、読み取られ、ECCエンジン269を通してステアリングすることによって訂正され、次いで、「スペア」位置に記憶されてもよく、「スペア」位置はまた、事実上、ウェアレベルに対してインクリメントされ(したがって、すべてのコードワードは、周期的に読み取られ、訂正され、ウェアレベリングロジック274の制御下でチップ全体において再配置される)、したがって、チップにわたる各ビットの使用は、より均一である。そのような動作は、外部コントローラ、例えば、メモリチップとは別個に又はメモリダイ上に位置するPCIe又はCXL又はDDRnコントローラのホストによって、より直接的に制御され得る。
【0026】
命令及びデータは、メモリコントローラインターフェース268(「通信インターフェース」とも呼ばれる)を介してメモリコントローラ102とメモリダイ292との間で転送される。そのようなインターフェースは、例えば、PCIe、CXL、DDRnであってもよい。メモリコントローラインターフェース268は、メモリコントローラ102と通信するための電気的インターフェースである。メモリコントローラインターフェース268の例は、トグルモードインターフェースを含む。他のI/Oインターフェースも使用され得る。例えば、メモリコントローラインターフェース268は、メモリコントローラ102用のメモリインターフェース228/258のトグルモードインターフェースに接続するトグルモードインターフェースを実装してもよい。一実施形態では、メモリコントローラインターフェース268は、コントローラ102に接続する1組の入力ピン及び/又は出力(I/O)ピンを含む。別の実施形態では、インターフェースは、DDR5若しくはLPDDR5などのJEDEC標準のDDRn若しくはLPDDRn、又はより小さいページ及び/若しくは緩和タイミングを有するそのサブセットである。
【0027】
メモリパッケージ内のメモリダイ上のコントローラ内に位置するシステム制御ロジック260は、誤り訂正符号(Error Correction Code、ECC)エンジン269を含んでもよい。ECCエンジン269は、メモリセルと同じ半導体ダイ上にあるので、オンダイECCエンジンと呼ばれることがある。すなわち、オンダイECCエンジン269は、メモリアレイ202に記憶されるべきデータを符号化し、復号されたデータを復号し、誤りを訂正するために使用され得る。符号化されたデータは、本明細書ではコードワード又はECCコードワードと呼ばれることがある。ECCエンジン269は、復号アルゴリズムを実行し、誤り訂正を実行するために使用され得る。したがって、ECCエンジン269は、ECCコードワードを復号し得る。一実施形態では、ECCエンジン269は、反復なしで直接復号することによって、データをより迅速に復号することができる。メモリセルと同じダイ上にECCエンジン269を有することによって、より高速な復号が可能となる。ECCエンジン269は、リードソロモン、BCH(Bose-Chaudhuri-Hocquenghem)、及び低密度パリティチェック(LDPC)を含むが、これらに限定されない、多種多様な復号アルゴリズムを使用することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、システム制御ロジック260を含むメモリダイ292の素子のすべては、単一ダイの一部として形成され得る。他の実施形態では、システム制御ロジック260の一部又はすべては、異なるダイ上に形成され得る。
【0029】
一実施形態では、メモリ構造202は、ウェハなどの単一の基板上に複数のメモリレベルが形成される不揮発性又は揮発性メモリセルの三次元メモリアレイを含む。メモリ構造は、シリコン(又は他の種類の)基板上に配置された活性エリアを有するメモリセルの1つ以上の物理的レベルに、モノリシックに形成される任意の種類の不揮発性又は揮発性メモリを含み得る。別の実施形態では、メモリ構造202は、不揮発性メモリセルの二次元メモリアレイを含む。
【0030】
メモリ構造202に含まれるメモリアレイアーキテクチャ又はメモリセルの正確な種類は、上記の例に限定されない。多くの異なる種類のメモリアレイアーキテクチャ又はメモリ技術を使用して、メモリ構造202を形成することができる。本明細書で提案される新たに特許請求される実施形態の目的には、特定の不揮発性メモリ技術は必要とされない。メモリ構造202のメモリセルに適した技術の他の例として、ReRAMメモリ(抵抗ランダムアクセスメモリ)、磁気抵抗メモリ(例えば、MRAM、スピントランスファートルクMRAM、スピン軌道トルクMRAM)、FeRAM、相変化メモリ(例えば、PCM)などが挙げられる。メモリ構造202のメモリセルアーキテクチャに適した技術の例として、二次元アレイ、三次元アレイ、クロスポイントアレイ、積層型二次元アレイ、垂直ビット線アレイなどが挙げられる。
【0031】
ReRAM又はMRAMクロスポイントメモリの一例として、X線及びY線(例えば、ワード線及びビット線)によってアクセスされるクロスポイントアレイに配置されたプログラマブル抵抗切替素子が挙げられる。クロスポイントの別の実施形態では、OTSセレクタと直列のPCMである。別の実施形態では、メモリセルは、導電性ブリッジメモリ素子を含み得る。導電性ブリッジメモリ素子はまた、プログラム可能なメタライゼーションセルと呼ばれ得る。導電性ブリッジメモリ素子は、固体電解質内のイオンの物理的再配置に基づく状態変化素子として使用され得る。場合によっては、導電性ブリッジメモリ素子は、2つの電極間に固体電解質薄膜を有する、2つの固体金属電極を含んでもよく、一方は、比較的不活性であり(例えば、タングステン)、他方は、電気化学的に活性である(例えば、銀又は銅)。温度が上昇すると、イオンの移動度も増加し、導電性ブリッジメモリセルのプログラミング閾値が低下する。したがって、導電性ブリッジメモリ素子は、温度に対して広範囲のプログラミング閾値を有し得る。
【0032】
磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)は、磁気記憶素子を用いてデータを記憶する。素子は、薄い絶縁層によって分離された、各々が磁化を保持することができる2つの強磁性層から形成される。電界制御型MRAMでは、2つの層のうちの1つは、特定の極性に設定された永久磁石である。他方の層の磁化は、メモリを記憶するために外部場を適用することによって変更することができる。他のタイプのMRAMセルでも可能である。メモリデバイスは、MRAMセルのグリッドから構築され得る。MRAMベースのメモリ実施形態について、以下でより詳細に論じる。
【0033】
相変化メモリ(phase change memory、PCM)は、カルコゲナイドガラスのユニークな挙動を利用する。一実施形態は、レーザパルス(又は別の光源からの光パルス)でゲルマニウム原子の配位状態を単純に変化させることによって、非熱的相変化を達成するために、GeTe-Sb2Te3超格子を使用する。メモリセルは、PCM材料の配位を変化させたり、又はアモルファス状態と結晶状態との間でそれを切り替えたりすることができる電流パルスによってプログラムされる。本書では「パルス」の使用には方形パルスを必要としないが、(連続的又は非連続的な)音の振動若しくはバースト、電流、電圧光、又はその他の波を含む。また、書き込みのために強制的に流される電流は、例えば、ピーク値まで急速に駆動され、次いで、例えば、200nsのエッジ率で直線的にランプ状に下げることができる。そのようなピーク電流を強制的に流すことは、ワード線又はビット線に沿ったメモリセルの位置によって異なるゾーン化された電圧準拠によって制限され得る。一実施形態では、相変化メモリセルは、OTSなどの閾値切替セレクタと直列の相変化メモリ素子を有する。
【0034】
当業者であれば、本明細書に記載されるこの技術は単一の特定のメモリ構造、メモリ構築又は材料組成に限定されず、本明細書に記載され、当業者によって理解されるように、技術の趣旨及び範囲内で、多くの関連するメモリ構造をカバーすることを、理解するであろう。
【0035】
図2の素子は、メモリ構造202及び他の素子のすべてを含む周辺回路の2つの部分にグループ化することができる。メモリ回路の重要な特性はその容量であり、その容量は、メモリ構造202に与えられるメモリダイ292の面積を増加させることによって増加され得る。しかしながら、これは、周辺回路に利用可能なメモリダイの面積を減少させるか、又はチップ面積に関連するコストを増加させる。これは、これらの周辺素子に非常に厳しい制限を課す可能性がある。例えば、利用可能なエリア内にセンス増幅器回路を収める必要性は、センス増幅器設計アーキテクチャに対する著しい制限となり得る。システム制御論理260に関して、エリアの利用可能性の減少は、オンチップで実装することができる利用可能な機能を制限する可能性がある。その結果、メモリ構造202に当てられる面積の量、及び周辺回路に当てられる面積の量が、メモリダイ292の設計における基本的なトレードオフである。そのようなトレードオフは、ワード線及びビット線上の駆動回路間のメモリのより大きなx-yアレイを使用することで、より多くのIR降下をもたらし得、これは、ワード線及びビット線に沿ったメモリセル位置による電圧限界の使用及び電圧準拠のゾーン化からより多くの利益を得ることができる。
【0036】
メモリ構造202及び周辺回路がしばしば対立する別のエリアは、これらの領域の形成に関与するプロセスに含まれるが、これは、これらの領域が異なるプロセス技術を伴うことが多く、単一のダイに異なる技術を有することのトレードオフであるためである。例えば、このようなセンス増幅器回路、チャージポンプ、ステートマシン内のロジック素子、及びシステム制御ロジック260内の他の周辺回路は、PMOSデバイスを使用することが多い。場合によっては、メモリ構造は、CMOSデバイスに基づくこととなる。CMOSダイを製造するためのプロセス動作は、多くの態様において、NMOSのみの技術に関して最適化されたプロセス動作とは異なる。
【0037】
これらの制限を改善するために、以下に記載される実施形態は、
図2の素子を別個に形成されたダイ上に分離することができ、その後、ダイは互いに接合される。
図3は、メモリ構造ダイ280及び制御ダイ290を有する集積メモリアセンブリ270を示す。メモリ構造202は、メモリ構造ダイ280上に形成され、1つ以上の制御回路を含む周辺回路素子の一部又は全部が、制御ダイ290上に形成される。例えば、メモリ構造ダイ280は、MRAMメモリ、PCMメモリ、ReRAMメモリ、又は他のメモリタイプのメモリセルのアレイなどのメモリ素子のみから形成され得る。周辺回路の一部又は全部は、デコーダ及びセンス増幅器などの素子を含む場合であっても、その後、制御ダイに移され得る。これにより、半導体ダイの各々をその技術に従って個別に最適化することが可能になる。これにより、周辺素子のためのより多くの空間が可能になり、これで、メモリセルアレイを保持する同じダイのマージンに制限されていたならば容易に組み込むことができなかった、追加の機能を組み込むことができる。次いで、2つのダイは、接合されたマルチダイ集積メモリアセンブリ内で一緒に結合することができ、一方のダイ上のアレイは、他方のダイ上の周辺素子に接続されている。以下では、1つのメモリダイ及び1つの制御ダイの集積メモリアセンブリに焦点を当てるが、他の実施形態は、例えば2つのメモリダイ及び1つの制御ダイなどの追加のダイを使用することができる。
【0038】
図2の202と同様に、
図3のメモリダイ280は、複数の独立してアクセス可能なアレイ又は「タイル」を含むことができる。システム制御ロジック260、行制御回路220、及び列制御回路210は、制御ダイ290内に配置される。いくつかの実施形態では、列制御回路210のすべて又は一部、及び行制御回路220のすべて又は一部は、メモリ構造ダイ280上に配置される。いくつかの実施形態では、システム制御ロジック260内の回路の一部は、メモリ構造ダイ280上に配置される。
【0039】
図3は、電気経路293を通してメモリ構造ダイ280上のメモリ構造202に結合された制御ダイ290上の列制御回路210を示す。例えば、電気経路293は、列デコーダ212、ドライバ回路214、及びブロック選択部216とメモリ構造202のビット線との間の電気的接続を提供し得る。電気経路は、制御ダイ290内の列制御回路210から、メモリ構造202のビット線に接続されているメモリ構造ダイ280の対応するパッドに接合されている制御ダイ290上のパッドを通って延びてもよい。メモリ構造202の各ビット線は、列制御回路210に接続する1対のボンドパッドを含む電気経路293内に対応する電気経路を有してもよい。同様に、行デコーダ222、行ドライバ224、ブロック選択部226、及びセンス増幅器228を含む行制御回路220は、電気経路294を通してメモリ構造202に結合される。電気経路294の各々は、例えば、ワード線に対応し得る。更に、制御ダイ290とメモリ構造ダイ280との間に追加の電気経路が設けられてもよい。
【0040】
本文書の目的のために、「制御回路」という語句は、メモリコントローラ102の1つ以上(又はローカルメモリコントローラ164、プロセッサ156、システム制御ロジック260、列制御回路210、行制御回路220、ホストプロセッサ122、マイクロコントローラ、ステートマシン、及び/又は他の制御回路、又は不揮発性メモリを制御するために使用される他の類似回路のうちの1つ以上を含むことができる。制御回路は、ハードウェアのみ、又はハードウェアとソフトウェア(ファームウェアを含む)との組み合わせを含むことができる。例えば、本明細書に記載する機能を実行するためにファームウェアによってプログラムされたコントローラは、制御回路の一例である。制御回路は、プロセッサ、FPGA、ASIC、集積回路、又は他の種類の回路を含むことができる。そのような制御回路は、電源などの一定の電圧へ駆動するトランジスタ(ゲートから電源へ)を通したノードの接続による直接駆動などのドライバを含み得る。そのような制御回路は、電流源ドライバを含んでもよい。
【0041】
本明細書では、「装置」という用語は、メモリシステム100、ローカルメモリ140、ローカルメモリコントローラ164及び/又はメモリコントローラ102とローカルメモリ140との組み合わせ、メモリパッケージ104、メモリダイ292、集積メモリアセンブリ270、及び/又は制御ダイ290のうちの1つ以上を含むことができるが、これらに限定されない。
【0042】
以下の説明では、
図2及び
図3のメモリアレイ202は、クロスポイントアーキテクチャの文脈で論じられる。クロスポイントアーキテクチャでは、下にある基板に対して第1の方向に走る、ワード線などの導電線又はワイヤの第1のセットと、下にある基板に対して第2の方向に走る、ビット線などの導電線又はワイヤの第2のセットと、を含む。メモリセルは、ワード線とビット線との交点に配置される。これらのクロスポイントにおけるメモリセルは、上述のものを含むいくつかの技術のいずれかに従って形成することができる。以下の説明では、選択可能なメモリビットを構成するために、オボニック閾値スイッチ(OTS)などの閾値切替セレクタと各々直列に配置されたMRAMメモリセルを用いたクロスポイントアーキテクチャに基づく実施形態に主に焦点を当てる。しかしながら、実施形態は、各々が直列OTSセレクタ内に磁気メモリ素子を有するMRAMセルを有するクロスポイントアーキテクチャに電流を供給することに限定されない。
【0043】
図4Aは、クロスポイントアーキテクチャを形成するメモリアレイの一部分の一実施形態の斜視図を示す。
図4Aのメモリアレイ202は、
図2又は
図3のメモリアレイ202の実装の一例であり、メモリダイ292又はメモリ構造ダイ280は、複数のそのようなアレイ構造を含むことができる。メモリアレイ202は、ローカルメモリ140又はホストメモリ124に含まれ得る。ビット線BL
1~BL
5は、ダイの下にある基板(図示せず)に対して第1の方向(ページ内に延びるものとして表される)に配置され、ワード線WL
1~WL
5は、第1の方向に垂直な第2の方向に配置される。
図4Aは、ワード線WL
1~WL
5及びBL
1~BL
5が両方とも基板に対して水平方向に延び、一方で、それらのうちの2つが401において示されているメモリセルが、メモリセルを通る電流(I
cellにおいて示されるような)が垂直方向に流れるように配向されている水平クロスポイント構造の例である。
図4Dに関して以下に説明するような、メモリセルの追加層を有するメモリアレイでは、ビット線及びワード線の対応する追加層が存在する。
【0044】
図4Aに示すように、メモリアレイ202は、複数のメモリセル401を含む。メモリセル401は、ReRAM、MRAM、PCM、又はプログラム可能な抵抗を有する他の材料を使用して実装することができるような書き換え可能メモリ素子を含んでもよい。メモリセル401は、本明細書において、プログラマブル抵抗メモリセルと呼ばれてもよい。プログラマブル抵抗メモリセルの1つのタイプは、MRAMセルと呼ばれ、これは、MRAMメモリ素子を含むメモリセルである。メモリセル401はまた、オボニック閾値スイッチ(OTS)、揮発性導電性ブリッジ(VCB)、金属-絶縁体-金属(MIM)、又は選択電圧に対する電流の高度に非線形の依存性を提供する他の材料を使用して実装され得るような閾値切替セレクタを含んでもよい。以下の説明は、オボニック閾値スイッチと直列に組み合わされたMRAMメモリ素子から構成されるメモリセルに焦点を当てるが、説明の多くはより一般的に適用することができる。第1のメモリレベルのメモリセル内の電流は、矢印I
cellによって示されるように上方に流れるものとして示されているが、電流は、以下でより詳細に説明するように、いずれの方向にも流れることができる。
【0045】
図4B及び
図4Cは、
図4Aのクロスポイント構造の側面図及び上面図をそれぞれ示す。
図4Bの側面図は、1つの下部ワイヤ、すなわちワード線WL
1、及び上部ワイヤすなわちビット線BL
1~BL
nを示す。各上部ワイヤと下部ワイヤとの間のクロスポイントは、MRAMメモリセル401であるが、PCM、ReRAM、FeRAM、又は他の技術をメモリ素子として使用することもできる。
図4Cは、M本の下部ワイヤWL
1~WL
M及びN本の上部ワイヤBL
1~BL
Nのクロスポイント構造を示す上面図である。バイナリ実施形態では、各クロスポイントにおけるMRAMセルは、高低の2つの抵抗状態のうちの1つにプログラムすることができる。MRAMメモリセル設計の実施形態及びそれらの読み出しのための技術について、以下により詳細に説明する。いくつかの実施形態では、これらのワイヤのセットは、「タイル」として連続的に配列され、そのようなタイルが、ワード線(Word Line、WL)方向に隣接し、かつビット線方向に直交するように対になり、モジュールが作成され得る。そのようなモジュールは、2×2のタイルを組み合わせて4つのタイルを形成し、タイル間のWLドライバは、WLが線のほぼ中央のドライバを横切って連続して走る「中央駆動」され得る。同様に、BLドライバは、BL方向に対になり中央駆動されるタイル対の間に位置してもよく、それにより、ドライバ及びそのエリアは、一対のタイル間で共有される。
【0046】
図4Aのクロスポイントアレイは、ワード線及びビット線の1つの層を有する実施形態を示し、MRAM又は他のメモリセルは、2組の導電線の交差部に配置される。メモリダイの記憶密度を高めるために、そのようなメモリセル及び導電線の複数の層を形成することができる。2層の例を
図4Dに示す。
【0047】
図4Dは、クロスポイントアーキテクチャを形成する2レベルメモリアレイの一部分の実施形態の斜視図を示す。
図4Aと同様に、
図4Dは、ワード線WL
1、1~WL
1、4及びビット線BL
1~BL
5の第1の層のクロスポイントで接続されたアレイ202のメモリセル401の第1の層418を示す。メモリセルの第2の層420は、ビット線BL
1~BL
5の上、及びこれらのビット線とワード線WL
2、1~WL
2、4の第2の組との間に形成される。
図4Dは、メモリセルの2つの層418及び420を示しているが、この構造は、ワード線及びビット線の追加の交互する層を通して上方に拡張することができる。実施形態に応じて、
図4Dのアレイのワード線及びビット線は、各層内の電流がワード線層からビット線層に、又はその逆の方向に流れるように、読み出し又はプログラム動作のためにバイアスをかけられ得る。2つの層は、所与の動作のために各層において同じ方向の電流の流れを有するように、又は反対方向の電流の流れを有するように、正又は負の方向におけるドライバセレクションによって構築することができる。
【0048】
クロスポイントアーキテクチャの使用は、設置面積の小さいアレイを可能にし、そのようなアレイのいくつかを単一のダイ上に形成することができる。各クロスポイントにおいて形成されたメモリセルは、抵抗タイプのメモリセルであってもよく、データ値は、異なる抵抗レベルとして符号化される。実施形態に応じて、メモリセルは、低抵抗状態又は高抵抗状態のいずれか一方を有するバイナリ値であってもよく、又は低抵抗状態と高抵抗状態の中間の追加の抵抗を有することができるマルチレベルセル(multi-level cell、MLC)であってもよい。本明細書に記載のクロスポイントアレイは、
図2のメモリダイ292、
図1のローカルメモリ140、及び/又は
図1のホストメモリ124で使用することができる。抵抗タイプのメモリセルは、ReRAM、PCM、FeRAM、又はMRAMなど、上記の技術の多くに従って形成することができる。以下の説明は、主に、バイナリ値MRAMメモリセルを有するクロスポイントアーキテクチャを使用するメモリアレイの文脈で提示されるが、説明の多くはより一般的に適用することができる。
【0049】
図5は、MRAMセルの一実施形態の構造を示す。MRAMセルは、例えば、
図4A~
図4Dにおけるプログラマブル抵抗メモリセル401として使用され得る。MRAMセルは、下部電極501、スペーサ512、閾値切替セレクタ502、スペーサ514、この例では酸化マグネシウム(magnesium oxide、MgO)505の分離層又はトンネル層によって分離された1対の磁性層(基準層503及び自由層507)と、次いでスペーサ509によって自由層507から分離された上部電極511とを含む。スペーサ509は、自由層507と接触するMgOキャッピング層からなることができる。スペーサ509は、追加の金属層を含むこともできる。別の実施形態では、基準層503及び自由層507の場所は、基準層503がMgO505の上で、自由層507がMgO505の下で切り替えられる。別の実施形態において、閾値切替セレクタ502の位置は、自由層507と上部電極511との間である。
【0050】
いくつかの実施形態では、下部電極501はワード線と呼ばれ、上部電極511はビット線と呼ばれる。他の実施形態では、下部電極501はビット線と呼ばれ、上部電極511はワード線と呼ばれる。メモリセルの状態は、基準層503及び自由層507の磁化の相対的な配向に基づいており、2つの層が同じ方向に磁化されている場合、メモリセルは平行(P)低抵抗状態(low resistance state、LRS)であり、2つの層が反対の配向を有する場合、メモリセルは逆平行(anti-parallel、AP)高抵抗状態(high resistance state、HRS)である。MLCの実施形態は、追加の中間状態を含む。基準層503の配向は固定され、
図5の例では上向きに配向される。基準層503はまた、固定層又はピンド層としても知られている。基準層503は、一般に合成反強磁性体又は略してSAFと呼ばれる構造で反強磁性的に結合された複数の強磁性層から構成することができる。
【0051】
データは、基準層503と同じ配向又は反対の配向を有するように自由層507をプログラミングすることによってMRAMメモリセルに書き込まれる。MRAMメモリセルのアレイは、それらの自由層のすべてが、そのそれらの基準層と同じである磁場配向を有する低抵抗状態に設定することにより、MRAMメモリセルのすべてを初期状態又は消去状態に置くことができる。次いで、各メモリセルは、磁場を基準層503の反対側に反転させることによって、その自由層507を高抵抗状態にすることによって、選択的にプログラミング(「書き込み」ともいう)される。基準層503は、自由層507をプログラミングする際にその配向を維持するように形成される。基準層503は、合成反強磁性層及び追加の基準層を含む、より複雑な設計を有することができる。簡潔にするために、図及び説明は、これらの追加の層を省略し、セル内のトンネル磁気抵抗に主に関与する固定された磁性層にのみ焦点を当てる。
【0052】
閾値切替セレクタ502は、その閾値電圧よりも高い電圧又はその閾値電流を上回る電流にバイアスされるまで、及びその電圧バイアスがVhold(「Voffset」)を下回るか又は電流がIholdを下回るまで、高抵抗(オフ又は非導通状態)を有する。Vtを超えた後、かつ切替セレクタの両端間でVholdを超えている間、切替セレクタは低抵抗(オン又は導通状態)を有する。閾値切替セレクタは、その電流が保持電流未満であるIholdに低下させられるか、又は電圧が保持電圧未満であるVholdに低下させられるまで、オンのままである。これが起こると、閾値切替セレクタはオフ(高)抵抗状態に戻る。したがって、メモリセルをクロスポイントでプログラムするために、関連する閾値切替セレクタをオンにしてメモリセルを設定又はリセットするのに十分な電圧が印加され、メモリセルを読み出すために、メモリセルの抵抗状態を判定することができる前に、閾値切替セレクタがオンにされることによって同様に起動されなければならない。閾値切替セレクタの一例は、オボニック閾値スイッチ(OTS)のオボニック閾値切替材料である。例示的な閾値切替材料としては、Ge-Se、Ge-Se-N、Ge-Se-As、Ge-Se-Sb-N、Ge58Se42、GeTe6、Si-Te、Zn-Te、C-Te、B-Te、Ge-As-Te-Si-N、Ge-As-Se-Te-Si及びGe-Se-As-Teが挙げられ、原子百分率は、各元素について数パーセントから90パーセント超の範囲である。一実施形態では、閾値切替セレクタは2端子デバイスである。閾値切替セレクタ502は、基準層503との界面上に追加の導電層を含むこともできる。例えば、スペーサ514は、切替セレクタ502と基準層503との間に示されている。基準層503との界面上のスペーサ層514は、単一の導電層であってもよく、又は複数の導電層から構成されてもよい。閾値切替セレクタ502は、下部電極501との界面上に追加の導電層を含むこともできる。例えば、スペーサ512は、切替セレクタ502と基準層503との間に示されている。下部電極501との界面上のスペーサ層512は、単一の導電層であってもよいし、複数の導電層から構成されてもよい。OTSに隣接する導電層の例としては、炭素、窒化炭素、ケイ化炭素、炭素タングステン、チタン、窒化チタン、タングステン、窒化タングステン、タンタル、窒化タンタルなどが挙げられる。閾値電圧スイッチは、閾値電圧(Vt)を有し、この閾値電圧を超えると、デバイスの抵抗は、絶縁性又は準絶縁性から導電性に実質的に変化する。
【0053】
一実施形態では、MRAMセルにアクセスするために強制電流手法が使用される。強制電流手法は、MRAMセルを読み出す、又は書き込むために使用され得る。強制電流手法では、アクセス電流(例えば、Iread又はIwrite)は、電流ドライバによって下部電極501を通して駆動される。電流は電流源によって供給される。一実施形態において、電流ドライバは、電極501のための行ドライバ回路(例えば、アレイドライバ224)の一部であってもよい。しかしながら、代替として、電流ドライバは、電極501のための列ドライバ回路(例えば、ドライバ回路214)の一部であってもよい。電圧(例えば、Vselect)が上部電極511に供給される。本明細書では、「読み出し電流」(Iread)及び「書き込み電流」(Iwrite)という用語は、MRAMセル(又は他のプログラマブル抵抗セル)を通して駆動されるアクセス電流に関連して使用される。書き込み電流は、MRAMセルの状態を変化させることができる。一例として、約30uAの書き込み電流を50nsにわたって、RA10Ωμm2で約20ナノメートルの限界寸法(Critical Dimension、CD)を有するMRAMセルに使用することができ、それにより、MRAM状態をP状態からAP状態に切り替える。読み出し電流は、20ns未満などの限られた時間であれば、書き込み電流の約半分でよい。MRAMセルを通って一方向に流れる書き込み電流は、AP状態のMRAMセルをAP状態からP状態に変更する。MRAMセルを通って逆の方向に流れる書き込み電流は、P状態のMRAMセルをP状態からAP状態に変更する。一般に、読み出し中にMRAMセルの状態をP状態からAP状態又はAP状態からP状態に変化させないように、読み出し電流は十分に低く、読み出し時間は十分に短く設定されることが好ましい。典型的には、MRAM状態をP状態からAP状態に切り替えるために必要とされる書込み電流は、MRAM状態をAP状態からP状態に切り替えるために必要とされる書き込み電流よりも絶対値が大きい。
【0054】
いくつかの実施形態では、読み出し電流は、P2AP方向に、又は代替的にAP2P方向に印加されてもよい。いくつかの実施形態では、MRAMセルは、自己参照型読み出し(self-referenced-read、SRR)を実行することによって読み出される。一実施形態では、SRRは、第1の読み出し(P2AP方向の読み出し1)、第1の書き込み(AP状態への書き込み1)、及び第2の読み出し(P2AP方向の読み出し2)を有する。次いで、セルの元の状態は、第2の書き込み(最初にP状態にあるビットのためのP状態への書き戻し)によって復元され得る。
【0055】
P2AP方向の読み出し1によるメモリセルの電圧レベルは、例えば、コンデンサ上に、又はアナログ・デジタル変換器や、例えば、Read2で使用されるまでSRAMなどのメモリに記憶されたビットにより、デジタルビットに変換することによって記憶される。コンデンサに記憶された状態は、ストレージコンデンサに接続されたコンデンサの一方の端子に電圧を強制的に流すことによって、例えば150mvの正又は負に調整することができる。あるいは、デジタル記憶レベルは、記憶ビットに150mVをデジタル的に加算又は減算することによって調整することができる。150mVは、典型的なビット抵抗に依存するように調整することができる。例えば、ビット低抵抗状態が25Kオームであり、高抵抗が50Kである場合、差は25Kである。読み出し電流が15uaである場合、状態間の差電圧は、25K×15ua=375mVであり、150mvの選択を許容可能にするが、おそらく187mVを示唆することが、例えば、より最適であり得る。
【0056】
上記は、P2AP方向での読み出し及びAP状態への破壊的書き込み(P状態への書き戻しを伴う)を説明しているが、代替的な実施形態では、第1のSRRは、第1の読み出し(AP2P方向での読み出し1)、破壊的書き込み(P状態への書き込み1)、及び第2の読み出し(AP2P方向での読み出し2)を有する。
【0057】
一実施形態では、MRAMセルは、例えば、15マイクロアンペア(μA)の電流を下部電極501へ通して駆動しながら、例えば0Vを上部電極511に印加することによって読み出される。この読み出し電流は、下部電極501から上部電極511に流れてもよい。この読み出しは、P2AP方向のRead1又はRead2であり得ることに留意されたい。P2APは、ビットをPからAPに、又はAPからAPに書き込む方向に電流が流れることを意味する。いくつかの実施形態では、データは、バイポーラ書き込み動作を使用してMRAMセルに書き込まれる。一実施形態では、MRAMセルは、例えば、下部電極501を通して-30μAの書き込み電流を駆動しながら、例えば3Vを上部電極511に印加することによって、AP状態からP状態に書き込まれる。この書き込み電流は、上部電極511から下部電極501に流れる。一実施形態では、MRAMセルは、例えば、下部電極501を通して30μAの電流を駆動しながら、例えば0Vを上部電極511に印加することによって、P状態からAP状態に書き込まれる。この書き込み電流は、電極501から電極511に流れる。
【0058】
図5の手法の代替として、選択電圧を下部電極501に印加し、アクセス電流を上部電極511へ通して印加することができる。そのような一実施形態では、下部電極501に例えば3Vを印加し、上部電極511に例えば-15μAの読み出し電流を流すことにより、MRAMセルを読み出す。この読み出し電流は、下部電極501から上部電極511に流れ得る。
【0059】
一実施形態では、MRAMセルは、例えば、上部電極511を通して30μAの書き込み電流を駆動しながら、例えば-3Vを下部電極501に印加することによって、AP状態からP状態に書き込まれる。この電子電流は、下部電極501から上部電極511に流れる。一実施形態では、MRAMセルは、例えば、上部電極511を通して-30μAの電流を駆動しながら、例えば0Vを下部電極501に印加することによって、P状態からAP状態に書き込まれる。この電子電流は、上部電極511から下部電極501に流れる。この説明では、ビットの磁化をP状態又はAP状態に切り替えるための電流極性の方向は、基準層設計及び自由層に対する基準層の位置に基づいて変化し得ることも理解される。
【0060】
いくつかのバイアス技術は、アレイの選択されていないメモリセルの両端に電圧を印加し、選択されていないメモリセルに電流を誘導する可能性がある。この浪費された電力消費は、高抵抗状態及び低抵抗状態の両方に対して比較的高い抵抗レベルを有するようにメモリセルを設計することによってある程度軽減することができるが、これは依然として電流及び電力消費の増加をもたらし、メモリセル及びアレイの設計に更なる設計上の制約を課す。この望ましくない電流漏れに対処するための1つの手法は、セレクタ素子を各MRAMメモリセル又は他の抵抗(例えば、ReRAM、PCM)メモリセルと直列に配置することである。例えば、
図4A~
図4Dの各抵抗メモリセル素子と直列に選択トランジスタを配置し、それにより、メモリセル401が、ここでは選択トランジスタとプログラム可能な抵抗との複合体となるようにすることができる。そのようなアーキテクチャは、1T1Rと呼ばれることがある。しかしながら、選択トランジスタを使用することで、選択されたメモリセルの対応するトランジスタをオンにすることができる追加の制御線及びセルエリアの導入が必要となる。加えて、トランジスタは、多くの場合、抵抗メモリ素子と同じようにはスケーリングされないので、メモリアレイがより小さいサイズに変わるにつれて、トランジスタベースのセレクタの使用が、例えばコスト削減における制限要因となり得る。セレクタトランジスタへの代替的な手法は、プログラマブル抵抗素子と直列である閾値切替セレクタ(例えば閾値切替セレクタ502)の使用である。2端子閾値切替セレクタは、選択されたメモリセルの対応する選択トランジスタをオンにすることを可能にするために、前述の追加の制御線及びセルエリアを必要としない。いくつかの実施形態では、メモリシステムは、プログラマブル抵抗メモリ素子と直列の2端子閾値切替セレクタを有するメモリセルを読み出すために、本明細書に開示されるような読み出しを実行する。
【0061】
図6A及び6Bは、クロスポイントアーキテクチャを有するMRAMメモリアレイに閾値切替セレクタを組み込むための実施形態を示す。
図6A及び6Bの実施例は、
図4Dに示されるような2層クロスポイントアレイにおける2つのMRAMセル(層1セル、層2セル)を側面図で示す。
図6Aに示すように、MRAM層の配向を層1セルと層2セルとで同じに保つことにより、製造プロセスを各層で同じにすることができる。
図6A及び6Bは、ワード線1 600である下部の第1の導電線、ワード線2 620である上部の第1の導電線、及びビット線610である中間の第2の導電線を示す。これらの図では、提示を容易にするために、これらの線のすべてがページをわたって左から右に延びるように示されているが、クロスポイント配列では、これらは
図4Dの斜視図により正確に表されており、ワード線又は第1の導電線又はワイヤは、下にある基板の表面に平行な1つの方向に延び、ビット線又は第2の導電線又はワイヤは、第1の方向にほぼ直交する基板の表面に平行な第2の方向に延びる。MRAMメモリセルはまた、基準層、自由層、及び中間トンネルバリアのみを示す単純化された形態で表されるが、実際の実装では、典型的には、
図5に関して上述した追加の構造を含む。
【0062】
自由層601、トンネルバリア603、及び基準層605を含むMRAM素子602は、閾値切替セレクタ609の上に形成され、MRAM素子602と閾値切替セレクタ609とのこの直列結合は、ビット線610とワード線1 600との間に層1セルを一緒に形成する。MRAM素子602と閾値切替セレクタ609との直列結合は、閾値切替セレクタ609がオンにされたときに、主に上述のように動作する。しかしながら、最初に、閾値切替セレクタ609は、閾値切替セレクタ609の閾値電圧Vthを上回る電圧を印加することによってオンにされる必要がある。次いで、バイアス電流又は電圧は、それが後続の読み出し又は書き込み動作中にオンになるように、閾値切替セレクタ609の保持電流又は保持電圧よりも十分に高く維持される必要がある。
【0063】
第2の層では、MRAM素子612は、自由層611、トンネルバリア613を含み、基準層615は、閾値切替セレクタ619の上方に形成され、MRAM素子612と閾値切替セレクタ619との直列結合により、ビット線610とワード線2 620との間に層2セルが形成される。層2セルは、層1セルについて動作するが、下部導体はここではビット線610に対応し、上部導体はここではワード線であって、ワード線2 620である。追加の対の層は、WL1、BL1、WL2、WL3、BL2、WL4のパターンを有し、それらの間で別のビット線を同様に共有し得、又はWL1、BL1、WL2、BL2などのパターンで別個のビット線を有する。
【0064】
図6Aの実施形態では、閾値切替セレクタ609/619はMRAM素子602/612の下に形成されるが、代替実施形態では、閾値切替セレクタは、一方又は両方の層のMRAM素子の上に形成され得る。MRAMメモリセルは方向性を有する。
図6Aでは、MRAM素子602及び612は同じ配向を有し、自由層601/611は(図示されていない基板に対して)基準層605/615の上にある。同じ構造を有する導電線間に層を形成することは、特に2つの層の各々、並びにより多くの層を有する実施形態における後続の層が同じプロセスシーケンスに従って形成され得るため、プロセスに関していくつかの利点を有することができる。
【0065】
図6Bは、層2セルにおいて、基準層及び自由層の場所が逆であることを除いて、
図6Aと同様に配置された代替の実施形態を示している。より具体的には、
図6Aのようにワード線1 650とビット線660との間に、層セル1は、トンネルバリア653の上に形成された自由層651を有するMRAM素子lを含み、トンネルバリア653は基準層655の上に形成され、MRAM素子652は、閾値切替セレクタ659の上に形成されている。
図6Bの実施形態の第2の層は、やはり、ビット線660とワード線2 670との間の閾値切替セレクタ669の上に形成されたMRAM素子662を有するが、
図6Aと比較すると、MRAM素子662を反転させた状態で、ここではトンネルバリア663の上に形成された基準層661と、ここではトンネルバリア663の下に形成された自由層665とを有する。代替的に、MRAM素子662の構成を層1セルに使用し、MRAMセル652の構成を層2セルに使用してもよい。
【0066】
図6Bの実施形態は、層を形成するための異なるプロセスシーケンスを必要とするが、いくつかの実施形態では利点を有することができる。具体的には、(基準及び自由層に関して)同じ方向での書き込み又は読み出し時には、ビット線は下部層及び上部層の両方に対して同じようにバイアスをかけられ、両方のワード線が同じようにバイアスをかけられるため、MRAM構造の方向性は、
図6Bの実施形態を魅力的にすることができる。例えば、層1及び層2のメモリセルの両方がP2AP方向(基準層及び自由層に関して)で感知される場合、ビット線層660はP2AP方向などへとバイアスをかけられ、ビット線660は、上部セル及び下部セルの両方に対して低く(例えば、0V)バイアスをかけられ、ワード線1 650及びワード線2 670は両方ともより高い電圧レベルへとバイアスをかけられる。同様に、書き込みに関して、高抵抗AP状態に書き込むために、ビット線660は、上部セル及び下部セルの両方に対して低く(例えば、0V)バイアスをかけられ、ワード線1 650及びワード線2 670は、両方とも、より高い電圧レベルにバイアスをかけられる。
【0067】
MRAMメモリセルからデータを読み出し又は書き込みするためには、メモリセルに電流を通過させることを伴う。閾値切替セレクタがMRAM素子と直列に配置される実施形態では、電流がMRAM素子を通過し得る前に、閾値切替セレクタ及びMRAM素子の直列の組み合わせの両端に十分な電圧を印加することによって、閾値切替セレクタをオンにすることができる。
【0068】
図7は、クロスポイントアーキテクチャを有するメモリアレイ202の実施形態を示す。アレイ202は、1組の第1の導電線706a~706h及び1組の第2の導電線708a~708dを有する。一実施形態では、1組の第1の導電線706a~706hはワード線であり、1組の第2の導電線708a~708bはビット線である。説明を容易にするために、1組の第1の導電線706a~706hはワード線と呼ばれてもよく、1組の第2の導電線708a~708bはビット線と呼ばれてもよい。しかしながら、1組の第1の導電線706a~706hはビット線であってもよく、1組の第2の導電線708a~708bはワード線であってもよい。
【0069】
アレイ202は、いくつかのプログラマブル抵抗メモリセル401を有する。各メモリセル401は、第1の導電線706のうちの1つと第2の導電線708の1つとの間に接続される。一実施形態において、各メモリセル401は、閾値切替セレクタと直列の磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM)素子を有する。閾値切替セレクタ502は、閾値切替セレクタ502の閾値電圧を超える電圧レベルの印加に応答して、より低い抵抗で導電性になるように構成され、切替セレクタ502を通る電流がセレクタ保持電流Ihold未満に低減されるまで、より低い抵抗で導電性のままである。閾値切替セレクタ502は、2端子デバイスであり得る。一実施形態において、閾値切替セレクタ502は、OTSを備える。
【0070】
説明のために、メモリセル401aは、アクセスのために選択されている。これは、読み出し又は書き込みアクセスであり得る。選択されたメモリセル401aは、選択されたワード線706g及び選択されたビット線708bのクロスポイントにある。メモリセル401を選択するために、選択されたビット線(例えば、ビット線708b)に近接地などの選択電圧(Vselect_BL)が供給され、選択されたワード線(例えば、ワード線706g)を通してアクセス電流(Iaccess)が駆動(又は強制印加)される。「選択されたワード線」は、ワード線が少なくとも1つの選択されたメモリセルに接続されていることを意味する。選択されたワード線は、典型的には、1つ以上の選択されていないメモリセルに接続される。「選択されたビット線」は、ビット線が少なくとも1つの選択されたメモリセルに接続されていることを意味する。選択されたビット線は、典型的には、1つ以上の選択されていないメモリセルに接続される。選択されたメモリセルは、選択されたワード線と選択されたビット線との間に接続される。
【0071】
一実施形態では、Vselect_BLは、Iaccessが選択されたワード線に印加されると仮定して、選択されたメモリセル内の閾値切替セレクタ502がオンになるような大きさを有する。例えば、Vselect_BLは約0Vであってもよい。一方、Vunsel_BLは、選択されていないメモリセル内の閾値切替セレクタ502がオンにならないような大きさを有し、例えば、正電源が3.3Vである場合、Vselect_BLは約1.65Vであってもよい。アクセス電流(Iaccess)は、選択されたワード線706gの少なくとも一部を介して駆動される。このアクセス電流はまた、OTSがオンされた後に、選択されたメモリセル401aを通して、選択されたビット線708bの一部分に流れ得る。そのような選択されたWLは、例えば、3.3Vの準拠電圧を有する電流源によって、例えば、読み出しのために15μaによって高く駆動され得るか、又は書き込みのために30μaによってされ得る。反対の極性を書き込むために、選択されたワード線は、例えば、-30μaで強制され、選択されたビット線は3.3Vにされる。
【0072】
他のメモリセルは、アクセスのために選択されない(すなわち、選択されていないメモリセルである)。「選択されていないメモリセル」とは、当該メモリセルがアクセス(例えば、読み出し又は書き込み)のために現在選択されないことを意味する。選択されていないワード線は、選択されていないメモリセルにのみ接続されている。選択されていないビット線は、選択されていないメモリセルのみに接続される。選択されていないワード線及びビット線は、それぞれ非選択ワード線又は非選択ビット線と呼ばれる。一実施形態において、ワード線及びビット線は、それらを、例えば3.3Vの駆動準拠電圧の約半分、例えば1.65VのVmidなど、強制的に選択されていない電圧にすることで、非選択にすることができる。選択されていないビット線(例えば、ビット線708a、708c、708d)には、選択されていない電圧(Vunsel_BL)が提供される。選択されていないワード線(例えば、ワード線710a、710b、710c、710d、710e、710f、及び710h)には、選択されていない電圧(Vunsel_BL)が提供される。
【0073】
Iaccessは、選択されたワード線(及び選択されたビット線)を通していずれかの方向に流れることができる。一実施形態では、選択されていないワード線(例えば、706a、706b、706c、706d、706e、706f、及び706h)を通して漏れ以外の電流が強制的に流れることはない。
【0074】
図7の例では、クロスポイントアレイ内で、ビット線よりも多くのワード線が存在する。一実施形態では、クロスポイントアレイ内で、ワード線よりも多くのビット線が存在する。一実施形態では、クロスポイントアレイ内で、ビット線の数はワード線の数に等しい。
図7の例では、クロスポイントアレイ内にビット線の2倍の数のワード線があるが、異なる比率を使用することもできる。これにより、異なるタイルサイズが実現され得る。例えば、タイルは、1024本のBL×2048本のWLを有することができ、これは、4つのタイル間でWLとBLを中央駆動することで、2048×4096個のセルのモジュールに構成することができる。一実施形態において、読み出しは、例えば、いくつかのタイルの各々において1つのメモリセルを選択することによって、メモリセルのグループに対して実行される。いくつかの実施形態では、タイルから2つ以上のメモリセルが読み出しのために選択され得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、強制電流手法は、クロスポイントメモリアレイ内のメモリセルにアクセスするために使用される。閾値切替セレクタは、メモリセルと直列に使用されてもよい。閾値切替セレクタは、ワード線とビット線との間のメモリ素子と直列に接続され得る。したがって、切替セレクタ両端の任意の電圧は、メモリ素子の両端の電圧を低減する。典型的には、切替セレクタ間のオフセット又は保持電圧にいくらかの変動がある。強制電流手法は、閾値切替セレクタ間のオフセット電圧変動を軽減して、セル間の選択されたセル電流変動を最小化するのに役立ち得る。
【0076】
図8は、メモリセルに電流を供給する電流源を有するシステムの一実施形態の図である。各メモリセル401は、閾値切替セレクタ502と直列のプログラマブル抵抗メモリ素子702を有する。一実施形態では、メモリセル401は、プログラマブル抵抗メモリ素子702が磁気抵抗メモリ素子であり、閾値切替セレクタ502がOTSであるMRAMセルである。しかしながら、メモリセルは、PCMセル、ReRAMセルなどであってもよい。閾値切替セレクタ502は、OTSである必要はない。ビット線(BL)上の電圧Vselectは、メモリセルを選択するのに適した大きさを有する電圧、例えば3.6VのVpである。一実施形態では、Vselectは0Vである。しかしながら、Vselectはより高い電圧であってもよい。
【0077】
電流源802は、ワード線に電流(Isource)を供給する。読み出し中、電流は、閾値切替セレクタ502がオンに切り替わるまで、ワード線を充電し得る。閾値切替セレクタ502がオンに切り替わった後、Isourceはメモリセルを介して駆動される。一実施形態では、電流源802はカスコード増幅器を含む。一実施形態において、電流源802は、2つの動作モードを有する。制御回路804を使用して、2つの動作モードの間で選択することができる。一実施形態では、一方のモードはカスコードモードと呼ばれ、他方は非カスコードモードと呼ばれる。一実施形態において、非カスコードモード(例えば、カスケードモード)は、閾値切替セレクタ502がオンに切り替えられる読み出しの初期部分の間に使用される。閾値切替セレクタ502がオンに切り替えられた後、カスコードモードは、Iout上の電圧が変化する(LRSからHRSへの状態変化に伴うMRAM抵抗の変化に伴って)その低減された変動のためにメモリセル401を通る電流を駆動するために使用され得る。メモリセル401は、電流源802がカスコードモードで動作されている間に感知され得、これは、感知の精度を改善する。更に、非カスコードモードで電流源を動作させることは、メモリセル401の両端の大きな電圧を可能にし、これにより、閾値切替セレクタ502のオンへの切り替えが容易になる。一実施形態において、電流源は、メモリセル401を書き込む間、非カスコードで動作される。一実施形態では、電流源802は、第1のモードで動作するときに第1の出力コンダクタンスを有し、第2のモードで動作するときに第2の出力コンダクタンスを有する。一実施形態では、第2の出力(カスコード)コンダクタンスは、第1の出力コンダクタンスよりも高い。セルを検知するときにより高い出力コンダクタンスを有することは、メモリセルを感知する精度を改善することができるが、電流ソーシング要素(ヘッドルーム)の両端の電圧を増加させる。一実施形態では、第1のモードにおいて、出力電流は、出力における電圧と共に第1のレートで変化する。しかしながら、第2のモードにおいて、出力電流は、第1のレートよりも低い第2のレートで出力における電圧と共に変化する。電流源の出力における電圧は、メモリセルの両端の電圧に依存し得ることに留意されたい。一実施形態では、Isourceは、(第1のモードと比較して)第2のモードにおいて電流源出力における電圧にあまり依存しないので、セルを感知する精度が改善される。しかしながら、第1のモードは、セル401の両端のより大きい電圧を可能にすることができ、これは、OTS Vthがより高くドリフトする場合に閾値切替セレクタ502をオンにするために、並びに電流強制要素におけるより少ない降下によりメモリセルの両端の電圧及びセンスノード電圧(I_out上)のより大きい範囲を可能にすることができる書き込みのために有益である。
【0078】
図9は、クロスポイントアレイ内の複数のプログラマブル抵抗メモリセルを読み出すときに、電流源を動作させるプロセス900の一実施形態のフローチャートである。ステップ902は、電流源802を非カスコードモードで動作させることを含む。ステップ904は、選択されたメモリセルに出力電流(Icurrent)を供給することを含む。一実施形態では、0Vなどの選択電圧が選択ビット線に印加されている間に、mRAMのCDが20nmである場合に15uaなどの電流が選択ワード線に供給される。
【0079】
ステップ906は、非カスコードモードに留まるかカスコードモードに変更するかの決定を含む。一実施形態では、変更は、閾値切替セレクタ502がオンに切り替わった後に行われる。この決定は、閾値切替セレクタがオンに切り替わるのに十分な時間を与えるために、最初に電流を供給した後に所定の時間待機することに基づくことができる。カスコードモードに入るべきであると決定したことに応答して、電流源802は、ステップ908においてカスコードモードで動作される。ステップ910は、閾値切替セレクタがオンのままである間に、選択されたメモリセルを通して出力電流(Icurrent)を駆動することを含む。一実施形態では、この電流は、セルを読み取るのに適した大きさを有する。一実施形態では、この電流は、セルに書き込むのに適した大きさを有する。ステップ912は、これが読み出し動作である場合、電流が選択されたメモリセルを通して駆動されている間に、選択されたメモリセルの両端の電圧を感知することを含み得る。書き込み動作も可能であり、その場合、ステップ910における電流は、ステップ904における電流に対して上げ得ることに留意されたい。
【0080】
図10Aは、閾値切替セレクタを有するプログラマブル抵抗メモリセルを読み出すときに、電流源1000を2つのモードで動作させるシステムの一実施形態の概略図である。トランジスタT3及びT4はカスコード回路を形成する。基準電流I_Refは、T3及びT1に入力され、T2及びT4によってミラーリングされる。トランジスタT3は入力トランジスタと呼ぶことができ、トランジスタT4は出力トランジスタと呼ぶことができる。トランジスタT4は、読み出し及び書き込みに使用されるメモリアレイに出力電流Isourceを供給する。あるいは、2つの回路1000が使用されてもよく、1つは読み出し用であり、第2は書き込み用であり、これは、読み出しから書き込みへの変更、すなわち読み出し-修正-書き込みにおいて所望の電流を可能にする待ち時間に対する可能な改善としてである。トランジスタT1はT3と直列である。トランジスタT2はT4と直列である。一実施形態では、回路1000は、カスコード電流源と呼ばれることもある、T2、T4、及びR2を含み得るカスコード増幅器を含む。カスコード増幅器は、入力段及び出力段と呼ばれる2つの段を有し得る。一実施形態では、入力段はトランジスタT2を含み、これは、本明細書では、VCSNへのゲートを有するカレントミラートランジスタと呼ばれることがある。一実施形態では、入力段は増幅器段である。一実施形態では、T4 VGNのゲートは、カスコード増幅器出力段の入力と呼ばれ得る。T2のゲートは、カスコードトランジスタT3を通過した後に流れる基準電流I_refを用いてT1によって生成されるバイアス電圧VCSNによってバイアスされ得る。一実施形態では、出力段は、本明細書では出力トランジスタ又はカスコード出力トランジスタと呼ばれることがあるトランジスタT4を含む。一実施形態では、T4のドレインは、カスコード増幅器の出力と呼ばれ得る。電流源1000は、
図8の電流源802の一実施形態内に実装される。システムは、ドライバ信号VGN及びVGNRを介して電流源1000を制御するための制御信号を発する制御回路804を含む。一実施形態において、制御回路804は、
図2又は
図3からのステートマシン262内に実装されるが、それに限定されない。制御信号の1つは、バイアス電圧VGNの大きさを制御して2つのモードの間で選択するために使用される。一実施形態では、約Vp~3.6VのVGN上の比較的高いバイアス電圧は、電流源1000を非カスコードモードで動作させ、1.5Vまでのより低いバイアス電圧は、電流源1000をカスコードモードで動作させる。一実施形態では、VCSN又はVGNとして0Vを印加することは、電流源1000をディセーブルにし、したがって、出力電流は0に近く、トランジスタ漏れにほぼ等しい。電流源1000がディセーブルされる場合、次いで、異なる電流源が、選択されたメモリセルに電流を提供するために使用され得る。抵抗器R1及びR2は、同じサイズであってもよい。抵抗器R1及びR2は、0オーム(すなわち、除去される)以上であってもよい。R1及びR2に対するより高い抵抗は、T1とT2との間のより大きいミスマッチを可能にし得る一方で、依然として、出力電流が目標パーセンテージを上回って変動することが維持される。電圧V_lowは接地であってもよいが、接地である必要はない。また、15uaの読み出し電流に対して、R1及びR2は、33Kオームであってもよく、これは、ゲートがVpにあり、ソースドレインが図示される抵抗器端子に取って代わるトランジスタによって実現されることができる。トランジスタL及びWは、所望の電流又は電圧降下に対して調整され得る。右脚R2、T2、及びT4内の電流は、R1、T1、T3に比例してR2、T2、及びT4のサイズを増加又は減少させることによって、I_REFに対して調整され得る。R2、T2、及びT4の各々は、同じ倍数だけ増加した。バイアス電圧VGNは、回路R11、T22、T23などの制御回路によって生成することができる。同様に、T3に対する等価電圧は、R10、T20、T21によって生成でき、ここで、R11はR10と同じサイズであり得、T22はT20と同じサイズであり得、T23はT21と同じサイズであり得る。又は、相対サイズは、回路にわたるカスコード総電圧に必要とされる電圧を増加又は減少させるように、電圧VGNに対してVGNR電圧を調整するように調整され得る。一実施形態では、R10及びR11はそれぞれ約1Mオームである。R12及びR13はそれぞれ約100キロオームである。
【0081】
図10Aはまた、制御信号Bypass、Enable、及びStartを生成する制御回路を示す。回路1000 h12は、入力に開始トランジスタT7を有する。開始トランジスタT7は、I_refがT3に通過することを可能にするか、又はI_refがT3に通過することを防止し、それによって、
図8の電流源802が使用されないときに電力を低減するように制御され得る。Enable信号は、トランジスタT5をイネーブルして回路をイネーブルするために供給される。Bypass信号は、T4をバイパスするためにバイパストランジスタT6に供給される。トランジスタT5及びT6はオプションである。次に、T5及びT6の動作について説明する。
【0082】
図10Aに示される回路1000の実施形態では、T3のゲートは、R10とT20との間のノードによって提供されるVGNRによってバイアスされる。
図10Bは、回路1020内のT3のゲートがT3のドレイン(T7のソース)に接続される代替バイアス技術を示す。
図10Cは、制御回路804が回路1040内のT3のゲートに電圧VGNRを供給する別の代替バイアス技術を示す。
【0083】
図11は、電流源の一実施形態の出力ノードにおける出力電流対電圧を示すグラフである。曲線1102は、電流源の一実施形態の非カスコードモードに対するものである。曲線1104は、電流源の一実施形態のカスコードモードに対するものである。各曲線は、比較的線形の部分(1102a、1104a)と、電流が出力電圧にはるかに強く依存する部分(1102b、1104b)とを有する。カスコードモードは、非カスコードモードと比較して、有用な動作範囲にわたる出力電流対電圧の変動がはるかに少ない。カスケードは、所与のVpに対してより大きな動作領域を有する。線1104aは、出力における電圧に対する出力電流の変動がほとんどないカスコードモードの動作領域にほぼ対応する。線1102aは、出力における電圧に対する出力電流の変動が非常に小さい非カスコードモードの動作領域にほぼ対応する。非カスコードモードは、電流出力が出力電圧とともに強く変動する飽和前にカスコードモードよりも低い電圧まで動作するが、カスコードモードは、有用な動作範囲にわたって出力電流対電圧の変動がはるかに少ないことに留意されたい。また、非カスコードモードは、閾値切替セレクタをオンにするとき、又はメモリセルに書き込むときなど、メモリセルの両端の電圧がより大きくなり得るときに有益であり得ることに留意されたい。書き込み電流が読み出し電流よりも大きいため、メモリセルの両端の電圧は、読み出しよりも書き込みの方が大きくなり得る。いくつかの実施形態において、書き込み電流は、読み出し電流の約2倍である。
【0084】
図12は、閾値切替セレクタを有するプログラマブル抵抗メモリセルを読み出すときに、電流源1200を2つのモードで動作させるシステムの一実施形態の概略図である。電流源1200は、
図10Aの電流源1000と同様であるが、イネーブルトランジスタT5を省略している。電流源1200は、電流源802の一実施形態内に実装される。同じ参照番号(T1、T2、T3、T4)を有するトランジスタは、
図10を参照して説明したものと同様に動作することができる。一実施形態では、バイパストランジスタT6は、回路1200を非カスコードモードで動作させるためにカスコードトランジスタT4をバイパスするために、又は回路1200をカスコードモードで動作させるためにカスコードトランジスタT4をバイパスしないために使用され得る。一実施形態では、バイパストランジスタT6は、カスコード増幅器の入力段においてT4をバイパスするために使用され得る。また、カスコード増幅器の入力(例えば、T4のゲート)もバイパスされることに留意されたい。T6のゲートに高電圧が印加されると、T6がカスコードトランジスタT4の両端で短絡し、それによって非カスコードモードが生じる。T6のゲートに印加される低電圧(例えば、0V)は、T6をオフにし、それによってカスコードモードが生じる。システムは、電流源1200を制御するための制御信号を発する制御回路804を含む。制御信号のうちの1つ(Bypass)は、カスコードトランジスタT4をバイパスする/バイパスしないように、T6のゲートに印加される。
図10の説明で述べたように、バイアス電圧VGNは、カスコードモードと非カスコードモードとの間で選択するために使用され得る。1つのオプションは、カスコードモード及び非カスコードモードの両方のために回路1200の単一のコピーを使用するが、バイパストランジスタの使用によって異なる時間に使用することである。バイアス電圧VGNは、バイパストランジスタT6の両方の状態についてカスコードモードのためのバイアスに維持され得る。一実施形態において、T3のゲートへのバイアス電圧VGNRは、R10とT20との間のノードから提供される。しかしながら、T3のゲートへのバイアス電圧VGNRは、
図10B又は
図10Cに関して図示及び説明されるように提供され得る。
【0085】
一実施形態では、回路1200は、一方がカスコードモード(イネーブルされたとき)で動作し、他方が非カスコードモード(そのコピーがイネーブルされたとき)で動作するように複製される。回路1300は、カスコードトランジスタT4がバイパスされない状態で、バイアス電圧VGNに基づいて、非カスコードモード又はカスコードモードのいずれかで動作することが可能である。代替的に、回路1300は、バイパスハイ(Vp)又はロー(V_low)をもつトランジスタT6を使用してカスコードトランジスタT4がバイパスされるかどうかに基づいて、非カスコードモード又はカスコードモードのいずれかで動作されることが可能である。
【0086】
図13は、閾値切替セレクタを有するプログラマブル抵抗メモリセルを読み出すときに、電流源1300を2つのモードで動作させるシステムの一実施形態の概略図である。電流源1300は、
図10Aの電流源1000と同様であるが、イネーブルトランジスタT5を追加している。電流源1300は、
図8の電流源802の一実施形態内に実装される。同じ参照番号(T1、T2、T3、T4)を有するトランジスタは、
図10を参照して説明したものと同様に動作することができる。一実施形態では、イネーブルトランジスタT5は、電流源1300をイネーブル(又は選択)するか、あるいは漏れを除いて電流フローをオフにすることによって電流源1300をディセーブル(又は選択解除)するために使用される。電流源1300は、カスコード増幅器(T2、T4、R2を含み得る)を有する。一実施形態では、イネーブルトランジスタT5は、カスコード増幅器をイネーブル又はディセーブルするために使用され得、このドライバ回路負荷を、使用されないときのために、低リークを有するキャパシタンスのみになるように変更する。システムは、電流源1300を制御するための制御信号を発する制御回路804を含む。制御信号の1つ(Enable)は、回路1300をイネーブル/ディセーブルするためにT5のゲートに印加される。
図10の説明で述べたように、一実施形態では、バイアス電圧VGNは、カスコードモードと非カスコードモードとの間で選択するために使用され得る。一実施形態では、回路1300は、一方がカスコードモード(イネーブルされたとき)で動作し、他方が非カスコードモード(イネーブルされたとき)で動作するように複製される。したがって、各回路へのバイアス電圧VGNは、一方の回路又は他方の回路を選択するために使用されるそれぞれのイネーブルトランジスタT5を用いて、固定値のままであり得る。一実施形態において、T3のゲートへのバイアス電圧VGNRは、R10とT20との間のノードから提供される。しかしながら、T3のゲートへのバイアス電圧VGNRは、
図10B又は
図10Cに関して図示及び説明されるように提供され得る。
【0087】
図14は、閾値切替セレクタを有するプログラマブル抵抗メモリセルを読み出すときに、電流源1400を2つのモードで動作させるシステムの一実施形態の概略図である。電流源1400は、カレントミラーカスコード回路(又は「カスコードカレントミラー」)と呼ばれることがある。トランジスタT33及びT34は電流ミラーを形成する。基準電流I_Refは、T33に入力され、T34によってミラーリングされる。トランジスタT33は入力トランジスタと呼ぶことができ、トランジスタT34は出力トランジスタと呼ぶことができる。トランジスタT34は、出力電流Isourceをメモリアレイに供給する。トランジスタT31はT33と直列である。トランジスタT32はT34と直列である。一実施形態では、回路1400は、T32、T34、及びR32を含み得るカスコード増幅器を含む。カスコード増幅器は、入力段及び出力段と呼ばれる2つの段を有し得る。一実施形態では、入力段は、本明細書でカスコードトランジスタと呼ばれることがあるトランジスタT32を含む。一実施形態では、T32のゲートは、カスコード増幅器の入力と呼ばれ得る。T32のゲートは、バイアス電圧VGによってバイアスされ得る。一実施形態では、出力段は、本明細書では出力トランジスタと呼ばれることがあるトランジスタT34を含む。一実施形態では、T34のドレインは、カスコード増幅器の出力と呼ばれ得る。電流源1400は、電流源802の一実施形態内に実装される。システムは、電流源1400を制御するための制御信号を発する制御回路804を含む。一実施形態において、制御回路804は、ステートマシン262内に実装されるが、これに限定されない。制御信号の1つは、バイアス電圧VGの大きさを制御して2つのモードの間で選択するために使用される。一実施形態では、比較的高いバイアス電圧が電流源1400を非カスコードモードで動作させ、より低いバイアス電圧が電流源1400をカスコードモードで動作させる。一実施形態では、VGとして0Vを印加することは、電流源1000をディセーブルにする。電流源1400がディセーブルされる場合、次いで、異なる電流源が、選択されたメモリセルに電流を提供するために使用され得る。抵抗器R31及びR32は、同じサイズであってもよい。抵抗器R31及びR32は、0オーム(すなわち、除去される)以上であってもよい。R31及びR32に対するより高い抵抗は、T31とT32との間のより大きいミスマッチを可能にし得る一方で、依然として、出力電流が目標パーセンテージを上回って変動することが維持される。電圧V_lowは接地されてもよいが、接地される必要はない。
【0088】
図14の回路1400は、T32と並列にバイパストランジスタを追加すること、及び/又はT32と直列にイネーブルトランジスタを追加することによって変更され得る。したがって、T32は、カスコードモード又は非カスコードモードのいずれかを提供するために、T4(
図12参照)をバイパスすることと同様にバイパスされ得る。また、回路1400は、
図14の回路1300で説明したイネーブルトランジスタT5と同様のイネーブルトランジスタを用いてイネーブル/ディセーブルされ得る。
【0089】
図15は、閾値切替セレクタを有するプログラマブル抵抗メモリセルを読み出すときに、電流源1500を非カスコードモードで動作させるシステムの一実施形態の概略図である。電流源1500は、電流源802の一実施形態内に実装される。電流源1500は、トランジスタT8及びT9によって形成される電流ミラーを有する。開始トランジスタT10は、基準電流(I_ref)が電流源1500への入力として提供されるかどうかを制御する。イネーブルトランジスタT11は、電流源1500をイネーブル/ディセーブルする。電流源1500は、カスコードトランジスタを有さず、カスコードモードで動作しない。一実施形態では、回路1000、1020、1040、1200、1300、又は1400のバージョンなどのバージョンをイネーブルにすることなどによって、電流源1500が非カスコードモードのためにイネーブルにされ、異なる電流源がカスコードモードのためにイネーブルにされる。
【0090】
図16Aは、閾値切替セレクタを有するプログラマブル抵抗メモリセルを読み出すときに、電流源1600を2つのモード(例えば、カスコード、非カスコード)で動作させるシステムの一実施形態の概略図である。電流源1600は、電流源802の一実施形態内に実装される。回路1600は、pチャネル型のトランジスタを有する。回路1600の動作は、nチャネル回路1400と同様であってもよい。一実施形態では、T17のゲートへの回路1600内のバイパス信号は、非カスコードモード(T16にわたる短絡を提供する)に対してローであり得、カスコードモード(出力電流が一連のT13、T15、及びT16を通って流れる)に対してハイであり得る。一実施形態では、回路1600内のpチャネルトランジスタは、pチャネルトランジスタよりも大きい移動度(駆動)を有するnチャネルトランジスタを考慮して、回路1400内のnチャネルトランジスタよりも大きい。一実施形態では、回路1600内のpチャネルトランジスタは、回路1400内のnチャネルトランジスタのサイズの約2倍である。回路R15、T26、T27、R17、R14、T24、T25、R14は、VGPR又はVGPをバイアスするために使用されてもよく、又はそのようなバイアスは、
図8の制御回路804によって提供されてもよい。
【0091】
図16Aに示される回路1600の実施形態では、T14のゲートは、R16とT25との間のノードによって提供されるVGPRによってバイアスされる。
図16Bは、回路1620内のT14のゲートがT14とT18との間のノードに接続される代替バイアス技術を示す。
図16Cは、制御回路804が回路1640内のT14のゲートに電圧VGPRを供給する別の代替バイアス技術を示す。
【0092】
一実施形態では、カスコードトランジスタ(例えば、T4、T16)は、非カスコードモードで動作するためにバイパスされるか、カスコードモードで動作するためにバイパスされないかのいずれかである。
図17は、非カスコードモードとカスコードモードとの間で制御することがカスコードトランジスタをバイパスすべきかどうかを決定することを伴うプロセス1700の一実施形態のフローチャートである。プロセス1700は、プロセス900の一実施形態についての更なる詳細を提供する。プロセス1700は、カスコードトランジスタをバイパスすることを伴う。プロセス1700は、回路1300、1400、又は1600のいずれかを使用することができるが、それらに限定されない。ステップ1702は、電流源内のカスコードトランジスタをバイパスすることを含む。一実施形態では、バイパストランジスタT6をオンにしてカスコードトランジスタT4を過ぎて短絡させるために、バイパストランジスタT6のゲートに電圧が印加される。[
図16A、16B、又は16Cの回路1600の場合、バイパス信号はバイパストランジスタT17に印加され得る。
図14の回路1400では、T32の両端にバイパストランジスタを追加することができる。]。ステップ1702は、電流源を非カスコードモードで動作させるプロセス900のステップ902の一実施形態である。
【0093】
ステップ1704は、選択されたメモリセルに出力電流(Icurrent)を供給することを含む。一実施形態では、選択されたビット線に選択電圧が印加されている間に、選択されたワード線に電流が供給される。ステップ1704は、プロセス900のステップ904の一実施形態である。
【0094】
ステップ1706は、閾値切替セレクタがオンになったかどうかの判定を含む。この判定は、閾値切替セレクタがオンに切り替わるのに十分な時間を与えるために、最初に電流を供給した後に所定の時間待機することに基づくことができる。閾値切替セレクタがまだオンになっていない場合、システムは非カスコードモードのままである。閾値切替セレクタがオンにされた後、システムはカスコードモードに切り替わってもよい。ステップ1706は、非カスコードモード又はカスコードモードで動作すべきかどうかを決定するプロセス900のステップ906の一実施形態である。
【0095】
閾値切替セレクタがオンにされたと判定したことに応答して、ステップ1708において、バイパストランジスタは、カスコードトランジスタT4(又は
図16のT16又は
図14のT32)をバイパスすることを停止するためにオフにされ得る。ステップ1708は、カスコードモードで電流源を動作させるプロセス900のステップ908の一実施形態である。ステップ1710は、閾値切替セレクタがオンのままである間に、選択されたメモリセルを通して出力電流(Icurrent)を駆動することを含む。ステップ1712は、電流が選択されたメモリセルを通して駆動されている間に、選択されたメモリセルの両端の電圧を感知することを含む。
【0096】
一実施形態では、システムは、2つの異なる回路の間で選択して、非カスコードモード又はカスコードモードのいずれかを提供する。
図18は、非カスコードモードとカスコードモードとの間で制御することが2つの異なる回路の間で選択することを伴うプロセス1800の一実施形態のフローチャートである。プロセス1800は、プロセス900の一実施形態についての更なる詳細を提供する。説明のために、1つの回路をカスコード回路と呼び、別の回路を非カスコード回路と呼ぶ。電流源1000、1020、1040、1200、1300、1400、1600、1620、及び1640はそれぞれ、カスコード回路又は非カスコード回路のいずれかとして動作する能力を有する。
図15の回路1500は、非カスコード回路として動作してもよい。これにより、カスコード回路とノンカスコード回路の回路の組み合わせを幅広く選択することができる。
【0097】
ステップ1802は、カスコード回路をディセーブルにすることを含む。ステップ1804は、非カスコード回路をイネーブルにすることを含む。T5又はT19へのイネーブル信号は、ステップ1802~1804で使用することができる。一実施形態では、イネーブルトランジスタが、
図14の回路1400内のT34と直列に追加される。ステップ1802~1804は共に、非カスコードモードで電流源を動作させるプロセス900のステップ902の一実施形態である。ステップ1806は、非カスコード回路の出力電流(Icurrent)を選択されたメモリセルに提供することを含む。一実施形態では、選択されたビット線に選択電圧が印加されている間に、選択されたワード線に電流が供給される。ステップ1806は、電流源を非カスコードモードで動作させるプロセス900のステップ904の一実施形態である。
【0098】
ステップ1808は、閾値切替セレクタがオンになったかどうかの判定を含む。この判定は、閾値切替セレクタがオンに切り替わるのに十分な時間を与えるために、最初に電流を供給した後に所定の時間待機することに基づくことができる。閾値切替セレクタがまだオンになっていない場合、システムは非カスコードモードのままである。閾値切替セレクタがオンにされた後、システムはカスコードモードに切り替わってもよい。ステップ1808は、非カスコードモード又はカスコードモードで動作すべきかどうかを決定するプロセス900のステップ906の一実施形態である。
【0099】
閾値切替セレクタがオンにされたと決定することに応答して、ステップ1810において、カスコード回路がイネーブルされる。ステップ1812において、非カスコード回路がディセーブルされる。このような変化は、ほぼ同時であってもなくてもよい。T5又はT16へのイネーブル信号は、ステップ1810~1812で使用することができる。ステップ1810~1812は共に、カスコードモードで電流源を動作させるプロセス900のステップ908の一実施形態である。ステップ1814は、閾値切替セレクタがオンのままである間に、選択されたメモリセルを通してカスコード回路の出力電流を駆動することを含む。ステップ1816は、電流が選択されたメモリセルを通して駆動されている間に、選択されたメモリセルの両端の電圧を感知することを含む。
【0100】
一実施形態では、カスコードトランジスタのゲートへのバイアス電圧は、非カスコードモードとカスコードモードとの間で選択するために使用される。
図19は、非カスコードモードとカスコードモードとの間の制御がカスコードトランジスタのゲートへのバイアス電圧の大きさを伴う、プロセス1900の一実施形態のフローチャートである。プロセス1900は、プロセス900の一実施形態についての更なる詳細を提供する。プロセス1900は、非カスコードモードとカスコードモードの両方で動作するが、異なる時間に動作する1つの回路を使用することができる。プロセス1900は、一方がカスコードモードで動作し、他方が非カスコードモードで動作する2つの異なる回路を使用することができる。
【0101】
ステップ1902は、電流回路内のカスコードトランジスタのゲートに高電圧を印加することを含む。電流回路は、電流源1000、1020、1040、1200、1300、1400、1600、1620、又は1640を含むことができるが、これらに限定されない。カスコードトランジスタは、電流源1000、1020、1040、1200、又は1300のいずれかにおけるT4、電流源1600、1620、又は1640のいずれかにおけるT16、又は電流源1400内のT32を含み得るが、それに限定されない。プロセス1900において2つの回路が使用される場合、ステップ1902は、非カスコードモードのために使用されるべき回路内のイネーブルトランジスタT5をオンにすることと、カスコードモードのために使用されることになる回路内のイネーブルトランジスタT5をオフにすることとを含み得る。ステップ1902は、電流源を非カスコードモードで動作させるプロセス900のステップ902の一実施形態である。ステップ1904は、電流回路の出力電流を選択されたメモリセルに供給することを含む。一実施形態では、選択されたビット線に選択電圧が印加されている間に、選択されたワード線に電流が供給される。ステップ1904は、電流源を非カスコードモードで動作させるプロセス900のステップ904の一実施形態である。
【0102】
ステップ1906は、閾値切替セレクタがオンになったかどうかの判定を含む。この判定は、閾値切替セレクタがオンに切り替わるのに十分な時間を与えるために、最初に電流を供給した後に所定の時間待機することに基づくことができる。閾値切替セレクタがまだオンになっていない場合、システムは非カスコードモードのままである。閾値切替セレクタがオンにされた後、システムはカスコードモードに切り替わってもよい。ステップ1906は、非カスコードモード又はカスコードモードで動作すべきかどうかを決定するプロセス900のステップ906の一実施形態である。
【0103】
閾値切替セレクタがオンにされたと判定することに応答して、ステップ1908において、より低い電圧が電流回路中のカスコードトランジスタのゲートに印加される。これは、非カスコードモードに使用されたのと同じ電流回路であってもよいし、異なる回路であってもよい。ステップ1908はまた、カスコードモードのために使用されるべき回路内のイネーブルトランジスタT5をオンにすることと、非カスコードモードのために使用された回路内のイネーブルトランジスタT5をオフにすることとを含み得る。ステップ1908は、カスコードモードで電流源を動作させるプロセス900のステップ908の一実施形態である。ステップ1910は、閾値切替セレクタがオンのままである間に、選択されたメモリセルを通して出力電流を駆動することを含む。ステップ1912は、電流が選択されたメモリセルを通して駆動されている間に、選択されたメモリセルの両端の電圧を感知することを含む。
【0104】
図20は、グローバル参照読み出し動作のプロセス2000の一実施形態のフローチャートである。システムは、2つのモード(例えば、非カスコードモード及びカスコードモード)で電流源を動作させる。一実施形態では、閾値切替セレクタを有するプログラマブル抵抗メモリセルが読み出される。一実施形態では、OTSを有するMRAMセルが読み出される。しかしながら、メモリセルはMRAMである必要はなく、閾値切替セレクタはOTSである必要はない。プロセス2000は、
図21A及び
図21Bを参照して説明される。
図21Aは、電流対時間を示す。
図21Bは、選択されたメモリセルの両端の電圧の電圧対時間を示す。
【0105】
ステップ2002は、選択されたビット線に選択電圧を印加することを含む。ステップ2004は、選択電流を生成するために電流源を非カスコードモードで動作させることを含む。「選択電流」という用語は、閾値切替セレクタをオンに切り替えるのに適した大きさの電流及び電圧を有する電流を意味する。ステップ2006は、選択されたワード線に選択電流を駆動して、閾値切替セレクタをオンにすることを含む。
図21Aを参照して、時刻t1において、電流がI
sourceまで増加される。t1とt3との間では、電流源は非カスコードモードで動作するが、十分な電源電圧が利用可能である場合にはカスコードモードで動作することができる。破線2110は、選択電流を表す。
図21Bを参照すると、メモリセルの両端の電圧は、t1からt2まで増加する。閾値切替セレクタは、t1~t2の間はオフである。t1とt2の間では、電流によってワード線電圧が上昇する。当該電流はまた、経路内のいかなる漏れもサポートする。いったん閾値切替セレクタの両端の電圧が閾値切替セレクタ502の閾値電圧V
thに達すると、閾値切替セレクタはオンになり、(t2で)低抵抗状態に切り替わる。したがって、直列結合x-y選択アドレス選択トランジスタと閾値切替セレクタ素子502と抵抗メモリ素子との間の電圧は、閾値切替セレクタがt2までオフ状態にあるので、t1とt2との間でランプアップする。
図21Bを参照して、閾値切替セレクタ502は、t2からt3の間、オン(低抵抗状態)のままである。いったん閾値切替セレクタ502が(t2で)オン状態になると、電流は選択されたメモリセル401を通って流れる。メモリセルの両端間の電圧は、経路内のアドレス選択トランジスタ及び金属抵抗と共に、メモリ素子702の直列抵抗及び閾値切替セレクタ502のオン状態抵抗に依存するレベルまで降下する。メモリセルが2つの状態のみを記憶するバイナリの実施形態では、メモリセルはHRS及びLRSを有する。HRS及びLRSに対する電流に応答して、直列接続されたメモリ素子702及び閾値切替セレクタ502の両端の結果として得られる電圧は、それぞれ線2130及び2140として示される。
【0106】
ステップ2008は、選択ステージに留まるか、又は感知ステージに変更するかの決定を含む。変更は、閾値切替セレクタがオンに切り替わった後に行われる。この決定は、閾値切替セレクタがオンに切り替わるのに十分な時間を与えるために、最初に電流を供給した後に所定の時間待機することに基づくことができる。ステップ2008は、非カスコードモードに留まるかカスコードモードに変更するかを決定するプロセス900のステップ906の一実施形態である。感知ステージに入ることを決定することに応答して、電流源は、より正確な読み取り電流を生成するために、ステップ2010においてカスコードモードで動作される。ステップ2012は、閾値切替セレクタがオンのままである間に、選択されたワード線に読み出し電流を駆動して、選択されたメモリセルに読み出し電流を強制的に流すことを含む。
図21Aを参照すると、電流源は、t3においてカスコードモードに入る。線2120は、カスコードモード中の読み出し電流を表す。読み出し電流の大きさは、選択電流の大きさとほぼ同じであってもよい。例えば、各電流は約15uAであり得る。しかしながら、読み出し電流は、選択電流よりもメモリセルの両端間の電圧(電流源の出力における電圧に影響を与える)の大きさに依存しない。したがって、読み出し電流の大きさは、より正確である必要がある場合、t3の後に目標の大きさに非常に近くなる。
図21Bを参照すると、メモリセルの両端の電圧は、カスコードモードに入った後、ほぼ同じままであり得る。閾値切替セレクタ502は、オン状態のままである。HRS及びLRSに対する電流に応答して、直列接続されたメモリ素子702及び閾値切替セレクタ502の両端の結果として得られる電圧は、それぞれ線2130及び2140として示される。
【0107】
ステップ2014は、電流が選択されたメモリセルを通して駆動されている間に、選択されたメモリセルの両端の電圧を感知することを含む。メモリセルは、t3においてカスコードモードに入ってから短時間後に感知され得る。ステップ2016は、メモリセルの状態を判定するために、感知された電圧を共通基準電圧と比較することを含む。「共通基準電圧」は、いくつかの異なるメモリセルに対する比較電圧として使用される基準電圧である。この共通基準電圧は、HRSの典型的な電圧とLRSの典型的な電圧との間の中間であり得る。
【0108】
図22は、自己参照型読み出し動作のプロセス2200の一実施形態のフローチャートである。システムは、2つのモード(例えば、非カスコードモード及びカスコードモード)で電流源を動作させる。一実施形態では、閾値切替セレクタを有するプログラマブル抵抗メモリセルが読み出される。一実施形態では、OTSを有するMRAMセルが読み出される。しかしながら、メモリセルはMRAMである必要はなく、閾値切替セレクタはOTSである必要はない。プロセス2200は、
図23A及び
図23Bを参照して説明される。
図23Aは、電流対時間を示す。
図23Bは、選択されたメモリセルの両端の電圧の電圧対時間を示す。
【0109】
ステップ2202は、非カスコードモードを使用して選択素子をオンにするためにセルを選択する第1の読み出しを実行し、その後、電流源に対してカスコードモードでより正確な電流を使用する読み出しを実行することを含む。非カスコードモードは、閾値切替セレクタをオンにするために使用される。カスコードモードは、メモリセルを検知又は読み出すときに使用される。一実施形態では、プロセス2000のステップ2002~2014が実行される。ステップ2204は、第1の読み出しにおいてメモリセルを感知することからの電圧を記憶することを含む。
図23Aを参照して、時刻t1において電流が増加する。t1とt3との間では、電流源は非カスコードモードで動作する。破線2302は、非カスコードモード中の選択電流を表す。線2304は、t3とt4との間のカスコードモード中の読み出し電流を表す。
図23Bは、t1からt4の間のメモリセルの両端の電圧を示し、これは
図21Bのセルの両端の電圧と同様である。線2310は、HRSの電圧を表す。線2312は、LRSの電圧を表す。
【0110】
ステップ2206は、書き込み電流を生成するために電流源を非カスコードモードで動作させることを含む。「書き込み電流」という用語は、選択されたセルのメモリセルプログラマブル抵抗メモリ素子の抵抗を変化させるのに適した大きさを有する電流を意味する。ステップ2208は、閾値切替セレクタが依然としてオンにされている状態で、選択されたワード線に、かつ選択されたセルを通して書き込み電流を駆動することを含む。
図23Aを参照して、時刻t4において、電流をI
writeまで増加させる。t4とt5との間で、電流源は、非カスコードモードで動作され、以前の非カスコード電流選択から実質的に、おそらく2倍に増加され得る。破線2306は、書き込み電流を表す。
図23Bを参照すると、セルの両端の電圧は、t4において、線2322(LRS)と線2320(HRS)のいずれかに増加する。t4とt5との間のある時点で、セルがLRSにあった場合、セルはHRSに切り替わる。したがって、t5までに、セルは、常にHRS内にあり得る(線2320)。
【0111】
ステップ2210は、読み出し電流を生成するためにカスコードモードで電流源を動作させることを含む。ステップ2212は、閾値切替セレクタがオンのままである間に、選択されたワード線に読み出し電流を駆動して、選択されたメモリセルに読み出し電流を強制的に流すことを含む。
図23Aを参照すると、電流源は、t5においてカスコードモードに入る。線2308は、カスコードモード中の読み出し電流を表す。
図23Bを参照して、読み出し電流の大きさが書き込み電流よりも小さいため、メモリセルの両端間の電圧は低下する。線2330は、メモリセルが現在HRSにあることを示す。
【0112】
ステップ2214は、読み出し電流が選択されたメモリセルを通して駆動されている間に、選択されたメモリセルの両端の電圧を感知することを含む。メモリセルは、t5においてカスコードモードに入った後に整定時間を見込んだ後に感知され得る。ステップ2216は、メモリセルの状態を判定するために、検知された電圧を第1の読み出しからの記憶された電圧と比較することを含む。第1の読み出しからの記憶された電圧は、調整され得る(例えば、150mvだけ上又は下に調整され得、mram cdは20nm、そのRAは10、読み出し電流は約15uaであり得る)。メモリセルの元の状態の判定は、第1の調整された読み出し電圧と第2の読み出し電圧との間の差に依存する。例えば、第1のサンプリングされた電圧が上方調整され、書き込みがHRSからHRSであった場合、セルが元々HRSにあった場合、第2のサンプリングされた電圧は、第1の上方調整された電圧よりも低くなるはずである。しかしながら、セルが元々LRSであった場合、第2のサンプリングされた電圧は、150mVの第1の読み出し電圧の調整に対して約350mVの電圧のより大きな変化を伴うHRSのより高い電圧に起因して、第1の上方調整された電圧よりも高くなるはずである。
【0113】
図24は、書き込み動作のプロセス2400の一実施形態のフローチャートである。システムは、非カスコードモードで電流源を動作させてもよい。一実施形態では、閾値切替セレクタを有するプログラマブル抵抗メモリセルが書き込まれる。一実施形態では、OTSを有するMRAMセルが書き込まれる。しかしながら、メモリセルはMRAMである必要はなく、閾値切替セレクタはOTSである必要はない。
【0114】
ステップ2402は、選択されたビット線に選択電圧を印加することを含む。ステップ2404は、選択電流を生成するために電流源を非カスコードモードで動作させることを含む。「選択電流」という用語は、閾値切替セレクタをオンに切り替えるのに適した大きさの電流及び電圧を有する電流を意味する。ステップ2406は、選択されたワード線に選択電流を駆動して、閾値切替セレクタをオンにすることを含む。
【0115】
ステップ2408は、選択ステージに留まるか、又は書き込みステージに変更するかの決定を含む。変更は、閾値切替セレクタがオンに切り替わった後に行われる。この決定は、閾値切替セレクタがオンに切り替わるのに十分な時間を与えるために、最初に電流を供給した後に所定の時間待機することに基づくことができる。書き込みステージに入ることを決定することに応答して、電流源は、書き込み電流を生成するために、ステップ2410において非カスコードモードで動作され続ける。しかしながら、書き込み電流は、選択電流よりも大きい大きさを有し得る。ステップ2412は、閾値切替セレクタがオンのままである間に、選択されたワード線に書き込み電流を駆動して、選択されたメモリセルに書き込み電流を強制的に流すことを含む。
【0116】
図25は、グローバル参照読み出し動作のプロセス2500の一実施形態のフローチャートである。システムは、カスコードモードで電流源を動作させ得る。一実施形態では、閾値切替セレクタを有するプログラマブル抵抗メモリセルが読み出される。一実施形態では、OTSを有するMRAMセルが読み出される。しかしながら、メモリセルはMRAMである必要はなく、閾値切替セレクタはOTSである必要はない。
【0117】
ステップ2502は、選択されたビット線に選択電圧を印加することを含む。ステップ2504は、選択電流を生成するためにカスコードモードで電流源を動作させることを含む。「選択電流」という用語は、閾値切替セレクタをオンに切り替えるのに適した大きさの電流及び電圧を有する電流を意味する。ステップ2506は、選択されたワード線に選択電流を駆動して、閾値切替セレクタをオンにすることを含む。
【0118】
ステップ2508は、選択ステージに留まるか、又は感知ステージに変更するかの決定を含む。変更は、閾値切替セレクタがオンに切り替わった後に行われる。この決定は、閾値切替セレクタがオンに切り替わるのに十分な時間を与えるために、最初に電流を供給した後に所定の時間待機することに基づくことができる。感知ステージに入ることを決定することに応答して、電流源は、読み出し電流を生成するために、ステップ2510においてカスコードモードで動作され続ける。ステップ2512は、閾値切替セレクタがオンのままである間に、選択されたワード線に読み出し電流を駆動して、選択されたメモリセルに読み出し電流を強制的に流すことを含む。
【0119】
ステップ2514は、電流が選択されたメモリセルを通して駆動されている間に、選択されたメモリセルの両端の電圧を感知することを含む。ステップ2516は、メモリセルの状態を判定するために、感知された電圧を共通基準電圧と比較することを含む。「共通基準電圧」は、いくつかの異なるメモリセルに対する比較電圧として使用される基準電圧である。この共通基準電圧は、HRSの典型的な電圧とLRSの典型的な電圧との間の中間であり得る。
【0120】
上記を考慮して、一実施形態によれば、装置は、メモリアレイに接続するように構成された電流源を備えることが分かり得る。電流源は、出力電流を供給するように構成された出力を有する。メモリアレイは、複数のメモリセルを含む。各メモリセルは、閾値切替セレクタと直列のメモリ素子を備える。それぞれのメモリセルの閾値切替セレクタは、それぞれのメモリセルのメモリ素子を選択するオン状態と、それぞれのメモリセルのメモリセルを選択解除するオフ状態とを有する。当該装置は、電流源に結合された1つ以上の制御回路を備える。1つ以上の制御回路は、メモリアレイに接続するように構成される。1つ以上の制御回路は、選択されたメモリセルの閾値切替セレクタをオンにするために選択されたメモリセルに出力電流を供給するために出力が第1のコンダクタンスを有する第1のモードで電流源を動作させるように構成される。1つ以上の制御回路は、選択されたメモリセルの閾値切替セレクタがオンにされたままである間に、選択されたメモリセルのメモリ素子を通して出力電流を駆動するために出力が第2のコンダクタンスを有する第2のモードで電流源を動作させるように構成される。1つ以上の制御回路は、選択されたメモリセルのメモリ素子を通して出力電流を駆動しながら、選択されたメモリセルの両端の電圧を感知するように構成される。
【0121】
更なる実施形態では、1つ以上の制御回路は、選択されたメモリセルの閾値切替セレクタがオンにされたままである間に、選択されたメモリセルに書き込むために選択されたメモリセルのメモリ素子を通して出力電流を駆動するために、選択されたメモリセルの両端の電圧を感知した後に、電流源を第1のモードで動作させるように更に構成される。
【0122】
更なる実施形態では、1つ以上の制御回路は、選択されたメモリセルの閾値切替セレクタがオンにされたままである間に、選択されたメモリセルを通して出力電流を駆動するために、選択されたメモリセルを書き込んだ後に電流源を第2のモードで動作させるように更に構成される。1つ以上の制御回路は、選択されたメモリセルを書き込んだ後に、選択されたメモリセルのメモリ素子を通して出力電流を駆動しながら、選択されたメモリセルの両端の電圧を感知するように更に構成される。1つ以上の制御回路は、選択されたメモリセルに書き込む前の感知された電圧を、選択されたメモリセルに書き込んだ後の感知された電圧と比較するように更に構成される。
【0123】
更なる実施形態では、電流源は、出力電流を供給するために出力に結合されたカスコードトランジスタを有するカスコード電流源を備える。電流源は、カスコードトランジスタの両端に並列に結合されたバイパストランジスタを有する。バイパストランジスタは、カスコードトランジスタの短絡バイパスを作成するように構成された第1の状態と、バイパストランジスタがオフである第2の状態とを有する。1つ以上の制御回路は、バイパストランジスタを第1の状態にして、出力電流がバイパストランジスタを流れる第1のモードで電流源を動作させるように更に構成される。1つ以上の制御回路は、バイパストランジスタを第2の状態にして、出力電流がカスコードトランジスタを通って流れる第2のモードで電流源を動作させるように更に構成され、カスコードトランジスタのゲートはカスコード増幅器の入力である。
【0124】
更なる実施形態では、電流源は、出力電流を供給するために出力に結合されたカスコードトランジスタを有するカスコード電流源を備える。1つ以上の制御回路は、カスコードトランジスタのゲートに第1の電圧を印加して、電流源を第1のモードで動作させ、選択されたメモリセルに出力電流を供給して、選択されたメモリセルの閾値切替セレクタをオンにするように更に構成される。1つ以上の制御回路は、選択されたメモリセルの閾値切替セレクタがオンのままである間に、カスコードトランジスタのゲートに第2の電圧を印加して、電流源を第2のモードで動作させて、選択されたメモリセルのメモリ素子を通して出力電流を駆動するように更に構成される。第1の電圧は第2の電圧より大きい。
【0125】
更なる実施形態では、電流源は、電流源の出力に結合された第1の出力トランジスタを有する第1の回路を更に備える。電流源は、電流源の出力に結合されたカスコードトランジスタを有するカスコード電流源を有する第2の回路を備える。1つ以上の制御回路は、第1の出力トランジスタから選択されたメモリセルに出力電流を供給して、選択されたメモリセルの閾値切替セレクタをオンにするために、電流源を第1のモードで動作させるように、第1の回路をイネーブルにし、第2の回路をディセーブルにするように更に構成される。1つ以上の制御回路は、カスコードトランジスタから選択されたメモリセルのメモリ素子を通して出力電流を駆動するために、電流源を第2のモードで動作させるために、第2の回路をイネーブルにし、第1の回路をディセーブルにするように更に構成される。
【0126】
更なる実施形態では、第1の回路は、第1の出力トランジスタと直列に結合された第1のイネーブルトランジスタを更に備える。第2の回路は、カスコードトランジスタと直列に結合された第2のイネーブルトランジスタを更に備える。1つ以上の制御回路は、第1の出力トランジスタを電流源の出力に接続するように第1のイネーブルトランジスタを動作させ、電流源を第1のモードで動作させるために、電流源の出力からカスコードトランジスタを切断するように第2のイネーブルトランジスタを動作させるように更に構成される。1つ以上の制御回路は、第1の出力トランジスタを電流源の出力から切断するように第1のイネーブルトランジスタを動作させ、電流源を第2のモードで動作させるためにカスコードトランジスタを電流源の出力に接続するように第2のイネーブルトランジスタを動作させるように更に構成される。
【0127】
更なる実施形態では、電流源は、第1の基準電流を受け取るために第1の入力に結合された第1の入力ミラートランジスタと、第1の基準電流を出力にミラーリングするために出力に結合された第1の出力ミラートランジスタとを有する第1の電流ミラーを備える。電流源は、第1の出力ミラートランジスタと直列に結合されたカスコードトランジスタを有する。電流源は、第1の入力ミラートランジスタと直列に結合された第1の開始トランジスタを有する。電流源は、第2の基準電流を受け取るために第2の入力に結合された第2の入力ミラートランジスタと、第2の基準電流を出力にミラーリングするために出力に結合された第2の出力ミラートランジスタとを有する第2の電流ミラーを備える。電流源は、第2の入力ミラートランジスタと直列に結合された第2の開始トランジスタを有する。1つ以上の制御回路は、電流源を第1のモードで動作させるとき、第1の基準電流を第1の入力ミラートランジスタに通過させ、電流源を第2のモードで動作させるとき、第1の基準電流を第1の入力ミラートランジスタから遮断するように第1の開始トランジスタを動作させるように構成される。1つ以上の制御回路は、電流源を第2のモードで動作させるとき、第2の基準電流を第2の入力ミラートランジスタに通過させ、電流源を第1のモードで動作させるとき、第2の基準電流を第2の入力ミラートランジスタから遮断するように第2の開始トランジスタを動作させるように構成される。
【0128】
更なる実施形態では、装置はメモリアレイを備える。各メモリセルのメモリ素子は、プログラマブル抵抗メモリ素子を含む。
【0129】
更なる実施形態では、各メモリセルの閾値切替セレクタは、オボニック閾値スイッチ(OTS)を備える。
【0130】
更なる実施形態では、選択されたメモリセルは、第1のメモリセルである。1つ以上の制御回路は、電流源を第1のモードで動作させて、第2の選択されたメモリセルに出力電流を供給して、第2の選択されたメモリセルの閾値切替セレクタをオンにするように更に構成される。1つ以上の制御回路は、第2の選択されたメモリセルに書き込むために選択されたメモリセルの閾値切替セレクタがオンにされたままである間に、第2の選択されたメモリセルのメモリ素子を通して出力電流を駆動するために電流源を第1のモードで動作させ続けるように更に構成される。
【0131】
更なる実施形態では、選択されたメモリセルは、第1のメモリセルである。1つ以上の制御回路は、電流源を第2のモードで動作させて、出力電流を第2の選択されたメモリセルに提供して、第2の選択されたメモリセルの閾値切替セレクタをオンにするように更に構成される。1つ以上の制御回路は、第2の選択されたメモリセルの閾値切替セレクタがオンにされたままである間、第2の選択されたメモリセルのメモリ素子を通して出力電流を駆動するために、電流源を第2のモードで動作させ続けるように更に構成される。また、1つ以上の制御回路は、第2の選択されたメモリセルのメモリ素子を通して出力電流を駆動しながら、第2の選択されたメモリセルの両端の電圧を感知するように更に構成される。
【0132】
一実施形態は、メモリを動作させる方法を含む。当該方法は、クロスポイントメモリアレイ内の選択されたビット線に選択電圧を印加するステップを含み、選択されたビット線は、クロスポイントメモリアレイ内の選択されたプログラマブル抵抗メモリセルに接続される。当該方法は、電流源を第1のモードで動作させることを含み、第1のモードでは、電流源の出力によって供給される出力電流が、出力における電圧とともに第1のレートで変化して選択電流を生成する。当該方法は、選択されたプログラマブル抵抗メモリセルの閾値切替セレクタをオンにするために、選択されたプログラマブル抵抗メモリセルに接続された選択されたワード線に選択電流を供給することを含む。当該方法は、電流源を第2のモードで動作させることを含み、第2のモードでは、出力電流が出力における電圧とともに第2のレートで変化して読み出し電流を生成し、第2のレートは第1のレートよりも低い。当該方法は、閾値切替セレクタがオンのままである間に、選択されたプログラマブル抵抗メモリセルのプログラマブル抵抗メモリ素子を通して読み出し電流を駆動することを含む。当該方法は、プログラマブル抵抗メモリ素子を通して読み出し電流を駆動しながら、選択されたプログラマブル抵抗メモリセルの両端の電圧を感知することを含む。
【0133】
一実施形態は、プログラマブル抵抗メモリセルを有するクロスポイントメモリアレイを有するメモリシステムを含む。各プログラマブル抵抗メモリセルは、閾値切替セレクタと直列のプログラマブル抵抗メモリ素子を有する。メモリシステムは、基準電流を受け取るために入力に結合された第1のトランジスタと、基準電流を出力にミラーリングするために電流源の出力に結合された第2のトランジスタとを有する電流ミラーを備える電流源を有する。電流源は、第1のトランジスタと直列に結合された第3のトランジスタと、第2のトランジスタと直列に結合された第4のトランジスタとを更に備える。メモリシステムは、クロスポイントメモリアレイ及び電流源に結合された1つ以上の制御回路を有する。1つ以上の制御回路は、第4のトランジスタを非カスコードモードで動作させることを含めて、選択電流を生成するために電流源を第1のモードで動作させるように構成される。1つ以上の制御回路は、クロスポイントメモリアレイ内の選択されたメモリセルに選択電流を供給して、選択されたメモリセルの閾値切替セレクタをオンにするように構成される。1つ以上の制御回路は、第4のトランジスタをカスコードモードで動作させることを含めて、読み出し電流を生成するために電流源を第2のモードで動作させるように構成される。1つ以上の制御回路は、閾値切替セレクタがオンのままである間に、選択されたメモリセルを通して読み出し電流を駆動するように構成される。1つ以上の制御回路は、選択されたメモリセルを通して読み出し電流を駆動しながら、選択されたメモリセルの両端の電圧を感知するように構成される。
【0134】
本明細書の目的のために、明細書中の「実施形態」、「一実施形態」、「いくつかの実施形態」又は「別の実施形態」に対する言及は、異なる実施形態又は同一の実施形態について記述するために使用されることがある。
【0135】
本明細書の目的のために、接続とは、直接的な接続又は間接的な接続(例えば、1つ以上の他の部分を介して)であり得る。場合によっては、ある要素が別の要素に接続されるか又は結合されると言及される場合、この要素は、他の要素に直接的に接続されてもよく、又は、介在要素を介して他の要素に間接的に接続されてもよい。ある要素が別の要素に直接的に接続されていると言及される場合、この要素と他の要素との間には介在要素は存在しない。2つのデバイスは、それらが互いの間で電子信号を交換することができるように直接的に又は間接的に接続されている場合、「通信状態」にある。
【0136】
本明細書の目的のために、「基づいて」という用語は、「少なくとも部分的に基づいて」と読むことができる。
【0137】
本明細書の目的のために、追加の文脈がない、「第1の」物体、「第2の」物体、及び「第3の」物体などの数値的な用語の使用は、物体の順序を示唆するものではなく、代わりに、異なる物体を識別するための識別目的で使用されることがある。
【0138】
本明細書で使用され得るように、「頂部」及び「底部」、「上部」及び「下部」、並びに「垂直」及び「水平」という用語と、これらの形態とは、例としてであり、例示のためのみであり、参照されたものが位置及び向きにおいて交換され得る限り、本技術の説明を限定することは意図されていない。また、本明細書で使用するとき、「実質的に」及び/又は「約」という用語は、指定された寸法又はパラメータが、所与の用途の許容可能な許容範囲内で変化し得ることを意味する。
【0139】
前述の詳細な説明は、例示及び説明の目的のために提示されている。前述の詳細な説明は、網羅的であること、又は開示された正確な形態に限定することを意図したものではない。多くの修正形態及び変形形態が、上記の教示に鑑みて可能である。説明した実施形態は、提案した技術の原理及びその実際の用途を最もよく説明するために選択されたものであり、それによって、当業者が様々な実施形態で、企図される特定の使用法に適するように様々な修正を伴って、この技術を最も良いように利用することを可能にする。本範囲は、本明細書に添付の請求項によって定義されることが意図されている。
【外国語明細書】