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特開2024-16963エレベータードアの化粧フィルム取替用治具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016963
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】エレベータードアの化粧フィルム取替用治具
(51)【国際特許分類】
   B66B 13/30 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
B66B13/30 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119280
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100188514
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】勝亦 佑樹
【テーマコード(参考)】
3F307
【Fターム(参考)】
3F307AA02
3F307BA01
3F307CA04
(57)【要約】
【課題】エレベータードアの表面に貼られている化粧フィルムを簡単に剥がすことができるエレベータードアの化粧フィルム取替用治具を得る。
【解決手段】このエレベータードアの化粧フィルム取替用治具は、乗場ドア601と乗場ドア601の板厚方向において乗場ドア601に対向する三方枠5との間の隙間に挿入される板形状の治具本体1と、治具本体1に設けられた取手部3と、を備え、治具本体1には、治具本体1の板厚方向D1のうちの一方向側を向く第1面101と、第1面101とは反対側に設けられた第2面102と、が形成されており、治具本体1は、治具本体1の幅方向D3のうちの一方向側における治具本体1の端部に設けられた先細部103を有し、先細部103では、第2面102が治具本体1の幅方向D3のうちの一方向側に向かうにつれて第1面101に近づくように形成されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータードアと前記エレベータードアの板厚方向において前記エレベータードアに対向する対向部材との間の隙間に挿入される板形状の治具本体と、
前記治具本体に設けられた取手部と、
を備え、
前記治具本体には、前記治具本体の板厚方向のうちの一方向側を向く第1面と、前記第1面とは反対側に設けられた第2面と、が形成されており、
前記治具本体は、前記治具本体の幅方向のうちの一方向側における前記治具本体の端部に設けられた先細部を有し、
前記先細部では、前記第2面が前記幅方向のうちの一方向側に向かうにつれて前記第1面に近づくように形成されているエレベータードアの化粧フィルム取替用治具。
【請求項2】
前記治具本体は、前記幅方向における前記治具本体の中間部に設けられた湾曲面部をさらに有し、
前記湾曲面部では、前記幅方向に垂直な方向であって前記第1面に沿った方向に沿って見た場合に、前記第2面が凸状に湾曲している請求項1に記載のエレベータードアの化粧フィルム取替用治具。
【請求項3】
前記取手部は、前記治具本体に対して、前記幅方向に垂直な方向であって前記第1面に沿った方向にずれている請求項1または請求項2に記載のエレベータードアの化粧フィルム取替用治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベータードアの化粧フィルム取替用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エレベーターかごの内壁の表面に化粧フィルムが貼られているエレベーターの構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭61-169485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
化粧フィルムは、エレベーターかごの内壁の表面に加えて、エレベータードアの表面にも貼られている。化粧フィルムを取り替える作業が行われる際には、エレベータードアの表面に貼られている化粧フィルムをエレベータードアの表面から剥がす作業が行われる。しかしながら、エレベータードアの表面に貼られている化粧フィルムの一部は、エレベータードアと三方枠との間の隙間に配置されている。エレベータードアと三方枠との間の隙間が狭いため、エレベータードアと三方枠との間の隙間に配置されている化粧フィルムを剥がすことが難しいという問題点があった。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、エレベータードアの表面に貼られている化粧フィルムを簡単に剥がすことができるエレベータードアの化粧フィルム取替用治具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベータードアの化粧フィルム取替用治具は、エレベータードアとエレベータードアの板厚方向においてエレベータードアに対向する対向部材との間の隙間に挿入される板形状の治具本体と、治具本体に設けられた取手部と、を備え、治具本体には、治具本体の板厚方向のうちの一方向側を向く第1面と、第1面とは反対側に設けられた第2面と、が形成されており、治具本体は、治具本体の幅方向のうちの一方向側における治具本体の端部に設けられた先細部を有し、先細部では、第2面が幅方向のうちの一方向側に向かうにつれて第1面に近づくように形成されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るエレベータードアの化粧フィルム取替用治具によれば、エレベータードアの表面に貼られている化粧フィルムを簡単に剥がすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係るエレベータードアの化粧フィルム取替用治具を示す正面図である。
図2図1のII-II線に沿った矢視断面図である。
図3図1のIII-III線に沿った矢視断面図である。
図4図1のエレベータードアの化粧フィルム取替用治具を用いてエレベータードアの幅方向端部から化粧フィルムを剥がす様子を示す正面図である。
図5図4のV-V線に沿った矢視断面図である。
図6図1のエレベータードアの化粧フィルム取替用治具を用いてエレベータードアの上端部から化粧フィルムを剥がす様子を示す正面図である。
図7図1のエレベータードアの化粧フィルム取替用治具を用いてエレベータードアの幅方向端部に化粧フィルムを貼り付ける様子を示す正面図である。
図8図7のVIII-VIII線に沿った矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るエレベータードアの化粧フィルム取替用治具を示す正面図である。図2は、図1のII-II線に沿った矢視断面図である。図3は、図1のIII-III線に沿った矢視断面図である。実施の形態1に係るエレベータードアの化粧フィルム取替用治具は、治具本体1と、延長部2と、取手部3と、を備えている。
【0010】
治具本体1は、板形状に形成されている。治具本体1の板厚方向D1のうちの一方向側を向く治具本体1の面を第1面101とし、第1面101とは反対側の治具本体1の面を第2面102とする。第1面101の形状は、平面形状となっている。
【0011】
板厚方向D1に沿って治具本体1を見た場合に、治具本体1の形状は、長方形となっている。板厚方向D1に沿って治具本体1を見た場合における治具本体1に沿った方向を長手方向D2とする。板厚方向D1に沿って治具本体1を見た場合における長手方向D2に対して垂直な方向を幅方向D3とする。
【0012】
板厚方向D1における治具本体1の寸法は、1mm程度となっている。長手方向D2における治具本体1の寸法は、50mm程度となっている。幅方向D3における治具本体1の寸法は、10mm程度となっている。
【0013】
治具本体1は、先細部103と、湾曲面部104と、基部105と、を有している。先細部103は、幅方向D3のうちの一方向側における治具本体1の端部に設けられている。湾曲面部104は、幅方向D3における治具本体1の中間部に設けられている。基部105は、幅方向D3のうちの他方向側における治具本体1の端部に設けられている。
【0014】
先細部103では、第2面102が幅方向D3のうちの一方向側に向かうにつれて第1面101に近づくように形成されている。したがって、長手方向D2に沿って見た場合に、先細部103では、第1面101と第2面102との間の成す角が鋭角となっている。具体的には、先細部103は、刃物のように形成されている。
【0015】
湾曲面部104は、先細部103に対して、幅方向D3のうちの他方向側に配置されている。また、湾曲面部104は、先細部103に連なって配置されている。長手方向D2に沿って見た場合に、湾曲面部104では、第2面102が凸状に湾曲している。言い換えれば、幅方向D3に垂直な方向であって第1面101に沿った方向に沿って見た場合に、湾曲面部104では、第2面102が凸状に湾曲している。
【0016】
基部105は、幅方向D3のうちの他方向側における治具本体1の端部に配置されている。したがって、基部105は、湾曲面部104に対して、幅方向D3のうちの他方向側に配置されている。また、基部105は、湾曲面部104に連なって配置されている。長手方向D2に沿って見た場合に、基部105では、第1面101と第2面102とが互いに平行になっている。
【0017】
延長部2は、治具本体1に設けられている。延長部2は、長手方向D2において治具本体1から延びている。延長部2は、板形状に形成されている。延長部2の板厚方向は、治具本体1の板厚方向D1と一致する。板厚方向D1のうちの一方向側を向く延長部2の面を第1面201とし、第1面201とは反対側の治具本体1の面を第2面202とする。
【0018】
長手方向D2に沿って見た場合に、第1面201が第1面101に重なっており、第2面202が第2面102に重なっている。
【0019】
板厚方向D1における延長部2の寸法は、1mm程度となっている。すなわち、板厚方向D1における延長部2の寸法は、板厚方向D1における治具本体1の寸法と一致している。長手方向D2における延長部2の寸法は、100mm程度となっている。幅方向D3における延長部2の寸法は、10mm程度となっている。すなわち、幅方向D3における延長部2の寸法は、幅方向D3における治具本体1の寸法と一致している。
【0020】
治具本体1と同様に、延長部2は、先細部203と、湾曲面部204と、基部205と、を有している。先細部203は、幅方向D3のうちの一方向側における延長部2の端部に設けられている。湾曲面部204は、幅方向D3における延長部2の中間部に設けられている。基部205は、幅方向D3のうちの他方向側における延長部2の端部に設けられている。
【0021】
先細部203では、第2面202が幅方向D3のうちの一方向側に向かうにつれて第1面201に近づくように形成されている。したがって、長手方向D2に沿って見た場合に、先細部203では、第1面201と第2面202との間の角度が鋭角となっている。具体的には、先細部203は、刃物のように形成されている。
【0022】
湾曲面部204は、先細部203に対して、幅方向D3のうちの他方向側に配置されている。また、湾曲面部204は、先細部203に連なって配置されている。長手方向D2に沿って見た場合に、湾曲面部204では、第2面202が凸状に湾曲している。言い換えれば、幅方向D3に垂直な方向であって第1面201に沿った方向に沿って見た場合に、湾曲面部204では、第2面202が凸状に湾曲している。
【0023】
基部205は、幅方向D3のうちの他方向側における延長部2の端部に配置されている。したがって、基部205は、湾曲面部204に対して、幅方向D3のうちの他方向側に配置されている。また、基部205は、湾曲面部204に連なって配置されている。長手方向D2に沿って見た場合に、基部205では、第1面201と第2面202とが互いに平行になっている。
【0024】
取手部3は、延長部2に設けられている。すなわち、取手部3は、延長部2を介して治具本体1に設けられている。取手部3は、U字形状に形成されている。取手部3の両端部が延長部2に接続されている。取手部3は、延長部2に対して、幅方向D3のうちの他方向側に隣り合って配置されている。取手部3は、作業者によって把持される。
【0025】
取手部3は、治具本体1に対して、長手方向D2にずれて配置されている。言い換えれば、取手部3は、治具本体1に対して、幅方向D3に垂直な方向であって第1面101に沿った方向にずれている。
【0026】
治具本体1、延長部2および取手部3は、互いに一体に形成されている。言い換えれば、治具本体1、延長部2および取手部3は、同一の材料から構成されており、分解不可能に一体に形成された単一部材である。
【0027】
次に、実施の形態1に係るエレベータードアの化粧フィルム取替用治具を用いて化粧フィルム7を取り替える手順について説明する。まず、実施の形態1に係るエレベータードアの化粧フィルム取替用治具を用いて化粧フィルム7が取り替えられるエレベーターについて説明する。
【0028】
図4は、図1のエレベータードアの化粧フィルム取替用治具を用いて乗場ドア601の幅方向端部から化粧フィルム7が剥がされる様子を示す正面図である。図5は、図4のV-V線に沿った矢視断面図である。昇降路の壁4には、三方枠5が設けられている。三方枠5には、乗場出入口501が形成されている。エレベーターの乗客は、乗場出入口501を介して乗場とかごとの間を移動する。
【0029】
昇降路の壁4には、乗場ドア装置6が設けられている。図4では、センターオープン型の乗場ドア装置6が示されている。乗場ドア装置6は、一対の乗場ドア601を有している。一対の乗場ドア601のそれぞれは、エレベータードアである。一対の乗場ドア601は、乗場出入口501を開閉する。乗場出入口501が閉じられている場合の一対の乗場ドア601のそれぞれの位置を乗場ドア601の閉位置とし、乗場出入口501が開いている場合の一対の乗場ドア601のそれぞれの位置を乗場ドア601の開位置とする。
【0030】
三方枠5は、乗場ドア601の板厚方向において乗場ドア601に対向する対向部材である。三方枠5は、互いに離れて乗場の床に立てられた一対の縦枠502と、一対の縦枠502のそれぞれの上端部に渡って設けられた上枠503と、を有している。
【0031】
乗場ドア601の表面には、化粧フィルム7が貼られている。化粧フィルム7は、乗場ドア601の表面の全面に貼られている。
【0032】
乗場ドア601の位置が開位置である場合に、化粧フィルム7の全体が、乗場ドア601と昇降路の壁4および三方枠5との間の隙間に配置される。したがって、乗場ドア601の位置が開位置である場合に、化粧フィルム7の全体が露出していない。
【0033】
一方、乗場ドア601が開位置から閉位置に移動することによって、化粧フィルム7のうちの多くの部分が乗場ドア601と昇降路の壁4および三方枠5との間の隙間から出る。したがって、乗場ドア601の位置が閉位置である場合に、化粧フィルム7のうちの多くの部分が露出する。
【0034】
化粧フィルム7を取り替える作業が行われる際には、作業者は、乗場ドア601の位置を閉位置にする。しかしながら、乗場ドア601の位置が閉位置である場合であっても、化粧フィルム7の一部は、乗場ドア601と縦枠502との間の隙間8に配置される。また、化粧フィルム7の他の一部は、乗場ドア601と上枠503との間の図示しない隙間に配置される。
【0035】
乗場ドア601の板厚方向における乗場ドア601と三方枠5との間の隙間の寸法は、6mm程度となっている。したがって、乗場ドア601の板厚方向における乗場ドア601と縦枠502との間の隙間8の寸法は、6mm程度となっている。また、乗場ドア601の板厚方向における乗場ドア601と上枠503との間の隙間の寸法も、6mm程度となっている。
【0036】
乗場ドア601と三方枠5との間の隙間の寸法が6mm程度となっていることによって、乗場ドア601と縦枠502との間の隙間8に作業者の指を入れることができず、また、乗場ドア601と上枠503との間の隙間に作業者の指を入れることができない。
【0037】
板厚方向D1における治具本体1の寸法が1mm程度となっていることによって、乗場ドア601と縦枠502との間の隙間8に治具本体1を入れることができ、また、乗場ドア601と上枠503との間の隙間に治具本体1を入れることができる。
【0038】
次に、乗場ドア601の表面から化粧フィルム7を剥がす手順について説明する。乗場ドア601の表面から化粧フィルム7を剥がす作業が行われる際には、実施の形態1に係るエレベータードアの化粧フィルム取替用治具は、スクレーパとして用いられる。
【0039】
乗場ドア601と縦枠502との間の隙間8に配置されている化粧フィルム7を乗場ドア601の表面から剥がす作業が行われる際には、作業者は、まず、取手部3を把持して、治具本体1を乗場ドア601と縦枠502との間の隙間8に挿入する。この時、延長部2および取手部3は、乗場ドア601と縦枠502との間の隙間8の外に配置される。したがって、作業者が取手部3を把持した状態で、乗場ドア601と縦枠502との間の隙間8に挿入された治具本体1を作業者が容易に移動させることができる。
【0040】
その後、作業者は、第1面101が第2面102よりも乗場ドア601の近くに配置された状態で、先細部103を乗場ドア601の表面に接触させる。このとき、第1面101が乗場ドア601の表面に対して傾斜するように治具本体1を配置する。なお、第1面101の全面を乗場ドア601の表面に接触させてもよい。
【0041】
その後、作業者は、先細部103が乗場ドア601と化粧フィルム7との間に進入するように治具本体1を乗場ドア601の表面に沿って移動させる。先細部103が乗場ドア601と化粧フィルム7との間に進入することによって、化粧フィルム7が乗場ドア601の表面から剥がされる。
【0042】
図6は、図1のエレベータードアの化粧フィルム取替用治具を用いて乗場ドアの上端部から化粧フィルム7が剥がされる様子を示す正面図である。乗場ドア601と上枠503との間の隙間に配置されている化粧フィルム7を乗場ドア601の表面から剥がす作業が行われる際には、作業者は、まず、取手部3を把持して、治具本体1を乗場ドア601と上枠503との間の隙間に挿入する。この時、延長部2および取手部3は、乗場ドア601と上枠503との間の隙間の外に配置される。したがって、作業者が取手部3を把持した状態で、乗場ドア601と上枠503との間の隙間に挿入された治具本体1を作業者が容易に移動させることができる。
【0043】
その後、作業者は、第1面101が第2面102よりも乗場ドア601の近くに配置された状態で、先細部103を乗場ドア601の表面に接触させる。このとき、第1面101が乗場ドア601の表面に対して傾斜するように治具本体1を配置する。なお、第1面101の全面を乗場ドア601の表面に接触させてもよい。
【0044】
その後、作業者は、先細部103が乗場ドア601と化粧フィルム7との間に進入するように治具本体1を乗場ドア601の表面に沿って移動させる。先細部103が乗場ドア601と化粧フィルム7との間に進入することによって、化粧フィルム7が乗場ドア601の表面から剥がされる。
【0045】
露出している化粧フィルム7を乗場ドア601の表面から剥がす作業が行われる場合には、作業者は、先細部103および先細部203の両方を乗場ドア601と化粧フィルム7との間に進入させる。先細部103および先細部203が乗場ドア601と化粧フィルム7との間に進入することによって、化粧フィルム7が乗場ドア601の表面から剥がされる。
【0046】
次に、乗場ドア601の表面に化粧フィルム7を貼る手順について説明する。乗場ドア601の表面に化粧フィルム7を貼る作業が行われる際には、実施の形態1に係るエレベータードアの化粧フィルム取替用治具は、スキージーとして用いられる。
【0047】
図7は、図1のエレベータードアの化粧フィルム取替用治具を用いて乗場ドア601の幅方向端部に化粧フィルム7が貼られる様子を示す正面図である。図8は、図7のVIII-VIII線に沿った矢視断面図である。
【0048】
古い化粧フィルム7が乗場ドア601の表面から剥がされた後、新しい化粧フィルム7が乗場ドア601の表面に貼られる。乗場ドア601の表面に化粧フィルム7を貼る作業では、まず、乗場ドア601と縦枠502との間の隙間8に化粧フィルム7を配置する。その後、作業者は、まず、取手部3を把持して、治具本体1を乗場ドア601と縦枠502との間の隙間8に挿入する。この時、延長部2および取手部3は、乗場ドア601と縦枠502との間の隙間8の外に配置される。したがって、作業者が取手部3を把持した状態で、乗場ドア601と縦枠502との間の隙間8に挿入された治具本体1を作業者が容易に移動させることができる。
【0049】
その後、作業者は、第2面102が第1面101よりも乗場ドア601の近くに配置された状態で、湾曲面部104を乗場ドア601の表面に接触させる。このとき、基部105における第2面102が乗場ドア601の表面に対して傾斜するように治具本体1を配置する。なお、基部105における第2面102の全面を乗場ドア601の表面に接触させてもよい。
【0050】
その後、作業者は、湾曲面部104と乗場ドア601との間に化粧フィルム7が進入するように治具本体1を乗場ドア601の表面に沿って移動させる。湾曲面部104と乗場ドア601との間に化粧フィルム7が進入することによって、化粧フィルム7が乗場ドア601の表面に押し付けられる。これにより、乗場ドア601と化粧フィルム7との間に気泡ができることなく、化粧フィルム7が乗場ドア601の表面に貼られる。
【0051】
乗場ドア601と上枠503との間の隙間に化粧フィルム7を配置し乗場ドア601の表面に化粧フィルム7を貼る作業は、乗場ドア601と縦枠502との間の隙間8に化粧フィルム7を配置し乗場ドア601の表面に化粧フィルム7を貼る作業と同様である。
【0052】
露出している乗場ドア601の表面に化粧フィルム7を貼る作業が行われる場合には、作業者は、乗場ドア601と湾曲面部104および湾曲面部204との間に化粧フィルム7が進入するように治具本体1を乗場ドア601の表面に沿って移動させる。湾曲面部104および湾曲面部204と乗場ドア601との間に化粧フィルム7が進入することによって、化粧フィルム7が乗場ドア601の表面に押し付けられる。これにより、乗場ドア601と化粧フィルム7との間に気泡ができることなく、化粧フィルム7が乗場ドア601の表面に貼られる。
【0053】
以上説明したように、実施の形態1に係るエレベータードアの化粧フィルム取替用治具は、板形状の治具本体1と、治具本体1に設けられた取手部3と、を備えている。治具本体1は、乗場ドア601と三方枠5との間の隙間に挿入される。治具本体1には、治具本体1の板厚方向D1のうちの一方向側を向く第1面101と、第1面101とは反対側に設けられた第2面102と、が形成されている。治具本体1は、治具本体1の幅方向D3のうちの一方向側における治具本体1の端部に設けられた先細部103を有している。先細部103では、第2面102が幅方向D3のうちの一方向側に向かうにつれて第1面101に近づくように形成されている。この構成によれば、治具本体1が乗場ドア601と三方枠5との間の隙間に挿入された状態で、先細部103が乗場ドア601と化粧フィルム7との間に進入する。これにより、乗場ドア601の表面に貼られている化粧フィルム7を簡単に剥がすことができる。
【0054】
また、実施の形態1に係るエレベータードアの化粧フィルム取替用治具では、治具本体1は、幅方向D3における治具本体1の中間部に設けられた湾曲面部104を有している。湾曲面部104では、幅方向D3に垂直な方向であって第1面101に沿った方向に沿って見た場合に、第2面102が凸状に湾曲している。この構成によれば、治具本体1が乗場ドア601と三方枠5との間の隙間に挿入された状態で、湾曲面部104が化粧フィルム7を乗場ドア601に押し付ける。これにより、乗場ドア601の表面に化粧フィルム7を簡単に貼ることができる。
【0055】
また、取手部3は、治具本体1に対して、幅方向D3に垂直な方向であって第1面101に沿った方向にずれている。この構成によれば、乗場ドア601と三方枠5との間の隙間に治具本体1を挿入した状態で、乗場ドア601と三方枠5との隙間の外にから取手部3を配置することができる。これにより、乗場ドア601と三方枠5との間の隙間に治具本体1を挿入した状態で、作業者が取手部3を容易に把持することができる。
【0056】
なお、実施の形態1に係るエレベータードアの化粧フィルム取替用治具では、乗場ドア601と三方枠5との間の隙間に治具本体1が挿入される構成について説明した。しかしながら、エレベータードア装置が高速ドアと低速ドアとを有している場合には、高速ドアと低速ドアとの間の隙間に治具本体1が挿入される構成であってもよい。この場合に、高速ドアと低速ドアとの関係において、高速ドアがエレベータードアとなり、低速ドアが、高速ドアに対向する対向部材となる。また、この場合に、低速ドアと三方枠5との関係において、低速ドアがエレベータードアとなり、三方枠5が低速ドアに対向する対向部材となる。
【0057】
また、実施の形態1に係るエレベータードアの化粧フィルム取替用治具では、乗場ドア601の表面に貼られている化粧フィルム7を取り替える際に用いられる構成について説明した。しかしながら、図示しないかごドアの表面に貼られている化粧フィルムを取り替える際に用いられる構成であってもよい。
【0058】
以上、好ましい実施の形態1に係るエレベータードアの化粧フィルム取替用治具について説明したが、上述した実施の形態1に係るエレベータードアの化粧フィルム取替用治具に制限されることはない。特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施の形態1に係るエレベータードアの化粧フィルム取替用治具に種々の変形および変換を加えることができる。
【符号の説明】
【0059】
1 治具本体、2 延長部、3 取手部、4 昇降路の壁、5 三方枠(対向部材)、6 乗場ドア装置、7 化粧フィルム、8 隙間、101 第1面、102 第2面、103 先細部、104 湾曲面部、105 基部、201 第1面、202 第2面、203 先細部、204 湾曲面部、205 基部、501 乗場出入口、502 縦枠、503 上枠、601 乗場ドア(エレベータードア)。
図1
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図8