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特開2024-169355フラットボトム構造を有する調理容器及びその製作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169355
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】フラットボトム構造を有する調理容器及びその製作方法
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20241128BHJP
   A47J 36/02 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
A47J27/00 107
A47J36/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024082038
(22)【出願日】2024-05-20
(31)【優先権主張番号】10-2023-0066389
(32)【優先日】2023-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】524190519
【氏名又は名称】リ・ウン ハク
(74)【代理人】
【識別番号】100088616
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 一平
(74)【代理人】
【識別番号】100154829
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 成
(74)【代理人】
【識別番号】100132403
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 儀雄
(72)【発明者】
【氏名】リ・ウン ハク
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA09
4B055BA63
4B055CA02
4B055CB02
4B055DB14
4B055FB02
4B055FB05
4B055FC07
(57)【要約】
【課題】フラットボトム構造を有する調理容器及びその製作方法を提供する。
【解決手段】本発明の調理容器は、底面と上面を有し、食品を収容することができるように下方向に膨出したドーム状に湾曲成形されたドーム型プレートと、ドーム型プレートの底面中心部の周りを支持するコップ状のベースと、ドーム型プレートとコップ状のベースとの間に介在して接合するアルミニウム芯材と、を含み、ここで、ドーム型プレートは、底面中心部から厚さ方向に上向き陥没した凹部を備えることができる。また、本発明は、フラットボトム構造を有する調理容器の製作方法を含むことができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面と上面を有し、食品を収容することができるように下方向に膨出したドーム状に湾曲成形されたドーム型プレートと、
前記ドーム型プレートの底面中心部の周りを支持するコップ状のベースと、
前記ドーム型プレートと前記コップ状のベースとの間に介在して接合するアルミニウム芯材と、を含み、
前記ドーム型プレートは、前記底面の中心部から厚さ方向に上向き陥没した凹部を備える、フラットボトム構造を有する調理容器。
【請求項2】
前記コップ状のベースは、平坦な底面と、前記底面の周縁に沿って上方に延びた側面とを含む、請求項1に記載のフラットボトム構造を有する調理容器。
【請求項3】
前記凹部は、前記コップ状のベースの上側開口内に配置される、請求項1に記載のフラットボトム構造を有する調理容器。
【請求項4】
前記凹部は、周方向に上向き傾斜した傾斜面を形成する、請求項1に記載のフラットボトム構造を有する調理容器。
【請求項5】
前記ドーム型プレートは、ステンレス板材からなり、
前記コップ状のベースは、ステンレス材質からなる、請求項1に記載のフラットボトム構造を有する調理容器。
【請求項6】
前記ドーム型プレートは、下部ステンレス板材、アルミニウム板材、上部ステンレス板材の順に積層されたクラッド板材からなり、
前記コップ状のベースは、ステンレス材質からなる、請求項1に記載のフラットボトム構造を有する調理容器。
【請求項7】
前記凹部は、前記アルミニウム板材を露出させることができるように上向き陥没している、請求項6に記載のフラットボトム構造を有する調理容器。
【請求項8】
前記ドーム型プレートと前記アルミニウム芯材と前記コップ状のベースとは、インパクトボンディング(impact bonding)方式で接合される、請求項1に記載のフラットボトム構造を有する調理容器。
【請求項9】
上部パンチと下部ダイとから構成されたプレスを提供するステップと、
ドーム型プレート、コップ状のベース及びアルミニウム芯材を準備して配置するステップと、
前記ドーム型プレート、前記アルミニウム芯材及び前記コップ状のベースをインパクトボンディング方式で接合するためにプレスを圧着するステップと、を含み、
前記ドーム型プレートは、凹部を形成した底面と上面を有し、食品を収容することができるように下方向に膨出したドーム状に湾曲成形され、
前記コップ状のベースは、前記ドーム型プレートの底面中心部の周りを支持し、
前記アルミニウム芯材は、前記ドーム型プレートと前記コップ状のベースとの間に介在して接合する、フラットボトム構造を有する調理容器の製作方法。
【請求項10】
前記上部パンチは、前記ドーム型プレートの上面と対応する形状を有する加圧面を備え、
前記下部ダイは、前記ドーム型プレートの底面と対応する形状に形成された上側収容部と、
前記上側収容部の内部領域に下方に向かって凹むように形成され、前記コップ状のベースを収容する下側着座部と、を備える、請求項9に記載のフラットボトム構造を有する調理容器の製作方法。
【請求項11】
前記上部パンチは、前記加圧面の下面に第1電磁石を配置し、
前記下部ダイは、前記第1電磁石と対向する下側着座部の上面に第2電磁石を配置する、請求項10に記載のフラットボトム構造を有する調理容器の製作方法。
【請求項12】
前記プレスの圧着ステップで、
前記第1電磁石と前記第2電磁石は、互いに異なる極性で引力を作用するようにする、請求項11に記載のフラットボトム構造を有する調理容器の製作方法。
【請求項13】
前記凹部は、前記ドーム型プレートの前記底面中心部から厚さ方向に上向き陥没し、周方向に上向き傾斜した傾斜面を形成する、請求項9に記載のフラットボトム構造を有する調理容器の製作方法。
【請求項14】
前記ドーム型プレートは、ステンレス板材からなり、
前記コップ状のベースは、ステンレス材質からなる、請求項9に記載のフラットボトム構造を有する調理容器の製作方法。
【請求項15】
前記ドーム型プレートは、下部ステンレス板材、アルミニウム板材、上部ステンレス板材の順に積層されたクラッド板材からなり、
前記コップ状のベースは、ステンレス材質からなる、請求項9に記載のフラットボトム構造を有する調理容器の製作方法。
【請求項16】
前記凹部は、前記アルミニウム板材を露出させることができるように上向き陥没している、請求項15に記載のフラットボトム構造を有する調理容器の製作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットボトム構造を有する調理容器に関し、より詳細には、ドーム型プレートにフラットボトム構造を提供する調理容器に関する。また、本発明は、上述した調理容器の製作方法を含む。
【背景技術】
【0002】
周知の如く、鍋料理は、牛肉、豚肉、野菜などの様々な食材を鍋に入れてスープを注ぎ、沸騰させて食べる料理である。鍋料理は、速い時間に加熱できるように容器本体の底部を広く浅くドーム状に形成されるが、図6aに示すように、ガスレンジRに載せられて加熱するに適した構造を有する。
このような従来の鍋は、容器本体の底面を流線型に湾曲するように形成しているため、ユーザの不注意で傾け易いだけでなく、容器本体の底面の中心部のみ局部加熱されるため、容器本体の中心部と周辺部との温度差により均一な温度で調理するのに限界を持つしかない。
【0003】
最近、家庭や食堂において、インダクションレンズは、火花による火傷や火災の危険性がなく、一酸化炭素などの有害ガスの発生が少なく、室内酸素の消費が少なくて快適な室内環境を提供することができる利点により脚光を浴びている。
図6bに示すように、従来の鍋は、一般に、平板構造を有するインダクションレンジRの天板に載せられて加熱される場合、クッキングゾーンとの接触面積が減少して加熱効率性が著しく低下するだけでなく、鍋の安定な据え置きを保障することができなくなる。
このため、インダクションレンジ(induction range)、ハイライト(hi-light)レンジ、ホットプレート(hot plate)などのように平板状の天板を含むキッチン加熱器具で使用できるようにフラットボトム構造を有する調理容器が提案されている。このようなフラットボトム構造を有する調理容器は、本発明と同じ「リ・ウンハク」を出願人として既に登録された特許文献1に開示されているように、ドーム状の容器本体とステンレス底板をインパクトボンディング方式で接合することにより製作される。
【0004】
特許文献1は、インパクトボンディング方式でアルミニウム板を介して容器本体とステンレス底板とを接合するが、プレスによって瞬間的に圧着する過程で容器本体とステンレス底板との整合状態を維持する上で限界を有する。これだけでなく、溶融或いは半溶融状態のアルミニウムがしばしば容器本体とステンレンス底板との間から抜け出て外部に漏れるおそれがあるという問題点を持つ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国登録特許公報第10-2175889号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる問題点を解決するためのもので、その目的は、平板状の調理器具上に安定して着座することができるようにフラットボトム構造を有する、鍋のようにドーム状の容器本体から構成された調理容器を提供することにある。
また、本発明は、上述したようにドーム型プレートにフラットボトム構造を提供する調理容器の製作方法を含む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明による調理容器は、底面と上面を有し、食品を収容することができるように下方向に膨出したドーム状に湾曲成形されたドーム型プレートと、ドーム型プレートの底面中心部の周りを支持するコップ状のベースと、ドーム型プレートとコップ状のベースとの間に介在して接合するアルミニウム芯材と、を含み、ここで、ドーム型プレートは、底面中心部から厚さ方向に上向き陥没した凹部を備えることができる。
【0008】
本発明の実施形態において、コップ状のベースは、平坦な底面と、この底面の周縁に沿って上方に延びた側面と、を含むことができる。
本発明は、コップ状のベースの上側開口内に凹部を配置することができる。
また、凹部は、周方向に上向き傾斜した傾斜面を形成することができる。
本発明の実施形態において、ドーム型プレートは、ステンレス板材からなり、コップ状のベースは、ステンレス材質からなることができる。
【0009】
本発明の他の実施形態において、ドーム型プレートは、下部ステンレス板材、アルミニウム板材、上部ステンレス板材の順に積層されたクラッド板材からなり、コップ状のベースは、ステンレス材質からなることができる。
【0010】
本発明の他の実施形態において、凹部は、アルミニウム板材を露出させることができるように上向き陥没することができる。
【0011】
本発明の調理容器は、ドーム型プレートとアルミニウム芯材とコップ状のベースとをインパクトボンディング方式で接合することができる。
【0012】
また、本発明は、フラットボトム構造を有する調理容器の製作方法を含むことができる。
【0013】
本発明は、上部パンチと下部ダイとからなるプレスを提供するステップと、ドーム型プレート、コップ状のベース及びアルミニウム芯材を準備し、配置するステップと、ドーム型プレート、アルミニウム芯材及びコップ状のベースをインパクトボンディング方式で接合するためにプレスを圧着するステップと、を含むが、ここで、ドーム型プレートは、凹部を形成した底面と上面を有し、食品を収容することができるように下方向に膨出したドーム状に湾曲成形され、コップ状のベースは、ドーム型プレートの底面中心部の周りを支持し、アルミニウム芯材は、ドーム型プレートとコップ状のベースとの間に介在して接合することができる。
【0014】
ちなみに、上部パンチは、ドーム型プレートの上面と対応する形状を有する加圧面を備え、下部ダイは、ドーム型プレートの底面と対応する形状に形成された上側収容部と、上側収容部の内部領域に下方に向かって凹むように形成され、コップ状のベースを収容する下側着座部と、を備えることができる。
【0015】
好ましくは、上部パンチは、加圧面の下面に第1電磁石を配置し、下部ダイは、第1電磁石と対向する下側着座部の上面に第2電磁石を配置することができる。
本発明は、プレスの圧着ステップにおいて第1電磁石と第2電磁石を、互いに異なる極性で引力を作用するようにすることができる。
【0016】
さらに、凹部は、ドーム型プレートの底面中心部から厚さ方向に上向き陥没し、周方向に上向き傾斜した傾斜面を形成することができる。
【0017】
本発明の実施形態において、ドーム型プレートは、ステンレス板材からなり、コップ状のベースは、ステンレス材質からなることができる。
【0018】
本発明の他の実施形態において、ドーム型プレートは、下部ステンレス板材、アルミニウム板材、上部ステンレス板材の順に積層されたクラッド板材からなり、コップ状のベースは、ステンレス材質からなることができる。
【0019】
本発明の他の実施形態において、凹部は、アルミニウム板材を露出させることができるように上向き陥没することができる。
【0020】
本発明の特徴及び利点は、添付図面に基づく以降の詳細な説明によってさらに明らかになるであろう。
これに先立ち、本明細書及び請求の範囲に使用された用語又は単語は、通常的かつ辞典的な意味で解釈されてはならず、発明者が自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に即して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念で解釈されるべきである。
【発明の効果】
【0021】
以上、本発明の説明によれば、本発明は、鍋のように下方向に膨出したドーム型プレートを平板状の調理器具、例えばインダクションレンジ上に安定的に着座することができるようにフラットボトム構造を有する調理容器を提供する。
本発明は、中心から縁部に行くほど厚くなるアルミニウム芯材を手段としてドーム型プレートを安定的に支持しながらドーム型プレートとベースとの接合力を増加させる一方、調理容器の熱伝導性と熱保全性を改善することができる。
また、本発明は、ドーム型プレートの上面の中央に食品を集めて容易に食品を摂取することができるように設計される。
本発明は、強力なプレスによって瞬間的に圧着するインパクトボンディング技術を適用してドーム型プレートの底面中心部にベースを接合する過程中にドーム型プレートとベースとの整合状態を保障しながらアルミニウムの外部露出を防止することができるため、製品不良率を著しく低減させることができるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施形態によるフラットボトム構造を有する調理容器の斜視図である。
図2図1に示されたフラットボトム構造を有する調理容器を概略的に示す縦断面図である。
図3】本発明によるフラットボトム構造を有する調理容器の使用状態図である。
図4】本発明の他の実施形態によるフラットボトム構造を有する調理容器を概略的に示す縦断面図である。
図5a】本発明によるフラットボトム構造を有する調理容器の製作方法を段階的に示す図である。
図5b】本発明によるフラットボトム構造を有する調理容器の製作方法を段階的に示す図である。
図5c】本発明によるフラットボトム構造を有する調理容器の製作方法を段階的に示す図である。
図6a】従来技術による調理容器をガスレンジに載せて加熱する使用状態を概略的に示す図である。
図6b】従来技術による調理容器をインダクションレンジの天板のクッキングゾーン上に載せて加熱する使用状態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の目的、特定の利点及び新規な特徴は、添付図面に関連した以下の詳細な説明と好適な実施形態からさらに明らかになるだろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付するにあたり、同一の構成要素に限ってはたとえ他の図面上に表示されても、できる限り同一の番号を持つようにしていることに留意すべきである。また、本発明を説明するにあたり、関連する公知の技術についての具体的な説明が本発明の要旨を無駄に曖昧にするおそれがあると判断された場合、その詳細な説明は省略する。本明細書において、「第1」、「第2」などの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別するために使用されるものであり、構成要素がこれらの用語によって限定されるものではない。添付図面において、一部の構成要素は誇張又は省略されているか、或いは概略的に示されており、各構成要素の大きさは実際の大きさを完全に反映するものではない。
【0024】
本発明は、強化ガラス、セラミック、耐熱プラスチック材などで形成される平板状の天板を含むキッチン加熱器具、例えばインダクションレンジのクッキングゾーンにおいても鍋などの調理容器を安定的に着座させることができるように構成されたフラットボトム構造を有する調理容器に関する。
このために、本発明は、ドーム型プレートを下から支持することができるように、平らな底面の中心から縁部に行くほど徐々に厚くなる厚さを有する多重の積層ボトム構造を適用している。
【0025】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0026】
図1図3を参照すると、本発明の一実施形態によるフラットボトム構造を有する調理容器(以下、調理容器)は、被調理物を収容するドーム型プレート10と、ドーム型プレート10の底面11に中心部の周りを覆いかぶせて支持するコップ状のベース20と、ドーム型プレート10とベース20との間に介在して接合するアルミニウム芯材30と、から構成される。本発明の明細書において、中心部という用語は、コップ状のベース及び/又はアルミニウム芯材に重なるドーム型プレートの中央部分を意味し、以下に、周辺部という用語は、コップ状のベース及び/又はアルミニウム芯材に重なっていないドーム型プレートの縁部を意味する。
【0027】
本発明の一実施形態による調理容器は、インパクトボンディング(impact bonding)方式を用いて、鍋のように湾曲形状を取るドーム型プレート10と、アルミニウム芯材30と、コップ状のベース20とを三重の積層構造で接合してなるボトム構造を有する。これに限定されず、本発明は、高周波ろう付け(brazing)、フリクションプレスなどの様々な方式でも調理容器のボトム構造を三重に積層されるように製作可能である。
【0028】
好ましくは、ドーム型プレート10とコップ状のベース20とは、耐久性及び防錆性に優れるうえ、美しい美観を提供することができるステンレス材質で製作できる。
【0029】
本発明の一実施形態において、ドーム型プレート10は、調理しようとする食品、すなわち被調理物を収容することが可能な空間を提供する構成部材である。ドーム型プレート10は、底面11と上面12との間に所定の厚さを有するステンレス板材を下方向に膨出したドーム状に湾曲成形された容器であって、図示の如く中心部から縁部に向かって上向き湾曲するように曲率を有する凹な上面12によって上部を開放し、被調理物を収容するために中心部に行くほど凹んでいる収容空間を提供することができる。これに相応するように、ドーム型プレート10の底面11も上向き湾曲するように所定の曲率を有する凸状に形成される。
【0030】
ドーム型プレート10は、中心に行くほど凹んでいる上面12により被調理物をドーム型プレートの上面の中央に集まるようにして、鍋料理などの汁物を容易にすくって食べることができるという利点を提供する。また、ドーム型プレートは、被調理物との熱伝達面積を広げて迅速に沸騰させて食べることができる。
【0031】
具体的には、ドーム型プレート10は、底面11の中心部に厚さ方向に上向き陥没した凹部111を備える。言い換えれば、ドーム型プレート10は、底面11から上面12に向かう厚さ方向に凹状に陥没するように形成された凹部111を中心部に配置する。前述したように、ドーム型プレート10は、底面11と上面12との間に所定の厚さ、具体的には第2厚さTを有するステンレス板材で構成されるが、コップ状のベース20及び/又はアルミニウム芯材30に重なるドーム型プレートの中心部は、凹部によって第1厚さTを有する。中心部の第1厚さTは、ドーム型プレート10の周辺部の第2厚さTよりも薄い。ドーム型プレート10を構成するステンレス板材は、エッチング(ethcing)、圧延成形などを介して凹部111を形成することができ、これに限定されず、様々な方式で凹部を形成することができる。
【0032】
図示の如く、凹部111は、コップ状のベース20の上側開口内に配置できる大きさと形状に形成されるが、凹部の直径がベースの上側開口の内径よりも小さい大きさを持つようにする。これに加えて、凹部111は、その円周に沿って上向き傾斜した傾斜面111aを形成する。すなわち、凹部の断面形状を上狭下広構造にして形成することができる。
さらに、ドーム型プレート10は、その周縁に1つ以上の取っ手(図示せず)を備えることができる。
【0033】
ベース20は、前述したように、凹部111をベースの上側開口部に配置しながらドーム型プレート10の底面11の中心部を覆いかぶせることが可能な大きさと形状に形成されるが、ドーム型プレート10の底面中心部を十分に支持することができるようにコップ状又は受け皿(saucer)状に提供できる。このために、コップ状のベース20は、平坦な底面21と、この底面21の周縁に沿って上方に延びた側面22と、から構成される。ドーム型プレート10がコップ状のベース20の側面22に着座して支持されるとき、ドーム型プレート10の底面中心部が底面21と接触しないように側面22を所定の高さに設定することができる。
【0034】
選択的に、コップ状のベース20は、側面22を上広下狭構造にしてテーパーされた円錐台状に形成され、アルミニウム芯材30とドーム型プレート10の底面との接触面積を大きくして熱伝達効率を向上させることができる。この他にも、本発明は、上広下狭構造の側面を介してドーム型プレート10とベース20との接合の際にドーム型プレートの安定的な位置選定を保障するだけでなく、ドーム型プレートの底面との接触境界において過度の屈曲なしに滑らかに接合できるように保障することができる。
【0035】
本発明は、図3に示すように、インダクションレンジRの天板のクッキングゾーンの下に設置された誘導コイルから発生した磁力線が、クッキングゾーンに着座するコップ状のベース20を通過して生成された渦電流でコップ状のベースを発熱させてアルミニウム芯材30を通り過ぎてドーム型プレート10を加熱するが、ここで、ベース20は、磁性を有する材質、例えば鉄(F)を含有したステンレス材質で構成できる。
【0036】
また、本発明は、コップ状のベース20の底面21を手段としてフラットボトム構造を実現することにより、インダクションレンズRの平板状の天板に安定して着座することができる。本発明の一実施形態による調理容器は、インダクションレンジ以外にも、ガスレンジ、ハイライトレンジ、ホットプレートなどを用いて被調理物を調理することができる。
【0037】
本発明の調理容器は、アルミニウム芯材30を介してステンレス材質のドーム型プレートとコップ状のベースとを接合することができるように、ドーム型プレート111の底面11とコップ状のベース20との間にアルミニウム芯材30を介在させる。もちろん、本発明は、熱伝導性と熱保全性を有するアルミニウム芯材を介してドーム型プレート全体に均一な加熱を保障することができる。ここで、アルミニウム芯材は、アルミニウム或いはアルミニウム合金からなることができる。
【0038】
図示の如く、本発明は、ドーム型プレート10の底面中心部とコップ状のベース20の底面との間に空間と相応するようにアルミニウム芯材30の厚さをドーム型プレート10の底面中心部から周辺部に行くほど厚く形成する。インダクションレンジRの作動によって調理容器のフラットボトム構造を提供するコップ状のベース20から発熱した熱がアルミニウム芯材30を介してドーム型プレート10に伝達されて被調理物を調理することができる。このとき、本発明の調理容器は、ボトム構造に熱伝導率に優れたアルミニウム芯材30を内蔵しており、加熱の際にアルミニウム芯材30の縁部に比べて相対的に薄い厚さを有するアルミニウム芯材30の中心部をさらに迅速に加熱させることができ、ドーム型プレートの中心部において上昇する対流が形成されてドーム型プレートの周辺部に広がりながら、ドーム型プレートの上面に収容されている被調理物を速く料理することができる。また、本発明は、市販の三重ボトム構造の調理容器に比べてアルミニウム芯材30の縁部の厚さが厚いため、ドーム型プレートの熱を均一に且つ長時間維持することができるという利点を有する。
【0039】
上述したように、本発明は、インパクトボンディング方式で異種の金属板材を積層して接合するが、プレスで加圧する間に、アルミニウム芯材30がドーム型プレート10の底面とコップ状のベースに限定された内部空間内で空隙発生なしに広く広げながら均一に充填できるようにアルミニウム芯材30を軟質化させることができる。当業者に広く知られているように、軟質化したアルミニウム芯材30は、例えばプレスによって瞬間的に圧着されながら、ドーム型プレート10とコップ状のベース20に面接する表面を溶融させてステンレス板材(例えば、ドーム型プレートとベース)とアルミニウム板材(例えば、アルミニウム芯材)との接触界面を金属学的に接合させることができる。このような異種金属間の接合方式は、既に広く知られており、本明細書では、それについての詳細な説明を排除するようにする。
【0040】
アルミニウム芯材30の溶融したアルミニウムの一部は、ドーム型プレート10の凹部111に湾入してドーム型プレート10とアルミニウム芯材20とを強固に接合させることができる。言い換えれば、ドーム型プレート10の底面11の中心部は、凹部111による表面積の増加により異種金属素材の接合力を増加させることができるだけでなく、熱伝導度の向上を期待することができる。さらに、ドーム型プレート10の凹部111は、圧着時に発生するアルミニウム溶融物の逃げ空間として活用され、ドーム型プレート10とコップ状のベース20との間に抜け出て外部に漏れてしまう問題を未然に防ぐことができる。
【0041】
また、凹部111は、上狭下広の傾斜面111aによってアルミニウム溶融物の円滑な流入を確保するとともに、傾斜面の表面積を拡張させてアルミニウム芯材との接触面積を広げることができる。
【0042】
図4は、本発明によるフラットボトム構造を有する調理容器の他の実施形態を概略的に示す縦断面図である。図4に示す調理容器は、図1図3に示された本発明による調理容器の変形例であって、ドーム型プレートの素材を除いては非常に類似した構造で構成されているので、本発明の明瞭な理解を助けるために、類似又は同一の構成についての説明はここで排除する。
【0043】
本発明の他の実施形態による調理容器は、クラッド(clad)板材からなるドーム型プレート10と、ドーム型プレート10の底面11に中心部の周りを覆いかぶせて支持するコップ状のベース20と、ドーム型プレート10とベース20との間に介在してこれらを相互接合するアルミニウム芯材30と、から構成される。
【0044】
上述したように、ドーム型プレート10は、ステンレス板材とアルミニウム板材とからなるクラッド板材である。ドーム型プレート10は、図示の如く、アルミニウム板材10bの両面にステンレス板材10a、10cをそれぞれ積層してステンレス板材/アルミニウム板材/ステンレス板材の三重積層板に製作される。
【0045】
当業者に広く知られているように、ドーム型プレート10を構成するクラッド板材は、ステンレス板材とアルミニウム板材を加熱した後、圧延して接合製造する。もちろん、ドーム型プレート10は、クラッド板材をドーム型に湾曲成形させることで製作された容器であってもよい。
【0046】
本発明において、ドーム型プレート10は、図示の如く、アルミニウム板材10bの両面にステンレス板材10a、10cを積層配置した三重のクラッド板材であってもよく、これとは異なり、アルミニウム板材10bの一面、すなわち片面にステンレス板材10aを積層配置した二重のクラッド板材であってもよい。
【0047】
好ましくは、本発明は、ドーム型プレート10の底面10aの中心部から厚さ方向に上向き陥没した凹部111を備える。さらに好ましくは、本発明は、ドーム型プレート10の底面11を構成する下部ステンレス板材10aに凹部111を形成する。凹部111は、下部ステンレス板材10aを厚さ方向に穿設してアルミニウム板材10bの一部を露出させることができる。このような凹部111は、下部ステンレス板材の一部をエッチングし、打ち抜いて提供することができ、これに限定されず、様々な方式でドーム型プレートを構成するクラッド板材に凹部を形成することができる。
【0048】
図示の如く、凹部111は、コップ状のベース30の上側開口内に配置できる大きさ及び形状に形成され、凹部の側面を規定する上向き傾斜した傾斜面111aを含むことができる。
【0049】
本発明は、ドーム型プレート10の底面中心部とコップ状のベース20との間に介在したアルミニウム芯材30によってクラッド板材とコップ状のベースとを一体に接合することができる。アルミニウム芯材30は、ドーム型プレート10を構成する下部ステンレス板材10aと、コップ状のベース20に面接する表面とを溶融させ、それらの接触界面を金属学的に接合させる。特に、本発明の他の実施形態による調理容器は、凹部111によって露出したアルミニウム板材10bとアルミニウム芯材30とを相互接合する。一般に、同種材質を接合する場合、投入エネルギー量に比例して接合強度を高めることができるという利点を有する。
【0050】
その結果、本発明の他の実施形態による調理容器は、キッチン加熱機構の熱源に隣接してアルミニウム芯材30を配置しながら、ドーム型プレート10全般にわたってアルミニウム板材10bを内蔵しているため、熱保全効率と熱伝達効率を増大させることができる。また、本発明の他の実施形態による調理容器は、アルミニウムを介して軽量性製品を実現することができる。
【0051】
前述したように、本発明は、下方向に膨出したドーム型プレートにフラットボトム構造を提供することを特徴とする。以下は、ドーム型プレートの底面中心部にコップ状のベースを接合する製作方法についての説明である。
ここで、本発明は、三重クラッド板材からなるドーム型プレートに基づいて調理容器の製作過程を段階的に説明する。
【0052】
[プレス提供ステップ(S100)]
図5aは、上部パンチ1000と下部ダイ2000とから構成されたプレスを提供するステップ(S100)を示している。
【0053】
上部パンチ1000は、下部ダイ2000に対して相対移動、例えば上下移動することができるように構成されるが、下部ダイ2000に向かって下降して異種の金属板材を瞬間的に超高圧力で圧着するおことによりそれぞれの構成部材を接合させることができる。
上部パンチ110の加圧面は、ドーム型プレート10の凹な上面12と対応する形状に湾曲するように形成される(図2参照)。これは、後述する上部パンチと下部ダイによる圧着ステップで上部パンチの加圧面とドーム型プレートの上面との整合を可能にする。
【0054】
また、上部パンチ1000は、加圧面の下面に第1電磁石1100を設置する。第1電磁石は、当業者に広く知られているように電流の印加を受けて磁化して磁力を生成する構成部材であり、図示の如く、加圧面の下面中心に位置するようにする。本発明は、第1電磁石1100の磁力によってドーム型プレート10を上部パンチ1000に着脱することができる。ドーム型プレート10、より詳細には、ドーム型プレートの上部ステンレス板材10cは、磁力に感応する強磁性体からなることができる。
【0055】
下部ダイ2000は、図示の如く、コップ状のベース20とアルミニウム芯材30との着座を助けるように形成されている。
【0056】
図示の如く、下部ダイ2000は、上側収容部2000aと、上側収容部2000aの内部領域から下方に向かって凹むように形成された下側着座部2000bと、を備える。上側収容部2000aは、ドーム型プレート10の底面11に周縁、言い換えれば底面周辺部を支持することができるように底面周辺部と対応する形状と底面を収容することができる大きさを有するように形成される。また、下側着座部2000bは、調理容器の底面に該当するコップ状のベース20をドーム型プレート10の底面中心部と共に上部パンチ1000の中心軸を同一線上に配置することができるように下部ダイ2000に凹んで形成されるが、上側収容部2000aの内径よりも小さい内径を有し、上側収容部2000aの中心と同軸線上に配置されるようにする。
【0057】
また、下側着座部2000bは、コップ状のベース20の外形に対応する形状とコップ状のベース20を収容することができる大きさを有するように形成され、コップ状のベースを確実に据え置くことができるように助ける。
【0058】
好ましくは、下部ダイ2000は、第1電磁石1100と対向する下側着座部2000bの上面に第2電磁石2100を設置する。第2電磁石2100も、電流の印加を受けて磁化して磁力を生成するが、第2電磁石の磁力によってコップ状のベース20を下部ダイ200の下側着座部2000bに着脱することができる。もちろん、コップ状のベースは、磁力に感応する強磁性体からなることができる。
【0059】
第2電磁石2100は、電流の印加を受けて磁化するが、第1電磁石1100とは異なる極に磁化し、第1電磁石と第2電磁石との間に発生する引力によって垂直下降する上部パンチ1000を下部ダイ2000にさらに確実に密着するようにする。電磁石間の引力によって、本発明は、後述する圧着ステップの間に上部パンチ1000と下部ダイ2000との整合状態と共に、ドーム型プレート10とコップ状のベース20との付着状態を維持することができる。
【0060】
[調理容器の各構成部材の準備/配置ステップ(S200)]
本発明による調理容器は、ドーム型プレート10とコップ状のベース20とアルミニウム芯材30とを構成部材として含む。
【0061】
図5bに示すように、作業者は、ドーム型プレート10を上部パンチ1000の加圧面の下に配置する。また、作業者は、下部ダイ2000の下側着座部2000b内にコップ状のベース20を配置し、アルミニウム芯材30を、底面21と側面22とに限定されたコップ状のベース20上に着座させる。
このとき、上部パンチ1000の第1電磁石1100と下部ダイ2000の第2電磁石2100に電流を印加して、第1電磁石と第2電磁石が磁化状態に誘導されながら上部パンチ1000の加圧面の下にドーム型プレート10を位置固定させることができるだけでなく、下部ダイ2000の下側着座部2000b上にコップ状のベース20を位置固定させることもできる。本発明は、第1、第2電磁石の磁化によってドーム型プレート10とコップ状のベース20との信頼できる整合状態を維持することができるが、これは、上部パンチの下降移動時に、又は上部パンチを介して加圧する間に上部パンチ1000、ドーム型プレート10、カップ状のベース20及び下部ダイ2000が同軸線上から離脱する状況を未然に防止することができる。
【0062】
また、本発明の調理容器は、アルミニウム芯材30の上面と下面にパウダーやフラックスなどの溶剤を挿入してインパクトボンディングを用いてさらに信頼できる接合を実現することができる。
下部ダイに異種の金属板材、すなわちコップ状のベース20とアルミニウム芯材30とを積層配列した後、本発明は、アルミニウム芯材30を加熱するステップをさらに含むことができる。コップ状のベース20上に着座したアルミニウム芯材30を加熱するために、下部ダイ120は、下側着座部2000bの周辺に別個の加熱部2200(図5a参照)を配置することができる。選択的に、加熱部2200は、アルミニウムの溶融点である660℃以下、好ましくは400℃~500℃の温度範囲でアルミニウム芯材30を予熱して軟質化させる。軟質化したアルミニウム芯材30は、次の圧着ステップによってドーム型プレート10の底面11の中心部とコップ状のベース20との間の空間を確実に充填することができるように変形できる一方、ドーム型プレートとカップ状のベースとの接合力を向上させることができる。
【0063】
[プレス圧着ステップ(S300)]
図5cは、プレスの圧着ステップ(S300)を概略的に示している。
上部パンチ1000が下部ダイ2000に向かって1000トン~1600トンの圧力で下降加圧するが、このような瞬間圧力を介してドーム型プレート10の底面にアルミニウム芯材30とコップ状のベース20とを接合することができる。
本発明は、ドーム型プレートと(軟質状態の)アルミニウム芯材とコップ状のベースとを瞬間的に超高圧力を加えて圧着接合することができる。ドーム型プレート10とアルミニウム芯材30とコップ状のベース20とが積層配列された調理容器のボトム構造は、軟質化したアルミニウムの良好な流動性により、凹部111を含むドーム型プレートの底面中心部とカップ状のベースとの接触境界まで確実に充填されるため、アルミニウム芯材の接触面積を拡張させるとともに、それぞれの構成部材を一体型に接合することができる。
本発明は、ドーム型プレート10の凹部111(図5b参照)によって露出したアルミニウム板材10bとアルミニウム芯材30との界面接合を促進させることができる。ドーム型プレート10の凹部111は、表面積の増加を誘導することができ、圧着時に発生するアルミニウム溶融物の逃げ空間として活用することができる。
【0064】
その結果、本発明は、圧着ステップ(S300)を介してインダクションレンジの天板とドーム型プレート10との間の隙間を補償するように平坦な底面21の中心から縁部に行くほど次第に厚くなるボトム構造を有する調理容器を提供することができる。
これに加えて、本発明は、ドーム型プレート10の底面11とコップ状のベース20とに限定された空間内にアルミニウム芯材30を挿入配置しているため、アルミニウムの外部露出を防止することができる。周知の如く、アルミニウムやアルミニウム合金は、水分と反応して形成された水酸化アルミニウムによって表面色を黒く変色させ、アルツハイマー病を誘発することが知られている。
【0065】
本発明は、プレス圧着ステップ(S300)中に第1電磁石1100と第2電磁石2100を活性化させてドーム型プレート10とコップ状のベース20を遊動なしに定位置に配列できるように助ける一方、上部パンチ1000と下部ダイ2000との間に作用する引力により下部ダイに向かって上部パンチの一直線上への下降移動を保障することができる。
接合成形が完了した後、上部パンチが上昇移動して調理容器を取り出すことができる。本発明は、第1電磁石1100及び第2電磁石2100に電流を不活性化させて上部パンチの上昇移動及び調理容器の取り出しを可能にするように助ける。成形された調理容器は、徐冷ステップを介して組織の変化を最小限に抑える。
最後に、本発明は、圧縮ステップ中に調理容器に不必要に生成されたバリ(burr)などを切断(cutting)及び/又は研磨処理して市販の製品として生産することができる。
【0066】
参考までに、図5a~図5cは一連のステップとして説明されるが、これらのステップは他の実例でステップの順序を変更することができ、図示及び/又は説明された一部のステップは全体的或いは部分的に省略されてもよい。
また、本発明による調理容器は、上述したステップに限定されず、様々な方法で製作されることもできる。
【0067】
以上、本発明を実施形態によって詳細に説明したが、これは、本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明によるフラットボトム構造を有する調理容器とその製作方法は、これに限定されず、本発明の技術的思想内において、当該分野における通常の知識を有する者によってその変形や改良が可能であるのは明らかであるというべきである。
本発明の単なる変形又は変更はいずれも、本発明の範囲に属するものであり、本発明の具体的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって明らかになるであろう。
【符号の説明】
【0068】
10 ドーム型プレート
11 底面
111 凹部
20 コップ状のベース
21 底面
22 側面
30 アルミニウム芯材
1000 上部パンチ
1100 第1電磁石
2000 下部ダイ
2100 第2電磁石
ガスレンジ
インダクションレンジ
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b