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特開2024-169415制御装置、特にステアリング制御装置
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  • 特開-制御装置、特にステアリング制御装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169415
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】制御装置、特にステアリング制御装置
(51)【国際特許分類】
   B62D 5/04 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
B62D5/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024084761
(22)【出願日】2024-05-24
(31)【優先権主張番号】10 2023 204 901.5
(32)【優先日】2023-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】390023711
【氏名又は名称】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン エーラート
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル フレーリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】シュテフェン クーン
【テーマコード(参考)】
3D333
【Fターム(参考)】
3D333CB02
3D333CB12
3D333CB21
3D333CB27
3D333CC05
3D333CC44
3D333CC47
3D333CD04
3D333CD14
3D333CD30
3D333CD55
3D333CD60
3D333CE03
3D333CE05
3D333CE19
3D333CE20
3D333CE36
(57)【要約】
【課題】本発明は、電気モータ(18)を駆動制御するための及び/又は電気モータ(18)の少なくとも1つの動作量を検出するための、相互に独立した別個の少なくとも2つの部分システム(14,16)を含む電子部品ユニット(12)と、当該電子部品ユニット(12)を配置したプリント回路板(20)と、を備えている制御装置(10)、特にステアリング制御装置に関する。
【解決手段】プリント回路板(20)が、2つの部分システム(14,16)を相互に電気的に分離する少なくとも1つの非導電性の分離セクション(22)を有することが提案される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータ(18)を駆動制御するための及び/又は電気モータ(18)の少なくとも1つの動作量を検出するための、相互に独立した別個の少なくとも2つの部分システム(14,16)を含む電子部品ユニット(12)と、
前記電子部品ユニット(12)を配置したプリント回路板(20)と、
を備えている制御装置(10)、特にステアリング制御装置において、
前記プリント回路板(20)は、前記2つの部分システム(14,16)を相互に電気的に分離する少なくとも1つの非導電性の分離セクション(22)を有する
ことを特徴とする制御装置(10)。
【請求項2】
前記分離セクション(22)は、前記プリント回路板(20)の第1の側縁(24)から、前記プリント回路板(20)の前記第1の側縁(24)とは反対側の第2の側縁(26)まで延在している、請求項1に記載の制御装置(10)。
【請求項3】
前記分離セクション(22)は、その全長にわたって直線状の延在部を有している、請求項1又は2に記載の制御装置(10)。
【請求項4】
前記分離セクション(22)は、前記プリント回路板(20)と一体に形成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の制御装置(10)。
【請求項5】
前記分離セクション(22)は、絶縁層として前記プリント回路板(20)の表面に直接に被着されている、請求項4に記載の制御装置(10)。
【請求項6】
前記分離セクション(22)は、前記プリント回路板(20)によって直接に形成され、隆起部又は凹部として形成されている、請求項4に記載の制御装置(10)。
【請求項7】
前記部分システム(14,16)間の通信接続を形成する通信ユニット(28)が設けられている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の制御装置(10)。
【請求項8】
前記通信ユニット(28)は、少なくとも1つのCAN通信機(30)及び/又は少なくとも1つの過電圧保護用分離エレメントを含む、請求項7に記載の制御装置(10)。
【請求項9】
アクチュエータアセンブリ(32)、特にステアリングアクチュエータであって、
少なくとも1つの電気モータ(18)と、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の少なくとも1つの制御装置(10)と、
を備えているアクチュエータアセンブリ(32)。
【請求項10】
請求項9に記載の少なくとも1つのアクチュエータアセンブリ(32)を備えているステアリングシステム(34)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来技術
本発明は、請求項1の上位概念に記載の制御装置を起点とする。また、本発明は、このような制御装置を備えているアクチュエータアセンブリ、及び、このようなアクチュエータアセンブリを備えているステアリングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、電気モータと、当該電気モータの動作を制御する制御装置とを備えているステアリングアクチュエータを含むステアリングシステムが公知である。制御装置は、この場合一般に、電気モータに隣接する電子部品ハウジングと、電気モータを駆動制御するための及び/又は電気モータの少なくとも1つの動作量を検出するための、電子部品ハウジング内に配置された電子部品ユニットとを含む。これらに関しては、例として、相応のアクチュエータアセンブリを開示した独国特許出願公開第112019005409号明細書を参照されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第112019005409号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここを起点として、本発明の課題は、特に、絶縁作用に関して改善された特性を有する制御装置を提供することにある。この課題は、請求項1、請求項9及び請求項10に記載の特徴により解決され、一方、本発明の有利な構成及び発展形態は、各従属請求項から導出することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の開示
本発明は、制御装置、特にステアリング制御装置であって、電気モータを駆動制御するための及び/又は電気モータの少なくとも1つの動作量を検出するための、特に電気的な及び/又は電子的な、相互に独立した別個の少なくとも2つの部分システムを含む電子部品ユニットと、当該電子部品ユニットを配置したプリント回路板と、を備えている制御装置を起点とする。
【0006】
プリント回路板が、2つの部分システムを相互に電気的に分離する少なくとも1つの非導電性の分離セクションを有することが提案される。こうした構成により、特に改善された絶縁作用を達成することができる。特に、これにより、導電性粒子が2つの部分システム双方の故障を発生させることを防止することができる。また、有利な構造を有する制御装置を提供することができる。さらに有利には、効率、特に構造空間効率、モジュール効率、出力効率及び/又はコスト効率を改善することができる。
【0007】
こうした関連において、「制御装置」とは、少なくとも1つの動作状態においてアクチュエータアセンブリの少なくとも1つの電気モータの動作制御のために設けられているアクチュエータアセンブリの少なくとも一部分、特にサブアセンブリであると理解されたい。電気モータは、例えばブラシレスモータとして、有利には、非同期モータとして、又は、永久磁石同期モータとして構成可能である。さらに、電気モータは、有利には、特に収容ハウジングとして形成されたモータハウジング及び/又は少なくとも1つの収容シールドを含み得る。さらに、制御装置は、好適には、特に電気モータ、有利には収容シールドに隣接しており、好ましくは電気モータに直接に結合されている電子部品ハウジングを含み、この電子部品ハウジング内に少なくとも電子部品ユニットとプリント回路板とが配置されている。さらに、電子部品ユニットの部分システムは、好適には、それぞれ電気モータを駆動制御するために及び/又は電気モータの少なくとも1つの動作量を検出するために設けられている冗長的な部分システムである。この場合、部分システムのそれぞれは、電気モータを駆動制御するための特に制御論理回路及び/又はパワーエレクトロニクスの形態の駆動制御電子回路、及び/又は、電気モータの少なくとも1つの動作量、例えば、ロータ位置及び/又は温度を検出するための検出電子回路を含み得る。さらに、プリント回路板は、特にベースボディの形態の支持体基板と、好ましくはこの支持体基板上に配置された少なくとも1つの導体路とを含む。分離セクションは、例えば、分離間隔として構成可能である。ただし、好ましくは、分離セクションは、身体的な及び/又は物理的なバリア、特に分離バリア及び/又は絶縁バリアとして形成されており、特に、空隙とは異なるものである。特に有利には、分離セクションの寸法、特に幅及び/又は高さは、製造の際に存在する及び/又は発生する全ての導電性の物体、特に粒子が部分システム間に不所望の電気的接続を形成することがないように選択されている。有利には、分離セクションは、この場合、少なくとも0.5mm、特に少なくとも2mm及び/又は最大10mm、特に最大5mmの幅及び/又は高さを有し得る。なお「設けられている」とは、特に、特別に設計されている及び/又は構成されていることであると理解されたい。物体が所定の機能を行うために設けられているとは、当該物体が当該所定の機能を少なくとも適用状態及び/又は動作状態において充足する及び/又は実行することであると理解されたい。
【0008】
有利には、さらに、分離セクションが、プリント回路板の第1の側縁からプリント回路板の第1の側縁とは反対側の第2の側縁まで延在することが提案される。特にこの場合、分離セクションは、プリント回路板の表面を、2つのプリント回路板セクション、特に左側及び右側のプリント回路板セクション又は上方及び下方のプリント回路板セクションへと分離し、ここで、一方の部分システムは、プリント回路板セクションのうちの第1のプリント回路板セクションに配置されており、他方の部分システムは、プリント回路板セクションうちの第2のプリント回路板セクションに配置されている。これにより、特に、各部分システムの特に効果的な分離を達成することができる。
【0009】
分離セクションは、例えば、湾曲した及び/又は曲線状の延在部を有するものとしてよい。ただし、好ましくは、分離セクションは、その全長にわたって直線状の延在部を有し、特に、例えば、屈折部及び/又は曲線部の形態の方向変化部を有さないことが提案される。これにより、特に、部分システムの有利には対称の配置を達成することができ、及び/又は、製造コストを最小化することができる。
【0010】
さらに、分離セクションがプリント回路板と一体に形成されており、すなわち、少なくとも材料接続によって接続されることが提案される。特に、この場合の分離セクションは、プリント回路板と分離不能に接続されている。これにより、特に、効率、特にモジュール効率、製造効率及び/又はコスト効率を改善することができる。
【0011】
一態様によれば、分離セクションは、絶縁層としてプリント回路板の表面に直接に被着されている。有利には、プリント回路板の支持体基板と絶縁層とは、この場合、少なくとも部分的にそれぞれ異なる材料から成るものとしてよい。これにより、特に、有利なフレキシビリティ及び/又は可変性を達成することができる。
【0012】
代替的に、分離セクションが、プリント回路板、特に支持体基板によって直接に形成され、特に支持体基板の隆起部及び/又は凹部として形成されることが提案される。よって、この場合、分離セクションは物理的なバリアに相当する。基本的に、分離セクションは、この場合、特に相互に列を成す及び/又は平行にオフセットされた複数の隆起部及び/又は凹部を有するものとしてよい。これにより特に、材料コスト及び/又は必要な製造ステップを低減することができる。
【0013】
さらに、制御装置は、部分システム間の通信接続を形成する通信ユニットを含むことが提案される。好ましくは、この場合、通信ユニットは、少なくとも1つのCAN通信機及び/又は少なくとも1つの過電圧保護用分離エレメントを含み得るものであり、これにより、有利には、故障及びこうした故障から過電圧が発生した場合にも、通信接続において障害のない部分機械が保護されたままとなる。したがって、ここでの方式によれば、ランダムなハードウェアエラー及び/又は導電性粒子が2つの部分システム双方の故障を発生させる可能性が排除される。これにより、部分システム間の有利に確実な通信を実現することができる。
【0014】
ここで、制御装置、アクチュエータアセンブリ及びステアリングシステムは、上述した用途及び実施形態に限定されるべきものではない。特に、制御装置、アクチュエータアセンブリ及びステアリングシステムは、本明細書に記載する機能を果たすために、本明細書に記載する数とは異なる数の個々のエレメント、モジュール及びユニットを有するものとしてもよい。
【0015】
他の利点は、以下の図面の説明から得られる。図面には、本発明の実施例が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】電気モータと制御装置とを含むステアリングアクチュエータとして構成されたアクチュエータアセンブリを備えている例示的なステアリングシステムの一部を示す斜視図である。
図2】アクチュエータアセンブリのセクションを示す概略図である。
図3】制御装置の少なくとも一部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施例の説明
以下の実施例は、例えば、ステアリングシステムに関する。ただし、本発明は、基本的にはステアリングシステムにおける使用に限定されるものではなく、例えば、車両の他の領域、例えばパワーウィンドウシステム及び/又は駆動システムにおいても、及び/又は、他の電子回路システム、例えば家庭用装置及び/又は工作機械の領域においても、使用することができる。
【0018】
図1には、例としてステアリングシステム34の少なくとも一部が斜視図で示されている。ステアリングシステム34は、例示的に、電動アシストステアリングシステムとして構成されている。ステアリングシステム34は、例えば、従来のステアリングシステムとして構成されており、パワーステアリング部の形態の電動アシストパワーステアリング部を含む。ステアリングシステム34はさらに、車両(図示せず)、特に自動車における使用のために設けられている。ステアリングシステム34は、取り付けられた状態において車両の車輪(図示せず)と動作可能に接続されており、車両の走行方向に作用するように設けられている。ただし、代替的に、ステアリングシステムをステアバイワイヤステアリングシステムとして構成することも考えられる。
【0019】
ステアリングシステム34は、例としてラック式ステアリングギヤとして構成されたステアリングギヤ36を含み、このステアリングギヤ36は、操舵設定を車輪の操舵運動へ変換するために設けられている。このために、ステアリングギヤ36は、この場合には特にラックとして形成された少なくとも1つのステアリング調整エレメント38を含む。
【0020】
さらに、ステアリングシステム34は、少なくとも1つのアクチュエータアセンブリ32を含む。アクチュエータアセンブリ32は、ステアリングアクチュエータとして構成されており、かつ、ステアリング調整エレメント38に動作可能に接続されている。アクチュエータアセンブリ32は、操舵トルクを形成するために設けられている。この場合、アクチュエータアセンブリ32は、支援トルク及び/又はサーボトルクの形態の操舵トルクを形成し、特に操舵支援のためにステアリングギヤ36へ導入するために設けられている。しかし、代替的に、アクチュエータアセンブリは、ステアバイワイヤステアリングシステムの一部であるものとしてもよい。この場合、アクチュエータアセンブリは、特に車輪操舵角調整器において使用され、特に車両の走行方向を直接に制御するための操舵トルクを形成するために設けることができる。また、アクチュエータアセンブリは、この場合、ステアバイワイヤステアリングシステムの操作ユニットにおける使用のため、さらにステアリングホイールへのフィードバックトルク及び/又は戻しトルクを形成するためにも設けられ得る。なお、アクチュエータアセンブリは、冒頭において言及したように、ステアリングシステムとは無関係に使用することもできる。
【0021】
アクチュエータアセンブリ32は、それ自体公知の電気モータ18を含む(特に図2を参照)。電気モータ18は、永久磁石同期モータとして構成されており、操舵トルクを生成するために設けられている。電気モータ18は、特に外側ハウジングとして形成されたモータハウジング40と、モータハウジング40内に配置されたステータ(図示せず)と、モータハウジング40内に配置されたロータ(図示せず)と、モータハウジング40内に配置された、電気モータ18の回転軸線を規定するモータ軸42とを有している。
【0022】
さらに、アクチュエータアセンブリ32は制御装置10を有している(特に図2を参照)。制御装置10は、この場合、ステアリング制御装置として構成されている。制御装置10は、電子部品ハウジング44を含む。電子部品ハウジング44は外側ハウジングとして形成されている。電子部品ハウジング44は収容ハウジングとして形成されている。電子部品ハウジング44は、電気モータ18に直接に隣接しており、かつ、電気モータ18のモータ軸42に対して軸線方向に配置されている。電子部品ハウジング44は、電気モータ18、特にモータハウジング40に結合されている。
【0023】
さらに、制御装置10は、電子部品ユニット12を含む。電子部品ユニット12は、電子部品ハウジング44内に配置されており、電気モータ18を駆動制御するために及び/又は電気モータ18の少なくとも1つの動作量を検出するために設けられている。このために、電子部品ユニット12は、相互に冗長的に構成された、相互に独立した別個の2つの部分システム14,16を含む。この場合、部分システム14,16のそれぞれが、電気モータ18を駆動制御する駆動制御電子回路(図示せず)と、電気モータ18の少なくとも1つの動作量を検出する検出電子回路(図示せず)とを含む。ただし、基本的には、部分システムは、相互に異なるように構成されるものとしてよい。また、電気モータを駆動制御するための、又は、電気モータの少なくとも1つの動作量を検出するための少なくとも1つの部分システムを設けることもできる。
【0024】
電子部品ユニット12を収容するために、制御装置10はさらに、プリント回路板20を含む。本実施例においては、制御装置10は、正確に1つのプリント回路板20を含む。したがって、電子部品ユニット12全体と、特に部分システム14,16とがプリント回路板20上に配置されている。プリント回路板20は、一体型に構成されており、すなわち、プリント回路板20の全ての部分が少なくとも材料接続によって相互に接続されている。プリント回路板20はさらに、リジッドに及び/又は形状安定的に構成されている。代替的に、制御装置は、複数の、特に少なくとも2つ又は少なくとも3つのプリント回路板を含むこともあり得る。さらに、プリント回路板は、基本的に、フレキシブル回路板又はリジッド-フレキシブルプリント回路板として構成されるものとしてもよい。
【0025】
絶縁作用を改善するために、プリント回路板20は、この場合、さらに非導電性の分離セクション22を含み、この非導電性の分離セクション22が、2つの部分システム14,16を相互に電気的に分離する(特に図3も参照)。分離セクション22は、身体的な及び/又は物理的なバリアとして形成されており、単なる空隙とは異なるものである。分離セクション22は、プリント回路板20と一体に形成されており、したがって、プリント回路板20と分離不能に接続されている。ここで、分離セクション22は、絶縁層としてプリント回路板20の表面に直接に被着されるものとしてもよいし、及び/又は、プリント回路板20によって直接に隆起部若しくは凹部として形成されるものとしてもよい。なお、代替的に、分離セクションは、原則として分離間隔であるものとしてもよい。さらに、分離セクション22は、プリント回路板20の第1の側縁24から、このプリント回路板20の第1の側縁24とは反対側の第2の側縁26まで延在している。これにより、分離セクション20は、プリント回路板20の表面を、相互に分離された2つのプリント回路板セクション46,48、特に、左側及び右側のプリント回路板セクションへと分離し、ここで、一方の部分システム14は、プリント回路板セクション46,48のうちの第1のプリント回路板セクション46に配置されており、他方の部分システム16は、プリント回路板セクション46,48のうちの第2のプリント回路板セクション48に配置されている。また、分離セクション22は、その全長にわたって直線状に延在しているので、例えば屈折部及び/又は曲線部の形態の方向変化部を有していない。ただし、基本的には、湾曲した及び/又は曲線状の延在部も考えられる。さらに、分離セクション22の寸法、特に幅及び/又は高さは、ここでは、制御装置内に存在する及び/又は発生する導電性粒子が部分システム14,16間の不所望の電気的接続を形成することがないように選択されている。この場合の幅及び/又は高さは、0.5mmから10mmまでの間である。
【0026】
2つの部分システム14,16間の通信を可能にするために、制御装置10はさらに、通信ユニット28を含む。通信ユニット28は、部分システム14,16間の通信接続を形成するように構成されている。この目的のために、通信ユニット28は、ここでは少なくとも1つのCAN通信機30を含む。ただし、代替的に、通信ユニットが過電圧保護用分離エレメントを含むものとしてもよい。これにより、通信接続において故障及びこうした故障から過電圧が発生した場合にも、損傷のない部分機械14,16が保護されたままとなることを保証することができる。したがって、こうした方式により、ランダムなハードウェアエラー及び/又は導電性粒子が2つの部分システム14,16双方の故障を発生させる可能性が排除される。
図1
図2
図3
【外国語明細書】