(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169324
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】弁位置監視装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
F16K 51/00 20060101AFI20241128BHJP
F16K 37/00 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
F16K51/00 F
F16K37/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024071583
(22)【出願日】2024-04-25
(31)【優先権主張番号】63/468367
(32)【優先日】2023-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/610419
(32)【優先日】2024-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】524160165
【氏名又は名称】アサヒ/アメリカ.インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Asahi/America, Inc.
【住所又は居所原語表記】655 Andover Street Lawrence, Massachusetts 01843 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100123869
【弁理士】
【氏名又は名称】押田 良隆
(72)【発明者】
【氏名】ジュリア ノーブル
【テーマコード(参考)】
3H065
3H066
【Fターム(参考)】
3H065AA05
3H065BA01
3H065BA06
3H065BB11
3H065BB14
3H065CA01
3H066AA05
3H066BA18
3H066BA31
(57)【要約】 (修正有)
【課題】弁と、当該弁と互いに組み立て可能でありかつ配管システムに組み入れて弁体の開閉状態を識別するスイッチングシステムとを含み、弁の大幅な分解や再組み立てが不要なキットを提供すること。
【解決手段】弁の弁監視装置は、バルブステムエクステンションの回転軸に沿って離間して対向する第一及び第二の端部を有するバルブステムエクステンションを含み、バルブステムエクステンションの第一の端部は、バルブステムエクステンションの回転によりバルブステムが回転するように、バルブステムの取付部から弁ハンドルを取外した状態のバルブステムの取付部に取外し可能にかつ回転不能に係合する。バルブステムエクステンションから半径方向外側に位置するようにスイッチハウジングアセンブリが弁ハウジングに取付けられる。センサ装置がスイッチハウジングアセンブリ内に配置され、バルブステムエクステンションの少なくとも一つの回転位置を感知する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁ハウジングと、弁本体から外側に突出する取付部を有するバルブステムと、前記バルブステムの前記取付部に取外し可能に取付けられる弁ハンドルを有する弁の弁監視装置において、
対向する第一の端部及び第二の端部を有するバルブステムエクステンションであって、前記第一の端部及び前記第二の端部は前記バルブステムエクステンションの回転軸に沿って離間し、前記バルブステムエクステンションの前記第一の端部は、前記バルブステムエクステンションの回転により前記バルブステムが回転するように、前記バルブステムの前記取付部から前記弁ハンドルを取外した状態の前記バルブステムの前記取付部に取外し可能にかつ回転不能に係合する、前記バルブステムエクステンションと、
前記バルブステムエクステンションから離れた位置に、前記弁ハンドルに解放可能に取付けられるスイッチハウジングアセンブリであって、前記バルブステムエクステンションの少なくとも一つの回転位置を感知するように配置される少なくとも一つのセンサを含む、前記スイッチハウジングアセンブリと
を備えることを特徴とする弁監視装置。
【請求項2】
前記バルブステムエクステンションの回転軸から半径方向外側に前記バルブステムエクステンションに取付けられる磁石をさらに備え、前記少なくとも一つのセンサが少なくとも一つの近接センサを含み、前記少なくとも一つの近接センサは、前記磁石が前記少なくとも一つの近接センサに一致する回転位置に前記バルブステムエクステンションが回転したときに信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の弁監視装置。
【請求項3】
前記少なくとも一つの近接センサが、前記スイッチハウジングアセンブリの第一の位置及び第二の位置にそれぞれ配置される第一及び第二の近接センサからなり、前記第一の近接センサは、前記磁石が前記第一の近接センサに一致する第一の回転位置に前記バルブステムエクステンションが回転したときに信号を生成し、前記第二の近接センサは、前記磁石が前記第二の近接センサに一致する第二の回転位置に前記バルブステムエクステンションが回転したときに信号を生成することを特徴とする請求項2に記載の弁監視装置。
【請求項4】
前記第一及び第二の近接センサが、前記スイッチハウジングアセンブリに調節可能に取付けられることを特徴とする請求項3に記載の弁監視装置。
【請求項5】
前記第一及び第二の近接センサが、前記バルブステムエクステンションのおよそ85~90°の回転に対応する位置に配置されることを特徴とする請求項3に記載の弁監視装置。
【請求項6】
前記バルブステムエクステンションの前記第一の端部に近接した位置にバルブステムエクステンション固定孔が形成され、前記バルブステムエクステンションが前記少なくとも一つの回転位置にあるとき、前記バルブステムエクステンション固定孔に一致するように配置される少なくとも一つのスイッチプラットフォーム固定孔が、前記スイッチハウジングアセンブリに形成されることを特徴とする請求項3に記載の弁監視装置。
【請求項7】
前記バルブステムエクステンション固定孔と前記少なくとも一つのスイッチプラットフォーム固定孔を選択的に係合し、前記バルブステムエクステンションを前記第一及び第二の回転位置の一方に選択的に固定する鍵をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の弁監視装置。
【請求項8】
前記少なくとも一つの近接センサが少なくとも一つのリードスイッチであることを特徴とする請求項2に記載の弁監視装置。
【請求項9】
前記弁本体が前記バルブステムから半径方向外側に突出するフランジを有し、前記スイッチハウジングアセンブリが弾性的に撓み可能なラッチを有し、前記ラッチは、前記スイッチハウジングアセンブリが前記バルブステムの回転軸と平行方向に前記弁ハウジングに向かって押し込まれたときに、前記フランジと解放可能にスナップ係合することを特徴とする請求項1に記載の弁監視装置。
【請求項10】
前記バルブステムエクステンションの前記第二の端部が、前記弁ハンドルと回転不能に係合するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の弁監視装置。
【請求項11】
手動弁に監視機能を設ける方法であって、前記手動弁は弁本体と、前記弁本体に取付けられ、前記弁本体から外側に突出する取付部を有し、かつ回転軸を中心に回転可能なバルブステムと、前記バルブステムの前記取付部に取外し可能に取付けられる弁ハンドルとを有し、前記方法は、
前記バルブステムから前記ハンドルを取外す工程と、
前記弁本体の、前記バルブステムから離れた位置にスイッチハウジングアセンブリを取付ける工程であって、前記スイッチハウジングアセンブリが、前記バルブステムの回転軸の外側に離間し、かつ前記バルブステムの回転軸を中心に互いに周方向に離間した少なくとも第一及び第二のセンサを有する工程と、
バルブステムエクステンションの回転に対応して前記バルブステムが回転するように前記バルブステムに前記バルブステムエクステンションを取付ける工程であって、前記バルブステムエクステンションは、前記バルブステムエクステンションが第一の回転位置のとき第一のセンサを作動させ、前記バルブステムエクステンションが第二の回転位置のとき第二のセンサを作動させるように構成されるセンサアクチュエータを有する工程と、
前記バルブステムと反対側の、前記バルブステムエクステンションの端部に前記弁ハンドルを取付ける工程と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記第一及び第二のセンサを、どちらのセンサが作動したかを識別する監視回路に接続する工程をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記スイッチハウジングアセンブリが弾性的に撓み可能なロック爪を有し、前記スイッチハウジングアセンブリを前記弁本体に取付ける工程が、前記弾性的に撓み可能なロック爪を前記バルブステムの回転軸に平行に押し込むことで、前記弾性的に撓み可能なロック爪が前記弁本体と係合することを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第一及び第二のセンサがリードスイッチであり、前記センサアクチュエータが磁石であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2023年5月23日に出願された米国仮特許出願第63/468,367号に基づく優先権の利益を主張するものであり、その開示全体は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本発明は、手動で操作可能な弁の開閉位置を監視する装置、及び当該装置を弁に設置する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
商業的に利用可能な2方ボール弁は、通常、互いに連通して入口パイプと出口パイプにそれぞれ接続され、直径方向に配置される第一の通路及び第二の通路を有する弁ハウジングを含み、弁ハウジング内の第一の通路と第二の通路の間に球状弁体が回転可能に取付けられ、弁体からバルブステムが堅固に延在し、密封方式で弁本体を貫通している。弁本体より外側のバルブステムの一部に回転力が加わると、それに応じて弁本体内の弁体が回転する。2方ボール弁の弁体は、弁体を貫通して直径方向に配置される第一及び第二の円筒状通路を有する。2方ボール弁の弁体を貫通する第一及び第二の通路により、弁体が第一の回転位置のときに弁ハウジングの第一の通路と第二の通路の間に流体が流れ、弁体が第二の回転位置のときに流体の流れが遮断される。第一の回転位置と第二の回転位置の角度は、通常約90°離れている。
【0004】
従来技術には、3方ボール弁も含まれる。3方ボール弁のハウジングは、直径方向に配置される第一の通路及び第二の通路を有し、さらに第三の通路を有する。3方ボール弁のハウジングの第三の通路は、第一の通路と第二の通路に直交し、連通している。3方ボール弁の球状弁体は、直交する2つのポート(Lポート設計)又は交差する3つのポート(Tポート設計)を有する。この球状弁体により、弁ハウジング内の球状弁体の回転方向に応じた、弁ハウジング内の2つ又は3つの通路間の流体連通が可能になる。
【0005】
バタフライ弁は円盤状の弁体を有し、バルブステムは該円盤の直径と一致している。ボール弁が開状態のとき流体はボール弁の円筒状通路を流れるが、バタフライ弁は開状態のとき、円盤状の弁体の反対側を流体が流れる。
【0006】
産業界で使用される弁の中には、弁ハウジングの外側に電気又は空気圧アクチュエータが取付けられているものがある。アクチュエータは、制御装置に電子的に接続されるモータを含む。制御装置からの信号によって、アクチュエータに接続されたスイッチが操作され、アクチュエータがバルブステムを回転させる。制御装置からの信号は、特定の製造プロセス又は化学プロセスを行うシステム全体において弁の開閉を同期させることができる。
【0007】
その他多くの弁は手動で操作する手動弁であり、ハンドルがバルブステムの回転軸に対して横方向に延びるようにバルブステムに取付けられている。手動でハンドルに力を加えることで、バルブステムが回転し、弁体が開位置と閉位置の間で移動する。手動弁は、電気的に又は空気圧で作動する弁よりもはるかに安価であるため、工業施設において多数の弁を頻繁に同期させる必要がない場合は、一般的に手動弁が好まれる。
【0008】
しかし、工業施設の操業者は、自動作動弁は必要としないが、配管システムにおける少なくとも特定弁の開閉位置の確実性を望む場合が多い。他の例では、トラブルシューティングの目的で、現場にフィールドエンジニアを派遣する前に又は派遣する代わりに、遠隔地の請負業者が、顧客のシステムなどの弁を監視する機能を必要とする場合がある。このような顧客の需要に応えるために、商業的に利用可能な手動弁の中には、弁の開閉状態を示す1以上の信号を生成するための電気システムに接続可能な電気スイッチアセンブリを含むものがある。しかしこの方法の問題点は、配管システムが設置され作動した後に、弁の開閉状態を示す表示の必要性を顧客が認識する可能性があることである。したがって、一部の手動弁には、弁の開閉状態を示す信号を生成するスイッチを後付け可能なものがある。しかしながら、既存のシステムの既存の弁に後付け可能な市販のスイッチシステムには、かなり複雑な既存の弁の分解に用いる複数の工具が必要となり、その後、複数部品から成るスイッチシステムの複雑な再組み立てに加え、工具を用いる必要がある。別の方法としては、多くの部品(例えば10~12個の部品)を含むキットを用意し、工具を必要とする複雑な手順で既存の弁の周囲に組み立てる方法がある。このような後付け作業を行う技術者は、通常、流体システムの操作には慣れているが、電気機械装置の組み立てには慣れていない可能性が高く、さらに、このように後付けされたスイッチシステムは、弁が完全に開いた状態又は完全に閉じた状態は識別できるが、弁体が中間位置の場合は識別することができない。
【0009】
既存の弁を開閉監視機能付きの弁に完全に交換することも選択肢の一つであるが、既存の弁を取外し、弁の開閉状態を識別するスイッチシステムを有する弁に交換する間、配管システムの少なくとも一部を停止させなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上を鑑み、本発明の目的は、弁と、当該弁と互いに組み立て可能でありかつ配管システムに組み入れて弁体の開閉状態を識別するスイッチングシステムとを含み、弁の大幅な分解や再組み立てが不要なキットを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、配管システムの1又は複数の弁に取付けて、該配管システムにおける1又は複数の弁の開閉状態を識別することが可能なスイッチング装置を提供することである。
【0012】
本発明のさらに別の目的は、弁の弁体の回転位置を識別するために、スイッチング装置を既存の配管システムの弁に取付ける方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第一の態様は、弁と、当該弁の開状態又は閉状態の少なくともどちらかを識別するために弁と組み立て可能なスイッチ装置とを含むアセンブリ又はキットに関する。当該弁とスイッチ装置は別々に又はキットの一部として販売可能である。弁は、入口パイプに接続するためのインレットと、出口パイプに接続するためのアウトレットと、インレットとアウトレット間を通る流路を備える弁ハウジング又は弁本体を含む。弁本体は、弁を通って流れる流体との適合性を確保するように選択される熱可塑性プラスチック材料から形成できる。例えば、弁本体は、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、又はその他のプラスチックから形成できる。また、スイッチ装置は一定の状況において金属弁と使用してもよい。
【0014】
本発明の弁は、弁本体内のインレットとアウトレットとの間に取付けられる弁体をさらに含む。通常、弁はボール弁又はバタフライ弁である。上記で説明した通り、ボール弁の弁体は球体であり、円筒状通路、又は、球体を貫通し、かつインレットからアウトレットへ延びる弁本体の通路と一致するように配置可能な通路を有する。バタフライ弁の弁体は固体ディスクである。以下は、弁が2方ボール弁の場合の実施形態に関する説明及び例示であるが、本発明は3方ボール弁やバタフライ弁、その他のタイプの弁にも同等に適用可能である。弁体は、弁のインレットからアウトレットへ延びる軸方向に対し実質上直交する軸を中心に回転可能であり、弁体からバルブステムが堅固に延在し、密封方式で弁本体を貫通している。
【0015】
弁本体から外側に突出したバルブステムの一端に、手動ハンドルが取外し可能に取付けられ、該ハンドルは、バルブステムの回転軸に対し直角に配置可能な把持部を有する。ハンドルとバルブステムは、摩擦係合によって、及び/又は、ハンドルを貫通してバルブステムの外側の端部に係合する一本のネジによって取外し可能に取付けられる。
【0016】
本発明のアセンブリ又はキットは、弁のハンドルをバルブステムから取外した後のバルブステムに取付け可能なバルブステムエクステンションを含む。バルブステムエクステンションの一端面には、弁ハウジングから突出するバルブステムの端部に摩擦係合するように構成される容器を備えることができ、これにより、バルブステムエクステンションに加えられた回転力がバルブステムに伝達し、弁ハウジング内の弁が回転する。本実施形態では、バルブステムエクステンションをバルブステムに接続するための工具は不要である。適切に取付けられたバルブステムエクステンションは、バルブステムよりも弁本体からさらに延長した状態となる。また、バルブステムエクステンションは、バルブステムの軸を中心にバルブステムとともに回転できるようにバルブステムに取付けられる。バルブステムエクステンションの、バルブステムの回転軸から半径方向外側に離れた位置に、位置識別子が設けられる。いくつかの実施形態では、位置識別子は磁石であり、バルブステムエクステンション内のバルブステムの回転軸から外側に離れた位置に設置される。バルブステムとバルブステムエクステンションの回転軸に対して半径方向外側に磁石を配置することで、バルブステムとバルブステムエクステンションの回転とともに磁石が円弧を描いて移動する。位置識別子は他の形態でも可能である。例えば、光学センサによって読み取り可能なマーキングを、バルブステムエクステンションの、回転軸から外側の位置に設けることができる。或いは、機械スイッチによって感知可能な突起を、バルブステムエクステンションの半径方向外側に突出させることもできる。
【0017】
本発明のスイッチ装置は、弁ハンドルを取外した後、バルブステムエクステンションを取付ける前に、弁に取付け可能なスイッチハウジングアセンブリをさらに含む。一部の実施形態におけるスイッチハウジングアセンブリは、スイッチプラットフォームと、スイッチプラットフォームの反対側に位置するスイッチカバーと、スイッチプラットフォームとスイッチカバーの間を囲む一続きの周側壁で構成される。特にバルブステムエクステンションの位置識別子が磁石の実施形態では、スイッチプラットフォーム、スイッチカバー、及び周側壁はプラスチック製でよい。スイッチプラットフォームはスイッチハウジングアセンブリの一部であり、スイッチハウジングアセンブリを弁に取付けたとき、スイッチプラットフォームは弁本体と対面する。スイッチプラットフォームは、弁のバルブステムに一致するように構成されるバルブステム用開口部を有する。スイッチプラットフォームのバルブステム用開口部の外側の位置に、バルブステムの半径方向外側の弁ハウジングの領域と係合するための、弾性的に撓み可能な係合爪を含むことができる。これにより、スイッチハウジングアセンブリをバルブステムと平行方向に弁本体の方へ真っすぐ移動させるだけで、道具を用いることなく、スイッチプラットフォームを弁ハウジングとスナップ係合させることができる。スイッチハウジングアセンブリの周側壁は、スイッチプラットフォームのバルブステム用開口部から外側に離間した外向きの凹状部分を含む。スイッチカバーの形状は、スイッチカバーがスイッチプラットフォームと反対側の周側壁端面を覆うことができるように、周側壁により画定される形状と概ね一致する。スイッチカバーとスイッチハウジングアセンブリの周側壁の開口端部がシールで密封係合される。
【0018】
スイッチハウジングアセンブリは、スイッチプラットフォームとスイッチカバーの間の、スイッチハウジングアセンブリの周側壁に囲まれた箇所に取付けられる内部プレートをさらに含む。いくつかの実施形態では、内部プレートは、スイッチプラットフォームから離れる方向にスイッチハウジングアセンブリのスイッチカバーに向かって突出する2つのセンサホルダを含む。リードスイッチなどの近接センサが2つのセンサホルダにそれぞれ取付けられ、スイッチハウジングアセンブリの周側壁により形成される凹状部分の反対側に突出するように配置される。リードスイッチは、他のタイプのスイッチ又は近接センサと置換可能である。例えば、ホール効果センサをスイッチハウジングアセンブリの周側壁の内側に取付けることができる。或いは、バルブステムエクステンションにおけるマーキングを検知する光学センサを設けることもできる。いくつかの実施形態では、バルブステムエクステンションにおける突起を物理的に検知する接触式スイッチも使用可能である。光学センサ又は接触式スイッチは、金属弁に適用できる場合があるが、水滴や塵等から保護することがより困難であり、磁力によるセンサほど好ましくない場合がある。各センサにワイヤが接続され、各センサからスイッチハウジングアセンブリの周側壁にあるシール開口部を通って延びている。リードセンサから離れた方のワイヤの端部は、本明細書で説明されるように、弁部材の位置を検出する監視回路に接続可能である。
【0019】
本発明のアセンブリは、弁から弁ハンドルを取外した後、スイッチプラットフォームのバルブステム用開口部が弁のバルブステムに一致して取り囲むようにスイッチハウジングアセンブリを弁本体に取付けることで簡便に使用できる。スイッチハウジングアセンブリには、アセンブリ全体の電子部品がすべて封止されている。工具は必要なく、スイッチハウジングアセンブリを弁ハウジングに直線的に押し込むだけで弁ハウジングとスナップ接続される。次いで、弁ハンドルを取外した後のバルブステムの外側端部にバルブステムエクステンションを嵌め込み、バルブステムエクステンションとバルブステムの外側端部との係合が、工具を用いずに完了する。その後、先にバルブステムから取外した弁ハンドルを、バルブステムに対向するバルブステムエクステンションの端部に取付けて、バルブステムエクステンションに摩擦によって保持される。したがって、弁ハンドルにかかる回転力によりバルブステムエクステンションとバルブステムが回転し、これにより、回転の方向と大きさに応じて開位置と閉位置との間で弁部材が移動する。弁とスイッチ装置のアセンブリは、建設中の、或いは改修又は増設される配管システムに取り入れることができる。リードスイッチからスイッチハウジングアセンブリのシール開口部を通るワイヤは、適切な監視回路に接続される。
【0020】
弁ハンドルが回転すると、バルブステムエクステンションとバルブステムが同時に回転する。このバルブステムエクステンションの回転により、バルブステムエクステンションに組み込まれる磁石が円弧を描き、弁ハンドルの回転方向によって2つのリードスイッチ(或いは、他のスイッチ又はセンサ)の一方の付近に磁石が配置される。これにより、2つのリードスイッチの一方が、弁の開位置又は閉位置のいずれかに対応する信号を生成する。
【0021】
上記の説明は、建設中の配管システムに導入可能なアセンブリを形成するための弁とスイッチ装置のアセンブリに応用可能であるが、上記スイッチ装置は、スイッチ装置を取付ける弁のバルブステムから弁ハンドルを単純に手動で一時的に取外すこと以外、既存の配管システムを分解又は停止させることなく、既存の配管システムに導入可能である。有意に、弁のスイッチ装置を取付ける際に、弁から弁ハンドルを一時的に取外すこと以外に弁を分解する必要がなく、スイッチ装置を既存の配管システムの既存の弁に取付ける間、弁を組み入れる配管システムのいずれの部分もオフラインにする必要がない。また、スイッチ装置はユーザによる組み立ても必要なく、予め組み立てられたスイッチハウジングアセンブリを弁ハウジングに手動で配置し、バルブステムエクステンションを元の弁のバルブステムに押し込むだけでよい。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一態様に基づくアセンブリに実装可能な従来のボール弁であって、バルブステムが見えるようにハンドルが取外された状態の従来のボール弁の斜視図である。
【
図2】従来のボール弁のハンドルが取付けられ、バルブステムが覆われた状態の、
図1に示す従来のボール弁の側面図である。
【
図3】
図1、
図2に示す弁との組み合わせに適した、本発明の一態様に基づくスイッチ装置の分解斜視図である。
【
図4】バルブステムエクステンションの上面斜視図である。
【
図5】
図4に示すバルブステムエクステンションの側面図である。
【
図6】
図4、
図5に示すバルブステムエクステンションの上面図である。
【
図7】
図4~
図6に示すバルブステムエクステンションの底面図である。
【
図8】
図4~
図7に示すバルブステムエクステンションの底面斜視図である。
【
図9】
図4~
図8に示すバルブステムエクステンションの断面図である。
【
図10】
図3に示すスイッチハウジングにスイッチカバーを取付ける前のスイッチハウジングの斜視図である。
【
図11】
図3に示すスイッチ装置のスイッチプラットフォームの斜視図である。
【
図12】
図11に示すスイッチプラットフォームの上面図である。
【
図20】
図1、
図2に示すボール弁と組み立てたスイッチ装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1、
図2は、本発明の一態様に基づくアセンブリの一部として使用可能な従来のボール弁10を示す。ボール弁10は、弁軸に沿って互いに離間した入口端部(インレット)14及び出口端部(アウトレット)16を有する弁本体12を含む。球状の弁体が弁本体12に取付けられ、弁本体を密封方式で貫通して突出するバルブステム17に接続される。バルブステム17と弁体は、インレット14とアウトレット16との間を延びる弁軸に直交する軸を中心に回転可能である。弁ハンドル18が弁体から離れたバルブステム17の端部17Aに取外し可能に取付けられ、本実施形態では、バルブステム17に摩擦により保持される。よって本実施形態では、弁本体12から離れるように弁ハンドル18を引き上げると、弁ハンドル18はバルブステム17から引き離される。弁ハンドル18は手動で回転可能であり、これにより弁体が、インレット14から弁本体12を通ってアウトレット16に流体が流れる開位置と、弁本体12を通る流体の流れを遮断する閉位置との間を回転する。弁ハンドル18は、ボール弁10を分解することなく、容易にバルブステム17に取外し可能である。フランジ19は弁本体12の一部であり、バルブステム17の一部を包囲する。一方で、バルブステム17の自由端部又は上端部17Aは、弁ハンドル18が当該端部17Aに取付けられる位置まで、フランジ19を越えて突出する。フランジ19は、下面19Aと上面19Bを有する。フランジ19の上面19Bは、弁ハンドル18と弁ハンドル18が取付けられるバルブステム17の回転範囲に対応する角度にわたり設けられる環状溝19Cを有する。弁ハンドル18の下面にある突起がフランジ19の環状溝19Cに移動可能に係合する。弁ハンドル18の突起は、環状溝19Cの対向する両端部に係合し、弁ハンドル18の回転移動範囲、故にバルブステム17及び弁体の回転移動範囲を制限する(例えば、ほとんどのボール弁ではおよそ90度である)。
【0024】
弁10は、
図3の符号20で概ね特定されるスイッチ装置とともに使用可能である。スイッチ装置20は、
図4~
図9で詳細に図示されるバルブステムエクステンション22を含み、該バルブステムエクステンションは、弁ハンドル18がバルブステム17から取外された後の弁10のバルブステム17に取付けられる。適切に取付けられたバルブステムエクステンション22は、バルブステム17よりも弁本体12からさらに延長した状態となる。また、バルブステムエクステンション22は、バルブステム17の軸を中心にバルブステム17とともに回転できるようにバルブステム17に取付けられる。より具体的には、バルブステムエクステンション22は対向する下端部24及び上端部26を有する。バルブステムエクステンション22の下端部24は非円形の凹部28を含み、凹部28はその非円形に対応するバルブステム17の非円形突起17Aを覆うように取付けられて摩擦係合するように構成される。バルブステムエクステンション22の上端部26は、弁10のバルブステム17の突起17Aの形状に対応する形状を有する非円形突起30を含む。したがって、弁10のバルブステム17の突起17Aから取外した弁10の弁ハンドル18は、バルブステムエクステンション22の上端部26にある非円形突起30と摩擦係合で取付けることができ、それにより、弁ハンドル18に回転力を加えたときに、これに対応してバルブステムエクステンション22と弁10のバルブステム17が回転し、これに連動して弁10の弁体が弁本体12内において開位置と閉位置の間を移動する。
【0025】
バルブステムエクステンション22の下端部24に隣接した位置の、バルブステムエクステンション22の半径方向外側に固定タブ32が突出しており、固定タブ32は、以下で詳述するように、バルブステムエクステンション22を選択された回転位置でスイッチ装置20に解放可能に保持するための突起を受け入れる又は固定する固定孔34を含む。
【0026】
回転制限タブ36がバルブステムエクステンション22の下端部24から下方に突出しており、以下で詳述するように、回転制限タブ36はバルブステムエクステンション22とバルブステム17の回転量を制限するための係合溝に係合する。
【0027】
バルブステムエクステンション22の上端部26の、バルブステムエクステンション22の回転軸を含む平面において固定タブ32と一直線に並んだ位置に、開口38が設けられる。開口38の内部に磁石40が配置され、シール44が開口38の上部の一部に取付けられる。磁石40と固定タブ32は、バルブステムエクステンション22の回転軸の外側に及ぶ共通の放射状面内に位置する。よって磁石40と固定タブ32は、バルブステム17の回転軸を中心とするバルブステムエクステンション22の回転に伴って移動し、磁石40と固定タブ32がバルブステム17とバルブステムエクステンション22の回転軸に対して外側に位置するため円弧を描く。
【0028】
スイッチ装置20は、
図3及び
図10に示されるスイッチハウジングアセンブリ50をさらに含む。スイッチハウジングアセンブリ50は、弁ハンドル18を取外した後、本実施形態ではバルブステムエクステンション22をバルブステム17に取付ける前に、弁10に取付け可能である。スイッチハウジングアセンブリ50は、スイッチプラットフォーム51と、スイッチ容器52と、スイッチカバー54からなり、本実施形態ではすべてプラスチック成形されたものである。スイッチ容器52は、
図3に示されるように閉塞底壁53と、一続きの周側壁55と、開口上部56を有する。スイッチ容器52は、以下で詳述するように、スイッチプラットフォーム51から下方に延びる突起を成形しやすくするために、スイッチプラットフォーム51とは別々に形成される。スイッチカバー54は、スイッチ容器52の開口上部56の上に取付けられ、開口上部56を閉鎖し、シール59により、周側壁55の上端面とスイッチカバー54が密閉される。
【0029】
スイッチプラットフォーム51はスイッチハウジングアセンブリ50の一部であり、スイッチハウジングアセンブリ50が弁10に取付けられたとき弁本体12と対面する。スイッチプラットフォーム51の外周58は、スイッチカバー54か周側壁55のいずれかよりも大きい取付け面積を画定する。スイッチプラットフォーム51は、対向する上面60及び底面62と、上面60からスイッチプラットフォーム51を通って底面62に貫通するバルブステム用開口部64を有する。バルブステム用開口部64は、スイッチハウジングアセンブリ50が弁10の弁本体12のフランジ19に取付けられたとき、弁10のバルブステム17を包囲するように配置される。バルブステム用開口部64は、バルブステムエクステンション22とバルブステム17の回転量を制限するためにバルブステムエクステンション22の下端部24において回転制限タブ36と係合する係合溝65を形成する拡大部分を含む。固定孔66が、バルブステム用開口部64の外側にスイッチプラットフォーム51を貫通して形成される。固定孔66は、本明細書でさらに説明するように、バルブステムエクステンション22の対向する2つの回転位置における、バルブステムエクステンション22の固定タブ32の固定孔34と一致するように設計され配置される。弾性的に撓み可能なロック68がスイッチプラットフォーム51の底面62から下方に突設され、弁ハンドル18を取外した後の弁10の弁本体12のフランジ19と嵌合するように構成された内側に突出する係止突部を有する。係止突部は各々、弁本体12のフランジ19に取付けるときにロック68が外側に撓むように傾斜した先端部と、フランジ19の下面とスナップ係合する、弾性的に撓み可能なロック68の延在方向に対し直角の係止面とを有する。
【0030】
スイッチハウジングアセンブリ50のスイッチ容器52は、スイッチプラットフォーム51の上面60の一部に取付けられ、バルブステム用開口部64と固定孔66が周側壁55により包囲される部分の外側に位置するような形状を有する。より具体的に、周側壁55はバルブステム用開口部64から僅かに外側に離れた位置において、バルブステム用開口部64のおよそ半分の範囲を制限する。したがって、周側壁55の外面は、スイッチプラットフォーム51内のバルブステム用開口部64を部分的に取り囲む凹状部分69を有する。周側壁55に包囲される内周部分は、バルブステム用開口部64に対してほぼ直径方向に対向する位置から外側に間隔をあけて配置された2つの凹状部分70、72を有する。
【0031】
スイッチハウジングアセンブリ50のカバー54は、通常、周側壁55の形状に一致する形状であり、カバー54を周側壁55の上端面に固定する際、スイッチプラットフォーム51を周側壁55の底端面に固定する際にはネジ74が使用される。
【0032】
スイッチ容器52の周側壁55の内側に内部プレート78が取付けられる。内部プレート78は樹脂から成形され、
図10、
図16~
図19に示されるように周側壁55に画定される内周形状に一致するように構成される。したがって、内部プレート78は、
図10に最も明確に示されるように、周側壁55に画定される凹状部分70、72の形状と概ね一致するように突出する凸状部分80、82を含む。リードスイッチホルダ84、86がそれぞれ凸状部分80、82に合わせた位置において内部プレート78から上方に突設される。よって、内部プレート78をスイッチハウジングアセンブリ50のスイッチプラットフォーム51に取付けたとき、リードスイッチホルダ84、86はそれぞれ周側壁55の凹状部分70、72に配置される。リードスイッチホルダ84、86は概ねU字形であり、リードスイッチ90、92を受け入れるための上向きに開放した受け部を含み、これによりリードスイッチ90、92の磁気的に操作可能な部分が、バルブステム用開口部64の反対側でかつバルブステムエクステンション22の対向する2つの回転位置の一方において、バルブステムエクステンション22内の磁石40の影響を受ける位置に配置される。リードスイッチ90、92の位置は、磁石40が弁10の開位置及び閉位置に位置する、バルブステムエクステンション22の回転位置に一致するように、それぞれの軸方向に沿って調節可能である。
【0033】
ワイヤ94はリードスイッチ90、92にそれぞれ接続され、リードスイッチ90、92からスイッチハウジングアセンブリ50の周側壁55にあるシール開口部96を通って延出し、リードスイッチ90、92から離れた方のワイヤ94の端部は、本明細書で説明されるように、弁部材の位置を検出する監視回路に接続可能である。
【0034】
本発明のアセンブリは、バルブステム17から弁ハンドル18を取外した後、スイッチプラットフォームのバルブステム用開口部64が弁10のバルブステム17と一致するようにスイッチハウジングアセンブリ50を弁本体12に取付けることで簡便に使用できる。スイッチハウジングアセンブリ50をバルブステム17の回転軸と平行に弁ハウジング12のフランジ19の方へ真っすぐ押し込むだけで、スイッチプラットフォーム51の底面に突設されるロック68の係止突部が、弁本体12のフランジ19の下面19Aとスナップ係合する。次いで、バルブステムエクステンション22を、弁ハンドル18を取外した後のバルブステム17の非円形突起17Aに嵌め込むことで、バルブステムエクステンション22とバルブステム17の非円形突起17Aとの係合が工具を用いずに完了し、バルブステムエクステンション22の下端部24にある非円形の凹部28とバルブステム17の非円形突起17Aが摩擦係合する。その後、弁ハンドル18を、バルブステムエクステンション22の上端部26の、弁10のバルブステム17に対向する非円形突起30に取付ける。よって、弁ハンドル18にかかる回転力によりバルブステムエクステンション22とバルブステム17が回転し、これにより、回転の方向と大きさに応じて開位置と閉位置との間で弁部材が移動する。弁10とスイッチ装置20のアセンブリは、建設中の、或いは改修又は増設予定の配管システムに導入することができる。リードスイッチ90、92からスイッチハウジングアセンブリ50のシール開口部を通るワイヤ94は、適切な監視電気回路に接続される。
【0035】
弁ハンドル18が回転すると、バルブステムエクステンション22とバルブステム17が一斉に回転する。このバルブステムエクステンション22の回転により、バルブステムエクステンション22に組み込まれている磁石40が円弧を描き、弁ハンドル18の回転方向に応じてリードスイッチ90、92の一方の付近に磁石40が配置される。これに応じて、リードスイッチ90、92の一方が、弁10の開位置又は閉位置のいずれかに対応する信号を生成する。
【0036】
上記では、建設中の配管システムに導入可能なアセンブリを形成するための弁10とスイッチ装置20のアセンブリについて説明してきたが、スイッチ装置20は、スイッチ装置20を取付ける弁10のバルブステム17から弁ハンドル18を単純に手動で一時的に取外すこと以外、既存の配管システムを分解又は停止することなく、既存の配管システムに導入可能である。この点において、業者は既存の配管システムの一部である弁から弁ハンドル18を取外すだけでよい。その後、スイッチハウジングアセンブリ50のスイッチプラットフォーム51のバルブステム用開口部64が既存のバルブステム17と一致するように、スイッチハウジングアセンブリ50を弁本体12に取付け、スイッチハウジングアセンブリ50全体を弁本体12のフランジ19とスナップ係合させる。次いで、バルブステムエクステンション22をバルブステム17の外側端部の非円形突起17Aに取付けて、元の弁ハンドル18を、元のバルブステム17に対向する、バルブステムエクステンション22の上端部26の突起30に取付ける。有意に、弁10のスイッチ装置20の取付けの際に、弁10から弁ハンドル18を一時的に取外すこと以外に弁10を分解する必要がなく、スイッチ装置20を既存の配管システムの既存の弁10に取付ける間、弁10を組み入れる配管システムのいずれの部分もオフラインにする必要がない。
【0037】
バルブステムエクステンション22が第一の回転位置のとき、バルブステムエクステンション22の固定孔34が第一の固定孔66と一致し、バルブステムエクステンション22が第二の回転位置のとき、バルブステムエクステンション22の固定孔34が第二の固定孔66と一致する。
図20に示されるように、鍵100を用いて、バルブステムエクステンション22を第一又は第二の回転位置の一方に固定することができる。
【0038】
上記では本発明を特定の好ましい実施形態に関して説明してきたが、本発明の範囲がこれらの実施形態に限定されないことは理解されよう。例えば、側壁筐体55と内部プレート78は、完全に開いた位置又は完全に閉じた位置以外の弁体の向きを特定する位置にリードスイッチ90、92を取付けるように構成可能である。2方ボール弁については説明及び例示してきたが、3方ボール弁、バタフライ弁、及びその他の弁については、弁ハウジングの形状及びバルブステムの停止位置と適合するように、或いは、弁本体12からスイッチハウジングアセンブリ50の距離、即ちバルブステム17の長手方向の長さを変えたりするために、場合によりスイッチハウジングアセンブリ50の形状を若干変更することで、スイッチ装置20とともに用いることができる。また、バルブステムエクステンションの回転位置が2箇所よりも多い場合は、2箇所よりも多い位置センサ又は近接センサを設けることで検出可能である。この後者の特徴は、例えば、3方ボール弁の場合に有益である。上記で例示したリードスイッチは、ホール効果センサ、電子光学センサ、又は手動接触式センサ(manual contact sensors)など、他のセンサに置換可能である。
【符号の説明】
【0039】
10 弁/ボール弁
12 弁本体/弁ハウジング
14 入口端部/インレット
16 出口端部/アウトレット
17 バルブステム
17A 端部/非円形突起
18 弁ハンドル
19 フランジ
19A (フランジの)下面
19B (フランジの)上面
19C 環状溝
20 スイッチ装置
22 バルブステムエクステンション
24 (バルブステムエクステンションの)下端部
26 (バルブステムエクステンションの)上端部
28 凹部
30 非円形突起
32 固定タブ
34 固定孔
36 回転制限タブ
38 開口
40 磁石
44 シール
50 スイッチハウジングアセンブリ
51 スイッチプラットフォーム
52 スイッチ容器
53 閉塞底壁
54 スイッチカバー
55 周側壁/側壁筐体
56 開口上部
58 (スイッチプラットフォームの)外周
59 シール
60 (スイッチプラットフォームの)上面
62 (スイッチプラットフォームの)底面
64 バルブステム用開口部
65 係合溝
66 固定孔
68 ロック
69 凹状部分
70 凹状部分
72 凹状部分
74 ネジ
78 内部プレート
80 凸状部分
82 凸状部分
84 リードスイッチホルダ
86 リードスイッチホルダ
90 リードスイッチ
92 リードスイッチ
94 ワイヤ
96 シール開口部
100 鍵
【外国語明細書】