(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169689
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】端末及び無線通信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/1263 20230101AFI20241128BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20241128BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20241128BHJP
H04W 72/20 20230101ALI20241128BHJP
H04W 28/16 20090101ALI20241128BHJP
H04W 8/22 20090101ALI20241128BHJP
【FI】
H04W72/1263
H04W16/28
H04W24/10
H04W72/20
H04W28/16
H04W8/22
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024166904
(22)【出願日】2024-09-26
(62)【分割の表示】P 2020086505の分割
【原出願日】2020-05-18
(31)【優先権主張番号】201910413606.0
(32)【優先日】2019-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チェン ラン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ワン シン
(72)【発明者】
【氏名】リー アンシン
(72)【発明者】
【氏名】ホウ シャオリン
(72)【発明者】
【氏名】サイ リリン
(57)【要約】
【課題】サービスをより効率的にユーザに提供する。
【解決手段】本開示は、端末及び無線通信方法を提供する。該端末は、前記端末の履歴情報に基づいて、前記端末用のスケジューリング情報を決定するための処理部と、決定されたスケジューリング情報を基地局に送信するための送信部と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末であって、
前記端末の履歴情報に基づいて、前記端末用のスケジューリング情報を決定するための処理部と、
決定されたスケジューリング情報を基地局に送信するための送信部と、を含む、端末。
【請求項2】
前記履歴情報は、前記端末の位置情報、出現時間情報、及び過去の下り信号に対する測定結果の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記スケジューリング情報は、前記端末に割り当てられる時間-周波数リソース、変調符号化方式レベル、前記端末への伝送のレイヤ数又はストリーム数、ビームフォーミング又はプリコーディング方式、伝送アンテナポートの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の端末。
【請求項4】
協調マルチポイント(CoMP)伝送技術を採用する場合、前記スケジューリング情報は、伝送ポイント選択情報、プリコーディングウェイト選択情報の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の端末。
【請求項5】
前記送信部は、さらに、前記端末の、ニューラルネットワークに対するサポートを能力に間する情報を前記基地局に送信する、請求項1に記載の端末。
【請求項6】
前記基地局からの、ニューラルネットワークのネットワークレイヤ数、各レイヤのノード数、ノード接続関係、ネットワーク係数、活性化関数に関する設定情報を受信するための受信部をさらに含む、請求項5に記載の端末。
【請求項7】
前記受信部は、さらに、前記基地局からの、前記端末にフィードバックを行わせるための指示、前記端末にスケジューリング方式を自身で決定させるための指示の少なくとも一つを受信する、請求項6に記載の端末。
【請求項8】
端末の無線通信方法であって、
端末の履歴情報に基づいて、前記端末用のスケジューリング情報を決定する工程と、
決定されたスケジューリング情報を基地局に送信する工程と、を含む、端末の無線通信方法。
【請求項9】
端末であって、
基地局に前記端末に間する情報を送信するための送信部を含み、
前記端末に間する情報は、前記端末の位置情報、出現時間情報及びチャネルコンディション情報の少なくとも一つと、前記出現時間情報、前記チャネルコンディション情報の少なくとも一つに対応するフィードバック情報と、前記フィードバック情報に対応する下り伝送方式又は上り伝送方式とを含む、端末。
【請求項10】
端末の無線通信方法であって、
基地局に前記端末に間する情報を送信する送信工程を含み、
前記端末に間する情報は、前記端末の位置情報、出現時間情報及びチャネルコンディション情報の少なくとも一つと、前記出現時間情報、前記チャネルコンディション情報の少なくとも一つに対応するフィードバック情報と、前記フィードバック情報に対応する下り伝送方式又は上り伝送方式とを含む、端末の無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信分野に関し、より具体的には、無線通信分野における端末及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の無線通信ネットワークにおいて、基地局と端末との間は、ランダムアクセス手順によって接続が確立された後、基地局は、端末がリソース設定、測定設定、フィードバック設定等の各種設定に関する設定情報及び参照信号に基づいて測定を行って、セル指示子、ビーム指示子、参照信号受信電力、チャネル状態情報(CSI)等のような測定報告を基地局にフィードバックするように、設定情報、参照信号を端末に送信する。基地局は、端末のフィードバックに基づいて、端末の下り伝送方式又は上り伝送方式を決定し、すなわち、端末をどのようにスケジューリングするかを決定する。例えば、基地局は、端末のフィードバックに基づいて、該端末に割り当てられる時間-周波数リソース、変調符号化方式レベル、端末への伝送のレイヤ数又はストリーム数、ビームフォーミング又はプリコーディング方式、伝送アンテナポートなどを決定することができる。そして、基地局は、端末が基地局の指示に基づいて伝送を行うように、これら決定された端末の下り伝送方式又は上り伝送方式に関する情報を端末に送信する。これにより、基地局と端末との下り伝送又は上り伝送前に、基地局と端末との間には、参照信号、設定、及びフィードバック等に関するシグナリングを大量に交換する必要があり、これに対して、大量の物理リソースが占用される。
【0003】
一方、科学技術の発展に伴い、人工知能(AI)技術が多くの異なる分野に用いられる。サービスをより効率的にユーザに提供することが望ましいため、近い将来、無線通信システムにおいても、AI機能を有する基地局や移動局が提案されることが予想される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様によれば、端末であって、前記端末の履歴情報に基づいて、前記端末用のスケジューリング情報を決定するための処理部と、決定されたスケジューリング情報を基地局に送信するための送信部と、を含む、端末が提供される。
本開示の一態様によれば、端末の無線通信方法であって、端末の履歴情報に基づいて、前記端末用のスケジューリング情報を決定する工程と、決定されたスケジューリング情報を基地局に送信する工程と、を含む、端末の無線通信方法が提供される。
本開示の一態様によれば、端末であって、基地局に前記端末に間する情報を送信するための送信部を含み、前記端末に間する情報は、前記端末の位置情報、出現時間情報及びチャネルコンディション情報の少なくとも一つと、前記出現時間情報、前記チャネルコンディション情報の少なくとも一つに対応するフィードバック情報と、前記フィードバック情報に対応する下り伝送方式又は上り伝送方式とを含む、端末が提供される。
本開示の一態様によれば、端末の無線通信方法であって、基地局に前記端末に間する情報を送信する送信工程を含み、前記端末に間する情報は、前記端末の位置情報、出現時間情報及びチャネルコンディション情報の少なくとも一つと、前記出現時間情報、前記チャネルコンディション情報の少なくとも一つに対応するフィードバック情報と、前記フィードバック情報に対応する下り伝送方式又は上り伝送方式とを含む、端末の無線通信方法が提供される。
本開示の一態様によれば、基地局であって、第1端末の履歴情報に基づいて、前記第1端末用のスケジューリング情報を決定するための処理部と、決定されたスケジューリング情報を前記第1端末に送信するための送信部と、を含む基地局が提供される。
【0005】
本開示の一例によれば、スケジューリング情報は、端末に割り当てられる時間-周波数リソース、変調符号化方式レベル、端末への伝送のレイヤ数又はストリーム数、ビームフォーミング又はプリコーディング方式、伝送アンテナポートの少なくとも1つを含んでもよい。また、協調マルチポイント(CoMP)伝送技術を採用する場合、スケジューリング情報は、例えば、伝送ポイント選択情報、プリコーディングウェイト選択情報の少なくとも1つのような、CoMP方式に関する情報をさらに含んでもよい。
【0006】
本開示の一例によれば、上記基地局において、前記履歴情報は、前記第1端末の位置情報、出現時間情報、及びチャネルコンディション情報の少なくとも1つを含む。
【0007】
本発明の一例によれば、上記基地局において、前記処理部は、さらに、ランダムアクセス手順において前記第1端末から送信される信号、又は過去の受信した前記第1端末からのデータ情報に基づいて、前記第1端末の履歴情報を決定する。
【0008】
本開示の一例によれば、上記基地局において、前記送信部は、さらに、チャネル測定参照信号が利用不可であることか、又はチャネル測定参照信号を設定しないことを指示する第1シグナリングを前記第1端末に送信する。
【0009】
本開示の一例によれば、上記基地局において、前記送信部は、さらに、プリコーディングフィードバックを行わないこと、及びプリコーディングフィードバック以外のチャネル情報フィードバックを行わないことの少なくとも1つを前記第1端末に指示する第2シグナリングを送信する。
【0010】
本開示の一例によれば、上記基地局において、前記送信部は、さらに、従来のコードブックが利用不可であることを指示する第3シグナリングを送信する。
【0011】
本開示の一例によれば、上記基地局において、前記処理部は、少なくとも1つの第2端末によってトレーニングされる人工ニューラルネットワークのような人工知能モジュールを用いて、前記履歴情報に基づいて、前記第1端末用のスケジューリング情報を決定する。
【0012】
本開示の一例によれば、上記基地局は、前記第1端末からのフィードバック情報を受信するための受信部をさらに含み、前記処理部は、さらに、前記履歴情報及び前記フィードバック情報の両方に基づいて、前記第1端末用のスケジューリング情報を決定する。
【0013】
本開示の他の態様によれば、端末であって、基地局からの第1シグナリングを受信するための受信部と、前記第1シグナリングに基づいて参照信号が利用可能であるか又は設定されたか否かを決定する処理部と、を含む端末が提供される。
【0014】
本開示の他の態様によれば、端末であって、第2シグナリングを受信するための受信部と、第2シグナリングに基づいて、プリコーディングフィードバックを行わないこと及びプリコーディングフィードバック以外のチャネル情報フィードバックを行わないことの少なくとも1つを前記端末に指示するための処理部と、を含む端末が提供される。
【0015】
本開示の他の態様によれば、端末であって、第3シグナリングを受信するための受信部と、前記第3シグナリングに基づいて、コードブックが利用可能であるか否かを決定するための処理部と、を含む端末が提供される。
【0016】
本開示の他の態様によれば、端末であって、前記端末の履歴情報に基づいて、前記端末用のスケジューリング情報(例えば、前記端末の上り伝送方式に関する情報)を決定するための処理部と、決定されたスケジューリング情報を基地局に送信するための送信部と、を含む端末が提供される。
【0017】
本開示の一例によれば、スケジューリング情報は、端末に割り当てられる時間-周波数リソース、変調符号化方式レベル、端末への伝送のレイヤ数又はストリーム数、ビームフォーミング又はプリコーディング方式、伝送アンテナポートの少なくとも1つを含んでもよい。また、協調マルチポイント(CoMP)伝送技術を採用する場合、スケジューリング情報は、例えば、伝送ポイント選択情報、プリコーディングウェイト選択情報の少なくとも1つのような、CoMP方式に関する情報をさらに含んでよい。
【0018】
本開示の一例によれば、上記端末において、前記履歴情報は、前記端末の位置情報、出現時間情報、及び下り信号に対する測定結果の少なくとも1つを含む。
【0019】
本開示の他の態様によれば、基地局によって実行される方法であって、第1端末の履歴情報に基づいて、前記第1端末用のスケジューリング情報を決定するステップと、決定されたスケジューリング情報を前記第1端末に送信するステップと、を含む方法が提供される。
【0020】
本開示の一例によれば、上記方法において、前記履歴情報は、前記第1端末の位置情報、出現時間情報及びチャネルコンディション情報の少なくとも1つを含む。
【0021】
本開示の一例によれば、上記方法において、ランダムアクセス手順において前記第1端末から送信される信号、又は過去の受信した前記第1端末からのデータ情報に基づいて、前記第1端末の履歴情報を決定するステップをさらに含む。
【0022】
本開示の一例によれば、上記方法において、チャネル測定参照信号が利用不可であることか、又はチャネル測定参照信号を設定しないことを指示する第1シグナリングを前記第1端末に送信するステップをさらに含む。
【0023】
本開示の一例によれば、上記方法において、プリコーディングフィードバックを行わないこと及びプリコーディングフィードバック以外のチャネル情報フィードバックを行わないことの少なくとも1つを前記第1端末に指示する第2シグナリングを送信するステップをさらに含む。
【0024】
本開示の一例によれば、上記方法において、従来のコードブックが利用不可であることを指示する第3シグナリングを送信するステップをさらに含む。
【0025】
本開示の一例によれば、上記方法において、第1端末の履歴情報に基づいて、前記第1端末用のスケジューリング情報を決定するステップは、少なくとも1つの第2端末によってトレーニングされる人工ニューラルネットワークのような人工知能モジュールを用いて、前記履歴情報に基づいて、前記第1端末用のスケジューリング情報の決定にともに用いられる。
【0026】
本開示の一例によれば、上記方法は、前記第1端末からのフィードバック情報を受信するステップをさらに含み、前記処理部は、さらに、前記履歴情報及び前記フィードバック情報の両方に基づいて、前記第1端末用のスケジューリング情報に共に用いられることを決定する。
【0027】
本開示の他の態様によれば、端末によって実行される方法であって、基地局からの第1シグナリングを受信するステップと、前記第1シグナリングに基づいて、参照信号が利用可能であるか又は設定されたかを決定するステップと、を含む方法が提供される。
【0028】
本開示の他の態様によれば、端末によって実行される方法であって、第2シグナリングを受信するステップと、第2シグナリングに基づいて、プリコーディングフィードバックを行わないこと及びプリコーディングフィードバック以外のチャネル情報フィードバックを行わないことの少なくとも1つを前記端末に指示するステップと、を含む方法が提供される。
【0029】
本開示の他の態様によれば、端末によって実行される方法であって、第3シグナリングを受信するステップと、前記第3シグナリングに基づいて、コードブックが利用可能であるか否かを決定するステップと、を含む方法が提供される。
【0030】
本開示の他の態様によれば、端末によって実行される方法であって、前記端末の履歴情報に基づいて、前記端末用のスケジューリング情報を決定するステップと、決定されたスケジューリング情報を基地局に送信するステップと、を含む方法が提供される。
【0031】
本開示の一例によれば、上記方法において、前記履歴情報は、前記端末の位置情報、出現時間情報、及び過去の下り信号に対する測定結果の少なくとも1つを含む。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図面を参照して本開示の実施例についてより詳細に説明することにより、本開示の上記及び他の目的や特徴、利点が、明らかになれるであろう。図面は、本開示の実施例への更なる理解を提供するためのものであり、明細書の一部を構成し、本開示の実施例とともに、本開示を解釈し、本開示を制限するものではない。図面において、同一の符号は、通常、同一の部材又はステップを表すものとする。
【0033】
【
図1】本開示の実施例を適用可能な無線通信システムの概略図である。
【
図2】本開示の一実施例に係る基地局の構成概略図である。
【
図3A】本発明の一例に係る、ニューラルネットワークにより第1端末の履歴情報に基づいて第1端末用のスケジューリング情報を決定することを示す概略図である。
【
図3B】本発明の他の一例に係る、ニューラルネットワークにより第1端末の履歴情報に基づいて第1端末用のスケジューリング情報を決定することを示す概略図である。
【
図4】本開示の一実施例に係る端末の構成概略図である。
【
図5】本開示の一実施例に係る、基地局によって実行される方法のフローチャートである。
【
図6】本開示の一実施例に係る、端末によって実行される方法のフローチャートである。
【
図7】本開示の実施例に係る機器のハードウェア構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本開示の目的や技術案、利点がより明らかになれるように、以下、本開示に係る例示的な実施例について、図面を参照して詳細に説明する。図面において、同一の符号は、常に同一の要素を示している。なお、ここで説明される実施例は、単なる例示的なものに過ぎず、本開示の範囲を制限するものであると解釈されるべきではない。また、ここで記載される端末は、例えば、ユーザー端末(User Equipment、UE)、移動端末(又は移動局と呼ばれる)又は固定端末のような様々な種類の端末を含んでもよい。しかし、便宜上、以下では端末とUEとが互換的に使用される場合がある。また、例えば、本開示の実施例において、人工ニューラルネットワークは、AI機能モジュールに使用されるネットワークである。簡潔のために、以下の説明では、ニューラルネットワークと呼ばれる場合がある。
【0035】
まず、
図1を参照しながら、本開示の実施例を適用可能な無線通信システムについて説明する。該無線通信システムは、5Gシステムであってもよく、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)システム又はLTE-A(advanced)システムなどの、他のいかなる種類の無線通信システムであってもよい。
【0036】
図1に示すように、端末120は、基地局110が位置するセルに入った後、まず、基地局と端末は、ランダムアクセス手順により接続を確立する。端末120が下り伝送又は上り伝送を行う必要がある場合、基地局110は、端末120に、リソース設定、測定設定、フィードバック設定等の各種設定に関する設定情報を送信し、参照信号を送信する。端末120は、設定情報に基づいて、基地局から送信される参照信号を受信してチャネル測定を行い、さらに、設定情報に基づいて、測定結果を基地局にフィードバックする。基地局110は、端末120のフィードバックに基づいて、端末120の下り伝送方式又は上り伝送方式を決定し、下り伝送方式又は上り伝送方式に関するスケジューリング情報を端末120に送信する。例えば、基地局110がフィードバック情報に基づいて決定したスケジューリング情報は、端末に割り当てられる時間-周波数リソース、変調符号化方式レベル、端末への伝送のレイヤ数又はストリーム数、ビームフォーミング又はプリコーディング方式、伝送アンテナポートなどを含んでもよい。そして、端末120は、基地局110からのスケジューリング情報に基づいて、下り伝送又は上り伝送を行う。
図1に示す例から分かるように、基地局110及び端末120が下り伝送又は上り伝送を行う前に、基地局110及び端末120は、設定情報の送信、参照信号の送信、チャネル測定、測定結果のフィードバックなどの一連の動作を行う必要があり、基地局110と端末120との間には、参照信号、設定、及びフィードバックなどに関する大量のシグナリングを交換する必要があり、大量の物理リソースが占用される。
【0037】
一方、科学技術の発展に伴い、人工知能(Artificial Intelligence、AI)技術は、既に、例えば、画像処理分野、意味識別分野、医療分野など様々な分野に適用されている。今後、AI技術は、無線通信分野にも適用でき、より知能的にユーザに無線通信サービスを提供することが予想される。
【0038】
本開示では、端末及び基地局が提供される。本開示に係る端末及び基地局において、シグナリングオーバーヘッドの減少が可能となるように、例えば、AI機能を利用して、端末の履歴情報などに基づいて、端末の上り又は下り伝送方式を決定する。
【0039】
以下、
図2を参照しながら、本開示の一実施例に係る基地局について説明する。
図2は、本開示の一実施例に係る基地局の概略構成図である。
【0040】
図2に示すように、基地局200は、処理部210と、送信部220と、を含む。処理部210は、第1端末の履歴情報に基づいて、第1端末用のスケジューリング情報を決定してもよい。例えば、スケジューリング情報は、第1端末に割り当てられる時間-周波数リソース、変調符号化方式レベル、端末への伝送のレイヤ数又はストリーム数、ビームフォーミング又はプリコーディング方式、伝送アンテナポートなどを含んでもよい。また、協調マルチポイント(CoMP)伝送技術を採用する場合、スケジューリング情報は、伝送ポイント選択情報、プリコーディングウェイト選択情報などをさらに含む。
【0041】
近年のAI技術の急速な発展に伴い、ニューラルネットワークが広く利用されている。本発明の一例によれば、処理部210は、ニューラルネットワークにより、第1端末の履歴情報に基づいて、前記第1端末用のスケジューリング情報を決定してもよい。
【0042】
本発明の他の一例によれば、あらかじめ少なくとも1つの第2端末によって基地局のニューラルネットワークをトレーニングしてもよい。例えば、第2端末は、基地局200の隣接基地局や基地局200とコロケーションする基地局が位置するセルに位置する端末であってもよい。具体的には、基地局200の隣接基地局や基地局200とコロケーションする基地局は、配下のセル内の端末に関する情報を基地局200に提供してもよい。
【0043】
また、例えば、第2端末は、基地局200が配置された後、基地局200をトレーニングするに専用されるためのトレーニング端末であってもよい。具体的には、実際の端末が信号を送信することを模擬すると同時に、個別チャネルを介して移動速度及び方向、測定された下りチャネル情報などを基地局に報告できるようにトレーニング端末をトレーニングする。
【0044】
また、第2端末は、第1端末を含んでもよい。例えば、スケジューリング方式が決定された第1端末の関連情報をトレーニングデータとして、ニューラルネットワークをトレーニングしてもよい。
【0045】
また、第2端末に関する情報は、第2端末の位置情報、出現時間情報及びチャネルコンディション情報の少なくとも1つと、出現時間情報、チャネルコンディション情報の少なくとも1つに対応するフィードバック情報(例えば、セル指示子、ビーム指示子(SSB index、CSI-RS index)、参照信号受信電力、CSI等)と、フィードバック情報に対応する下り伝送方式又は上り伝送方式(例えば、該端末に割り当てられる時間-周波数リソース、変調符号化方式レベル、端末への伝送のレイヤ数又はストリーム数、ビームフォーミング又はプリコーディング方式、伝送アンテナポートなど)と、を含んでもよい。また、協調マルチポイント(CoMP)伝送技術を採用する場合、第2端末に関する情報は、伝送ポイント選択情報、プリコーディングウェイト選択情報などをさらに含む。
【0046】
基地局200は、第2端末に関する上記情報をトレーニングシーケンスとして、自分のニューラルネットワークをトレーニングすることにより、入力が端末の履歴情報であり、出力が端末の下り伝送方式又は上り伝送方式であるニューラルネットワークを取得してもよい。端末の履歴情報は、例えば、端末の位置情報、出現時間情報及びチャネルコンディション情報の少なくとも1つを含んでもよい。第1端末をスケジューリングする必要がある場合、処理部210は、第1端末の履歴情報をトレーニング済みのニューラルネットワークに入力して、第1端末用のスケジューリング情報を取得してもよい。例えば、第1端末の履歴情報は、第1端末の位置情報、出現時間情報及びチャネルコンディション情報の少なくとも1つであってもよい。すなわち、第1端末の履歴情報の種類は、基地局200のニューラルネットワークの入力に必要な情報の種類とマッチングされてもよい。
【0047】
処理部210は、1段又は複数段(すなわち、2段以上)のニューラルネットワークにより第1端末スケジューリング情報を取得してもよい。例えば、1段のニューラルネットワークは、入力がチャネル状態であり、出力が第1端末のスケジューリング情報であってもよい。処理部210が、受信した前記第1端末からのデータ情報から、第1端末のチャネルコンディション情報を取得する場合、1段のニューラルネットワークにより第1端末スケジューリング情報を取得してもよい。また、例えば、処理部210が前記第1端末の時間情報又は位置情報を取得する場合、上記1段のニューラルネットワークを基に、1段のネットワークを追加し、すなわち、2段のニューラルネットワークにより第1端末スケジューリング情報を取得してもよい。具体的には、処理部210は、まず、該追加されたニューラルネットワークの段により、第1端末の時間情報又は位置情報に基づいて、第1端末チャネルコンディション情報を決定してもよい。以下、
図3Aを参照しながら2段のニューラルネットワーク(他のサブネットワークを含むニューラルネットワークと呼ばれてもよい)についてさらに説明する。
【0048】
本実施例において、第1端末が上り伝送又は下り伝送を行う前に、基地局200は、第1端末への設定情報の送信、参照信号の送信が必要なく、それに、第1端末もチャネル測定を行って測定結果をフィードバックする必要がない。基地局200は、第1端末の履歴情報のみに基づけば、第1端末用の上り伝送方式又は下り伝送方式を決定し、対応するスケジューリング情報を取得することができ、端末のフィードバックが必要とされていない。
【0049】
本開示の一例によれば、処理部210は、ランダムアクセス手順において第1端末から送信される信号に基づいて、前記第1端末の履歴情報を決定してもよい。例えば、処理部210は、ランダムアクセス手順において、受信した第1端末から送信される、例えば、ランダムアクセスチャネルプリアンブル(PRACH preamble)、Msg3メッセージなどの信号の到達角度に基づいて第1端末の位置情報を決定してもよい。また、複数の基地局が協働して測位することにより、第1端末の位置情報を決定してもよい。また、例えば、処理部210は、ランダムアクセス手順において第1端末から送信される信号を受信した時間に基づいて、第1端末の出現時間情報を決定してもよい。また、例えば、処理部210は、ランダムアクセス手順において受信した第1端末から送信される信号の信号品質及び干渉強度(すなわち、上り測定結果)に基づいて、第1端末のチャネルコンディション情報を決定してもよい。第1端末のチャネルコンディション情報は、端末下りチャネルコンディション情報及び端末上りチャネルコンディション情報を含んでもよい。また、チャネルに互換性がある場合、上下りチャネルの品質情報が互換的に使用され得る。あるいは、上下りチャネル特性によって上下りチャネルコンディション情報のキャリブレーションを行ってもよい。
【0050】
本発明の他の一例によれば、処理部210は、過去に受信した第1端末からのデータ情報に基づいて、前記第1端末の履歴情報を決定してもよい。ランダムアクセス手順において第1端末から送信される信号と同様に、例えば、処理部210は、過去に受信した第1端末からのデータ情報の信号品質及び干渉強度に基づいて、第1端末のチャネルコンディション情報を決定してもよい。
【0051】
図3Aは、本発明の一例に係る、ニューラルネットワークにより、第1端末の履歴情報に基づいて第1端末用のスケジューリング情報を決定することを示す概略図である。
図3Aに示す例では、ランダムアクセス手順において第1端末から送信される信号に基づいて、前記第1端末の履歴情報を決定することを例として説明する。なお、ランダムアクセス手順において第1端末から送信される信号を過去に受信した第1端末からのデータ情報、すなわち、第1端末の上りデータ情報に置き換え、
図3Aと同様のニューラルネットワークを採用して第1端末用のスケジューリング情報を決定してもよい。
【0052】
図3Aに示すように、基地局の処理部は、端末情報検出器310を含んでもよく、処理部210が使用するニューラルネットワークは、CSI情報推定サブネットワーク320と、スケジューリングサブネットワーク330とを含んでもよい。端末情報検出器310は、従来のランダムブラインド検出アルゴリズムにより、ランダムアクセス手順において受信した、例えば、プリアンブル、Msg3メッセージなどと、端末IDとの間の対応関係を決定してもよい。端末情報検出器310は、ランダムアクセス手順において受信した、例えば、プリアンブル、Msg3メッセージに基づいて、端末の履歴情報を決定してもよい。
【0053】
なお、
図3Aに示す例では、端末情報検出器310がニューラルネットワークから独立し、従来のランダムブラインド検出アルゴリズムを用いることを例として説明したが、これに代えて、サブニューラルネットワークを設けて、ランダムアクセス手順において受信した、例えば、プリアンブル、Msg3メッセージなどと、端末IDとの対応関係を取得し、端末の履歴情報を決定してもよい。
【0054】
CSI情報推定サブネットワーク320は、あらかじめ第2端末の、例えば、位置情報、出現時間情報の少なくとも1つの情報、及び上記情報に対応するフィードバック情報(例えば、ビーム指示子、RI、CQIなど)に基づいてトレーニングされるサブネットワークであってもよい。処理部210は、端末情報検出器310によって取得された第1端末の履歴情報をCSI情報推定サブネットワーク320に入力して、CSI情報推定サブネットワーク320を利用して、第1端末の可能なフィードバック情報(例えば、第1端末の可能なビーム指示子、RI、CQIなどのCSIフィードバック情報)を推定してもよい。
【0055】
スケジューリングサブネットワーク330は、あらかじめ第2端末のフィードバック情報、及びフィードバック情報に対応する下り伝送方式又は上り伝送方式に基づいてトレーニングされるサブネットワークであってもよい。処理部210は、CSI情報推定サブネットワーク320により推定される第1端末の可能なフィードバック情報をスケジューリングサブネットワーク330に入力し、スケジューリングサブネットワーク330を利用して第1端末用の下り伝送方式又は上り伝送方式を決定し、これに応じて、例えば、第1端末に割り当てる時間-周波数リソース、変調符号化方式のレベルなどの第1端末用のスケジューリング情報を決定してもよい。また、スケジューリングサブネットワーク330は、第1端末へ伝送しようとするデータキューの長さ、第1端末の過去のスループットなどに基づいて、第1端末のスケジューリング情報を決定してもよい。
【0056】
また、スケジューリングサブネットワーク330の後に、更に他のサブネットワークを追加して、システムのスループットをさらに向上させることができる。
図3Bは、本発明の他の一例に係る、ニューラルネットワークにより第1端末の履歴情報に基づいて第1端末用のスケジューリング情報を決定することを示す概略図である。
図3Bに示す例では、基地局の処理部は、端末情報検出器310’を含んでもよく、処理部210が使用するニューラルネットワークは、CSI情報推定サブネットワーク320’と、スケジューリングサブネットワーク330’と、スループット評価サブネットワーク340と、を含んでもよい。端末情報検出器310’、CSI情報推定サブネットワーク320’、スケジューリングサブネットワーク330’は、端末情報検出器310、CSI情報推定サブネットワーク320、スケジューリングサブネットワーク330と同様であり、簡潔のために、ここでは説明を省略する。スループット算出関数により、スループット評価サブネットワーク340をあらかじめトレーニングしておいてもよい。処理部210は、スケジューリングサブネットワーク330により決定されたスケジューリング情報をスループット評価サブネットワーク340に入力してもよい。スループット評価サブネットワーク340は、スケジューリング情報に基づいて、現在のスケジューリング結果の重み付け及びスループットを評価してもよい。
図3Bに示す例では、基地局200のニューラルネットワークがスケジューリング結果の重み付け及びスループットを最大化することができるように、基地局200のニューラルネットワークは、スループット評価サブネットワーク340により、現在のスケジューリング結果のスループットを評価する。
【0057】
図2に戻り、送信部220は、処理部210により決定されたスケジューリング情報を第1端末に送信してもよい。また、本発明の一例によれば、送信部220は、下りデータとスケジューリング情報とを共に第1端末に送信してもよい。本発明の他の一例によれば、送信部220は、決定されたスケジューリング方式に従って、下りデータのみを第1端末に送信してもよく、端末は、全ブラインド検出を行ってもよい。
【0058】
上記したように、本実施例において、基地局200は、第1端末の履歴情報のみに基づけば、第1端末用の上り伝送方式又は下り伝送方式を決定し、対応するスケジューリング情報を取得することができ、端末のフィードバックが必要とされていない。本発明の一例によれば、基地局200は、第1端末に参照信号を設定しないことを通知することにより、第1端末は、参照信号に基づいて測定する必要がなく、それに、測定結果をフィードバックする必要もないことを知ることができる。具体的には、送信部210は、チャネル測定参照信号が利用不可(disable)であるか又はチャネル測定参照信号を設定しないことを指示する第1シグナリングを第1端末に送信してもよい。また、送信部210は、プリコーディングフィードバックを行わないこと及びプリコーディングフィードバック以外のチャネル情報フィードバックを行わないことの少なくとも1つを第1端末に指示する第2シグナリングをさらに第1端末に送信してもよい。例えば、以下のように、ニューラルネットワークにより端末との通信を行う場合には、基地局200は、プリコーディングフィードバックを行わない第2シグナリングを送信してもよい。
【0059】
また、基地局と端末との間に長時間にわたってデータが交換されない場合、履歴情報は、端末の現在状況を正確に反映できない可能性があると考えられる。本発明の一例によれば、基地局及び端末の少なくとも一方は、双方が所定時間内にデータを交換しない場合、相手にダミーデータを送信することにより、履歴情報を更新してもよい。本発明の別の一例によれば、端末と基地局との間にRACH情報が再送されてもよく、これにより、双方が履歴情報を更新しやすくなる。
【0060】
また、本開示の他の一例によれば、基地局200は、ニューラルネットワークにより端末との通信を行う場合、従来のコードブック(例えば、NRにおけるコードブック)を必要としなくてもよく、又は、例えば、コードワードにニューラルネットワークに関するパラメータが含まれるコードブックのような、ニューラルネットワークに関するコードブックを使用してもよい。送信部220は、従来のコードブックが利用不可であることか、又はニューラルネットワークに関するコードブックを使用することを指示す第3シグナリングを送信してもよい。
【0061】
したがって、本開示の一実施例によれば、端末は、受信部と処理部とを含んでもよい。受信部は、基地局からの第1シグナリングを受信し、処理部は前記第1シグナリングに基づいて、参照信号が利用可能であるか又は設定されたかを判断してもよい。本開示の他の一実施例によれば、受信部は、プリコーディングフィードバックを行わないこと及びプリコーディングフィードバック以外のチャネル情報フィードバックを行わないことの少なくとも1つを前記端末に指示する第2シグナリングを受信してもよい。処理部は、第2シグナリングに基づいて、対応するフィードバックを行う必要があるか否かを判断してもよい。本開示の他の一実施例によれば、受信部は、コードブックが利用不可であることを指示する第3シグナリングをさらに受信する。処理部は、第3シグナリングに基づいて、コードブックを使用しないことを決定してもよい。また、第3シグナリングを受信した場合、処理部はプリコーディングフィードバックを行わないと決定してもよい。
【0062】
また、以上は、基地局200が第1端末の履歴情報のみに基づき、端末のフィードバックを必要としないことを例として説明したが、本開示の他の一例によれば、シグナリングオーバーヘッドを節約するとともに処理部210の処理負荷を低減させるために、基地局は、少量の測定結果をフィードバックするように端末に指示し、その少量の測定結果を第1端末の履歴情報とともにニューラルネットワークの入力としてもよい。具体的には、基地局200は、前記第1端末からのフィードバック情報を受信するように、受信部をさらに含んでもよい。また、処理部210は、フィードバック情報及び第1端末の履歴情報の両方に基づいて、前記第1端末用のスケジューリング情報を決定してもよい。例えば、基地局200のニューラルネットワークは、複数のレイヤを含んでもよく、処理部210は、フィードバック情報を特定の中間層の入力としてもよい。
【0063】
図2及び
図3A、3Bを参照して説明した例において、基地局は、第1端末の履歴情報に基づいて、第1端末用の下りスケジューリング方式又は上りスケジューリング方式を決定してもよい。本開示の他の態様によれば、上りスケジューリング方式の決定が端末によって実行されてもよい。
【0064】
図4は、本開示の一実施例に係る端末の概略構成図である。
図4に示すように、端末400は、処理部410と、送信部420とを含む。処理部410は、端末400の履歴情報に基づいて、該端末用のスケジューリング情報を決定してもよい。基地局200と同様に、本開示の一例によれば、端末400もニューラルネットワークをサポートすることができる。処理部410は、端末400の履歴情報を基地局のニューラルネットワークの入力とし、ニューラルネットワークにより端末400用のスケジューリング情報を決定してもよい。例えば、履歴情報は、端末400の位置情報、出現時間情報及び過去の下り信号に対する測定結果の少なくとも1つを含んでもよい。以上、基地局200の処理部210がニューラルネットワークにより第1端末用のスケジューリング情報を決定する具体例について詳細に説明した。端末側でニューラルネットワークにより自端末のスケジューリング情報を決定するプロセスが基地局側と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0065】
送信部420は、処理部410により決定されたスケジューリング情報を基地局に送信してもよい。本開示の他の一例によれば、送信部420は、上りデータをスケジューリング情報と共に基地局に送信してもよい。また、本発明の他の一例によれば、送信部220は、決定された上りスケジューリング方式に従って、上りデータのみを基地局に送信してもよい。
【0066】
また、将来の通信システムでは、ニューラルネットワークをサポートする端末と、ニューラルネットワークをサポートしない端末とが同時に存在し、それぞれの端末のニューラルネットワークに対するサポート能力が異なる可能性がある。本開示の他の一例によれば、端末と基地局とがよりよく協働するように、端末は、まず、自身のニューラルネットワークに対するサポート能力に関する情報を基地局に送信してもよく、基地局は、端末から送信される能力情報に基づいて、端末のニューラルネットワークを設定してもよい。例えば、基地局は、端末にニューラルネットワークのネットワークレイヤ数、各レイヤのノード数、ノード接続関係、ネットワーク係数、活性化関数に関する設定情報を送信してもよい。そして、基地局は、特定のニューラルネットワーク設定を有する端末に対して、例えば、フィードバックを行うように該端末に指示したり、スケジューリング方式を自機で決定するように該端末に指示したりなどの動作を行う。
【0067】
以上、
図2を参照しながら、本開示の一実施例に係る基地局について説明した。次に、
図5を参照しながら、基地局によって実行される方法について説明する。
図5は、本開示の一実施例に係る基地局によって実行される方法のフローチャートである。
【0068】
図5に示すように、方法500は、ステップS510とステップS520とを含む。ステップS510において、第1端末の履歴情報に基づいて、第1端末用のスケジューリング情報を決定する。本発明の一例によれば、第1端末の履歴情報を、方法500を実行する基地局のニューラルネットワークの入力とし、ステップS510において、ニューラルネットワークにより第1端末用のスケジューリング情報を決定する。
【0069】
本発明の他の一例によれば、あらかじめ、少なくとも1つの第2端末により、基地局のニューラルネットワークをトレーニングしてもよい。以上、基地局のニューラルネットワークをトレーニングするための第2端末について説明したが、ここでは説明を省略する。
【0070】
また、第2端末に関する情報は、第2端末の位置情報、出現時間情報、及びチャネルコンディション情報の少なくとも1つと、出現時間情報、チャネルコンディション情報の少なくとも1つに対応するフィードバック情報(例えば、セル指示子、ビーム指示子(SSB index、CSI-RS index)、参照信号受信電力、CSIなど)と、フィードバック情報に対応する下り伝送方式又は上り伝送方式(例えば、該端末に割り当てられる時間-周波数リソース、変調符号化方式レベル、端末への伝送のレイヤ数又はストリーム数、ビームフォーミング又はプリコーディング方式、伝送アンテナポートなど)と、を含んでもよい。
【0071】
方法500を実行する基地局は、第2端末に関する上記情報をトレーニングシーケンスとして、自身のニューラルネットワークをトレーニングすることにより、入力が端末の履歴情報であり、出力が端末の下り伝送方式又は上り伝送方式であるニューラルネットワークを取得する。端末の履歴情報は、例えば、端末の位置情報、出現時間情報及びチャネルコンディション情報の少なくとも1つを含んでもよい。方法500が実行される場合、ステップS510において、第1端末の履歴情報に基づいて、トレーニング済みのニューラルネットワークにより第1端末用のスケジューリング情報を決定する。例えば、第1端末の履歴情報は、第1端末の位置情報、出現時間情報及びチャネルコンディション情報の少なくとも1つであってもよい。換言すれば、第1端末の履歴情報の種類は、方法500を実行する基地局のニューラルネットワークの入力に必要な情報の種類にマッチングされてもよい。
【0072】
方法500では、1段又は複数段(すなわち、2段以上)のニューラルネットワークにより、第1端末スケジューリング情報を取得してもよい。例えば、1段のニューラルネットワークは、入力がチャネル状態であり、出力が第1端末のスケジューリング情報であってもよい。受信される前記第1端末からのデータ情報に基づいて、第1端末のチャネルコンディション情報を取得する場合、1段のニューラルネットワークにより第1端末スケジューリング情報を取得してもよい。また、例えば、前記第1端末の時間情報又は位置情報を取得する場合、上記1段のニューラルネットワークを基に、1段のネットワークを追加してもよく、すなわち、2段のニューラルネットワークにより第1端末スケジューリング情報を取得する。具体的には、まず、該追加されたニューラルネットワークの段により、第1端末の時間情報又は位置情報に基づいて第1端末チャネルコンディション情報を決定してもよい。
【0073】
本実施例において、第1端末が上り伝送又は下り伝送を行う前に、方法500を実行する基地局は、第1端末への設定情報の送信、参照信号の送信が必要ではなく、それに、第1端末もチャネルを測定して測定結果をフィードバックする必要がない。ステップS510において、第1端末の履歴情報のみに基づけば、第1端末用の上り伝送方式又は下り伝送方式を決定し、対応するスケジューリング情報を取得することができ、端末のフィードバックが必要とされていない。
【0074】
本開示の一例によれば、方法500が適用される場合、ランダムアクセス手順において第1端末から送信される信号に基づいて、前記第1端末の履歴情報を決定してもよい。例えば、方法500が適用される場合、ランダムアクセス手順において受信される第1端末から送信される、例えば、ランダムアクセスチャネルプリアンブル(PRACH preamble)、Msg3メッセージなどの信号の到達角に基づいて、第1端末の位置情報を決定してもよい。また、複数の基地局が協働して測位することにより、第1端末の位置情報を決定してもよい。また、例えば、方法500が適用される場合、ランダムアクセス手順において第1端末から送信される信号を受信した時間に基づいて、第1端末の出現時間情報を決定してもよい。また、例えば、方法500が適用される場合、ランダムアクセス手順において第1端末から送信される信号を受信した信号品質及び干渉強度(すなわち、上り測定結果)に基づいて、第1端末のチャネルコンディション情報を決定してもよい。第1端末のチャネルコンディション情報は、端末下りチャネルコンディション情報及び端末上りチャネルコンディション情報を含んでもよい。また、チャネルに互換性がある場合、上下りチャネルの品質情報が互換的に使用され得る。あるいは、上下りチャネル特性によって上下りチャネルコンディション情報のキャリブレーションを行ってもよい。
【0075】
本発明の他の一例によれば、方法500が適用される場合、過去の受信された第1端末からのデータ情報に基づいて、前記第1端末の履歴情報を決定してもよい。方法500が適用される場合、ランダムアクセス手順において第1端末から送信される信号と同様に、例えば、過去の受信される第1端末からのデータ情報の信号品質及び干渉強度に基づいて、第1端末のチャネルコンディション情報を決定してもよい。
【0076】
ステップS510において、ニューラルネットワークにより第1端末の履歴情報に基づいて、第1端末用のスケジューリング情報を決定する具体的な例について、既に
図3を参照しながら説明したので、ここでは説明を省略する。
【0077】
次に、ステップS520において、ステップS510で決定されたスケジューリング情報を第1端末に送信する。また、本発明の一例によれば、ステップS520において、下りデータをスケジューリング情報とともに第1端末に送信してもよい。
【0078】
上記のように、本実施例において、方法500を実行する基地局は、第1端末の履歴情報のみに基づけば、第1端末用の上り伝送方式又は下り伝送方式を決定し、対応するスケジューリング情報を取得することができ、端末のフィードバックが必要とされていない。本発明の一例によれば、方法500が実行される場合、第1端末に参照信号を設定しないことを通知することにより、第1端末は、参照信号に基づいて測定する必要がなく、それに、測定結果をフィードバックする必要がないことを知ることができる。具体的には、方法500が実行される場合、チャネル測定参照信号が利用不可である(disable)か又はチャネル測定参照信号を設定しないことを指示する第1シグナリングを第1端末に送信してもよい。また、方法500が実行される場合、プリコーディングフィードバックを行わないこと及びプリコーディングフィードバック以外のチャネル情報フィードバックを行わないことの少なくとも1つを第1端末に指示する第2シグナリングを第1端末に送信してもよい。例えば、下記のように、ニューラルネットワークにより端末との通信を行う場合、基地局200は、プリコーディングフィードバックを行わない第2シグナリングを送信してもよい。
【0079】
また、基地局と端末との間に長時間にわたってデータを交換しない可能性がある場合、履歴情報は、端末の現在状況を正確に反映できない可能性があると考えられる。本発明の一例によれば、基地局及び端末の少なくとも一方は、双方が所定時間内にデータを交換しない場合、相手にダミーデータを送信して、履歴情報を更新してもよい。本発明の他の一例によれば、端末と基地局との間にRACH情報が再送されてもよく、これにより、双方が履歴情報を更新しやすくなる。
【0080】
本開示の他の一例によれば、方法500を実行する基地局は、ニューラルネットワークにより端末との通信を行う場合、従来のコードブック(例えば、NRのコードブック)を必要とせずに、又は、ニューラルネットワークに関するコードブック、例えば、コードワードにニューラルネットワークに関するパラメータが含まれるコードブックを利用してもよい。方法500が実行される場合、従来のコードブックが利用不可であることか、又はニューラルネットワークに関するコードブックを使用することを指示す第3シグナリングを送信してもよい。
【0081】
したがって、本開示の一実施例によれば、端末によって実行される受信方法は、基地局からの第1シグナリングを受信するステップを含んでもよく、前記第1シグナリングに基づいて参照信号が利用可能であるか否か又は設定されたか否かを決定してもよい。本開示の他の一実施例によれば、端末によって実行される受信方法は、プリコーディングフィードバックを行わないこと及びプリコーディングフィードバック以外のチャネル情報フィードバックを行わないことの少なくとも1つを前記端末に指示する第2シグナリングを受信するステップを含んでもよい。第2シグナリングに基づいて対応するフィードバックを行う必要があるか否かを決定してもよい。本開示の他の一実施例によれば、端末によって実行される受信方法は、コードブックが利用不可であることを指示す第3シグナリングを受信するステップを含んでもよい。第3シグナリングに基づいてコードブックを使用しないと決定してもよい。また、第3シグナリングを受信した場合、プリコーディングフィードバックを行わないと決定してもよい。
【0082】
また、本開示の他の一例によれば、方法500が実行される場合、基地局は、少量の測定結果をフィードバックするように端末に指示し、該少量の測定結果及び第1端末の履歴情報の両方をニューラルネットワークの入力とすることにより、シグナリングオーバーヘッドを節約するとともに処理負荷を減少させる。具体的には、方法500において、前記第1端末からのフィードバック情報を受信してもよい。このとき、ステップS510において、フィードバック情報及び第1端末の履歴情報の両方に基づいて、第1端末用のスケジューリング情報を決定する。例えば、方法500を実行する基地局のニューラルネットワークが複数のレイヤを含んでもよく、ステップS510において、フィードバック情報を特定の中間層の入力としてもよい。
【0083】
図5を参照する例では、基地局によって実行される方法において、第1端末の履歴情報に基づいて、第1端末用のスケジューリング情報を決定する。本開示の他の態様によれば、該動作は端末によって実行される方法に含まれてもよい。
【0084】
図6は、本開示の一実施例に係る端末によって実行される方法のフローチャートである。
図6に示すように、方法600は、ステップS610とステップS620とを含む。ステップS610において、方法600を実行する端末の履歴情報に基づいて、該端末用のスケジューリング情報を決定してもよい。方法500と同様に、本開示の一例によれば、方法600を実行する端末もニューラルネットワークをサポートすることができる。ステップS610において、方法600を実行する端末の履歴情報を基地局のニューラルネットワークの入力とし、ニューラルネットワークにより、該端末用のスケジューリング情報を決定してもよい。例えば、履歴情報は、方法600を実行する端末の位置情報、出現時間情報、及び過去の下り信号に対する測定結果の少なくとも1つを含んでもよい。ステップS610において、ニューラルネットワークにより、方法600を実行する端末の自身のスケジューリング情報を決定するプロセスは、方法500の場合と同様であるため、ここでは詳細を省略する。
【0085】
次に、ステップS620において、ステップS610で決定されたスケジューリング情報を基地局に送信する。また、本開示の他の一例によれば、ステップS620において、上りデータをスケジューリング情報とともに基地局に送信してもよい。
【0086】
また、将来の通信システムでは、ニューラルネットワークをサポートする端末と、ニューラルネットワークをサポートしない端末とが同時に存在し、各端末のニューラルネットワークに対するサポート能力も異なる可能性がある。端末と基地局とがよりよく協働できるように、本開示の他の一例によれば、方法600が実行される場合、まず、方法600を実行する端末の、ニューラルネットワークに対するサポート能力に関する情報を基地局に送信してもよく、基地局は、送信される能力情報に基づいて、該端末のニューラルネットワークを設定してもよい。例えば、基地局は、ニューラルネットワークのネットワークレイヤ数、各レイヤのノード数、ノード接続関係、ネットワーク係数、活性化関数に関する設定情報を該端末に送信してもよい。そして、基地局は、特定のニューラルネットワーク設定を有する端末に対して、例えば、フィードバックを行うように該端末に指示したり、スケジューリング方式を自身で決定するように該端末に指示したりなどの動作を行う。
【0087】
<ハードウェア構成>
なお、上記実施の形態の説明に用いられたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0088】
例えば、本開示の一実施例におけるデバイス(例えば、第1通信デバイス、第2通信デバイス、フライトユーザ端末など)は、本開示の無線通信方法の処理を実行するコンピュータとして機能してもよい。
図7は、本開示の実施例に係るデバイス700(基地局又はユーザ端末)のハードウェア構成の概略図である。上述したデバイス700(基地局又はユーザ端末)は、物理的には、プロセッサ710、メモリ720、ストレージ730、通信装置740、入力装置750、出力装置760、バス770などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0089】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。ユーザ端末及び基地局のハードウェア構成は、図に示されている各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0090】
例えば、プロセッサ710は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、1以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、プロセッサ710は、1以上のチップによって実装されてもよい。
【0091】
デバイス700における各機能は、プロセッサ710、メモリ720などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ710が演算を行い、通信装置740による通信や、メモリ720及びストレージ730におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0092】
プロセッサ710は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ710は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述した決定部、調整部などは、プロセッサ710によって実現されてもよい。
【0093】
また、プロセッサ710は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ730及び/又は通信装置740からメモリ720に読み出し、これらの内容に従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、上述した端末又は基地局の処理部は、メモリ720に格納され、プロセッサ710で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0094】
メモリ720は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適宜の記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ720は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ720は、本発明の一実施の形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0095】
ストレージ730は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク(flexible disk)、フロッピー(登録商標)ディスク(floppy disk)、光磁気ディスク(例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM )など)、ディジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク、リムーバブル磁気ディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリ装置(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストリップ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ730は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0096】
通信装置740は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置740は、例えば周波数分割複信(FDD、Frequency Division Duplex)や時分割複信(TDD、Time Division Duplex)を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んでもよい。例えば、上述した送信部、受信部等は、通信装置740によって実現されてもよい。
【0097】
入力装置750は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置760は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、発光ダイオード(LED、Light Emitting Diode)ランプなど)である。なお、入力装置750及び出力装置760は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0098】
また、プロセッサ710やメモリ720などの各装置は、情報を通信するためのバス770で接続される。バス770は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0099】
また、基地局及びユーザ端末は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ710は、前記ハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0100】
(変形例)
なお、本明細書において説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
【0101】
また、本明細書において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスによって指示されてもよい。さらに、これらのパラメータが用いられる公式なども、本明細書に明示的に開示されているものとは異なってもよい。
【0102】
本明細書においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的なものではない。例えば、様々なチャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)など)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0103】
本明細書において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0104】
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ、及び/又は下位レイヤから上位レイヤへ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0105】
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0106】
情報の通知は、本明細書において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0107】
なお、物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))を用いて通知されてもよい。
【0108】
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
【0109】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0110】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0111】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0112】
本明細書において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0113】
本明細書においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「eNB」、「gNB」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」及び「コンポーネントキャリア」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0114】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head))によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び/又は基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0115】
本明細書においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」及び「端末」という用語は、互換的に使用され得る。移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0116】
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間(D2D:Device-to-Device)の通信に置き換えた構成について、本発明の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述のデバイス700における第1通信デバイスまたは第2通信デバイスが有する機能をユーザ端末が有する機能としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。例えば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
【0117】
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末が有する機能を第1通信デバイスまたは第2通信デバイスが有する機能としてもよい。
【0118】
本明細書において、基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもあるとする。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)を含むネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S-GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
【0119】
本明細書において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0120】
本明細書において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA3000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 920.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 920.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 920.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0121】
本明細書において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0122】
本明細書において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0123】
本明細書において使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0124】
本明細書において使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含んでもよい。要素間の結合又は接続は、物理的であっても、論理的であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」と読み替えられてもよい。本明細書において、2つの要素が、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び/又は光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0125】
本明細書又は請求の範囲において、「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0126】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本発明は、請求の範囲の記載に基づいて定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とし、本発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。