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特開2024-169463メッセージ処理システム、移動体外装置及び移動体装置並びにメッセージ処理方法及びメッセージ処理用プログラム
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  • 特開-メッセージ処理システム、移動体外装置及び移動体装置並びにメッセージ処理方法及びメッセージ処理用プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169463
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】メッセージ処理システム、移動体外装置及び移動体装置並びにメッセージ処理方法及びメッセージ処理用プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/04 20220101AFI20241128BHJP
   H04L 51/222 20220101ALI20241128BHJP
   H04L 67/12 20220101ALI20241128BHJP
【FI】
H04L51/04
H04L51/222
H04L67/12
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024158127
(22)【出願日】2024-09-12
(62)【分割の表示】P 2019214572の分割
【原出願日】2019-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】住田 純
(72)【発明者】
【氏名】大橋 聡
(57)【要約】
【課題】応答である旨の内容のみの応答メッセージが返信される場合であっても、所望する位置データを問合せ元において簡易且つ迅速に取得することが可能なメッセージ処理システム等を提供する。
【解決手段】車両と共に移動する情報表示装置SMと当該車両外にある携帯装置SOとの間でメッセージの授受を行うメッセージ処理システムSSであって、情報表示装置SMは、位置を問い合わせる問合せメッセージを携帯装置SO宛に送信する外部通信部7を備え、携帯装置SOは、問合せメッセージを受信する外部通信部16と、受信した問合せメッセージへの応答である旨の内容の内容データの入力を受け付ける操作部13と、受け付けられた内容データに対して、問い合わされた位置を示す位置データを付加して応答メッセージを生成する制御部1と、生成された応答メッセージを問合せメッセージを送信した情報表示装置SMに返信する外部通信部16と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体と共に移動する移動体装置と当該移動体外にある移動体外装置との間でメッセージの授受を行うメッセージ処理システムであって、
前記移動体装置は、位置を問い合わせる問合せメッセージを前記移動体外装置宛に送信する送信手段を備え、
前記移動体外装置は、
前記問合せメッセージを受信する受信手段と、
前記受信した問合せメッセージへの応答である旨の内容の内容データの入力を受け付ける受付手段と、
前記受け付けられた内容データに対して、前記問い合わされた位置を示す位置データを付加して応答メッセージを生成する付加手段と、
前記生成された応答メッセージを、前記問合せメッセージを送信した前記移動体装置宛に返信する返信手段と、
を備えることを特徴とするメッセージ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、メッセージ処理システム、移動体外装置及び移動体装置並びにメッセージ処理方法及びメッセージ処理用プログラムの技術分野に属する。より詳細には、車両等の移動体に搭載される移動体装置と、当該移動体外にある移動体外装置と、の間でメッセージの授受を行うメッセージ処理システム、移動体外装置及び移動体装置並びにメッセージ処理システムにおいて実行されるメッセージ処理方法及びメッセージ処理用プログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、異なる者が互いに携帯する端末装置を使用して所望のメッセージの授受を行うことが一般化している。このような従来技術を開示している先行技術文献としては、例えば下記特許文献1が挙げられる。この特許文献1には、複数の信号出力装置のいずれかからの信号を受信して該信号により伝送されるデータを得た携帯機器から、該データを含むメッセージを受信し、携帯機器からのメッセージの受信状況に基づいて、故障状態にある信号出力装置を特定する技術が記載されている。そして、特許文献1に記載されている技術では、位置を問い合わせる問合せメッセージに対して返信される応答メッセージには、問合せ対象の位置を示す位置データが付加されて送信されることとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-156656号公報(段落[0161]等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記特許文献1に開示されているような複雑な技術によるメッセージの授受に対してより簡易に利用可能な、例えばいわゆるチャットメッセージシステムにおけるメッセージの授受の場合、例えば「今どこ?」という問合せメッセージに対しては、「ここだよ。」というメッセージを返信した後に、その返信をした者の所在位置を示す例えば住所をその返信をした者が別途検索し、検索された住所を改めて返信し直す必要がある。この場合は、簡易に利用可能なチャットメッセージシステムにおける簡便性が損なわれてしまうことになる。
【0005】
そこで本願は、上記の要請に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、応答である旨の内容(例えば「ここだよ。」なる内容)のみの応答メッセージが返信される場合であっても、所望する位置データを問合せ元において簡易且つ迅速に取得することが可能なメッセージ処理システム、当該メッセージ処理システムに含まれる移動体外装置及び移動体装置、並びに当該メッセージ処理システムにおいて実行されるメッセージ処理方法及びメッセージ処理用プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、移動体と共に移動する移動体装置と当該移動体外にある移動体外装置との間でメッセージの授受を行うメッセージ処理システムであって、前記移動体装置は、位置を問い合わせる問合せメッセージを前記移動体外装置宛に送信する送信手段を備え、前記移動体外装置は、前記問合せメッセージを受信する受信手段と、前記受信した問合せメッセージへの応答である旨の内容の内容データの入力を受け付ける受付手段と、前記受け付けられた内容データに対して、前記問い合わされた位置を示す位置データを付加して応答メッセージを生成する付加手段と、前記生成された応答メッセージを、前記問合せメッセージを送信した前記移動体装置宛に返信する返信手段と、を備える。
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載のメッセージ処理システムに含まれる前記移動体外装置であって、前記受信手段と、前記受付手段と、前記付加手段と、前記返信手段と、を備える。
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、請求項3から請求項6のいずれか一項に記載のメッセージ処理システムに含まれる前記移動体装置であって、前記制御手段を備える。
【0009】
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、移動体と共に移動する移動体装置と当該移動体外にある移動体外装置との間でメッセージの授受を行うメッセージ処理システムであって、前記移動体装置は、位置を問い合わせる問合せメッセージを前記移動体外装置宛に送信する送信手段を備えるメッセージ処理システムに含まれる前記移動体外装置において実行されるメッセージ処理方法において、前記移動体外装置は、受信手段と、受付手段と、付加手段と、返信手段と、を備え、前記問合せメッセージを前記受信手段により受信する受信工程と、前記受信した問合せメッセージへの応答である旨の内容の内容データの入力を前記受付手段により受け付ける受付工程と、前記付加手段により、前記受け付けられた内容データに対して、前記問い合わされた位置を示す位置データを付加して応答メッセージを生成する付加工程と、前記生成された応答メッセージを、前記返信手段により、前記問合せメッセージを送信した前記移動体装置宛に返信する返信工程と、を含む。
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、移動体と共に移動する移動体装置と当該移動体外にある移動体外装置との間でメッセージの授受を行うメッセージ処理システムであって、前記移動体装置は、位置を問い合わせる問合せメッセージを前記移動体外装置宛に送信する送信手段を備えるメッセージ処理システムに含まれる前記移動体外装置に含まれるコンピュータを、前記問合せメッセージを受信する受信手段、前記受信した問合せメッセージへの応答である旨の内容の内容データの入力を受け付ける受付手段、前記受け付けられた内容データに対して、前記問い合わされた位置を示す位置データを付加して応答メッセージを生成する付加手段、及び、前記生成された応答メッセージを、前記問合せメッセージを送信した前記移動体装置宛に返信する返信手段、をとして機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態のメッセージ処理システムの概要構成を示すブロック図である。
図2】実施例のメッセージ処理システムの構成を示すブロック図である。
図3】実施例のメッセージ処理を示すフローチャートである。
図4】実施例の情報表示を例示する図であり、(a)は当該情報表示の第1例を示す図であり、(b)は当該情報表示の第2例を示す図である。
図5】実施例の情報表示の第3例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本願を実施するための形態について、図1を用いて説明する。なお図1は、実施形態のメッセージ処理システムの概要構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、実施形態のメッセージ処理システムSSは、移動体と共に移動する移動体装置SMと、当該移動体外にある移動体外装置SOと、を備え、当該移動体装置SMと移動体外装置SOとの間でメッセージの授受を行うメッセージ処理システムである。そして移動体装置SMは、送信手段7を備える。
【0014】
また、移動体外装置SOは、付加手段10と、受付手段13と、受信手段16と、返信手段16Aと、を備える。
【0015】
以上の構成において、移動体装置SMの送信手段7は、位置を問い合わせる問合せメッセージを移動体外装置SO宛に送信する。
【0016】
一方、移動体外装置SOの受信手段16は、上記問合せメッセージを受信する。また受付手段13は、受信手段16により受信した問合せメッセージへの応答である旨の内容の内容データの入力を受け付ける。更に付加手段10は、受付手段13により受け付けられた内容データに対して、移動体装置SMから問い合わされた位置を示す位置データを付加して応答メッセージを生成する。その後返信手段16Aは、付加手段10により生成された応答メッセージを、上記問合せメッセージを送信した移動体装置SM宛に返信する。
以上説明したように、実施形態のメッセージ処理システムSSの構成によれば、移動体装置SMから送信された問合せメッセージに対して、その応答である旨の内容データに位置データが付加されてなる応答メッセージが移動体外装置SOから返信されるので、応答である旨の内容のみの応答メッセージが返信される場合であっても、問合せ元の移動体装置SMにおいて、所望する位置データを簡易且つ迅速に取得することができる。
【実施例0017】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、図2乃至図5を用いて説明する。なお以下に説明する実施例は、例えば、自動運転技術により移動する車両の搭乗者と当該車両の外にいる者との間で授受されるチャットメッセージの処理を行うメッセージ処理システムに本願を適用した場合の実施例である。なお以下の説明において、上記車両外にいる者を、単に「車外者」と称する。
【0018】
また、図2は実施例のメッセージ処理システムの構成を示すブロック図であり、図3は実施例のメッセージ処理を示すフローチャートであり、図4及び図5は実施例の情報表示をそれぞれ例示する図である。このとき図2並びに図4及び図5では、図1に示した実施形態のメッセージ処理システムSSにおける各構成部材に対応する実施例の構成部材それぞれについて、当該メッセージ処理システムSSにおける各構成部材と同一の部材番号を用いている。
【0019】
図2に示すように、実施例のメッセージ処理システムSSは、自動運転技術により移動可能な例えば車両に備えられた実施例の情報表示装置SMと、情報表示装置SMと無線によるデータの授受が可能であり且つ車外者が携帯している携帯装置SOと、により構成されている。そして、実施例のメッセージ処理システムSSでは、情報表示装置SMが備えられた車両の搭乗者が、その位置が不明な車外者に会うためのチャットメッセージが、当該車外者が携帯する携帯装置SOと情報表示装置SMとの間で授受される。これに加えて、携帯端末SOから受信した実施例の応答メッセージに付加されていた位置データに基づき、情報表示装置SOが備えられた車両が、車外者と当該車両の搭乗者とが会う位置まで、自動運転技術により案内される。以上の構成において、情報表示装置SMが実施形態の移動体装置SMの一例に相当し、端末装置SOが実施形態の移動体外装置SOの一例に相当する。
【0020】
次に、実施例の情報表示装置SMは、CPU(Central Processing System)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等からなる制御部1と、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等からなる記録部2と、GPS(Global Positioning System)受信部3と、動作検出部4と、表示部6と、外部通信部7と、により構成されており、これら制御部1、記録部2、GPS受信部3、動作検出部4、表示部6及び外部通信部7は、バス5により相互にデータの授受が可能に接続されている。このとき、上記制御部1は、上記CPU等のハードウェアロジック回路により実現されていてもよいし、後述する実施例のメッセージ処理における情報表示装置SMとしての処理に相当するプログラムを上記CPUが読み出して実行することにより、ソフトウェア的に実現されるものであってもよい。また、外部通信部7が実施形態の送信手段7の一例に相当する。なお以下の説明において、上記実施例のメッセージ処理における情報表示装置SMとしての処理を、単に「情報表示装置SMにおけるメッセージ処理」と称する。
【0021】
一方、実施例の携帯装置SOは、例えば、スマートフォンやタブレット型端末或いは携帯可能なパーソナルコンピュータにより実現される。そして携帯装置SOは、CPU、ROM及びRAM等からなる制御部10と、SSD(Solid State Drive)等からなる記録
部11と、GPS受信部12と、操作ボタン又はタッチパネル等からなる操作部13と、液晶ディスプレイ等からなるディスプレイ15と、外部通信部16と、により構成されており、これら制御部10、記録部11、GPS受信部12、操作部13、ディスプレイ15及び外部通信部16は、バス14により相互にデータの授受が可能に接続されている。このとき、上記制御部10は、情報表示装置SMの制御部1と同様に、上記CPU等のハードウェアロジック回路により実現されていてもよいし、後述する実施例のメッセージ処理における携帯装置SOとしての処理に相当するプログラムを上記CPUが読み出して実行することにより、ソフトウェア的に実現されるものであってもよい。また、外部通信部16が実施形態の受信手段16の一例及び返信手段16Aの一例にそれぞれ相当し、制御部10が実施形態の付加手段10の一例に相当し、操作部13が実施形態の受付手段13の一例に相当する。なお以下の説明において、上記実施例のメッセージ処理における携帯装置SOとしての処理を、単に「携帯装置SOにおけるメッセージ処理」と称する。
【0022】
以上の構成において、情報表示装置SMのGPS受信部3は、情報表示装置SMの制御部1の制御の下、GPSに含まれる図示しない航法衛星から受信する航法電波に基づき、実施例の情報表示装置SMの現在位置(換言すれば、情報表示装置SMが搭載されている車両の現在位置)を示す現在位置データを生成し、当該生成した現在位置データを制御部1に出力する。この現在位置は、例えば、緯度及び経度並びに高度を使って表される当該車両の現在位置である。一方、記録部2には、当該車両の移動経路上の建物や施設等の地物を少なくとも示す地図データMD、情報表示装置SMにおけるメッセージ処理に用いられる後述のアイコンデータ、及び当該情報表示装置SMとしての処理に相当するプログラム等が不揮発性に記録されており、必要に応じて制御部1にそれぞれ出力される。
【0023】
また外部通信部7は、制御部1の制御の下、携帯装置SOとの間での無線によるデータの授受が可能とされている。更に動作検出部4は、制御部1の制御の下、例えば図示しない車内カメラの撮像結果を用いる等の従来と同様の方法により、当該車両の搭乗者の例えば視線の方向や手によるジェスチャの態様を検出し、その検出結果を制御部1に出力する。また表示部6は、制御部1の制御の下、種々の情報を、当該車両のガラスに例えば投影等の技術により表示する。このとき、当該車両のガラスには、フロントガラス、サイドガラス及びリアガラス、並びにサンルーフ部のガラスが含まれる。これらにより制御部1は、GPS受信部3からの現在位置データ、外部通信部7からのデータ、動作検出部4による検出結果及び地図データMDを用いて、表示部6による情報表示装置SMにおけるメッセージ処理を実行する。
【0024】
他方、携帯装置SOのGPS受信部12は、情報表示装置SMの上記GPS受信部3と同様に、携帯装置SOの制御部10の制御の下、上記航法衛星から受信する航法電波に基づき、実施例の携帯装置SMの現在位置(換言すれば、携帯装置SMを携帯する車外者の現在位置)を示す現在位置データを生成し、当該生成した現在位置データを制御部10に出力する。この現在位置も、例えば、緯度及び経度並びに高度を使って表される当該車外者の現在位置である。一方、記録部11には、実施例のメッセージ処理に用いられる後述するアイコンデータ及び携帯装置SOにおけるメッセージ処理に相当するプログラム等が不揮発性に記録されており、必要に応じて制御部10にそれぞれ出力される。
【0025】
また外部通信部16は、制御部10の制御の下、情報表示装置SMとの間での無線によるデータの授受が可能とされている。更に操作部13は、制御部1の制御の下、後述する実施例の応答メッセージの内容を入力する操作を含む必要な操作が当該操作部13において実行された場合、当該実行された操作に対応する操作信号を生成して制御部10に出力する。またディスプレイ15には、制御部1の制御の下、携帯装置SOにおけるメッセージ処理に必要な種々の情報が表示される。これらにより制御部10は、GPS受信部12からの現在位置データ、外部通信部16からのデータ、操作部13からの操作信号及び記録部11に記録されているアイコンデータ等を用いて、携帯装置SOとしてのメッセージ処理を実行する。
【0026】
次に、情報表示装置SMの制御部1及び携帯装置SOの制御部10を中心として実行される実施例のメッセージ処理について、具体的に図2乃至図5を用いて説明する。なお、実施例のメッセージ処理は、実施例の問合せメッセージが情報表示装置SMから携帯装置SOに送信されることで開始される。
【0027】
即ち、情報表示装置SMにおけるメッセージ処理として、初めに、情報表示装置SMが搭載されている車両の搭乗者により、実施例の問合せメッセージの携帯装置SO宛の送信が実行される(ステップS1)。このとき、実施例の問合せメッセージとは、例えば「今どこ?」といった簡易な内容を有する、携帯装置SOを携帯する車外者宛のいわゆるチャットメッセージである。実施例の問合せメッセージの内容は、例えば情報表示装置SMの動作検出部4を用いて入力される。実施例の問合せメッセージが送信されたら、次に制御部1は、後述する応答メッセージの携帯装置SOからの送信を監視する(ステップS2、ステップS2:NO)。
【0028】
一方、携帯装置SOの制御部10は、例えば携帯装置SOの電源がオンとされた以降、情報表示装置SMからの上記問合せメッセージの受信を監視する(ステップS10)。ステップS10の監視において、上記問合せメッセージが受信されない場合(ステップS10:NO)、制御部10は当該監視を継続する。一方、ステップS10の監視において、上記問合せメッセージが受信された場合(ステップS10:YES)、制御部10は次に、実施例の応答メッセージを生成すると共に、当該応答メッセージに対してGPS受信部12により生成された上記現在位置データを付加し、更に実施例のアイコンデータを記録部11から読み出して付加する(ステップS11)。なお、情報表示装置SMが搭載されている車両の搭乗者と携帯装置SOを携帯する車外者が会う(落ち合う)場所が当該車外者の現在位置と異なる場合は、上記現在位置データの付加に代えて、当該落ち合う場所の位置を示す位置データが付加されるのが好適である。
【0029】
ここで、上記実施例の応答メッセージは、例えば「ここだよ。」といった簡易な内容を有する、情報表示装置SMが搭載された車両の搭乗者宛のチャットメッセージであり、当該情報表示装置SMから送信された上記問合せメッセージに対する応答メッセージである。また、上記実施例のアイコンデータは、車外者の存在を示す後述のアイコンMを情報表示装置SMにおいて表示させるためのアイコンデータである。ステップS11により、実施例の応答メッセージに対して上記現在位置データ及び上記アイコンデータが付加されると、次に制御部10は、当該現在位置データ等が付加された上記応答メッセージを、情報表示装置SMに宛てて送信する(ステップS12)。その後、制御部10は携帯装置SOとしてのメッセージ処理を終了する。
【0030】
他方、携帯装置SOからの実施例の応答メッセージの送信を監視している情報表示装置SMの制御部1は、上記ステップS12により携帯装置SOから当該応答メッセージが送信されてきたら(ステップS2:YES)、情報表示装置SMとしてのメッセージ処理における実施例の情報表示を行う(ステップS3)。このステップS3については、後ほど詳述する。
【0031】
その後、制御部1は、情報表示装置SMが搭載されている車両が上記応答メッセージに付加されていた現在位置データにより示される位置に到着したか否かを判定する(ステップS4)。なお、当該車両の当該現在位置データにより示される位置までの移動は、例えば記録部2に記録されている地図データMDを用いることにより案内される。ステップS4の判定において、車両が上記現在位置データにより示される位置まで到達していない場合(ステップS4:NO)、制御部1は実施例の情報処理を継続する(ステップS3)。一方、ステップS4の判定において、車両が上記現在位置データにより示される位置まで到達した場合(ステップS4:YES)、制御部1は情報表示装置SMとしてのメッセージ処理を終了する。
【0032】
次に、上記ステップS3の情報表示について、図4及び図5を用いて具体的に説明する。即ち、一例として、情報表示装置SMが搭載されている車両の搭乗者が、高速道路を走行中の車両内から、上記車外者に会うための実施例の問合せメッセージを携帯装置SO宛てに送信し(図3ステップS1参照)、当該問合せメッセージに対応する上記応答メッセージが情報表示装置SMにおいて受信されたとする(図3ステップS2:YES参照)。この場合、上記ステップS3の情報表示として情報表示装置SMの制御部1は、図4(a)に例示するように、表示部6により、情報表示装置SMのGPS受信部3からの現在位置データと、上記応答メッセージに付加されていた現在位置データ(即ち車外者の現在位置を示す現在位置データ)とに基づいて、当該車外者の現在位置に対応するフロントガラスGLの位置に、上記応答メッセージに付加されたアイコンデータを用いた対応アイコンMGを表示する。
【0033】
これに加えて制御部1は、表示部6により、フロントガラスGL上の上記対応アイコンMとは異なる表示位置(例えば、図4(a)に例示するように、対応アイコンMGに対向する表示位置)に、上記問合せメッセージの内容を含む問合せアイコンM1を表示する。更に制御部1は、表示部6により、フロントガラスGL上の上記対応アイコンMGに対応する表示位置(例えば、図4(a)に例示するように、対応アイコンMGの傍の表示位置)に、上記応答メッセージの内容を含む応答アイコンMを表示する。
【0034】
ここで、図4(a)に例示する車両の位置から当該車両が移動した場合に制御部1は、表示部6により、図4(b)に例示するように、図4(a)に例示する車両の位置からの移動態様を、例えばタイムラインLの態様で、フロントガラスGLの視界を妨げない例えば下端付近に表示してもよい。この場合、当該タイムラインLの図4(b)における右端は、上記応答メッセージに付加されていた現在位置データにより示される位置に相当する。
【0035】
そして、情報表示装置SMが搭載された車両が更に移動して、上記応答メッセージに付加されていた現在位置データにより示される位置に近付いた場合、制御部1は、表示部6により、例えば図5に例示される対応アイコンMGのような、図4(a)に例示する対応アイコンMGよりもより車外者に近付いたことを示す態様の対応アイコンMGをフロントガラスGLに表示してもよい。この場合、図5に例示する対応アイコンMGがその図柄上で示す位置が、車外者の現在位置であることになる。
【0036】
以上説明したように、実施例のメッセージ処理によれば、情報表示装置SMから送信された問合せメッセージに対して、その応答である旨の内容データに現在位置データが付加されてなる応答メッセージが携帯装置SOから返信されるので、応答である旨の内容(例えば「ここだよ。」なる内容)のみの応答メッセージが返信される場合であっても、問合せ元の情報表示装置SMにおいて、所望する現在位置データを簡易且つ迅速に取得することができる。
【0037】
また、対応アイコンMGを表示するためのアイコンデータが応答メッセージに更に付加されて返信されるので、情報表示装置SMにおいて、当該アイコンデータに相当する対応アイコンMGを用いて携帯装置SOの存在(即ち車外者の存在)を、例えば象徴的に表示することができる(図4(a)参照)。
【0038】
更に、情報表示装置SMが搭載されている車両の現在位置データと、地図データMDと、応答メッセージに付加されていた現在位置データ及びアイコンデータと、基づいて、その到達位置を示す対応アイコンMGを、フロントガラスGLの当該到達位置に対応する位置に表示させる(図4(a)参照)。よって、到達位置を示す簡易なチャットメッセージの授受に対応して、例えば当該車両の搭乗者と携帯装置SOを携帯する車外者との連携やコミュニケーションを取りつつ、当該車両を到達位置まで移動させることができる。
【0039】
更にまた、応答メッセージに相当する応答アイコンMを、対応アイコンMGに対応するフロントガラスGL上の位置に表示させるので(図4(a)参照)、到達位置に対応して表示されている対応アイコンMGの意味を迅速に認識させることができる。
【0040】
また、問合せメッセージを示す問合せアイコンM1を、対応アイコンMGとは異なる位置に表示させるので(図4(a)参照)、例えば車外者とのやり取りの内容を具体的に表示することができる。
【0041】
更に、到達位置に到達するまでの車両の移動状況を示すタイムラインLを、対応アイコンMGとは異なるフロントガラスGL上の位置に表示する場合は(図4(b)参照)、当該移動状況を容易に認識することができる。
【0042】
なお、上述した実施例では、車両のフロントガラスGLに対応アイコンMG等を表示する場合に本願を適用したが、これ以外に、その周囲に透過部分がある例えば二輪車の当該透過部分に対応アイコンMG等を表示する場合、又は、ヘルメット式のいわゆるヘッドマウントディスプレイを装着した歩行者の当該ディスプレイ部分に対応アイコンMG等を表示する場合に本願を適用することもできる。
【0043】
また、図3にそれぞれ示したフローチャートに相当するプログラムを、光ディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得しておき、これを汎用のマイクロコンピュータ等に読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータ等を実施例に係る制御部1及び制御部10として機能させることも可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 制御部
7 送信手段(外部通信部)
10 付加手段(制御部)
13 受付手段(操作部)
16 受信手段(外部通信部)
16A 返信手段
M 応答アイコン
SM 情報表示装置
SO 携帯装置
SS メッセージ処理システム
MG 対応アイコン
M1 問合せアイコン
図1
図2
図3
図4
図5