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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169376
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】遮音吸音材およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/16 20060101AFI20241128BHJP
   B60R 13/08 20060101ALI20241128BHJP
   D06M 15/05 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
G10K11/16 120
B60R13/08
D06M15/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024083298
(22)【出願日】2024-05-22
(31)【優先権主張番号】P 2023086130
(32)【優先日】2023-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】592140300
【氏名又は名称】丸三製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】齋木 輝
(72)【発明者】
【氏名】子安 直子
(72)【発明者】
【氏名】久保 純一
(72)【発明者】
【氏名】小林 貴也
【テーマコード(参考)】
3D023
4L033
5D061
【Fターム(参考)】
3D023BB21
3D023BB30
3D023BE20
3D023BE31
4L033AB07
4L033CA03
5D061AA02
5D061AA11
5D061AA22
5D061AA25
5D061BB31
(57)【要約】
【課題】軽量で取り扱いやすく、遮音性能に優れた遮音吸音材を提供する。
【解決手段】多孔質シート中の繊維間または気泡等の空隙にセルロースナノファイバーを含有する膜を有する遮音吸音材を用いる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質シート中の空隙にセルロースナノファイバーを含有する膜を有する遮音吸音材。
【請求項2】
前記多孔質シートが無機系材料または有機系材料からなる請求項1に記載の遮音吸音材。
【請求項3】
セルロースナノファイバーを含有する原料スラリーを抄紙することで多孔質シートとして、シート内部の繊維間にセルロースナノファイバーを含有する膜を形成させる、遮音吸音材の製造方法。
【請求項4】
多孔質シートにセルロースナノファイバーのスラリーを塗工または含浸して、シート内部の空隙にセルロースナノファイバーを含有する膜を形成させる、遮音吸音材の製造方法。
【請求項5】
前記スラリーがバインダーを含有する、請求項3または4に記載の遮音吸音材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、セルロースナノファイバーによる微細膜を有する遮音吸音材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建造物や自動車において室内の静寂性を確保するため、壁や床、天井等に防音材が使用されている。防音材は、室内の音を吸収して反響を防ぐ吸音材と、室外の音を反射して室内への侵入を防ぐ遮音材に大別され、それらを組み合わせて用いるのが一般的である。このうち、吸音材には多孔質材料が、遮音材には鉄板などの高密度の重量物が主に用いられる。だが、建材用途においては施工時の作業性や安全性などの観点から、また自動車用途においては軽量化による燃費向上などの観点から、軽量で高性能な防音材の開発が求められている。
【0003】
軽量の吸音材として、マイクロオーダーの繊維幅を有するマイクロ繊維を成形した不織布に、ナノオーダーの繊維幅を有するセルロースナノファイバーを含む分散液を含浸して凍結乾燥させたナノ繊維付着型吸音材が提案されている(特許文献1)。それは、マイクロ繊維の空隙にセルロースナノファイバーによるネットワークが形成された構造となっており、部材の変形復元性および形状維持性に優れるとともに、一部音域における吸音性の向上などが確認されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6493276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の吸音材は、セルロースナノファイバーを含まない吸音材と比較して、変形復元性や形状維持性は向上しているが、遮音性能に関しては向上が見られなかった。
【0006】
そこでこの発明は、軽量で取り扱いやすく、遮音性能にも優れた遮音吸音材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、多孔質シート中の繊維間または気泡等の空隙にセルロースナノファイバーを含有する膜を有する遮音吸音材により、上記の課題を解決したのである。
【0008】
この発明にかかる遮音吸音材では、前記多孔質シートとして無機系材料または有機系材料を選択した形態を採用できる。
【0009】
また、この発明は、セルロースナノファイバーを含有する原料スラリーを抄紙することで多孔質シートとして、シート内部の繊維間にセルロースナノファイバーを含有する膜を形成させる方法により、上記の遮音吸音材を製造できる。
【0010】
さらに、この発明は、繊維集合体や発泡体などの多孔質シートにセルロースナノファイバーのスラリーを塗工または含浸して、シート内部の繊維間または気泡等の空隙にセルロースナノファイバーを含有する膜を形成させる方法によっても、上記の遮音吸音材を製造できる。
【発明の効果】
【0011】
従来の吸音材では、不織布や発泡体などのようなマイクロ(μm)オーダーの繊維間または気泡等の空隙による微細なネットワークを利用していたが、空隙自体が塞がっていなかったので十分な遮音効果は発揮されていなかった。この発明にかかる遮音吸音材では、セルロースナノファイバーを単に補強のために添加するのではなく、μmオーダーの繊維間または気泡等の空隙の全部または一部にセルロースナノファイバーの膜を形成させることで、多孔質シートが元々有していた吸音効果に加えて、繊維間または気泡等の空隙を塞いで、音がそのまま通過できないようにして遮音効果が大きく向上したものとなった。
【0012】
セルロースナノファイバーであっても比較的繊維幅が大きいものでは、このような吸音効果及び遮音効果が発揮されない。繊維幅が大きいと均一な膜が生成されにくく、膜ができても混在する太い繊維による凹凸の影響で孔が空きやすくなると考えられる。それよりも繊維幅が小さいセルロースナノファイバーを用いることで、凹凸が小さく、均一で孔が少ない好適な膜を生じさせ、吸音効果及び遮音効果を発揮するものとなる。
【0013】
遮音吸音材の製造方法として、セルロースナノファイバーを含有する原料スラリーを抄紙すると、多孔質シート内部の繊維間の空隙に膜を形成させることができる。一方で、多孔質シートにセルロースナノファイバーのスラリーを塗工または含浸して膜を形成させることもでき、多様な製造手法が利用できて製造しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例1の遮音吸音材のSEM写真
図2】実施例7の遮音吸音材のSEM写真
図3】実施例8の遮音吸音材のSEM写真
図4】実施例10の遮音吸音材のSEM写真
図5】実施例12の遮音吸音材のSEM写真
図6】比較例10の遮音吸音材のSEM写真
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明について詳細に説明する。この発明は、多孔質シート内部の繊維間または気泡等の空隙にセルロースナノファイバーを含有する膜を有する遮音吸音材である。
【0016】
上記の多孔質シートとしては、μmオーダーの空隙を有するシート状の無機系材料または有機系材料を利用できる。例えば、無機系材料としてはロックウール(岩綿)、グラスウール、セラミックファイバー、アルカリアースシリケートウール、アルミナファイバー、炭素繊維、ステンレス繊維などからなる繊維集合体としてのシートが挙げられる。また、有機系材料としては、木材パルプ、綿、オレフィン繊維、エステル繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、塩化ビニル繊維、ウレタン繊維などからなる繊維集合体としてのシートや、オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ラテックス、ゴム、セルロースなどからなる発泡体などが挙げられる。従来の吸音材として利用されるシート状の多孔質材料であれば、基本的に採用可能である。なお、μmオーダーの空隙とは、1μm~100μm程度の隙間が形成されていることをいう。なお、それよりも細かいnmオーダーの空隙を有していても特に問題なく利用できる。これらの空隙が上記膜によって塞がっていればよい。
【0017】
この中でも、無機系材料が吸音効果のための厚みを十分に確保しやすく、また難燃性も付与しやすいため望ましい。無機系材料の中でも、ロックウールは安価であり、繊維幅が2~20μm程度であるため、形成されている空隙に対して本発明を構成する膜を形成しやすく、膜による閉塞が行いやすい。また、その主成分の二酸化ケイ素が、セルロースナノファイバーと水素結合を形成し、定着しやすいため特に好ましい。
【0018】
多孔質シートの厚さは特に規定されないが、一般的に厚さ200μm以上、25mm以下程度であれば製造または加工時の取扱いの面で有利である。抄紙によりセルロースナノファイバーの膜を形成した多孔質シートを製造する場合は、抄紙できる厚さであればよい。また、塗工して膜を形成させる場合は、製造または加工が可能な限りは、多孔質シートが厚くても特に問題がない。一方、含浸させて膜を形成させる場合は、多孔質シートが厚すぎると内部へのスラリーの浸透に時間を要し、生産効率が低下しやすい。
【0019】
この発明において用いるセルロースナノファイバー(以下、「CNF」と略記する)は、セルロースに加工を加えて微細繊維化したものである。セルロースの分子構造に変化のないものだけでなく、セルロースの分子構造の一部を化学変性したものと一旦化学変性したものをセルロースに再生したものであってもよく、これらを含みうる。
【0020】
化学変性したセルロースとしては、例えば、TEMPO(2,2,6,6-tetramethylpiperidine-1-oxyl radical)酸化したTEMPO酸化セルロース、カルボキシメチル化したカルボキシメチルセルロース、リン酸エステル化したリン酸エステル化セルロース、アルカリ処理したセルロースに二硫化炭素を加えてザンテート基(-OCSS)を導入したザンテート化セルロースなどが挙げられる。パルプ等の材料からなるセルロース材料を化学変性すると、セルロース材料をそのまま解繊するよりも容易にナノファイバーの状態にしやすい。この化学変性して解繊されたCNFを「化学変性CNF」と呼ぶ。また、化学変性したセルロースのうち、リン酸エステル化セルロースとザンテート化セルロースは、再生処理して容易にセルロースに戻すことが可能なため好ましい。化学変性CNFの化学変性したセルロースの分子構造をセルロースに戻す再生処理をして得られるCNFを「再生CNF」と呼ぶ。
【0021】
この発明においては、以下の説明の中で、単純にセルロース材料を解繊したものだけでなく、上記の化学変性CNFや再生CNFを含めてCNFと呼ぶ。また、再生CNFの中には、水酸基から一旦ザンテート基などの他の官能基に変性したものの全てが元の水酸基に戻されているものだけでなく、一部が他の官能基として残っているものが含まれていてもよい。再生CNFの場合、再生にあたり他の官能基が残存している官能基の置換度としては、0.01以下まで低下したものを用いると、原料スラリーの粘度が低く抑えられて、多孔質シート内で均一な膜を形成し易くなる他、抄紙時の濾水性が低下して生産性が低下するのを抑制できるために好ましい。さらに、これらのCNFは、必要があれば精製処理を施して使用してもよい。
【0022】
このCNFは、繊維幅3nm以上、100nm以下の微細繊維が主成分として含まれているものが好適に用いられる。なお、ここで主成分とは、存在する繊維のうちの50%以上が上記の繊維幅の条件に含まれることをいう。ただし、組成物の製造や利用の際に差支えない限り、上記の範囲外の繊維幅の微細繊維が含まれていてもよい。また、CNFの数平均繊維幅は3nm以上であるとよい。これより小さくても本発明は実施できるが、3nm未満とするには多大なエネルギーが必要である上に、作業効率の面でもあまり現実的ではない。一方で、CNFの数平均繊維幅は100nm以下であると好ましい。100nmを超えると繊維幅の大きい繊維が混在するために、均一な膜が形成されずに、遮音性が低下するおそれがある。
【0023】
この発明において多孔質シート中に有する膜は、多孔質シートを抄紙する際にCNFをシートの原料スラリーに添加したり、CNFを含有するスラリーを多孔質シートにバーコーター、グラビアコーター、リバースロールコーター、キスコーター、ロールナイフコーター、ダイコーター、スプレー噴霧などの手段で塗工したり、CNFを含有するスラリーに多孔質シートを浸漬して含浸させることで、多孔質シート内部の繊維間または気泡等に形成されている空隙の全部または一部を閉塞させるように形成させる。従来のように空隙が小さくなるだけではなく、空隙が膜によって塞がることで、遮音性が大きく向上するものとなる。
【0024】
抄紙においては、多孔質シートの原料スラリーへのCNFの添加量は0.5質量%以上、10質量%以下であるとよい。0.5質量%未満では十分な遮音効果と補強効果が得られず、10質量%を超えると原料スラリーの粘度が増加し、抄紙時の濾水性が悪化して、生産性が低下することに加え、必要以上に添加しても遮音効果と補強効果が頭打ちとなるおそれがある。
【0025】
一方、塗工または含浸に使用するCNFを含有するスラリーとしては、水中に分散させる一般的なスラリーが使用できる。スラリー中におけるCNFの固形分含有率(以下、「CNF濃度」と呼ぶ。)は、0.05質量%以上、2質量%以下であるとよい。0.05質量%未満では、CNFが薄すぎて形成される膜が十分に空隙を閉塞できずに遮音効果が低下するおそれがあるばかりか、乾燥に多大なエネルギーを要する。2質量%を超えるとスラリーの粘度が増大し、CNFの分散性が低下して多孔質シート中へ均一な膜を形成しにくくなる他、塗工または含浸が困難になってしまうおそれがある。
【0026】
抄紙により多孔質シートを製造する場合には原料スラリーに、また塗工または含浸による場合にはCNFのスラリーに、膜を形成させやすくするバインダーが含まれていてもよい。多孔質シートに形成される空隙の形状やサイズによってはCNFのみのスラリーでは十分に膜が形成されない場合もあるが、バインダーを有することで膜が形成されやすくなる。バインダーとしては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、オレフィン樹脂、エステル樹脂などのエマルジョンが挙げられる。
【0027】
上記スラリーがバインダーを有する場合、バインダーの含有量は、バインダー:CNFの質量比で1:5~5:1程度であると好ましい。バインダーが少なすぎると添加することによる膜の生成補助効果が得られず、多すぎるとCNFではなくバインダーの膜による閉塞が主となるため、十分な遮音効果が得られないおそれがある。
【0028】
また、抄紙に用いる原料スラリーには、紙力剤や凝結剤などの添加剤が含まれていてもよい。例えば、紙力剤としては、ポリアクリルアミド系、ポリメチルメタクリレート系などのものが、また凝結剤としては、硫酸アルミニウム(硫酸バンド)、4級アンモニウム塩、ポリアミン、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドなどを用いることができる。また、凝結剤には、シート中のCNFの分布を均一にして、多孔質シートの地合いを改善する効果がある。一方、塗工または含浸に用いるCNFのスラリーには、消泡剤などのその他の添加物が含まれていてもよい。
【0029】
この発明にかかる遮音吸音材の製造にあたり、多孔質シートの原料スラリーにCNFを添加したり、CNFのスラリーを塗工または含浸したりした後、多孔質シートから水分を除去する際には、自然乾燥や加熱させる送風乾燥などの通常の乾燥方法が利用できる。送風乾燥させる場合、60℃以上、150℃以下であると好ましい。温度が低すぎると、乾燥に時間がかかり過ぎてしまう。一方で、温度が高すぎると、多孔質シートが変形したり、形成させる膜が安定しなくなったりするおそれがある。さらに、発泡体に塗工または含浸した場合は、多孔性が失われるおそれもある。なお、凍結乾燥で水分を除去した場合は膜が形成されずに微細な空隙の残るCNFのネットワーク構造となってしまうため、凍結乾燥による水分除去は避けねばならない。
【実施例0030】
以下に、この発明の実施例を示す。
まず、用いた材料について説明する。これらを用いて、三種類の方法で本発明にかかる遮音吸音材を製造した。
【0031】
<多孔質シート用素材>
・無機材料:ロックウール(JFEロックファイバー(株)製:ロクセラム粒状綿)
・有機材料:ポリエステル繊維(帝人フロンティア(株)製:テピルス、繊維径:0.3dtex、繊維長:3mm)
<多孔質シート>
・グラスウールシート(コイズミ無線(有)製:ASファブリックグラスウールGW5090)
・ポリエステル製不織布吸音材((株)スリーエム製:シンサレートThinPL)
・発泡ポリウレタンシート((株)イノアックコーポレーション製:カームフレックスF2-10)
【0032】
<CNF>
(使用試料1:再生CNFの調製)
再生CNFとしてRCNFを、特許第7195126号の実施例1に準じて作製した。すなわち、クラフトパルプのNBKPをアルカリ処理後、二硫化炭素でザンテート化処理を行い、高圧ホモジナイザーを用いて解繊処理してザンテート化CNFを調製し、それを再生処理して再生CNFスラリーを得た。その再生CNFが含有するザンテート基の置換度(ザンテート置換度)は、測定下限である0.001未満であった。以下、単にRCNFというときは、この再生CNFを示す。上記で得られたCNF濃度1.0質量%のRCNFスラリーを、高圧ホモジナイザーを用いて再分散処理した。
【0033】
[ザンテート置換度測定]
RCNFのザンテート置換度は、Bredee法により測定した。なお、このザンテート置換度は、セルロースのグルコース単位当たりにザンテート基が導入されている度合に対する値である。Bredee法の手順は次のように行った。前記RCNFスラリーを40g秤量し、0.5M水酸化ナトリウム水溶液(5℃)を50mL添加して撹拌した。15分間放置後、1.5M酢酸水溶液で中和した。そこへ蒸留水を100mL添加してよく撹拌し、1.5M酢酸水溶液10mL、0.05mol/Lヨウ素水溶液10mLを添加した。この溶液を0.05mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定し、チオ硫酸ナトリウム水溶液の滴定量、サンプル中のセルロース含有率より次式(1)からザンテート置換度を算出した。
【0034】
ザンテート置換度=(0.05×10×2-0.05×チオ硫酸ナトリウム滴定量(m
L))÷1000÷(サンプル中のセルロース含有率(g)/162.1)……(1)
【0035】
[CNFの繊維幅の測定]
蒸留水でCNF濃度0.01質量%に希釈したRCNFのスラリーに染色液を添加し、支持膜上で乾燥して乾燥検体とした。電界放出形走査電子顕微鏡(FE-SEM、(株)日立ハイテク製、S-4800)を使用し、加速電圧25kVで、この検体を観察した。その130,000倍の画像より、任意にナノファイバー50本を選択して計測したところ、繊維幅は3.9nm~9.7nmの範囲であって、数平均繊維幅は6.4nmであった。
【0036】
(使用試料2:機械解繊CNF)
機械解繊により得られるCNFとして、(株)スギノマシン製:BiNFi-s(品番:WFo-10005)を使用した。使用試料1と同様に計測したところ、繊維幅は24.1~53.2nmの範囲であって、数平均繊維幅は31.2nmであった。
【0037】
(使用試料3:TEMPO酸化CNF)
化学変性CNFとしてTEMPO酸化CNFを、特許第6668558号の参考例に準じて作製し、平均酸化度2mmol/gのTEMPO酸化CNFのスラリーを得た。このCNFは、カルボキシ基で置換された化学変性セルロースのまま解繊されている。得られたTEMPO酸化CNFを使用試料1と同様に計測したところ、繊維幅は3.7~7.9nmの範囲であって、数平均繊維幅は6.3nmであった。
【0038】
<微細セルロース>
・微小繊維状セルロース(ダイセルミライズ(株)製:セリッシュ、品番:KY100S。文中「セリッシュ」と記載する)
なお、セリッシュについては、まず湿潤状態の本品を蒸留水で固形分濃度0.03質量%に希釈し、ホモジナイザーで再分散させた上で、tert-ブチルアルコールで溶媒置換して凍結乾燥させた。その乾燥検体を上記FE-SEMで観察し、20,000倍の画像より、任意に微細セルロース50本を選択して計測したところ、繊維幅は48nm~570nmの範囲であって、数平均繊維幅は198nmであった。
<バインダー>
・アクリル系エマルジョン(DIC(株)製:AN-678A-E)
・オレフィン系エマルジョン(住友精化(株)製:ザイクセンA)
・エステル系エマルジョン(東洋紡エムシー(株)製:バイロナールMD-2000)
<添加物>
・硫酸バンド(レンゴー(株)製:8質量%硫酸アルミニウム水溶液)
【0039】
<ロックウールの抄紙による多孔質シートの製造>
(実施例1,2)
(a)無機材料の多孔質シート用素材としてのロックウールを水に添加し、離解機(日本TMC(株)製:D-438)で分散させて、1.88質量%の無機材料分散スラリーを調製した。
(b)一方、CNFとしてRCNFのスラリー中に、アクリル系エマルジョンのバインダーを、スリーワンモーター(新東科学(株)製)で攪拌しながら添加し、CNF濃度が0.5質量%、固形分比が質量換算でバインダー:CNF=5:3(実施例1)、5:6(実施例2)のバインダー混合物を得た。
(c)無機材料分散スラリー中に、スリーワンモーターで攪拌しながらバインダー混合物を添加した。固形分比は質量換算でロックウール:バインダー:CNF=97:5:3(実施例1)または94:5:6(実施例2)とし、そこへ無機材料分散スラリーのpHが5.0になるまで硫酸バンドを添加して混合した。
(d)続いて(c)で得た混合物を抄紙し、湿紙を脱水して、送風乾燥機(ヤマト科学(株)製:DKN602)で120℃にて2時間乾燥させ、さらにドラムドライヤー(ジャポー(株)製、L-3D)で120℃にて280秒間乾燥させて、坪量600g/mの遮音吸音材を得た。
【0040】
(比較例1)
実施例1において、(b)にてCNFを添加せず、(c)にてバインダー混合物の代わりにバインダーのみを添加した以外は同様の手順により多孔質シート(ロックウールシート1)を得た。
【0041】
<ロックウールの抄紙による坪量の異なる多孔質シートの製造>
(実施例3,4)
実施例1において、坪量を900g/m(実施例3)、1,500g/m(実施例4)とした以外は同様の手順により遮音吸音材を得た。
【0042】
(比較例2,3)
比較例1において、坪量を900g/m(比較例2)、1,500g/m(比較例3)とした以外は同様の手順により多孔質シートを得た。
【0043】
<ロックウールの抄紙によるバインダーの異なる多孔質シートの製造>
(実施例5,6)
実施例1において、バインダーをオレフィン系エマルジョン(実施例5)、エステル系エマルジョン(実施例6)とした以外は同様の手順により遮音吸音材を得た。
【0044】
<ロックウールの抄紙によるCNFの種類の異なる多孔質シートの製造>
(実施例7,8)
実施例1において、RCNFの代わりに機械解繊CNF(使用試料2:実施例7)、TEMPO酸化CNF(使用試料3:実施例8)を用いた以外は同様の手順により遮音吸音材を得た。
【0045】
(比較例4)
実施例1において、CNFの代わりにセリッシュ(微細セルロース)を用いた以外は同様の手順により多孔質シートを得た。
【0046】
<ポリエステル繊維の抄紙による多孔質シートの製造>
(実施例9)
(a)有機材料の多孔質シート用素材であるポリエステル繊維を水に添加し、前記離解機で分散させて、1.88質量%の有機材料分散スラリーを調製した。
(b)この有機材料分散スラリー中に、蒸留水でCNF濃度を0.5質量%に希釈したRCNFスラリーを、前記スリーワンモーターで攪拌しながら添加し、固形分比が質量換算でポリエステル繊維:CNF=97:3とし、そこへ有機材料分散スラリーのpHが5.0になるまで硫酸バンドを添加して混合した。
(c)続いて(b)で得た混合物を抄紙し、湿紙を脱水して、前記送風乾燥機で120℃にて2時間乾燥させ、さらに前記ドラムドライヤーで120℃にて280秒間乾燥させて、坪量900g/mの遮音吸音材を得た。
【0047】
(比較例5)
実施例9において、(b)にてCNFを添加しなかった以外は同様の手順により多孔質シートを得た。
【0048】
<ロックウールシートへスプレー噴霧して塗工することによる製造>
(実施例10)
(a)RCNFスラリーに蒸留水を加えて希釈し、CNF濃度0.5質量%のCNFスラリーを得た。
(b)多孔質シートとして、上記比較例1のロックウールシート1を用いた。これを、送風乾燥機で110℃にて2時間乾燥させ、絶乾質量を測定した。
(c)ロックウールシート1に、(a)のCNFスラリーを、スプレー容器を用いてスプレー噴霧することで塗工した。その後、送風乾燥機で120℃にて15分間かけて乾燥して、膜を形成させた遮音吸音材を得た。このとき、乾燥前後の質量差からCNF添加量を算出した。
【0049】
(実施例11)
実施例10の(a)の代わりに、CNFスラリー中に、バインダーを、ホモディスパー(プライミクス(株)製:ラボ・リューション)で攪拌しながら添加し、CNF濃度が0.5質量%、固形分比が質量換算でバインダー:CNF=5:3となるようにした。添加完了後、さらに500rpmで3分間攪拌して十分に分散させたバインダー混合CNFスラリーを得た。実施例10の(c)においてCNFスラリーの代わりに、このバインダー混合CNFスラリーを用いて遮音吸音材を得た。
【0050】
(実施例12)
<ロックウールシートへのバーコーター塗工による製造>
実施例10の(c)において、スプレーの代わりにバーコーター(第一理化(株)製:バーコーターNo.40)を用いてCNFスラリーを塗工し、送風乾燥機による乾燥時間を5分間とした以外は、実施例10と同様の手順により遮音吸音材を得た。
【0051】
(比較例6)
比較例1において、(a)にて無機材料分散スラリーの濃度を3.75質量%とし、(d)にて坪量を1800g/mとした以外は同様の手順により多孔質シート(ロックウールシート2)を得た。
【0052】
<厚みの異なるロックウールシートへスプレー噴霧して塗工することによる製造>
(実施例13)
実施例10において、(b)の多孔質シートとしてロックウールシート2を用いた以外は同様の手順により遮音吸音材を得た。
【0053】
<グラスウールシートへスプレー噴霧して塗工することによる製造>
(実施例14)
実施例10において、(b)のロックウールシート1の代わりにグラスウールシートを用いた以外は同様の手順により遮音吸音材を得た。
【0054】
(比較例7)
グラスウールシートに何も塗工しないブランク状態のものを使用した。
【0055】
<不織布吸音材へスプレー噴霧して塗工することによる製造>
(実施例15)
実施例10において、(b)のロックウールシート1の代わりにポリエステル製不織布吸音材を用い、(c)の送風乾燥機による乾燥を20分間とした以外は、実施例10と同様の手順により遮音吸音材を得た。
【0056】
(実施例16)
実施例11において、ロックウールシート1の代わりにポリエステル製不織布吸音材を用い、(c)の送風乾燥機による乾燥を20分間とした以外は、実施例11と同様の手順により遮音吸音材を得た。
【0057】
(比較例8)
ポリエステル製不織布吸音材に何も塗工しないブランク状態のものを使用した。
【0058】
<発泡ポリウレタンシートへスプレー噴霧して塗工することによる製造>
(実施例17)
実施例10において、(b)のロックウールシート1の代わりに発泡ポリウレタンシートを用い、(c)の送風乾燥機による乾燥を60℃にて16時間とした以外は、実施例10と同様の手順により遮音吸音材を得た。
【0059】
(比較例9)
発泡ポリウレタンシートに何も塗工しないブランク状態のものを使用した。
【0060】
<スプレー噴霧して塗工後に凍結乾燥することによる製造>
(比較例10)
実施例10の(c)において、送風乾燥の代わりに、CNFスラリーを塗工した多孔質シートを-25℃にて16時間凍結させ、さらに凍結乾燥機(東京理化器械(株)製:FD-1)により64時間かけて凍結乾燥させた以外は、実施例10と同様の手順により遮音吸音材を得た。
【0061】
<液浸して含浸後に凍結乾燥することによる製造>
(比較例11)
(a)CNFとしてRCNFを0.1質量%含有するように水中に分散させてCNFスラリーを得た。
(b)多孔質シートとして、ロックウールシート1を用いた。これを送風乾燥機110℃で、2時間乾燥させ、絶乾質量を測定した。
(c)(a)のCNFスラリー中に(b)のロックウールシート1を浸漬して室温で16時間静置(液浸)し、CNFスラリーをロックウールシート1に含浸させた後、シートを取り出し、シート表面に付着したスラリーをろ紙で拭き取って除去した。その後、比較例10と同様に凍結乾燥させて、遮音吸音材を得た。このとき、乾燥前後の質量差からCNF添加量を算出した。
【0062】
<吸音性および遮音性の評価>
各シートサンプルからφ41.5の試験片を切り抜き、吸音性では垂直入射吸音率を、また遮音性では垂直入射音響透過損失を評価指標として用いた。装置には日本音響エンジニアリング(株)製:WinZacを用いて、垂直入射吸音率はJIS A 1405-2に、また、垂直入射音響透過損失はASTM E2611に準拠して測定した。
なお、実施例10~17および比較例10のCNFをスプレー噴霧またはバーコーターにより塗工したサンプルは、塗工面が音源側となるように配置して測定した。垂直入射吸音率と垂直入射音響透過損失の測定結果はそれぞれ、1/3オクターブ間隔で平均値を算出した。
【0063】
垂直入射吸音率は250Hzから4000Hzの区間の各1/3オクターブ平均値を平均し、材質や製造方法が同等で、セリッシュおよびCNFを添加していないサンプル(比較例1~3,5~9)に対する垂直入射吸音率の平均値増加率を算出した。対応する比較例に対する垂直入射吸音率の平均値増加率が0%より大きいものについて、元の基材の吸音性を維持しているものと判定した。
【0064】
また、垂直入射音響透過損失としては、垂直入射吸音率とは異なり、高音域にはほとんど差が認められなかったため、低中音域の250Hzから1000Hzの区間の各1/3オクターブ平均値を平均し、吸音率と同様に平均値増加率を算出した。材質や製造方法が同等で、セリッシュおよびCNFを添加していない基材(比較例1~3,5~9)に対する垂直入射音響透過損失の平均値増加率が40%より大きいものについて、低中音域での遮音性が付与されたものと判定した。
【0065】
<シート密度測定>
得られた遮音吸音材の幅、長さ、厚みを計測し、その重量から密度(g/cm)を算出した。
【0066】
<引張強度測定>
得られた遮音吸音材から幅20mmの短冊状の試験片を切り出し、引張試験機(熊谷理機工業(株)製:テンシロン万能材料試験機 RTE-1210)を用いて、つかみ幅20mm、引張速度100mm/分の条件で引張試験を行い、破断時の応力の平均値(n=3)をその試験片の引張強度とした。
【0067】
<結果:ロックウールシート抄紙時の添加>
抄紙により得られた遮音吸音材についての結果を表1に示す。CNFとしてRCNFを添加して抄紙したロックウールシート(実施例1,2)は、添加しなかったもの(比較例1:ロックウールシート1)と比べて低中音域(250~1000Hz)の遮音性が顕著に向上した。また、シートの坪量が増加した場合(実施例3,4)、CNFを添加しなかったもの(比較例2,3)と比べて吸音率と透過損失の平均値は上昇するが、やはりCNFの添加により遮音性は向上した。一方、バインダーの種類を変更した場合(実施例5,6)、それぞれに引張強度には差が生じるが、遮音性の向上は同等だった。さらに、CNFとして機械解繊CNF(実施例7)やTEMPO酸化CNF(実施例8)を用いた場合でも、従来の補強剤としてセリッシュを添加した遮音吸音材(比較例4)と比べて、セリッシュをCNFに置換することで、同等の強度を維持しつつ、さらに低中音域の遮音性を付与することができた。平均繊維幅198nmのセリッシュでは遮音性向上効果は低いことから、この効果は平均繊維幅が3nm~100nm程度まで解繊されたナノファイバーに特有のものであると考えられる。また、実施例1と実施例2とを比較すると、CNFの添加率を増やすことで遮音性が向上することが確かめられた。
【0068】
【表1】
【0069】
<結果:ポリエステル繊維抄紙時の添加>
有機材料としてのポリエステル繊維を抄紙して得られた遮音吸音材についての結果を表2に示す。RCNFを添加し、バインダーを添加せずに抄紙したポリエステル繊維シート(実施例9)は、CNFを添加しなかったもの(比較例5)と比べて、ロックウールと同様に、低中音域の遮音性が向上しており、バインダーがなくてもCNFにより遮音性を向上させる効果が確認できた。
【0070】
【表2】
【0071】
<結果:ロックウールシートへのスプレー噴霧およびバーコーターによる塗工>
ロックウールシートに対して、スプレー噴霧やバーコーターによる塗工でCNFを添加した結果を表3に示す。いずれの方法によっても(実施例10,11,12)遮音性は向上した。製造の際に用いる塗工液は、バインダーを有さないCNFスラリー(実施例10,12)でも、バインダーを有するバインダー混合CNFスラリー(実施例11)でも、遮音性が向上した。このため、バインダーの有無にかかわらず、CNFにより遮音性を向上させる膜が形成できることが確認できた。また、実施例10から基材の厚みを変更しても(実施例13)、遮音性が向上することが確認できた。
【0072】
【表3】
【0073】
<結果:他の基材へのスプレー噴霧による塗工>
ロックウールシート以外の基材に対して、スプレー噴霧により塗工してCNFを添加した結果を表4および表5に示す。基材として別の無機系材料であるグラスウールシートを用いても(実施例14)、また有機系材料であるポリエステル製不織布吸音材(実施例15,16)や発泡ポリウレタンシート(実施例17)を用いても、遮音性が向上した。また、製造の際に用いる塗工液は、バインダーを有さないCNFスラリー(実施例15)でも、バインダーを有するバインダー混合CNFスラリー(実施例16)でも、どちらも遮音性が向上した。したがって、材料が無機系か有機系かにかかわらず、バインダーの有無にかかわらず、遮音性を向上できることが確認できた。
【0074】
【表4】
【0075】
【表5】
【0076】
<膜生成の確認>
実施例1(抄紙時の添加:RCNF)、実施例7(抄紙時の添加:BiNFi-s)、実施例8(抄紙時の添加:TEMPO酸化CNF)、実施例10(スプレー噴霧による塗工)、実施例12(バーコーター塗工)のそれぞれのシートの表面を、SEMにより観察した。それぞれの写真を図1~5に示す。いずれもロックウールの空隙を遮るように膜が形成されていた。この膜は、CNFによって形成されていると考えられる。繊維幅の細いCNFを含むことにより膜は微細な凹凸を持つため、音すなわち空気の振動に接触する表面積が大きくなる。したがって、空気の振動を膜の振動に変換する効率が高く、それが再び空気を振動させることによって音がランダムな方向に散乱し、音の透過を妨げているものと考えられる。また、抄き込みの有無や塗工前後でシートの密度には変化が無かったことから、CNFの膜は基材そのものの多孔性を損なっておらず、元の吸音性を維持したと考えられる。
【0077】
従来の吸音材に対応する手法として、スプレー噴霧により塗工あるいは液浸して含浸させた後の乾燥を凍結乾燥により行うことで遮音吸音材(比較例10,11)を得た。これらについても吸音性および遮音性を評価した結果を表5に示すが、いずれも遮音性の向上は見られなかった。また、比較例10の表面をSEMで観察した結果を図6に示す。CNFの膜が形成されずに、不織布形態、すなわち繊維間にCNFのネットワークが形成されており、空隙が閉塞されずに細分化されるだけで残ってしまうことが確認された。したがって、多孔質シート中の繊維間の空隙がCNFを含む膜によって閉塞されることで、遮音性が向上したと考えられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6