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  • 特開-内装部材 図1
  • 特開-内装部材 図2
  • 特開-内装部材 図3
  • 特開-内装部材 図4
  • 特開-内装部材 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016961
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】内装部材
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/02 20060101AFI20240201BHJP
   B60K 37/00 20240101ALI20240201BHJP
【FI】
B60R13/02 Z
B60K37/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119277
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000119232
【氏名又は名称】株式会社イノアックコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002424
【氏名又は名称】ケー・ティー・アンド・エス弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】鷲見 拓哉
【テーマコード(参考)】
3D023
3D344
【Fターム(参考)】
3D023BA01
3D023BB01
3D023BC01
3D023BD12
3D023BD29
3D023BE02
3D344AB01
3D344AC03
(57)【要約】
【課題】手触りのよい内装部材を提供する。
【解決手段】内装部材は、基材と、表皮材と、前記基材及び前記表皮材の間に設けられるクッション材と、が重ねて配置される内装部材であって、前記基材及び前記表皮材のいずれか一方の部材から他方の部材に向けて延びる突部と、前記突部の先端を収容可能な空間と、を備える。前記突部は、前記他方の部材と非接触に形成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、表皮材と、前記基材及び前記表皮材の間に設けられるクッション材と、が重ねて配置される内装部材であって、
前記基材及び前記表皮材のいずれか一方の部材から他方の部材に向けて延びる突部と、
前記突部の先端を収容可能な空間と、
を備え、
前記突部は、前記他方の部材と非接触に形成される、
内装部材。
【請求項2】
前記突部は、前記表皮材から前記基材に向けて延びる、
請求項1に記載の内装部材。
【請求項3】
前記空間が、前記基材に設けられた非貫通の凹みである請求項2に記載の内装部材。
【請求項4】
前記基材の厚みが一定に形成される、
請求項3に記載の内装部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内装部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クッション材を用いた内装部材が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような内装部材は、ファスナーなどの係止部材を用いて、基材に固定されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005-211198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような内装部材は、例えば車両のユーザが触れる範囲に取り付けられることもある。このような場合、ユーザがこの内装部材に触れた際の手触りを考慮する必要がある。
【0005】
本開示の課題は、手触りのよい内装部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る内装部材は、基材と、表皮材と、前記基材及び前記表皮材の間に設けられるクッション材と、が重ねて配置される内装部材であって、前記基材及び前記表皮材のいずれか一方の部材から他方の部材に向けて延びる突部と、前記突部の先端を収容可能な空間と、を備える。前記突部は、前記他方の部材と非接触に形成される。
【0007】
この内装部材によれば、ユーザが触れた際に突部が基材または表皮材に接触することがない。これによって、ユーザには表皮材とクッション材の感触のみが伝わる。この結果、感触が均一となり、手触りがよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、手触りのよい内装部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態におけるインパネの上面図。
図2図1のA-A断面図。
図3図1のB-B断面図。
図4】他の実施形態による内装部材の断面図(1)。
図5】他の実施形態による内装部材の断面図(2)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一実施形態について、図を参照しながら説明する。以下明細書及び図面において、右ハンドル(図1のハンドルH参照)の車両を基準として、車両の前側を前、後側を後、左側を左、右側を右、上側を上、下側を下と記す。
【0011】
図1に示すように、本開示の内装部材1は、自動車などの車両の室内前方に取り付けられるインパネ(インストルメントパネル)2に固定される加飾用のパネルである。内装部材1は、主に車両のユーザが触る位置に固定される。本実施形態では内装部材1は、インパネ2の上部の後端側に固定される加飾用のパネルである。
【0012】
図2及び図3に示すように、内装部材1は、基材4と、表皮材6と、基材4及び表皮材6との間に設けられるクッション材8と、が重ねて配置される。基材4は、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)などの硬質な合成樹脂を、射出成形などの周知の樹脂成形方法によって成形した部材である。表皮材6は、塩化ビニル(PVC)などの柔軟性を有する材料によって形成され、内装部材1の意匠面6aを形成する部材である。クッション材8は、ポリウレタンフォームまたはポリオレフィン系フォームなどの軟質発泡体、または、ポリエチレンテレフタラートまたはポリプロピレンなどの中空繊維を使用した不織布などの弾力性を有する材料によって形成された部材である。
【0013】
内装部材1は、例えば基材4に設けられたクリップなどの固定部材を介して車両のインパネ2に固定される。本実施形態では内装部材1は、基材4が下側、表皮材6が上側に配置され、基材4がインパネ2の骨格部材(図示なし)に固定される。しかし、内装部材1は、表皮材6がユーザ側に向けて配置されればよく、例えば、前後方向または左右方向に基材4と表皮材6とが並んで配置されてもよい。
【0014】
内装部材1は、基材4及び表皮材6のいずれか一方から他方の部材に向けて延びる複数の突部10を備える。本実施形態では、突部10は、表皮材6から基材4に向けて、クッション材8に沿って下方に延びる複数(例えば4つ)の部材である。また、本実施形態では、突部10は、表皮材6と同じ材料によって、表皮材6と一体成形される。
【0015】
図3に示すように、突部10の先端は、クッション材8と基材4が接触する接触面8aよりも下方に突き出して形成される。また、突部10の先端は、クッション材8に向けて前方に突き出し、接触面8aを表皮材6に向けて抑える。これによって、突部10は、クッション材8の位置ズレを防止する。しかし、突部10の先端は必ずしもこのような形状である必要はなく、例えばクッション材8に沿って延びる板状の壁であってもよい。
【0016】
内装部材1は、突部10の先端10aを収容可能な複数の空間12を備える。本実施形態では、空間12は、基材4に設けられ、基材4とクッション材8との接触面よりも下方に凹んだ非貫通の凹み4aによって囲まれる。空間12は、突部10の位置に対応して設けられる。空間12は、突部10をひとつずつ収容してもよいし、複数の突部10を纏めて収容してもよい。また、本実施形態では、空間12に、突部10の先端10aが収容された状態である。しかし、空間12は、表皮材6が基材4に向けて押された際に、突部10の先端10aが空間12に侵入し、先端10aを収容してもよい。
【0017】
このように形成された空間12によって、突部10は、その先端が基材4から離れた位置に形成され、基材4と非接触に形成される。基材4は、厚みが一定となるように形成され、凹み4aによって基材4の剛性が低下しないように形成される。
【0018】
このように形成された内装部材1は、車両のユーザが意匠面6aに触れると、表皮材6が押され突部10が下側に向けて下がる。このとき、空間12によって突部10の先端と基材4が非接触に保たれる。このため、ユーザには表皮材6およびクッション材8の感触のみが伝わる。これによって、ユーザはクッション材8の弾性力に起因した一定の手触りを得ることができ、突部10と基材4が接触する場合に発生する手触りの変化を感じることがない。この結果、この内装部材1は、手触りがよい。
【0019】
以上説明した通り、本開示によれば、手触りのよい内装部材1を提供できる。
【0020】
<他の実施形態>
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0021】
例えば、上記実施形態では、空間12を形成するために基材4に凹み4aを設けたが、本開示はこれに限定されるものではない。図4に示す内装部材201のように、例えば基材204に開口214を設け、開口214に囲まれる空間212を突部210が通過するように基材204を形成してもよい。この場合、基材204がインパネ202の骨格部材と隙間ができるように、基材4の下方に竪壁216を設けてもよい。このような構造であっても、空間212によって突部210の先端210aと基材204とが非接触に保たれる。このため、ユーザには表皮材206およびクッション材208の感触のみが伝わる。
【0022】
また、上記実施形態では、突部10が表皮材6から基材4に向けて延びる例を用いて説明したが、本開示はこれに限定されない。図5に示す内装部材301のように、基材304から表皮材306に向けて突部310が延びてもよい。この場合、空間312は、表皮材306に設けてもよい。突部310は、クッション材308に沿って延びる壁であってもよい。このような構造であっても、表皮材306が押された際に突部310が空間312に侵入し、空間312によって突部310の先端310aと表皮材306とが非接触に保たれる。このため、ユーザには表皮材306およびクッション材308の感触のみが伝わる。
【0023】
上記実施形態では内装部材1は、インパネ(インストルメントパネル)2に固定される加飾用のパネルを例に説明したが、本開示はこれに限定されない。内装部材1は、インパネ2の他の部分に固定されるパネル、またはドアトリムやコンソールに固定されるパネルであってもよい。
【符号の説明】
【0024】
1,201,301 :内装部材
4,204,304 :基材
4a :凹み
6,206,306 :表皮材
8,208,308 :クッション材
10,210,310 :突部
10a,210a,310a :先端
12,212,312 :空間
214 :開口
図1
図2
図3
図4
図5