(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169317
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】予測装置および予測方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20241128BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024067242
(22)【出願日】2024-04-18
(31)【優先権主張番号】P 2023085329
(32)【優先日】2023-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】320005501
【氏名又は名称】株式会社電通
(71)【出願人】
【識別番号】397073201
【氏名又は名称】株式会社電通総研
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】瀧澤 菜穂
(72)【発明者】
【氏名】田仲 浩
(72)【発明者】
【氏名】平山 知弘
(72)【発明者】
【氏名】小▲柳▼ 友美
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】よりユーザに適した提案をできるようにする。
【解決手段】ユーザの属性情報と、前記ユーザの性格・価値観に関する情報と、に基づき、学習済みの人工知能を用いて、前記ユーザが健康のために使ってもよいと考える金額と、前記ユーザの健康意識と、前記ユーザの健康行動と、を予測する予測手段を備え、前記ユーザの属性情報は、少なくとも、性別と、年齢と収入と、を含み、前記ユーザの性格・価値観に関する情報は、少なくとも、特別な価値を持つものを欲しいと思うか否かと、物を集めたいと思うか否かと、を含む、予測装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの属性情報と、前記ユーザの性格・価値観に関する情報と、に基づき、学習済みの人工知能を用いて、前記ユーザが健康のために使ってもよいと考える金額と、前記ユーザの健康意識と、前記ユーザの健康行動と、を予測する予測手段を備え、
前記ユーザの属性情報は、少なくとも、
性別と、
年齢と、
収入と、を含み、
前記ユーザの性格・価値観に関する情報は、少なくとも、
特別な価値を持つものを欲しいと思うか否かと、
物を集めたいと思うか否かと、を含む、予測装置。
【請求項2】
ユーザの属性情報と、前記ユーザの性格・価値観に関する情報と、に基づき、学習済みの人工知能を用いて、前記ユーザが健康のために使ってもよいと考える金額と、前記ユーザの健康意識と、前記ユーザの健康行動と、を予測する予測手段を備え、
前記ユーザの属性情報は、少なくとも、
性別と、
年齢と、
収入と、を含み、
前記ユーザの性格・価値観に関する情報は、少なくとも、
癒されたいと思うか否かと、
ストレスを取り除きたいと思うか否かと、
いい人間関係を築きたいと思うか否かと、
気持ちを共有したいと思うか否かと、
学びたいと思うか否かと、
探求したいと思うか否かと、
真新しいものを体験したいと思うか否かと、
愛情を注ぎたいと思うか否かと、
面倒を見たい、世話をしたいと思うか否かと、
社会・地域を守りたいと思うか否かと、
正しいことをしたいと思うか否かと、を含む、予測装置。
【請求項3】
前記ユーザの性格・価値観に関する情報は、さらに、
特別な価値を持つものを欲しいと思うか否かと、
物を集めたいと思うか否かと、を含む、請求項2に記載の予測装置。
【請求項4】
前記ユーザの属性情報は、さらに、
居住地と、
未既か既婚かと、
子どもの有無と、
職業と、
同居家族と、を含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の予測装置。
【請求項5】
前記ユーザが健康のために使ってもよいと考える金額は、前記ユーザが健康のための商品に使ってもよいと考える金額と、前記ユーザが健康のためのサービスに使ってもよいと考える金額と、を含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の予測装置。
【請求項6】
予測手段が、ユーザの属性情報と、前記ユーザの性格・価値観に関する情報と、に基づき、学習済みの人工知能を用いて、前記ユーザが健康のために使ってもよいと考える金額と、前記ユーザの健康意識と、前記ユーザの健康行動と、を予測するステップを備え、
前記ユーザの属性情報は、少なくとも、
性別と、
年齢と、
収入と、を含み、
前記ユーザの性格・価値観に関する情報は、少なくとも、
特別な価値を持つものを欲しいと思うか否かと、
物を集めたいと思うか否かと、を含む、予測方法。
【請求項7】
予測手段が、ユーザの属性情報と、前記ユーザの性格・価値観に関する情報と、に基づき、学習済みの人工知能を用いて、前記ユーザが健康のために使ってもよいと考える金額と、前記ユーザの健康意識と、前記ユーザの健康行動と、を予測するステップを備え、
前記ユーザの属性情報は、少なくとも、
性別と、
年齢と、
収入と、を含み、
前記ユーザの性格・価値観に関する情報は、少なくとも、
癒されたいと思うか否かと、
ストレスを取り除きたいと思うか否かと、
いい人間関係を築きたいと思うか否かと、
気持ちを共有したいと思うか否かと、
学びたいと思うか否かと、
探求したいと思うか否かと、
真新しいものを体験したいと思うか否かと、
愛情を注ぎたいと思うか否かと、
面倒を見たい、世話をしたいと思うか否かと、
社会・地域を守りたいと思うか否かと、
正しいことをしたいと思うか否かと、を含む、予測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予測装置および予測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザの属性、ユーザが抱える症状及びユーザの身体的目標の少なくとも1つ以上、食事記録および運動記録に基づいて、ユーザに提案する食事メニューを生成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-71655号公報
【非特許文献2】https://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2009053-0901.pdf
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、ユーザの健康意識を予測することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、
[1]
ユーザの属性情報と、前記ユーザの個人的欲求に関する第1情報と、前記ユーザの対人的欲求に関する第2情報と、前記ユーザの社会的欲求に関する第3情報と、に基づき、学習済の人工知能を用いて、前記ユーザの健康意識および健康行動(行動嗜好)の少なくとも一方を予測する予測手段を備える予測装置が提供される。
【0006】
[2]
[1]に記載の予測装置において、
前記第1情報、前記第2情報および前記第3情報は、前記ユーザへの質問に対する回答に基づくものであってもよい。
【0007】
[3]
[2]に記載の予測装置において、
前記第1情報、前記第2情報および前記第3情報のそれぞれは、複数の評価軸を含み、
前記質問は、前記複数の評価軸のいずれかに紐付けられていてもよい。
【0008】
[4]
[1]乃至[3]のいずれかに記載の予測装置において、
前記ユーザの健康意識および健康行動の少なくとも1つは、食に関する健康行動を含んでもよい。
【0009】
本発明の別の態様によれば、
[5]
ユーザの属性情報と、前記ユーザの個人的欲求に関する第1情報と、前記ユーザの対人的欲求に関する第2情報と、前記ユーザの社会的欲求に関する第3情報と、に基づき、学習済の人工知能を用いて、前記ユーザの健康意識および健康行動の少なくとも一方を予測するステップを含む予測方法が提供される。
【0010】
[6]
[5]に記載の予測方法において、
前記ユーザへの質問により、前記第1情報、前記第2情報および前記第3情報を把握するステップを含んでもよい。
【0011】
[7]
ユーザの属性情報と、前記ユーザの性格・価値観に関する情報と、に基づき、学習済みの人工知能を用いて、前記ユーザが健康のために使ってもよいと考える金額と、前記ユーザの健康意識と、前記ユーザの健康行動と、を予測する予測手段を備え、
前記ユーザの属性情報は、少なくとも、
性別と、
年齢と、
収入と、を含み、
前記ユーザの性格・価値観に関する情報は、少なくとも、
特別な価値を持つものを欲しいと思うか否かと、
物を集めたいと思うか否かと、を含む、予測装置。
【0012】
[8]
ユーザの属性情報と、前記ユーザの性格・価値観に関する情報と、に基づき、学習済みの人工知能を用いて、前記ユーザが健康のために使ってもよいと考える金額と、前記ユーザの健康意識と、前記ユーザの健康行動と、を予測する予測手段を備え、
前記ユーザの属性情報は、少なくとも、
性別と、
年齢と、
収入と、を含み、
前記ユーザの性格・価値観に関する情報は、少なくとも、
癒されたいと思うか否かと、
ストレスを取り除きたいと思うか否かと、
いい人間関係を築きたいと思うか否かと、
気持ちを共有したいと思うか否かと、
学びたいと思うか否かと、
探求したいと思うか否かと、
真新しいものを体験したいと思うか否かと、
愛情を注ぎたいと思うか否かと、
面倒を見たい、世話をしたいと思うか否かと、
社会・地域を守りたいと思うか否かと、
正しいことをしたいと思うか否かと、を含む、予測装置。
【0013】
[9]
前記ユーザの性格・価値観に関する情報は、さらに、
特別な価値を持つものを欲しいと思うか否かと、
物を集めたいと思うか否かと、を含む、[8]に記載の予測装置。
【0014】
[10]
前記ユーザの属性情報は、さらに、
居住地と、
未既か既婚かと、
子どもの有無と、
職業と、
同居家族と、を含む、[7]乃至[9]のいずれかに記載の予測装置。
【0015】
[11]
前記ユーザが健康のために使ってもよいと考える金額は、前記ユーザが健康のための商品に使ってもよいと考える金額と、前記ユーザが健康のためのサービスに使ってもよいと考える金額と、を含む、[7]乃至[9]のいずれかに記載の予測装置。
【0016】
[12]
予測手段が、ユーザの属性情報と、前記ユーザの性格・価値観に関する情報と、に基づき、学習済みの人工知能を用いて、前記ユーザが健康のために使ってもよいと考える金額と、前記ユーザの健康意識と、前記ユーザの健康行動と、を予測するステップを備え、
前記ユーザの属性情報は、少なくとも、
性別と、
年齢と、
収入と、を含み、
前記ユーザの性格・価値観に関する情報は、少なくとも、
特別な価値を持つものを欲しいと思うか否かと、
物を集めたいと思うか否かと、を含む、予測方法。
【0017】
[13]
予測手段が、ユーザの属性情報と、前記ユーザの性格・価値観に関する情報と、に基づき、学習済みの人工知能を用いて、前記ユーザが健康のために使ってもよいと考える金額と、前記ユーザの健康意識と、前記ユーザの健康行動と、を予測するステップを備え、
前記ユーザの属性情報は、少なくとも、
性別と、
年齢と、
収入と、を含み、
前記ユーザの性格・価値観に関する情報は、少なくとも、
癒されたいと思うか否かと、
ストレスを取り除きたいと思うか否かと、
いい人間関係を築きたいと思うか否かと、
気持ちを共有したいと思うか否かと、
学びたいと思うか否かと、
探求したいと思うか否かと、
真新しいものを体験したいと思うか否かと、
愛情を注ぎたいと思うか否かと、
面倒を見たい、世話をしたいと思うか否かと、
社会・地域を守りたいと思うか否かと、
正しいことをしたいと思うか否かと、を含む、予測方法。
【発明の効果】
【0018】
より精度よくユーザの健康意識を予測できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1実施形態に係る予測装置の概略構成を示すブロック図。
【
図4】第2実施形態に係る予測装置の概略構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0021】
図1は、第1実施形態に係る予測装置の概略構成を示すブロック図である。予測装置は予測手段1を備える。この予測手段1には、ユーザの属性情報と、そのユーザの個人的欲求に関する情報と、そのユーザの対人的欲求に関する情報と、そのユーザの社会的欲求に関する情報とが入力される。そして、予測手段1は、学習済の人工知能を用いて、上記各情報に基づいてユーザの健康意識および健康行動(行動嗜好)の少なくとも一方を予測する。
【0022】
予測手段1は、属性情報、個人的欲求に関する情報、対人的欲求に関する情報および社会的欲求に関する情報を説明変数(原因となる項目)とし、健康意識および/または健康行動を目的変数(予測する項目)とする人工知能とも言える。
【0023】
説明変数となる属性情報は、例えば年齢、性別、居住地域、婚姻状況、職業、収入であるが、これらに限られるものではない。
【0024】
ユーザの個人的欲求に関する情報、対人的欲求に関する情報および社会的欲求に関する情報のそれぞれは、1または複数の評価軸を含んでいてもよい。また、各評価軸が1または複数の項目を含んでいてもよい。そして、各評価軸や各項目に該当するか否か(あるいは、どの程度該当するか)が予測手段1に入力されてよい。
【0025】
図2Aは、個人的欲求に関する情報を例示する図である。個人的欲求に関する情報に含まれる評価軸の例は「所有」であり、これに含まれる項目の例は「特別な価値を持つものが欲しい」、「モノを集めたい」である。評価軸の別の例は「知的好奇心」であり、これに含まれる項目の例は「探求したい」、「学びたい」、「未知のものや真新しいものを体験したい」である。その他の評価軸として、「個性・自由」、「摂取・消費」、「活動・運動」、「将来展望」、「秩序」等が考えられる。
【0026】
図2Bは、対人的欲求に関する情報を例示する図である。対人的欲求に関する情報に含まれる評価軸の例は「やすらぎ」であり、これに含まれる項目の例は「癒されたい」、「ストレスをとりのぞきたい」である。評価軸の別の例は「愛情」であり、これに含まれる項目の例は「愛情を注ぎたい」、「面倒を見たい」、「世話をしたい」である。その他の評価軸として、「性・恋愛」、「反発」、「向上・達成」等が考えられる。
【0027】
図2Cは、社会的欲求に関する情報を例示する図である。社会的欲求に関する情報に含まれる評価軸の例は「つながり」であり、これに含まれる項目の例は、「いい人間関係を築きたい」、「気持ちを共有したい」である。評価軸の別の例は「社会的帰属」であり、これに含まれる項目の例は「社会・地域を守りたい」、「正しいことをしたい」である。
【0028】
予測手段1が、個人的欲求、対人的欲求および社会的欲求における各評価軸(あるいは項目)をユーザに提示し、該当するものをユーザに選択してもらうことが考えられる。
【0029】
目的変数となる健康意識および/または健康行動は、例えば食に対する健康行動を含んでもよい。具体例として、健康意識および/または健康行動は、健康のために自炊をするユーザであるか、食事の際に栄養バランスを考えるユーザであるか、健康のために何かする場合に効率を重視するユーザであるか、等が考えられる。
【0030】
このような予測手段1用の人工知能の学習には、アンケート調査を活用することが考えらえる。出願人の検討によれば、ユーザから所定の属性情報、個人的欲求に関する情報、対人的欲求に関する情報、社会的欲求に関する情報、健康意識および/または健康行動をアンケートで取得し、これを教師データとして学習を行うことで、高い精度で健康意識および/または健康行動を予測するモデルを作成できることを確認できた。
【0031】
以上述べたように、本実施形態の予測装置は、ユーザの属性情報、個人的欲求に関する情報、対人的欲求に関する情報および社会的欲求に関する情報に基づいて、ユーザの健康意識および/または健康行動を予測する。そのため、予測精度が向上し、ユーザにより適した(パーソナライズされた)提案が可能となる。
【0032】
例えば、健康アプリサービスの提供者が本予測装置を用いることで、自炊をするユーザには適切な食材を売っているスーパーを紹介する一方で、自炊をしないユーザには健康に良い食事を提供する飲食店を紹介することが可能となる。別の例として、ECサイトの運営者が本予測装置を用いることで、効率を重視するユーザにはより即効性がある商品をレコメンドすることが可能となる。
【0033】
上述した個人的欲求に関する情報、対人的欲求に関する情報および社会的欲求に関する情報は、ユーザに質問(アンケート)を行い、その回答から把握してもよい。把握の手法に制限はなく、ハードウェアが行ってもよいし、人手によって行ってもよい。
【0034】
図3は、ユーザへの質問を例示する図である。各質問は、個人的欲求に関する情報、対人的欲求に関する情報および社会的欲求に関する情報の1以上に紐付けられていてよい。また、各質問は評価軸の1以上に紐付けられていてもよく、項目の1以上に紐付けられていてもよい。
【0035】
例えば、質問1「○○ですか。」に対する回答が「はい」であるユーザは、「特別な価値を持つものが欲しい」に該当する。同質問に対する回答が「いいえ」であるユーザは、「特別な価値を持つものが欲しい」に該当しない。他の質問も同様である。このようにして得られた各情報が予測手段1に入力され、ユーザの健康意識および/または健康行動が予測される。
【0036】
このように、本実施形態によれば、ユーザに対するアンケート結果からユーザの健康意識および/または健康行動を予測できる。
【0037】
図4は、第2実施形態に係る予測装置の概略構成を示すブロック図である。この予測装置が有する予測手段1には、ユーザの属性情報と、ユーザの性格および/または価値観に関する情報とが入力される。そして、予測手段1は、学習済の人工知能を用い、入力された情報に基づいて、ユーザが健康のために使ってもよいと考える金額と、ユーザの健康意識と、ユーザの健康行動とのうち1以上を予測する。
【0038】
属性情報は、ユーザの性別、年齢、収入、居住地、未既か既婚か、子どもの有無、職業、同居家族の1以上を含むが、これらに限られるものではない。属性情報として、性別、年齢および収入を含むのが望ましく、居住地、未既か既婚か、子どもの有無、職業および同居家族をさらに含むのがより望ましい。
【0039】
ユーザの性格・価値観に関する情報は、例えば以下のものが例示される。
(1)特別な価値を持つものを欲しいと思うか否か
(2)物を集めたいと思うか否か
(3)癒されたいと思うか否かと、
(4)ストレスを取り除きたいと思うか否か、
(5)いい人間関係を築きたいと思うか否か
(6)気持ちを共有したいと思うか否か
(7)学びたいと思うか否か
(8)探求したいと思うか否か
(9)真新しいものを体験したいと思うか否か
(10)愛情を注ぎたいと思うか否か
(11)面倒を見たい、世話をしたいと思うか否か
(12)社会・地域を守りたいと思うか否か
(13)正しいことをしたいと思うか否か
【0040】
予測手段1は、上記(1)~(13)の1以上を含んでよく、例えば上記(1)および(2)を含んでいてもよいし、上記(3)~(13)を含んでいてもよいし、上記(1)~(13)を含んでいてもよい。
【0041】
出力されるユーザが健康のために使ってもよいと考える金額は、健康のための商品に使ってもよいと考える金額と、健康のためのサービスに使ってもよいと考える金額と、に分けてもよい。
【0042】
このような予測手段1用の人工知能の学習には、アンケート調査を活用することが考えらえる。出願人の検討によれば、ユーザから所定の属性情報、性格・価値観に関する情報、健康のために使ってもよいと考える金額、健康意識、健康行動をアンケートで取得し、これを教師データとして学習を行うことで、高い精度で健康のために使ってもよいと考える金額、健康意識、健康行動を予測するモデルを作成できることを確認できた。
【0043】
一例として、多数の被験者から、属性として性別、年齢および収入と、上記(1)~(13)の情報と、を取得し、予測モデルを作成した。そして、このモデルを適用した予測手段1から出力される健康のために使ってもよいと考える金額(0円、1~1000円未満、1000円以上の3値分類)と、ユーザがアンケートで回答した健康のために使ってもよいと考える金額(0円、1~1000円未満、1000円以上の3値分類)と、が高い精度で一致した。
【0044】
このように、本実施形態によれば、ユーザの属性情報と、性格・価値観に関する情報と、に基づき、学習済みの人工知能を用いて、健康のために使ってもよいと考える金額と、健康意識と、健康行動と、を予測できる。
【0045】
本明細書で述べた各機能部の任意の一部または全部をプログラムによって実現するようにしてもよい。本明細書で言及したプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に非一時的に記録して頒布されてもよいし、インターネットなどの通信回線(無線通信も含む)を介して頒布されてもよいし、任意の端末にインストールされた状態で頒布されてもよい。
【0046】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形例を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態には限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【0047】
例えば、本明細書において1台の装置(あるいは部材、以下同じ)として説明されるもの(図面において1台の装置として描かれているものを含む)を複数の装置によって実現してもよい。逆に、本明細書において複数の装置として説明されるもの(図面において複数の装置として描かれているものを含む)を1台の装置によって実現してもよい。あるいは、ある装置(例えばサーバ)に含まれるとした手段や機能の一部または全部が、他の装置(例えばユーザ端末)に含まれるようにしてもよい。また、「システム」とは、1台の装置から構成されてもよいし、2以上の装置(例えばサーバとユーザ端末、あるいは複数のユーザ端末)から構成されてもよい。
【0048】
また、本明細書に記載された事項の全てが必須の要件というわけではない。特に、本明細書に記載され、特許請求の範囲に記載されていない事項は任意の付加的事項ということができる。
【0049】
なお、本出願人は本明細書の「先行技術文献」欄の文献に記載された文献公知発明を知っているにすぎず、本発明は必ずしも同文献公知発明における課題を解決することを目的とするものではないことにも留意されたい。本発明が解決しようとする課題は本明細書全体を考慮して認定されるべきものである。例えば、本明細書において、特定の構成によって所定の効果を奏する旨の記載がある場合、当該所定の効果の裏返しとなる課題が解決されるということもできる。ただし、必ずしもそのような特定の構成を必須の要件とする趣旨ではない。
【符号の説明】
【0050】
1 予測手段