(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169337
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】粉体除去システム
(51)【国際特許分類】
B22F 12/70 20210101AFI20241128BHJP
B22F 10/25 20210101ALI20241128BHJP
B22F 12/30 20210101ALI20241128BHJP
B29C 64/245 20170101ALI20241128BHJP
B29C 64/153 20170101ALI20241128BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20241128BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20241128BHJP
【FI】
B22F12/70
B22F10/25
B22F12/30
B29C64/245
B29C64/153
B33Y30/00
B33Y10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024076874
(22)【出願日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】18/323,542
(32)【優先日】2023-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グリフィス、クレイ トーマス
(72)【発明者】
【氏名】スワナー、アーチー エル.
【テーマコード(参考)】
4F213
4K018
【Fターム(参考)】
4F213AC04
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL12
4F213WL55
4F213WL73
4K018FA50
(57)【要約】
【課題】粉体除去システムを提供する。
【解決手段】本出願は、その中に多数のコンポーネントボイド(330)を有する付加製造コンポーネント(110)から粉末(175)を除去するための粉末除去システム(300)を提供する。粉末除去システム(300)は、コンポーネントボイド(330)と整列する多数のビルドプレート導管(320)を有するビルドプレート(310)と、ビルドプレート導管(320)と整列する多数の粉末除去プレート導管(440)を有する粉末除去プレート(360)と、粉末除去プレート導管(440)と連通する加圧流体システム(470)とを含み得る。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その中に複数のコンポーネントボイドを有する付加製造コンポーネントから粉末を除去するための粉末除去システムであって、
複数のコンポーネントボイド(330)と整列する複数のビルドプレート導管(320)を含むビルドプレート(310)と、
複数のビルドプレート導管(320)と整列する複数の粉体除去プレート導管(440)を含む粉体除去プレート(360)
複数の粉体除去プレート導管(440)と連通する加圧流体システム(450)と、
を含む、粉体除去システム(300)。
【請求項2】
加圧流体システム(450)が流体の供給源(460)を含む、請求項1に記載の粉体除去システム(300)。
【請求項3】
流体(460)の供給源が気体又は液体を含む、請求項2に記載の粉体除去システム(300)。
【請求項4】
流体の供給源(460)が加圧装置(470)と連通している、請求項2に記載の粉体除去システム(300)。
【請求項5】
加圧流体システム(450)が真空を引く、請求項1に記載の粉体除去システム(300)。
【請求項6】
粉体除去プレート(360)が流体分配システム(400)を含む、請求項1に記載の粉体除去システム(300)。
【請求項7】
粉体除去プレート(360)が、第1の側面(370)、第2の側面(380)、及び側壁(390)を含む、請求項1に記載の粉体除去システム(300)。
【請求項8】
粉体除去プレート(360)が複数の内部チャネル(410)を含む、請求項7に記載の粉体除去システム(300)。
【請求項9】
複数の内部チャネル(410)が、側壁(390)上に配置された複数の入力ポート(420)を含む、請求項8に記載の粉末除去システム(300)。
【請求項10】
複数の内部チャネル(410)が、複数の入力ポート(420)から、粉体除去プレート(360)の第1の側面(370)に沿って延びている、請求項9に記載の粉体除去システム(300)。
【請求項11】
複数の内部チャネル(410)が複数の流体プレナム(430)まで延びている、請求項8に記載の粉体除去システム(300)。
【請求項12】
複数の粉体除去プレート導管(440)が、複数の流体プレナム(430)の各々に配置されている、請求項11に記載の粉体除去システム(300)。
【請求項13】
ビルドプレート(310)が粉末除去プレート(360)にクランプされている、請求項1に記載の粉末除去システム(300)。
【請求項14】
ビルドプラットフォーム(490)をさらに含み、ビルドプラットフォーム(490)が振動する、請求項1に記載の粉末除去システム(300)。
【請求項15】
その中に複数のコンポーネントボイド(330)を有する付加製造コンポーネント(110)から残留粉末(175)を除去する方法であって、
複数のビルドプレート導管(320)を有するビルドプレート(310)を、複数の粉末除去プレート導管(440)を有する粉末除去プレート(360)上に、複数のビルドプレート導管(320)が複数の粉末除去プレート導管(440)と整列するように位置決めするステップと、
複数のコンポーネントボイド(330)が複数のビルドプレート導管(320)と整列するように、ビルドプレート(310)上でコンポーネント(110)を製造するステップと、
加圧流体を、複数の粉末除去プレート導管(440)と複数のビルドプレート導管(320)とを通して、複数のコンポーネントボイド(330)内に流すステップと、
残留粉体(175)を複数のコンポーネントボイド(330)から押し出すステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願及びその結果としての特許は、一般に付加製造システムに関し、より詳細には、製造されたコンポーネント(部品)内に形成されたボイド内(within voids)の残留粉末(residual powder)を除去するための粉末除去システム(powder removal system)を備えた付加製造システム(additive manufacturing system)に関する。
【背景技術】
【0002】
複雑な部品は、付加製造システムを用いて製造することができる。このような付加製造システムは、粉末材料を所定の領域に連続的に積層し、粉末材料に対して焼結又は溶融(sintering or melting)などの材料変換プロセス(material transformation process)を実行することによって、このような構成要素を構築することができる。材料変換プロセスは、粉末材料の物理的状態を粒状組成物から固体材料に変化させ、コンポーネント(構成要素)を構築することができる。付加製造システムを使用して製造された部品は、ストック材料に機械加工プロセスを実行する(performing machining processes on stock material)ことによって通常製造される従来の部品とほぼ同じ物理的属性を有することがある。
【0003】
従来の付加製造システムは、一般に、大型のソリッドビルドプレート(solid build plates)上にコンポーネントを造形する。このような従来のビルドプレートは、多くの場合、ステンレス鋼などの固体金属(solid metal)で2インチ(又はそれ以上)作られている。一部のコンポーネントには適しているが、従来のビルドプレートを形成する固体材料は、独特の特徴を有する特定のコンポーネントを製造する際に問題を生じさせる可能性がある。例えば、従来のビルドプレートで製造された一部のコンポーネントは、そこに形成された導管又はボイド(conduits or voids)を含むことがある。これらの導管又はボイドの中には、ソリッドビルドプレート上に形成された開口部及び/又はソリッドビルドプレートによって閉塞された開口部を含むものがある。その結果、コンポーネントの導管は、研磨、コーティング、及び/又は熱処理などの後処理を受ける前に、残留粉末、粒子、及び/又は破片(residual powder, particles, and/or debris)を除去することができない場合がある。例えば、コンポーネントに後処理を施す際に、導管内に残留する可能性のある残留粉末が焼結する可能性がある。その結果、粉末がコンポーネント内の導管の部分的又は完全な閉塞をもたらす可能性がある。導管の閉塞は、従来のビルドプレート上に構築されたコンポーネントの意図された機能性及び/又は動作に悪影響を及ぼす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第10,967,572B2号
【発明の概要】
【0005】
したがって、本出願及びその結果としての特許は、多数のコンポーネントのボイドをその中に有する付加製造コンポーネントから粉末を除去するための粉末除去システムを提供する。粉末除去システムは、コンポーネントのボイドと整列する多数のビルドプレート導管を有するビルドプレートと、ビルドプレート導管と整列する多数の粉末除去プレート導管を有する粉末除去プレートと、粉末除去プレート導管と連通する加圧流体システムとを含むことができる。
【0006】
本出願及びその結果としての特許はさらに、その中に多数のコンポーネントのボイドを有する付加製造コンポーネントから残留粉末を除去する方法を提供する。この方法は、多数のビルドプレート導管を有するビルドプレートを、多数の粉末除去プレート導管を有する粉末除去プレート上に、ビルドプレート導管が粉末除去プレート導管と整列するように位置決めするステップと、コンポーネントボイドがビルドプレート導管と整列するようにビルドプレート上でコンポーネントを製造するステップと、加圧流体を粉末除去プレート導管及びビルドプレート導管を通してコンポーネントボイドに流すステップと、残留粉末をコンポーネントボイドから強制的に排出するステップとを含む。
【0007】
本出願及びその結果としての特許は、その中に多数の構成要素ボイドを有する構成要素を製造するための付加製造システムをさらに提供する。付加製造システムは、粉末源と、粉末源からコンポーネントを製造するためのアプリケータと、その上にコンポーネントを構築するためのビルドプレートであって、ビルドプレートは、コンポーネントボイドと整列する多数のビルドプレート導管を有するビルドプレートと、ビルドプレート導管と整列する多数の粉末除去プレート導管を有する粉末除去プレートと、粉末除去プレート導管と連通する加圧流体システムとを含み得る。
【0008】
本出願及びその結果としての特許のこれら及び他の特徴及び改良点は、いくつかの図面及び添付の特許請求の範囲と合わせて考慮した場合、以下の詳細な説明を検討すれば、当業者には明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】制御システムを含む付加製造システムのブロック図である。
【
図2】本明細書に記載されうる粉体除去システムの透視図である。
【
図3】ビルドプレートに隣接する粉体除去プレートを備えた
図2の粉体除去システムの一部の透視図である。
【
図4】
図2の粉末除去システムのビルドプレートの部分側面図である。
【
図5】
図2の粉体除去システムの粉体除去プレートの透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ここで図面を参照すると、いくつかの図を通して同様の数字は同様の要素を指し、
図1は、造形プラットフォーム(build platform)130上に配置された造形プレート120上でコンポーネント110を製造するための例示的なコンピュータ化された 付加製造システム100の概略図/ブロック図である。この例では、付加製造システム100は、金属粉末付加製造プロセスである直接金属レーザー溶融(DMLM:direct metal laser melting)用に配置されている。本開示の一般的な教示は、他の形態の付加製造にも同様に適用可能であることが理解される。付加製造システム100は、一般に、コンピュータ化された付加製造制御システム140及び付加製造プリンタ150を含む。付加製造システム100は、付加製造プリンタ150を用いてビルドプレート120上にコンポーネント110を物理的に生成するために、一組のコンピュータ実行可能命令を含むコード160を実行する。各付加製造プロセスでは、例えば微細粒金属粉末(fine-grain metal powder)175の形態の異なる原材料を使用することができ、そのストックは付加製造プリンタ150のチャンバ170に保持されることができる。例えば、コンポーネント110は、金属又は金属合金で作られてもよい。アプリケータ180は、最終コンポーネント110の各連続スライスが作成され得るブランクキャンバスとして広がる原料(raw material:原材料)190の薄層を作成することができる。図示の例では、ビルドプレート120の上方に配置されたレーザー又は電子ビーム200が、コード160によって定義されるように、各スライスごとに粒子を融合させる。1つのレーザー又は電子ビーム200が示されているが、付加製造システム100は任意の数を含んでもよいことが理解される。付加製造プリンタ150の様々な構成要素は、各新しい層の追加に対応するために移動してもよい。
【0011】
付加製造制御システム140は、コンピュータプログラムコードとしてコンピュータ210上に実装されるものとして示されている。この限りにおいて、コンピュータ210は、メモリ220、プロセッサ230、入出力(I/O)インターフェース240、及びバス250を含むように示されている。さらに、コンピュータ210は、外部I/Oデバイス/リソース(external I/O device/resource:外部入出力装置または資源)260及び外部記憶システム270と通信するように示されている。一般に、プロセッサ230は、コンポーネント110を代表するコード160(code 160 representative of the component 110:コンポーネント110特有のコード160)からの指示の下で、メモリ220及び/又は記憶システム270に記憶され得る付加製造制御システム140などのコンピュータプログラムコードを実行する。コンピュータプログラムコードを実行する間、プロセッサ230は、メモリ220、記憶システム270、I/Oデバイス240、及び/又は付加製造プリンタ150との間でデータを読み取り及び/又は書き込むことができる。バス250は、各構成要素間の通信リンクを提供する。I/Oデバイス240は、ユーザがコンピュータ210と対話することを可能にする任意のデバイス(例えば、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイなど)を含み得る。コンピュータ210は、本明細書で使用され得るハードウェア及びソフトウェアの様々な可能な組み合わせの代表的なものに過ぎない。例えば、プロセッサ230は、単一の処理ユニットを含んでもよいし、1つ又は複数の場所、例えばクライアント及びサーバ上の1つ又は複数の処理ユニットに分散されていてもよい。同様に、メモリ220及び/又は記憶システム270は、1つ又は複数の物理的な場所に存在してもよい。メモリ220及び/又は記憶システム270は、磁気媒体、光学媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)などを含む、様々なタイプの非一過性のコンピュータ可読記憶媒体の任意の組み合わせを含むことができる。コンピュータ210は、ネットワークサーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、ハンドヘルドデバイス、携帯電話、ページャ、パーソナルデータアシスタントなどの任意のタイプのコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0012】
付加製造プロセスは、コンポーネント110を代表するコード160を記憶する非一過性のコンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ220、記憶システム270など)から始まる。前述のように、コード160は、コンポーネント110を物理的に生成するために使用され得る、コンポーネント110を定義する一連のコンピュータ実行可能命令を含む。例えば、コード160は、コンポーネント110の正確に定義された3Dモデルを含み、AutoCAD(登録商標)、TurboCAD(登録商標)、DesignCAD 3D Maxなどの多種多様な周知のコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアシステムのいずれかから生成されてもよい。この点で、コード160は、現在知られている、又は後に開発されたファイル形式を取ることができる。例えば、コード160は、3D Systems社のステレオリソグラフィCADプログラム用に作成された標準テッセレーション言語(STL:Standard Tessellation Language)であってもよく、又は、任意の付加製造プリンタで製造される任意の三次元コンポーネントの形状及び構成を任意のCADソフトウェアが記述できるように設計された拡張可能マークアップ言語(XML)ベースのフォーマットである米国機械学会(ASME:American Society of Mechanical Engineers)標準である付加製造ファイル(AMF:additive manufacturing file)であってもよい。付加製造システム100はコード160を実行し、コンポーネント110を一連の薄片に分割し、付加製造プリンタ150を使用して粉末の連続層で組み立てる。DMLMの例では、各層は、コード160によって定義された正確な形状に溶融又は焼結され、先行する層に融合され得る。その後、コンポーネント110は、例えば、軽微な機械加工、封止、研磨、別の部品への組立、及び類似の工程など、任意の様々な仕上げ工程を受けることができる。
【0013】
図2~4は、本明細書に記載され得るような粉末除去システム300の一例を示す。粉末除去システム300は、穴あき付加製造ビルドプレート(holey additive build plate)310を含むことができる。一般に、穴あき付加製造ビルドプレート310は、ステンレス鋼などの固体金属のブロックであってもよい。この実施例では、穴あき付加製造ビルドプレート310は、そこを貫通して延びる多数のビルドプレート導管320を含む。ビルドプレート導管320は、その上に構築されるコンポーネント110の所望のサイズ及び形状に整合するように、穴あき付加製造プレート310内にサイズ及び位置決めされる。具体的には、ビルドプレート導管320は、コンポーネント110内の多数のコンポーネント導管又はボイド330と整列することができる。ビルドプレート導管320は、底部又はビルドプレート第1側部(a bottom or a build plate first side)340から頂部又はビルドプレート第2側部(a top or a build plate second side)350まで延びてよい。穴あき付加製造ビルドプレート310の例は、一般に所有されている米国特許第10,967,572B2号に示されている。米国特許第10,967,572B2号は、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる。
【0014】
粉体除去システム300は粉体除去プレート360を含む。粉末除去プレート360も、プラスチックや他の種類の非金属も使用できるが、ステンレス鋼などの金属の塊から作られてもよい。粉体除去プレート360は、穴あき付加製造造形プレート310にボルトなどで取り付けることができる。
図5~8に示すように、粉体除去プレート360は、底部又は粉体除去プレート第1側面(a bottom or a powder removal plate first side)370 から、その間に粉体除去プレート側壁(powder removal plate sidewall)390を有する頂部又は粉体除去プレート第2側面(a top or a powder removal plate second side)380まで延びることができる。粉体除去プレート360のサイズ、形状、構成は様々である。
【0015】
粉体除去プレート360は、その中に形成された流体分配システム400を含むことができる。流体分配システム400は、多数の内部チャネル(internal channels)410を含んでもよい。内部チャネル410は、粉体除去プレート側壁390について配置された多数の入力ポート(input ports)420から多数の内部流体プレナム430まで延びてよい。あるいは、内部ポート(internal ports)420は、底部又は粉体除去プレート第1側面370から頂部又は粉体除去プレート第2側面380まで延びていてもよい。各流体プレナム430は、その中に形成された1つ以上の粉末除去プレート導管440を有することができる。各粉体除去プレート導管440は、流体プレナム430から頂部又は粉体除去プレート第2側面380まで延びていてもよい。ビルドプレート導管320がコンポーネント導管又はボイド330と整列するのと同様の方法で、粉末除去プレート導管440はビルドプレート導管320と整列する。具体的には、粉体除去プレート導管440の数と位置は、ビルドプレート導管320のそれとほぼ一致する。本明細書では、他の構成要素及び他の構成を使用してもよい。
【0016】
流体プレナム430のサイズ及び形状は、内部チャネル410が粉体除去プレート側壁390から粉体除去プレート導管440の各々まで延びることを可能にする上での製造上の懸念に主に基づくことができる。流体プレナム430の各々における粉体除去プレート導管440の数は、実質的に等しい流体流量及び圧力を確保するように、ほぼ等しくてもよい。
【0017】
粉体除去システム300は、粉体除去プレート360と連通する加圧流体システム450を含むことができる。加圧流体システム450は粉体除去プレート360に正圧で気体、液体又は巻き込まれたそれらの組み合わせのような流体を供給することができる。あるいは、加圧流体システム450は、粉体除去プレート360から負圧で真空を引き出してもよい。加圧流体システム450は、流体の供給源460を含んでもよい。流体460の供給源は、圧縮ガスのような圧力下にあってもよいし、流体460の供給源は、ポンプなどの加圧装置470と連通していてもよい。加圧装置470は、正圧又は負圧を供給してもよく、及び/又は正圧と負圧を交互に供給できるようにしてもよい。可変圧力も使用できる。加圧流体システム450は、粉体除去プレート側壁390上の入力ポート420と連通する多数の流体ライン480を含んでもよい。流体の流れは、本明細書において計量されてもよい。本明細書では、他の構成要素及び他の構成を使用してもよい。
【0018】
粉末除去システム300は、ビルドプラットフォーム490を含むことができる。粉末除去プレート360及び穴あき付加製造ビルドプレート310は、コンポーネント110の製造中及び/又は後処理中にビルドプラットフォーム490上に位置決めされてもよい。ビルドプラットフォーム490は、コンポーネント110から粉末175を除去するのを補助するために、必要に応じて粉末除去プレート360及び穴あき付加製造ビルドプレート310に移動及び/又は振動を与えることができる。本明細書では、他の構成要素及び他の構成を使用してもよい。
【0019】
使用中、穴あき付加製造ビルドプレート310のビルドプレート導管320及び粉末除去プレート360の粉末除去プレート導管440の数及び位置は、製造されるコンポーネント110のコンポーネント導管又はボイド330の数及び位置と整合するように設計される。製造が完了すると、粉体除去システム300の加圧流体システム450は、気体又は液体のような流体を粉体除去プレート360の流体分配システム400に供給することができる。具体的には、流体は流体ライン480を通り、粉体除去プレート側壁390の入力ポート420に入り、粉体除去プレート360の内部チャネル410に入る。流体は、流体プレナム430を通り、粉末除去プレート導管に入り、穴あき付加製造ビルドプレート310のビルドプレート導管320に入ることができる。その後、流体は、ビルドプレート導管320から、コンポーネント110のコンポーネント導管又はボイド330へと通過する。加圧された流体は、そこに残留する余分な粉末を緩め除去する役割を果たす。同様に、真空もまた、その中にある粉末を引っ張るために、逆の態様で引かれることができる(a vacuum also may be pulled in the opposite manner to pull any powder therein)。本明細書では、流体として様々な種類のエッチング化学薬品(Various types of etching chemicals)も使用することができる。本明細書では、粉体除去システム300を製造工程の文脈で説明してきたが、粉体除去プレート360は、粉体除去ステーションなどでの製造後の処理でも使用することができる。
【0020】
従って、粉体除去システム300は、加圧された空気/ガス/液体を用いて、コンポーネント110の内部形状内に捕捉され得る残留粉体を強制的に除去する。この粉末は、複雑な内部蛇行通路、貫通流のための排出口の欠如などのために、一般に除去できない場合がある。さらに、この粉末は、形状の複雑さや粉末の流動特性のために、基本的な運動や振動によっても除去できない可能性がある。粉末を除去しなければ、仕上げ部品は使用できない可能性がある。粉末除去システム300は、既存の穴あき付加製造プレート310上の導管320を使用することにより、繰り返し粉末を除去することを可能にする。その後、粉末は、コンポーネント110又は穴あき付加製造ビルドプレート310の上の導管320、330を通して排出することができる。このような方法で粉末を除去する能力は、最終的なコンポーネント110においてさらに複雑な形状を可能にする。
【0021】
前述の内容は、本出願及びその結果としての特許の特定の実施形態に関するものでしかないことは明らかであろう。以下の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される本発明の一般的な精神及び範囲から逸脱することなく、当業者であれば本明細書において多数の変更及び修正を行うことができる。
【0022】
本発明のさらなる態様は、以下の条項の主題によって提供される:
[実施形態1]
その中に複数のコンポーネントボイドを有する付加製造コンポーネントから粉末を除去するための粉末除去システムであって、
前記複数のコンポーネントボイドと整列する複数のビルドプレート導管を含むビルドプレートと、
前記複数のビルドプレート導管と整列する複数の粉末除去プレート導管を含む粉末除去プレートと、
前記複数の粉末除去プレート導管と連通する加圧流体システムと、を含む、粉体除去システム。
[実施形態2]
前記加圧流体システムが流体の供給源を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の粉体除去システム。
[実施形態3]
前記流体の供給源が気体又は液体を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の粉体除去システム。
[実施形態4]
前記流体の供給源が加圧装置と連通している、先行する実施形態のいずれかに記載の粉体除去システム。
[実施形態5]
前記加圧流体システムが、真空を引く、先行する実施形態のいずれかに記載の粉体除去システム。
[実施形態6]
前記粉体除去プレートが、流体分配システムを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の粉体除去システム。
[実施形態7]
前記粉体除去プレートが、第1の側面、第2の側面、及び側壁を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の粉体除去システム。
[実施形態8]
前記粉体除去プレートが、複数の内部チャンネルを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の粉体除去システム。
[実施形態9]
前記複数の内部チャネルが、前記側壁に配置された複数の入力ポートを備える、先行する実施形態のいずれかに記載の粉体除去システム。
[実施形態10]
前記複数の内部チャネルが、前記複数の入力ポートから、前記粉体除去プレートの第1の側面に沿って延びる、先行する実施形態のいずれかに記載の粉体除去システム。
[実施形態11]
前記複数のチャネルが複数の流体プレナムまで延びる、先行する実施形態のいずれかに記載の粉体除去システム。
[実施形態12]
前記複数の粉体除去プレート導管の数が、前記複数の流体プレナムの各々に配置される、先行する実施形態のいずれかに記載の粉体除去システム。
[実施形態13]
前記ビルドプレートが、前記粉体除去プレートにクランプされている、先行する実施形態のいずれかに記載の粉体除去システム。
[実施形態14]
ビルドプラットフォームをさらに含み、前記ビルドプラットフォームが振動する、先行する実施形態のいずれかに記載の粉体除去システム。
[実施形態15]
その中に複数のコンポーネントボイドを有する付加製造コンポーネントから残留粉末を除去する方法であって、
複数のビルドプレート導管を有するビルドプレートを、複数の粉末除去プレート導管を有する粉末除去プレート上に、複数のビルドプレート導管が複数の粉末除去プレート導管と整列するように位置決めするステップと、
複数のコンポーネントボイドが前記複数のビルドプレート導管と整列するように、前記ビルドプレート上でコンポーネントを製造するステップと、
加圧流体を前記複数の粉末除去プレート導管と前記複数のビルドプレート導管とを通して、前記複数のコンポーネントボイドに流すステップと、
残留粉末を前記複数のコンポーネントボイドから強制的に排出するステップと、を含む、方法。
[実施形態16]
その中に複数のコンポーネントボイドを有するコンポーネントを製造するための付加製造システムであって、
粉末源と、
前記粉末源から前記コンポーネントを製造するためのプリンタと、
その上に前記コンポーネントを構築するためのビルドプレートであって、前記ビルドプレートは、前記複数のコンポーネントボイドと整列する複数のビルドプレート導管を含む、前記ビルドプレートと、
前記複数のビルドプレート導管と整列する複数の粉末除去プレート導管を含む、粉末除去プレートと、
前記複数の粉末除去プレート導管と連通する加圧流体システムと、
を含む、付加製造システム。
[実施形態17]
前記加圧流体システムが、気体流体又は液体流体の供給源を備える、先行する実施形態のいずれかに記載の付加製造システム。
[実施形態18]
気体流体又は液体流体の供給源が、加圧装置と連通している、先行する実施形態のいずれかに記載の付加製造システム。
[実施形態19]
前記加圧流体システムが真空を引き込む、先行する実施形態のいずれかに記載の付加製造システム。
[実施形態20]
ビルドプラットフォームをさらに含み、前記ビルドプラットフォームが振動する、先行する実施形態のいずれかに記載の付加製造システム。
【符号の説明】
【0023】
100:付加製造システム 110:コンポーネント 120:造形プレート 130:造形プラットフォーム 150:付加製造プリンタ 140:付加製造制御システム 160:コンピュータ実行可能命令を含むコード 170:チャンバ 175:微細粒金属粉末 180:アプリケータ 190:原料 200:レーザー/電子ビーム 210:コンピュータ 220:メモリ 230:プロセッサ 240:入出力インターフェース 250:バス 260:I/Oデバイス 270:記憶システム 300:粉末除去システム 310:穴あき付加製造ビルドプレート 320:ビルドプレート導管 30:コンポーネント導管/ボイド 340:ビルドプレート第1側部 350:ビルドプレート第2側部
360:粉体除去プレート 370:粉体除去プレート第1側面 380:粉体除去プレート第2側面 390:粉体除去プレート側壁 400:流体分配システム 410:内部チャネル 420:入力ポート 430:内部流体プレナム 440:粉末除去プレート導管 450:加圧流体システム 460:流体の供給源 470:加圧装置 480:流体ライン 490:ビルドプラットフォーム
【外国語明細書】