(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016942
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】空気清浄機
(51)【国際特許分類】
B03C 3/74 20060101AFI20240201BHJP
B03C 3/02 20060101ALI20240201BHJP
B03C 3/40 20060101ALI20240201BHJP
A61L 9/16 20060101ALI20240201BHJP
F24F 8/80 20210101ALI20240201BHJP
F24F 8/26 20210101ALI20240201BHJP
F24F 11/65 20180101ALI20240201BHJP
【FI】
B03C3/74 E
B03C3/02 A
B03C3/40 B
A61L9/16 F
A61L9/16 Z
F24F8/80 140
F24F8/26
F24F11/65
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119252
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000109026
【氏名又は名称】ダイニチ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智之
(72)【発明者】
【氏名】草▲なぎ▼ 明彦
(72)【発明者】
【氏名】宗村 勇武
【テーマコード(参考)】
3L260
4C180
4D054
【Fターム(参考)】
3L260AB18
3L260BA34
3L260CB62
3L260CB68
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4C180AA02
4C180AA07
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4D054AA13
4D054BA01
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4D054DA15
4D054DA16
4D054DA17
4D054EA11
4D054EA22
(57)【要約】
【課題】ユーザーの使用感を損なわず、適切なタイミングで電気集塵部10を自動作動させて効率よくオゾンによる内部クリーン作動をおこなうことができるとともに、オゾン濃度が許容範囲以上に上昇することを防止できる空気清浄機を提供すること。
【解決手段】ダストセンサーの検知状況に応じて電気集塵部10を作動させる通電制御部
に、電気集塵部10を自動作動させ発生するオゾンにより内部クリーン作動をおこなう自動内部クリーン作動制御機構を備え、この内部クリーン作動の条件は、運転中であって積算運転時間が所定時間以上経過していて、且つ運転開始スイッチ・運転モード切り替えスイッチ操作から所定時間以上経過していることとした空気清浄機。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気を吸気する吸気部と、この吸気部から吸気される空気中の塵を付着除去して空気を浄化する集塵部と、浄化した空気を吹き出す吹き出し部と、前記吸気部から吸気し前記吹き出し部から吹き出す前記空気の流れを生む送風部とが備えられている空気清浄機であって、
前記集塵部は、イオン化電極が備えられているイオン化電極部と、このイオン化電極と間隔を置いて配設される集塵電極が備えられている集塵電極部とからなり、このイオン化電極とこれと離間している前記集塵電極とに電圧を印加して、通過する空気中の塵を静電化し前記集塵電極に静電吸着させる構成の電気集塵部からなる構成とされていて、
ダストセンサーまたはガスセンサーの検知状況に応じて前記イオン化電極に通電し前記電圧を印加して前記電気集塵部を作動させる通電制御部が備えられていて、
この通電制御部は、内部クリーン作動条件が満たされた際に、前記イオン化電極に通電して前記電気集塵部を自動作動させ発生するオゾンにより除菌またはウイルスを不活化させる内部クリーン作動をおこなう自動内部クリーン作動制御機構が備えられている構成とされていて、
この内部クリーン作動を行う自動内部クリーン作動制御機構の前記内部クリーン作動条件は、第1作動条件として運転中であって積算運転時間が所定時間以上経過していて、且つ第2作動条件として運転開始スイッチ操作および運転モード切り替えスイッチの操作の遅い方から所定時間以上経過していることが必須条件とされていることを特徴とする空気清浄機。
【請求項2】
前記内部クリーン作動条件は、前記第1作動条件および前記第2作動条件に加えて第3作動条件として前記ダストセンサーにより検知され判定されるダストレベルが前記電気集塵部を作動させないダストレベルにある検知状況であることも必須条件とされていることを特徴とする請求項1記載の空気清浄機。
【請求項3】
前記電気集塵部を自動作動制御して前記内部クリーン作動をおこなう前記自動内部クリーン作動制御機構は、室温センサーにより室温が所定温度以下あることが検知されることを含む内部クリーン非作動条件が満たされている際は、前記電気集塵部を自動作動させず前記内部クリーン作動をおこなわない制御機構が備えられている構成であることを特徴とする請求項1記載の空気清浄機。
【請求項4】
前記電気集塵部を自動作動制御して前記内部クリーン作動をおこなう前記自動内部クリーン作動制御機構は、室温センサーにより検知される室温に応じて前記電気集塵部10の自動作動時間である内部クリーン作動時間が決定され、この内部クリーン作動時間は前記室温が低いほど短く設定されている制御機構が備えられている構成であることを特徴とする請求項1記載の空気清浄機。
【請求項5】
前記電気集塵部を自動作動制御して前記内部クリーン作動をおこなう前記自動内部クリーン作動制御機構は、前記電気集塵部を自動作動させて前記内部クリーン作動を開始した後に、前記室温が低下したことが検知された際には、前記内部クリーン作動を中止または前記内部クリーン作動時間を短い時間に変更設定する制御機構が備えられている構成であることを特徴とする請求項4記載の空気清浄機。
【請求項6】
前記電気集塵部の下流側もしくは上流側に、通過する空気中の塵を付着させる集塵フィルターが備えられている集塵フィルター部が、前記電気集塵部とは別の前記集塵部として設けられていて、前記電気集塵部が作動していなくても前記集塵フィルター部により空気が浄化される構成とされていて、
前記電気集塵部を自動作動制御する前記自動内部クリーン作動制御機構は、前記内部クリーン作動を終了した後は内部クリーン作動前の運転モードに戻る制御機構が備えられている構成であることを特徴とする請求項1記載の空気清浄機。
【請求項7】
前記電気集塵部および前記集塵フィルター部は、前記吸気部から吸気され前記吹き出し部から排出される空気の送風通路部全面に設けられている構成であり、
前記電気集塵部の下流側に、前記集塵フィルター部が設けられていて、
前記電気集塵部を自動作動制御する前記自動内部クリーン作動制御機構により前記内部クリーン作動をおこなうことで、この電気集塵部および前記集塵フィルター部を除菌またはウイルスを不活化する構成とされていることを特徴とする請求項6記載の空気清浄機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気中の埃、花粉、臭い成分、PM2.5、ウイルスなどの塵を除去して空気を浄化する空気清浄機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
吸気部から吸気され通過する空気中の塵を集塵フィルターに付着させて除去し空気を浄化する集塵フィルター部や、たとえば汚れセンサー(ダストセンサーやガスセンサー)により汚れが酷い(ダストレベルが高い)と判定されたときに通電制御して通過する空気中の塵を静電化しこの塵を集塵電極に静電吸着させて除去し空気を浄化する電気集塵部を本体部に設け、この集塵フィルター部や電気集塵部などの集塵部を通過させることで浄化した空気を送風部により吹き出し部から吹き出すように構成した空気清浄機が好評である。
【0003】
たとえば、このような空気清浄機では、本体部に集塵フィルター部を着脱自在に装着した構成とし、さらにこの集塵フィルター部の上流側もしくは下流側に前記電気集塵部を着脱自在に装着した構成としてもよい。
【0004】
またこのような空気清浄機の電気集塵部は、たとえばイオン化電極を多数並設し、この各イオン化電極とそれぞれ間隔を置いて集塵電極を多数並設した構成で、汚れが酷く(ダストレベルが高く)集塵浄化能力を上げたいときには、電圧供給部(高圧電源)に接触導通している電極端子部を介して通電制御することでイオン化電極に通電したとえばこの各イオン化電極を正極、これと離間対向している各集塵電極を負極として電圧が印加されて、これを通過する空気中の塵が静電化され負極の各集塵電極に静電吸着されて除去され空気が浄化される構成としている。
【0005】
またこのような空気清浄機では、通常はダストセンサーやニオイセンサー(ガスセンサー)のレベルに応じて送風部(送風ファン)の送風量を制御して、汚れ具合に応じて効率よく速やかに前記集塵フィルター部により空気を浄化する構成としているが、たとえば前述したように前記集塵フィルター部に加えて電気集塵部を並設し、ダストレベルが高いときには前記電気集塵部を通電制御して作動させ、さらに集塵浄化能力を上げるように構成することが望ましい。
【0006】
またこのような電気集塵部は、高電圧を印加して作動させるため、前記集塵浄化作用効果が発揮されるとともにオゾンを発生させることから、従来このオゾンを利用して適宜内部クリーンをおこなうように制御するものもある。
【0007】
すなわち、集塵フィルターや集塵電極、送風経路壁面などに付着した塵中の菌やウイルスなどは付着しているだけで死滅していないまたは不活化していない場合がありこれが再放散する可能性もある。そこで、従来、塵の集塵浄化とは別に適宜前記電気集塵部を作動させてオゾンを発生させこのオゾンで除菌や不活化を図る内部クリーン作動をおこなうよう制御する自動内部クリーン作動制御機構を電気集塵部の通電制御部に備えた空気清浄機が提案されている。
【0008】
このような電気集塵部を利用した内部クリーン制御は、筐体内部を清浄な状態に維持させることができ、除菌だけでなくウイルスを不活化し、不活化していないウイルスの再放散も防止でき、この清浄性能の低下もない。
【0009】
たとえば従来、このような内部クリーン制御として、特許文献1のように本機の積算運転時間が所定時間経過したときに、電気集塵部を自動作動させてこの内部クリーン作動をおこなうものや、特許文献2のように室内がきれいと検知判断されているときに内部クリーン作動をおこなうものや、ユーザーの指示(操作)で内部クリーン作動をおこなうものなどがある。
【0010】
しかし、単にこの電気集塵部を作動させて内部クリーン作動をおこなうと、この内部クリーン作動は発生するオゾンにより清浄化を図るものであるため、オゾン濃度の上昇を招くおそれがあり、またたとえば通常の集塵浄化作動やこの内部クリーン作動とが頻繁にまたは繰り返しおこなわれてしまうとユーザーの使用感を損なうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009-085579号公報
【特許文献2】特開2000-005634号公報
【特許文献3】特開2002-228227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、このような問題点を見出し、これを解決するもので、ユーザーの使用感を損なわず、適切なタイミングで電気集塵部を自動作動させて効率よくオゾンによる内部クリーン作動をおこなうことができるとともに、オゾン濃度が許容範囲以上に上昇することを防止できる実用性に優れた画期的な空気清浄機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0014】
外気を吸気する吸気部2と、この吸気部2から吸気される空気中の塵を付着除去して空気を浄化する集塵部3と、浄化した空気を吹き出す吹き出し部4と、前記吸気部2から吸気し前記吹き出し部4から吹き出す前記空気の流れを生む送風部5とが備えられている空気清浄機であって、前記集塵部3は、イオン化電極6が備えられているイオン化電極部7と、このイオン化電極6と間隔を置いて配設される集塵電極8が備えられている集塵電極部9とからなり、このイオン化電極6とこれと離間している前記集塵電極8とに電圧を印加して、通過する空気中の塵を静電化し前記集塵電極8に静電吸着させる構成の電気集塵部10からなる構成とされていて、ダストセンサーまたはガスセンサーの検知状況に応じて前記イオン化電極6に通電し前記電圧を印加して前記電気集塵部10を作動させる通電制御部が備えられていて、この通電制御部は、内部クリーン作動条件が満たされた際に、前記イオン化電極6に通電して前記電気集塵部10を自動作動させ発生するオゾンにより除菌またはウイルスを不活化させる内部クリーン作動をおこなう自動内部クリーン作動制御機構が備えられている構成とされていて、この内部クリーン作動を行う自動内部クリーン作動制御機構の前記内部クリーン作動条件は、第1作動条件として運転中であって積算運転時間が所定時間以上経過していて、且つ第2作動条件として運転開始スイッチ操作および運転モード切り替えスイッチの操作の遅い方から所定時間以上経過していることが必須条件とされていることを特徴とする空気清浄機に係るものである。
【0015】
また前記内部クリーン作動条件は、前記第1作動条件および前記第2作動条件に加えて第3作動条件として前記ダストセンサーにより検知され判定されるダストレベルが前記電気集塵部10を作動させないダストレベルにある検知状況であることも必須条件とされていることを特徴とする請求項1記載の空気清浄機に係るものである。
【0016】
また前記電気集塵部10を自動作動制御して前記内部クリーン作動をおこなう前記自動内部クリーン作動制御機構は、室温センサーにより室温が所定温度以下あることが検知されることを含む内部クリーン非作動条件が満たされている際は、前記電気集塵部10を自動作動させず前記内部クリーン作動をおこなわない制御機構が備えられている構成であることを特徴とする請求項1記載の空気清浄機に係るものである。
【0017】
また前記電気集塵部10を自動作動制御して前記内部クリーン作動をおこなう前記自動内部クリーン作動制御機構は、室温センサーにより検知される室温に応じて前記電気集塵部10の自動作動時間である内部クリーン作動時間が決定され、この内部クリーン作動時間は前記室温が低いほど短く設定されている制御機構が備えられている構成であることを特徴とする請求項1記載の空気清浄機に係るものである。
【0018】
また前記電気集塵部10を自動作動制御して前記内部クリーン作動をおこなう前記自動内部クリーン作動制御機構は、前記電気集塵部10を自動作動させて前記内部クリーン作動を開始した後に、前記室温が低下したことが検知された際には、前記内部クリーン作動を中止または前記内部クリーン作動時間を短い時間に変更設定する制御機構が備えられている構成であることを特徴とする請求項4記載の空気清浄機に係るものである。
【0019】
また前記電気集塵部10の下流側もしくは上流側に、通過する空気中の塵を付着させる集塵フィルター10が備えられている集塵フィルター部11が、前記電気集塵部10とは別の前記集塵部3として設けられていて、前記電気集塵部10が作動していなくても前記集塵フィルター部11により空気が浄化される構成とされていて、前記電気集塵部10を自動作動制御する前記自動内部クリーン作動制御機構は、前記内部クリーン作動を終了した後は内部クリーン作動前の運転モードに戻る制御機構が備えられている構成であることを特徴とする請求項1記載の空気清浄機に係るものである。
【0020】
また前記電気集塵部10および前記集塵フィルター部11は、前記吸気部2から吸気され前記吹き出し部4から排出される空気の送風通路部全面に設けられている構成であり、前記電気集塵部10の下流側に、前記集塵フィルター部11が設けられていて、前記電気集塵部10を自動作動制御する前記自動内部クリーン作動制御機構により前記内部クリーン作動をおこなうことで、この電気集塵部10および前記集塵フィルター部11を除菌またはウイルスを不活化する構成とされていることを特徴とする請求項6記載の空気清浄機に係るものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明は上述のように構成したから、ユーザーの使用感を損なわず、適切なタイミングで電気集塵部を自動作動させて効率よくオゾンによる内部クリーン作動をおこなうことができるとともに、オゾン濃度が許容範囲以上に上昇することを防止できる実用性に優れた画期的な空気清浄機となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図3】本実施例の2パーツにスライド分離できる着脱自在な電気集塵部を本体部から取り出した状態の説明分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の最適な実施形態を図面に基づいて本発明の作用を示し簡単に説明する。
【0024】
送風部5により外気が吸気部2から本体部1内に吸気され、この空気が本体部1の集塵部3を通過することで、空気中の塵は付着または吸着除去されて空気は浄化され、吹き出し部4から排出されることとなる。
【0025】
具体的には、たとえばこの本体部1に集塵部3として集塵フィルター11を備えた集塵フィルター部12を設けるとともに、この集塵フィルター部12の上流側または下流側に別の集塵部3として電気集塵部10も設けた構成とすれば、送風部5により外気が本体部1の吸気部2から吸気され、この空気が各集塵部3(電気集塵部10と集塵フィルター部12)を順次通過することで塵が付着または吸着除去されて浄化され、上部の吹き出し部4から排出されることとなる。
【0026】
すなわち、たとえばダストセンサーの検知状況(汚れ具合)に応じて送風部5の送風量が制御されこの空気の流れの途中経路に装着されている集塵フィルター部12の集塵フィルター11により空気中の塵が捕捉され付着除去されるが、この下流側に通電制御により作動する電気集塵部10を重層状態に設けた構成とすれば、このダストセンサーにより汚れが酷い(ダストレベルが高い)と検知判定された際に(通電作動条件が満たされた際に)通電されることで前記電気集塵部10が自動作動して、空気中の塵が静電化され集塵電極8に静電吸着されて除去されることとなる。
【0027】
さらに説明すると、本発明の電気集塵部10は、イオン化電極6が備えられているイオン化電極部7と、このイオン化電極6と間隔を置いて配設される集塵電極8が備えられている集塵電極部9とからなり、このイオン化電極6とこれと離間している前記集塵電極8とに電圧(高電圧)を印加して、通過する空気中の塵を静電化し前記集塵電極8に静電吸着させる構成としているが、前述のように、たとえば集塵フィルター部12では浄化能力が不足する場合やこれを強化するために双方を空気が通過するように構成することで、汚れ具合に応じて必要なときにすなわち通電作動条件が満たされた際に通電して、集塵フィルター部12に加えて電気集塵部10も自動作動し、浄化能力が高められることとなる。
【0028】
また本発明では、前述のように、電気集塵部10が作動していなくても、集塵フィルター部12で空気を浄化する構成とするとともに、必要に応じてすなわち前記通電作動条件が満たされた際に、通電制御部の自動作動制御機構により前記イオン化電極6に通電し前記電気集塵部10を自動作動させて、浄化能力が高められる構成としてもよい。
【0029】
また本発明では、この電気集塵部10を作動させる通電制御部に、内部クリーン作動条件が満たされた際に、前記イオン化電極6に通電して前記電気集塵部10を自動作動させ発生するオゾンにより除菌またはウイルスを不活化させる内部クリーン作動をおこなう自動内部クリーン作動制御機構を備えた構成であり、この内部クリーン作動条件は、第1作動条件として運転中であって積算運転時間が所定時間以上経過していて、且つ第2作動条件として運転開始スイッチ操作および運転モード切り替えスイッチの操作の遅い方から所定時間以上経過していることが必須条件とされているため、ユーザーの使用感を損なわず、適切なタイミングで電気集塵部を自動作動させて効率よくオゾンによる内部クリーン作動をおこなうことができるとともに、オゾン濃度が許容範囲以上に上昇することを防止できることとなる。
【実施例0030】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0031】
本実施例は、本体部1に外気を吸気する吸気部2と、この吸気部2から吸気される空気中の塵を付着除去して空気を浄化する集塵部3と、浄化した空気を吹き出す吹き出し部4と、前記吸気部2から吸気し前記吹き出し部4から吹き出す前記空気の流れを生む送風部5とを備えた構成とし、ダストセンサーおよびガスセンサーにより検知判定されるダストレベルおよびニオイレベルに応じて(汚れ具合に応じて)前記送風部5の送風量を制御する風量制御部を備えた構成としている。
【0032】
具体的には、前記送風部5の下方から上方への送風により、底部の前後左右の4方向すなわち全周方向に設けた前記吸気部2から中央上部へ外気が吸気され、この本体部1の送風部5の下部上流側すなわち空気通過路の途中全面に設けた集塵部3により空気中の塵が付着または吸着除去され浄化される構成としている。
【0033】
また本実施例のこの集塵部3は、集塵フィルター11を備えた集塵フィルター部12と電気集塵部10とからなり、本体部1の送風部5の上流側(下部)にこの集塵部3として集塵フィルター部12を設け、さらにこの上流側(下部)に集塵部3として電気集塵部10を重層並設した構成で、送風部5により外気が本体部1の底部の前記吸気部2から吸気され、この空気が集塵部3(電気集塵部10と集塵フィルター部12)を通過することで塵が付着または吸着除去されて浄化され、上部の吹き出し部4から排出されるように構成している。
【0034】
すなわち、ダストセンサーの検知状況に応じて送風部5の送風量が制御されて、途中経路全面に着脱自在に装着されている集塵フィルター部12の集塵フィルター11により効率よく空気中の塵が捕捉され付着除去される構成としているが、この上流側に通電制御により作動する電気集塵部10を着脱自在にして重層状態に設けた構成として、このダストセンサーにより汚れが酷い(ダストレベルが高い)と検知判定された際に(第1通電作動条件が満たされた際に)通電され前記電気集塵部10が自動作動することで、空気中の塵が静電化され静電吸着されて除去され浄化される(浄化能力が高まる)構成としている。
【0035】
言い換えると、本実施例の集塵部3は、前述のように集塵フィルター部12と電気集塵部10とが重層並設した構成で、汚れ具合に応じて必要なときにすなわち前記第1通電作動条件が満たされた際に通電して、集塵フィルター部12に加えて電気集塵部10も自動作動させて、空気中の塵が静電化されて静電吸着除去され浄化能力が高められる構成としている。
【0036】
また本実施例の前記電気集塵部10は、多数のイオン化電極6が間隔をおいて配設されているイオン化電極部7と、この多数の各イオン化電極6と間隔を置いて配設されている多数の集塵電極8が配設されている集塵電極部9と、この各イオン化電極6とこれらと離間している各集塵電極8とに電圧を印加させる電圧供給部(高圧電源の供給端子部)と接触導通させる電極端子部(接触用端子部)とを備えた構成とし、この電極端子部を介してイオン化電極6に通電しこのイオン化電極6とこれと離間している前記集塵電極8とに電圧(高電圧)を印加して、通過する空気中の塵を静電化し多数の前記集塵電極8に静電吸着させる構成としている。またこの電気集塵部10は着脱ユニットに構成し、本体部1に着脱自在に装着する構成としていて、さらに前記イオン化電極部7から前記集塵電極部9をスライドして2パーツに分離できる構成とし、メンテナンス時に前記集塵電極部9の集塵電極8を容易に露出させることができ、吸着している塵を容易に除去できるように構成している。
【0037】
また本実施例では、前述したようにこの電気集塵部10が作動していなくても、風量制御部により制御される送風部5による送風と、前記集塵フィルター部12の集塵フィルター11により、通過する空気中の塵を付着させ空気を浄化する構成としている。
【0038】
また本実施例では、前記イオン化電極6に通電し前記電圧を印加して前記電気集塵部10を作動させる通電制御部を備えていて、この通電制御部は、第1の前記通電作動条件が満たされた際に、前記イオン化電極6に通電して前記電気集塵部10を自動作動させる自動作動制御機構を備えた構成としている。
【0039】
本実施例のこの第1通電作動条件は、前記ダストセンサーにより検知され判定される前記ダストレベルが所定レベル以上でありこの所定レベル以上の状態が所定時間継続していて、且つこの所定レベル以上となるための前記ダストセンサーの出力が第1閾値以上であることが所定回数検知されることを必須条件とした構成としている。
【0040】
具体的には、その前提として本実施例では、ダストセンサー(ホコリセンサー)によりホコリ占有率を検知判定して出力する構成とし、このダストセンサーの出力(ホコリ占有率)に応じて汚れ具合を判定するダストレベルを複数レベル設けて、このダストセンサーの出力に応じて決定する構成としている。
【0041】
すなわち、本実施例の前記通電制御部に備えられている前記自動作動制御機構は、前記ダストセンサーにより検知され判定される前記ダストレベルの決定に際して、このダストセンサーの出力(ホコリ占有率)が、たとえば第1閾値以上であることが所定回数検知された際に、または前記ダストセンサーの出力が前記第1閾値より大きい第3閾値以上であることが1回検知された際に、前記ダストレベルをレベルアップさせる(ダストレベルが最大レベルにレベルアップさせる)制御機構を備えた構成としている。
【0042】
さらにこのダストレベルについて詳述すると、本実施例では、ダストセンサーの出力(P出力(%))すなわちホコリ占有率の検知状況に応じて、汚れがなくきれいなレベルゼロからレベル3までの4段階にダストレベルが設定されていて、たとえばレベルゼロにおいてP出力a%以上を1分間にb回以上検知した際には、ダストレベルをレベルゼロからレベル1にレベルアップさせ、さらにP出力c%(前記a%より大きい)以上を1分間にd回以上検知した際またはP出力e%(前記c%より大きい)以上を1回検知した際には、ダストレベルをレベル1からレベル2にレベルアップさせ、またさらにP出力f%(少なくとも前記a%より大きい)以上を1分間にg回(前記d回より大きい)以上検知した際またはP出力h%(前記e%および前記f%より大きい)以上を1回検知した際にダストレベルをレベル2から最大のレベル3にレベルアップさせるように前記制御機構を構成している。なお、同じ感度設定の場合本実施例では、c%とf%を同じ値たとえば中間感度で6%に設定している。
【0043】
なお、これらP出力のホコリ占有率に基づくダストレベルの変更の各レベルアップ条件となるこのホコリ占有率の値(P出力%)は、感度設定を強弱変更することで、一斉に大小変更することができように設定していて、送風部5の送風量の制御や電気集塵部10の自動作動制御の作動感度を調整設定できるように構成している。
【0044】
そして、本実施例では、このようにダストレベルのレベルアップ条件のホコリ占有率(P出力%)を自動変更して感度を変更できる構成としているが、このP出力(閾値)に基づいて電気集塵部10の自動作動制御する前記第1通電作動条件を、本実施例では前記ダストレベルが最大のレベル3以上でありこのレベル3以上の状態が所定時間(たとえば3分)継続していて、且つこのレベル3となるための前記ダストセンサーのP出力が第1閾値以上(前記P出力f%たとえば6%)であることが所定回数g(たとえば4回)検知されることを作動条件としている。
【0045】
すなわち、本実施例では、前記電気集塵部10を作動させるための前記通電制御部に前記自動作動制御機構を設けてこの電気集塵部10自動運転制御するが、汚れ具合に応じてダストレベルをゼロから3までの4段階設けて、このダストレベルが上がるほど送風量を上げるとともに、高いダストレベルであって前記第1通電作動条件を満たした際に電気集塵部10を自動作動させる構成とし、しかも単に高いダストレベルであるだけでなく、この第1通電作動条件としてこの高いダストレベルが所定時間継続していて且つP出力がこの高いダストレベルにレベルアップされるための前記第1閾値以上(前記f%以上)であることが所定回数(g回)検知されることを作動条件として設定しているから、集塵フィルター部12では浄化能力が不十分な汚れが酷いときにのみ作動させて浄化能力を上げ速やかに空気を浄化できるとともに、作動頻度が不必要に上がることを抑制し、高電圧印加による部品寿命の低下やオゾン濃度上昇のおそれを確実に防止できる構成としている。
【0046】
また送風部5の回転数の急変頻度も押さえ、部品寿命の影響も抑えている。
【0047】
また本実施例の前記通電制御部に備えられている前記自動制御機構は、前記ダストセンサーの出力(前記P出力)が前記第1閾値(ホコリ占有率f%たとえば6%)より大きい第2閾値(たとえば前記ホコリ占有率i%たとえば12%)以上であることが検知(1回検知)される第2通電作動条件が満たされた際には、前記第1通電作動条件が満たされていなくても、前記イオン化電極6に通電して前記電気集塵部10を自動作動させる構成としている。
【0048】
言い換えると本実施例では、電気集塵部10を自動運転制御する制御機構すなわち通電制御部の自動作動制御機構は、ダストレベルが所定レベル(最大のレベル3)の状態で、所定時間(たとえば3分以上)経過していて、且つP出力が前記第1閾値(ホコリ占有率f%たとえば6%)以上をたとえば4回(4データ(16秒))連続検知した際(第1通電作動条件を満たした際)、またはダストレベルがこのレベル3の状態でP出力が前記第2閾値(ホコリ占有率h%たとえば12%)以上を1回(1データ)検知した際(第2通電作動条件を満たした際)に、通電し自動作動させる構成としている。
【0049】
したがって、本実施例では、レベル3となってもその近傍では送風量の上昇制御だけですなわち集塵フィルター部12だけですぐに室内の空気が浄化されることが考えられるため、レベル3にレベルアップしてから空気が浄化されない状況に応じて電気集塵部10を初めて作動制御するように前記第1通電作動条件を設定し、さらに前記第1通電作動条件の第1閾値以上(ホコリ占有率f%たとえば6%以上)のP出力が所定回数(たとえば前記g回である4回)検知されることを待っていると、汚れがかなり酷いのに電気集塵部10の作動が遅れるおそれがあるために、前記第1通電作動条件に替えて(オア条件として)前記第2通電作動条件を設定し、前記P出力が前記前記第1閾値(ホコリ占有率f%)より大きい前記第2閾値(ホコリ占有率i%たとえば12%)以上であることが1回検知されたら、すなわち検知回数でなくP出力の絶対値が大きい検知が1回検知されたら(この第2通電作動条件が満たされたら)、第1通電作動条件が満たされるのを待たずに電気集塵部10を自動作動させる構成として、汚れの程度が極端であるときは速やかにこれを検知し自動作動させて速やかに浄化能力が上がるように構成している。
【0050】
なお、この極端に汚れが酷い状況と判定されるこの第2閾値は、通常のハウスダストなどで頻繁に検知される値より大きい値に設定するため、頻繁に作動することはなく使用感を損なうこともない。
【0051】
またダストレベルアップの制御機構について補足すれば、前述したように、本実施例の前記通電制御部に備えられている前記自動作動制御機構は、前記ダストセンサーのP出力がたとえばダストレベル2から最大のダストレベル3にレベルアップさせるための前記第1閾値(ホコリ占有率f%)以上であることが所定回数g検知された際に、または前記ダストセンサーの出力が前記第1閾値より大きい第3閾値(ホコリ占有率h%)以上であることが1回検知された際に、前記ダストレベルを(たとえばレベル2からレベル3)にレベルアップさせる制御機構としている。
【0052】
具体的には、前述したとおりであるが、この制御機構には、前記ダストセンサーの出力が前記第1閾値(前記a%、c%やf%)以上であることが判定時間内に複数回検知された際に、前記ダストレベルを上げる制御機構が備えられている構成であって、前記ダストレベルの上位レベルほど前記第1閾値以上の出力の判定時間内での検知回数が多くなるレベル判定条件(たとえばレベル1からレベル2はc%をd回(2回)に対して、レベル2からレベル3はc%と同一としたf%をg回(4回))に設定した構成としている。
【0053】
したがって、閾値を上げずにP出力が閾値以上である検知回数が増えることに応じてダストレベルが上がるように設定して、汚れが酷いときに早くレベルアップできるように構成するとともに、一方で汚れが極端に酷いときにこの複数回検知を待っているとレベルアップが遅れる場合があることも考慮して、高い閾値以上の1回の検知でもレベルアップするように構成し、汚れの程度をより素早く判定し浄化できるようにし、使用感向上を図っている。
【0054】
また本実施例では、ガスセンサーが備えられていて、このガスセンサーにより検知され判定されるニオイレベルが複数設定されているとともに、前記ダストレベルに加えてこのニオイレベルも加味して前記送風部5の送風量が制御される前記風量制御部に構成している。
【0055】
したがって、ガスセンサー(ニオイセンサー)は、ダストセンサーに比べて振れが少ないので、少ない検知回数でも適切なレベル判定ができることとなる。
【0056】
また本実施例の電気集塵部10の自動作動制御機構は、安全性、操作性、使用感の向上のため、通電禁止制御や連続通電制限制御など様々な制御も行うように構成している。
【0057】
またたとえばこのような通電禁止条件に基づく通電禁止制御により電気集塵部10が作動しなくても、前述したように集塵フィルター部12により浄化されるため、ユーザーの使用感を大きく損なうことはない。
【0058】
またユーザー操作により自動運転モードからユーザーの好みに応じた固定運転モードに切り替えても、送風量は固定されることになるが、本実施例では、電気集塵部10の運転制御は前述したように自動作動制御され、前述した作用効果が常に発揮される構成としている。
【0059】
次に、本発明の要部である自動内部クリーン作動制御機構についての実施例について説明する。
【0060】
このような電気集塵部10は、高電圧を印加して作動させるため、前記集塵浄化作用効果が発揮されるとともにオゾンを発生させることから、このオゾンを利用して適宜内部クリーン作動をおこなうように制御する自動内部クリーン作動制御機構を備えた構成としている。
【0061】
すなわち、本実施例では、集塵フィルター10や集塵電極8、送風経路壁面などに付着した塵中の菌やウイルスなどは付着しているだけで死滅していないまたは不活化していない場合がありこれが再放散することを防止するため、適宜前記電気集塵部10を作動させてオゾンを発生させこのオゾンで除菌や不活化を図る内部クリーン作動をおこなうように制御する自動内部クリーン作動制御機構を前記電気集塵部10の通電制御部に備えた構成としている。
【0062】
具体的には、この電気集塵部10を作動させる通電制御部に、内部クリーン作動条件が満たされた際に、前記イオン化電極6に通電して前記電気集塵部10を自動作動させ発生するオゾンにより除菌またはウイルスを不活化させる内部クリーン作動をおこなう自動内部クリーン作動制御機構を備えた構成であり、この内部クリーン作動条件は、第1作動条件として運転中であって積算運転時間が所定時間以上経過していて、且つ第2作動条件として運転開始スイッチ操作および運転モード切り替えスイッチの操作の遅い方から所定時間以上経過していることを必須条件とした構成としている。
【0063】
たとえば前記第1作動条件としては、運転中であって積算運転時間が6時間以上経過していることを必須の作動条件としている。これは、たとえばユーザーが機器運転停止中と思い誤って危険なヘアースプレーなどを周辺で使用するおそれがあるが、このような状況での内部クリーン作動を阻止してこれを防止するためである。すなわち、コンセント通電していれば機器運転停止中でもこのような状況を検知でき、たとえば内部クリーン作動条件をみたしていないとして前記電気集塵部10を自動作動させない(たとえば以下の第3作動条件などを満たしていないと判定し動作させない)制御をおこなうことができるようにするためである。また連続運転でなく積算運転時間としたのは、連続ではほとんど内部クリーン作動しないおそれがあることを防止するためと、日中外出中や就寝時に内部クリーン作動がおこなわれるようにするためである。
【0064】
また前記第2作動条件として、運転開始スイッチ操作および運転モード切り替えスイッチの操作の遅い方から1時間以上経過していることをも必須の内部クリーン作動条件としている。これは、単に前記第1作動条件だけだと、タイミングによっては運転開始直後や運転モードを選んで操作した直後なのに、前記積算運転時間を経過したところで内部クリーン作動が開始される場合が生じ、使用感が損われるおそれがあるが、これを防止すために必須の作動条件としたものである。
【0065】
また本実施例では、前記第1作動条件および前記第2作動条件に加えて第3作動条件として、前記ダストセンサーのより検知され判定されるダストレベルが前記電気集塵部10を作動させないダストレベルにある検知状況であることも必須の作動条件としている。すなわち、少なくともこの3条件を兼ね備えた状況でなければ内部クリーン作動がおこなわれないように制御している。
【0066】
具体的には、ダストレベルもニオイレベルもレベルゼロのキレイ判定の状態が1分以上継続していること(第3作動条件)を必須の作動条件としている。これをも必須の作動条件とすることで、最もダストレベルおよびニオイレベルが低いレベルゼロの状態(電気集塵部10が自動作動しないキレイ判定がなされている状態)で最も送風部5の送風量が低いレベルであるときのみ内部クリーン作動がおこなわれようにして、オゾン濃度の上昇を抑えつつ適格なタイミングで効率よく内部クリーン作動をおこなうことができ、またダストレベが上がりすぐに内部クリーン作動が停止するような動きをすることも避け、使用感が損われないようにしている。
【0067】
このように本実施例では、内部クリーン作動時では、前述したように、送風部5の風量制御により低風量で電気集塵部10を作動(通電)させて、筐体内のオゾン濃度を上げ、除菌・ウイルスの不活化をおこなうように制御している。(なお、たとえば集塵浄化のための通常作動時ではオゾン濃度の上昇を避けるため、送風量は強またはターボの風量でのみ電気集塵部10を作動させるように制御している。)
【0068】
そのため、たとえば固定風量「強」でユーザーが運転指示した(スイッチ操作した)直後に、内部クリーン作動が実行されて風量が低風量へ急に低下すると、ユーザーは意図した運転と違うため違和感を感じ使用感が損なわれるが、そのようなことがないように、本実施例では、内部クリーン作動条件として、運転開始スイッチまたは運転切り替えスイッチの操作から所定時間以上経過していることを必須の作動条件(前記第2作動条件)としている。
【0069】
またダストレベルゼロ(キレイ判定)を継続していることも必須の作動条件(第3作動条件)とし、この作動条件をも満たされた際に内部クリーン作動をおこなうように制御している。これも、空気が汚れると内部クリーン作動が停止し通常運転に戻るために風量の変化が生じるが、この風量変化が繰り返されると使用感が損なわれるため、これを防止するためである。
【0070】
また本実施例では、室温センサーにより室温が所定温度以下あることが検知されることを含む内部クリーン非作動条件が満たされている際は、前記電気集塵部10を自動作動させず前記内部クリーン作動をおこなわない制御機構が備えられている。すなわち本実施例では、第4作動条件として、室温センサーにより室温が所定温度以下、たとえば5℃未満であることが検知されることを含む内部クリーン非作動条件が満たされていないことも必須の作動条件としている。
【0071】
これは、空間オゾン濃度の上昇を防止する対策のためで、低温時にはオゾンが発生し易いから室温によって(低温時には)電気集塵部の作動を制限するためである。
【0072】
また通電して作動させた後は、確実にオゾン濃度を下げるため、すなわちたとえば連続作動を制限するために、通電時間(内部クリーン作動時間)の2倍の時間(たとえば内部クリーン作動時間が5分の場合その2倍の10分)を経過しないと再通電(再作動)させない非作動条件を設定し、これが満たされているときは内部クリーン作動をおこなわせず、この非作動条件が満たされていないときに内部クリーン作動をおこなうこと(第5作動条件)も必須の作動条件としている。
【0073】
また本実施例の前記電気集塵部10を自動作動制御して前記内部クリーン作動をおこなう前記自動内部クリーン作動制御機構は、室温センサーにより検知される室温に応じて前記電気集塵部10の自動作動時間である内部クリーン作動時間が決定され、この内部クリーン作動時間は前記室温が低いほど短く設定されている制御機構を備えた構成としている。
【0074】
具体的には、内部クリーン作動開始時に15℃以上であれば、内部クリーン作動時間をたとえば5分とし、5℃以上15℃未満であればたとえば2分とし、5℃未満であれば内部クリーン作動をおこなわないように制御する構成としている。これは温度が低いほどオゾンの発生量が多く低温ほどオゾン濃度が上昇し易いことから、オゾン濃度の上昇を抑えるためである。
【0075】
また本実施例では、前記電気集塵部10を自動作動させて前記内部クリーン作動を開始した後に、前記室温が低下したことが検知された際には、前記内部クリーン作動を中止(作動停止)または前記内部クリーン作動時間を短い時間に変更設定する制御機構を備えた構成としている。
【0076】
具体的には、たとえば内部クリーン作動開始時には15℃以上であったが、開始後2分経過以内に温度が5℃以上15℃未満となったときには、2分に変更しそのまま2分経過まで内部クリーン作動をおこない中断し、内部クリーン作動開始後2分経過後に温度が5℃以上15℃未満または5℃未満となったときには、内部クリーン作動時間を変更して内部クリーン作動を直ちに中止(中断)するように制御し、また内部クリーン作動開始時には5℃以上15℃未満であったが開始後5℃未満となったときには、内部クリーン作動を中止(中断)するように制御する構成としている。なお内部クリーン作動中の温度低下はこのように時間短縮または中止(中断)するようにし、温度上昇については時間延長しない制御としている。
【0077】
また本実施例では、以下のような中断後やり直し制御する構成としている。すなわち、運転開始スイッチや運転切り替えスイッチの操作がなされたことで前記第2作動条件が満たされなくなり中断したときは、この操作から1時間経過するかどうかをカウントし直し再開させる制御としている。またダストレベルやニオイレベルがゼロからレベル1以上に上昇したときは前記第3作動条件が満たされなくなり中断したときは、レベルゼロの状態が1分以上経過するかどうかをカウントし直し再開させる制御としている。また室温が5℃未満となって中断してときは、8℃以上となるまで再開せず8℃以上を検知したら内部クリーン作動を再開する制御としている。またエラー発生により中断したときは、運転開始スイッチ、運転切り替えスイッチの操作から1時間以上経過しているかどうかをカウントし直し再開するように制御する構成としている。
【0078】
これにより、ユーザーの操作を優先して中断させるなどして使用感が損なわれないようにしているが、温度低下も優先し、また室内浄化やエラー発生も優先して、内部クリーン作動を直ちに中断し、所定条件で再開できるようにして使用感が損なわれないようにしている。
【0079】
また、本実施例の電気集塵部10の自動作動制御機構と同様に自動内部クリーン作動制御機構においても、安全性、操作性、使用感の向上のため、通電禁止制御や連続通電制限制御など様々な制御も行うように構成している。たとえば、お手入れ報知時、ガスによる通電禁止状態、送風部5(ファン)回転数低下時などの通電作動禁止条件を満たしていないことも内部クリーン非作動条件としている。
【0080】
また本実施例では、前記内部クリーン作動を終了(中断を含む)した後は内部クリーン作動前の運転モードに戻る制御機構を備えている。
【0081】
また本実施例では、前述したように、前記電気集塵部10および前記集塵フィルター部11は、前記吸気部2から吸気され前記吹き出し部4から排出される空気の送風通路部全面に設けた構成とし、前記電気集塵部10の下流側に、前記集塵フィルター部11を設けて、前記電気集塵部10を自動作動制御する前記自動内部クリーン作動制御機構により前記内部クリーン作動をおこなうことで、この電気集塵部10および前記集塵フィルター部11の全面に付着している除菌またはウイルスを不活化できる構成としている。
【0082】
したがって、この内部クリーン作動により電気集塵部10全面のみならずその下流側(本実施例では上側)の集塵フィルター部12の全面を効率よく除菌または不活化でき極めて実用性に優れた画期的な空気清浄機となるものである。
【0083】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。