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特開2024-169360プリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169360
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】プリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20241128BHJP
   H05K 3/46 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H05K1/02 C
H05K1/02 J
H05K3/46 T
H05K3/46 N
H05K3/46 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】41
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024082529
(22)【出願日】2024-05-21
(31)【優先権主張番号】10-2023-0066307
(32)【優先日】2023-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0158480
(32)【優先日】2023-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】李 鉉秀
(72)【発明者】
【氏名】鄭 相鎬
(72)【発明者】
【氏名】朴 昌華
(72)【発明者】
【氏名】趙 ▲徳▼▲ホン▼
(72)【発明者】
【氏名】韓 相願
(72)【発明者】
【氏名】朴 鍾殷
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA12
5E316AA15
5E316AA32
5E316AA43
5E316BB02
5E316BB03
5E316BB04
5E316CC04
5E316CC09
5E316CC10
5E316CC32
5E316CC33
5E316CC34
5E316CC38
5E316CC39
5E316DD13
5E316DD17
5E316DD23
5E316DD24
5E316DD32
5E316DD33
5E316FF07
5E316FF13
5E316FF14
5E316FF18
5E316HH40
5E316JJ02
5E338AA03
5E338AA16
5E338BB13
5E338BB14
5E338BB25
5E338BB75
5E338CC01
5E338CC04
5E338CC06
5E338EE60
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高密度微細回路を有する電子部品との連結及び/またはメインボードとの連結を行うことができ、微細回路が実装した構造が最外側に突出し、信頼性を向上させることができるプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本開示は、第1絶縁層110、第1絶縁層110の上側に突出した第1部121、及び第1絶縁層110の上面と下面を貫通する第2部122を有する第1金属層120、及び第1絶縁層110と第2部122の境界に配置されて、第1絶縁層110の下面に延びるバリア層130を含み、第1部121と第2部122が一体的に形成されるプリント回路基板とプリント回路基板の製造方法に関するものである。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上側に突出した第1部、及び前記第1絶縁層内に埋め込まれた第2部を有する第1金属層と、
前記第1絶縁層と前記第2部との間に配置されて、前記第1絶縁層の下面に延びるバリア層と、を含み、
前記第1部と前記第2部は一体的に形成されている、プリント回路基板。
【請求項2】
前記第1部の下面の幅は、前記第2部の上面の幅よりも狭い、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項3】
前記第1部と前記第2部はそれぞれテーパされた形状を有し、
前記第1部のテーパされた方向と前記第2部のテーパされた方向は同一である、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項4】
前記第2部は、上側に向かうほど幅が狭くなるようにテーパされた形状を有する、請求項3に記載のプリント回路基板。
【請求項5】
前記第2部の上面の少なくとも一部は、前記第1絶縁層によって覆われていない、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項6】
前記第1金属層は、前記第2部の上面と前記第1絶縁層の上面が段差を有するように第1リセスを含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項7】
前記第1リセスの深さは、前記バリア層の厚さと同一である、請求項6に記載のプリント回路基板。
【請求項8】
前記第1金属層は、シード層及び前記シード層上に配置されるめっき層を含み、
前記シード層は、前記第1金属層の外側に配置される、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項9】
前記シード層は、前記第1部の外側及び前記第2部の外側に沿って一体的に形成されている、請求項8に記載のプリント回路基板。
【請求項10】
前記めっき層は、前記第1部及び前記第2部に一体的に形成されている、請求項9に記載のプリント回路基板。
【請求項11】
前記第1金属層上に配置される表面処理層をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項12】
前記表面処理層の厚さは、前記バリア層の厚さよりも厚い、請求項11に記載のプリント回路基板。
【請求項13】
前記第1金属層は、前記第2部の上面と前記第1絶縁層の上面が段差を有するように第1リセスを含み、
前記表面処理層は、前記第1リセスを充填するように配置される、請求項12に記載のプリント回路基板。
【請求項14】
前記第1金属層の下面と前記バリア層の下面は、共面である、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項15】
前記第1金属層の下面は、前記第1絶縁層の下面の延長面よりも突出した、請求項14に記載のプリント回路基板。
【請求項16】
前記第1金属層の下面と前記バリア層の下面は段差を有する、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項17】
前記第1金属層の下面は、前記第1絶縁層の下面の延長面よりもリセスされた構造を有する、請求項16に記載のプリント回路基板。
【請求項18】
前記第1絶縁層上に配置されるソルダーレジスト層をさらに含み、
前記第1金属層は、前記ソルダーレジスト層を貫通して、前記第1部の少なくとも一部は前記ソルダーレジスト層から突出した、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項19】
前記バリア層は、前記第1金属層と前記ソルダーレジスト層との間に延びる、請求項18に記載のプリント回路基板。
【請求項20】
前記第1金属層上に配置される第1連結部材と、
前記第1連結部材上に配置されて、前記第1金属層と互いに連結される第1電子部品と、をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項21】
前記第1金属層は、第1金属ポスト及び第2金属ポストを含み、
前記第1金属ポストの厚さは、前記第2金属ポストの厚さよりも厚い、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項22】
前記第1部の下面の幅と前記第2部の上面の幅は、同一である、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項23】
前記第1金属層は、上側に向かうほど幅が狭くなるようにテーパされた形状を有する、請求項22に記載のプリント回路基板。
【請求項24】
前記第1金属層は、第1金属ポスト及び第2金属ポストを含み、
前記第1金属ポストの厚さは、前記第2金属ポストの厚さよりも厚い、請求項22に記載のプリント回路基板。
【請求項25】
前記バリア層は、前記第1部の少なくとも一部を覆うように延びる、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項26】
前記バリア層は、前記第2部の上面を覆う、請求項25に記載のプリント回路基板。
【請求項27】
前記バリア層は、前記第2部を全て覆う、請求項26に記載のプリント回路基板。
【請求項28】
前記第1部の一部上に配置される第1連結部材をさらに含み、
前記バリア層は、前記第1連結部材と接する第1部の一部には配置されない、請求項25に記載のプリント回路基板。
【請求項29】
前記第1連結部材は、前記第1部の上面の少なくとも一部及び側面の少なくとも一部を覆う、請求項28に記載のプリント回路基板。
【請求項30】
前記第1連結部材は第1金属を含み、
前記バリア層は、前記第1金属の酸化物を含む、請求項28に記載のプリント回路基板。
【請求項31】
前記第1金属はアルミニウム(Al)を含む、請求項30に記載のプリント回路基板。
【請求項32】
前記バリア層は、前記第1絶縁層の上面は覆わない、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項33】
前記バリア層は、Al、SiO、TiO、ZnO、ZrO、HfO、及びLaの少なくとも1つの材料を含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項34】
前記第1絶縁層の下側に配置される第2絶縁層と、
前記第2絶縁層上に配置される第1配線層と、
前記第1配線層と前記第1金属層を互いに連結するように前記第2絶縁層の少なくとも一部を貫通する第1ビア層と、をさらに含む、請求項1に記載のプリント回路基板。
【請求項35】
キャリア基板上に臨時層を形成する段階と、
前記臨時層上に第1絶縁層を形成する段階と、
前記第1絶縁層を貫通する第1貫通孔を形成する段階と、
前記臨時層の少なくとも一部を除去してリセスを形成する段階と、
前記第1貫通孔の内壁、前記リセスの内壁、及び前記第1絶縁層の下面に沿ってバリア層を形成する段階と、
前記第1貫通孔及び前記リセス内に第1金属層を形成する段階と、
前記キャリア基板及び前記臨時層を除去する段階と、を含む、プリント回路基板の製造方法。
【請求項36】
前記臨時層を除去する段階の後、前記バリア層の一部を除去する段階をさらに含む、請求項35に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項37】
前記リセスを形成する段階は、前記臨時層を貫通する第2貫通孔を形成する段階を含む、請求項35に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項38】
前記臨時層を形成する段階は、めっきで行われる、請求項35に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項39】
前記臨時層を形成する段階の前に、前記キャリア基板上にストッパー層を形成する段階と、をさらに含み、
前記臨時層は金属材料を含み、
前記ストッパー層は、前記臨時層と異なる金属材料を含む、請求項35に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項40】
前記バリア層を形成する段階は、蒸着(Deposition)工程で行われる、請求項35に記載のプリント回路基板の製造方法。
【請求項41】
前記第1貫通孔を形成する段階及び前記リセスを形成する段階は、同時に行われる、請求項35に記載のプリント回路基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、モバイル機器の軽量化、小型化の傾向に対応するために、これに実装されるプリント回路基板も軽薄短小化を実現する必要性が徐々に増加している。また、高性能のサーバ向けプリント回路基板の需要が増加するにつれて、ロジック半導体とメモリ半導体、あるいはロジック半導体とロジック半導体を連結する高密度回路の需要も急激に増加している。高密度微細回路を有する半導体チップなど電子部品との連結の信頼性及びメインボードと連結の信頼性を向上させるための研究が続いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の様々な目的の一つは、高密度微細回路を有する電子部品との連結及び/またはメインボードとの連結を行うことができるプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することである。
【0004】
本開示の様々な目的の別の一つは、微細回路が実装した構造が最外側に突出したプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することである。
【0005】
本開示の様々な目的の別の一つは、信頼性を向上させることができるプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によって提案する様々な解決手段のうち一つは、第1絶縁層、第1絶縁層の上側に突出した第1部、及び第1絶縁層の内に埋め込まれる第2部を有する第1金属層、及び第1絶縁層と第2部との境界に配置されて、第1絶縁層の下面に延びるバリア層を含み、第1部と第2部が一体的に形成されるプリント回路基板を提供することである。
【0007】
本開示によって提案する様々な解決手段のうち他の一つは、キャリア基板上に臨時層を形成する段階、臨時層上に第1絶縁層を形成する段階、第1絶縁層を貫通する第1貫通孔を形成する段階、上記臨時層の少なくとも一部を除去してリセスを形成する段階、第1貫通孔の内壁、リセスの内壁及び第1絶縁層の下面に沿ってバリア層を形成する段階、第1貫通孔及びリセス内に第1金属層を形成する段階、キャリア基板及び臨時層を除去する段階を含むプリント回路基板の製造方法を提供することである。
【発明の効果】
【0008】
本開示の様々な効果の一つとして、高密度微細回路を有する電子部品との連結及び/またはメインボードとの連結を行うことができるプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することができる。
【0009】
本開示の様々な効果の他の一つとして、微細回路が実現した構造が最外側に突出したプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することができる。
【0010】
本開示の様々な効果の他の一つとして、信頼性を向上させることができるプリント回路基板及びプリント回路基板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】電子機器システムの例を概略的に示したブロック図である。
図2】電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
図3a】第1実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
図3b】第1実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
図4a】第2実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
図4b】第2実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
図5a】第3実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
図5b】第3実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
図6】第4実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
図7】第5実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
図8】第6実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
図9a】第7実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
図9b】第7実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
図10a】第8実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
図10b】第8実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
図11a】第9実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
図11b】第9実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
図12a】プリント回路基板の第1金属層の様々な形状を概略的に示した断面図である。
図12b】プリント回路基板の第1金属層の様々な形状を概略的に示した断面図である。
図12c】プリント回路基板の第1金属層の様々な形状を概略的に示した断面図である。
図12d】プリント回路基板の第1金属層の様々な形状を概略的に示した断面図である。
図12e】プリント回路基板の第1金属層の様々な形状を概略的に示した断面図である。
図13a】第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示した断面図である。
図13b】第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示した断面図である。
図13c】第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示した断面図である。
図13d】第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示した断面図である。
図13e】第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示した断面図である。
図13f】第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示した断面図である。
図13g】第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示した断面図である。
図13h】第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示した断面図である。
図13i】第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示した断面図である。
図13j】第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示した断面図である。
図13k】第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示した断面図である。
図13l】第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示した断面図である。
図13m】第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示した断面図である。
図14】第2実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示した断面図である。
図15】第3実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示した断面図である。
図16】第4実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示した断面図である。
図17】第5実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示した断面図である。
図18】第6実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示した断面図である。
図19】第7実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示した断面図である。
図20】第8実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示した断面図である。
図21】第9実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面を参照して本開示について説明する。図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために拡大縮小表示(または強調表示や簡略化表示)がされることがある。
【0013】
電子機器
図1は、電子機器システムの例を概略的に示したブロック図である。
【0014】
図面を参照すると、電子機器1000はメインボード1010を収容する。メインボード1010には、チップ関連部品1020、ネットワーク関連部品1030、及びその他の部品1040などが物理的及び/または電気的に連結されている。これらは、後述する他の電子部品とも結合されて様々な信号ライン1090を形成する。
【0015】
チップ関連部品1020としては、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップと、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップと、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップなどが含まれるが、これらに限定されるものではなく、これ以外にもその他の形態のチップ関連の電子部品が含まれることもできる。さらに、これらのチップ関連部品1020を互いに組み合わせることもできる。チップ関連部品1020は、上述したチップや電子部品を含むパッケージ形態であることもできる。
【0016】
ネットワーク関連部品1030としては、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されず、これ以外にもその他の多数の無線または有線標準やプロトコルのいずれかが含まれ得る。また、ネットワーク関連部品1030をチップ関連部品1020とともに互いに組み合わせることもできる。
【0017】
その他の部品1040としては、高周波インダクタ、フェライトインダクタ、パワーインダクタ、フェライトビーズ、LTCC(low Temperature Co-Firing Ceramics)、EMI(Electro Magnetic Interference)filter、MLCC(Multi-Layer Ceramic Condenser)などが含まれる。但し、これらに限定されるものではなく、これ以外にもその他の様々な用途のために用いられるチップ部品の形態の受動素子などが含まれ得る。また、その他の部品1040をチップ関連部品1020及び/またはネットワーク関連部品1030と互いに組み合わせることもできる。
【0018】
電子機器1000の種類に応じて、電子機器1000は、メインボード1010に物理的及び/または電気的に連結されるか、または連結されない他の電子部品を含むことができる。他の電子部品の例を挙げると、カメラモジュール1050、アンテナモジュール1060、ディスプレイ1070、バッテリー1080などがある。但し、これらに限定されるものではなく、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、羅針盤、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカー、大容量記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ)、CD(compact disk)、DVD(digital versatile disk)なども挙げられる。これ以外にも、電子機器1000の種類に応じて様々な用途のために用いられるその他の電子部品などが含まれることもできる。
【0019】
電子機器1000は、スマートフォン(smart phone)、個人用情報端末機(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであることができる。但し、これらに限定されず、これ以外にもデータを処理する任意の他の電子機器であることもできる。
【0020】
図2は、電子機器の一例を概略的に示した斜視図である。
【0021】
図面を参照すると、電子機器は例えば、スマートフォン1100であることができる。スマートフォン1100の内部には、マザーボード1110が収容されており、このようなマザーボード1110には様々な部品1120が物理的及び/または電気的に連結されている。さらに、カメラモジュール1130及び/またはスピーカー1140のように、マザーボード1110に物理的及び/または電気的に連結されるか、または連結されない他の部品が内部に収容されている。部品1120の一部は、上述したチップ関連部品であることができ、例えば、部品パッケージ1121であることができるが、これに限定されるものではない。部品パッケージ1121は、能動部品及び/または受動部品を含む電子部品が表面に実装配置されたプリント回路基板の形態であることができる。または、部品パッケージ1121は、能動部品及び/または受動部品が内蔵されたプリント回路基板の形態であることもできる。一方、電子機器は必ずスマートフォン1100に限定されるものではなく、上述したように他の電子機器であることもできる。
【0022】
プリント回路基板
図3a、3bは、第1実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
【0023】
図3aを参照すると、第1実施形態に係るプリント回路基板は、第1絶縁層110、第1絶縁層110の上側に突出した第1部121及び第1絶縁層110の上面と下面を貫通する第2部122を有する第1金属層120、及び第1絶縁層110と第2部122との境界に配置されて、第1絶縁層110の下面に延びるバリア層130を含むことができる。
【0024】
第1金属層120は、プリント回路基板が半導体チップなどの電子部品と連結されるか、メインボードなどの他の構成と連結されるための手段として機能することができる。第1金属層120は、第1絶縁層110の上側に突出した第1部121を含むため、微細ピッチを有する電子部品との連結がより円滑に行われることができ、電気的連結経路の形成時に、連結部材の短絡(short)による不良または離脱による不良などを防止することができる。第1実施形態に係るプリント回路基板は、第1金属層120と第1絶縁層110との間にバリア層130が配置されることによって、第1金属層120の突出領域である第1部121が突出するように臨時層を除去する段階で第1金属層120の不良が発生しない可能性がある。バリア層130は、臨時層の貫通孔の境界に沿って配置された後、突出した部分が除去されるため、バリア層130は、第1金属層120のうち第1絶縁層110に埋め込まれた第2部122と第1絶縁層110の境界との間に配置されて、第1絶縁層110の下面に延びることができる。
【0025】
第1実施形態に係るプリント回路基板は、いわゆるコアレス(coreless)基板であり、最上側に配置される第1金属層120が第1絶縁層110に埋め込まれていることができる。但し、第1金属層120を形成する段階でバリア層130が先に形成されて第1金属層120に突出領域である第1部121を形成することができることによって、コアレス基板であるにも関わらず第1絶縁層110の上側に突出した構造を有する第1金属層120を形成することができる。従来のコアレス基板に突出部を形成するためには、コアレス基板の最外側の埋め込みパターン上に別途の金属層をさらに形成する方式で行われたが、第1実施形態に係るプリント回路基板は臨時層の貫通孔内にバリア層130が配置されることによって、第1金属層120の第1部121と第2部122が一体的に形成されることができる。したがって、第1実施形態に係るプリント回路基板は、微細ピッチを有する突出部の整列(align)問題を克服することができ、2段の金属層間の界面で発生する不良、アンダーカット(undercut)不良及び最外側の絶縁層との突出関係で発生する不良などが発生しないことがある。これに関しては、製造段階でさらに詳細に説明する。
【0026】
第1絶縁層110は絶縁材料を含むことができる。絶縁材料は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、またはこのような樹脂と共に、無機フィラー、有機フィラー及び/またはガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、and/or Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。絶縁材料は、感光性材料及び/または非感光性材料であることができる。例えば、第1絶縁層110の絶縁材料としては、ABF(Ajinomoto Build-up Film)の絶縁材であることができるが、これに限定されず、PPG(Prepreg)、RCC(Resin Coated Copper)、PID(Photo Imageable Dielectric)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)などを含むこともできる。しかし、これに限定されるものではなく、必要に応じて、それ以外にも他の剛性に優れた他の素材が用いられることもできる。
【0027】
第1金属層120は金属物質を含むことができる。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などを用いることができる。金属物質は好ましくは銅(Cu)を含むことができるが、これらに限定されない。第1金属層120は、電子部品及び半導体チップなどが実装するための領域であることができ、メインボードなどと連結されるための領域であることもでき、他のパッドと信号連結を行うために回路パターンと連結されることもできる。第1金属層120は、複数の金属ポストを含むことができ、これに限定されず、複数のパターン及び/またはパッドをさらに含むことができる。第1金属層120の金属ポストまたはパターン/パッドは、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドパターン/パッド、パワーパターン/パッド、信号パターン/パッドなどを含むことができる。ここで、信号パターン/パッドは、グランド、パワーなどを除いた各種信号、例えばデータ信号などの電気的連結のためのパターン/パッドを含むことができる。複数の金属ポストは、第1金属層120の形成段階で同時に形成されることができるが、これに限定されず、必要に応じて順次または段階的に形成されることもできる。また、第1金属層120のパターン/パッドは、互いに異なるパターン/パッドと電気的に信号を送受信することもでき、他のパターン/パッドと電気的に短絡して機能を行うこともできる。
【0028】
第1金属層120に半導体チップなどの電子部品の実装のために高密度の微細ピッチが要求される場合には、第1金属層120のそれぞれの金属ポスト及び/又はパターン間の間隔が狭くなることができ、受動部品等の電子部品を実装するための場合には、第1金属層120の間隔がより広くなることもできる。
【0029】
第1金属層120は、SAP(Semi Additive Process)、MSAP(Modified Semi Additive Process)、TT(Tenting)またはサブトラクティブ(Subtractive)工法のいずれか一つで形成されることもできるが、これに限定されない。制限されない一例として、第1金属層120は、金属物質を含むペースト(paste)を焼成して形成されることもできる。一方、第1金属層120を形成する方法はこれに限定されず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば利用することができる構成または方法をさらに含むことができる。制限されない一例として、第1金属層120はそれぞれシード層125とめっき層126を含むことができる。
【0030】
シード層125は、第1金属層120の最外側に配置され、第1金属層120の上側及び側面に沿って配置されることができる。これは、臨時層及び第1絶縁層110に形成された貫通孔の壁面に沿ってシード層125を形成した結果であることができる。シード層125は、めっき層126を形成するためのシードとして機能することができる。シード層125は、無電解めっきを介して形成される無電解めっき層(または化学銅)を含むことができるが、これらに限定されず、無電解めっきの代わりにスパッタリングで形成されるスパッタリング層を含むこともでき、無電解めっき層とスパッタリング層を全て含むこともできる。これに限定されず、必要に応じては、銅箔を含むことができるなど電解めっきのためのシードとして機能することができる金属であれば制限なく利用可能である。
【0031】
めっき層126は、シード層125上に配置され、シード層125をめっきシードとして形成されることができる。めっき層126は、臨時層及び第1絶縁層110に形成された貫通孔を充填するように形成されることができ、貫通孔の内壁に形成されたシード層125上に形成されるものであるため、めっき層126はシード層125上に配置されるが、プリント回路基板の内側方向または下側方向に形成されることができる。めっき層126は、電解めっきを介して形成される電解めっき層(または電気銅)を含むことができる。しかしながら、これに限定されず、めっき層126は、金属物質を含むペースト(paste)を焼成して形成されることもできるなど、必ずしもめっきによって形成されるものではないこともできる。すなわち、めっき層126はシード層125と区別できる別途の金属層であることを表現するためのものであり、これを形成する方法は文言自体によって必ずしも限定されず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、利用できる構成または方法をさらに含むことができる。
【0032】
第1金属層120は、第1絶縁層110の上側に突出した第1部121及び第1絶縁層110内に埋め込まれた第2部122を含むことができる。第2部122は、第1絶縁層110の上面及び下面を貫通する領域であり、第2部122の上面及び下面は第1絶縁層110によって覆われないことができ、第2部122の側面は、第1絶縁層110によって覆われることができる。
【0033】
一方、第1部121及び第2部122は、その境界が明確に区別できるものではなく、突出部及び埋め込み部を区別するための概念として、第1部121及び第2部122はそれぞれ一体的に形成されることができる。すなわち、第1部121の外側に配置されるシード層125は第2部122の外側に延びて、各領域に配置されるシード層125は一体的に形成されることができ、第1部121に配置されるめっき層126も第2部122に延びて各領域に配置されるめっき層126も一体的に形成されることができる。
【0034】
第1部121は、第1金属層120の突出部であり、第1絶縁層110上に配置された臨時層を貫通して形成される領域に該当する。プリント回路基板の製造方法で後述するように、第1部121は、臨時層を貫通する第2貫通孔の内部に形成される第1金属層120の一領域であり、この後に臨時層を除去すると、第1金属層120の第1部121は、第1絶縁層110よりも突出した領域を構成することができるようになる。
【0035】
第2部122は、第1金属層120の埋め込み部であり、第1絶縁層110内に配置される領域に該当する。プリント回路基板の製造方法で後述するように、第2部122は第1絶縁層110を貫通する第1貫通孔が内部に形成されるため、第2部122は第1絶縁層内に配置されることができる。第1貫通孔が第1絶縁層110の上面及び下面を貫通するように形成されることによって、第1金属層120の第2部122も第1絶縁層110の上面及び下面を貫通するように形成されることができる。
【0036】
第1部121の下面の幅は、第2部122の上面の幅よりも狭いことができる。第1絶縁層110を貫通する第1貫通孔の形成後に、臨時層を貫通する第2貫通孔を形成するため、第1貫通孔の底面の幅よりも第2貫通孔の幅がさらに狭く形成されることができる。第1金属層120の第1部121は第2貫通孔を充填するように形成され、第1金属層120の第2部122は第1貫通孔を充填するように形成されるため、第1部121の下面の幅が第2部122の上面の幅よりも狭いことができる。第1金属層120の突出部である第1部121が埋め込み部である第2部122よりも狭く形成されることができることによって、より微細な突出部を有する金属ポストを実現することができる。
【0037】
第1部121は、上側にテーパされた形状を有することができる。第1部121が上側にテーパされた形状を有するということは、第1部121の上面の幅が第1部121の下面の幅よりも狭くなるように実質的にテーパされた形状を有するということを意味することができる。これは、第1部121が臨時層を貫通する第2貫通孔を充填するように形成されるため、第1部121は第2貫通孔と同じ形状を有することができるためである。臨時層を貫通して第2貫通孔を形成する段階で、第2貫通孔は下側から上側に加工されて、底面の幅が狭くなるようにテーパされた形状を有することができるため、第1部121は上面の幅が下面の幅よりも狭くなるようにテーパされた形状を有することができる。しかし、これに必ずしも限定されるものではなく、第1部121は、テーパされない形状を有するように下面の幅と上面の幅が実質的に同一であることもできる。
【0038】
第2部122も上側にテーパされた形状を有することができる。第2部122が上側にテーパされた形状を有するということは、第2部122の上面の幅が第2部122の下面の幅よりも狭くなるように実質的にテーパされた形状を有するということを意味することができる。これは、第2部122が第1絶縁層110を貫通する第1貫通孔を充填するように形成されるため、第2部122は第1貫通孔と同じ形状を有することができるためである。第1絶縁層110を貫通して第1貫通孔を形成する段階で、第1貫通孔は下側から上側に加工されて、底面の幅が狭くなるようにテーパされた形状を有することができるため、第2部122は、上面の幅が下面の幅よりも狭くなるようにテーパされた形状を有することができる。しかし、これに必ずしも限定されるものではなく、第2部122もテーパされない形状を有することができ、下面の幅と上面の幅が実質的に同一であることもできる。
【0039】
すなわち、第1部121及び第2部122はそれぞれテーパされた形状を有することができ、このとき、第1部121及び第2部122は互いに実質的に同一方向にテーパされた形状を有することができる。より具体的には、第1部121及び第2部122は、それぞれ上側にテーパされた形状を有することができる。第1実施形態に係るプリント回路基板は、コアレス構造を有しながら、臨時層を貫通する第2貫通孔を充填するように第1金属層120を形成するため、第1金属層120の第1部121及び第2部122がそれぞれ上側にテーパされた形状を有することができる。
【0040】
第1実施形態に係るプリント回路基板は、第1金属層120が互いに異なる材質をそれぞれ貫通する第1貫通孔及び第2貫通孔を一括して充填するように形成されることによって、第1金属層120の突出部である第1部121と埋め込み部である第2部122は、互いに異なる幅を有することができる。しかし、第1実施形態に係るプリント回路基板は、コアレス構造として下側から上側に貫通孔を形成するため、第1金属層120の第1部121及び第2部122はそれぞれ実質的に上側にテーパされた形状を有することができる。これは、コアレス構造を有しながら突出型構造を有するように複数回のめっきを行う従来の方法とは異なって、1回のめっきで突出部を構成することができるために発生する構造的な特徴であり、このような構造を有することによって、突出部と埋め込み部との間に発生する整列、離脱などの問題が発生しない可能性がある。
【0041】
一方、図3aでは、第1部121のテーパされた程度と第2部122のテーパされた程度が類似するように示したが、これに必ずしも限定されるものではなく、第1部121と第2部122がテーパされた程度は互いに異なることができる。例えば、第1部121で上面の幅と下面の幅の差が第2部122で上面の幅と下面の幅の差よりも少ないことができ、この場合には、第1部121のテーパされた程度が第2部122のテーパされた程度よりも小さいことができ、より垂直に近い側面の傾きを有することができる。これは、臨時層を貫通する第2貫通孔と第1絶縁層110を貫通する第1貫通孔の形成段階で発生する形状の差に該当することができる。
【0042】
第1実施形態に係るプリント回路基板は、第1絶縁層110と第1金属層120の第2部122の境界に配置されて、第1絶縁層110の下面に延びるバリア層130を含むことができる。バリア層130は、プリント回路基板の製造方法で後述するように臨時層の第1金属層120を分離するための手段として用いられることができる。第1絶縁層110を貫通する第1貫通孔及び臨時層を貫通する第2貫通孔の形成後に、第1絶縁層110の下面、第1及び第2貫通孔の内部に沿ってバリア層130が配置され、その後、第1金属層120が形成されることができる。この後、臨時層が除去される段階で、バリア層130は、臨時層と第1金属層120を分離させる構成で、臨時層の除去時に第1金属層120が損傷されることを防止することができる。
【0043】
バリア層130は、第1金属層120とは異なる材料を含むことができる。バリア層130は、金属酸化物を含む薄い酸化膜であることができる。金属酸化物としては、Al、SiO、TiO、ZnO、ZrO、HfO、Laの少なくとも1つの物質を含むことができるが、異種金属元素がドープされた(doped)金属酸化物を含むこともできる。金属酸化物は、好ましくはアルミナ(alumina、Al)を含むことができる。一方、バリア層130の材料は、金属酸化物に必ずしも限定されず、Pt、Ruなどの反応性の小さい金属物質を含むこともできる。
【0044】
バリア層130は、薄膜蒸着工法、例えばALD(Atomic Layer Deposition)、MVD(Molecular Vapor Deposition)工法などを用いて形成されることができる。バリア層130が薄膜蒸着工法で形成されることによって、バリア層130は、第1金属層に比べて薄い酸化膜を含むことができる。制限されない一例として、バリア層130は、厚さ0.1μm未満、好ましくは厚さ0.001μm~0.01μm程度の薄型の酸化膜を含むことができる。一方、図3aでは、バリア層130がシード層125と類似した厚さを有するものとして示したが、これに限定されず、シード層125がバリア層130よりも厚く形成されることができる。
【0045】
バリア層130は、薄膜蒸着工法で形成されることによって、貫通孔の内壁及び第1絶縁層110の下面に沿ってコンフォーマル(conformal)に形成されることができる。すなわち、バリア層130は、第1金属層120と第1絶縁層110の境界上に配置されて、第1絶縁層110の下面に延びるように配置されることができる。より具体的には、バリア層130は、第1金属層120の埋め込み部である第2部122と第1絶縁層110との間の境界に配置されることができる。バリア層130は、第1金属層120の第2部122の上面には配置されないことができ、バリア層130は第1部121上には配置されないことができる。これは、プリント回路基板の製造方法において臨時層を除去して第1金属層120の一部を露出させた後、バリア層130の一部を除去する段階を含むためである。すなわち、第1金属層120が第1絶縁層110上に突出するように臨時層を除去した後、バリア層130の一部を除去する段階を行うため、第1金属層120上に配置されたバリア層130のうち、第1絶縁層110によって覆われていない領域のバリア層130の一部が除去された結果であることができる。したがって、バリア層130は、第1絶縁層110の上面には配置されないことができ、第1絶縁層110の下面のみに配置され、バリア層130は第1絶縁層110の下側で第2絶縁層161によって覆われることができる。
【0046】
このとき、第1金属層120は、第1絶縁層110の上面と段差を有するように第1リセスR1を含むことができる。より具体的には、第1金属層120の第2部122の上面と第1絶縁層110の上面が段差を有することができる。第1リセスR1は、第1金属層120の第2部122が第1絶縁層110の上面から凹んだ溝部に該当することができる。第1リセスR1は、バリア層130の一部が除去された痕跡に該当することができる。バリア層130は、第1絶縁層110を貫通する第1貫通孔h1の境界に沿って形成されるため、第1絶縁層110の上面はバリア層130と実質的に共面であるように配置されることができる。この後、第1絶縁層110から露出する領域のバリア層130が除去されることによって、第1金属層120の第2部122に第1リセスR1が形成されることができる。第1リセスR1は、バリア層130の一部が除去されて形成されるため、第1リセスR1の深さはバリア層130の厚さと実質的に同一であることができる。バリア層130の一部が除去されることによって第1リセスR1が形成されるため、第1金属層120の第2部122の上面はバリア層130と実質的に共面であることができる。第1リセスR1によって露出するバリア層130の一部は、第2部122と実質的に共面であることができる。
【0047】
バリア層130の厚さは、プリント回路基板の積層方向への切断断面を走査顕微鏡等で撮影して測定することができる。バリア層130は薄い膜構造で、ある構成の外面に沿ってコンフォーマル(conformal)に配置されることができるため、バリア層130の厚さはバリア層の外面をわたった距離という意味に解釈できるが、測定誤差または製造過程における誤差を含むことができる。例えば、バリア層130の厚さは、任意の5地点で測定したバリア層130の垂直距離の平均値であることができる。このとき、第1リセスR1の深さは、第1絶縁層110の上面の延長面から第1金属層120の第2部122の上面までの垂直距離を意味することができ、プリント回路基板の積層方向への切断断面を走査顕微鏡等で撮影して測定することができる。
【0048】
一方、第1絶縁層110の下面に配置されたバリア層130の一部領域の下面は、第1金属層120の下面と実質的に共面であることができる。これは、第1絶縁層110の下面上に延びるように形成された第1金属層120の一部を除去することで、第1金属層120の下面を平坦化した結果であり得る。第1金属層120の下面を平坦化し、シード層125及びめっき層126の不要な領域を除去してパターニングする段階において、第1金属層120とは異なる材料を含むバリア層130は、削除されない可能性がある。したがって、第1絶縁層110の下面上に配置されるバリア層130の下面と第1金属層120の下面は、実質的に共面であることができる。
【0049】
このとき、第1金属層120の下面がバリア層130と実質的に共面であるため、第1金属層120の下面は第1絶縁層110の下面よりも突出することができる。このとき、第1絶縁層110の下面は、第1金属層120と直接接することなく、第1絶縁層110と第1金属層120との間にバリア層130が配置されるため、第1金属層120の下面は、第1絶縁層110の下面の延長面よりも突出したものと理解することができる。第1絶縁層110の下面上に形成されたバリア層130の下面が第1金属層120と実質的に共面であるため、第1金属層120の下面が第1絶縁層110の下面よりも突出することができるものであり、その突出した段差の高さはバリア層130の厚さと実質的に同一であることができる。
【0050】
第1実施形態に係るプリント回路基板は、第1絶縁層110の下側に配置される第2絶縁層161、第2絶縁層161上に配置される第1配線層163、及び第1配線層163と第1金属層120を互いに連結するように第2絶縁層161の少なくとも一部を貫通する第1ビア層165をさらに含むことができる。
【0051】
第2絶縁層161は絶縁材料を含むことができる。絶縁材料は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂、またはこのような樹脂と共に、無機フィラー、有機フィラー及び/またはガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、and/or Glass Fabric)を含む材料を含むことができる。絶縁材料は、感光性材料及び/または非感光性材料であり得る。例えば、第2絶縁層161の絶縁材料としては、ABF(Ajinomoto Build-up Film)の絶縁材であることができるが、これに限定されず、PPG(Prepreg)、RCC(Resin Coated Copper)、PID(Photo Imageable Dielectric)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)などを含むこともできる。しかし、これに限定されるものではなく、必要に応じては、それ以外にも他の剛性に優れたその他の素材が用いられることもできる。第2絶縁層161は、第1絶縁層110と同じ種類の絶縁材料を含むことができる。第2絶縁層161は、第1絶縁層のようにビルドアップ層を意味することができる。一方、第2絶縁層161は複数の絶縁層で構成されることができ、その層数及び厚さは、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば利用できる構成を適用することができる。
【0052】
第1絶縁層110と第2絶縁層161が実質的に同じ種類の絶縁材料を含んで製造される場合、第1絶縁層110の厚さは第2絶縁層161の厚さと実質的に同じであることができる。なお、これに必ずしも限定されるものではなく、第1絶縁層110の厚さは第2絶縁層161の厚さよりも薄く形成されることもできる。第1金属層120のうち、第1絶縁層110を貫通する第2部122の場合、パッドに該当することができるため、第1絶縁層110の上面及び下面を貫通するために、第1絶縁層110の厚さをより薄く実現することもできる。また、第1金属層120がパターンとして機能するためには、隣接する第2部間を互いに連結するために微細な構造の配線が形成されるように第1絶縁層110を貫通してパターニングすることができるため、第1絶縁層110の厚さを薄く実現することもできる。一方、これに限定されず、第1絶縁層110の厚さが第2絶縁層161の厚さよりも厚く形成されることもできる。第1絶縁層110は、コアレス基板に最初に形成される絶縁層に該当するため、他の絶縁層よりも厚く形成して剛性を確保することができる。図3aでは、第1絶縁層110と第2絶縁層161が実質的に同じ厚さを有するものとして示したが、これに必ずしも限定されず、第1絶縁層110の厚さ及び第2絶縁層161の厚さは多様に設計することができる。
【0053】
第1配線層163は金属物質を含むことができる。金属物質としては、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などを用いることができる。金属物質は、好ましくは銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されない。第1配線層163は複数のパターンを含むことができ、それぞれ設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンなどを含むことができる。ここで、信号パターンは、グランド、パワーなどを除いた各種信号、例えば、データ信号などの電気的連結のためのパターンを含むことができる。第1配線層163は、それぞれ無電解めっき層(または化学銅)と電解めっき層(または電気銅)を含むことができるが、これに限定されない。無電解めっき層の代わりにスパッタリング層が形成されることもでき、両方を全て含むこともできる。また、銅箔をさらに含むことができる。
【0054】
第1ビア層165はそれぞれマイクロビアを含むことができる。マイクロビアは、ビアホールを充填するフィールドビア(filed VIA)であるか、またはビアホールの壁面に沿って配置されるコンフォーマルビア(conformal VIA)であることができる。マイクロビアは、スタックタイプ(stacked type)及び/またはスタッガードタイプ(staggered type)で配置されることができる。第1ビア層165はそれぞれ金属を含むことができ、金属は銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などを含むことができ、好ましくは銅(Cu)を含むことができるが、これに限定されない。第1ビア層165は、それぞれ無電解めっき層(または化学銅)及び電解めっき層(または電気銅)を含むことができるが、これに限定されない。無電解めっき層の代わりにスパッタリング層が形成されることもでき、両方を全て含むこともできる。第1ビア層165は、それぞれ該当層の設計デザインに応じて様々な機能を行うことができる。例えば、グランドビア、パワービア、信号ビアなどを含むことができる。
【0055】
第2絶縁層161の層数が多様であることができることにより、第2絶縁層161上に配置される第1配線層163及び第2絶縁層161の少なくとも一部を貫通する第1ビア層165も様々な層数を有することができる。
【0056】
一方、複数の第2絶縁層161の深さが互いに実質的に同一である場合、複数の第1ビア層165のうち、第1金属層120と接する第1ビア層165は残りの第1ビア層165に比べて深さが深いことができる。これは、第1金属層120の下面が第2絶縁層161の上面と実質的に共面であるためであり、第1金属層120と接する第1ビア層165は第2絶縁層161の厚さと実質的に同じ深さのビアを有するためである。第1金属層120と接する第1ビア層165以外の第1ビア層165は、それぞれ第2絶縁層161の下面上に突出した第1配線層163と連結されるため、第1ビア層165の深さは第2絶縁層161の厚さよりも小さいことができ、第1配線層163の厚さと第1ビア層165の深さが第2絶縁層161の厚さと実質的に同じであることができる。これは、第1金属層120が第1絶縁層110に埋め込まれた構成であり、第1金属層120が第1絶縁層110の下側にはバリア層130の厚さだけ段差を有するだけであって、突出した構造ではないためである。
【0057】
一方、第1実施形態に係るプリント回路基板は、第2絶縁層161の下側に配置されるソルダーレジスト層150をさらに含むことができる。すなわち、第1実施形態に係るプリント回路基板は、最下側にソルダーレジスト層150をさらに含むことができる。ソルダーレジスト層150は絶縁材料を含むことができ、液状またはフィルムタイプのソルダーレジストを含むことができるが、これに限定されず、他の種類の絶縁材料が用いられることもできる。ソルダーレジスト層150は、第1配線層163の少なくとも一部を露出させる開口を有することができる。開口を介して露出した第1配線層163の一部は、この後、メインボードなどの他の構成と連結されるためのパッドとして機能することができるが、これに必ずしも限定されない。
【0058】
図3bを参照すると、第1実施形態に係るプリント回路基板は、第1金属層120上に配置される第1連結部材191及び第1連結部材191上に配置されて、第1金属層120と互いに連結される第1電子部品181をさらに含むことができる。
【0059】
第1電子部品181は半導体チップを含むことができ、半導体チップは、数百~数百万個以上が1つのチップ内に集積化された集積回路(Intergrated Circuit:IC)であることができる。これらはそれぞれ、セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、フィルドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのプロセッサチップ、具体的にはアプリケーションプロセッサ(AP:Application Processor)であることができるが、これに限定されず、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)メモリコントローラ(MC:Memory Controller)チップなどのロジックチップであることができ、またはディーラム(Dynamic Random Access Memory、DRAM)チップ、エスラム(Static Random Access Memory、SRAM)チップ、フラッシュ(flash)メモリチップ、ピーラム(Phase-change Random Access Memory、PRAM)チップ、エムラム(Magnetic Random Access Memory、MRAM)チップ、アールラム(Resistive Random Access Memory、RRAM)チップ、イーイーピーロム(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memory、EEPROM)チップ、またはHBM(High Bandwidth Memory)などのメモリチップであることもでき、これらを互いに組み合わせて配置されることもできる。一方、第1電子部品181は、必ずしも半導体チップ等に限定されるものではなく、これらを含むパッケージ形態であることもできる。一方、制限されない一例として、第1電子部品181は、キャパシタ、及び/またはインダクタなどの受動素子を含むこともでき、チップ形状の受動素子を含むこともできる。
【0060】
第1電子部品181は、本体とパッドを含むことができ、第1金属層120と接続するためのパッドが配置された面が活性面となり、反対側の面が非活性面となることができる。第1電子部品181はアクティブウエハに基づいて形成されることができ、この場合、本体をなす母材としてはシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウムヒ素(GaAs)などが用いられることができる。第1電子部品181の本体には様々な回路が形成されていることができる。
【0061】
第1連結部材191は、第1金属層120上に配置されて、第1電子部品181と第1金属層120を互いに連結することができる。第1連結部材191は、第1金属層120の第1部121の上面に配置されることができ、第1部121の側面の少なくとも一部を覆うように配置されることができる。第1連結部材191は導電性物質を含むことができ、例えば、スズ(Sn)-銀(Ag)で構成されたソルダー(solder)を含むことができ、銅(Cu)を含むこともできる。一方、これに限定されず、第1連結部材191はアルミニウム(Al)をさらに含むことができる。一方、第1連結部材191の材料がこれに限定されるものではなく、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば利用できる材料をさらに含むことができる。
【0062】
第1実施形態に係るプリント回路基板は、図3a及び図3bに示された構成に制限されるものではなく、他の構成がさらに含まれることもでき、場合によっては省略することもできる。すなわち、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば利用できる構成をさらに含むことができる。
【0063】
図4a、図4bは、第2実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
【0064】
図4a、図4bを参照すると、第2実施形態に係るプリント回路基板は、第1金属層120上に配置される表面処理層140をさらに含むことができる。表面処理層140は、第1金属層120上に配置され、第1金属層120のうち、第1絶縁層110から露出した面を覆うように形成されることができる。すなわち、表面処理層140は、第1金属層120の第1部121を覆うことができ、第2部122の上面を覆うことができる。すなわち、表面処理層140は、バリア層130の一部が除去された領域に形成されることができ、バリア層130の一部が除去された第1金属層120の第1リセスR1を充填するように形成されることができる。
【0065】
表面処理層140は、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、金(Au)のいずれか1つの金属を含むことができ、これらの金属層が複数で実現されることもできる。例えば、表面処理層140は、ENEPIG(Electroless Nickel Electroless Palladium Immersion Gold)構造の少なくとも一部分であることができ、ENIG(Electroless Nickel Immersion Gold)構造の少なくとも一部分であることもできる。表面処理層140はこれに限定されず、有機物を含むOSP(Organic Solder Passivation)構造を含むこともできる。表面処理層140は、第1金属層120と第1連結部材191の間の密着力及び信号伝達力を向上させることができる。図4a、図4bでは、表面処理層140が1つの層で構成されたものとして示したが、これに制限されるものではなく、表面処理層140は、上述したように複数の金属層で実現されることもできる。
【0066】
表面処理層140の厚さはバリア層130の厚さよりも厚いことができる。バリア層130は上述したように表面蒸着による酸化膜であることができるが、表面処理層140は無電解めっきによるめっき層であり、複数の金属層を含むことができるため、薄型の酸化膜を含むバリア層130よりも表面処理層140が厚いことができる。したがって、表面処理層140は、バリア層130の一部が除去された第1リセスR1を充填しながらも、第1絶縁層110の上面よりも突出するように配置されることができる。
【0067】
なお、表面処理層140に関する内容以外の構成のうち、他の実施形態に係るプリント回路基板と同一の構成は、第2実施形態に係るプリント回路基板にも適用されることができるため、これに関する重複する説明は省略する。
【0068】
図5a、図5bは、第3実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
【0069】
図5aを参照すると、第3実施形態に係るプリント回路基板は、バリア層130が第1金属層120の第1部121の少なくとも一部を覆い、第2部122の側面は実質的に全部覆うように配置されることができる。すなわち、バリア層130は、第1金属層120の第2部122と第1絶縁層110の境界にのみ配置されるものではなく、バリア層130は第1部121の少なくとも一部及び第2部122の上面を覆うように配置されることができる。また、バリア層130は、第1部121の上面及び側面を覆い、バリア層130が第1金属層120の第1部121を実質的に全部覆うことができる。
【0070】
これは、プリント回路基板の製造方法において臨時層を除去する段階の後に、バリア層130の一部を除去する段階を含まないようにして、バリア層130が第1金属層120を覆うように配置した結果であり得る。バリア層130は、第1金属層120の外側に沿って配置されることができ、具体的には第1金属層120のシード層125に沿って配置されることができる。これは、第1絶縁層110を貫通する第1貫通孔及び臨時層を貫通する第2貫通孔の内壁に沿って配置された結果であり得る。
【0071】
図5bを参照すると、第3実施形態に係るプリント回路基板は、第1連結部材191が配置された領域にはバリア層130が配置されないことができる。これは、第1連結部材191が配置されることによって、第1連結部材191とバリア層130が接する領域でバリア層130の一部が除去された結果であり得る。第1連結部材191は、第1部121の上側に配置されて、第1部121の上面の少なくとも一部を覆うように配置され、第1部121の側面の少なくとも一部を覆うように配置されることができる。
【0072】
バリア層130は、金属酸化物を含む酸化膜であることができ、第1金属の酸化物を含むことができる。第1連結部材191がバリア層130の金属物質と同じ元素の金属を含む場合、例えば、第1連結部材191が第1金属を含む場合に該当することができる。好ましくは、第1金属はアルミニウム(Al)であることができ、第1連結部材191はアルミニウム(Al)を含む導電性物質を含むことができ、バリア層130はアルミニウム(Al)を含む酸化物であるアルミナ(Alumina、Al)を含むことができるが、第1金属の種類がこれに必ずしも限定されるものではない。第1連結部材191とバリア層130が同一の第1金属元素を含む場合には、バリア層130と第1連結部材191が接する領域においてバリア層130に存在していた第1金属が第1連結部材191の内部に拡散しながら、バリア層130の一部が除去されることができる。すなわち、バリア層130の一部が除去されることによって、第1金属層120と第1連結部材191が接することができ、これにより第1金属層120と第1電子部品181が第1連結部材191を介して電気的に連結されることができる。したがって、バリア層130は、第1部121の一部を覆うが、第1部121と第1連結部材191が接する領域にはバリア層130が配置されない構造を有することができる。
【0073】
すなわち、図5aのように、バリア層130が第1金属層120を全て覆う場合と、図5bのように第1連結部材191と接する第1部121に対してはバリア層130が配置されない場合には、いずれも第3実施形態に係るプリント回路基板に該当することができ、これらは互いに矛盾するものではないことは上述した通りである。
【0074】
一方、バリア層130の配置及び第1連結部材191の配置とバリア層130の配置関係に関する内容以外の構成のうち、他の実施形態に係るプリント回路基板と同一の構成は第3実施形態に係るプリント回路基板にも適用されることができるため、これに関する重複する説明は省略する。
【0075】
図6は、第4実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
【0076】
図6を参照すると、第4実施形態に係るプリント回路基板は、第1金属層120の下面とバリア層130の下面が互いに段差を有することができる。すなわち、第1金属層120の下面は第2リセスR2を有することができ、第2リセスR2は第2絶縁層161で充填することができる。第2リセスR2は、第1金属層120を形成する段階で、シード層125及びめっき層126の一部を除去してパターニングする段階で、第1金属層120が過エッチング(over-etching)された結果であることができる。バリア層130は第1金属層120と異なる材料を含むため、第1金属層120の一部を除去する段階でバリア層130及び第2絶縁層161は除去されず、第1金属層120の一部のみが除去されることができる。このとき、第1金属層120の下面がバリア層130の下面よりもさらに除去されて第2リセスR2が形成されることができる。このとき、第2リセスR2の深さは、バリア層130の厚さよりも厚いことができ、この場合、第1金属層120の下面は第1絶縁層110の下面の延長面よりもリセスされた構造を有することができる。
【0077】
一方、第1金属層120の下面に形成された第2リセスR2に関する内容以外の構成のうち、他の実施形態に係るプリント回路基板と同一の構成は、第4実施形態に係るプリント回路基板にも適用されることができるため、これに関する重複する説明は省略する。
【0078】
図7は、第5実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
【0079】
図7を参照すると、第5実施形態に係るプリント回路基板は、第1絶縁層110の上側に配置されるソルダーレジスト層150をさらに含むことができる。第1絶縁層110の上側に配置されるソルダーレジスト層150に関する内容は、第2絶縁層161の下側に配置されるソルダーレジスト層150に関する説明が適用され得るため、重複する説明は省略し、ソルダーレジスト層150と第1金属層120及びバリア層130の関係についてのみ説明する。
【0080】
ソルダーレジスト層150は、第1絶縁層110の上面に配置されて、第1金属層120の少なくとも一部を覆うことができる。ソルダーレジスト層150は、第1金属層120の第1部121の側面の一部を覆うことができ、第1部121の側面の残りの一部はソルダーレジスト層150から突出することができる。すなわち、第1金属層120の第1部121の上面は、ソルダーレジスト層150の上面よりも突出するように配置されることができる。これは、第1金属層120がソルダーレジスト層150を貫通して突出するものと理解することもできる。第1金属層120の第1部121の上面がソルダーレジスト層150よりも突出するため、プリント回路基板の第1金属層120は、電子部品などと電気的に連結されることができる。ソルダーレジスト層150は、第1金属層120上に配置されたバリア層130の一部を除去した後に形成されることができるため、ソルダーレジスト層150は第1金属層120の一部と直接接するように配置されることができる。
【0081】
一方、第1絶縁層110の上面に配置されたソルダーレジスト層150に関する内容以外の構成のうち、他の実施形態に係るプリント回路基板と同一の構成は、第5実施形態に係るプリント回路基板にも適用されることができるため、これに関する重複する説明は省略する。
【0082】
図8は、第6実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
【0083】
図8を参照すると、第6実施形態に係るプリント回路基板は、第1絶縁層110の上側に配置されるソルダーレジスト層150をさらに含むことができ、バリア層130は第1金属層120とソルダーレジスト層150との間に延びるように配置されることができる。これは、プリント回路基板の製造方法において臨時層を除去して第1金属層120が第1絶縁層110の外部に露出した後、バリア層130の一部を除去する前にソルダーレジスト層150を形成する段階を行って製造されるため、第1金属層120とソルダーレジスト層150との間に配置されるバリア層130が残存できるものであり、ソルダーレジスト層150によって覆われずに突出した領域に配置されるバリア層130のみが除去されて、第1金属層120の第1部121の一部が露出することができる。第1金属層120の第1部121の上面がソルダーレジスト層150よりも突出するように第1部121の一部が露出するため、プリント回路基板の第1金属層120は電子部品などと電気的に連結されることができる。
【0084】
一方、第1絶縁層110の上面に配置されたソルダーレジスト層150及びこれによるバリア層130の配置に関する内容以外の構成のうち、他の実施形態に係るプリント回路基板と同一の構成は、第6実施形態に係るプリント回路基板にも適用されることができるため、これに関する重複する説明は省略する。
【0085】
図9a、図9bは、第7実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
【0086】
図9aを参照すると、第7実施形態に係るプリント回路基板は、第1金属層120は第1金属ポスト120-1及び第2金属ポスト120-2を含むことができ、第1金属ポスト120-1の厚さは、第2金属ポスト120-2の厚さよりも厚いことができる。第1金属ポスト120-1及び第2金属ポスト120-2は、それぞれ第1金属層120の突出部である第1部121に対応することができる。これは、プリント回路基板の製造方法のうち、臨時層を貫通する第2貫通孔を形成する段階で、互いに深さの異なる貫通孔を形成した結果であり得る。第2貫通孔の深さが互いに異なるため、第1金属ポスト120-1の厚さが第2金属ポスト120-2の厚さよりも厚いことができる。このとき、第2貫通孔の少なくとも一部は臨時層を貫通せず、臨時層の一部のみが除去された結果であることができ、この場合、第2貫通孔は、臨時層の一部が除去されたリセスまたは臨時層の一部のみを貫通したホール(hole)に対応することができる。第1金属ポスト120-1の厚さ及び第2金属ポスト120-2の厚さは、プリント回路基板の積層方向への切断断面を走査顕微鏡等で撮影して測定することができる。ある構成の厚さは、ある構成を縦にわたる距離という意味で解釈されることができるが、測定誤差または製造過程における誤差を含むことができる。例えば、第1金属ポスト120-1の厚さは、1つの第1金属ポスト120-1に対して任意の5地点で測定した第1金属ポスト120-1の下面と上面の垂直距離の平均値であり得る。第2金属ポスト120-2の厚さも同様の方法で測定されて比較されることができる。
【0087】
図9bを参照すると、第7実施形態に係るプリント回路基板は、第1金属ポスト120-1上に配置される第1連結部材191及び第1連結部材191上に配置されて、第1金属ポスト120-1と互いに連結される第1電子部品181をさらに含むことができ、第2金属ポスト120-2上に配置される第2連結部材192及び第2連結部材192上に配置されて、第2金属ポスト120-2と互いに連結される第2電子部品182をさらに含むことができる。
【0088】
第1電子部品181と同じ趣旨で、第2電子部品182は半導体チップを含むことができ、半導体チップは数百~数百万個以上が1つのチップ内に集積化された集積回路(Intergrated Circuit:IC)であることができる。一方、第2電子部品182は必ずしも半導体チップ等に限定されるものではなく、これらを含むパッケージ形態であることもできる。一方、制限されない一例として、第2電子部品182は、キャパシタ、及び/またはインダクタなどの受動素子を含むこともでき、チップ形状の受動素子を含むこともできる。第1連結部材191と同じ趣旨で、第2連結部材192は導電性物質を含むことができる。第2電子部品182及び第2連結部材192に関する説明は、第1電子部品181及び第1連結部材191に関する説明が適用され得るため、重複する内容は省略する。
【0089】
第2電子部品182は、第1電子部品181よりも薄い厚さを有することができるが、これに必ずしも限定されない。第2電子部品182が配置される第2金属ポスト120-2は、第1金属ポスト120-1に比べて厚さが薄いため、第2電子部品182は第1電子部品181よりも薄い厚さを有することができる。また、好ましくは、第2電子部品182は、第1電子部品181の下側に配置されることができる。すなわち、第1電子部品181と第1金属ポスト120-1との間に第2電子部品182が配置されることができる。これは、第2金属ポスト120-2が第1金属ポスト120-1に比べて薄く形成されるため、第1金属ポスト120-1と第2金属ポストとの間に発生する高さの差を利用して第2電子部品182を実装することができるため、プリント回路基板の全体の厚さを減らすことができ、電子部品をより効率的に実装することができる。
【0090】
一方、第1金属層120の形状に関する内容、及び第2電子部品182及び第2連結部材192に関する内容以外の構成のうち、他の実施形態に係るプリント回路基板と同一の構成は、第7実施形態に係るプリント回路基板にも適用されることができるため、これに関する重複する説明は省略する。
【0091】
図10a、図10bは、第8実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
【0092】
図10a、図10bを参照すると、第8実施形態に係るプリント回路基板は、第1金属層120の第1部121の下面と第2部122の上面が実質的に同一の幅を有することができ、第1金属層120は、上側に向かうほど幅が狭くなるようにテーパされた形状を有することができる。これは、プリント回路基板の製造方法において、第1絶縁層110を貫通する第1貫通孔と臨時層を貫通する第2貫通孔が同時に形成された結果であることができる。貫通孔を形成する段階において、第1絶縁層110及び臨時層の材質及び貫通孔の深さを考慮して貫通孔の形成段階を減らすことができる。したがって、第1金属層120の第1部121と第2部122の境界が明確でない場合があり、第1金属層120が上側に向かうほどテーパされた形状を有することができる。一方、図10a、図10bでは、第1金属層120の第1部121と第2部122が実質的に同じ傾きを有するようにテーパされた形状を有するものとして示したが、これに必ずしも限定されるものではなく、第1部121と第2部122のテーパされた程度は互いに異なることができる。しかし、この場合にも貫通孔は図面を基準に下側から上側方向に形成されるため、第1金属層120は上面の幅が下面の幅よりも狭くなるように上側にテーパされた形状を有することができる。
【0093】
なお、第1金属層120の形状に関する内容以外の構成のうち、他の実施形態に係るプリント回路基板と同一の構成は、第8実施形態に係るプリント回路基板にも適用できるため、これに関する重複する説明は省略する。
【0094】
図11a、11bは、第9実施形態に係るプリント回路基板を概略的に示した断面図である。
【0095】
図11a、図11bを参照すると、第8実施形態に係るプリント回路基板は、第1金属層120が第1金属ポスト120-1及び第2金属ポスト120-2を含むことができ、各金属ポストは、第1部121の下面と第2部122の上面が実質的に同一である幅を有することができる。第1金属ポスト120-1の厚さは、第2金属ポスト120-2の厚さよりも小さいことができる。第1金属ポスト120-1及び第2金属ポスト120-2は、それぞれ第1金属層120の突出部である第1部121に対応することができる。このような形状は、プリント回路基板の製造方法において第1絶縁層110を貫通する第1貫通孔、及び臨時層を貫通する第2貫通孔が同時に形成された結果であり、一体的に形成された複数の貫通孔がそれぞれ段差を有するように異なる深さで形成された結果であることができる。この場合にも、複数の貫通孔が臨時層を完全に貫通せず、臨時層の一部のみが除去されるリセスまたはホール(hole)になることができることは、上述した通りである。
【0096】
なお、第1金属層120の形状に関する内容以外の構成のうち、他の実施形態に係るプリント回路基板と同一の構成は、第9実施形態に係るプリント回路基板にも適用できるため、これに関する重複する説明は省略する。
【0097】
図12a~図12eは、プリント回路基板の第1金属層の様々な形状を概略的に示した断面図である。
【0098】
図12a~図12eを参照すると、第1部121の下面の幅は、第2部122の上面の幅よりも狭いことができる。これは、第1絶縁層110を貫通する第1貫通孔を形成する段階の後、臨時層を貫通する第2貫通孔を形成した結果であることができる。
【0099】
図12aを参照すると、第1部121のテーパされた程度は、第2部122のテーパされた程度と実質的に同一であることができる。
【0100】
図12bを参照すると、第1部121のテーパされた程度は、第2部122のテーパされた程度よりも大きいことができる。第1部121のテーパされた程度が第2部122のテーパされた程度よりも大きいということは、第1部121の上下面の幅変化が第2部122の上下面の幅変化よりも大きいことができ、第1部121の側面の傾きが第2部122の側面の傾きよりも水平に近いことができ、第2部122の側面の傾きが第1部121の側面の傾きよりも垂直に近いことができることを意味することができる。
【0101】
図12cを参照すると、第1部121のテーパされた程度は、第2部122のテーパされた程度よりも小さいことができる。第1部121のテーパされた程度が第2部122のテーパされた程度よりも小さいということは、第2部122のテーパされた程度が第1部121のテーパされた程度よりも大きいことを意味することができる。
【0102】
図12dを参照すると、第1部121はテーパされないように形成されることができ、第1部121の上面の幅と下面の幅は実質的に同一であることができる。
【0103】
図12eを参照すると、第1部121は上側に曲面を有することができる。
【0104】
図12a~図12eに示された第1金属層120の形状は例示的なものに過ぎず、第1絶縁層110を貫通する第1貫通孔の形成段階及び臨時層を貫通する第2貫通孔を形成する段階での加工方法、加工の程度及び時間など貫通孔を形成する条件に応じて多様に設計できるものである。第1金属層120上に配置される電子部品等の種類及び設計に応じて、第1金属層120の突出部である第1部121の形状を多様にすることができ、第1金属層120の形状を多様にすることで、電子部品の実装時の信頼性を確保することができる。
【0105】
一方、第1金属層の形状は、図12a~図12eに示された例示に限定されるものではなく、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば利用できる構成又は方法による形状を全て含むことができる。なお、第1金属層120の様々な形状は、第1実施形態に係るプリント回路基板に限定されるものではなく、他の実施形態に係るプリント回路基板にも適用されることもできる。
【0106】
プリント回路基板の製造方法
図13a~図13mは、第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法を概略的に示した断面図である。
【0107】
プリント回路基板の製造方法は、キャリア基板C上に臨時層Tを形成する段階、臨時層T上に第1絶縁層110を形成する段階、第1絶縁層110を貫通する第1貫通孔h1を形成する段階、臨時層Tを貫通する第2貫通孔h2を形成する段階、第1貫通孔h1の内壁、第2貫通孔h2の内壁、及び第1絶縁層110の下面に沿ってバリア層130を形成する段階、第1貫通孔h1及び上記第2貫通孔h2内に第1金属層120を形成する段階、キャリア基板C及び上記臨時層Tを除去する段階を含むことができる。
【0108】
プリント回路基板の製造方法は、第1絶縁層110を貫通する第1貫通孔h1を形成し、臨時層Tを貫通する第2貫通孔を形成し、バリア層130を形成した後、第1金属層120を形成するため、第1絶縁層110よりも突出する第1金属層120の第1部121と第1絶縁層110に埋め込まれる第1金属層120の第2部122が一体的に形成されることができ、臨時層Tを除去する段階でも第1金属層120が損傷しない可能性がある。
【0109】
図13aを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、キャリア基板C上に臨時層Tを形成する段階を含むことができる。また、キャリア基板C上に臨時層Tを形成する段階の前に、キャリア基板C上にストッパー層Sを形成する段階をさらに含むことができる。この場合、臨時層Tはストッパー層S上に配置されることができる。
【0110】
キャリア基板Cは、絶縁層及び配線層などを形成する際にこれを支持するためのものであり、絶縁材質または金属材質で形成されることができる。図13aでキャリア基板Cは1つの層で構成されたものとして示したが、これに限定されず、キャリア基板Cはコアとその一面または両面に形成された銅箔を含むこともできる。すなわち、キャリア基板Cは1つの場合を例示したものであり、キャリア基板Cは当該技術分野で通常の知識を有する者であれば利用することができ、支持基板として用いられた後にデタッチ(detach)又は除去されることができるものであれば、本開示において特に制限なく使用可能である。
【0111】
臨時層Tは、第1金属層120の突出部である第1部121が形成されるための層であり、キャリア基板C上に配置されて第1金属層120を形成した後に除去される一時的な構成であることができる。臨時層Tは金属物質を含むことができ、金属物質としては銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などを用いることができる。金属物質は好ましくは銅(Cu)を含むことができるが、これらに限定されない。臨時層Tは、キャリア基板C上に電解めっきを行うことで形成されることができ、好ましくはパネルめっきで行われることができるが、これに必ずしも限定されず、臨時層Tが付着することで形成されることもできる。臨時層Tが銅Cuを含む金属物質を含む場合、めっきを通じて臨時層Tを形成して、低費用の方法で臨時層Tを形成することができる。臨時層Tが銅Cuを含んでいても後述する段階でバリア層130が配置されるため、臨時層Tを除去する段階で第1金属層120は反応しないことがあり、損傷されない可能性がある。
【0112】
一方、これに限定されず、臨時層Tは金属物質を含まず、絶縁物質を含むこともできる。絶縁物質は、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば利用できる絶縁層の絶縁物質であれば、特に制限なく利用することができる。後述する段階でバリア層130が配置されるため、臨時層Tが絶縁物質を含む場合にも臨時層Tを除去する段階で第1金属層120は反応しないことができ、損傷されないことができる。
【0113】
一方、臨時層Tを形成する段階の前に、キャリア基板C上にストッパー層Sを形成する段階をさらに含むことができる。ストッパー層Sは、この後、キャリア基板Cと臨時層Tを分離する機能を果たすことができ、臨時層Tを貫通する第2貫通孔の形成時にキャリア基板Cが貫通しないようにストッパー(stopper)機能を果たすことができる。ストッパー層Sは金属物質を含むことができ、金属物質としては、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、金(Au)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、またはこれらの合金などを用いることができる。ストッパー層Sは、好ましくはニッケル(Ni)を含むことができるが、これに限定されるものではなく、この後に臨時層Tと分離されなければならず、臨時層Tを加工する段階でストッパー層Sは加工されない必要があるため、ストッパー層Sは臨時層Tと異なる金属材料であれば十分であり、臨時層Tと分離することが容易である物質であれば特に制限なく使用可能である。一方、これに限定されず、ストッパー層Sは金属酸化物、絶縁材料などの多様な材料を含むことができ、臨時層Tの加工時に、ストッパー層Sは加工に対する抵抗を有して、ストッパー(stopper)としての機能を行うことができれば十分である。
【0114】
図13bを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、臨時層T上に第1絶縁層110を形成する段階を含むことができる。
【0115】
第1絶縁層110に関する説明は、プリント回路基板で上述した通りであり、第1絶縁層110を形成する方法は当該技術分野で通常の知識を有する者であれば利用することができる公知の絶縁層を形成する方法であれば制限なく利用することができる。
【0116】
図13cを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、第1絶縁層110を貫通する第1貫通孔h1を形成する段階を含むことができる。
【0117】
第1貫通孔h1は、第1絶縁層110の上面及び下面を貫通するように形成されることができ、第1貫通孔h1は複数の貫通孔を含むことができる。
【0118】
第1貫通孔h1を形成する方法は、第1絶縁層110を貫通するように加工する方法であれば制限なく用いることができる。制限されない一例として、レーザードリリング、機械的ドリリングなどで行われることができるが、これに限定されるものではなく、絶縁層を貫通することができる方法であれば制限なく用いることができる。一方、レーザードリリングで行う場合には、COレーザーまたはYAGレーザーを用いることができるが、これに限定されない。
【0119】
第1貫通孔h1は、図13cを基準として下側から上側に加工されることができるため、第1貫通孔h1は上側にテーパされた形状を有することができる。第1貫通孔h1は、第1絶縁層110の上面及び下面を貫通するように形成されるため、第1貫通孔h1の開放面の反対側に位置する底面は臨時層Tとして構成されることができる。一方、第1貫通孔h1のテーパの程度は加工方法及び条件によって決定することができる。
【0120】
図13dを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、臨時層Tを貫通する第2貫通孔h2を形成する段階を含むことができる。
【0121】
第2貫通孔h2は、臨時層Tの上面及び下面を貫通するように形成されることができ、第2貫通孔h2は複数の貫通孔を含むことができる。第2貫通孔h2を形成する方法は、臨時層Tの材質によって異なることができ、金属層を貫通するように加工する方法を用いることができる。制限されない一例として、ウェットエッチング(wet etching)、ドライエッチング(dry etching)、レーザードリリング、機械的ドリリングなどで行われることができるが、これに限定されず、これらの加工方法を組み合わせて形成することもできる。このように臨時層Tを貫通することができる方法であれば制限なく利用することができる。一方、これに制限されるものではなく、臨時層Tに形成される第2貫通孔h2は臨時層Tの上下面を貫通しないこともできる。この場合、第2貫通孔h2は、臨時層Tの一部が除去されたリセスまたは臨時層Tの一部のみを貫通したホール(hole)に対応することができる。
【0122】
第2貫通孔h2は、第1貫通孔h1の底面から開始されて加工されることができるため、図13dを基準として下側から上側に加工されることができるため、第2貫通孔h2も上側でテーパされた形状を有することができる。第2貫通孔h2が臨時層Tの上面及び下面を貫通するように形成する場合には、第2貫通孔h2の開放面の反対側に位置する底面は、ストッパー層Sで構成されることができるが、これに必ずしも限定されるものではなく、第2貫通孔h2は臨時層Tを完全に貫通しないため、第2貫通孔h2の底面は臨時層Tで構成されることもできる。第2貫通孔h2が臨時層Tの上下面を貫通しても、臨時層Tの上側にはストッパー層Sが形成されているため、キャリア基板は除去されないことがある。
【0123】
一方、第2貫通孔h2のテーパされた程度は加工方法及び条件によって決定されることができる。第2貫通孔h2は、第1金属層120の突出部である第1部121が形成される領域に該当するため、第2貫通孔h2の形状を調節して第1金属層120の第1部121の形状を設計することができる。
【0124】
図13eを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、第1貫通孔h1の内壁、第2貫通孔h2の内壁、及び第1絶縁層110の下面に沿ってバリア層130を形成する段階を含むことができる。
【0125】
バリア層130は、薄膜蒸着工法、例えばALD(Atomic Layer Deposition)、MVD(Molecular Vapor Deposition)工法などを用いて形成されることができる。バリア層130が薄膜蒸着工法で形成されることによって、バリア層130は、第1金属層に比べて薄い酸化膜を含むことができる。バリア層130が蒸着工法で形成されることによって、バリア層130は、第1貫通孔h1の内壁と第2貫通孔h2の内壁、及び第1絶縁層110の下面に沿ってコンフォーマル(conformal)に配置されることができる。すなわち、バリア層130は、プリント回路基板の中間体の下側に露出した領域に沿って形成されることができる。
【0126】
バリア層130は臨時層T及び第1金属層120とは異なる材料を含むため、第1金属層120を形成する段階の後、臨時層Tを除去する段階で第1金属層120を保護する機能を果たすことができる。
【0127】
図13fを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、第1金属層120を形成する段階を含むことができる。第1金属層120を形成する段階は、バリア層130上にシード層125を形成する段階を含むことができる。
【0128】
シード層125は、バリア層130上に配置されて、第1貫通孔h1及び第2貫通孔h2の内壁、及び第1絶縁層110の下面に沿って配置されることができる。すなわち、シード層125は、バリア層130に沿ってコンフォーマル(conformal)に形成されることができる。シード層125は第1金属層120の最外側を構成することができ、シード層125を形成する段階は無電解めっきで行われることができるが、これに限定されず、スパッタリングで行われることもできる。一方、シード層125を形成する段階はこれに限定されず、電解めっきのためのシード層125を形成する方法であれば制限なく用いることができる。
【0129】
図13gを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、第1金属層120を形成する段階を含むことができる。第1金属層120を形成する段階は、シード層125上にめっき層126を形成する段階を含むことができる。
【0130】
めっき層126は、シード層125上に配置され、シード層125をめっきシードとして形成されることができる。めっき層126は、第1貫通孔h1及び第2貫通孔h2を充填するように形成されることができ、第1絶縁層110の下側にも形成されることができる。めっき層126は電解めっきで行われることができ、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば利用することができるめっき層126の形成方法であれば特に制限なく用いることができる。
【0131】
図13hを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、第1金属層120を形成する段階を含むことができる。第1金属層120を形成する段階は、シード層125及びめっき層126の一部を除去して第1金属層120を完成する段階を含むことができる。
【0132】
シード層125はめっき層126のためのめっき引込線として機能するため、第1絶縁層110の下面の全体にわたって形成され、めっき層126はシード層125上に配置されて第1貫通孔h1及び第2貫通孔h2を全て充填し、第1絶縁層110の下側にも形成されることができる。したがって、シード層125及びめっき層126は互いに電気的に連結されて各機能を行わない場合がある。したがって、シード層125及びめっき層126の一部を除去して、各第1金属層120が互いに独立した機能を果たすようにすることができる。このとき、第1金属層120の一部を除去する段階は、エッチングで行われることができるが、これに限定されない。
【0133】
一方、図13f~図13hを参照すると、無電解めっきでシード層125を形成した後、電解めっきでめっき層126を形成して第1金属層120が形成されるものとして示したが、これに必ずしも限定されるものではなく、第1金属層120を形成する方法は、第1貫通孔h1及び第2貫通孔h2に金属物質を含むペースト(paste)を充填した後に焼成する方法で行われることができるなど、第1金属層120を形成する方法はこれに制限されないことができ、バリア層130上に形成され、第1貫通孔h1及び第2貫通孔h2を充填するように第1金属層120が形成されることができれば十分であり、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば利用することができる金属層の形成方法であれば特に制限なく用いることができる。
【0134】
図13iを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、第1絶縁層110の下面上に第2絶縁層161を形成する段階、第2絶縁層161上に第1配線層163を形成する段階、及び第1金属層120と第1配線層163を互いに連結するように第2絶縁層161の少なくとも一部を貫通する第1ビア層165を形成する段階を含むことができる。また、第2絶縁層161上にソルダーレジスト層150を形成する段階をさらに含むことができる。
【0135】
第2絶縁層161を形成する方法、第1配線層163、及び第1ビア層165を形成する方法、ソルダーレジスト層150を形成する方法は、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば利用することができる絶縁層及び配線層のビルドアップ方法であれば制限なく利用することができる。
【0136】
図13jを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、キャリア基板Cを除去する段階を含むことができる。キャリア基板Cを除去する段階は、キャリア基板Cの形態に応じて様々な方法を適用することができる。例えば、キャリア基板Cを除去する段階は、キャリア基板に含まれたコアを除去した後に銅箔を順次除去することもでき、キャリア基板を一体的に、すなわちコアと銅箔を同時に除去することもできる。キャリア基板Cを除去する段階は、公知のキャリアデタッチ(detach)に用いられる工程を制限なく利用して行うことができる。
【0137】
図13kを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、ストッパー層Sを除去する段階を含むことができる。ストッパー層Sを除去する段階はエッチング(etching)で行われることができるが、これに限定されるものではなく、ストッパー層Sを除去する段階は、ストッパー層Sの構成材料によって異なる工程で行うことができ、ストッパー層Sの構成材料を除去することができる工程であれば制限なく用いることができる。すなわち、ストッパー層Sの材料によって異なる条件を実現することができる。ストッパー層Sは臨時層Tと異なる金属を含むなど、ストッパー層Sと臨時層Tは互いに異なる材料を含むことができるため、ストッパー層Sを除去する段階では、臨時層Tは除去されないことができる。ストッパー層Sが除去されることによって、バリア層130の上側が外部に露出する可能性がある。バリア層130は、ストッパー層Sのエッチングに反応しない可能性があるため、ストッパー層Sの除去段階でバリア層130と第1金属層120とは反応しないことがある。
【0138】
図13lを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、臨時層Tを除去する段階を含むことができる。臨時層Tを除去する段階は、エッチング(etching)により行われることができるが、これに限定されるものではなく、臨時層Tを除去する段階は臨時層Tの構成材料によって異なる工程で行うことができ、臨時層Tの構成材料を除去することができる工程であれば制限なく利用することができる。すなわち、臨時層Tの材料によって異なる条件を実現することができる。
【0139】
臨時層Tと第1金属層120との間にはバリア層130が形成されているため、第1金属層120は臨時層Tを除去する段階で反応しないことができ、保護されることができる。特に、第1金属層120及び臨時層Tが互いに同じ金属物質を含む状態で臨時層Tを除去するためにエッチングを行っても、第1金属層120はバリア層130によって覆われているため、臨時層Tのみが除去されることができ、第1金属層120は反応しないことができる。すなわち、第1金属層120を覆うバリア層130が形成されているため、低費用の形成及び除去方法を適用することができる材料で臨時層Tを選択することができ、これにより低費用のプリント回路基板の製造方法が実現されることができる。
【0140】
臨時層Tが除去される段階を通じて、第1金属層120の突出部である第1部121が第1絶縁層110よりも突出することができる。すなわち、第1金属層120の第1部121が第1絶縁層110よりも突出して金属ポストとして機能することができる。第1金属層120がバリア層130によって保護されることができるため、電子部品等との結合において信頼性を確保することができる。
【0141】
図13mを参照すると、プリント回路基板の製造方法は、バリア層130の一部を除去する段階を含むことができる。バリア層130の一部を除去する段階は、エッチング(etching)により行われることができ、ドライエッチングまたはウェットエッチングを用いることができるが、これに必ずしも限定されるものではない。バリア層130の一部を除去する段階は、第1金属層120のうち突出した領域に配置されたバリア層130の一部のみが除去されることができる。例えば、第1金属層120の第1部121上に配置されたバリア層130が除去されることができ、第2部122の上面に配置されたバリア層130が除去されることができる。このとき、第2部122の上面に配置されたバリア層130が除去されることによって、第1金属層120の第2部122の上面は、第1絶縁層110の上面と段差を有することができる。すなわち、バリア層130の一部が除去されて、第1金属層120にはバリア層130の厚さだけ段差を有する第1リセスR1が形成されることができる。バリア層130の一部が除去されることによって、第1金属層120の一部が外部に露出することができ、第1金属層120の外部が電子部品などの他の構成と連結されることができる。特に、第1金属層120の突出部である第1部121が外部に露出するため、突出部は金属ポストとして電子部品等と連結されることができる。
【0142】
図13a~図13mは、各図面を基準にキャリア基板Cの下側にのみ構成が形成されるものとして示したが、キャリア基板Cの上面にも同一の工程を行って対称となる構造を有するプリント回路基板を製造することができる。この場合、1つのキャリア基板Cを介して同じ構造を有する2つのプリント回路基板が製造されることができる。また、これに制限されず、1つのキャリア基板Cにストリップ基板の形態で複数の基板が実現した後、各プリント回路基板を切断して複数のプリント回路基板を製造することもできる。
【0143】
これ以外にも、プリント回路基板の一般的な構成をさらに含むことができるということは、プリント回路基板の説明で詳述したとおりであり、本開示の技術的意義を変更しない場合には自由に追加または省略することができる。
【0144】
図14は、第2実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示した断面図である。
【0145】
図14を参照すると、第2実施形態に係るプリント回路基板の製造方法は、第1金属層120上に表面処理層140を形成する段階をさらに含むことができる。表面処理層140は、第1金属層120のうち外部に露出した領域に形成されることができ、第1金属層120の第1部121に形成され、第2部122の上面に形成されることができる。表面処理層140は、無電解めっき及び置換めっきを介して形成されることができるが、これに必ずしも限定されるものではなく、表面処理層140の構造に応じて異なる製造方法が適用されることができる。また、表面処理層が有機物を含む有機膜構造である場合には、有機膜コーティングを介して形成されることもできる。このように表面処理層140を形成する方法は、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば利用することができる表面処理層140の形成方法であれば特に制限なく用いることができる。
【0146】
一方、図14は、第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の図13mの後の段階を示したものであり、表面処理層140を形成する段階以外の段階のうち、第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法と同一の構成は、第2実施形態に係るプリント回路基板の製造方法にも適用されることができるため、これに関する重複する説明は省略する。
【0147】
図15は、第3実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示した断面図である。
【0148】
図15を参照すると、第3実施形態に係るプリント回路基板の製造方法は、バリア層130の一部を除去する段階を含まないことができる。すなわち、第3実施形態に係るプリント回路基板は、キャリア基板C及び臨時層Tを除去する段階で完了することができる。したがって、第3実施形態に係るプリント回路基板は、第1金属層120の最外側にバリア層130が配置されることができる。
【0149】
一方、図15は、第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の図13lの後の段階を示したものであり、バリア層130の一部を除去する段階以外の段階のうち、第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法と同一の構成は、第3実施形態に係るプリント回路基板の製造方法にも適用されることができるため、これに関する重複する説明は省略する。
【0150】
図16は、第4実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示した断面図である。
【0151】
図16を参照すると、第4実施形態に係るプリント回路基板の製造方法は、第1金属層120を形成する段階で、第1金属層120の下面が第1絶縁層110の下面よりもリセスされた構造を有することができる。具体的には、シード層125及びめっき層126の一部を除去して第1金属層120を完成する段階で、第1金属層120に第2リセスR2が形成されることができる。第2リセスR2は、シード層125及びめっき層126の一部を除去する段階でエッチング液によって一部が除去されて発生することができる。これは、ウェットエッチング時に過エッチングが発生した結果であり得る。第2リセスR2は、この後の段階で第2絶縁層161によって充填されることができる。第2リセスR2内に第2絶縁層161が充填されるため、第2絶縁層161とバリア層130との間に接触面積が増加して、第2絶縁層161の密着力がより確保されることができる。
【0152】
一方、図16は、第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の図13gの後の段階のうち一部のみを示したものであり、第1金属層120を形成する段階以外の段階のうち、第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法と同一の構成は、第4実施形態に係るプリント回路基板の製造方法にも適用されることができるため、これに関する重複する説明は省略する。
【0153】
図17は、第5実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示した断面図である。
【0154】
図17を参照すると、第5実施形態に係るプリント回路基板の製造方法は、第1絶縁層110上にソルダーレジスト層150を形成する段階をさらに含むことができる。具体的には、バリア層130の一部を除去する段階の後、第1絶縁層110上にソルダーレジスト層150を形成する段階をさらに含むことができる。
【0155】
バリア層130の一部を除去する段階で第1絶縁層110上に突出した領域に配置されたバリア層130の一部が除去されるため、ソルダーレジスト層150は第1金属層120の一部と接するように形成されることができる。このとき、第1金属層120は、ソルダーレジスト層150よりも突出するようにソルダーレジスト層150の厚さを設計することができる。しかし、これに限定されるものではなく、ソルダーレジスト層150を形成した後、一部を除去する方式で第1金属層120を露出させることもできる。この場合、ソルダーレジスト層150に開口を形成する方法があることもでき、ソルダーレジスト層150の層厚さが薄くなるように一部を除去する方法も可能である。ソルダーレジスト層150は、液状タイプのソルダーレジストまたはフィルムタイプのソルダーレジストを塗布した後に硬化して形成することができ、これに限定されず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば利用できる公知のソルダーレジストを形成する方法であれば制限なく用いることができる。
【0156】
一方、図17は、第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の図13mの後の段階を示したものであり、ソルダーレジスト層150を形成する段階以外の段階のうち、第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法と同一の構成は、第5実施形態に係るプリント回路基板の製造方法にも適用されることができるため、これに関する重複する説明は省略する。
【0157】
図18は、第6実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示した断面図である。
【0158】
図18を参照すると、第6実施形態に係るプリント回路基板の製造方法は、第1絶縁層110上にソルダーレジスト層150を形成する段階をさらに含むことができる。具体的には、バリア層130の一部を除去する段階の前に、第1絶縁層110上にソルダーレジスト層150を形成する段階をさらに含むことができ、ソルダーレジスト層150を形成した後、バリア層130の一部を除去する段階を含むことができる。
【0159】
バリア層130の一部を除去する段階の前に第1絶縁層110上にソルダーレジスト層150を形成するため、ソルダーレジスト層150はバリア層130と接することができる。このとき、第1金属層120は、ソルダーレジスト層150よりも突出するようにソルダーレジスト層150の厚さを設計することができる。しかし、これに限定されるものではなく、ソルダーレジスト層150を形成した後、一部を除去する方式で第1金属層120を露出させることもできる。この場合、ソルダーレジスト層150に開口を形成する方法があることもでき、ソルダーレジスト層150の層厚さが薄くなるように一部を除去する方法も可能である。
【0160】
ソルダーレジスト層150は、液状タイプのソルダーレジストまたはフィルムタイプのソルダーレジストを塗布した後に硬化して形成することができ、これに限定されず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば利用することができる公知のソルダーレジストを形成する方法であれば制限なく用いることができる。
【0161】
ソルダーレジスト層150を形成する段階の後、バリア層130の一部を除去する段階を行うことにより、ソルダーレジスト層150上に突出した領域に配置されたバリア層130の一部が除去されることができ、第1金属層120の一部は外部に露出することができる。このとき、バリア層130の一部が除去される段階では、ソルダーレジスト層150は反応しないことがある。
【0162】
一方、図18は、第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の図13lの後の段階を示したものであり、ソルダーレジスト層150を形成する段階及びバリア層130の一部を除去する段階以外の段階のうち、他の実施形態に係るプリント回路基板の製造方法と同一の構成は、第6実施形態に係るプリント回路基板の製造方法にも適用されることができるため、これに関する重複する説明は省略する。
【0163】
図19は、第7実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示した断面図である。
【0164】
図19を参照すると、第7実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の第2貫通孔h2を形成する段階は、深さが互いに異なる複数の第2貫通孔h2を形成する段階で行われることができる。すなわち、臨時層Tを貫通する第2貫通孔h2は、深さが互いに異なる複数の第2貫通孔h2を含むことができる。このとき、少なくとも一部の第2貫通孔h2は、臨時層Tの上下面を貫通しないことができる。すなわち、第2貫通孔h2は、臨時層Tの一部が除去されたリセスまたは臨時層Tの一部のみを貫通したホール(hole)に対応することができる。
【0165】
これは、第2貫通孔h2を形成する段階で臨時層Tの条件を異ならせる加工を行った結果であることができる。このとき、異なる加工条件を有する加工を複数回行うことができるが、これに必ずしも限定されるものではなく、一回の加工で深さが異なる第2貫通孔h2を形成することもできる。このとき、深さが深い第2貫通孔h2が深さが浅い第2貫通孔h2を囲むように形成することができるが、これに必ずしも限定されない。深さの異なる第2貫通孔h2は、この後、第1金属層120の第1部121の高さの差で現れることができ、金属ポストの厚さの差で現れることができる。
【0166】
第2貫通孔h2を形成する段階の後、バリア層130を形成する段階を行うことができる。バリア層130は、複数の第2貫通孔h2の内側に沿ってコンフォーマルに配置されることができる。
【0167】
一方、図19は、第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の図13cの後の段階のうち一部のみを示したものであり、第2貫通孔h2を形成する段階以外の段階のうち他の実施形態に係るプリント回路基板の製造方法と同一の構成は、第7実施形態に係るプリント回路基板の製造方法にも適用されることができるため、これに関する重複する説明は省略する。
【0168】
図20は、第8実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示した断面図である。
【0169】
図20を参照すると、第8実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の第1貫通孔h1を形成する段階及び第2貫通孔h2を形成する段階は、同時に行われることができる。すなわち、第1絶縁層110を貫通する第1貫通孔h1を形成する段階及び臨時層Tを貫通する第2貫通孔h2を形成する段階が同時に行われることができる。第1貫通孔h1及び第2貫通孔h2が同時に形成されることによって、第1絶縁層110の上面に位置する第1貫通孔h1の上面と、臨時層Tの下面に位置する第2貫通孔h2の下面が実質的に同じ幅を有することができる。一方、図20では、第1貫通孔h1の内壁と第2貫通孔h2の内壁が互いに実質的に一定の傾きを有するものとして示したが、これに必ずしも限定されるものではなく、第1貫通孔h1の内壁の傾きと第2貫通孔h2の内壁の傾きとは互いに異なることができる。一方、臨時層Tに形成される第2貫通孔h2は、臨時層Tの上下面を貫通しないこともできる。この場合、第2貫通孔h2は、臨時層Tの一部が除去されたリセスまたは臨時層Tの一部のみを貫通したホール(hole)に対応することができる。
【0170】
一方、図20は、第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の図13bの後の段階のうち一部のみを示したものであり、第1貫通孔h1及び第2貫通孔h2を形成する段階以外の段階のうち、他の実施形態に係るプリント回路基板の製造方法と同一の構成は、第8実施形態に係るプリント回路基板の製造方法にも適用されることができるため、これに関する重複する説明は省略する。
【0171】
図21は、第9実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の一部を概略的に示した断面図である。
【0172】
図21を参照すると、第9実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の第1貫通孔h1を形成する段階及び第2貫通孔h2を形成する段階は、同時に行われることができ、第2貫通孔h2は、互いに深さが異なる複数の第2貫通孔h2を含むことができる。これは、第1絶縁層110を貫通する第1貫通孔h1を形成する段階及び臨時層Tを貫通する第2貫通孔h2を形成する段階が同時に行われた結果であり、貫通孔の形成条件を異なるように設計した結果であり得る。第1貫通孔h1及び第2貫通孔h2の形状を調節することにより、プリント回路基板の第1金属層120の形状が調節されることができる。このとき、第2貫通孔h2の少なくとも一部は臨時層Tの上下面を貫通しないことができる。すなわち、第2貫通孔h2の少なくとも一部は、臨時層Tの一部が除去されたリセスまたは臨時層Tの一部のみを貫通したホール(hole)に対応することができる。
【0173】
一方、図21は、第1実施形態に係るプリント回路基板の製造方法の図13bの後の段階のうち一部のみを示したものであり、第1貫通孔h1及び第2貫通孔h2を形成する段階以外の段階のうち、他の実施形態に係るプリント回路基板の製造方法と同一の構成は、第9実施形態に係るプリント回路基板の製造方法にも適用されることができるため、これに関する重複する説明は省略する。
【0174】
本開示における断面上という意味は、対象物を垂直に切断したときの断面形状、または対象物をサイドビューから見たときの断面形状を意味することができる。また、平面上という意味は、対象物を水平に切断したときの形状、または対象物をトップビューまたはボトムビューから見たときの平面形状であることができる。
【0175】
本開示において上側、上部、上面などは、便宜上、図面の断面を基準として電子部品が実装できる面に向かう方向を意味するものとして用い、下側、下部、下面などはその反対方向に用いた。但し、これは説明の便宜上の方向を定義したものであって、特許請求の範囲の権利範囲はこのような方向に対する記載によって特に限定されない。
【0176】
本開示において、連結されるという意味は、直接連結された場合だけでなく、接着剤層などを介して間接的に連結された場合を含む概念である。また、電気的に連結されるという意味は、物理的に連結された場合と、連結されていない場合をともに含む概念である。さらに、第1、第2などの表現は、ある構成要素と他の構成要素を区分するために用いられるものであって、該当構成要素の順序及び/または重要度などを限定しない。場合によっては、権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名されることもでき、同様に第2構成要素は第1構成要素と命名されることもできる。
【0177】
本開示では、実質的には製造工程上で発生する段階誤差や位置偏差、測定時の誤差などを含めて判断することができる。例えば、実質的に垂直であるということは、完全に垂直な場合だけでなく、大略的に垂直である場合も含むことができる。また、実質的に共面であるということは、完全に同じ平面に存在する場合だけでなく、大略的に同じ平面に存在する場合も含むことができる。また、実質的にテーパされるということは、完全に一定の傾きを有して変わる幅が変化する場合だけでなく、一側と反対側の幅が異なるように大略的に変わる場合も含むことができる。
【0178】
本開示において、同じ材料は、完全に同じ材料である場合だけでなく、同じタイプの材料を含むことを意味することができる。したがって、材料の組成は実質的に同一であるが、これらの具体的な組成比は少しずつ異なることができる。
【0179】
本開示で用いられた一例という表現は、互いに同一の実施例を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために提供されたものである。しかしながら、上記提示された一例は、他の一例の特徴と組み合わせて実現されることを排除しない。例えば、特定の一例で説明された事項が他の一例で説明されていなくても、他の一例でその事項と反対または矛盾する説明がない限り、他の一例に関連した説明であると理解することができる。
【0180】
本開示で用いられた用語は、単に一例を説明するために用いられたものであり、本開示を限定することを意図するものではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なるものを意味しない限り、複数の表現を含む。
【符号の説明】
【0181】
110 第1絶縁層
120 第1金属層
120-1 第1金属ポスト
120-2 第2金属ポスト
121 第1部
122 第2部
125 シード層
126 めっき層
130 バリア層
140 表面処理層
150 ソルダーレジスト層
161 第2絶縁層
163 第1配線層
165 第1ビア層
R1 第1リセス
R2 第2リセス
181、182 電子部品
191、192 連結部材
C キャリア基板
S ストッパー層
T 臨時層
h1 第1貫通孔
h2 第2貫通孔
1000 電子機器
1010 メインボード
1020 チップ関連部品
1030 ネットワーク関連部品
1040 その他の部品
1050 カメラモジュール
1060 アンテナモジュール
1070 ディスプレイ
1080 バッテリー
1090 信号ライン
1100 スマートフォン
1110 スマートフォン内部メインボード
1120 スマートフォン内部電子部品
1121 スマートフォン内部アンテナモジュール
1130 スマートフォン内部カメラモジュール
1140 スマートフォン内部スピーカー
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10a
図10b
図11a
図11b
図12a
図12b
図12c
図12d
図12e
図13a
図13b
図13c
図13d
図13e
図13f
図13g
図13h
図13i
図13j
図13k
図13l
図13m
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21