(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169606
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】表示制御装置及び表示制御方法
(51)【国際特許分類】
B60H 1/00 20060101AFI20241128BHJP
G06F 3/04817 20220101ALI20241128BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20241128BHJP
【FI】
B60H1/00 103T
G06F3/04817
G06F3/0488
B60H1/00 103W
B60H1/00 103U
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024162680
(22)【出願日】2024-09-19
(62)【分割の表示】P 2023525288の分割
【原出願日】2021-06-03
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笹沼 慶与
(72)【発明者】
【氏名】上田 純
(57)【要約】
【課題】ユーザが座席に座った状態であっても、操作性を高めることができる表示制御装置を提供する。
【解決手段】車両の左座席及び右座席からユーザが操作可能なタッチパネル式ディスプレイ(2)の表示画面を制御する表示制御装置において、タッチパネル式ディスプレイ(2)へのユーザのタッチ操作に基づき、表示画面を制御するコントローラ(10)を備え、コントローラ(10)は、左座席アイコン及び右座席アイコンを含むホーム画面(41)を表示させる第1制御指令を出力し、左座席アイコン及び右座席アイコンのうち一方の座席アイコンが操作された場合、左座席及び右座席のうち一方の座席の設定画面(51、61)を表示させる第2制御指令を出力し、一方の座席は、ホーム画面(41)で操作された一方の座席アイコンに対応する座席であり、設定画面(51、61)は、一方の座席の温度制御に関する制御項目をユーザが入力可能な表示を含み、表示画面上で、左座席及び右座席のうち他方の座席よりも一方の座席側に位置する表示制御装置。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の左座席及び右座席からユーザが操作可能なタッチパネル式ディスプレイの表示画面を制御する表示制御装置において、
前記タッチパネル式ディスプレイへの前記ユーザのタッチ操作に基づき、前記表示画面を制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、
前記左座席に対応付けられた左座席アイコン及び前記右座席に対応付けられた右座席アイコンを含むホーム画面を表示させる第1制御指令を出力し、
前記左座席アイコン及び前記右座席アイコンのうち一方の座席アイコンが操作された場合、前記左座席及び前記右座席のうち一方の座席の設定画面を表示させる第2制御指令を出力し、
前記一方の座席は、前記ホーム画面で操作された前記一方の座席アイコンに対応する座席であり、
前記設定画面は、
前記一方の座席の温度制御に関する制御項目を前記ユーザが入力可能な表示を含み、
前記表示画面上で、前記左座席及び前記右座席のうち他方の座席よりも前記一方の座席側に位置する表示制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示制御装置であって、
前記第2制御指令は、前記設定画面を前記ホーム画面に重畳して表示させる制御指令を含む表示制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表示制御装置であって、
前記温度制御は、前記車両に設けられたシートヒーター及び空調シートのうち少なくとも一方の温度制御を含む表示制御装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の表示制御装置であって、
前記設定画面は、前記ホーム画面よりも小さく、かつ、前記左座席アイコン及び前記右座席アイコンよりも大きい表示制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の表示制御装置であって、
前記ホーム画面は、地図情報を表示内容に含む表示制御装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の表示制御装置であって、
前記第2制御指令は、前記ホーム画面に前記車両の現在地を示す現在地アイコンが表示されている場合、前記ホーム画面のうち前記設定画面が重畳されていない領域に前記現在地アイコンを表示させる制御指令を含む表示制御装置。
【請求項7】
請求項4~6のいずれかに記載の表示制御装置であって、
前記第2制御指令は、前記設定画面が表示される前に比べて、前記ホーム画面の明度を低くさせる制御指令を含む表示制御装置。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の表示制御装置であって、
前記設定画面は、前記左座席アイコン及び前記右座席アイコンのうち他方の座席アイコンに対応する座席の温度制御に関する表示を含まない表示制御装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれかに記載の表示制御装置であって、
前記設定画面は、
前記一方の座席が前記車両の助手席の場合、前記車両に設けられたステアリングヒーターに関する表示を含まず、
前記一方の座席が前記車両の運転席の場合、前記ステアリングヒーターの温度制御に関する制御項目を前記ユーザが入力可能な表示を含む表示制御装置。
【請求項10】
請求項3に記載の表示制御装置であって、
前記設定画面は、前記シートヒーターの動作状態と前記空調シートの動作状態とが異なる色で表示される第1動作状態画像を含む表示制御装置。
【請求項11】
請求項10に記載の表示制御装置であって、
前記第1動作状態画像は、図形の大きさ又は数の違いにより前記シートヒーターの発熱レベルを表す画像を含む表示制御装置。
【請求項12】
請求項10に記載の表示制御装置であって、
前記第1動作状態画像は、図形の大きさ又は数の違いにより前記空調シートの風量レベルを表す画像を含む表示制御装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれかに記載の表示制御装置であって、
前記ホーム画面は、前記車両に搭載された空調機器に対応付けられた空調アイコンを含み、
前記コントローラは、前記空調アイコンが操作された場合、前記ホーム画面から空調設定画面に切り替え表示させる第3制御指令を出力し、
前記空調設定画面は、前記左座席及び前記右座席の空調制御に関する制御項目を前記ユーザが入力可能な表示を含む表示制御装置。
【請求項14】
請求項13に記載の表示制御装置であって、
前記左座席は、前記車両の運転席及び助手席のうち一方であり、
前記右座席は、前記車両の運転席及び前記助手席のうち他方であり、
前記空調アイコンは、前記ホーム画面上で前記助手席よりも前記運転席側に位置する表示制御装置。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の表示制御装置であって、
前記空調制御に関する制御項目は、前記左座席及び前記右座席に対しての前記空調機器の風量、風向き、及び設定温度のうち少なくともいずれか一つを含む表示制御装置。
【請求項16】
請求項14に記載の表示制御装置であって、
前記空調設定画面は、前記運転席及び前記助手席に設けられたシートヒーターの発熱レベル又は空調シートの風量レベルを表す第2動作状態画像を含む表示制御装置。
【請求項17】
車両の助手席及び運転席からユーザが操作可能なタッチパネル式ディスプレイの表示画面を制御する表示制御装置において、
前記タッチパネル式ディスプレイへの前記ユーザのタッチ操作に基づき、前記表示画面を制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、
前記運転席よりも前記助手席側に位置する助手席アイコンと、前記助手席よりも前記運転席側に位置する運転席アイコン及び空調アイコンとを含むホーム画面を表示させる制御指令を出力し、
前記助手席アイコンが操作された場合、前記助手席に設けられたシート温度制御機器の制御項目を前記ユーザが入力可能な表示を含む助手席設定画面を表示させる制御指令を出力し、
前記運転席アイコンが操作された場合、前記運転席に設けられたシート温度制御機器の制御項目を前記ユーザが入力可能な表示を含む運転席設定画面を表示させる制御指令を出力し、
前記空調アイコンが操作された場合、前記車両に搭載された空調機器の制御項目を前記ユーザが入力可能な表示を含む空調設定画面を表示させる制御指令を出力する表示制御装置。
【請求項18】
車両の左座席及び右座席からユーザが操作可能なタッチパネル式ディスプレイの表示画面を、前記タッチパネル式ディスプレイへの前記ユーザのタッチ操作に基づき制御するコントローラにより実行される表示制御方法において、
前記コントローラにより、前記左座席に対応付けられた左座席アイコン及び前記右座席に対応付けられた右座席アイコンを含むホーム画面を表示させる第1制御指令を出力し、
前記コントローラにより、前記左座席アイコン及び前記右座席アイコンのうち一方の座席アイコンが操作された場合、前記左座席及び前記右座席のうち一方の座席の設定画面を表示させる第2制御指令を出力し、
前記一方の座席は、前記ホーム画面で操作された前記一方の座席アイコンに対応する座席であり、
前記設定画面は、
前記一方の座席の温度制御に関する制御項目を前記ユーザが入力可能な表示を含み、
前記表示画面上で、前記右座席及び前記左座席のうち他方の座席よりも前記一方の座席側に位置する表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載されたディスプレイの表示画面を制御する表示制御装置及び表示制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両に搭載された温度調整装置に対して入力を行う車載調整用入力装置が知られている(特許文献1)。この車載調整用入力装置は、表示部と、入力検出部と、表示制御部と、入力内容取得部とを備えている。入力検出部は、表示部の表示面における第1位置と対応付けられた操作面を持ち、操作面における、入力操作された第2位置を検出する。表示制御部は、表示部を制御する。入力内容取得部は、入力位置検出部で検出した第2位置に対応する第1位置に表示されている表示内容を、入力内容として取得する。温度調整装置は、搭乗者の身体の一部に接触し、接触した一部に対し加温及び冷却のうち少なくとも一方を実施する接触温度調整装置を含む。表示制御部は、同一の表示内容に対する入力操作を、所定の第1時間以内に、所定の回数以上、入力位置検出部で検出した場合に、接触温度調整装置に対する入力内容を表す接触温度調整用入力内容表示を表示内容として表示面に表示する。接触温度調整用入力内容を含む接触温度調整用入力画面は、温度調整用入力画面上に生成された新たなウィンド内に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記車載調整用入力装置では、接触温度調整用入力画面は、表示部の表示面上で略中央に位置するため、座席に座った状態ではユーザが画面に入力しづらく、操作性が低いという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザが座席に座った状態であっても、操作性を高めることができる表示制御装置及び表示制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、車両の右座席及び左座席からユーザが操作可能なタッチパネル式ディスプレイに、右座席に対応付けられた右座席アイコン及び左座席に対応付けられた左座席アイコンを含むホーム画面を表示させる第1制御指令を出力し、右座席アイコン又は左座席アイコンのうち一方の座席アイコンが操作された場合、操作された一方の座席アイコンに対応する座席であって、右座席及び左座席のうち一方の座席の設定画面を表示させる第2制御指令を出力し、一方の座席は、ホーム画面で操作された一方の座席アイコンに対応する座席であり、設定画面は、一方の座席の温度制御に関する制御項目をユーザが入力可能な表示を含み、表示画面上で、右座席及び左座席のうち他方の座席よりも一方の座席側に位置することにより、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザが座席に座った状態であっても、操作性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る環境温度制御システムの一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1のディスプレイを備えたダッシュボードの正面図の一例である。
【
図3】
図3は、
図1のディスプレイに表示されるホーム画面の一例である。
【
図4】
図4は、
図3のホーム画面内の助手席アイコンが操作された場合に、
図1のディスプレイに表示される助手席設定画面の一例である。
【
図5】
図5は、
図3のホーム画面内の運転席アイコンが操作された場合に、
図1のディスプレイに表示される運転席設定画面の一例である。
【
図6】
図6は、
図3のホーム画面内の空調アイコンが操作された場合に、
図1のディスプレイに表示される空調設定画面の一例である。
【
図7】
図7は、
図6の空調設定画面内の助手席画像が操作された場合に、
図1のディスプレイに表示される第2助手席設定の一例である。
【
図8】
図8は、
図6の空調制御画面内の運転席画像が操作された場合に、
図1のディスプレイに表示される第2運転席設定画面の一例である。
【
図9】
図9は、
図6の空調設定画面内の後席アイコンが操作された場合に、
図1のディスプレイに表示される後部座席設定画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る表示制御装置及び表示制御方法の一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る表示制御装置は、
図1に示すように、環境温度制御システムの一部として実現される。
図1は、本実施形態に係る環境温度制御システム1の一例を示すブロック図である。環境温度制御システム1は、車両に搭載されたシステムであって、車室内の環境温度を制御するシステムである。本実施形態では、車両のステアリングは、車両の前進方向(進行方向)に対して右側に位置するものとし、いわゆる右ハンドル車を例に挙げて、本発明に係る表示制御装置及び表示制御方法を説明する。また車両は、車両の前進方向に対して右側に位置する運転席、車両の前進方向に対して左側に位置する助手席、並びに、運転席及び助手席の後部に、複数の乗員が座ることが可能な後部座席を備えているものとして説明する。運転席及び助手席は離間して設けられている。後部座席の構成は特に限定されず、後部座席は、乗員毎に個別に座席が設けられる構成であってもよいし、1列の横長シートに複数の乗員が座ることが可能な構成であってもよい。なお、車両の乗車定員は2人以上であればよく、本発明に係る表示制御装置及び表示制御方法は、後部座席がない車両、運転席及び助手席を1列目、後部座席を2列目とした場合に、1列目及び2列目の座席に加えて、3列目の後部座席を備える車両にも適用することができる。
【0010】
図1に示すように、環境温度制御システム1は、ディスプレイ2と、環境温度制御装置3と、コントローラ10とを備えている。このうち、例えば、コントローラ10が、本発明の本実施形態に係る表示制御装置を構成し得る。環境温度制御システム1の各構成は、互いに情報の送受信を行うために、例えば、CAN(Controller Area Network)、LIN(Local Interconnect Network)などの車載ネットワークよって接続されている。本実施形態に係る環境温度制御システム1は、タッチパネル式ディスプレイ2によりタッチ操作を受け入れて、タッチ操作に基づき環境温度制御装置3を制御する。環境温度制御システム1は、タッチ操作に基づく環境温度制御装置3の動作によって、車室内の環境温度を調整することができる。本発明の表示制御装置は、ディスプレイ2の表示画面を制御して、車室内の環境温度制御に関する操作性を向上させるものである。また本発明の表示制御装置は、操作性の向上とともに、車室内の環境温度に関する表示の視認性を向上させるものである。
【0011】
ディスプレイ2は、タッチパネル式のディスプレイであり、車両に搭載されている。タッチパネル式のディスプレイ2は、感圧センサを備え、接触操作時にディスプレイ2に与えられた押圧力を抵抗値や電圧などから検出する。感圧センサの機構は特に限定されず、出願時に知られた感圧センサの機構を適宜に用いることができる。またタッチパネルは、感圧式に限らず、静電式等、他の方式でもよい。ディスプレイ2は、タッチパネル式のディスプレイであればよく、ディスプレイの種別は特に限定されない。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイであってもよいし、有機EL(Organic electro-luminescence: OEL)ディスプレイであってもよい。
【0012】
図2は、ディスプレイ2を備えたダッシュボード付近の正面図の一例である。
図2に示すように、ディスプレイ2は、ダッシュボードの正面部分のディスプレイ(センタディスプレイ)である。ディスプレイ2は、運転席及び助手席から乗員の手が届くように、運転席及び助手席の前方に配置されている。またディスプレイ2は、運転席と助手席の間に配置されている。
図2では、ディスプレイ2は、車両の前進方向に対してステアリングSの左側に位置し、運転席に座った状態の乗員(以下、「ドライバー」とも称す)と助手席に座った状態の乗員(以下、「助手席乗員」とも称す)がそれぞれ触れることができる位置に設けられている。別の言い方をすれば、ドライバーと助手席乗員がそれぞれディスプレイ2に触れて操作可能なため、ディスプレイ2は、ドライバーと助手席乗員とで共用可能なディスプレイである。
【0013】
ドライバー又は助手席乗員は、指又は指に代わる操作機器でディスプレイ2に触れるタッチ操作により、後述する環境温度制御装置3への操作内容をディスプレイ2に入力する。タッチ操作は、ディスプレイ2に表示されるアイコンやボタンに指等を触れる操作である。タッチ操作は、タップ(画面を1回タッチする)、ダブルタップ(画面を2回タッチする)、ロングタップ(画面を長押しする)、スワイプ(画面に触れた指を画面上でそのままスライドさせる(指をなぞる))、フリック(画面に触れた指を、画面上で素早く弾くように動かす)、ピンチイン/ピンチアウト(2本の指で画面に触れて、2本の指を近づける/遠ざける)等を含む。なお、タッチ操作は、ディスプレイ2の表示画面に直接触れなくても、指等を表示画面に近づける、いわゆるホバリングであってもよい。なお、タッチ操作の操作方法は、これらに限定されず他の方法であってもよい。
【0014】
ドライバー又は助手席乗員がディスプレイ2に対してタッチ操作を行うと、ディスプレイ2は、表示画面上でタッチ操作された位置を検出し、検出した位置の情報をコントローラ10に出力する。ディスプレイ2が表示する一又は複数の画面は、コントローラ10により制御される。ディスプレイ2には、コントローラ10から、画像データを表示するための制御指令が入力される。ディスプレイ2は、画像データに基づく一又は複数の画面を表示させる。
【0015】
環境温度制御装置3は、車室内の環境温度を制御するための装置である。
図1に示すように、環境温度制御装置3は、シート温度制御機器30、ステアリングヒーター33、及び空調機器34を含む。
【0016】
シート温度制御機器30は、車両の座席内に設けられた機器であって、
図1に示すように、シートヒーター31と空調シート32とを含む。シート温度制御機器30は、車両の座席ごとに設けられている。
図1では、一つのシート温度制御機器30が示されているが、運転席、助手席、及び後部座席にはそれぞれシート温度制御機器30が設けられている。なお、後部座席に設けられるシート温度制御機器30の数は特に限定されない。
【0017】
シートヒーター31は、電熱線等の発熱部材を備え、発熱部材から発せられる熱によって、座席に座る乗員の背面部分を加温する装置である。発熱部材は、例えば、座席を構成する、シートクッション部(座面部)及びシートバック部に組み込まれる。乗員の背面部分は、乗員の背中、腰部、臀部、及び脚部を含む。シートヒーター31は、コントローラ10により制御される。コントローラ10からシートヒーター31に出力される制御指令の一例としては、加温指令、設定温度などが挙げられる。シートヒーター31は、例えば、コントローラ10から加温指令及び設定温度を含む制御指令が入力されると、座席の表面温度が設定温度となるように、発熱部材を発熱させる。なお、シートヒーター31の制御方法は特に限定されず、出願時に知られた方法を適宜に用いることができる。
【0018】
空調シート32は、複数の通気口を備え、複数の通気口を介して換気を行うことで、座席に座る乗員の背面部分に冷涼感を与える装置である。通気口は、例えば、座席のシートクッション部及びシートバック部において座席表面付近に設けられる。空調シート32は、送風機能及び/又は除湿機能を備えている。空調シート32は、例えば、通気口から所定風量の冷風を吹き出して乗員の背面部分に冷涼感を与える。また空調シート32は、例えば、通気口から空気を吸引(排風)することで湿気を除去し、乗員の背面部分に冷涼感を与える。また空調シート32は、コントローラ10により制御される。コントローラ10から空調シート32に出力される制御指令の一例としては、送風指令、除湿指令、設定風量、設定温度などが挙げられる。空調シート32は、例えば、コントローラ10から送風指令、設定風量、及び設定温度を含む制御指令が入力されると、通気口から設定温度の風を設定風量だけ送り出す。また空調シート32は、例えば、コントローラ10から除湿指令を含む制御指令が入力されると、通気口から空気を吸引する。なお、空調シート32の制御方法は特に限定されず、出願時に知られた方法を適宜に用いることができる。また以降の説明では、空調シート32が少なくとも送風機能を備えているものとして説明する。
【0019】
ステアリングヒーター33は、車両のステアリングホイール(ハンドル)に設けられている。ステアリングヒーター33は、ステアリングホイールに組み込まれた電熱線等の発熱部材を備え、発熱部材から発せられる熱によって、ステアリングホイールに接触するドライバーの手を加温する装置である。ステアリングヒーター33は、コントローラ10により制御される。コントローラ10からステアリングヒーター33に出力される制御指令の一例としては、加温指令、設定温度などが挙げられる。ステアリングヒーター33は、例えば、コントローラ10から加温指令及び設定温度を含む制御指令が入力されると、ステアリングホイールの表面温度が設定温度となるように、発熱部材を発熱させる。なお、ステアリングヒーター33の制御方法は特に限定されず、出願時に知られた方法を適宜に用いることができる。
【0020】
空調機器34は、車室内の空気の温度や湿度などを調整する機器であって、エアーコンディショナーである。空調機器34は、コンプレサー等を含むエアコンシステムで構成されており、乗員の座席空間に風を吹き出す吹き出し口、フロントガラス及び/又は再度ガラスの曇りを除去するためのデフロスター等を有している。吹き出し口は、ダッシュボードやダッシュボードの下部に設けられている。ダッシュボードの吹き出し口は、正面吹き出し口であり、座席の正面に向けて風を吹き出すように配置されている。ダッシュボードの下部の吹き出し口は、下部吹き出し口であり、座席の下部に向けて風を吹き出すように配置されている。風向きは、吹き出し口内の向きにより変わる。デフロスターは、ダッシュボードの前方部分からフロントガラスに沿って風を吹き出す吹き出し口を有しており、エアコンシステムで生成した風を出力する。空調機器34は、コントローラ10により制御される。コントローラ10から空調機器34に出力される制御指令の一例としては、送風指令、除湿指令、設定温度、設定風量、及び設定風向などが挙げられる。空調機器34は、例えば、コントローラ10から送風指令、設定温度、設定風量、及び設定風向を含む制御指令が入力されると、設定風向により設定された吹き出し口から設定温度の風を設定風量だけ送り出す。なお、空調機器34の制御方法は特に限定されず、出願時に知られた方法を適宜に用いることができる。
【0021】
コントローラ10は、ハードウェア及びソフトウェアを備えたコンピュータにより構成され、プログラムを格納したメモリと、このメモリに格納されたプログラムを実行するCPU等を有している。なお、動作回路としては、CPUに代えて又はこれとともに、MPU、DSP、ASIC、FPGAなどを用いることができる。コントローラ10は、機能ブロックとして、ディスプレイ2の表示画面を制御する表示制御部11と、環境温度制御装置3を制御する環境温度制御部12を有している。コントローラ10は、メモリに記憶されたソフトウェアによって、機能ブロックの各機能を実現する。またコントローラ10は、表示制御部11及び環境温度制御部12に限らず、例えばオーディオシステムを制御する機能、ナビゲーションシステムを制御する機能等、車室内の各種システムを制御するための制御ブロックを有しており、ディスプレイ2及び環境温度制御装置3に限らず、他の車載機器を制御する。なお、車両に含まれる各種システムは複数のECUで制御されるが、
図1では、複数のECUをコントローラ10として図示している。また本発明の表示制御装置は、少なくともコントローラ10の表示制御部11を有していればよく、環境温度制御システム1は、コントローラ10以外のブロックが上述したその他の機能を有する構成であってもよい。
【0022】
表示制御部11は、ディスプレイ2の表示画面を制御する。また表示制御部11は、ディスプレイ2によりタッチ操作を検知した場合には、表示画面上におけるタッチ操作の位置やタッチ操作の種類に応じた操作指令を受け入れる。表示制御部11は、環境温度制御装置3の動作状態を表す画像を生成する。表示制御部11は、生成した画像を含む画面を表示させる制御指令を、ディスプレイ2に出力する。環境温度制御装置3の動作状態は、画面に含まれる画像の形、色、模様、アニメーション等を変えることで、乗員が識別できるように表示される。また表示制御部11は、受け入れた操作指令を環境温度制御部12に出力する。
【0023】
環境温度制御部12は、表示制御部11により受け入れた操作指令に基づき環境温度制御装置3を制御する。操作指令は、環境温度制御装置3に含まれる各機器のうち制御対象の機器、制御対象機器の動作モード、制御対象機器の制御対象項目、及び制御対象項目における制御量を含む。環境温度制御部12は、動作モード、制御対象項目、及び制御量に応じて、制御対象機器を制御する。また環境温度制御部12は、環境温度制御装置3の動作状態及び車室内の環境を管理している。環境温度制御装置3は、オートモード及びマニュアルモードの動作モードを有している。環境温度制御装置3がオートモードで動作する場合、環境温度制御部12は、温度センサや湿度センサ等からの検出結果に基づき、車室内全体又は乗員の座席空間が設定温度となるように環境温度制御装置3を動作させる制御指令を生成し、生成した制御指令を環境温度制御装置3に出力する。一方、環境温度制御装置3がマニュアルモードで動作する場合、環境温度制御部12は、乗員により設定された設定項目に応じて環境温度制御装置3を動作させる制御指令を生成し、生成した制御指令を環境温度制御装置3に出力する。
【0024】
シートヒーター31がマニュアルモードで動作する場合を例に挙げると、環境温度制御部12は、操作指令からシートヒーター31の制御項目を特定し、特定された制御項目に応じて、シートヒーター31のオン/オフ、発熱温度等を制御する。環境温度制御部12は、制御項目に応じた制御指令をシートヒーター31に出力する。制御項目は、温度設定、発熱量等、シートヒーター31の仕様に応じて予め決まっている。
【0025】
また空調シート32がマニュアルモードで動作する場合を例に挙げると、環境温度制御部12は、操作指令から空調シート32の制御項目を特定し、特定された制御項目に応じて、空調シート32のオン/オフ、設定温度、風量等を制御する。環境温度制御部12は、制御項目に応じた制御指令を空調シート32に出力する。制御項目は、風量設定、温度設定等、空調シート32の仕様に応じて予め決まっている。なお、本実施形態では、シートヒーター31及び空調シート32は、同時に動作することなく、タッチ操作によって択一的に選択されるが、空調シート32の仕様に応じて、シートヒーター31及び空調シート32は同時に動作してもよい。例えば、空調シート32が、冷風を送風する冷風機能に加えて、温風を送風する温風機能を備えている場合、環境温度制御部12は、制御項目に応じて、シートヒーター31及び空調シート32を同時に動作させてもよい。
【0026】
またステアリングヒーター33がマニュアルモードで動作する場合を例に挙げると、環境温度制御部12は、操作指令からステアリングヒーター33の制御項目を特定し、特定された制御項目に応じて、ステアリングヒーター33のオン/オフ、発熱温度等を制御する。環境温度制御部12は、制御項目に応じた制御指令をステアリングヒーター33に出力する。制御項目は、温度設定、発熱量等、ステアリングヒーター33の仕様に応じて予め決まっている。
【0027】
また空調機器34がマニュアルモードで動作する場合を例に挙げると、環境温度制御部12は、操作指令から空調機器34の制御項目を特定し、特定された制御項目に応じて、空調システムのオン/オフ、吹き出し口の選択、吹き出し口から吹き出される風の風量、温度、風向等を制御する。環境温度制御部12は、制御項目に応じた制御指令を空調機器34に出力する。制御項目は、風量設定、風向設定、温度設定、吹き出し口の選択等、空調機器の仕様に応じて予め決まっている。
【0028】
環境温度制御部12による環境温度制御装置3の制御と、表示制御部11による表示画面の制御は、アプリケーション(ソフトウェア)で関連付けられている。表示制御部11は、表示画面へのタッチ操作により操作指令を受け入れ、環境温度制御部12は、操作指令に応じた制御項目を制御指令として環境温度制御装置3に出力する。また例えば、環境温度制御装置3がオートモードで動作している状態で、車室内の環境に応じて、環境温度制御装置3の動作が環境温度制御部12により変更された場合には、環境温度制御部12は、変更後の環境温度制御装置3の動作状態を示す信号を表示制御部11に出力する。表示制御部11は、環境温度制御部12からの信号に基づき、環境温度制御装置3の現在の動作状態を示す画像を生成する。表示制御部11は、生成した画像を表示させる制御指令をディスプレイ2に出力する。これにより、乗員は、ディスプレイ2を用いて環境温度制御装置3を操作し、ディスプレイ2の表示画面から環境温度制御装置3の動作状態を確認できる。また乗員は、環境温度制御装置3の動作状態がオートモードによって自動的に変更された場合、ディスプレイ2の表示画面から環境温度制御装置3の動作状態の変更を確認できる。
【0029】
次に、
図3~
図9を参照し、ディスプレイ2を用いた環境温度制御装置3の制御方法と、ディスプレイ2の表示画面について説明する。
図3~
図9は、それぞれ、ディスプレイ2に表示される表示画面の一例である。なお、
図3~
図9に示すように、ディスプレイ2の表示画面は横長表示であるが、ディスプレイ2の形状及びディスプレイ2の表示領域の形状を横長形状に限定するものではない。また
図3~
図9において、x軸は車両の車幅方向(左右方向)を、y軸は車両の進行方向(前進方向)への奥行を、z軸は高さ方向(上下方向)を示している。
【0030】
図3は、ディスプレイ2に表示されるホーム画面の一例である。例えば、乗員により車両のイグニッションスイッチがオンすると、表示制御部11には車両の起動を示す信号が入力される。表示制御部11は、メモリからホーム画面を表す画像データを読み出す。表示制御部11は、メモリから読み出した画像データを表示させる制御指令をディスプレイ2に出力する。ホーム画面は、後述する、助手席に対応付けられた助手席アイコン及び運転席に対応付けられた運転席アイコンを含む。また
図3の例のように、ホーム画面41は、車両起動後に最初に表示される画面に限られず、車両が停止又は走行中に表示される画面であってもよい。表示制御部11は、環境温度制御システム1以外の他のシステムが乗員の操作によって起動している場合、起動中のシステムに応じた画面を含むホーム画面を表示させる制御指令を、ディスプレイ2に出力する。
図3の例では、ホーム画面41には、現在地アイコンPが地図情報に重畳したナビゲーション画面45が表示されている。現在地アイコンPは、車両の現在地を示すアイコンである。
図3のホーム画面41は、乗員の操作によってナビゲーションシステムが起動し、ナビゲーションシステムによってドライバーに道案内が行われている場面でのホーム画面である。また例えば、乗員の操作によってオーディオシステムが起動した場合、表示制御部11は、音楽情報画面を含むホーム画面を表示させる制御指令を、ディスプレイ2に出力する。音楽情報画面は、オーディオシステムによって車室内に流れる音楽の情報を示す画面である。ホーム画面に含まれる画面の種別は、車両の仕様に応じて予め決められている。
【0031】
図3に示すように、ホーム画面41は、助手席アイコン42Lと、運転席アイコン42Rと、メニュー部43と、ナビゲーション画面45とを含む。ナビゲーション画面45は、ホーム画面41の略中央に位置し、ディスプレイ2に表示画面において大半を占有するメイン画面である。助手席アイコン42L及び運転席アイコン42R、並びにメニュー部43に含まれる各アイコンは、乗員によりタッチ操作可能なアイコンであり、アイコンごとに用途が異なる。助手席アイコン42Lは、後述する助手席設定画面を表示させるためのアイコンであり、運転席アイコン42Rは、後述する運転席設定画面を表示させるためのアイコンである。メニュー部43に含まれる空調アイコン431は、後述する空調設定画面を表示させるためのアイコンである。なお、
図3のホーム画面41は一例であって、ホーム画面41のメイン画面を、ナビゲーション画面45に限定するものではない。またホーム画面41に含まれる画面の数は特に限定されず、
図3の例とは異なり、ホーム画面41は、z軸方向に二分割された二画面を含んでいてもよい。
【0032】
助手席アイコン42Lは、助手席に対応付けられ、ホーム画面41上で、ナビゲーション画面45よりも下側であって運転席よりも助手席側に位置する。
図3に示すように、助手席アイコン42Lは、設定温度表示421Lと、動作状態表示422Lとを含む。設定温度表示421Lは、動作状態表示422Lの左側に位置し、助手席設定画面での設定温度を表す。動作状態表示422Lは、助手席のシート温度制御機器30の動作状態(オン状態/オフ状態)を表す。つまり、助手席アイコン42Lは、助手席設定画面における、助手席のシート温度制御機器30の動作状態を表すアイコンである。また
図3の例では、動作状態表示422Lとして、助手席のシートヒーター31及び空調シート32を示す画像が灰色で表示されている。動作状態表示422Lは、シートヒーター31及び空調シート32の動作状態に応じて、ファンを表すアイコン部及びシートヒーターの発熱を表すアイコン部の表示色が変わる。例えば、シートヒーター31が動作中の場合、動作状態表示422Lのうち、ファンを表すアイコン部はオレンジ色で表示され、またシートヒーター31が停止中の場合、当該アイコン部は灰色で表示される。また例えば、空調シート32が動作中の場合、動作状態表示422Lのうち、ファンを表すアイコン部は青色で表示され、また空調シート32が停止中の場合、当該アイコン部は灰色で表示される。
図3の例では、動作状態表示422Lは、シートヒーター31及び空調シート32がオフ状態であることを表している。また助手席のシート温度制御機器30がオートモードで動作している状態で、車室内の環境温度に応じて、環境温度制御部12により助手席のシート温度制御機器30の動作が変更された場合、表示制御部11は、変更されたシート温度制御機器30の動作状態に応じて、動作状態表示422Lを変更させる制御指令を、ディスプレイ2に出力する。
図3の例において、例えば、助手席のシートヒーター31がオートモードによりオフからオンに切り替わった場合、動作状態表示422Lのうち、ファンを表すアイコン部を灰色からオレンジ色に変更させる制御指令を、ディスプレイ2に出力する。これにより、乗員は、オートモードによる助手席のシート温度制御機器30の動作状態の変更を容易に把握できる。特に、
図3の例のように、助手席アイコン42Lは、ホーム画面41上で運転席よりも助手席側に位置するため、助手席乗員は助手席のシート温度制御機器30の動作状態の変更を容易に把握することができ、シート温度制御機器30の動作状態の視認性を高めることができる。なお、
図3に示す助手席アイコン42Lは、助手席のシート温度制御機器30の設定内容を表した表示態様の一例に過ぎず、助手席アイコン42Lの表示態様を限定するものではない。
【0033】
助手席アイコン42L及び運転席アイコン42Rは、z軸に平行なホーム画面41の中心線に対して略線対称の関係に位置する。運転席アイコン42Rは、運転席に対応付けられ、ホーム画面41上で、ナビゲーション画面45よりも下側であって助手席よりも運転席側に位置する。
図3に示すように、運転席アイコン42Rは、設定温度表示421Rと、動作状態表示422Rと、動作状態表示423Rとを含む。設定温度表示421Rは、動作状態表示422R、423Rの右側に位置し、運転席設定画面での設定温度を表す。動作状態表示422Rは、動作状態表示423Rの右側に位置し、運転席のシート温度制御機器30の動作状態(オン状態/オフ状態)を表す。動作状態表示423Rは、ステアリングヒーター33の動作状態(オン状態/オフ状態)を表す。動作状態表示432Rは、運転席アイコン42Rには含まれるが、助手席アイコン42Lには含まれない。運転席アイコン42Rは、運転席設定画面における、運転席のシート温度制御機器30の動作状態を表すアイコンである。設定温度表示421Rの表示態様と、設定温度表示421Lの表示態様は同じであるため、既述の説明を援用する。また動作状態表示422の表示態様は、座席を表すアイコンが設定温度表示421Lにおける座席を表すアイコンと向き合うように表示される点で異なるが、それ以外は、設定温度表示421Lの表示態様と同じであるため、既述の説明を援用する。
図3の動作状態表示422Rは、運転席のシートヒーター31及び空調シート32がオフ状態であることを表している。また
図3の例では、動作状態表示423Rとして、ステアリングヒーター33を示すアイコンが灰色で表示されている。動作状態表示423Rは、ステアリングヒーター33がオン状態の場合、オレンジ色で表示され、ステアリングヒーター33がオフ状態の場合、灰色で表示される。
図3の例では、動作状態表示423Rは、ステアリングヒーター33がオフ状態であることを表している。また運転席のシート温度制御機器30及び/又はステアリングヒーター33の動作状態がオートモードにより変更された場合、表示制御部11は、助手席のシート温度制御機器30と同様に、動作状態表示422R、423Rを変更させる制御指令を、ディスプレイ2に出力する。
図3の例において、例えば、運転席のステアリングヒーター33がオートモードによりオフからオンに切り替わった場合、ステアリングヒーター33を表す画像の色を灰色からオレンジ色に変更させる制御指令を、ディスプレイ2に出力する。これにより、乗員は、オートモードによる運転席のシート温度制御機器30及び/又はステアリングヒーター33の動作状態の変更を容易に把握できる。特に、
図3の例のように、運転席アイコン42Rは、ホーム画面41上で助手席よりも運転席側に位置するため、ドライバーは運転席のシート温度制御機器30及びステアリングヒーター33の動作状態の変更を容易に把握することができ、シート温度制御機器30及びステアリングヒーター33の動作状態の視認性を高めることができる。
【0034】
メニュー部43は、乗員が選択可能な各メニューを表示する部分である。メニュー部43には、空調アイコン431を含む複数のアイコンがz軸方向に並んでいる。メニュー部43は、ホーム画面41上で、ナビゲーション画面45の右側に位置し、助手席よりも運転席側に位置する。空調アイコン431は、空調機器34に対応づけられ、メニュー部43における最下段に位置する。なお、空調アイコン431を除いたメニュー部43に含まれるその他のアイコンについて、その数及び用途は特に限定されない。メニュー部43に含まれるアイコンの数及び用途は、車両の仕様に応じて予め決められている。
【0035】
次に、
図3に示す助手席アイコン42L、運転席アイコン42R、及び空調アイコン431の各アイコンがタッチ操作された場合の表示制御部11の動作について説明する。表示制御部11は、タッチ操作されたアイコンの種別に応じて異なる制御指令をディスプレイ2に出力し、各アイコンに対応付けられた画面をディスプレイ2に表示させる。表示制御部11は、助手席アイコン42L及び運転席アイコン42Rのうち一方の座席アイコンが操作された場合、助手席アイコン42L及び運転席アイコン42Rのうち一方の座席の設定画面を表示させる制御指令を、ディスプレイ2に出力する。設定画面は、ホーム画面41で操作された一方の座席アイコンの温度制御に関する制御項目を乗員が入力可能な表示を含む。また設定画面は、ディスプレイ2の表示画面上で、助手席及び運転席のうち他方の座席よりも一方の座席側に位置する。また表示制御部11は、空調アイコン431が操作された場合、ホーム画面41から空調設定画面に切り替え表示させる制御指令を、ディスプレイ2に出力する。
【0036】
乗員が助手席アイコン42Lをタッチ操作した場合にディスプレイ2に表示される助手席設定画面について説明する。乗員が助手席アイコン42Lをタッチ操作した場合、表示制御部11は、ホーム画面41上でタッチ操作された位置を検出し、検出された位置が助手席アイコン42Lの位置に対応していることを認識する。助手席アイコン42Lへのタッチ操作は、設定温度表示421Lへのタッチ操作及び動作状態表示422Lへのタッチ操作を含む。表示制御部11は、設定温度表示421L又は動作状態表示422Lのいずれかにタッチ操作が行われた場合、助手席アイコン42Lに対してタッチ操作が行われたと認識する。表示制御部11は、メモリから助手席設定画面の画像データを読み出す。表示制御部11は、メモリから読み出した助手席設定画面の画像データを表示させる制御指令(第2制御指令L)をディスプレイ2に出力する。本実施形態では、第2制御指令Lは、助手席設定画面をホーム画面41に重畳して表示させる制御指令を含む。また第2制御指令Lは、助手席設定画面が助手席アイコン42Lを覆う位置に表示させる制御指令を含む。さらに、
図3の例のように、ホーム画面41に現在地アイコンPが表示されている場合、第2制御指令Lは、ホーム画面41のうち助手席設定画面が重畳されていない領域に現在地アイコンPを表示させる制御指令を含む。また第2制御指令Lは、助手席設定画面が表示される前に比べて、ホーム画面41の明度を低くさせる制御指令を含む。
【0037】
図4は、
図3に示すホーム画面41内の助手席アイコン42Lがタッチ操作された場合に、ディスプレイ2に表示される助手席設定画面51の一例である。助手席設定画面51は、乗員が助手席のシート温度制御機器30を設定するための画面である。助手席設定画面51は、ホーム画面41上に生成された新たなウィンド内に表示される。助手席設定画面51は、ホーム画面41よりも小さく、かつ、
図3に示す助手席アイコン42Lよりも大きい。また助手席設定画面51は、ディスプレイ2の表示画面上で、運転席よりも助手席側に位置する。また助手席設定画面51は、ホーム画面41内の助手席アイコン42Lを覆うようにホーム画面41に重畳して表示される。ホーム画面41は、助手席設定画面51に重畳されていない領域41aを有する。
図4に示すホーム画面41の明度は、
図3に示すホーム画面41の明度に比べて低い。なお、
図4に示すホーム画面41の明度の絶対値は、特に限定されず、
図3に示すホーム画面41の明度に対して相対的に低ければよい。ホーム画面41の明度の低下により、助手席設定画面51が相対的に強調され、乗員は、助手席設定画面51の表示内容を確認しやすくなる。またホーム画面41の領域41aには、ナビゲーション画面45の現在地アイコンPが表示されている。
図4に示す現在地アイコンPは、
図3に示す現在地アイコンPに対応している。助手席設定画面51が表示されても、ドライバーは、現在地アイコンPにより車両の現在地を容易に把握できる。特に、助手席設定画面51の表示によって、運転中のドライバーが車両の現在地を把握できなくなり、ドライバーの運転に影響を与えることを抑制できる。
【0038】
助手席設定画面51は、助手席を表す座席画像52と、メインスイッチボタン表示53aと、モードスイッチボタン表示53bと、シートヒーターボタン表示53cと、空調シートボタン表示53dと、温度調整バー54と、温度表示画像55とを含む。これらのボタン表示、バー、及び画像は、助手席の温度制御に関する制御項目を乗員が入力可能な表示である。座席画像52は、実際の助手席よりも、z軸を中心軸として車両の前進方向よりも時計回りに、所定角度(例えば、10度から45度の範囲)回転して表示される。メインスイッチボタン表示53aは、助手席のシート温度制御機器30のオン、オフをタッチ操作で切り替えるための表示である。ボタン表示は、オフ状態で白抜きになり、オン状態では、白抜き部分がオレンジ色になる。なお、以下の説明で、他のボタン表示のオン/オフ表示も同様に、白抜き表示とオレンジ色の表示で表される。モードスイッチボタン表示53bは、助手席のシート温度制御機器30の動作モード(オートモード/マニュアルモード)を切り替えるためのボタン表示である。シートヒーターボタン表示53cは、シートヒーター31のオン、オフをタッチ操作で切り替えるための表示である。空調シートボタン表示53dは、空調シート32のオン/オフをタッチ操作で切り替えるための表示である。シートヒーターボタン表示53は、シートヒーター31を表すアイコンで表示され、また空調シートボタン表示53dは、空調シート32を表すアイコンで表示されるため、乗員は、各ボタンにより操作可能な機器を識別できる。これらのボタン表示の一部又は全部は、座席画像52bに重畳して表示される。
【0039】
また座席画像52は、助手席のシート温度制御機器30の動作状態を表す動作状態画像52aを含む。動作状態画像52aは、目盛り表示を含む。目盛り表示は、助手席のシートヒーター31の発熱レベル又は空調シート32の風量レベルを表す。
図4の例では、目盛り表示は3目盛り分を表しているが、目盛りの数は特に限定されない。動作状態画像52aの表示態様は、乗員によるボタン表示及び動作状態画像52aへの操作に応じて変化する。例えば、乗員がシートヒーターボタン表示53cをタッチすると、表示制御部11は、動作状態画像52aの色をそれまでの表示色から赤色に変更させる制御指令をディスプレイ2に出力して、動作状態画像52aの色を赤色に変える。赤色は、シートヒーター31の発熱を表す。また表示制御部11は、乗員が動作状態画像52aをタッチした回数に応じて、動作状態画像52aの目盛り表示を変化させる。例えば、乗員が動作状態画像52aを複数回タッチした場合、表示制御部11は、タッチされた回数と目盛り表示の目盛りの数が連動するように、赤色の目盛り表示をz軸正方向に増やす制御指令を、ディスプレイ2に出力する。また例えば、乗員が空調シートボタン表示53dをタッチすると、表示制御部11は、動作状態画像52aの色をそれまでの表示色から青色に変更させる制御指令をディスプレイ2に出力して、動作状態画像52aの色を青色に変える。青色は、空調シート32の送風を表す。例えば、乗員が動作状態画像52aを複数回タッチした場合、表示制御部11は、タッチされた回数と目盛り表示の目盛りの数が連動するように、青色の目盛り表示をz軸正方向に増やすための制御指令を、ディスプレイ2に出力する。このように、動作状態画像52aの表示態様は乗員の操作に応じて変化するため、乗員は助手席のシートヒーター31の発熱レベル又は空調シート32の風量レベルを、視覚を通じて容易に把握できる。特に、シートヒーター31の動作は赤色で表示され、また空調シート32の動作は青色で表示されるため、乗員は、動作状態画像52aの表示色から動作中の機器を直感的に把握できるため、動作状態画像52aの視認性を高めることができる。なお、
図4を用いて説明した、動作状態画像52aの表示態様及び表示態様の制御方法は一例であって、その他の表示態様及び表示態様の制御方法であってもよい。
【0040】
次に、温度調整バー54について説明する。
図4に示すように、座席画像52の左側には、温度調整バー54が表示される。温度調整バー54は、z軸に沿う線分の画像と、線分上を移動可能なボタン表示54cを有する。線分の画像の上端54aは赤色に表示されており、線分の画像の下端54bは青色に表示されている。なお、
図4では、色の代わりにドットが使われている。また
図5、6に示す温度調整バーも同様に、色の代わりにドットが使われている。また線分の画像は、上端54aから下端54bに向けて、赤から青に変化するようなグラデーション表示になっている。線分上のボタン表示54cは、タップ、スワップ、及び又はフリックなどのタッチ操作により移動可能である。ボタン表示54cがタッチ操作により線の上端54aに向かって移動した場合には、オートモードでの助手席の環境温度制御装置3の設定温度が高くなる。一方、ボタン表示54cがタッチ操作により線分の下端54bに向かって移動した場合には、オートモードでの助手席の環境温度制御装置3の設定温度が低くなる。温度調整バー54に含まれるボタン表示54cの位置により、助手席の環境温度制御装置3の設定温度が変わる。温度調整バー54は、助手席の空間における設定温度を調整するための調整用アイコンである。すなわち、環境温度制御部12は、温度調整バー54が上方向のタッチ操作により操作された場合には、助手席の環境温度制御装置3の設定温度を上げる制御指令を出力し、温度調整バー54が下方向のタッチ操作により操作された場合には、助手席の環境温度制御装置3の設定温度を下げる制御指令を出力する。これにより、乗員はディスプレイ2に対するタッチ操作で容易に助手席の環境温度制御装置3の設定温度を変えることができる。また温度調整バー54の上端54a及び下端54bが赤/青で区別されているため、温度を上下するために、どちらの方向にタッチ操作を行えばよいか、乗員は助手席設定画面から容易に把握できる。
【0041】
また温度調整バー54に含まれるボタン表示54cが方向性タッチ操作で操作された場合には、方向性タッチ操作の操作速度に応じて、設定温度の変化単位を変えてもよい。設定温度の変化単位は、多段階で予め設定されており、例えば0.5℃及び1.0℃等に予め設定されている。そして、ボタン表示54cの移動速度が所定の速度閾値以下である場合には、環境温度制御部12は、設定温度の変化単位(単位あたりの温度変化量)を最小単位(0.5℃)に設定する。ボタン表示54cの移動速度が所定の速度閾値より大きい場合には、環境温度制御部12は、設定温度の変化単位(単位あたりの温度変化量)を、最小単位より大きい単位(例えば1.0℃)に設定する。例えば乗員がボタン表示54cをスワイプで操作した場合に、スワイプによるボタン表示54cの移動速度が大きいときには、スワイプでのボタン表示54cの移動量に対して、設定温度の変化量は大きくなる。一方、同じスワイプによるタッチ操作で、ボタン表示54cの移動速度が小さいときには、スワイプでのボタンの移動量が同じであっても、設定温度の変化量は小さくなる。つまり、ボタン表示54cの移動量が同じでも、移動速度の違いにより、設定温度の変化量は変わる。タッチ操作の移動速度が大きいほど、設定温度の変化単位が大きくなるため、設定温度の変化幅も大きくなる。これにより、方向性タッチ操作によるボタン表示54cの移動速度で、設定温度の変化単位を調整できるため、容易に温度を調整できる。
【0042】
次に、温度表示画像55について説明する。
図4に示すように、温度調整バー54の左側には、温度表示画像55が表示される。温度表示画像55は、温度メータ55aと、アップボタン表示55bと、ダウンボタン表示55cを有している。温度メータ55aは、現在の設定温度を示している。アップボタン表示55bは設定温度を増加させるためのボタンであり、ダウンボタン表示55cは設定温度を減少させるためのボタンである。アップボタン表示55bを1回タッチすると設定温度が所定の変化単位(例えば、0.5℃)分、上昇する。またダウンボタン表示55cを1回タッチすると設定温度が所定の変化単位(例えば、0.5℃)分、下降する。またアップボタン表示55bは赤色に表示されており、ダウンボタン表示56cは青色に表示されている。これにより、乗員は、現在の設定温度を確認し、助手席設定画面51に対するタッチ操作で容易に助手席の環境温度制御装置3の設定温度を変えることができる。また、アップボタン表示55b及びダウンボタン表示56cが赤/青で区別されているため、温度を上下するために、どちらのボタンをタッチすればよいか、乗員は助手席設定画面51から容易に把握できる。なお、温度調整バー54及び温度表示画像55での設定温度により制御される対象は、少なくとも空調機器34であればよく、シートヒーター31及び空調シート32は対象外であってもよい。
【0043】
助手席設定画面51を表示するウィンドは、表示制御部11により、所定条件を満たすことで閉じるように制御される。例えば、助手席設定画面51の表示後に一定時間が経過した場合(タイムアウトした場合)、又はホーム画面41の領域41aが乗員によりタッチ操作された場合、表示制御部11は、助手席設定画面51を閉じるための制御指令、及びホーム画面41の明度を助手席設定画面51の表示前に戻す制御指令をディスプレイ2に出力する。これにより、助手席設定画面51は閉じ、ディスプレイ2には
図3に示すホーム画面41が表示される。なお、助手席設定画面51が表示されている間、ホーム画面41の表示は、助手席設定画面51とは独立して表示制御部11により制御される。
図4の例のように、ホーム画面41に現在地アイコンPが表示されている場合、表示制御部11は、助手席設定画面51の表示後であっても、車両の移動に応じて、現在地アイコンPの表示位置を変更させる制御指令をディスプレイ2に出力する。これにより、ドライバーは、助手席設定画面51の表示前後において、ナビゲーション画面45を確認しながら運転することができる。
【0044】
次に、乗員が
図3に示す運転席アイコン42Rをタッチ操作した場合にディスプレイ2に表示される運転席設定画面について説明する。乗員が運転席アイコン42Rをタッチ操作した場合、表示制御部11は、ホーム画面41上でタッチ操作された位置を検出し、検出された位置が運転席アイコン42Rの位置に対応していることを認識する。運転席アイコン42へのタッチ操作は、設定温度表示421Rへのタッチ操作、動作状態表示422Rへのタッチ操作、及び動作状態表示423Rへのタッチ操作を含む。表示制御部11は、設定温度表示421R、動作状態表示422R、又は動作状態表示423Rのいずれかにタッチ操作が行われた場合、運転席アイコン42Rに対してタッチ操作が行われたものと認識する。表示制御部11は、メモリから後述する運転席設定画面の画像データを読み出す。表示制御部11は、メモリから読み出した画像データを表示させる制御指令(第2制御指令R)をディスプレイ2に出力する。本実施形態では、第2制御指令Rは、運転席設定画面をホーム画面41に重畳して表示させる制御指令を含む。また第2制御指令Rは、運転席設定画面が運転席アイコン42Rを覆う位置に表示させる制御指令を含む。さらに、助手席設定画面と同様に、ホーム画面41に現在地アイコンPが表示されている場合、第2制御指令Rは、ホーム画面41のうち運転席設定画面が重畳されていない領域に現在地アイコンPを表示させる制御指令を含む。また第2制御指令Rは、運転席設定画面が表示される前に比べて、ホーム画面41の明度を低くさせる制御指令を含む。
【0045】
図5は、
図3に示すホーム画面41内の運転席アイコン42Rがタッチ操作された場合に、ディスプレイ2に表示される運転席設定画面61の一例である。運転席設定画面61は、乗員が運転席のシート温度制御機器30を設定するための画面である。運転席設定画面61は、ホーム画面41上に生成された新たなウィンド内に表示される。運転席設定画面61は、ホーム画面41よりも小さく、かつ、
図3に示す運転席アイコン42Rよりも大きい。なお、運転席設定画面61は、
図4に示す助手席設定画面51と同じ大きさとする。また運転席設定画面61は、ディスプレイ2の表示画面上で、助手席よりも運転席側に位置する。また運転席設定画面61は、ホーム画面41内の運転席アイコン42Rを覆うようにホーム画面41に重畳して表示される。ホーム画面41は、運転席設定画面61に重畳されていない領域41bを有する。
図5に示すホーム画面41の明度は、
図3に示すホーム画面41の明度に比べて低い。なお、
図4に示すホーム画面41と同様、
図5に示すホーム画面41の明度の絶対値は特に限定されず、
図3に示すホーム画面41の明度に対して相対的に低ければよい。ホーム画面41の明度の低下により、運転席設定画面61が相対的に強調され、乗員は、運転席設定画面61の表示内容を確認しやすくなる。またホーム画面41の領域41bには、ナビゲーション画面45の現在地アイコンPが表示されている。
図5に示す現在地アイコンPは、
図3に示す現在地アイコンPに対応している。運転席設定画面61が表示されても、ドライバーは、現在地アイコンPにより車両の現在地を容易に把握できる。
【0046】
運転席設定画面61は、運転席を表す座席画像62と、メインスイッチボタン表示63aと、モードスイッチボタン表示63bと、シートヒーターボタン表示63cと、空調シートボタン表示63dと、温度調整バー64と、温度表示画像65と、ステアリングヒーターボタン表示66と、同期スイッチボタン表示67とを含む。これらのボタン表示、バー、及び画像のうち、同期スイッチボタン表示67を除くものは、運転席の温度制御に関する制御項目を乗員が入力可能な表示である。座席画像62は、実際の運転席よりも、z軸を中心軸として車両の前進方向よりも反時計回りに、所定角度(例えば、10度から45度の範囲)回転して表示される。メインスイッチボタン表示63aは、運転席のシート温度制御機器30のオン、オフをタッチ操作で切り替えるためのボタン表示である。モードスイッチボタン表示63bは、運転席のシート温度制御機器30の動作モード(オートモード/マニュアルモード)を切り替えるための表示である。シートヒーターボタン表示63cは、シートヒーター31のオン、オフをタッチ操作で切り替えるための表示である。空調シートボタン表示63dは、空調シート32のオン/オフをタッチ操作で切り替えるための表示である。ステアリングヒーターボタン表示66は、座席画像62と温度調整バー64の間に表示され、ステアリングヒーター33のオン/オフをタッチ操作で切り替えるための表示である。これらのボタン表示の一部又は全部は、座席画像62に重畳して表示される。運転席設定画面61では、ステアリングヒーターボタン表示66及び同期スイッチボタン表示67を除いた各ボタン表示は、助手席設定画面51での各ボタン表示の配置に対して、z軸に対して線対称に配置される。また運転席設定画面61は、ステアリングヒーターボタン表示66及び同期スイッチボタン表示67を含む点で、
図4に示す助手席設定画面51とは異なる。
図4に示す助手席設定画面51には、ステアリングヒーターボタン表示66は表示されない。助手席設定画面51と共通する構成については、
図4での説明を援用する。
【0047】
次に、同期スイッチボタン表示67について説明する。同期スイッチボタン表示67は、運転席のシート温度制御機器30の動作と助手席のシート温度制御機器30の動作とを同期させることが可能な表示である。同期スイッチボタン表示67がオンの場合には、乗員は、運転席設定画面61の表示内容を操作することで、運転席のシート温度制御機器30の動作だけでなく、助手席のシート温度制御機器30を動作させることができる。例えば、助手席乗員が寝ている等、助手席乗員が助手席設定画面51を操作できない状況では、ドライバーは、同期スイッチボタン表示67をオンにして、助手席のシート温度制御機器30を操作できる。ドライバーが、助手席アイコン42L(
図3参照)をタッチ操作して、助手席設定画面51(
図4参照)から助手席のシート温度制御機器30を操作することを防げるため、ドライバーは容易に助手席のシート温度制御機器30を操作できる。特に、運転中のドライバーに不要な操作をさせることを防げるため、ドライバーの負担を軽減することができる。一方、同期スイッチボタン表示67がオフの場合には、乗員は、運転席設定画面61の表示内容を操作しても、運転席のシート温度制御機器30を操作できるだけで、助手席のシート温度制御機器30を操作できない。なお、ステアリングヒーター33は、運転席のみに設けられているため、同期スイッチボタン表示67のオン及びオフに関わらず、乗員は、ステアリングヒーターボタン表示66からステアリングヒーター33を操作する。
【0048】
運転席設定画面61を表示するウィンドは、表示制御部11により、所定条件を満たすことで閉じるように制御される。例えば、運転席設定画面61の表示後に一定時間が経過した場合(タイムアウトした場合)、又はホーム画面41の領域41bが乗員によりタッチ操作された場合、表示制御部11は、運転席設定画面61を閉じる制御指令、及びホーム画面41の明度を運転席設定画面61の表示前に戻す制御指令をディスプレイ2に出力する。これにより、運転席設定画面61は閉じ、ディスプレイ2には
図3に示すホーム画面41が表示される。なお、運転席設定画面61が表示されている間、ホーム画面41の表示は、助手席設定画面51が表示されている場合と同様に、運転席設定画面61とは独立して表示制御部11により制御される。
【0049】
次に、乗員が
図3に示す空調アイコン431をタッチ操作した場合にディスプレイ2に表示される空調設定画面ついて説明する。乗員が空調アイコン431をタッチ操作した場合、表示制御部11は、ホーム画面41上でタッチ操作された位置を検出し、検出された位置が空調アイコン431の位置に対応していることを認識する。表示制御部11は、メモリから後述する空調設定画面の画像データを読み出す。表示制御部11は、メモリから読み出した画像データを表示させる制御指令(第3制御指令)をディスプレイ2に出力する。第3制御指令は、ディスプレイ2の表示画面をホーム画面41から空調設定画面に切り替えるための制御指令である。
【0050】
図6は、
図3に示すホーム画面41内の空調アイコン431がタッチ操作された場合に、ディスプレイ2に表示される空調設定画面71の一例である。空調設定画面71は、乗員が空調機器34を設定するための画面である。空調設定画面71は、
図3に示すホーム画面41と同様の大きさであり、ホーム画面41は、
図4及び
図5の例と異なり、空調設定画面71が表示された場合には、ディスプレイ2に表示されない。
【0051】
空調設定画面71は、助手席を表す座席画像72と、運転席を表す座席画像73と、メインスイッチボタン表示74と、モードスイッチボタン表示75と、ステアリングヒーターボタン表示76と、後席アイコン77と、温度調整部78R、78Lと、同期スイッチボタン表示79と、リターンアイコン80とを含む。また詳細な説明は省略するが、座席画像72と座席画像73の間には、空調機器34の風量、風向きを乗員が操作可能なボタン表示やアイコン等が存在する。乗員は、座席画像72と座席画像73の間に配置されたボタン表示やアイコン等、又は温度調整部78R、78Lを操作することで、助手席及び運転席に対して空調機器34の風量、風向き、及び設定温度のうち少なくとも何れか一つを操作することができる。
【0052】
メインスイッチボタン表示74は、空調機器34のオン/オフをタッチ操作で切り替えるためのボタン表示ある。モードスイッチボタン表示75は、空調機器34の動作モード(オートモード/マニュアルモード)を切り替えるためのボタン表示である。ステアリングヒーターボタン表示76は、ステアリングヒーター33のオン/オフをタッチ操作で切り替えるためのボタン表示である。後席アイコン77は、後述する後部座席設定画面を表示させるためのアイコンである。温度調整部78Rは、運転席側の座席空間の温度調整するための表示であり、温度調整部78Lは、助手席側の座席空間の温度調整するための表示である。温度調整部78R及び温度調整部78Lは、それぞれ、
図4の温度調整バー54(
図5の温度調整バー64)と同様の温度調整バーと、
図4の温度表示画像55(
図5の温度表示画像65)と同様の温度表示画像で構成されているため、操作方法等については、既述の説明を援用する。同期スイッチボタン表示79は、空調機器34から運転席に向かう運転席風と、空調機器34から助手席に向かう助手席風とを同期して調整するためのスイッチである。リターンアイコン80は、ディスプレイ2の表示画面を、空調設定画面71が表示される前の画面に戻すための画面である。リターンアイコン80がタッチされた場合、表示制御部11は、表示画面を空調設定画面71が表示される前の画面に戻すための制御指令を、ディスプレイ2に出力する。
【0053】
座席画像72は、助手席のシート温度制御機器30の動作状態を表す動作状態画像72a、72bを含む。座席画像72は、
図4に示す座席画像52よりも、z軸を中心軸にして車両の前進方向よりも反時計回りに、所定角度回転し、また実際の助手席よりも、z軸を中心にして車両の前進方向よりも時計回りに所定角度回転して表示される。動作状態画像72aでは、シートヒーター31を表す画像又は空調シート32を表す画像が、動作中の機器に応じて切り替わる。また動作状態画像72bでは、シートヒーター31の発熱レベルを表す画像又は空調シート32の風量レベルを表す画像が、シートヒーター31の発熱レベル又は空調シート32の風量レベルに連動して切り替わる。例えば、オートモードによりシートヒーター31の発熱レベルが1レベル上がった場合、表示制御部11は、動作状態画像72bの目盛りを1つ増やすための制御指令をディスプレイ2に出力する。また動作状態画像72bでは、
図4で説明した動作状態画像52aと同様に、動作中の機器に応じて、シートヒーター31の発熱を表す赤色又は空調シート32の送風を表す青色に表示色が切り替わる。また座席画像72がタッチ操作された場合、表示制御部11は、
図4に示す助手席設定画面51とは異なる第2助手席設定画面を表示させる。第2助手席設定画面については後述する。
【0054】
座席画像73は、運転席のシート温度制御機器30の動作状態を表す動作状態画像73a、73bを含む。座席画像73は、
図5に示す座席画像62よりも、z軸を中心軸にして車両の前進方向よりも時計回りに所定角度回転し、また実際の運転席よりも、z軸を中心にして車両の前進方向よりも反時計回りに所定角度回転して表示される。動作状態画像73a、73bは、連動する機器が運転席のシート温度制御機器30に変わる以外は、動作状態画像72a、72bと同様の画像であるため、既述の説明を援用する。また座席画像73がタッチ操作された場合、表示制御部11は、
図5に示す運転席設定画面61とは異なる第2運転席設定画面をディスプレイ2に表示させる。第2運転席設定画面については後述する。
【0055】
次に、乗員が
図6に示す座席画像72をタッチ操作した場合にディスプレイ2に表示される第2助手席設定画面について説明する。乗員が座席画像72をタッチ操作した場合、表示制御部11は、空調設定画面71上でタッチ操作された位置を検出し、検出された位置が座席画像72の位置に対応していることを認識する。表示制御部11は、メモリから後述する第2助手席設定画面を読み出す。表示制御部11は、メモリから読み出した画像データを表示させる制御指令(第4制御指令L)をディスプレイ2に出力する。第4制御指令Lは、第2運転席設定画面が表示される前に比べて、空調設定画面71の明度を低くさせる制御指令を含む。
【0056】
図7は、
図6に示す空調設定画面71内の座席画像72がタッチ操作された場合に、ディスプレイ2に表示される第2助手席設定画面81の一例である。第2助手席設定画面81は、乗員が助手席のシート温度制御機器30を設定するための画面である。第2助手席設定画面81は、
図6に示す空調設定画面71と同様の大きさである。なお、
図7の例では、
図6の空調設定画面71に比べて明度が低い空調設定画面が表示されているが、第2助手席設定画面81が表示された際には、空調設定画面は表示されなくてもよい。
【0057】
第2助手席設定画面81は、助手席を表す座席画像82と、メインスイッチボタン表示83aと、モードスイッチボタン表示83bと、シートヒーターボタン表示83cと、空調シートボタン表示83dとを含む。これらの画像、ボタン表示は、助手席のシート温度制御機器30の制御項目を乗員が入力可能な表示である。座席画像82(動作状態画像82aを含む)、メインスイッチボタン表示83a、モードスイッチボタン表示83b、シートヒーターボタン表示83c、及び空調シートボタン表示83dは、それぞれ、
図4に示す座席画像52(動作状態画像52aを含む)、メインスイッチボタン表示83a、モードスイッチボタン表示83b、シートヒーターボタン表示83c、及び空調シートボタン表示83dに対応している。
図4を用いて説明したように、乗員は、これらのボタン表示及び座席画像を操作することで、助手席のシート温度制御機器30を操作することができる。また座席画像82は、
図7に示す座席画像72に比べて、座席の向きが変わるため、座席の向きの変化によって、乗員は、助手席のシート温度制御機器30を操作できることを容易に把握できる。なお、各ボタン表示及び動作状態画像82aの表示態様、及び乗員による操作方法については、
図4での説明を援用する。また第2助手席設定画面81は、
図4に示す助手席設定画面51内の温度調整バー54及び温度表示画像55に相当する表示内容を含まない。助手席のシート温度制御機器30がオートモードで動作する場合、乗員は、
図7に示す温度調整部78Lに含まれる温度調整バー及び温度表示画像を操作することで、オートモードでの助手席のシート温度制御機器30の動作を制御することができる。
【0058】
次に、乗員が
図6に示す座席画像73をタッチ操作した場合にディスプレイ2に表示される第2運転席設定画面について説明する。乗員が座席画像73をタッチ操作した場合、表示制御部11は、空調設定画面71上でタッチ操作された位置を検出し、検出された位置が座席画像73の位置に対応していることを認識する。表示制御部11は、メモリから後述する第2運転席設定画面を読み出す。表示制御部11は、メモリから読み出した画像データを表示させる制御指令(第4制御指令R)をディスプレイ2に出力する。第4制御指令Rは、第2運転席設定画面が表示される前に比べて、空調設定画面71の明度を低くさせる制御指令を含む。
【0059】
図8は、
図6に示す空調設定画面71内の座席画像73がタッチ操作された場合に、ディスプレイ2に表示される第2運転席設定画面91の一例である。第2運転席設定画面91は、乗員が運転席のシート温度制御機器30を設定するための画面である。第2運転席設定画面91は、
図6に示す空調設定画面71と同様の大きさである。なお、
図8の例では、
図6の空調設定画面71に比べて明度が低い空調設定画面が表示されているが、
図7の第2助手席設定画面81と同様に、第2運転席設定画面91が表示された際には、空調設定画面は表示されなくてもよい。
【0060】
第2運転席設定画面91は、運転席を表す座席画像92と、メインスイッチボタン表示93aと、モードスイッチボタン表示93bと、シートヒーターボタン表示93cと、空調シートボタン表示93dとを含む。これらの画像、ボタン表示は、運転席のシート温度制御機器30の制御項目を乗員が入力可能な表示である。座席画像92(動作状態画像92aを含む)、メインスイッチボタン表示93a、モードスイッチボタン表示93b、シートヒーターボタン表示93c、及び空調シートボタン表示93dは、それぞれ、
図5に示す座席画像62(動作状態画像62aを含む)、メインスイッチボタン表示63a、モードスイッチボタン表示63b、シートヒーターボタン表示63c、及び空調シートボタン表示63dに対応している。
図5を用いて説明したように、乗員は、これらのボタン表示及び画像を操作することで、運転席のシート温度制御機器30を操作することができる。また座席画像92は、
図7に示す座席画像73に比べて、座席の向きが変わるため、座席の向きの変化によって、乗員は、運転席のシート温度制御機器30を操作できることを容易に把握できる。なお、各ボタン表示及び動作状態画像92aの表示態様、及び乗員による操作方法については、
図5での説明を援用する。また第2運転席設定画面91は、
図8に示す第2助手席設定画面81と同様に、
図5に示す運転席設定画面61内の温度調整バー64及び温度表示画像65に相当する表示内容を含まない。運転席のシート温度制御機器30がオートモードで動作する場合、乗員は、
図7に示す温度調整部78Rに含まれる温度調整バー及び温度表示画像を操作することで、オートモードでの運転席のシート温度制御機器30の動作を制御することができる。
【0061】
次に、乗員が
図6に示す後席アイコン77をタッチ操作した場合にディスプレイ2に表示される後部座席設定画面について説明する。乗員が後席アイコン77をタッチ操作した場合、表示制御部11は、空調設定画面71上でタッチ操作された位置を検出し、検出された位置が後席アイコン77の位置に対応していることを認識する。表示制御部11は、メモリから後述する後部座席設定画面を読み出す。表示制御部11は、メモリから読み出した画像データを表示させる制御指令(第5制御指令)をディスプレイ2に出力する。第5制御指令は、後部座席設定画面が表示される前に比べて、空調設定画面71の明度を低くさせる制御指令を含む。
【0062】
図9は、
図6に示す空調設定画面71内の後席アイコン77がタッチ操作された場合に、ディスプレイ2に表示される後部座席設定画面101の一例である。後部座席設定画面101は、乗員が後部座席のシート温度制御機器30を設定するための画面である。後部座席設定画面101は、
図6に示す空調設定画面71と同様の大きさである。
【0063】
後部座席設定画面101は、後部座席を表す座席画像102と、前席アイコン103と、リターンアイコン104とを含む。座席画像102は、後部座席のシート温度制御機器30の動作状態を表す動作状態画像102a、102bを含む。動作状態画像102a、102bが表示される数は、後部座席のシート温度制御機器30の数に対応している。
図9の後部座席設定画面101では、後部座席に2つのシート温度制御機器30が設けられていることを表している。動作状態画像102aでは、シートヒーター31を表す画像又は空調シート32を表す画像が、動作中の機器に応じて切り替わる。動作状態画像102aの表示態様は、
図6に示す動作状態画像72aの表示態様に対応しているため、既述の説明を援用する。また動作状態画像102bでは、
図4で説明した動作状態画像52aと同様に、動作中の機器に応じて、シートヒーター31の発熱を表す赤色又は空調シート32の送風を表す青色に表示色が切り替わる。ドライバー又は助手席乗員は、動作状態画像102bをタッチ操作することで、後部座席のシート温度制御機器30を制御することができる。なお、
図9の例では、動作状態画像102a、102bが2つ表示されているが、一方へのタッチ操作に対して、後部座席に設けられた2つのシート温度制御機器30が連動して動作してもよいし、また動作状態画像102a、102bごとに、後部座席に設けられた2つのシート温度制御機器30が個別に動作してもよい。
【0064】
前席アイコン103は、ディスプレイ2の表示画面を、
図6に示す空調設定画面71に戻すためのアイコンである。表示制御部11は、乗員が前席アイコン103をタッチ操作した場合、表示画面を空調設定画面71に戻すための制御指令をディスプレイ2に出力する。リターンアイコン104は、ディスプレイ2の表示画面を、後部座席設定画面101が表示される前の画面に戻すための画面である。リターンアイコン104がタッチされた場合、表示制御部11は、表示画面を後部座席設定画面101が表示される前の画面に戻すための制御指令を、ディスプレイ2に出力する。
【0065】
以上のように、本実施形態に係る環境温度制御システム1において、表示制御装置は、車両の運転席及び助手席から乗員がタッチ操作可能なタッチパネル式ディスプレイ2の表示画面を制御する。表示制御装置は、ディスプレイ2への乗員のタッチ操作に基づき、ディスプレイ2の表示画面を制御するコントローラ10を備える。コントローラ10は、助手席に対応付けられた助手席アイコン42L及び運転席に対応づけられた運転席アイコン42Rを含むホーム画面41を表示させる第1制御指令を出力し、助手席アイコン42L及び運転席アイコン42Rのうち一方の座席アイコンが操作された場合、助手席アイコン42L及び運転席アイコン42Rのうち一方の座席の設定画面(助手席設定画面51又は運転席設定画面61)を表示させる第2制御指令(第2制御指令L又は第2制御指令R)を出力する。助手席設定画面51は、助手席の温度制御に関する制御項目をユーザが入力可能な表示(座席画像52、メインスイッチボタン表示53a、モードスイッチボタン表示53b、シートヒーターボタン表示53c、空調シートボタン表示53d、温度調整バー54、温度表示画像55)を含み、表示画面上で、運転席よりも助手席側に位置する。また運転席設定画面61は、運転席の温度制御に関する制御項目をユーザが入力可能な表示(座席画像62、メインスイッチボタン表示63a、モードスイッチボタン表示63b、シートヒーターボタン表示63c、空調シートボタン表示63d、温度調整バー64、温度表示画像65)を含み、表示画面上で、助手席よりも運転席側に位置する。これにより、助手席から助手席設定画面51へ助手席乗員の手が届きやすくなり、また運転席から運転席設定画面61へドライバーの手が届きやすくなるため、ドライバーが座席に座った状態でも、操作性を高めることができる。また助手席乗員は、助手席のシート温度制御機器30の動作状態を確認しやすくなり、ドライバーは、運転席のシート温度制御機器30の動作状態を確認しやすくなるため、シート温度制御機器30の動作状態の視認性を高めることができる。
【0066】
また本実施形態において、第2制御指令Lは、助手席設定画面51をホーム画面41に重畳して表示させる制御指令を含み、第2制御指令Rは、運転席設定画面61をホーム画面41に重畳して表示させる制御指令を含む。これにより、乗員は、助手席設定画面51又は運転席設定画面61が表示されたことを直感的に把握できる。特に、運転中のドライバーは、車両前方を注視していても、周辺視野から助手席設定画面51が表示されたことを把握できるため、助手席乗員が操作したという事実を把握しやすくなる。
【0067】
また本実施形態において、運転席又は助手席の温度制御は、車両に設けられたシートヒーター31及び空調シート32のうち少なくとも一方の温度制御を含む。これにより、乗員は、助手席設定画面51又は運転席設定画面61の表示内容から、運転席又は助手席のシート温度制御機器30の動作状態を把握しやすくなる。
【0068】
また本実施形態において、助手席設定画面51及び運転席設定画面61は、ホーム画面41よりも小さく、かつ、助手席アイコン42L及び運転席アイコン42Rよりも大きい。これにより、乗員は、助手席設定画面51又は運転席設定画面61の背後に表示されるホーム画面41の表示内容を確認できるため、助手席設定画面51又は運転席設定画面61が表示される前後でホーム画面41の表示内容を把握できる。また助手席設定画面51及び運転席設定画面61は、助手席アイコン42L及び運転席アイコン42Rよりも大きいため、助手席設定画面51及び運転席設定画面61の視認性を高めることができる。
【0069】
また本実施形態において、ホーム画面41は、地図情報を表示内容に含む。これにより、ドライバーは、助手席設定画面51又は運転席設定画面61が表示される前後で、地図情報を確認しながら運転できる。
【0070】
また本実施形態において、第2制御指令Lは、ホーム画面41に車両の現在地を示す現在地アイコンPが表示されている場合、ホーム画面41のうち助手席設定画面51が重畳されてない領域41aに現在地アイコンPを表示させる制御指令を含む。また本実施形態において、第2制御指令Rは、ホーム画面41に現在地アイコンPが表示されている場合、ホーム画面41のうち運転席設定画面61が重畳されてない領域41bに現在地アイコンPを表示させる制御指令を含む。これにより、ドライバーは、助手席設定画面51又は運転席設定画面61が表示される前後で、車両の現在地を確認しながら運転できる。
【0071】
また本実施形態において、第2制御指令Lは、助手席設定画面51が表示される前に比べて、ホーム画面41の明度を低くさせる制御指令を含む。また本実施形態において、第2制御指令Rは、運転席設定画面61が表示される前に比べて、ホーム画面41の明度を低くさせる制御指令を含む。これにより、助手席設定画面51又は運転席設定画面61を相対的に強調して表示させることができ、乗員は、助手席設定画面51又は運転席設定画面61の表示内容を把握しやすくなる。また助手席設定画面51又は運転席設定画面61が表示された後でも、乗員は、ホーム画面41の表示内容を確認することができる。
【0072】
また本実施形態において、助手席設定画面51は、運転席の温度制御に関する表示を含まない。また本実施形態において、運転席設定画面61は、助手席の温度制御に関する表示を含まない。これにより、各設定画面の表示内容の数を減らすことができるため、各設定画面の縮小化を図ることができる。その結果、
図4又は
図5に示すように、乗員は、シート温度制御機器30を操作しながら、助手席設定画面51又は運転席設定画面61の背後に表示されるホーム画面41の表示内容を確認することができる。
【0073】
また本実施形態において、助手席設定画面51は、ステアリングヒーター33に関する表示を含まず、運転席設定画面61は、ステアリングヒーター33に関するステアリングヒーターボタン表示66を含む。これにより、乗員が助手席設定画面51及び運転席設定画面61を混同するのを抑制し、乗員は、助手席のシート温度制御機器30又は運転席のシート温度制御機器30のいずれかを操作可能なのかを容易に理解することができる。
【0074】
また本実施形態において、助手席設定画面51は、シートヒーター31の動作状態と空調シート32の動作状態とが異なる色で表示される動作状態画像52aを含む。また本実施形態において、運転席設定画面61は、シートヒーター31の動作状態と空調シート32の動作状態とが異なる色で表示される動作状態画像62aを含む。これにより、乗員は、シートヒーター31又は空調シート32のいずれの機器の動作状態を表しているのかを容易に把握できる。
【0075】
また本実施形態において、動作状態画像52a、62aは、目盛りの数の違いによりシートヒーター31の発熱レベル又は空調シート32の風量レベルを表す画像である。これにより、乗員は、シートヒーター31の発熱レベル又は空調シート32の風量レベルを容易に把握することができ、シート温度制御機器30の動作状態を容易に把握できる。
【0076】
また本実施形態において、ホーム画面41は、車両に搭載された空調機器34に対応付けられた空調アイコン431を含む。コントローラ10は、空調アイコン431が操作された場合、ホーム画面41から空調設定画面71に切り替え表示させる第3制御指令を出力する。空調設定画面71は、助手席及び運転席の空調制御に関する制御項目を乗員が入力可能な表示を含む。これにより、空調機器34を操作するための機械式のボタンやダイヤル等をディスプレイ2とは別に車両に設けることなく、乗員は空調機器34を操作することができる。その結果、車両に搭載する部品数が削減され、レイアウト設計の自由度を高めることができる。また部品数の削減により、インチ数が大きなディスプレイ2を搭載することができ、表示画面の操作性及び視認性を高めることができる。
【0077】
また本実施形態において、空調アイコン431は、ホーム画面41上で助手席よりも運転席側に位置する。これにより、運転席から空調アイコン431へドライバーの手が届きやすくなり、ドライバーは空調設定画面71を容易に表示させることができ、空調設定画面71の操作性を高めることができる。その結果、運転中のドライバーへの負荷を軽減させることができる。
【0078】
また本実施形態において、空調制御に関する制御項目は、助手席及び運転席に対しての空調機器34の風量、風向き、及び設定温度のうち少なくともいずれか一つを含む。これにより、例えば、車両走行中に助手席乗員が寝ている等、ディスプレイ2を操作できない場面であっても、ドライバーは、助手席への風量を下げるなど、ディスプレイ2を操作できない助手席乗員を配慮した操作をすることができる。
【0079】
また本実施形態において、空調設定画面71は、助手席及び運転席に設けられたシートヒーター31の発熱レベル又は空調シート32の風量レベルを表す動作状態画像72a、72b、73a、73bを含む。これにより、乗員は、空調機器34の動作状態だけでなく、助手席及び運転席のシート温度制御機器30の動作状態を把握することができる。ドライバーは、一画面で各機器の動作状態を把握できるため、運転中のドライバーへの負荷を軽減させることができる。
【0080】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0081】
例えば、上述の実施形態では、右ハンドル車を例に挙げて説明したが、本発明の表示制御装置及び表示制御方法は、左ハンドル車にも適用できる。詳細な説明は省略するが、運転席及び助手席の左右の配置関係に合わせて、ホーム画面上の助手席アイコン及び運転席アイコンの配置、また助手席設定画面及び運転席設定画面の表示位置を変更させればよい。
【0082】
また例えば、上述の実施形態では、目盛りの数によりシートヒーター31の発熱レベル又は空調シート32の風量レベルを表す動作状態画像を例に挙げて説明したが、シートヒーター31の発熱レベル又は空調シート32の風量レベルの表し方はその他の方法であってもよい。例えば、シートヒーター31の発熱レベル又は空調シート32の風量レベルに応じて、画像の大きさが変化する動作状態画像であってもよい。動作状態画像は、図形の大きさ又は数の違いにより、シートヒーター31の発熱レベル又は空調シート32の風量レベルを表す画像であればよい。
【符号の説明】
【0083】
1…環境温度制御システム
2…ディスプレイ
3…環境温度制御装置
10…コントローラ
11…表示制御部
12…環境温度制御部
30…シート温度制御機器
31…シートヒーター
32…空調シート
33…ステアリングヒーター
34…空調機器
40…ホーム画面
42L…助手席アイコン
42R…運転席アイコン
51…助手席設定画面
61…運転席設定画面
【手続補正書】
【提出日】2024-10-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の助手席及び運転席からユーザが操作可能なディスプレイの表示画面を制御する表示制御装置において、
前記ディスプレイへの前記ユーザの操作に基づき、前記表示画面を制御するコントローラを備え、
前記コントローラは、
前記助手席に対応付けられ、前記運転席よりも前記助手席側に位置する助手席アイコン、及び、前記運転席に対応付けられ、前記助手席よりも前記運転席側に位置する運転席アイコン、を含むホーム画面を表示させる第1制御指令を出力し、
前記助手席アイコンが操作された場合には、前記助手席の制御項目を前記ユーザが入力可能な表示を含む助手席設定画面を前記表示画面上で、前記運転席よりも前記助手席側に表示させ、前記運転席アイコンが操作された場合には、前記運転席の制御項目を前記ユーザが入力可能な表示を含む運転席設定画面を前記表示画面上で、前記助手席よりも前記運転席側に表示させる、第2制御指令を出力し、
前記助手席設定画面における前記制御項目と前記運転席設定画面における前記制御項目は、前記表示画面上で左右対称に配置され、
前記ホーム画面は、前記車両の現在地を示す現在地アイコンを含むナビゲーション画面と、前記助手席アイコンと、前記運転席アイコンを含み、
前記第2制御指令は、前記ホーム画面のうち前記助手席設定画面及び前記運転席設定画面が重畳されていない領域に前記現在地アイコンを表示させ、前記助手席アイコンが操作された場合には前記助手席アイコンを覆うように前記助手席設定画面を重畳して表示させ、前記運転席アイコンが操作された場合には前記運転席アイコンを覆うように前記運転席設定画面を重畳して表示させる制御指令を含む表示制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示制御装置であって、
前記第2制御指令は、前記助手席設定画面を前記ホーム画面に、又は、前記運転席設定画面を前記ホーム画面に重畳して表示させる制御指令を含む表示制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の表示制御装置であって、
前記助手席設定画面における複数の前記制御項目と前記運転席設定画面における複数の前記制御項目は、前記表示画面上で最も外側に配置される表示制御装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の表示制御装置であって、
前記第2制御指令は、前記助手席設定画面及び前記運転席設定画面が表示される前に比べて、前記ホーム画面の明度を低くさせる制御指令を含む表示制御装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の表示制御装置であって、
前記助手席設定画面は、前記助手席の高さ方向を中心軸として前記車両の前進方向よりも時計回りに、所定角度回転して表示させる助手席画像を含み
前記運転席設定画面は、前記運転席の高さ方向を中心軸として前記車両の前進方向よりも反時計回りに、所定角度回転して表示させる運転席画像を含む表示制御装置。
【請求項6】
車両の助手席及び運転席からユーザが操作可能なディスプレイの表示画面を、前記ディスプレイへの前記ユーザの操作に基づき制御するコントローラにより実行される表示制御方法において、
前記コントローラは、
前記助手席に対応付けられ、前記運転席よりも前記助手席側に位置する助手席アイコン、及び、前記運転席に対応付けられ、前記助手席よりも前記運転席側に位置する運転席アイコン、を含むホーム画面を表示させる第1制御指令を出力し、
前記助手席アイコンが操作された場合には、前記助手席の制御項目を前記ユーザが入力可能な表示を含む助手席設定画面を前記表示画面上で、前記運転席よりも前記助手席側に表示させ、前記運転席アイコンが操作された場合には、前記運転席の制御項目を前記ユーザが入力可能な表示を含む運転席設定画面を前記表示画面上で、前記助手席よりも前記運転席側に表示させる、第2制御指令を出力し、
前記助手席設定画面における前記制御項目と前記運転席設定画面における前記制御項目は、前記表示画面上で左右対称に配置され、
前記ホーム画面は、前記車両の現在地を示す現在地アイコンを含むナビゲーション画面と、前記助手席アイコンと、前記運転席アイコンを含み、
前記第2制御指令は、前記ホーム画面のうち前記助手席設定画面及び前記運転席設定画面が重畳されていない領域に前記現在地アイコンを表示させ、前記助手席アイコンが操作された場合には前記助手席アイコンを覆うように前記助手席設定画面を重畳して表示させ、前記運転席アイコンが操作された場合には前記運転席アイコンを覆うように前記運転席設定画面を重畳して表示させる制御指令を含む表示制御方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、車両の右座席及び左座席からユーザが操作可能なディスプレイに、助手席アイコン及び運転席アイコンを含むホーム画面を表示させる第1制御指令を出力し、助手席アイコンが操作された場合には、助手席の制御項目をユーザが入力可能な表示を含む助手席設定画面を表示画面上で、運転席よりも助手席側に表示させ、運転席アイコンが操作された場合には、運転席の制御項目をユーザが入力可能な表示を含む運転席設定画面を表示画面上で、助手席よりも運転席側に表示させる第2制御指令を出力することにより、上記課題を解決する。