(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001693
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】ブリッジチップ、半導体記憶装置、及び、メモリシステム
(51)【国際特許分類】
G06F 13/16 20060101AFI20231227BHJP
G06F 12/06 20060101ALI20231227BHJP
G06F 12/00 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
G06F13/16 510D
G06F12/06 515H
G06F12/00 564A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100525
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】弁理士法人イトーシン国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白石 幹雄
【テーマコード(参考)】
5B160
【Fターム(参考)】
5B160CC01
5B160CC05
5B160MM01
(57)【要約】
【課題】分配順序を守りつつ分離動作を継続することができるブリッジチップを提供する。
【解決手段】本実施形態のブリッジチップは、第1選択回路と、第2選択回路と、制御回路とを有する。第1選択回路は、入力データ及び入力データが有効か無効かを示す入力フラグの出力先を第1選択信号に基づき決定する。第2選択回路は、第1選択回路から出力された入力データ及び入力フラグの出力先を第2選択信号に基づき決定する。制御回路は、第1選択信号及び第2選択信号を生成し、第1選択信号及び第2選択信号をそれぞれ第1選択回路及び第2選択回路に出力する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力データ及び前記入力データが有効か無効かを示す入力フラグの出力先を第1選択信号に基づき決定する第1選択回路と、
前記第1選択回路から出力された前記入力データ及び前記入力フラグの出力先を第2選択信号に基づき決定する第2選択回路と、
前記第1選択信号及び前記第2選択信号を生成し、前記第1選択信号及び前記第2選択信号をそれぞれ前記第1選択回路及び前記第2選択回路に出力する制御回路と、
を有するブリッジチップ。
【請求項2】
前記第1選択回路の出力を第1動作クロックの立ち上がりエッジに同期して取り込む第1レジスタと、
前記第2選択回路の出力を前記第1動作クロックが2分周された第2動作クロックの立ち上がりエッジに同期して取り込む第1レジスタと、
を有する請求項1に記載のブリッジチップ。
【請求項3】
前記制御回路は、リセット解除時点又はリセット解除後に前記入力フラグがハイレベルに立ち上がると起動する起動回路と、
前記起動回路が起動されると、前記第1動作クロックの立ち上がりエッジに同期してレベルが反転する前記第1選択信号を出力する第1カウンタと、
を有する請求項2に記載のブリッジチップ。
【請求項4】
前記制御回路は、前記入力フラグがハイレベルの場合、前記第1動作クロックの立ち上がりエッジに同期してレベルが反転する出力信号を出力する第2カウンタと、
前記出力信号と前記第1選択信号の信号レベルが一致しているか否かを検出する不一致検出回路と、
前記不一致検出回路の検出結果を前記第1動作クロックの立ち上がりエッジに同期して取り込み、前記第2選択信号として出力するレジスタと、
を更に有する請求項3に記載のブリッジチップ。
【請求項5】
入力データ及び前記入力データが有効か無効かを示す入力フラグの出力先を第1選択信号に基づき決定する第1選択回路と、前記第1選択回路から出力された前記入力データ及び前記入力フラグの出力先を第2選択信号に基づき決定する第2選択回路と、前記第1選択信号及び前記第2選択信号を生成し、前記第1選択信号及び前記第2選択信号をそれぞれ前記第1選択回路及び前記第2選択回路に出力する制御回路と、を有するブリッジチップと、
前記ブリッジチップに接続された複数のメモリチップと、
を有する半導体記憶装置。
【請求項6】
請求項5に記載の半導体記憶装置と、
前記半導体記憶装置と電気的に接続され、前記複数のメモリチップへのデータの書き込みを制御するコントローラと、
を有するメモリシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、ブリッジチップ、半導体記憶装置、及び、メモリシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
コントローラと複数のメモリチップとの間にブリッジチップを配置した半導体記憶装置が知られている。この半導体記憶装置では、コントローラから複数のメモリチップへのアクセスがブリッジチップを介して行われる。
【0003】
ブリッジチップは、コントローラからの書き込みデータをアクセス対象のメモリチップの数のデータに分離して各メモリチップに送信する分離回路を備える。分離回路は、アクセス対象のメモリチップへのデータの分配順序を守りながら分離動作を継続することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008-537265号公報
【特許文献2】特表2012-531635号公報
【特許文献3】特開2021-177366号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態は、分配順序を守りつつ分離動作を制御することができるブリッジチップ、半導体記憶装置、及び、メモリシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態のブリッジチップは、第1選択回路と、第2選択回路と、制御回路とを有する。第1選択回路は、入力データ及び入力データが有効か無効かを示す入力フラグの出力先を第1選択信号に基づき決定する。第2選択回路は、第1選択回路から出力された入力データ及び入力フラグの出力先を第2選択信号に基づき決定する。制御回路は、第1選択信号及び第2選択信号を生成し、第1選択信号及び第2選択信号をそれぞれ第1選択回路及び第2選択回路に出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係るメモリシステムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態に係るデマルチプレクサの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係る制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施形態に係る制御回路の構成の一例を示す回路図である。
【
図5】第1の実施形態のデマルチプレクサの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図6】第1の実施形態のデマルチプレクサの他の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図7】第1の実施形態のデマルチプレクサの更に他の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図8】第1の実施形態のデマルチプレクサの更に他の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【
図9】変形例に係る制御回路の構成の一例を示す回路図である。
【
図10】第2の実施形態に係るブリッジチップの構成を示すブロック図である。
【
図11】第3の実施形態に係るブリッジチップの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るメモリシステムの構成例を示すブロック図である。本実施形態のメモリシステムMSは、コントローラ1と、半導体記憶装置2とを備える。メモリシステムMSは、ホストと接続可能である。ホストは、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯端末などの電子機器である。
【0009】
半導体記憶装置2は、ブリッジチップ3と、2つのメモリチップ4a及び4bとを備える。ブリッジチップ3は、コントローラ1と2つのメモリチップ4a及び4bとの間に配置されている。このような構成により、コントローラ1とメモリチップ4a及び4bとのデータ転送速度を、コントローラ1とメモリチップ4a及び4bとを直接接続した構成に比べて約2倍に向上させている。
【0010】
なお、半導体記憶装置2は、2つのメモリチップ4a及び4bを有しているが、3つ以上のメモリチップを有していてもよい。コントローラ1と3つ以上のメモリチップとのデータ転送速度は、メモリチップの数に応じた倍速に向上可能である。ブリッジチップ3、メモリチップ4a及び4bは、それぞれが半導体チップとして形成されている。半導体記憶装置2は、ブリッジチップ3、メモリチップ4a及び4bのそれぞれが異なるパッケージとして実装されてもよいし、それぞれが積層されたMCP(Multi Chip Package)として実装されてもよい。メモリリップ4a及び4bは、例えば、NAND型フラッシュメモリ等の不揮発性メモリのメモリチップである。
【0011】
コントローラ1は、ホストからの書き込みリクエストに従って、メモリチップ4a及び4bへのデータの書き込みを制御する。また、コントローラ1は、ホストからの読み出しリクエストに従って、メモリチップ4a及び4bからのデータの読み出しを制御する。なお、
図1に示すメモリシステムMSの構成は、コントローラ1を用いた半導体記憶装置2へのデータの書き込み、及び、半導体記憶装置2からのデータの読み出しに関係する構成のうち、書き込み動作に関係する各ブロックと、各ブロック間で送受信される信号とを示している。
【0012】
ブリッジチップ3は、クロック発生器11と、制御器12と、コントローラ側インターフェイス13と、FIFOバッファ14と、デマルチプレクサ15と、メモリ側インターフェイス16a及び16bとを備える。
【0013】
クロック発生器11は、制御クロックCK0、第1動作クロックCK1、及び、第2動作クロックCK2を生成する。第2動作クロックCK2は、第1動作クロックCK1を2分周したクロックである。
【0014】
クロック発生器11は、制御クロックCK0を制御器12に出力する。また、クロック発生器11は、第1動作クロックCK1をFIFOバッファ14及びデマルチプレクサ15に出力し、第2動作クロックCK2をデマルチプレクサ15、メモリ側インターフェイス16a及び16bに出力する。
【0015】
制御器12は、制御クロックCK0に基づきブリッジチップ3内の各ブロックを制御する。また、制御器12は、リセット信号RNを生成し、生成したリセット信号RNをデマルチプレクサ15に出力する。制御器12は、一定期間、リセット信号RNをローレベルにすることでリセットを行い、その後、リセット信号をハイレベルに立ち上げることでリセット解除を行う。
【0016】
コントローラ1と半導体記憶装置2との間の信号の送受信は、例えば、Toggle規格によって定められている。コントローラ1は、Toggle規格に従い、8ビットのデータDQ[7:0]をデータストローブ信号DQSの立ち上がりと立ち下がりの両方のエッジに同期したダブルデータレート(DDR)形式で半導体記憶装置2に転送する。8ビットのデータは、コントローラ側インターフェイス13に入力される。データストローブ信号DQSは、コントローラ側インターフェイス13及びFIFOバッファ14に入力される。
【0017】
コントローラ側インターフェイス13は、DDR形式で入力された8ビットのデータDQ[7:0]をデータストローブ信号DQSの立ち上がりエッジのみに同期した転送形式であるシングルデータレート(SDR)形式の16ビット信号に変換して、FIFOバッファ14に出力する。
【0018】
FIFOバッファ14は、データストローブ信号DQSの立ち上がりエッジに同期して、コントローラ側インターフェイス13から16ビットのデータを受け取る。そして、FIFOバッファ14は、クロック発生器11から供給される第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期して、コントローラ側インターフェイス13から受け取ったデータを入力データDIとしてデマルチプレクサ15に供給する。また、FIFOバッファ14は、デマルチプレクサ15に供給する入力データDIが有効か無効かを示す入力フラグFIを生成し、デマルチプレクサ15に供給する。
【0019】
デマルチプレクサ15は、入力フラグFIと入力データDIを第1出力フラグFO1、第1出力データDO1、第2出力フラグFO2及び第2出力データDO2に分離する。デマルチプレクサ15は、第1出力フラグFO1及び第1出力データDO1をメモリ側インターフェイス16aに出力し、第2出力フラグFO2及び第2出力データDO2をメモリ側インターフェイス16bに出力する。なお、デマルチプレクサ15の詳細な構成については、後述する
図2を用いて説明する。
【0020】
メモリ側インターフェイス16aは、デマルチプレクサ15から供給された16ビットの第1出力データDO1を8ビットのデータDQ1[7:0]に変換する。また、メモリ側インターフェイス16aは、第1出力フラグFO1の値に基づいて、データストローブ信号DQS1の停止と再開を制御する。メモリ側インターフェイス16aは、第2動作クロックCK2の立ち上がり及び立ち下がりエッジに同期して、データDQ1[7:0]及びデータストローブ信号DQ1をDDR形式でメモリチップ4aに供給する。
【0021】
メモリ側インターフェイス16bは、デマルチプレクサ15から供給された16ビットの第2出力データDO2を8ビットのデータDQ2[7:0]に変換する。また、メモリ側インターフェイス16bは、第2出力フラグFO2の値に基づいて、データストローブ信号DQS2の停止と再開を制御する。メモリ側インターフェイス16bは、第2動作クロックCK2の立ち上がり及び立ち下がりエッジに同期して、データDQ2[7:0]及びデータストローブ信号DQ2をDDR形式でメモリチップ4bに供給する。
【0022】
図2は、第1の実施形態に係るデマルチプレクサの構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、デマルチプレクサ15は、制御回路21と、マルチプレクサ22a、22b、22c及び22dと、フリップフロップ23a、23b、23c及び23dとを備える。
【0023】
デマルチプレクサ15に入力された第1動作クロックCK1は、制御回路21、フリップフロップ23a及び23bに供給される。また、デマルチプレクサ15に入力された第2動作クロックCK2は、フリップフロップ23c及び23dに供給される。また、デマルチプレクサ15に入力されたリセット信号RNは、制御回路21、フリップフロップ23a、23b、23c及び23dに供給される。
【0024】
入力フラグFIは、制御回路21に入力される。また、入力フラグFIは、入力データDIの最上位ビットに追加される。すなわち、nビットの入力データDIは、入力フラグFIが最上位ビットに追加され、n+1ビットのデータDATとしてマルチプレクサ22a及び22bに入力される。
【0025】
制御回路21は、入力フラグFI、第1動作クロックCK1及びリセット信号RNに基づき、入力ソート信号IS及び出力交換信号OXを生成する。制御回路21は、入力ソート信号ISをマルチプレクサ22a及び22bに出力し、出力交換信号OXをマルチプレクサ22c及び22dに出力する。なお、制御回路21の詳細な構成については、後述する
図3及び
図4を用いて説明する。
【0026】
マルチプレクサ22aの一方の入力端子には、データDATが入力され、他方の入力端子には、フリップフロップ23aからフィードバックされたデータが入力される。マルチプレクサ22aは、その制御端子に供給される入力ソート信号ISに基づき、入力されたデータのうちいずれか一方のデータを選択してフリップフロップ23aに出力する。
【0027】
具体的には、マルチプレクサ22aは、入力ソート信号ISがローレベルの信号の場合、データDATを選択してフリップフロップ23aに出力する。一方、マルチプレクサ22aは、入力ソート信号ISがハイレベルの場合、フリップフロップ23aからフィードバックされたデータを選択してフリップフロップ23aに出力する。
【0028】
マルチプレクサ22bの一方の入力端子には、フリップフロップ23bからフィードバックされたデータが入力され、他方の入力端子には、データDATが入力される。マルチプレクサ22bは、その制御端子に供給される入力ソート信号ISに基づき、入力されたデータのうちいずれか一方のデータを選択してフリップフロップ23bに出力する。
【0029】
具体的には、マルチプレクサ22bは、入力ソート信号ISがローレベルの場合、フリップフロップ23bからフィードバックされたデータを選択してフリップフロップ23bに出力する。一方、マルチプレクサ22bは、入力ソート信号ISがハイレベルの場合、データDATを選択してフリップフロップ23bに出力する。
【0030】
このように、データDATは、入力ソート信号ISがローレベルの場合、マルチプレクサ22aによって選択され、フリップフロップ23aに保持される。一方、データDATは、入力ソート信号ISがハイレベルの場合、マルチプレクサ22bによって選択され、フリップフロップ23bに保持される。すなわち、入力フラグFI及び入力データDIを含むデータDATは、制御回路21によって生成される入力ソート信号ISに基づいて、フリップフロップ23a又は23bに振り分けられる。このように、マルチプレクサ22a及び22bは、データDAT(入力データDI及びフラグFI)の出力先を入力ソート信号(第1選択信号)に基づき決定する。マルチプレクサ22a及び22bは、第1選択回路の一例である。
【0031】
フリップフロップ23aは、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期して、マルチプレクサ22aから出力されたn+1ビットのデータを保持する。フリップフロップ23aに保持されたデータは、マルチプレクサ22c、22dに入力される。また、フリップフロップ23aに保持されたデータは、マルチプレクサ22aの他方の入力端子にフィードバックされる。
【0032】
フリップフロップ23bは、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期して、マルチプレクサ22bからの出力されたn+1ビットのデータを保持する。フリップフロップ23bに保持されたデータは、マルチプレクサ22c、22dに入力される。また、フリップフロップ23bに保持されたデータは、マルチプレクサ22bの一方の入力端子にフィードバックされる。このように、フリップフロップ23a及び23bは、マルチプレクサ22a及び22bの出力を第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期して取り込む。フリップフロップ23a及び23bは、第1レジスタの一例である。
【0033】
マルチプレクサ22cの一方の入力端子にはフリップフロップ23aの出力が入力され、他方の入力端子にはフリップフロップ23bの出力が入力される。マルチプレクサ22cは、その制御端子に供給される出力交換信号OXに基づき、フリップフロップ23a及び23bの何れか一方から入力されたデータを選択してフリップフロップ23cに出力する。具体的には、マルチプレクサ22cは、出力交換信号OXがローレベルの信号の場合、フリップフロップ23aから出力されたデータを選択してフリップフロップ23cに出力する。一方、マルチプレクサ22cは、出力交換信号OXがハイレベルの場合、フリップフロップ23bから出力されたデータを選択してフリップフロップ23cに出力する。
【0034】
マルチプレクサ22dの一方の入力端子にはフリップフロップ23bの出力が入力され、他方の入力端子にはフリップフロップ23aの出力が入力されている。マルチプレクサ22dは、その制御端子に供給される出力交換信号OXに基づき、フリップフロップ23a及び23bの何れか一方から入力されたデータを選択してフリップフロップ23dに出力する。具体的には、マルチプレクサ22dは、出力交換信号OXがローレベルの信号の場合、フリップフロップ23bから出力された入力データを選択してフリップフロップ23dに出力する。一方、マルチプレクサ22dは、出力交換信号OXがハイレベルの場合、フリップフロップ23aから出力されたデータを選択してフリップフロップ23dに出力する。このように、マルチプレクサ22c及び22dは、フリップフロップ23a及び23bから入力されたn+1ビットのデータの出力先を出力交換信号OX(第2選択信号)に基づき選択的に交換する。マルチプレクサ22c及び22dは、第2選択回路の一例である。
【0035】
したがって、出力交換信号OXがローレベルの場合、フリップフロップ23aの出力がフリップフロップ23cに入力され、フリップフロップ23bの出力がフリップフロップ23dに入力される。一方、出力交換信号OXがハイレベルの場合、フリップフロップ23aの出力がフリップフロップ23dに入力され、フリップフロップ23bの出力がフリップフロップ23cに入力される。すなわち、フリップフロップ23a、23bの出力が交換されて、フリップフロップ23c、23dに入力される。
【0036】
フリップフロップ23cは、第2動作クロックCK2の立ち上がりエッジに同期して、マルチプレクサ22cから出力されたn+1ビットのデータを保持する。フリップフロップ23cに保持されたデータは、フリップフロップ23cから出力された後、nビットの第1出力データDO1と1ビットの第1出力フラグFO1に分離され、メモリ側インターフェイス16aに供給される。
【0037】
フリップフロップ23dは、第2動作クロックCK2の立ち上がりエッジに同期して、マルチプレクサ22dからの出力されたn+1ビットのデータを保持する。フリップフロップ23dに保持されたデータは、フリップフロップ23dから出力された後、nビットの第2出力データDO2と1ビットの第2出力フラグFO2に分離され、メモリ側インターフェイス16bに供給される。このように、フリップフロップ23c及び23dは、マルチプレクサ22c及び22dの出力を第2動作クロックCK2の立ち上がりエッジに同期して取り込む。フリップフロップ23c及び23dは、第2レジスタの一例である。
【0038】
図3は、第1の実施形態に係る制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、制御回路21は、1ビットカウンタ31a、31bと、起動回路32と、不一致検出回路33と、イネーブル付きレジスタ34とを備える。
【0039】
入力フラグFIは、1ビットカウンタ31a、起動回路32及びイネーブル付きレジスタ34に入力される。第1動作クロックCK1及びリセット信号RNは、共に、1ビットカウンタ31a、31b、起動回路32及びイネーブル付きレジスタ34に入力される。
【0040】
動作開始前、ローレベルのリセット信号RNが一定期間入力されると、1ビットカウンタ31a、31b、起動回路32及びイネーブル付きレジスタ34はリセットされる。1ビットカウンタ31a、31b、起動回路32及びイネーブル付きレジスタ34は、リセット期間中、それぞれローレベルの信号を出力する。
【0041】
リセット信号RNがハイレベルに立ち上がると、制御回路21は入力フラグFIがハイレベルに立ち上がるのを待つ状態になる。リセット信号RNが立ち上がった時点で入力フラグFIがローレベルの場合、入力フラグFIがハイレベルに立ち上がるまで、1ビットカウンタ31a、31b、起動回路32及びイネーブル付きレジスタ34の出力は、リセットされた状態から変化しない。
【0042】
起動回路32は、リセット信号RNがハイレベルに立ち上がった時点で、入力フラグFIがハイレベルであるか、又は、リセット信号RNがハイレベルに立ち上がった後に、入力フラグFIがローレベルからハイレベルに変化すると、ハイレベルの信号を1ビットカウンタ31bに出力する。その後、起動回路32の出力は、入力フラグFIの値にかかわらず、ハイレベルに保持される。
【0043】
1ビットカウンタ31bは、起動回路32からハイレベルの信号が入力されると、カウント動作を開始する。1ビットカウンタ31bは、ハイレベルの信号が入力されると(すなわち、起動回路32によって起動されると)、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期してレベルが反転する入力ソート信号ISを出力する。入力ソート信号ISは、不一致検出回路33に入力される。また、入力ソート信号ISは、第1選択信号として、制御回路21からマルチプレクサ22a及び22bに入力される。
【0044】
1ビットカウンタ31aは、入力フラグFIがハイレベルの場合、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期してレベルが反転する出力ソート信号OSを不一致検出回路33に出力する。一方、1ビットカウンタ31aは、入力フラグFIがローレベルの場合、出力ソート信号OSのレベルを変化させずに不一致検出回路33に出力する。
【0045】
1ビットカウンタ31aから出力される出力ソート信号OSは、デマルチプレクサ15に入力された入力データDIの正しい振り分け先を示す信号になる。入力データDIの正しい振り分け先は、出力ソート信号OSがローレベルのきは第1出力データDO1、ハイレベルのときは第2出力データDO2である。
【0046】
不一致検出回路33は、入力ソート信号ISと出力ソート信号OSとの信号レベルが一致しているか否かを検出する。不一致検出回路33は、入力ソート信号ISと出力ソート信号OSとの信号レベルが一致している場合、ローレベルの信号をイネーブル付きレジスタ34に出力する。一方、不一致検出回路33は、入力ソート信号ISと出力ソート信号OSとの信号レベルが一致していない場合、ハイレベルの信号をイネーブル付きレジスタ34に出力する。
【0047】
イネーブル付きレジスタ34は、入力フラグFIがローレベルの場合、出力交換信号OXのレベルを変えずに出力する。一方、イネーブル付きレジスタ34は、入力フラグFIがハイレベルの場合、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期して不一致検出回路33の出力を取り込み、出力交換信号OXとして出力する。出力交換信号OXは、第2選択信号として、制御回路21からマルチプレクサ22c及び22dに入力される。
【0048】
図4は、第1の実施形態に係る制御回路の構成の一例を示す回路図である。
図4は、
図3に示す制御回路21の詳細な回路構成を示している。
図4に示す回路構成において、
図3の各ブロックに対応する部分を破線で囲み、
図3の各ブロックと同一の符号を付している。
【0049】
1ビットカウンタ31aは、XORゲート41と、フリップフロップ42とにより構成される。起動回路32は、ORゲート43と、フリップフロップ44とにより構成される。1ビットカウンタ31bは、XORゲート45と、フリップフロップ46とにより構成される。不一致検出回路33は、XORゲート47により構成される。イネーブル付きレジスタ34は、マルチプレクサ48と、フリップフロップ49とにより構成される。
【0050】
XORゲート41の一方の入力端子には、入力フラグFIが入力される。また、XORゲート41の他方の入力端子には、フリップフロップ42からフィードバックされた出力ソート信号OSが入力される。
【0051】
XORゲート41は、入力フラグFIと出力ソート信号OSとの排他的論理和を演算し、演算結果をフリップフロップ42に出力する。具体的には、XORゲート41は、フリップフロップ42からフィードバックされた出力ソート信号OSのレベルを、入力フラグFIがローレベルの場合に反転せずにフリップフロップ42に出力し、ハイレベルの場合に反転してフリップフロップ42に出力する。
【0052】
フリップフロップ42は、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期して、XORゲート41の出力を取り込み、出力ソート信号OSとして出力する。出力ソート信号OSは、XORゲート41にフィードバックされるとともに、XORゲート47の一方の入力端子に入力される。これにより、入力フラグFIがハイレベルの場合、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期してレベルが反転する出力ソート信号OSが1ビットカウンタ31aから出力される。
【0053】
ORゲート43の一方の入力端子には、入力フラグFIが入力される。ORゲート43の他方の入力端子には、フリップフロップ44の出力信号がフィードバックされて入力される。ORゲート43は、入力フラグFIとフリップフロップ44からフィードバックされた信号とのOR演算を行い、演算結果をフリップフロップ44及びXORゲート45に出力する。フリップフロップ44は、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期して、ORゲート43の出力を取り込み、ORゲート43の他方の入力端子にフィードバックする。
【0054】
ORゲート43の出力は、フリップフロップ44の出力がローレベルの場合、入力フラグFIと同じ論理レベルとなる。また、ORゲート43の出力は、フリップフロップ44の出力がハイレベルの場合、ハイレベルとなる。そのため、リセット信号RNが立ち上がった後に入力フラグFIがハイレベルになると、フリップフロップ44の出力は、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期して、ハイレベルとなる。フリップフロップ44の出力はORゲート43にフィードバックされるため、ORゲート43の出力は、リセット信号RNが立ち上がった後に入力フラグFIがハイレベルになると、その後は入力フラグFIの値にかかわらず、常にハイレベルに保持される。
【0055】
XORゲート45の一方の入力端子には、ORゲート43の出力信号が入力され、他方の入力端子には、フリップフロップ46からフィードバックされた入力ソート信号ISが入力される。
【0056】
XORゲート45は、ORゲート43の出力信号と、フリップフロップ46からフィードバックされた入力ソート信号ISとの排他的論理和を演算し、演算結果をフリップフロップ46に出力する。XORゲート45は、ORゲート43の出力信号がローレベルの場合は、入力ソート信号ISのレベルを反転せずに、ORゲート43の出力信号がハイレベルの場合は、入力ソート信号ISのレベルを反転して、フリップフロップ46に出力する。
【0057】
フリップフロップ46は、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期して、XORゲート45の出力を取り込み、入力ソート信号ISとして出力する。これにより、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期してレベルが反転する入力ソート信号ISが1ビットカウンタ31bから出力される。
【0058】
入力ソート信号ISは、XORゲート45の他方の入力端子にフィードバックされるとともに、XORゲート47の他方の入力端子に入力される。また、入力ソート信号ISは、マルチプレクサ22a及び22bに第1選択信号として供給される。
【0059】
XORゲート47は、入力ソート信号ISと、出力ソート信号OSとの排他的論理和を演算し、演算結果をマルチプレクサ48に出力する。XORゲート47は、入力ソート信号ISと出力ソート信号OSとが等しい場合、ローレベルの出力信号をマルチプレクサ48に出力し、入力ソート信号ISと出力ソート信号OSとが等しくない場合、ハイレベルの出力信号をマルチプレクサ48に出力する。
【0060】
マルチプレクサ48の一方の入力端子には、XORゲート47の出力信号が入力される。マルチプレクサ48の他方の入力端子には、フリップフロップ49からフィードバックされた出力交換信号OXが入力される。また、マルチプレクサ48の制御端子には、入力フラグFIが選択信号として入力される。
【0061】
マルチプレクサ48は、入力フラグFIがローレベルの場合、フリップフロップ49からフィードバックされた出力交換信号OXを選択し、入力フラグFIがハイレベルの場合、XORゲート47の出力信号を選択してフリップフロップ49に出力する。
【0062】
フリップフロップ49は、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期して、マルチプレクサ48からの出力信号を取り込み、出力交換信号OXとして出力する。これにより、出力交換信号OXは、マルチプレクサ48の選択信号である入力フラグFIがハイレベルの場合だけ、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期して、XORゲート47の出力信号と同じ値に変化する。出力交換信号OXは、マルチプレクサ48の他方の入力端子にフィードバックされる。また、出力交換信号OXは、マルチプレクサ22c及び22dに第2選択信号として供給される。
【0063】
次に、このように構成されたデマルチプレクサ15の動作について説明する。
図5は、第1の実施形態のデマルチプレクサの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0064】
図5では、有効な入力データDIとして、入力データD
0~D
13がデマルチプレクサ15に供給される。そして、デマルチプレクサ15は、入力データD
0~D
13を偶数番の入力データD
0、D
2、D
4、D
6、D
8、D
10、及び、D
12の第1出力データDO1と、奇数番の入力データD
1、D
3、D
5、D
7、D
9、D
11、及び、D
13の第2出力データDO2とに振り分ける。
【0065】
時刻T11において、リセット信号RNがローレベルからハイレベルに立ち上がった後、時刻T12において、最初の入力データD0が第2動作クロックCK2の立ち下がりと同じタイミングで供給される。
【0066】
リセット信号RNがローレベルからハイレベルに立ち上がった後、入力フラグFIがローレベルからハイレベルに立ち上がると、起動回路32からハイレベルの信号が1ビットカウンタ31bに出力される。起動回路32は、リセット信号RNがローレベルに立ち下がるまで、ハイレベルの信号を1ビットカウンタ31bに出力する。
【0067】
1ビットカウンタ31bは、起動回路32からハイレベルの信号が入力されると、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期してレベルが反転する入力ソート信号ISを出力する。そのため、入力ソート信号ISは、リセット信号RNがローレベルに立ち下がるまで、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期してレベルが反転する。
【0068】
また、リセット信号RNがローレベルからハイレベルに立ち上がった後、入力フラグFIがローレベルからハイレベルに立ち上がると、1ビットカウンタ31aは、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期してレベルが反転する出力ソート信号OSを出力する。出力ソート信号OSは、入力フラグFIがハイレベルの期間には、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期してレベルが反転し、入力フラグFIがローレベルの期間には変化しない。
【0069】
入力データD0~D5は、入力ソート信号ISに基づき、マルチプレクサ22a又は22bに選択され、フリップフロップ23a又は23bに入力される。入力データDIは、入力ソート信号ISがローレベルの場合、マルチプレクサ22aによって選択され、フリップフロップ23aに取り込まれる。一方、入力データDIは、入力ソート信号ISがハイレベルの場合、マルチプレクサ22bによって選択され、フリップフロップ23bに取り込まれる。すなわち、入力データD0、D2、D4は、マルチプレクサ22aによって選択され、フリップフロップ23aに取り込まれる。一方、入力データD1、D3、D5は、マルチプレクサ22bによって選択され、フリップフロップ23bに取り込まれる。
【0070】
フリップフロップ23a及び23bに取り込まれた入力データは、いずれもマルチプレクサ22c及び22dに出力される。マルチプレクサ22cは、出力交換信号OXに基づき、フリップフロップ23a又は23bから出力された入力データを選択してフリップフロップ23cに出力する。また、マルチプレクサ22dは、出力交換信号OXに基づき、フリップフロップ23a又は23bから出力された入力データを選択してフリップフロップ23dに出力する。
【0071】
入力ソート信号IS及び出力ソート信号OSの信号レベルが同じ場合、不一致検出回路33からローレベルの信号がイネーブル付きレジスタ34に出力される。イネーブル付きレジスタ34は、入力フラグFIがハイレベルの場合、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期して不一致検出回路33の出力を取り込み、出力交換信号OXとして出力する。そのため、ローレベルの信号が出力交換信号OXとしてマルチプレクサ22c及び22dに入力される。
【0072】
これにより、フリップフロップ23aから出力された入力データD0、D2、D4は、マルチプレクサ22cによって選択され、フリップフロップ23cに取り込まれる。一方、フリップフロップ23bから出力された入力データD1、D3、D5は、マルチプレクサ22dによって選択され、フリップフロップ23dに取り込まれる。
【0073】
この結果、入力データD0~D5の6つのデータは、偶数番と奇数番に分離され、それぞれ第1出力データDO1、第2出力データDO2として出力される。
【0074】
データD5が入力された後、入力データDIが無効となる期間を挟んで、時刻T13において、入力データD6が第2動作クロックCK2の立ち上がりと同じタイミングで供給される。この場合、入力ソート信号ISがハイレベルの期間に入力データD6、D8、D10、D12が供給され、入力ソート信号ISがローレベルの期間に入力データD7、D9、D11、D13が供給される。そのため、偶数番の入力データD6、D8、D10、D12がマルチプレクサ22bに選択されフリップフロップ23bに取り込まれ、奇数番の入力データD7、D9、D11、D13がマルチプレクサ22aに選択されフリップフロップ23aに取り込まれる。
【0075】
時刻T13において、入力フラグFIがハイレベルに立ち上がると、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期してレベルが反転する出力ソート信号OSが1ビットカウンタ31aから出力される。この場合、入力ソート信号ISと出力ソート信号OSのレベルが一致していないため、不一致検出回路33からハイレベルの信号がイネーブル付きレジスタ34に出力される。これにより、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期してハイレベルに立ち上がった出力交換信号OXがイネーブル付きレジスタ34からマルチプレクサ22c及び22dに出力される。
【0076】
これにより、偶数番の入力データD6、D8、D10、D12がマルチプレクサ22cに選択されフリップフロップ23cに取り込まれ、奇数番の入力データD7、D9、D11、D13がマルチプレクサ22dに選択されフリップフロップ23dに取り込まれる。
【0077】
この結果、入力データD6~D13の8つのデータは、偶数番と奇数番に分離され、それぞれ第1出力データDO1、第2出力データDO2として出力される。
【0078】
このように、制御回路21は、入力ソート信号ISと出力ソート信号OSとの状態によってフリップフロップ23a及び23bの出力先(振り分け先)を交換するべきか否かを判定する。そして、制御回路21は、フリップフロップ23a及び23bの出力先を交換するべきでないと判定した場合、ローレベルの出力交換信号OXをマルチプレクサ22c及び22dに出力する。一方、制御回路21は、フリップフロップ23a及び23bの出力先を交換するべきと判定した場合、ハイレベルの出力交換信号OXをマルチプレクサ22c及び22dに出力する。
【0079】
上記の動作により、入力データD0~D13(有効な入力データDI)は、入力フラグFIがハイレベルである期間の到着順序で、第1出力データDO1、第2出力データDO2に振り分けられて出力される。また、入力フラグFIについても、入力データDIと組にしたn+1ビット信号として処理することにより、第1出力フラグFO1、第2出力フラグFO2に正しく振り分けることができる。
【0080】
以上により、ブリッジチップ3は、入力フラグFIが断続した場合でも、分配順序を守りつつ分離動作を制御することができる。
【0081】
図6は、第1の実施形態のデマルチプレクサの他の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図5のタイミングチャートでは、入力データD
0が第2動作クロックCK2の立ち下がりと同じタイミングで供給され、入力データD
6が第2動作クロックCK2の立ち上がりと同じタイミングで供給されている。
【0082】
これに対し、
図6のタイミングチャートでは、入力データD
0が第2動作クロックCK2の立ち上がりと同じタイミングで供給され、入力データD
6が第2動作クロックCK2の立ち下がりと同じタイミングで供給されている。
【0083】
具体的には、時刻T21において、リセット信号RNがローレベルからハイレベルに立ち上がった後、時刻T22において、最初の入力データD0が第2動作クロックCK2の立ち上がりと同じタイミングで供給されている。そして、データD5が入力された後、入力データDIが無効となる期間を挟んで、時刻T23において、入力データD6が第2動作クロックCK2の立ち下がりと同じタイミングで供給されている。
【0084】
時刻T23において、入力フラグFIがハイレベル、かつ、入力ソート信号ISと出力ソート信号OSの信号レベルが一致していない場合、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期して出力交換信号OXがハイレベルに立ち上がる。これにより、マルチプレクサ22c及び22dにおいて、入力データDIの出力先が交換されて、正しい出力先に出力される。
【0085】
この結果、入力データD0~D13は、偶数番と奇数番に分離され、それぞれ第1出力データDO1及び第2出力データDO2として出力される。
【0086】
図7は、第1の実施形態のデマルチプレクサの更に他の動作を説明するためのタイミングチャートである。
時刻T31において、リセット信号RNがローレベルからハイレベルに立ち上がった後、時刻T32において、最初の入力データD
0が第2動作クロックCK2の立ち下がりと同じタイミングで供給されている。その後、入力フラグF1及び入力データDIがランダムな周期で入力される。
【0087】
入力フラグF1及び入力データDIがランダムな周期で入力される場合であっても、時刻T33において、入力フラグFIがハイレベル、かつ、入力ソート信号ISと出力ソート信号OSの信号レベルが一致していない場合、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期して出力交換信号OXがハイレベルに立ち上がる。また、時刻T34において、入力フラグFIがハイレベル、かつ、入力ソート信号ISと出力ソート信号OSの信号レベルが一致している場合、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期して出力交換信号OXがローレベルに立ち下がる。
【0088】
この結果、入力データD0~D13は、偶数番と奇数番に分離され、それぞれ第1出力データDO1及び第2出力データDO2として出力される。
【0089】
図8は、第1の実施形態のデマルチプレクサの更に他の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図7のタイミングチャートでは、データD
0が第2動作クロックCK2の立ち下がりと同じタイミングで供給されている。
【0090】
これに対し、
図8のタイミングチャートでは、データD
0が第2動作クロックCK2の立ち上がりと同じタイミングで供給されている。
【0091】
具体的には、時刻T41において、リセット信号RNがローレベルからハイレベルに立ち上がった後、時刻T42において、最初の入力データD0が第2動作クロックCK2の立ち上がりと同じタイミングで供給されている。その後、入力フラグF1及び入力データDIがランダムな周期で入力される。
【0092】
入力フラグF1及び入力データDIがランダムな周期で入力される場合であっても、時刻T43において、入力フラグFIがハイレベル、かつ、入力ソート信号ISと出力ソート信号OSの信号レベルが一致していない場合、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期して出力交換信号OXがハイレベルに立ち上がる。また、時刻T44において、入力フラグFIがハイレベル、かつ、入力ソート信号ISと出力ソート信号OSの信号レベルが一致している場合、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期して出力交換信号OXがローレベルに立ち下がる。
【0093】
この結果、入力データD0~D13は、偶数番と奇数番に分離され、それぞれ第1出力データDO1及び第2出力データDO2として出力される。
【0094】
(変形例)
図9は、変形例に係る制御回路の構成の一例を示す回路図である。なお、
図9において、
図4と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0095】
図9に示すように、制御回路21Aは、
図4に示した制御回路21の1ビットカウンタ31bに代わり、1ビットカウンタ31cを用いて構成されている。1ビットカウンタ31cは、ANDゲート51と、インバータ52と、フリップフロップ46とにより構成されている。すなわち、1ビットカウンタ31cは、1ビットカウンタ31bのXORゲート45を、ANDゲート51及びインバータ52の組み合わせに置き換えて構成されている。
【0096】
ANDゲート51の一方の入力端子には、ORゲート43の出力信号が入力される。ANDゲート51の他方の入力端子には、インバータ52の出力信号が入力される。ANDゲート51は、ORゲート43の出力信号とインバータ52の出力信号とのAND演算を行い、演算結果をフリップフロップ46に出力する。
【0097】
フリップフロップ46は、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期してANDゲート51の出力信号を取り込み、入力ソート信号ISとして出力する。インバータ52は、フリップフロップ46から出力された入力ソート信号ISのレベルを反転し、ANDゲート51に出力する。
【0098】
このような構成により、ANDゲート51は、ORゲート43の出力がローレベルの場合、ローレベルを出力し、ORゲート43の出力がハイレベルの場合、インバータ52の出力と同じ論理レベルをフリップフロップ46に出力する。インバータ52の出力は、フリップフロップ46の出力である入力ソート信号ISのレベルを反転した値である。
【0099】
従って、1ビットカウンタ31cは、起動回路32によって起動されるまで、すなわち、ORゲート43の出力がハイレベルになるまではローレベルを出力するので、カウント動作を停止している。そして、1ビットカウンタ31cは、起動回路32によって起動された後、すなわち、ORゲート43の出力がハイレベルになった後は第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期して論理レベルが反転するカウント動作を行う。
【0100】
このように、1ビットカウンタ31cは、
図4に示した1ビットカウンタ31bと同様に、起動回路32によって起動されると、第1動作クロックCK1の立ち上がりエッジに同期してレベルが反転する入力ソート信号ISを出力する。そのため、制御回路21Aの動作は、1ビットカウンタ31bを1ビットカウンタ31cに置き換える前の動作と変わらない。
【0101】
一般的に、ANDゲート51とインバータ52の組み合わせは、XORゲート45よりも回路を構成するトランジスタの数が少ない。よって、1ビットカウンタ31cは、1ビットカウンタ31bよりも回路面積及び消費電力を削減することができる。
【0102】
なお、1ビットカウンタ31cは、
図4のXORゲート45に代わり、ANDゲート51とインバータ52の組み合わせを用いているが、このような構成に限定されるものではない。例えば、ANDゲート51とインバータ52の組み合わせに代わり、NORゲートとインバータの組み合わせを用いてもよい。ANDゲート51とインバータ52をNORゲートとインバータの組み合わせに代えることで、回路を構成するトランジスタの数を更に少なくすることができ、1ビットカウンタ31cよりも回路面積及び消費電力を更に削減することができる。
【0103】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
図10は、第2の実施形態に係るブリッジチップの構成を示すブロック図である。なお、
図10において、
図1と同様の構成には同一の符号を付している。また、
図10に示すブリッジチップ3Aは、ブリッジチップ3A内のデマルチプレクサの接続構成のみを示している。
【0104】
図10に示すように、ブリッジチップ3Aは、デマルチプレクサ15に加え、デマルチプレクサ15a及び15bを備える。デマルチプレクサ15、15a、15bは、2進木状に接続されている。具体的には、デマルチプレクサ15の出力段にデマルチプレクサ15a及び15bが接続されている。
【0105】
そして、デマルチプレクサ15から出力された第1出力フラグFO1及び第1出力データDO1がデマルチプレクサ15aに入力され、第2出力フラグFO2及び第2出力データDO2がデマルチプレクサ15bに入力される。
【0106】
このような構成により、デマルチプレクサ15、15a、15bは、入力フラグFIと、入力データDIとを、それぞれ第1′出力フラグFO1′~第4′出力フラグFO4′と、第1′出力データDO1′~第4′出力データDO4′とに振り分ける。なお、デマルチプレクサ15a、15bの構成は、
図2~
図4に示したデマルチプレクサ15と同じである。
【0107】
クロック発生器11は、第1動作クロックCK1及び第2動作クロックCK2に加え、第3動作クロックCK3を生成する。第3動作クロックCK3は、第2動作クロックCK2を2分周したクロックである。
【0108】
デマルチプレクサ15には、第1動作クロックCK1、第2動作クロックCK2及びリセット信号RNが入力される。デマルチプレクサ15a及び15bには、第2動作クロックCK2、第3動作クロックCK3及びリセット信号RNが入力される。
【0109】
デマルチプレクサ15は、第1動作クロックCK1、第2動作クロックCK2及びリセット信号RNに基づき、入力フラグFI及び入力データDIを、第1出力フラグFO1、第1出力データDO1、第2出力フラグFO2、第2出力データDO2に分離する。デマルチプレクサ15は、分離した第1出力フラグFO1及び第1出力データDO1をデマルチプレクサ15aに出力し、分離した第2出力フラグFO2及び第2出力データDO2をデマルチプレクサ15bに出力する。
【0110】
デマルチプレクサ15aは、第2動作クロックCK2、第3動作クロックCK3及びリセット信号RNに基づき、第1出力フラグFO1及び第1出力データDO1を、第1′出力フラグFO1′、第1′出力データDO1′、第3′出力フラグFO3′、第3′出力データDO3′に分離する。
【0111】
デマルチプレクサ15bは、第2動作クロックCK2、第3動作クロックCK3及びリセット信号RNに基づき、第2出力フラグFO2及び第2出力データDO2を、第2′出力フラグFO2′、第2′出力データDO2′、第4′出力フラグFO4′、第4′出力データDO4′に分離する。
【0112】
デマルチプレクサ15a及び15b内部において、第2動作クロックCK2、第3動作クロックCK3は、デマルチプレクサ15内部における第1動作クロックCK1、第2動作クロックCK2と同じ機能を果たす。
【0113】
このような構成により、ブリッジチップ3Aは、例えば半導体記憶装置2が4つのメモリチップを備えている場合、入力フラグFI及び入力データDIを第1′出力フラグFO1′~第4′出力フラグFO4′及び第1′出力データDO1′~第4′出力データDO4′に分離し、4つのメモリチップに送信することができる。
【0114】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
図11は、第3の実施形態に係るブリッジチップの構成を示すブロック図である。なお、
図11において、
図10と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。また、
図11に示すブリッジチップ3Bは、ブリッジチップ3B内のデマルチプレクサの接続構成のみを示している。
【0115】
図11に示すように、ブリッジチップ3Bは、デマルチプレクサ15、15a及び15bに加え、デマルチプレクサ15c~15fを備える。デマルチプレクサ15、15a~15fは、2進木状に接続されている。具体的には、デマルチプレクサ15の出力段にデマルチプレクサ15a及び15bが接続されている。また、デマルチプレクサ15aの出力段にデマルチプレクサ15c及び15dが接続されている。さらに、デマルチプレクサ15bの出力段にデマルチプレクサ15e及び15fが接続されている。
【0116】
そして、デマルチプレクサ15aから出力された第1′出力フラグFO1′及び第1′出力データDO1′がデマルチプレクサ15cに入力され、第3′出力フラグFO3′及び第3出力データDO3′がデマルチプレクサ15dに入力される。また、デマルチプレクサ15bから出力された第2′出力フラグFO2′及び第2′出力データDO2′がデマルチプレクサ15eに入力され、第4′出力フラグFO4′及び第4′出力データDO4′がデマルチプレクサ15fに入力される。
【0117】
このような構成により、デマルチプレクサ15、15a~15fは、入力フラグFIと、入力データDIとを、それぞれ第1″出力フラグFO1″~第8″出力フラグFO8″と、第1″出力データDO1″~第8″出力データDO8″とに振り分ける。デマルチプレクサ15c~15fの構成は、
図2~
図4に示したデマルチプレクサ15と同じである。
【0118】
クロック発生器11は、第1動作クロックCK1、第2動作クロックCK2、第3動作クロックCK3に加え、第4動作クロックCK4を生成する。第4動作クロックCK4は、第3動作クロックCK3を2分周したクロックである。
【0119】
デマルチプレクサ15c~15fには、第3動作クロックCK3、第4動作クロックCK4及びリセット信号RNが入力される。
【0120】
デマルチプレクサ15cには、デマルチプレクサ15aから第1′出力フラグFO1′及び第1′出力データDO1′が入力される。デマルチプレクサ15cは、第3動作クロックCK3、第4動作クロックCK4及びリセット信号RNに基づき、第1′出力フラグFO1′及び第1′出力データDO1′を、第1″出力フラグFO1″、第1″出力データDO1″、第5″出力フラグFO5″、第5″出力データDO5″に分離する。
【0121】
デマルチプレクサ15dには、デマルチプレクサ15aから第3′出力フラグFO3′及び第3′出力データDO3′が入力される。デマルチプレクサ15dは、第3動作クロックCK3、第4動作クロックCK4及びリセット信号RNに基づき、第3′出力フラグFO3′及び第3′出力データDO3′を、第3″出力フラグFO3″、第3″出力データDO3″、第7″出力フラグFO7″、第7″出力データDO7″に分離する。
【0122】
デマルチプレクサ15eには、デマルチプレクサ15bから第2′出力フラグFO2′及び第2′出力データDO2′が入力される。デマルチプレクサ15eは、第3動作クロックCK3、第4動作クロックCK4及びリセット信号RNに基づき、第2′出力フラグFO2′及び第2′出力データDO2′を、第2″出力フラグFO2″、第2″出力データDO2″、第6″出力フラグFO6″、第6″出力データDO6″に分離する。
【0123】
デマルチプレクサ15fには、デマルチプレクサ15bから第4′出力フラグFO4′及び第4′出力データDO4′が入力される。デマルチプレクサ15fは、第3動作クロックCK3、第4動作クロックCK4及びリセット信号RNに基づき、第4′出力フラグFO4′及び第4′出力データDO4′を、第4″出力フラグFO4″、第4″出力データDO4″、第8″出力フラグFO8″、第8″出力データDO8″に分離する。
【0124】
デマルチプレクサ15c~15f内部において、第3動作クロックCK3、第4動作クロックCK4は、デマルチプレクサ15内部における第1動作クロックCK1、第2動作クロックCK2と同じ機能を果たす。
【0125】
このような構成により、ブリッジチップ3Bは、例えば半導体記憶装置2が8つのメモリチップを備えている場合、入力フラグFI及び入力データDIを第1″出力フラグFO1″~第8″出力フラグFO8″及び第1″出力データDO1″~第8″出力データDO8″に分離し、8つのメモリチップに送信することができる。
【0126】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、一例として示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0127】
1…コントローラ、2…半導体記憶装置、3…ブリッジチップ、4a,4b…メモリチップ、11…クロック発生器、12…制御器、13…コントローラ側インターフェイス、14…FIFOバッファ、15,15a~15f…デマルチプレクサ、16a,16b…メモリ側インターフェイス、21…制御回路、22a~22d,48…マルチプレクサ、23a~23d,42,44,46,49…フリップフロップ、31a~31c…1ビットカウンタ、32…起動回路、33…不一致検出回路、34…イネーブル付きレジスタ、41,45,47…XORゲート、43…ORゲート、51…ANDゲート、52…インバータ。