(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169436
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】再展開可能組織回収システム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/50 20060101AFI20241128BHJP
A61B 17/22 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
A61B17/50
A61B17/22 528
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024140936
(22)【出願日】2024-08-22
(62)【分割の表示】P 2022527975の分割
【原出願日】2020-11-13
(31)【優先権主張番号】62/936,128
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】503000978
【氏名又は名称】アプライド メディカル リソーシーズ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】テイラー スコット ヴイ
(72)【発明者】
【氏名】フォックス ニコラス ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】トラン クオック ピー
(57)【要約】
【課題】単一手順で複数の組織検体を取得するために再展開可能である組織回収デバイスを提供する。
【解決手段】アクチュエータによってイントロデューサから展開可能であり、かつ支持アームによって開口構成に懸架される組織回収バッグを含む組織回収システムは、部分又は完全収納構成と複数のサンプルを収集する手順に使用される第1の展開構成との間で連続的に再展開することができる。システムは、連続再展開のためのアクチュエータの移動を制限するために無効化可能近位及び遠位ストップ機構を含むことができる。組織回収システムは、組織回収バッグが第1の展開位置にあるアクチュエータに回収バッグのビードを結合する保持ラッチと、回収バッグのそれがアクチュエータから解除される完全展開位置への展開を可能にするユーザ選択可能展開リリースとを含むことができる。ビードストップは、バッグが完全に展開された状態でイントロデューサの中へのビード及びバッグの再導入を防止するためにイントロデューサに係合するように位置決めされる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端と、遠位端と、該近位端と該遠位端との間で延びる管腔と、を有する管状のイントロデューサと、
前記イントロデューサの前記管腔内で長手方向に摺動可能であり、近位端及び遠位端を有するアクチュエータと、
前記アクチュエータの前記遠位端における保持ラッチと、
前記アクチュエータの前記遠位端から延びる1対の支持アームと、
前記保持ラッチの遠位であって該保持ラッチに解除可能に結合されたビードと、
前記ビードに結合され、かつ前記支持アームに取り外し可能に結合された組織回収バッグと、
を備えることを特徴とする組織回収システム。
【請求項2】
前記アクチュエータは、前記組織回収バッグが前記イントロデューサの中に実質的に引き戻される近位位置から、該組織回収バッグが該イントロデューサの前記遠位端から展開されて前記支持アームから懸架される第1の展開位置まで、長手方向に摺動可能であり、
前記保持ラッチは、前記第1の展開位置で前記イントロデューサ内にあり、かつ前記ビードに結合される、
ことを特徴とする請求項1に記載の組織回収システム。
【請求項3】
前記アクチュエータは、前記近位位置と前記保持ラッチが前記ビードに結合される前記第1の展開位置との間で反復可能に摺動可能であることを特徴とする請求項2に記載の組織回収システム。
【請求項4】
前記アクチュエータは、前記第1の展開位置から、前記ビード及び前記保持ラッチの一部分が前記イントロデューサの前記遠位端の遠位であってかつ該ビードが該保持ラッチから解除可能であるような該第1の展開位置の遠位の第2の展開位置まで、長手方向に摺動可能であることを特徴とする請求項2に記載の組織回収システム。
【請求項5】
前記アクチュエータの遠位かつ前記ビードの近位のビードストップを更に備えることを特徴とする請求項4に記載の組織回収システム。
【請求項6】
前記ビードストップは、前記ビードが前記イントロデューサに再進入することを防止するために前記アクチュエータが前記第2の展開位置にある状態で該イントロデューサと係合することを特徴とする請求項5に記載の組織回収システム。
【請求項7】
前記イントロデューサは、前記遠位端に隣接する開口を備え、前記ビードストップは、前記アクチュエータが前記第2の展開位置にある状態で該開口と係合するように位置決めされた片持ちバネアームを備えることを特徴とする請求項6に記載の組織回収システム。
【請求項8】
前記保持ラッチは、遠位端まで遠位に延びるアームを備え、前記ビードは、そこに形成されたレッジを備え、
前記保持ラッチの前記アームの前記遠位端は、前記ビード上の前記レッジと解除可能に係合可能である、
ことを特徴とする請求項5に記載の組織回収システム。
【請求項9】
前記ビードストップは、そこに形成されたチャネルを備え、
前記保持ラッチの前記アームは、前記ビードストップの前記チャネルを通って延びる、
ことを特徴とする請求項8に記載の組織回収システム。
【請求項10】
組織回収システムであって、
近位端と、遠位端と、該近位端と該遠位端との間で延びる管腔と、を有する管状のイントロデューサと、
前記イントロデューサの前記近位端におけるハンドルアセンブリと、
前記イントロデューサの前記管腔内で長手方向に摺動可能であり、近位端及び遠位端を有するアクチュエータと、
前記アクチュエータの前記遠位端に解除可能に結合された組織回収バッグと、
を備え、
前記ハンドルアセンブリは、前記アクチュエータが、前記組織回収バッグが前記イントロデューサの前記遠位端の中に引き戻される近位位置と該組織回収バッグが該イントロデューサの該遠位端から展開されて該アクチュエータに結合される第1の展開位置との間で反復可能に長手方向に摺動可能であるように近位ストップ機構及び遠位ストップ機構を備える、
ことを特徴とする組織回収システム。
【請求項11】
前記遠位ストップ機構は、前記第1の展開位置に対応する展開ラッチを備えることを特徴とする請求項10に記載の組織回収システム。
【請求項12】
前記展開ラッチは、前記アクチュエータが前記第1の展開位置から前記組織回収バッグが前記イントロデューサの前記遠位端から展開されて該アクチュエータから解除される第2の展開位置まで遠位に摺動可能であるように、選択的に解除可能であることを特徴とする請求項11に記載の組織回収システム。
【請求項13】
前記アクチュエータは、少なくとも1つの横方向突起を備え、
前記展開ラッチは、少なくとも1つのラッチタブに結合された展開解除ボタンを備え、
前記展開ラッチがラッチ構成にある状態で、前記少なくとも1つのラッチタブは、前記アクチュエータの前記少なくとも1つの横方向突起の遠位移動を阻止するように位置決めされる、
ことを特徴とする請求項12に記載の組織回収システム。
【請求項14】
前記展開解除ボタンは、前記少なくとも1つのラッチタブが前記アクチュエータの前記少なくとも1つの横方向突起から離間して前記第1の展開位置から前記第2の展開位置への該アクチュエータの遠位移動を可能にするような解除位置まで移動可能であることを特徴とする請求項13に記載の組織回収システム。
【請求項15】
前記アクチュエータは、そこに位置決めされたレッジを、該アクチュエータが前記近位位置にある時に該レッジが前記ハンドルアセンブリ内にあるように備え、
前記近位ストップ機構は、前記アクチュエータの前記レッジと係合するように位置決めされたアクチュエータポストを備える、
ことを特徴とする請求項10に記載の組織回収システム。
【請求項16】
前記遠位ストップ機構は、前記アクチュエータが前記第1の展開位置から前記組織回収バッグが前記イントロデューサの前記遠位端から展開されて該アクチュエータから解除される第2の展開位置まで遠位に摺動可能であるように、選択的に解除可能であり、
前記アクチュエータが前記第2の展開位置にある状態で、前記アクチュエータポストは、該アクチュエータが近位に引き戻される時に該アクチュエータの前記レッジから離間されるように再位置決めされる、
ことを特徴とする請求項15に記載の組織回収システム。
【請求項17】
前記アクチュエータは、第1の凹部がそこに形成された長手延伸リブを備え、
前記ハンドルアセンブリは、前記アクチュエータが前記第1の展開位置から前記近位位置まで近位に摺動される時に該アクチュエータの前記リブに沿って長手方向に摺動して該アクチュエータが該近位位置にある状態で前記第1の凹部に係合するように位置決めされた爪を備える2次近位ストップ機構を備える、
ことを特徴とする請求項15に記載の組織回収システム。
【請求項18】
前記遠位ストップ機構は、前記アクチュエータが前記第1の展開位置から前記組織回収バッグが前記イントロデューサの前記遠位端から展開されて該アクチュエータから解除される第2の展開位置まで遠位に摺動可能であるように、選択的に解除可能であり、
前記アクチュエータは、前記第2の展開位置から前記近位位置を近位に越えて引き戻し可能である、
ことを特徴とする請求項17に記載の組織回収システム。
【請求項19】
前記アクチュエータの前記長手延伸リブは、そこに形成された第2の凹部を備え、
前記近位ストップを近位に越える位置から前記アクチュエータを遠位に前進させることが、前記爪を前記第2の凹部に着座させて該アクチュエータの再展開を防止する、
ことを特徴とする請求項18に記載の組織回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、引用によって本明細書にその全体が組み込まれている2019年11月15日出願の「再展開可能組織回収システム(Redeployable Tissue Retrieval System)」という名称の米国仮特許出願第62/936,128号に対する優先権及びその利益を主張するものである。
【0002】
本出願は、一般的に体腔から組織を捕捉及び回収するための装置及び方法に関し、特に検体回収バッグデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
腹腔鏡手術は、典型的には、腹壁を横切って腹腔の中へのアクセスを提供するトロカールを通して実施される。一部の手術では、腹腔内に配置された組織は、身体から切断されて取り出される。しかし、身体からのそのような組織の取り出しは、腹腔鏡手術及び利用可能な腹腔鏡手術器具に固有の狭域性に起因して困難であると判明する場合がある。例えば、患者に対する侵襲性を低減するために、手術器具の全てを比較的小さいサイズを有する単一の腹腔鏡ポートを通して導入することが望ましいとすることができる。同じく、取り出される組織は、本明細書で全てを組織と呼ぶ感染した又は癌性の塊体又は臓器、並びに血液、胆汁、及び他の液体を含む場合があり、これらは、体内に残された場合に感染問題又は他の合併症を呈する場合がある。
【0004】
これらの組織を体腔にある間に把持、捕捉、保持、及び封入し、次に、封入した組織をトロカール又は切開を通して取り出すことが望ましい。手術部位の外乱を最小限にした可能な限り迅速な組織の閉じ込めも望ましい。一般的に嵩高で複雑なデバイスは、いくつかの欠点を有し、特に手術室及び体腔内のアクセスポートの限られた空間によって最適効率を欠くので、一般的に小型で単一のユニットデバイスが望ましいことも判明していると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第8,721,658号明細書
【特許文献2】米国特許第9,033,995号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ある一定の手順では、更に別の分析のために体腔から複数の組織検体を単一手順で取り出すことを望ましいとすることができる。例えば、癌に対する治療を受けている患者に対して、患者内の癌の広がりの程度又は癌の再発を決定するのにリンパ節の連続取り出しが一般的な慣行である。特定の身体区域からのリンパ節の適正な識別を保証するために、患者からリンパ節を連続して、時には一度に1つずつ取り出して癌のステージの正確な決定を保証することが重要である可能性がある。外科医は、典型的に、腫瘍に最も近いリンパ節であるセンチネルリンパ節の摘出で開始し、次に、周囲区域の他のリンパ節に進む。一部の手順では、患者から取り出された各リンパ節は、患者から取り出されるリンパ節の個数を最小にするために次のリンパ節の取り出しの前に手術中に病理医によって癌の存在に関して即座に分析される。すなわち、組織回収デバイスは、単一手順で複数の組織検体を取得するために再展開可能であることが望ましいとすることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある一定の実施形態により、組織回収システムを提供する。組織回収システムは、管状イントロデューサと、アクチュエータと、保持ラッチと、1対の支持アームと、ビードと、組織回収バッグとを備える。管状イントロデューサは、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間で延びる管腔と、を有する。アクチュエータは、イントロデューサの管腔内で長手方向に摺動可能である。アクチュエータは、近位端と遠位端を有する。保持ラッチは、アクチュエータの遠位端に位置決めされる。支持アームの対は、アクチュエータの遠位端から延びる。ビードは、保持ラッチの遠位に位置決めされる。ビードは、保持ラッチに解除可能に結合される。組織回収バッグは、ビードに結合され、かつ支持アームに取り外し可能に結合される。
【0008】
ある一定の実施形態により、組織回収システムを本明細書に提供する。組織回収システムは、管状イントロデューサと、ハンドルアセンブリと、アクチュエータと、組織回収バッグとを備える。管状イントロデューサは、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間で延びる管腔と、を有する。ハンドルアセンブリは、イントロデューサの近位端に位置決めされる。アクチュエータは、イントロデューサの管腔内で長手方向に摺動可能である。アクチュエータは、近位端と遠位端を有する。組織回収バッグは、アクチュエータの遠位端に解除可能に結合される。ハンドルアセンブリは、組織回収バッグがイントロデューサの遠位端の中に引き戻される近位位置と組織回収バッグがイントロデューサの遠位端から展開されてアクチュエータに結合される第1の展開位置との間でアクチュエータが反復可能に長手方向に摺動可能であるように近位ストップ機構と遠位ストップ機構を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】組織回収バッグの実施形態が第1の展開構成にある組織回収システムの実施形態の斜視図である。
【
図2】組織回収バッグの実施形態が収納構成にある組織回収システムの実施形態の斜視図である。
【
図3】アクセスポートを通して手術部位に位置決めされて組織回収バッグが展開構成にある
図1の組織回収システムの上面図である。
【
図4】アクセスポートを通して手術部位に位置決めされて組織回収バッグが再展開可能締め上げ構成にある
図1Aの組織回収システムの上面図である。
【
図5】アクセスポートを通して手術部位に位置決めされて組織回収バッグが完全展開構成にある
図1Aの組織回収システムの上面図である。
【
図6A】アクセスポートを通して手術部位に位置決めされて組織回収バッグが完全展開締め上げ構成にある
図1Aの組織回収システムの上面図である。
【
図6B】アクセスポートを通して手術部位に位置決めされて組織回収バッグがコードループの実施形態との完全展開締め上げ構成にある
図1Aの組織回収システムの詳細図である。
【
図6C】アクセスポートを通して手術部位に位置決めされて組織回収バッグがコードループの別の実施形態との完全展開締め上げ構成にある
図1Aの組織回収システムの詳細図である。
【
図7】
図1Aの組織回収システムのためのビードの実施形態の斜視図である。
【
図8】
図1Aの組織回収システムのための保持ラッチの実施形態の斜視図である。
【
図9】
図1Aの組織回収システムのためのビードストップの実施形態の斜視図である。
【
図10】組織回収バッグが第1の展開構成にある
図1Aの組織回収システムのビード、保持ラッチ、及びビードストップの部分切り欠き底面図である。
【
図11】組織回収バッグが第1の展開構成にある
図1Aの組織回収システムのビード、保持ラッチ、及びビードストップの断面側面図である。
【
図12】組織回収バッグが完全展開構成にある
図1Aの組織回収システムの案内ビード、保持ラッチ、及びビードストップの部分切り欠き底面図である。
【
図13】組織回収バッグが完全展開構成にある
図1Aの組織回収システムの案内ビード、保持ラッチ、及びビードストップの断面側面図である。
【
図14】組織回収バッグが完全展開構成にあり、アクチュエータを後退させる時に保持ラッチが案内ビードから切り離されている
図1Aの組織回収システムの案内ビード、保持ラッチ、及びビードストップの断面側面図である。
【
図15】組織回収バッグが完全展開構成にあり、アクチュエータを後退させる時に保持ラッチが案内ビードから完全に切り離された
図1Aの組織回収システムの案内ビード、保持ラッチ、及びビードストップの断面側面図である。
【
図16】
図1Aの組織回収システムのアクチュエータポストの斜視図である。
【
図17】再展開可能締め上げ構成にある組織回収バッグに対応する位置までアクチュエータを後退させた
図1Aの組織回収システムのハンドルアセンブリの実施形態の上面図である。
【
図18】再展開可能締め上げ構成にある組織回収バッグに対応する位置までアクチュエータを後退させた
図17のハンドルアセンブリの断面側面図である。
【
図19】再展開可能締め上げ構成にある組織回収バッグに対応する位置までアクチュエータを後退させたアクチュエータポストの阻止位置を詳述する
図17のハンドルアセンブリの一部分の断面側面図である。
【
図20】完全展開構成にある組織回収バッグに対応する位置までアクチュエータを前進させた
図1Aの組織回収システムのハンドルアセンブリの実施形態の上面図である。
【
図21】完全展開構成にある組織回収バッグに対応する位置までアクチュエータを前進させた
図20のハンドルアセンブリの断面側面図である。
【
図22】完全展開構成にある組織回収バッグに対応する位置までアクチュエータを前進させたアクチュエータポストの陥入位置を詳述する
図20のハンドルアセンブリの一部分の断面側面図である。
【
図23A】
図1Aの組織回収システムのハンドルアセンブリと併用するための展開解除ボタンの実施形態の斜視図である。
【
図23B】
図1Aの組織回収システムのハンドルアセンブリと併用するための展開解除ボタンの別の実施形態の斜視図である。
【
図24A】
図1Aの組織回収システムのハンドルアセンブリと併用するためのアクチュエータハンドルの実施形態の斜視図である。
【
図24B】
図1Aの組織回収システムのハンドルアセンブリと併用するためのアクチュエータハンドルの別の実施形態の斜視図である。
【
図25A】
図24Aのアクチュエータハンドルを第1の展開構成にある組織回収バッグに対応する位置まで前進させた
図1Aの組織回収システムのハンドルアセンブリの部分切り欠き上面図である。
【
図25B】
図24Bのアクチュエータハンドルを第1の展開構成にある組織回収バッグに対応する位置まで前進させた
図1Aの組織回収システムのハンドルアセンブリの部分切り欠き底面図である。
【
図26A】アクチュエータハンドルを第1の展開構成にある組織回収バッグに対応する位置まで前進させて
図23Aの展開解除ボタンが阻止位置にある
図1Aの組織回収システムのハンドルアセンブリの断面端面図である。
【
図26B】アクチュエータハンドルを第1の展開構成にある組織回収バッグに対応する位置まで前進させて
図23Bの展開解除ボタンが阻止位置にある
図1Aの組織回収システムのハンドルアセンブリの断面端面図である。
【
図27A】
図24Aのアクチュエータハンドルを完全展開構成にある組織回収バッグに対応する位置まで前進させた
図1Aの組織回収システムのハンドルアセンブリの部分切り欠き上面図である。
【
図27B】
図24Bのアクチュエータハンドルを完全展開構成にある組織回収バッグに対応する位置まで前進させた
図1Aの組織回収システムのハンドルアセンブリの部分切り欠き底面図である。
【
図27C】
図24Bのアクチュエータハンドルを完全締め上げ構成にある組織回収バッグに対応する位置まで後退させた
図1Aの組織回収システムのハンドルアセンブリの部分切り欠き底面図である。
【
図28A】
図24Aのアクチュエータハンドルを完全展開構成にある組織回収バッグに対応する位置まで前進させて
図23Aの展開解除ボタンが押下位置にある
図1Aの組織回収システムのハンドルアセンブリの断面端面図である。
【
図28B】
図24Bのアクチュエータハンドルを完全展開構成にある組織回収バッグに対応する位置まで前進させて
図23Bの展開解除ボタンが押下位置にある
図1Aの組織回収システムのハンドルアセンブリの断面端面図である。
【
図28C】
図24Bのアクチュエータハンドルを完全締め上げ構成にある組織回収バッグに対応する位置まで後退させた
図1Aの組織回収システムのハンドルアセンブリの断面側面図である。
【
図29】アクチュエータ位置を完全展開構成にある組織回収バッグに対応するように前進させた組織回収システムに使用するための保持ラッチ、ビードストップ、及び案内ビードの実施形態の部分切り欠き底面図である。
【
図30】
図29の保持ラッチ、ビードストップ、及び案内ビードの実施形態の断面側面図である。
【
図31A】組織回収システムに使用するためのビードストップの実施形態の斜視図である。
【
図31B】組織回収システムに使用するためのビードストップの実施形態の斜視図である。
【
図33】組織回収システムに使用するための保持ラッチの実施形態の斜視図である。
【
図34】アクチュエータを第1の展開位置まで前進させた組織回収システムの案内ビードと係合した
図33の保持ラッチの断面側面図である。
【
図35】アクチュエータを完全展開位置まで前進させた組織回収システムの案内ビードと係合した
図33の保持ラッチの断面側面図である。
【
図36】組織回収システム内の案内ビードのある一定の実施形態との併用のためのスナップリングの端面図である。
【
図37】アクチュエータを完全展開位置まで前進させた
図36のスナップリングを有する組織回収システムの実施形態の部分切り欠き底面図である。
【
図39】アクチュエータが完全展開位置に位置決めされた保持ラッチを有する組織回収システムの実施形態の遠位端の部分切り欠き側面図である。
【
図41】アクチュエータが部分的に引き戻されて保持ラッチが案内ビードから切り離されている
図39の組織回収システムの断面上面図である。
【
図42】アクチュエータが引き戻されて保持ラッチが案内ビードから切り離された
図39の組織回収システムの断面上面図である。
【
図43】組織回収システムのための案内ビードの実施形態の分解斜視図である。
【
図45】組織回収バッグに接合された
図43の案内ビードの断面側面図である。
【
図46】組織回収システムのための案内ビードの実施形態の分解斜視図である。
【
図48】組織回収バッグに接合された
図46の案内ビードの断面側面図である。
【
図49】組織回収システムのための案内ビードの実施形態の分解斜視図である。
【
図51】組織回収バッグに接合された
図49の案内ビードの断面側面図である。
【
図52】組織回収システムのための案内ビードの実施形態の分解斜視図である。
【
図54】
図52の案内ビードの案内ビード部分の斜視図である。
【
図56】アクチュエータが第1の展開位置にある組織回収システムのためのハンドルアセンブリの部分切り欠き底面図である。
【
図57】組織回収バッグを収納構成に位置決めするためにアクチュエータが近位位置まで引き戻された
図56のハンドルアセンブリの部分切り欠き底面図である。
【
図58】組織回収バッグを収納構成に位置決めするためにアクチュエータが近位位置まで引き戻された
図56のハンドルアセンブリのラッチング爪の詳細図である。
【
図59】アクチュエータが完全展開位置にある
図56のハンドルアセンブリの部分切り欠き底面図である。
【
図60】組織回収バッグを完全展開締め上げ位置に位置決めするためにアクチュエータが引き戻された
図56のハンドルアセンブリの部分切り欠き底面図である。
【
図61】組織回収バッグを完全展開締め上げ位置に位置決めするためにアクチュエータが引き戻された
図56のハンドルアセンブリのラッチング爪の詳細図である。
【
図62】組織回収システムに使用するためのアクチュエータハンドルの実施形態の斜視図である。
【
図63】第1の展開構成にある組織回収バッグに対応するようにアクチュエータハンドルが位置決めされた
図62のアクチュエータハンドルを含む組織回収システムのためのハンドルアセンブリの上面図である。
【
図65】組織回収バッグが第1の展開位置まで展開された組織回収システムの実施形態の遠位端における組織回収バッグの実施形態の側面図である。
【
図66】再展開可能締め上げ構成にある組織回収バッグの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1A及び
図1Bを参照すると、組織回収システム10の実施形態が例示されている。例示的組織回収システムは、体腔内から切除した組織検体を閉じ込めて引き戻すのに使用することができる。組織回収システムのある一定の態様は、「組織回収システム(TISSUE RETRIEVAL SYSTEM)」という名称の米国特許第8,721,658号明細書及び「単一切開腹腔鏡組織回収システム(SINGLE INCISION LAPAROSCOPIC TISSUE RETRIEVAL SYSTEM)」という名称の米国特許第9,033,995号明細書に説明されている。これらの特許の各々は、その全体が引用によって本明細書に組み込まれている。
【0011】
様々な実施形態により、本明細書に説明する組織回収システム10は、手術手順中にデバイスから回収バッグを取り出すことなく複数の小さい組織検体を連続的に閉じ込めて引き戻すのに使用することができ、同時に回収バッグを締め上げて、次に、それをイントロデューサから切り離すことによって大きい組織検体の摘出も可能にする万能再展開可能回収システムを提供する。一部の手順では、外科医は、患者から小さい検体を連続的に閉じ込めて引き戻す技能のみを必要とする場合がある。一部の手順では、外科医は、複数の小さい組織検体を連続的に閉じ込めて引き戻す技能を必要とする場合があり、更にこの場合に大きい検体も閉じ込めて摘出する必要がある場合がある。他の手順では、外科医は、大きい組織検体を閉じ込めて摘出することのみを必要とする場合がある。本明細書に説明する回収システムは、多くの異なる手術要件を満たすので、これらのシステムを使用する病院又は手術センターは、その手術必要性に対して在庫される回収システムモデルの数を制限することができると考えられる。
【0012】
例示的組織回収システムは、複数の切除された小さい組織検体を連続的に閉じ込めて引き戻すためのある一定の手順に望ましく使用することができる。有利には、本明細書に説明する組織回収システムのある一定の実施形態は、手順中の複数のリンパ節の連続取り出しのための単一回収システムの使用を可能にすることができる。
【0013】
図1A及び
図1Bを参照すると、ある一定の実施形態により、組織回収システム10は、その遠位端に組織検体に対するレセプタクルを提供する回収バッグ20を含む。回収バッグ20は、開口端と、その反対にある閉鎖端とを有することができる。回収バッグ20は、それを懸架するための1対の支持アーム40を受け入れるために開口端に形成されたカフ21と、回収バッグの開口端を選択的に締め上げるためのコードループとを更に備えることができる。様々な実施形態により、回収バッグは、リップストップナイロン及びポリウレタン積層体、ポリウレタン、又はこれら両方の材料の組合せで形成することができる。例えば、回収バッグは、リップストップナイロン及びポリウレタン積層体から形成することができ、回収バッグの破裂強度及び穿刺抵抗を高めるためのポリウレタン補強材を回収バッグの先端に含むことができる。補強材は、リップストップナイロン又はリップストップナイロン及びポリウレタン積層体で構成することができる。リップストップナイロン及びポリウレタン積層体の代替として、リップストップナイロンは、ポリウレタンで被覆することができる。
【0014】
複数の小さい検体を回収するための手順では、回収バッグ内への組織検体の挿入の後に、体腔内からの回収バッグ20の引き戻し中に回収バッグ20の内容物の漏脱を防止し、更に体腔及び体腔壁の汚染を防止するために、回収バッグ20を可逆的に閉鎖することができる。回収バッグが体腔から引き戻された状態で、それを再び開いて組織検体を取り出し、次に、分析のために病理医に送ることができる。次に、回収バッグをイントロデューサチューブの中に完全に後退させて、次のターゲット組織検体の閉じ込め及び引き戻しのために患者の体内に再展開することができる。
【0015】
組織回収システム10は、体腔内から胆嚢又は腎臓のような大きい組織検体を取り出すための手順に使用することができる。これらの手順では、体壁を通じた回収バッグ20のその後の引き戻しのために回収バッグ20を完全に締め上げて閉鎖してシステムから切り離すことができる。癌性組織の切除に関するような一部の手順では、最初にリンパ節のような小さい組織検体を取り出し、次に、より大きい組織検体を取り出すことが望ましい場合がある。この場合に、組織回収システム10は、より小さい組織検体を連続的に取り出すために回収バッグを可逆的に閉鎖することを可能にし、更に大きい組織検体の取り出しのために回収バッグを完全に締め上げて閉鎖して切り離すことを可能にする。
【0016】
図1A~
図6Aを参照すると、複数の組織検体を単一手順で回収するための手順に使用するための様々な構成にある組織回収システム10のある一定の態様が示されている。
図1A及び
図1Bを参照すると、第1の展開条件にある組織回収システム10が例示されている。図示の実施形態では、組織回収システムは、イントロデューサ3とアクチュエータ7又は作動ロッドとを有する。一態様でのイントロデューサ3は、中空管腔を有する管状構成と、イントロデューサ3の近位端から延びるハンドルアセンブリ5とを有する。一部の実施形態により、イントロデューサ3は、標準サイズのトロカールを通じた配置に対してサイズ決定かつ構成することができる。例えば、イントロデューサ3は、5~7mmトロカールのような比較的小さい直径のトロカールを通して導入されることになる5mm腹腔鏡手術器具としてサイズ決定することができることが望ましい場合がある。他の実施形態により、イントロデューサ3は、10mm又は12mmの腹腔鏡手術器具としてサイズ決定することができる。一部の実施形態により、イントロデューサ3は、特定の場所での適用に対して標準外のサイズを有することができる。一部の実施形態により、組織回収システム10は、手術部位へのアクセスを改善するために、例えば、45cm長のイントロデューサ3のような比較的長いイントロデューサを含むことができる。
【0017】
例示的実施形態のハンドルアセンブリ5は、単一ポートの腹腔鏡手術部位内の他の手術器具との隣接配置に対して適応することができる小型のハンドル部材を備えることができる。従って、一部の実施形態により、組織回収システムは、単一切開腹腔鏡手順中に利用されるようになっている。他の実施形態により、ハンドルアセンブリは、イントロデューサ3を所望通りに保持又は安定化するのに利用することができるハンドルアセンブリ5と共に形成された又は他に結合された1対の指ループ又はグリップを含むことができる。
【0018】
組織回収システムの例示的実施形態10では、イントロデューサ3は、中空管腔へのアクセスを容易にすることができる一般的に、開いている近位端及び遠位端を有する。図示のように、アクチュエータ7は、その開口近位端から中空管腔の中に延び、イントロデューサ3の中空管腔内で摺動可能に移動可能である。
図2を参照すると、アクチュエータロッドをトロカールのようなアクセスポートを通じた手術部位への挿入のために近位位置まで引き戻すことができる。アクチュエータ7が近位位置にある時に、回収バッグ20は、イントロデューサ3の中空管腔に位置決めされて収納構成にある。アクチュエータ7は、一態様では、その近位端から延びる親指ループのようなハンドルを有する。このハンドルは、近位位置(
図2に示す)と組織回収システムの第1の展開条件(
図1Aに示す)の間のイントロデューサ3に対するアクチュエータ7の移動を制御又は容易にするためのデバイスの把持可能部分を提供する。
【0019】
図3~
図6Aを参照すると、手術部位で組織検体を回収するのに組織回収システムの上述の例示的実施形態10を使用するための例示的方法が示されている。ある一定の実施形態により、組織回収システムは、収納構成(
図2)又は第1の展開構成(
図1A)のいずれかで提供することができる。一部の実施形態により、回収バッグ20がその元の構成を維持し、手術使用中に容易に広がることを保証するために、組織回収システム10は、回収バッグ20がイントロデューサチューブの遠位端から展開された状態でパッケージ化されることを望ましいとすることができる。臨床使用中に、最初に、トロカールカニューレとトロカール密封ハウジングとを備えるトロカール100のようなアクセスデバイスは、体壁Wを横断するようにトロカールカニューレを配置したままで体壁Wを通して置かれる。組織回収システム10が第1の展開構成で提供された場合に、看護師又は外科医は、アクチュエータ7を近位方向に引き戻してアクチュエータロッドを近位位置に位置決めすることでイントロデューサ3チューブの中に回収バッグ20を完全に後退させることによって組織回収システムを収納構成(
図2)に構成する。次に、イントロデューサ3チューブの遠位端がトロカールカニューレの遠位端を超えて延びるまで、組織回収システム10をトロカール密封ハウジング及びトロカールカニューレの中に挿入することができる。次に、アクチュエータを遠位方向に第1の展開位置(
図3)まで前進させることにより、イントロデューサ3の中から体腔の中に回収バッグ20が展開される。
【0020】
図3の参照を続けると、体腔の中に延びた状態で、第1の展開構成にある回収バッグ20は、回収バッグの開口端にあるカフの中に延びる2つの支持アーム40によって開口状態で懸架されて保持される。図示の実施形態では、回収バッグは、支持アーム40が通って延びるカフの近位部分に取り付けられたビード50を含む。第1の展開位置では、組織回収システムの例示的実施形態は、アクチュエータ7の遠位端に結合されてビード50と係合した保持ラッチを備える。有利には、保持ラッチは、外科医が支持アーム及びアクチュエータからの回収バッグ20の解除を選択的に制御することを可能にする。第1の展開位置にある間に、保持ラッチは、支持アームからの回収バッグ20の解除を防止するためにビード50と係合し、ビード50に解除可能に取り付けられる。ビード50と係合した時に、保持ラッチは、その後のトロカールを通じた挿入のためにアクチュエータ7を近位位置まで引き戻すことによって回収バッグ20をイントロデューサ3の中に完全に後退させることを可能にする(
図2)。ビード50と係合した時に、保持ラッチは、回収バッグ20を再展開可能締め上げ構成までイントロデューサチューブの中に部分的に後退させて(
図4)、回収バッグの開口部の可逆的閉鎖を可能にする。すなわち、その後の患者からの引き戻しをもたらすために、組織回収バッグ20の連続的な反復する開口及び閉鎖を用いて、アクチュエータを第1の展開位置(
図3)まで前進させる段階と組織回収バッグを再展開可能締め上げ構成に位置決めするためにアクチュエータを近位位置(
図4)に対して引き戻す段階とを繰り返し行うことによって複数の小さい組織検体を単一手順で閉じ込めることができる。
【0021】
図4を参照すると、小さい組織検体が回収バッグに配置された状態で、支持アーム40及びカフがイントロデューサ3チューブの中に引き込まれるまでアクチュエータ7をイントロデューサ3チューブの中に後退させ、閉じ込められた組織を有する回収バッグ20の遠位部分をイントロデューサ3チューブの外側に残すことによって回収バッグ20の部分的な後退及び閉鎖を提供する。この場合に、様々な技術を用いて手術部位から体壁を横断して組織検体を取り出すことができる。例えば、組織回収システム10は、トロカールが体壁を横断するように配置されたままにしてトロカールを通して引き戻すことができ、又は患者からのトロカールの引き戻し後に体壁を通して直接引き戻すことができる。非常に小さい組織検体に関しては、閉じ込められた検体を有する全体の回収バッグ20をイントロデューサチューブの中に引き戻すことができる。この場合に、組織回収システムは、トロカールが体壁を横断するように配置されたままにしてトロカールを通して引き戻すことができる。
【0022】
組織回収システム10が手術部位から引き戻された状態で、アクチュエータ7を第1の展開位置(
図1A)まで遠位に前進させ、分析のために組織検体を取り出すことができる。更に別の小さい組織検体を取得することが望ましい場合に、上述のように手術部位への再導入のためにアクチュエータ7を近位位置(
図2)まで引き戻すことができる。
図16~
図28及び
図56~
図58を参照して下記で詳しく説明するように、ある一定の実施形態により、組織回収システムは、組織回収バッグ20をアクチュエータ7から分離することが望ましくなるまで近位位置と第1の展開位置の間のアクチュエータの進行を制限するストップ機構を含むことができる。有利には、これらのストップ機構は、望ましい組織検体の全てが分析のために収集され終わる前の組織回収バッグの不用意な完全展開の可能性を低減することができる。
【0023】
組織回収システム10は、胆嚢、虫垂、又は腎臓のような比較的大きい組織検体を摘出する手順に使用することができる。これらの手順では、望ましくは胆嚢のような大きい組織検体の挿置中に組織回収バッグが第1の展開構成(
図3)にある状態で、保持ラッチは、支持アーム及びアクチュエータに対する回収バッグの不用意な移動を防止する。大きい検体が組織回収バッグに位置決めされた状態で、回収バッグを締め上げて、それを体腔の中に残したままにしてイントロデューサから完全に切り離すことが望ましい。手順がリンパ節のような小さい組織検体の連続取り出しを必要とし、かつ大きい組織検体の取り出しを必要とする場合に、回収バッグの締め上げ及び切り離しは、小さい方の組織検体の連続取り出しの後に完了するであろう。回収バッグが締め上げられて閉鎖されてイントロデューサから切り離された状態で、次に、外科医は、トロカールを体壁から取り出し、次に、体壁を通して回収バッグを摘出することができる。
【0024】
ある一定の実施形態により、組織回収システム10は、第1の展開構成(
図3)からアクチュエータ及び組織回収バッグが完全展開構成にある位置(
図5)に選択的に作動させることができる。外科医が、大きいか又は最終の組織検体が回収バッグ内に置かれた時のような組織回収バッグをイントロデューサから分離することが望ましいと決定した状態で、外科医は、例えば、ハンドルアセンブリ上の展開解除ボタンを押すことによって展開解除機構を作動させる。展開解除機構の作動により、アクチュエータを遠位に第1の展開位置を超えて第2の又は完全な展開位置(
図5)まで前進させることができる。この完全展開位置へのアクチュエータの前進により、ビードと保持ラッチの遠位端とは、イントロデューサチューブの遠位端の外に配置される。
【0025】
図5及び
図6Aを参照すると、ある一定の実施形態により、組織回収システム10は、アクチュエータ7を完全展開位置まで前進させ終わった後にイントロデューサ3の遠位端内へのビードの再導入を防止するためのストップ機構を含むことができる。例えば、図示の実施形態では、組織回収システム10は、アクチュエータ7とビード50の間に位置決めされたビードストップ60を含む。
図10~
図15を参照して下記で詳しく議論するように、アクチュエータが完全展開位置にある時に、ビードストップもその最も遠位の位置まで前進し、そこでイントロデューサ3の遠位端を閉塞するようにイントロデューサにロッキング係合する。この閉塞は、完全展開された時にビード及び回収バッグがイントロデューサチューブの中に引き戻されることを防止する。この閉塞は、その後の完全展開位置からのアクチュエータの近位引き戻しが組織回収バッグ20のカフから支持アームを引き戻して組織回収バッグ20を締め上げるような支持面を与える(
図6A)。回収バッグが締め上げられて閉鎖された状態で、コードループの小ループ42は、イントロデューサ3チューブの近位端の近くで露出する。
【0026】
ある一定の実施形態により、組織回収システムは、組織回収バッグの開口部を閉鎖構成の中に選択的に締め上げるように位置決めされたコードループを備える。コードループは、組織回収バッグ20の開口端にあるカフを通って延び、アクチュエータ内の受け入れチャネルに沿ってイントロデューサの中に近位に延びることができる。コードループは、アクチュエータに解除可能に結合することができる。ある一定の実施形態により、コードループは、その近位端がアクチュエータの近位端と遠位端の間に位置決めされてアクチュエータによって保持されるように寸法決めされる。望ましくは、ある一定の実施形態により、コードループは、その長さが回収バッグの締め上げ及び締め上げ後のアクチュエータ上でのコードループの露出を可能にするように寸法決めされる。回収バッグが締め上げられて閉鎖された時に、コードループは最大に引張される。コードループの最大の引張の前の回収バッグの締め上げ中に、コードループは、回収システムのイントロデューサチューブの中に完全に閉じ込められる。ある一定の実施形態により、コードループは、回収バッグの展開中又はイントロデューサチューブ内への回収バッグの後退中には露出しない。例えば、手術部位への挿入及び複数の小さい組織検体の引き戻し(
図2~
図4)中にコードループは露出しない。これらの実施形態により、コードループ42は、最大に引張されて回収バッグが締め上げられて閉鎖された時に(
図6A)初めて外科医に対して露出する。この特徴は、外科医がデバイスの使用中にコードループを意図せずに把持、切断、解除、又は引張することを防止する。コードループは、その一部分をアクチュエータの下側にある受け入れチャネル内に折り畳んで格納することでイントロデューサチューブ内に非引張状態で格納することができる。
【0027】
コードループ42は、回収バッグを把持し、それを腹壁を通して引き戻すための人間工学的で高強度の手段を提供することができる。コードは単一ループのコードで形成されるので、コードループを手で把持することができることに関していずれの制約もない。更に、コードループは、その2つのストランドが外科医によって印加される張力を吸収することで体壁を通して回収バッグを引き戻すための強力な手段を提供する。例えば、外科医が回収バッグの引き戻し中にコードループに20ポンドの引張力を印加している場合に、コードの各ストランドは10ポンドの力で引張される。ある一定の他の回収システムは、ループを手で把持することを困難にする可能性がある材料の比較的小さいループを含んでいる。同様に、他の回収システムは、一本のコードストランド又はラインに接続された小さいループを含んでおり、この場合に、外科医によって印加される20ポンドの引張力の結果として20ポンドの引張力がコードに印加される。一部の場合に、これらの他の回収システムの一本のコードストランド又はラインは、回収バッグの引き戻し中に正常に機能しない場合がある。
【0028】
コードループによってもたらされる別の利点は、回収バッグの締め上げ後のコードループが比較的短く、コードのより容易な取り扱い及び体壁を通じた回収バッグのより容易な引き戻しを可能にすることである。本明細書に説明する組織回収システムのある一定の実施形態により、回収バッグが締め上げ状態にある時のコードループの長さは約14’’である。他の回収システムは、回収バッグの締め上げ後に約25’’よりも長い長さを有するコードを有し、それによって体壁を通じた回収バッグの引き戻し中にコードが扱いにくく、管理及び使用を困難にする。
【0029】
図6A~
図6Cを参照すると、組織回収バッグ20が締め上げられた状態で、体腔内からの締め上げられた回収バッグの引き戻しのための少なくとも2つの技術がある。第1の方法では、コードループ42をアクチュエータ上の保持スロットから持ち上げることによって回収バッグをアクチュエータ及びイントロデューサチューブから完全に切り離すことができる。
図6Bは、組織回収バッグが締め上げられた後のアクチュエータに結合されたコードループの詳細図である。
図6Bでは、コードループ42は単一連続ループを備える。
図6Cは、本明細書に説明する組織回収システムの様々な実施形態に使用することができるコードループの別の実施形態43の詳細図を示している。図示の実施形態では、コードループ43は、アクチュエータ上の保持スロットに隣接するコードループの近位端に把持ループ45を備えることができる。有利には、把持ループ45は、組織回収バッグを締め上げ終わった後のコードループ43の把持を容易にすることができる。ある一定の実施形態により、把持ループ45は、コードループ43に互いの超音波溶接、ボンディング、熱溶着、又は溶融等によって薄型インタフェースで結合することができる。そのような薄型インタフェースは、ノット又は他のより大型カプリングの通過を阻害する可能性がある1又は2以上の密封Oリング又は他の狭窄部を通過するようにコードループを経路指定することができるので、組織回収システムでのコードループとアクチュエータの組立てを望ましく容易にすることができる。
【0030】
図6Aを参照すると、コードループがアクチュエータから切り離された状態で、次に、回収バッグ20を体腔内に残し、コードループ42が体壁を横断するように位置決めされたままにしてデバイス、トロカールシール、及びカニューレを体壁から引き戻すことができる。次に、ビードを体壁内の組織線維層を通じた回収バッグの移動を助けるための拡張器として用いて、回収バッグのネックを体壁を通して引き戻すことができる。回収バッグのネックが体壁を横断した状態で、次に、回収バッグの閉鎖端及びビードを手で把持してコードに沿ってビードを摺動させることによって回収バッグを再開口することができる。次に、回収バッグにアクセスして鉗子、把持鉗子、及び吸引プローブのような標準の開腹器具及び腹腔鏡器具を用いて回収バッグの内容物を取り出して又は詰め固めて体腔からの完全な引き戻しを助けることができる。内容物の大部分が取り出された状態で、次に、回収バッグの開口端及びビードを手で把持してコードに沿ってビードを摺動させることによって回収バッグを閉鎖することができる。更に、コードループを手で把持し、その後に、回収バッグを体腔から完全に引き戻すことができる。一部の手順では、外科医は、回収バッグを再開口することなく体壁を通して回収バッグを引き戻すことができる。
【0031】
体壁を通じた回収バッグの引き戻しの前に回収バッグから吸引する、詰め固める、又は取り出す必要のない可能性が高い回収バッグ内に挿置された小さい胆嚢のようなより小さい組織検体に対して体腔内からの回収バッグ20の引き戻しのための第2の方法を使用することができる。この場合に、コードループをアクチュエータに取り付けたままにすることができ、デバイス全体をトロカールシール及びカニューレと共に体腔から体壁を通して同時に引き戻すことができる。
【0032】
図7~
図9を参照すると、本明細書に説明する組織回収システムの再展開可能作動に寄与するこれらのシステムのある一定の構成要素が例示されている。組織回収システムの実施形態では、イントロデューサの遠位端にあるこれらの構成要素の第1の展開位置での作動を
図10及び
図11に例示し、第2の展開位置での作動を
図12~
図15に例示する。
図7は、組織回収システムの様々な実施形態と併用するためのビードの実施形態を示している。
図8は、組織回収システムの様々な実施形態と併用するための保持ラッチの実施形態を示している。
図9は、組織回収システムの様々な実施形態と併用するためのビードストップの実施形態を示している。
【0033】
図7を参照すると、組織回収システムのためのビードの実施形態50が例示されている。図示のように、ビード50は、支持アームがそれを通って摺動することができる1対のチャネル52を備える。ビード50は、回収バッグをアクチュエータ及びイントロデューサから完全に切り離された後に回収バッグを必要に応じて締め上げて閉鎖及び再開口することを可能にするために、それを通って延びるコードループに摩擦係合する孔54を更に備えることができる。ビードは、保持ラッチに解除可能に係合するように構成することができる。図示の実施形態では、ビード50は、保持ラッチの遠位端に係合するための凹部56と、そこに位置決めされたレッジ57とを含む。ある一定の実施形態により、ビード50は、ポリカーボネートから射出成形され、他の実施形態により、ナイロン、ABS、及びポリエステルのような他の材料から形成することができる。
【0034】
図7の参照を続けると、ある一定の実施形態により、ビード54は、体壁を通じた締め上げられた回収バッグの引き戻しを容易にするように構成される。ある一定の実施形態により、ビード54の近位端は、体壁を通じたビードの引き戻しを容易にするために鈍頭、先細、又はアール付きの面58を備えることができる。従って、ビードは、回収バッグの引き戻し中に体壁の筋繊維及び組織線維を拡張することができる。有利には、ビードが体壁を横断する時に、それに締め上げられたカフ及び回収バッグの残余は、容易に追従することができる。ビードを含まない回収システムは、締め上げられた回収バッグの突き出たカフを体壁の中に直接引き込むことを必要とする場合があり、この場合に、襞状カフは、回収バッグの引き戻し中に時として体壁に引っ掛かり、その結果、摘出力を増大させる場合がある。
【0035】
図7の参照を続けると、ビードの例示的実施形態50は、回収バッグをイントロデューサから切り離された後に回収バッグを必要に応じて締め上げて閉鎖及び再開口することを可能にするために、それを通って延びるコードループに摩擦係合する通路、ボア、又は孔54を含む。従って、体腔からの回収バッグの引き戻し中に、回収バッグのネックが体壁を横断し終わると、回収バッグの内容物を取り出す又は詰め固めるためのアクセスを可能にするために回収バッグを有利に容易に再開口することができる。ビードを持たない従来の回収バッグは、締め上げられて閉鎖されると再開口することが困難である又は不可能な場合がある。
【0036】
図7の参照を続けると、ある一定の実施形態により、ビード50は、ビード本体51と、その一部分の周りに位置決めされた(
図11)環状クランプ53とを備えるツーピースアセンブリを備えることができる。組織回収バッグをビード50に結合するために、組織回収バッグの一部分をビード本体51とクランプ53の間に配置することができる。化学接着剤を用いた接着、超音波溶接、熱溶着、又は他の化学的、熱的、又は機械的な接合処理のような様々な接合技術は、回収バッグをビード本体及び/又はクランプに更に固定することができる。他の実施形態により、ビードは、包囲クランプのない単一構成要素とすることができ、単一構成要素ビードを様々な化学的、熱的、又は機械的な接合処理を用いて回収バッグに結合することができる。
【0037】
図8を参照すると、組織回収システムの様々な実施形態に使用するための保持ラッチの実施形態70が例示されている。例示的保持ラッチ70は、アクチュエータの遠位端に位置決めされるように構成されたアクチュエータキャップを含む。従って、保持ラッチ70は、アクチュエータの遠位端と結合される近位部分72を備えることができる。保持ラッチは、近位部分72から遠位に延びるラッチアーム74を備える。ラッチアーム74は、ビードに解除可能に係合するように構成することができる。例えば、図示の実施形態では、ラッチアーム74は、その遠位端にラッチタブ76を備える。図示の実施形態では、ラッチタブ76は、半径方向内向きに延びてビード50のレッジ57(
図7)に解除可能に係合する。ある一定の実施形態により、一体的な保持ラッチを有するアクチュエータキャップは、ポリカーボネートから射出成形され、他の実施形態により、ナイロン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリエステル、ポリプロピレン、ステンレス鋼、バネ鋼、チタン、又はニチノールから形成することができる。
【0038】
図示の実施形態では、アクチュエータキャップは、ビード上の対応するレッジに係合可能な単一保持ラッチのみを備えるが、他の実施形態により、アクチュエータキャップがビードに係合可能な2つの保持ラッチを含み、ビードが対応する2つのレッジを備えるように考えている。更に、アクチュエータキャップと保持ラッチとを単一構成要素として示すが、他の実施形態により、アクチュエータキャップが2つの構成要素で形成され、この場合に、アクチュエータキャップの本体がポリカーボネート、ABS、ナイロン、又はポリプロピレンのようなポリマー材料で形成され、保持ラッチが、ステンレス鋼、バネ鋼、チタン、又はニチノールのような金属材料で形成されるように考えている。ある一定の実施形態により、金属保持ラッチは、アクチュエータキャップの成形中にオーバーモールドされるか、又はアクチュエータキャップにボンディングされるか、又はアクチュエータキャップに熱かしめされるか、又はアクチュエータキャップにスナップ装着されるか、又はアクチュエータキャップとイントロデューサチューブの間に機械的に捕捉されるか、又はアクチュエータキャップとアクチュエータの間に機械的に捕捉される。金属保持ラッチは、完全展開位置へのアクチュエータの前進時に切り離し位置に跳ねるように付勢することができる。この別個の保持ラッチは、それをビード上のレッジからの切り離し位置に付勢するためのバネ又は一体的バネ要素を含むことができる。
【0039】
図9を参照すると、組織回収システムの様々な実施形態に使用するためのビードストップ60の実施形態が例示されている。図示の実施形態では、ビードストップ60は、本体部分62と係止アーム64とを備える。図示のように、係止アーム64は、本体部分62と一体形成され、片持ちバネアームとして形成される。係止アーム64は、イントロデューサに係合するように構成されたタブを含むことができる。本体部分62は、組織回収システムのアクチュエータの遠位端と組織回収バッグのビードの間に位置決めされるように構成することができる。従って、ビードストップの本体部分62は、保持ラッチ70のラッチアーム74(
図8)がそこを通過するチャネル66と、組織回収バッグのアクチュエータ及びコードループに結合された支持アームがそこを通過する1又は2以上の通路68とを含むことができる。
【0040】
アクチュエータが近位展開位置又は第1の展開位置(
図2及び
図1A)にある時に、ビードストップの片持ちバネアームは、イントロデューサチューブ内で偏向状態にある。回収バッグを完全展開位置まで前進させた時に、片持ちバネアームは、半径方向外向きに跳ねてイントロデューサチューブ上の嵌合スロットの中に係合してロックする。アクチュエータが回収バッグが展開された第1の展開位置にある状態で、回収システムをパッケージ化して格納することができるように考えている。従って、アクチュエータがこの位置にある時に、ビードストップ上の片持ちバネアームは、デバイスの格納中に一定の曲げ撓み力を受ける。この理由から、ある一定の実施形態により、ビードは、好ましくは、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、又はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のような高いクリープ抵抗を有する高熱ポリマー材料から形成される。他の実施形態により、ビードストップは、ステンレス鋼、バネ鋼、ニチノール、又は他の金属材料から形成することができる。ある一定の実施形態により、ビードストップは、ポリカーボネート、ABS、ナイロン、又はポリエステルから形成されたポリマー本体とステンレス鋼バネアームのような材料との組合せで形成することができる。ステンレス鋼バネアームは、ビードストップの成形中にオーバーモールドするか、又はビードストップにボンディングするか、又はビードストップに熱かしめするか、又はビードストップにスナップ装着することができる。
【0041】
ビードストップの例示的実施形態は、イントロデューサチューブ内のほぼ矩形のスロットに係合するように構成されたほぼ矩形のプリズムタブを有する片持ちバネアームを備えるが、他の実施形態により、ビードストップが、イントロデューサチューブ内のほぼ円形の開口に嵌合するほぼ円筒形の突起を片持ちバネアーム上に備えることができるように考えている。更に、この例示的ビードストップは、単一片持ちバネアームを含むが、他の実施形態により、ビードストップは、イントロデューサチューブ内の対応する2又は3以上のスロット又は開口に係合可能な2又は3以上の片持ちバネアームを含む。
【0042】
図10及び
図11を参照すると、アクチュエータ7を第1の展開位置まで前進させた時(
図3に示すように位置決めされた組織回収システムに対応する)のイントロデューサ3の遠位端におけるビード50、ビードストップ60、及び保持ラッチ70の配置が例示されている。アクチュエータ7が第1の展開位置にある支持アーム40及びコードループ42の位置も例示されている。第1の展開位置では、保持ラッチ70のラッチアーム74は、アクチュエータキャップの遠位端から遠位にビードストップ60のチャネル66を通って延びる。ラッチアーム74の遠位端にあるラッチタブ76は、ビード50上の凹部56の中に位置決めされ、そこでビード上のレッジ57に係合する。保持ラッチ70がビード50に結合されている時に、保持ラッチは非撓み状態にある。アクチュエータ7を第1の展開位置に前進させた時に、回収バッグ、保持ラッチ70、及び凹部56とレッジ57とを含むビード50の近位部分の再展開可能使用のためのアクチュエータ7の初期位置は、イントロデューサ3チューブの中に束縛される。保持ラッチ70とビード50の近位部分とがイントロデューサ3チューブの中に閉じ込められている時に、ビード50上のレッジ57とイントロデューサチューブの内径との間に保持ラッチ70がビード50上のレッジ57を克服してビードから切り離されるほど十分なクリアランスがないので、保持ラッチ70はビード50と切り離すことができない。従って、アクチュエータ7がその第1の展開位置にある状態で、保持ラッチ70は、アクチュエータ7が近位方向に引っ張られる時にイントロデューサチューブの中に回収バッグを後退させることを可能にするように機能する。
【0043】
図12及び
図13を参照すると、アクチュエータ7を第2の完全展開位置(
図5に示すように位置決めされた組織回収システムに対応する)まで前進させたイントロデューサ3の遠位端におけるビード50、ビードストップ60、及び保持ラッチ70の配置が例示されている。アクチュエータが第2の展開位置にある支持アーム40及びコードループ42の位置も例示されている。アクチュエータをその完全展開位置まで前進させた時に、ビード50及びそれに取り付けられた保持ラッチ70は、前進してイントロデューサ3チューブの遠位端から出る。同じくビードストップ60も、その係止アーム64又は一体的片持ちバネアームが跳ね上がってイントロデューサ3チューブ上の矩形の嵌合スロット4の中に係合する位置まで遠位に前進する。ビードストップ60がイントロデューサ3チューブの遠位端の中に係合されている時に、ビードストップ60は、ビード及び回収バッグがイントロデューサチューブの中に引き戻されることを防止することになる。
【0044】
図14及び
図15を参照すると、アクチュエータ7が第2の完全展開位置(
図5に示すように位置決めされた組織回収システムに対応する)から引き戻されている時のイントロデューサ3の遠位端におけるビード50、ビードストップ60、及び保持ラッチ70の配置が例示されている。アクチュエータが第2の展開位置から近位に引き戻されている時の支持アーム40及びコードループ42の位置も例示されている。図示の実施形態では、保持ラッチ70は、アクチュエータ7の引き戻し及び回収バッグの締め上げ中にビード50上のレッジ57から切断されるように構成されたラッチタブ76での傾斜接触面を含む。アクチュエータ7を後退させて回収バッグを締め上げる時に、ビードストップ60は、ビード50がイントロデューサチューブの中に引き込まれることを防止する。この段では、ビード50から保持ラッチ70を後退させる時に、保持ラッチ70上の傾斜接触面は、ビード50上のレッジ57と係合し、保持ラッチを撓ませてレッジ57を乗り超えさせ、その結果、保持ラッチ70からのビード50の切り離しがもたらされる(
図14)。保持ラッチ70の遠位先端は、保持ラッチ70が撓んでレッジ57を乗り超え(
図14)、次に、非撓み位置に戻ることができ、その後の回収バッグの締め上げに対して保持ラッチ70をイントロデューサ3チューブの中に容易に後退させる(
図15)ことを可能にするようにイントロデューサチューブ3の遠位端から十分な距離に位置決めされる。コードループの近位部分はアクチュエータ7に結合されるので、アクチュエータ7を引き戻し続けることにより、ビード50がビードストップ60の本体部分を押圧することによって組織回収バッグの開口部が締め上げられる(
図6)。アクチュエータ7が近位に引き戻された状態で、支持アームが回収バッグ上のカフ及びビード50から引き戻され、この時に、コードループに張力が印加されてバッグが締め上げられて閉鎖される。
【0045】
初期出荷及び挿入構成にある組織回収システムのある一定の実施形態により、アクチュエータがイントロデューサ内で近位位置(
図2)と第1の展開位置(
図1A)との間でのみ長手方向に摺動可能であることを望ましいとすることができる。この近位位置では、コードループをアクセス不能であるようにイントロデューサ内に位置決めすることができる。第1の展開位置では、組織回収バッグはイントロデューサに結合されている。従って、アクチュエータの運動をこれらの位置に制限することにより、組織回収バッグがイントロデューサから不用意に切り離される可能性が低減する。すなわち、ある一定の実施形態により、組織回収システムは、近位ストップ機構と遠位ストップ機構を含む。これらのストップ機構は、組織回収システムのアクチュエータを第1の展開位置を超えて完全展開位置まで遠位に前進させることができ、完全に展開された後に近位位置を近位に超えて引き戻してコードループを露出させることができるように選択的に解除可能であることを望ましいとすることができる。更に、コードループが露出した状態で、送気中の手術部位内への漏出経路を与える可能性があるイントロデューサチューブからのアクチュエータの完全な引き戻しが防止され、支持アームを手術部位に不要に前進させる可能性があるアクチュエータの再展開が防止されることを望ましいとすることができる。従って、上述した解除可能近位及び遠位ストップ機構に加えて、ある一定の実施形態により、組織回収システムは、組織回収バッグを締め上げること及びコードループのアクセスに続いて近位方向及び遠位方向の一方又は両方のアクチュエータの移動を制限するためのアクチュエータ引き戻しストップ機構及びアクチュエータ再展開ロックアウト機構の一方又は両方を備えることができる。
【0046】
近位ストップ機構は、イントロデューサ内への回収バッグの後退中にアクチュエータ及び回収バッグがイントロデューサの中に過度に深く後退することを防止することができる。手順中のトロカール内への各挿入の前に、アクチュエータを近位方向に近位位置まで引っ張ることによって回収バッグはイントロデューサの中に完全に後退する。この後退中に、近位ストップ機構は、アクチュエータ及び回収バッグがイントロデューサの中に過度に深く後退し、時にイントロデューサから完全に引き出されることを防止する。ある一定の実施形態により、近位ストップ機構は、イントロデューサ内への回収バッグの後退中にコードループが露出することを更に防止する。アクチュエータの近位移動を制御するための特徴部を持たない回収システムでは、アクチュエータ及び回収バッグが時としてデバイスのハンドルの中に引っ張り込まれ、その結果、回収バッグがハンドルの中に詰まって動かなくなる場合がある。近位ストップ機構を持たないこれらのシステムでは、更に別の近位移動時に、アクチュエータ及び回収バッグがデバイスのハンドル中を通してイントロデューサの外に完全に引っ張り出され、その結果、外科医に対してデバイスが使用不能になる恐れもある。
【0047】
図16~
図19を参照すると、組織回収システムのための近位ストップ機構の実施形態が例示されている。ハンドルは、アクチュエータ7の長手軸線と垂直に位置決めされ、アクチュエータ上のコードループが露出されることを防止しながら回収バッグをイントロデューサ3の中に後退させることを可能にする軸線方向に移動可能なアクチュエータポスト80を含むことができる。アクチュエータポスト80は、第1の端部と、その反対の第2の端部とを有するほぼ円筒形の本体を備えることができる。アクチュエータポストは、第2の端部から半径方向外向きに突出する1又は2以上の片持ちスナップ脚82を有することができる。アクチュエータポスト80は、ハンドルアセンブリ内に形成されたボア92の中に位置決めされる。図示のように、ボア92は、ハンドルアセンブリの下側ハンドル部分90に形成される。片持ちスナップ脚82は、下側ハンドルのボア92内の傾斜面94上に載り、アクチュエータポスト80を阻止位置又は突出位置に維持するように機能する。アクチュエータ7の下面は、アクチュエータが近位位置と第1の展開位置との間で長手方向に摺動する時にアクチュエータポスト80の上を超えて自由に通過するようにサイズ決定及び寸法決めされる。アクチュエータ7の下面は、そこに形成され、かつ近位位置を近位に通り過ぎるアクチュエータの移動を防止するためにアクチュエータポスト80に係合するように位置決めされたレッジ96を更に備えることができる。このアクチュエータ位置では、コードループは、ハンドル及びイントロデューサチューブの中に閉じ込められたままに留まる(
図2)。従って、突出位置に位置決めされた時に、アクチュエータポスト80は、コードループを露出させることなく回収バッグをイントロデューサチューブの中に完全に後退させ、イントロデューサチューブから複数回展開させることを可能にする。
【0048】
ある一定の実施形態により、アクチュエータポストは、突出位置又は阻止位置に付勢される。例えば、近位ストップ機構は、アクチュエータ上のレッジに係合するようにアクチュエータポストを突出位置に付勢するための圧縮バネを更に備えることができる。圧縮バネは、アクチュエータポストの内径内に位置決めされ、ハンドルアセンブリを押圧することができる。
【0049】
図20~
図22を参照すると、アクチュエータを第2の完全展開位置まで前進させた近位ストップ機構の実施形態が例示されている。様々な手術処理では、組織回収バッグの完全展開とアクチュエータからの組織回収バッグの分離との後に近位位置を通り過ぎてアクチュエータを近位に引き戻すことを望ましいとすることができる。従って、アクチュエータが近位に引き戻された時に、支持アームを組織回収バッグのカフから取り外すことができ、コードループは、回収バッグを手術部位から引き戻すことができるようにアクセス可能とすることができる。すなわち、完全展開位置へのアクチュエータ7の作動後に近位ストップ機構が無効化可能であることを望ましいとすることができる。
【0050】
図20~
図22の参照を続けると、ある一定の実施形態により、アクチュエータは、それを完全展開位置まで前進させた時にアクチュエータポスト80を下向きにアクチュエータからの切断位置まで押下するようにアクチュエータ内に形成されてその近位端に隣接するように位置決めされたカム斜面98を含む。アクチュエータ7を前進させる時に、アクチュエータの近位端上のカム斜面98は、アクチュエータポスト80に接触し、片持ちスナップ脚82が下側ハンドルの中にロックする非突出位置までこのポストに対して下向きにカム作用を及ぼす。アクチュエータポスト80が非突出位置の中にロックされた状態で、近位位置を近位に超えてアクチュエータ7を引き戻し、コードを最大に引張して回収バッグを締め上げてコードループを露出させることができる。コードループがハンドルの近位でアクチュエータ7上に露出すると、外科医は、コードループを把持してアクチュエータから解除することができ、その後の患者からの回収バッグの引き戻しのためにコードループを体壁を横断するように位置決めされたままにしてイントロデューサ及びトロカールを患者の体壁から取り出すことを可能にする。
【0051】
すなわち、有利には、近位ストップ機構を使用することにより、本明細書で議論する組織回収システムのコードループは、回収バッグが締め上げられて閉鎖されるまでは外科医に対して露出しない。この特徴は、外科医又は看護師がデバイスの使用中にコードループを不用意に把持、切断、解除、又は引張することを防止することができる。一部の手順では、外科医は、20又は21以上の組織検体を連続的に閉じ込めて引き戻すことを必要とし、患者の体内及び体外での外科医及び看護師による組織回収システムの膨大な操作及び取り扱いを必要とする場合がある。本発明の格納コードループは、手順中に発生する可能性があるデバイスの膨大な操作及び取り扱い中にコードループが把持、切断、解除、引張されるか、又はもつれる機会を回避する。近位ストップ機構がない場合に、他の組織回収システムは、デバイスの使用中に常時外科医に対して完全露出する回収バッグを締め上げるのに使用されるコード又はラインを有することができる。これらのデバイスのうちのある一定のものでは、コード又はラインは、アクチュエータ又はイントロデューサハンドルの近位端に取り付けられ、それによって外科医又は看護師が手順中にコード又はラインを早期に解除し、その結果、イントロデューサからの回収バッグの想定外の解除がもたらされることを可能にする場合がある。回収バッグのカフが早期に部分的に締め上げられ、その結果、回収バッグの開口部のサイズの縮小及び支持アームによる回収バッグのカフの断裂又は穿刺の可能性がもたらされる恐れもあると考えられる。手順中にコード又はラインが切断される可能性、デバイス内でもつれる可能性、又はトロカールのような他のデバイスと絡まる可能性も考えられる。
【0052】
近位ストップ機構を無効にすることによって近位位置を超えてのアクチュエータの近位後退を可能にするが、ある一定の実施形態により、ハンドルアセンブリは、イントロデューサチューブからのアクチュエータの完全な近位引き戻しを防止するように構成されたアクチュエータ引き戻しストップを更に備えることができる。ある一定の実施形態により、ハンドルアセンブリは、アクチュエータ上のスロットと嵌合するリブを備える。アクチュエータ内のスロットは、その後のイントロデューサからの回収バッグの切り離しのための回収バッグの締め上げ中にアクチュエータがイントロデューサから完全に引き戻されることを防止するためのアクチュエータの進行の近位限界を定めるように位置決めされた端壁を有する。リブとスロットの組合せは、回収バッグの締め上げ中にコードループを露出することを可能にし、アクチュエータのいずれの更に別の後退も防止する。有利には、このアクチュエータ引き戻しストップは、手術手順で体腔の中に気腹を確立して維持するのに使用される二酸化炭素がイントロデューサを通って漏出しないことを保証する。ある一定の実施形態により、組織回収システムは、アクチュエータ上でその近位端と遠位端の間に位置決めされてイントロデューサチューブの内面との密封を維持するOリングシールを含む。ある一定の他の回収システムは、回収バッグの締め上げの前にアクチュエータ全体をイントロデューサから引き戻すことを必要とする場合がある。一般的に、この引き戻しは、イントロデューサがトロカールを通して手術部位の中に挿入された状態で行われる。これらのデバイスでは、アクチュエータがイントロデューサから完全に引き戻される時に、回収バッグが体腔内でイントロデューサの遠位端から垂下して気腹損失が発生する原因になるイントロデューサを通る有意な漏出経路がもたらされる場合がある。
【0053】
組織回収システムのある一定の実施形態により、アクチュエータ上で近位端と遠位端の間に位置決めされたOリングは、回収バッグが送気中の体腔の中に展開された時の有効な密封も提供する。Oリングは、外科医が組織検体を切除して回収バッグに入れている間の気腹の喪失を防止する密封をアクチュエータとイントロデューサチューブの間に提供する。ある一定の他の回収システムは、アクチュエータに対して密封を設けようと試みるシールをイントロデューサチューブに対して近位に位置決めされたハンドルの中に含む。これらのシールは、イントロデューサチューブとハンドルの間、アクチュエータとイントロデューサチューブの間、上側ハンドル半体と下側ハンドル半体の間、ハンドルとイントロデューサチューブの間、シールとアクチュエータの間、及びシールと回収バッグのコード又はテールの間に多くの漏出経路が存在する可能性があるので、気腹の喪失を防止するのに一般的には有効ではない。
【0054】
図23A,
図24A,
図25A,
図26A,
図27A,及び
図28Aを参照すると、遠位ストップ機構の実施形態が例示されている。ある一定の実施形態により、組織回収システムは、組織回収バッグがアクチュエータに結合されたままに留まる第1の展開位置(
図1A)を遠位に通り過ぎるアクチュエータの移動を防止するための遠位ストップ機構を含む。望ましくは、そのようなストップは、複数の組織検体を連続的に回収するための組織回収バッグの反復展開を可能にする。ある一定の実施形態により、組織回収バッグをアクチュエータから分離することができる完全展開位置への第1の展開位置の遠位へのアクチュエータの前進を外科医が制御することができるように遠位ストップ機構が選択的に解除可能又は無効化可能であることが望ましい。
【0055】
図23A,
図24A,
図25A,及び
図26Aを参照すると、遠位ストップ機構は、選択的に解除可能な展開ラッチを備えることができる。ある一定の実施形態により、展開ラッチは、ハンドルアセンブリに位置決めされた展開解除ボタン110を含むことができる。図示のように、展開解除ボタン110は上側ハンドルの中に組み込まれる。図示のように、ボタン110は、アクチュエータ7の各側に沿って延びる壁112を含む。壁112は、半径方向内向きに延びるラッチタブ又は停止タブ114と、その半径方向外向きに位置決めされた凹部116とを含む。展開解除ボタン110は、壁112の下面から延びる2つのポスト118を含む。ポスト118の各々は、ハンドルアセンブリ内の対応するボアの中に配置することができ、圧縮バネ120をポスト118及び圧縮バネ120が下側ハンドルの中に組み込まれるように保持することができる。圧縮バネ120は、ハンドルアセンブリが
図26Aに示すように向けられた時にボタン110を上向きに付勢する。図示の実施形態では、ボタン110は、アクチュエータ7の進行方向をユーザに伝えるように位置合わせされたほぼ三角形の形状を有する。他の実施形態により、展開解除ボタンは、正方形、円形、楕円形、又は他の形状を有することができる。ある一定の実施形態により、ユーザに情報を伝えるために、ボタンにアイコン又は定型化されたロゴを追加することができる。
【0056】
図23A、
図24A、
図25A、及び
図26Aの参照を続けると、アクチュエータ7は、その近位端に隣接する半径方向突出リブ130を含むことができる。ある一定の実施形態により、アクチュエータは、干渉ピン及び孔によってアクチュエータ7の上に押圧することができる別個に成形された親指ループ132を備えることができる。親指ループ132は、その長手軸線に沿って成形されたリブ130を含むことができる。
【0057】
図25A及び
図26Aを参照すると、アクチュエータが第1の展開位置にあり、かつ展開ラッチがラッチ構成にあるように遠位ストップ機構が係合した時の組織回収システムのハンドルアセンブリが例示されている。展開解除ボタン110は、壁112の停止タブ114がアクチュエータ7のリブ130の遠位移動を妨害するように上向きに付勢される。回収バッグを展開させるためにアクチュエータ7を最初に前進させる時に、親指ループ上のリブがボタン上の壁に接触してアクチュエータがその初期位置を超えて前進することを防止する。従って、展開解除ボタン110が押されていない時に、ボタン110は、アクチュエータ7を第1の展開位置まで前進させることしか許さず、回収バッグは、イントロデューサの遠位端から展開されるが、アクチュエータには結合されており、この場合に、回収バッグは、その後にイントロデューサの中に後退させることができる(
図1A)。
【0058】
図27A及び
図28Aを参照すると、アクチュエータが第2の完全展開位置にあり、かつ遠位ストップ機構が解除されている時の組織回収システムのハンドルアセンブリが例示されている。手順中に組織回収バッグをアクチュエータから解除することが望ましい時に、外科医は、ハンドルアセンブリ上の展開解除ボタン110を押下することができる。ボタン110が下向きに押された時に、ボタン上の壁112が移動して停止タブ114をアクチュエータ7上のリブ130との位置合わせから外れるように位置決めし、その後に、アクチュエータをその完全展開位置まで前進させることを可能にする。アクチュエータ7を前進させる時に、リブ130は、壁112の凹部116内で摺動することができる。圧縮バネ120は、ボタン110を上向きに付勢し、ボタン110が押され、次に、解除された後にボタンを上昇位置(
図25A、
図26A)に戻すように機能する。従って、遠位ストップ機構を無効にするためにボタン110が下向きに押された時に、アクチュエータは、次に、その完全展開位置まで前進することができ、引き続きこの位置で回収バッグを締め上げて閉鎖し、イントロデューサから切り離すことができる。ある一定の実施形態により、アクチュエータを完全展開位置まで前進させる段階はまた、
図16~
図22を参照して説明及び図示したアクチュエータポストのような近位ストップ機構を無効にする。次に、コードループを引張し、回収バッグを締め上げて、小さいコードループをアクチュエータ上に露出させるためにアクチュエータを完全に後退させることができる。
【0059】
図23B,
図24B,
図25B,
図26B,
図27B,及び
図28Bを参照すると、遠位ストップ機構の別の実施形態が例示されている。
図23A、
図24A、
図25A、及び
図26Aを参照して上記で議論した実施形態と同様に、遠位ストップ機構は、選択的に解除可能な展開ラッチを備えることができる。ある一定の実施形態により、展開ラッチは、ハンドルアセンブリに位置決めされた展開解除ボタン111を備えることができる。図示のように、展開解除ボタン111は、上側ハンドルの中に入れ子にされる。図示のように、ボタン111は、アクチュエータ7の各側に沿って延びる壁113を含む。壁113は、半径方向内向きに延びるラッチタブ又は停止タブ115と、その半径方向外向きに位置決めされた凹部117とを含む。展開解除ボタン111は、壁113の下面から延びる2つのポスト119を含む。ポスト119の各々は、ハンドルアセンブリ内の対応するボアに位置決めすることができ、かつ圧縮バネ120をポスト119及び圧縮バネ120が下側ハンドルの中に入れ子にされるように保持することができる。圧縮バネ120は、ハンドルアセンブリが
図26Bに示すように向けられた時にボタン111を上向きに付勢する。図示の実施形態では、ボタン111は、アクチュエータ7の進行方向をユーザに伝えるように位置合わせされたほぼ三角形の形状を有する。他の実施形態により、展開解除ボタンは、正方形、円形、楕円形、又は他の形状を有することができる。ある一定の実施形態により、ユーザに情報を伝えるために、ボタンにアイコン又は定型化されたロゴを追加することができる。
【0060】
図23B,
図24B,
図25B,及び
図26Bの参照を続けると、アクチュエータ7は、ボタン111の停止タブ115が摺動係合状態にあるような少なくとも1つの長手方向に延びるレール、スロット、又は溝131を備えることができる。ボタン111は、停止タブ115が溝131の上縁に隣接するように付勢される。ある一定の実施形態により、ボタンは、アクチュエータ7を摺動させる時の停止タブ115及び溝131間の摩擦接触を防止するために、停止タブ115が溝131の上縁に隣接するがそれと接触しないようにサイズ決定かつ構成することができる。図示のように、溝131は、その近位端に隣接する近位端壁133を含む。溝131は、近位端壁133の近位に展開セグメント135を更に備える。展開セグメントは、近位端壁133の遠位にある溝131の部分の長手軸線と平行であってそこから近位端壁133の高さだけオフセットされた軸線に沿って延びることができる。
【0061】
図25B及び
図26Bを参照すると、アクチュエータが第1の展開位置にあり、かつ展開ラッチがラッチ構成にあるように遠位ストップ機構が係合している組織回収システムのハンドルアセンブリが例示されている。展開解除ボタン111は、壁113の停止タブ115が溝131の近位端壁133と干渉してアクチュエータ7の更に別の遠位移動を阻止するように上向きに付勢される。従って、展開解除ボタン111が押されていない時に、ボタン111は、アクチュエータ7を第1の展開位置まで前進させることしか許さず、回収バッグは、イントロデューサの遠位端から展開されるが、アクチュエータには結合されており、この場合に、回収バッグは、その後にイントロデューサの中に後退させることができる(
図1A)。
【0062】
図27B及び
図28Bを参照すると、アクチュエータが第2の完全展開位置にあり、かつ遠位ストップ機構が解除されている組織回収システムのハンドルアセンブリが例示されている。手順中に組織回収バッグをアクチュエータから解除することが望ましい時に、外科医は、ハンドルアセンブリ上の展開解除ボタン111を押下することができる。ボタン111が下向きに押された時に、ボタン上の壁113が移動して停止タブ115をアクチュエータ7上の溝131の近位端壁133との位置合わせから外してこの溝の展開セグメント135との位置合わせ状態に入るように位置決めし、その後に、アクチュエータをその完全展開位置まで前進させることを可能にする。アクチュエータ7を前進させる時に、停止タブ115は、溝131の展開セグメント135内で摺動することができる。圧縮バネ120は、ボタン111を上向きに付勢し、ボタン111が押され、次に、解除された後にボタンを上昇位置(
図25B、
図26B)に戻すように機能する。従って、遠位ストップ機構を無効にするためにボタン111が下向きに押された時に、次に、アクチュエータをその完全展開位置まで前進させることができ、引き続きこの位置で回収バッグを締め上げて閉鎖し、イントロデューサから切り離すことができる。ある一定の実施形態により、アクチュエータを完全展開位置まで前進させる段階は、
図16~
図22を参照して説明及び図示したアクチュエータポストのような近位ストップ機構も無効にする。次に、コードループを引張し、回収バッグを締め上げて、小さいコードループをアクチュエータ上に露出させるためにアクチュエータを完全に後退させることができる。
【0063】
図27C及び
図28Cを参照すると、組織回収バッグの完全展開に続いて締め上げられた組織回収バッグに対応する位置(
図6A)までアクチュエータを近位に後退させた組織回収システムのハンドルアセンブリが例示されている。一部の実施形態により、
図23B,
図24B,
図25B,
図26B,
図27B,及び
図28Bの遠位ストップ機構は、再展開ラッチ機構を更に備える。図示のように、組織回収バッグが締め上げ構成(
図6A)にある時に、アクチュエータの溝131は、アクチュエータ7に沿って遠位に長手方向にアクチュエータ7の近位後退位置に対応する位置まで延びる。溝131は、その上縁内に形成され、アクチュエータ7上でこの近位後退位置に隣接して長手方向に位置決めされた再展開ラッチ傾斜面137と、半径方向ラッチ端壁139と、再展開ラッチセグメント141とを備える。従って、組織回収バッグを締め上げるためにアクチュエータをハンドルアセンブリに対して後退させた時に、
図28Cに示すように、ボタン111の停止タブ115は、半径方向ラッチ端壁139を超えて再展開ラッチセグメント141の上縁に隣接する再展開ラッチ傾斜面137との係合状態に付勢される。この近位後退位置からアクチュエータ7を遠位に前進させる試みは、停止タブ115を半径方向ラッチ端壁139と係合させ、アクチュエータ7の更に別の遠位移動を抑制すると考えられる。従って、再展開ラッチ機構は、組織回収システムが組織回収バッグを完全に締め上げるように作動された状態で、支持アームの不用意な再展開を望ましく防止することができる。
【0064】
図29~
図30を参照すると、ある一定の実施形態により、組織回収システムは、
図9に関して説明及び図示したビードストップ60ではなくステンレス鋼スナップリングのようなスナップリング162を有するビードストップ160を含むことができる。上述した組織回収システムの他の態様は、ビードストップ160との組合せに使用することができる。イントロデューサチューブ内のスロット30は、スナップリング162を受け入れてビードストップ160とロッキング係合するようにサイズ決定かつ構成することができる。スナップリングは、回収バッグの再展開可能使用に対してアクチュエータがその第1の展開位置にある時にイントロデューサチューブ内で圧縮状態に留まると考えられる。回収バッグの締め上げを可能にするためにアクチュエータ7をその完全展開位置(
図29~
図30)まで前進させた時に、スナップリングは、拡大してイントロデューサチューブ上のスロット162の中に入り込み、ビード50及び回収バッグがイントロデューサチューブの中に後退することを防止する。スナップリング162は、そこに形成されてビードストップ160内の対応する間隙に位置合わせされた間隙164を備えることができ、保持ラッチ70は、間隙164を通って延びることができる。
【0065】
図31A及び
図32Aを参照すると、ある一定の実施形態により、組織回収システムは、
図9に関して説明かつ図示したビードストップ60ではなくバネ付勢クリップ262を有するビードストップ260を含むことができる。上述した組織回収システムの他の態様は、ビードストップ260との組合せに使用することができる。イントロデューサチューブは、アクチュエータを完全展開位置まで移動した時にクリップ262を受け入れてビードストップとロッキング係合するようにサイズ決定かつ構成された開口を含むことができる。ビードストップ260は、クリップ262とビードストップ本体の間に位置決めされた圧縮バネ264を更に備えることができる。クリップ262は、回収バッグの再展開可能使用に対してアクチュエータが近位位置と第1の展開位置の間にある時に圧縮状態に留まる。回収バッグの締め上げを可能にするためにアクチュエータをその完全展開位置まで前進させた時に、クリップ262は、圧縮バネ264によって上向きに駆動されてイントロデューサチューブ内の開口と係合し、ビード及び回収バッグがイントロデューサチューブの中に後退することを防止する。ビードストップ260は、組織回収システムの保持ラッチがそれを通って延びることができるチャネル266を備えることができる。ビードストップ260は、1対の軸線方向離間スロット268と、支持アームと組織回収システムのコードループとをそれを通して受け入れるようにサイズ決定かつ構成された通路とを更に備えることができる。
【0066】
図31B及び
図32Bを参照すると、ある一定の実施形態により、組織回収システムは、
図31A及び
図32Aのビードストップ260と類似のバネ付勢クリップ263を有するビードストップの別の実施形態261を含むことができる。ビードストップ261は、クリップ263とビードストップ本体の間に位置決めされた圧縮バネ265を更に備えることができる。ビードストップ261は、組織回収システムの保持ラッチがそれを通って延びることができるチャネル267を備えることができる。
図31A及び
図32Aのビードストップ260とは異なり、ビードストップ261のチャネル267は、支持アーム及び組織回収システムのコードループをそれを通して受け入れるようにサイズ決定かつ構成された中心凹部269を有するように切れ目なく形成することができる。望ましくは、チャネル267と切れ目なく形成された中心凹部269は、組織回収システムの組み立て中に支持アーム及びコードループとのビードストップ261の組立ての容易性及び速度を高める。
【0067】
図33~
図35を参照すると、ある一定の実施形態により、再展開可能組織回収システムは、回転可能保持ラッチを有するアクチュエータキャップを備えることができる。図示のように、アクチュエータキャップ170は、フォーク付き遠位延長部172を含み、この延長部の上のフォーク内のピン176の上に回転ラッチ174が配置される。回転ラッチ174は、ピン176の周りで回転することができ、ビード50上のレッジ57と解除可能に結合されてビード50及び回収バッグをアクチュエータ7に対して保持する。アクチュエータ7が回収バッグの再展開可能使用に対して近位位置と第1の展開位置の間にある時に(
図34)、回転ラッチ174は、ビード50上のレッジ57と係合し、回転することがイントロデューサ3チューブによって抑制される。回収バッグの締め上げを可能にするためにアクチュエータをその完全展開位置まで前進させた時に(
図35)、回転ラッチ174は、イントロデューサ3チューブの外側に位置決めされて自由に回転する。アクチュエータ7を後退させて回収バッグを締め上げる時に、回転ラッチ174は、ビード50から切り離される位置まで回転する。組織回収システムのある一定の実施形態により、ビードストップを用いずに回転ラッチ174を有するアクチュエータキャップ170を使用することができる(
図34~
図35)。ビードストップがない場合に、ビード50の近くにある回収バッグの材料は、イントロデューサ3チューブの外側で集塊になって締め上げを可能にすることができる。他の実施形態により、回転ラッチ174を有するアクチュエータキャップ170は、ビードストップとの組合せで使用することができる。これらの実施形態により、アクチュエータキャップ170上のフォーク付き延長部は、ビードストップ内のチャネルを通って延びる。
【0068】
図36~
図38を参照すると、ある一定の実施形態により、組織回収システムは、スナップリング152のような半径方向拡大可能要素がそこに位置決めされたビード150を備えることができる。スナップリング152は、ビード150の近位部分の周りに配置することができる。スナップリング152を有するビード150の近位部分は、回収バッグの再展開可能使用に対してアクチュエータが近位位置と第1の展開位置の間で摺動可能である時にイントロデューサ3チューブ内に留まる。回収バッグの再展開可能使用中に、スナップリング152は、イントロデューサ3チューブ内で圧縮状態に留まり、イントロデューサ3チューブの内径によって定められる第1の外径を有することになる。アクチュエータをその完全展開位置まで前進させた時に(
図37~
図38)、スナップリング152は、イントロデューサチューブの外側に位置決めされると考えられ、そこでイントロデューサチューブの内径よりも大きい第2の外径まで拡大することになり、ビード及び回収バッグがイントロデューサ3チューブの中に後退することを防止して回収バッグの締め上げを可能にすることになる。従って、これらの実施形態により、組織回収システムは、ビードストップを用いずにイントロデューサ内へのビードの再進入を防止することができる。スナップリング152は、保持ラッチ70を受け入れるための間隙154を含む。図示の実施形態では、保持ラッチ70は、その遠位先端がスナップリング152に対して遠位に位置決めされることになるようにスナップリング152内の間隙154を通って延びる。アクチュエータを第2の展開位置まで遠位に前進させた時に、スナップリング152はイントロデューサチューブの遠位端に接触するので、保持ラッチ70の遠位先端はイントロデューサチューブの外側に位置決めされると考えられ、アクチュエータを後退させる時にビード150上のレッジ157から切り離されることになる。
【0069】
スナップリング152を有する案内ビード150を含む他の実施形態により、保持ラッチ70の遠位先端は、アクチュエータが完全展開位置にある時に保持ラッチがイントロデューサチューブ内に位置決めされたままに留まるようにスナップリングの近位に位置決めされる。アクチュエータをその完全展開位置に前進させた時に、スナップリングは拡大してビード及び回収バッグがイントロデューサチューブの中に後退することを防止すると考えられる。保持ラッチの遠位先端は、保持ラッチが撓んでビード上のレッジから切り離されることを可能にし、かつ回収バッグの締め上げを可能にするほど十分なサイズのイントロデューサチューブ内のスロットと嵌合すると考えられる。
【0070】
図39~
図42を参照すると、ある一定の実施形態により、組織回収システムは、Oリング252を含むビード250を備えることができ、Oリング252は、回収バッグの締め上げを可能にするためにビード250及び回収バッグがイントロデューサチューブの中に後退することを防止するように機能すると考えられる。すなわち、これらの実施形態では、組織回収システムは、ビードストップを用いずにイントロデューサ内へのビードの再進入を防止することができる。図示の実施形態では、Oリング252は、ビード250の近位部分の周りに位置決めされる。アクチュエータがその初期位置にあり、回収バッグの再展開可能使用に対して近位位置と第1の展開位置の間で摺動移動可能である時に、Oリングを有するビードの近位部分はイントロデューサ3チューブ内に留まる。回収バッグの再展開可能使用中に、Oリング252は、イントロデューサチューブ内で圧縮状態に留まると考えられる。アクチュエータをその完全展開位置まで遠位に前進させた時に(
図39~
図40)、Oリング252は、イントロデューサチューブの外側に位置決めされると考えられ、そこでより大きい直径に拡大すると考えられ、ビード250及び回収バッグがイントロデューサチューブの中に後退することを防止して回収バッグの締め上げを可能にすると考えられる。
【0071】
図39~
図42の参照を続けると、組織回収システムのある一定の実施形態では、Oリング252を有する案内ビード250は、1つ又は2つの保持ラッチ270と共に使用されることになる。図示の実施形態では、保持ラッチ270は、Oリング252に対して近位にビード250と解除可能と係合し、アクチュエータを完全展開位置まで前進させた時にイントロデューサチューブ内に位置決めされたままに留まる。イントロデューサ3チューブは、保持ラッチが半径方向外向きに撓んで(
図41)ビード上のレッジから切り離されることを可能にし、回収バッグの締め上げを可能にするように(
図42)サイズ決定及び配置された対応するスロット30を備えることができる。様々な実施形態では、保持ラッチは、アクチュエータキャップに機械的に捕捉された、ピボット可能に結合された、又は他に取り付けられた別々の構成要素を備える。ある一定の実施形態では、保持ラッチは半径方向外向きに付勢される。例えば、ある一定の実施形態では、保持ラッチは、それを半径方向拡大位置に付勢するための一体的板バネを含む。
【0072】
図43~
図55を参照すると、ある一定の実施形態では、手術手順で回収バッグの複数回の展開及び締め上げサイクルで結合されたままに留まるようにビードが回収バッグに確実に結合されることが望ましい。更に他の実施形態では、
図43~
図55のビードのある一定の態様は、
図36~
図42のビードに関して説明した他の態様と組み合わせることができる。
【0073】
図43~
図45を参照すると、ある一定の実施形態では、回収バッグ上のビード350は、干渉ピン356と干渉孔358とによって互いに押圧された又は互いに超音波溶接された2つの半体352、354から構成される。図示の実施形態では、下側ビード半体352は、回収バッグ20の近位端を通って適合するようにサイズ決定かつ構成された垂直ポスト360を更に備える。回収バッグ20の近位端は、ビード350を回収バッグ20に確実に結合するために下側ビード半体352上のポスト360と互いに熱溶融されてそれに係合するベルト22を含む。コードループ42は、ベルトの外側に経路指定することができる。上側ビード半体354は、ポストにわたって位置決めされて回収バッグ20のベルト22をビード半体352、354の中に機械的に捕捉する。上側及び下側の各半体352、254は、その中心に長手軸線に沿う半円形溝362を含むことができ、溝362は、ビード350の近位端に位置決めされ、コードループに摩擦係合するように構成される。ビード半体が互いに組み合わされた時に、半円形溝362は、コードとの摩擦装着を発生させる円形開口を形成し、回収バッグを締め上げて閉鎖及び再開口することを可能にする。ビード半体は、傾斜ガイド364と、ビードの組み立て中にこれらの溝内でコードを中心に置くことを助ける半円形溝を取り囲むガイドに対する嵌合スロットとを含むことができる。図示の実施形態では、下側ビード半体352は、保持ラッチと結合するための凹部357とレッジ359を含む。
【0074】
図46~
図48を参照すると、ある一定の実施形態では、回収バッグ上のビード450は、それを回収バッグ20に確実に結合するために互いに超音波溶接された2つの半体452、454から構成される。図示の実施形態では、右ビード半体452は、回収バッグ20の近位端内の対応する楕円形孔26と嵌合するようにサイズ決定かつ構成された楕円形ポスト456を含む。ある一定の実施形態では、回収バッグ20の近位端は、右ビード半体内のポストにわたって適合するダイカット楕円形孔26を含む。コードループ42は、ポストの上方又は下方に経路指定することができる。左ビード半体454は、回収バッグ20の近位端を機械的に捕捉するためにポスト456にわたって位置決めされ、これらのビード半体452、454は、超音波溶接等によって結合される。右及び左のビード半体452、454の各々も、半円形溝458を含む。半円形溝458は、ビード450の近位端に位置決めすることができる。ビード半体452、454が結合された時に(
図47)、半円形溝458は、コードループに摩擦係合するようにサイズ決定することができてビード450を通る中心通路を集合的に形成する。右及び左のビード半体452、454の各々は、保持ラッチと結合するための凹部457及びレッジ459の一部分を含む。
【0075】
図46~
図48の参照を続けると、例示的ビードは、バッグを保持するように位置決めされた単一ポストを含むが、他の実施形態では、右ビード半体は、例えば、回収バッグの近位端内の対応するダイカット孔と嵌合するように設計された円形ポストのような2又は3以上のポストを含む。更に、ある一定の実施形態では、ダイカット楕円形孔を有する回収バッグ20の近位端は、ビードに対する回収バッグの保持強度を高めるための補強材を含む。様々な実施形態では、補強材は、リップストップナイロン、ポリウレタン、ナイロン、又は他の適した材料とすることができる。
【0076】
図49~
図51を参照すると、ある一定の実施形態では、回収バッグ上のビード550は、干渉ピン556と干渉孔558とによって互いに押圧された近位セクション552と遠位セクション554で構成される。図示の実施形態では、ビードはまた、回収バッグ20をビード550に対して保持するための及びビード550の近位セクション552と遠位セクション554を互いに固定するための環状締まり嵌めを含む。ビードの遠位セクション554はまた、回収バッグをビードに対して更に保持するように設計された環状レッジ557を含む。ビード550を組み立てるために、最初にコードループ42がビードセグメント552、554の各々に通され、次に、ビードの遠位セクション554が、回収バッグの管状部分の遠位端を通して挿入される。次に、ビードの近位セクション552が、ビード及び回収バッグ20の遠位セクション554にわたって位置決めされ、ビードのこれら2つのセクションが互いに押圧されて回収バッグの管状部分が捕捉される。ある一定の実施形態では、ビードの遠位セクション554は、コードループをビードの遠位セクション554に通す必要性を回避するために、貫通孔ではなくスロットを含むことができる。ある一定の実施形態では、ビード550に対する回収バッグ20の保持力を更に高めるために、環状締まり嵌めと干渉ピンに接着剤を付加することができると考えられる。図示の実施形態では、ビードの近位セクション552は、保持ラッチと結合するための凹部560とレッジ562を含む。
【0077】
図52~
図55を参照すると、回収バッグ上のビード650は、互いに超音波溶接された2つの実質的に同一の半体652から構成される。ビード半体652は、ビード半体を互いに超音波溶接するためのエネルギ誘導器654を含む。ビード半体はまた、回収バッグの外部近位部分をビード半体652間に超音波溶接するための複数のエネルギ誘導器656を含む。回収バッグをビード650に組み付けるために、回収バッグがビード半体652間に挿入され、その後に、ビード半体が回収バッグの各側の外側に超音波溶接される。ビード半体650は、同時に互いに超音波溶接することができ、又は2次段階として互いに溶接することができる。組み立て中にコードループがビード又は回収バッグに溶接されないことを保証するために、コードループは、溶接中に中心凹部の中に位置決めされる。ビード半体はまた、コードループに摩擦係合するように設計された半円形溝658をビードの近位端でビード半体の長手軸線に沿ってその中心に含む。ビード半体652は、ビードの組み立て中にコードループを溝内で中心に置くことを助けるガイド660と、半円形溝658を囲む対向ガイドに対する嵌合スロットとを含む。ビード半体は、保持ラッチと結合するための凹部とレッジ662を含む。
【0078】
図56~
図61を参照すると、ある一定の実施形態では、ハンドルアセンブリは、爪アセンブリを備える。爪アセンブリは、2次近位ストップ機構と再展開ロックアウト機構の両方を提供するように構成することができる。
【0079】
図56~
図58を参照すると、爪アセンブリは、ハンドルアセンブリにピボット的に結合された爪702と、爪バネ704とを備えることができる。爪バネ704は、爪702の周りに位置決めされ、爪702を中心位置に付勢する。アクチュエータが初期位置にあり、かつ回収バッグの再展開可能使用に対して近位位置と第1の展開位置の間で摺動可能である時に、爪702は、デバイスの遠位端に対して傾けられる。アクチュエータ7は、第1の凹部712がそこに形成された長手延伸リブ710を備える。アクチュエータが第1の展開位置から近位に引き戻されている時に(
図56)、爪702はリブ710に沿って摺動する。回収バッグをイントロデューサチューブの中に後退させるためにアクチュエータ7が引き戻される時に、爪702は、アクチュエータ7上の第1の凹部712の中に落ちることになり、凹部712の遠位壁714と係合してアクチュエータのあらゆる更に別の近位移動を防止することになる。望ましくは、第1の凹部712は、コードループが露出しないことを保証するためにアクチュエータの近位位置に対応するアクチュエータ位置で爪に係合する場所でリブ上に位置決めされる。従って、ある一定の実施形態では、ハンドルアセンブリは、コードループが露出することになるほど回収バッグがイントロデューサの中に過度に深く引き戻されることを防止する2次近位ストップ機構を含む。他の実施形態では、爪アセンブリは、1次近位ストップ機構を提供することができ、
図16~
図22を参照して説明したアクチュエータポストは、ハンドルアセンブリに存在しない。
【0080】
図59~
図61を参照すると、回収バッグのその後の締め上げに対してアクチュエータをその完全展開位置まで前進させた時に、爪702は、移動してリブ710の近位端から外れ、中心位置まで移動する(
図59)。回収バッグの締め上げを始めるためにアクチュエータ7を近位に引き戻した時に、爪702は、リブ710の近位端に係合することでデバイスの近位端に向けてピボット回転することになる。リブ710は、第1の凹部712の遠位に位置付けられた第2の凹部716を更に備える。回収バッグが締め上げられて閉鎖された状態でアクチュエータ7を完全に引き戻した時に、コードループは露出し、爪702はリブ710上の第2の凹部716内に落ちる(
図60)。爪702は、アクチュエータ7が遠位に前進することを防止するために第2の凹部716の近位壁718に係合する(
図61)。爪702と第2の凹部716とのこの係合は、回収バッグをアクチュエータから切り離して締め上げ終わった状態で、アクチュエータを外科医が不用意に前進させることを防止するための再展開ロックアウト機構を定める。アクチュエータが不用意に再展開された場合に、支持アームが前進してイントロデューサの遠位端から外れるという望ましくない結果がもたらされる場合がある。同様に、爪アセンブリは、アクチュエータをその完全引き戻し位置に保持し、アクチュエータからのコードループの容易な取り出しを可能にする。
【0081】
すなわち、爪アセンブリの図示の実施形態は、アクチュエータのリブ上の第1の凹部と第2の凹部とに係合して近位ストップ機構と再展開ロックアウト機構の両方を提供する。しかし、他の実施形態では、近位ストップ機構又は再展開ロックアウト機構の一方のみを提供するように爪アセンブリを構成することができるように位置決めされた単一凹部をリブが備えるように考えている。
【0082】
図62~
図64を参照すると、ある一定の実施形態では、遠位ストップ機構は、ハンドルアセンブリではなくアクチュエータ720内に含めることができる。すなわち、
図23~
図28に関して説明及び図示した展開解除ボタン110のないハンドルアセンブリを提供することができる。図示のように、アクチュエータ720は、回収バッグの再展開可能使用のための第1の展開位置へのアクチュエータの遠位前進を制限するように位置決めされた片持ち梁722を含む。図示の実施形態では、片持ち梁722は、アクチュエータ720の親指ループ724と一体的であり、干渉ピンと干渉孔とによってアクチュエータ上に押圧することができる。片持ち梁722の遠位先端は、回収バッグの展開中に上側ハンドルに接触し、第1の展開位置でのアクチュエータの進行を制限する(
図63、
図64)。アクチュエータを更に前進させるために、片持ち梁722が上側ハンドル上の開口部の中に嵌合する場所まで片持ち梁722を下向きに押すことができる。次に、アクチュエータ720をその完全展開位置まで前進させることができる。様々な実施形態では、片持ち梁722を含む親指ループ720は、ポリカーボネート、ナイロン、ABS、及びポリプロピレンを含む様々なポリマー材料から射出成形することができる。
【0083】
図65~
図66を参照すると、ある一定の実施形態では、組織回収システムは、遠位延長部分を有する組織回収バッグを備えることができる。
図1~
図6に関して説明及び図示した組織回収バッグは、カフが支持アームによって支持された開口端を有し、かつ開口端と反対にある閉鎖端まで支持アームの長手軸線に対してほぼ垂直に延びるが、ある一定の実施形態では、本明細書に説明する組織回収システムは、回収バッグがその開口部24’に対して遠位に延びる遠位延長部分22’を有するように形成された回収バッグ20’を含むことができる。望ましくは、遠位延長部分を有する回収バッグ20’は、遠位延長部分のない組織回収バッグ20と比較して回収バッグ20’をイントロデューサ3チューブの中に後退させる(
図66)のに必要とされる力を低減し、かつ切り離された回収バッグを患者の体壁を通して摘出するための力を低減するより流線形の形状を提供する。遠位延長部分22’を有する回収バッグ20’は、それをイントロデューサチューブの中に部分的に後退させて開口部を可逆的に閉鎖した時に小さい組織検体に対してより大きい容積の回収バッグを利用可能にすることを可能にすることができる。
【0084】
本出願は、再展開可能組織回収システムの様々な特徴のある一定の態様を開示するが、本明細書に説明するある一定の要素は、組織回収システムのある一定の実施形態に組み合わせることができるように考えている。例えば、一実施形態では、組織回収システムは、
図31B及び
図32Bを参照して上述したようなバネ付勢クリップを有するビードストップ261と共に、展開ボタン111と
図23B,
図24B,
図25B,
図26B,
図27B,
図28B,
図27C,
図28Cを参照して上述したような溝131を有するアクチュエータ7とを有するハンドルアセンブリを含むことができる。しかし、他の実施形態では、本明細書に説明する他のビード、ビードストップ、ラッチ部材、及びストップ機構を本出願の範囲内で組織回収システムに組み合わせることができる。
【0085】
本出願は、ある一定の好ましい実施形態及び実施例を開示するが、本発明が具体的に開示した実施形態を超えて本発明の他の代替実施形態及び/又は使用及びその自明の修正及び均等物に拡張されることは当業者によって理解されるであろう。更に、これらの発明の様々な特徴は、単独で又は上記で明示的に説明したもの以外のこれらの発明の他の特徴と組み合わせて使用することができる。すなわち、本明細書に開示する本発明の範囲は、上述した特定の開示した実施形態によって限定すべきではなく、むしろ以下の特許請求の範囲の適正な読解だけによって決定すべきであることを意図している。
【符号の説明】
【0086】
3 イントロデューサ
7 アクチュエータ
10 組織回収システム
20 回収バッグ
50 ビード
【手続補正書】
【提出日】2024-09-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端と、遠位端と、該近位端と該遠位端との間で延びる管腔と、を有する管状のイントロデューサと、
前記イントロデューサの前記管腔内で長手方向に摺動可能であり、近位端及び遠位端を有するアクチュエータと、
組織回収バッグと、
前記イントロデューサの前記近位端におけるハンドルアセンブリと、
を備え、
再展開可能構成において、前記アクチュエータは、近位位置と、前記組織回収バッグが前記イントロデューサの前記遠位端から展開されて前記イントロデューサによって保持されることによって画定される第1の展開位置と、の間で反復可能に長手方向に摺動可能であり、
前記ハンドルアセンブリは、前記第1の展開位置への前記アクチュエータの遠位方向の移動を制限する遠位ストップ機構を備え、前記遠位ストップ機構は、前記アクチュエータを前記第1の展開位置から前記第1の展開位置の遠位の第2の展開位置まで選択的に前進させるように解除可能であり、
前記第2の展開位置において、前記組織回収バッグは、前記イントロデューサから展開されて前記イントロデューサから解除される、
ことを特徴とする組織回収システム。
【請求項2】
前記遠位ストップ機構は、前記アクチュエータの一部にそって延びる溝を備え、前記溝は、近位端壁と、前記ハンドルアセンブリに位置決めされた展開解除ボタンを有し、
前記展開解除ボタンは、前記溝に摺動して係合するように且つ前記アクチュエータが前記第1の展開位置にあるときに、前記溝の前記近位端壁と干渉するように位置決めされたラッチタブを備える、
請求項1に記載の組織回収システム。
【請求項3】
前記展開解除ボタンは、前記アクチュエータが、前記第1の展開位置の遠位に長手方向に前進可能であるように、前記ラッチタブが前記溝の前記近位端壁との位置合わせから外れて位置決めされる解除位置に位置決め可能である、
請求項2に記載の組織回収システム。
【請求項4】
前記遠位ストップ機構は、前記アクチュエータの前記近位端に隣接して前記アクチュエータに形成される片持ち梁を備え、前記片持ち梁は、前記アクチュエータが前記第1の展開位置にあるときに、前記ハンドルアセンブリと干渉するように付勢され、前記第1の展開位置を越える前記アクチュエータの遠位前進を許容するように位置決め可能である、
請求項1に記載の組織回収システム。
【請求項5】
前記ハンドルアセンブリは、前記近位位置への前記再展開可能構成における前記アクチュエータの近位移動を制限する近位ストップ機構を更に備える、
請求項1に記載の組織回収システム。
【請求項6】
前記ハンドルアセンブリは、中に形成されたボアを備え、前記近位ストップ機構は、前記ボアの中に位置決めされるアクチュエータポストを備え、前記アクチュエータは、その上にレッジを有する面を備え、前記レッジは、前記近位位置から前記アクチュエータの近位移動を阻止するように、前記アクチュエータポストと係合可能である、
請求項5に記載の組織回収システム。
【請求項7】
前記第2の展開位置への前記アクチュエータの前進は、前記アクチュエータポストを非突出位置に圧縮し、前記アクチュエータが、前記第2の展開位置から前記近位位置の近位の位置まで近位に移動可能であるように前記近位ストップ機構を解除する、
請求項6に記載の組織回収システム。
【請求項8】
前記アクチュエータは、前記アクチュエータ内に形成されてその前記近位端に隣接する、カム斜面を備え、前記カム斜面は、前記アクチュエータが前記第2の展開位置まで遠位に前進されるときに、前記アクチュエータからの切断位置まで前記アクチュエータポストを圧縮するように位置決めされる、
請求項7に記載の組織回収システム。
【請求項9】
前記ハンドルアセンブリは、前記アクチュエータが、前記第2の展開位置から前記近位位置の近位の位置まで近位に引き戻されると、前記再展開可能構成における前記アクチュエータの前記近位位置への近位移動を制限するとともに、前記アクチュエータの長手方向への遠位前進を阻止する爪アセンブリを更に備える、
請求項1に記載の組織回収システム。
【請求項10】
前記アクチュエータは、前記アクチュエータ内に形成された第1の凹部を有する長手延伸リブを備え、前記第1の凹部は、遠位壁を有し、前記爪アセンブリは、前記ハンドルアセンブリにピボット的に結合された爪と、前記爪を中心位置に付勢する爪バネと、を備える、
請求項9に記載の組織回収システム。
【請求項11】
前記再展開可能構成において、前記爪は、前記長手延伸リブに沿って摺動可能であり、前記近位位置を越える前記アクチュエータの近位移動を防止するように、前記第1の凹部の前記遠位壁と係合可能である、
請求項10に記載の組織回収システム。
【請求項12】
前記長手延伸リブは、前記第1の凹部の遠位において前記長手延伸リブに形成された第2の凹部を備え、前記第2の凹部は、近位壁を有し、前記アクチュエータが前記第2の展開位置から前記近位位置の近位の位置まで近位に引き戻されると、前記爪は、前記第2の凹部に位置決めされるとともに、前記アクチュエータの長手方向への遠位移動を阻止するように前記近位壁と係合する、
請求項10に記載の組織回収システム。
【請求項13】
前記長手延伸リブは、近位端を有し、前記アクチュエータを前記第2の展開位置まで遠位に前進させたときに、前記爪は、前記長手延伸リブの前記近位端を越えて、前記長手延伸リブとの係合から外れて位置決めされる、
請求項12に記載の組織回収システム。
【外国語明細書】