(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169453
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
H10K 59/80 20230101AFI20241128BHJP
H05B 33/14 20060101ALI20241128BHJP
H10K 59/122 20230101ALI20241128BHJP
H10K 50/844 20230101ALI20241128BHJP
H10K 77/10 20230101ALI20241128BHJP
H10K 59/121 20230101ALI20241128BHJP
H10K 59/35 20230101ALI20241128BHJP
H10K 59/124 20230101ALI20241128BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20241128BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H10K59/80
H05B33/14 Z
H10K59/122
H10K50/844
H10K77/10
H10K59/121
H10K59/35 553
H10K59/124
H10K59/131
G09F9/30 309
G09F9/30 365
G09F9/30 349Z
G09F9/30 308Z
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024157354
(22)【出願日】2024-09-11
(31)【優先権主張番号】202311199578.X
(32)【優先日】2023-09-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522457081
【氏名又は名称】合肥維信諾科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HEFEI VISIONOX TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】5555 New Bengbu Road,Xinzhan District,Hefei,Anhui 230000,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】318017899
【氏名又は名称】ユング(グアン)テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ダニャン
(72)【発明者】
【氏名】リウ ヤン
(72)【発明者】
【氏名】リ ジンジン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ロン
(72)【発明者】
【氏名】ジアン ボウ
(57)【要約】
【課題】封止層の封止信頼性を向上させ、ストレッチャブル表示パネルの耐用年数を向上させる。
【解決手段】基板と、前記基板上に間隔をあけて設けられ、発光領域と、前記発光領域に隣接する非発光領域とを有する複数のピクセルアイランドと、を含み、前記ピクセルアイランドは、前記基板上に設けられた駆動層群と、前記駆動層群に設けられ、前記発光領域に位置するピクセル開口を画定するピクセル定義構造であって、前記ピクセル定義構造の前記駆動層群から離れる側には、前記非発光領域に位置する少なくとも1つの凹溝がさらに設けられ、前記凹溝は、前記基板の厚さ方向に沿って前記ピクセル定義構造、及び前記駆動層群の一部を貫通するピクセル定義構造と、前記ピクセル開口内に設けられた発光ユニットと、前記発光ユニットの前記基板から離れる側、及び前記凹溝の溝壁を被覆する封止層と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に間隔をあけて設けられ、発光領域と、前記発光領域に隣接する非発光領域とを有する複数のピクセルアイランドと、を含み、前記ピクセルアイランドは、
前記基板上に設けられた駆動層群と、
前記駆動層群に設けられ、前記発光領域に位置するピクセル開口を画定するピクセル定義構造であって、前記ピクセル定義構造の前記駆動層群から離れる側には、前記非発光領域に位置する少なくとも1つの凹溝がさらに設けられ、前記凹溝は、前記基板の厚さ方向に沿って前記ピクセル定義構造、及び前記駆動層群の一部を貫通するピクセル定義構造と、
前記ピクセル開口内に設けられた発光ユニットと、
前記発光ユニットの前記基板から離れる側、及び前記凹溝の溝壁を被覆する封止層と、を含む、ことを特徴とするストレッチャブル表示パネル。
【請求項2】
前記駆動層群は、無機膜層と有機膜層とを含み、前記無機膜層は、前記基板と前記有機膜層との間に設けられ、
前記凹溝は、少なくとも前記有機膜層を貫通して前記無機膜層の一部を露出させ、前記封止層は、前記無機膜層の露出表面を被覆し、
前記凹溝は、前記無機膜層の一部を貫通し、
前記駆動層群は、層間絶縁層と平坦化層とを含み、前記層間絶縁層は、前記基板と前記平坦化層との間に位置し、前記無機膜層であり、前記平坦化層は前記有機膜層であり、前記凹溝は、前記平坦化層、及び前記層間絶縁層の一部を貫通する、ことを特徴とする請求項1に記載のストレッチャブル表示パネル。
【請求項3】
隣接する前記ピクセルアイランドを接続する接続線をさらに含み、前記駆動層群は、前記接続線に電気的に接続された配線を含み、
前記配線は、第1配線部と、第2配線部とを含み、前記第2配線部は、一端が前記第1配線部に電気的に接続され、他端が前記接続線に電気的に接続され、前記第1配線部は、前記第2配線部と異なる層に設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載のストレッチャブル表示パネル。
【請求項4】
前記第1配線部は、前記層間絶縁層と前記平坦化層との間に位置し、
前記駆動層群は、ゲート絶縁層と、容量絶縁層とをさらに含み、前記ゲート絶縁層及び前記容量絶縁層は、前記基板と前記層間絶縁層との間に位置し、前記ゲート絶縁層は、前記基板と前記容量絶縁層との間に位置し、前記第2配線部は、前記ゲート絶縁層と前記容量絶縁層との間に位置し、
前記駆動層群は、前記ゲート絶縁層と前記容量絶縁層との間に位置するゲート電極をさらに含み、前記第2配線部は、前記ゲート電極と同一層に設けられ、
前記第2配線部の前記基板への正投影の一部は、前記凹溝の前記基板への正投影と重なり、
前記第1配線部と前記第2配線部は、第1ビアホール構造を介して電気的に接続され、
前記第1配線部の前記基板への正投影の一部は、前記第2配線部の前記基板への正投影と重なる、ことを特徴とする請求項3に記載のストレッチャブル表示パネル。
【請求項5】
前記配線は、前記第2配線部と前記接続線とを電気的に接続する第3配線部をさらに含み、前記第3配線部は、前記第2配線部と異なる層に設けられ、
前記第3配線部は、前記第1配線部と同一層に設けられ、
前記第3配線部と前記第2配線部は、第2ビアホール構造を介して電気的に接続され、
前記第3配線部の前記基板への正投影の一部は、前記第2配線部の前記基板への正投影と重なる、ことを特徴とする請求項3に記載のストレッチャブル表示パネル。
【請求項6】
前記封止層の前記ピクセル定義構造への正投影は、前記凹溝を被覆し、
前記ピクセル定義構造に複数の凹溝が設けられ、複数の前記凹溝は、前記非発光領域に間隔をあけて配列され、前記封止層は、複数の前記凹溝の溝壁を被覆し、
前記非発光領域は、前記発光領域の外周を囲んで設けられ、前記凹溝は、前記発光領域の外周を囲んで設けられ、
前記凹溝の前記基板への正投影は、閉じた環状パターンである、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のストレッチャブル表示パネル。
【請求項7】
前記凹溝は、複数の第1溝セグメントを含み、複数の前記第1溝セグメントは、間隔をあけて前記発光領域の外周を囲んで設けられ、
隣接する2つの前記凹溝において、各前記凹溝はそれぞれ、複数の前記第1溝セグメントを含み、同一の前記凹溝において、隣接する2つの第1溝セグメントの間に隙間があり、隣接する2つの前記凹溝において、一方の前記凹溝の前記隙間と他方の前記凹溝の前記第1溝セグメントとは、対向しており、
あるいは、前記凹溝は、第1主溝及び複数の第1サブ溝を含み、前記第1主溝の前記基板への正投影は、閉じた環状パターンであり、前記第1主溝は、前記発光領域の外周を囲んで設けられ、複数の前記第1サブ溝は、間隔をあけて前記発光領域の外周を囲んで設けられ、前記第1サブ溝の前記基板への正投影の一部は、前記第1主溝の前記基板への正投影と重なり、
前記第1サブ溝は、対向して設けられた第1端と第2端とを有し、前記第1端は、前記第1主溝の前記発光領域に近接する側に位置し、前記第2端は、前記第1主溝の前記非発光領域から離れる側に位置する、
ことを特徴とする請求項6に記載のストレッチャブル表示パネル。
【請求項8】
前記駆動層群は、本体部と、前記本体部に接続されたエッジ部とを含み、前記ピクセル定義構造及び前記発光ユニットは、いずれも前記本体部に設けられ、
前記エッジ部には、少なくとも1つの保護構造が設けられ、前記保護構造は、少なくとも1つの凹部を有し、前記封止層は、前記凹部の壁面をさらに被覆し、
前記基板の厚さ方向に沿って、前記本体部の寸法は、前記エッジ部の寸法よりも大きく、
前記封止層は、前記ピクセル定義構造の側面及び前記本体部の側面をさらに被覆し、
前記エッジ部は、前記本体部の外周を囲んで設けられ、前記保護構造は、前記本体部の外周を囲んで設けられる、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のストレッチャブル表示パネル。
【請求項9】
前記エッジ部には、間隔をあけて配置された複数の保護構造が設けられ、前記封止層は、各前記保護構造の凹部を被覆し、
隣接する2つの前記保護構造のうち、一方の前記保護構造は、前記本体部の外周を囲んで設けられ、他方の前記保護構造は、該一方の前記保護構造の外周を囲んで設けられ、
あるいは、前記保護構造は、複数のサブ構造を含み、複数の前記サブ構造は、間隔をあけて前記本体部の外周を囲んで設けられ、
隣接する2つの前記保護構造において、各前記保護構造はそれぞれ、複数の前記サブ構造を含み、同一の前記保護構造において、隣接する2つのサブ構造の間に隙間があり、隣接する2つの前記保護構造において、一方の前記保護構造の前記隙間と他方の前記保護構造の前記サブ構造とは、対向している、ことを特徴とする請求項8に記載のストレッチャブル表示パネル。
【請求項10】
前記保護構造は、複数の凹部を有し、前記封止層は、複数の前記凹部の壁面を被覆し、
前記保護構造は、2つの前記凹部を有し、2つの前記凹部の開口は互いに背向しており、
前記保護構造は、前記エッジ部に順次積層して設けられた第1部分及び第2部分を含み、前記第2部分の第1方向に沿った対向する両端は、前記第1部分の側壁から突出し、前記第1方向は、前記基板の厚さ方向に垂直であり、
前記第1部分、前記第2部分の突出部分及び前記エッジ部は、前記凹部を画定し、
あるいは、前記保護構造は、前記エッジ部に順次積層して設けられた第3部分、第1部分及び第2部分を含み、前記第3部分の第1方向に沿った対向する両端は、前記第1部分の側壁から突出し、前記第2部分の第1方向に沿った対向する両端は、前記第1部分の側壁から突出し、前記第1方向は、前記基板の厚さ方向に垂直であり、
前記第3部分の突出部分、前記第1部分及び前記第2部分の突出部分は、前記凹部を画定する、ことを特徴とする請求項9に記載のストレッチャブル表示パネル。
【請求項11】
基板と、
前記基板上に間隔をあけて設けられ、発光領域と、前記発光領域に隣接する非発光領域とを有する複数のピクセルアイランドと、を含み、前記ピクセルアイランドは、
前記基板上に設けられた駆動層群と、
前記駆動層群に設けられ、かつ前記発光領域に位置する発光ユニットと、
前記駆動層群に設けられ、かつ前記非発光領域に位置する封止補助構造であって、前記封止補助構造の前記駆動層群から離れる側に少なくとも1つのトレンチが設けられ、前記封止補助構造は、無機材料を含む封止補助構造と、
前記発光ユニットの前記基板から離れる側、及び前記トレンチの溝壁を被覆する封止層と、を含む、ことを特徴とするストレッチャブル表示パネル。
【請求項12】
前記封止補助構造の前記駆動層群から離れる側には、間隔をあけて配列された複数のトレンチが設けられ、前記封止層は、複数の前記トレンチの溝壁を被覆し、
前記封止層の前記基板への正投影は、前記トレンチの前記基板への正投影を被覆し、
前記封止補助構造は、前記発光領域の外周を囲んで設けられ、前記トレンチは、前記発光領域の外周を囲んで設けられ、
前記トレンチの前記基板への正投影は、閉じた環状パターンであり、
あるいは、前記トレンチは、複数の第2溝セグメントを含み、複数の前記第2溝セグメントは、間隔をあけて前記発光領域の外周を囲んで設けられ、
隣接する2つの前記トレンチにおいて、各前記トレンチはそれぞれ、複数の前記第2溝セグメントを含み、同一の前記トレンチにおいて、隣接する2つの第2溝セグメントの間に隙間があり、隣接する2つのトレンチにおいて、一方の前記トレンチの隙間と他方の前記トレンチの第2溝セグメントとは、対向しており、
あるいは、前記トレンチは、第2主トレンチ及び複数の第2サブトレンチを含み、前記第2主トレンチの前記基板への正投影は、閉じた環状パターンであり、前記第2主トレンチは、前記発光領域の外周を囲んで設けられ、複数の前記第2サブトレンチは、間隔をあけて前記発光領域の外周を囲んで設けられ、前記第2サブトレンチの前記基板への正投影の一部は、前記第2主トレンチの前記基板への正投影と重なり、
前記第2サブトレンチは、対向して設けられた第3端と第4端とを有し、前記第3端は、前記第2主トレンチの前記発光領域に近接する側に位置し、前記第4端は、前記第2主トレンチの前記非発光領域から離れる側に位置する、ことを特徴とする請求項11に記載の表示パネル。
【請求項13】
前記封止補助構造の前記駆動層群に近接する側に少なくとも1つの突起部が設けられ、前記駆動層群の前記封止補助構造に近接する側に少なくとも1つの窪み部が設けられ、前記少なくとも1つの突起部と前記少なくとも1つの窪み部とが嵌合しており、
前記封止補助構造には、間隔をあけて配列された複数のトレンチが設けられ、1つの凹溝の前記駆動層群への正投影は、1つの前記突起部の前記駆動層群への正投影と重なり、
前記駆動層群は、平坦化層を含み、前記窪み部は、前記平坦化層の前記基板から離れる表面に設けられる、
ことを特徴とする請求項11に記載のストレッチャブル表示パネル。
【請求項14】
前記封止補助構造の前記駆動層群に近接する表面は、平面であり、
ピクセル定義構造をさらに含み、前記ピクセル定義構造は、前記駆動層群に設けられ、前記発光領域に位置するピクセル開口を定義し、前記発光ユニットは、前記ピクセル開口内に設けられ、
前記ピクセル定義構造の前記駆動層群に近接する表面は、前記封止補助構造の前記駆動層群に近接する表面と面一であり、
前記ピクセル定義構造は、前記封止補助構造に隣接する、ことを特徴とする請求項11に記載のストレッチャブル表示パネル。
【請求項15】
基板と、
前記基板上に間隔をあけて設けられた複数のピクセルアイランドと、を含み、
前記ピクセルアイランドは、
前記基板上に設けられ、本体部と、前記本体部に接続されたエッジ部とを含む駆動層群と、
前記本体部に設けられた発光ユニットと、
前記エッジ部に設けられ、少なくとも1つの凹部を有する保護構造と、
前記発光ユニットの前記基板から離れる側、及び前記凹部の壁面を被覆する封止層と、を含む、ことを特徴とするストレッチャブル表示パネル。
【請求項16】
前記駆動層群は、ベースと、前記ベースに設けられた機能層群とを含み、前記ベースには、前記本体部と前記エッジ部とが設けられ、前記封止層は、前記機能層群の側面をさらに被覆し、
前記機能層群は、積層して設けられたバリア層及びバッファ層を含み、前記バリア層は、前記ベースと前記バッファ層との間に位置し、前記封止層は、前記バリア層及び前記バッファ層の側面をさらに被覆し、
前記機能層群は、前記バッファ層の前記ベースから離れる側に設けられたゲート絶縁層をさらに含み、前記封止層は、前記ゲート絶縁層の側面をさらに被覆し、
前記機能層群は、前記ゲート絶縁層の前記ベースから離れる側に設けられた容量絶縁層をさらに含み、前記封止層は、前記容量絶縁層の側面をさらに被覆し、
前記機能層群は、前記容量絶縁層の前記ベースから離れる側に設けられた層間絶縁層をさらに含み、前記封止層は、前記層間絶縁層の側面をさらに被覆し、
前記機能層群は、前記層間絶縁層の前記ベースから離れる側に設けられた平坦化層をさらに含み、前記封止層は、前記平坦化層の側面をさらに被覆する、ことを特徴とする請求項15に記載のストレッチャブル表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示技術の分野に関し、特に、ストレッチャブル表示パネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本願は、2023年9月15日に中国国家知識産権局に出願された、出願番号が202311199578X、発明の名称が「ストレッチャブル表示パネル及び表示装置」の中国特許出願に基づく優先権を主張し、その開示の全てが参照により本願に組み込まれる。
【0003】
ストレッチャブル有機発光ダイオード(OLED、Organic Light Emitting Diode)表示パネルは、近年、表示業界において、その独特な表示形式により注目され、開発が進められており、現在、ストレッチャブルOLED表示パネルは、10%の伸び率を初歩的に実現できるようになる。しかし、従来のストレッチャブルOLED表示パネルには、封止信頼性が低いという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに基づいて、封止信頼性を向上させることができるストレッチャブル表示パネル及び表示装置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様では、本願の実施例は、
基板と、
前記基板上に間隔をあけて設けられ、発光領域と、前記発光領域に隣接する非発光領域とを有する複数のピクセルアイランドと、を含み、前記ピクセルアイランドは、
前記基板上に設けられた駆動層群と、
前記駆動層群に設けられ、前記発光領域に位置するピクセル開口を画定するピクセル定義構造であって、前記ピクセル定義構造の前記駆動層群から離れる側には、前記非発光領域に位置する少なくとも1つの凹溝がさらに設けられ、前記凹溝は、前記基板の厚さ方向に沿って前記ピクセル定義構造、及び前記駆動層群の一部を貫通するピクセル定義構造と、
前記ピクセル開口内に設けられた発光ユニットと、
前記発光ユニットの前記基板から離れる側、及び前記凹溝の溝壁を被覆する封止層と、を含む、ストレッチャブル表示パネルを提供する。
【0006】
上記ストレッチャブル表示パネルでは、ピクセル定義構造に非発光領域に位置する凹溝が設けられるとともに、凹溝はピクセル定義構造及び一部の駆動層群を貫通し、さらに封止層は凹溝の溝壁まで被覆するように延伸することにより、凹溝は、クラックが発光領域に向かって延伸する傾向を低下させることができる一方で、封止層の接触面積を大きくすることができ、それにより、封止層の封止信頼性を全体的に向上させ、さらにストレッチャブル表示パネルの耐用年数を向上させる。
【0007】
第2態様では、本願の実施例は、
基板と、
前記基板上に間隔をあけて設けられ、発光領域と、前記発光領域に隣接する非発光領域とを有する複数のピクセルアイランドと、を含み、前記ピクセルアイランドは、
前記基板上に設けられた駆動層群と、
前記駆動層群に設けられ、かつ前記発光領域に位置する発光ユニットと、
前記駆動層群に設けられ、かつ前記非発光領域に位置する封止補助構造であって、前記封止補助構造の前記駆動層群から離れる側に少なくとも1つのトレンチが設けられ、前記封止補助構造は、無機材料を含む封止補助構造と、
前記発光ユニットの前記基板から離れる側、及び前記トレンチの溝壁を被覆する封止層と、を含む、別のストレッチャブル表示パネルを提供する。
【0008】
上記ストレッチャブル表示パネルでは、駆動層群に封止補助構造が設けられるとともに、封止補助構造にトレンチが設けられ、封止層はトレンチの溝壁まで被覆するように延伸することにより、トレンチは、クラックが発光領域に向かって延伸する傾向を低下させることができる一方で、封止層の接触面積を大きくし、封止層の封止性能を向上させることができる。また、封止層は、無機材料のトレンチと直接接触して、封止層の膜層接着力を向上させることができ、それにより、封止層の封止性能を向上させ、さらに、封止層の封止信頼性を全体的に向上させ、ストレッチャブル表示パネルの耐用年数を向上させる。
【0009】
第3態様では、本願の実施例は、さらに、
基板と、
前記基板上に間隔をあけて設けられた複数のピクセルアイランドと、を含み、
前記ピクセルアイランドは、
前記基板上に設けられ、本体部と、前記本体部に接続されたエッジ部とを含む駆動層群と、
前記本体部に設けられた発光ユニットと、
前記エッジ部に設けられ、少なくとも1つの凹部を有する保護構造と、
前記発光ユニットの前記基板から離れる側、及び前記凹部の壁面を被覆する封止層と、を含む、別のストレッチャブル表示パネルを提供する。
【0010】
上記ストレッチャブル表示パネルでは、エッジ部に保護構造が設けられるとともに、保護構造に凹部が設けられ、封止層は凹部の壁面まで被覆するように延伸することにより、凹部は、クラックが本体部に向かって進展する傾向を低下させることができる一方で、封止層の接触面積を大きくすることができ、それにより、封止層の封止信頼性を全体的に向上させ、さらにストレッチャブル表示パネルの耐用年数を向上させる。
【0011】
第4態様では、本願の実施例は、第1態様、第2態様又は第3態様のいずれかの実施例に係るストレッチャブル表示パネルを含む、表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
上記表示装置は、クラックが発光ユニットに向かって延伸する傾向を低下させることができる一方で、封止層の接触面積を大きくすることができ、それにより、封止信頼性を全体的に向上させ、さらに表示装置の耐用年数を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本願の実施例又は例示的な実施例における技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は例示的な実施例の説明に使用される必要がある図面を簡単に説明する。明らかなように、以下の説明における図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0014】
【
図1】本願の実施例に係る表示パネルの部分上面図である。
【
図3】
図1に示す表示パネルの凹溝の配列を示す図である。
【
図4】
図1に示す表示パネルの凹溝の別の配列を示す図である。
【
図5】
図1に示す表示パネルの凹溝のさらに別の配列を示す図である。
【
図6】
図1に示す表示パネルの凹溝のまたさらに別の配列を示す図である。
【
図7】
図1に示す表示パネルの保護構造の配列を示す図である。
【
図8】
図1に示す表示パネルの保護構造の別の配列を示す図である。
【
図9】
図1に示す表示パネルの保護構造及びエッジ部の断面図である。
【
図10】
図1に示す表示パネルの保護構造及びエッジ部の別の断面図である。
【
図11】
図1に示す表示パネルの保護構造及びエッジ部のさらに別の断面図である。
【
図12】
図1に示す表示パネルの別の断面図である。
【
図14】
図1に示す表示パネルのさらに別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願の理解を容易にするために、以下、関連する図面を参照して本願をより全面的に説明する。図面には、本願の好ましい実施例が示されている。しかし、本願は、多くの異なる形態で実現することができ、本明細書に記載の実施例に限定されるものではない。逆に、これらの実施例を提供する目的は、本願の開示内容に対する理解をより完全かつ全面的にすることである。
【0016】
現在、フレキシブル表示パネルは、大きな発展を遂げているため、曲面、折り畳み可能及びストレッチャブルなどの表示パネルは、スマートウェアラブル及び車載などの分野において発展の見通しが非常に広い。従来のストレッチャブル表示技術において、封止層と、ピクセル定義層又はアレイ層群との接着力が低くて接触が強固ではなく、エッチングプロセス、剥離プロセス及び引っ張り試験において、封止層にクラックが発生しやすく、ピクセルアイランドの故障を引き起こす問題がある。
【0017】
上記問題に鑑み、本願の実施例は、封止信頼性を向上させることができるストレッチャブル表示パネル及び表示装置を提供する。
【0018】
なお、ストレッチャブル表示パネルは、ストレッチャブル有機発光ダイオード表示パネル(Organic Light Emitting Diode、OLED)、ストレッチャブル量子ドットエレクトロルミネッセンス表示パネル(Quantum Dot Light Emitting Diodes、QLED)などであってもよい。
【0019】
第1態様では、
図1及び
図2に示すように、本願の実施例は、基板1と、複数のピクセルアイランド2とを含むストレッチャブル表示パネル100を提供する。複数のピクセルアイランド2は、基板1上に間隔をあけて設けられる。ピクセルアイランド2は、発光領域2aと、発光領域2aに隣接する非発光領域2bとを有する。例示的には、基板1は、引張性能を有するフレキシブル基板である。
【0020】
具体的には、ピクセルアイランド2は、駆動層群21と、ピクセル定義構造22と、発光ユニット23と、封止層24とを含む。駆動層群21は、基板1上に設けられる。ピクセル定義構造22は、駆動層群21上に設けられる。ピクセル定義構造22は、発光領域2aに位置するピクセル開口を画定する。ピクセル定義構造22の駆動層群21から離れる側には、非発光領域2bに位置する少なくとも1つの凹溝25がさらに設けられ、凹溝25は、基板1の厚さ方向に沿ってピクセル定義構造22、及び駆動層群21の一部を貫通する。発光ユニット23は、ピクセル開口内に設けられる。封止層24は、発光ユニット23の基板1から離れる側、及び凹溝25の溝壁を被覆する。
【0021】
本願の実施例において、封止層24は、無機封止層膜層である。封止層24は、発光ユニット23の表面から非発光領域2bに向かって延伸し、ピクセル定義構造22の露出表面及び凹溝25の溝壁を被覆する。なお、AがBの一方の側を被覆すること、又は、AがBの表面(又は壁面)を被覆することは、AとBとが直接接触することを意味する。
【0022】
なお、凹溝25は、基板1の厚さ方向に沿ってピクセル定義構造22、及び駆動層群21の一部を貫通し、即ち、凹溝25の一部の側壁がピクセル定義構造22に位置し、凹溝25の底壁及び他の一部の側壁が駆動層群21に位置する。凹溝25は駆動層群21の一部を貫通することにより、凹溝25の深さを大きくして凹溝25の溝壁の表面積を大きくすることができ、また、封止層24が凹溝25の溝壁を被覆するため、封止層24の被覆面積が大きくなる。
【0023】
本願の実施例において、非発光領域2bは、遷移領域2b1と封止領域2b2とを含み、遷移領域2b1は、封止領域2b2と発光領域2aとの間に位置する。例示的には、凹溝25は、封止領域2b2に設けられてもよい。さらに、非発光領域2bは、発光領域2aの外周を囲んで設けられる。
【0024】
なお、本願の実施例におけるピクセル定義構造22は、ピクセル定義層であってもよく、発光ユニットの位置を定義する他の構造であってもよい。本願の実施例は、ピクセル定義構造22の具体的な構成を限定しない。
【0025】
本願の実施例に係るストレッチャブル表示パネル100では、ピクセル定義構造22に非発光領域2bに位置する凹溝25が設けられるとともに、凹溝25はピクセル定義構造22及び一部の駆動層群21を貫通し、さらに封止層24は凹溝25の溝壁まで被覆するように延伸することにより、クラックが発生した場合、凹溝25はクラックの進展をある程度抑制することができ、クラックが発光領域2aに向かって延伸する傾向を低下させることができる一方で、凹溝25は封止層24の接触面積を大きくすることができ、それにより、封止層24の封止信頼性を全体的に向上させ、さらにストレッチャブル表示パネル100の耐用年数を向上させる。
【0026】
なお、一例において、駆動層群21は、ベース211を含み、自身のベース211を介して基板1上に設けられる。別の例において、駆動層群21は、ベース211を有さず、即ち、駆動層群21は、基板1上に直接設けられ、このとき、基板1上にストレッチ領域及びピクセル領域が設けられてもよく、駆動層群21は、ピクセル領域に設けられ、ストレッチ時に、ストレッチ領域がストレッチされ、ピクセル領域がストレッチされない。
【0027】
なお、発光ユニット23は、基板1から離れる方向に沿って積層して設けられた第1電極231、発光機能部232及び第2電極233を含む。発光機能部232は、少なくとも発光層(Emission layer、EML)を含み、また、正孔注入層(Hole Injection Layer、HIL)、正孔輸送層(Hole Transport Layer、HTL)、電子注入層(Electron Injection Layer、EIL)、電子輸送層(Electron Transport Layer、ETL)、正孔ブロック層(Hole Block Layer、HBL)及び電子ブロック層(Electron Block Layer、EBL)のうちの1つ又は複数を含んでもよい。或いは、発光機能部232は、少なくとも2層の発光層と、隣接する発光層同士の間に位置する電荷発生層(Charge Generation Layer、CGL)とを含む積層発光層であってもよい。
【0028】
一実施例において、駆動層群21は、無機膜層と有機膜層とを含み、無機膜層は、基板1と有機膜層との間に設けられる。凹溝25は、少なくとも有機膜層を貫通して、無機膜層の一部を露出させる。封止層24は、無機膜層の露出表面を被覆する。
【0029】
無機膜層の一部を露出させることにより、無機膜層の露出表面を凹溝25の溝壁とすることができ、即ち、凹溝25の溝壁の一部を無機溝壁とする。このように、封止層24が無機槽壁と直接接触することにより、封止層24の膜層接着力を向上させることができ、封止層24の封止性能をさらに向上させ、さらに封止層24の封止信頼性を全体的に向上させ、ストレッチャブル表示パネル100の耐用年数を向上させる。
【0030】
一例において、凹溝25は、有機膜層のみを貫通し、凹溝25の溝底は、無機膜層の頂面まで延伸する。
【0031】
一実施例において、凹溝25は、有機膜層、及び無機膜層の一部を貫通する。このように、凹溝25の深さを大きくして、凹溝25の溝壁の表面積を大きくすることができる一方で、凹溝25の溝壁の一部及び底壁が無機膜層に位置し、封止層24と無機溝壁との接触面積を大きくすることができ、封止層24の膜層接着力をさらに向上させ、さらに、封止層24の封止信頼性を全体的に向上させ、ストレッチャブル表示パネル100の耐用年数を向上させる。
【0032】
一実施例において、駆動層群21は、層間絶縁層212と平坦化層213とを含み、層間絶縁層212は、基板1と平坦化層213との間に位置する。層間絶縁層212の材質は、無機材料を含み、平坦化層213の材質は、有機材料を含み、即ち、層間絶縁層212は、無機膜層であり、平坦化層213は、有機膜層である。凹溝25は、平坦化層213、及び層間絶縁層212の一部を貫通する。
【0033】
このように、凹溝25の深さを大きくして凹溝25の溝壁の表面積を大きくすることができる一方で、凹溝25の溝壁の一部及び底壁が層間絶縁層212に位置し、封止層24と無機溝壁との接触面積を大きくすることができ、封止層24の膜層接着力をさらに向上させ、さらに、封止層24の封止信頼性を全体的に向上させ、ストレッチャブル表示パネル100の耐用年数を向上させる。また、
図2に示すように、封止層24と層間絶縁層212とが接触した後、発光領域2a内の発光ユニット23と平坦化層213(有機膜層)とを完全に被覆することができ、層間絶縁層212は、層間絶縁層212の基板1に近接する側の水や酸素が発光ユニット23に向かって浸食することを阻止することができ、封止層24は、封止層24の基板1から離れる側の水や酸素が発光ユニット23に向かって浸食することを阻止することができ、即ち、両面阻止構造を形成し、封止信頼性をさらに向上させ、上下膜層間の封止安定性を確保する。
【0034】
一実施例において、ストレッチャブル表示パネル100は、隣接するピクセルアイランド2を接続する接続線3をさらに含む。駆動層群21は、接続線3に電気的に接続された配線214を含む。例示的には、駆動層群21にピクセル駆動回路が設けられ、配線214は、一端がピクセル駆動回路に接続され、他端が接続線3に接続され、即ち、接続線3と配線214は、隣接するピクセルアイランド2のピクセル駆動回路を電気的に接続する。
【0035】
一実施例において、
図2に示すように、配線214は、第1配線部2141と第2配線部2142とを含み、第2配線部2142は、一端が第1配線部2141に電気的に接続され、他端が接続線3に電気的に接続される。第1配線部2141は、第2配線部2142と異なる層に設けられる。一例において、第1配線部2141の第2配線部2142から離れる一端は、ピクセル駆動回路に接続される。
【0036】
特に、本願の実施例における「同一層に設けられる」とは、2つの構造は同一の工程において同一の材料で製造されることを指す。「異なる層に設けられる」とは、2つの構造は別々の工程において製造されることを指す。また、第2配線部2142の一端は、第1配線部2141に電気的に接続され、ここでの「電気的に接続」とは、両者が直接的に電気的に接続されてもよく、両者が間接的に電気的に接続されてもよい。同様に、第2配線部2142の他端は、接続線3に電気的に接続され、両者が直接的に電気的に接続されてもよく、間接的に電気的に接続されてもよい。
【0037】
なお、凹溝25の底部が駆動層群21内まで延伸するため、駆動層群21内の配線の配列に影響を与えやすい。本願の実施例は、配線214の配列を最適化し、即ち、第1配線部2141と第2配線部2142とを異なる層に設けることにより、凹溝25から退避し、凹溝25の配線214に対する影響を低減することに有利である。
【0038】
一実施例において、駆動層群21は、ゲート絶縁層215と、容量絶縁層216とをさらに含み、ゲート絶縁層215及び容量絶縁層216は、基板1と層間絶縁層212との間に位置し、ゲート絶縁層215は、基板1と容量絶縁層216との間に位置する。第2配線部2142は、ゲート絶縁層215と容量絶縁層216との間に位置する。
【0039】
このように、第2配線部2142をゲート絶縁層215と容量絶縁層216との間に設けることにより、凹溝25から退避し、凹溝25の配線214に対する影響を低減することに有利である。
【0040】
一実施例において、駆動層群21は、ゲート電極219をさらに含み、ゲート電極219は、ゲート絶縁層215と容量絶縁層216との間に位置し、第2配線部2142は、ゲート電極219と同一層に設けられる。このように、ゲート電極219を製造する際に、第2配線部2142を同時に製造することができ、それにより、ストレッチャブル表示パネル100の製造工程を減少させ、製造コストを低減することができる。
【0041】
一実施例において、第1配線部2141は、層間絶縁層212と平坦化層213との間に位置する。
【0042】
なお、ゲート絶縁層215と容量絶縁層216との間に第1金属層(M1)が設けられ、ゲート電極219及び容量下側極板(図示せず)は、通常、第1金属層に位置し、本願の実施例において、第2配線部2142も第1金属層に位置する。層間絶縁層212と平坦化層213との間に第3金属層(M3)が設けられ、ピクセル駆動回路の一部のリード線が通常に第3金属層に設けられ、本願の実施例において、第1配線部2141も第3金属層に位置し、これによりストレッチャブル表示パネル100の製造工程を減少させ、製造コストを低減することができる。
【0043】
一実施例において、第2配線部2142の基板1への正投影の一部は、凹溝25の基板1への正投影と重なる。
図2に示すように、凹溝25と第2配線部2142とは、鉛直方向において重なる。
図2から分かるように、第2配線部2142が層間絶縁層212と平坦化層213との間に位置すると、凹溝25と第2配線部2142とが互いに干渉し、配線214の配列に影響を与えるだけでなく、凹溝25の配置に影響を与える。
【0044】
一実施例において、第1配線部2141と第2配線部2142は、第1ビアホール構造2144を介して電気的に接続される。これにより、第1配線部2141と第2配線部2142との電気的な接続方式をより簡単にすることができ、製造しやすい。
【0045】
一実施例において、第1配線部2141の基板1への正投影の一部は、第2配線部2142の基板1への正投影と重なる。
【0046】
このように、第1配線部2141を製造する際に、第1配線部2141と第2配線部2142との電気的接続の難しさを低減し、両者の電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0047】
一実施例において、配線214は、第2配線部2142と接続線3とを電気的に接続する第3配線部2143をさらに含む。第3配線部2143は、第2配線部2142と異なる層に設けられる。
【0048】
このように、第2配線部2142が第3配線部2143を介して接続線3に電気的に接続されることにより、配線214と接続線3との電気的接続の難しさを低減することができる一方で、配線214の配列を最適化し、凹溝25の配線214に対する影響を低減することに有利である。
【0049】
一実施例において、第3配線部2143は、第1配線部2141と同一層に設けられる。このように、第1配線部2141及び第3配線部2143を同時に製造し、配線214の製造工程及び製造難しさを低減することができる。
【0050】
一実施例において、第3配線部2143と第2配線部2142は、第2ビアホール構造2145を介して電気的に接続される。
【0051】
これにより、第3配線部2143と第2配線部2142との電気的な接続方式をより簡単にすることができ、製造しやすい。
【0052】
一実施例において、第3配線部2143の基板1への正投影の一部は、第2配線部2142の基板1への正投影と重なる。
【0053】
このように、第3配線部2143を製造する際に、第3配線部2143と第2配線部2142との電気的接続の難しさを低減し、両者の電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0054】
一実施例において、封止層24のピクセル定義構造22への正投影は、凹溝25を被覆し、即ち、封止層24は、凹溝25の全ての溝壁を被覆する。このように、封止層24の接触面積を大きくすることができ、封止層24の封止信頼性をより高くにする。
【0055】
一実施例において、ピクセル定義構造22に複数の凹溝25が設けられ、該複数の凹溝25は、非発光領域2bに間隔をあけて配列され、封止層24は、該複数の凹溝25の溝壁を被覆する。
【0056】
このように、凹溝25のクラック進展に対する抑制能力をより強くし、クラックが発光領域2aに向かって延伸する傾向をさらに低下させることができる一方で、封止層24の接触面積をさらに大きくして、封止層24の封止信頼性を向上させることに有利である。また、封止層24と無機溝壁との接触面積をさらに大きくして、封止層24の膜層接着力をさらに向上させ、さらに、封止層24の封止信頼性を全体的に向上させ、ストレッチャブル表示パネル100の耐用年数を向上させることに有利である。
【0057】
好ましい一実施例において、凹溝25の数は、5組(個)以上である。これにより、封止層24の封止信頼性をより優れたものとすることができる。
【0058】
なお、発明者らは、研究により、本願の実施例に係る凹溝25の配置方式を用いて、5組の凹溝25を設けると、関連技術において凹溝25が設けられない構造に比べて、同じ封止効果を達成する前提で、本願の実施例は、封止領域2b2の幅を20μm~30μmにし、非発光領域2b1の約4μm~24μmの幅空間を節約することができ、ピクセルアイランド2の封止フレームの幅を縮小することに有利であることを発見した。
【0059】
一実施例において、
図3に示すように、非発光領域2bは、発光領域2aの外周を囲んで設けられ、凹溝25は、発光領域2aの外周を囲んで設けられる。即ち、発光領域2aの周囲に凹溝25が設けられる。このように、発光領域2aの周囲の封止信頼性を向上させ、さらにストレッチャブル表示パネル100の耐用年数を向上させることに有利であり、ピクセルアイランド2の空間利用率を向上させる。例示的には、最適化された空間は、発光領域2a又は接続線3に割り当てることができ、ストレッチャブル表示パネル100の耐用年数及び伸び率の向上に有利である。
【0060】
一実施例において、凹溝25の基板1への正投影は、閉じた環状パターンである。このように、発光領域2aの外周の封止信頼性を均一に向上させ、封止層24の封止信頼性が高いことを保証することができる。
【0061】
例示的には、凹溝25の基板1への正投影の形状は、矩形環、円環、三角環などであってもよい。
【0062】
一実施例において、
図4に示すように、凹溝25は、複数の第1溝セグメント251を含み、複数の第1溝セグメント251は、間隔をあけて発光領域2aの外周を囲んで設けられる。
【0063】
このように、発光領域2aの外周の封止信頼性を向上させるとともに、凹溝25の占有面積を低減することができ、凹溝25のエッチングコストを低減することができる。
【0064】
好ましい一実施例において、複数の第1溝セグメント251は、均一に発光領域2aの外周を囲んで設けられる。このように、発光領域2a外周の封止信頼性を均一に向上させることができる。
【0065】
一実施例において、
図5に示すように、隣接する2つの凹溝25において、各凹溝25は、いずれも複数の第1溝セグメント251を含む。同一の凹溝25において、隣接する2つの第1溝セグメント251の間に隙間がある。隣接する2つの凹溝25のうち、一方の凹溝25の隙間と他方の凹溝25の第1溝セグメント251とは、対向している。
【0066】
これにより、隣接する2つの凹溝25の第1溝セグメント251は互いにずらして配列される。このように、凹溝25の占有面積を低減できるとともに、封止層24の封止信頼性をさらに向上させることができる。
【0067】
一実施例において、
図6に示すように、凹溝25は、1つの第1主溝252及び複数の第1サブ溝253を含む。第1主溝252の基板1への正投影は、閉じた環状パターンであり、第1主溝252は、発光領域2aの外周を囲んで設けられる。複数の第1サブ溝253は、間隔をあけて発光領域2aの外周を囲んで設けられ、第1サブ溝253の基板1への正投影の一部は、第1主溝252の駆動層群21への正投影と重なる。
【0068】
このように、封止層24と凹溝25との接触面積を大きくして、封止層24の封止信頼性を向上させることができる。
【0069】
一実施例において、第1サブ溝253は、対向して設けられた第1端253a及び第2端253bを有し、第1端253aは、第1主溝252の発光領域2aに近接する側に位置し、第2端253bは、第1主溝252の非発光領域2bから離れる側に位置する。即ち、第1サブ溝253は、第1主溝252と交差している。
【0070】
このように、封止層24と凹溝25との接触面積をさらに大きくして、封止層24の封止信頼性を向上させることができる一方で、封止層24が第1サブ溝253及び第1主溝252を被覆した後、第1主溝252及び第1サブ溝253は、「ラッチ構造」に相当し、封止層24に剥離が発生した場合、ラッチ構造は、剥離の拡大を抑制することができ、或いは、封止層24にクラック進展が発生した場合、ラッチ構造は、クラック進展を抑制することができ、これにより、封止層24の封止信頼性を全体的に向上させ、さらにストレッチャブル表示パネル100の耐用年数を向上させることができる。
【0071】
一実施例において、凹溝25の基板1への正投影の第1方向Xに沿う寸法は、第1幅W1であり、隣接する2つの凹溝25の間の距離は、第1間隔L1であり、第1幅W1は、第1間隔L1以上である。
【0072】
第1方向Xは、基板1の厚さ方向に垂直であり、凹溝25の基板1への正投影の長さ方向に垂直である。
【0073】
このように、凹溝25のエッチング難しさを低下させることに有利であるとともに、封止層24と凹溝25との接着安定性を向上させることに有利である一方で、限られた空間内で凹溝25の数を増やすことに有利である。
【0074】
一実施例において、
図2に示すように、駆動層群21は、本体部2111と、本体部2111に接続されたエッジ部2112とを含む。ピクセル定義構造22及び発光ユニット23は、いずれも本体部2111に設けられる。エッジ部2112には、少なくとも1つの保護構造26が設けられ、保護構造26は、少なくとも1つの凹部26aを有し、封止層24は、凹部26aの壁面をさらに被覆する。
【0075】
ここでは、保護構造26は、本体部2111へのクラックの進展を抑制する構造であり、具体的には、保護構造26は、凹部26aを介してクラックの進展を抑制する。
【0076】
本願の実施例において、凹部26aは、クラックが本体部2111に向かって進展する傾向を低下させることができる一方で、封止層24の接触面積を大きくすることができ、それにより、封止層24の封止信頼性を全体的に向上させ、さらにストレッチャブル表示パネル100の耐用年数を向上させる。
【0077】
一実施例において、基板1の厚さ方向に沿って、本体部2111の寸法は、エッジ部2112の寸法よりも大きく、即ち、本体部2111の厚さは、エッジ部2112の厚さよりも大きい。
【0078】
一例において、駆動層群21は、ベース211を含み、ベース211は、基板1上に設けられ、駆動層群21の他の膜層、例えば、バリア層217、バッファ層218、ゲート絶縁層215、容量絶縁層216、層間絶縁層212及び平坦化層213は、ベース211上に積層して設けられる。
【0079】
具体的には、本体部2111及びエッジ部2112は、ベース211上に設けられる。これにより、ベース211を製造した後、ベース211のエッジを薄くすると、エッジ部2112を形成することができ、薄くされていない領域は、本体部2111である。
【0080】
なお、ピクセルアイランド2をガラス基板から剥離する際に、ピクセルアイランド2のエッジ部2112の封止層24にクラックが発生しやすく、保護構造26は、ピクセルアイランド2のエッジ部2112の封止層24におけるクラックが本体部2111の側壁及び発光領域2aに延伸することを抑制することができ、保護構造26は、クラックの延伸を阻止し、抑制する作用を有し、ピクセルアイランド2の側壁及び上面における封止層24を効果的に保護し、封止信頼性を向上させることができる。
【0081】
一実施例において、封止層24は、ピクセル定義構造22の側面及び本体部2111の側面をさらに被覆する。具体的には、封止層24は、ピクセル定義構造22の頂面に沿ってエッジ部2112に向かって延伸し、延伸経路においてピクセル定義構造22の側面及び本体部2111の側面を被覆する。このように、封止層24の接触面積を向上させ、封止層24の封止信頼性を向上させることができる。
【0082】
一実施例において、エッジ部2112は、本体部2111の外周を囲んで設けられ、保護構造26は、本体部2111の外周を囲んで設けられる。
【0083】
これにより、発光領域2aの周囲の封止信頼性を向上させ、さらに保護構造26の保護性能を向上させることに有利である。
【0084】
一実施例において、
図2に示すように、エッジ部2112には、間隔をあけて配置された複数の保護構造26が設けられ、封止層24は、各保護構造26の凹部26aを被覆する。
【0085】
このように、保護構造26の数を増やすことにより、複数層の保護を設けることに相当し、封止信頼性及び保護性能をさらに向上させることができる。
【0086】
一実施例において、隣接する2つの保護構造26のうち、一方の保護構造26は、本体部2111の外周を囲んで設けられ、他方の保護構造26は、該一方の保護構造26の外周を囲んで設けられる。
【0087】
これにより、2つの保護構造26が互いに入れ子状に発光領域2aの外周を囲んで設けられることに相当し、発光領域2aの外周に互いに連なった環状の多層保護構造26を形成することに有利であり、封止信頼性及び保護性能をさらに向上させる。
【0088】
一実施例において、
図8に示すように、保護構造26は、複数のサブ構造26bを含み、複数のサブ構造26bは、間隔をあけて本体部2111の外周を囲んで設けられる。
【0089】
このように、発光領域2aの外周の封止信頼性を向上させるとともに、保護構造26の占有面積を低減することができる。
【0090】
好ましい一実施例において、複数のサブ構造26bは、均一に発光領域2aの外周を囲んで設けられる。このように、発光領域2a外周の封止信頼性を均一に向上させることができる。
【0091】
一実施例において、
図8に示すように、隣接する2つの保護構造26において、各保護構造26は、いずれも複数のサブ構造26bを含み、同一の保護構造26において、隣接する2つのサブ構造26bの間に隙間がある。隣接する2つの保護構造26のうち、一方の保護構造26の隙間と他方の保護構造26のサブ構造26bとは、対向している。
【0092】
これにより、隣接する2つの保護構造26のサブ構造26bは互いにずらして配列される。このように、保護構造26の占有面積を低減できるとともに、封止層24の封止信頼性をさらに向上させることができる。
【0093】
一実施例において、
図2に示すように、保護構造26の基板1への正投影の第1方向Xに沿う寸法は、第2幅W
2であり、隣接する2つの保護構造26の間の距離は、第2間隔L
2であり、第2幅W
2は、第2間隔L
2以上である。
【0094】
第1方向Xは、基板1の厚さ方向に垂直であり、保護構造26の長さ方向に垂直である。
【0095】
このように、封止層24と保護構造26との接着安定性を向上させるとともに、保護構造26の占有空間を低減することに有利である一方で、隣接する2つの保護構造26の間に封止層24を堆積することに有利であり、それにより、封止層24と2つの保護構造26との間の構造を良好に接触させ、封止層24の封止信頼性を向上させる。
【0096】
本願の実施例において、凹部26aは、保護構造26の第1方向Xに沿った少なくとも一方側に位置する。一例において、
図9に示すように、保護構造26は、第1方向Xの一方側に沿って1つの凹部26aを有する。具体的には、保護構造26は、紙面に垂直な方向に沿った断面形状がC字状である。
【0097】
一実施例において、保護構造26は、複数の凹部26aを有し、封止層24は、複数の凹部26aの壁面を被覆する。このように、保護構造26のクラック進展に対する抑制能力をさらに向上させることができる一方で、封止層24と保護構造26との接触面積を大きくすることができ、それにより、封止層24の封止信頼性を全体的に向上させ、さらにストレッチャブル表示パネル100の耐用年数を向上させる。
【0098】
一実施例において、
図10及び
図11に示すように、保護構造26は、2つの凹部26aを有し、2つの凹部26aの開口は、互いに背向している。
【0099】
このように、封止層24が保護構造26の2つの凹部26aを完全に被覆した後、一方では、クラックが封止層24に沿って進展するとき、クラックの進展経路は屈曲し、クラック進展の難しさを増大させ、クラックの進展を抑制し、他方では、封止層24に剥離が発生するとき、保護構造26の2つの凹部26aが「ラッチ構造」を形成し、封止層24をロックし、封止層24の剥離の傾向を弱めることができる。
【0100】
一実施例において、
図10に示すように、保護構造26は、エッジ部2112に順次積層して設けられた第1部分261及び第2部分262を含み、第2部分262の第1方向Xに沿った対向する両端は、第1部分261の側壁から突出する。第1方向Xは、基板1の厚さ方向に垂直である。第1部分261、第2部分262の突出部分及びエッジ部2112は、凹部26aを画定する。これにより、保護構造26の構造を簡単にすることができる。
【0101】
具体的には、
図10に示すように、保護構造26は、紙面に垂直な方向に沿った断面形状が「T」字状である。
【0102】
一実施例において、
図11に示すように、保護構造26は、エッジ部2112に順次積層して設けられた第3部分263、第1部分261及び第2部分262を含む。第3部分263の第1方向Xに沿った対向する両端は、第1部分261の側壁から突出する。第2部分262の第1方向Xに沿った対向する両端は、第1部分261の側壁から突出する。第1方向Xは、基板1の厚さ方向に垂直である。第3部分263の突出部分、第1部分261及び第2部分262の突出部分は、凹部26aを画定する。これにより、保護構造26と封止層24との接触面積をより大きくすることができ、保護構造26と封止層24との接着安定性の向上に有利である。
【0103】
具体的には、
図11に示すように、保護構造26は、紙面に垂直な方向に沿った断面形状が「エ」字状である。
【0104】
一実施例において、第3部分263の材質は、第2部分262の材質と同じである。
【0105】
一実施例において、第3部分263の材質は、第1部分261の材質と異なる。
【0106】
一実施例において、第3部分263の材質は、チタンを含み、第1部分261の材質は、アルミニウムを含む。即ち、保護構造26は、チタンアルミニウムチタンの3層金属からなる構造である。これにより、積層金属をサイドエッチングすることで保護構造26を形成することができる。なお、保護構造26は、他の材質の積層金属で構成されてもよい。
【0107】
第2態様では、
図1、
図12、
図13及び
図14に示すように、本願の実施例は、基板1と、複数のピクセルアイランド2とを含む別のストレッチャブル表示パネル100を提供する。複数のピクセルアイランド2は、基板1上に間隔をあけて設けられる。ピクセルアイランド2は、発光領域2aと、発光領域2aに隣接する非発光領域2bとを有する。例示的には、基板1は、引張性能を有するフレキシブル基板1である。
【0108】
具体的には、ピクセルアイランド2は、駆動層群21と、発光ユニット23と、封止補助構造27と、封止層24とを含む。駆動層群21は、基板1上に設けられる。発光ユニット23は、駆動層群21上に設けられ、発光領域2aに位置する。封止補助構造27は、駆動層群21上に設けられ、非発光領域2bに位置する。封止補助構造27の駆動層群21から離れる側には、少なくとも1つのトレンチ271が設けられる。封止補助構造27は、無機材料を含む。封止層24は、発光ユニット23の基板1から離れる側、及びトレンチ271の溝壁を被覆する。
【0109】
本願の実施例において、封止層24は、無機封止層膜層である。封止層24は、発光ユニット23の表面から非発光領域2bに向かって延伸し、封止補助構造27の表面及びトレンチ271の溝壁を被覆する。
【0110】
なお、トレンチ271は、無機トレンチであり、即ち、トレンチ271は、溝壁が無機材料からなる凹溝構造である。本願の実施例において、非発光領域2bは、遷移領域2b1と封止領域2b2とを含み、遷移領域2b1は、封止領域2b2と発光領域2aとの間に位置する。例示的には、封止補助構造27は、封止領域2b2に設けられてもよい。さらに、非発光領域2bは、発光領域2aの外周を囲んで設けられる。
【0111】
本願の実施例に係るストレッチャブル表示パネル100では、駆動層群21に封止補助構造27を設けるとともに、封止補助構造27にトレンチ271を設け、封止層24をトレンチ271の溝壁まで被覆するように延伸させることにより、トレンチ271は、クラックが発光領域2aに向かって延伸する傾向を低下させることができる一方で、トレンチ271は封止層24の接触面積を大きくし、封止層24の封止性能を向上させることができる。また、封止層24は、無機のトレンチ271と直接接触し、即ち、無機膜層が無機膜層と接触して、封止層24の膜層接着力を向上させることができ、それにより、封止層24の封止性能をさらに向上させ、さらに、封止層24の封止信頼性を全体的に向上させ、ストレッチャブル表示パネル100の耐用年数を向上させる。
【0112】
一実施例において、封止補助構造27の駆動層群21から離れる側には、間隔をあけて配列された複数のトレンチ271が設けられ、封止層24は、複数のトレンチ271の溝壁を被覆する。
【0113】
このように、トレンチ271のクラック進展に対する抑制能力をより強くし、クラックが発光領域2aに向かって延伸する傾向をさらに低下させることができる一方で、封止層24と無機溝壁との接触面積をさらに大きくして、封止層24の膜層接着力をさらに向上させ、さらに、封止層24の封止信頼性を全体的に向上させ、ストレッチャブル表示パネル100の耐用年数を向上させることに有利である。
【0114】
好ましい一実施例において、トレンチ271の数は、5組(個)以上である。これにより、封止層24の封止信頼性をより優れたものとすることができる。
【0115】
なお、発明者らは、研究により、本願の実施例に係るトレンチ271の配置方式を用いて、5組のトレンチ271を設けると、関連技術においてトレンチ271が設けられない構造に比べて、同じ封止効果を達成する前提で、本願の実施例は、非発光領域2bの約14μm~24μmの幅空間を節約することができ、ピクセルアイランド2の封止フレームの幅を縮小することに有利であることを発見した。
【0116】
一実施例において、封止層24の基板1への正投影は、トレンチ271の基板1への正投影を被覆し、即ち、封止層24は、トレンチ271の全ての溝壁を被覆する。このように、封止層24の接触面積を大きくすることができ、封止層24の封止信頼性をより高くにする。
【0117】
なお、本願の実施例におけるトレンチ271の配列については、
図3~
図6に示す凹溝25の配列を参照することができる。
【0118】
一実施例において、封止補助構造27は、発光領域2aの外周を囲んで設けられ、トレンチ271は、発光領域2aの外周を囲んで設けられ、即ち、発光領域2aの周囲にトレンチ271が設けられる。このように、発光領域2aの周囲の封止信頼性を向上させ、さらにストレッチャブル表示パネル100の耐用年数を向上させることに有利である。
【0119】
一実施例において、トレンチ271の基板1への正投影は、閉じた環状パターンである。このように、発光領域2aの外周の封止信頼性を均一に向上させ、封止層24の封止信頼性が高いことを保証することができる。
【0120】
例示的には、トレンチ271の基板1への正投影の形状は、矩形環、円環、三角環などであってもよい。
【0121】
一実施例において、トレンチ271は、複数の第2溝セグメントを含み、複数の第2溝セグメントは、間隔をあけて発光領域2aの外周を囲んで設けられる。
【0122】
このように、発光領域2aの外周の封止信頼性を向上させるとともに、トレンチ271の占有面積を低減することができ、トレンチ271のエッチングコストを低減することができる。
【0123】
好ましい一実施例において、複数の第2溝セグメントは、均一に発光領域2aの外周を囲んで設けられる。このように、発光領域2aの外周の封止信頼性を均一に向上させることができる。
【0124】
一実施例において、隣接する2つのトレンチ271において、各トレンチ271は、いずれも複数の第2溝セグメントを含む。同一のトレンチ271において、隣接する2つの第2溝セグメントの間に隙間がある。隣接する2つのトレンチ271のうち、一方のトレンチ271の隙間と他方のトレンチ271の第2溝セグメントとは、対向している。
【0125】
これにより、隣接する2つのトレンチ271の第2溝セグメントは互いにずらして配列される。このように、トレンチ271の占有面積を低減できるとともに、封止層24の封止信頼性をさらに向上させることができる。
【0126】
一実施例において、トレンチ271は、1つの第2主トレンチ及び複数の第2サブトレンチを含む。第2主トレンチの基板1への正投影は、閉じた環状パターンであり、第2主トレンチは、発光領域2aの外周を囲んで設けられる。複数の第2サブトレンチは、間隔をあけて発光領域2aの外周を囲んで設けられ、第2サブトレンチの基板1への正投影の一部は、第2主トレンチの基板1への正投影と重なる。
【0127】
このように、封止層24とトレンチ271との接触面積をさらに大きくすることができ、封止層24の封止信頼性を向上させる。
【0128】
一実施例において、第2サブトレンチは、対向して設けられた第3端と第4端を有し、第3端は、第2主トレンチの発光領域2aに近接する側に位置し、第4端は、第2主トレンチの非発光領域2bから離れる側に位置する。即ち、第2サブトレンチは、第2主トレンチと交差している。
【0129】
このように、封止層24とトレンチ271との接触面積をさらに大きくして、封止層24の封止信頼性を向上させることができる一方で、封止層24が第2サブトレンチ及び第2主トレンチを被覆した後、第2主トレンチ及び第2サブトレンチは、「ラッチ構造」に相当し、封止層24に剥離が発生した場合、ラッチ構造は、剥離の拡大を抑制することができ、或いは、封止層24にクラック進展が発生した場合、ラッチ構造はクラック進展を抑制することができ、これにより、封止層24の封止信頼性を全体的に向上させ、さらにストレッチャブル表示パネル100の耐用年数を向上させる。
【0130】
一実施例において、トレンチ271の基板1への正投影の第1方向Xに沿う寸法は、第3幅W3であり、隣接する2つのトレンチ271の間の距離は、第3間隔L3であり、第3幅W3は、第3間隔L3以上である。
【0131】
第1方向Xは、基板1の厚さ方向に垂直であり、トレンチ271の基板1への正投影の長さ方向に垂直である。
【0132】
このように、トレンチ271のエッチング難しさを低下させることに有利であるとともに、封止層24とトレンチ271との接着安定性を向上させることに有利である一方で、限られた空間内でトレンチ271の数を増やすことに有利である。
【0133】
一実施例において、
図12及び
図13に示すように、封止補助構造27の駆動層群21に近接する側に少なくとも1つの突起部272が設けられ、駆動層群21の封止補助構造27に近接する側に少なくとも1つの窪み部2131が設けられ、該少なくとも1つの突起部272と該少なくとも1つの窪み部2131とが嵌合している。
【0134】
突起部272と窪み部2131を設けることにより、封止補助構造27と駆動層群21との接触面積を大きくし、両者の結合力を向上させ、封止補助構造27の安定性をより向上させることができる。
【0135】
一実施例において、封止補助構造27の駆動層群21に近接する側には、間隔をあけて配列された複数の突起部272が設けられ、駆動層群21の封止補助構造27に近接する側には、複数の窪み部2131が設けられ、複数の突起部272と複数の窪み部2131とは、1対1で対応して嵌合している。
【0136】
これにより、封止補助構造27と駆動層群21との接触面積をさらに大きくし、両者の結合力をさらに向上させ、封止補助構造27の安定性をより向上させることができる。
【0137】
一実施例において、封止補助構造27には、間隔をあけて配列された複数のトレンチ271が設けられ、1つのトレンチ271の駆動層群21への正投影は、1つの突起部272の駆動層群21への正投影と重なる。即ち、1つのトレンチ271の駆動層群21への正投影は、1つの突起部272の駆動層群21への正投影内にある。なお、トレンチ271の配置位置と突起部272の配置位置とは対向していると理解されてもよい。
【0138】
一例において、2つのトレンチ271の駆動層群21への正投影は、いずれも同一の突起部272の駆動層群21への正投影内にある。
【0139】
なお、突起部272を設けるとともに、突起部272の基板1から離れる側にトレンチ271を設けることにより、トレンチ271の深さを深くすることができ、封止層24とトレンチ271との接触面積を向上させる一方で、封止補助構造27の各位置における厚さ(封止補助構造27の基板1の厚さ方向に沿った寸法)を大きくすることに有利であり、封止補助構造27の構造強度が高く、封止補助構造27が破断しにくいように保証する。
【0140】
一実施例において、複数のトレンチ271と複数の突起部272とは、1対1で対応し、各トレンチ271の駆動層群21への正投影は、対応する突起部272の駆動層群21への正投影と重なる。即ち、各トレンチ271及び各突起部272は、封止補助構造27の両側に対向して設けられる。
【0141】
このように、封止補助構造27の各位置における厚さ(封止補助構造27の基板1の厚さ方向に沿った寸法)を大きくすることに有利であり、封止補助構造27の構造強度が高く、封止補助構造27が破断しにくいように保証する。
【0142】
一実施例において、駆動層群21は、平坦化層213を含み、窪み部2131は、平坦化層213の基板1から離れる表面に設けられる。
【0143】
一例において、ピクセルアイランド2は、平坦化層213の基板1から離れる表面に設けられ、発光領域2aに位置するピクセル開口を画定するピクセル定義構造22をさらに含む。発光ユニット23は、ピクセル開口内に設けられる。
【0144】
一実施例において、基板1の厚さ方向に沿って、窪み部2131の寸法は、H1であり、平坦化層213の寸法は、H2であり、H1とH2は、H1≦0.5H2という関係式を満たす。
【0145】
このように、窪み部2131の直下の平坦化層213の厚さが薄くなることを回避することができ、平坦化層213の構造強度を確保し、平坦化層213が断裂しにくくなる。
【0146】
一実施例において、
図14に示すように、封止補助構造27の駆動層群21に近接する表面は、平面である。これにより、封止補助構造27の製造難しさを低減することができる。
【0147】
一実施例において、ストレッチャブル表示パネル100は、ピクセル定義構造22を含み、ピクセル定義構造22は、駆動層群21に設けられ、ピクセル定義構造22は、発光領域2aに位置するピクセル開口を定義する。発光ユニット23は、ピクセル開口内に設けられる。ピクセル定義構造22の駆動層群21に近接する表面は、封止補助構造27の駆動層群21に近接する表面と面一である。これにより、封止補助構造27とピクセル定義構造22を同一の膜層の表面に製造することができ、封止補助構造27が駆動層群21内の回路配置及び膜層配置に悪影響を与えることを防止する。
【0148】
具体的な一実施例において、駆動層群21は、平坦化層213を含み、封止補助構造27及びピクセル定義構造22は、平坦化層213の基板1から離れる表面に設けられる。
【0149】
一実施例において、ピクセル定義構造22は、封止補助構造27に隣接する。これにより、封止層24がピクセル定義構造22の表面から封止補助構造27の表面へ延伸し、連続した膜層構造を形成することに有利である。
【0150】
一実施例において、駆動層群21は、本体部2111と、本体部2111に接続されたエッジ部2112とを含む。発光ユニット23は、本体部2111に設けられる。エッジ部2112には、少なくとも1つの保護構造26が設けられ、保護構造26は、少なくとも1つの凹部26aを有し、封止層24は、凹部26aの壁面をさらに被覆する。
【0151】
ここで、保護構造26は、本体部2111へのクラックの進展を抑制する構造であり、具体的には、保護構造26は、凹部26aを介してクラックの進展を抑制する。
【0152】
本願の実施例において、凹部26aは、クラックが本体部2111に向かって進展する傾向を低下させることができる一方で、封止層24の接触面積を大きくすることができ、それにより、封止層24の封止信頼性を全体的に向上させ、さらにストレッチャブル表示パネル100の耐用年数を向上させる。
【0153】
一実施例において、基板1の厚さ方向に沿って、本体部2111の寸法は、エッジ部2112の寸法よりも大きく、即ち、本体部2111の厚さは、エッジ部2112の厚さよりも大きい。
【0154】
一例において、駆動層群21は、ベース211を含み、ベース211は、基板1上に設けられ、駆動層群21の他の膜層、例えば、バリア層217、バッファ層218、ゲート絶縁層215、容量絶縁層216、層間絶縁層212及び平坦化層213は、ベース211上に積層して設けられる。
【0155】
具体的には、本体部2111及びエッジ部2112は、ベース211上に設けられる。これにより、ベース211を製造した後、ベース211のエッジを薄くすると、エッジ部2112を形成することができ、薄くされていない領域は、本体部2111である。
【0156】
なお、ピクセルアイランド2をガラス基板から剥離する際に、ピクセルアイランド2のエッジ部2112の封止層24にクラックが発生しやすく、保護構造26は、ピクセルアイランド2のエッジ部2112の封止層24におけるクラックが本体部2111の側壁及び発光領域2aに延伸することを抑制することができ、保護構造26は、クラックの延伸を阻止し、抑制する作用を有し、ピクセルアイランド2の側壁及び上面における封止層24を効果的に保護し、封止信頼性を向上させる。
【0157】
一実施例において、ストレッチャブル表示パネル100は、ピクセル定義構造22を含み、ピクセル定義構造22は、本体部2111に設けられ、ピクセル定義構造22は、発光領域2aに位置するピクセル開口を定義する。発光ユニット23は、ピクセル開口内に設けられる。封止層24は、ピクセル定義構造22の側面及び本体部2111の側面をさらに被覆する。具体的には、封止層24は、ピクセル定義構造22の頂面に沿ってエッジ部2112に向かって延伸し、延伸経路においてピクセル定義構造22の側面及び本体部2111の側面を被覆する。このように、封止層24の接触面積を向上させ、封止層24の封止信頼性を向上させることができる。
【0158】
一実施例において、エッジ部2112は、本体部2111の外周を囲んで設けられ、保護構造26は、本体部2111の外周を囲んで設けられる。
【0159】
これにより、発光領域2aの周囲の封止信頼性を向上させ、さらに保護構造26の保護性能を向上させることに有利である。
【0160】
一実施例において、
図2に示すように、エッジ部2112には、間隔をあけて配置された複数の保護構造26が設けられ、封止層24は、各保護構造26の凹部26aを被覆する。
【0161】
このように、保護構造26の数を増やすことにより、複数層の保護を設けることに相当し、封止信頼性及び保護性能をさらに向上させることができる。
【0162】
一実施例において、隣接する2つの保護構造26のうち、一方の保護構造26は、本体部2111の外周を囲んで設けられ、他方の保護構造26は、該一方の保護構造26の外周を囲んで設けられる。
【0163】
これにより、2つの保護構造26が互いに入れ子状に発光領域2aの外周を囲んで設けられ、発光領域2aの外周に互いに連なった環状の多層保護構造26を形成することに有利であり、封止信頼性及び保護性能をさらに向上させる。
【0164】
一実施例において、
図8に示すように、保護構造26は、複数のサブ構造26bを含み、複数のサブ構造26bは、間隔をあけて本体部2111の外周を囲んで設けられる。
【0165】
このように、発光領域2aの外周の封止信頼性を向上させるとともに、保護構造26の占有面積を低減することができる。
【0166】
好ましい一実施例において、複数のサブ構造26bは、均一に発光領域2aの外周を囲んで設けられる。このように、発光領域2aの外周の封止信頼性を均一に向上させることができる。
【0167】
一実施例において、
図8に示すように、隣接する2つの保護構造26において、各保護構造26は、いずれも複数のサブ構造26bを含み、同一の保護構造26において、隣接する2つのサブ構造26bの間に隙間がある。隣接する2つの保護構造26のうち、一方の保護構造26の隙間と他方の保護構造26のサブ構造26bとは、対向している。
【0168】
これにより、隣接する2つの保護構造26のサブ構造26bは互いにずらして配列される。このように、保護構造26の占有面積を低減できるとともに、封止層24の封止信頼性をさらに向上させることができる。
【0169】
一実施例において、
図2に示すように、保護構造26の基板1への正投影の第1方向Xに沿う寸法は、第2幅W
2であり、隣接する2つの保護構造26の間の距離は、第2間隔L
2であり、第2幅W
2は、第2間隔L
2以上である。
【0170】
第1方向Xは、基板1の厚さ方向に垂直であり、かつ保護構造26の長さ方向に垂直である。
【0171】
このように、封止層24と保護構造26との接着安定性を向上させるとともに、保護構造26の占有空間を低減することに有利である一方で、隣接する2つの保護構造26の間に封止層24を堆積することに有利であり、それにより、封止層24と2つの保護構造26との間の構造を良好に接触させ、封止層24の封止信頼性を向上させる。
【0172】
本願の実施例において、凹部26aは、保護構造26の第1方向Xに沿った少なくとも一方側に位置する。一例において、
図9に示すように、保護構造26は、第1方向Xの一方側に沿って1つの凹部26aを有する。具体的には、保護構造26は、紙面に垂直な方向に沿った断面形状が「C」字状である。
【0173】
一実施例において、保護構造26は、複数の凹部26aを有し、封止層24は、複数の凹部26aの壁面を被覆する。このように、保護構造26のクラック進展に対する抑制能力をさらに向上させることができる一方で、封止層24と保護構造26との接触面積を大きくすることができ、それにより、封止層24の封止信頼性を全体的に向上させ、さらにストレッチャブル表示パネル100の耐用年数を向上させる。
【0174】
一実施例において、
図10及び
図11に示すように、保護構造26は、2つの凹部26aを有し、2つの凹部26aの開口は互いに背向している。
【0175】
このように、封止層24が保護構造26の2つの凹部26aを完全に被覆した後、一方では、クラックが封止層24に沿って進展するとき、クラックの進展経路は屈曲し、クラック進展の難しさを増大させ、クラックの進展を抑制し、他方では、封止層24に剥離が発生するとき、保護構造26の2つの凹部26aが「ラッチ構造」を形成し、封止層24をロックし、封止層24に剥離が発生する傾向を弱めることができる。
【0176】
一実施例において、
図10に示すように、保護構造26は、エッジ部2112に順次積層して設けられた第1部分261及び第2部分262を含み、第2部分262の第1方向Xに沿った対向する両端は、第1部分261の側壁から突出する。第1方向Xは、基板1の厚さ方向に垂直である。第1部分261、第2部分262の突出部分及びエッジ部2112は、凹部26aを画定する。これにより、保護構造26の構造を簡単にすることができる。
【0177】
具体的には、
図10に示すように、保護構造26は、紙面に垂直な方向に沿った断面形状が「T」字状である。
【0178】
一実施例において、
図11に示すように、保護構造26は、エッジ部2112に順次積層して設けられた第3部分263、第1部分261及び第2部分262を含む。第3部分263の第1方向Xに沿った対向する両端は、第1部分261の側壁から突出する。第2部分262の第1方向Xに沿った対向する両端は、第1部分261の側壁から突出する。第1方向Xは、基板1の厚さ方向に垂直である。第3部分263の突出部分、第1部分261及び第2部分262の突出部分は、凹部26aを画定する。これにより、保護構造26と封止層24との接触面積をより大きくすることができ、保護構造26と封止層24との接着安定性の向上に有利である。
【0179】
具体的には、
図11に示すように、保護構造26は、紙面に垂直な方向に沿った断面形状が「エ」字状である。
【0180】
一実施例において、第3部分263の材質は、第2部分262の材質と同じである。
【0181】
一実施例において、第3部分263の材質は、第1部分261の材質と異なる。
【0182】
一実施例において、第3部分263の材質は、チタンを含み、第1部分261の材質は、アルミニウムを含む。即ち、保護構造26は、チタンアルミニウムチタンの3層金属からなる構造である。これにより、積層金属をサイドエッチングして保護構造26を形成することができる。なお、保護構造26は、他の材質の積層金属で構成されてもよい。
【0183】
一実施例において、
図12及び
図14に示すように、ストレッチャブル表示パネル100は、隣接するピクセルアイランド2を接続する接続線3をさらに含む。駆動層群21は、接続線3に電気的に接続された配線214を含む。例示的には、駆動層群21にピクセル駆動回路が設けられ、配線214は、一端がピクセル駆動回路に接続され、他端が接続線3に接続され、即ち、接続線3と配線214は、隣接するピクセルアイランド2のピクセル駆動回路を電気的に接続する。
【0184】
一例において、配線214は、層間絶縁層212と平坦化層213との間に設けられる。
【0185】
なお、層間絶縁層212と平坦化層213との間に第3金属層(M3)が設けられ、ピクセル駆動回路の一部のリード線が通常に第3金属層に設けられ、本願の実施例において、配線214も第3金属層に位置し、ストレッチャブル表示パネル100の製造工程を減少させ、製造コストを低減することができる。
【0186】
また、第2態様に係る表示パネルは、第1態様に係る表示パネルと比較して、駆動層群21の配線214に対するトレンチ271の配置の悪影響を改善し、表示パネルの製造コストを低減することができる。
【0187】
第3態様では、
図2、
図12及び
図14に示すように、本願の実施例は、基板1と、複数のピクセルアイランド2とを含むさらに別のストレッチャブル表示パネル100を提供する。複数のピクセルアイランド2は、基板1上に間隔をあけて設けられる。ピクセルアイランド2は、発光領域2aと、発光領域2aに隣接する非発光領域2bとを有する。例示的には、基板1は、引張性能を有するフレキシブル基板1である。
【0188】
具体的には、ピクセルアイランド2は、駆動層群21と、ピクセル定義構造22と、発光ユニット23と、封止層24とを含む。駆動層群21は、基板1上に設けられ、本体部2111と、本体部2111に接続されたエッジ部2112とを含む。発光ユニット23は、本体部2111に設けられる。保護構造26は、エッジ部2112に設けられ、少なくとも1つの凹部26aを有する。封止層24は、発光ユニット23の基板1から離れる側、及び凹部26aの壁面を被覆する。
【0189】
具体的には、封止層24は、無機封止層膜層である。封止層24は、発光ユニット23の表面からエッジ部2112に向かって延伸し、保護構造26の表面及び凹部26aの壁面を被覆する。
【0190】
ここで、保護構造26は、本体部2111へのクラックの進展を抑制する構造であり、具体的には、保護構造26は、凹部26aを介してクラックの進展を抑制する。
【0191】
本願の実施例に係るストレッチャブル表示パネル100では、エッジ部2112に保護構造26が設けられるとともに、保護構造26に凹部26aが設けられ、封止層24は凹部26aの壁面まで被覆するように延伸することにより、凹部26aは、クラックが本体部2111に向かって進展する傾向を低下させることができる一方で、封止層24の接触面積を大きくすることができ、それにより、封止層24の封止信頼性を全体的に向上させ、さらにストレッチャブル表示パネル100の耐用年数を向上させる。
【0192】
なお、一例において、駆動層群21は、ベース211を有し、自身のベース211を介して基板1上に設けられる。別の例において、駆動層群21は、ベース211を有さず、即ち、駆動層群21は、基板1上に直接設けられ、このとき、基板1上にストレッチ領域及びピクセル領域が設けられてもよく、駆動層群21は、ピクセル領域に設けられ、ストレッチ時に、ストレッチ領域がストレッチされ、ピクセル領域がストレッチされない。
【0193】
一実施例において、基板1の厚さ方向に沿って、本体部2111の寸法は、エッジ部2112の寸法よりも大きく、即ち、本体部2111の厚さは、エッジ部2112の厚さよりも大きい。
【0194】
一例において、駆動層群21は、ベース211を含み、ベース211は、基板1上に設けられ、駆動層群21の他の膜層、例えば、バリア層217、バッファ層218、ゲート絶縁層215、容量絶縁層216、層間絶縁層212及び平坦化層213は、ベース211上に積層して設けられる。
【0195】
具体的には、本体部2111及びエッジ部2112は、ベース211上に設けられる。これにより、ベース211を製造した後、ベース211のエッジを薄くすると、エッジ部2112を形成することができ、薄くされていない領域は、本体部2111である。
【0196】
なお、ピクセルアイランド2をガラス基板から剥離する際に、ピクセルアイランド2のエッジ部2112の封止層24にクラックが発生しやすく、保護構造26は、ピクセルアイランド2のエッジ部2112の封止層24におけるクラックが本体部2111の側壁及び発光領域2aに延伸することを抑制することができ、保護構造26は、クラックの延伸を阻止し、抑制する作用を有し、ピクセルアイランド2の側壁及び上面の封止層24を効果的に保護し、封止信頼性を向上させる。
【0197】
一実施例において、ストレッチャブル表示パネル100は、ピクセル定義構造22を含み、ピクセル定義構造22は、本体部2111に設けられ、ピクセル定義構造22は、発光領域2aに位置するピクセル開口を定義し、発光ユニット23は、ピクセル開口内に設けられる。封止層24は、ピクセル定義構造22の側面及び本体部2111の側面をさらに被覆する。具体的には、封止層24は、ピクセル定義構造22の頂面に沿ってエッジ部2112に向かって延伸し、延伸経路においてピクセル定義構造22の側面及び本体部2111の側面を被覆する。このように、封止層24の接触面積を向上させ、封止層24の封止信頼性を向上させることができる。
【0198】
一実施例において、エッジ部2112は、本体部2111の外周を囲んで設けられ、保護構造26は、本体部2111の外周を囲んで設けられる。
【0199】
これにより、発光領域2aの周囲の封止信頼性を向上させ、さらに保護構造26の保護性能を向上させることに有利である。
【0200】
一実施例において、
図2に示すように、エッジ部2112には、間隔をあけて配置された複数の保護構造26が設けられ、封止層24は、各保護構造26の凹部26aを被覆する。
【0201】
このように、保護構造26の数を増やすことにより、複数層の保護を設けることに相当し、封止信頼性及び保護性能をさらに向上させることができる。
【0202】
一実施例において、隣接する2つの保護構造26のうち、一方の保護構造26は、本体部2111の外周を囲んで設けられ、他方の保護構造26は、該一方の保護構造26の外周を囲んで設けられる。
【0203】
これにより、2つの保護構造26が互いに入れ子状に本体部2111の外周を囲んで設けられ、本体部2111の外周に互いに連なった環状の多層保護構造26を形成することに有利であり、封止信頼性及び保護性能をさらに向上させる。
【0204】
具体的な一実施例において、
図7に示すように、エッジ部2112には、2つの保護構造26が設けられ、2つの保護構造26は、互いに入れ子状に本体部2111の外周を囲んで設けられる。このように、本体部2111上の発光ユニット23及び他の有機膜層を二重に被覆することに相当し、それにより、エッジ部2112から本体部2111への水蒸気の侵入、及びエッジ部2112から本体部2111へのクラックの進展を効果的に抑制することができる。
【0205】
一実施例において、
図8に示すように、保護構造26は、複数のサブ構造26bを含み、複数のサブ構造26bは、間隔をあけて本体部2111の外周を囲んで設けられる。
【0206】
このように、発光領域2aの外周の封止信頼性を向上させるとともに、保護構造26の占有面積を低減することができる。
【0207】
好ましい一実施例において、複数のサブ構造26bは、均一に発光領域2aの外周を囲んで設けられる。このように、発光領域2aの外周の封止信頼性を均一に向上させることができる。
【0208】
一実施例において、
図8に示すように、隣接する2つの保護構造26において、各保護構造26は、いずれも複数のサブ構造26bを含み、同一の保護構造26において、隣接する2つのサブ構造26bの間に隙間がある。隣接する2つの保護構造26のうち、一方の保護構造26の隙間と他方の保護構造26のサブ構造26bとは、対向している。
【0209】
これにより、隣接する2つの保護構造26のサブ構造26bは互いにずらして配列される。このように、保護構造26の占有面積を低減できるとともに、封止層24の封止信頼性をさらに向上させることができる。
【0210】
一実施例において、
図2に示すように、保護構造26の基板1への正投影の第1方向Xに沿う寸法は、第2幅W
2であり、隣接する2つの保護構造26の間の距離は、第2間隔L
2であり、第2幅W
2は、第2間隔L
2以上である。
【0211】
第1方向Xは、基板1の厚さ方向に垂直であり、かつ保護構造26の長さ方向に垂直である。
【0212】
このように、封止層24と保護構造26との接着安定性を向上させるとともに、保護構造26の占有空間を低減することに有利である一方で、隣接する2つの保護構造26の間に封止層24を堆積することに有利であり、それにより、封止層24と2つの保護構造26との間の構造を良好に接触させ、封止層24の封止信頼性を向上させる。
【0213】
本願の実施例において、凹部26aは、保護構造26の第1方向Xに沿った少なくとも一方側に位置する。一例において、
図9に示すように、保護構造26は、第1方向Xの一方側に沿って1つの凹部26aを有する。具体的には、保護構造26は、紙面に垂直な方向に沿った断面形状が「C」字状である。
【0214】
一実施例において、保護構造26は、複数の凹部26aを有し、封止層24は、複数の該凹部26aの壁面を被覆する。このように、保護構造26のクラック進展に対する抑制能力をさらに向上させることができる一方で、封止層24と保護構造26との接触面積を大きくすることができ、それにより、封止層24の封止信頼性を全体的に向上させ、さらにストレッチャブル表示パネル100の耐用年数を向上させる。
【0215】
一実施例において、
図10及び
図11に示すように、保護構造26は、2つの凹部26aを有し、2つの凹部26aの開口は互いに背向している。
【0216】
このように、封止層24が保護構造26の2つの凹部26aを完全に被覆した後、一方では、クラックが封止層24に沿って進展するとき、クラックの進展経路は屈曲し、クラック進展の難しさを増大させ、クラックの進展を抑制し、他方では、封止層24に剥離が発生するとき、保護構造26の2つの凹部26aが「ラッチ構造」を形成し、封止層24をロックし、封止層24の剥離の傾向を弱めることができる。
【0217】
一実施例において、保護構造26は、エッジ部2112に順次積層して設けられた第1部分261及び第2部分262を含み、第2部分262の第1方向Xに沿った対向する両端は、第1部分261の側壁から突出する。第1方向Xは、基板1の厚さ方向に垂直である。第1部分261、第2部分262の突出部分及びエッジ部2112は、凹部26aを画定する。これにより、保護構造26の構造を簡単にすることができる。
【0218】
具体的には、
図10に示すように、保護構造26は、紙面に垂直な方向に沿った断面形状が「T」字状である。
【0219】
一実施例において、
図11に示すように、保護構造26は、エッジ部2112に順次積層して設けられた第3部分263、第1部分261及び第2部分262を含む。第3部分263の第1方向Xに沿った対向する両端は、第1部分261の側壁から突出する。第2部分262の第1方向Xに沿った対向する両端は、第1部分261の側壁から突出する。第1方向Xは、基板1の厚さ方向に垂直である。第3部分263の突出部分、第1部分261及び第2部分262の突出部分は、凹部26aを画定する。これにより、保護構造26と封止層24との接触面積をより大きくすることができ、保護構造26と封止層24との接着安定性の向上に有利である。
【0220】
具体的には、
図11に示すように、保護構造26は、紙面に垂直な方向に沿った断面形状が「エ」字状である。
【0221】
一実施例において、第3部分263の材質は、第2部分262の材質と同じである。
【0222】
一実施例において、第3部分263の材質は、第1部分261の材質と異なる。
【0223】
一実施例において、第3部分263の材質は、チタンを含み、第1部分261の材質は、アルミニウムを含む。
【0224】
即ち、保護構造26は、チタンアルミニウムチタンの3層金属からなる構造である。これにより、積層金属をサイドエッチングして保護構造26を形成することができる。なお、保護構造26は、他の材質の積層金属で構成されてもよい。
【0225】
なお、保護構造26の材質は、無機材料であってもよく、それにより、封止層24と保護構造26との接着力を向上させ、さらに封止信頼性を向上させることができる。
【0226】
一実施例において、駆動層群21は、ベース211と、ベース211上に設けられた機能層群とを含む。ベース211には、本体部2111と、エッジ部2112とが設けられる。これにより、ベース211を製造した後、ベース211のエッジを薄くすると、エッジ部2112を形成することができ、薄くされていない領域は、本体部2111である。
【0227】
さらに、封止層24は、機能層群の側面をさらに被覆する。即ち、封止層24は、エッジ部2112に向かって延伸し、延伸経路において機能層群の側面を被覆する。このように、封止層24の接触面積を向上させ、封止層24の封止信頼性を向上させることができる。
【0228】
一実施例において、機能層群は、積層して設けられたバリア層217及びバッファ層218を含み、バリア層217は、ベース211とバッファ層218との間に位置する。封止層24は、バリア層217及びバッファ層218の側面をさらに被覆する。即ち、封止層24は、エッジ部2112に向かって延伸し、延伸経路においてバリア層217及びバッファ層218の側面を被覆する。このように、封止層24の接触面積を向上させ、封止層24の封止信頼性を向上させることができる。
【0229】
一実施例において、機能層群は、バッファ層218のベース211から離れる側に設けられたゲート絶縁層215をさらに含み、封止層24は、ゲート絶縁層215の側面をさらに被覆する。即ち、封止層24は、エッジ部2112に向かって延伸し、延伸経路においてゲート絶縁層215の側面を被覆する。このように、封止層24の接触面積を向上させ、封止層24の封止信頼性を向上させることができる。
【0230】
一実施例において、機能層群は、ゲート絶縁層215のベース211から離れる側に設けられた容量絶縁層216をさらに含み、封止層24は、容量絶縁層216の側面をさらに被覆する。即ち、封止層24は、エッジ部2112に向かって延伸し、延伸経路において容量絶縁層216の側面を被覆する。このように、封止層24の接触面積を向上させ、封止層24の封止信頼性を向上させることができる。
【0231】
一実施例において、機能層群は、容量絶縁層216のベース211から離れる側に設けられた層間絶縁層212をさらに含み、封止層24は、層間絶縁層212の側面をさらに被覆する。即ち、封止層24は、エッジ部2112に向かって延伸し、延伸経路において層間絶縁層212の側面を被覆する。このように、封止層24の接触面積を向上させ、封止層24の封止信頼性を向上させることができる。
【0232】
一実施例において、機能層群は、層間絶縁層212のベース211から離れる側に設けられた平坦化層213をさらに含み、封止層24は、平坦化層213の側面をさらに被覆する。即ち、封止層24は、エッジ部2112に向かって延伸し、延伸経路において平坦化層213の側面を被覆する。このように、封止層24の接触面積を向上させ、封止層24の封止信頼性を向上させることができる。
【0233】
なお、第3態様に係るストレッチャブル表示パネル100は、第1態様に係るストレッチャブル表示パネル100の他の特徴をさらに含んでもよいし、第2態様に係るストレッチャブル表示パネル100の他の特徴をさらに含んでもよく、本願の実施例では詳細な説明を繰り返さない。
【0234】
第4態様では、本願の実施例は、第1態様、第2態様又は第3態様のいずれかの実施例に係るストレッチャブル表示パネルを含む表示装置を提供する。
【0235】
該表示装置は、スマートウェアラブル表示装置、ノートパソコン、携帯電話、無線装置、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant、PDA)、ハンドヘルド又はポータブルコンピュータ、GPSレシーバ/ナビゲータ、カメラ、MP4プレイヤー、ビデオカメラ、ゲームコンソール、腕時計、時計、電卓、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、カーディスプレイ(例えば、オドメータディスプレイなど)、カーナビ、車室コントローラ及び/又はディスプレイ、カメラビューのディスプレイ(例えば、車両におけるバックビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電子広告看板又は掲示板、プロジェクタなどであってもよい。
【0236】
本願の実施例に係る表示装置は、クラックが発光ユニットに向かって延伸する傾向を低下させることができる一方で、封止層の接触面積を大きくして、封止信頼性を全体的に向上させ、さらに表示装置の耐用年数を向上させることができる。
【0237】
上記実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができる。簡潔に説明するために、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせを説明していないが、これらの組み合わせは矛盾がない限り全て本明細書に記載された範囲に属すると考えられるべきである。
【符号の説明】
【0238】
100 ストレッチャブル表示パネル、1 基板、2 ピクセルアイランド、2a 発光領域、2b 非発光領域、2b1 遷移領域、2b2 封止領域、21 駆動層群、211 ベース、2111 本体部、2112 エッジ部、212 層間絶縁層、213 平坦化層、2131 窪み部、214 配線、2141 第1配線部、2142 第2配線部、2143 第3配線部、2144 第1ビアホール構造、2145 第2ビアホール構造、215 ゲート絶縁層、216 容量絶縁層、217 バリア層、218 バッファ層、219 ゲート電極、22 ピクセル定義構造、23 発光ユニット、231 第1電極、232 発光機能部、233 第2電極、24 封止層、25 凹溝、251 第1溝セグメント、252 第1主溝、253 第1サブ溝、253a 第1端、253b 第2端、26 保護構造、26a 凹部、26b サブ構造、261 第1部分、262 第2部分、263 第3部分、27 封止補助構造、271 トレンチ、272 突起部、3 接続線。