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特開2024-169706貸空間管理システム、貸空間利用管理装置、および貸空間利用管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024169706
(43)【公開日】2024-12-05
(54)【発明の名称】貸空間管理システム、貸空間利用管理装置、および貸空間利用管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/02 20120101AFI20241128BHJP
   G06Q 50/163 20240101ALI20241128BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q50/163
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024167392
(22)【出願日】2024-09-26
(62)【分割の表示】P 2020196637の分割
【原出願日】2020-11-27
(71)【出願人】
【識別番号】000198363
【氏名又は名称】IHI運搬機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 公基
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 博美
(57)【要約】
【課題】 貸空間を、簡易な手続きで、様々な利用形態に対応して効率よく利用するためのサービスを提供することが可能な、貸空間管理システム、貸空間利用管理装置、および貸空間利用管理方法を提供する。
【解決手段】 管理対象の複数の貸空間のうち、所定の利用者により予め確保された貸空間を利用者の確保空間とした管理情報を保持する提供者側装置111等と、利用者が操作する利用者側装置21と、利用者側装置21から、確保空間の中のいずれかを所定期間利用することを要求する利用要求情報を取得すると、利用要求情報で要求された確保空間以外の確保空間を、利用要求情報で指定された期間、一時的に他者が利用可能な一時フリー空間とするように管理情報を変更する貸空間利用管理装置30とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象の複数の貸空間のうち、所定の利用者により予め確保された貸空間を前記利用者の確保空間とした管理情報を保持する提供者側装置と、
前記利用者が操作する利用者側装置と、
前記利用者側装置から、前記確保空間の中のいずれかを所定期間利用することを要求する利用要求情報を取得すると、前記利用要求情報で要求された確保空間以外の確保空間を、前記利用要求情報で指定された期間、一時的に他者が利用可能な一時フリー空間とするように前記管理情報を変更する貸空間利用管理装置とを備えることを特徴とする貸空間管理システム。
【請求項2】
前記貸空間利用管理装置は、前記利用要求情報で指定された期間が経過したときに、利用中の前記一時フリー空間または確保空間があると判断すると、当該利用が終了するまでの間、前記利用者の確保空間以外のいずれかの貸空間を、一時的に前記利用者に確保させる一時確保空間とするように前記管理情報を変更することを特徴とする請求項1に記載の貸空間管理システム。
【請求項3】
管理対象の複数の貸空間のうち、所定の利用者により予め確保された貸空間を前記利用者の確保空間とした管理情報を保持する提供者側装置と、
前記利用者が操作する利用者側装置とに接続され、
前記利用者側装置から、前記確保空間の中のいずれかを所定期間利用することを要求する利用要求情報を取得すると、前記利用要求情報で要求された確保空間以外の確保空間を、前記利用要求情報で指定された期間、一時的に他者が利用可能な一時フリー空間とするように前記管理情報を変更する利用予約処理部を備えることを特徴とする貸空間利用管理装置。
【請求項4】
管理対象の複数の貸空間のうち、所定の利用者により予め確保された貸空間を前記利用者の確保空間とした管理情報を保持する提供者側装置と、
前記利用者が操作する利用者側装置とに接続された貸空間利用管理装置が、
前記利用者側装置から、前記確保空間の中のいずれかを所定期間利用することを要求する利用要求情報を取得すると、前記利用要求情報で要求された確保空間以外の確保空間を、前記利用要求情報で指定された期間、一時的に他者が利用可能な一時フリー空間とするように前記管理情報を変更することを特徴とする貸空間利用管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貸空間管理システム、貸空間利用管理装置、および貸空間利用管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
貸駐車場や貸倉庫など、所定サイズの空間を一定期間貸し出すサービスがある。これらのサービスを利用するには、利用前に様々な手続きが必要になる。例えば、月極契約などにより長期間利用する場合には、書面を用いて契約手続きや更新手続きを行う必要がある。また、時間貸しを利用する場合には、駐車券の発行手続きを行う必要がある。これらの手続きが発生することで、利用者に多くの手間がかかる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2016-515081号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、宅配サービスを行う物流業者は、効率良く配達業務を行うために配達先の近くに一時的に配達物を保管する空間を要する場合がある。このような利用に対して、上述したような貸駐車場や貸倉庫の時間貸しを利用することが有効であるが、従来の貸駐車場や貸倉庫は利用形態が限られている。例えば、駐車場は車両の駐車以外の利用には対応しておらず、また、貸倉庫は長期間の利用を前提としているため、上述したような宅配業者が荷物の配達のために一時的に貸空間を利用する等、様々な形態での柔軟な利用が困難であった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、貸空間を、簡易な手続きで、様々な利用形態に対応して効率よく利用するためのサービスを提供することが可能な、貸空間管理システム、貸空間利用管理装置、および貸空間利用管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の貸空間管理システムは、管理対象の複数の貸空間のうち、所定の利用者により予め確保された貸空間を前記利用者の確保空間とした管理情報を保持する提供者側装置と、前記利用者が操作する利用者側装置と、前記利用者側装置から、前記確保空間の中のいずれかを所定期間利用することを要求する利用要求情報を取得すると、前記利用要求情報で要求された確保空間以外の確保空間を、前記利用要求情報で指定された期間、一時的に他者が利用可能な一時フリー空間とするように前記管理情報を変更する貸空間利用管理装置とを備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の貸空間利用管理装置は、管理対象の複数の貸空間のうち、所定の利用者により予め確保された貸空間を前記利用者の確保空間とした管理情報を保持する提供者側装置と、前記利用者が操作する利用者側装置とに接続され、前記利用者側装置から、前記確保空間の中のいずれかを所定期間利用することを要求する利用要求情報を取得すると、前記利用要求情報で要求された確保空間以外の確保空間を、前記利用要求情報で指定された期間、一時的に他者が利用可能な一時フリー空間とするように前記管理情報を変更する利用予約処理部を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の貸空間利用管理方法は、管理対象の複数の貸空間のうち、所定の利用者により予め確保された貸空間を前記利用者の確保空間とした管理情報を保持する提供者側装置と、前記利用者が操作する利用者側装置とに接続された貸空間利用管理装置が、前記利用者側装置から、前記確保空間の中のいずれかを所定期間利用することを要求する利用要求情報を取得すると、前記利用要求情報で要求された確保空間以外の確保空間を、前記利用要求情報で指定された期間、一時的に他者が利用可能な一時フリー空間とするように前記管理情報を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の貸空間管理システム、貸空間利用管理装置、および貸空間利用管理方法によれば、貸空間を、簡易な手続きで、様々な利用形態に対応して効率よく利用するためのサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態による貸空間管理システムの構成を示すブロック図である。
図2】一実施形態による貸空間管理システムにおいて、個人の利用者が貸空間を利用する場合に実行する動作を示すシーケンス図である。
図3】一実施形態による貸空間管理システムにおいて、物流業者が利用前に、指定した貸空間を確保する際の動作を示すシーケンス図である。
図4】一実施形態による貸空間管理システムにおいて、物流業者が利用前に、指定した条件の貸空間を確保する際の動作を示すシーケンス図である。
図5】一実施形態による貸空間管理システムにおいて、物流業者が指定した貸空間を利用する際の動作を示すシーケンス図である。
図6】一実施形態による貸空間管理システムにおいて、物流業者が指定した条件の貸空間を利用する際の動作を示すシーケンス図である。
図7】一実施形態による貸空間管理システムにおいて、物流業者の利用期間が経過した際の動作を示すシーケンス図である。
図8】一実施形態による貸空間管理システムにおいて、第1の利用予約処理パターンによる予約処理を実行したときの各駐車空間の管理形態種別の変更状態を示す図である。
図9】一実施形態による貸空間管理システムにおいて、第2の利用予約処理パターンによる予約処理を実行したときの各駐車空間の管理形態種別の変更状態を示す図である。
図10】一実施形態による貸空間管理システムにおいて、第3の利用予約処理パターンによる予約処理を実行したときの各駐車空間の管理形態種別の変更状態を示す図である。
図11】一実施形態による貸空間管理システムにおいて、第3の利用予約処理パターンによる予約処理を実行し、利用期間が経過したときの各駐車空間の管理形態種別の変更状態を示す図である。
図12】一実施形態による貸空間管理システムにおいて、第4の利用予約処理パターンによる予約処理を実行したときの各駐車空間の管理形態種別の変更状態を示す図である。
図13】一実施形態による貸空間管理システムにおいて、第4の利用予約処理パターンによる予約処理を実行し、利用期間が経過したときの各駐車空間の管理形態種別の変更状態を示す図である。
図14】一実施形態による貸空間管理システムにおいて、第5の利用予約処理パターンによる予約処理を実行したときの各駐車空間の管理形態種別の変更状態を示す図である。
図15】一実施形態による貸空間管理システムにおいて、第6の利用予約処理パターンによる予約処理を実行したときの各駐車空間の管理形態種別の変更状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〈一実施形態による貸空間利用管理装置を用いた貸空間管理システムの構成〉
本発明の一実施形態による貸空間利用管理装置を用いた貸空間管理システムの構成について、図1を参照して説明する。本実施形態による貸空間管理システム1は、複数エリアにある複数の貸空間を管理対象とする。貸空間管理システム1は、管理対象の貸空間ごとに設置された、貸空間の提供者が管理する複数の提供者側装置と、利用者が操作する利用者側装置と、これらの提供者側装置および利用者側装置に通信接続された貸空間利用管理装置30とを備える。
【0012】
本実施形態においては、管理対象の設備としてエリアA内に6つの駐車場(第1駐車場11~第6駐車場16)があり、各駐車場は5つの駐車空間(i)~(v)を貸空間として有している。また、これらの駐車場にはそれぞれ管理装置(第1提供者側装置としての第1駐車場管理装置111~第6提供者側装置としての第6駐車場管理装置161)が設置されている。また、他の管理対象の設備としてエリアBに1つの駐車場(第7駐車場17)と倉庫18があり、各設備は複数の貸空間を有している。また、これらの設備ごとに管理装置(第7提供者側装置としての第7駐車場管理装置171と、第8提供者側装置としての倉庫管理装置181)が設置されている。
【0013】
各駐車場管理装置111、121、131、141、151、161、および171と、倉庫管理装置181は、該当する貸空間のサイズ情報と、耐重量情報と、管理形態の種別情報と、将来の利用予約情報および現在の利用状況の情報を含む利用状況情報と、EV充電器の有無情報と、屋内であるか屋外であるかを示す情報と、バリアフリーであるか否かを示す情報と、利用コストの情報とを、管理情報として保持する。管理形態の種別情報の詳細については、後述する。
【0014】
また、これらの貸空間の利用者Xが操作する利用者端末(第1利用者側装置)21が、貸空間利用管理装置30に通信接続されている。また、他の利用者である物流業者Yが管理する物流業者端末(第2利用者側装置)22が、貸空間利用管理装置30に通信接続されている。
【0015】
貸空間利用管理装置30は、空間確保処理部31と、利用予約処理部32と、管理情報処理部33とを有する。
【0016】
空間確保処理部31は、いずれかの利用者側装置から、所望の条件を指定した空間確保要求を取得すると、各提供者側装置に保持された管理情報に基づいて、エリアAおよびBにある貸空間の中から当該空間確保要求で指定された条件で、当該利用者側装置の利用者の利用のために確保する空間確保処理を行う。
【0017】
利用予約処理部32は、いずれかの利用者側装置から、所望の条件を指定した利用要求を取得すると、各提供者側装置に保持された管理情報に基づいて、エリアAおよびBにある貸空間の中から当該利用要求で指定された条件で利用可能な貸空間を検索して検索結果を該当する利用者側装置に送信する。そして、検索結果に含まれる貸空間の中から選択された少なくとも1つの貸空間の情報を該当する利用者側装置から取得すると、当該利用期間に当該貸空間を利用するための予約処理を行う。
【0018】
また利用予約処理部32は、予め貸空間を確保した利用者の利用者側装置から確保空間の中のいずれかを所定期間利用することを要求する利用要求情報を取得すると、当該利用要求情報で要求された確保空間以外の確保空間を、利用要求情報で指定された期間、一時的に他者が利用可能な一時フリー空間とするように、該当する提供者側装置の管理情報を変更する。
【0019】
管理情報処理部33は、空間確保処理部31で空間確保処理が実行される際、または利用予約処理部32で利用予約処理が実行される際に、各提供者側装置から管理情報を取得する。また管理情報処理部33は、空間確保処理部31または利用予約処理部32からの指示に基づいて、所定の提供者側装置に管理情報の変更依頼を送信する。
【0020】
〈一実施形態による貸空間管理システムの動作〉
次に、本実施形態による貸空間管理システム1の動作の例として、(1) 利用者Xが個人で貸空間を利用する場合と、(2) 物流業者Yが配送作業のために貸空間を利用する場合とについて説明する。
【0021】
本実施形態において、各提供者側装置は、各貸空間に関する管理形態の種別として、「フリー空き空間」、「フリー利用空間」、「確保空間」、「一時確保空間」、「一時フリー空間」、または「利用不可空間」の情報を保持している。種別「フリー空き空間」は、該当する貸空間が、利用者、利用期間、利用用途等が制限されていない一般利用可能なフリー空間であり、現在空き状態であることを示す。また、種別「フリー利用空間」は、該当する貸空間が、フリー空間であり現在利用中であることを示す。また、種別「確保空間」は、該当する貸空間が、後述するように所定の利用者により確保され一般利用が制限されていることを示す。また、種別「一時確保空間」は、該当する貸空間が、フリー空間であるが一時的に所定の利用者の確保空間として利用が制限されていることを示す。また、種別「一時フリー空間」は、該当する貸空間が、所定の利用者により確保されているが一時的にフリー空間として利用制限が解除されていることを示す。また、種別「利用不可空間」は、該当する貸空間が、月極契約等により既に利用者が特定されており、他者の利用が不可能であることを示す。
【0022】
(1) 利用者Xが個人で貸空間を利用する場合
利用者Xが個人で貸空間を利用する場合の処理について、図2のシーケンス図を参照して説明する。まず、利用者Xが利用者端末21を用いて希望する貸空間の利用条件として、利用期間の情報、利用場所(エリア)の情報、貸空間に収納する物の種別(利用用途)、サイズ情報、重量情報、選択オプション情報等を入力して利用要求操作を行う。
【0023】
例えば、利用者Xは利用期間の情報として、月極により定期利用をする場合の利用開始月の情報、または時間貸しによる1回単位の利用をする場合の利用開始時刻および利用終了時刻の情報を入力する。また、貸空間に収納する物の種別(利用用途)、サイズ情報、および重量情報としては、車両を駐車する場合には、車種および車番を入力する。また、倉庫を利用する場合には、収納する荷物のサイズ情報、重量情報、個数等を入力する。また、選択オプション情報としては、車両を駐車する場合には例えば、EV充電器の有無情報、屋内または屋外を指定する情報、バリアフリーであるか否かを示す情報、利用コストまたは目的地からの距離のいずれを優先させるかを示す情報等を入力する。また、倉庫を利用する場合には、空調の有無、温度・湿度のレベル、冷蔵設備の有無、作業空間の有無、駐車空間の有無等を入力する。
【0024】
ここでは利用者Xにより、時間貸しで利用する期間の情報と、利用場所としてエリアAを指定する情報と、駐車する車両の車種および車番と、屋内を指定する情報と、目的地からの距離よりも利用コストを優先させることを希望する情報が入力されたものとする。
【0025】
利用者Xがこれらの情報を入力して利用要求操作を行うと、利用者端末21で該当する利用要求情報が生成され、貸空間利用管理装置30に送信される(S1)。貸空間利用管理装置30は、利用者端末21から利用要求情報を取得すると、利用予約処理部32でこれを受け付ける(S2)。
【0026】
利用予約処理部32が利用要求情報を受け付けると、管理情報処理部33は、該当するエリアAの提供者側装置である第1駐車場管理装置111~第6駐車場管理装置161に対し、当該利用要求で指定された条件で利用可能な貸空間を問い合わせる(S3)。
【0027】
第1駐車場管理装置111~第6駐車場管理装置161はそれぞれ、保持している管理情報に基づいて指定された条件で一般利用可能な貸空間を検索し(S4)、検索結果を貸空間利用管理装置30に送信する(S5)。
【0028】
第1駐車場管理装置111~第6駐車場管理装置161から送信された検索結果は管理情報処理部33で取得され、利用予約処理部32に送出される。利用予約処理部32は、取得した検索結果に基づいて、当該利用要求で指定された条件で利用可能な貸空間をコスト優先で並べた空き空間リストを生成し、利用者端末21に送信する(S6)。
【0029】
利用者端末21は、貸空間利用管理装置30から送信された空き空間リスト情報を受信すると、自端末21の表示装置(図示せず)に当該空き空間リスト情報を表示させる(S7)。利用者Xは、表示された空き空間リスト情報を視認して、提示された中から利用する貸空間を選択する操作を行う。
【0030】
利用者端末21は、利用者Xにより選択された貸空間の情報として、例えば第1駐車場11の貸空間の情報を貸空間利用管理装置30に送信する(S8)。貸空間利用管理装置30は、選択された貸空間の情報を取得すると(S9)、該当する第1駐車場管理装置111に対し、該当する期間に該当する貸空間を利用するための予約を依頼する予約依頼情報を送信する(S10)。
【0031】
第1駐車場管理装置111は、取得した予約依頼情報に基づいて、保持している管理情報内の利用予約情報を更新して予約処理を実行する(S11)。第1駐車場管理装置111は、予約処理が完了すると、当該予約に関する識別情報である認証情報を含む予約完了通知を生成し、貸空間利用管理装置30に送信する(S12)。貸空間利用管理装置30は、取得した予約完了通知を、利用者端末21に転送する。
【0032】
利用者端末21は、予約完了通知を受信すると、自端末21の表示装置に表示させ、当該予約完了通知に含まれる認証情報を記憶する。利用者Xは、表示された予約完了通知を視認し、正常に貸空間の予約が完了したことを認識することができる。また、利用者Xは、利用者端末21に記憶された認証情報を用いて、該当する期間に該当する貸空間を利用することができる。
【0033】
上述したステップS7において利用者端末21に空き空間リスト情報が表示されたときに、利用者Xがいずれの貸空間も選択しなければ、処理を終了する。また、利用者端末21に空き空間リスト情報が表示されたときに、利用者Xが貸空間の利用条件を変更する操作を行った場合には、ステップS1に戻り、新たな条件で空き空間リスト情報が生成される。
【0034】
また、ステップS11において、取得した予約依頼情報に基づいて利用予約情報を更新することができなかった場合には、貸空間利用管理装置30は、選択された貸空間の予約ができなかったことを示す予約NG通知を生成して利用者端末21に送信する。予約NG通知を視認した利用者Xが貸空間の利用条件を変更する操作を行った場合には、ステップS1に戻り、新たな条件で空き空間リスト情報が生成される。ここで利用者Xが貸空間の利用条件を変更する操作を行わなかった場合には、処理を終了する。
【0035】
上述した処理により、個人利用者は、簡易な手続きで様々な利用形態に対応して効率よく貸空間を利用することができる。
【0036】
(2) 物流業者Yが配送作業のために貸空間を利用する場合
[空間確保処理]
物流業者Yが配送作業のために貸空間を利用する場合には、利用前に予め物流業者Y側の操作により、物流業者Yが貸空間を確保するための空間確保処理が行われる。空間確保処理の第1の例として、確保する空間を物流業者Y側で決定して実行する場合について、図3のシーケンス図を参照して説明する。物流業者Y側の物流業者端末22には、予め貸空間管理システム1で管理対象としている貸空間の情報が保持されている。また、各提供者側装置には、各貸空間に関する管理形態の種別として「フリー空き空間」の情報が保持されている。
【0037】
まず、物流業者Yのシステム管理者が物流業者端末22を用いて、貸空間利用管理装置30で管理している貸空間の中で、確保を希望する貸空間および空間数を指定して空間確保要求操作を行うと、物流業者端末22で該当する空間確保要求情報が生成され、貸空間利用管理装置30に送信される(S21)。貸空間利用管理装置30は、物流業者端末22から空間確保要求情報を取得すると、空間確保処理部31で当該要求を受け付ける(S22)。
【0038】
空間確保処理部31が空間確保要を受け付けると、管理情報処理部33は、該当する貸空間を物流業者Yの確保空間とするための管理形態変更要求情報を生成し、該当する提供者側装置に送信する(S23)。
【0039】
管理形態変更要求情報を取得した提供者側装置は、指定された個数の貸空間に関し、保持している管理情報内の管理形態の種別情報を「フリー空き空間」から「確保空間」に変更する(S24)。当該提供者側装置は、管理形態の種別情報を変更すると、種別情報の変更通知を生成し、貸空間利用管理装置30に送信する(S25)。貸空間利用管理装置30は、取得した種別情報の変更通知を、利用者端末21に転送する。
【0040】
利用者端末21は、種別情報の変更通知を受信すると、通知内容を自端末21の表示装置に表示させるとともに、通知内容に基づいて保持している貸空間の情報を更新する(S26)。
【0041】
次に、物流業者Yの操作により実行される空間確保処理の第2の例として、確保する空間を貸空間利用管理装置30で決定して実行する場合について、図4のシーケンス図を参照して説明する。
【0042】
まず、物流業者Yのシステム管理者が物流業者端末22を用いて、確保を希望する貸空間の条件を指定して空間確保要求操作を行うと、物流業者端末22で該当する空間確保要求情報が生成され、貸空間利用管理装置30に送信される(S31)。ここでシステム管理者は、確保を希望する貸空間の条件として、(a) 配送作業における配達エリアの情報+必要な貸空間の数、(b) 配達エリアの情報+必要な貸空間の数+配達先の住所情報、または、(c) 収納する荷物のサイズおよび個数のいずれかを指定する。
【0043】
この配達エリアの情報は、手動で入力してもよいし、物流システム内の情報に基づいて物流業者端末22が、過去の配送履歴に基づいて配送回数が多かった場所、または人口密度が高いエリアの中心に該当する場所を基準点として、当該基準点から近い(所定処理内の)と判定されたエリアの情報を用いるようにしてもよい。
【0044】
貸空間利用管理装置30は、物流業者端末22から空間確保要求情報を取得すると、空間確保処理部31でこれを受け付ける(S32)。空間確保処理部31が空間確保要求情報を受け付けると、管理情報処理部33は該当するエリアの提供者側装置から管理情報を取得し、この管理情報に基づいて、該当するエリアにある貸空間の中から、受け付けた空間確保要求で指定された条件に対応可能な貸空間を確保する貸空間として決定する。そして、管理情報処理部33は、確保すると決定した貸空間を物流業者Yの確保空間とするための管理形態変更要求情報を生成し、該当する提供者側装置に送信する(S33)。以降、ステップS34~S36で実行される処理は、上述したステップS24~S26の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0045】
[利用予約処理]
上述した処理により空間確保処理が行われた後、物流業者Y側の操作により貸空間を利用する際に利用予約処理が行われる。利用予約処理の第1の例として、利用する空間を物流業者Y側で決定して実行する場合について、図5のシーケンス図を参照して説明する。
【0046】
まず、物流業者Yのシステム管理者が物流業者端末22を用いて、配送計画に基づいて、(d)確保した貸空間の中で利用する貸空間と、(e)その利用期間と、(f)利用しない貸空間(未使用空間)とを指定して利用要求操作を行う。システム管理者が利用要求操作を行うと、指定された情報を含む利用要求情報が物流業者端末22で生成され、貸空間利用管理装置30に送信される(S41)。貸空間利用管理装置30は、物流業者端末22から利用要求情報を取得すると、利用予約処理部32で当該要求を受け付ける(S42)。
【0047】
利用予約処理部32が利用要求を受け付けると、管理情報処理部33は、当該利用要求で指定された(f)未使用空間に関し、該当する提供者側装置に(e)の利用期間中、一時的にフリー空間とする利用制限解除による管理形態種別の変更を依頼する(S43)。
【0048】
未使用空間の利用制限解除依頼を取得した提供者側装置は、該当する貸空間に関し、保持している管理情報内の管理形態の種別情報を「確保空間」から「一時フリー空間」に変更する(S44)。当該提供者側装置は、管理形態の種別情報を変更すると、当該貸空間に関する種別情報の変更通知を生成し、貸空間利用管理装置30に送信する(S45)。貸空間利用管理装置30は、取得した種別情報の変更通知を、物流業者端末22に転送する。
【0049】
物流業者端末22は、種別情報の変更通知を受信すると、通知内容を自端末22の表示装置(図示せず)に表示させるとともに、通知内容に基づいて保持している貸空間の情報を更新する(S46)。
【0050】
次に、物流業者Yの操作により実行される利用予約処理の第2の例として、利用する空間を貸空間利用管理装置30で決定して実行する場合について、図6のシーケンス図を参照して説明する。
【0051】
まず、物流業者Yのシステム管理者が物流業者端末22を用いて、所定の配送計画(第1配送計画および第2配送計画)に関して利用を希望する貸空間の条件を指定して利用要求操作を行うと、物流業者端末22で該当する利用要求情報が生成され、貸空間利用管理装置30に送信される(S51)。ここでシステム管理者は、上記2つの配送計画に関して利用を希望する貸空間の条件として、(a) 配送作業における配達エリアの情報+必要な貸空間の数、(b) 配達エリアの情報+必要な貸空間の数+配達先の住所情報、または、(c) 収納する荷物のサイズおよび個数、のいずれかと、(e)その利用期間とを指定する。貸空間利用管理装置30は、物流業者端末22から利用要求情報を取得すると、利用予約処理部32で当該要求を受け付ける(S52)。
【0052】
利用予約処理部32が利用要求を受け付けると、管理情報処理部33は、当該利用要求で指定された条件および各駐車場管理装置111~161から取得する管理情報に基づいて、物流業者Yに確保された中から利用する貸空間を決定する。そして、管理情報処理部33は、この決定に基づいて、確保された空間の中から物流業者Yが利用しない未使用空間を特定する。さらに管理情報処理部33は、特定した未使用空間に該当する提供者側装置に(e)の利用期間中、一時的にフリー空間とする利用制限解除による管理形態種別の変更を依頼する(S53)。
【0053】
未使用空間の利用制限解除依頼を取得した提供者側装置は、該当する貸空間に関し、保持している管理情報内の管理形態の種別情報を「確保空間」から「一時フリー空間」に変更する(S54)。当該提供者側装置は、管理形態の種別情報を変更すると、当該貸空間に関する種別情報の変更通知を生成し、貸空間利用管理装置30に送信する(S55)。貸空間利用管理装置30は、取得した種別情報の変更通知を、物流業者端末22に転送する。
【0054】
物流業者端末22は、種別情報の変更通知を受信すると、通知内容を自端末22の表示装置に表示させるとともに、通知内容に基づいて保持している貸空間の情報を更新する(S56)。
【0055】
次に、物流業者Yの(e)利用期間が経過したときに、利用中の一時フリー空間または確保空間がある場合の処理について、図7のシーケンス図を参照して説明する。
【0056】
物流業者Yの(e)利用期間が経過したときに、利用中の一時フリー空間または確保空間があると判断すると(S61の「YES」)、管理情報処理部33は、当該利用が終了するまでの間、他のフリー空き空間を一時的に物流業者Yの確保空間(一時確保空間)とする利用制限設定による管理形態種別の変更を依頼する(S62)。
【0057】
フリー空き空間の利用制限設定依頼を取得した提供者側装置は、該当する貸空間に関し、保持している管理情報内の管理形態の種別を「フリー空き空間」から「一時確保空間」に変更する(S63)。当該提供者側装置は、管理形態の種別情報を変更すると、当該貸空間に関する管理情報の変更通知を生成し、貸空間利用管理装置30に送信する(S64)。貸空間利用管理装置30は、取得した管理情報の変更通知を、物流業者端末22に転送する。
【0058】
物流業者端末22は、管理情報の変更通知を受信すると、通知内容を自端末22の表示装置に表示させるとともに、通知内容に基づいて保持している貸空間の情報を更新する(S65)。
【0059】
その後、利用中であった一時フリー空間または確保空間の利用がすべて終了すると(S66の「YES」)、管理情報処理部33は、変更した利用形態の種別を初期状態、つまり空間確保処理が行われた直後の状態に戻すように、該当する提供者側装置に依頼する(S67)。
【0060】
依頼を取得した提供者側装置は、該当する貸空間に関し、「一時フリー空間」を「確保空間」に変更し、「一時確保空間」を「フリー空き空間」に変更する(S68)。当該提供者側装置は、管理形態の種別情報を変更すると、当該貸空間に関する管理情報の変更通知を生成し、貸空間利用管理装置30に送信する(S69)。貸空間利用管理装置30は、取得した管理情報の変更通知を、物流業者端末22に転送する。
【0061】
物流業者端末22は、管理情報の変更通知を受信すると、通知内容を自端末22の表示装置に表示させるとともに、通知内容に基づいて保持している貸空間の情報を更新する(S70)。
【0062】
また、他の例として、物流業者Yの(e)利用期間が経過したときに利用中の一時フリー空間または確保空間があった場合に、管理情報処理部33が、当該利用中の空間をフリー利用空間に変更するとともに、同じ駐車場内の他のフリー空き空間を物流業者Yの確保空間とする変更を依頼するようにしてもよい。この依頼に基づいて該当する提供者側装置が管理情報を変更したときには、利用中の一時フリー空間または確保空間の利用が終了したときには、利用が終了した一時フリー空間はフリー空き空間となり、利用が終了した確保空間はそのまま確保空間の状態が維持される。
【0063】
上述した利用予約処理の具体例として、以下の6つのパターンについて図8図15を参照して説明する。図中の「F」はフリー空き空間を示し、「Fu」はフリー利用空間を示し、「確」は確保空間を示し、「F確」は一時確保空間を示し、「Fa」は一時フリー空間を示し、「不」は利用不可空間を示す。
【0064】
(第1の利用予約処理パターン)
図8(a)は、利用要求により指定されたエリアAの第1駐車場11~第6駐車場16それぞれの駐車空間(i)~(v)に関し、貸空間利用管理装置30が駐車場管理装置111~161から取得した最新の管理情報内の管理形態の種別を示している。
【0065】
ここでは、上述した空間確保処理の2つの例のいずれかにより、物流業者Yに対し、第1駐車場11の駐車空間(i)~(iii)、第2駐車場の駐車空間(i)~(iii)、および第5駐車場15の駐車空間(i)~(iii)の9つの空間が確保されている。
【0066】
また貸空間利用管理装置30は、物流業者端末22から送信された利用要求情報に基づいて、第1配送計画で必要な貸空間の数が3つ、第2配送計画で必要な貸空間の数が2つと認識したものとする(S51、S52)。
【0067】
貸空間利用管理装置30は、2つの配送計画それぞれで予定している配送先を考慮しつつ、確保した空間の中から物流業者Yが利用する貸空間を決定する。具体的には、第1配送計画における配送先が第1駐車場11に近いため、第1配送計画に利用する空間を第1駐車場11の駐車空間(i)~(iii)とし、第2配送計画における配送先が第5駐車場15に近いため、第2配送計画に利用する空間を第5駐車場15の駐車空間(i)および(ii)として決定する。
【0068】
貸空間利用管理装置30は、この決定に基づいて、確保した空間のうち第2駐車場12の駐車空間(i)~(iii)および第5駐車場15の駐車空間(iii)を、利用しない未使用空間として特定する。そして、貸空間利用管理装置30は、第2駐車場管理装置121および第5駐車場管理装置151に、該当する管理形態種別の変更を依頼する(S53)。
【0069】
依頼を取得した第2駐車場管理装置121は、第2駐車場12の駐車空間(i)~(iii)の管理形態の種別を「確保空間(確)」から「一時フリー空間(Fa)」に変更し、第5駐車場管理装置151は、第5駐車場15の駐車空間(iii)の管理形態の種別を「確保空間(確)」から「一時フリー空間(Fa)」に変更する(S54)。第2駐車場管理装置121および第5駐車場管理装置151は、管理形態の種別を変更すると、当該駐車空間に関する種別情報の変更通知を生成し、貸空間利用管理装置30に送信する(S55)。
【0070】
貸空間利用管理装置30が取得した変更通知に基づいて変更した管理情報を、図8(b)に示す。図8(b)においては、管理形態の種別が変更された駐車空間を、太線で示している。
【0071】
貸空間利用管理装置30は、取得した変更通知を物流業者端末22に転送し、物流業者端末22は、取得した通知内容に基づいて保持している貸空間の情報を更新する(S56)。
【0072】
その後、物流業者端末22からの利用要求情報で指定されていた利用期間が経過したときに、一時フリー空間の駐車空間が空き状態であれば(S61の「NO」)、貸空間利用管理装置30からの依頼により各駐車場管理装置が、管理形態の種別を図8(a)の状態に戻す(S67~S70)。
【0073】
(第2の利用予約処理パターン)
第1の利用予約処理パターンと同様にして、物流業者Yに対し、図9(a)に示すように第1駐車場11の駐車空間(i)~(iii)、第2駐車場の駐車空間(i)~(iii)、および第5駐車場15の駐車空間(i)~(iii)の9つの空間が確保され、貸空間利用管理装置30が、第1配送計画で必要な貸空間の数が3つ、第2配送計画で必要な貸空間の数が2つと認識したものとする(S51、S52)。
【0074】
貸空間利用管理装置30は、第1配送計画における配送先と第2配送計画における配送先とがともに第2駐車場12に近いため、第1配送計画に利用する空間を第2駐車場12の駐車空間(i)~(iii)とし、第2配送計画に利用する空間を第2駐車場12の駐車空間(iv)および(v)として決定する。このとき、第2駐車場12の駐車空間(iv)および(v)は確保空間ではないがフリー空き空間で利用可能であるため、一時確保空間として利用する。そして、第1駐車場11の駐車空間(i)~(iii)および第5駐車場15の駐車空間(i)~(iii)を未使用空間として特定する。
【0075】
これにより、該当する駐車場管理装置で未使用空間の管理形態の種別が変更され、変更された情報が図9(b)に示すように貸空間利用管理装置30で取得される(S53~S55)。また、変更された情報は物流業者端末22においても取得され、保持している情報が更新される(S56)。
【0076】
その後、物流業者端末22からの利用要求情報で指定されていた利用期間が経過したときに、図9(c)に示すように、空き状態の一時フリー空間の管理情報種別が確保空間に戻される。ここで、一時フリー空間である第5駐車場15の駐車空間(i)が利用中であった場合には(S61の「YES」)、貸空間利用管理装置30からの依頼により当該利用中の駐車空間がフリー利用空間に変更され、同じ第5駐車場内のフリー空き空間である駐車空間(iv)が確保空間に変更される(S62~S65)。
【0077】
(第3の利用予約処理パターン)
第1の利用予約処理パターンと同様にして、物流業者Yに対し、図10(a)に示すように第1駐車場11の駐車空間(i)~(iii)、第2駐車場の駐車空間(i)~(iii)、および第5駐車場15の駐車空間(i)~(iii)の9つの空間が確保され、貸空間利用管理装置30が、第1配送計画で必要な貸空間の数が3つ、第2配送計画で必要な貸空間の数が2つと認識したものとする(S51、S52)。
【0078】
貸空間利用管理装置30は、第1配送計画における配送先が第1駐車場11に近いため、第1配送計画に利用する空間を第1駐車場11の駐車空間(i)~(iii)とし、第2配送計画における配送先が第2駐車場12に近いため、第2配送計画に利用する空間を第2駐車場12の駐車空間(i)および(ii)として決定する。そして、第2駐車場12の駐車空間(iii)および第5駐車場15の駐車空間(i)~(iii)を未使用空間として特定する。
【0079】
これにより、該当する駐車場管理装置で未使用空間の管理形態の種別が変更され、変更された情報が図10(b)に示すように貸空間利用管理装置30で取得される(S53~S55)。また、変更された情報は物流業者端末22においても取得され、保持している情報が更新される(S56)。
【0080】
その後、物流業者端末22からの利用要求情報で指定されていた利用期間が経過したときに、図11(a)に示すように、空き状態の一時フリー空間の管理情報種別が確保空間に戻される。ここで、一時フリー空間である第5駐車場15の駐車空間(i)および(ii)が利用中であった場合には(S61の「YES」)、貸空間利用管理装置30からの依頼により第5駐車場15の駐車空間(i)~(iii)に近い第6駐車場16の駐車空間(i)~(iii)が一時確保空間に変更され、第5駐車場の駐車空間(i)~(iii)はまとめて一時フリー空間の状態が継続される(S62~S65)。
【0081】
または、利用期間が経過したときに、一時フリー空間である第5駐車場15の駐車空間(i)および(ii)が利用中であった場合に(S61の「YES」)、図11(b)に示すように、第5駐車場15内で確保可能な駐車空間(iii)および(iv)と、第6駐車場16の駐車空間(i)を一時確保空間に変更し、利用中の第5駐車場15の駐車空間(i)および(ii)のみについて一時フリー空間の状態を継続するようにしてもよい(S62~S65)。
【0082】
その後、一時フリー空間の利用がすべて終了すると(S66の「YES」)、貸空間利用管理装置30からの依頼により図10(a)の状態に戻される(S67~S70)。
【0083】
(第4の利用予約処理パターン)
第1の利用予約処理パターンと同様にして、物流業者Yに対し、図12(a)に示すように第1駐車場11の駐車空間(i)~(iii)、第2駐車場の駐車空間(i)~(iii)、および第5駐車場15の駐車空間(i)~(iii)の9つの空間が確保され、貸空間利用管理装置30が、第1配送計画で必要な貸空間の数が3つ、第2配送計画で必要な貸空間の数が2つと認識したものとする(S51、S52)。
【0084】
貸空間利用管理装置30は、第1配送計画における配送先と第2配送計画における配送先とがともに第2駐車場12に近いため、第1配送計画に利用する空間を第2駐車場12の駐車空間(i)~(iii)とし、第2配送計画に利用する空間を第2駐車場12の駐車空間(iv)および(v)として決定する。このとき、第2駐車場12(iv)および(v)は確保空間ではないがフリー空き空間で利用可能であるため、一時確保空間として利用する。そして、第1駐車場11の駐車空間(i)~(iii)および第5駐車場15の駐車空間(i)~(iii)を未使用空間として特定する。
【0085】
これにより、該当する駐車場管理装置で未使用空間の管理形態の種別が変更され、変更された情報が図12(b)に示すように貸空間利用管理装置30で取得される(S53~S55)。また、変更された情報は物流業者端末22においても取得され、保持している情報が更新される(S56)。
【0086】
その後、物流業者端末22からの利用要求情報で指定されていた利用期間が経過したときに、図12(c)に示すように、空き状態の一時フリー空間の管理情報種別が確保空間に戻される。ここで、確保空間の中の第2駐車場12の駐車空間(i)が利用中であった場合には(S61の「YES」)、貸空間利用管理装置30からの依頼により当該第2駐車場12内のフリー空き空間である駐車空間(iv)が一時確保空間のまま継続される(S62~S65)。
【0087】
または、利用期間が経過したときに、第2駐車場12の駐車空間(i)が利用中であり(S61の「YES」)、当該第2駐車場12内の一時確保空間(iv)および(v)に直後から利用の予約が入っている場合には、他の駐車場のフリー空き空間、例えば図13(a)に示すように、第5駐車場15の駐車空間(iv)が一時確保空間に変更される。これらのいずれかの処理により、物流業者Yが次の配送計画で利用可能な確保空間が、初期状態と同様に9つ確保される。
【0088】
その後、第2駐車場12の駐車空間(i)の利用が終了すると(S66の「YES」)、貸空間利用管理装置30からの依頼により図12(a)の状態に戻される(S67~S70)。
【0089】
また、物流業者端末22からの利用要求情報で指定されていた利用期間が経過したときに、図13(b)に示すように、初期状態に戻すことにより、物流業者Yが次の配送計画で利用可能な確保空間を一時的に8つとするようにしてもよい。
【0090】
(第5の利用予約処理パターン)
第1の利用予約処理パターンと同様にして、物流業者Yに対し、図14(a)に示すように第1駐車場11の駐車空間(i)~(iii)、第2駐車場の駐車空間(i)~(iii)、および第5駐車場15の駐車空間(i)~(iii)の9つの空間が確保され、貸空間利用管理装置30が、第1配送計画で必要な貸空間の数が3つ、第3配送計画で必要な貸空間の数が5つと認識したものとする(S51、S52)。
【0091】
貸空間利用管理装置30は、第1配送計画における配送先が第1駐車場11に近いため、第1配送計画に利用する空間を第1駐車場11の駐車空間(i)~(iii)とし、第3配送計画における配送先が第5駐車場15に近いため、第3配送計画に利用する空間を第5駐車場15の駐車空間(i)~(v)として決定する。このとき、第5駐車場15の駐車空間(iv)および(v)は確保空間ではないがフリー空き空間で利用可能であるため、一時確保空間として利用する。そして、第2駐車場12の駐車空間(i)~(iii)を未使用空間として特定する。
【0092】
これにより、該当する駐車場管理装置で未使用空間の管理形態の種別が変更され、変更された情報が図14(b)に示すように貸空間利用管理装置30で取得される(S53~S55)。また、変更された情報は物流業者端末22においても取得され、保持している情報が更新される(S56)。
【0093】
その後、物流業者端末22からの利用要求情報で指定されていた利用期間が経過したときに、一時フリー空間の駐車空間が空き状態であれば(S61の「NO」)、貸空間利用管理装置30からの依頼により各駐車場管理装置が、管理形態の種別を図14(a)の状態に戻す(S67~S70)。
【0094】
(第6の利用予約処理パターン)
第1の利用予約処理パターンと同様にして、物流業者Yに対し、図15(a)に示すように第1駐車場11の駐車空間(i)~(iii)、第2駐車場の駐車空間(i)~(iii)、および第5駐車場15の駐車空間(i)~(iii)の9つの空間が確保され、貸空間利用管理装置30が、第1配送計画で必要な貸空間の数が3つ、第3配送計画で必要な貸空間の数が5つと認識したものとする(S51、S52)。
【0095】
貸空間利用管理装置30は、第1配送計画における配送先が第1駐車場11に近いため、第1配送計画に利用する空間を第1駐車場11の駐車空間(i)~(iii)とする。また、貸空間利用管理装置30は、第3配送計画における配送先が第5駐車場15に近いため、第3配送計画に利用する空間5つのうち第5駐車場15で確保している駐車空間(i)~(iii)をまず利用対象とする。ここでは、第5駐車場15の駐車空間(iv)および(v)はフリー空間であるか利用中であるため、貸空間利用管理装置30はとりあえず、他の確保空間である第2駐車場12の駐車空間(i)および(ii)を利用対象とし、第2駐車場の駐車空間(iii)を未使用空間として特定する。
【0096】
そして貸空間利用管理装置30の依頼により、第2駐車場12の駐車空間(iii)の管理形態の種別が一時フリー空間に変更され、変更された情報が図15(b)に示すように貸空間利用管理装置30で取得される(S53~S55)。また、変更された情報は物流業者端末22においても取得され、保持している情報が更新される(S56)。
【0097】
その後、第5駐車場15の駐車空間(iv)および(v)の利用が終了すると、貸空間利用管理装置30の依頼により、第5駐車場15の駐車空間(iv)および(v)が一時確保空間に変更され、第2駐車場12の駐車空間(i)および(ii)がフリー空き空間に変更される。
【0098】
上述したように、様々なパターンで適宜管理情報を変更しながら利用予約処理を行うことで、物流業者は、様々な状況に応じた利用形態で、効率よく且つ確実に貸空間を利用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1 貸空間管理システム
11 第1駐車場
12 第2駐車場
13 第3駐車場
14 第4駐車場
15 第5駐車場
16 第6駐車場
17 第7駐車場
18 倉庫
21 利用者端末(第1利用者側装置)
22 物流業者端末(第2利用者側装置)
30 貸空間利用管理装置
31 空間確保処理部
32 利用予約処理部
33 管理情報処理部
111 第1駐車場管理装置
121 第2駐車場管理装置
131 第3駐車場管理装置
141 第4駐車場管理装置
151 第5駐車場管理装置
161 第6駐車場管理装置
171 第7駐車場管理装置
181 倉庫管理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15