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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169388
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】育児支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20240101AFI20241128BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024083940
(22)【出願日】2024-05-23
(31)【優先権主張番号】P 2023085416
(32)【優先日】2023-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柘植 今日子
(72)【発明者】
【氏名】福田 優子
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA13
(57)【要約】
【課題】 乳幼児の快適性を通知して、乳幼児の健全な成長を支援し、育児の負担を軽減できる育児支援システムを実現する。
【解決手段】 実施形態によれば、育児支援システムは情報処理装置と1つ以上のセンサとを含む。第1センサは、乳幼児の衣服の内側と吸収性物品の外表面のいずれかに取り付けられ、前記衣服の内側または前記吸収性物品の外表面における、衣服内温度データと衣服内湿度データの少なくとも一方を計測する。前記情報処理装置は、第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記第1期間よりも前に取得された前記衣服内温度データまたは前記衣服内湿度データに基づいて規定される前記乳幼児の快適性の判定条件とを用いて、前記乳幼児の快適性を判定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1情報処理装置と1つ以上のセンサとを含む育児支援システムであって、
前記1つ以上のセンサの内の第1センサは、乳幼児が着用している衣服の内側と前記乳幼児が装着している吸収性物品の外表面のいずれかに取り付けられ、前記第1センサが取り付けられた前記衣服の内側または前記吸収性物品の外表面における、衣服内温度データと衣服内湿度データの少なくとも一方を計測し、
前記第1情報処理装置は、
第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記第1期間よりも前に取得された前記衣服内温度データまたは前記衣服内湿度データに基づいて規定される前記乳幼児の快適性の判定条件とを用いて、前記乳幼児の快適性を判定する判定部と、
前記第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記乳幼児の快適性の判定結果とを、前記第1情報処理装置を使用する育児者に通知する通知処理部とを具備する、
育児支援システム。
【請求項2】
前記第1センサは、前記第1センサが取り付けられた前記衣服の内側または前記吸収性物品の外表面における、時系列の前記衣服内温度データと時系列の前記衣服内湿度データの少なくとも一方を計測し、
前記判定部は、前記時系列の衣服内温度データおよび前記時系列の衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記判定条件とを用いて、前記乳幼児の快適性を判定する、
請求項1に記載の育児支援システム。
【請求項3】
前記判定部は、
前記第1期間の前記衣服内温度データが第1温度範囲内であるか、または前記第1期間の前記衣服内湿度データが第1湿度範囲内であるという前記判定条件を満たす場合、前記乳幼児が快適であると判定し、
前記判定条件を満たさない場合、前記乳幼児が快適でないと判定する、
請求項1に記載の育児支援システム。
【請求項4】
前記判定部は、
前記第1センサによって計測された、前記第1期間よりも前であり、且つ前記乳幼児が平常な状態であった直近の第2期間の前記衣服内温度データを取得し、
前記第2期間の前記衣服内温度データを用いて、前記第1温度範囲を決定し、
前記第1センサによって計測された、前記第2期間の前記衣服内湿度データを取得し、
前記第2期間の前記衣服内湿度データを用いて、前記第1湿度範囲を決定する、
請求項3に記載の育児支援システム。
【請求項5】
前記1つ以上のセンサの内の第2センサは、前記衣服と前記吸収性物品のいずれにも取り付けられず、前記乳幼児が過ごしている環境における、環境温度データと環境湿度データの少なくとも一方を計測し、
前記判定部は、前記第1期間の前記衣服内温度データ、前記第1期間の前記衣服内湿度データ、前記第1期間の前記環境温度データ、および前記第1期間の前記環境湿度データの少なくともいずれかと、前記第1期間よりも前に取得された前記衣服内温度データ、前記衣服内湿度データ、前記環境温度データ、および前記環境湿度データの少なくともいずれかに基づいて規定される前記乳幼児の快適性の判定条件とを用いて、前記乳幼児の快適性を判定し、
前記通知処理部は、前記第1期間の前記衣服内温度データ、前記第1期間の前記衣服内湿度データ、前記第1期間の前記環境温度データ、および前記第1期間の前記環境湿度データの少なくともいずれかと、前記乳幼児の快適性の判定結果とを、前記育児者に通知する、
請求項1に記載の育児支援システム。
【請求項6】
前記通知処理部は、さらに、前記判定結果に基づく対処方法を前記育児者に通知する、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の育児支援システム。
【請求項7】
前記第1情報処理装置は、
前記育児者によって前記乳幼児が快適であると判断された第3期間の、前記乳幼児の動作、表情、身体状態、および声の少なくともいずれかを表す第1観察データを、前記育児者による前記第1情報処理装置に対する操作に基づき生成する生成部をさらに具備し、
前記判定部は、前記第1温度範囲および前記第1湿度範囲をそれぞれ、前記第3期間の前記衣服内温度データおよび前記第3期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方に基づいて決定する、
請求項3に記載の育児支援システム。
【請求項8】
前記生成部は、さらに、前記育児者によって前記乳幼児が快適でないと判断された第4期間の、前記乳幼児の動作、表情、身体状態、および声の少なくともいずれかを表す第2観察データを、前記育児者による前記第1情報処理装置に対する操作に基づき生成し、
前記判定部は、前記第1温度範囲および前記第1湿度範囲をそれぞれ、前記第4期間の前記衣服内温度データおよび前記第4期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方にさらに基づいて決定する、
請求項7に記載の育児支援システム。
【請求項9】
前記1つ以上のセンサは、第3センサ、第4センサ、および第5センサの少なくともいずれかを含み、
前記第3センサは、前記乳幼児の体動を示す体動データを計測し、
前記第4センサは、前記乳幼児が撮像された動画像データを生成し、
前記第5センサは、前記乳幼児の声を含む音を収集して、前記音の信号に基づく音声データを生成し、
前記第1情報処理装置は、
前記体動データ、前記動画像データ、および前記音声データの少なくともいずれかを用いて、前記乳幼児が快適である第3期間を検出する検出部をさらに具備し、
前記判定部は、前記第1温度範囲および前記第1湿度範囲をそれぞれ、前記第3期間の前記衣服内温度データおよび前記第3期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方に基づいて決定する、
請求項3に記載の育児支援システム。
【請求項10】
前記検出部は、さらに、前記体動データ、前記動画像データ、および前記音声データの少なくともいずれかを用いて、前記乳幼児が快適でない第4期間を検出し、
前記判定部は、前記第1温度範囲および前記第1湿度範囲をそれぞれ、前記第4期間の前記衣服内温度データおよび前記第4期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方にさらに基づいて決定する、
請求項9に記載の育児支援システム。
【請求項11】
前記判定部は、前記第1期間の前記衣服内温度データと前記第1期間の前記衣服内湿度データとを用いて、前記乳幼児による第1の排尿があったか否かを判定し、
前記通知処理部は、前記第1の排尿があった場合、前記乳幼児による排尿を前記育児者に通知する、
請求項1乃至請求項5及び請求項7乃至請求項10のいずれか一項に記載の育児支援システム。
【請求項12】
前記1つ以上のセンサの内の第2センサは、前記衣服と前記吸収性物品のいずれにも取り付けられず、前記乳幼児が過ごしている環境における、環境温度データと環境湿度データの少なくとも一方を計測し、
前記1つ以上のセンサの内の第3センサは、前記衣服の内側と前記吸収性物品の外表面のいずれかに取り付けられ、前記乳幼児の体動データを計測し、
前記判定部は、前記第1期間の前記衣服内温度データ、前記第1期間の前記衣服内湿度データ、前記第1期間の前記環境温度データ、および前記第1期間の前記環境湿度データの少なくともいずれかと、前記第1期間の前記体動データとを用いて、前記乳幼児の快適性を判定する、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の育児支援システム。
【請求項13】
前記判定部は、前記第1期間の前記体動データと前記第1期間の前記衣服内温度データとを用いて、前記乳幼児が使用している寝具の乱れがあるか否かを判定し、
前記通知処理部は、前記寝具の乱れがある場合、前記寝具の乱れを前記育児者に通知する、
請求項12に記載の育児支援システム。
【請求項14】
前記判定部は、前記乳幼児が入眠した後、特定の時間が経過するまでの第6期間の前記衣服内温度データに、前記乳幼児が入眠した時点の前記衣服内温度データよりも低い衣服内温度データが含まれていない場合、前記乳幼児の身体に掛けられた寝具が過剰であると判定し、
前記通知処理部は、前記乳幼児の身体に掛けられた寝具が過剰であると判定された場合、前記乳幼児の身体に掛けられた寝具が過剰であることを前記育児者に通知する、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の育児支援システム。
【請求項15】
前記判定部は、
睡眠中である前記乳幼児の前記衣服内温度データを用いて、直近の単位期間における衣服内温度の変化量を算出し、
前記算出された変化量が第2温度範囲内の上昇である場合、前記乳幼児の起床の前兆があると判定し、
前記通知処理部は、前記乳幼児の起床の前兆があると判定された場合、前記乳幼児の起床の前兆があることを前記育児者に通知する、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の育児支援システム。
【請求項16】
情報処理装置であって、
乳幼児が着用している衣服の内側と前記乳幼児が装着している吸収性物品の外表面のいずれかに取り付けられた第1センサから、前記第1センサが取り付けられた前記衣服の内側または前記吸収性物品の外表面における、衣服内温度データと衣服内湿度データの少なくとも一方を受信する受信部と、
第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記第1期間よりも前に取得された前記衣服内温度データまたは前記衣服内湿度データに基づいて規定される前記乳幼児の快適性の判定条件とを用いて、前記乳幼児の快適性を判定する判定部と、
前記第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記乳幼児の快適性の判定結果とを、前記情報処理装置を使用する育児者に通知する通知処理部とを具備する、
情報処理装置。
【請求項17】
情報処理装置を制御する育児支援方法であって、
乳幼児が着用している衣服の内側と前記乳幼児が装着している吸収性物品の外表面のいずれかに取り付けられた第1センサから、前記第1センサが取り付けられた前記衣服の内側または前記吸収性物品の外表面における、衣服内温度データと衣服内湿度データの少なくとも一方を受信することと、
第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記第1期間よりも前に取得された前記衣服内温度データまたは前記衣服内湿度データに基づいて規定される前記乳幼児の快適性の判定条件とを用いて、前記乳幼児の快適性を判定することと、
前記第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記乳幼児の快適性の判定結果とを、前記情報処理装置を使用する育児者に通知することと、
を含む育児支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、育児支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
乳幼児は、大人とは異なり、体温調節機能が未熟である。より詳しくは、乳幼児は、体温調節をスムーズに行うために必要な自律神経の働きが未発達である。そのため、乳幼児の体温は外気温の影響を大きく受ける。すなわち、乳幼児の体温は、外気温が高ければ上昇しやすく、低ければ低下しやすい。
【0003】
育児者は乳幼児の体温を、例えば、毎回、体温計で測定する必要がある。しかし、乳幼児を静止した状態に維持させることは難しく、体温測定は容易ではない。また、育児者は、体温測定以外の育児や家事に追われているので、乳幼児の体温をこまめに測定することは難しい。
【0004】
また、外出すると外気温の変化が大きくなるので、育児者には乳幼児の体温の変化が気がかりである。しかしながら、外出時にこまめに体温測定を行うことは現実的でないため、育児者は乳幼児の状態を把握することが難しい。
【0005】
そのため、育児者は自身の感覚や経験則に基づき、乳幼児の衣服の枚数を変更したり、空調機器(エアコン等)で室内温度を調節したりする。しかし、乳幼児と大人では温度等の感覚が異なるので、育児者は、乳幼児の体温を適切に管理できているかを判断することが難しい。例えば、育児書には、乳幼児が暑がりであり、生後1か月以降、大人より1枚少ない衣服を着せるように記載されている。しかし、大人でも個々に暑がり、寒がりの傾向は異なるので、乳幼児に着せるべき衣服の枚数を適切に判断することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2022-69344号公報
【特許文献2】国際公開第2022/085596号
【特許文献3】国際公開第2021/014521号
【特許文献4】特開2020-16528号公報
【特許文献5】特開2003-106904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのため、乳幼児の体温が適切な状態に保たれるよう支援できる新たな機能の実現が必要とされる。
【0008】
本発明は、上記課題を解決することができる育児支援システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、第1情報処理装置と1つ以上のセンサとを含み、前記1つ以上のセンサの内の第1センサは、乳幼児が着用している衣服の内側と前記乳幼児が装着している吸収性物品の外表面のいずれかに取り付けられ、前記第1センサが取り付けられた前記衣服の内側または前記吸収性物品の外表面における、衣服内温度データと衣服内湿度データの少なくとも一方を計測し、前記第1情報処理装置は、第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記第1期間よりも前に取得された前記衣服内温度データまたは前記衣服内湿度データに基づいて規定される前記乳幼児の快適性の判定条件とを用いて、前記乳幼児の快適性を判定する判定部と、前記第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記乳幼児の快適性の判定結果とを、前記第1情報処理装置を使用する育児者に通知する通知処理部とを具備する、育児支援システムを提供する。
【0010】
本発明は、乳幼児が着用している衣服の内側と前記乳幼児が装着している吸収性物品の外表面のいずれかに取り付けられた第1センサから、前記第1センサが取り付けられた前記衣服の内側または前記吸収性物品の外表面における、衣服内温度データと衣服内湿度データの少なくとも一方を受信する受信部と、第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記第1期間よりも前に取得された前記衣服内温度データまたは前記衣服内湿度データに基づいて規定される前記乳幼児の快適性の判定条件とを用いて、前記乳幼児の快適性を判定する判定部と、前記第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記乳幼児の快適性の判定結果とを、前記情報処理装置を使用する育児者に通知する通知処理部とを具備する、情報処理装置を提供する。
【0011】
本発明は、情報処理装置を制御する育児支援方法であって、乳幼児が着用している衣服の内側と前記乳幼児が装着している吸収性物品の外表面のいずれかに取り付けられた第1センサから、前記第1センサが取り付けられた前記衣服の内側または前記吸収性物品の外表面における、衣服内温度データと衣服内湿度データの少なくとも一方を受信することと、第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記第1期間よりも前に取得された前記衣服内温度データまたは前記衣服内湿度データに基づいて規定される前記乳幼児の快適性の判定条件とを用いて、前記乳幼児の快適性を判定することと、前記第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記乳幼児の快適性の判定結果とを、前記情報処理装置を使用する育児者に通知することと、を含む育児支援方法を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、上記課題を解決できる育児支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、第1実施形態に係る育児支援システムの構成例を示す概念図である。
図2図2は、第1実施形態に係る育児支援システムに含まれる第1情報処理装置のハードウェアの構成例を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係る育児支援システムにおいて用いられる個人データベースの構成例を示す図である。
図4図4は、第1実施形態に係る育児支援システムに含まれる第1情報処理装置および第2情報処理装置の機能構成例を示すブロック図である。
図5A図5Aは、第1実施形態に係る育児支援システムにおいて用いられる快適性判定テーブルの構成の第1の例を示す図である。
図5B図5Bは、第1実施形態に係る育児支援システムにおいて用いられる快適性判定テーブルの構成の第2の例を示す図である。
図6図6は、第1実施形態に係る育児支援システムにおいて用いられる快適性判定テーブルの構成の第3の例を示す図である。
図7A図7Aは、第1実施形態に係る育児支援システムにおいて乳幼児の排泄状態が判定される例を示す図である。
図7B図7Bは、図7Aに後続する乳幼児の排泄状態が判定される例を示す図である。
図8A図8Aは、第1実施形態に係る育児支援システムにおいて乳幼児の排泄状態および睡眠状態が判定される例を示す図である。
図8B図8Bは、図8Aに後続する乳幼児の排泄状態および睡眠状態が判定される例を示す図である。
図9図9は、第1実施形態に係る育児支援システムに含まれる衣服内温湿度センサの(a)平面図、(b)断面図、および(c)底面図である。
図10図10は、第1実施形態に係る育児支援システムに含まれる第1情報処理装置において実行される判定・通知処理の手順の例を示すフローチャートである。
図11図11は、第1実施形態に係る育児支援システムに含まれる第1情報処理装置において実行される快適性判定・通知処理の手順の例を示すフローチャートである。
図12図12は、第1実施形態に係る育児支援システムに含まれる第1情報処理装置において実行される排泄状態判定・通知処理の手順の例を示すフローチャートである。
図13図13は、第1実施形態に係る育児支援システムに含まれる第1情報処理装置において実行される睡眠状態判定・通知処理の手順の例を示すフローチャートである。
図14図14は、第2実施形態に係る育児支援システムの構成例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る育児支援システムの構成を説明する。育児支援システム1Aは、乳幼児30の育児を担う育児者31および32を支援するためのシステムである。育児支援システム1Aは、例えば、乳幼児30の快適性を向上させるための情報を育児者31および32に提供する。乳幼児30は吸収性物品を装着している装着者である。吸収性物品は、例えば、紙おむつ、布おむつである。育児者31および32は、育児支援システム1Aを利用するユーザである。育児者31および32は、例えば、乳幼児30の家族、乳幼児30が預けられている保育施設で保育に従事する者である。ここでは、育児者が2人である場合を例示するが、育児者は1人であってもよいし、3人以上であってもよい。育児者31を、第1育児者31とも称する。育児者32を、第2育児者32とも称する。
【0016】
育児者31および32には、乳幼児30の快適性を気に掛ける場面が多くある。乳幼児30が快適であるとは、例えば、(1)乳幼児30が着用している衣服内の温度および湿度のそれぞれが適切な範囲内にあることと、(2)乳幼児30が過ごしている環境の温度および湿度のそれぞれが適切な範囲内にあること、の少なくともいずれかが実現されていることである。乳幼児30が過ごしている環境は、屋内(例えば、乳幼児30が居る部屋、外出先の建物、等)と、屋外(例えば、乳幼児30が居る庭、公園、路上、等)のいずれであってもよい。各値の適切な範囲は、例えば、乳幼児30の平常な状態の時(以下、平常時ということもある)の値に基づいて取得された値である。乳幼児30の個別の平常時の値に基づくことにより、乳幼児30に適応した快適性が判断可能になる。また、乳幼児30が平常な状態であるとは、例えば、一時的な疾患(例えば、風邪)にかかっていない状態のような、普段と異なる例外的な状態ではないことを指す。なお、各値の適切な範囲は、統計的に取得された範囲であってもよい。乳幼児30の快適性には、例えば、日常的な快適性、睡眠に関連する快適性、および排泄に関連する快適性が含まれる。
【0017】
まず、日常的な快適性について説明する。育児者31および32が気に掛ける乳幼児30の日常的な快適性と、育児支援システム1Aによる支援の例として、以下に(A1)~(A5)を挙げる。
【0018】
(A1)現在の環境(例えば、気温および湿度)で乳幼児30に着用させている衣服の枚数が適切か
育児者31および32は、乳幼児30が暑くないか、寒くないか、空調を調整したほうがよいか、等を判断する。しかしながら、乳幼児30が実際に快適であるかどうかを育児者31および32が判断することは難しく、判断に自信が持てないことがある。育児支援システム1Aは、例えば、衣服の枚数、および環境の調整(例えば、外気温の調整、加湿/除湿)に関する情報を、育児者31および32に提供する。
【0019】
(A2)乳幼児30を乗せているベビーカー内の環境が適切か
外出時には外気温をコントロールできない。そのため、例えば、気温が高い場合、育児者31および32は、背部に接するように保冷シートを敷いたベビーカーに乳幼児30を乗せる。また例えば、気温が低い場合、育児者31および32は、ベビーカーに乗せた乳幼児30に、毛布を掛ける。しかし、乳幼児30と育児者31および32とでは、地面からの高さが異なるため、環境が異なる可能性がある。つまり、育児者31および32には、ベビーカー内の感覚が分からない。そのため、育児者31および32には、保冷シートが冷たすぎないかどうか、毛布を掛けたことで防寒が十分であるか、等を判断することが難しい。育児支援システム1Aは、例えば、保冷シートまたは毛布の利用に関する情報を、育児者31および32に提供する。
【0020】
(A3)乳幼児30が、着替えが必要なほど汗をかいていないか
乳幼児30が汗をかいたままの状態では、あせも等の肌トラブルが生じることがある。しかし、育児者31および32が、乳幼児30の汗の程度を頻繁に確認すること、および着替えが必要な汗の程度であるかを判断することは、難しい場合がある。育児支援システム1Aは、下着等の着替えに適したタイミングを、育児者31および32に通知する。
【0021】
(A4)乾燥による乳幼児30への対処が必要かどうか
乳幼児30が過ごしている部屋が乾燥している場合、例えば、乾燥による肌トラブルが生じることがある。しかし、育児者31および32が、保湿剤を塗る等の対処が必要であるかを判断することは難しい場合がある。育児支援システム1Aは、保湿剤を塗る適切なタイミングを、育児者31および32に通知する。
【0022】
(A5)乳幼児30の体調不良
乳幼児30は急に体調が悪化することがある。例えば、気が付いたら乳幼児30が発熱していたという状況が起きることがある。育児支援システム1Aは、乳幼児30に体調不良の可能性があることを、育児者31および32に通知する。体調不良がいち早く通知されることにより、育児者31および32は余裕をもって乳幼児30の体調不良に対処できる。育児支援システム1Aは、育児者31および32による対処を早めることで、乳幼児30の体調のさらなる悪化の防止、および乳幼児30の体調の早期の回復を支援できる。
【0023】
育児支援システム1Aは、上記(A1)~(A5)における支援を、例えば、乳幼児30が着用している衣服内の温度および湿度と、乳幼児30が過ごしている環境の温度および湿度とを用いて行う。この場合、育児支援システム1Aは、乳幼児30の体動(活動度)をさらに用いてもよい。
【0024】
次に、睡眠に関連する快適性について説明する。育児者31および32が気に掛ける乳幼児30の睡眠に関連する快適性と、育児支援システム1Aによる支援の例として、(B1)および(B2)を挙げる。
【0025】
(B1)睡眠中の乳幼児30が暑がっているか
乳幼児30は、身体に掛けられた寝具(例えば、布団、毛布等)を睡眠中に蹴り飛ばしてしまうことがある。乳幼児30を育児者31および32とは別の部屋で寝かせている場合、育児者31および32が乳幼児30に寝具が掛かっていないことにすぐに気が付けない場合がある。また、乳幼児30が暑がっているのか、それとも寝相によって寝具を蹴ってしまったのかを、育児者31および32が判断することは難しい。育児支援システム1Aは、乳幼児30が寝具を蹴り飛ばしてしまったことと共に、適切な寝具の種類や枚数に関する情報を育児者31および32に提供する。
【0026】
(B2)乳幼児30の中途覚醒
乳幼児30の中途覚醒が、自然に覚醒したものであるか、暑さや寒さによる不快さで覚醒したものであるかを、育児者31および32が判断することは難しい。育児支援システム1Aは、乳幼児30が不快さで覚醒した可能性がある場合に、適切な寝具の種類や枚数に関する情報を育児者31および32に提供する。育児支援システム1Aは、中途覚醒した乳幼児30への対処に関する情報を育児者31および32に提供する。
【0027】
育児支援システム1Aは、上記(B1)および(B2)における支援を、例えば、乳幼児30が着用している衣服内の温度および湿度と、乳幼児30が過ごしている環境の温度および湿度と、乳幼児30の体動(活動度)とを用いて行う。
【0028】
次いで、排泄に関連する快適性について説明する。育児者31および32が気に掛ける乳幼児30の排泄に関連する快適性と、育児支援システム1Aによる支援の例として、(C1)および(C2)を挙げる。
【0029】
(C1)水分補給が必要か
例えば、暑い日には、乳幼児30が汗をかく量が増加する。そのような場合に、普段通りの水分補給でよいか、それとも水分補給の量や頻度を増やした方がよいかを、育児者31および32が判断することが難しい場合がある。育児支援システム1Aは、乳幼児30への水分補給の量や頻度に関する情報を、育児者31および32に提供する。
【0030】
(C2)排泄後の吸収性物品を交換するタイミング
睡眠中の乳幼児30が排泄した状態であることがわかった場合に、吸収性物品を交換する際の動きによって、乳幼児30の眠りが浅くなったり、乳幼児30が中途覚醒してしまったりする可能性がある。一方で、吸収性物品を交換しないことによる不快さによって、乳幼児30の眠りが浅くなったり、乳幼児30が中途覚醒してしまったりする可能性もある。そのため、睡眠中の乳幼児30の吸収性物品を交換するかどうかを、育児者31および32が判断することは難しい。育児支援システム1Aは、睡眠中の乳幼児30の吸収性物品を交換する適切なタイミングを、育児者31および32に通知する。通知されるタイミングは、例えば、吸収性物品が冷たく不快さを感じる可能性が高いタイミングである。
【0031】
育児支援システム1Aは、上記(C1)および(C2)における支援を、例えば、乳幼児30が着用している衣服内の温度および湿度と、乳幼児30が過ごしている環境の温度および湿度と、乳幼児30の体動(活動度)とを用いて行う。
【0032】
さらに、育児者31および32が気に掛ける乳幼児30の快適性と、育児支援システム1Aによる支援の別の例として、乳幼児30の育児を、第1育児者31が主として担っている状況で、一時的に第2育児者32のみが担う場合が挙げられる。これは例えば、第1育児者31が外出中に、乳幼児30の育児を第2育児者32に任せる場合である。第2育児者32が乳幼児30の平常時の状態を熟知していない場合、第2育児者32は、乳幼児30の快適性が低下していることに気付けないことがある。あるいは、第2育児者32は、乳幼児30の快適性が低下している場合の対処方法が分からないことがある。
【0033】
育児支援システム1Aは、前述したように、乳幼児30の平常時の快適性、睡眠に関連する快適性、および排泄に関連する快適性について、第1育児者31だけでなく、第2育児者32にも情報を提供できる。これにより、第2育児者32は、第1育児者31が不在のときでも、乳幼児30が快適になるように対処できる。また、第1育児者31は、乳幼児30の育児を第2育児者32に任せて、安心して外出できる。したがって、育児支援システム1Aは、第1育児者31および第2育児者32による乳幼児30の育児を支援できる。
【0034】
次いで、育児支援システム1Aの構成について説明する。育児支援システム1Aは、例えば、第1情報処理装置21と、第2情報処理装置22と、1つ以上のセンサ4とを含む。
【0035】
第1情報処理装置21および第2情報処理装置22は、第1育児者31および第2育児者32によってそれぞれ利用される情報処理装置である。第1情報処理装置21および第2情報処理装置22のそれぞれは、例えば、携帯情報端末、タブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ、または情報処理システムに内蔵される組み込みシステムとして実現され得る。携帯情報端末は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、Personal
Digital Assistant(PDA)である。
【0036】
第1情報処理装置21は、乳幼児30に関するデータを解析して、育児を支援するための情報(以下、育児支援情報とも称する)を提供する。第1情報処理装置21は、育児支援情報を、例えば、画面に表示することによって、第1育児者31に提供する。
【0037】
また、第1情報処理装置21は、第2情報処理装置22と相互に通信可能である。第1情報処理装置21と第2情報処理装置22との通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。より具体的には、第1情報処理装置21と第2情報処理装置22との通信には、例えば、Bluetooth(登録商標)、無線ローカルエリアネットワーク(無線LAN)、有線ローカルエリアネットワーク(有線LAN)、およびワイドエリアネットワーク(WAN)のいずれかを用いることができる。WANは、例えば、携帯電話網、固定電話網、衛星通信網、専用回線、Asynchronous Transfer Mode(ATM)、およびInternet Protocol-Virtual Private Network(IP-VPN)を含む。第1情報処理装置21は、通信により、育児支援情報を第2情報処理装置22に提供(送信)する。
【0038】
第2情報処理装置22は、第1情報処理装置21から受信した育児支援情報を提供する。第2情報処理装置22は、育児支援情報を、例えば、画面に表示することによって、第2育児者32に提供する。
【0039】
1つ以上のセンサ4は、乳幼児30の状態を計測するセンサである。1つ以上のセンサ4は、例えば、計測結果を含むデータ(信号)を外部に送信するための通信部を備える。通信部は、計測結果を含むデータを、例えば第1情報処理装置21に送信する。通信部による通信方式として、Bluetooth(登録商標)や無線LANのような様々な近距離無線通信方式が用いられ得る。あるいは、1つ以上のセンサ4は、計測結果を示すデータを記憶する記憶部を備えていてもよい。記憶部に記憶されたデータは、例えば無線通信により、第1情報処理装置21に送られる。
【0040】
1つ以上のセンサ4は、例えば、衣服内温湿度センサ41、体動センサ42、および環境温湿度センサ43を含む。
【0041】
衣服内温湿度センサ41は、乳幼児30が着用している衣服の内部の温度および湿度を所定時間間隔で計測するセンサである。以下では、乳幼児30が着用している衣服を指して、乳幼児30の衣服とも称する。また、乳幼児30が装着している吸収性物品を指して、乳幼児30の吸収性物品とも称する。衣服内温湿度センサ41は、例えば、乳幼児30の衣服の内側、または乳幼児30の吸収性物品の外表面に、脱着自在に取り付けられる。吸収性物品の外表面に取り付けられる場合、衣服内温湿度センサ41は吸収性物品上に着用している衣服に覆われる位置に取り付けられる。吸収性物品の上に衣服を着用している場合には、吸収性物品の外表面ではなく肌着などに衣服の内側となるように取り付けられるのが好ましい。以下では、衣服内(あるいは、衣服の内部)とは、衣服の内側、または衣服に覆われた吸収性物品の外側を指す。衣服に覆われた吸収性物品の外側は、より詳しくは、吸収性物品の外側であり、且つ衣服に覆われた位置を指す。乳幼児30の衣服の内部の温度(すなわち、衣服内温湿度センサ41が取り付けられた衣服の内側、または吸収性物品の外表面における温度)を、衣服内温度と称する。乳幼児30の衣服の内部の湿度(すなわち、衣服内温湿度センサ41が取り付けられた衣服の内側、または吸収性物品の外表面における湿度)を、衣服内湿度と称する。
【0042】
衣服内温湿度センサ41は、時系列の複数の衣服内温度と衣服内湿度の組を示すデータを第1情報処理装置21に送信する。衣服内温湿度センサ41は、例えば、単位期間毎に、1つの単位期間内の時系列の複数の衣服内温度と衣服内湿度の組を示すデータを第1情報処理装置21に送信する。単位期間は、例えば、1秒、10秒、1分である。あるいは、衣服内温湿度センサ41は、1つの衣服内温度と衣服内湿度の組を計測したことに応じて、その衣服内温度と衣服内湿度の組を示すデータをリアルタイムで第1情報処理装置21に送信してもよい。衣服内温度と衣服内湿度の組を示すデータを、衣服内温湿度データとも称する。衣服内温湿度データは、対応する衣服内温度と衣服内湿度の組が計測された時刻の情報を含んでいてもよい。衣服内温湿度センサ41の具体的な構成例については、図9を参照して後述する。
【0043】
体動センサ42は、乳幼児30の活動強度を計測するセンサであり、活動強度と所定時間間隔から活動量を算出することができる。体動センサ42は、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ、または加速度センサとジャイロセンサの組み合わせにより実現され得る。体動センサ42は、例えば、乳幼児30の腰部、腹部、または背部に、脱着自在に取り付けられる。体動センサ42は、乳幼児30の腕部または脚部に取り付けられてもよい。乳幼児30の体動(活動度)は、手足のバタつき、寝返り、等の動作によるものである。乳幼児30の体動(活動度)は、例えば、乳幼児30の身体の少なくとも一部による活動強度、あるいは活動強度と任意の時間の積算値である活動量で表される。活動強度は、例えば、X軸、Y軸、およびZ軸方向のそれぞれにおいて計測された加速度に基づき決定される。X軸は、例えば、乳幼児30の身体の縦方向(すなわち、直立した場合の上下方向)である。Y軸は、乳幼児30の身体の横方向(すなわち、直立した場合の左右方向)である。Z軸は、前述したX軸およびY軸に対して直交する方向(すなわち、直立した場合の前後方向)である。活動強度は、さらに乳幼児30の体の少なくとも一部の動き、動きの方向、動きの量、姿勢、角速度で表されてもよい。角速度は、乳幼児30の体の少なくとも一部の角速度を示し、例えば、体動センサ42(ジャイロセンサ)によって計測される。
【0044】
体動センサ42は、乳幼児30の時系列の複数の活動度を示すデータを第1情報処理装置21に送信する。体動センサ42は、例えば、単位期間毎に、1つの単位期間内の時系列の複数の活動度を示すデータを第1情報処理装置21に送信する。あるいは、体動センサ42は、1つの活動度を示すデータを計測したことに応じて、活動度を示すデータをリアルタイムで第1情報処理装置21に送信してもよい。活動度を示すデータを、体動データとも称する。体動データは、対応する体動(活動度)が計測された時刻の情報を含んでいてもよい。
【0045】
なお、衣服内温湿度センサ41と体動センサ42とは、統合された1つの装置として実現されてもよい。
【0046】
環境温湿度センサ43は、乳幼児30が過ごしている環境の温度および湿度を所定時間間隔で計測するセンサである。環境温湿度センサ43は、乳幼児30に対して取り付けられない。より詳しくは、環境温湿度センサ43は、乳幼児30が過ごしている環境の温度および湿度を測定可能な位置に設けられ、すなわち、かかる位置に存する物に取り付けられ、乳幼児30の衣服または吸収性物品のいずれにも取り付けられない。環境温湿度センサ43は、例えば、乳幼児30が過ごしている部屋の壁、柱、あるいは当該部屋にある家具に設置される。また、外出する場合、環境温湿度センサ43は、例えば、第1育児者31の持ち物、乳幼児30を乗せるベビーカー、等に取り付けられる。乳幼児30が過ごす環境の温度を、環境温度と称する。乳幼児30が過ごす環境の湿度を、環境湿度と称する。
【0047】
環境温湿度センサ43は、時系列の複数の環境温度と環境湿度の組を示すデータを第1情報処理装置21に送信する。環境温湿度センサ43は、例えば、単位期間毎に、1つの単位期間内の時系列の複数の環境温度と環境湿度の組を示すデータを第1情報処理装置21に送信する。あるいは、環境温湿度センサ43は、1つの環境温度と環境湿度の組を計測したことに応じて、その環境温度と環境湿度の組を示すデータをリアルタイムで第1情報処理装置21に送信してもよい。環境温度と環境湿度の組を示すデータを、環境温湿度データとも称する。環境温湿度データは、対応する環境温度と環境湿度の組が計測された時刻の情報を含んでいてもよい。
【0048】
なお、1つ以上のセンサ4には、撮像装置44と、マイク45とがさらに含まれていてもよい。
【0049】
撮像装置44は、乳幼児30が撮像された動画像データを生成する。撮像装置44は、例えば、RGBカメラ、モノクロカメラ、スペクトルカメラである。動画像データを構成する時系列の複数の画像それぞれは、例えば、乳幼児30の全身を含む画像である。複数の画像それぞれは、乳幼児30の体の一部を含む画像であってもよい。動画像データは、複数の画像それぞれが生成された例えば、日および時刻の情報を含んでいるのが好ましい。
【0050】
撮像装置44は、乳幼児30を撮像可能な位置に設置されている。撮像装置44は、例えば、壁、柱、天井、および家具のいずれかに設置される。
【0051】
撮像装置44は、例えば、動画像データを外部に送信するための通信部を備える。通信部は、第1情報処理装置21と相互に通信可能である。通信部は、動画像データを第1情報処理装置21に送信する。通信部による通信方式として、Bluetooth(登録商標)や無線LANのような任意の近距離無線通信方式が用いられる。
【0052】
撮像装置44は、第1情報処理装置21によって読み取り可能な記憶部(すなわち、記憶媒体)を備えていてもよい。記憶部は、動画像データを記憶する。記憶部に記憶された動画像データは、例えば、無線通信、あるいはケーブルを介した有線通信により、第1情報処理装置21によって読み取られる。
【0053】
マイク45は、乳幼児30が発した声を含む音を収集して、収集された音の信号に基づく時系列の音声データを生成する信号変換装置を含む。音声データは、音が収集された例えば、日および時刻の情報を含んでいるのが好ましい。
【0054】
マイク45は、乳幼児30の声を集音可能な位置に設置されている。マイク45は、例えば、壁、柱、天井、および家具のいずれかに設置される。
【0055】
マイク45は、例えば、音声データを外部に送信するための通信部を備える。通信部は、第1情報処理装置21と相互に通信可能である。通信部は、音声データを第1情報処理装置21に送信する。通信部による通信方式として、Bluetooth(登録商標)や無線LANのような任意の近距離無線通信方式が用いられる。
【0056】
マイク45は、第1情報処理装置21によって読み取り可能な記憶部を備えていてもよい。記憶部は、動画像データを記憶する。記憶部に記憶された音声データは、例えば、無線通信、あるいはケーブルやコネクタを介した有線通信により、第1情報処理装置21によって読み取られる。
【0057】
なお、撮像装置44とマイク45とは、一体化された装置であってもよい。
【0058】
図2は、第1情報処理装置21のハードウェアの構成例を示すブロック図である。第1情報処理装置21は、例えば、CPU51、RAM52、記憶装置53、タッチスクリーンディスプレイ54、第1通信部55、第2通信部56、振動部57、およびスピーカ58を備える。
【0059】
CPU51は、第1情報処理装置21内の様々なコンポーネントの動作を制御するプロセッサである。
【0060】
RAM52は揮発性メモリである。RAM52は、例えばDRAMである。RAM52の記憶領域は、例えば、OS521、アプリケーションプログラム(例えば、育児支援プログラム522)、およびCPU51による処理に用いるデータの一時記憶領域として割り当てられる。
【0061】
記憶装置53は、不揮発性メモリを備えるストレージである。記憶装置53は、例えば、ソリッドステートドライブ(SSD)またはハードディスクドライブ(HDD)である。記憶装置53は、第1情報処理装置21の動作を制御するためのプログラムおよびデータを記憶する。また、記憶装置53は、例えば、個人データベース531と、快適性判定テーブル532とを記憶する。
【0062】
個人データベース531は、対応する1人の乳幼児30に関するデータ(すなわちパーソナルデータ)を管理するためのデータベースである。個人データベース531は、例えば、乳幼児30に対応する衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、環境湿度、体動(活動度)、排尿、および吸収性物品の交換の各データを含む。個人データベース531の具体的な構成例については、図3を参照して後述する。
【0063】
快適性判定テーブル532は、乳幼児30が快適であるか否か(すなわち、快適性)を判定するための条件と、快適でない場合の対処方法とを示すテーブルである。快適性判定テーブル532の具体的な構成については、図5A図5B、および図6を参照して後述する。
【0064】
記憶装置53はさらに、体動データ533、動画像データ534、および音声データ535を記憶してもよい。体動データ533は、体動センサ42によって生成された乳幼児30の時系列の体動を示すデータである。動画像データ534は、撮像装置44によって生成された乳幼児が撮像された時系列の画像を含むデータである。音声データ535は、乳幼児30が発した声を含む音の信号に基づくデータである。
【0065】
タッチスクリーンディスプレイ54は入出力デバイスである。タッチスクリーンディスプレイ54は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)とタッチパネルとを備える。タッチスクリーンディスプレイ54は、例えば、CPU51によって生成された表示信号に基づく画像を、LCDの画面に表示する。
【0066】
タッチパネルは、LCDの上面に配置される。タッチパネルは、LCDの画面上で入力を行うための静電容量式のポインティングデバイスである。タッチパネルは、指が接触する画面上の接触位置を検出する。タッチパネルは、検出された接触位置を示す信号を、第1情報処理装置21内の各部(例えばCPU51)に送出し得る。
【0067】
第1通信部55は、第1情報処理装置21と外部との有線通信または無線通信を実行するように構成されたデバイスである。第1通信部55は、例えば、第2情報処理装置22との通信を実行する。第1通信部55は送信部と受信部とを含む。
【0068】
第2通信部56は、第1情報処理装置21と外部との有線通信または無線通信を実行するように構成されたデバイスである。第2通信部56は、例えば、衣服内温湿度センサ41、体動センサ42、および環境温湿度センサ43それぞれとの通信を実行する。第2通信部56は、撮像装置44およびマイク45のそれぞれとの通信をさらに実行してもよい。第2通信部56は送信部と受信部とを含む。
【0069】
振動部57は、振動機構を有する出力デバイスである。振動機構は、例えば、回転軸に偏心おもりが取り付けられたモータとして実現される。振動部57は、例えば、CPU51によって生成された信号に基づき、第1情報処理装置21を振動させる。CPU51によって生成された信号は、振動の大きさ、振動時間、および振動パターンの少なくともいずれかが指定された信号であり得る。
【0070】
スピーカ58は、出力デバイスである。スピーカ58は、例えば、CPU51によって生成された音声信号に基づく音声を出力する。
【0071】
次いで、CPU51が実行するプログラムについて説明する。
【0072】
CPU51は、記憶装置53からRAM52にロードされる様々なプログラムを実行する。CPU51が実行するプログラムには、オペレーティングシステム(OS)521と、育児支援プログラム522とが含まれる。
【0073】
OS521は、第1情報処理装置21内の様々なコンポーネントの基本的な動作を制御するためのプログラムである。OS521を実行しているCPU51は、例えば、入出力、ファイル管理、メモリ管理、および通信を制御する。
【0074】
育児支援プログラム522は、乳幼児30に対する育児を支援するためのプログラムである。より具体的には、育児支援プログラム522は、乳幼児30に関するデータを1つ以上のセンサ4から受信するための機能と、受信したデータを解析して、乳幼児30の育児を支援するための情報を育児者31および32に提供するための機能とを有し得る。また、育児支援プログラム522は、乳幼児30の育児を支援するための情報に対するフィードバックデータを取得するための機能を有していてもよい。育児支援プログラム522の機能構成例については、図4を参照して後述する。
【0075】
第2情報処理装置22は、例えば、第1情報処理装置21と同様のハードウェア構成を有する。第2情報処理装置22は、第1情報処理装置21から乳幼児30の育児を支援するための情報を受信して、その情報を第2育児者32に提供するための機能を有する。そのため、第2情報処理装置22は、この機能と関連しない構成について、第1情報処理装置21とは異なっていてもよい。例えば、第2情報処理装置22には、個人データベース531および快適性判定テーブル532は設けられなくてもよい。
【0076】
図3は、個人データベース531の構成例を示す。個人データベース531は、複数の日時にそれぞれ対応する複数のエントリを含む。複数のエントリの各々は、日時フィールド、衣服内温度フィールド、衣服内湿度フィールド、活動量フィールド、環境温度フィールド、環境湿度フィールド、排尿フィールド、および交換フィールドを含む。
【0077】
ある日および時刻に対応するエントリにおいて、日時フィールドは、その日および時刻(分、秒あるいはそれ以下の単位であるが、以下、日時と称する)を示す。
【0078】
衣服内温度フィールドは、対応する日時に計測された衣服内温度を示す。衣服内温度は、例えば、摂氏度(℃)で記憶される。
【0079】
衣服内湿度フィールドは、対応する日時に計測された衣服内湿度を示す。衣服内湿度は、例えば、相対湿度(%RH)で記憶される。
【0080】
活動量フィールドは、対応する日時に計測された活動強度から求めた活動量を示す。活動量フィールドの代わりに、又は活動量フィールドに加えて、活動強度のフィールドが設けられてもよい。
【0081】
環境温度フィールドは、対応する日時に計測された環境温度を示す。環境温度は、例えば、摂氏度(℃)で記憶される。
【0082】
環境湿度フィールドは、対応する日時に計測された環境湿度を示す。環境湿度は、例えば、相対湿度(%RH)で記憶される。
【0083】
排尿フィールドは、対応する日時に乳幼児30による排尿が検知されたか否かを示す。対応する日時に乳幼児30による排尿が検知された場合、排尿フィールドには、例えば、“有”が設定される。対応する日時に乳幼児30による排尿が検知されていない場合、排尿フィールドには、例えば、いずれの値も設定されない。
【0084】
交換フィールドは、対応する日時に乳幼児30の吸収性物品が交換されたか否かを示す。対応する日時に乳幼児30の吸収性物品が交換された場合、交換フィールドには、例えば、“有”が設定される。対応する日時に乳幼児30の吸収性物品が交換されていない場合、交換フィールドには、例えば、いずれの値も設定されない。
【0085】
なお、個人データベース531の各エントリは、入眠/起床フィールド、快適/不快フィールド、および観察データフィールドをさらに含んでいてもよい。
【0086】
入眠/起床フィールドは、対応する日時に乳幼児30が入眠したか否か、または起床したか否かを示す。対応する日時に乳幼児30が入眠した場合、入眠/起床フィールドには、例えば、“入眠”が設定される。対応する日時に乳幼児30が起床した場合、入眠/起床フィールドには、例えば、“起床”が設定される。対応する日時に乳幼児30が入眠も起床もしていない場合、入眠/起床フィールドには、例えば、いずれの値も設定されない。
【0087】
快適/不快フィールドは、対応する日時に乳幼児30が快適であったと判断されたか否か、または不快であったと判断されたか否かを示す。対応する日時に乳幼児30が快適であったと判断された場合、快適/不快フィールドには、例えば、“快適”が設定される。対応する日時に乳幼児30が不快であったと判断された場合、快適/不快フィールドには、例えば、“不快”が設定される。対応する日時に乳幼児30が快適であったとも不快であったとも判断されていない場合、快適/不快フィールドには、例えば、いずれの値も設定されない。
【0088】
観察データフィールドは、対応する日時の乳幼児30の観察データを示す。観察データは、育児者31または32などの乳幼児30を観察する者によって乳幼児30が快適または不快であると判断された期間の、乳幼児30の動作、表情、および声の少なくともいずれかを表すデータである。観察データは、例えば、第1育児者31による第1情報処理装置21に対する操作、または第2育児者32により第2情報処理装置22に対する操作に基づいて生成される。
【0089】
以上の構成により、個人データベース531は、乳幼児30に関するパーソナルデータを管理できる。なお、個人データベース531に含まれるデータの内、センサ4を用いて取得されたデータを、センサデータとも称する。センサデータは、衣服内温度、衣服内湿度、体動(活動度)、環境温度、および環境湿度のデータを含む。
【0090】
図4は、第1情報処理装置21および第2情報処理装置22の機能構成例を示すブロック図である。
【0091】
(第1情報処理装置21)
第1情報処理装置21は、例えば、受信処理部61、格納処理部62、判定部63、通知処理部64、および送信処理部65を備える。受信処理部61、格納処理部62、判定部63、通知処理部64、および送信処理部65は、例えば、育児支援プログラム522を実行することによってCPU51に備わる機能構成である。
【0092】
受信処理部61は、第2通信部56を介して、衣服内温湿度センサ41、体動センサ42、および環境温湿度センサ43のそれぞれから、データを受信する。受信するデータは、時系列の衣服内温湿度データ、時系列の体動データ、および時系列の環境温湿度データである。受信処理部61は、受信したデータを格納処理部62に送出する。
【0093】
格納処理部62は、受信処理部61から送出されたデータを個人データベース531に格納する。格納処理部62は、例えば、衣服内温湿度データ、活動量データ(体動データ)、および環境温湿度データを、日時と関連付けて個人データベース531に格納する。関連付けられる日時は、衣服内温度、衣服内湿度、活動量、環境温度、および環境湿度が計測された日時である。なお、本実施形態では、格納処理部が体動データを用いて活動強度と任意時間とから活動量を計算し、日時と関連付けて個人データベース531に格納するが、体動センサ42から体動データとして活動量が送られてくる場合は、この計算は不要である。
【0094】
判定部63は、個人データベース531を用いて、乳幼児30の快適性、睡眠状態、および排泄状態を判定し、育児支援情報を生成する。判定部63は、例えば、新たなセンサデータが個人データベース531に格納されたことに応じて、乳幼児30の快適性、睡眠状態、および排泄状態を判定する。あるいは、判定部63は、一定期間毎に、乳幼児30の快適性、睡眠状態、および排泄状態を判定してもよい。
【0095】
判定部63は、乳幼児30の快適性、睡眠状態、および排泄状態を判定するために、個人データベース531を用いて、衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、環境湿度、活動量のそれぞれの基準値と正常な範囲とを決定する。この決定には、例えば、個人データベース531に含まれる、現在の日時よりも前の、乳幼児30が平常な状態であった直近の特定の期間のセンサデータ(すなわち、乳幼児30の直近の平常時のセンサデータ)が用いられる。特定の期間は、例えば、1週間である。判定部63は、衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、環境湿度、活動量のそれぞれの基準値と正常な範囲とを、乳幼児30の平常時のセンサデータから統計的に導出する。統計的な導出では、例えば、平均値、最大値、最小値、中央値、および偏差値のような様々な統計値が用いられる。乳幼児30の直近の平常時のセンサデータが用いられることにより、乳幼児30にパーソナライズされた基準値および正常な範囲が決定され、より正確な育児支援情報を提供できる。なお、判定部63は、基準値および正常な範囲を、乳幼児30と同様の特性(例えば、月齢、年齢、性別、等)を有する多数の乳幼児の統計値に基づいて決定してもよい。
【0096】
判定部63は、快適性判定部631、睡眠状態判定部632、および排泄状態判定部633を含む。
【0097】
快適性判定部631は、個人データベース531と快適性判定テーブル532とを用いて、乳幼児30の快適性を判定(解析)する。具体的には、快適性判定部631は、個人データベース531から、直近の日時を含む単位期間の衣服内温度および衣服内湿度(すなわち、衣服内温度と衣服内湿度の複数の組)を取得する。快適性判定部631は、取得された単位期間の衣服内温度および衣服内湿度の少なくとも一方と、単位期間よりも前に取得(計測)された衣服内温度または衣服内湿度(あるいは、衣服内温度および衣服内湿度)に基づいて規定される乳幼児30の快適性の判定条件とを用いて、乳幼児30の快適性を判定する。例えば、快適性判定部631は、単位期間の衣服内温度が第1温度範囲内であるか、または単位期間の衣服内湿度が第1湿度範囲内であるという第1条件を満たす場合、乳幼児30が快適であると判定する。また例えば、快適性判定部631は、単位期間の衣服内温度が第1温度範囲内であり、且つ単位期間の衣服内湿度が第1湿度範囲内であるという第1条件を満たす場合、乳幼児30が快適であると判定してもよい。快適性判定部631は、第1条件を満たさない場合、乳幼児30が快適でないと判定する。
【0098】
第1温度範囲および第1湿度範囲は、衣服内温度および衣服内湿度それぞれの正常な範囲である。第1温度範囲および第1湿度範囲は、単位期間よりも前に取得された衣服内温度および衣服内湿度のそれぞれに基づいて規定される。第1温度範囲および第1湿度範囲は、乳幼児30の快適性の判定条件(ここでは、第1条件)に用いられる。より具体的には、快適性判定部631は、個人データベース531から、単位期間よりも前であり、且つ乳幼児30が平常な状態であった直近の特定の期間の衣服内温度および衣服内湿度を取得する。そして、快適性判定部631は、取得した特定の期間の衣服内温度および衣服内湿度を用いて第1温度範囲および第1湿度範囲を決定する。これらの決定方法には、特定の期間の衣服内温度を統計的に処理する任意の方法が用いられる。例えば、快適性判定部631は、特定の期間の衣服内温度の最小値から最大値までの範囲を、第1温度範囲として決定する。第1湿度範囲も同様である。
【0099】
あるいは、第1温度範囲は、多数の乳幼児の衣服内温度のデータから統計的に導出されてもよい。この場合、第1温度範囲は、対象の乳幼児30の年齢または月齢に基づいて変更されてもよい。第1温度範囲は、例えば、20℃から37.5℃までの範囲である。より詳しくは、例えば、衣服内温湿度センサ41が乳幼児30の衣服の内側に取り付けられた場合、第1温度範囲は、例えば、25℃から37.5℃までの範囲である。また例えば、衣服内温湿度センサ41が乳幼児30の吸収性物品の外表面に取り付けられた場合、第1温度範囲は、例えば、20℃から37.5℃までの範囲である。これは、衣服内温湿度センサ41が乳幼児30の吸収性物品の外表面に取り付けられた場合、厚みのある吸収性物品が隔たりとなって、衣服内温度が上昇しにくい可能性があるためである。同様に、衣服内温湿度センサ41が乳幼児30の吸収性物品の外表面に取り付けられた場合、排尿に伴い衣服内湿度が上昇しやすい可能性があるため、例えば、衣服内温湿度センサ41が乳幼児30の衣服の内側に取り付けられた場合、第1湿度範囲は、例えば、40%RHから70%RHまでの範囲である。また例えば、衣服内温湿度センサ41が乳幼児30の吸収性物品の外表面に取り付けられた場合、第1湿度範囲は、例えば、40%RHから80%RHまでの範囲である。したがって、第1温度範囲および第1湿度範囲が、操作者が入力するセンサの取り付け位置に応じて変更されるよう構成されていることが好ましい。
【0100】
快適性判定部631は、乳幼児30の快適性の判定結果と、判定結果に基づく対処方法の少なくとも一方を含む育児支援情報を生成する。快適性判定部631は、生成された育児支援情報を通知処理部64に送出する。快適性判定部631は、生成された育児支援情報を送信処理部65にさらに送信してもよい。
【0101】
睡眠状態判定部632は、個人データベース531を用いて、乳幼児30の睡眠状態を判定する。睡眠状態判定部632は、乳幼児30の睡眠状態に関する判定結果と、判定結果に基づく対処方法の少なくとも一方を含む育児支援情報を生成する。睡眠状態判定部632は、生成された育児支援情報を通知処理部64に送出する。睡眠状態判定部632は、生成された育児支援情報を送信処理部65にさらに送信してもよい。
【0102】
排泄状態判定部633は、個人データベース531を用いて、乳幼児30の排泄状態を判定する。排泄状態判定部633は、乳幼児30の排泄状態に関する判定結果と、判定結果に基づく対処方法の少なくとも一方を含む育児支援情報を生成する。排泄状態判定部633は、生成された育児支援情報を通知処理部64に送出する。排泄状態判定部633は、生成された育児支援情報を送信処理部65にさらに送信してもよい。
【0103】
通知処理部64は、個人データベース531から、直近のセンサデータ(すなわち、衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、環境湿度、および活動量の少なくともいずれか)を取得する。また、通知処理部64は、快適性判定部631、睡眠状態判定部632、および排泄状態判定部633のそれぞれから送出された育児支援情報を受け取る。なお、通知処理部64は、快適性判定部631、睡眠状態判定部632、および排泄状態判定部633から、判定に用いられたセンサデータを受け取ってもよい。通知処理部64は、取得したセンサデータと受け取った育児支援情報とを第1育児者31に通知する。この通知には、例えば、タッチスクリーンディスプレイ54、振動部57、およびスピーカ58の少なくともいずれかが用いられる。
【0104】
具体的には、通知処理部64は、例えば、センサデータと育児支援情報とを通知する画像(以下、通知画像と称する)を表示するための表示信号を生成する。通知画像は、吸収性物品の交換の有無を入力するためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を含んでいてもよい。吸収性物品の交換の有無を入力するためのGUIは、例えば、乳幼児30が装着している吸収性物品を交換したことを入力するためのボタンである。また、通知画像は、通知された育児支援情報に関する評価を入力するためのGUIを含んでいてもよい。通知された育児支援情報に関する評価を入力するためのGUIは、通知された育児支援情報が適切であったか否か、あるいは適切であった度合いを入力するためのボタンである。通知処理部64は、生成された表示信号を、タッチスクリーンディスプレイ54に送出する。タッチスクリーンディスプレイ54は、受け取った表示信号に基づき、通知画像を画面に表示する。第1育児者31は、表示された通知画像を見ることで、乳幼児30の直近のセンサデータを確認できると共に、乳幼児30の快適性、睡眠状態、および排泄状態の少なくともいずれかの育児支援情報を得ることができる。
【0105】
また、通知処理部64は、受け取った育児支援情報に基づき、振動を要求する信号を振動部57に送出してもよい。振動部57は、受け取った信号に基づき、第1情報処理装置21を振動させる。第1情報処理装置21を振動させることにより、画面に表示された通知画像の確認を第1育児者31に促すことができる。この振動は、特定の振動パターンを有していてもよい。第1育児者31は、第1情報処理装置21が特定の振動パターンで振動したことにより、育児支援情報が通知されたことを認識し得る。
【0106】
さらに、通知処理部64は、通知情報に基づく音声信号をスピーカ58に送出してもよい。スピーカ58は、受け取った音声信号に基づく音声を出力する。この音声は、特定のメッセージを読み上げた音声であってもよいし、アラーム音であってもよい。第1育児者31は、音声により、育児支援情報を認識できる。あるいは、音声により、画面に表示された通知画像の確認を第1育児者31に促すことができる。
【0107】
送信処理部65は、個人データベース531から直近のセンサデータを取得する。また、送信処理部65は、快適性判定部631、睡眠状態判定部632、および排泄状態判定部633のそれぞれから送出された育児支援情報を受け取る。なお、送信処理部65は、快適性判定部631、睡眠状態判定部632、および排泄状態判定部633から、判定に用いられたセンサデータを受け取ってもよい。送信処理部65は、取得したセンサデータと受け取った育児支援情報とを、第1通信部55を介して第2情報処理装置22に送信する。
【0108】
第1情報処理装置21は、フィードバック処理部67、観察データ生成部68、および検出部69をさらに備えていてもよい。
【0109】
フィードバック処理部67は、第1育児者31に通知された情報に対するフィードバックを処理する。具体的には、フィードバック処理部67は、例えば、第1育児者31によるタッチスクリーンディスプレイ54上での操作に基づくフィードバックを処理する。
【0110】
フィードバックは、例えば、吸収性物品が交換されたことを示す。この場合、フィードバック処理部67は、個人データベース531において、対応する日時のエントリに、吸収性物品が交換されたことを示す値を設定する。つまり、フィードバック処理部67は、対応する日時のエントリに含まれる交換フィールドに、“有”を設定する。
【0111】
あるいは、フィードバックは、通知された育児支援情報に関する評価を示す。より具体的には、フィードバックは、例えば、通知された情報が適切であったか否かを第1育児者31が判断した結果を示す。フィードバック処理部67は、フィードバックを用いて、判定部63と連携して、衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、環境湿度、活動量のそれぞれの基準値と正常な範囲を更新してもよい。
【0112】
観察データ生成部68は、第1育児者31によって乳幼児30が快適または不快であると判断された期間の、乳幼児30の動作、表情、身体状態、および声の少なくともいずれかを表す観察データを、第1育児者31による第1情報処理装置21に対する、付属の入力装置を介しての操作に基づき生成する。入力装置としては、キーボードからのテキスト入力や、マウスなどのポインティングデバイスなどでのGUI入力がある。
【0113】
具体的には、例えば、情報入力画面が、通知処理部64によってタッチスクリーンディスプレイ54に表示される。情報入力画面は、乳幼児30の動作、表情、身体状態、および声の少なくともいずれかを表す情報を入力するためのGUIを含む。より詳しくは、情報入力画面は、例えば、乳幼児30の動作、表情、身体状態、および声の少なくともいずれかを表すテキストを入力するためのテキストエリア、あるいは乳幼児30の動作、表情、身体状態、および声のそれぞれを表す選択肢のボタンを含む。また、情報入力画面は、第1育児者31が乳幼児30を快適と不快のいずれと判断したかを入力するためのGUI(例えば、選択肢のボタン)を含んでいてもよい。
【0114】
第1育児者31は、例えば、乳幼児30が快適または不快であると判断した場合に、情報入力画面を表示しているタッチスクリーンディスプレイ54を用いて、乳幼児30の動作、表情、身体状態、および声の少なくともいずれかを表す情報を入力するための操作を行う。
【0115】
観察データ生成部68は、第1育児者31による操作に基づき、第1育児者31によって乳幼児30が快適または不快であると判断された期間の、乳幼児30の動作、表情、身体状態、および声の少なくともいずれかを示す第1観察データを生成する。観察データ生成部68は、生成された第1観察データを用いて個人データベース531を更新する。具体的には、観察データ生成部68は、個人データベース531において、例えば、第1育児者31によって乳幼児30が快適または不快であると判断された期間に対応する少なくとも1つのエントリを特定する。そして、観察データ生成部68は、特定されたエントリに含まれる観察データフィールドに第1観察データを設定し、快適/不快フィールドに“快適”または“不快”を設定する。これにより、このエントリでは、乳幼児30が快適または不快であること、および第1観察データが、衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、環境湿度、および活動量に関連付けられる。
【0116】
また、検出部69は、体動データ、動画像データ、および音声データの少なくともいずれかを用いて、乳幼児30が快適である期間(以下、快適期間とも称する)または不快である期間を検出する。
【0117】
具体的には、検出部69は、体動データと動画像データの少なくとも一方を解析して、乳幼児30が快適である場合の体動を検出する。乳幼児30が快適である場合の体動は、例えば、手を叩く動作、および機嫌良く手足を上下にバタンバタンと動かす動作(体の動き)である。また、検出部69は、動画像データを解析して、乳幼児30が快適である場合の表情を検出してもよい。乳幼児30が快適である場合の表情は、例えば、笑顔である。検出部69は、動画像データを解析して、乳幼児30が快適である場合の身体状態を検出してもよい。あるいは、検出部69は、音声データを解析して、乳幼児30が快適である場合の声を検出してもよい。乳幼児30が快適である場合の声は、例えば、穏やかな声、および笑い声である。動作、表情、身体状態、および声の解析には、一般に用いられている種々の手法を利用できる。検出部69は、乳幼児30が快適である場合の動作、表情、身体状態、および声の少なくともいずれかが検出された期間を、快適期間として検出する。検出部69は、検出された快適期間を用いて個人データベース531を更新する。具体的には、検出部69は、個人データベース531において、例えば、検出された快適期間に対応する少なくとも1つのエントリを特定する。そして、検出部69は、特定されたエントリに含まれる快適/不快フィールドに“快適”を設定する。これにより、このエントリでは、乳幼児30が快適であることが、衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、環境湿度、および活動量に関連付けられる。
【0118】
また、検出部69は、体動データ、動画像データ、および音声データの少なくともいずれかを用いて、乳幼児30が不快である期間(以下、不快期間とも称する)を検出してもよい。
【0119】
具体的には、検出部69は、体動データと動画像データの少なくとも一方を解析して、乳幼児30が不快である場合の体動を検出する。乳幼児30が不快である場合の体動は、例えば、手足を激しくバタつかせる動作、全く手足を動かさない(ぐったりしている)動作、および痒がる動作である。また、検出部69は、動画像データを解析して、乳幼児30が不快である場合の表情を検出してもよい。乳幼児30が不快である場合の表情は、例えば、泣き顔である。検出部69は、動画像データを解析して、乳幼児30が不快である場合の身体状態を検出してもよい。乳幼児30が不快である場合の身体状態は、例えば、汗をかいている(暑がっている)状態、およびお腹が冷たい(寒がっている)状態である。あるいは、検出部69は、音声データを解析して、乳幼児30が不快である場合の声を検出してもよい。乳幼児30が不快である場合の声は、例えば、泣き声、か細い声、および唸り声である。検出部69は、乳幼児30が不快である場合の動作、表情、身体状態、および声の少なくともいずれかが検出された期間を、不快期間として検出する。検出部69は、検出された不快期間を用いて個人データベース531を更新する。具体的には、検出部69は、個人データベース531において、例えば、検出された不快期間に対応する少なくとも1つのエントリを特定する。そして、検出部69は、特定されたエントリに含まれる快適/不快フィールドに“不快”を設定する。これにより、このエントリでは、乳幼児30が不快であることが、衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、環境湿度、および活動量に関連付けられる。
【0120】
上に述べたように、検出部69が、特定されたエントリに含まれる快適/不快フィールドに“不快”または“不快”を設定した後に、フィードバック処理部67は、個人データベース531を用いて、判定部63と連携して、衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、環境湿度、および活動量のそれぞれの基準値と正常な範囲を更新してもよい。例えば、フィードバック処理部67は、個人データベース531において、快適/不快フィールドに“快適”が設定されている1つ以上のエントリを特定する。フィードバック処理部67は、特定された1つ以上のエントリに含まれる衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、および環境湿度の少なくともいずれかに基づいて、衣服内温度の正常な範囲(第1温度範囲)と衣服内湿度の正常な範囲(第1湿度範囲)のそれぞれを決定する。具体的には、例えば、フィードバック処理部67は、特定された1つ以上のエントリにそれぞれ含まれる1つ以上の衣服内温度の最低温度から最高温度までの範囲を、衣服内温度の正常な範囲として決定する。また、フィードバック処理部67は、特定された1つ以上のエントリにそれぞれ含まれる1つ以上の衣服内湿度の最低湿度から最高湿度までの範囲を、衣服内湿度の正常な範囲として決定する。
【0121】
さらに、フィードバック処理部67は、個人データベース531において、快適/不快フィールドに“不快”が設定されている1つ以上のエントリを特定してもよい。フィードバック処理部67は、特定された1つ以上のエントリに含まれる衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、および環境湿度の少なくともいずれかにさらに基づいて、衣服内温度の正常な範囲と衣服内湿度の正常な範囲のそれぞれを決定してもよい。具体的には、例えば、フィードバック処理部67は、特定された1つ以上のエントリにそれぞれ含まれる1つ以上の衣服内温度を含まないように、衣服内温度の正常な範囲を決定する。また、フィードバック処理部67は、特定された1つ以上のエントリにそれぞれ含まれる1つ以上の衣服内湿度を含まないように、衣服内湿度の正常な範囲を決定する。
【0122】
(第2情報処理装置22)
第2情報処理装置22は、受信処理部61Cと通知処理部64Cとを備える。受信処理部61Cと通知処理部64Cとは、プログラムを実行することによって第2情報処理装置22のCPUに備わる機能構成である。
【0123】
受信処理部61Cは、第1情報処理装置21からセンサデータと育児支援情報とを受信する。受信処理部61Cは、受信したセンサデータと育児支援情報とを通知処理部64Cに送出する。
【0124】
通知処理部64Cは、受け取ったセンサデータと育児支援情報とを第2育児者32に通知する。具体的には、通知処理部64Cは、例えば、センサデータと育児支援情報とを通知する画像(通知画像)を表示するための表示信号を生成する。通知処理部64Cは、生成された表示信号を、第2情報処理装置22のタッチスクリーンディスプレイ(図示せず)に送出する。通知処理部64Cによる通知方法は、例えば、第1情報処理装置21の通知処理部64による通知方法と同様である。
【0125】
なお、第2情報処理装置22は、第2育児者32によるタッチスクリーンディスプレイ上での操作に基づくフィードバックおよび情報入力を、第1情報処理装置21に送信してもよい。この場合、第1情報処理装置21のフィードバック処理部67は、第2育児者32によるフィードバックおよび情報入力を、第1育児者31によるフィードバックおよび情報入力と同様に処理してもよい。
【0126】
(快適性判定テーブル)
次いで、図5A図5B、および図6を参照して、第1情報処理装置21の快適性判定部631によって用いられる快適性判定テーブル532について説明する。
【0127】
図5Aは、快適性判定テーブル532の構成の第1の例を示す。快適性判定テーブル532は、乳幼児30の快適性に関する複数の判定条件にそれぞれ対応する複数のエントリを含む。
【0128】
複数の判定条件の各々は、特定の日時の乳幼児30の状態に関するデータを用いる判定条件である。特定の日時は、例えば、乳幼児30の状態に関するデータが取得された直近の日時である。特定の日時の乳幼児30の状態に関するデータは、例えば、その特定の日時の衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、および環境湿度の少なくともいずれかを含む。複数の判定条件の少なくとも1つが満たされていることは、乳幼児30が快適でないことを意味する。また、複数の判定条件のいずれも満たされていないことは、乳幼児30が快適であることを意味する。
【0129】
複数のエントリの各々は、例えば、衣服内温度フィールド、衣服内湿度フィールド、環境温度フィールド、環境湿度フィールド、および対処方法フィールドを含む。
【0130】
ある判定条件に対応するエントリにおいて、衣服内温度フィールドは、その判定条件の内、衣服内温度に関する条件を示す。衣服内湿度フィールドは、対応する判定条件の内、衣服内湿度に関する条件を示す。環境温度フィールドは、対応する判定条件の内、環境温度に関する条件を示す。環境湿度フィールドは、対応する判定条件の内、環境湿度に関する条件を示す。これら4つのフィールドに関する条件は、例えば、“高”、“正常”、“低”、および“-”の少なくともいずれかで表される。“高”は、当該フィールドの示す値が基準値よりも高いという条件を、“正常”は、正常な範囲内にあるという条件を、低”は、基準値よりも低いという条件を、おのおの示す。“-”は、当該フィールドの示す値に関する条件がないことを示す。
【0131】
対処方法フィールドは、対応する判定条件が満たされた場合の対処方法を示す情報である。対処方法の内容は、第1育児者31と第2育児者32の少なくとも一方に提示され乳幼児30の快適性の改善に資する情報である。
【0132】
図5Aでは、例えば、先頭のエントリは、衣服内温度が“高”である条件と、衣服内湿度が“高”である条件と、環境温度が“高”である条件とが満たされた場合に、対処方法が、空調で外気温を下げる、衣服を1枚減らす、および下着を替えて汗を拭く、の少なくともいずれかであることを示す。他のエントリも同様である。
【0133】
なお、快適性判定テーブル532は、特定の期間内の乳幼児30の状態に関する時系列のデータを用いる判定条件であってもよい。特定の期間は、例えば、乳幼児30の状態に関するデータが取得された直近の日時を含む一定期間である。特定の期間内の乳幼児30の状態に関する時系列のデータは、その特定の期間内に取得された衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、および環境湿度の少なくともいずれかを含む。
【0134】
図5Bは、快適性判定テーブル532の構成の第2の例を示す。図5Bの快適性判定テーブル532は、図5Aに示した快適性判定テーブル532と同様の構成を有する。図5Bの快適性判定テーブル532に含まれる複数のエントリは、乳幼児30の状態に関する時系列のデータに基づく複数の判定条件にそれぞれ対応する。
【0135】
この場合、衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、環境湿度に関する条件は、例えば、“高”、“上昇”、“正常”、“低”、“降下”、および“-”の少なくともいずれかで表される。“上昇”は、衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、環境湿度が上昇しているという条件を示す。“降下”は、衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、環境湿度が降下しているという条件を示す。“高”、“正常”、“低”、および“-”については図5Aを参照して前述した通りである。
【0136】
また、対処方法についても、図5Aを参照して前述した通りである。
【0137】
図5Bでは、例えば、先頭のエントリは、衣服内温度が“高”または“上昇”である条件と、衣服内湿度が“高”または“上昇”である条件と、環境温度が“高”または“上昇”である条件とが満たされた場合に、対処方法が、空調で外気温を下げる、衣服を1枚減らす、および下着を替えて汗を拭く、の少なくともいずれかであることを示す。他のエントリも同様である。
【0138】
また、図6は、快適性判定テーブル532の構成の第3の例を示す。図6に示す快適性判定テーブル532の構成では、図5Aおよび図5Bに示した快適性判定テーブル532の構成にさらに活動度フィールド(体動フィールド)が設けられる。すなわち、図6の快適性判定テーブル532に含まれる各エントリは、衣服内温度フィールド、衣服内湿度フィールド、環境温度フィールド、環境湿度フィールド、活動度フィールド(体動フィールド)、および対処方法フィールドを含む。衣服内温度フィールド、衣服内湿度フィールド、環境温度フィールド、環境湿度フィールド、および対処方法フィールドについては、図5Aの快適性判定テーブル532を参照して前述した通りである。
【0139】
ある判定条件に対応するエントリにおいて、活動度フィールド(体動フィールド)は、その判定条件の内、活動度(体動)に関する条件を示す。活動度に関する条件は、例えば、“多”、“少”、および“-”の少なくともいずれかで表される。“多”は、活動度が基準値よりも多いという条件を示す。“少”は、活動度が基準値よりも少ないという条件を示す。“-”は、活動度に関する条件がないことを示す。
【0140】
図6では、例えば、先頭のエントリは、衣服内温度が“高”または“上昇”である条件と、衣服内湿度が“高”または“上昇”である条件と、環境温度が“高”または“上昇”である条件とが満たされた場合に、対処方法が、空調で外気温を下げる、衣服を1枚減らす、および下着を替えて汗を拭く、の少なくともいずれかであることを示す。他のエントリも同様である。なお、活動度フィールド(体動フィールド)が設けられる快適性判定テーブル532は、図5Aに示した快適性判定テーブル532と同様に乳幼児30の状態に関するある日時のデータに基づく判定条件と、図5Bに示した快適性判定テーブル532と同様に乳幼児30の状態に関する時系列のデータに基づく判定条件と、の少なくとも一方を示す。
【0141】
以上のように構成された快適性判定テーブル532を用いて、第1情報処理装置21の快適性判定部631は、複数の判定条件の少なくとも1つが満たされている場合に、乳幼児30が快適でないと判断する。そして、快適性判定部631は、通知処理部64および送信処理部65を介して、乳幼児30の快適性の判定結果と、判定結果に基づく対処方法とを含む育児支援情報を第1育児者31と第2育児者32とに提供できる。また、快適性判定部631は、快適性判定テーブル532に含まれる複数の判定条件のいずれも満たされていない場合、乳幼児30が快適であると判断する。快適性判定部631は、通知処理部64および送信処理部65を介して、例えば、乳幼児30が快適であることを第1育児者31と第2育児者32とに通知できる。したがって、育児支援システム1Aは、第1育児者31および第2育児者32による乳幼児30の育児を支援できる。なお、図6の快適性判定テーブル532も、図5Aおよび図5Bに示した快適性判定テーブル532と同様に、特定の時刻の乳幼児30の状態に関するデータを用いる判定条件と、特定の期間内の乳幼児30の状態に関する時系列のデータを用いる判定条件のいずれか一方を含んでいてもよい。
【0142】
次いで、図7A図7B図8A、および図8Bを参照して、乳幼児30の排泄状態と睡眠状態とが判定される例について説明する。
【0143】
図7Aおよび図7Bは、育児支援システム1Aにおいて乳幼児30の排泄状態が判定される例を示す図である。図7Aおよび図7Bは、第1情報処理装置21が衣服内温湿度センサ41および環境温湿度センサ43から取得した、衣服内温度811、衣服内湿度812、環境温度813、および環境湿度814の遷移の例を示すグラフを含む。衣服内温度811および環境温度813のグラフにおいて、縦軸は温度(℃)を示し、横軸は日時を示す。衣服内湿度812および環境湿度814のグラフにおいて、縦軸は湿度(%RH)を示し、横軸は日時を示す。図7Aおよび図7Bでは、衣服内温湿度センサ41および体動センサ42が20時30分に乳幼児30に装着され、乳幼児30が翌日の6時45分に起床した場合が例示されている。
【0144】
衣服内温湿度センサ41が乳幼児30に装着された後、例えば、21時から0時までの期間において、衣服内温度811の変化は緩やかである。これは、衣服内温度811の変化が、乳幼児30の状態に応じたものではなく、環境の変化に応じたものであるためである。
【0145】
その後、0時10分から0時15分までの期間82に、衣服内温度811と衣服内湿度812とが急激に上昇する。この期間82において、環境温度813と環境湿度814とに大きな変化はない。第1情報処理装置21の排泄状態判定部633は、期間82に衣服内温度811と衣服内湿度812とが急激に上昇したことに基づいて、乳幼児30による排尿を検知する。排泄状態判定部633は、排尿が検知された日時(ここでは、0時10分)に対応する個人データベース531のエントリにおいて、排尿フィールドに“有”を設定する。そして、通知処理部64は、例えば、乳幼児30による排尿が検知されたことを示す情報を画面に表示して、第1育児者31に通知する。また、送信処理部65は、例えば、乳幼児30による排尿が検知されたことを示す情報を、第2情報処理装置22に送信してもよい。第2情報処理装置22は、この情報を受信して、第2育児者32に提供する。
【0146】
排尿が検知された後、吸収性物品の交換前であり、且つ衣服内温度811が低下した場合(ここでは、2時25分、および3時30分)に、排泄状態判定部633は、乳幼児30が装着している吸収性物品が冷たい状態であると判断する。具体的には、排泄状態判定部633は、例えば、衣服内温度811が、乳幼児30が現在の吸収性物品を装着した後(例えば、21時頃)の温度よりも低くなってから、特定の期間(例えば、10分間)が経過したことに応じ、吸収性物品が冷たい状態であると判断する。そして、通知処理部64は、例えば、吸収性物品が冷たい状態であること、および吸収性物品の交換を推奨することを示す情報を画面に表示して、第1育児者31に通知する。また、送信処理部65は、例えば、吸収性物品が冷たい状態であること、および吸収性物品の交換を推奨すること示す情報を、第2情報処理装置22に送信してもよい。第2情報処理装置22は、この情報を受信して、第2育児者32に提供する。この情報に応じて、第1育児者31または第2育児者32は、例えば、乳幼児30の吸収性物品を交換する。これにより、乳幼児30の身体が冷えることを防止できる。
【0147】
さらに、排尿が検知されてから経過した時間が、基準の排尿間隔を超えた場合に、排泄状態判定部633は、乳幼児30による排尿間隔が平常時よりも長く、脱水の恐れがあると判断する。そして、通知処理部64は、例えば、脱水の恐れがあること、および水分補給を推奨することを示す情報を画面に表示して、第1育児者31に通知する。また、送信処理部65は、例えば、脱水の恐れがあること、および水分補給を推奨することを示す情報を、第2情報処理装置22に送信してもよい。第2情報処理装置22は、この情報を受信して、第2育児者32に提供する。この情報に応じて、第1育児者31または第2育児者32は、例えば、乳幼児30に水分を補給させる(例えば、授乳する、あるいはミルクを飲ませる)。これにより、乳幼児30の脱水を防止できる。なお、基準の排尿間隔の決定方法は、前述した衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、および環境湿度の基準値の決定方法と同様である。
【0148】
このように、第1情報処理装置21は、例えば、衣服内温度811および衣服内湿度812を用いて乳幼児30の排泄状態を判定し、判定結果および対処方法の情報を第1育児者31に提供できる。また、第1情報処理装置21は、判定結果および対処方法の情報を第2情報処理装置22に送信してもよい。その場合、第2情報処理装置22は、判定結果および対処方法の情報を第2育児者32に提供できる。したがって、育児支援システム1Aは、第1育児者31および第2育児者32による乳幼児30の育児を支援できる。また、第1育児者31および第2育児者32が提供された情報に応じて対処することにより、乳幼児30の排泄に関連する快適性を向上できる。
【0149】
図8Aおよび図8Bは、育児支援システム1Aにおいて乳幼児30の排泄状態および睡眠状態が判定される例を示す図である。図8Aおよび図8Bは、第1情報処理装置21が衣服内温湿度センサ41、体動センサ42、および環境温湿度センサ43から取得した、衣服内温度841、衣服内湿度842、環境温度843、環境湿度844、および活動量85の遷移の例を示すグラフを含む。衣服内温度841および環境温度843のグラフにおいて、縦軸は温度(℃)を示し、横軸は日時を示す。衣服内湿度842および環境湿度844のグラフにおいて、縦軸は湿度(%RH)を示し、横軸は日時を示す。活動量85のグラフにおいて、縦軸は活動量を示し、横軸は日時を示す。
【0150】
図8Aおよび図8Bでは、衣服内温湿度センサ41および体動センサ42が、乳幼児30に対して20時45分に装着され、翌日の7時15分に取り外され、乳幼児30が21時57分に入眠し、翌日の7時5分に起床した場合が例示されている。
【0151】
衣服内温湿度センサ41および体動センサ42が乳幼児30に装着された後、21時53分から21時58分までの期間に、衣服内温度841と衣服内湿度842とが急激に上昇する。第1情報処理装置21の排泄状態判定部633は、この期間に衣服内温度841と衣服内湿度842とが急激に上昇したことに基づいて、乳幼児30による排尿を検知する。排尿が検知された場合の処理については、図7Aおよび図7Bを参照して前述した通りである。
【0152】
また、21時59分に、活動量85が減少する(例えば、0になる)。睡眠状態判定部632は、例えば、活動量85が減少したこと基づいて、乳幼児30の入眠を検知する。睡眠状態判定部632は、21時59分を、乳幼児30の入眠時刻として検知する。睡眠状態判定部632は、検知された入眠時刻を個人データベース531に格納してもよい。
【0153】
なお、乳幼児30の入眠時刻は、育児者31または32によって、例えば、タッチスクリーンディスプレイ54を用いて入力されてもよい。具体的には、通知処理部64は、前述した通知画像と同様にして、乳幼児30の入眠時刻を入力するためのGUIを、タッチスクリーンディスプレイ54の画面に表示する。表示されたGUIに対する育児者31または32の操作によって、乳幼児30の入眠時刻が入力された場合、フィードバック処理部67は、入力された入眠時刻を、例えば、個人データベース531に格納する。
【0154】
次いで、入眠時刻から特定の時間が経過するまでの期間860内に(ここでは、21時59分から22時59分までの1時間の期間860に)、衣服内温度841は、入眠時刻の衣服内温度841よりも降下していない。睡眠状態判定部632は、入眠時刻から特定の時間が経過するまでに、衣服内温度841が入眠時刻の衣服内温度841よりも降下しなかったことに基づいて、乳幼児30に掛けられた寝具が過剰であることを検知する。そして、通知処理部64は、例えば、乳幼児30に掛けられた寝具が過剰であることを示す情報を画面に表示して、第1育児者31に通知する。また、送信処理部65は、例えば、乳幼児30に掛けられた寝具が過剰であることを示す情報を、第2情報処理装置22に送信してもよい。第2情報処理装置22は、この情報を受信して、第2育児者32に提供する。
【0155】
その後、翌日の0時18分から0時34分までの期間861において、活動量85が閾値以上であった後に、衣服内温度841が低下したことに基づき、睡眠状態判定部632は、乳幼児30の寝相による寝具の乱れがあると判断する。そして、通知処理部64は、例えば、寝具が乱れていることを示す情報を画面に表示して、第1育児者31に通知する。また、送信処理部65は、例えば、寝具が乱れていることを示す情報を、第2情報処理装置22に送信してもよい。第2情報処理装置22は、この情報を受信して、第2育児者32に提供する。この情報に応じて、第1育児者31または第2育児者32は、例えば、布団を掛け直す。これにより、乳幼児30が寒さで覚醒することを防止できる。
【0156】
次いで、単位期間862(ここでは、5時45分頃から6時45分頃まで期間)における衣服内温度841の変化量が特定の温度範囲内の上昇であることに基づき、睡眠状態判定部632は、乳幼児30の起床の前兆があると判断する。単位期間は、例えば、1時間である。特定の温度範囲は、例えば、1℃から1.5℃までの範囲である。そして、通知処理部64は、例えば、乳幼児30の起床の前兆があることを示す情報を画面に表示して、第1育児者31に通知する。また、送信処理部65は、例えば、乳幼児30の起床の前兆があることを示す情報を、第2情報処理装置22に送信してもよい。第2情報処理装置22は、この情報を受信して、第2育児者32に提供する。この情報に応じて、第1育児者31または第2育児者32は、例えば、予測される乳幼児30の起床に応じた準備ができる。
【0157】
このように、第1情報処理装置21は、例えば、衣服内温度841、衣服内湿度842、および活動量85を用いて乳幼児30の睡眠状態と排泄状態とを判定し、判定結果および対処方法の情報を第1育児者31に提供できる。また、第1情報処理装置21は、判定結果および対処方法の情報を第2情報処理装置22に送信してもよい。その場合、第2情報処理装置22は、判定結果および対処方法の情報を第2育児者32に提供できる。したがって、育児支援システム1Aは、第1育児者31および第2育児者32による乳幼児30の育児を支援できる。また、第1育児者31および第2育児者32が提供された情報に応じて対処することにより、乳幼児30の睡眠および排泄に関連する快適性を向上できる。
【0158】
図9は、衣服内温湿度センサ41の(a)平面図、(b)断面図、および(c)底面図である。
【0159】
図9(a)に示すように、衣服内温湿度センサ41は第1カバー411を備える。第1カバー411は、センサ部等を覆うカバーである。第1カバー411は、例えば、ドーム状である。第1カバー411は、上方から見た場合、例えば、円形である。
【0160】
図9(b)は、図9(a)に示したI-I線の断面図である。衣服内温湿度センサ41は、第1カバー411に加えて、例えば、第2カバー412、温度センサ部413、湿度センサ部414、通信部415、および止着材416を備える。
【0161】
第1カバー411は、衣服内温湿度センサ41が乳幼児30に対して取り付けられた場合に、乳幼児30の衣服または吸収性物品の外表面と接触させる側とは反対側に位置する。
【0162】
第2カバー412は、平板状の部材である。第2カバー412は、衣服内温湿度センサ41が乳幼児30に対して取り付けられた場合に、乳幼児30の衣服または吸収性物品の外表面と接触させる側の面を形成する。この場合、例えば、第2カバー412の全体が、乳幼児30の衣服または吸収性物品の外表面と重なり合う。第2カバー412は、開口部417を有する。開口部417が設けられることにより、第2カバー412と重なり合う対象(すなわち、乳幼児30)の温度および湿度が計測されやすくなるとともに、対象以外(例えば、外気)による温度および湿度の影響を低減できる。また、第2カバー412は、第1カバー411と連結する。
【0163】
連結された第2カバー412と第1カバー411とに囲まれた空間は、収容空間418である。収容空間418には、温度センサ部413、湿度センサ部414、および通信部415が配置される。つまり、温度センサ部413、湿度センサ部414、および通信部415は、開口部417に相当する部分を除いて、連結された第2カバー412および第1カバー411で覆われている。
【0164】
温度センサ部413は、近傍の温度を計測し、後述する通信部415へ計測結果を送出する。温度センサ部413に用いるセンサとして、例えば、熱電対、またはサーミスタが用いられる。温度センサ部413は、第2カバー412の開口部417を通して、乳幼児30の衣服内温度を計測する。
【0165】
湿度センサ部414は、近傍の湿度を計測し、後述する通信部415へ計測結果を送出する。湿度センサ部414に用いるセンサとして、例えば、静電容量式の湿度センサが用いられる。湿度センサ部414は、第2カバー412の開口部417を通して、乳幼児30の衣服内湿度を計測する。
【0166】
温度センサ部413および湿度センサ部414と、第1カバー411との間には、断熱材が設けられてもよい。温度センサ部413および湿度センサ部414と、開口部417を除く第2カバー412との間には、断熱材が設けられてもよい。あるいは、第1カバー411および第2カバー412が断熱材で形成されてもよい。断熱材として、例えば、プラスチック、セラミックス、シリコン樹脂、ウレタン系樹脂、等が用いられる。断熱材は、熱伝導率が20W/m・K以下であり、より好ましくは1W/m・K以下である。断熱材により、温度センサ部413によって計測される温度と、湿度センサ部414によって計測される湿度とが、外気の影響を受けにくくなる。したがって、乳幼児30に関する温度および湿度を高精度に計測できる。なお、開口部417には、断熱材が設けられないようにする。
【0167】
通信部415は、衣服内温湿度センサ41と外部との有線通信または無線通信を実行するように構成されたデバイスである。通信部415は、例えば、送信部と受信部とを含む。通信部415は、例えば、第1情報処理装置21との通信を実行する。より具体的には、通信部415は、温度センサ部413によって計測される温度と、湿度センサ部414によって計測される湿度とを各々のセンサ部より、データとして受け取り、これらに基づく信号(データ)を、第1情報処理装置21に送信する。
【0168】
止着材416は、衣服内温湿度センサ41を、乳幼児30の衣服または吸収性物品に止着する部材である。止着材416として、例えば、粘着剤を塗工して形成した粘着層、機械的面ファスナーの雄部材、等が用いられる。
【0169】
図9(c)に示すように、衣服内温湿度センサ41の底面は、開口部417を有する第2カバー412と、止着材416とで構成される。衣服内温湿度センサ41の底面は、衣服内温湿度センサ41が乳幼児30に対して取り付けられた場合に、乳幼児30の衣服または吸収性物品の外表面と接する面である。衣服内温湿度センサ41の底面は、止着材416により、乳幼児30の衣服または吸収性物品の外表面に対して固定される。
【0170】
なお、乳幼児30に対して衣服内温湿度センサ41を取り付ける方法は、止着材416を用いる方法に限定されず、例えば、テープ、伸縮性のネット、または乳幼児30の胴に装着される伸縮性の筒状固定具を用いる方法であってもよい。乳幼児30に体動センサ42を取り付ける方法についても同様である。なお、体動センサ42は、温度センサ部413および湿度センサ部414と共に収容空間418に配置されてもよい。その場合、通信部415は、体動センサ42によって計測される体動を示すデータを体動センサ42より受け取り、第1情報処理装置21に送信する。
【0171】
次いで、図10から図13を参照して、第1情報処理装置21において実行される処理の手順について説明する。
【0172】
図10は、第1情報処理装置21のCPU51によって実行される判定・通知処理の手順の例を示すフローチャートである。CPU51は、例えば、衣服内温湿度センサ41、体動センサ42、および環境温湿度センサ43の少なくともいずれかからデータを受信したことに応じて、判定・通知処理を実行する。あるいは、CPU51は、一定期間毎に判定・通知処理を実行してもよい。
【0173】
まず、CPU51は、現在のセンサデータを画面に表示する(ステップS101)。具体的には、CPU51は、例えば、個人データベース531において、直近の日時に対応するエントリを特定する。そして、CPU51は、特定されたエントリに基づいて、衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、環境湿度、および活動量を画面に表示する。つまり、CPU51は、直近の日時に対応する衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、環境湿度、および活動量を、現在のセンサデータとして表示する。
【0174】
次いで、CPU51は、快適性判定・通知処理を行う(ステップS102)。快適性判定・通知処理は、個人データベース531と快適性判定テーブル532とを用いて、乳幼児30の現在の快適性を判定し、快適性に関する情報を提供する処理である。快適性に関する情報は、例えば、乳幼児30の現在の快適性の判定結果と、この判定結果に基づく対処方法とを含む。快適性に関する情報は、例えば、第1情報処理装置21に設けられたタッチスクリーンディスプレイ54の画面に表示される。快適性判定・通知処理の具体的な手順については、図11のフローチャートを参照して後述する。
【0175】
CPU51は、排泄状態判定・通知処理を行って(ステップS103)、判定・通知処理を終了する。排泄状態判定・通知処理は、個人データベース531を用いて、乳幼児30の現在の排泄状態を判定し、排泄状態に関する情報を提供する処理である。排泄状態に関する情報は、例えば、乳幼児30の現在の排泄状態の判定結果と、この判定結果に基づく対処方法とを含む。排泄状態に関する情報は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ54の画面に表示される。排泄状態判定・通知処理の具体的な手順については、図12のフローチャートを参照して後述する。
【0176】
また、CPU51は、睡眠状態判定・通知処理を行う(ステップS104)。睡眠状態判定・通知処理は、個人データベース531を用いて、乳幼児30の現在の睡眠状態を判定し、睡眠状態に関する情報を提供する処理である。睡眠状態に関する情報は、例えば、乳幼児30の現在の睡眠状態の判定結果と、この判定結果に基づく対処方法とを含む。睡眠状態に関する情報は、例えば、タッチスクリーンディスプレイ54の画面に表示される。睡眠状態判定・通知処理の具体的な手順については、図13のフローチャートを参照して後述する。
【0177】
以上の判定・通知処理により、CPU51は、現在のセンサデータと、快適性、睡眠状態、および排泄状態に関する情報とを第1育児者31に提供できる。これにより、育児支援システム1Aは、第1育児者31による乳幼児30の育児を支援できる。
【0178】
なお、CPU51は、ステップS102、ステップS103、およびステップS104を行う順序は、ここに示した順序でなくともよく、任意の順序で実行することができる。あるいは、CPU51は、ステップS102、ステップS103、およびステップS104を並列に実行してもよい。
【0179】
また、CPU51は、ステップS102、ステップS103、およびステップS104を実行した後、現在のセンサデータと、快適性、睡眠状態、および排泄状態に関する情報とを第2情報処理装置22に送信してもよい(ステップS105)。第2情報処理装置22は、現在のセンサデータと、快適性、睡眠状態、および排泄状態に関する情報とを画面に表示する。これにより、育児支援システム1Aは、第2育児者32による乳幼児30の育児を支援できる。
【0180】
図11は、第1情報処理装置21のCPU51によって実行される快適性判定・通知処理の手順の例を示すフローチャートである。快適性判定・通知処理は、図10を参照して前述した判定・通知処理のステップS102に相当する。快適性判定・通知処理では、個人データベース531内の直近の日時に対応するセンサデータ、または直近の日時を含む特定の期間に対応するセンサデータが用いられる。特定の期間は、例えば、5分間または10分間のような任意に設定される期間である。ここでは、個人データベース531に記録されたセンサデータの内、快適性判定・通知処理に用いられるセンサデータを、第1センサデータと称する。
【0181】
まず、CPU51は、快適性判定テーブル532から1つのエントリを取得する(ステップS201)。CPU51は、快適性判定テーブル532に含まれる複数のエントリを、先頭から順に1つずつ取得する。取得されたエントリを、対象エントリと称する。
【0182】
次いで、CPU51は、第1センサデータが、対象エントリで示される条件を満たしているか否かを判定する(ステップS202)。対象エントリで示される条件は、例えば、衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、環境湿度、および活動量の少なくともいずれかに関する条件である。なお、第1センサデータが、快適性判定テーブル532に含まれるいずれかのエントリについて、条件を満たしていることは、乳幼児30が快適でないことを意味する。また、第1センサデータが、快適性判定テーブル532に含まれる全てのエントリについて、条件を満たしていないことは、乳幼児30が快適であることを意味する。
【0183】
第1センサデータが対象エントリで示される条件を満たしている場合(ステップS202のYes)、CPU51は、対象エントリを用いて、乳幼児30の快適性に関する判定結果と対処方法とを、タッチスクリーンディスプレイ54の画面に表示し(ステップS203)、快適性判定・通知処理を終了する。
【0184】
第1センサデータが対象エントリで示される条件を満たしていない場合(ステップS202のNo)、CPU51は、快適性判定テーブル532に、対象エントリに後続するエントリがあるか否かを判定する(ステップS204)。
【0185】
対象エントリに後続するエントリがある場合(ステップS204のYes)、CPU51は、快適性判定テーブル532から、その後続するエントリを新たな対象エントリとして取得する(ステップS205)。そして、CPU51による処理は、ステップS202に戻る。つまり、新たな対象エントリに基づく快適性の判定が行われる。
【0186】
対象エントリに後続するエントリがない場合(ステップS204のNo)、すなわち、第1センサデータが、快適性判定テーブル532に含まれる全てのエントリについて条件を満たさなかった場合、CPU51は、乳幼児30が快適であることを示す通知を画面に表示し(ステップS206)、快適性判定・通知処理を終了する。
【0187】
以上の快適性判定・通知処理により、CPU51は、乳幼児30の第1センサデータと快適性判定テーブル532とを用いて、乳幼児30が快適であるかどうかを判定する。そして、CPU51は、乳幼児30が快適でないと判定した場合、対処方法を画面に表示する。第1育児者31は、表示された対処方法に従って、乳幼児30の快適性を素早く適切に改善できる。したがって、育児支援システム1Aは、乳幼児30の育児を支援できる。
【0188】
図12は、第1情報処理装置21のCPU51によって実行される排泄状態判定・通知処理の手順の例を示すフローチャートである。排泄状態判定・通知処理は、図10を参照して前述した判定・通知処理のステップS103に相当する。
【0189】
まず、CPU51は、個人データベース531内のセンサデータが、衣服内温度と衣服内湿度が急激に上昇したという条件を満たしているか否かを判定する(ステップS301)。より具体的には、CPU51は、例えば、直近の日時を含む単位期間において、衣服内温度が第1閾値以上上昇し、且つ衣服内湿度が第2閾値以上上昇したという条件を満たしているか否かを判定する。
【0190】
衣服内温度と衣服内湿度が急激に上昇したという条件を満たしている場合(ステップS301のYes)、CPU51は、乳幼児30による排尿があったと判定して、乳幼児30による排尿があったことを示す通知をタッチスクリーンディスプレイ54の画面に表示する(ステップS302)。そして、CPU51は、個人データベース531において、対応する日時のエントリに、排尿を示す値を設定し(ステップS303)、排泄状態判定・通知処理を終了する。
【0191】
衣服内温度と衣服内湿度が急激に上昇したという条件を満たしていない場合(ステップS301のNo)、すなわち、乳幼児30による排尿がないと判定した場合、CPU51は、個人データベース531を用いて、前回の排尿からの経過時間が基準の排尿間隔を超えたという条件を満たしているか否かを判定する(ステップS304)。具体的には、CPU51は、個人データベース531から、前回、排尿が検知された日時を取得する。CPU51は、取得された日時からの経過時間を算出する。そして、CPU51は、算出された経過時間が基準の排尿間隔を超えたか否かを判定する。基準の排尿間隔は、例えば、個人データベース531に含まれる直前の1週間における排尿の日時に基づいて決定される。
【0192】
前回の排尿からの経過時間が基準の排尿間隔を超えたという条件を満たしている場合(ステップS304でYes)、CPU51は、基準の排尿間隔が経過しても排尿がなく、脱水の恐れがあることを示す通知を画面に表示し(ステップS305)、排泄状態判定・通知処理を終了する。この場合、CPU51は、水分補給を促すような対処方法を画面にさらに表示してもよい。これにより、例えば、乳幼児30の脱水を防止できる。
【0193】
前回の排尿からの経過時間が基準の排尿間隔を超えたという条件を満たしていない場合(ステップS304でNo)、CPU51は、個人データベース531を用いて、乳幼児30による排尿の検知後、吸収性物品を交換する前であり、且つ衣服内温度が低下したという条件を満たしているか否かを判定する(ステップS306)。具体的には、CPU51は、個人データベース531を用いて、例えば、吸収性物品が前回交換された日時が、排尿が前回検知された日時よりも前であり、且つ直近の日時を含む単位期間の衣服内温度データに基づいて、衣服内温度が第3閾値以上低下したという条件を満たしているか否かを判定する。
【0194】
乳幼児30による排尿の検知後、吸収性物品を交換する前であり、且つ衣服内温度が低下したという条件を満たしている場合(ステップS306のYes)、CPU51は、吸収性物品が冷たい状態であることを示す通知を画面に表示し(ステップS307)、排泄状態判定・通知処理を終了する。この場合、CPU51は、例えば、吸収性物品の交換を推奨することを示す通知を画面にさらに表示してもよい。これにより、例えば、第1育児者31が、乳幼児30が装着している吸収性物品を交換することで、乳幼児30の身体が冷えることを防止できる。
【0195】
乳幼児30による排尿の検知後、吸収性物品を交換する前であり、且つ衣服内温度が低下したという条件を満たしていない場合(ステップS306のNo)、CPU51は、排泄状態に関する通知の必要がないと判断して、排泄状態判定・通知処理を終了する。なお、この場合、CPU51は、排泄に関する問題がないことを示す通知を画面に表示してもよい。
【0196】
以上の排泄状態判定・通知処理により、CPU51は、個人データベース531を用いて、乳幼児30の排泄状態を判定する。そして、CPU51は、判定結果に基づいて、例えば、排尿があったこと、脱水の恐れがあること、吸収性物品が冷たい状態であること、または吸収性物品の交換に適したタイミングであることを、第1育児者31に通知できる。これにより、第1育児者31は、乳幼児30の排泄状態を素早く適切に改善できる。また、CPU51は、判定結果に基づいて、乳幼児30に排泄に関する問題がないことも通知できる。これにより、第1育児者31は、乳幼児30の排泄に関する問題がないことを確認できる。したがって、育児支援システム1Aは、乳幼児30の育児を支援できる。
【0197】
なお、排泄状態判定・通知処理でも、快適性判定・通知処理における快適性判定テーブル532のような、判定の条件と対処方法とを含むテーブルが用いられてもよい。また、前述した排泄状態の判定と判定結果に基づく通知とは一例であって、排泄状態判定・通知処理は、乳幼児30の排泄状態に関わる種々の情報が第1育児者31に提供されるように適宜変更可能である。
【0198】
図13は、第1情報処理装置21のCPU51によって実行される睡眠状態判定・通知処理の手順の例を示すフローチャートである。睡眠状態判定・通知処理は、図10を参照して前述した判定・通知処理のステップS104に相当する。
【0199】
まず、CPU51は、個人データベース531内のセンサデータが、活動があった後に、衣服内温度が低下したという条件を満たしているか否かを判定する(ステップS401)。より具体的には、CPU51は、例えば、個人データベース531から、直近の日時を含む単位期間の活動量と衣服内温度とを取得する。そして、CPU51は、取得された単位期間の活動量と衣服内温度とに基づいて、活動量が第4閾値以上であった後に、衣服内温度が低下したという条件を満たしているか否かを判定する。この単位期間は、例えば、10秒、1分、5分であり、好ましくは10秒から3分のいずれか、さらに好ましくは1分から2分である。
【0200】
直近の日時を含む単位期間内において、活動があった後に、衣服内温度が低下したという条件を満たしている場合(ステップS401のYes)、CPU51は、乳幼児30の寝具の乱れがあると判定して、乳幼児30の寝具が乱れていることを示す通知をタッチスクリーンディスプレイ54の画面に表示し(ステップS402)、睡眠状態判定・通知処理を終了する。この場合、CPU51は、好ましい寝具の種類や掛け方のような対処方法を画面にさらに表示してもよい。通知に応じて、例えば、第1育児者31が布団を掛け直すことにより、乳幼児30が寒さで覚醒してしまうことを防止できる。
【0201】
活動があった後に、衣服内温度が低下したという条件を満たしていない場合(ステップS401のNo)、CPU51は、個人データベース531内のセンサデータが、入眠後の特定期間内に衣服内温度が入眠時よりも降下しているという条件を満たしているか否かを判定する(ステップS403)。より具体的には、CPU51は、例えば、直近の入眠時刻の衣服内温度と、その入眠時刻に後続する特定期間の衣服内温度とを用いて、特定期間の衣服内温度が、入眠時刻の衣服内温度よりも低い衣服内温度を含んでいるという条件を満たしているか否かを判定する。特定期間は、例えば、1時間である。
【0202】
入眠後の特定期間内に衣服内温度が入眠時よりも降下しているという条件を満たしていない場合(ステップS403のNo)、CPU51は、乳幼児30の身体に掛けられた寝具が過剰であると判定して、寝具が過剰であることを示す通知を画面に表示し(ステップS404)、睡眠状態判定・通知処理を終了する。この場合、CPU51は、現在の衣服内温度、衣服内湿度、環境温度、および環境湿度の少なくともいずれかに基づいて、推奨される寝具の情報を画面にさらに表示してもよい。これにより、第1育児者31は、例えば、乳幼児30の身体に掛けられた寝具を調節して、不必要な中途覚醒の発生を低減できる。
【0203】
入眠後の特定期間内に衣服内温度が入眠時よりも降下しているという条件を満たしている場合(ステップS403のYes)、CPU51は、睡眠中である乳幼児30の直近の単位期間における衣服内温度の変化量が特定の温度範囲内の上昇であるという条件を満たしているか否かを判定する(ステップS405)。具体的には、CPU51は、個人データベース531を用いて、例えば、睡眠中である乳幼児30の直近の単位期間における衣服内温度の変化量を算出し、算出された変化量が特定の温度範囲内の上昇であるという条件を満たしているか否かを判定する。ここでの単位期間は、例えば、1時間である。特定の温度範囲は、例えば、1℃から1.5℃までの範囲である。
【0204】
睡眠中である乳幼児30の直近の単位期間における衣服内温度の変化量が特定の温度範囲内の上昇であるという条件を満たしている場合(ステップS405のYes)、CPU51は、乳幼児30の起床の前兆があることを示す通知を画面に表示し(ステップS406)、睡眠状態判定・通知処理を終了する。例えば、第1育児者31は、この通知に応じて、予測される乳幼児30の起床に応じた準備ができる。
【0205】
睡眠中である乳幼児30の直近の単位期間における衣服内温度の変化量が特定の範囲内の上昇であるという条件を満たしていない場合(ステップS405のNo)、CPU51は、乳幼児30が睡眠中であることを示す通知を画面に表示し(ステップS407)、睡眠状態判定・通知処理を終了する。
【0206】
以上の睡眠状態判定・通知処理により、CPU51は、個人データベース531を用いて、乳幼児30の睡眠状態を判定する。そして、CPU51は、判定結果に基づいて、例えば、寝具が乱れていること、または寝具が過剰であることを、第1育児者31に通知できる。これにより、第1育児者31は、乳幼児30の睡眠状態を素早く適切に改善できる。また、CPU51は、判定結果に基づいて、乳幼児30の起床の前兆があること、または乳幼児30が睡眠中であることも通知できる。これにより、第1育児者31は、予測される乳幼児30の起床に応じた準備を行ったり、乳幼児30の睡眠状態に問題がないことを確認したりすることもできる。したがって、育児支援システム1Aは、乳幼児30の育児を支援できる。
【0207】
なお、ステップS401、ステップS403、およびステップS405の判定の順序は、上で示したものに限られず任意に変更され得る。また、睡眠状態判定・通知処理でも、快適性判定・通知処理における快適性判定テーブル532のような、判定の条件と対処方法とを含むテーブルが用いられてもよい。さらに、前述した睡眠状態の判定と判定結果に基づく表示とは一例であって、睡眠状態判定・通知処理は、乳幼児30の睡眠状態に関わる種々の情報が第1育児者31に提供されるように適宜変更可能である。
【0208】
(第2実施形態)
第1実施形態に係る育児支援システム1Aでは、第1育児者31が使用する第1情報処理装置21が、センサデータを用いて育児支援情報を生成する。これに対して、第2実施形態に係る育児支援システムでは、サーバ装置がセンサデータを用いて育児支援情報を生成する。
【0209】
第2実施形態に係る育児支援システムでは、第1実施形態における第1情報処理装置21の機能の少なくとも一部を、サーバ装置が有する。具体的には、第2実施形態におけるサーバ装置は、乳幼児30の快適性、睡眠状態、および排泄状態を判定し、育児支援情報を生成する機能を有する。以下、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
【0210】
図14は、第2実施形態に係る育児支援システム1Bの構成例を示す。育児支援システム1Bは、第1情報処理装置21、第2情報処理装置22、1つ以上のセンサ4、サーバ装置25、およびネットワーク26を含む。
【0211】
1つ以上のセンサ4のそれぞれは、ネットワーク26を介してサーバ装置25と通信可能である。具体的には、1つ以上のセンサ4のそれぞれは、例えば、センサデータ、体動データ、動画像データ、および音声データを、ネットワーク26を介してサーバ装置25に送信する。なお、1つ以上のセンサ4は、第1情報処理装置21と第2情報処理装置22のいずれかにセンサデータ、体動データ、動画像データ、および音声データを送信してもよい。センサデータは、衣服内温湿度センサ41、体動センサ42、および環境温湿度センサ43によって取得されたデータを含む。体動データは、体動センサ42によって生成されるデータである。動画像データは、撮像装置44によって生成されるデータである。音声データは、マイク45によって生成されるデータである。
【0212】
ネットワーク26を介した通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。ネットワーク26は、例えば、有線ローカルエリアネットワーク(有線LAN)、無線ローカルエリアネットワーク(無線LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)を含む。WANは、例えば、携帯電話網、固定電話網、衛星通信網、専用回線、Asynchronous Transfer Mode(ATM)、Internet Protocol-Virtual Private Network(IP-VPN)を含む。
【0213】
サーバ装置25は、乳幼児30に関するデータを解析して、育児を支援するための情報(育児支援情報)を提供する情報処理装置である。サーバ装置25は、例えば、サーバコンピュータとして実現される。
【0214】
サーバ装置25は、例えば、1つ以上のセンサ4のそれぞれからネットワーク26を介してセンサデータを受信する。あるいは、サーバ装置25は、第1情報処理装置21または第2情報処理装置22のいずれかとネットワーク26とを介して、1つ以上のセンサ4のそれぞれからセンサデータを受信してもよい。
【0215】
また、サーバ装置25は、ネットワーク26を介して、例えば、第1情報処理装置21および第2情報処理装置22のそれぞれと相互に通信可能である。具体的には、サーバ装置25は、例えば、ネットワーク26を介して第1情報処理装置21と第2情報処理装置22の少なくとも一方に、育児支援情報を送信する。なお、サーバ装置25は、ネットワーク26を介して第1情報処理装置21と第2情報処理装置22のいずれかから、センサデータを受信してもよい。サーバ装置25は、センサデータを解析して、育児支援情報を提供するために、例えば、図4を参照して前述した第1実施形態の第1情報処理装置21と同様の構成を有する。
【0216】
第1情報処理装置21は、サーバ装置25からネットワーク26を介して育児支援情報を受信する。第1情報処理装置21は、受信した育児支援情報を第1育児者31に通知する。第1情報処理装置21は、育児支援情報を受信して、第1育児者31に通知するために、例えば、図4を参照して前述した第1実施形態の第2情報処理装置22と同様の構成を有する。
【0217】
第2情報処理装置22は、サーバ装置25からネットワーク26を介して育児支援情報を受信する。第2情報処理装置22は、受信した育児支援情報を第2育児者32に通知する。第2実施形態の第2情報処理装置22の構成は、第1情報処理装置21からではなく、サーバ装置25から育児支援情報を受信することを除いて、図4を参照して前述した第1実施形態の第2情報処理装置22と同様である。
【0218】
以上の構成により、第2実施形態の育児支援システム1Bでは、サーバ装置25が1つ以上のセンサ4からセンサデータを取得し、取得したセンサデータを用いて育児支援情報を第1情報処理装置21と第2情報処理装置22とに提供できる。なお、育児支援情報を提供するための機能に限らず、第1実施形態の第1情報処理装置21の他の機能も、サーバ装置25が有していてもよい。例えば、サーバ装置25は、育児者31または32による情報処理装置21または22に対する操作に基づくフィードバックおよび情報入力を処理する機能を有していてもよい。
【0219】
以上説明したように、第1および第2実施形態によれば、育児者31による乳幼児30の育児を支援できる。衣服内温湿度センサ41は、乳幼児30が着用している衣服の内側と乳幼児30が装着している吸収性物品の外表面のいずれかに取り付けられ、衣服内温湿度センサ41が取り付けられた衣服の内側または吸収性物品の外表面における、衣服内温度データと衣服内湿度データの少なくとも一方を計測する。第1情報処理装置21において、判定部63は、第1期間の衣服内温度データおよび第1期間の衣服内湿度データの少なくとも一方と、第1期間よりも前に取得された衣服内温度データおよび衣服内湿度データに基づいて規定される乳幼児30の快適性の判定条件とを用いて、乳幼児30の快適性を判定する。通知処理部64は、第1期間の衣服内温度データおよび第1期間の衣服内湿度データの少なくとも一方と、乳幼児30の快適性の判定結果とを、第1情報処理装置を使用する育児者31に通知する。
【0220】
これにより、育児者31は、乳幼児30に関するセンサデータ、および乳幼児30の快適性の判定結果を得ることができる。そして、育児者31は、例えば、乳幼児30が快適でない場合に、素早く適切に対処できる。したがって、例えば、乳幼児30の体温を適切な状態に保つような、乳幼児30の快適性を向上でき、育児者31による乳幼児30の育児を支援できる。
【0221】
本発明を実施するに当たり、上記の実施形態は一例であり、具体的な態様を種々に変更して実施できる。
【0222】
前述した本発明の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
<1>
第1情報処理装置と1つ以上のセンサとを含む育児支援システムであって、
前記1つ以上のセンサの内の第1センサは、乳幼児が着用している衣服の内側と前記乳幼児が装着している吸収性物品の外表面のいずれかに取り付けられ、前記第1センサが取り付けられた前記衣服の内側または前記吸収性物品の外表面における、衣服内温度データと衣服内湿度データの少なくとも一方を計測し、
前記第1情報処理装置は、
第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記第1期間よりも前に取得された前記衣服内温度データまたは前記衣服内湿度データに基づいて規定される前記乳幼児の快適性の判定条件とを用いて、前記乳幼児の快適性を判定する判定部と、
前記第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記乳幼児の快適性の判定結果とを、前記第1情報処理装置を使用する育児者に通知する通知処理部とを具備する、
育児支援システム。
<2>
前記第1センサは、前記第1センサが取り付けられた前記衣服の内側または前記吸収性物品の外表面における、時系列の前記衣服内温度データと時系列の前記衣服内湿度データの少なくとも一方を計測し、
前記判定部は、前記時系列の衣服内温度データおよび前記時系列の衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記判定条件とを用いて、前記乳幼児の快適性を判定する、
<1>に記載の育児支援システム。
<3>
前記判定部は、
前記第1期間の前記衣服内温度データが第1温度範囲内であるか、または前記第1期間の前記衣服内湿度データが第1湿度範囲内であるという前記判定条件を満たす場合、前記乳幼児が快適であると判定し、
前記判定条件を満たさない場合、前記乳幼児が快適でないと判定する、
<1>または<2>に記載の育児支援システム。
<4>
前記第1温度範囲は、20℃から37.5℃までの範囲であり、
前記第1湿度範囲は、40%RHから80%RHまでの範囲である、
<3>に記載の育児支援システム。
<5>
前記第1温度範囲および前記第1湿度範囲のそれぞれは、前記乳幼児の年齢または月齢に基づいて変更される、
<3>に記載の育児支援システム。
<6>
前記判定部は、
前記第1センサによって計測された、前記第1期間よりも前であり、且つ前記乳幼児が平常な状態であった直近の第2期間の衣服内温度データを取得し、
前記第2期間の衣服内温度データを用いて、前記第1温度範囲を決定し、
前記第1センサによって計測された、前記第2期間の前記衣服内湿度データを取得し、
前記第2期間の前記衣服内湿度データを用いて、前記第1湿度範囲を決定する、
<3>に記載の育児支援システム。
<7>
前記1つ以上のセンサの内の第2センサは、前記衣服と前記吸収性物品のいずれにも取り付けられず、前記乳幼児が過ごしている環境における、環境温度データと環境湿度データの少なくとも一方を計測し、
前記判定部は、前記第1期間の前記衣服内温度データ、前記第1期間の前記衣服内湿度データ、前記第1期間の前記環境温度データ、および前記第1期間の前記環境湿度データの少なくともいずれかと、前記第1期間よりも前に取得された前記衣服内温度データ、前記衣服内湿度データ、前記環境温度データ、および前記環境湿度データの少なくともいずれかに基づいて規定される前記乳幼児の快適性の判定条件とを用いて、前記乳幼児の快適性を判定し、
前記通知処理部は、前記第1期間の前記衣服内温度データ、前記第1期間の前記衣服内湿度データ、前記第1期間の前記環境温度データ、および前記第1期間の前記環境湿度データの少なくともいずれかと、前記乳幼児の快適性の判定結果とを、前記育児者に通知する、
<1>に記載の育児支援システム。
<8>
前記通知処理部は、さらに、前記判定結果に基づく対処方法を前記育児者に通知する、<1>乃至<7>のいずれか一項に記載の育児支援システム。
<9>
前記第1情報処理装置は、
前記育児者によって前記乳幼児が快適であると判断された第3期間の、前記乳幼児の動作、表情、身体状態、および声の少なくともいずれかを表す第1観察データを、前記育児者による前記第1情報処理装置に対する操作に基づき生成する生成部をさらに具備し、
前記判定部は、前記第1温度範囲および前記第1湿度範囲をそれぞれ、前記第3期間の前記衣服内温度データおよび前記第3期間の前記衣服内湿度データの少なくともいずれかに基づいて決定する、
<3>に記載の育児支援システム。
<10>
前記生成部は、さらに、前記育児者によって前記乳幼児が快適でないと判断された第4期間の、前記乳幼児の動作、表情、身体状態、および声の少なくともいずれかを表す第2観察データを、前記育児者による前記第1情報処理装置に対する操作に基づき生成し、
前記判定部は、前記第1温度範囲および前記第1湿度範囲をそれぞれ、前記第4期間の前記衣服内温度データおよび前記第4期間の前記衣服内湿度データの少なくともいずれかと、にさらに基づいて決定する、
<9>に記載の育児支援システム。
<11>
前記1つ以上のセンサは、第3センサ、第4センサ、および第5センサの少なくともいずれかを含み、
前記第3センサは、前記乳幼児の体動を示す体動データを計測し、
前記第4センサは、前記乳幼児が撮像された動画像データを生成し、
前記第5センサは、前記乳幼児の声を含む音を収集して、前記音の信号に基づく音声データを生成し、
前記第1情報処理装置は、
前記体動データ、前記動画像データ、および前記音声データの少なくともいずれかを用いて、前記乳幼児が快適である第3期間を検出する検出部をさらに具備し、
前記判定部は、前記第1温度範囲および前記第1湿度範囲をそれぞれ、前記第3期間の前記衣服内温度データおよび前記第3期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方に基づいて決定する、
<3>に記載の育児支援システム。
<12>
前記検出部は、さらに、前記体動データ、前記動画像データ、および前記音声データの少なくともいずれかを用いて、前記乳幼児が快適でない第4期間を検出し、
前記判定部は、前記第1温度範囲および前記第1湿度範囲をそれぞれ、前記第4期間の前記衣服内温度データおよび前記第4期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方にさらに基づいて決定する、
<11>に記載の育児支援システム。
<13>
前記第1センサは、第1カバーと、開口部を有する第2カバーとで覆われ、
前記第1センサは、前記第2カバーが、前記衣服の内側と前記吸収性物品の外表面のいずれかに重なり合うように取り付けられる、
<1>乃至<12>のいずれか一項に記載の育児支援システム。
<14>
前記第1センサは、前記開口部を通して前記衣服内温度データと前記衣服内湿度データの少なくとも一方を計測する、
<13>に記載の育児支援システム。
<15>
前記第1カバーと前記第1センサとの間には、断熱材が設けられ、
前記開口部を除く前記第2カバーと、前記第1センサとの間には、断熱材が設けられる、
<13>または<14>に記載の育児支援システム。
<16>
前記第1カバーと前記第2カバーのそれぞれは、断熱材で形成される、
<13>または<14>に記載の育児支援システム。
<17>
前記判定部は、前記第1期間の前記衣服内温度データと前記第1期間の前記衣服内湿度データとを用いて、前記乳幼児による第1の排尿があったか否かを判定し、
前記通知処理部は、前記第1の排尿があった場合、前記乳幼児による排尿を前記育児者に通知する、
<1>乃至<16>のいずれか一項に記載の育児支援システム。
<18>
前記判定部は、前記第1期間の前記衣服内温度データと前記第1期間の前記衣服内湿度データとに基づいて、前記衣服の内側または前記吸収性物品の外表面における温度が前記第1期間内に第1閾値以上上昇し、且つ前記衣服の内側または前記吸収性物品の外表面における湿度が前記第1期間内に第2閾値以上上昇している場合、前記第1の排尿があったと判定する、
<17>に記載の育児支援システム。
<19>
前記判定部は、前記第1の排尿があったと判定した後に、前記第1期間より後の第5期間の前記衣服内温度データと、前記第5期間の前記衣服内湿度データとを用いて、前記乳幼児による前記第1の排尿の次の第2の排尿があったか否かを判定し、
前記通知処理部は、前記第1の排尿があってから、前記乳幼児に対応する排尿間隔が経過しても前記第2の排尿があったと判定されない場合、前記排尿間隔が経過しても排尿がないこと、前記乳幼児に脱水の恐れがあること、および前記乳幼児への水分補給を推奨することの少なくともいずれかを、前記育児者に通知する、
<17>または<18>に記載の育児支援システム。
<20>
前記通知処理部は、前記第1の排尿があったと判定した後に、前記第1期間より後の第5期間の前記衣服内温度データに基づいて、前記衣服の内側または前記吸収性物品の外表面における温度が第3閾値以上低下している場合、前記吸収性物品が冷たい状態であること、および前記吸収性物品の交換を推奨することの少なくともいずれかを、前記育児者に通知する、
<17>または<18>に記載の育児支援システム。
<21>
第2情報処理装置をさらに含み、
前記第1情報処理装置は、
前記第1期間の前記衣服内温度データ、前記第1期間の前記衣服内湿度データ、前記第1期間の環境温度データ、および前記第1期間の環境湿度データの少なくともいずれかと、前記乳幼児の快適性の判定結果と、前記判定結果に基づく対処方法とを、前記第2情報処理装置に送信する送信部をさらに具備する、
<1>乃至<20>のいずれか一項に記載の育児支援システム。
<22>
前記1つ以上のセンサの内の第2センサは、前記衣服と前記吸収性物品のいずれにも取り付けられず、前記乳幼児が過ごしている環境における、環境温度データと環境湿度データの少なくとも一方を計測し、
前記1つ以上のセンサの内の第3センサは、前記衣服の内側と前記吸収性物品の外表面のいずれかに取り付けられ、前記乳幼児の体動データを計測し、
前記判定部は、前記第1期間の前記衣服内温度データ、前記第1期間の前記衣服内湿度データ、前記第1期間の前記環境温度データ、および前記第1期間の前記環境湿度データの少なくともいずれかと、前記第1期間の前記体動データとを用いて、前記乳幼児の快適性を判定する、
<1>乃至<6>のいずれか一項に記載の育児支援システム。
<23>
前記体動データは、前記乳幼児による活動強度、または前記活動強度と任意時間の積算値である活動量を含む、
<22>に記載の育児支援システム。
<24>
前記判定部は、前記第1期間の前記体動データと前記第1期間の前記衣服内温度データとを用いて、前記乳幼児が使用している寝具の乱れがあるか否かを判定し、
前記通知処理部は、前記寝具の乱れがある場合、前記寝具の乱れを前記育児者に通知する、
<22>に記載の育児支援システム。
<25>
前記判定部は、前記第1期間の前記体動データと前記第1期間の前記衣服内温度データとに基づいて、前記乳幼児の活動量が第4閾値以上であった後に、前記衣服の内側または前記吸収性物品の外表面における温度が低下している場合、前記寝具の乱れがあると判定する、
<24>に記載の育児支援システム。
<26>
第2情報処理装置をさらに含み、
前記第1情報処理装置は、
前記第1期間の前記衣服内温度データ、前記第1期間の前記衣服内湿度データ、前記第1期間の環境温度データ、前記第1期間の環境湿度データ、および前記第1期間の体動データの少なくともいずれかと、前記乳幼児の快適性の判定結果と、前記判定結果に基づく対処方法とを、前記第2情報処理装置に送信する送信部をさらに具備する、
<22>乃至<25>のいずれか一項に記載の育児支援システム。
<27>
前記判定部は、前記乳幼児が入眠した後、特定の時間が経過するまでの第6期間の前記衣服内温度データに、前記乳幼児が入眠した時点の前記衣服内温度データよりも低い衣服内温度データが含まれていない場合、前記乳幼児の身体に掛けられた寝具が過剰であると判定し、
前記通知処理部は、前記乳幼児の身体に掛けられた寝具が過剰であると判定された場合、前記乳幼児の身体に掛けられた寝具が過剰であることを前記育児者に通知する、
<1>乃至<6>のいずれか一項に記載の育児支援システム。
<28>
前記判定部は、
睡眠中である前記乳幼児の前記衣服内温度データを用いて、直近の単位期間における衣服内温度の変化量を算出し、
前記算出された変化量が第2温度範囲内の上昇である場合、前記乳幼児の起床の前兆があると判定し、
前記通知処理部は、前記乳幼児の起床の前兆があると判定された場合、前記乳幼児の起床の前兆があることを前記育児者に通知する、
<1>乃至<6>のいずれか一項に記載の育児支援システム。
<29>
前記判定部は、前記乳幼児が快適でないと判定される前記判定条件と、前記判定条件を満たす場合の対処方法とを含む判定テーブルを用いる、
<1>に記載の育児支援システム。
<30>
前記判定部は、前記判定条件を満たす場合、前記乳幼児が快適でないと判定する、
<29>に記載の育児支援システム。
<31>
前記通知処理部は、前記判定条件を満たす場合、前記判定条件を満たす場合の対処方法を前記育児者に通知する、
<29>または<30>に記載の育児支援システム。
<32>
前記第2情報処理装置は、
前記第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記乳幼児の快適性の判定結果とを、前記第2情報処理装置を使用する育児者に通知する通知処理部を具備する、
<21>に記載の育児支援システム。
<33>
前記第2情報処理装置は、
前記第1期間の前記衣服内温度データ、前記第1期間の前記衣服内湿度データ、前記第1期間の前記環境温度データ、前記第1期間の前記環境湿度データ、および前記第1期間の前記体動データの少なくともいずれかと、前記乳幼児の快適性の判定結果と、前記判定結果に基づく対処方法とを、前記第2情報処理装置を使用する育児者に通知する通知処理部を具備する、
<26>に記載の育児支援システム。
<34>
情報処理装置であって、
乳幼児が着用している衣服の内側と前記乳幼児が装着している吸収性物品の外表面のいずれかに取り付けられた第1センサから、前記第1センサが取り付けられた前記衣服の内側または前記吸収性物品の外表面における、衣服内温度データと衣服内湿度データの少なくとも一方を受信する受信部と、
第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記第1期間よりも前に取得された前記衣服内温度データまたは前記衣服内湿度データに基づいて規定される前記乳幼児の快適性の判定条件とを用いて、前記乳幼児の快適性を判定する判定部と、
前記第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記乳幼児の快適性の判定結果とを、前記情報処理装置を使用する育児者に通知する通知処理部とを具備する、
情報処理装置。
<35>
情報処理装置であって、
乳幼児が着用している衣服の内側と前記乳幼児が装着している吸収性物品の外表面のいずれかに取り付けられた第1センサから、前記第1センサが取り付けられた前記衣服の内側または前記吸収性物品の外表面における、衣服内温度データと衣服内湿度データの少なくとも一方を受信し、
前記衣服と前記吸収性物品のいずれにも取り付けられていない第2センサから、前記乳幼児が過ごしている環境における、環境温度データと環境湿度データの少なくとも一方を受信する受信部と、
第1期間の前記衣服内温度データ、前記第1期間の前記衣服内湿度データ、前記第1期間の前記環境温度データ、および前記第1期間の前記環境湿度データの少なくともいずれかと、前記第1期間よりも前に取得された前記衣服内温度データ、前記衣服内湿度データ、前記環境温度データ、および前記環境湿度データの少なくともいずれかに基づいて規定される前記乳幼児の快適性の判定条件とを用いて、前記乳幼児の快適性を判定する判定部と、
前記第1期間の前記衣服内温度データ、前記第1期間の前記衣服内湿度データ、前記第1期間の前記環境温度データ、および前記第1期間の前記環境湿度データの少なくともいずれかと、前記乳幼児の快適性の判定結果と、前記判定結果に基づく対処方法とを、前記情報処理装置を使用する育児者に通知する通知処理部とを具備する、
情報処理装置。
<36>
情報処理装置を制御する育児支援方法であって、
乳幼児が着用している衣服の内側と前記乳幼児が装着している吸収性物品の外表面のいずれかに取り付けられた第1センサから、前記第1センサが取り付けられた前記衣服の内側または前記吸収性物品の外表面における、衣服内温度データと衣服内湿度データの少なくとも一方を受信することと、
第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記第1期間よりも前に取得された前記衣服内温度データまたは前記衣服内湿度データに基づいて規定される前記乳幼児の快適性の判定条件とを用いて、前記乳幼児の快適性を判定することと、
前記第1期間の前記衣服内温度データおよび前記第1期間の前記衣服内湿度データの少なくとも一方と、前記乳幼児の快適性の判定結果とを、前記情報処理装置を使用する育児者に通知することと、
を含む育児支援方法。
<37>
情報処理装置を制御する育児支援方法であって、
乳幼児が着用している衣服の内側と前記乳幼児が装着している吸収性物品の外表面のいずれかに取り付けられた第1センサから、前記第1センサが取り付けられた前記衣服の内側または前記吸収性物品の外表面における、衣服内温度データと衣服内湿度データの少なくとも一方を受信することと、
前記衣服と前記吸収性物品のいずれにも取り付けられていない第2センサから、前記乳幼児が過ごしている環境における、環境温度データと環境湿度データの少なくとも一方を受信することと、
第1期間の前記衣服内温度データ、前記第1期間の前記衣服内湿度データ、前記第1期間の環境温度データ、および前記第1期間の環境湿度データの少なくともいずれかと、前記第1期間よりも前に取得された前記衣服内温度データ、前記衣服内湿度データ、前記環境温度データ、および前記環境湿度データの少なくともいずれかに基づいて規定される前記乳幼児の快適性の判定条件とを用いて、前記乳幼児の快適性を判定することと、
前記第1期間の前記衣服内温度データ、前記第1期間の前記衣服内湿度データ、前記第1期間の前記環境温度データ、および前記第1期間の前記環境湿度データの少なくともいずれかと、前記乳幼児の快適性の判定結果と、前記判定結果に基づく対処方法とを、前記情報処理装置を使用する育児者に通知することと、
を含む育児支援方法。
【符号の説明】
【0223】
1A 育児支援システム
21 第1情報処理装置
22 第2情報処理装置
30 乳幼児
31 第1育児者
32 第2育児者
4 センサ
41 衣服内温湿度センサ
42 体動センサ
43 環境温湿度センサ
44 撮像装置
45 マイク
411 第1カバー
412 第2カバー
413 温度センサ部
414 湿度センサ部
415 通信部
416 止着材
417 開口部
51 CPU
52 RAM
53 記憶装置
54 タッチスクリーンディスプレイ
55 第1通信部
56 第2通信部
57 振動部
58 スピーカ
521 OS
522 育児支援プログラム
531 個人データベース
532 快適性判定テーブル
533 体動データ
534 動画像データ
535 音声データ
61 受信処理部
62 格納処理部
63 判定部
64 通知処理部
65 送信処理部
67 フィードバック処理部
68 観察データ生成部
69 検出部
631 快適性判定部
632 睡眠状態判定部
633 排泄状態判定部
61C 受信処理部
64C 通知処理部
1B 育児支援システム
25 サーバ装置
26 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14