(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016968
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】管理用タグ
(51)【国際特許分類】
B42D 3/18 20060101AFI20240201BHJP
G06K 19/077 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B42D3/18 Z
G06K19/077 220
G06K19/077 280
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022119286
(22)【出願日】2022-07-27
(71)【出願人】
【識別番号】000186566
【氏名又は名称】小林クリエイト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 一広
(72)【発明者】
【氏名】山内 望由季
(72)【発明者】
【氏名】藤林 城司
(57)【要約】
【課題】冊子等の物品に差し挟んで使用するシート状の管理用タグにあって、物品を傷め難い構成を提供する。
【解決手段】物品に差し挟む挿入片部5を具備する基材シート2と、ICチップ11とアンテナ12がフィルム基材10の片面に配置されたRFIDインレット3とを備え、物品に抜き差し可能に差し挟んで使用する管理用タグ1にあって、挿入片部5に開口部15を形成するとともに、RFIDインレット3を、ICチップ11を基材シート2側に向けて、開口部15を塞ぐように挿入片部5の一面側に接合する。さらに、ICチップ11を、開口部15と重なる位置に配置するとともに、開口部15を、挿入片部5の他面側に開放する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に抜き差し可能に差し挟んで使用する管理用タグであって、
物品に差し挟む挿入片部を具備する基材シートと、
ICチップとアンテナがフィルム基材の片面に配置されたRFIDインレットと
を備え、
前記挿入片部には、開口部が形成されており、
前記RFIDインレットは、前記ICチップを前記基材シート側に向けて、前記開口部を塞ぐように前記挿入片部の一面側に接合されており、
前記ICチップは、前記開口部と重なる位置に配置され、
前記開口部は、前記挿入片部の他面側に開放されていることを特徴とする管理用タグ。
【請求項2】
前記ICチップは、前記開口部から前記挿入片部の他面側に露出していることを特徴とする請求項1に記載の管理用タグ。
【請求項3】
前記RFIDインレットは、前記片面が粘着剤層で覆われており、
前記粘着剤層は、前記開口部と重なる部位が、糊殺し剤で覆われていることを特徴とする請求項1に記載の管理用タグ。
【請求項4】
前記RFIDインレットは、前記挿入片部の前記一面側に露出していることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の管理用タグ。
【請求項5】
前記挿入片部の前記基材シートの厚みは、前記ICチップの厚みの80%~200%であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の管理用タグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冊子などの物品に差し挟んで使用する管理用タグに関する。
【背景技術】
【0002】
書籍や雑誌等の冊子の識別情報を記憶させたRFIDインレットを含む管理用タグを冊子に取り付けて、無線通信による在庫管理等が行われている。こうした管理用タグにあって、販売時や配送時に簡単に取り外し得るように、冊子に抜き差し可能に差し挟んで使用するシート状のものが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1の管理用タグは、冊子に差し挟む挿入片部と、冊子の上方に配置される没入防止片部を備えてなり、RFIDインレットは挿入片部に貼着されて、挿入片部とともに冊子に差し挟まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ICチップとアンテナをフィルム基材上に配置してなるRFIDインレットは、構造上、平坦にはならず、厚みのあるICチップの配設部位が隆起して凸部を形成している。冊子に差し挟んだ状態で、かかる凸部を冊子と接触させると、タグの挿脱時に、凸部が引っ掛かって冊子が傷つくおそれがあるため、上記特許文献1の管理用タグでは、肉厚な基材と保護シートでRFIDインレットを挟み込むことによって、ICチップの配設部位の凸部を解消している。しかしながら、かかる構成では、タグ全体が肉厚となるため、冊子の厚み方向に力が加わった時に、タグが冊子に深く食い込んで痕が残るおそれがある。
【0005】
本発明はかかる現状に鑑みてなされたものであり、冊子等の物品に差し挟んで使用する管理用タグにあって、物品を傷め難い構成の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、物品に抜き差し可能に差し挟んで使用する管理用タグであって、物品に差し挟む挿入片部を具備する基材シートと、ICチップとアンテナがフィルム基材の片面に配置されたRFIDインレットとを備え、前記挿入片部には、開口部が形成されており、前記RFIDインレットは、前記ICチップを前記基材シート側に向けて、前記開口部を塞ぐように前記挿入片部の一面側に接合されており、前記ICチップは、前記開口部と重なる位置に配置され、前記開口部は、前記挿入片部の他面側に開放されていることを特徴とする管理用タグである。
【0007】
本発明のように、ICチップの配設部位の凸部を、ICチップが配置される開口部周囲の基材シートの厚みによって解消でき、なおかつ、開口部の他面側を外装で覆わずに開放することによって、従来構成よりも、タグの厚みを薄くできる。RFIDインレットを具備する一般的な管理用タグでは、ICチップを衝撃や圧力から保護する外装が必要となるが、物品に差し挟んで使用する場合には、外部からの衝撃や圧力の大部分は、物品で吸収されるため、RFIDインレットを外装で覆わなくてもICチップに大きな力は加わらない。このため、本発明の管理用タグでは、ICチップと重なる開口部の他面側が開放されていても、外部からの衝撃や圧力等によってICチップが破損するおそれはない。
このように、本発明の管理用タグは、ICチップの配設部位の凸部を解消しつつ、従来構成に比べて薄くできるため、従来構成に比べて、使用時に物品を傷め難いという利点がある。
【0008】
本発明にあって、前記ICチップは、前記開口部から前記挿入片部の他面側に露出している構成が提案される。
【0009】
かかる構成のように、ICチップの表面を覆わずに、開口部の他面側に露出させれば、ICチップの配設部位の凸部を最小限に留めることができるため、管理用タグの厚みを一層低減できる。
【0010】
本発明にあって、前記RFIDインレットは、前記片面が粘着剤層で覆われており、
前記粘着剤層は、前記開口部と重なる部位が、糊殺し剤で覆われている構成も提案される。
【0011】
かかる構成とすれば、予め片面全体に粘着剤層が設けられた、いわゆるウェットタイプのRFIDインレットを用いて、管理用タグを容易に製造可能となる。
【0012】
また、本発明にあって、前記RFIDインレットは、前記挿入片部の前記一面側に露出している構成が提案される。
【0013】
上述のように、物品に差し挟んで使用する場合には、ICチップを保護する外装は不要であるため、かかる構成のように、挿入片部の一面側についても、RFIDインレットを外装で覆わずに露出させれば、管理用タグの厚みを一層低減できる。
【0014】
また、本発明にあって、前記挿入片部の前記基材シートの厚みは、前記ICチップの厚みの80%~200%である構成が提案される。
【0015】
発明者の研究によれば、挿入片部の厚みが、ICチップの厚みの80%以上であれば、ICチップの配設部位の凸部によって物品が傷むおそれはない。一方で、挿入片部の厚みが、ICチップの厚みの200%を上回ると、タグが物品に深く食い込んで痕が残る場合がある。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明の管理用タグは、従来構成に比べて物品を傷め難いという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施例1の冊子管理用タグ1の(A)表面図と(B)裏面図である。
【
図3】実施例1の冊子管理用タグ1の(A)斜視図と、(B)分解斜視図である。
【
図5】実施例1の冊子管理用タグ1を冊子Kのページ間に差し挟んだ状態を示す斜視図である。
【
図6】実施例2の冊子管理用タグ1aの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を、以下の実施例によって説明する。
なお、以下の実施例において、本発明に係る挿入片部の一面側は、挿入片部5の裏側に相当し、本発明に係る挿入片部の他面側は、挿入片部5の表側に相当する。
【実施例0019】
本実施例は、書籍や雑誌等の冊子の在庫管理等に使用する冊子管理用タグ1に、本発明を適用したものである。冊子管理用タグ1は、シート状をなしており、冊子に抜き差し可能に差し挟んで使用される。
図1~3に示すように、冊子管理用タグ1は、基材シート2と、基材シート2の裏面に貼着されたRFIDインレット3により構成される。
【0020】
基材シート2は、
図3(B)に示すように、上下方向に長尺な挿入片部5と、該挿入片部5の上端から側方突成された没入防止片部6とからなる逆L字形状をなしている。基材シート2は、紙や樹脂シートによって構成され得る。基材シート2は単層のものでよいが、複数のシートを積層したものであってもよい。基材シート2に採用し得る樹脂材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等が挙げられる。特に、これらの中でも硬質で引張り強さ、曲げ強さ、圧縮強さに優れ、かつ適宜の弾性を備えたポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)が好適に用いられ得る。
【0021】
RFIDインレット3は、無線通信によって情報を非接触で読み書き可能な情報媒体である。
図4に示すように、RFIDインレット3は、合成樹脂製のフィルム基材10の片面に、ICチップ11と、薄膜状のアンテナ12を配置してなるものである。ICチップ11は、情報を書き換え可能に格納可能なメモリを具備し、アンテナ12を介して外部装置と無線通信することにより、所要情報をメモリに記憶し、記憶した情報を随時読み出し得るよう構成される。なお、かかるRFIDインレット3は、汎用品を広く用いることができる。
【0022】
アンテナ12は、フィルム基材10の片面に、導電性材料を所定パターンで印刷することにより形成され得る。ICチップ11は、アンテナ12の所定の接続部位の上に固着され、アンテナ12と電気的に接続される。なお、本実施例に係るアンテナ12は、UHF帯域の電磁波で通信するためのダイポールアンテナであるが、本発明に係るRFIDインレットが通信に使用する電磁波は、UHF帯域の電磁波に限られず、アンテナ12の平面形状も、通信に使用する電磁波の種類によって適宜変更され得る。
【0023】
図4に示すように、薄膜状のアンテナ12はフィルム基材10よりも極めて薄いが、ICチップ11はフィルム基材10以上の厚みを有しており、RFIDインレット3は、ICチップ11の配設部位が、フィルム基材10の表面から膨出する凸部を形成している。また、
図4に示すように、RFIDインレット3には、ICチップ11やアンテナ12が配置される実装面側を覆うように粘着剤層13が形成される。すなわち、冊子管理用タグ1aは、RFIDインレット3の実装面側に粘着剤を塗工して粘着剤層13を形成し、
図3に示すように、粘着剤層13を介して、RFIDインレット3を基材シート2の挿入片部5の裏側に貼着することにより製造され得る。
【0024】
本実施例の冊子管理用タグ1は、
図5に示すように、挿入片部5を冊子Kに差し挟むことにより、冊子Kに取り付けられる。没入防止片部6は、冊子Kに挟まずに冊子Kの上方に突出させて、背表紙や表紙カバーの上に掛かるように配置すれば、冊子Kによる挿入片部5の挟持が緩んだ場合でも、冊子管理用タグ1の全体が冊子Kの内部に没入せず、冊子管理用タグ1の上端部を、冊子Kの上から指で引き抜ける状態を保持できる。なお、
図5では、挿入片部5を冊子Kのページ間に差し挟んで取り付けた状態を示しているが、冊子管理用タグ1は、挿入片部5を冊子Kの見返しの間に差し挟んで取り付けてもよい。また、
図5では、没入防止片部6が冊子Kの上方に突出しているが、挿入片部5と没入防止片部6の境界で基材シート2を直角に折り曲げて、没入防止片部6を冊子Kの上部に寝かせるように配置してもよい。
【0025】
冊子Kに取り付けた冊子管理用タグ1は、例えば、冊子Kが本棚に並んだ状態でも、無線通信によって、ICチップ11の記憶情報を非接触で読み書きできる。このため、例えば、書店や書庫の本棚に並べる各冊子に、取付対象の冊子情報を記憶させた冊子管理用タグ1を取り付けておけば、書棚に並んだ多数の冊子の情報を、外部装置を用いて短時間で取得できるから、在庫管理や冊子の探索を容易に行うことが可能となる。また、在庫管理や冊子の探索を非接触で行うことで、冊子に触れる機会が減るため、冊子を傷つけるリスクも低減される。
【0026】
本実施例の冊子管理用タグ1は、冊子Kに貼着したり埋設したりすることなく、冊子Kに差し挟んで使用するものであるから、冊子Kの販売時など、冊子管理用タグ1が以後不要となる場合には、挿入片部5を冊子Kから抜き取ることにより、冊子Kから簡単に取り外すことができる。特に、冊子Kの上方に突出させた没入防止片部6を摘むことにより、冊子Kから極めて容易に抜き取りできる。また、冊子Kから取り外した冊子管理用タグ1は、新たな冊子Kに差し挟んで、ICチップ11のメモリ内の情報を新たな冊子Kに関するものに書き換えることにより、再度使用することができる。
【0027】
以下に、本発明の要部に係る構成を説明する。
本実施例の冊子管理用タグ1は、RFIDインレット3のICチップ11の配設部位が外装で覆われず、タグの表裏に露出している。具体的には、
図1~3に示すように、挿入片部5には、基材シート2を厚み方向に貫通する開口部15が形成され、RFIDインレット3は、開口部15を塞ぐように挿入片部5の裏側に貼着される。開口部15は、ICチップ11よりも一回り大きい矩形状をなしており、RFIDインレット3は、ICチップ11が配置される実装面を基材シート2側に向けて、ICチップ11の配設部位全体が、開口部15と重なるように挿入片部5に貼着される。
【0028】
ここで、
図1~3に示すように、挿入片部5の開口部15は、RFIDインレット3によって裏側から塞がれるが、開口部15の表側はシート等の外装で覆われず、開口部15は挿入片部5の表側に開放されている。このため、RFIDインレット3のICチップ11の配設部位は、開口部15において挿入片部5の表側に露出している。なお、
図3,4に示すように、RFIDインレット3は、開口部15と重なる部位について、粘着剤層13を形成せず、粘着剤で覆わずにICチップ11等を露出させる糊抜き部16としている。開口部15に露出する部位に粘着剤層13が形成されていると、冊子Kに差し挟んだ際に、冊子Kに粘着剤が付着するおそれがあるためである。
【0029】
また、
図2に示すように、ICチップ11は、実装面を基材シート2側に向けて、挿入片部5の開口部15と重なる位置に配置されることにより、開口部15に内嵌して、挿入片部5の表側に露出している。ここで、本実施例では、挿入片部5を構成する基材シート2の厚みは、ICチップ11の厚みと略等しくなっており、これにより、基材シート2の表面と、ICチップ11の上面とが略面一に配置される。このように、本実施例では、ICチップ11の配設部位の凸部が、開口部15の周囲の基材シート2の厚みによって完全に解消されて、挿入片部5の表側全体が略平坦となっている。
【0030】
また、本実施例では、挿入片部5の裏側は外装で覆われず、挿入片部5の裏側に貼着されるRFIDインレット3は、挿入片部5の裏側にフィルム基材10を露出させている。
【0031】
このように、本実施例では、ICチップ11が配置される開口部15の表側を外装で覆わずに開放させているため、従来構成に比べて、タグの厚みを薄くできる。特に、本実施例では、挿入片部5を構成する基材シート2の厚みが、ICチップ11の厚みと略等しいため、タグを、RFIDインレット3の厚みと略等しい最低限の厚みで実現できる。具体的には、上記特許文献1の実施例に記載の冊子管理用タグ(書籍類用取付けホルダー)は、厚みが400~500μmであるのに対して、本実施例の構成では、同じRFIDインレットを用いて、冊子管理用タグの厚みを半分以下に収めることができる。
【0032】
このように、本実施例の冊子管理用タグ1は、従来構成に比べて薄いため、冊子Kに差し挟んだ状態で、冊子Kの厚み方向に力が加わったとしても、冊子管理用タグ1が冊子Kに深く食い込んで痕が残るおそれはない。また、本実施例では、周囲の基材シート2の厚みによって、ICチップ11の配設部位の凸部が解消されるため、挿入片部5を冊子Kに抜き差しする際に、当該凸部が冊子Kに引っ掛かって冊子Kを損傷させることがない。このため、本実施例の冊子管理用タグ1は、従来構成に比べて冊子Kを傷め難いという利点がある。
【0033】
なお、一般的なRFIDタグでは、ICチップを衝撃や圧力から保護する外装が必要となるが、本実施例の冊子管理用タグ1は、
図5に示すように、冊子Kに差し挟んで使用するため、冊子Kの外部から加わる衝撃や圧力は冊子K自体で吸収されて、ICチップ11には加わらない。このため、本実施例では、ICチップ11を配置する開口部15の表側が開放されていても、外部からの衝撃や圧力等によってICチップ11が破損するおそれはない。
本実施例の冊子管理用タグ1aにあっても、実施例1と同様に、ICチップ11の配設部位の凸部を解消しつつ、タグを薄くできるため、従来構成に比べて、冊子Kを傷め難いという利点がある。本実施例の冊子管理用タグ1aは、ICチップ11の表面が粘着剤層13と糊殺し剤層17で覆われるため、実施例1よりも、ICチップ11の配設部位が若干肉厚となるが、実装面全体が粘着剤層13に覆われたウェットタイプのRFIDインレット3を用いて製造できるため、実施例1に比べて、製造コストを低減できる場合がある。
以上に、本発明の実施例について説明したが、本発明の実施形態は、上記実施例の構成に限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能である。
例えば、本発明の管理用タグを差し挟む物品としては冊子が最適であるが、本発明の管理用タグは、冊子以外の物品にも使用できる。例えば、財布や名刺入れ、カードホルダー、ファイルフォルダなどの、シート状の挿入片部を差し挟むのに適する隙間を有する物品にも使用できる。また、光メディアやメモリカード、ゲームカートリッジ等を収納する収納ケースに対して、収納ケースの筐体部と蓋部との間に生じている隙間や、収納ケースとその表面に配設されているフィルムバインダーとの隙間に挿入片部を挿入するようにしてもよい。
また、上記実施例では、無地の基材シート2にRFIDインレット3が貼着されるが、基材シート2に、情報や模様を印刷するようにしてもよい。具体的には、ICチップ11に記憶させる情報の一部又は全部を、基材シート2に印刷して、目視でも情報を確認可能とすることが提案される。
また、上記実施例の冊子管理用タグ1は、挿入片部5と没入防止片部6を具備しているが、没入防止片部6を具備せず、冊子管理用タグ1の全体を冊子に差し挟んで使用するようにしてもよい。また、上記実施例の挿入片部5は、上下に長尺な帯状をなしているが、本発明に係る挿入片部の形状は、特に限定されず、RFIDインレットを貼着可能な大きさ・形状であれば足りる。
また、上記実施例では、挿入片部5の裏側に外装を設けず、RFIDインレット3を挿入片部5の裏側に露出させている。かかる構成とすることにより、冊子管理用タグ1の厚みを一層低減できるが、本発明の管理用タグは、RFIDインレットの裏側を、保護シート等の外装で覆うようにしてもよい。
また、上記実施例では、挿入片部5を構成する基材シート2の厚みを、ICチップ11の厚みと略同じにしているが、当該基材シート2とICチップ11の厚みは完全に同じでなくてもよい。開口部15の周囲の基材シート2の厚みが、ICチップ11の厚みと同じかそれ以上であれば、ICチップ11の配設部位の凸部を完全に解消できる。また、開口部15の周囲の基材シート2の厚みが、ICチップ11の厚み未満の場合であっても、ICチップ11の配設部位の凸部を、ある程度は解消できるため、冊子の傷みを防止する効果が得られる。発明者の研究によれば、挿入片部5の基材シート2の厚みを、ICチップ11の厚み(100μm)の80%以上にした試作品では、挿入片部5を繰返し抜き差ししても、ICチップ11の配設部位の凸部による、冊子のページの傷みは全く認められなかった。一方で、挿入片部5の基材シート2の厚みを、ICチップ11の厚み(100μm)の200%より大きくした試作品では、タグ全体が肉厚となって、タグがページに食い込んで痕が残った。このため、挿入片部5の開口部15の周囲の基材シート2の厚みは、ICチップ11の厚みの80%~200%とすることが望ましい。
また、本発明に係る開口部15の形状や大きさについても、実施例の形状・大きさに限定されず、ICチップ11の全体と重なり得る形状と大きさであれば足りる。ただし、ICチップ11に比べて開口部15が大きすぎると、開口部15の開口縁とICチップ11の間隙が大きくなって、ICチップ11の配設部位の凸部が目立ち易くなるため、開口部15の面積は、ICチップ11の平面視における面積の50倍以下とすることが望ましく、開口部15の開口縁とICチップ11の間隙は、2mm以下の幅とすることが望ましい。