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特開2024-169334PPTC平面状小型SMD温度センサ及び過電流デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169334
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】PPTC平面状小型SMD温度センサ及び過電流デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01C 7/02 20060101AFI20241128BHJP
   H01C 17/00 20060101ALI20241128BHJP
   H01C 17/065 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H01C7/02
H01C17/00 100
H01C17/065 700
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024076533
(22)【出願日】2024-05-09
(31)【優先権主張番号】63/468,308
(32)【優先日】2023-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519226506
【氏名又は名称】リテルフューズ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ピネダ
(72)【発明者】
【氏名】マルコ ドムス
(72)【発明者】
【氏名】セルジオ フエンテス ゴディネズ
(72)【発明者】
【氏名】アルジュナ シェノイ
(72)【発明者】
【氏名】オルワセウン ケー. オイエウォレ
【テーマコード(参考)】
5E032
5E034
【Fターム(参考)】
5E032BA05
5E032BB09
5E032CA02
5E032CC03
5E032CC05
5E032CC14
5E032CC16
5E032DA02
5E034AA07
5E034AA09
5E034AB07
5E034AC10
5E034DA02
5E034DB01
5E034DB03
5E034DC01
5E034DD01
5E034DE16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】信頼性の高いトリップ温度を有するポリマー正温度係数(PPTC)デバイスを提供する。
【解決手段】表面実装デバイス用のデバイスアセンブリは、SMDスケルトンの行列200及び行列上に配置されたポリマー正温度係数(PPTC)材料を備える。行列は複数の列からなり、それぞれのSMDスケルトン100a、100bは、端子対102a、102b及び端子に垂直であり端子の間にある複数のウィスカを含む。PPTC材料は、端子をウィスカに接続する。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の列を有する行列、それぞれの列は複数のSMDスケルトンを含み、それぞれのSMDスケルトンは、
端子対;及び
複数のウィスカ、前記複数のウィスカは、前記端子対の間に直交するように配置されている、を含む;及び
前記行列上に配置されたポリマー正温度係数(PPTC)材料、ここで、前記PPTC材料は前記端子対を前記複数のウィスカに結合する、
を備える、表面実装デバイス(SMD)用のデバイスアセンブリ。
【請求項2】
前記行列がその上に配置された下地をさらに備える、請求項1に記載のSMD用のデバイスアセンブリ。
【請求項3】
前記下地はプリント回路板である、請求項2に記載のSMD用のデバイスアセンブリ。
【請求項4】
前記下地はフレキシブルテープである、請求項2に記載のSMD用のデバイスアセンブリ。
【請求項5】
前記下地は、前記端子対の反対側に配置されたランディングパッド対をさらに有し、したがって前記下地は、前記ランディングパッド対及び前記端子対の間に挟まれている、請求項2に記載のSMD用のデバイスアセンブリ。
【請求項6】
前記端子対は、第1のビアを備えた第1の端子、及び第2のビアを備えた第2の端子を含む、請求項5に記載のSMD用のデバイスアセンブリ。
【請求項7】
前記ランディングパッド対は、第3のビアを備えた第1のランディングパッド、及び第4のビアを備えた第2のランディングパッドを含む、請求項6に記載のSMD用のデバイスアセンブリ。
【請求項8】
前記PPTC材料は、前記第1のビアから前記第3のビアへと漏出し、前記第2のビアから前記第4のビアへと漏出する、請求項7に記載のSMD用のデバイスアセンブリ。
【請求項9】
前記PPTC材料は、
前記第1の端子を前記第1のランディングパッドに結合し;
前記第2の端子を前記第2のランディングパッドに結合する、
請求項7に記載のSMD用のデバイスアセンブリ。
【請求項10】
前記PPTC材料は、
前記第1の端子及び前記第1のランディングパッドの間に電気的接続を確立し;
前記第2の端子及び前記第2のランディングパッドの間に電気的接続を確立する、
請求項7に記載のSMD用のデバイスアセンブリ。
【請求項11】
それぞれのSMDスケルトンは電気伝導性材料を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のSMD用のデバイスアセンブリ。
【請求項12】
前記電気伝導性材料は銅を含む、請求項11に記載のSMD用のデバイスアセンブリ。
【請求項13】
表面実装デバイス(SMD)スケルトンの行列を電気伝導性材料から打ち抜く段階;
前記行列に下地を固着させる段階、前記下地は、第1の側及び反対の第2の側を含み、ここで、前記行列は前記第1の側に固着させられ、ランディングパッドの第2の行列は前記第2の側に固着させられる;及び
薄膜ポリマー正温度係数(PPTC)材料を前記行列にスピンコーティングしてPPTC SMDアセンブリを形成する段階
を備える、PPTC SMDアセンブリを製造する方法。
【請求項14】
前記PPTC SMDアセンブリからPPTC SMDをエッチングする段階をさらに備える、請求項13に記載のPPTC SMDアセンブリを製造する方法。
【請求項15】
それぞれのSMDスケルトンは、第1の端子及び第2の端子の間に配置された複数のウィスカを含む、請求項13に記載のPPTC SMDアセンブリを製造する方法。
【請求項16】
前記PPTC材料は、前記複数のウィスカのうちの第1のウィスカを前記第1の端子に、前記複数のウィスカのうちの第2のウィスカを前記第2の端子に結合する、請求項15に記載のPPTC SMDアセンブリを製造する方法。
【請求項17】
前記PPTC SMDアセンブリを保護材料でコーティングする段階をさらに備える、請求項13に記載のPPTC SMDアセンブリを製造する方法。
【請求項18】
前記保護材料はセラミックである、請求項17に記載のPPTC SMDアセンブリを製造する方法。
【請求項19】
前記保護材料はプラスチックである、請求項17に記載のPPTC SMDアセンブリを製造する方法。
【請求項20】
前記薄膜PPTC材料は100μmの厚みである、請求項13から19のいずれか一項に記載のPPTC SMDアセンブリを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、PPTC平面状小型表面実装デバイス、及びそれらの製造の課題に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマー正温度係数(PPTC)デバイスは、様々な用途の中でも、過電流又は過熱保護デバイス、及び電流又は温度センサとして使用され得る。過電流又は過熱保護用途では、PPTCデバイスは、低電流などの設計された条件下で動作しているときは低い抵抗を示すように設計されたリセッタブルヒューズと考えられ得る。PPTCデバイスの抵抗は、回路保護素子の環境における温度上昇による直接加熱によって、又は電流が回路保護素子を通ることによって発生する抵抗加熱によって変化し得る。
【0003】
例えば、PPTCデバイスはポリマー材料及び導電性フィラーを含んでよく、これらは融解転移又はガラス転移などのポリマー材料における変化によって低抵抗状態から高抵抗状態へと転移する混合物を提供する。トリップ温度と呼ばれることがあり、ここでトリップ温度は室温又はそれより高い範囲であり得ることが多いこうした転移温度では、ポリマーマトリクスは膨張し、電気伝導性ネットワークを阻害して、複合材料の電気伝導性をかなり低くし得る。この抵抗の変化により、PPTC材料にヒューズのような性質が与えられ、この抵抗は、PPTC材料が冷却されて室温に戻るとき可逆的であり得る。
【0004】
PPTCデバイスの挙動は、ロバストな性能及び動作温度を含む様々な基準を満たすように調整されてよい。例えば、知られているフルオロポリマー系PPTCデバイスは、160℃又はそれより高い範囲の、信頼性の高いトリップ温度を提供し得る。この性能は、すべての用途に適していなくてよい。
【0005】
PPTC材料は、電気伝導体及び端子と組み合わせられてディスクリート表面実装デバイス(SMD)を形成してよく、ここでSMDは温度センサ又は過電流デバイスとして動作し得る。特に、スモールフォームファクタの製造が関係するとき、PPTC SMD温度センサ及び過電流デバイスを構成する材料が異なることにより、問題が生じる。
【0006】
本改善は、これら及び他の考慮事項に関して有用であり得る。
【発明の概要】
【0007】
この概要は、詳細な説明において以下でさらに記述される概念の選択を簡略化した形態で紹介するために提供されている。この概要は、特許請求される主題の重要又は不可欠な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を決定する助けとなることを意図するものでもない。
【0008】
本開示による表面実装デバイス用のデバイスアセンブリの例示的な実施形態は、行列、及び前記行列上に配置されたポリマー正温度係数(PPTC)材料を備えてよい。行列は複数の列からなり、それぞれの列は複数の表面実装デバイス(SMD)スケルトンを含み、それぞれのスケルトンは、端子対、及び端子に垂直であり端子の間にある複数のウィスカを含む。PPTC材料は、端子をウィスカに接続する。
【0009】
本開示による方法の例示的な実施形態は、打ち抜き、固着、及びスピンコーティングする動作を備えてよい。SMDスケルトンの行列を電気伝導性材料から打ち抜く。下地を第1の側で行列に固着させ、ランディングパッドの第2の行列を第2の側に固着させ、第2の側は第1の側の反対である。薄膜PPTC材料を前記行列にスピンコーティングしてPPTC SMDデバイスアセンブリを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】例示的な実施形態によるSMDスケルトンを示す図である。
図1B】例示的な実施形態によるSMDスケルトンを示す図である。
【0011】
図2A】例示的な実施形態によるSMDスケルトン行列を示す図である。
図2B】例示的な実施形態によるSMDスケルトン行列を示す図である。
【0012】
図3A】例示的な実施形態による、図2A図2BのSMDスケルトン行列と共に使用される下地材料を示す図である。
図3B】例示的な実施形態による、図2A図2BのSMDスケルトン行列と共に使用される下地材料を示す図である。
【0013】
図4A】例示的な実施形態によるPPTC SMDアセンブリを示す図である。
図4B】例示的な実施形態によるPPTC SMDアセンブリを示す図である。
【0014】
図5A】例示的な実施形態による、個々のPPTC SMDを含む図4A図4BのPPTC SMDアセンブリを示す図である。
図5B】例示的な実施形態による、個々のPPTC SMDを含む図4A図4BのPPTC SMDアセンブリを示す図である。
【0015】
図6】例示的な実施形態によるPPTC SMDアセンブリの製造方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
SMDスケルトン行列がPCB又はフレキシブルテープなどの下地材料に設置されているPPTC SMDアセンブリを開示する。SMDスケルトン行列は、2つの端子の間に直交するように配置された複数のウィスカ(櫛形フィンガ)からなるいくつかのSMDスケルトンからなる。下地材料の裏側は、各端子の反対に配置されたランディングパッド対を有し、それぞれのランディングパッド対はSMDスケルトンのうちの1つに関連付けられている。SMDスケルトンの要素はいずれも互いに接触しない。PPTC材料が、スピンコーティングか、スプレーか、塗装か、又はそれとも何らかの他の手段かによってSMDスケルトン行列に塗布される。PPTC材料により、それぞれの個々のPPTC SMDのウィスカ、端子、及びランディングパッドの間の接続が形成される。個々のPPTC SMDを取り出すために、PPTCの付いたSMDスケルトン行列はエッチング又はダイシングされる。
【0017】
便宜及び明快さのために、「上」、「下」、「上方」、「下方」、「鉛直」、「水平」、「側方」、「横」、「半径方向」、「内部」、「外部」、「左」及び「右」などの用語を本明細書で使用して、特徴及び構成要素の相対的な配置及び配向を、本明細書で提供される斜視図、分解斜視図、及び断面図に現れる他の特徴及び構成要素のジオメトリ及び配向に対してそれぞれ記述してよい。当該用語は、限定を意図するものではなく、具体的に言及される単語、それに関する派生語、及び同様の意味をもつ単語を含む。
【0018】
図1A図1Bは、例示的な実施形態による、PPTC SMDアセンブリ400(図4A図4B)の製造に使用されるSMDスケルトン100の代表的な図面である。図1AはSMDスケルトン100の俯瞰図であり、図1BはSMDスケルトン100の写真である。例示的な実施形態では、SMDスケルトン100はPPTC SMD500(図5A)などのPPTC SMDの電気伝導性構成要素からなる。
【0019】
SMDスケルトン100は、一方の端部に配置された端子102a、及び他方の反対の端部に配置された端子102b(総称して「端子102」)である端子対を特徴とする。SMDスケルトン100は、櫛形フィンガとしても知られている複数のウィスカも特徴とし、ウィスカ104a、104b、及び104cは端子102aにより近く、ウィスカ104d、104e、104f、及び104gは端子102bにより近い(総称して「ウィスカ104」)。
【0020】
ウィスカ104は2つの端子102に直交するように且つ互いに平行に位置合わせされており、ウィスカ104aはウィスカ104d及び104eに隣接してそれらに挟まれており、ウィスカ104eはウィスカ104a及び104bに隣接してそれらに挟まれており、ウィスカ104bはウィスカ104e及び104fに隣接してそれらに挟まれており、ウィスカ104fはウィスカ104b及び104cに隣接してそれらに挟まれており、ウィスカ104cはウィスカ104f及び104gに隣接してそれらに挟まれており、ウィスカ104dは一方の端部に、ウィスカ104gは他方の反対の端部に存在している。SMDスケルトン100はより多いか又は少ないウィスカ104を有してよいので、ウィスカ104の数は限定を意図するものではなく、端子102のサイズは、それらの長さにおいて、各ウィスカが間隔を空けられている距離を近似するように調節される。
【0021】
SMDスケルトン100の端子102は、SMDスケルトンに下地を提供するために使用されるプリント回路板(PCB)、フレキシブルテープ、又は他の材料などの表面上にあるパッドに端子を結合するためのビアをそれぞれ有する。端子102aはビア106aを有し、端子102bはビア106bを有する(総称して「ビア106」)。例示的な実施形態では、端子102及びウィスカ104の両方は、銅などの電気伝導性材料で作成される。ウィスカ104のいずれも互いに接触せず、ウィスカのいずれも、いずれの端子102にも接触しない。
【0022】
図2A図2Bは、例示的な実施形態による、PPTC SMDアセンブリ400の製造に使用されるSMDスケルトン行列の代表的な図面である。図2AはSMDスケルトン行列200の俯瞰図であり、図2BはSMDスケルトン行列200の写真である。SMDスケルトン行列200は、それぞれの列に沿って互いからおおよそ等距離で間隔を空けられている複数の列のSMDスケルトン100を特徴とし、それぞれの列は、それぞれの他の列からおおよそ等距離である。SMDスケルトン100は、FR4又は他の材料から構成されるPCB、フレキシブルテープ、セラミック、プラスチックなどのような下地材料202に置かれている。
【0023】
代表的な図面(図2A)には8個のSMDスケルトン100が3列示されているが、SMDスケルトン行列200を構成するSMDスケルトン100の数は限定を意図するものではないので、さらに多いか又は少ないSMDスケルトン100が存在してよい。部分写真には、SMDスケルトン行列200を占有する非常に多くのSMDスケルトン100が示されている。
【0024】
図3A図3Bは、例示的な実施形態による、図2A及び図2BのSMDスケルトン行列200を支持するために使用される下地材料202の代表的な図面である。図3Aは下地材料202の裏側の俯瞰図であり、図3Bは下地材料202の裏側の写真である。下地材料202の裏側は、それぞれの列に沿って互いからおおよそ等距離で間隔を空けられている複数の列のランディングパッド対を特徴とし、それぞれの列は、それぞれの他の列からおおよそ等距離である。下地材料202の表側がSMDスケルトン100の行列を特徴とするのと同様に、下地材料の裏側はランディングパッド対の行列を特徴とし、1つのランディングパッド対はそれぞれのSMDスケルトン専用になっている。
【0025】
ランディングパッド204aは、下地材料202の、端子102a(図2A)とは反対側に配置されており、一方ランディングパッド204bは、下地材料の、端子102bとは反対側に配置されている(総称して「ランディングパッド204」)。言い換えると、下地材料202はランディングパッド204a及び端子102aの間に挟まれており、下地材料202はランディングパッド204b及び端子102bの間に挟まれている。さらに、例示的な実施形態では、それぞれのランディングパッド204のサイズは、その各端子102のサイズと実質的に同じである。したがって、図示されているランディングパッド204は図2Aに図示されているSMDスケルトン100aに接続されることを意図されており、一方ランディングパッド204c及び204dは、SMDスケルトン100bに接続されることを意図されている。端子102と同様に、ランディングパッド204もそれぞれビア206を有する。ランディングパッド204は、PPTC SMD(例えば図5AのPPTC SMD500)が振り向けられる回路アセンブリ上の専用パッドにはんだ付けされる。
【0026】
図4A図4Bは、例示的な実施形態によるPPTC SMDアセンブリ400の代表的な図面である。図4AはPPTC SMDアセンブリ400の俯瞰図であり、図4BはPPTC SMDアセンブリ400の写真である。PPTC SMDアセンブリ400は、それぞれのPPTC SMDの電気伝導性部分を提供するSMD行列200(図2A)を特徴とする。加えて、PPTC SMDアセンブリ400は、SMD行列200の全体にわたって成膜されたPPTC材料402の薄膜を特徴とする。
【0027】
例示的な実施形態では、PPTC材料402は、端子102及びウィスカ104上にスプレーされたPPTCインク材料の薄膜コーティングである。例示的な実施形態では、PPTC材料402はおおよそ100μmの厚みである。下地材料がPCBであろうと、フレキシブルテープであろうと、基板であろうと、ウェハなどであろうと、PPTC材料402は、下地材料202の上にインクを塗布する手段として例えばスピンコーティング、インクスプレー、又は噴射工程を使用して塗布される。下地材料202がエッチング構造を有する場合、PPTC材料402として100μm厚の厚みを有する導電性膜を構築することは容易なはずである。例示的な実施形態では、PPTC材料402は柔軟な表面に塗布されてよい。PPTC材料402は透明なものとして示されているが、図4Bの写真は、いくつかの実施形態ではPPTC材料402がSMDスケルトン行列200を覆い隠すことを示している。
【0028】
例示的な実施形態では、PPTC材料402により、SMDスケルトン行列200を構成するそれぞれのSMDスケルトン100のウィスカ104及び端子102の間が接続される。例示的な実施形態では、接続はウィスカ104と端子102との近接に基づく。したがって、SMDスケルトン100(図1A)を見ると、PPTC材料が行列に塗布された際に、ウィスカ104a、104b及び104cは端子102aに接続されることになり、一方ウィスカ104d、104e、104f及び104gは端子102bに接続されることになる。これらの接続により、電流がどのように端子間を伝わるのかが知らされる。
【0029】
さらに、例示的な実施形態では、PPTC材料402は、それぞれの端子のビア106から、下地202の反対側の各ランディングパッド204の各ランディングパッドビア206を通って漏出する。PPTC材料402により、電流がそこに流れることが可能になるので、これは、それぞれのSMDスケルトン100が、その端子102を介して下地202の反対側の各ランディングパッド204に電気的に結合されることを意味する。
【0030】
図5A図5Bは、例示的な実施形態によるPPTC SMDアセンブリ400、及びアセンブリから取り出された個々のPPTC SMD500の代表的な図面である。図5Aは、PPTC SMDアセンブリ400及びPPTC SMD500の俯瞰図であり、図5BはPPTC SMDアセンブリ400及びPPTC SMD500の写真である。PPTC SMDの上面図500a及び下面図500bの両方が示されている(総称して「PPTC SMD500」)。個々の構成要素を取り出すことができるように、PPTC SMDアセンブリ400上にエッチング又はダイシング用の印が作成されている。PPTC SMD500aにはSMDスケルトン100が見えており、一方PPTC SMD500bにはランディングパッド204が見えている。写真画像(図5B)では、いくつかの個々のPPTC SMD500が、PPTC SMDアセンブリ400の他のデバイスから切り離されている。
【0031】
図6は、例示的な実施形態による、PPTC SMDアセンブリ400などのPPTC SMDアセンブリを製造する方法600のフロー図である。銅などの電気伝導性材料からSMDスケルトン(例えば図1A)の行列(例えば図2A)を打ち抜く(ブロック602)。次いで、当該行列を、ランディングパッドの行列をその裏側に有する下地材料に固着させ、それぞれのランディングパッド対は、SMDスケルトンを構成する各端子対に関連付けられ且つそれに揃えられることになる(ブロック604)。次いで、PPTC材料の薄膜をSMDスケルトン行列にスピンコーティングして、それぞれのSMDスケルトンの端子及びウィスカの両方を被覆し(ブロック606)、これはPPTC材料がそれぞれの端子対のビアへと浸出し、各ランディングパッドのビアから出てくることを含む。
【0032】
任意選択で、PPTC材料が乾燥した際に、追加の被覆材料をPPTC SMDアセンブリにコーティングしてよい(ブロック608)。コーティングはポリマー材料、セラミック、プラスチックなどであってよい。次いで、PPTC SMDアセンブリから個々の構成要素として個々のPPTC SMDをエッチング又はダイシングする(ブロック610)。したがって、方法600により、スタンドアローンなPPTCデバイスを構築し、又は既存のウェハ又は個片化された基板ベースの製品にPPTCを一体化させるバッチ工程タイプの手法が利用可能になる。
【0033】
本明細書で使用するとき、単数形で記載され、「a」又は「an」という単語で始まる要素又は段階は、こうした除外が明示的に記載されていない限り、複数の要素又は段階を除外しないものとして理解されるべきである。さらに、本開示の「一実施形態」への言及は、記載された特徴をやはり組み込む追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。
【0034】
本開示は特定の実施形態に言及しているが、添付の特許請求の範囲で定義されるような本開示の領域及び範囲から逸脱することなく、記述した実施形態に対して多くの改変、修正、及び変更を加えることが可能である。したがって、本開示は記述した実施形態に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲の文言及びその均等物によって定義される全範囲を備えることが意図されている。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
【外国語明細書】