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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169567
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】画面表示システム及び画面表示方法
(51)【国際特許分類】
   A01B 69/00 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
A01B69/00
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024161022
(22)【出願日】2024-09-18
(62)【分割の表示】P 2022151069の分割
【原出願日】2017-03-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006781
【氏名又は名称】ヤンマーパワーテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(72)【発明者】
【氏名】西井 康人
(57)【要約】
【課題】ユーザにとって操作性に優れた表示画面を表示部に表示させること。
【解決手段】画面表示システムは、領域形状特定部25と、表示制御部22と、を備える。領域形状特定部25は、作業車両(トラクタ1)の特定走行中に取得される作業車両(トラクタ1)の位置情報に基づいて圃場の形状を特定する。表示制御部22は、特定走行を行う際に作業車両(トラクタ1)の現在位置を表示部26に表示する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両の特定走行中に取得される前記作業車両の位置情報に基づいて圃場の形状を特定する領域形状特定部と、
前記特定走行を行う際に前記作業車両の現在位置を表示部に表示する表示制御部と、を備える、
画面表示システム。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記特定走行を行う際に前記作業車両の移動軌跡を前記表示部に表示する、
請求項1に記載の画面表示システム。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記移動軌跡の全体を前記表示部に表示する、
請求項2に記載の画面表示システム。
【請求項4】
作業車両の特定走行中に取得される前記作業車両の位置情報に基づいて圃場の形状を特定することと、
前記特定走行を行う際に前記作業車両の現在位置を表示部に表示することと、を有する、
画面表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業車両を自律走行させる場合に、表示部に表示画面を表示させる画面表示システム及び画面表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような作業画面表示システムは、作業車両を自律走行させる自律走行システムにおいて用いられている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載のシステムでは、タブレット端末等の無線通信端末と、自律走行可能な作業車両とが備えられ、ユーザが無線通信端末を操作して、作業車両に対して自律走行の開始等の各種の指示を行うことで、自律走行を行うようにしている。そして、無線通信端末には、ディスプレイ等の表示部が備えられており、その表示部の画面には、作業車両の状態や各種の指示を行うための操作部等が表示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2015/119263号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自律走行を行う場合には、自律走行を開始する前だけでなく、自律走行を開始した後においても、ユーザが、表示部の表示画面を見ながら無線通信端末を操作している。しかしながら、上記特許文献1に記載のシステムでは、作業車両の状態や各種の指示を行うための操作部等を示す表示画面が表示部に表示されるものの、具体的にどのような表示画面とするかまでは記載されていない。そこで、自律走行を行う場合に、ユーザの操作性に優れた表示画面を表示部に表示させることが望まれている。
【0005】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、ユーザにとって操作性に優れた表示画面を表示部に表示させることができる画面表示システム及び画面表示方法を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る画面表示システムは、領域形状特定部と、表示制御部と、を備える。前記領域形状特定部は、作業車両の特定走行中に取得される前記作業車両の位置情報に基づいて圃場の形状を特定する。前記表示制御部は、前記特定走行を行う際に前記作業車両の現在位置を表示部に表示する。
本発明の一態様に係る画面表示方法は、作業車両の特定走行中に取得される前記作業車両の位置情報に基づいて圃場の形状を特定することと、前記特定走行を行う際に前記作業車両の現在位置を表示部に表示することと、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】自律走行システムの概略構成を示す図
図2】自律走行システムの概略構成を示すブロック図
図3】無線通信端末の表示部に表示されるトップ画面を示す図
図4】無線通信端末の表示部に表示される圃場登録画面を示す図
図5】無線通信端末の表示部に表示される圃場リスト画面を示す図
図6】無線通信端末の表示部に表示されるパス一覧画面を示す図
図7】無線通信端末の表示部に表示されるパス詳細画面を示す図
図8】無線通信端末の表示部に表示される作業画面を示す図
図9】無線通信端末の表示部に表示される作業画面を示す図
図10】無線通信端末の表示部に表示される作業画面を示す図
図11】無線通信端末の表示部に表示される作業画面を示す図
図12】無線通信端末の表示部に表示される作業画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係る作業画面表示システムを用いた自律走行システムの実施形態を図面に基づいて説明する。
この自律走行システムは、図1に示すように、予め定められた走行経路に沿って自律走行する作業車両としてのトラクタ1と、そのトラクタ1に対して各種の情報を指示可能な無線通信端末2とが備えられている。そして、この実施形態では、トラクタ1の位置情報を取得する際に、測位補正情報をトラクタ1に送信可能な基準局4が備えられている。
【0009】
図1では、作業車両としてトラクタ1を例示したが、トラクタの他、田植機、コンバイン、土木・建築作業装置、除雪車等、乗用型作業車両に加え、歩行型作業車両も適用可能である。
【0010】
図2に示すように、トラクタ1には車両側無線通信部14が備えられ、無線通信端末2には端末側無線通信部21が備えられ、基準局4には基準局側無線通信部41が備えられている。車両側無線通信部14と端末側無線通信部21との間での無線通信によりトラクタ1と無線通信端末2との間で各種の情報を送受信可能とするとともに、車両側無線通信部14と基準局側無線通信部41との間での無線通信によりトラクタ1と基準局4との間で各種の情報を送受信可能に構成されている。そして、無線通信端末2と基準局4とは、トラクタ1を介して各種の情報を送受信可能に構成されている。また、端末側無線通信部21と基準局側無線通信部41との間での無線通信により無線通信端末2と基準局4とが、トラクタ1を介さずに直接各種の情報を送受信可能に構成することもできる。各無線通信部同士での無線通信に用いられる周波数帯域は、共通の周波数帯域であってもよいし、互いに異なる周波数帯域であってもよい。
【0011】
トラクタ1には、図2に示すように、測位用アンテナ11、車両側制御部12、位置情報取得部13、車両側無線通信部14、記憶部(図示省略)等が備えられている。車両側制御部12は、位置情報取得部13にて自己の現在位置情報(トラクタ1の現在位置)を取得しながら、ガバナ装置、変速装置及び操舵装置等(図示省略)のトラクタ1に備えられる各種の装置を制御して、トラクタ1を自律走行可能に構成されている。また、トラクタ1には、3軸のジャイロと3方向の加速度計等を有する慣性計測装置(図示省略)が備えられ、車両側制御部12が、慣性計測装置の計測情報に基づいて、トラクタ1の姿勢や進行方向の方位等を検知可能に構成されている。
【0012】
測位用アンテナ11は、図1に示すように、例えば、衛星測位システム(GNSS)を構成する測位衛星3からの信号を受信するように構成されている。測位用アンテナ11は、例えば、トラクタ1のキャビンのルーフの上面に配置されている。
【0013】
衛星測位システムを用いた測位方法として、図1に示すように、予め定められた基準点に設置された基準局4を備え、その基準局4からの測位補正情報によりトラクタ1(移動局)の衛星測位情報を補正して、トラクタ1の現在位置を求める測位方法を適用可能としている。例えば、DGPS(ディファレンシャルGPS測位)、RTK測位(リアルタイムキネマティック測位)等の各種の測位方法を適用することができる。ちなみに、測位方法については、基準局4を備えずに単独測位を用いることもできる。
【0014】
この実施形態では、例えば、RTK測位を適用していることから、図1及び図2に示すように、移動局側となるトラクタ1に測位用アンテナ11を備えるのに加えて、基準局4が備えられている。基準局4の設置位置となる基準点の位置情報は予め設定されて把握されている。基準局4は、例えば、圃場の周囲等、トラクタ1の走行の邪魔にならない位置(基準点)に配置されている。基準局4には、基準局側無線通信部41と基準局測位アンテナ42とが備えられている。
【0015】
RTK測位では、基準点に設置された基準局4と、位置情報を求める対象の移動局側となるトラクタ1の測位用アンテナ11との両方で測位衛星3からの搬送波位相(衛星測位情報)を測定している。基準局4では、測位衛星3から衛星測位情報を測定する毎に又は設定周期が経過する毎に、測定した衛星測位情報と基準点の位置情報等を含む測位補正情報を生成して、基準局側無線通信部41からトラクタ1の車両側無線通信部14に測位補正情報を送信している。トラクタ1の位置情報取得部13は、測位用アンテナ11にて測定した衛星測位情報を、基準局4から送信される測位補正情報を用いて補正して、トラクタ1の現在位置情報を求めている。位置情報取得部13は、トラクタ1の現在位置情報として、例えば、緯度情報・経度情報を求めている。
【0016】
無線通信端末2は、例えば、タッチパネルを有するタブレット型のパーソナルコンピュータ等から構成され、各種情報をタッチパネルに表示可能であり、タッチパネルを操作することで、各種の情報も入力可能となっている。無線通信端末2については、ユーザがトラクタ1の外部にて携帯して使用することが可能であるとともに、トラクタ1の運転席の側脇等に装着して使用することもできる。
【0017】
無線通信端末2には、図2に示すように、端末側無線通信部21、表示制御部22、記録制御部23、経路生成部24、領域形状特定部25、表示部26(タッチパネル)等が備えられている。表示制御部22は、表示部26の表示画面に各種の画面を表示させるように構成されている。以下の説明において、表示制御部22が所定の画面を表示するとした場合、特に断りがない限り、表示部26への表示を示すものとする。経路生成部24は、トラクタ1が自律走行する走行経路を生成するように構成されている。また、無線通信端末2には、記憶部(図示省略)が備えられており、この記憶部には、ユーザにより登録された情報等、各種の情報が記憶されている。
【0018】
トラクタ1の自律走行を行う場合には、まず、自律走行が開始される前に、ユーザが無線通信端末2を操作することで、トラクタ1を自律走行させる圃場H(図3参照、特定領域に相当する)の形状等、圃場Hに関する圃場情報が登録され、経路生成部24が、登録された圃場Hに対して走行経路P(図6参照)を生成している。そして、ユーザが無線通信端末2を操作することで、今回作業を行う圃場Hを選択し、その圃場Hに対して生成されている走行経路Pの内、今回自律走行させる走行経路Pを選択するようにしている。このような圃場H及び走行経路Pの選択が行われた後に、自律走行開始条件が成立することで、無線通信端末2にて自律走行の開始を指示できる状態となる。そして、ユーザが無線通信端末2を操作することで、トラクタ1に対して自律走行の開始を指示して、自律走行を開始することができる。
【0019】
無線通信端末2の経路生成部24が走行経路Pを生成していることから、その走行経路Pに関する経路情報を無線通信端末2からトラクタ1に送信することが必要となる。そこで、無線通信端末2は、自律走行を開始する前や自律走行を開始した後において、所定のタイミングになると、経路情報をトラクタ1に送信している。これにより、トラクタ1では、車両側制御部12が、位置情報取得部13にてトラクタ1の現在位置情報を取得しながら、無線通信端末2から送信された経路情報に基づいて走行経路Pに沿ってトラクタ1を自律走行させるようにしている。また、位置情報取得部13にて取得するトラクタ1の現在位置情報については、自律走行を開始する前だけでなく、自律走行を開始した後においても、リアルタイム(例えば、数秒周期)でトラクタ1から無線通信端末2に送信されており、無線通信端末2の表示部26にトラクタ1の現在位置T(図8参照)を表示できるようになっている。
【0020】
以下、図3図12に基づいて、トラクタ1の自律走行を行う場合に、無線通信端末2における表示制御部22による表示画面の制御について説明する。図3図12は、いずれも無線通信端末2の表示部26に表示される表示画面を示している。
【0021】
表示制御部22は、無線通信端末2の電源投入後に、スプラッシュ画面や免責事項画面等を表示させた後に、図3に示すトップ画面を表示させる。図3に示すトップ画面では、画面上端側の上部表示領域53とそれよりも画面下方側の下部表示領域54とに分割されており、上部表示領域53については、このトップ画面以降に表示される各種の画面(図4図12)においても共通の表示画面となっている。上部表示領域53は、表示内容が変更しない固定表示領域となっている。それに対して、下部表示領域54は、ユーザが操作部51を選択操作することで、異なる表示画面が表示される非固定表示領域となっている。
【0022】
図3に示すトップ画面では、表示制御部22が、下部表示領域54に、ユーザが選択可能な複数の操作部51(図中、各種のアイコン)及び地図画像52を表示させている。そして、表示制御部22は、複数の操作部51の内、一つの操作部51が選択されることで他の画面(図4等参照)に遷移可能としている。
【0023】
下部表示領域54の画面中央には、登録された圃場H1~H7が含まれるように地図画像52が表示されており、表示制御部22は、一定の表示倍率で地図画像52を表示させている(第3の表示状態に相当する)。そして、表示制御部22は、地図画像52上において各圃場H1~H7の形状を識別可能に表示させている。図3に示すトップ画面では、例えば、圃場H1~H7の形状が四角形状である場合を示している。ちなみに、圃場Hが登録されていない初回起動時には、地図画像52の中心が予め設定された所定位置となるように表示される。
【0024】
表示制御部22は、地図画像52を表示させる際に、地図画像52の中心が前回の表示画面における中心と同様になるように表示させる。また、「現在位置」の操作部51が操作されると、地図画像52の中心がトラクタ1の現在位置となるように表示させる。
【0025】
表示制御部22は、地図画像52を表示させる際に、前回、トラクタ1が自律走行を行ったときのトラクタ1の位置に関する前回作業位置55を識別可能に表示させる。前回作業位置55は、所定のマーク(ピン)にて示されており、前回、トラクタ1が自律走行を行った圃場H2の中央部に表示されている。前回作業位置55を表示させる位置については、どの圃場Hであるかが識別可能な位置であればよく、例えば、圃場Hを登録する作業を行ったときの作業開始位置や圃場Hへのトラクタ1の入口に前回作業位置55を表示させることもできる。表示制御部22は、圃場Hでの作業が完了することで前回の自律走行を終了した場合だけでなく、圃場Hの作業途中で前回の自律走行を修了した場合も、その圃場Hの中心に前回作業位置55を表示させるようにしている。
【0026】
また、下部表示領域54には、圃場リスト表示用操作部51a(図中「←」にて示すアイコン)、前回作業用操作部51b(図中「前回作業したパスで作業開始」にて示すアイコン)、及び、その他の操作部51が、地図画像52の上部を除く周囲を囲むように表示される。
【0027】
上部表示領域53では、「地図へ」及び「ヘルプ」の操作部51が左側端部に表示され、「GNSS」及び「MENU」の操作部51が右側端部に表示され、中央部に現在どのような画面が表示されているかの表示内容が表示される。「地図へ」の操作部51は、地図画像52を表示させるための操作部であり、「GNSS」の操作部51は、緯度、経度、GNSSの状態、衛星測位情報を取得している衛星3の数、基準局4のシリアルナンバー、基地局4のバッテリー残量等の衛星測位システムの詳細情報等を表示させるための操作部である。また、「MENU」の操作部51は、圃場Hを登録する場合や経路生成部24にて走行経路Pを生成する場合等に操作するための操作部である。
【0028】
ここで、図4に基づいて、圃場H(特定領域に相当する)を登録するときの圃場登録画面について説明する。圃場Hを登録する際には、圃場Hの形状を特定することが必要であるので、図2に示すように、無線通信端末2には、圃場Hの形状を特定する領域形状特定部25が備えられている。そして、各種の条件が入力されることで、経路生成部24は、領域形状特定部25にて特定された圃場Hに対して走行経路P(パス)を生成するようにしている。
【0029】
圃場Hを登録する場合には、位置情報取得部13にてトラクタ1の位置情報を取得しながら、圃場H内の外側端部を周回するようにユーザがトラクタ1を走行させる。位置情報取得部13は、基準局4からの測位補正情報を用いてトラクタ1の現在位置情報を取得しており、その現在位置情報がリアルタイム(例えば、数秒周期)でトラクタ1から無線通信端末2に送信されている。これにより、図4に示す圃場登録画面では、表示制御部22が、リアルタイムで送信されるトラクタ1の現在位置情報に基づいて、トラクタ1の移動軌跡Kを表示させている。これにより、圃場Hの形状を示すトラクタ1の移動軌跡Kを取得することができるので、領域形状特定部25が、トラクタ1の移動軌跡Kに基づいて、圃場Hの形状を特定している。例えば、圃場H内の外側端部を周回させたときのトラクタ1の移動軌跡Kとして、四角形状の移動軌跡Kを取得することで、領域形状特定部25が、図3のトップ画面にて示すように、圃場H1~H7の形状を四角形状に特定している。
【0030】
図4に示す圃場登録画面では、表示制御部22が、地図画像52において、領域形状特定部25にて圃場Hの形状が特定される前のトラクタ1の移動軌跡Kを表示させている(第2の表示状態に相当する)。そして、表示制御部22は、領域形状特定部25にて圃場Hの形状を特定するまで、トラクタ1の移動軌跡Kを表示させている。
【0031】
そして、図4に示す圃場登録画面では、表示制御部22が、トラクタ1の移動軌跡Kに基づいて地図画像52の表示倍率を制御している。表示制御部22は、例えば、トラクタ1の移動軌跡Kの全体が表示されるように表示倍率を制御しており、表示画面の中心がトラクタ1の移動軌跡Kの重心位置K1となるように地図画像52を表示させている。
【0032】
図3に示すトップ画面に戻り、表示制御部22が登録された圃場Hを表示させる表示形態について説明を加える。図4に示すように、圃場Hを登録するときに、トラクタ1の位置情報を取得するために、基準局4(第2の基準局に相当する)からの測位補正情報を用いている。また、トラクタ1の現在位置情報を取得するためにも、基準局4(第1の基準局に相当する)からの測位補正情報を用いている。しかしながら、基準局4は複数配置されており、複数の基準局4の夫々が異なる箇所に配置されている。よって、圃場Hを単に表示させるだけでは、圃場Hを登録したときに用いた基準局4(第2の基準局に相当する)と、トラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4(第1の基準局に相当する)とが同一の基準局4であるのか又は異なる基準局4であるのかが分からない。
【0033】
そこで、表示制御部22は、登録された圃場H(特定領域表示部に相当する)を表示させる際に、圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4である場合と、圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4でない場合とで互いに異なる表示形態で圃場Hを表示させている。図3に示すように、圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4である圃場H1については、圃場H1をグレーにて表示しており、圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4ではない圃場H2~H7については、圃場H2~H7を白色にて表示しており、表示する色を変えることで、表示形態を互いに異ならせている。表示形態については、例えば、共通の基準局4である圃場H1を点滅させ、共通の基準局4ではない圃場H2~H7を点灯させる等、各種の表示形態を適用することができ、表示する色を変えるという表示形態に限るものではない。
【0034】
図3に示すトップ画面において、ユーザが圃場リスト表示用操作部51a(図中「←」にて示すアイコン)を選択操作すると、表示制御部22が、図3に示すトップ画面から図5に示す圃場リスト画面に遷移させる。
【0035】
図5に示す圃場リスト画面では、下部表示領域54が、下部左側表示領域54aと下部右側表示領域54bとに分割されており、下部左側表示領域54aに、図3に示すトップ画面の下部表示領域54に表示されていた複数の操作部51及び地図画像52が表示される。下部右側表示領域54bには、無線通信端末2に記憶されている圃場情報の一覧56、及び、特定の圃場Hにおいて過去に生成した走行経路P(パス)を一覧表示させるための走行経路一覧表示用操作部51c(図中、「この圃場のパス一覧を表示」のアイコン)が表示される。圃場情報の一覧56では、「距離順」、「名前順」、及び、「登録順」等の操作部51が選択操作されることで、操作された順番にて並び替えて表示可能となっており、圃場Hにおける圃場情報として、トラクタ1の現在位置からその圃場Hまでの距離、無線通信端末2への登録日、圃場位置情報等が表示される。また、圃場情報の一覧56を表示させる際に、前回、トラクタ1が自律走行を行った圃場Hに対して所定のマークにて示す前回圃場情報57(ピン)を表示している。
【0036】
また、図5に示す圃場リスト画面では、表示制御部22が、圃場情報の一覧56を表示させる際に、圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4である場合と、圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4でない場合とで互いに異なる表示形態で各圃場Hにおける圃場情報を表示させることができる。図示は省略するが、例えば、各圃場情報を表示させる欄において、「△」にて示す部分を表示させる色を変更することで、表示形態を互いに異ならせることができる。例えば、圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4である圃場情報については、「△」にて示す部分を赤色にて表示させ、圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4ではない圃場情報については、「△」にて示す部分を白色にて表示させることができる。また、「△」にて示す部分だけでなく、圃場情報を表示させる欄の全体を表示させる色を変更させることもでき、どのような部分の表示形態を異ならせるかは適宜変更が可能である。また、表示形態についても、色を変更するものに限らず、点灯と点滅とで変更させる等、その他各種の表示形態を適用することができる。更に、圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4でない場合には、「△」を表示させずに、圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4である場合のみ、「△」を表示させることもできる。
【0037】
図5に示す圃場リスト画面にて、ユーザが特定の圃場Hを選択(例えば、各圃場情報を表示させる欄を選択操作)すると、表示制御部22は、その選択された圃場H(図中、H3)の枠の色を変えて太線にて囲む等(例えば、赤色の太線にて囲む)により、選択された圃場Hを他の圃場Hと識別可能に表示させるとともに、選択操作された操作部51(図中、「距離順」のアイコン)についてもその枠の色を変えて太線にて囲む等(例えば、赤色の太線にて囲む)により、選択操作された操作部51を他の操作部51と識別可能に表示させる。このとき、表示制御部22は、表示されている圃場H1~H7の何れについても選択可能に表示させている。つまり、圃場H1~H7の内、圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4である圃場H1だけでなく、圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4でない圃場H2~H7についても、ユーザが選択可能となっている。
【0038】
図5に示す圃場リスト画面において、ユーザが特定の圃場Hを選択した状態で走行経路一覧表示用操作部51cを選択操作すると、表示制御部22が、図5に示す圃場リスト画面から図6に示すパス一覧画面に遷移させる。
【0039】
図6に示すパス一覧画面では、下部左側表示領域54aに、選択された圃場Hが拡大表示された地図画像52が表示され、下部右側表示領域54bに、過去に生成したパス情報(走行経路に関する情報)の一覧59、及び、選択されたパス情報(走行経路に関する情報)をトラクタ1に転送するためのパス転送用操作部51d(図中、「このパスで作業を開始する」にて示すアイコン)が表示される。
【0040】
圃場Hが拡大表示された地図画像52には、経路生成部24にて生成された走行経路Pが表示されている。図6では、例えば、直線状の走行経路Pがその左右方向に間隔を隔てて複数並ぶように表示されている。
【0041】
パス情報の一覧59では、「距離順」、「名前順」、及び、「登録順」等の操作部51が選択操作されることで、操作された順番にて並び替えて表示可能となっており、パス情報として、トラクタ1の現在位置からパスの開始位置までの距離、無線通信端末2への登録日、パスの開始位置情報等が表示される。また、パス情報の一覧59では、パス情報の詳細情報を表示させるためのパス詳細表示用操作部51e(図中、「詳細」にて示すアイコン)が表示されるとともに、選択されたパス情報(図中、パスA)及び選択操作された操作部51(図中、「名前順」のアイコン)が、その枠の色を変えて太線にて囲む等(例えば、赤色の太線にて囲む)により、他のパス情報及び他の操作部51と識別可能に表示される。
【0042】
図6に示すパス一覧画面において、ユーザが特定のパスを選択した状態でパス詳細表示用操作部51eを選択操作すると、表示制御部22は、図6に示すパス一覧画面から図7に示すパス詳細画面に遷移させる。
【0043】
図7に示すパス詳細画面では、図6に示すパス一覧画面から、下部右側表示領域54bのみ表示内容が変更され、パス詳細情報60が表示される。パス詳細情報60として、圃場面積、障害物の有無、パス(走行経路)を生成する作業領域の周囲となる非作業領域(枕地等)の幅、パス生成時(圃場の登録時)に用いた基準局4(第2の基準局に相当する)についてのパス生成時の基準局情報、トラクタ1が現在通信している基準局4(第1の基準局に相当する)についての現在接続中の基準局情報、トラクタ情報、トラクタ1に装着される作業機情報、パス(走行経路)の本数等が表示される。
【0044】
パス詳細情報60では、パス生成時(圃場の登録時)に用いた基準局4(第2の基準局に相当する)についてのパス生成時の基準局情報、及び、トラクタ1が現在通信している基準局4(第1の基準局に相当する)についての現在接続中の基準局情報が表示されているので、パス生成時(圃場の登録時)に用いた基準局4(第2の基準局に相当する)の識別情報、及び、トラクタ1が現在通信している基準局4(第1の基準局に相当する)の識別情報が表示されている。これにより、ユーザが選択した圃場Hについて、その圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4であるのか、又は、その圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4でないのかを認識することができる。
【0045】
ここで、圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4でない場合には、測位補正情報を取得する基準局4が異なるので、地図画像52上に表示されるトラクタ1の現在位置Tと実際に位置情報取得部13にて取得するトラクタ1の現在位置との間にずれが生じる可能性がある。そこで、圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4でない場合には、図6に示すパス一覧画面又は図7に示すパス詳細画面において、表示制御部22が、パス転送用操作部51dを非アクティブ状態として、パス転送用操作部51dを選択操作できないようにしている。これにより、圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4でない場合には、自律走行を開始できなくしている。パス転送用操作部51dについては、非アクティブ状態にするものに限らず、圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4でない場合に、例えば、表示制御部22が、パス転送用操作部51dを表示させないようにすることもできる。また、圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4でない場合に、パス転送用操作部51dを、非アクティブ状態とするか、表示させないようにするかを選択可能とすることもできる。
【0046】
表示制御部22は、圃場Hを登録したときに用いた基準局4とトラクタ1の現在位置を取得するときに用いている基準局4とが共通の基準局4であると、パス転送用操作部51dを非アクティブ状態からアクティブ状態に切り替えている。表示制御部22は、例えば、非アクティブ状態ではパス転送用操作部51dを点灯させ、アクティブ状態ではパス転送用操作部51dを点滅させる等、パス転送用操作部51dの表示形態を異ならせることで、非アクティブ状態とアクティブ状態とをユーザが識別可能となるようにしている。
【0047】
図6に示すパス一覧画面又は図7に示すパス詳細画面において、ユーザがアクティブ状態のパス転送用操作部51dを選択操作すると、パス情報(走行経路に関する情報)が、端末側無線通信部21及び車両側無線通信部14によって無線通信端末2からトラクタ1に転送される。このとき、端末側無線通信部21及び車両側無線通信部14を介して送信したパス情報と、端末側無線通信部21及び車両側無線通信部14を介してトラクタ1が取得したパス情報とが一致するか否かをチェックする無線通信チェック処理が行われる。
【0048】
表示制御部22は、無線通信チェック処理によって、端末側無線通信部21及び車両側無線通信部14を介して送信したパス情報と、端末側無線通信部21及び車両側無線通信部14を介してトラクタ1が取得したパス情報とが一致することを確認すると、図8に示す作業画面に遷移させる。
【0049】
図8に示す作業画面では、下部表示領域54が、上下方向において、上端側に位置する下部上側表示領域54cと、下端側に位置する下部下側表示領域54dと、下部上側表示領域54cと下部下側表示領域54dとの間に位置する下部中間表示領域54eとの3つの表示領域に分かれている。下部中間表示領域54eには、図6に示すパス一覧画面又は図7に示すパス詳細画面において下部左側表示領域54aに表示されている圃場Hを拡大表示させた地図画像52及び複数の操作部51が表示されるとともに、操作部51として、拡大操作部51h(図中、「拡大」のアイコン)、全面操作部51i(図中、「全景」のアイコン)等が追加表示されている。そして、表示制御部22は、圃場Hを拡大表示させた地図画像52上において、トラクタ1の現在位置Tを表示させており、圃場Hを拡大表示させた地図画像52を一定の表示倍率にて表示させている(第3の表示状態に相当する)。
【0050】
下部上側表示領域54cには、左側端部に自律走行の開始を指示可能な開始操作部51fが配置され、右側端部に自律走行の停止を指示可能な停止操作部51gが配置されている。下部下側表示領域54dには、記録開始操作部51j(図中、「記録開始」のアイコン)、記録指示操作部51k(図中、「記録保存」のアイコン)、記録消去操作部51m(図中、「記録破棄」のアイコン)等の操作部51、及び、自律走行による作業進捗率や作業残り時間等が表示されている。
【0051】
表示制御部22は、自律走行を開始するための各種の条件が成立するまで、開始操作部51fを選択操作できない非アクティブ状態とし、自律走行を開始するための各種の条件が成立すると、開始操作部51fを選択操作可能とするアクティブ状態としている。表示制御部22は、例えば、非アクティブ状態では開始操作部51fを点灯させ、アクティブ状態では開始操作部51fを点滅させる等、開始操作部51fの表示形態を異ならせることで、非アクティブ状態とアクティブ状態とをユーザが識別可能となるようにしている。
【0052】
表示制御部22は、開始操作部51fにて自律走行の開始が指示されて、トラクタ1の自律走行が開始されると、図9に示すように、開始操作部51fを、自律走行の一時停止を指示可能な一時停止操作部51fに変更させている。そして、一時停止操作部51fが選択操作されると、表示制御部22が開始操作部51fを一時停止操作部51fから元の表示形態に変更させており、開始操作部51fが自律走行の開始を指示する表示形態と自律走行の一時停止を指示する表示形態とに切替可能に構成されている。このように、表示制御部22が開始操作部51fの表示形態を変更させることで、1つの操作部を2つの操作部として機能をさせることができるとともに、自律走行を開始しているか又は一時停止しているのか等、自律走行の作業状況をユーザが把握し易くなる。
【0053】
図8に示す作業画面では、下部中間表示領域54eの右側端部に、トラクタ1が現在自律走行している走行経路Pにおいて、トラクタ1の現在位置から走行経路Pの端部(枕地)までの距離を表示する距離表示部62が配置されている。距離表示部62は、上下方向に延びる棒状の表示部となっており、トラクタ1の現在位置が走行経路Pの端部(枕地)から設定距離(例えば20m)だけ手前位置に到達すると、表示制御部22は、トラクタ1が移動するに伴って距離表示部62の下端部から上端部に向けて順次点灯状態とする領域を広げている。そして、トラクタ1が走行経路Pの端部(枕地)に到達すると、表示制御部22は、距離表示部62の全体を点灯状態とする領域としている。その後、トラクタ1が次の走行経路Pの始端位置に到達すると、表示制御部22は、距離表示部62の全体を消灯状態としてリセットしている。ちなみに、距離表示部62の全体を消灯状態としてリセットするタイミングについては、トラクタ1が走行経路Pの端部(枕地)に到達したタイミングでもよい。表示制御部22は、図8に示すような直線状の走行経路P上を走行しているときに、距離表示部62における点灯状態の制御を行っているが、例えば、旋回状の走行経路等の経路上を走行しているときには、距離表示部62における点灯状態の制御を行っていない。
【0054】
図8又は図9に示す作業画面において、ユーザが全面操作部51iを選択操作すると、表示制御部22は、図10に示すように、下部中間表示領域54eにおいて操作部51及び距離表示部62の除く領域の全体に圃場Hを拡大させた地図画像52を表示させている(第1の表示状態に相当する)。このように、表示制御部22は、全面操作部51iが選択操作されると、圃場Hに基づいて地図画像52の表示倍率を制御しており、圃場Hの重心位置を地図画像52の中心位置として地図画像52を表示させている。そして、表示制御部22は、全面操作部51iに対してユーザの選択操作が行われたときに、全面操作部51iに近接配置されている操作部51を表示状態に維持している。
【0055】
図8又は図9に示す作業画面において、ユーザが拡大操作部51hを選択操作すると、表示制御部22は、図11に示すように、下部中間表示領域54eにおいて操作部51及び距離表示部62の除く領域の全体に、圃場Hにおけるトラクタ1の現在位置Tを基準とする設定範囲を拡大させた地図画像52を表示させている。そして、図11に示すように、表示制御部22は、拡大操作部51hに対してユーザの選択操作が行われたときに、拡大操作部51hに近接配置されている操作部51を非表示としている。図11では、拡大操作部51hの下方側に、上方側から順に、2つの操作部51(図中、「+」のアイコン、「-」のアイコン)、全面操作部51i、1つの操作部51(図中、「GNSS位置」のアイコン)が一列に並ぶように配置されており、これら5つの操作部51が非表示とされている。
【0056】
そして、図11に示す作業画面において、ユーザが拡大操作部51hを選択操作すると、表示制御部22は、図8又は図9に示す作業画面に戻して、非表示となっていた操作部51を表示させるようにしている。また、図8又は図9に示す作業画面において、ユーザが拡大操作部51hを選択操作すると、表示制御部22は、そのときの地図画像52の表示設定を記憶しており、図11に示す作業画面において、ユーザが拡大操作部51hを選択操作すると、図8又は図9に示す作業画面において、記憶している表示設定に基づいて地図画像52を表示させるようにしている。例えば、図8に示す作業画面にてユーザが拡大操作部51hを選択操作すると、そのときの地図画像52の表示倍率等の表示設定が記憶されて、図11に示す作業画面に遷移される。そして、図11に示す作業画面にてユーザが拡大操作部51hを選択操作すると、記憶されている表示倍率等の表示設定にて地図画像52を表示させる状態で図8に示す作業画面に戻ることができる。
【0057】
図9に示すように、表示制御部22は、自律走行中に、圃場Hに生成された走行経路Pにおけるトラクタ1の走行軌跡に基づいて、走行経路Pに所定の履歴表示63を行うようにしている。この履歴表示63は、走行経路Pの内、トラクタ1が既に走行した部分に対して行われており、その既に走行した部分を所定の色にて塗り潰す等の表示処理が行われている。これにより、ユーザは、走行経路Pの内、どの部分が自律走行にて作業を行った部分であるかを容易に認識することができる。
【0058】
そして、表示制御部22は、所定の履歴表示を行うに当たり、トラクタ1から取得したトラクタ1の作業状態を示す作業状態情報に基づいて履歴表示63を行う第1履歴表示モード、及び、作業状態情報に基づかずに履歴表示63を行う第2履歴表示モードの何れか一方の履歴表示モードで履歴表示63を行うようにしている。
【0059】
第1履歴表示モードでは、トラクタ1の車両側制御部12が、トラクタ1に装着される作業機の作動状態を把握していることから、その作業機の作動状態等から作業状態情報を生成している。そして、トラクタ1では、無線通信端末2に作業状態情報を送信しており、無線通信端末2の表示制御部22が、トラクタ1の位置情報とともに、作業状態情報を取得している。これにより、表示制御部22は、走行経路Pの内、どの部分にてトラクタ1が作業を行っているかを把握することができ、トラクタ1が作業を行った部分に対して履歴表示63を行うようにしている。このように、第1履歴表示モードでは、表示制御部22が、トラクタ1の位置情報及び作業状態情報に基づいて、自動的に履歴表示63を行うようにしている。
【0060】
第2履歴表示モードでは、表示制御部22が、トラクタ1の位置情報及び作業状態情報に基づいて、自動的に履歴表示63を行うのではなく、図12に示すように、ユーザの手動操作に基づいて、履歴表示63を行うようにしている。例えば、ユーザが記録開始操作部51jを選択操作することで、履歴表示63が開始され、トラクタ1の現在位置Tを表示部26の画面上で移動させると、表示制御部22は、トラクタ1の現在位置Tが移動された部分に対して履歴表示63を行うようにしている。このように、例えば、作業状態情報を取得できない作業機をトラクタ1に装着した場合でも、第2履歴表示モードに切り替えることで、ユーザの手動操作に基づいて履歴表示63を行うことができる。
【0061】
第1履歴表示モードと第2履歴表示モードとの切替については、図示は省略するが、特定の操作部51を選択操作することで、モード切替操作部が表示される。このモード切替操作部にて第1履歴表示モードが選択操作されると、表示制御部22が第1履歴表示モードにて履歴表示63を行い、モード切替操作部にて第2履歴表示モードが選択操作されると、表示制御部22が第2履歴表示モードにて履歴表示63を行う。そして、モード切替操作部にて第1履歴表示モードが選択操作されている場合と第2履歴表示モードが選択操作されている場合とで、記録開始操作部51jを表示させる色を変更することで、記録開始操作部51jの表示形態を異ならせるようにしている。また、表示制御部22は、第2履歴表示モードを行う場合に、例えば、「記録開始」との表示を「記録一時停止」との表示に変更して、記録開始操作部51jを、第2履歴表示モードにおいて、履歴表示63を開始させるための操作部51と履歴表示63を一時停止させるための操作部51とを兼用するようにしている。
【0062】
ここで、第1履歴表示モードでは、表示制御部22が、トラクタ1の位置情報及び作業状態情報に基づいて、自動的に履歴表示63を行っているが、トラクタ1を自律走行させる場合だけでなく、ユーザの手動運転によってトラクタ1を走行させる場合にも、表示制御部22は第1履歴表示モードを行うことができる。そして、表示制御部22は、トラクタ1を自律走行させる場合に第1履歴表示モードにて行った履歴表示63と、ユーザの手動運転によってトラクタ1を走行させる場合に第1履歴表示モードにて行った履歴表示63とを互いに表示形態を異ならせるようにしている。例えば、塗り潰し処理する色を変更したり、塗り潰し処理する部分を点灯と点滅とで変更する等、各種の表示形態を適用することができる。
【0063】
また、第2履歴表示モードについても、第1履歴モードと同様に、トラクタ1を自律走行させる場合だけでなく、ユーザの手動運転によってトラクタ1を走行させる場合にも、表示制御部22は第2履歴表示モードを行うことができる。そして、表示制御部22は、トラクタ1を自律走行させる場合に第2履歴表示モードにて行った履歴表示63と、ユーザの手動運転によってトラクタ1を走行させる場合に第2履歴表示モードにて行った履歴表示63とを互いに表示形態を異ならせるようにしている。例えば、塗り潰し処理する色を変更したり、塗り潰し処理する部分を点灯と点滅とで変更する等、各種の表示形態を適用することができる。
【0064】
表示制御部22にて履歴表示63が行われると、図2に示すように、無線通信端末2には、表示制御部22により表示された履歴表示63を記録部27に記録する記録制御部23が備えられている。記録制御部23は、表示制御部22により履歴表示63が開始されてから所定期間経過後に自動的に履歴表示63を記録部27に記録可能に構成されている。記録制御部23は、複数の圃場Hの夫々に対して関連付けて履歴表示63を記録部27に記録するようにしており、どの圃場Hの履歴表示63であるかを識別可能な状態で記録部27に記録させている。そして、記録制御部23は、履歴表示63が開始されてから所定期間経過後に、各種のタイミングになることで、履歴表示63を記録部27に記録している。各種のタイミングについては、例えば、無線通信端末2の電源が投入されたタイミング、図9等に示す作業画面が表示されたタイミング、及び、図9等に示す作業画面から他の画面(例えば、図3に示すトップ画面等)に遷移されたタイミング等となっている。
【0065】
また、記録制御部23は、自動的に履歴表示63を記録部27に記録するだけでなく、図9に示す作業画面において、ユーザによる記録指示操作部51kの選択操作に応じて、履歴表示63を記録部27に記録することもできる。このように、ユーザが履歴表示63を記録したいタイミングに合わせて、記録制御部23が履歴表示63を記録部27に記録することができる。
【0066】
記録制御部23が履歴表示63を記録部27に記録されると、表示制御部22にて表示された履歴表示63がリセットされる。そして、表示制御部22は、記録部27に記録されている履歴表示63を呼び出すことで、圃場Hを表示させる際に、その履歴表示63を表示させることができる。
【0067】
図9に示す作業画面において、ユーザが記録消去操作部51mを選択操作すると、記録制御部23は、記録部27に記録されている履歴表示63を消去するようにしている。これにより、ユーザが履歴表示63を消去したいタイミングに合わせて、履歴表示63を消去することができる。
【0068】
以上の通り、表示制御部22は、トラクタ1の自律走行に係る設定を行う設定画面(例えば、図3に示すトップ画面、図4に圃場登録画面、図5に示す圃場リスト画面、図6に示すパス一覧画面)と、トラクタ1の自律走行の開始及び停止を指示可能な作業画面(例えば、図8及び図9に示す作業画面)とを含む複数の画面を表示可能に構成されている。
【0069】
トラクタ1の自律走行を行う場合に、トラクタ1は、無線通信端末2における設定画面での自律走行に係る設定及び作業画面での自律走行の開始の指示により自律走行を開始する通常自律走行モードと、無線通信端末2における設定画面での自律走行に係る設定を行わずに作業画面での自律走行の開始の指示により自律走行を開始する自律走行準備モードとを含む複数のモードで稼動可能となっている。
【0070】
通常の作業を行う場合には、トラクタ1を通常自律走行モードとするが、その自律走行中に、無線通信端末2における表示制御部22による制御に何らかの異常が発生した場合、及び、トラクタ1と無線通信端末2との無線通信が遮断された場合等には、車両側制御部12が、トラクタ1の自律走行を一時停止させて、自律走行を再開可能な自律走行準備モードとしている。
【0071】
そして、トラクタ1が通常自律走行モードである場合は、表示制御部22が、作業画面(例えば、図8及び図9に示す作業画面)を表示する前に、設定画面(例えば、図3に示すトップ画面等)を表示させている。これにより、通常自律走行モードでは、設定画面にて自律走行に係る各種の設定を行い、その後、トラクタ1の自律走行の開始を指示可能な作業画面を表示させている。
【0072】
一方、トラクタ1が自律走行準備モードである場合は、表示制御部22が、設定画面(例えば、図3に示すトップ画面等)を表示することなく、作業画面(例えば、図8及び図9に示す作業画面)を表示させている。これにより、自律走行準備モードでは、設定画面を表示することなく、トラクタ1の自律走行の開始を指示可能な作業画面を表示させており、その作業画面にて自律走行を開始することができるので、自律走行を迅速にーズに再開することができる。
【0073】
<発明の付記>
本発明は、第1の基準局から取得した測位補正情報に基づいて作業車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、
第2の基準局から取得した測位補正情報に基づいて前記作業車両を自律走行させる特定領域の形状を特定する領域形状特定部と、
前記領域形状特定部により特定された前記特定領域を示す特定領域表示部を表示部に表示する表示制御部とを備え、
前記表示制御部は、第1の基準局と第2の基準局とが共通の基準局である場合と、第1の基準局と第2の基準局とが共通の基準局でない場合とで互いに異なる表示形態で前記特定領域表示部を表示すると好適である。
【0074】
本構成によれば、表示制御部は、特定領域を示す特定領域表示部を表示部に表示させるので、特定領域表示部は、第2の基準局から取得した測位補正情報に基づいて取得される位置情報を有している。それに対して、位置情報取得部は、第1の基準局から取得した測位補正情報に基づいて作業車両の位置情報を取得している。よって、第1の基準局と第2の基準局とが共通の基準局でない場合には、測位補正情報が異なるので、特定領域表示部の位置と作業車両の位置との間にずれが生じる可能性がある。そこで、表示制御部は、第1の基準局と第2の基準局とが共通の基準局である場合と、第1の基準局と第2の基準局とが共通の基準局でない場合とで互いに異なる表示形態で特定領域表示部を表示させている。これにより、ユーザは特定領域表示部の表示形態を認識することで、特定領域表示部の位置と作業車両の位置との間にずれが生じる可能性があるか否かを容易に把握することができるので、どの特定領域にて自律走行を行うべきかを容易に認識でき、その特定領域を選択する等の操作を簡易に且つ適切に行うことができる。よって、自律走行を開始する前に、ユーザにとって操作性に優れた表示画面を表示部に表示させることができる。
【0075】
本発明は、前記表示制御部は、第1の基準局と第2の基準局とが共通の基準局である場合であっても、第1の基準局と第2の基準局とが共通の基準局でない場合であっても、前記特定領域表示部を選択可能に表示し、
前記特定領域表示部が選択された場合に、少なくとも第2の基準局の識別情報を表示可能であると好適である。
【0076】
本構成によれば、表示制御部は、特定領域表示部が選択されると、少なくとも特定領域の形状を特定するために用いた第2の基準局の識別情報を表示することができるので、ユーザは、その識別情報によって第2の基準局がどの基準局であるのかを容易に把握することができる。これにより、第1の基準局と第2の基準局とが共通の基準局とするために、ユーザは、第1の基準局をどの基準局に変更すればよいかを把握することができ、そのための操作や作業等を適切に行うことができる。
【0077】
本発明は、第1の基準局から取得した測位補正情報に基づいて作業車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、
第2の基準局から取得した測位補正情報に基づいて前記作業車両を自律走行させる特定領域の形状を特定する領域形状特定部と、
地図画像を表示部に表示する表示制御部とを備え、
前記表示制御部は、特定の操作部に対する操作に応じて前記地図画像の表示倍率を制御することが可能であって、
前記表示部に特定された前記特定領域が表示されている第1の表示状態のときは前記特定領域に基づいて前記地図画像の表示倍率を制御し、
前記表示部に前記特定領域が特定される前の前記作業車両の移動軌跡が表示されている第2の表示状態のときは前記移動軌跡に基づいて前記地図画像の表示倍率を制御し、
前記第1の表示状態及び前記第2の表示状態以外の第3の表示状態であるとは一定の表示倍率で前記地図画像を表示すると好適である。
【0078】
本構成によれば、ユーザは、特定の操作部に対する操作を行うことで、第1の表示状態と第2の表示状態と第3の表示状態の夫々に切り替えることができる。そして、第1の表示状態及び第2の表示状態以外の第3の表示状態では、表示制御部が一定の表示倍率で地図画像を表示させるので、ユーザは、一定の表示倍率にて地図画像を見ることができ、地図情報の認識を安定して行うことができる。
【0079】
それに対して、第1の表示状態は、特定領域を表示するためのものであり、表示制御部が、特定領域の大きさや形状等、特定領域に基づいて、地図画像の表示倍率を制御している。これにより、ユーザは、特定領域を容易に認識することができるとともに、表示部に表示される特定領域についての操作も適切に行い易いものとなる。また、第2の表示状態は、作業車両の移動軌跡を表示するためのものであり、表示制御部が、作業車両の移動軌跡に基づいて、地図画像の表示倍率を制御している。これにより、ユーザは、作業車両がどのように移動しているかを認識し易くなるとともに、表示部に表示される移動軌跡についての操作も適切に行い易いものとなる。
【0080】
本発明は、前記表示制御部は、前記第1の表示状態のときは前記特定領域の重心位置を前記地図画像の中心位置として前記地図画像を前記表示部に表示し、
前記第2の表示状態のときは前記移動軌跡の重心位置を前記地図画像の中心位置として前記地図画像を前記表示部に表示すると好適である。
【0081】
本構成によれば、第1の表示状態では、表示制御部が、特定領域の重心位置を地図画像の中心位置として地図画像を表示部に表示させるので、ユーザは、特定領域を容易に認識することができ、特定領域が見やすい地図画像となる。第2の表示状態では、表示制御部が、移動軌跡の重心位置を地図画像の中心位置として地図画像を表示部に表示させるので、ユーザは、作業車両の移動軌跡を容易に認識することができ、移動軌跡が見やすい地図画像となる。
【0082】
本発明は、前記表示制御部は、前記地図画像を拡大する拡大操作部に対する操作に応じて前記地図画像を拡大表示することが可能であって、前記拡大操作部に対して操作が行われたときは前記拡大操作部以外の操作部の少なくとも1つを非表示とすると好適である。
【0083】
本構成によれば、拡大操作部に対して操作を行うと、表示制御部は、拡大操作部以外の操作部の少なくとも1つを非表示とするので、ユーザは、拡大操作部に対する操作を行ったことを容易に認識することができるとともに、非表示とする操作部に対する操作によって拡大された地図画像の状態が変更されるのを防止することができる。
【0084】
本発明は、前記表示制御部は、前記拡大操作部以外の操作部の少なくとも1つが非表示とされた後に、前記拡大操作部に対する操作が行われたときに、前記拡大操作部とともに、非表示の操作部を表示すると好適である。
【0085】
本構成によれば、拡大操作部以外の操作部の少なくとも1つが非表示とされた後に、拡大操作部に対する操作が行われると、表示制御部は、拡大操作部とともに、非表示の操作部を表示するので、非表示の操作部が表示されたことをもって、拡大操作部の操作による地図画像の拡大が解消されたことをユーザが容易に認識することができる。また、非表示の操作部が表示されることで、その操作部に対する操作によって地図画像の状態を変更することができる。
【0086】
本発明は、前記表示制御部は、前記拡大操作部以外の操作部の少なくとも1つが非表示とされる前における前記地図画像の表示設定を記憶し、その後の前記拡大操作部に対する操作に応じて、前記表示設定に基づいて前記地図画像を表示すると好適である。
【0087】
本構成によれば、拡大操作部以外の操作部の少なくとも1つが非表示とされた後に、拡大操作部に対する操作が行われると、表示制御部は、記憶している表示設定に基づいて地図画像を表示するので、拡大操作部に対する操作が行われる前の地図画像に容易に戻ることができ、ユーザにとって操作性に優れた表示となる。
【0088】
本発明は、基準局から取得した測位補正情報に基づいて作業車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、
特定領域に形成された走行経路における前記作業車両の走行軌跡に基づいて表示部に表示された前記走行経路に所定の履歴表示を行うことが可能な表示制御部とを備え、
前記表示制御部は、前記作業車両から取得した前記作業車両の作業状態を示す作業状態情報に基づいて前記履歴表示を行う第1履歴表示モード、及び、前記作業状態情報には基づかずに前記履歴表示を行う第2履歴表示モードの何れか一方の履歴表示モードで前記履歴表示を行うと好適である。
【0089】
本構成によれば、第1履歴表示モードでは、表示制御部が、作業状態情報に基づいて自動的に履歴表示を行うことができる。第2履歴表示モードでは、表示制御部が、作業状態情報に基づかず、例えば、ユーザによる手動操作により履歴表示を行うことができる。これにより、表示制御部が、第1履歴表示モード及び第2履歴表示モードの何れかを行うことで、作業車両の状況等の変化に柔軟に対応しながら、履歴表示を適切に行うことができる。
【0090】
本発明は、前記表示制御部により表示された前記履歴表示を記録部に記録する記録制御部を備え、
前記記録制御部は、前記表示制御部により前記履歴表示が開始されてから所定期間経過後に自動的に前記履歴表示を前記記録部に記録可能であり、且つ、前記表示部に表示された記録指示操作部の操作に応じて前記履歴表示を前記記録部に記録可能であると好適である。
【0091】
本構成によれば、記録制御部は、履歴表示が開始されてから所定期間経過後に自動的に履歴表示を記録部に記録することで、長期間に亘って履歴表示が継続されるのを抑制することができ、記憶容量の圧迫や処理速度の低下等を防止することができる。また、記録制御部は、表示部に表示された記録指示操作部の操作に応じて履歴表示を記録部に記録することもできるので、ユーザが記録指示操作部を操作することで、ユーザが履歴表示を記録したいタイミングに合わせて記録部に記録することができる。これにより、履歴表示の記録部への記録を、自動的に行えるだけでなく、ユーザの手動操作に応じても行うことができるので、柔軟な対応を可能として、操作性の向上を図ることができる。
【0092】
本発明は、前記表示制御部は、前記作業車両と無線通信可能な無線通信端末に備えられ、
前記表示制御部は、前記作業車両の自律走行に係る設定を行う設定画面と、前記作業車両の自律走行の開始及び停止を指示可能な作業画面を含む複数の画面を表示可能であり、
前記作業車両は、前記無線通信端末における前記設定画面での自律走行に係る設定及び前記作業画面での自律走行の開始の指示により自律走行を開始する通常自律走行モードと、前記無線通信端末における前記設定画面での自律走行に係る設定を行わずに前記作業画面での自律走行の開始の指示により自律走行を開始する自律走行準備モードとを含む複数のモードで稼動可能であり、
前記表示制御部は、前記作業車両が前記通常自律走行モードである場合は前記作業画面を表示する前に前記設定画面を表示する一方、前記作業車両が前記自律走行準備モードである場合は前記設定画面を表示することなく前記作業画面を表示すると好適である。
【0093】
本構成によれば、作業車両が通常自律走行モードである場合には、作業画面を表示する前に設定画面が表示されるので、設定画面にて各種の設定を行うことができ、その設定に応じた自律走行を行うことができる。一方、作業車両が自律走行準備モードである場合には、設定画面を表示することなく作業画面を表示して、設定画面での自律走行に係る設定を行わずに自律走行を開始することができ、設定画面を表示させないことで、自律走行の開始をスムーズに行うことができる。
【0094】
本発明の第1特徴構成は、衛星測位システムを利用して作業車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記作業車両の走行軌跡に基づいて前記作業車両を自律走行させる特定領域の形状を特定する領域形状特定部と、
地図画像を表示部に表示する表示制御部とを備え、
前記表示制御部は、特定の操作部に対する操作に応じて前記地図画像の表示倍率を制御することが可能であって、
前記表示部に特定された前記特定領域が表示されている第1の表示状態のときは前記特定領域に基づいて前記地図画像の表示倍率を制御し、
前記表示部に前記特定領域が特定される前の前記作業車両の移動軌跡が表示されている第2の表示状態のときは前記移動軌跡に基づいて前記地図画像の表示倍率を制御し、
前記第1の表示状態及び前記第2の表示状態以外の第3の表示状態であるとは一定の表示倍率で前記地図画像を表示することを特徴とする点にある。
【0095】
本発明の第2特徴構成は、前記表示制御部は、前記第1の表示状態のときは前記特定領域の重心位置を前記地図画像の中心位置として前記地図画像を前記表示部に表示し、
前記第2の表示状態のときは前記移動軌跡の重心位置を前記地図画像の中心位置として前記地図画像を前記表示部に表示することを特徴とする点にある。
【0096】
本発明の第3特徴構成は、前記表示制御部は、前記地図画像を拡大する拡大操作部に対する操作に応じて前記地図画像を拡大表示することが可能であって、前記拡大操作部に対して操作が行われたときは前記拡大操作部以外の操作部の少なくとも1つを非表示とすることを特徴とする点にある。
【0097】
本発明の第4特徴構成は、前記表示制御部は、前記拡大操作部以外の操作部の少なくとも1つが非表示とされた後に、前記拡大操作部に対する操作が行われたときに、前記拡大操作部とともに、非表示の操作部を表示することを特徴とする点にある。
【0098】
本発明の第5特徴構成は、前記表示制御部は、前記拡大操作部以外の操作部の少なくとも1つが非表示とされる前における前記地図画像の表示設定を記憶し、その後の前記拡大操作部に対する操作に応じて、前記表示設定に基づいて前記地図画像を表示することを特徴とする点にある。
【0099】
本発明の一態様に係る作業画面表示システムは、地図画像を表示部に表示する表示制御部を備える。前記表示制御部は、作業車両の移動軌跡に基づいて特定され前記作業車両を自律走行させる特定領域が前記表示部に表示されている第1の表示状態のときは前記特定領域に基づいて前記地図画像の表示倍率を制御し、前記表示部に前記特定領域が特定される前の前記移動軌跡が表示されている第2の表示状態のときは前記移動軌跡に基づいて前記地図画像の表示倍率を制御する。
【0100】
本発明の一態様に係る画面表示システムは、地図画像を表示部に表示する表示制御部を備える。前記表示制御部は、登録されている圃場を前記地図画像上に表示する。
【符号の説明】
【0101】
1 トラクタ(作業車両)
13 位置情報取得部
22 表示制御部
25 領域形状特定部
26 表示部
51h 拡大操作部
52 地図画像
H 圃場(特定領域)
K 移動軌跡
K1 移動軌跡の重心位置
図1
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